JP2006116775A - パイプ金型の加熱方法、その加熱装置及び発泡ローラーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 確実にパイプ金型と熱板を接触させ、耐久性が良く、効率良くパイプ金型を加熱する方法及び加熱装置を提供することによって、安定した発泡ローラーの製造方法を提供することである。
【解決手段】 パイプ金型と、少なくとも2つの駒からなる成型金型を、半割りにした加熱手段に挟み込んで加熱するパイプ金型の加熱方法であって、
該駒の下駒に連接して、材料を受ける液受けカップを配置する工程、
該成型金型と接触する内型と、更にその周りを囲う母体と、の2部材以上で構成され、且つ、該成型金型外径と密着するよう該成型金型外径の形状に倣った伝熱材を使用し位置修正可能に配置した該内型が、該パイプ金型と接触する部分と該液受けカップに接触する部分とで2分割され、各々が独立した温度調節をする工程、
を有することを特徴とするパイプ金型の加熱方法、その加熱装置及び発泡ローラーの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パイプ金型の接触加熱方法、その加熱装置及び発泡ローラーの製造方法に関するものであり、詳しくは、複写機、レーザープリンタ及びファクシミリ等の電子写真装置や静電記録装置に使用される円筒状のスポンジ材と芯材からなる発泡ローラー(以下発泡ローラー)の製造方法及びパイプ金型の接触加熱方法、その加熱装置に関するものである。
従来、パイプ金型の接触加熱方法は、円筒形状の穴を有する熱板に該パイプ金型を挿入する、又は半円でくり抜かれた金属片を対に配置し該パイプ金型を挟みこんで加熱する方法を用いていた。
しかしながら上述した方法は、パイプ金型の外径ばらつき、加熱による該パイプ金型及び熱板の反り、の影響により加熱対象である該パイプ金型と熱板の接触面積が小さくなってしまい効率良く該パイプ金型を加熱することが困難であるという課題があった。
これを解決するために、該パイプ金型と熱板の接触面に弾性部材を配する等の方法があるが(例えば、特許文献1参照)、該弾性部材に耐久性が求められた。
また他の課題としては、発泡ローラー製造用の材料を注型するために液受けカップを搬送する必要があり、搬送時の温度低下により、パイプ金型と液受けカップとの温度差が生じた。また、熱は上方に上昇する性質があるため、加熱装置の上下で温度差が発生した。この温度差により成型が不安定となり外径不良や硬度ムラが発生していた。
特開平9−314571号公報
本発明の目的は、上述の課題を解決し、確実にパイプ金型と熱板を接触させ、耐久性が良く、効率良くパイプ金型を加熱する方法及び加熱装置を提供することによって、安定した発泡ローラーの製造方法を提供することである。
本発明に従って、パイプ金型と、少なくとも2つの駒からなる成型金型を、半割りにした加熱手段に挟み込んで加熱するパイプ金型の加熱方法であって、
該駒の下駒に連接して、材料を受ける液受けカップを配置する工程、
該成型金型と接触する内型と、更にその周りを囲う母体と、の2部材以上で構成され、且つ、該成型金型外径と密着するよう該成型金型外径の形状に倣った伝熱材を使用し位置修正可能に配置した該内型が、該パイプ金型と接触する部分と該液受けカップに接触する部分とで2分割され、各々が独立した温度調節をする工程、
を有することを特徴とするパイプ金型の加熱方法が提供される。
また、本発明に従って、パイプ金型と、少なくとも2つの駒からなる成型金型を、半割りにした加熱手段に挟み込んで加熱するパイプ金型の加熱装置であって、
該駒の下駒に連接して、材料を受ける液受けカップが配置されており、
該成型金型と接触する内型と、更にその周りを囲う母体と、の2部材以上で構成され、
且つ、該成型金型外径と密着するよう該成型金型外径の形状に倣った伝熱材を使用し位置修正可能に配置した該内型が、該パイプ金型と接触する部分と該液受けカップに接触する部分とで2分割され、各々が独立した温度調節を可能としている、
ことを特徴とするパイプ金型の加熱装置が提供される。
更に、本発明に従って、芯材と、該芯材の外周に形成された円筒状の発泡体層を有する発泡ローラーの製造方法であって、
パイプ金型と、材料を受ける液受けカップと、少なくとも2つの駒からなる成型金型に芯材をセットする工程、
上記のパイプ金型の加熱方法又はパイプ金型の加熱装置により該成型金型を予熱する工程、
該液受けカップに発泡体層を形成するローラー製造用の材料を注型する工程、
該液受けカップを型組みし、発泡により金型内を材料で充填する工程、
加熱硬化させる工程、
該成型金型から脱型する工程、
により成型されることを特徴とする発泡ローラーの製造方法が提供される。
以上、詳述したように本発明によれば、以下の効果を奏する。
本発明にかかるパイプ金型の加熱方法を用いることにより、パイプの外径ばらつきや加熱による変形の影響を軽減でき、効率良く加熱を行うことが可能となった。
加熱装置の液受けカップ部分の温度を高めに設定することにより、液受けカップ搬送時の温度低下や加熱装置の温度上下差による成型品である発泡ローラーへの影響を軽減することが可能となった。
以下、本発明にかかるパイプ金型の加熱方法及びその装置について実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明にかかるパイプ金型の加熱装置の概略図である。内型上11と、内型下14と、母体10と、で構成されパイプ金型12を対となる内型上11(11’)で挟み込むことでパイプ金型12を加熱する。同様に対となる内型下14(14’)で液受けカップ15を挟み込み加熱する。図2に示すように内型1と母体2には0.5mm以下のクリアランスが設けられており、バネ4の力により内型1は成型金型の中心軸方向及び左右へ可動する(図2の矢印方向)。ここで可動に必要な力の供給源はバネに限定されるものではなく、空油圧やカム機構等が使用できるのは言うまでもない。可動させることで成型金型3の外径ばらつき又は加熱による成型金型3及び内型1の反りによる影響を吸収することができ、最適に成型金型3と内型1を接触させ加熱することができる。
熱源には電気式ヒーター、温水、水蒸気等が使用でき、母体又は内型を熱源により加熱するか、外部から熱源をもった平板で母体を挟み込むことで加熱を行う。
内型1は図3に示すように加熱対象である成型金型3の外径に等しい半円又は半多角形でくり抜いた形状をしている。これにより該成型金型3の少なくとも2線(半多角形では4線)で接触させることができる。この時、効率良く該成型金型を加熱するために内型1と該成型金型の隙間を少なくし放射熱も利用することが好ましい。また、内型1と母体2のクリアランスは0.1mm以下が好適である。
内型上と内型下の温度制御は個々に行う。制御ゾーンを分けることで加熱装置の温度上下ムラを解消できるとともに、搬送時に液受けカップの温度が下がってしまった場合でも、すばやく液受けカップ温度を設定温度まで昇温することができる。内型上の設定温度に対し、内型下の設定温度を同等もしくは高めに設定することが好ましく、詳しくは内型下を内型上より2〜3℃高めにすることがより好ましい。
内型1と母体2の材質は特に限定されるものではないが、熱伝導率が良く硬度が高いものが好適であり、クロム銅、アルミニウム(2000系、5000系)等を用いることができる。
次に、本発明にかかる製造方法により得られる発泡ローラーについて説明する。
図4に示すように、発泡ローラーは円筒状のスポンジ材20と芯材21とで構成される。パイプ金型と、液受けカップと、少なくとも2つの駒からなる成型金型に芯材21をセットし、本発明にかかるパイプ金型の加熱装置に該成型金型を固定し予熱を行った後、該液受けカップ内に該発泡ローラー製造用の材料を注型し、本発明にかかる熱方法により該パイプ金型を挟みこみ加熱硬化させ、硬化後に該パイプ金型から発泡ローラーを脱型し、該発泡ローラーを得る。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実際に作製に用いたパイプ金型の加熱装置を図1に示す。
加熱対象のパイプ金型12は外径φ26×L260mm、液受けカップ15は外径φ26×L60mmである。母体10、10’に内型上11、11’、内型下14、14’を組み込んであり、該内型はバネにより可動する。内型上の寸法は長さ(L)320mm、幅(W)35mmであり、内型下の寸法は長さ(L)60mm、幅(W)35mmである。内型上11、11’、内型下14、14’及び母体10、10’の材質は、アルミニウムA2017を使用した。熱源は平板13、13’にカートリッジヒーター16を挿入し、パイプ金型部分と液受けカップ部分で温度調節を分けた平板熱板を使用し母体を該平板熱板で挟み込むことで母体及び内型、成型金型を加熱した。
内型がパイプ金型13及び液受け15の形状にならって可動し、最適に該成型金型を挟み込み加熱を行うことができた。
次に、具体的に用いた発泡ローラーの材料と成型条件、製造の手順(前記)を示す。
実施にあたり、図4に示す形状をした発泡ローラーを成型した。
材料である、ポリエーテルポリオール(商品名:FA−908 三洋化成工業株式会社製、OH価=24)90質量部、ポリマーポリオール(商品名:POP−31−28 三井武田ケミカル株式会社製、OH価=28)10質量部、第3級アミン触媒(商品名:TOYOCAT−ET 東ソー株式会社製)0.1質量部、第3級アミン触媒(商品名:TOYOCAT−MR 東ソー株式会社製)0.3質量部、水(発泡剤)2質量部、シリコーン整泡剤(商品名:L5366 日本ユニカー株式会社製)1質量部を予め混合して混合ポリオールとし、その後、イソシアネート(商品名:コロネート1025 日本ポリウレタン工業株式会社製、NCO=40%)22質量部とを混合攪拌し、成型金型(以下金型)にシリコーンオイル離型剤を塗布し、その後金型に芯金をセットして65℃に加熱した後、混合攪拌した材料を65℃に加熱した液受けカップに吐出し金型と組付けた。この時の設定温度は、内型上が65℃、内型下が67℃である。その後、10分間、温度制御された本発明の加熱装置内において硬化させ、脱型し、発泡ローラーを得た。
本発明にかかる加熱装置により、効率良く加熱硬化が行えるため、振れ寸法精度の良い発泡ローラーを安定して成型することができた。
本発明のパイプ金型の加熱装置の概略図である。 本発明のパイプ金型の加熱装置の可動方向の説明図である。 本発明のパイプ金型の加熱装置の内型詳細図である。 発泡ローラーの概略図である。
符号の説明
1 内型(1)
1’ 内型(2)
2 母体(1)
2’ 母体(2)
3 成型金型
4 可動用バネ(1)
4’ 可動用バネ(2)
10 母体(1)
10’ 母体(2)
11 内型上(1)
11’ 内型上(2)
12 パイプ金型
13 平板熱板(1)
13’ 平板熱板(2)
14 内型下
15 液受けカップ
16 カートリッジヒーター
20 スポンジ材
21 芯材

Claims (3)

  1. パイプ金型と、少なくとも2つの駒からなる成型金型を、半割りにした加熱手段に挟み込んで加熱するパイプ金型の加熱方法であって、
    該駒の下駒に連接して、材料を受ける液受けカップを配置する工程、
    該成型金型と接触する内型と、更にその周りを囲う母体と、の2部材以上で構成され、且つ、該成型金型外径と密着するよう該成型金型外径の形状に倣った伝熱材を使用し位置修正可能に配置した該内型が、該パイプ金型と接触する部分と該液受けカップに接触する部分とで2分割され、各々が独立した温度調節をする工程、
    を有することを特徴とするパイプ金型の加熱方法。
  2. パイプ金型と、少なくとも2つの駒からなる成型金型を、半割りにした加熱手段に挟み込んで加熱するパイプ金型の加熱装置であって、
    該駒の下駒に連接して、材料を受ける液受けカップが配置されており、
    該成型金型と接触する内型と、更にその周りを囲う母体と、の2部材以上で構成され、
    且つ、該成型金型外径と密着するよう該成型金型外径の形状に倣った伝熱材を使用し位置修正可能に配置した該内型が、該パイプ金型と接触する部分と該液受けカップに接触する部分とで2分割され、各々が独立した温度調節を可能としている、
    ことを特徴とするパイプ金型の加熱装置。
  3. 芯材と、該芯材の外周に形成された円筒状の発泡体層を有する発泡ローラーの製造方法であって、
    パイプ金型と、材料を受ける液受けカップと、少なくとも2つの駒からなる成型金型に芯材をセットする工程、
    請求項1に記載のパイプ金型の加熱方法又は請求項2に記載のパイプ金型の加熱装置により該成型金型を予熱する工程、
    該液受けカップに発泡体層を形成するローラー製造用の材料を注型する工程、
    該液受けカップを型組みし、発泡により金型内を材料で充填する工程、
    加熱硬化させる工程、
    該成型金型から脱型する工程、
    により成型されることを特徴とする発泡ローラーの製造方法。
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