JP2006120498A - コンタクト及びこのコンタクトを利用したコネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 互いに電気的に接離する対をなすコンタクトは、それぞれ磁性を有し、かつ、互いに吸着するように少なくともいずれか一方を着磁せしめたものである。また、絶縁基部材の表面に導電体でコンタクトを形成し、かつ、このコンタクトの接触部付近の背後に位置した絶縁基部材の内部に着磁体を埋設して形成することもできる。着磁体を絶縁物に埋設するには、粒状の磁性体に非磁性体で被覆し、着磁して絶縁基部材の成型時に一体に埋め込む方法、絶縁物の硬化前の軟質な段階でフェライト磁性粉をローラにかけてフェライト結晶の磁化方法を揃えた後、着磁する方法などがある。このような構成により、電気的な接続が確実で、小型化が可能となり、製造工程が単純で、安価に提供できる。
【選択図】 図1
Description
このようなコネクタでは、プラグとレセプタクルのいずれか一方のコンタクトをプリント配線などにより固定的に形成し、他方のコンタクトをばね性のある細板状に形成して互いに接離する構造としている。ばね性のある細板状に形成したコンタクトでは、コンタクトが可動するように湾曲させなければならず、それだけ余分な隙間を必要とし、また、接離を繰り返すと、捩れたり、接触圧の不足するものが生じたりして、確実に接続できないことがあったり、隣同士が短絡したりし、しかも、小型化の要求に応えられないという問題があった。
この磁石コネクタ10は、図6に示すように、第1のコネクタ11と第2のコネクタ21とで構成されている。第1のコネクタ11は、図6(a)に示すように、両側を2段に折曲した導電体14が両端部でプリント基板15に接続され、この接続部のやや内側の両側で絶縁体12に固定され、この絶縁体12の凹部17と導電体14の突出部18とで形成される空間16に磁石13を収納する。したがって、磁石13は空間16内で自由に移動可能となっている。
このような構成において、図6(b)に示されるように、第1のコネクタ11が第2のコネクタ21に嵌合すると、磁石13と磁石23の吸着力により導電体14と導電体24が接触する。
(1)第1のコネクタ11では、導電体14と絶縁体12の間の空間16に磁石13が遊嵌され、また、第2のコネクタ21では、導電体24とプリント基板25の間に磁石23が遊嵌されているので、高さ方向に高くなって、小型化に限度がある。
(2)第1のコネクタ11では、導電体14を絶縁体12に固定したり、導電体24を絶縁体22に固定したり、磁石13を空間16に嵌め込んだりする製造工程を必要とし、また、第2のコネクタ21でも同様の製造工程を必要とするなど、製造工程が多くなり、製造が複雑である。
(3)導電体14と導電体24を幅方向に多数並べた磁石コネクタ10では、背後の磁石13や磁石23が導電体14や導電体24に接触すると、短絡事故の原因になるので、導電体14と磁石13との接触部及び導電体24と磁石23との接触部において絶縁処理をしなければならず、それだけ作業工程が増え、コストアップになる。
また、絶縁基部材の表面に導電体でコンタクトを形成し、かつ、このコンタクトの接触部付近の背後に位置した絶縁基部材の内部に着磁体を埋設して形成したものとすることができる。着磁体を絶縁物に埋設するには、粒状の磁性体に非磁性体で被覆し、着磁して絶縁基部材の成型時に一体に埋め込む方法、絶縁物の硬化前の軟質な段階でフェライト磁性粉をローラにかけてフェライト結晶の磁化方法を揃えた後、着磁する方法などがある。
このような構成により、電気的な接続が確実で、小型化が可能となり、製造工程が単純で、安価に提供することができる。
また、互いに電気的に接離する磁性体コンタクトを具備したコンタクトにおいて、これらのコンタクトは、それぞれ絶縁基部材と、これらの絶縁基部材におけるそれぞれの内部に埋設され、互いに吸着するように少なくともいずれか一方を着磁した磁性体と、前記それぞれの絶縁基部材の表面に形成した導電材とからなる。
前記磁性体は、例えば、粒状のニッケル粒子体を金メッキ層で被覆し、着磁したものを複数個の塊りとし、この塊りを導電材の接離する位置に臨ませた絶縁基部材の内部に埋設する。
図1(a)において、30は、プラグなどの第1のコネクタで、31は、レセプタクル等の第2のコネクタである。
前記第1のコネクタ30は、縦に細長い第1のコネクタ用ハウジング32と、このハウジング32の長さ方向に所定間隔で設けられた複数個の第1のコネクタ用磁性体コンタクト34からなる。前記第1のコネクタ用ハウジング32は、鍔部32aと挿入部32bとで構成され、さらに、前記第1のコネクタ用磁性体コンタクト34は、挿入部32bの下端面から上端部まで延び、かつ、上下端部がやや外方へ突出して設けられている。
磁性体40と磁性体41とを必要以上に磁力を持たせないようにすることで、第1のコネクタ30と第2のコネクタ31とを容易に離脱させることができる。
具体的には、図3(a)において、第1のコネクタ30は、ICカードなどであって、この第1のコネクタ30をカードコネクタである第2のコネクタ31に挿抜する例を示している。前記第1のコネクタ30には、摺動しながら挿抜される側面に第1のコネクタ用磁性体コンタクト34が形成され、また、第2のコネクタ31の内部には、前記第1のコネクタ用磁性体コンタクト34と平行な内側面に第2のコネクタ用磁性体コンタクト35が形成されている。
第1のコネクタ用磁性体コンタクト34と第2のコネクタ用磁性体コンタクト35が複数個所にある場合も同様に構成される。
第1のコネクタ30の挿抜方向は、磁性体40と磁性体41の磁力線と直交又は交差する方向であるから、比較的強い磁力を持たせても、第1のコネクタ30と第2のコネクタ31とを容易に離脱させることができる。
図4において、第1のコネクタ用磁性体コンタクト34の基板となる絶縁基部材36が液状又は軟質な状態のときに、フェライト磁石粉末46を混ぜ合わせる。フェライト磁石粉末46は、結晶が6角形で扁平な形をしており、軸方向に磁化された単一磁区になっている。導電材38と混練したままでは、フェライト磁石粉末45は、それぞれが勝手な方向を向いている。そこで、図4(a)に示すように、ローラ44で両側から圧延されると、略一方向に揃えられて圧延と直交する方向に異方性を持つようになる。この状態で硬化したものを第1のコネクタ用磁性体コンタクト34の絶縁基部材とし、側面に導電材38を形成し、かつ、着磁する。
同様に、第2のコネクタ用磁性体コンタクト35についても絶縁基部材37にフェライト磁石粉末46を混練し、圧延して硬化し、導電材39を形成し、かつ、第1のコネクタ用磁性体コンタクト34と吸着する方向に着磁する。
しかし、第1のコネクタ用磁性体コンタクト34及び第2のコネクタ用磁性体コンタクト35は、それぞれ複数個の導電材につき1個の共通の絶縁基部材とし、この絶縁基部材の内部に共通の磁性体を埋設し、外側面に個々の導電材を所定間隔で形成することができる。
この第1のコネクタ用磁性体コンタクト34の上端部に臨ませたプリント基板28の位置に磁性体47が設けられ、この磁性体47に電極パターン49を形成する。そして、第1のコネクタ用磁性体コンタクト34と磁性体47の少なくともいずれか一方を磁石とすることで、互いに吸着し、電極パターン49と第1のコネクタ用磁性体コンタクト34の上端部とが半田なしで電気的、機械的に接続される。なお、磁性体47が1個の磁性体コンタクト34に対応するものでなく、並設された複数個の磁性体コンタクト34に共通のものである場合など、磁性体47に電極パターン49を形成することで電極パターン49の配線が磁性体47で短絡する恐れがあるときは、図(b−1)に示すように、磁性体47と電極パターン49との間に絶縁層51を介在するか、図(b−2)に示すように、磁性体47と電極パターン49との間にプリント基板28の一部を残した絶縁層51を介在する。
また、図4(b)における実施例においても、同様にそれぞれのコンタクト34と35は、ともに絶縁材料の内部にフェライト磁石粉末を混練し、圧延して磁化方向を揃えてから硬化した絶縁基部材と、この絶縁基部材の表面に形成した導電材とで構成してもよいし、少なくともいずれか一方のみこのような構成とし、他方は、他の構成とするようにしてもよい。
Claims (10)
- 互いに電気的に接離する対をなすコンタクトにおいて、これらのコンタクトは、それぞれ磁性体からなり、かつ、互いに吸着するように少なくともいずれか一方を着磁せしめたことを特徴とするコンタクト。
- 互いに電気的に接離する対をなすコンタクトにおいて、これらのコンタクトは、それぞれ磁性体であって、少なくともいずれか一方が導電材を被覆した磁性体からなり、かつ、互いに吸着するように少なくともいずれか一方の磁性体を着磁せしめたことを特徴とするコンタクト。
- 互いに電気的に接離する対をなすコンタクトにおいて、これらのコンタクトは、それぞれ磁性体であって、少なくともいずれか一方が磁性体を被覆した導電材からなり、かつ、互いに吸着するように少なくともいずれか一方の磁性体を着磁せしめたことを特徴とするコンタクト。
- 互いに電気的に接離する対をなすコンタクトにおいて、これらのコンタクトは、それぞれ磁性をもち、かつ、互いに吸着するように少なくともいずれか一方を着磁し、前記コンタクトのうち少なくともいずれか一方は、絶縁基部材と、これらの絶縁基部材におけるそれぞれの内部に埋設された磁性体と、前記絶縁基部材の表面に形成した導電材とからなることを特徴とするコンタクト。
- 磁性体は、粒状のニッケル粒子体を金メッキ層で被覆して着磁したものを複数個の塊りとし、この塊りを導電材の接離する位置に臨ませた絶縁基部材の内部に埋設したことを特徴とする請求項4記載のコンタクト。
- 磁性体は、互いの磁力線とそれぞれの導電材の接離する方向とを略同一方向としたことを特徴とする請求項4又は5記載のコンタクト。
- 磁性体は、互いの磁力線とそれぞれの導電材の接離する方向とを交差する方向としたことを特徴とする請求項4又は5記載のコンタクト。
- 互いに電気的に接離する対をなすコンタクトにおいて、これらのコンタクトは、それぞれ磁性をもち、かつ、互いに吸着するように少なくともいずれか一方を着磁し、前記コンタクトのうち少なくともいずれか一方は、絶縁材料の内部にフェライト磁石粉末を混練し、圧延して磁化方向を揃えてから硬化した絶縁基部材と、この絶縁基部材の表面に形成した導電材とからなることを特徴とするコンタクト。
- プリント基板の電極パターンに電気的に接続するコンタクトを具備したコネクタにおいて、前記コンタクトを磁性体で構成するとともに、前記プリント基板に磁性体を配置し、前記磁性体からなるコンタクトとプリント基板に配置した磁性体とを、電極パターンを挟んで互いに吸着するように少なくともいずれか一方の磁性体を着磁せしめたことを特徴とするコネクタ。
- プリント基板の電極パターンに電気的に接続するコンタクトを具備した第1のコネクタとプリント基板の電極パターンに電気的に接続するコンタクトを具備した第2のコネクタとを互いに接離するコネクタにおいて、前記第1及び第2のコネクタのそれぞれのコンタクトを磁性体で構成するとともに、前記それぞれのプリント基板に磁性体を配置し、前記第1及び第2のコネクタの磁性体からなるコンタクトと前記それぞれのプリント基板に配置した磁性体とを、電極パターンを挟んで互いに吸着するとともに、前記第1及び第2のコネクタの磁性体からなるコンタクト同士が互いに吸着するように対向する少なくともいずれか一方の磁性体を着磁せしめたことを特徴とするコネクタ。
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