JP2006120856A - 半導体発光素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動電圧を上昇させることなく、n型コンタクト層の結晶性の高品質化により発光出力を上昇させ、且つ構造の簡略化によりスループットの向上でコストを下げる半導体発光素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】n型コンタクト層10の第1層として、n型不純物濃度が2×1019cm-3以上の高キャリア濃度n型半導体層1を形成し、その上に、n型コンタクト層10の第2層として、n型不純物濃度が2×1017cm-3以下の低キャリア濃度n型半導体層7を、成長時のV/III比が1500以下、成長温度が1150℃以上で形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】n型コンタクト層10の第1層として、n型不純物濃度が2×1019cm-3以上の高キャリア濃度n型半導体層1を形成し、その上に、n型コンタクト層10の第2層として、n型不純物濃度が2×1017cm-3以下の低キャリア濃度n型半導体層7を、成長時のV/III比が1500以下、成長温度が1150℃以上で形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は紫外、青色レーザダイオード、紫外、青色発光ダイオード等の半導体発光素子の製造方法に関わる。詳しくは、気相成長法により窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化インジウム及びそれらの混晶(AlGaInN)からなる高キャリア濃度n型半導体層を形成することで、コンタクト抵抗、直列抵抗を非常に低下させ、且つその上に、低V/III比、高温度成長された低キャリア濃度n型半導体層を形成することで、結晶性を改善し発光出力を非常に高めた発光デバイスの製造方法に関するものである。
従来、紫外、青色発光ダイオードでは駆動電圧が高くなりやすく、その解決の手段の一つとして、n型コンタクト層を高キャリア濃度にすることが行われていた。しかし、III族窒化物半導体層において、n型半導体層を高キャリア濃度にすると転位を生じやすく、結晶の質が劣化するため、高出力化を妨げる原因となっていた。
結晶の質の劣化を抑制する方法として、特開2002−094112号公報(特許文献1)に挙げられるような、基板と高キャリア濃度n型半導体層との間に低キャリア濃度n型半導体層を挟み、さらに高キャリア濃度n型半導体層と発光層の間に低キャリア濃度n型半導体層を挟む構造が考案された。
図7にこの半導体発光素子の構造を示す。図示するように、この特許文献1では、サファイア基板201上に、AlNバッファ層202を介して、順に、シリコンドープn型GaN層(第1低キャリア濃度層)231、シリコンドープn+型GaN層(高キャリア濃度層)203、シリコンドープn型GaN層(第2低キャリア濃度層)204、発光層205、マグネシウムドープp型AlGaNクラッド層271、マグネシウムドープGaN第1コンタクト層272、マグネシウムドープp+型GaN第2コンタクト層273が形成される。そして、第2コンタクト層273の上面全体にNi/Auの二重層からなる透明電極209が形成され、その透明電極209の隅の部分にNi/Auの二重層からなるボンディングパッド210が形成される。又、シリコンドープn+型GaN層(高キャリア濃度層)203上にはAlからなる電極208が形成される。
この半導体素子は、有機金属気相成長法(MOVPE法)により製造されるが、特に第1低キャリア濃度層231、高キャリア濃度層203、第2低キャリア濃度層204については、次のようにして製造される。
AlNバッファ層202を形成したサファイア基板201の温度を1100℃に保持し、H2を20 l/分、NH3を10 l/分、トリメチルガリウム(TMG)を1.12×10-4モル/分、H2ガスにより0.86ppmに希釈されたシランを20×10-9モル/分で36分導入し、膜厚約0.6μm、電子濃度1×1018/cm3、シリコン濃度2×1018/cm3のシリコン(Si)ドープGaNからなる第1低キャリア濃度層231を形成する。
次に、サファイア基板201の温度を1150℃に保持し、H2を20 l/分、NH3を10 l/分、TMGを1.7×10-4モル/分、H2ガスにより0.86ppmに希釈されたシランを20×10-8モル/分で40分導入し、膜厚約4.0μm、電子濃度1×1018/cm3、シリコン濃度 4×1018/cm3のシリコン(Si)ドープGaNからなる高キャリア濃度層203を形成する。
上記の高キャリア濃度層203を形成した後、続いて温度を1100℃に保持し、H2を20 l/分、NH3 を10 l/分、TMGを1.12×10-4モル/分、H2ガスにより0.86ppmに希釈されたシランを10×10-9モル/分で30分導入し、膜厚約0.5μm、電子濃度 5×1017/cm3、シリコン濃度 1×1018/cm3のシリコン(Si)ドープGaN から成る第2低キャリア濃度層204を形成する。
特開2002−094112号公報
上述した特許文献1の如き構造を採る理由は次による。すなわち、バッファ層の上にシリコンを高濃度に添加した高キャリア濃度層を形成して、その上に順次、上の層を形成した場合、高キャリア濃度層が不純物を多量に含んでいる結果、結晶性が良くなく、従って、その上に形成される各層の結晶性も良くない。そこで、バッファ層を除いて、基板上に最初に形成される層をなるべく不純物濃度の低い層とすれば、以後、その上に形成される各層の結晶性が良くなり、発光輝度、発光出力が向上する。
しかしながら、かかる構造では、基板上に最初に形成される低キャリア濃度層、つまりシリコンドープn型GaN層(第1低キャリア濃度層)231が存在するため、それだけ成長時間が長くなり、スループットが下がるためコストがかかってしまう。また、シリコンドープn+型GaN層(高キャリア濃度層)203のうえにシリコンドープn型GaN層(第2低キャリア濃度層)204を通常のV/III比(少なくとも1200以上)で、通常の成長温度(1100℃前後)で成長するだけでは、高キャリア濃度層で劣化した結晶性を回復させることができず、発光出力も改善されていなかった。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、紫外、青色発光ダイオード等における駆動電圧を上昇させることなく、結晶性の高品質化により発光出力を上昇させ、且つ構造の簡略化によりスループットの向上でコストを下げ得る半導体発光素子の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1の発明に係る半導体発光素子の製造方法は、III族窒化物半導体層の積層により形成され、n型コンタクト層、n型クラッド層、活性層、p型クラッド層、p型コンタクト層を有する半導体発光素子を気相成長法により製造する方法において、前記n型コンタクト層の第1層として、n型不純物濃度が2×1019cm-3以上の高キャリア濃度n型半導体層を形成し、その上に、n型コンタクト層の第2層として、n型不純物濃度が2×1017cm-3以下の低キャリア濃度n型半導体層を、成長時のV/III比が1500以下、成長温度が1150℃以上で形成することを特徴とする。
請求項2の発明に係る半導体発光素子の製造方法は、III族窒化物半導体層の積層により形成され、n型コンタクト層、n型クラッド層、活性層、p型クラッド層、p型コンタクト層を有する半導体発光素子を気相成長法により製造する方法において、前記n型コンタクト層の第1層として、n型不純物濃度が2×1019cm-3以上の高キャリア濃度n型半導体層を形成し、その上に、n型コンタクト層の第2層として、n型不純物濃度が2×1017cm-3以下の低キャリア濃度n型半導体層を、成長時のV/III比が1500以下、成長温度が1150℃以上で、膜厚が0.1μm以上0.3μm以下で形成することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の半導体発光素子の製造方法において、前記高キャリア濃度n型半導体層及び前記低キャリア濃度n型半導体層を、AlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)により形成することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、前記高キャリア濃度n型半導体層及び前記低キャリア濃度n型半導体層のn型不純物として、シリコン、炭素、酸素、ベリリウムのいずれかを用いることを特徴とする。
<発明の要点>
本発明の要点は、気相成長法により窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化インジウム及びそれらの混晶(AlGaInN)からなるn型コンタクト層の第1層として、高キャリア濃度n型半導体層を形成することでコンタクト抵抗、直列抵抗を非常に低下させ、且つその上に、n型コンタクト層の第2層として、低V/III比、高温度成長された低キャリア濃度n型半導体層を形成することで、結晶の質を改善し発光出力を非常に高めた発光素子を製造する方法にある。
本発明の要点は、気相成長法により窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化インジウム及びそれらの混晶(AlGaInN)からなるn型コンタクト層の第1層として、高キャリア濃度n型半導体層を形成することでコンタクト抵抗、直列抵抗を非常に低下させ、且つその上に、n型コンタクト層の第2層として、低V/III比、高温度成長された低キャリア濃度n型半導体層を形成することで、結晶の質を改善し発光出力を非常に高めた発光素子を製造する方法にある。
既に述べたように、紫外、青色発光ダイオードでは駆動電圧が高くなりやすく、その解決の手段の一つとして、n型コンタクト層として高キャリア濃度n型半導体層を形成することが行われている。しかし、III族窒化物半導体層のn型不純物濃度を高くすると、三次元成長しやすくなり、転位が生じやすく、結晶の質が劣化するため、高出力化を妨げる原因となってしまう。
これに対し、本発明に従って、高キャリア濃度n型半導体層の上に、低V/III比(成長時のV/III比が1500以下)で高温度成長(成長温度が1150℃以上)された低キャリア濃度n型半導体層は、横方向成長しやすく、高キャリア濃度n型半導体層で劣化した結晶の質を改善する効果がある。
また本発明によれば、低キャリア濃度n型半導体層を成長するのは1回ですむため、構造が簡略化されスループットが上昇する。
なお、この低キャリア濃度n型半導体層を厚くしすぎると、直列抵抗の増加につながり、我々の検討では、0.3μm以下にしないと実際の使用に耐えられないことがわかった。
詳述するに、本発明では、n型コンタクト層の第1層として形成された、n型不純物濃度が5×1019cm-3以上の高キャリア濃度n型半導体層の上に、n型コンタクト層の第2層として、n型不純物濃度が2×1017cm-3以下の低キャリア濃度n型半導体層を形成した構造にし、且つこの低キャリア濃度n型半導体層を成長するときのV/III比は1500以下(好ましくは1200以下)、成長温度は1150℃以上(好ましくは1180℃以上)、膜厚は0.1μm以上0.3μm以下にする。
ここで、低キャリア濃度n型半導体層の膜厚を0.1μm以上0.3μm以下としたのは、結晶性の良くない高キャリア濃度n型半導体層の上に、結晶性を改善するための低キャリア濃度n型半導体層を形成する構造を採っていることから、低キャリア濃度n型半導体層の膜厚が0.1μm未満だと薄すぎて結晶性を改善する効果がなく、また、0.3μmを超えると厚すぎて、図4に示すように駆動電圧の上昇を引き起こすからである。
なお、低キャリア濃度n型半導体層においてn型不純物濃度を2×1017cm-3以下としたのは、n型不純物濃度が2×1017cm-3を超えた領域では、「転位密度」と「膜の連続性」という2種類の物理的要因を反映するXRD半値幅が大きくなるからである。Si原子は点欠陥的に結晶にドーピングされるため、GaN結晶の横方向成長を阻害(点欠陥はしばしば結晶成長をピン止めする働きがある)する。ゆえに、低キャリア濃度とすることで、横方向成長を促進させようとするものである。
次に、低キャリア濃度n型半導体層を成長するときのV/III比を1500以下としたのは、V/III比が1500を超えるとGaNの結晶性の指標となるXRD半値幅が大きくなり、図6に示すように発光出力(20mA通電時)が1.4mW以下となってしまうが、これに対し、低キャリア濃度n型半導体層を成長するときのV/III比が1500以下である場合には、1.6mW程度の高い発光出力が得られるからである。
また、低キャリア濃度n型半導体層の成長温度を1150℃以上としたのは、1150℃より低い成長温度では表面が白濁してしまい、図5に示すように発光出力(20mA通電時)が1.2mW以下となってしまうのに対し、低キャリア濃度n型半導体層の成長温度が1150℃以上である場合には、白濁が起こらず、1.6mW程度の高い発光出力が得られるからである。
本発明によれば、気相成長法によりn型コンタクト層の第1層として、n型不純物濃度が2×1019cm-3以上の高キャリア濃度n型半導体層を形成しているので、コンタクト抵抗、直列抵抗を非常に低下させることができる。また、この高キャリア濃度n型半導体層により劣化した結晶性の改善については、高キャリア濃度n型半導体層の上に、n型コンタクト層の第2層として、n型不純物濃度が2×1017cm-3以下の低キャリア濃度n型半導体層を、成長時のV/III比が1500以下という低V/III比、且つ成長温度が1150℃以上という高温度成長の条件下で、膜厚を0.1μm以上0.3μm以下にて形成するので、劣化した結晶性を有効に改善し、駆動電圧を上昇させずに発光出力を非常に高めることができる。
このように、本発明の発光素子の製造方法によれば、駆動電圧を上昇させずに発光出力を高めることができる。また結晶性が高まるため、発光デバイスの長寿命化に効果がある。さらには成長時間が短縮されるためスループットが上昇しコスト削減につながる。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
本発明の効果を確認するため、実施例及び従来例として図1、図2の半導体発光ダイオード(LED)を試作した。半導体層の材料としては、AlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)より任意に選択し使用することができるが、ここではAlxGayIn1-x-yN(x=0、y=1)、つまり、GaNの場合を例にした。
[従来例]
説明の便宜上、従来例の発光ダイオード(図2)の試作例から説明する。
説明の便宜上、従来例の発光ダイオード(図2)の試作例から説明する。
MOVPE装置にてサファイア基板上(0001面)にエピタキシャル成長で図2のLED構造を作製した。各原料は、ガリウム(Ga)原料としてトリメチルガリウム(TMG)、窒素(N)原料としてアンモニア(NH3)、インジウム(In)原料としてトリメチルインジウム(TMI)、p型ドーパント原料としてビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)、n型ドーパント原料としてモノシラン(SiH4)、を使用した。
図2において、サファイア基板(図示せず)を有機洗浄したのち、成長圧力135Torrで、バッファ層(図示せず)を成長させ、その上に、n型コンタクト層の第1層として、シリコン(Si)ドープGaNからなる低キャリア濃度n型半導体層8を成長温度1080℃で膜厚0.6μmに成長した。
その上に、n型コンタクト層10の第2層として、成長温度は1080℃、シリコン(Si)ドープGaNからなる高キャリア濃度n型半導体層1を成長させた。膜厚は4μm、シリコン(Si)濃度(n型不純物濃度)は2×1019cm-3である。
そして、この高キャリア濃度n型半導体層1の上に、シリコン(Si)ドープGaNからなるn型クラッド層2を成長させた。Si濃度(n型不純物濃度)は1.5×1017cm-3である。ここまでのV族原料とIII族原料の供給量比、いわゆるV/III比は2500である。
次に、成長温度を760℃まで落とし、活性層3として、InGaN/GaNの多重量子井戸活性層を形成した。このとき膜厚はInGaN/GaNで2nm/10nm、ペア数は7ペアである。しかし、他の構造の活性層とすることもできる。
次に、成長温度を1120℃まで上昇させ、マグネシウム(Mg)ドープGaNからなるp型クラッド層4を成長した。このとき膜厚は0.1μmで、マグネシウム(Mg)濃度(p型不純物濃度)は2×1019cm-3である。
その上に、マグネシウム(Mg)ドープGaNからなるp型コンタクト層5を成長させた。このとき膜厚は0.2μmで、マグネシウム(Mg)濃度(p型不純物濃度)は3.5×1019cm-3である。なお、各層におけるドーパントの濃度は2次イオン質量分析法(SIMS)で測定した。
このようにして形成したエピタキシャルウェハの表面にフォトリソグラフィーでレジストをパターニングし、反応性イオンエッチング(RIE)でエッチング(BCl3ガスを使用)することにより、高キャリア濃度n型半導体層(n型コンタクト1)を露出させた。n型コンタクト層10、p型コンタクト層5に電極6を蒸着により形成した。そのときの電極材料はn型コンタクト層10に対してはTi/Alで300Å/1500Å、また、p型コンタクト層5に対してはNi/Auで200Å/5000Åであり、電極の形状は100μm×100μmの正方形である。
次に、電極6をN2雰囲気下、390℃の熱処理で合金化させ、ダイサーでフルカットし、ダイボンディング、ワイヤーボンディングを施して、LED素子を作製した。図1に、このようにして作製したLED素子の断面図を示す。
このLED素子を評価したところ、発光波長は465nm、発光出力は20mA通電時で1.02mW、駆動電圧は20mA通電時で3.52Vという値であった。
[実施例]
次に、本発明の実施例の発光ダイオード(図1)の試作例を説明する。
次に、本発明の実施例の発光ダイオード(図1)の試作例を説明する。
本発明の実施例に係る発光ダイオードの製造方法においては、上述の従来例とは、高キャリア濃度n型半導体層1の下に低キャリア濃度半導体層8を形成せず、高キャリア濃度n型半導体層1の上に低キャリア濃度n型半導体層7を形成した以外は同じとした。
つまり、図1において、サファイア基板(図示せず)を有機洗浄したのち、成長圧力135Torrで、バッファ層(図示せず)を成長させ、その上に、n型コンタクト層10の第1層として、成長温度は1080℃、シリコン(Si)ドープGaN からなる高キャリア濃度n型半導体層1を成長させた。膜厚は4μm、Si濃度(n型不純物濃度)は2×1019cm-3である。
そして、この高キャリア濃度n型半導体層1の上に、n型コンタクト層10の第2層として、シリコン(Si)ドープGaNからなる低キャリア濃度n型半導体層7を、シリコン(Si)濃度(n型不純物濃度)を1.5×1017cm-3、成長温度を1180℃、V/III比を1200で、厚さを0.25μmで積層した。
そして、この低キャリア濃度n型半導体層7の上に、従来例と同様に、n型クラッド層2、活性層3、p型クラッド層4、p型コンタクト層5を積層した。
次に、この構造をRIE(反応性イオンエッチング)でエッチングして、高キャリア濃度n型半導体層(n型コンタクト層1)を露出させたあと、従来例と同様のプロセス(電極形成、合金化、ダイシング、ダイボンディング、ワイヤーボンディング等)を施しLED素子を作製した。図1にこのようにして作製したLED素子の断面図を示す。
このLED素子を評価したところ、低キャリア濃度n型半導体層7の膜厚が0.3μmのものは、発光波長は465nm、発光出力は20mA通電時で1.62mW、駆動電圧は20mA通電時で3.48Vであった。すなわち、従来例の発光出力1.02mW、駆動電圧3.52Vに較べ、本実施例の発光ダイオードでは発光出力は0.6mW増大し、駆動電圧は0.04V低くなった。
<最適条件について>
LED特性と低キャリア濃度n型半導体層7の膜厚との関係を調査するため、GaNからなる低キャリア濃度n型半導体層7の膜厚を0.1〜0.5μmの間で変化させて積層したものを作製した。このときのシリコン(Si)濃度(n型不純物濃度)は1.5×1017cm-3で固定し、成長温度は1180℃で固定した。低キャリア濃度n型半導体層7の膜厚と発光出力の関係を図3に、また駆動電圧との関係を図4に示す。これらから、低キャリア濃度n型半導体層7の膜厚を0.3μmより薄くすると、発光出力が下がるという不利益を伴うものの、駆動電圧が低下するという利点が得られること、逆に、低キャリア濃度n型半導体層7の膜厚を0.3μmより厚くすると駆動電圧が高くなることがわかった。
LED特性と低キャリア濃度n型半導体層7の膜厚との関係を調査するため、GaNからなる低キャリア濃度n型半導体層7の膜厚を0.1〜0.5μmの間で変化させて積層したものを作製した。このときのシリコン(Si)濃度(n型不純物濃度)は1.5×1017cm-3で固定し、成長温度は1180℃で固定した。低キャリア濃度n型半導体層7の膜厚と発光出力の関係を図3に、また駆動電圧との関係を図4に示す。これらから、低キャリア濃度n型半導体層7の膜厚を0.3μmより薄くすると、発光出力が下がるという不利益を伴うものの、駆動電圧が低下するという利点が得られること、逆に、低キャリア濃度n型半導体層7の膜厚を0.3μmより厚くすると駆動電圧が高くなることがわかった。
LED特性と低キャリア濃度n型半導体層7の成長温度との関係を調査するため、GaNからなる低キャリア濃度n型半導体層7の成長温度を1080℃〜1220℃として成長し積層したものを作製した。低キャリア濃度n型半導体層7の膜厚は0.3μmで固定し、V/III比は1200で固定した。このときの低キャリア濃度n型半導体層7の成長温度と発光出力の関係を図5に示す。これらから、成長温度は発光出力と関係をもち、成長温度が1150℃以上で発光出力が1.2mWを超え、特に1180℃以上では1.6mWに達することがわかる。従って、低キャリア濃度n型半導体層7を成長するときの成長温度は1150℃以上、好ましくは1180℃以上とするのが良い。
LED特性と低キャリア濃度n型半導体層7の成長時のV/III比の関係を調査するため、低キャリア濃度n型半導体層7のV/III比を800〜2500で積層したものを作製した。低キャリア濃度n型半導体層7の膜厚は0.3μmで固定し、成長温度は1180℃で固定した。V/III比800で成長したものは表面が白濁してしまった。このときの低キャリア濃度n型半導体層7のV/III比と発光出力の関係を図6に示す。これらから、成長時のV/III比は発光出力と関係をもち、V/III比が1500以下で発光出力が1.4mWを超え、特に1200以下では1.6mWに達することがわかる。従って、低キャリア濃度n型半導体層7を成長するときのV/III比は1500以下、好ましくは1200以下とするのが良い。
以上より、低キャリア濃度n型半導体層7を形成することによる発光出力の増加は、表面の再構成が活発である条件(V/III比が1500以下という低V/III比、成長温度が1150℃以上という高温度成長)で成長されたときに顕著な効果が現れることがわかる。
上記実施例ではn型不純物としてシリコン(Si)を用いたが、シリコン(Si)、炭素(C)、酸素(O)、ベリリウム(Be)のいずれをも用いることができる。
1 高キャリア濃度n型半導体層
2 n型クラッド層
3 活性層
4 p型クラッド層
5 p型コンタクト層
6 電極
7 低キャリア濃度n型半導体層
8 低キャリア濃度n型半導体層
10 n型コンタクト層
2 n型クラッド層
3 活性層
4 p型クラッド層
5 p型コンタクト層
6 電極
7 低キャリア濃度n型半導体層
8 低キャリア濃度n型半導体層
10 n型コンタクト層
Claims (4)
- III族窒化物半導体層の積層により形成され、n型コンタクト層、n型クラッド層、活性層、p型クラッド層、p型コンタクト層を有する半導体発光素子を気相成長法により製造する方法において、
前記n型コンタクト層の第1層として、n型不純物濃度が2×1019cm-3以上の高キャリア濃度n型半導体層を形成し、
その上に、n型コンタクト層の第2層として、n型不純物濃度が2×1017cm-3以下の低キャリア濃度n型半導体層を、成長時のV/III比が1500以下、成長温度が1150℃以上で形成することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。 - III族窒化物半導体層の積層により形成され、n型コンタクト層、n型クラッド層、活性層、p型クラッド層、p型コンタクト層を有する半導体発光素子を気相成長法により製造する方法において、
前記n型コンタクト層の第1層として、n型不純物濃度が2×1019cm-3以上の高キャリア濃度n型半導体層を形成し、
その上に、n型コンタクト層の第2層として、n型不純物濃度が2×1017cm-3以下の低キャリア濃度n型半導体層を、成長時のV/III比が1500以下、成長温度が1150℃以上で、膜厚が0.1μm以上0.3μm以下で形成することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。 - 前記高キャリア濃度n型半導体層及び前記低キャリア濃度n型半導体層を、AlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)により形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記高キャリア濃度n型半導体層及び前記低キャリア濃度n型半導体層のn型不純物として、シリコン、炭素、酸素、ベリリウムのいずれかを用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法。
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