JP2006119218A - 液晶滴下工法用着色シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents

液晶滴下工法用着色シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶滴下工法により液晶表示素子を製造する際において、基板上に形成したシールパターンの形状を容易に確認することができ、シールパターンの破れ等の不具合を発生させることなく液晶表示素子を製造することができる液晶滴下工法用着色シール剤、上下導通材料及び液晶表示を提供する。
【解決手段】反応性官能基を有する硬化性化合物、可視光領域に少なくとも一つの吸光度の極大値を有する着色成分、光重合開始剤及び/又は熱硬化剤を含有する液晶滴下工法用着色シール剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶滴下工法により液晶表示素子を製造する際において、基板上に形成したシールパターンの形状を容易に確認することができ、シールパターンの破れ等の不具合を発生させることなく液晶表示素子を製造することができる液晶滴下工法用着色シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子に関する。
近年、液晶表示セル等の液晶表示素子の製造方法は、タクトタイム短縮を目的として、従来の真空注入方式から、光硬化型の樹脂組成物からなるシール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶滴下方式にかわりつつある。滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線を照射して仮硬化を行う。その後、必要に応じて液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができ、現在この滴下工法が液晶表示の製造方法の主流となっている。
このような滴下工法により液晶表示素子を製造する場合において、シール剤を透明基板上に塗布し、シールパターンを形成する際、シール剤の脱泡が不充分である等の不具合により、シールパターン形成に使用されるシール剤量が、通常の塗布に使用される量よりも少なくなり、他の透明基板を貼り合わせた後のシール剤の断面積が小さくなってしまうことがある。また、滴下工法による液晶表示素子の製造では、上下基板を貼り合せる際にシールパターン内に空気が入らないように真空下で行われるが、真空状態から大気圧に戻すときに、シール剤に空気が差込む現象が生じることがあった。
一方、滴下工法における液晶表示セルの製造には、基板や液晶の紫外線による劣化の懸念から、主に熱硬化によりシール剤を硬化させる方法もある。しかし、この場合、加熱工程においてシール剤の軟化により、シール剤の形状が崩れる等の不具合が発生することがあった。
このような状態で製造された液晶表示素子は、上下基板間の接着力が弱くなるため、液晶が漏れ出したり、長期間使用した際の信頼性が低下したりすることがある。
そのため、滴下工法により液晶表示素子を製造する際には、透明基板上に形成したシールパターンの形状に異常がないことを確認しながら行うことが必要となる。
ところが、従来、滴下工法による液晶表示素子の製造に使用されていたシール剤は透明であったため、透明基板上に形成したシールパターンを確認することは非常に困難であった。
本発明は、上記現状に鑑み、液晶滴下工法により液晶表示素子を製造する際において、基板上に形成したシールパターンの形状を容易に確認することができ、シールパターンの破れ等の不具合を発生させることなく液晶表示素子を製造することができる液晶滴下工法用着色シール剤、上下導通材料及び液晶表示を提供することを目的とする。
本発明は、反応性官能基を有する硬化性化合物、可視光領域に少なくとも一つの吸光度の
極大値を有する着色成分、光重合開始剤及び/又は熱硬化剤を含有する液晶滴下工法用着色シール剤である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の液晶滴下工法用着色シール剤(以下、本発明の着色シール剤ともいう)は、反応性官能基を有する硬化性化合物と、光重合開始剤及び/又は熱硬化剤を含有する。
本発明の着色シール剤は、上記反応性官能基を有する硬化性化合物と光重合開始剤及び/又は熱硬化剤とを含有することにより、光及び/又は熱によって反応を開始するものであり、光を照射及び/又は加熱することにより硬化させることができる。即ち、上記反応性官能基を有する硬化性化合物と、光重合開始剤及び/又は熱硬化剤とを含有する本発明の着色シール剤を用いることにより、滴下工法による液晶表示素子の製造が可能となる。
上記反応性官能基を有する硬化性化合物としては光照射及び/又は加熱により硬化可能な官能基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、不飽和二重結合を有する硬化性化合物、エポキシ基、オキセタニル基等を含有する化合物が挙げられる。
上記不飽和二重結合を有する硬化性化合物としては特に限定されず、例えば、ビニル基、ビニルエーテル基、アリル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、マレイミド基、(メタ)アクリル基等を有する樹脂が挙げられ、なかでも反応性の面より(メタ)アクリル基を有する樹脂が好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル基とは、アクリル基又はメタクリル基のことをいう。
また、上記不飽和二重結合を有する硬化性化合物は、液晶汚染を防止する観点から水素結合性官能基を有する化合物であることが好ましく、なかでも、水素結合性官能基と(メタ)アクリル基とを有する樹脂であることが好ましい。
上記水素結合性官能基とは、水素結合性を有する官能基又は残基等であれば特に限定されず、例えば、−OH基、−NH基、−NHR基(Rは、芳香族又は脂肪族炭化水素、及び、これらの誘導体を表す)、−COOH基、−CONH基、−NHOH基等の官能基を有するものや、分子内に−NHCO−結合、−NH−結合、−CONHCO−結合、−NH−NH−結合等の残基を有するもの等が挙げられる。上記不飽和二重結合を有する硬化性化合物中に上記水素結合性官能基が存在することによって、硬化前に本発明の着色シール剤が液晶に接したときに液晶中に不飽和二重結合を有する硬化性化合物が溶出しにくくなり液晶汚染を起こさなくなる。
このような水素結合性官能基と(メタ)アクリル基とを有する樹脂としては、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
滴下工法により液晶表示素子を製造する本発明の着色シール剤においては、未硬化の着色シール剤が直接液晶と接するため、本発明の着色シール剤により液晶を汚染し、表示品質に問題を与える場合が多い。従って、本発明の着色シール剤を構成する硬化性化合物は、液晶に相溶しないものであることが好ましく、具体的には、上記エポキシ(メタ)アクリレートやウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。
上記エポキシ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、エベクリル3700、エベクリル3600、エベクリル3701、エベクリル3703、エベクリル3200、エ
ベクリル3201、エベクリル3600、エベクリル3702、エベクリル3412、エベクリル860、エベクリルRDX63182、エベクリル6040、エベクリル3800(いずれもダイセル・ユーシービー社製)、EA−1020、EA−1010、EA−5520、EA−5323、EA−CHD、EMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、これらのほかに、例えば、エポキシ化合物の一部分を(メタ)アクリル酸酸変性したものを用いてもよい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、エベクリル230、エベクリル270、エベクリル4858、エベクリル8402、エベクリル8804、エベクリル8803、エベクリル8807、エベクリル9260、エベクリル1290、エベクリル5129、エベクリル4842、エベクリル210、エベクリル4827、エベクリル6700、エベクリル220、エベクリル2220(いずれもダイセル・ユーシービー社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製)、U−122P、U−108A、U−340P、U−4HA、U−6HA、U−324A、U−15HA、UA−5201P、UA−W2A、U−1084A、U−6LPA、U−2HA、U−2PHA、UA−4100、UA−7100、UA−4200、UA−4400、UA−340P、U−3HA、UA−7200、U−2061BA、U−10H、U−122A、U−340A、U−108、U−6H、UA−4000(いずれも新中村化学工業社製)、AH−600、AT−600、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、UA−306I等が挙げられる。
上記エポキシ化合物としては特に限定されず、例えば、エピコート828EL、エピコート1004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピコート806、エピコート4004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;エピクロンEXA1514(大日本インキ社製)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;RE−810NM(日本化薬社製)等の2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピクロンEXA7015(大日本インキ社製)等の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂;EP−4000S(旭電化社製)等のプロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂;EX−201(ナガセケムテックス社製)等のレゾルシノール型エポキシ樹脂;エピコートYX−4000H(ジャパンエポキシレジン社製)等のビフェニル型エポキシ樹脂;YSLV−50TE(東都化成社製)等のスルフィド型エポキシ樹脂;YSLV−80DE(東都化成社製)等のエーテル型エポキシ樹脂;EP−4088S(旭電化社製)等のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれも大日本インキ社製)等のナフタレン型エポキシ樹脂;エピクロンN−770(大日本インキ社製)等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂;エピクロンN−670−EXP−S(大日本インキ社製)等のオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂;エピクロンHP7200(大日本インキ社製)等のジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂;NC−3000P(日本化薬社製)等のビフェニルノボラック型エポキシ樹脂;ESN−165S(東都化成
社製)等のナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂;エピコート630(ジャパンエポキシレジン社製)、エピクロン430(大日本インキ社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ZX−1542(東都化成社製)、エピクロン726(大日本インキ社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等のアルキルポリオール型エポキシ樹脂;YR−450、YR−207(いずれも東都化成社製)、エポリードPB(ダイセル化学社製)等のゴム変性型エポキシ樹脂;デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等のグリシジルエステル化合物;エピコートYL−7000(ジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールA型エピスルフィド樹脂;その他YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも東都化成社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれもジャパンエポキシレジン社製)、EXA−7120(大日本インキ社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
本発明の着色シール剤が上記エポキシ化合物を含有する場合、上記硬化性化合物100重量部に対して好ましい下限は5重量部、好ましい上限は80重量部である。5重量部未満であるとエポキシ樹脂を含有させる効果を充分に得られないことがあり、80重量部を超えると光硬化時に充分な仮硬化が得られないことがある。
また、上記不飽和二重結合を有する硬化性化合物とエポキシ化合物とを含有する場合は、本発明の着色シール剤は、光硬化熱硬化併用型となり、未硬化状態の本発明の着色シール剤を光の照射で仮硬化させ、続いて加熱することで本硬化させることができるため、滴下工法による液晶表示素子の製造に特に好適である。
なかでも、エポキシ化合物の一部分を(メタ)アクリル酸で酸変性したものは、一分子で光硬化熱硬化併用型の樹脂となり好ましい。
本発明の着色シール剤は、可視光領域に少なくとも一つの吸光度の極大値を有する着色成分を含有する。上記着色成分は、本発明のシール剤を着色する着色剤であり、このような着色シール剤を含有することで可視光領域に少なくとも一つの吸光度の極大値を有する着色シール剤の作製が可能になる。
なお、本明細書において、可視光領域とは波長400〜800nmのことを意味する。
このような着色成分を含有する本発明の着色シール剤を用いて液晶表示素子を製造すると、上記着色成分が可視光領域内の波長の光を吸収することで、透明基板上に形成したシールパターンが着色され視認性が優れたものとなる。
上記着色成分を含有する本発明の着色シール剤は、上記着色成分の吸光度の極大値が存在する波長域(吸収波長帯)により呈する色が異なってくる。即ち、例えば、上記着色成分の吸収波長帯が可視光領域の長波長側にあると、本発明の着色シール剤は紫系の色を呈することとなり、逆に上記着色成分の吸収波長帯が可視光領域の短波長側にあると、本発明の着色シール剤は赤系の色を呈することとなる。
本発明で、可視光領域に少なくとも一つの吸光度の極大値を有する着色成分を使用する理由は、吸光度の極大値がなく可視光領域全体にわたって透過率の高いシール剤は、白っぽい色を呈するようになり視認性がよくないことがある。一方、近年、液晶パネルの狭額縁化の進行等に伴って、透明基板上に形成するシールパターンが、ブラックマトリックスと重なる位置となるようにシール剤を塗布するようになってきているが、上記着色シール剤が黒色を呈するものであると、ブラックマトリックス上に塗布した際、シールパターンの形状を視認することが困難となる。従って、吸光度の極大値がなく可視光領域全体にわたって透過率の低いシール剤は、黒色を呈するようになり好ましくない。即ち、本発明の着色シール剤は、黒色であることは好ましくない。
また、本発明の着色シール剤は、シールパターンとしたときの厚さ5μmあたりの可視光領域における平均吸光度(A)に対する極大値の最大吸光度(A)の比(A/A)の好ましい下限は1、好ましい上限は30である。平均吸光度(A)に対する極大値の最大吸光度(A)の比(A/A)が上記範囲であれば、本発明の遮光シール剤がより視認性が優れたものになる。より好ましい下限は3、より好ましい上限は20である。上記平均吸光度(A)に対する極大値の最大吸光度(A)の比(A/A)が1未満であると、上記平均吸光度(A)と最大吸光度(A)との差がほとんど認められず、上記平均吸光度(A)が低く、可視光の透過率が高い場合、本発明の遮光シール剤が白っぽい色に近づき、視認性が悪くなる。また、上記平均吸光度(A)が高く、可視光の透過率が低い場合、本発明の遮光シール剤が黒っぽい色に近づき、ブラックマトリックス上に塗布した際、シールパターンの形状を視認することが困難となる。上記平均吸光度(A)に対する極大値の最大吸光度(A)の比(A/A)が30以上であると、本発明の遮光シール剤の光硬化性が悪くなったり耐光性が低下したりすることがある。なお、上記「吸光度」とは、被測定物に照射する光の強度をI、被測定物を透過した光の強度をIとしたときに、下記式(1)により求められる値をいう。
吸光度=log(I/I) (1)
また、上記平均吸光度とは、波長400〜800nmの範囲で吸光度を測定した際の平均値をいう。更に、シールパターンとしたときとは、シール剤を石英基板上に塗布し対向石英基板を貼り合せた状態をいう。
このような着色成分としては、可視光領域に少なくとも1つの吸光度の極大値を有するものであれば特に限定されず、例えば、無機顔料、有機顔料、染料等が挙げられる。
上記無機顔料としては特に限定されず、例えば、チタンイエロー(TiO・NiO・Sb)、酸化鉄イエロー(FeO(OH)・nHO)、酸化鉄レッド(Fe)、群青(3NaAl・SiO・Na)、コバルトブルー(CoO・nAl)、酸化クロムグリーン(Cr)等が挙げられる。
上記有機顔料としては特に限定されず、例えば、不溶アゾ顔料、溶性アゾ顔料等のアゾ系顔料;銅フタロシアニンブルー顔料、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料、スルホン化銅フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、異種金属フタロシアニン顔料等のフタロシアニン系顔料;アミノアントラキノン顔料、インダンスロン顔料、イソインドリノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料等の縮合多環顔料等が挙げられる。なかでも、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料及び縮合多感顔料が好適に用いられる。
上記染料としては特に限定されず、例えば、シアニン系染料、メタシアニン系染料、ローダシアニン系染料、オキソノール系染料、スチリル系染料、ベーススチリル系染料、ベンゾピラン系染料、キノリジン系染料、クマリン系染料、チアゾール系染料、インダントロン系染料、ピラントロン系染料、アントラキノンカルバゾール系染料、アントラキノンオキサゾール系染料、インジゴ、チオインジゴ、ピラゾロンアゾ系染料、γ−酸アゾ系染料、H−酸アゾ系染料、トリアリルメタン系染料、オキサジン系染料等が挙げられる。
本発明の着色シール剤において、上記着色成分の配合量としては特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が30重量部である。0.1重量部未満であると、本発明の着色シール剤に充分な着色性を付与することができないことがあり、30重量部を超えると、本発明の着色シール剤の耐候性が低下することがある。
本発明の着色シール剤には、上記着色成分等の固形成分の分散性を向上させるために分散
剤が含有されていてもよい。上記分散剤は、上記着色成分等の固形成分の表面に電気的、化学的に吸着し、粒子間で電気的な反発や立体的な反発を引き起こさせることで、着色成分等の固形成分の分散性や分散安定性を向上させる機能を有する。
このような分散剤としては特に限定されず、例えば、ポリカルボン酸型高分子活性剤、ポリスルフォン酸型高分子活性剤等のアニオン系分散剤、ポリオキシエチレン、ポリオキシレンブロックポリマー等のノニオン系分散剤、アミン塩類活性剤、4級アンモニウム塩類活性剤等のカチオン系分散剤、その他、ポリウレタンポリマー、セルロース誘導体等の分散剤等が挙げられる。
本発明の着色シール剤が上記分散剤を含有する場合、その配合量としては特に限定されないが、上記着色剤等の固形成分100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は20重量部である。0.1重量部未満であると、分散剤を添加する効果を充分に得ることができないことがあり、20重量部を超えると、本発明の着色シール剤の耐熱性が低下することがある。
本発明の着色シール剤は、光重合開始剤及び/又は熱硬化剤を含有する。
上記光重合開始剤としては、光照射により上記反応性官能基を有する硬化性化合物を重合させるものであれば特に限定されないが、反応性二重結合と光反応開始部とを有するものが好適である。このような光重合開始剤は、本発明の着色シール剤に充分な反応性を付与することができるとともに、液晶中に溶出し液晶を汚染することがない。なかでも、反応性二重結合と水酸基及び/又はウレタン結合とを有するベンゾイン(エーテル)類化合物が好適である。なお、本明細書において、ベンゾイン(エーテル)類化合物とは、ベンゾイン類及びベンゾインエーテル類を表す。
上記反応性二重結合としては、アリル基、ビニルエーテル基、(メタ)アクリル基等の残基が挙げられるが、反応性の高さから(メタ)アクリル残基が好適である。このような反応性二重結合を有することにより、本発明の着色シール剤の耐候性が向上する。
上記ベンゾイン(エーテル)類化合物は、水酸基とウレタン結合とのどちらか1つを有していればよく、両方を有していてもよい。上記ベンゾイン(エーテル)類化合物が水酸基とウレタン結合とのいずれも有していない場合には、本発明の着色シール剤が硬化する前に液晶へ溶出してしまうことがある。
上記ベンゾイン(エーテル)類化合物において、上記反応性二重結合並びに水酸基及び/又はウレタン結合は、ベンゾイン(エーテル)骨格のどの部分に位置していてもよいが、下記一般式(1)で表される分子骨格を有するものが好適である。かかる分子骨格を有する化合物を光重合開始剤として用いれば、残存物が少なくなり、アウトガスの量を少なくすることができる。
Figure 2006119218
式(1)中、Rは水素、炭素数4以下の脂肪族炭化水素残鎖を表す。Rが炭素数4を超える脂肪族炭化水素残鎖であると、光重合開始剤を配合したときの保存安定性は増加するものの、置換基の立体障害により反応性が低下することがある。
一般式(1)で表される分子骨格を有するベンゾイン(エーテル)類化合物としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006119218
式(2)中、Rは水素又は炭素数4以下の脂肪族炭化水素残基を表し、Xは炭素数13以下の2官能イソシアネート誘導体の残基を表し、Yは炭素数4以下の脂肪族炭化水素残基又は残基を構成する炭素と酸素の原子数比が3以下の残基を表す。Xが炭素数13を超える2官能イソシアネート誘導体の残基であると、液晶に溶解しやすくなることがあり、Yが炭素数4を超える脂肪族炭化水素残基又は炭素と酸素の原子数比が3を超える残基であると、液晶に溶解しやすくなることがある。
上記光重合開始剤としては、他にも例えば、ベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、ベンゾイルイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン、フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン等を用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記光重合開始剤の配合量としては、上記硬化性化合物100重量部に対して好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。0.1重量部未満であると、光重合を開始する能力が不足して効果が得られないことがあり、10重量部を超えると、未反応の光重合開始剤が多く残ることがあり、耐候性が悪くなることがある。より好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は5重量部である。
上記熱硬化剤は、加熱により硬化性化合物中の不飽和二重結合やエポキシ基等を反応させ、架橋させるためのものであり、硬化後の硬化物の接着性、耐湿性を向上させる役割を有する。上記熱硬化剤としては、融点が100℃以上の潜在性硬化剤が好適に用いられる。融点が100℃未満の硬化剤を使用すると保存安定性が著しく悪くなることがある。
このような熱硬化剤としては、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジ、1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン]等のヒドラジド化合物、ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、変性脂肪族ポリアミン、
テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)等の酸無水物、各種アミンとエポキシ樹脂との付加生成物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記熱硬化剤としては、固体硬化剤粒子の表面が微粒子により被覆されている被覆硬化剤も好適である。このような被覆硬化剤を用いれば、予め熱硬化剤を配合していても高い保存安定性を有する着色シール剤が得られる。
上記熱硬化剤の配合量としては、上記硬化性化合物100重量部に対して好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。この範囲外であると、硬化物の接着性、耐薬品性が低下し、高温高湿動作試験での液晶の特性劣化が早まることがある。より好ましい下限は2重量部、より好ましい上限は30重量部である。
本発明の着色シール剤は、更に、熱重合開始剤、フィラー及びカップリング剤等を含有してもよい。
上記熱重合開始剤は、本発明の着色シール剤が光での仮硬化が不充分な際、熱硬化時にそれを補うことが可能になる。上記熱重合開始剤としては特に限定されず、例えば、有機過酸化物、具体的には、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、tert−ヘキシルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、α,α’−ビス(tert−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジキュミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチル キュミル パーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類、パーオキシエステル類等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記フィラーは、本発明の着色シール剤に機械的強度を付与するものであり、このようなフィラーとしては特に限定されないが、例えば、含水硅酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタンブラック、酸化鉄及びシリカからなる群より選択される少なくとも1種の無機充填材が好適である。これらのフィラーの粒子径は、1.5μm以下であることが好ましい。
本発明の着色シール剤が上記フィラーを含有する場合、その配合量としては、上記硬化性化合物100重量部に対して好ましい下限は3重量部、好ましい上限は40重量部である。3重量部未満であると、上記フィラーを含有させた充分な効果が得られないことがあり、40重量部を超えると、本発明の着色シール剤の粘度の調整が困難となる。
上記シランカップリング剤は、主に本発明の着色シール剤とガラス基板等とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。また、本発明の着色シール剤が、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善等の目的に、少量の非導電性フィラーを含有する場合においては、非導電性フィラーと樹脂との相互作用を向上させるために、非導電性フィラーの表面をシランカップリング剤で処理する方法に用いられることもある。
上記シランカップリング剤としては、下記一般式においてA群で示される少なくとも1つ
の官能基と下記B群で示される少なくとも1つの官能基とを有するものが好適である。
Figure 2006119218
具体的には、上記シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシラン化合物は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような構造のシランカップリング剤として用いることにより、本発明の着色シール剤は、基板等との接着性を向上させることができる。
本発明の着色シール剤は、更に、必要に応じて、粘度調整の為の反応性希釈剤、チクソ性を調整する揺変剤、パネルギャップ調整の為のポリマービーズ等のスペーサ、3−P−クロロフェニル−1,1−ジメチル尿素等の硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤、その他添加剤等を含有してもよい。
本発明の着色シール剤は、硬化させた硬化体の体積抵抗率が10Ω・cm以上であることが好ましい。10Ω・cm未満であると、硬化後の本発明の着色シール剤の絶縁性が悪くなり、製造する液晶表示素子がショートすることがある。
また、本発明の着色シール剤は、E型粘度計を用いて25℃で測定した粘度が1万mPa・s以上であることが好ましい。1万mPa・s未満であると、滴下工法により液晶表示素子を製造した際に、透明基板上に形成したシールパターンの形状を保持できず、液晶中にシール剤成分が溶け出して液晶汚染が生じてしまうことがある。より好ましい下限は10万mPa・sであり、より好ましい上限は50万mPa・sである。50万mPa・sを超えると、本発明の着色シール剤の描画性が充分でなく、滴下工法による液晶表示素子の製造が困難となることがある。
本発明の着色シール剤の粘度を測定するE型粘度計としては特に限定されず、例えば、ブルックフィールド社製「DV−III」等が挙げられる。
本発明の着色シール剤を製造する方法としては特に限定されず、上記硬化性化合物、可視光領域に少なくとも一つの吸光度の極大値を有する着色成分、光重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、必要に応じて配合される上記エポキシ樹脂、フィラー、カップリング剤等の所定量とを、従来公知の方法により混合する方法等が挙げられる。この際、含有するイオン性不純物を除去するために、イオン吸着性固体と接触させてもよい。
本発明の着色シール剤は、反応性官能基を有する硬化性化合物、可視光領域に少なくとも一つの吸光度の極大値を有する着色成分、光重合開始剤及び/又は熱硬化剤を含有するものであるため、透明基板上に未硬化の状態で形成したシールパターンの形状を目視により明確に判別することができ、更に、光を照射すること及び/又は熱を印加することで硬化させることができる。そのため、本発明の着色シール剤を用いて滴下工法により液晶表示素子の製造を行うと、その製造過程でシールパスやシール形状の不具合を発生させることなく液晶表示素子を製造することができる。
また、本発明の着色シール剤に、導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料を製造することができる。このような上下導通材料を用いれば、液晶を汚染することなく透明基板の電極を導電接続することができる。
本発明の液晶表示素子用着色シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
上記導電性微粒子としては特に限定されず、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
本発明の液晶表示素子用着色シール剤及び/又は本発明の上下導通材料を用いてなる液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、液晶滴下工法により液晶表示素子を製造する際において、基板上に形成したシールパターンの形状を容易に確認することができ、シールパターンの破れ等の不具合を発生させることなく液晶表示素子を製造することができる液晶滴下工法用着色シール剤、上下導通材料及び液晶表示を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(1)エポキシアクリレート(A)の合成
反応フラスコにレゾルシンジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製:EX201)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸610重量部を、空気を送り込みながら、90℃で攪拌しながら5時間反応させ、エポキシアクリレート(A)を得た。
(2)部分アクリル化エポキシ化合物(B)の合成
反応フラスコにフェノールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ社製:N−770)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸200重量部を、空気を送り込みながら、90℃で攪拌しながら5時間反応させ、部分アクリル化エポキシ化合物(B)[アクリル化率50%]を得た。
(実施例1)
光重合開始剤(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、IRGACURE 651)1.5重量部、ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂(ダイセル・ユーシービー社製、EB3700)40重量部、及び、ウレタンアクリレート(ダイセル・ユーシービー社製、EB4858)20重量部を配合し、これを70℃に加熱して固形物を溶解させた後
、遊星式攪拌装置を用いて攪拌し混合物を得た。
着色成分として紫色系有機顔料(東洋インキ社製、LIONOGEN VIOLET R6200)5重量部、無機充填剤として球状シリカ(アドマテックス社製、SE1050)15重量部、及び、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し遊星式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に分散させて着色シール剤を得た。
(実施例2)
光重合開始剤(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、IRGACURE 651)1.5重量部、合成したエポキシアクリレート(A)20重量部、ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂(ダイセル・ユーシービー社製、EB3700)20重量部、及び、部分アクリル化エポキシ化合物(B)20重量部を配合し、これを70℃に加熱して固形物を溶解させた後、遊星式攪拌装置を用いて攪拌し混合物を得た。
着色成分として紫色系有機顔料(東洋インキ社製、LIONOGEN VIOLET R6200)5重量部、無機充填剤として球状シリカ(アドマテックス社製、SE1050)15重量部、及び、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し、遊星式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に分散させて着色シール剤を得た。
(比較例1)
光重合開始剤(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、IRGACURE 651)1.5重量部、ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂(ダイセル・ユーシービー社製
、EB3700)40重量部、ウレタンアクリレート(ダイセル・ユーシービー社製、EB4858)20重量部を配合し、これを70℃に加熱して固形物を溶解させた後、遊星式攪拌装置を用いて攪拌し混合物を得た。
無機充填剤として球状シリカ(アドマテックス社製、SE1050)15重量部、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し遊星式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて着色シール剤を得た。
(比較例2)
光重合開始剤(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、IRGACURE 651)1.5重量部、合成したエポキシアクリレート(A)20重量部、ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂(ダイセル・ユーシービー社製、EB3700)20重量部、部分アクリル化エポキシ化合物(A)20重量部を配合し、これを70℃に加熱して固形物を溶解させた後、遊星式攪拌装置を用いて攪拌し混合物を得た。
無機充填剤として球状シリカ(アドマテックス社製、SE1050)15重量部、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し遊星式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて着色シール剤を得た。
(液晶表示パネルの作製)
実施例1、2及び比較例1、2で得られた着色シール剤100重量部に、スペーサ微粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSI−H050、5μm)1重量部を分散させて液晶表示素子用シール剤とし、2枚のラビング済み配向膜、及び、透明電極付き基板の一方に液晶表示素子用シール剤の線幅が1mmになるようにディスペンサーで塗布した。
続いて液晶(チッソ社製、JC−5004LA)の微小滴を透明電極付き基板のシール剤の枠内全面に滴下塗布し、すぐにもう一方の透明電極付きカラーフィルター基板を貼り合わせ、シール剤部分にメタルハライドランプを用いて150mW/cmで30秒照射して硬化させ、更に、120℃で1時間加熱して液晶表示パネルを作製した。
作製した液晶表示パネルについて、表示パネル作製直後及び65℃95%RHの条件下で
1000時間の動作試験後におけるシール剤付近の液晶配向乱れを目視によって確認した。
なお、配向乱れは表示部の色ムラより判断しており、色ムラの程度に応じて、
◎(色むらが全くない)
○(色むらが微かにある)、
△(色むらが少しある)
×(色むらがかなりある)
の4段階で評価を行った。なお、評価が◎、○の液晶パネルは実用に全く問題のないレベルである。
結果を表1に示した。
(ディスペンス性評価)
実施例1、2及び比較例1、2で得られた着色シール剤100重量部にスペーサ微粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSI−H050、5μm)1重量部を分散させ、シリンジに充填脱泡を行い、ガラス基板の一方に貼り合わせ後のシール剤の線幅が1mmになるようにディスペンサーで塗布した。
塗布後のシール剤にシール切れやシール細り等が起こっていないか光学顕微鏡にて確認した。
結果を表1に示した。
(シールパターン形状確認の評価)
ディスペンス性評価において、ガラス基板上に作製したシール剤の形状を目視にて確認した。
結果を表1に示した。
(粘度測定)
実施例1、2及び比較例1、2で得られた着色シール剤の粘度を、E型粘度計(ブルックフィールド社製、DV−III)を用いて、25℃、1.0rpmで測定した。
結果を表1に示した。
(体積抵抗特性試験)
実施例1、2及び比較例1、2で得られた着色シール剤100gにスペーサとして直径5μmのシリカスペーサ(積水化学工業社製、ミクロパールSI)1gを添加して混合撹拌を行った。この着色シール剤を50mm×50mmのITO基板上にディスペンサーで塗布し、その基板に同サイズのITO基板を重ね合わせ、荷重をかけ、着色シール剤をスペーサの直径まで押しつぶした。メタルハライドランプを用いて紫外線を150mW/cm×30sec、その後120℃オーブンにて1時間硬化を行い、着色シール剤の測定サンプルを得た。
着色シール剤の面積(S)平方センチメートルを測定した。
対向するITO基板間に、定電圧発生装置(ケンウッド社製、PA36−2A レギュレ
ーテッドDC パワーサプライ)を用いて一定の電圧(V)ボルトを印加し、膜に流れる
電流(A)アンペアを電流計(アドバンテスト社製、R644C デジタルマルチメータ
ー)にて測定した。
次に、着色シール剤の膜厚は、5×10−4cmであったので、次式にて抵抗率を計算した。
その結果を表1に示した。
体積抵抗(Ω・cm)=(V・S)/(A・5×10−4
[式中、Vは電圧(ボルト)、Sは着色シール剤の面積(平方センチメートル)、Aは膜に流れる電流(アンペア)である。]
(吸光度測定)
実施例1、2及び比較例1、2で得られた着色シール剤100gにスペーサとして直径5μmのシリカスペーサ(積水化学工業社製、ミクロパールSI)1gを添加して混合撹拌を行った。この着色シール剤を50mm×50mmの石英基板上にディスペンサーで塗布し、その基板に同サイズの石英基板を重ね合わせ、荷重をかけ、着色シール剤をスペーサの直径まで押しつぶした。着色シール剤を分光光度計(UV−2450、島津製作所社製)を用いて可視光領域の吸光度を波長0.5nmごとに測定を行い、極大値の有無及び可視光領域における平均吸光度(A)に対する極大値の最大吸光度(A)の比(A/A)を求めた。
Figure 2006119218
表1に示したように、実施例1、2で得られた着色シール剤を用いて得られた液晶表示パネルは、初期及び高温高湿試験後においても色ムラが全くないか、又は、微かに色ムラがある程度であり、いずれも実用に全く問題がないレベルであった。また、ディスペンス性も良好でシール切れや、シール細り等は起こっておらず、シール剤の形状も容易に確認でき視認性は良好であった。更に、いずれも粘度は20万mPa・sを超える充分なものであり、体積抵抗も、1.0×10Ω・cm以上と高く、充分な絶縁性を示すものであった。更に、可視光領域に吸光度の極大値が認められ、可視光領域における平均吸光度(A)に対する極大値の最大吸光度(A)の比(A/A)は2であった。
しかし、比較例1、2で得られた着色シール剤は、パネル試験、ディスペンス性、粘度及び体積抵抗については、実施例1、2と同等の結果であったが、シール剤の形状の確認が困難であり、目視ではほとんど確認することができなかった。また、可視光領域に吸光度の極大値は認められなかった。
本発明によれば、液晶滴下工法により液晶表示素子を製造する際において、基板上に形成したシールパターンの形状を容易に確認することができ、シールパターンの破れ等の不具合を発生させることなく液晶表示素子を製造することができる液晶滴下工法用着色シール剤、上下導通材料及び液晶表示を提供することができる。

Claims (6)

  1. 反応性官能基を有する硬化性化合物、可視光領域に少なくとも一つの吸光度の極大値を有する着色成分、光重合開始剤及び/又は熱硬化剤を含有することを特徴とする液晶滴下工法用着色シール剤。
  2. 反応性官能基を有する硬化性化合物は、水素結合性官能基を有することを特徴とする請求項1記載の液晶滴下工法用着色シール剤。
  3. シールパターンとしたときの厚さ5μmあたりの可視光領域における平均吸光度(A1)に対する極大値における最大吸光度(A2)の比(A2/A1)が1〜30であることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶滴下工法用着色シール剤。
  4. 硬化させた後の硬化体の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶滴下工法用着色シール剤。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の液晶滴下工法用着色シール剤と導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
  6. 請求項1、2、3又は4記載の液晶滴下工法用着色シール剤及び/又は請求項5記載の上下導通材料を用いてなることを特徴とする液晶表示素子。

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JP2016206473A (ja) * 2015-04-24 2016-12-08 日本化薬株式会社 液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示セル

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