JP2006115695A - 車両用交流発電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】整流器の冷却性能を向上させることができる車両用交流発電機を提供する。
【解決手段】整流器23を構成する整流ダイオード31を、冷却媒体通路2の開口端を気密に閉蓋するエンドブラケット9の冷却媒体通路2との非対向部位に固定し、整流器23を構成する整流ダイオード32が固定された正極側冷却板28を、整流ダイオード32が整流ダイオード31の固定位置に比べて温度の低い位置に配置されるように、エンドブラケット9に絶縁部材27を介して固定する。
【選択図】図1
【解決手段】整流器23を構成する整流ダイオード31を、冷却媒体通路2の開口端を気密に閉蓋するエンドブラケット9の冷却媒体通路2との非対向部位に固定し、整流器23を構成する整流ダイオード32が固定された正極側冷却板28を、整流ダイオード32が整流ダイオード31の固定位置に比べて温度の低い位置に配置されるように、エンドブラケット9に絶縁部材27を介して固定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両に搭載された電気的負荷の駆動用電力及び蓄電池の充電用電力を発生する車両用交流発電機に関する。
従来の車両用交流発電機は、例えば特開2000−270518号公報に記載されているように、外気以外の冷却媒体、例えば冷却水を機体内部に循環させ、主発熱部である固定子,整流器及び電圧調整器を冷却している。特に整流器の冷却にあたっては、冷却媒体通路の開口部を塞ぐ端板の冷却媒体通路開口部との対向部位に整流器を固定して冷却している。
近年、車両用交流発電機では、自動車に搭載された電気的負荷の容量の増大などにより高出力化が要求されている。この要求を満足するためには車両用交流発電機の発熱部分、例えば整流器の冷却能力の向上が課題となる。この課題の解決手段の一つとしては、従来の車両用交流発電機のように、冷却媒体通路の開口部を塞ぐ端板の冷却媒体通路開口部との対向部位に整流器を固定して冷却することが有効である。しかし、整流器の冷却性能のさらなる向上を要求されているのが現状である。
本発明は、整流器の冷却性能を向上させることができる車両用交流発電機を提供するものである。
このため、本発明の代表的な一つのものは、冷却媒体通路の開口端を気密に閉蓋する端板に整流器を固定すると共に、整流器を覆う覆い部材の整流器の近傍で、整流器の配置位置よりも径方向外側の部位に前記ファンの回転により前記整流器の近傍に外気を導入するための取込孔を設け、取込孔から導入された外気が整流器の近傍を通り、その後、固定子と回転子間を通って外部に排出されようにしている。
本発明の代表的な他のものによれば、冷却媒体に直接接触すると共に、冷却媒体通路を構成する端板を介して整流器の端板側(負極側整流素子側)が冷却される。一方、整流器の端板側とは反対側(正極側整流素子側)は、取込孔を介して取り込まれた冷却風で冷却される。このように、本発明の代表的な他のものによれば、整流器を両側から冷却することができ、整流器の冷却効率を向上させることができる。
以上説明した本発明によれば、整流器の冷却効率を向上させることができるので、整流器の冷却性能を向上させることができる。従って、本発明によれば、整流器の冷却性能を向上させることができる車両用交流発電機を提供することができる。
以下、本発明の第1実施例である車両用交流発電機を図1乃至図7に基づいて説明する。図1は本実施例の車両用交流発電機の全体構成を示す。図2は、本実施例の車両交流発電機の回転軸一方端側の構成を示す。図3は、本実施例の車両用交流発電機の冷却媒体通路の構成部品である枠体の構成を示す。図4は、本実施例の車両用交流発電機の冷却媒体通路の構成部品であり、かつ本実施例の車両用交流発電機に適用される整流器の負極側冷却部材を兼ねる端板の構成を示す。図5は、本実施例の車両用交流発電機に適用される整流器の正極側冷却部材の構成を示す。図6は、本実施例の車両用交流発電機に適用される整流器の端子台の構成を示す。
本実施例の車両用交流発電機は、界磁電流の供給を受けながら、自動車の内燃機関であるエンジンの回転駆動力を受けて回転子を回転させて固定子に交流電力を発生させ、発生した交流電力を整流器で整流して直流電力(自動車に搭載された電気的負荷の駆動用電力及び蓄電池の充電用電力)を得る。また、本実施例の車両用交流発電機は、冷却水を機内循環させて発熱体、例えば固定子,整流器などを冷却する。いわゆる水冷方式の同期発電機であり、オルタネータ或いは車両用充電発電機と呼ばれる場合もある。冷却水は、自動車のエンジンを冷却すると共に、エンジンに付属のラジェータによって冷却される冷却水の一部を分岐して用いる。
図において1は、車両用交流発電機(以下、単に「発電機」と呼ぶ)のハウジングを構成するフレーム(或いは枠体という)である。フレーム1は、その中心軸の軸線方向一方端が開口(開放)した器状の収納体であり、ほぼ円筒状の周壁1a及びこの周壁1aの一方端(フレーム1の中心軸の軸線方向他方端)を塞ぐ側壁1bから構成されている。周壁1aの内部には、側壁1b側(フレーム1の中心軸の軸線方向他方端側)が開口した冷却媒体通路2が形成されている。周壁1aの外周面の一部分には、冷却媒体通路2と連通した冷却媒体供給口3及び冷却媒体排出口4が並設されている。また、周壁1aの外周面の一部分には、発電機をエンジン或いは自動車のエンジンルーム内に搭載するための取付部7が設けられている。
冷却媒体通路2は、周壁1aの中心軸の軸線方向及び周壁1aの周方向にわたって連続するように、環状に形成されている。冷却媒体通路2の冷却媒体供給口3との連通部分
(冷却媒体通路2の上流側にあたる部分)と、冷却媒体通路2の冷却媒体排出口4との連通部分(冷却媒体通路2の下流側にあたる部分)との間は仕切られている。側壁1bの外面の2箇所には、冷却媒体通路2の一部分が周壁1aの一方端において径方向内側に窪むように切り欠かれて形成された切欠部2a,2bが周方向に隣接して設けられている。切欠部2a,2bは径方向内側に浅く丸みをおびた窪みである。
(冷却媒体通路2の上流側にあたる部分)と、冷却媒体通路2の冷却媒体排出口4との連通部分(冷却媒体通路2の下流側にあたる部分)との間は仕切られている。側壁1bの外面の2箇所には、冷却媒体通路2の一部分が周壁1aの一方端において径方向内側に窪むように切り欠かれて形成された切欠部2a,2bが周方向に隣接して設けられている。切欠部2a,2bは径方向内側に浅く丸みをおびた窪みである。
冷却媒体供給口3は自動車のエンジンの冷却系統の上流側(エンジンを冷却する前の冷却水が流れる部分)と接続されている。これにより、エンジンを冷却する冷却水の一部が分岐して発電機に供給され、冷却媒体通路2を循環して発電機を冷却する。冷却媒体排出口4は自動車のエンジンの冷却系統の下流側(エンジンを冷却し終えた冷却水が流れる部分)と接続されている。これにより、発電機を冷却し終えて発電機から排出された冷却水が、エンジンを冷却した冷却水と合流し、エンジンに付属されているラジェータ(或いは冷却器という)によって冷却される。
フレーム1の中心軸の軸線方向一方端には、フレーム1の中心軸の軸線方向一方端(周壁1aの側壁1b側とは反対側)に形成された開口部を閉蓋するようにエンドブラケット8(或いは端板という)が、固定手段であるボルト36によって固定されている。エンドブラケット8は環状の部材であり、その内周側にベアリング装置10(或いは軸受装置という)を保持している。フレーム1の中心軸の軸線方向他方端には、側壁1bの外面に部材を介して接するようにエンドブラケット9(端板という場合もある)が、固定手段であるボルト37によって固定されている。エンドブラケット9は環状の部材であり、フレーム1の中心軸の軸線方向他方端側(周壁1aの側壁1b側)に形成された冷却媒体通路2の開口端を閉蓋している。
側壁1bの外面には、フレーム1の中心軸の軸線方向他方端側(周壁1aの側壁1b側)に形成された冷却媒体通路2の開口端の外側縁及び内側縁に沿って環状の溝35が設けられている。環状の溝35には、封止部材(或いはパッキンという)であるOリング12が挿入されている。Oリング12は、弾性を有するゴム製であり、側壁1bの外面とエンドブラケット9との間を気密に封止し、冷却媒体通路2からの漏水を防止する。
側壁1bの外面とエンドブラケット9との間に設けられた部材は、空気よりも熱伝導率の良いシリコン樹脂(或いは珪素樹脂という)である。尚、本実施例では、側壁1bの外面とエンドブラケット9との間にシリコン樹脂を設けた例について説明したが、シリコン樹脂と同様に熱伝導性を有するものであれば、シリコン樹脂以外のものを用いても構わない。
側壁1bの中央部分(フレーム1の中心軸近傍)はエンドブラケット9の内周側からエンドブラケット8側とは反対側に向かって突出している。側壁1bの突出部分の先端内周側にはベアリング装置11(或いは軸受装置という)が保持されている。
周壁1aの内周面には、ステータコア5(或いは固定子鉄心という)及びステータコイル6(或いは固定子巻線という)を有する固定子が固定されている。ステータコア5は円筒状の磁性部材であり、その内周部に複数のスロットが形成されている。ステータコイル6は、u相,v相,w相の3相を構成する各相のコイルがステータコア5の対応するスロットに挿入され、スター方式で結線されている。
ステータコア5の内周側には、空隙を介してステータコア5と対向するポールコア14(或いは回転子鉄心という)が回転可能に設けられている。ポールコア14は、周方向に複数の爪部を有する一対の爪形状のコアが回転軸の軸線方向に対向して一方のコアの爪部と他方のコアの爪部が周方向(回転子の回転方向)に交互に配置されるように、シャフト13(或いは回転軸という)に固定されている。シャフト13はフレーム1の中心軸の軸線方向に延びている。シャフト13の一方端(エンドブラケット8側)はベアリング装置10よって回転可能に支持されている。シャフト13の他方端(エンドブラケット9側)がベアリング装置11によってれ回転可能に支持されている。
ポールコア14の一方のコアの爪部とポールコア14の他方のコアの爪部との間には、コバルト,ネオジウム,ボロンなどの希土類系の材料から形成された永久磁石22が固定されている。ポールコア14の爪部の内周面と対向する部分には、ボビンに巻かれた界磁コイル15(或いは回転子巻線という)が設けられている(或いは当該部分に界磁コイル15が直接巻かれる場合もある)。界磁コイル15には絶縁処理が施されている。
シャフト13の一方端はベアリング装置10よりも外側に延びており、その先端にプーリ21(或いはベルト円板という)が、固定手段であるボルト38によって固定されている。プーリ21は、駆動力伝達手段であるチェーン或いはベルトを介して自動車のエンジンのクランク軸に設けられたプーリと機械的に連結されており、エンジンの回転駆動力が伝達される。
シャフト13の他方端でベアリング装置11よりも内側の部分にはスリップリング16(或いは集電環という)が固定されている。スリップリング16は導電性の環状部材であり、リード線17を介して界磁コイル15と電気的に接続されている。スリップリング
16にはブラシ18が摺動接触しており、ブラシ18を介して電力(界磁電流)が供給されている。ブラシ18は、エンドブラケット9のエンドブラケット8側とは反対側の面に固定されたブラシホルダ19によって保持されている。ブラシホルダ19内には、弾性体であるバネ20が設けられている。バネ20は、ブラシ18がスリップリング16に摺動接触するように、ブラシ18を押圧している。
16にはブラシ18が摺動接触しており、ブラシ18を介して電力(界磁電流)が供給されている。ブラシ18は、エンドブラケット9のエンドブラケット8側とは反対側の面に固定されたブラシホルダ19によって保持されている。ブラシホルダ19内には、弾性体であるバネ20が設けられている。バネ20は、ブラシ18がスリップリング16に摺動接触するように、ブラシ18を押圧している。
切欠部2a,2bの周方向端部間の周壁1b部分,切欠部2aの切欠部2b側とは反対側の周方向端部側の周壁1b部分及び切欠部2bの切欠部2a側とは反対側の周方向端部側の周壁1b部分には貫通孔39が円弧形状に配列されるように形成されている。貫通孔39は、ステータコイル6の各相コイルに電気的に接続された端子40を側壁1bからエンドブラケット9側に突出させるために設けられたものである。周壁1bの貫通孔39よりも径方向内側には、ボルト41がエンドブラケット9側に突出するように埋設されている。フレーム1の外周側の6箇所には、ボルト37が螺合されるネジ孔42が形成されている。ネジ孔42は貫通孔で形成されている。
エンドブラケット9のエンドブラケット8側とは反対側の面には整流器23及びレギュレータ24(或いは電圧調整器という)が固定されている。整流器23はレクティファイヤとも呼ばれ、ステータコイル6の出力である3相交流を全波整流して直流の出力を得るものである。レギュレータ24は、ブラシ18を介して界磁コイル15に流れる界磁電流を制御し、ステータコイル6から出力される3相交流を調整するものである。
エンドブラケット9のエンドブラケット8側とは反対側(整流器23,レギュレータ
24及びブラシホルダ19が固定された側)はカバー25(或いは覆い部材という)によって覆われている。カバー25には、径方向外側に延びるフランジ25aが設けられている。フランジ25aのネジ孔42に対応する部位には貫通孔25bが形成されてる。
24及びブラシホルダ19が固定された側)はカバー25(或いは覆い部材という)によって覆われている。カバー25には、径方向外側に延びるフランジ25aが設けられている。フランジ25aのネジ孔42に対応する部位には貫通孔25bが形成されてる。
カバー25からは端子26が外部に露出している。端子26は整流器23に電気的に接続されている。端子26には、整流器23によって整流されて直流の出力を外部、すなわち車両側(バッテリや電気的負荷など)に供給するために、車両側配線の端子(図示省略)が電気的に接続されている。尚、図2の斜線部分は冷却媒体通路2及び切欠部2a,2bを示す。
整流器23は、負極側冷却板を兼ねるエンドブラケット9,絶縁部材27,正極側冷却板28及び端子台29の順に積層された積層体で構成されている。エンドブラケット9は板状部材であり、フレーム1及びエンドブラケット8と同様にアルミニウム製のものである。前述のようにエンドブラケット9は側壁1bの外面にシリコン樹脂を介して固定されている。エンドブラケット9のネジ孔42に対応する部位(エンドブラケット9の外周側の6箇所)には、ボルト37を貫通させる貫通孔43が形成されている。貫通孔25b,43にボルト37を挿入してネジ孔42に螺合することにより、カバー25及びエンドブラケット9をフレーム1に固定することができる。
エンドブラケット9の貫通孔39に対応する部位には貫通孔34が形成されている。貫通孔34は、側壁1b側からエンドブラケット9側に突出する端子40を貫通させている。エンドブラケット9の貫通孔34よりも径方向内側で、ボルト41の埋設位置に対向する部位には貫通孔44が形成されている。貫通孔44はボルト41を貫通させている。エンドブラケット9の貫通孔34よりも径方向内側で、切欠部2aに対応する部位よりも径方向内側の部位には貫通孔30が2つ形成されている。エンドブラケット9の貫通孔34よりも径方向内側で、切欠部2bに対応する部位よりも径方向内側の部位には貫通孔30が1つ形成されている。
貫通孔30の3つは、エンドブラケット9の冷却媒体通路2との非対向部位に円弧形状をなすように配列されている。貫通孔30のそれぞれには、負極側整流素子である整流ダイオード31のアノード側(負極側)が圧入され、埋設されている。整流ダイオード31のそれぞれの底面は、側壁1bの外面とエンドブラケット9との間に設けられたシリコン樹脂を介して側壁1bの外面と接している。エンドブラケット9の貫通孔34よりも径方向外側の部分で、貫通孔34,44のほぼ中間部位にはネジ孔45が形成されている。
尚、本実施例では、エンドブラケット9の冷却媒体通路2に比較的近い部位に整流ダイオード31が埋設されている。しかし、側壁1bの外面とエンドブラケット9との間に設けられた絶縁部材及びOリング12によって冷却媒体通路2からの冷却媒体の漏洩が防止されているので、整流ダイオード31が直接冷却媒体に触れることはない。
正極側冷却板28は円弧形状(或いは馬蹄形状)の冷却フィンであり、エンドブラケット9と同様にアルミニウム製の部材から形成されたものである。正極側冷却板28は、その内径がエンドブラケット9の貫通孔30よりも径方向外側の部分に位置するように、絶縁部材27を介してエンドブラケット9のエンドブラケット8側とは反対側の面に固定されている。正極側冷却板28の貫通孔44との対向部位には貫通孔47が形成されている。貫通孔47はボルト41を貫通させている。
正極側冷却板28の貫通孔47よりも径方向外側で、正極側冷却板28の貫通孔34との対向部位には貫通孔46が形成されている。貫通孔46は、側壁1b側からエンドブラケット9側に突出する端子40を貫通させている。正極側冷却板28の貫通孔47よりも径方向外側で、正極側冷却板28のネジ孔45との対向部位には貫通孔48が形成されている。貫通孔48はネジ51を貫通させている。正極側冷却板28の貫通孔47よりも径方向外側で、正極側冷却板28の切欠部2aとの対向部位には貫通孔33が2つ形成されている。正極側冷却板28の貫通孔47よりも径方向外側で、正極側冷却板28の切欠部2bとの対向部位には貫通孔33が1つ形成されている。
貫通孔33,46,48は正極側冷却板28に円弧形状をなすように、かつ貫通孔33が正極側冷却板28の冷却媒体通路2との対向部位に配置するように配列されている。貫通孔33のそれぞれには、正極側整流素子である整流ダイオード32のアノード側(正極側)が圧入され、埋設されている。これにより、整流ダイオード32は、整流ダイオード31よりも半径方向外側で、冷却媒体通路2に近い位置、とりわけ本実施例では、冷却媒体通路2と対向する位置に配置される。この位置は、整流ダイオード31の埋設位置(固定位置)に比べて温度の低い位置である。
整流ダイオード32のそれぞれの底面は絶縁部材27を介してエンドブラケット9のエンドブラケット8側とは反対側の面と接している。絶縁部材27は、正極側冷却板28の形状に沿って円弧形状(或いは馬蹄形状)に形成されたシート状の部材であり、その面積が正極側冷却板28よりも若干大きい。絶縁部材27のエンドブラケット9との対向面及び正極側冷却板28との対向面にはペースト状のシリコンパウンドが塗布されている。これにより、絶縁部材27は熱伝導性を有する。
端子台29は、整流ダイオード31,32をブリッジ接続する金具56(或いは導電性部材ともいう)を絶縁性の樹脂によって一体成形した接続部材(或いはターミナルアッセンブリともいう)であり、正極側冷却板28の形状に沿って円弧形状(或いは馬蹄形状)に形成された板状の部材である。尚、図2,図6の点線は金具56を示す。金具56はターミナル49,50,52(或いは端子ともいう)を有している。ターミナル50には整流ダイオード31のカソード側(負極側)が溶接或いは半田付けによって電気的,機械的に接続されている。ターミナル52には整流ダイオード32のアノード側(正極側)が溶接或いは半田付けによって電気的,機械的に接続されている。ターミナル49には、ステータコイル6の各相のコイルに接続された端子40が加締められていると共に、溶接或いは半田付けによって電気的,機械的に接続されている。
端子台29の貫通孔47との対向部位には貫通孔53が形成されている。貫通孔53はボルト41を貫通させている。ボルト41にエンドブラケット9,正極側冷却板28,端子台29の順でそれら各部材を挿通し、ナット57を用いて締め付けることにより、整流器23をエンドブラケット9に固定し、これと同時にエンドブラケット9をフレーム1に固定している。端子台29の貫通孔48との対向部位には貫通孔54が形成されている。貫通孔54はネジ51を貫通させている。エンドブラケット9に正極側冷却板28,端子台29の順でそれらの各部材を積層し、ネジ51を貫通孔54,48及びネジ孔45に挿入して締め付けることにより、正極側冷却板28,端子台29をエンドブラケット9に固定している。端子台29の周方向一端部には端子58が設けられている。端子58は、整流器23とレギュレータ24との電気的な接続を担うものであり、金具56の1つからレギュレータ24側に延び、ネジ59によってレギュレータ24に固定されている。
以上説明した本実施例によれば、冷却媒体通路2を構成するエンドブラケット9に整流ダイオード31を埋設しているので、従来のように冷却板を介して整流ダイオード31を冷却していたものと比べ、整流ダイオード31から冷却媒体までに至る熱伝達経路の熱抵抗を低減することができ、整流ダイオード31の冷却性能を向上させることができる。また、負極側冷却板の役目をエンドブラケット9に兼用させ、従来のように冷却板を設けないので、発電機のコストを低減することができる。
また、本実施例によれば、整流ダイオード32が整流ダイオード31に比べて冷却媒体通路2に近い位置、すなわち整流ダイオード31の固定位置よりも温度が低い位置、とりわけ本実施例では冷却媒体通路2と対向する位置に配置されるように、正極側冷却板28をエンドブラケット9のエンドブラケット8側とは反対側の面に絶縁部材27を介して固定しているので、従来のように負極側冷却板を介して整流ダイオード32を冷却していたものと比べ、整流ダイオード32から冷却媒体までに至る熱伝達経路を短く構成して整流ダイオード32の冷却効率を向上させることができる。これにより、整流ダイオード32の冷却性能を向上させることができる。しかも、整流ダイオード32の配置位置が整流ダイオード31の配置位置よりも温度が低い位置なので、さらに整流ダイオード32の冷却性能を向上させることができ、整流ダイオード31と同様の冷却効果を得ることができる。
従って、本実施例によれば、整流ダイオード31,32の各々の冷却性能を向上させることができると共に、整流ダイオード31と整流ダイオード32とをバランスよく冷却して整流器23の冷却効率を向上させることができるので、整流器23の冷却性能を向上させることができる。
また、本実施例によれば、エンドブラケット9に設けられた貫通孔30に整流ダイオード31を埋設し、整流ダイオード31の底面を側壁1bに空気よりも熱伝導率の良いシリコン樹脂を介して接触させているので、整流ダイオード31の発熱の熱伝達をさらに促進でき、整流ダイオード31の冷却性能をさらに向上させることができる。
また、本実施例によれば、エンドブラケット9の整流ダイオード31の埋設する孔を貫通孔30としているので、発電機の製造が容易になり、発電機の製造コストを低減することができる。すなわち本実施例では、整流ダイオード31の埋設位置をエンドブラケット9の側壁1bとの対向部分、つまり冷却媒体通路2とは対向しない部分に設けている。
従来のように、整流器が冷却媒体通路と対向するように、冷却媒体通路を構成する部材に整流器を設ける場合、冷却媒体通路と対向する部分に貫通孔を設けると、冷却媒体の漏洩防止のために、整流ダイオードの圧入後、シール材などを塗布する必要がある。このような考え方では、発電機の製造工程や構成部品が増えて発電機のコストを上げてしまう。一方、冷却媒体の漏洩防止のために、整流ダイオードの埋設孔を凹部状のものとすると、凹部の深さ、開口部の径、凹部底面角の形状の管理が難しくなると共に、半田や接着剤で整流ダイオードの底面を凹部底面に固定する必要がある。このような考え方でも、発電機の製造工程や構成部品が増えて発電機のコストを上げてしまう。しかし、本実施例のように、エンドブラケット9の冷却媒体通路2との非対向部位に貫通孔30を設け、これに整流ダイオードを圧入して埋設するようにすれば、上記のような課題が生じるようなことはない。
また、本実施例によれば、冷却媒体通路2の一部分が周壁1aの一方端において径方向内側に窪むように切り欠いて形成した切欠部2a,2bを側壁1bの外面の2箇所に周方向に隣接するように設けると共に、エンドブラケット9の切欠部2a,2bと対向する部位に整流ダイオード32が配置されるように、正極側冷却板28をエンドブラケット9のエンドブラケット8側とは反対側の面に固定しているので、冷却媒体通路2を周壁1aの一方端で複雑に這いまわらせる必要がない。これにより、通路抵抗を上昇させ、冷却媒体が冷却媒体通路2を循環し難くし、発電機の冷却効率を低下させるようなことはない。
次に、本発明の第2実施例を図7乃至図11に基づいて説明する。図7は本実施例の車両用交流発電機の全体構成を示す。図8は本実施例の車両用交流発電機の回転軸一方端側の構成を示す。図9乃至図11は、本実施例の車両用交流発電機の回転数に対する騒音レベルの関係を示す。
尚、前例と同様の部分には同一符号を付してその説明を省略する。以下、前例と異なる部分についてのみ説明する。
本実施例の発電機は、ポールコア14のエンドブラケット9側の端部に冷却ファン60を溶接によって固着している。冷却ファン60は鉄板をプレスなどで塑性変形させて成形した成形品である。カバー25の周壁25aの3箇所には、カバー25の内部と外部とを連通してカバー25の外部から内部に冷却風を取り込む取込孔61(或いは外気導入孔という)が形成されている。取込孔61は整流器23の近傍で、整流器23の配置位置よりも径方向外側に位置し、円弧形状の整流器23の外径側に沿うように開口している。
エンドブラケット9の整流器23よりも径方向内側の部位の3箇所には通風孔62が形成されている。通風孔62は貫通孔である。側壁1bの通風孔62と対向する部位には通風孔63が形成されている。通風孔63は貫通孔であり、通風孔62と連通している。通風孔62,63は、円弧形状の整流器23の内径側に沿って円弧をなすように配列されている。通風孔62,63のうち配列中央に位置する通風孔62,63の開口面積は、配列両端部に位置する通風孔62,63の開口面積よりも大きい。エンドブラケット9とカバー25との間の空間と、側壁1bとエンドブラケット8によって閉塞され、ポールコア
14やステータコア5が収容された空間は通風孔62,63によって連通する。
14やステータコア5が収容された空間は通風孔62,63によって連通する。
エンドブラケット8の1箇所には排出孔64が形成されている。排出孔64は貫通孔であり、取込孔61と通風面積がほぼ同じになっている。側壁1bとエンドブラケット8によって閉塞され、ステータコア5やポールコア14が収容された空間と外部は排出孔64によって連通する。
このように構成された本実施例の発電機では、ポールコア14の回転に伴って冷却ファン60が回転すると、冷却風である外気が取込孔61を介してエンドブラケット9とカバー25との間の空間に導入される。導入された冷却風は、整流器23の近傍を通り整流器23を冷却する。冷却後、冷却風は、側壁1bとエンドブラケット8によって閉塞され、ステータコア5やポールコア14が収容された空間に通風孔62,63を介して導入される。導入された冷却風は、ステータコア5やポールコア14を冷却する。冷却後、冷却風は排出孔64を介して外部に排出される。尚、図7,図8中の矢印は冷却風の流れを示す。
また、本実施例の発電機では、冷却媒体通路2を循環する冷却媒体(例えば冷却水)によってステータコア5,整流器23及びレギュレータ24などが冷却される。
また、前例では、レギュレータ24をブラシホルダ18のエンドブラケット9側とは反対側に固定したが、本実施例では、エンドブラケット9のブラシホルダ18側の面に固定している。このように構成することにより、レギュレータ24の発熱をエンドブラケット9に熱伝導させ、冷却媒体通路2を流れる冷却媒体に熱伝導することができる。
また、本実施例の発電機では、整流器23の端子台29と正極側冷却板28との間に間隔を設け、冷却風がその間隔を通るようにしている。このように構成することにより、冷却風を正極側冷却板28の冷却面積の大きな部分の表面を十分に冷却することができ、エンドブラケット9とカバー25との間の空間内で最も発熱量の大きな整流器23を効率良く冷却することができる。
また、本実施例の発電機では、整流器23を直接冷却しながらエンドブラケット9とカバー25との間の空間内を換気しているので、ブラシ18やスリップリング16も冷却することができる。
また、冷却ファン60は、発電機を構成する可動部品、例えばポールコア14に設けられた界磁コイル15,スリップリング16の冷却と、整流器23の補助的な冷却を主目的としている。このため、外気のみで冷却する方式の発電機に比べて、冷却ファン60の設置数,羽根高さ及び羽根枚数などを減らすことが可能になる。
次に、本実施例の発電機の回転数に対する騒音レベルの関係を図9乃至図11に基づいて説明する。本願発明者らは、冷却ファン60が発生する騒音について測定試験を行った。測定実験では、冷却ファン60を有する発電機と、冷却ファンを持たない発電機とを用意し、無負荷運転を行った。
図9は、測定用のマイクロフォンを発電機のカバー25から回転軸の軸線方向に1
〔m〕離れた場所に設置し、発電機の回転数〔r/min 〕(横軸)に対する騒音レベル
〔dBa〕(縦軸)を測定した。この結果、当該場所では、騒音レベルが冷却ファンの有無に関係なくほぼ同等であった。
〔m〕離れた場所に設置し、発電機の回転数〔r/min 〕(横軸)に対する騒音レベル
〔dBa〕(縦軸)を測定した。この結果、当該場所では、騒音レベルが冷却ファンの有無に関係なくほぼ同等であった。
図10は、測定用のマイクロフォンを発電機の回転軸の軸線方向に対して垂直な方向で、1〔m〕離れた場所に設置し、発電機の回転数〔r/min 〕(横軸)に対する騒音レベル〔dBa〕(縦軸)を測定した。この結果、当該場所では、騒音レベルが冷却ファンの有無に関係なくほぼ同等であった。
図11は、測定用のマイクロフォンを発電機のエンドブラケット8から回転軸の軸線方向に1〔m〕離れた場所に設置し、発電機の回転数〔r/min 〕(横軸)に対する騒音レベル〔dBa〕(縦軸)を測定した。この結果、当該場所では、発電機の回転数が約
12000〔r/min 〕以下の場合、騒音レベルが冷却ファンの有無に関係なくほぼ同等であった。
12000〔r/min 〕以下の場合、騒音レベルが冷却ファンの有無に関係なくほぼ同等であった。
発電機の回転数が約12000〔r/min 〕を境にそれ以上になると、当該場所では、冷却ファン有りの方が若干ではあるが騒音レベルが高くなる。しかしながら、自動車の内燃機関であるエンジンに発電機が搭載された場合、エンジンのクランクシャフト回転数と発電機の回転数との比は1:1.5 〜3程度に設定されているので、発電機が12000〔r/min 〕で回転している場合、エンジンは4000〜8000〔r/min 〕で回転する。従って、発電機の騒音レベルよりもエンジンの騒音レベルが過大になり、図11に示す騒音レベルの差は問題にならない。
以上説明した本実施例によれば、冷却媒体通路2を構成するエンドブラケット9に整流器23を固定しているので、整流器23のエンドブラケット9側を冷却することができる。また、カバー25に形成された取込孔61を介して冷却風をエンドブラケット9とカバー25との間の空間に導いているので、整流器23のエンドブラケット9側とは反対側を冷却することができる。従って、本実施例によれば、整流器23を両側から冷却することができ、整流器23の冷却効率を向上させることができる。これにより、整流器23の冷却性能を向上させることができる。
また、本実施例によれば、取込孔61を整流器23の近傍に設け、冷却風の導入面積を整流器23の近傍のみに絞っているので、冷却風の流速を高め、整流器23の冷却性能をさらに向上させることができる。また、冷却風を積極的に整流器23に流すことができるので、整流器23の冷却性能をさらに向上させることができる。
また、本実施例によれば、冷却風の導入面積を絞っているので、開放型の発電機であるにもかかわらず、水,凍結防止用に地面に散布された塩,融雪材などの腐食促進物質の機内への侵入を抑制することができ、耐環境性を向上させることができる。
また、車両燃費向上の1つの方法である高電圧化(42V)に対して、高電圧化による腐食の促進を防止するために、外気以外の冷却媒体で冷却される発電機を採用して耐環境性を向上させることが考えられる。この発電機において耐環境性の向上を図りつつ耐熱性をさらに向上させるためには、本実施例のように、冷却風の導入面積を絞って冷却風を機内に導入することが有効である。
また、本実施例では、冷却ファン60をポールコア14のエンドブラケット9側端部に取り付けているので、冷却ファン60によって生じる騒音を低く抑えることができる。すなわち冷却ファン60と外部との間に、エンドブラケット9とカバー25との間の空間が存在し、さらには冷却風の導入面積が制限されているので、冷却ファン60によって生じる騒音を低く抑えることができる。一方、エンドブラケット8側は、ステータコア5とポールコア14との間の磁気的空隙が通常1mm以下と非常に小さく、かつポールコア14が遮蔽部材の役目を果たしている。従って、エンドブラケット8側においても冷却ファン
60の騒音を低く抑えることができる。
60の騒音を低く抑えることができる。
また、本実施例によれば、冷却ファン60の騒音を低減が可能であるので、冷却ファン60を樹脂成形ではなく、金属の塑性変形によって安価に製作することができる。また、樹脂に比べて熱伝導率の良い金属製の冷却ファン60では、界磁コイル15の発熱をポールコア14を介して冷却ファン60に熱伝達して放熱することができる。すなわち冷却ファン60を冷却フィンとして活用することができる。
また、本実施例によれば、通風孔62,63を整流器23の近傍に形成しているので、エンドブラケット9とカバー25との間の空間の中における冷却風の流れをスムースなものにすることができる。これにより、整流器23の冷却効率のみならず、エンドブラケット9とカバー25との間の空間の冷却効率を上げることができるので、ブラシ18やスリップリング16の冷却性能を向上させることができる。
また、本実施例によれば、ブラシ18やスリップリング16の冷却性能を向上させることができるので、ブラシ18やスリップリング16の長寿命化を図ることができる。
次に、本発明の第3実施例を図12,図13に基づいて説明する。図12は本実施例の車両用交流発電機の全体構成を示す。図13は本実施例の車両用交流発電機の回転軸一方端側の構成を示す。
発電機の回転軸の軸線方向と、発電機が車両に搭載された場合の上下(天地)方向は、ほぼ直角関係にある。ここで、図中に示されてい矢印は発電機が車両に搭載された場合の天地方向を示す。前例では取込孔61が地方向に開口しているので、車両走行時にタイヤなどが巻き上げる水,道路に散布されている凍結防止用の塩,融雪材などが発電機内に侵入,構成部品の腐食を促進させる可能性がある。そこで、本実施例では、発電機の回転軸の軸線方向に取付孔61が開口するようにしている。これにより、地方向から直接、被水や腐食促進物質が浸入するのを防している。
尚、この場合、取込孔61からエンドブラケット9とカバー25との間の空間に導かれる冷却風は、1度ほぼ直角に曲がるために、冷却風の通風抵抗が増えて冷却風による整流器23の冷却効率が低下する。しかし、本実施例の発電機に搭載される整流器23は、冷却媒体通路2を循環する冷却媒体によって冷却されているので、整流器23の冷却効率の低下は軽微である。
次に、本発明の第4実施例を図14に基づいて説明する。図14は本実施例の車両用交流発電機の回転軸一方端側の構成を示す。
本実施例は、前例と同様に、耐環境性の向上を図ったものである。本実施例では、地方向に開口する取込孔61の数を減らすと共に、開口面積も小さくしている。このため、取込孔61の配置位置を、温度が比較的高い整流ダイオード32が密集している部分に対応する位置としている。本実施例では、円弧形状の整流器23の中央部分に対応するように取込孔61を2つ設けている。このように構成された本実施例によれば、耐環境性を向上させることができると共に、整流器23冷却性能を向上させることができる。
次に、本発明の第5実施例を図15に基づいて説明する。図15は本実施例の車両用交流発電機の回転軸一方端側の構成を示す。
本実施例は、発電機を車両に搭載したとき、天方向に取込孔61が開口する場合の例である。本実施例では、カバー25の取込孔61との対向側(カバー25の地方向側)に水抜孔65を設けている。水抜孔65の開口面積は取込孔61の開口面積に比べて十分に小さい。このように構成された本実施例によれば、取込孔を介して外部から発電機内に進入した水分,結露によって発電機内部に発生した水分などを外部に排出することができる。
尚、水抜孔65によって整流器23近傍から導入される冷却風の風量や流速が変化して整流器23の冷却性能に影響を及ぼすが、水抜孔65の開口面積が取込孔61の開口面積よりも小さいので、その影響は微小なものである。むしろ、発電機内部に溜まった水分を排出することによって発電機の耐蝕性を向上できることの利点の方が大きい。
次に、本発明の第6実施例を図16に基づいて説明する。図16は本実施例の車両用交流発電機の回転軸一方端側で、レギュレータ24と車両側の配線を接続する端子26(或いはコネクタという)周辺の外観構成を示す。
端子26はカバー25から外部に露出している。端子26とカバー25との間には製造上の寸法誤差によって隙間が生じる。本実施例では、端子26とカバー25との間の隙間を埋めて密閉するように、端子26とカバー25との間の隙間にシール部材66(或いは封止部材という)を埋め込んでいる。シール部材66はウレタンやゴムなどの柔軟性のある部材である。
このように構成された本実施例によれば、冷却風の導入の際、端子26とカバー25との間の隙間から冷却風が導入されることはなく、整流器23の近傍に設けられた取込孔
61からのみ導入することができる。これにより、整流器23を通る冷却風の風量及び流速を低下させることがないので、整流器23の冷却効率を向上させることができる。また、端子26とカバー25との間の隙間から腐食促進物質などの侵入を防ぐことができるので、耐環境性を向上させることができる。また、出力端子などカバー25から外部に露出するものとカバー25との間の隙間にシール部材66を埋め込むことにより、上記効果をさらに向上させることができる。
61からのみ導入することができる。これにより、整流器23を通る冷却風の風量及び流速を低下させることがないので、整流器23の冷却効率を向上させることができる。また、端子26とカバー25との間の隙間から腐食促進物質などの侵入を防ぐことができるので、耐環境性を向上させることができる。また、出力端子などカバー25から外部に露出するものとカバー25との間の隙間にシール部材66を埋め込むことにより、上記効果をさらに向上させることができる。
また、本発明の基礎となる請求の範囲を以下に示す。
固定子巻線を有する固定子と、界磁巻線を有すると共に、前記固定子と空隙を介して対向する回転子と、前記固定子巻線によって発生した交流電力を直流電力に変換する整流器と、前記固定子を保持すると共に、少なくとも一方端が開口した冷却媒体通路を有する枠体と、前記冷却媒体通路の開口端を気密に閉蓋する端板とを有し、前記整流器を構成する負極側整流素子は、前記端板の前記冷却媒体通路との非対向部位に固定されており、前記整流器を構成する正極側整流素子が固定された冷却部材は、前記正極整流素子が前記負極側整流素子の固定位置に比べて温度の低い位置に配置されるように、前記端板に絶縁されて固定されていることを特徴とする車両用交流発電機。
請求項1において、前記整流器を覆う覆い部材を有し、該覆い部材は、前記整流器の近傍で、前記整流器の配置位置よりも径方向外側の部位に冷却風の取込孔を有することを特徴とする車両用交流発電機。
請求項1又は2において、前記負極側整流素子の固定位置に比べて温度の低い位置は、前記負極側整流素子と比較して半径方向外側で、前記冷却媒体通路に近い位置であることを特徴とする車両用交流発電機。
請求項1又は2において、前記負極側整流素子の固定位置に比べて温度の低い位置は、前記冷却媒体通路と対向する位置であることを特徴とする車両用交流発電機。
請求項1又は2において、前記負極側整流素子は、前記端板の前記冷却媒体通路との非対向部位に埋設されていると共に、前記回転子の回転軸を回転可能に支持する軸受が保持された前記枠体の壁面に接していることを特徴とする車両用交流発電機。
請求項1又は2において、前記負極側整流素子は、前記端板の前記冷却媒体通路との非対向部位に埋設されていると共に、前記回転子の回転軸を回転可能に支持する軸受が保持された前記枠体の壁面に、空気よりも熱伝導率の良い材料を介して接していることを特徴とする車両用交流発電機。
請求項2において、前記取込孔は、前記回転子の回転軸の軸線方向と同じ方向に開口していることを特徴とする車両用交流発電機。
請求項2において、前記覆い部材の前記取込孔との対向側には、前記取込孔の開口断面積よりも小さい開口断面積で形成された排水孔が設けられていることを特徴とする車両用交流発電機。
請求項2において、前記端板と前記覆い部材との間の空間と前記固定子及び前記回転子が存在する空間とを連通すると共に、前記端板と前記覆い部材との間の空間に取り込まれた冷却風を、前記固定子及び前記回転子が存在する空間に導く通風孔が前記端板に設けられていることを特徴とする車両用交流発電機。
請求項9において、前記通風孔は、前記整流器の近傍で、前記整流器の配置位置よりも径方向内側に設けられていることを特徴とする車両用交流発電機。
請求項9において、前記回転子は、前記端板側にファンを有することを特徴とする車両用交流発電機。
請求項2において、外部と電気的な接続が可能な端子を有し、該端子は前記覆い部材から外部に露出しており、前記端子と前記覆い部材との間に形成された隙間は封止部材によって封止されていること特徴とする車両用交流発電機。
請求項2において、前記回転子の回転軸の一方端に設けられたプーリ側に配置されていると共に、前記回転子の回転軸を回転可能に支持する軸受が保持された前記枠体の側面壁に、前記固定子及び前記回転子が存在する空間に取り込まれた冷却風を外部に排出する排出孔が設けられていることを特徴とする車両用交流発電機。
固定子巻線を有する固定子と、界磁巻線を有すると共に、前記固定子と空隙を介して対向する回転子と、前記固定子巻線によって発生した交流電力を直流電力に変換する整流器と、前記固定子を保持すると共に、少なくとも一方端が開口した冷却媒体通路を有する枠体と、前記冷却媒体通路の開口端を気密に閉蓋すると共に、前記整流器が固定された端板と、前記整流器を覆う覆い部材とを有し、該覆い部材は、前記整流器の近傍で、前記整流器の配置位置よりも径方向外側の部位に冷却風の取込孔を有することを特徴とする車両用交流発電機。
請求項14において、前記取込孔は、前記回転子の回転軸の軸線方向と同じ方向に開口していることを特徴とする車両用交流発電機。
請求項14において、前記覆い部材の前記取込孔との対向側には、前記取込孔の開口断面積よりも小さい開口断面積で形成された排水孔が設けられていることを特徴とする車両用交流発電機。
請求項14において、前記端板と前記覆い部材との間の空間と前記固定子及び前記回転子が存在する空間とを連通すると共に、前記端板と前記覆い部材との間の空間に取り込まれた冷却風を、前記固定子及び前記回転子が存在する空間に導く通風孔が前記端板に設けられていることを特徴とする車両用交流発電機。
請求項17において、前記通風孔は、前記整流器の近傍で、前記整流器の配置位置よりも径方向内側に設けられていることを特徴とする車両用交流発電機。
請求項17において、前記回転子は、前記端板側にファンを有することを特徴とする車両用交流発電機。
請求項14において、外部と電気的な接続が可能な端子を有し、該端子は前記覆い部材から外部に露出しており、前記端子と前記覆い部材との間に形成された隙間は封止部材によって封止されていること特徴とする車両用交流発電機。
請求項14において、前記回転子の回転軸の一方端に設けられたプーリ側に配置されていると共に、前記回転子の回転軸を回転可能に支持する軸受が保持された前記枠体の側面壁に、前記固定子及び前記回転子が存在する空間に取り込まれた冷却風を外部に排出する排出孔が設けられていることを特徴とする車両用交流発電機。
1…フレーム、2…冷却媒体通路、5…ステータコア、6…ステータコイル、8,9…エンドブラケット、14…ポールコア、15…界磁コイル、23…整流器、27…絶縁部材、28…正極側冷却板、29…端子台、31,32…整流ダイオード。
Claims (7)
- 固定子巻線を有する固定子と、界磁巻線を有すると共に、前記固定子と空隙を介して対向する回転子と、前記固定子巻線によって発生した交流電力を直流電力に変換する整流器と、前記固定子を保持すると共に、少なくとも一方端が開口した冷却媒体通路を有する枠体と、前記冷却媒体通路の開口端を気密に閉蓋すると共に、前記整流器が固定された端板と、前記整流器を覆う覆い部材と、前記回転子に設けられたファンとを有し、前記覆い部材には、前記整流器の配置位置よりも径方向外側の部位に前記ファンの回転により前記整流器の近傍に外気を導入する取込孔が形成され、該取込孔から導入された外気は、前記整流器の近傍を通り、その後、前記固定子と前記回転子間を通って外部に排出されることを特徴とする車両用交流発電機。
- 請求項1において、前記取込孔は、前記回転子の回転軸の軸線方向と同じ方向に開口していることを特徴とする車両用交流発電機。
- 請求項1において、前記覆い部材の前記取込孔との対向側には、前記取込孔の開口断面積よりも小さい開口断面積で形成された排水孔が設けられていることを特徴とする車両用交流発電機。
- 請求項1において、前記端板と前記覆い部材との間の空間と前記固定子及び前記回転子が存在する空間とを連通すると共に、前記端板と前記覆い部材との間の空間に取り込まれた冷却風を、前記固定子及び前記回転子が存在する空間に導く通風孔が前記端板に設けられていることを特徴とする車両用交流発電機。
- 請求項4において、前記通風孔は、前記整流器の近傍で、前記整流器の配置位置よりも径方向内側に設けられていることを特徴とする車両用交流発電機。
- 請求項1において、外部と電気的な接続が可能な端子を有し、該端子は前記覆い部材から外部に露出しており、前記端子と前記覆い部材との間に形成された隙間は封止部材によって封止されていること特徴とする車両用交流発電機。
- 請求項1において、前記回転子の回転軸の一方端に設けられたプーリ側に配置されていると共に、前記回転子の回転軸を回転可能に支持する軸受が保持された前記枠体の側面壁に、前記固定子及び前記回転子が存在する空間に取り込まれた冷却風を外部に排出する排出孔が設けられていることを特徴とする車両用交流発電機。
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