JP2006115980A - 多層クッション材 - Google Patents

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Hideo Ikenaga
秀雄 池永
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Abstract

【課題】病院、施設や在宅介護用の床ずれ防止用マット、車椅子、枕、体位変換用クッションや、一般健常者向けのマットレスやベッドパッド等の寝具、座席等のクッションに有効に利用できる、優れた体圧分散性、蒸れ防止性を有し、かつ容易に寝返りのできるクッション材を提供する。
【解決手段】(1) 50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量が0.3〜3mmであって張設圧縮撓み量が30〜90mmである立体編物が、該立体編物より50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量の大きい下層クッション材の上に、少なくとも1枚積層されている多層クッション材。(2) 前記下層クッション材の50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量が、前記立体編物の50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量の1.5倍以上である多層クッション材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、体圧分散性、蒸れ防止性に優れると共に、容易に寝返りのできる多層クッション材に関し、特に病院、施設や在宅介護用の床ずれ防止用マット、車椅子、枕、体位変換用クッション、一般健常者向けのマットレスやベッドパッド等の寝具、座席等のクッション材として好適な多層クッション材に関する。
高齢化にともなう寝たきり患者の増加に対し、床ずれを予防するための体圧分散性の良好なマット等のクッション材が数多く開発されている。
一方、体圧分散性の良好なマットや敷寝具は、一般の健常者にとっても有用であり、脊椎や筋肉に負担をかけずに良好な寝姿勢を保ち、安眠効果を得るための寝具として用いられている。しかし、体圧分散性を良好にした場合に生じる問題は、寝返りが打ち難くなるという点である。体圧分散性は、マットに体を十分沈み込ませ、人体とマットとの接触面積を大きくすることによって得られるが、この沈み込みによって体を反転させる際の支点を作りにくくなり、寝返りに大きな負担がかかることで逆に安眠が妨げられるものとなる。
体圧分散性の良好なクッション材として、特許文献1には、特定の厚み、通気度および圧縮応力を有する織編物層からなるクッション層Aと、特定の厚み、空孔部の面積比率および圧縮応力を有する樹脂発泡層または短繊維集合体層からなるクッション層Bを積層し、蒸れ難く体圧分散性に優れたクッション複合体が提案されている。しかしながら、特許文献1のクッション複合体は、織編物層と人体とのフィット性・形状追従性、寝返りする際に必要な織編物の剛性が十分考慮されておらず、体圧分散性と寝返り性を両立するものが得られていない。
特開平9−51994号公報
本発明の課題は、上記従来の問題点を解決し、優れた体圧分散性、蒸れ防止性を有し、かつ容易に寝返りできる多層クッション材を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、立体編物とその下に積層するクッション材の特定荷重時の圧縮変位量および立体編物の面剛性を示す張設圧縮撓み量を特定することにより、体圧分散性、蒸れ防止性および寝返り性を両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
(1)50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量が0.3〜3mmであって張設圧縮撓み量が30〜90mmである立体編物が、該立体編物より50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量の大きい下層クッション材の上に、少なくとも1枚積層されていることを特徴とする多層クッション材。
(2)前記下層クッション材の50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量が、前記立体編物の50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量の1.5倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の多層クッション材。
本発明によれば、マットレス、ベッドパッド等の寝具や座席等のクッションとして用いた場合に、優れた体圧分散性と蒸れ防止性を有し、かつ容易に寝返りをすることができる多層クッション材を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる立体編物は、表裏2層の編地を連結糸で連結した、表層、連結層および裏層の少なくとも3層で形成される立体的な編地であり、ダブルラッセル編機やダブル丸編機等、2列の針列を有する編機で編成することができる。
立体編物の連結糸に用いる繊維素材としては、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル系エラストマー繊維等、任意の合成繊維を用いることができるが、目標の圧縮変位量とし、かつ良好なクッション性とするために、連結糸はモノフィラメントが好ましい。特に連結糸がポリトリメチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントであると、表層に用いた立体編物の厚み方向および長さ、幅方向の寸法安定性が良好となると共に、立体編物がシワになり難くなり、かつ、繰り返し圧縮耐久性が良好となり好ましい。
また表裏の編地を形成する繊維素材としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維、綿、麻、ウール等の天然繊維、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨン、リヨセル等の再生繊維等の任意の繊維を用いることができる。なお、立体編物表面の肌触りをより良好にするには、表側の編地を構成する繊維に嵩高糸を用いることが好ましく、例えば、仮撚加工糸、ジェットスタッファー加工糸、押し込み加工糸、紡績糸、ループ状毛羽を有する流体噴射加工糸等、嵩高性が付与された糸が好ましい。また、綿、レーヨン等の吸湿性の高い繊維を用いると、蒸れ防止性を改善する上で好ましい。特に吸放湿性の高いキュプラレーヨンを用いると、蒸れ防止性がより良好となる。
さらには連結糸のモノフィラメントが表面に突出するざらざらとした肌触りを防止するために、表側編地のモノフィラメントの現出面積Aと表側編地に用いる繊維の現出面積Bの比はA/B≦0.15であることが好ましい。より好ましくは0≦A/B≦0.10、さらに好ましくは0≦A/B≦0.05であり、0に近いほど好ましい。
ここで、表側編地のモノフィラメント糸の現出面積Aと表側編地に用いる繊維の現出面積Bの比とは、編地表面の単位面積中に見えるそれぞれの糸の面積比を意味し、以下の方法により測定される。
立体編物の1cm角の編地表面の拡大写真(5〜50倍)を直角方向から撮影し、写真をイメージスキャーナーでコンピューターに読み込み、高精細画像解析システムIP1000PC(商品名、旭化成社製)の画像解析ソフトを用いて、編地表面に見えるモノフィラメント糸とマルチ糸の面積をそれぞれ領域指定し、領域指定したそれぞれの面積比を画素数の比で計算する。
モノフィラメントの出現面積を低く抑えるには、表側編地の同一編目における表側編地用のマルチ糸の総繊度D(dtex)と、連結糸のモノフィラメントの繊度d(dtex)の関係であるD/dが1.1以上であることが好ましく、より好ましくは1.5〜15.0である。
本発明において、立体編物の50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量は、下層クッション材の体圧分散性を阻害せずに、人体との間に蒸れを防止する空気層を確保するために、0.3〜3mm、好ましくは0.4〜2.5mm、より好ましくは0.5〜2mmであることが必要である。
ここでいう圧縮変位量とは、直径100mmの円形の圧縮板で立体編物が50Nで押し潰される厚みの減少量を意味する。なお、直径100mmの円形の圧縮板の面積は78.5cm2 に相当し、また寝具に寝た場合における人体の仙骨部や臀部が寝具に対して押さえる上記面積あたりの負荷が約50Nとなる。
立体編物の50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量が3mmを超えると、人が上に寝る際に立体編物の連結層が押し潰され、空気層が確保できなくなる。また、圧縮変位量が0.3mm未満では、マットレスやクッション材のように人が接する材料として用いるには風合いが硬くなり過ぎると共に、下層クッション材の体圧分散性を阻害するものとなる。
立体編物の50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量を適正な範囲とするには、連結糸の繊度、編密度、連結糸の傾斜角、厚みを十分考慮して生機を作製し、ヒートセット仕上げ時の幅出し等により、圧縮硬さを調整する必要がある。このためには、連結糸に50〜1000デシテックスの繊度のモノフィラメントを用い、また、連結糸の密度については、立体編物2.54cm平方(6.45cm2 )の面積中にある連結糸の本数をN(本/2.54cm平方)、連結糸のデシテックスをT(g/1×106 cm)、連結糸の比重をρ0 (g/cm3 )とした時に、立体編物2.54cm平方の面積中にある連結糸の総断面積(N・T/1×106 ・ρ0 )を0.04〜0.3cm2 とすることが好ましい。なお、立体編物の圧縮回復性を良好にするためには、立体編物の編み始め方向から見た断面における、裏面編地と連結糸とで形成される角度(鋭角側)を、少なくとも20%以上の連結糸において40〜80度とすることが好ましい。
さらに本発明において、立体編物の張設圧縮撓み量は30〜90mm、好ましくは35〜85mm、より好ましくは35〜80mmとすることが必要である。
これは、後述するように立体編物の下層に柔らかい下層クッション材が用いられるため、該下層クッション材の体圧分散性を阻害しないように、上層の立体編物には、人体の形状にフィットして変形する形状追従性とともに、寝返りを妨げないための面剛性が要求されるためである。
ここでいう張設圧縮撓み量は、立体編物が面で人の体重を支える場合の面剛性と形状追従性の程度を示すものであり、立体編物の張設圧縮撓み量を30〜90mmとすることにより、動かずに静止の状態で寝ている際は、人体にフィットして下層クッション材の体圧分散性を阻害することがなく、寝返りする場合には立体編物の面剛性が働くことにより人の肘や腕等の過度な落ち込みを防止でき、容易に寝返りできる多層クッション材とすることができる。
立体編物の張設圧縮撓み量を適正な範囲とするために、表裏および連結糸に用いる素材、繊度、編組織、編密度、仕上げ加工時の幅出し率、オーバーフィード率、ヒートセット温度等を十分考慮した上で、立体編物の圧縮弾性率と張設圧縮撓み量を設計するのが好ましい。
立体編物の表側の編地にはハニカム柄、ダイヤ柄、格子柄等のメッシュ柄や無地で平坦な編組織を用いることができ、メッシュ柄の場合はより通気性が高まり、蒸れ防止性が良好となる。無地の編組織の場合は、より肌触りが良好となる。また、立体編物の裏側の編地は立体編物の張設圧縮撓み量をコントロールする上で非常に重要であり、適度なタテ、ヨコの伸び特性を発現する編組織とするのが好ましい。この際、鎖と挿入編の組合せの様な編組織の場合は、タテ、ヨコの伸び特性が不十分となり、適度な張設圧縮撓み量が得られない。従って、全てニットループで形成される組織とし、100〜1300デシテックスの繊維を用い、コース数(/2.54cm)とウエール数(/2.54cm)の積を80〜750とすることが、裏面の編地の伸び特性を適正範囲とする上で好ましい。さらに幅だし率およびオーバーフィード率の条件としては、裏面編地が無地の場合は幅出し率を−5〜10%、オーバーフィード率を−1〜5%とすることが好ましく、裏面編地がメッシュ柄の場合は幅出し率を0〜50%、オーバーフィード率を0〜10%とすることが好ましい。
立体編物の厚みは任意に設定できるが、立体編物が1枚積層される場合は立体編物の厚みは2.5〜15mmが好ましい。2.5mm未満では蒸れを防止するための空気層を確保しにくくなり、また、15mmを超えると立体編物の端部の加工が困難となる場合がある。立体編物を複数枚積層する場合はトータルの立体編物の厚みが40mm以下であることが、へたりを防止する上で好ましい。
また立体編物は、生機を精練、染色、ヒートセット等の工程を通して仕上げることができ、精練や染色工程を省いて生機をヒートセットのみで仕上げることもできる。
さらに仕上げセット時には本発明の目的を損なわなければ、通常、繊維加工に用いられている樹脂加工、吸水加工、制電加工、抗菌加工、撥水加工、難燃加工などの仕上げ加工を適用できる。仕上げセットで用いる熱処理機としては、ピンテンター、クリップテンター、ショートループドライヤー、シュリンクサーファードライヤー、ドラムドライヤー、連続およびバッチ式タンブラー等が使用できる。
本発明に用いられる下層クッション材は、上記した立体編物の下に積層され、体圧分散の役割を果たす。
本発明において、該下層クッション材の50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量は、良好な体圧分散性を発現する点から、上層に積層する立体編物の圧縮変位量よりも大きくすることが必要である。好ましい下層クッション材の50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量は3〜50mmであり、より好ましくは5〜40mm、さらに好ましくは10〜30mmである。さらに立体編物の硬さを下層クッション材の硬さよりも硬くすることにより寝返り時の体の支持性を高めることができる。この際、下層クッション材の50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量は、立体編物の圧縮変位量の1.5倍以上であるのが好ましく、より好ましくは5倍、さらに好ましくは10倍以上である。
下層クッション材としては、軟質、硬質、低反発等のウレタンフォームやその他の樹脂発泡体、硬綿等の短繊維集合体、熱可塑性樹脂からなる連続した線条がランダムに交絡した立体構造網状体、エアーマット、ウォーターマット、ゲルマット等を用いることができ、これらは単体または複合体で用いることができる。
また下層クッション材の厚みは2〜20cmの範囲が好ましい。下層クッション材の厚みが2cm未満では体圧分散性が不良となり、20cmを超えると取扱性が不良となりやすい。
本発明の多層クッション材は、上記した下層クッション材に立体編物を少なくとも1枚積層することにより得られる。これらの積層方法には特に限定されないが、立体編物と下層クッション材が完全に固定されずに立体編物が少なくとも部分的に自由に動く状態で積層されているのが好ましい。立体編物と下層クッション材が接触するすべての面で完全に固定されていると、面剛性の高い立体編物が下層クッション材の変形を阻害し、良好な体圧分散性が得られない場合がある。
寝返り時の体の支持性をさらに高めるには、立体編物の周囲が下層クッション材と縫製、樹脂接着、熱融着等により固定されるか、立体編物が下層クッション材をカバーして該下層クッション材の周囲に支えられていることが好ましい。特に立体編物の周囲の少なくとも向かい合う2辺が下層クッション材に固定または支えられることにより、立体編物がハンモックのような状態で人の体重を支えるものとなり、寝返り時の体の支持性が向上する。
本発明の多層クッション材は、上述した特性を持つ少なくとも1枚の立体編物と、該立体編物より柔らかい下層クッション材とが積層されているため、体圧分散性および蒸れ防止性と良好な寝返り性を両立することができるが、このような本発明の効果を損なわない範囲であれば、織編物、不織布、皮等の表皮材を立体編物の上に積層することも可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の各特性の評価および測定は下記の方法で行った。
(1) 50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量(mm)
島津オートグラフAG−B型(島津製作所製)を用い、直径100mmの円形の圧縮板により、剛体面上に置いた15cm角の立体編物を、10mm/minの速度で50Nの荷重になるまで圧縮し、50N負荷時の圧縮変位量(mm)を測定する。測定は5点のサンプルで行い平均値を求める。
(2) 張設圧縮撓み量(mm)
図1に示すように、厚み5mm、40cm角の金属板の土台の4隅に高さ15cmの等辺山形鋼の足を溶接し、さらに足の上部に、厚み5mm、40cm角(30cm角の空洞有り)の金属枠を溶接して、金属枠の上面に40番のサンドペーパーを両面テープで貼りつけて滑り止めを付与した固定枠aを作製する。一方、厚み5mm、40cm角(30cm角の空洞有り)の金属枠の下面に40番のサンドペーパーを両面テープで貼りつけて滑り止めを付与した押さえ枠bを作製する。
立体編物を40cm角にカットし、固定枠aと押さえ枠bの間に弛まない様に挟み、枠の周囲の計12箇所を万力で固定して張設する。
島津オートグラフAG−B型(島津製作所製)を用い、直径100mmの円形の圧縮板により、張設した立体編物の中央部を100mm/分の速度で圧縮し、245Nの荷重時における撓み量を測定する。測定は5点のサンプルで行い平均値を求める。
(3) 体圧分散性
介護用ベッドの上に多層クッション材を置き、上に体圧分布測定装置Xセンサー(型式X2:XSENSER Technology社製)を配置する。この上に伸長170〜175cm、65〜70kgの4人の男性が仰臥位で寝て、仙骨部の体圧(kPa)を測定し、4人の平均値を求める。
(4) 蒸れ防止性
28±1℃、65±5%RHの環境下の人工気候室内に多層クッション材を置き、多層クッション材の上に伸長170〜175cm、65〜70kgの4人の男性が仰臥位で寝て60分間安静にした後、蒸れ感を下記の点数で官能評価し、4人の平均点を求める。なお、試験中は綿パイルのタオルケット(良品計画社製)を首から足先まで掛けて行う。
3点:蒸れ感がない
2点:蒸れ感をやや感じる
1点:蒸れ感を非常に感じる
(5) 寝返り性
介護用ベッドの上に多層クッション材を置き、伸長170〜175cm、65〜70kgの4人の男性が仰臥位から側臥位になるときの、寝返りのし易さを下記の点数で官能評価し、4人の平均点を求めた。
3点:寝返りし易い
2点:やや寝返りし難い
1点:寝返りし難い
[実施例1、2、比較例1]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間6.5mmのダブルラッセル編機を用い、表裏の編地を形成する筬(L1 、L2 、L5 、L6 )から167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の仮撚糸をオールインの配列で供給し、連結糸用の筬(L3 、L4 )からソロテックス社製、110dtexのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントを1イン1アウトの配列で供給した。
下記に示す編組織で、機上コース18.0コース/2.54cmの密度で生機を編成した。得られた生機の幅出し率とフィード率を各種条件に変更し160℃×2分で乾熱ヒートセットした立体編物を得た。この際、実施例1では幅出し率2%、オーバーフィード率1%、実施例2では幅出し率4%、オーバーフィード率0.5%、比較例1では幅出し率7%、オーバーフィード率0%でヒートセットした。
得られた立体編物は綿帆布と縫製し、下層クッション材の上面を立体編物、側面および下面を帆布が覆うようにカバーして側面をファスナーで止め、立体編物の下に下層クッション材が積層された多層クッション材を作製した。下層クッション材としては50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量が21mm、厚さ16cm、幅83cm、長さ191cmのウレタンフォーム製クッション材を用いた。
得られた多層クッション材の各種特性を表1に示したが、実施例1、2のように張設圧縮撓み量が30〜90mmの立体編物を積層した多層クッション材では体圧分散性、蒸れ防止性および寝返り性がいずれも良好であったが、比較例1のように張設圧縮撓み量が30mm未満のものは、体圧分散性が不良であった。
(編組織)
1 :2022/2422/(オールイン)
2 :2422/2022/(オールイン)
3 :2064/81046/(1イン1アウト)
4 :81046/2064/(1アウト1イン)
5 :2220/2224/(オールイン)
6 :2246/4420/(オールイン)
[実施例3]
実施例1において、立体編物の連結糸に150dtexのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントを用いた以外は実施例1と同様にして立体編物および多層クッション材を作製した。得られた多層クッション材は、表1に示すように、体圧分散性、蒸れ防止性および寝返り性がいずれも良好であった。
[比較例2]
実施例1において、立体編物の連結糸に56dtexのナイロンモノフィラメントを用いた以外は実施例1と同様にして立体編物および多層クッション材を作製した。得られた多層クッション材は、表1に示すように、50N/78.5cm2 負荷時の立体編物の圧縮変位量が3.4mmと大き過ぎるため、人が寝た時に空気層が確保できず、非常に蒸れ感を感じるものであった。また、やや寝返りし難いものであった。
[比較例3]
実施例1において、立体編物の連結糸に390dtexのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントを用いた以外は実施例1と同様にして立体編物および、多層クッション材を作製した。得られた多層クッション材は、表1に示すように、50N/78.5cm2 負荷時の立体編物の圧縮変位量が0.2mmと小さく、体圧分散性がやや不良で、風合いが硬く寝心地の悪いものであった。
[比較例4]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間6.5mmのダブルラッセル編機を用い、表裏の編地を形成する筬(L1 、L2 、L5 、L6 )から167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(未加工糸)をオールインの配列で供給し、連結糸用の筬(L3 、L4 )からソロテックス社製、110dtexのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントを1イン1アウトの配列で供給した。
下記に示す編組織で、機上コース18.0コース/2.54cmの密度で表裏の地組織が鎖+挿入編の生機を編成した。得られた生機を幅出し率2%、オーバーフィード率1%でヒートセットした。得られた立体編物を用いて実施例1と同様に多層クッション材を作製した。得られた多層クッション材は、表1に示すように、張設圧縮撓み量が25mmと小さ過ぎるため、人体への形状追従性が悪く、体圧分散性が不良となるものであった。
(編組織)
1 :4400/0044/(オールイン)
2 :0222/2000/(オールイン)
3 :4620/(1イン1アウト)
4 :2046/(1アウト1イン)
5 :2220/0002/(オールイン)
6 :0000/6666/(オールイン)
[比較例5]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間6.5mmのダブルラッセル編機を用い、表裏の編地を形成する筬(L1 、L2 、L5 、L6 )から167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(未加工糸)を1イン1アウトの配列で供給し、連結糸用の筬(L3 、L4 )からソロテックス社製、110dtexのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントを1イン1アウトの配列で供給した。
下記に示す編組織で、機上コース22.0コース/2.54cmの密度で生機を編成した。得られた生機を幅出し率10%、オーバーフィード率2%でヒートセットした。得られた立体編物を用いて実施例1と同様に多層クッション材を作製した。得られた多層クッション材は、表1に示すように、張設圧縮撓み量が95mmと大き過ぎるため、寝返りし難いものであった。
(編組織)
1 :2022/2422/2022/2422/2022/2444/
4644/4244/4644/4244/4644/4222/
(1イン1アウト)
2 :4644/4244/4644/4244/4644/4222/
2022/2422/2022/2422/2022/2444/
(1アウト1イン)
3 :2020/2424/2020/2424/2020/2424/
4646/4242/4646/4242/4646/4242/
(1イン1アウト)
4 :4646/4242/4646/4242/4646/4242/
2020/2424/2020/2424/2020/2424/
(1アウト1イン)
5 :2220/2224/2220/2224/2220/2224/
4446/4442/4446/4442/4446/4442/
(1イン1アウト)
6 :4446/4442/4446/4442/4446/4442/
2220/2224/2220/2224/2220/2224/
(1アウト1イン)
Figure 2006115980
本発明の多層クッション材は、優れた体圧分散性、蒸れ防止性を有し、かつ容易に寝返りをすることができるため、病院、施設や在宅介護用の床ずれ防止用マット、車椅子、枕、体位変換用クッションや、一般健常者向けのマットレスやベッドパッド等の寝具、座席等のクッションに有用である。
張設圧縮撓み量測定用の張設用フレームの説明図。

Claims (2)

  1. 50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量が0.3〜3mmであって張設圧縮撓み量が30〜90mmである立体編物が、該立体編物より50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量の大きい下層クッション材の上に、少なくとも1枚積層されていることを特徴とする多層クッション材。
  2. 前記下層クッション材の50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量が、前記立体編物の50N/78.5cm2 負荷時の圧縮変位量の1.5倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の多層クッション材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006104047A1 (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Fukui Warp Knitting Co., Ltd. 経編地の編成方法と、その経編地

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