JP2011113127A - オブジェクト位置決め装置及びオブジェクト位置決め方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】AR技術において、オブジェクトの配置の自由度を向上すると共に、現実環境に則したオブジェクトの配置を実現する。
【解決手段】オブジェクト位置決め装置1では、オブジェクトが仮想的に投てきされたものとして扱われ、オブジェクトの投てきに関するパラメータであるオブジェクトの基準位置及び投てき方向といったオブジェクト投てき情報に基づいてオブジェクトの配置がオブジェクト位置決め部12により決定されるので、オブジェクトの配置の自由度が向上する。また、オブジェクト投てき情報に含まれる情報に基づきオブジェクトの仮想的な投てき軌跡Tが生成され、生成された投てき軌跡Tと構造物領域Sとの位置関係に基づいてオブジェクトの配置がオブジェクト位置決め部12により決定されるので、オブジェクトの配置に際して現実環境における構造物の存在が考慮されることとなる。
【選択図】図1
【解決手段】オブジェクト位置決め装置1では、オブジェクトが仮想的に投てきされたものとして扱われ、オブジェクトの投てきに関するパラメータであるオブジェクトの基準位置及び投てき方向といったオブジェクト投てき情報に基づいてオブジェクトの配置がオブジェクト位置決め部12により決定されるので、オブジェクトの配置の自由度が向上する。また、オブジェクト投てき情報に含まれる情報に基づきオブジェクトの仮想的な投てき軌跡Tが生成され、生成された投てき軌跡Tと構造物領域Sとの位置関係に基づいてオブジェクトの配置がオブジェクト位置決め部12により決定されるので、オブジェクトの配置に際して現実環境における構造物の存在が考慮されることとなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、オブジェクト位置決め装置及びオブジェクト位置決め方法に関する。
近年において、AR(Augmented Reality:拡張現実)技術を用いたサービスが開発・提供されている。例えば、カメラにより取得した画像中の対象物に対応付けられた付加情報を取得し、取得した付加情報を当該対象物に重畳して表示する技術が知られている。この技術では、付加情報は、各ユーザの移動端末により、当該ユーザの所在位置に関連付けられて例えばサーバ装置等に投稿され、投稿された付加情報は、サーバ装置に集約されることによりユーザ間で共有される。また、構造物の名称等のデータを予め記憶しておき、カメラで撮影した構造物に、当該構造物の名称等を対応付けて表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記したAR技術を用いたサービスでは、付加情報等のオブジェクトのデータはユーザの移動端末の所在位置に関連付けられるので、オブジェクトの配置の自由度が少ない。即ち、オブジェクトの関連付けを行いたい場所に、移動端末が所在する必要があり、自在にオブジェクトを配置するには労力を要することとなる。また、オブジェクトは、単に、所在位置に対応付けられて記憶されるので、現実環境における構造物等の存在は考慮されていない。このため、オブジェクトの配置が現実環境と乖離したものとなる場合がある。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、AR技術において、オブジェクトの配置の自由度を向上すると共に、現実環境に則したオブジェクトの配置を実現することが可能なオブジェクト位置決め装置及びオブジェクト位置決め方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のオブジェクト位置決め装置は、仮想的に投てきされたオブジェクトの仮想空間における配置を決定するオブジェクト位置決め装置であって、オブジェクトの基準位置及び仮想的な投てき方向を示す情報を含むオブジェクト投てき情報を取得するオブジェクト投てき情報取得手段と、オブジェクト投てき情報取得手段により取得されたオブジェクト投てき情報に基づいて形成される投てき軌跡と、仮想空間における構造物が配置された領域である構造物領域との位置関係に基づいて、オブジェクトの配置位置を決定するオブジェクト位置決め手段とを備えることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明のオブジェクト位置決め方法は、仮想的に投てきされたオブジェクトの仮想空間における配置を決定するオブジェクト位置決め装置におけるオブジェクト位置決め方法であって、オブジェクトの基準位置及び仮想的な投てき方向を示す情報を含むオブジェクト投てき情報を取得するオブジェクト投てき情報取得ステップと、オブジェクト投てき情報取得ステップにおいて取得されたオブジェクト投てき情報に基づいて形成される投てき軌跡と、仮想空間における構造物が配置された領域である構造物領域との位置関係に基づいて、オブジェクトの配置位置を決定するオブジェクト位置決めステップとを有することを特徴とする。
本発明のオブジェクト位置決め装置及びオブジェクト位置決め方法によれば、オブジェクトが仮想的に投てきされたものとして扱われ、オブジェクトの投てきに関するパラメータであるオブジェクトの基準位置及び投てき方向といったオブジェクト投てき情報に基づいてオブジェクトの配置が決定されるので、オブジェクトの配置の自由度が向上する。また、オブジェクト投てき情報に含まれる情報に基づきオブジェクトの仮想的な投てき軌跡が生成され、生成された投てき軌跡と構造物領域との位置関係に基づいてオブジェクトの配置が決定されるので、オブジェクトの配置に際して現実環境における構造物の存在が考慮されることとなる。従って、現実環境に則したオブジェクトの配置が実現される。なお、構造物は、地表に存在する全ての物を含んでおり、建造物のみならず、自然の地形により形成された物も含む。また、構造物には、仮想空間内において仮想的に設けられた構造物も含まれる。
また、本発明のオブジェクト位置決め装置では、構造物領域を示す構造物情報を予め記憶している地図データ記憶手段を更に備え、オブジェクト位置決め手段は、地図データ記憶手段に記憶されている構造物情報に基づいてオブジェクトの配置位置を決定することが好ましい。
また、本発明のオブジェクト位置決め装置では、オブジェクトに関する情報を記憶させるためのオブジェクト記憶手段と、オブジェクト位置決め手段により決定されたオブジェクトの配置位置を、当該オブジェクトの識別データに対応付けて、オブジェクト記憶手段に記憶させるオブジェクト位置登録手段とを更に備えることが好ましい。
また、本発明のオブジェクト位置決め装置では、オブジェクト位置決め手段は、オブジェクトの投てき軌跡が構造物領域と重複する場合に、オブジェクトの投てき軌跡と構造物領域の輪郭との交点であるオブジェクト衝突点のうち、投てき軌跡の始点位置に最も近いオブジェクト衝突点を、オブジェクトの配置位置として決定することを特徴とする。
この場合には、オブジェクト衝突点にオブジェクトが配置されるので、仮想的に投てきされたオブジェクトを構造物の壁面といった位置に貼りつけたように配置することが可能となる。
また、本発明のオブジェクト位置決め装置では、オブジェクト位置決め手段は、オブジェクトを表示する際のオブジェクトの向きを決定するための方位情報である正面方位情報を、オブジェクト衝突点における構造物領域の輪郭の法線の方位に基づいて生成し、オブジェクト位置登録手段は、オブジェクト位置決め手段により生成された正面方位情報を、当該オブジェクトの識別データに対応付けて、オブジェクト記憶手段に記憶させることを特徴とする。
この場合には、構造物の輪郭の法線の方位が正面方位情報としてオブジェクトに対応付けて記憶されるので、構造物の壁面に貼り付けられたように配置されたオブジェクトを、例えば端末装置等の何らかの装置の表示要求に応じて表示する際に、構造物の壁面が正面方向に対して成す角度に応じて、当該オブジェクトの向きを変えて表示させることが可能となる。従って、現実環境に則したオブジェクトの配置が実現される。
また、本発明のオブジェクト位置決め装置では、オブジェクト投てき情報は、オブジェクトの仮想的な投てき距離を示す情報を含み、オブジェクト位置決め手段は、オブジェクトの投てき軌跡が構造物領域と重複する場合に、オブジェクト投てき情報に基づき、基準位置を始点位置として投てき方向に向かって投てき距離だけ離れた位置を終点位置とする線分により表される投てき軌跡を生成し、投てき軌跡と構造物領域の輪郭との交点であるオブジェクト衝突点において反射された投てき軌跡の終点位置をオブジェクトの配置位置として決定することを特徴とする。
この場合には、オブジェクト衝突点において反射された投てき軌跡の終点位置にオブジェクトが配置されるので、仮想的に投てきされたオブジェクトが構造物の壁面で跳ね返された後に到達した位置に、当該オブジェクトを配置することが可能となる。従って、現実環境に則したオブジェクトの配置が実現される。
また、本発明のオブジェクト位置決め装置では、オブジェクト位置決め手段は、オブジェクト衝突点における構造物領域の輪郭の接線を対称軸として投てき軌跡の終点位置と線対称となる位置である反射終点位置をオブジェクトの配置位置として決定することが好ましい。
この場合には、上記のように求められる反射終点位置を、仮想的に投てきされたオブジェクトが構造物の壁面で跳ね返された後に到達した位置とするので、オブジェクトが適切に配置される。
また、本発明のオブジェクト位置決め装置では、構造物情報は、構造物領域の輪郭における投てき軌跡の反射に関する係数であるオブジェクト反射係数を含み、オブジェクト位置決め手段は、オブジェクト衝突点から反射終点位置までの距離にオブジェクト反射係数を乗じて得られる距離だけ、オブジェクト衝突点から反射終点位置に向かって離れた位置をオブジェクトの配置位置として決定することが好ましい。
この場合には、オブジェクト衝突点から反射終点位置までの距離にオブジェクト反射係数を乗じて得られる距離だけ、オブジェクト衝突点から反射終点位置に向かって離れた位置にオブジェクトが配置されるので、仮想的に投てきされたオブジェクトが構造物の壁面において、構造物の壁面の属性が反映された距離だけ跳ね返された位置に、当該オブジェクトを配置することが可能となる。従って、現実環境に則したオブジェクトの配置が実現される。
また、本発明のオブジェクト位置決め装置では、オブジェクト投てき情報は、投てき軌跡を表すための関数であって、仮想空間に定義された座標系における変数により数学的に表現された関数である投てき軌跡関数を含み、オブジェクト位置決め手段は、投てき軌跡関数に基づいて投てき軌跡を生成することを特徴とする。この場合には、投てき軌跡を、線分及び半直線といった形態に限定されず、曲線をも含み形態に表すことが可能となる。
また、本発明のオブジェクト位置決め装置では、オブジェクト位置決め手段は、オブジェクトの投てき軌跡が構造物領域と重複しない場合には、投てき軌跡の終点位置、または投てき軌跡上における投てき軌跡の始点位置から所定の距離だけ離れた位置をオブジェクトの配置位置として決定することを特徴とする。
この場合には、投てき軌跡の終点位置または投てき軌跡上における始点位置から所定距離離れた位置にオブジェクトが配置されるので、仮想的な投てきを適切に反映した位置にオブジェクトを配置することが可能となる。従って、現実環境に則したオブジェクトの配置が実現される。
AR技術において、オブジェクトの配置の自由度を向上すると共に、現実環境に則したオブジェクトの配置を実現することが可能となる。
本発明に係るオブジェクト位置決め装置の実施形態について図面を参照して説明する。なお、可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るオブジェクト位置決め装置1の機能的構成を示すブロック図である。なお、図1では、オブジェクト位置決め装置1と通信可能な移動端末2の機能的構成も示されている。オブジェクト位置決め装置1は、仮想的に投てきされたオブジェクトの仮想空間における配置を決定する装置であって、本実施形態のオブジェクト位置決め装置1は、例えばサーバといったコンピュータにより構成される。
図1は、第1実施形態に係るオブジェクト位置決め装置1の機能的構成を示すブロック図である。なお、図1では、オブジェクト位置決め装置1と通信可能な移動端末2の機能的構成も示されている。オブジェクト位置決め装置1は、仮想的に投てきされたオブジェクトの仮想空間における配置を決定する装置であって、本実施形態のオブジェクト位置決め装置1は、例えばサーバといったコンピュータにより構成される。
オブジェクト位置決め装置1は、機能的には、オブジェクト投てき情報取得部10(オブジェクト投てき情報取得手段)、地図データ記憶部11(地図データ記憶手段)、オブジェクト位置決め部12(オブジェクト位置決め手段)、オブジェクト位置登録部13(オブジェクト位置登録手段)及びオブジェクト記憶部14(オブジェクト記憶手段)を備える。
図2は、オブジェクト位置決め装置1のハードウエア構成図である。オブジェクト位置決め装置1は、物理的には、図2に示すように、CPU101、主記憶装置であるRAM102及びROM103、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール104、ハードディスク、フラッシュメモリ等の補助記憶装置105、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置106、ディスプレイ等の出力装置107などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図1に示した各機能は、図2に示すCPU101、RAM102等のハードウエア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信モジュール104、入力装置106、出力装置107を動作させるとともに、RAM102や補助記憶装置105におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
再び、図1を参照し、オブジェクト位置決め装置1の詳細な説明に先立って、移動端末2の機能を説明する。移動端末2は、機能的には、位置取得部20、投てき情報取得部21、投てきオブジェクト記憶部22及びオブジェクト投てき情報送信部23を備える。移動端末2は、図2に示したオブジェクト位置決め装置1のハードウエア構成と同様の構成を有するコンピュータであり、例えば、携帯電話や携帯端末といった装置により構成される。
位置取得部20は、移動端末2の所在位置を示す情報を取得する部分であり、例えば、GPS装置により構成される。位置取得部20は、所在位置を示す情報をオブジェクト投てき情報送信部23に送出する。また、位置取得部20は、WiFi、RFIDタグ、マーカ認識、画像認識といった方法により測位を実施する装置であってもよい。
投てき情報取得部21は、仮想的に投てきされたオブジェクトの投てき情報を取得する部分である。投てき情報は、投てき方向及び投てき距離といった情報を含む。投てき情報取得部21は、取得した投てき情報をオブジェクト投てき情報送信部23に送出する。
ここで、投てき情報の取得の一例を以下に説明する。移動端末2は、例えば、加速度センサ、方位センサといった各種センサを備えている(図示せず)。ユーザが移動端末2を手に持ち、その移動端末2を振る動作を行うと、移動端末2は、移動端末2が振られる動作を仮想的なオブジェクトの投てき動作として検出する。
各種センサは、投てき動作中の移動端末2の加速度、振られた方位といった情報を取得する。例えば、方位センサは、投てき動作中の移動端末2の移動方位を取得し、取得した移動方位を投てき方向として投てき情報取得部21に送出する。また、加速度センサは、投てき動作中の移動端末2の加速度を取得し、取得した加速度を投てき情報取得部21に送出する。投てき情報取得部21は、加速度センサから取得した移動端末2の加速度の情報に基づき、予め設定された所定の処理を行うことにより投てき距離を算出する。投てき情報取得部21は、例えば、加速度を変数として投てき距離を求める関数を用いて投てき距離を算出することとしてもよいし、加速度と投てき距離との関係を規定したテーブルに基づいて投てき距離を算出することとしてもよい。
なお、本実施形態では、加速度の情報に基づく投てき距離の算出は、移動端末2により行われることとしているが、移動端末2からオブジェクト位置決め装置1に加速度の情報が送信され、オブジェクト位置決め装置1において投てき距離の算出が行われることとしてもよい。
なお、仮想的な投てき動作を各種センサにより検出し、センサにより検出された情報に基づき投てき情報を取得する例を説明したが、これには限られない。例えば、投てき情報取得部21は、予め移動端末2に入力・設定された所定値を、投てき情報として用いることとしてもよい。投てき情報に関する全ての値が予め入力されている場合には、移動端末2は、移動端末2に備えられた所定のボタンの押下を投てき動作として検出することとしてもよい。また、投てき情報取得部21は、投てき方向を方位センサで取得することとし、投てき距離を入力された一定値とすることとしてもよい。さらに、投てき情報に用いられる所定値は、オブジェクト位置決め装置1において予め入力されていることとしてもよい。
投てきオブジェクト記憶部22は、仮想的に投てきされるオブジェクトのデータを記憶する記憶手段である。図3は、投てきオブジェクト記憶部22の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。図3に示すように、オブジェクト記憶部22は、オブジェクトを一意に識別するオブジェクトIDに対応付けて、オブジェクト名及びオブジェクトデータを記憶している。オブジェクトデータは、例えば、テキスト、画像及び図形といったデータにより構成される。
オブジェクト投てき情報送信部23は、オブジェクト投てき情報をオブジェクト位置決め装置1に送信する部分である。オブジェクト投てき情報は、投てきオブジェクト記憶部22から取得したオブジェクトのデータ、投てき情報取得部21から取得した投てき情報(仮想的な投てきにおける投てき方向、投てき距離を含む)、及び位置取得部20から取得した移動端末2の所在位置を示す情報を含む。位置取得部20から取得した移動端末2の所在位置を示す情報は、オブジェクトの仮想的な投てきにおける基準位置を示す情報である。この基準位置は、投てき軌跡における始点位置として用いられる。
再び、図1を参照し、オブジェクト位置決め装置1の各機能部について詳細に説明する。
オブジェクト投てき情報取得部10は、オブジェクト投てき情報を取得する部分である。本実施形態では、オブジェクト投てき情報は、移動端末2から送信される。また、オブジェクト投てき情報は、オブジェクトの基準位置及び仮想的な投てき方向及び投てき距離を示す情報を含む。
地図データ記憶部11は、仮想空間における構造物が配置された領域である構造物領域を示す構造物情報を予め記憶している記憶手段である。図4は、地図データ記憶部11の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。図4に示すように、地図データ記憶部11は、仮想空間における構造物を一意に識別する構造物IDに対応付けて、構造物名、代表座標及び構造物形状データを記憶している。代表座標は、構造物の所在位置を示す代表位置の座標である。
構造物形状データは、構造物の形状を表すデータであり、種々の形式のデータが採用され得る。構造物が方形状を有する場合には、構造物形状データは、方形を構成する4つの頂点の座標データにより構成される。また、構造物が円形状や不定形の形状を有する場合には、構造物形状データは、4点に限られない複数の座標データにより構成され、構造物の形状は、複数の座標データ間を繋ぐことにより表される。そして、構造物形状データにより表される構造物の形状により構造物領域が特定される。なお、構造物は、地表に存在する全ての物を含んでおり、建造物のみならず、自然の地形により形成された物も含む。また、構造物には、仮想空間内において仮想的に設けられた構造物も含まれる。
なお、本実施形態では、地図データ記憶部11は、オブジェクト位置決め装置1に備えられることとしたが、オブジェクト位置決め装置1と通信可能な他の装置に備えられることとしてもよい。
オブジェクト位置決め部12は、オブジェクトの投てき軌跡と、地図データ記憶部11に記憶されている構造物情報に示される構造物領域との位置関係に基づいて、オブジェクトの配置位置を決定する部分である。オブジェクト位置決め部12は、オブジェクト投てき情報取得部10により取得されたオブジェクト投てき情報に基づき、オブジェクトの配置位置の決定に用いる投てき軌跡を生成する。より具体的には、オブジェクト位置決め部12は、オブジェクト投てき情報に含まれるオブジェクトの基準位置を始点位置として投てき方向に向かって延びる線分又は半直線を投てき軌跡として生成する。
次に、図5〜8を参照して、オブジェクト位置決め部12によるオブジェクトの配置位置の決定処理の例を詳細に説明する。
図5は、オブジェクトの投てきにおける基準位置を原点とし、経度の増加方向をX軸とし、緯度の増加方向をY軸とする相対座標系において、オブジェクトの投てき軌跡Tが構造物領域Sと重複する場合の例を示す図である。なお、図7、8も同様の相対座標系を採用している。また、本実施形態では、説明の便宜上、相対座標系を用いているが、絶対座標系を用いて処理が行われることとしてもよい。
投てき軌跡Tは、オブジェクトの基準位置を始点位置PSとして投てき方向に向かって延びる線分として生成される。投てき軌跡Tの始点位置PSから終点位置PEまでの長さは、投てき距離により決定される。なお、オブジェクト投てき情報に投てき距離の情報が含まれない場合には、オブジェクト位置決め部12は、投てき軌跡を、終点位置が規定されない半直線として表されることとしてもよい。
図5に示すように、オブジェクトの投てき軌跡Tが構造物領域Sと重複する場合には、オブジェクト位置決め部12は、オブジェクトの投てき軌跡Tと構造物領域Sの輪郭Lとの交点であるオブジェクト衝突点PC1,PC2のうち、投てき軌跡の始点位置PSに最も近いオブジェクト衝突点PC1を、オブジェクトの配置位置PO1として決定する。この場合には、オブジェクト衝突点PC1にオブジェクトが配置されるので、仮想的に投てきされたオブジェクトを構造物の壁面といった位置に貼りつけたように配置することが可能となる。
また、オブジェクト位置決め部12は、後に図10を参照して説明するようにオブジェクトを移動端末3等に表示させる際のオブジェクトの向きを決定するための方位情報である正面方位情報を生成することができる。正面方位情報は、オブジェクトの正面方向が、採用された座標系において向けられる方位を示す情報である。オブジェクト位置決め部12による正面方位情報の生成処理を、図6を参照して説明する。図6に示すように、オブジェクト位置決め部12は、オブジェクト衝突点PC1における構造物領域Sの輪郭Lの法線Vの方位に基づき、正面方位情報を生成する。
図6に示すように、構造物Sの輪郭Lの法線Vの方位が正面方位情報としてオブジェクトに対応付けて記憶されるので、構造物の壁面に貼り付けられたように配置されたオブジェクトを、例えば移動端末3等の何らかの装置の表示要求に応じて表示する際に、構造物の壁面が正面方向(移動端末3の表示画面における正面方向)に対して成す角度に応じて、当該オブジェクトの向きを変えて表示させることが可能となる。より具体的には、表示正面方向Cに対して角度Dだけオブジェクトの向きを傾けることにより、オブジェクトを斜めから見たように表示させることが可能となる。従って、現実環境に則したオブジェクトの配置が実現される。
図7は、オブジェクトの投てき軌跡Tが構造物領域Sと重複する場合において、投てき軌跡Tと構造物領域Sの輪郭Lとの交点であるオブジェクト衝突点PCにおいて反射された投てき軌跡TMの終点位置PE1をオブジェクトの配置位置PO2として決定する例を示す図である。図7に示すように、オブジェクト位置決め部12は、オブジェクト衝突点PCにおける構造物領域Sの輪郭Lの接線を対称軸Axとして投てき軌跡の終点位置PEと線対称となる位置である反射終点位置PE1をオブジェクトの配置位置PO2として決定する。
図7に示す例では、オブジェクト衝突点PCにおいて反射された投てき軌跡TMの終点位置PE1にオブジェクトが配置されるので、仮想的に投てきされたオブジェクトが構造物の壁面で跳ね返された後に到達した位置に、当該オブジェクトを配置することが可能となる。従って、現実環境に則したオブジェクトの配置が実現される。
なお、オブジェクトの投てき軌跡Tが構造物領域Sと重複する場合において、オブジェクト衝突点PC1をオブジェクトの配置位置PO1とするか(図5参照)、オブジェクト衝突点PCにおいて反射された投てき軌跡TMの終点位置PE1をオブジェクトの配置位置PO2とするか(図7参照)は、オブジェクト位置決め装置1において予め設定されていることとしてもよいし、構造物またはオブジェクトの属性として設定されることとしてもよい。オブジェクトの反射の有無を構造物の属性として設定する例として、構造物の属性に反射係数を設定することが挙げられる。即ち、反射係数が0である場合には、オブジェクト衝突点PC1がオブジェクトの配置位置PO1とされ、反射係数が1である場合には、オブジェクト衝突点PCにおいて反射された投てき軌跡TMの終点位置PE1をオブジェクトの配置位置PO2とすることができる。
続いて、図8は、地図データ記憶部11に記憶されている構造物情報に、構造物の属性として、構造物領域の輪郭における投てき軌跡の反射に関する係数であるオブジェクト反射係数が含まれており、オブジェクト衝突点PCにおいて、投てき軌跡Tがオブジェクト反射係数に従って反射され、オブジェクトの配置位置が決定される例を示す図である。
図8に示すように、オブジェクト位置決め部12は、オブジェクト衝突点PCから反射終点位置PE2までの距離DM1にオブジェクト反射係数を乗じて得られる距離DM2だけ、オブジェクト衝突点PCから反射終点位置PE2に向かって離れた位置PO3をオブジェクトの配置位置として決定する。
図8に示す例では、仮想的に投てきされたオブジェクトが構造物の壁面において、構造物の壁面の属性が反映された距離だけ跳ね返された位置に、当該オブジェクトを配置することが可能となる。従って、現実環境に則したオブジェクトの配置が実現される。
また、オブジェクトの投てき軌跡Tが構造物領域Sと重複しない場合には、オブジェクト位置決め部12は、投てき軌跡Tの終点位置PEをオブジェクトの配置位置として決定する(図5参照)。この場合には、仮想的な投てきを適切に反映した位置にオブジェクトを配置することが可能となる。従って、現実環境に則したオブジェクトの配置が実現される。
なお、以上説明したオブジェクト位置決め部12による投てき軌跡の生成では、投てき軌跡は、線分または半直線により表されるものとしていたが。この態様には限られない。例えば、投てき軌跡を、仮想空間に定義された座標系における変数により数学的に表現された投てき軌跡関数により表されるものとすることが可能である。当該投てき軌跡関数により表現される投てき軌跡は、線分及び半直線には限られず、曲線を含むことができる。この場合には、投てき軌跡関数は、オブジェクト投てき情報に含まれることとしてもよいし、オブジェクト位置決め部12に予め設定されていることとしてもよい。
オブジェクト位置登録部13は、オブジェクト位置決め部12により決定されたオブジェクトの配置位置を、当該オブジェクトの識別データに対応付けて、オブジェクト記憶部14に記憶させる部分である。なお、オブジェクト位置決め部12により正面方位情報が生成される場合には、オブジェクト位置登録部13は、正面方位情報も当該オブジェクトの識別データに対応付けて、オブジェクト記憶部14に記憶させる。
オブジェクト記憶部14は、オブジェクトに関する情報を記憶するための記憶手段である。図9は、オブジェクト記憶部14の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。図9に示すように、オブジェクト記憶部14は、オブジェクト投てき情報取得部10を介して受信したオブジェクト投てき情報(オブジェクトID、オブジェクト名、オブジェクトデータ)に対応付けて、オブジェクト位置座標及び正面方位情報を記憶している。オブジェクト位置座標は、オブジェクト位置決め部12により決定されたオブジェクトの配置位置を示す情報であり、緯度及び経度の情報を含んでいる。また、正面方位情報は、当該オブジェクトを表示する際の向きを決定するために用いられる方位情報であり、上記のように、構造物領域Sの輪郭Lの法線Vの方位に基づき生成される。正面方位情報は、例えば、採用された座標系において予め規定された所定方向を基準として所定の回転方向に成す角度として表すことができる。
なお、本実施形態では、オブジェクト記憶部14は、オブジェクト位置決め装置1に備えられることとしたが、オブジェクト位置決め装置1と通信可能な他の装置に備えられることとしてもよい。
なお、本実施形態では、オブジェクトの投てき情報は、移動端末2において取得された情報に基づいて生成され、オブジェクト位置決め装置1に送信されることとしたが、オブジェクト位置決め装置1において予め設定された情報が用いられることとしてもよい。即ち、仮想的に投てきされるオブジェクトの基準点と投てき方向、投てき距離が明確であれば、いずれの装置において生成・設定された情報であってもよい。
次に、図10を参照して、本実施形態のオブジェクト位置決め装置1により配置が決定されたオブジェクトを、例えば移動端末といった装置に表示させる処理を簡単に説明する。図10は、オブジェクトを表示させるための移動端末3の機能的構成、及びオブジェクト位置決め装置1におけるオブジェクトの表示のための機能的構成を示す図である。
図10に示すように、移動端末3は、GPS30、方位センサ31、位置情報等送信部32、オブジェクト情報受信部33及びオブジェクト表示部34を備える。また、オブジェクト位置決め装置1は、図1に示した各機能部10〜14に加えて、位置情報等受信部15、オブジェクト情報取得部16及びオブジェクト情報送信部17を備える。
移動端末3のGPS30は、移動端末3の所在位置を示す位置情報を取得する装置である。また、移動端末3の方位センサ31は、移動端末3が向けられている方位を示す方位情報を取得する装置である。即ち、位置情報及び方位情報に基づき、移動端末3のユーザの視野範囲、または移動端末3が備える撮像装置(図示せず)の視野範囲が特定される。
移動端末3の位置情報等送信部32は、GPS30から位置情報を取得し、取得した位置情報を、オブジェクト位置決め装置1に送信する。
オブジェクト位置決め装置1の位置情報等受信部15は、移動端末3から送信された位置情報等(移動端末3の位置情報)を受信する部分である。
オブジェクト位置決め装置1のオブジェクト情報取得部16は、位置情報等受信部15により受信された位置情報により特定される一定の範囲に配置されているオブジェクトを、オブジェクト記憶部14に記憶されているオブジェクト情報から抽出・取得する部分である。ここで、位置情報等受信部15により受信された位置情報により特定される一定の範囲は、例えば、当該位置情報により示される位置から所定距離範囲内の領域とすることができる。具体的には、オブジェクト情報取得部16は、オブジェクト記憶部14に記憶されているオブジェクトのオブジェクト位置座標を参照し(図9参照)、当該一定の範囲に該当するオブジェクトを抽出する。オブジェクト情報取得部16は、オブジェクト記憶部14から抽出したオブジェクト情報をオブジェクト情報送信部17に送出する。
オブジェクト位置決め装置1のオブジェクト情報送信部17は、オブジェクト情報取得部16から取得したオブジェクト情報を移動端末3に返信する部分である。
移動端末3のオブジェクト情報受信部33は、オブジェクト位置決め装置1のオブジェクト情報送信部17から送信されたオブジェクト情報を受信する部分である。オブジェクト情報受信部33は、受信したオブジェクト情報をオブジェクト表示部34に送出する。
オブジェクト表示部34は、オブジェクト情報受信部33から取得したオブジェクト情報に含まれるオブジェクトを、オブジェクト位置座標に示される配置位置に対応させて表示する部分である。具体的には、オブジェクト表示部34は、GPS30から取得した位置情報に示される位置を基準位置として、各オブジェクトの相対的な位置をオブジェクト位置座標に基づいて算出し、算出された位置に従ってオブジェクトを表示する。
また、オブジェクト情報に正面方位情報が含まれる場合には、オブジェクト表示部34は、方位センサ31により取得される移動端末3の方位を基準方位(たとえば図6における方位C)として、正面方位情報に示される方位との間の相対的な角度(例えば図6における角度D)を算出し、表示画面において当該オブジェクトを角度Dだけ傾けて表示する。
具体的には、オブジェクト表示部34は、例えば、移動端末3が備える撮像装置(図示せず)により取得した現実環境の画像に、オブジェクトを重畳して表示することができる。表示画像中におけるオブジェクトの表示位置は、現実環境の画像においてオブジェクト位置座標が示す位置に決定される。これにより、現実環境の画像に含まれる構造物にオブジェクトを対応付けた表示が可能となる。
続いて、図11を参照して、本実施形態のオブジェクト位置決め方法におけるオブジェクト位置決め装置1の動作について説明する。図11は、オブジェクト位置決め装置1において実施される処理内容を示すフローチャートである。
まず、オブジェクト投てき情報取得部10は、移動端末2から送信されたオブジェクト投てき情報を取得する(S1、オブジェクト投てき情報取得ステップ)。次に、オブジェクト位置決め部12は、オブジェクトの投てき軌跡と、地図データ記憶部11に記憶されている構造物情報に示される構造物領域との位置関係に基づいて、オブジェクトの配置位置を決定する(S2、オブジェクト位置決めステップ)。ここで、図12を参照して、オブジェクトの配置位置を決定するためのオブジェクト位置決め処理を詳細に説明する。
オブジェクト位置決め処理では、まず、オブジェクト位置決め部12は、オブジェクト投てき情報取得部10により取得されたオブジェクト投てき情報に基づき、オブジェクトの配置位置の決定に用いる投てき軌跡を生成する(S10)。
次に、オブジェクト位置決め部12は、地図データ記憶部11を参照し、オブジェクトの投てき軌跡Tが構造物領域Sと重複するか否かを判定する(S11)。投てき軌跡Tが構造物領域Sと重複しない場合には、処理手順はステップS13に進められる(S12)。この場合には、オブジェクト位置決め部12は、投てき軌跡Tの終点位置PEをオブジェクトの配置位置として決定する(S13)。
一方、投てき軌跡Tが構造物領域Sと重複する場合には(S12)、オブジェクト位置決め部12は、構造物領域Sの輪郭における投てき軌跡Tの反射の有無を判定する(S14)。投てき軌跡Tの反射の有無は、オブジェクト位置決め装置1において予め設定されていることとしてもよいし、構造物またはオブジェクトの属性として設定されることとしてもよい。
構造物領域Sの輪郭における投てき軌跡Tの反射が有ると判定されなかった場合には、処理手順はステップS16に進められる(S15)。この場合には、オブジェクト位置決め部12は、オブジェクトの投てき軌跡Tと構造物領域Sの輪郭Lとの交点を、オブジェクトの配置位置として決定する(S16)。
一方、構造物領域Sの輪郭における投てき軌跡Tの反射が有ると判定された場合には(S15)、オブジェクト位置決め部12は、投てき軌跡Tと構造物領域Sの輪郭Lとの交点であるオブジェクト衝突点PCにおいて反射された投てき軌跡TMの終点位置PE1を算出する(S17)。そして、オブジェクト位置決め部12は、算出された終点位置PE1をオブジェクトの配置位置PO2として決定する(S18)。なお、構造物の属性として反射係数が設定されている場合には、オブジェクト位置決め部12は、反射係数が考慮された投てき軌跡TMの終点位置をオブジェクトの配置位置PO3として決定することとしてもよい(図8参照)。
再び図11を参照して、オブジェクト位置登録部13は、ステップS2において決定されたオブジェクトの配置位置を、当該オブジェクトの識別データに対応付けて、オブジェクト記憶部14に記憶させる(S3、オブジェクト位置登録ステップ)。こうして、本実施形態の処理を終了する。
以上説明した実施形態のオブジェクト位置決め装置1及びオブジェクト位置決め方法では、オブジェクトが仮想的に投てきされたものとして扱われ、オブジェクトの投てきに関するパラメータであるオブジェクトの基準位置及び投てき方向といったオブジェクト投てき情報に基づいてオブジェクトの配置が決定されるので、オブジェクトの配置の自由度が向上する。また、オブジェクト投てき情報に含まれる情報に基づきオブジェクトの仮想的な投てき軌跡Tが生成され、生成された投てき軌跡Tと構造物領域Sとの位置関係に基づいてオブジェクトの配置が決定されるので、オブジェクトの配置に際して現実環境における構造物の存在が考慮されることとなる。従って、現実環境に則したオブジェクトの配置が実現される。
(第2実施形態)
図13は、第2実施形態に係るオブジェクト位置決め装置1Aの機能的構成を示すブロック図である。第1実施形態におけるオブジェクト位置決め装置1は、移動端末2から送信されたオブジェクト投てき情報に基づき、オブジェクトの配置位置を決定する構成を有しており、例えばサーバといった装置により構成されるものである(図1参照)。これに対し、第2実施形態のオブジェクト位置決め装置1Aは、自装置において生成・取得したオブジェクト投てき情報に基づき、オブジェクトの配置位置を決定する構成を有している。第2実施形態のオブジェクト位置決め装置1Aは、例えば、携帯電話、移動端末といった装置により構成される。
図13は、第2実施形態に係るオブジェクト位置決め装置1Aの機能的構成を示すブロック図である。第1実施形態におけるオブジェクト位置決め装置1は、移動端末2から送信されたオブジェクト投てき情報に基づき、オブジェクトの配置位置を決定する構成を有しており、例えばサーバといった装置により構成されるものである(図1参照)。これに対し、第2実施形態のオブジェクト位置決め装置1Aは、自装置において生成・取得したオブジェクト投てき情報に基づき、オブジェクトの配置位置を決定する構成を有している。第2実施形態のオブジェクト位置決め装置1Aは、例えば、携帯電話、移動端末といった装置により構成される。
オブジェクト位置決め装置1Aは、機能的には、位置取得部20A、投てき情報取得部21A、投てきオブジェクト記憶部22A、オブジェクト投てき情報取得部10A(オブジェクト投てき情報取得手段)、地図データ記憶部11A(地図データ記憶手段)、オブジェクト位置決め部12A(オブジェクト位置決め手段)、オブジェクト位置登録部13A(オブジェクト位置登録手段)及びオブジェクト記憶部14A(オブジェクト記憶手段)及びオブジェクト表示部15Aを備える。
位置取得部20Aは、オブジェクト位置決め装置1Aの所在位置を示す情報を取得する部分であり、例えば、GPS装置により構成される。位置取得部20Aは、所在位置を示す情報をオブジェクト投てき情報取得部10Aに送出する。位置取得部20Aにより取得されるオブジェクト位置決め装置1Aの所在位置を示す情報は、オブジェクトの仮想的な投てきにおける基準位置を示す情報である。また、位置取得部20Aは、WiFi、RFIDタグ、マーカ認識、画像認識といった方法により測位を実施する装置であってもよい。
投てき情報取得部21Aは、仮想的に投てきされたオブジェクトの投てき情報を取得する部分である。投てき情報は、投てき方向及び投てき距離といった情報を含む。投てき情報取得部21は、取得した投てき情報をオブジェクト投てき情報取得部10Aに送出する。
オブジェクト位置決め装置1Aは、例えば、加速度センサ、方位センサといった各種センサを備えている(図示せず)。ユーザがオブジェクト位置決め装置1Aを手に持ち、そのオブジェクト位置決め装置1Aを振る動作を行うと、オブジェクト位置決め装置1Aは、オブジェクト位置決め装置1Aが振られる動作を仮想的なオブジェクトの投てき動作として検出する。
各種センサは、投てき動作中の移動端末2の加速度、振られた方位といった情報を取得する。例えば、方位センサは、投てき動作中のオブジェクト位置決め装置1Aの移動方位を取得し、取得した移動方位を投てき方向として投てき情報取得部21Aに送出する。また、加速度センサは、投てき動作中のオブジェクト位置決め装置1Aの加速度を取得し、取得した加速度を投てき情報取得部21Aに送出する。投てき情報取得部21Aは、加速度センサから取得したオブジェクト位置決め装置1Aの加速度の情報に基づき、所定の処理を行うことにより投てき距離を算出する。
なお、本実施形態では、投てき情報は、仮想的な投てき動作を各種センサにより検出し、センサにより検出された情報に基づき取得されることとしたが、これには限られない。例えば、投てき情報取得部21は、予めオブジェクト位置決め装置1Aに入力・設定された所定値を、投てき情報として用いることとしてもよい。投てき情報に関する全ての値が予め入力されている場合には、オブジェクト位置決め装置1Aは、オブジェクト位置決め装置1Aに備えられた所定のボタンの押下を投てき動作として検出することとしてもよい。また、投てき情報取得部21は、投てき方向を方位センサで取得することとし、投てき距離を入力された一定値とすることとしてもよい。
投てきオブジェクト記憶部22Aは、第1実施形態における投てきオブジェクト記憶部22と同様に、仮想的に投てきされるオブジェクトのデータを記憶する記憶手段である。
オブジェクト投てき情報取得部10Aは、位置取得部20A、投てき情報取得部21A及び投てきオブジェクト記憶部22Aからオブジェクト投てき情報を取得する部分である。オブジェクト投てき情報は、位置取得部20Aから取得したオブジェクト位置決め装置1Aの所在位置を示す情報、投てき情報取得部21Aから取得した投てき情報(仮想的な投てきにおける投てき方向、投てき距離を含む)、及び投てきオブジェクト記憶部22から取得したオブジェクトのデータを含む。
地図データ記憶部11A、オブジェクト位置決め部12A、オブジェクト位置登録部13A及びオブジェクト記憶部14Aはそれぞれ、第1実施形態における地図データ記憶部11、オブジェクト位置決め部12、オブジェクト位置登録部13及びオブジェクト記憶部14と同様の機能を有する。
オブジェクト表示部15Aは、第1実施形態におけるオブジェクト表示部34と同様の機能を有し、オブジェクト記憶部14Aから取得したオブジェクト情報に含まれるオブジェクトを、オブジェクト位置座標に示される配置位置に対応させて表示する部分である。
具体的には、オブジェクト表示部15Aは、例えば、オブジェクト位置決め装置1Aが備える撮像装置(図示せず)により取得した現実環境の画像に、オブジェクトを重畳して表示することができる。表示画像中におけるオブジェクトの表示位置は、現実環境の画像においてオブジェクト位置座標が示す位置に決定される。撮像装置により取得される画像における現実環境の位置座標系は、オブジェクト位置決め装置1Aが備えるGPS装置及び方位センサといった装置(図示せず)により特定される。これにより、現実環境の画像に含まれる構造物にオブジェクトを対応付けた表示が可能となる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
1,1A…オブジェクト位置決め装置、2,3…移動端末、10,10A…オブジェクト投てき情報取得部、11,11A…地図データ記憶部、12,12A…オブジェクト位置決め部、13,13A…オブジェクト位置登録部、14,14A…オブジェクト記憶部、15…位置情報等受信部、15A…オブジェクト表示部、16…オブジェクト情報取得部、17…オブジェクト情報送信部、20,20A…位置取得部、21,21A…投てき情報取得部、22,22A…オブジェクト記憶部、23…情報送信部、31…方位センサ、32…位置情報等送信部、33…オブジェクト情報受信部、34…オブジェクト表示部、Ax…対称軸、C…所定の方向、D…構造物領域の輪郭の法線が所定の方向に対して成す角度、L…構造物領域の輪郭、S…構造物領域、PC,PC1,PC2…オブジェクト衝突点、PE…投てき軌跡の終点位置、PS…投てき軌跡の始点位置、PE1,PE2…反射終点位置、PO1,PO2,PO3…オブジェクトの配置位置。
Claims (11)
- 仮想的に投てきされたオブジェクトの仮想空間における配置を決定するオブジェクト位置決め装置であって、
前記オブジェクトの基準位置及び仮想的な投てき方向を示す情報を含むオブジェクト投てき情報を取得するオブジェクト投てき情報取得手段と、
前記オブジェクト投てき情報取得手段により取得されたオブジェクト投てき情報に基づいて形成される投てき軌跡と、前記仮想空間における構造物が配置された領域である構造物領域との位置関係に基づいて、前記オブジェクトの配置位置を決定するオブジェクト位置決め手段と
を備えることを特徴とするオブジェクト位置決め装置。 - 前記構造物領域を示す構造物情報を予め記憶している地図データ記憶手段を更に備え、
前記オブジェクト位置決め手段は、前記地図データ記憶手段に記憶されている前記構造物情報に基づいて前記オブジェクトの配置位置を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のオブジェクト位置決め装置。 - 前記オブジェクトに関する情報を記憶させるためのオブジェクト記憶手段と、
前記オブジェクト位置決め手段により決定された前記オブジェクトの前記配置位置を、当該オブジェクトの識別データに対応付けて、前記オブジェクト記憶手段に記憶させるオブジェクト位置登録手段とを更に備える
ことを特徴とする請求項1または2に記載のオブジェクト位置決め装置。 - 前記オブジェクト位置決め手段は、
前記オブジェクトの前記投てき軌跡が前記構造物領域と重複する場合に、前記オブジェクトの前記投てき軌跡と前記構造物領域の輪郭との交点であるオブジェクト衝突点のうち、前記投てき軌跡の前記始点位置に最も近い前記オブジェクト衝突点を、前記オブジェクトの配置位置として決定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオブジェクト位置決め装置。 - 前記オブジェクト位置決め手段は、前記オブジェクトを表示する際の前記オブジェクトの向きを決定するための方位情報である正面方位情報を、前記オブジェクト衝突点における前記構造物領域の輪郭の法線の方位に基づいて生成し、
前記オブジェクト位置登録手段は、前記オブジェクト位置決め手段により生成された前記正面方位情報を、当該オブジェクトの識別データに対応付けて、前記オブジェクト記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項4に記載のオブジェクト位置決め装置。 - 前記オブジェクト投てき情報は、前記オブジェクトの仮想的な投てき距離を示す情報を含み、
前記オブジェクト位置決め手段は、
前記オブジェクトの前記投てき軌跡が前記構造物領域と重複する場合に、前記オブジェクト投てき情報に基づき、前記基準位置を始点位置として前記投てき方向に向かって前記投てき距離だけ離れた位置を終点位置とする線分により表される投てき軌跡を生成し、前記投てき軌跡と前記構造物領域の輪郭との交点であるオブジェクト衝突点において反射された前記投てき軌跡の終点位置を前記オブジェクトの配置位置として決定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオブジェクト位置決め装置。 - 前記オブジェクト位置決め手段は、
前記オブジェクト衝突点における前記構造物領域の輪郭の接線を対称軸として前記投てき軌跡の終点位置と線対称となる位置である反射終点位置を前記オブジェクトの配置位置として決定する
ことを特徴とする請求項6に記載のオブジェクト位置決め装置。 - 前記構造物情報は、前記構造物領域の輪郭における前記投てき軌跡の反射に関する係数であるオブジェクト反射係数を含み、
前記オブジェクト位置決め手段は、
前記オブジェクト衝突点から前記反射終点位置までの距離に前記オブジェクト反射係数を乗じて得られる距離だけ、前記オブジェクト衝突点から前記反射終点位置に向かって離れた位置を前記オブジェクトの配置位置として決定する
ことを特徴とする請求項7に記載のオブジェクト位置決め装置。 - 前記オブジェクト投てき情報は、前記投てき軌跡を表すための関数であって、前記仮想空間に定義された座標系における変数により数学的に表現された関数である投てき軌跡関数を含み、
前記オブジェクト位置決め手段は、前記投てき軌跡関数に基づいて前記投てき軌跡を生成する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオブジェクト位置決め装置。 - 前記オブジェクト位置決め手段は、
前記オブジェクトの前記投てき軌跡が前記構造物領域と重複しない場合には、前記投てき軌跡の終点位置、または前記投てき軌跡上における該投てき軌跡の始点位置から所定の距離だけ離れた位置を前記オブジェクトの配置位置として決定する
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のオブジェクト位置決め装置。 - 仮想的に投てきされたオブジェクトの仮想空間における配置を決定するオブジェクト位置決め装置におけるオブジェクト位置決め方法であって、
前記オブジェクトの基準位置及び仮想的な投てき方向を示す情報を含むオブジェクト投てき情報を取得するオブジェクト投てき情報取得ステップと、
前記オブジェクト投てき情報取得ステップにおいて取得されたオブジェクト投てき情報に基づいて形成される投てき軌跡と、前記仮想空間における構造物が配置された領域である構造物領域との位置関係に基づいて、前記オブジェクトの配置位置を決定するオブジェクト位置決めステップと
を有することを特徴とするオブジェクト位置決め方法。
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JP2009266422A JP2011113127A (ja) | 2009-11-24 | 2009-11-24 | オブジェクト位置決め装置及びオブジェクト位置決め方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2009
- 2009-11-24 JP JP2009266422A patent/JP2011113127A/ja active Pending
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