JP2006118885A - 3次元情報検出システム及び3次元情報入力装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 3次元情報検出装置109のセンサコイル110を切替部111によって順次選択すると共に、相互に干渉しないように直交配設された3次元情報入力装置101の各入力要素103〜105の入力コイル106〜108とセンサコイル110との間で電磁結合によって信号の送受信を行い、選択したセンサコイル110で受信した信号を検出部113で検出し、検出部113で検出した検出信号から、3次元空間における3次元情報入力装置101の位置や姿勢等の3次元情報を制御部210で算出する。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、特許文献1に記載された3次元情報検出システムでは、X、Y、Z座標の検出が困難であり又、入力装置の表裏判定を行うために複雑な処理を行う必要がある。また、電磁誘導方式に汎用されている直交センサのみを用いて入力装置の3次元情報を検出しようとすると、入力装置の表裏判定や鏡像判定が困難であるため、形状が扇形の特殊で複雑な構成のセンサを使用する必要があるという問題がある。
前記特許文献2記載の3次元情報検出システムによれば、電磁誘導方式のセンサで汎用されている直交センサに斜めセンサを加えた構成であるため、センサの構成を簡略化することが可能である。しかしながら、この3次元情報検出システムにおいても、入力装置の表裏を判定することは構造上難しいという問題があった。これは、指示器の複数の入力コイルの配置がお互いに偏芯していない表裏対称形である限り、直接検出では表裏判定できないためである。
また、本発明は、前記3次元情報入力装置と直交センサを用いて、簡単な構成により、表裏判定や鏡像判定を可能にすることを課題としている。
相互に交差するように検出面にそって配設され前記複数の入力コイルと電磁的に結合する複数のセンサコイルと、前記センサコイルを切り換え選択する選択手段と、前記入力コイルと選択された前記センサコイル間で電磁結合により送受信する信号を発生する信号発生手段と、前記選択されたセンサコイル又は前記入力コイルで受信した信号を検出する信号検出手段と、前記信号検出手段によって検出した検出信号に基づいて、3次元空間における前記入力手段の3次元情報を算出する算出手段とを備え、前記3次元情報入力手段は、前記複数の入力コイルとして、第1、第2、第3の入力コイルを有し、前記第1、第2、第3のコイルの中心軸は相互に直角となるように配設されると共に前記第1、第2のコイルの中心軸が同一平面上に位置するように配設されて成ることを特徴とする3次元情報検出システムが提供される。
3次元情報入力手段は、複数の入力コイルとして、第1、第2、第3の入力コイルを有し、前記第1、第2、第3のコイルの中心軸は相互に直角となるように配設されると共に前記第1、第2のコイルの中心軸が同一平面上に位置するように配設されている。
また、本発明によれば、3次元情報入力用の複数の入力コイルを有する3次元情報入力手段と、相互に交差するように検出面にそって配設され前記複数の入力コイルと電磁的に結合する複数のセンサコイルと、前記センサコイルを切り換え選択する選択手段と、
前記入力コイルと選択された前記センサコイル間で電磁結合により送受信する信号を発生する信号発生手段と、前記選択されたセンサコイル又は前記入力コイルで受信した信号を検出する信号検出手段と、前記信号検出手段によって検出した検出信号に基づいて、3次元空間における前記入力手段の3次元情報を算出する算出手段とを備え、前記3次元情報入力手段は、前記複数の入力コイルとして、第1、第2、第3の入力コイルを有し、前記各コイルの中心軸は磁気的に干渉しないように相互に直角となるように配設されると共に相互に直接交差しないように配設されて成ることを特徴とする3次元情報検出システムが提供される。
3次元情報入力手段は、複数の入力コイルとして、第1、第2、第3の入力コイルを有し、前記各コイルの中心軸は相互に直角となるように配設されると共に相互に直接交差しないように配設されている。
また、前記第1、第2、第3の入力コイルは左手系配列で配設されて成るように構成してもよい。
また、前記3次元情報入力手段は球体を有し、前記各入力コイルは前記球体内に配設されて成るように構成してもよい。
また、前記第1、第2、第3の入力コイルの合成中心位置と前記球体の中心位置が一致するように配設されて成るように構成してもよい。
また、前記各入力コイルは磁性材料に巻回されているように構成してもよい。
また、前記各入力コイルは空芯コイルであるように構成してもよい。また、複数の前記空芯コイルは相互にチェーン状に交差するように構成してもよい。
また、前記各共振回路に直列接続され対応する共振回路と同一の共振周波数を有する複数の直列共振回路と、送信信号を発生する送信信号発生回路とを備え、前記送信信号発生回路の出力信号を、前記直列共振回路を介して、前記直列共振回路に対応する入力コイルから出力するように構成してもよい。
また、前記送信信号発生回路に駆動電力を供給する電池を備えて成るように構成してもよい。
また、前記算出手段は、前記検出手段で検出した検出信号に基づいて、少なくとも3次元空間における前記3次元情報入力手段の姿勢を算出するように構成してもよい。
また、前記算出手段は、前記検出手段で検出した検出信号に基づいて、3次元空間における前記3次元情報入力手段の姿勢及び座標を算出するように構成してもよい。
また、前記算出手段は、前記検出手段で検出した前記検出信号中のピーク値近傍の少なくとも3点の信号に基づいて、前記各入力コイルのX軸座標及びY軸座標を算出すると共に、前記検出信号の所定レベル値における信号分布の幅から前記各入力コイルの高さを得ることにより、前記3次元情報入力手段の姿勢及び/又は座標を算出するように構成してもよい。
また、前記算出手段は、前記姿勢について、前記検出手段で検出した各コイルに対応する検出信号の関係から前記3次元情報入力手段の傾き角θ及び方位角φを得るように構成してもよい。
また、前記算出手段は、前記各入力コイルに対応する検出信号の左右片側幅の比から前記3次元情報入力手段の傾き角θ及び方位角φを得るように構成してもよい。
また、前記信号発生手段は前記各入力コイルに対応する複数の周波数の信号を発生し、前記各入力コイルと前記選択されたセンサコイルとの間では異なる周波数の信号を送受信するように構成してもよい。
また、前記信号発生手段から前記センサコイルに電流を供給することによって前記センサコイルから信号を送信し、前記検出手段は前記各入力コイルで生じた信号を検出するように構成してもよい。
また、前記信号発生手段から前記センサコイルに電流を供給することによって前記センサコイルから信号を送信し、前記入力コイルは前記信号を受信した後に前記センサコイルに返送し、前記検出手段は前記センサコイルで受信した信号を検出するように構成してもよい。
複数の入力コイルとして第1、第2、第3の入力コイルを有し、前記各コイルの中心軸は相互に直角となるように配設されると共に前記第1、第2のコイルの中心軸が同一平面上に位置するように配設されている。
また、本発明によれば、3次元情報を入力するための複数の入力コイルを有し、前記複数の入力コイルと3次元情報検出装置との間で電磁結合によって信号の送受信を行うことにより、前記3次元情報検出装置に3次元情報を入力する3次元情報入力装置において、前記複数の入力コイルは第1、第2、第3の入力コイルを有し、前記各コイルの中心軸は磁気的に干渉しないように相互に直角となるように配設されると共に相互に直接交差しないように配設されて成ることを特徴とする3次元情報入力装置が提供される。
複数の入力コイルは第1、第2、第3の入力コイルを有し、前記各コイルの中心軸は相互に直角となるように配設されると共に相互に直接交差しないように配設されている。
また、前記第1、第2、第3の入力コイルは左手系配列で配設されて成るように構成してもよい。
また、球体を有し、前記各入力コイルは前記球体内に配設されて成るように構成してもよい。
また、前記第1、第2、第3の入力コイルの合成中心位置と前記球体の中心位置が一致するように配設されて成るように構成してもよい。
また、前記各入力コイルは磁性材料に巻回されているように構成してもよい。
また、前記各入力コイルは空芯コイルであるように構成してもよい。
また、前記各共振回路に直列接続され対応する共振回路と同一の共振周波数を有する複数の直列共振回路と、送信信号を発生する送信信号発生回路とを備え、前記送信信号発生回路の出力信号を、前記直列共振回路を介して、前記直列共振回路に対応する入力コイルから出力するように構成してもよい。
また、前記送信信号発生回路に駆動電力を供給する電池を備えて成るように構成してもよい。
また、本発明に係る3次元情報入力装置を用いることにより、簡単な構成で、表裏判定や鏡像判定が可能な3次元情報検出システムを構築することが可能になる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る3次元情報検出システムの構成を示すブロック図である。
本第1の実施の形態に係る3次元情報検出システムは、3次元情報(例えば、3次元空間における座標、向き等の姿勢)を入力するための3次元情報入力手段としての3次元情報入力装置101及び3次元情報入力装置101の3次元情報を検出するための3次元情報検出手段としての3次元情報検出装置109を備えている。
図6〜図8は、3次元情報入力装置101の詳細な構成を示す図で、図6は3次元情報入力装置101の正面図、図7は3次元情報入力装置101の下面図、図8は3次元情報入力装置101の右側面図である。また、図9は、3次元情報入力装置101における入力要素103〜105の配置を説明するための説明図である。
図9に示すように、仮想的な立方体901を仮定して各入力要素103〜105の配置を説明すると、入力要素103と入力要素104は、入力要素103、104の長さ方向中心軸が相互に直交すると共に同一平面内に配設されている。入力要素105は、その長さ方向中心軸が、他の入力要素103、105の長さ方向中心軸と所定間隔をおいて直交するように配設されている。
即ち、第1の入力コイル106(入力要素103)の中心を通り、その入力コイル106の長さ方向の軸に垂直な面である法平面を考える。残り2つの入力コイル107、108のうち、その法平面から離れている入力コイルを第2のコイルとし、残りを第3のコイルとする。尚、図9では、第2の入力コイルは入力コイル107、第3の入力コイルは入力コイル108である。
同様に、順に、第2の入力コイル107(入力要素104)の軸方向に大きさ1の単位ベクトルを考える。この単位ベクトルの表裏の向きは、第3の入力コイル108(入力要素105)がある方向に選び、第2の入力コイル107の方位ベクトルとする。
更に、同様に、第3の入力コイル108(入力要素105)の軸方向に大きさ1の単位ベクトルを考える。この単位ベクトルの表裏の向きは、第1の入力コイル106の方位ベクトルの右に、第2の入力コイル107の方位ベクトルを掛けてベクトル積を計算した結果のベクトルの方向に近い向きを選び、第3の入力コイル108の方位ベクトルとする。
また、このとき、上記のベクトル積の計算結果が第3のコイル108の方位ベクトルの反対向きのベクトルに略一致する場合は、これら3つの入力コイル106〜108(入力要素103〜105)は左手系配列で配設されている、と定義している。本第1の実施の形態では、後述するように、右手系配列の3次元情報入力装置101を用いた例で説明するが、左手系配列の3次元情報入力装置を用いた場合でも、入力コイルの配置の相違を考慮して、同様の処理を行うことによって3次元情報入力装置から入力された3次元情報を検出することができる。
入力コイル106と入力コイル107の長さ方向の中心軸が同一平面上に位置するように配設されている。また、入力コイル108の中心位置が入力コイル106、107の前記中心軸と同一平面上に位置するように配設されている。
球体102には、前記のような配置に各入力要素を保持するための円柱状の孔608〜610が形成されており、各入力要素103〜105は、球体102内の位置がずれないように各孔608〜610内に収容保持されている。
このように、3次元情報入力装置101に含まれる複数の入力コイルが相互に磁気的に干渉しないように構成することによって、3次元情報検出装置109側で後述するような処理を行うことにより、簡単な構成で、表裏判定や鏡像判定が可能になり、3次元情報入力装置101から入力された位置や姿勢等の3次元情報を容易に検出することを可能にしている。また、3次元情報入力装置101と、直交センサを用いた簡単な構成の3次元情報検出装置109とにより、表裏判定や鏡像判定が可能になり、簡単な構成で3次元情報を検出することを可能にしている。
複数のセンサコイル110は、X軸方向に並設された複数のセンサコイル(Xセンサコイル)とY軸方向に並設された複数のセンサコイル(Yセンサコイル)とから構成されており、センサコイル110の切替を行う切替手段を構成する切替部111及び増幅回路を有する受信回路112を介して、信号検出手段を構成する検出部113に接続されている。
検出部113は、受信した信号を検波するための複数種類の周波数信号(本第1の実施の形態では周波数fu、fv、fw)を検波する検波回路を備えている。
尚、周波数fu、fv、fwの3種類の信号を同時に送信するように構成してもよい。周波数fu、fv、fwの3種類の信号を同時に送信するように構成した場合、検出部113で受信した信号に対して高速フーリエ変換(FFT)等の処理を施すことによって、各周波数fu、fv、fw成分の信号強度を算出することができる。また、周波数fu、fv、fwの3種類の信号を同時に送信するように構成した場合、後述する図2における走査(スキャン)時間が1周波数の走査時間で済み、走査時間を短縮することが可能になる。
制御部114は、後述するような各種テーブルや処理プログラムを予め記憶したメモリ116、メモリ116に記憶したプログラムを実行することにより、検出部113で検出した信号に基づいて前記テーブルを参照して入力装置101の3次元空間における座標や姿勢等の3次元情報の算出処理、センサコイル110の選択制御処理、検出部113及び送信制御部117の同期制御処理等の各種処理を行う中央処理装置(CPU)115を備えている。センサコイル110、切替部111、受信回路112、検出部113、送信制御部117、送信回路118及び制御部114は3次元情報検出装置109に備えられている。
図2は、本第1の実施の形態の動作を説明するためのタイミング図である。尚、図2では、センサコイル110が、X軸方向に並設した103本のXセンサコイル、及び、これらに直交するY軸方向に並設した78本のYセンサコイルを有する例を示している。
受信モードでは、各入力要素103〜105から信号が出力されると、電磁結合により、センサコイル110に検出信号が発生する。受信期間において、センサコイル110のXセンサコイル及びYセンサコイルを制御部114によって所定タイミングで走査することにより、入力装置101に近いセンサコイルからは大きな検出信号が得られ、入力装置101から遠いセンサコイルほど小さな検出信号が得られる。前記動作を、周波数fu、fv、fwについて行うことにより、各入力要素103〜105についての信号検出処理が完了する。
入力要素103は、電磁結合によって、センサコイル110からの周波数fuの信号を受信した後、周波数fuの信号を検出装置109側に返送する。
前記動作に続いて、周波数fv、fwの信号に関しても前記同様の動作を行う。この場合、検出装置109から出力される周波数fvの信号は検出装置109と入力コイル107を有する入力要素104との間で送受信された後に検出装置109で検出され又、検出装置109から出力される周波数fwの信号は検出装置109と入力コイル108を有する入力要素105との間で送受信された後に検出装置109で検出されることになる。
前述のようにして、周波数fu、fv、fwに関する動作を行うことにより、一サイクルの動作が完了する(図2(d))。
以下、図1〜図9及び関連する他の図を用いて、本第1の実施の形態の動作を説明する。尚、3次元情報入力装置101の3次元空間における位置や姿勢の検出は、基本的に、3次元情報入力装置101と3次元情報検出装置109との間で信号を送受信することにより、センサコイル110で3次元情報入力装置101からの信号を検出し、3次元情報検出装置109が、該信号に基づいて、3次元情報入力装置101に含まれ予め所定の位置関係で配設された3つの入力コイル106〜108の各中心の座標及び向きを直接検出し、各入力コイル106〜108の中心位置座標や方向に基づいて、予め定めた3つの入力コイル106〜108相互の所定の位置関係から、3次元情報入力装置101の3次元空間における位置や姿勢を検出する。入力コイル106〜108が表裏関係や鏡像関係によって向きを直接検出できない領域に存在する場合、座標値は該向きを直接特定できない入力コイルの座標値を使用するが、その向きは、向きを直接検出可能な他の入力コイルとの相対的な関係から、該向きを直接検出できない入力コイルの向きを算出することによって、該向きを直接検出できない入力コイルの向きや座標を間接的に検出する。
次に、図2で説明したように、検出装置109側から入力装置101側へ所定タイミングで周波数の異なる信号を順次送信すると共に、入力装置101側で電磁結合によって検出装置109からの信号を受信し、返信する。
即ち、先ず、制御部114は、送信制御部117を制御することによって、センサコイル110から入力装置101に送信する信号の周波数を選択する(ステップS302)。前記周波数の選択は、図2(d)に示すように、所定タイミングで、周波数fu、fv、fwの順で繰り返し行うため、先ず周波数fuの信号を出力するように制御部114は送信制御部117を制御する。
次に、制御部114は、切替部111を制御することにより、送信制御部117からの信号を入力装置101に送信するためのセンサコイル110を切換えて選択する(ステップS303)。
3種類の周波数fu、fv、fwの信号について前記動作を行ったか否かを判断し、周波数fu、fv、fwの信号全てについて前記動作が完了していないと判断した場合にはステップS305へ戻り、周波数fu、fv、fwの信号全てについての動作が完了したと判断した場合、即ち、全ての入力要素103〜105からの信号を検出する処理を完了したと判断した場合には、ステップS306に移行する(ステップS305)。
ステップS306では、メモリ116に予め記憶した受信レベルに関するテーブルを参照して、センサコイル110の受信レベルに対して、ステップS302〜S305におけるセンサコイル110の受信レベルの感度バラツキを補正する(ステップS306)。前記レベル補正は、各入力要素103〜105について、即ち、全ての周波数信号fu、fv、fwについて行う。また、ステップS306では、各入力要素毎に、Yセンサコイルで検出した信号レベルのピークを、Xコイルセンサで検出した信号レベルのピークに一致するように補正する。
尚、以下の処理ステップにおいても、フローチャートの処理ブロックを3重に表記することにより、全ての入力要素103〜105(入力コイル106〜108)について、即ち、全ての周波数信号fu、fv、fwについて処理を行うことを示している。
(1)球体102内における入力コイル106〜108の配置
各入力コイル106〜108から出る磁力線が、他の入力コイル106〜108に入るときに、磁力線が右と左に分かれて交差し、磁力線のベクトル的総和がゼロになるようにする。即ち、3次元情報入力装置101に含まれる複数の入力コイル106〜108が相互に干渉しないように構成する。調整しやすいように各入力コイル106〜108を相互に5mm以上離した。そして、各入力コイル106〜108の信号が3次元情報検出装置109のセンサで十分に検出できるようにボールの直径は40φに抑えた。また、入力コイル106〜108同士は入力コイル中心間を結ぶベクトルが大きくなるように離して配設した(図10)。但し、あまり離しすぎると、3コイル106〜108の信号の大きさが、お互いに違いすぎて、一番小さい信号の誤差が拡大するので、コイル106〜108間距離はこの程度に留めた。
図11は、Xセンサコイルで検出した入力コイル106の信号を示す図で、該検出信号は、X座標Xumで最大値LUxmをとるメイン信号LUxmと、X座標Xus1にピーク値LUxs1を有する左サブ信号LUxs1と、X座標Xus2にピーク値LUxs2を有する右サブ信号LUxs2から構成されている。XuGはこれらの信号LUxm、LUxs1、LUxs2及び3つの座標Xum、Xus1、Xus2を使った加重平均によって算出されたX座標である。また、Xwidthはメイン信号LUxmの半値幅である。入力コイル107、108についても同じように表されるが、添え字が入力コイル106の場合にはuであるのに対して、入力コイル107の場合はv、入力コイル108の場合はwで表される。
信号の大小判定を行う場合、図12に示すように、左右サブ信号LUxs1、LUxs2にマイナス符号をつけた上で、信号の大中小判定を行う。図12において、左サブ信号LUxmedはX座標Xumed(=Xus1)においてマイナス側に中間値LUxmedを有し又、右サブ信号LUxminはX座標Xumin(=Xus2)においてマイナス側に最小値LUxmedを有している。XuGはこれらの信号LUxm、LUxmed、LUxmin及び2つの座標Xum、Xuminを使った加重平均によって算出されたX座標である。また、Xwidthはメイン信号LUxmの半値幅である。入力コイル107、108についても同じように表されるが、添え字が入力コイル106の場合にはuであるのに対して、入力コイル107の場合はv、入力コイル108の場合はwで表される。
Xu_dir=((LUxm−|LUxmed|)*Xum+(|LUxmin|−|LUxmed|)*Xumin)/(LUxm−2*|LUxmed|+|LUxmin|)
で表される。コイル106のY座標Yu_dir も同様に検出する。コイル107のX座標Xv_dir、Y座標Yv_dir、コイル108のX座標Xw_dir、Y座標Yw_dir も同様に検出する。尚、添字の「dir」は、「direct」の略で、直接的に検出した信号であることを示している。
(3)高さ(Z座標)検出アルゴリズム(ステップS308、S309)
図13は、入力コイルの傾斜角θが0度の場合の、センサで検出した信号分布の半値幅によって高さZ0を検出するための特性図である。
図14は、半値幅が、入力コイルの傾斜角θの増加とともに少し大きくなり、高さZが高めに検出されるため、高さZを傾斜角θによって補正するための特性図である.。尚、図14は、補正前の高さZ0を20mmとした場合の特性図である。CPU115は、ステップS308で求めた半値幅Xwidthに基づいて、図13、14の特性図のデータを用いて入力コイルの高さ座標Zを算出する。
以下のアルゴリズムは、各入力コイル106〜108(入力要素103〜105)共通のアルゴリズムであるので、入力コイル106(入力要素103)で代表させて説明する。
先ず、例えば共振周波数が750kHzの入力コイルを含む共振回路を40φの球体102の中心に置き、入力コイルの傾斜角θ、方位角φを変えてセンサ110によって信号分布を測定する。
入力装置101をX方向に傾けて、図11のような信号分布において、左右サブ信号値LUxs1、LUxs2の差をメイン信号値LUxmで割って、傾斜角θを算出しようとすると、リニアリテイが芳しくない。したがって、前述したように、サブ信号LUxs1、LUxs2の所では、磁力線は反対方向を向いているので、サブ信号LUxs1、LUxs2をマイナスにした。そして、符号も含めて、センサコイル110で検出したコイル106からの信号のX成分の最小値LUxminとX成分の中間値LUxmedを求める(図12)。
比率ratio_Ux =(LUxmed−LUxmin)/(LUxm−LUxmin)
比率ratio_Uy =(LUymed−LUymin)/(LUym−LUymin)
次に、比率ratio_Ux、ratio_Uyを用いて、入力コイル106(入力要素103)の傾斜角θのX方向成分θux、Y方向成分θuyを算出する(ステップS311)。
θux = ratio_Ux*180(度)
θuy = ratio_Uy*180(度)
入力コイル106がX軸、または、Y軸に平行な方向では、0≦θ≦180度の全傾斜角で、比率ratio_Uxの傾斜角θu依存性の特性図はリニアに近いが、一般方位角φuにおいては、比率ratio_Uxは、方位角φuのX方向成分θuxに対してリニアにはならず、サブリニアな特性図になる。方位角φu=0度においても、信号比ratio_Uxは、少しリニアからずれるが、ratio_Uxに対するX方向の傾斜角θux(度)の値を予め記憶手段に補正用テーブルとして持っておいて、X方向の傾斜角θuxがリニアに検出されるように補正する。
次に、幾何学的に、各入力コイル106〜108の傾斜角である合成傾斜角θを算出する(ステップS311)。
入力コイル106(入力要素103)の比率ratio_Ux、ratio_Uy、入力コイル107(入力要素104)の比率ratio_Vx、ratio_Vy、入力コイル108(入力要素105)の比率ratio_Wx、ratio_Wyも同様に算出しておく。
リニアからずれているので、予め記憶手段に記憶しておいた補正係数のテーブルを用いて補正する。補正後の入力コイル106(入力要素103)のX方向の傾斜角θux(度)、Y方向の傾斜角θuy(度)は、補正係数を用いて、次式で表される。
θux =(ratio_Ux *補正係数)*180(度)
θuy =(ratio_Uy *補正係数)*180(度)
補正後の入力コイル107(入力要素104)のX方向の傾斜角θvx(度)、Y方向の傾斜角θvy(度)、補正後の入力コイル108(入力要素105)のX方向の傾斜角θwx(度)、Y方向の傾斜角θwy(度)も同様に算出する。
θu=tan−1[ √( tan2θux+tan2θuy)] *180/π(度)
入力コイル107(入力要素104)の傾斜角(合成傾斜角)θv、入力コイル108(入力要素105)の傾斜角(合成傾斜角)θwも同様に算出する。
次に、第1象限で代表させた入力コイル106(入力要素103)の方位角φ0を算出する(ステップS312)。
先ず、方位角φを精度よく算出するために、次のような信号比率ratio_Ux2を別途、算出する。
ratio_Ux2 =(√|LUxmin|−√|LUxmed|)/(√LUxm+√|LUxmin|)
信号比率ratio_Uy2も次式によって同様に算出する。
ratio_Uy2 =(√|LUymin|−√|LUymed|)/(√LUym+√|LUymin|)
入力コイル107(入力要素104)の信号比率ratio_Vx2、ratio_Vy2、入力コイル108(入力要素105)の比率ratio_Wx2、ratio_Wy2も同様に算出する。
φu0=tan−1{(√LUym*ratio_Uy2)/(√LUxm*ratio_Ux2)}*180/π(度)
第1象限で代表させた入力コイル107(入力要素104)の方位角φv0、第1象限で代表させた入力コイル108(入力要素105)の方位角φw0 も同様に算出する。
この場合、センサコイル110で検出した信号からでは、方位ベクトルや座標が直接検出出来ない場合は、複数の入力コイルの中心間を結ぶベクトルから間接的に算出、又は、表裏判定や鏡像判定ができる(図16参照)。
入力コイルを中心とする3次元空間領域を、地球にたとえた図17のように3つの領域(領域1〜領域3)に区分して表し、入力コイルを直接検出可能な領域(入力コイルが向いている方向(方位ベクトルの向き)の領域)を領域1とする。領域1では、直接検出のみでは表裏判定(北半球を向いているのか、あるいは、南半球を向いているのかの判定)が出来ない。
また、横倒し(入力コイルがセンサコイル110に平行な状態)で、表裏判定のみならず、鏡像判定も必要な領域を領域2とする。最後に、方位ベクトルも座標も間接的に検出することが必要な領域を領域3としている。
これを、3本の入力コイル106〜108について考えるとき、お互いに直交しているという制約条件がある為に、領域の順列組み合わせは略13通りになる。それら13通りのそれぞれの場合に分けて検出して行く。
コイル(fu)106について、
(i)Z成分が、Uz<Uz_minのとき、領域2である。但し、Uz_minは所定の閾値である。
(ii)領域3内では、入力コイル106(入力要素103)はX軸又はY軸に平行、又は反平行に近い領域であるが、次のUxz又はUyzが小さくなる。
Uxz=√(Ux 2 +Uz 2 )
Uyz=√(Uy 2 +Uz 2 )
Uxyz_min=Min(Uxz,Uyz )
これは、X軸またはY軸の向きに近い領域を表す。
但し、Min(Uxz,Uyz)は、この場合は、UxzとUyzの値の小さい方を選ぶ関数である。Uxz<Uxyz_min、又は、Uyz<Uxyz_minの場合は領域3である。
(i)便宜上、入力コイル間ベクトルは、アルファベット2文字の太文字斜体で表すことにする。
コイルfu中心からコイルfv中心にいたるベクトルをUVとする。入力コイル間ベクトルの各成分は、アルファベット2文字に、x、y、zの小文字を添えることにする。そのX、Y、Z成分を、順に、UVx、UVy、UVzとすると、
UVx=Vx−Ux
UVy=Vy−Uy
UVz=Vz−Uz
となる。コイルfuの間接検出の方位ベクトルU_ind(ind:indirectの略で、間接的に検出した信号であることを示している。)は、次式で示すように、コイルfuとコイルfvの間のベクトルUVを、その大きさ|UV|で割って規格化したものである。
U_ind=UV/|UV|
但し、記号「| |」は絶対値、すなわち、ベクトルの大きさである。
WUx=Ux−Wx
WUy=Uy−Wy
WUz=Uz−Wz
となる。コイルfvの間接検出の方位ベクトルV_ind は、コイルfwとコイルfuの間のベクトルWUを、その大きさ|WU|で割って規格化したものである。WUの向きとV_dirの向きは反対のために、V_indを計算するとき、次式のようにマイナス符号を付ける。
V_ind =−WU/|WU|
W_ind=(U_dir×V_dir)/|U_dir×V_dir| (dir:directの略)
測定誤差があるために、直接検出の方位ベクトルと間接検出の方位ベクトルは、一般的には少し食い違っている。しかしながら、その食い違いは小さいために、領域1と領域2では、直接検出の方位ベクトルと間接検出の方位ベクトルを使って表裏判定や鏡像判定をすることができる。
このように、入力コイルfu、fv、fw各々の直接検出方位ベクトルを、U_dir、V_dir、W_dirで表すことにする。また、入力コイルfu、fv、fw各々の間接検出方位ベクトルを、U_ind、V_ind、W_indで表すことにする。
検出領域111の場合には、表裏判定は二者択一によって行う(ステップS317)。
即ち、直接検出の方位ベクトルU_dirとは反対のベクトル−U_dirを考えて、間接検出の方位ベクトルU_dirとのベクトル差の小さい方を採用する(図19参照)。
入力コイルfuについては、
|U_dir−U_ind|≦|U_dir+U_ind|ならばU_dir=U_dir
|U_dir−U_ind|>|U_dir+U_ind|ならばU_dir=−U_dir
入力コイルfvについては、
|V_dir−V_ind|≦|V_dir+V_ind|ならばV_dir=V_dir
|V_dir−V_ind|>|V_dir+V_ind|ならばV_dir=−V_dir
入力コイルfwについては、
|W_dir−W_ind|≦|W_dir+W_ind|ならばW_dir=W_dir
|W_dir−W_ind|>|W_dir+W_ind|ならばW_dir=−W_dir
である。但し、|U_dir−U_ind|などは、ベクトル(U_dir−U_ind)の大きさを意味し、以下も同様である。また、イコール(=)は、右辺を左辺に代入するという意味である。以下も同様である。
検出領域112の場合は、方位ベクトルWのみがXY平面に略平行にあって、X軸又はY軸方向とは食い違っている場合である。表裏判定は二者択一によって行う(ステップS318)。
入力コイルfuについては、
|U_dir−U_ind|≦|U_dir+U_ind|ならばU_dir=U_dir
|U_dir−U_ind|>|U_dir+U_ind|ならばU_dir =−U_dir
入力コイルfvについては、
|V_dir−V_ind|≦|V_dir+V_ind|ならばV_dir=V_dir
|V_dir−V_ind|>|V_dir+V_ind|ならばV_dir=−V_dir
である。
図20に示すように、表裏判定後の直接検出方位ベクトルU_dirとV_dirのベクトル積をとって、コイルfwの間接検出の方位ベクトルW_indとする。コイルfwは横倒し(θ≒ 90度)なので、直接検出の方位ベクトルW_dirは、X軸又はY軸を鏡とした鏡像が現れる。その中で、W_indに一番近いものが実像である。それをW_dirとする。また、鏡像が発生するのは、Z成分が0付近のときであるので、鏡像に相当する、W_dir2とW_dir4はそのZ成分をWz_dirに、W_dir3はそのZ成分を−Wz_dirにする。即ち、W_indは次式で表される。尚、次式において、規格化も行う。
W_ind=(U_dir×V_dir)/|U_dir×V_dir|
表裏判定及び胸像判定は、次のようにして四者択一で行う(ステップS322)。
W_ind=(Wx_ind,Wy_ind,Wz_ind )
W_dir1=(Wx_dir,Wy_dir,Wz_dir )
W_dir2=(−Wx_dir,Wy_dir,Wz_dir)
W_dir3=(−Wx_dir,−Wy_dir,−Wz_dir )
W_dir4=(Wx_dir,−Wy_dir,Wz_dir)
とすると、
|W_dir1−W_ind|≦|W_dir2−W_ind|かつ
|W_dir1−W_ind|≦|W_dir3−W_ind|かつ
|W_dir1−W_ind|≦|W_dir4−W_ind|ならばW_dir=W_dir1
である。また、
|W_dir2−W_ind|≦|W_dir1−W_ind|かつ
|W_dir2−W_ind|≦|W_dir3−W_ind|かつ
|W_dir2−W_ind|≦|W_dir4−W_ind|ならばW_dir=W_dir2
である。また、
|W_dir3−W_ind|≦|W_dir1−W_ind|かつ
|W_dir3−W_ind|≦|W_dir2−W_ind|かつ
|W_dir3−W_ind|≦|W_dir4−W_ind|ならばW_dir=W_dir3
である。また、
|W_dir4−W_ind|≦|W_dir1−W_ind|かつ
|W_dir4−W_ind|≦|W_dir2−W_ind|かつ
|W_dir4−W_ind|≦|W_dir3−W_ind|ならばW_dir=W_dir4
である。検出領域121、検出領域211の場合も前記と略同様の処理を行う。
<表裏判定>
検出領域122は、方位ベクトルのVとWの両者共にXY平面に略平行にあり、かつ、X軸又はY軸方向とは食い違っている場合である。表裏判定は二者択一によって行う(ステップS318)。
即ち、入力コイルfuについては、
|U_dir−U_ind|≦|U_dir+U_ind|ならばU_dir=U_dir
|U_dir−U_ind|>|U_dir+U_ind|ならばU_dir=−U_dir
である。
入力コイルfvについては、表裏判定及び鏡像判定は、次のようにして四者択一で行う(図21参照)(ステップS322)。
即ち、入力コイルfvについては、
V_ind=(Vx_ind,Vy_ind,Vz_ind )
V_dir1=(Vx_dir,Vy_dir,Vz_dir )
V_dir2=(−Vx_dir,Vy_dir,Vz_dir)
V_dir3=(−Vx_dir,−Vy_dir,−Vz_dir )
V_dir4=(Vx_dir,−Vy_dir,Vz_dir)
とすると、
|V_dir1−V_ind|≦|V_dir2−V_ind|かつ
|V_dir1−V_ind|≦|V_dir3−V_ind|かつ
|V_dir1−V_ind|≦|V_dir4−V_ind|ならばV_dir=V_dir1
である。また、
|V_dir2−V_ind|≦|V_dir1−V_ind|かつ
|V_dir2−V_ind|≦|V_dir3−V_ind|かつ
|V_dir2−V_ind|≦|V_dir4−V_ind|ならばV_dir=V_dir2
である。また、
|V_dir3−V_ind|≦|V_dir1−V_ind|かつ
|V_dir3−V_ind|≦|V_dir2−V_ind|かつ
|V_dir3−V_ind|≦|V_dir4−V_ind|ならばV_dir=V_dir3
である。また、
|V_dir4−V_ind|≦|V_dir1−V_ind|かつ
|V_dir4−V_ind|≦|V_dir2−V_ind|かつ
|V_dir4−V_ind|≦|V_dir3−V_ind|ならばV_dir=V_dir4
である。ここで、表裏判定後のU_dir、V_dirを使って、ベクトル積にてW_indを算出しておく。
入力コイルfwについては、表裏判定及び胸像判定は、次のようにして四者択一で行う(図21参照)(ステップS322)。
即ち、入力コイルfwについては、
W_ind=(Wx_ind,Wy_ind,Wz_ind )
W_dir1=(Wx_dir,Wy_dir,Wz_dir )
W_dir2=(−Wx_dir,Wy_dir,Wz_dir)
W_dir3=(−Wx_dir,−Wy_dir,−Wz_dir )
W_dir4=(Wx_dir,−Wy_dir,Wz_dir)
とすると、
|W_dir1−W_ind|≦|W_dir2−W_ind|かつ
|W_dir1−W_ind|≦|W_dir3−W_ind|かつ
|W_dir1−W_ind|≦|W_dir4−W_ind|ならばW_dir=W_dir1
|W_dir2−W_ind|≦|W_dir1−W_ind|かつ
|W_dir2−W_ind|≦|W_dir3−W_ind|かつ
|W_dir2−W_ind|≦|W_dir4−W_ind|ならばW_dir=W_dir2
|W_dir3−W_ind|≦|W_dir1−W_ind|かつ
|W_dir3−W_ind|≦|W_dir2−W_ind|かつ
|W_dir3−W_ind|≦|W_dir4−W_ind|ならばW_dir=W_dir3
|W_dir4−W_ind|≦|W_dir1−W_ind|かつ
|W_dir4−W_ind|≦|W_dir2−W_ind|かつ
|W_dir4−W_ind|≦|W_dir3−W_ind|ならばW_dir=W_dir4
尚、検出領域211、検出領域121、検出領域221、検出領域212も略同様に処理する。
<表裏判定>
検出領域113の場合の表裏判定は、次のようにして二者択一で決定する(ステップS319)。
入力コイルfuについては、
|U_dir−U_ind|≦|U_dir+U_ind|ならばU_dir=U_dir
|U_dir−U_ind|>|U_dir+U_ind|ならばU_dir=−U_dir
である。また、入力コイルfvについては、
Sign(Vz_dir)=−Sign(WUz)ならばV_dir=V_dir
である。
Sign(Vz_dir)=Sign(WUz)ならばV_dir=−V_dir
である。但し、「Sign()」は符号を表す関数で、負の場合−1、正の場合+1を返す。
また、入力コイルfwについては、次のベクトル積からW_indを求め、W_dirとしてW_indを用いる。
W_ind=U_dir×V_dir
尚、検出領域131、検出領域311も略同様に処理する。
一例として、コイルfuはθ=90度、コイルfvはθ=90度、コイルfwはθ=0度とし、コイルfwを基準に計算する例を示す。但し、fwはθ=0度のため、3つのコイル共に略同じ高さであるので、Zの記述は省略する。
X、Y矩形センサ110の上の小さなお皿の上に球体を置き、球体中心のX、Y座標も高さも一定で、図22(平面図)の姿勢でZ軸周りに回転させた場合の例を説明する。
先ず、簡単のため、入力コイルfw(入力要素105)の中心が座標原点にあると仮定する。
コイルfu(入力要素103)とコイルfv(入力要素104)の一般方位角を、それぞれ、φu、φvとすると、コイルfu(入力要素103)、コイルfv(入力要素104)の中心の座標をそれぞれ、(Xu,Yu)、(Xv,Yv)とし、各々、記号U、Vで表す。
図24において、直角三角形 △UWAと直角三角形 △VUBは相似である。即ち、
△UWA ∽ △VUB
と表せる。
故に、Xu:Yu=(Yv−Yu):(Xu−Xv) ・・・(1)
∴ Xu/Yu=(Yv−Yu)/(Xu−Xv)
ここで、k=15.0mm/13.5mm=1.111 とおくと、
(Yv−Yu)/Xu=(Xu-Xv)/Yu=k ・・・(2)
Xu−Xv=kYu
∴ Xu=Xv+kYu (特にfu、90度≦φu≦135度) ・・・(3)
(2)式の左辺より、
Yu−Yv=kXu
∴ Yu=Yv−kXu (特にfu、135度≦φu≦180度) ・・・(4)
(1)式より、
(Xu−Xv)Xu=(Yv−Yu)Yu
∴ Xu−Xv=(Yv−Yu)Yu/Xu
∴ Xv=Xu+(Yu−Yv)Yu/Xu ・・・(5)
Xv=Xu+[{(Yv−kXu)−Yv}(Yv−kXu)]/Xu
=Xu−k(Yv−kXu)
=Xu−kYv+k2Xu
∴ Xv=(1+k2)Xu−kYv (特にfv、225≦φv≦270度) ・・・(6)
また、(1)式より、(5)式を導出する手順と同様にして、
(Yv−Yu)Yu=(Xu−Xv)Xu
∴ Yv−Yu=(Xu−Xv)Xu/Yu
∴ Yv=Yu+(Xu−Xv)Xu/Yu ・・・(7)
Yv=Yu+[{(Xv+kYu)−Xv}(Xv+kYu)]/Yu
=Yu+k(Xv+kYu)
∴ Yv=(1+k2)Yu+kXv (特にfv、180≦φv≦225度) ・・・(8)
結局、以上の4式(3)、(4)、(6)及び(8)が、間接検出の算出式である。
直接検出座標と一緒にすると、2つのコイルfu、fvのX、Y座標が検出されることがわかる。
Xu=Xv+kYu (間接検出)
Yu=Yu (直接検出)
Xv=Xv (直接検出)
Yv=(1+k2)Yu+kXv (間接検出)
となる。
Xu=Xu (直接検出)
Yu=Yv−kXu (間接検出)
Xv=(1+k2)Xu−kYv (間接検出)
Yv=Yv (直接検出)
となる。以上が北半球における座標検出である。
Xu=Xv−kYu (間接検出)
Yu=Yu (直接検出)
Xv=Xv (直接検出)
Yv=(1+k2)Yu−kXv (間接検出)
となる。
Xu=Xu (直接検出)
Yu=Yv+kXu (間接検出)
Xv=(1+k2)Xu+kYv (間接検出)
Yv=Yv (直接検出)
となる。
次に、コイルfwの中心のX、Y座標(Xw,Yw)を足す。
Xu=Xu+Xw
Yu=Yu+Yw
Xv=Xv+Xw
Yv=Yv+Yw
これにより、所定位置を基準とするコイルfu、fwの中心の位置座標が得られる。
入力コイルfu、fv、fwを、水平面内に15度ずつ回転させて、各コイルfu、fv、fwの各直接検出方位ベクトル成分Ux_dir、Uy_dir、Uz_dir、Vx_dir、Vy_dir、Vz_dir、Wx_dir、Wy_dir、Wz_dirを、水平面内回転角φに対してプロットすると図25〜図27のようになる。
次に、3つの入力コイルfu、fv、fwのX、Y、Z座標を元に、コイル間ベクトルUVとWUを算出し、それを規格化などする。これらから、コイルfuとコイルfvの間接検出方位ベクトル成分Ux_ind、Uy_ind、Uz_ind、Vx_ind、Vy_ind、Vz_indを求めると、図28、図29のようになる。
したがって、表裏判定後のコイルfvの直接検出方位ベクトル成分は、図30、図31のようになる。表裏判定後のコイルfuの方位ベクトルと、表裏判定後のコイルfvの方位ベクトルとのベクトル積を求め、規格化して、コイルfwの間接検出方位ベクトル成分として、図32に示す。
ここで、コイルfwの直接検出方位ベクトル成分を、コイルfwの間接検出方位ベクトル成分と比較して表裏判定すると、直接検出方位ベクトル成分はそのままで良いことになり、図33(図27と同じ)のようになる。
検出領域112、113の場合も前記同様の考えで処理することができ、前記例1に対応する図を、図34〜図43に示している。但し、Sign(WUz)を使って、表裏の向きを判定している。
検出領域は入力コイルfu、fv、fwの順に、検出領域331、221、321、231 などに変化する。
コイルfu、fvともに、横倒し状態θ=0度であるので、X軸やY軸に平行になったときに、順にY座標とX座標が不定になる。その様子が特性図に現れている。但し、コイルfuの中心のX、Y座標Xu、Yuは、コイルfwの中心のX、Y座標を原点にした場合の座標である。Z座標は理論上は一定であるが、Z座標不定になることはない。
ここで、直接検出座標と間接検出座標とを重み平均することによって、重み平均をとった後の値が、直接検出座標と間接検出座標とを切換選択する際に急激な変化が生じずに連続的な滑らかな変化になるようにする(ステップS325)。
このために、直接検出座標と間接検出座標をの検出できている座標を有効に利用するために、重み平均するための重みを設定しておく。コイルfuのX、Y信号のピーク値をプロットすると図46のようになる。下式のように、そのピーク値で比を作りさらに比を3乗して、図47に示すような重みwei_LUxm、wei_LUymとする。
wei_LUxm=(LUxm/(LUxm+LUym))3
wei_LUym=(LUym/(LUxm+LUym))3
Xu_wei=wei_LUx*Xu_dir+(1−wei_LUx)*Xu_ind
Yu_wei=wei_LUy*Yu_dir+(1−wei_LUy)*Yu_ind
Xv_wei=wei_LVx*Xv_dir+(1−wei_LVx)*Xv_ind
Yv_wei=wei_LVy*Yv_dir+(1−wei_LVy)*Yv_ind
この結果により、コイルfu−fv間のベクトルを算出する。図50は、コイルfu−fv間のベクトルの大きさ成分がコイルfuの方位角φuに依存する様子を示す図である。
次に、コイルfwを原点にした座標から、タブレットの検出座標の(Xw,Yw)を入力して特性図を書くと、図52、図53に示すように、Xw、Ywともに三角関数的に変化するが、球体102の中心は一定に近いことがわかる。
図54は、コイルfuの方位角φuに対する、直接検出した3本のコイルfu、fv、fwの中心高さZu_dir、Zv_dir、Zw_dirと球体102の中心の高さZG_dirの変化を示す図である。
これを、直接検出座標と間接検出座標で重み平均をとると、図56のYu_wei、Yv_wei、Yw_weiのように略リニアになる。
入力装置101(球体102)の中心の直接検出のX座標、Y座標は座標不定により、誤差が大きくなることがある。しかし、間接検出のX座標、Y座標と重み平均することにより、図58のYG_weiに示すように、座標変化の様子がリニアに検出される。また、高さZは、直接検出のZ座標を使う。
例えば、3つのコイルfu、fv、fwのうち、コイルfvの直接検出の方位ベクトル成分は、北半球のみに向いており(Z成分が常に0又は正)、そのために、図59に示すように、X、Y成分の極性がしばしば反転する。コイルfu、fwについても同様の特性となる。
間接検出方位ベクトルにより、直接検出方位ベクトルを鏡像判定や表裏判定した上で、その直接検出方位ベクトルと間接検出方位ベクトルを重み平均すれば、図60に示すように、滑らかな三角関数的な変化になる。但し、方位ベクトルのZ成分だけは、重み平均として、直接検出方位ベクトル成分をそのまま使用する。これで、次式で表すように、入力装置101の姿勢が検出される(ステップS327)。尚、次式において、U_wei、V_wei、W_weiは、各々、コイルfu、fv、fwの重み平均で算出した方位ベクトルを表している。
また、Ux_wei、Uy_wei、Uz_wei、Vx_wei、Vy_wei、Vz_wei、Wx_wei、Wy_wei、Wz_weiは、順に、方位ベクトルU_wei、V_wei、W_weiのX、Y、Z成分を表している。
図61〜図63において、3次元情報入力装置6101は、外形が球状の球体6102及び球体6102内に配設され、各々が入力要素を構成する複数(本実施の形態では3つ)の入力コイル6103、6104、6105を備えている。
各入力コイル6103〜6105は円形状の空芯コイルによって構成されており、樹脂等の絶縁性材料によって構成された球体6102内に、各入力コイル6103〜6105の円形中心を通る軸(コイルの軸)が相互に直角になるように配設されている。
尚、各入力コイル6103〜6105は、相互にチェーン状に交差するように構成してもよい。
図64〜図67において、複数(本実施の形態では3つ)の入力要素6403〜6405は、樹脂等の絶縁性材料によって構成された球体6402内に、各入力要素6403〜6405の長さ方向であってそれらの中心を通る軸(長さ方向の中心軸)が相互に直接交差しない状態で、相互に所定距離をおいて直交するように配設されている。
即ち、第1の入力コイル6406(入力要素6403)の中心を通り、その入力コイル6406の長さ方向の軸に垂直な面である法平面を考える。残り2つの入力コイル6407、6408のうち、その法平面から離れている入力コイルを第2のコイルとし、残りを第3のコイルとする。尚、図67では、第2の入力コイルは入力コイル6407、第3の入力コイルは入力コイル6408である。
第1の入力コイル6406(入力要素6403)の軸方向に大きさ1の単位ベクトルを考える。この単位ベクトルの表裏の向きは、第2の入力コイル6407(入力要素6404)がある方向に選び、第1の入力コイル6406の方位ベクトルとする。
更に、同様に、第3の入力コイル6408(入力要素6405)の軸方向に大きさ1の単位ベクトルを考える。この単位ベクトルの表裏の向きは、第1の入力コイル6406(入力要素6403)がある方向に選び、第3の入力コイル6408(入力要素6405)の方位ベクトルとする。
球体6402には、前記のような配置に各入力要素6403〜6405を保持するための円柱状の孔6415〜6417が形成されており、各入力要素6403〜6405は、球体6402内の位置がずれないように各孔6415〜6417内に収容保持されている。
但し、前記第1の実施の形態に係る3次元情報入力装置101では2つのコイル106、107(入力要素103、104)が同一平面上にあったのに対して、本第3の実施の形態に係る3次元情報入力装置6401では全てのコイルは異なる平面上に配設されており、3次元情報入力装置101と3次元情報入力装置6401ではコイルの位置がシフトしている点で相違しているため、3次元情報入力装置6401を用いた3次元情報検出システムでは、3次元情報検出装置で検出信号から3次元情報を算出する際に、コイルのシフト量を考慮した算出処理を施す必要がある。
前記第3の実施の形態では右手系配列の3次元情報入力装置の例をあげたが、本第4の実施の形態に係る3次元情報入力装置6801は左手系配列の3次元情報入力装置の例である。
図71に示すように、仮想的な立方体7101を仮定して各入力要素6803〜6805の配置を説明すると、入力要素6803、入力要素6804、入力要素6803は各々立方体7101の相互に直交する異なる面上に配置されることによって、各入力要素6803〜6805は相互に直接交差せずに、所定距離をおいて直交するよう配設されている。
球体6802には、前記のような配置に各入力要素6803〜6805を保持するための円柱状の孔6815〜6817が形成されており、各入力要素6803〜6805は、球体6802内の位置がずれないように各孔6815〜6817内に収容保持されている。
但し、前記第1の実施の形態に係る3次元情報入力装置101では2つのコイル106、107(入力要素103、104)が同一平面上に配設されると共に右手系配列であるのに対して、本第3の実施の形態に係る3次元情報入力装置6801では全てのコイルは異なる平面上に配設されると共に左手系配列である。したがって、3次元情報入力装置6801を用いた3次元情報検出システムでは、3次元情報検出装置で検出信号から3次元情報を算出する際に、入力コイルの配列の相違及びシフト量を考慮した算出処理を施せば、前記第1の実施の形態と同様の処理を行うことによって3次元情報を検出することができる。
本第2の実施の形態に係る3次元情報検出システムは、3次元情報入力装置101と3次元情報入力装置101の位置や姿勢等の3次元情報を検出する3次元情報検出装置7200を備えている。
3次元情報検出装置7200は、検出面の略全域にわたって相互に直交するように配設された複数のコイル(複数の信号検出用センサコイル及び複数の信号送信用コイル)7210を備えている。
複数のコイル7210中のセンサコイルは、複数のXセンサコイルとYセンサコイルとから構成されており、前記センサコイルの切替を行う切替部7201及び増幅回路を有する受信回路112を介して、信号検出手段を構成する検出部113に接続されている。検出部113は、受信した信号を検波するための複数種類の周波数信号(例えば周波数fu、fv、fw)を検波する検波回路を備えている。
本第3の実施の形態に係る3次元情報検出システムは、3次元情報入力装置7305と3次元情報入力装置7305の位置や姿勢等の3次元情報を検出する3次元情報検出装置7300を備えている。
3次元情報入力装置7305は、前述したような配置の複数の入力要素103〜105を有すると共に、図示していないが、各入力要素103〜105から複数種類の周波数信号(例えば周波数fu、fv、fw)を発生させるための信号発生回路や電源を有している。
3次元情報検出装置7300は、検出面の略全域にわたって相互に直交するように配設された複数のセンサコイル110を備えている。
検出部113の出力部は、制御部7301に接続されている。制御部7301は中央処理装置(CPU)7302及びCPU7302が実行するプログラムを記憶すると共にデータ等を記憶するメモリ7303を備えており、3次元情報の算出処理や、受信回路112、検出部113の制御等を行う。
3次元情報検出装置7300では、制御部7301の制御の下、切替部7304を切替制御することにより、制御部7203で選択したセンサコイル110によって3次元情報入力装置101からの信号を検出し、受信回路112を介して検出部113で検出する。制御部7301は、検出部113で検出した信号に基づいて3次元情報入力装置7305の位置や姿勢等の3次元情報を算出する。これにより、3次元情報入力装置7305によって入力された3次元情報の検出が行われる。
本第4の実施の形態に係る3次元情報検出システムは、3次元情報入力装置7405と3次元情報入力装置7405の位置や姿勢等の3次元情報を検出する3次元情報検出装置7400を備えており、3次元情報入力装置7405と3次元情報検出装置7400は電気ケーブル7404によって接続されている。3次元情報入力装置7405は電気ケーブル7404を介して、3次元情報検出装置7400から入力要素103〜105への信号を受信したり、3次元情報入力装置7405の電子的な構成要素に電源供給を受けたりする。
3次元情報入力装置7405は、前述したような配置の複数の入力要素103〜105を有すると共に、各入力要素103〜105は、電気ケーブル7404介して送信回路118から相互に異なる周波数信号(例えば周波数fu、fv、fw)を受信して、電磁結合によって3次元情報検出装置7400に出力する。
センサコイル110は、複数のXセンサコイルとYセンサコイルとから構成されており、センサコイル110を切り替える切替部7404及び増幅回路を有する受信回路112を介して、信号検出手段を構成する検出部113に接続されている。検出部113は、受信した信号を検波するための複数種類の周波数信号(例えば周波数fu、fv、fw)を検波する検波回路を備えている。
検出部113の出力部は、制御部7401に接続されている。制御部7401は中央処理装置(CPU)7402及びCPU7402が実行するプログラムを記憶すると共にデータ等を記憶するメモリ7403を備えており、3次元情報の算出処理や、受信回路112、検出部113、送信制御部117、送信回路118の制御等を行う。
尚、3次元情報入力装置7405と3次元情報検出装置7400間の信号送受信の同期をとるために、検出部113と送信制御部117は接続されている。
3次元情報検出装置7300では、制御部7301の制御の下、切替部7404及び受信回路112を介して、制御部7203で選択したセンサコイル110によって3次元情報入力装置101からの信号を電磁結合で検出し、受信回路112を介して検出部113で検出する。制御部7401は、検出部113で検出した信号に基づいて3次元情報入力装置7405の位置や姿勢等の3次元情報を算出する。これにより、3次元情報入力装置7405によって入力された3次元情報の検出が行われる。本実施の形態では、3次元情報入力装置7405と3次元情報検出装置間での信号の送受信の同期をとっているために、表裏判定等を容易に行うことが可能になる。
また、前記各実施の形態では、3次元情報検出装置のセンサコイルから発生した信号を3次元情報入力装置で受信し、3次元情報入力装置から3次元情報検出装置に信号を返送し、3次元情報入力装置に信号を送信したセンサコイルと同一のセンサコイルで3次元情報入力装置からの信号を受信し、3次元情報検出装置側で入力要素の位置や方向を検出することによって3次元情報入力装置の位置や姿勢を検出するようにしたが、信号の送信、受信を異なるセンサコイルによって行うように構成することが可能である。
また、3次元情報入力装置側に、電源若しくは他から電源供給を受ける電源回路、送受信するための信号を発生する信号発生回路、前記信号の送受信回路、算出部及び算出結果を赤外線や電波等の無線で送信する送信回路を内蔵させ、その一方、3次元情報検出装置側に、共振回路を構成する複数のコイルを平面的に配設するように構成し、入力装置側から送信した信号を検出装置側で受信して返送し、これを入力装置の送受信回路で受信して、前記算出部により各入力要素の3次元情報(3次元座標及び方向)を算出し、該算出結果を前記送信回路で上位装置等の他の装置に送信するように構成してもよい。
また、3次元情報入力装置側に、電源若しくは他から電源供給を受ける電源回路、信号の受信部、受信信号を所定の送信フォーマットに処理する信号処理部、前記信号処理結果を赤外線や電波等の無線で送信する送信回路を内蔵させ、その一方、3次元情報検出装置側に、共振回路を構成する複数のセンサコイル、前記センサコイルを切替選択する選択回路、送受信するための信号を発生する信号発生回路、前記送信回路からの信号を受けて各入力要素の3次元情報を算出する算出部を設けるようにしても良い。
また、各入力要素の外形球体以外にも、円柱体、楕円体等、種々の形状に構成することができる。
また、3次元情報検出装置側に発振回路を設けるような構成とした場合には、センサコイルは共振回路を形成しないように構成することが可能である。
さらにまた、入力コイルや3次元情報検出装置が共振回路を構成する場合において、送受信する信号は必ずしも前記共振回路の共振周波数に完全に一致させる必要はなく、実質的な受信信号が得られる程度の相違を有する範囲内の信号、即ち、前記共振周波数に関連する信号であればよい。
また、センサコイルから検出用信号を送信して、3次元情報入力装置で前記検出用信号を受信し、前記3次元入力装置で検出した信号に基づいて前記3次元情報入力装置の位置や姿勢等の3次元情報を算出するように構成することも可能である。
また、前記第1、第2、第3の入力コイルは左手系配列で配設されて成るように構成することができる。
また、前記入力装置は球体を有し、前記各入力コイルは前記球体内に配設されて成るように構成することができる。
また、前記複数の入力コイルの合成中心位置と前記球体の中心位置が一致するように配設されて成るように構成することができる。
また、前記各入力コイルは磁性材料に巻回されているように構成することができる。
また、前記各入力コイルは空芯コイルであるように構成することができる。
また、前記各入力コイルには、各入力コイルとともに異なる周波数の共振回路を構成する共振用コンデンサが接続されて成るように構成することができる。
また、前記送信信号発生回路に駆動電力を供給する電池を備えて成るように構成することができる。
また、前記算出手段は、前記検出手段で検出した検出信号に基づいて、少なくとも3次元空間における前記入力手段の姿勢を算出するように構成することができる。
また、前記算出手段は、前記検出手段で検出した検出信号に基づいて、少なくとも3次元空間における前記入力手段の座標を算出するように構成することができる。
また、前記算出手段は、前記検出手段で検出した前記検出信号中のピーク値近傍の少なくとも3点の信号に基づいて、前記入力手段のX軸座標及びY軸座標を算出すると共に、前記検出信号の所定レベル値における信号分布の幅から前記各入力手段の高さを得るように構成することができる。
また、前記算出手段は、前記検出手段で検出した各コイルに対応する検出信号の関係から前記入力手段の傾き角θ及び方位角φを得るように構成することができる。
また、前記算出手段は、前記各入力コイルに対応する検出信号のサブ信号比から前記入力手段の傾き角θ及び方位角φを得るように構成することができる。
また、前記算出手段は、前記各入力コイルに対応する検出信号の左右片側幅の比から前記入力手段の傾き角θ及び方位角φを得るように構成することができる。
また、前記信号発生手段から前記入力コイルに電流を供給することによって前記入力コイルから信号を送信し、前記検出手段は前記センサコイルで生じた信号を検出するように構成することができる。
また、前記信号発生手段から前記センサコイルに電流を供給することによって前記センサコイルから信号を送信し、前記検出手段は前記入力コイルで生じた信号を検出するように構成することができる。
このように、3次元情報入力装置に含まれる複数の入力コイルが相互に干渉しないように構成することによって、3次元情報検出システムにおいて簡単な構成で、表裏判定や鏡像判定が可能になり、3次元情報入力装置から入力された位置や姿勢等の3次元情報を容易に検出することが可能になる。
また、3次元情報入力装置と直交センサを用いた簡単な構成により、表裏判定や鏡像判定が可能になるため、簡単な構成で3次元情報を検出することが可能になる。
102、6102、6402、6802・・・球体
103〜105、6403〜6405、6803〜6805・・・入力要素
106〜108、6103〜6105、6406〜6408、6806〜6808・・・入力コイル
109、7200、7300、7400・・・3次元情報検出手段を構成する3次元情報検出装置
110・・・センサコイル
111、7201、7202・・・選択手段を構成する切替部
112・・・受信回路
113・・・信号検出手段を構成する検出部
114、7203、7301、7401・・・処理手段を構成する制御部
115、7204、7302、7402・・・算出手段、選択手段、同期制御手段を構成するCPU
116、7205、7303、7403・・・記憶手段を構成するメモリ
117・・・送信制御部
118・・・送信回路
601〜603、6409〜6411、6809〜6811・・・コア
605〜607、6412〜6414、6812〜6814・・・コンデンサ
608〜610、6415〜6417、6815〜6817・・・孔
901、6701、7101・・・立方体
7210・・・コイル
7404・・・電気ケーブル
Claims (31)
- 3次元情報入力用の複数の入力コイルを有する3次元情報入力手段と、
相互に交差するように検出面にそって配設され前記複数の入力コイルと電磁的に結合する複数のセンサコイルと、
前記センサコイルを切り換え選択する選択手段と、
前記入力コイルと選択された前記センサコイル間で電磁結合により送受信する信号を発生する信号発生手段と、
前記選択されたセンサコイル又は前記入力コイルで受信した信号を検出する信号検出手段と、
前記信号検出手段によって検出した検出信号に基づいて、3次元空間における前記入力手段の3次元情報を算出する算出手段とを備え、
前記3次元情報入力手段は、前記複数の入力コイルとして、第1、第2、第3の入力コイルを有し、前記第1、第2、第3のコイルの中心軸は相互に直角となるように配設されると共に前記第1、第2のコイルの中心軸が同一平面上に位置するように配設されて成ることを特徴とする3次元情報検出システム。 - 前記第3の入力コイルの中心位置が前記第1、第2のコイルの中心軸と同一平面上に位置するように配設されて成ることを特徴とする請求項1記載の3次元情報検出システム。
- 3次元情報入力用の複数の入力コイルを有する3次元情報入力手段と、
相互に交差するように検出面にそって配設され前記複数の入力コイルと電磁的に結合する複数のセンサコイルと、
前記センサコイルを切り換え選択する選択手段と、
前記入力コイルと選択された前記センサコイル間で電磁結合により送受信する信号を発生する信号発生手段と、
前記選択されたセンサコイル又は前記入力コイルで受信した信号を検出する信号検出手段と、
前記信号検出手段によって検出した検出信号に基づいて、3次元空間における前記入力手段の3次元情報を算出する算出手段とを備え、
前記3次元情報入力手段は、前記複数の入力コイルとして、第1、第2、第3の入力コイルを有し、前記各コイルの中心軸は磁気的に干渉しないように相互に直角となるように配設されると共に相互に直接交差しないように配設されて成ることを特徴とする3次元情報検出システム。 - 前記第1、第2、第3の入力コイルは右手系配列で配設されて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の3次元情報検出システム。
- 前記第1、第2、第3の入力コイルは左手系配列で配設されて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の3次元情報検出システム。
- 前記3次元情報入力手段は球体を有し、前記各入力コイルは前記球体内に配設されて成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の3次元情報検出システム。
- 前記第1、第2、第3の入力コイルの合成中心位置と前記球体の中心位置が一致するように配設されて成ることを特徴とする請求項6記載の3次元情報検出システム。
- 前記各入力コイルは磁性材料に巻回されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載の3次元情報検出システム。
- 前記各入力コイルは空芯コイルであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載の3次元情報検出システム。
- 前記各入力コイルには、各入力コイルとともに異なる周波数の共振回路を構成する共振用コンデンサが接続されて成ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載の3次元情報検出システム。
- 前記算出手段は、前記検出手段で検出した検出信号に基づいて、少なくとも3次元空間における前記3次元情報入力手段の姿勢を算出することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の3次元情報検出システム。
- 前記算出手段は、前記検出手段で検出した検出信号に基づいて、少なくとも3次元空間における前記3次元情報入力手段の座標を算出することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の3次元情報検出システム。
- 前記算出手段は、前記検出手段で検出した検出信号に基づいて、3次元空間における前記3次元情報入力手段の姿勢及び座標を算出することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の3次元情報検出システム。
- 前記算出手段は、前記検出手段で検出した前記検出信号中のピーク値近傍の少なくとも3点の信号に基づいて、前記各入力コイルのX軸座標及びY軸座標を算出すると共に、前記検出信号の所定レベル値における信号分布の幅から前記各入力コイルの高さを得ることにより、前記3次元情報入力手段の姿勢及び/又は座標を算出することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一に記載の3次元情報検出システム。
- 前記算出手段は、前記姿勢について、前記検出手段で検出した各コイルに対応する検出信号の関係から前記3次元情報入力手段の傾き角θ及び方位角φを得ることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一に記載の3次元情報検出システム。
- 前記算出手段は、前記各入力コイルに対応する検出信号のサブ信号比から前記3次元情報入力手段の傾き角θ及び方位角φを得ることを特徴とする請求項15記載の3次元情報検出システム。
- 前記算出手段は、前記各入力コイルに対応する検出信号の左右片側幅の比から前記3次元情報入力手段の傾き角θ及び方位角φを得ることを特徴とする請求項15記載の3次元情報検出システム。
- 前記信号発生手段は前記各入力コイルに対応する複数の周波数の信号を発生し、前記各入力コイルと前記選択されたセンサコイルとの間では異なる周波数の信号を送受信することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一に記載の3次元情報検出システム。
- 前記信号発生手段から前記各入力コイルに電流を供給することによって前記各入力コイルから信号を送信し、前記検出手段は前記センサコイルで生じた信号を検出することを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一に記載の3次元情報検出システム。
- 前記信号発生手段から前記センサコイルに電流を供給することによって前記センサコイルから信号を送信し、前記検出手段は前記各入力コイルで生じた信号を検出することを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一に記載の3次元情報検出システム。
- 前記信号発生手段から前記センサコイルに電流を供給することによって前記センサコイルから信号を送信し、前記入力コイルは前記信号を受信した後に前記センサコイルに返送し、前記検出手段は前記センサコイルで受信した信号を検出することを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一に記載の3次元情報検出システム。
- 3次元情報を入力するための複数の入力コイルを有し、前記複数の入力コイルと3次元情報検出装置との間で電磁結合によって信号の送受信を行うことにより、前記3次元情報検出装置に3次元情報を入力する3次元情報入力装置において、
前記複数の入力コイルとして第1、第2、第3の入力コイルを有し、前記各コイルの中心軸は相互に直角となるように配設されると共に前記第1、第2のコイルの中心軸が同一平面上に位置するように配設されて成ることを特徴とする3次元情報入力装置。 - 前記第3の入力コイルの中心位置が前記第1、第2のコイルの中心軸と同一平面上に位置するように配設されて成ることを特徴とする請求項22記載の3次元情報入力装置。
- 3次元情報を入力するための複数の入力コイルを有し、前記複数の入力コイルと3次元情報検出装置との間で電磁結合によって信号の送受信を行うことにより、前記3次元情報検出装置に3次元情報を入力する3次元情報入力装置において、
前記複数の入力コイルは第1、第2、第3の入力コイルを有し、前記各コイルの中心軸は磁気的に干渉しないように相互に直角となるように配設されると共に相互に直接交差しないように配設されて成ることを特徴とする3次元情報入力装置。 - 前記第1、第2、第3の入力コイルは右手系配列で配設されて成ることを特徴とする請求項22乃至24のいずれか一に記載の3次元情報入力装置。
- 前記第1、第2、第3の入力コイルは左手系配列で配設されて成ることを特徴とする請求項22乃至24のいずれかい一に記載の3次元情報入力装置。
- 球体を有し、前記各入力コイルは前記球体内に配設されて成ることを特徴とする請求項22乃至26のいずれか一に記載の3次元情報入力装置。
- 前記第1、第2、第3の入力コイルの合成中心位置と前記球体の中心位置が一致するように配設されて成ることを特徴とする請求項27記載の3次元情報入力装置。
- 前記各入力コイルは磁性材料に巻回されていることを特徴とする請求項22乃至28のいずれか一に記載の3次元情報入力装置。
- 前記各入力コイルは空芯コイルであることを特徴とする請求項22乃至28のいずれか一に記載の3次元情報入力装置。
- 前記各入力コイルには、各入力コイルとともに異なる周波数の共振回路を構成する共振用コンデンサが接続されて成ることを特徴とする請求項22乃至30のいずれか一に記載の3次元情報入力装置。
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