JP2006114601A - 蓋体と電子部品用パッケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】蓋体自体が変形することで生じる電子部品用パッケージの性能低下による電子部品の性能低下を抑えることを可能とした蓋体と電子部品用パッケージを提供すること。
【解決手段】電子部品を搭載する搭載部を備えた基体の上面に、電子部品を覆うように基体にろう材を介して接合される金属製の蓋体であって、ろう材が前記蓋体の一主面に予め形成され、かつ蓋体に屈曲部を形成することにより、電子部品用パッケージの強度を保持
するとともに、電子部品が動作時に発生させる熱を効果的に放熱することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は電子部品を収納する電子部品用パッケージの蓋体と、それを用いた電子部品用パッケージに関するものである。
従来の蓋体と電子部品用パッケージとしては、電子部品を収納する収納部が上面を開口するように形成された基体と、この基体の開口部にろう材を介して蓋体をシーム溶接により接合しているものがあった(例えば、特許文献1参照)。
図3は、前記特許文献1に記載された従来の蓋体と電子部品用パッケージを示すものである。
図3において、上面に電子部品103が搭載される搭載部101aおよびこの搭載部101aを取り囲むようにして固着された枠状の封止用メタライズ層106を有する絶縁基体101と、下面に銀−銅合金から成るろう材107が固着されており、封止用メタライズ層106にろう材107を介してシーム溶接により接合される鉄−ニッケル合金または鉄−ニッケル−コバルト合金から成る金属蓋体102とから成る電子部品収納用パッケージであって、金属蓋体102の厚みを50〜80μmとし、かつろう材107の厚みを30〜50μmとしていた。また、絶縁基体101には、搭載部101aの上面から絶縁基体101の下面にかけて導出するタングステンやモリブデン等の金属粉末焼結体から成る複数のメタライズ配線導体104が固着形成している。そして、その搭載部101a上面部位には電子部品103の電極が例えば導電性接着剤105を介して電気的に接続している。
前述構成により、封止用メタライズ層と金属蓋体とをろう材を介してシーム溶接により接合する際に、金属蓋体の熱膨張および熱収縮により発生する熱応力が小さい。また、金属蓋体に固着させたろう材の厚みを厚くすることで、封止用メタライズ層と金属蓋体とをろう材を介してシーム溶接により接合する際に発生する熱衝撃は厚みの厚いろう材により良好に吸収されるとともに、シーム溶接の電流は金属蓋体に固着された電気抵抗の低い銀−銅合金から成るろう材に多量に流れて封止用メタライズ層に多量に流れることを防止していた。
特開2002−164456号公報
しかしながら、前記従来の構成では、封止用メタライズ層と金属蓋体とをろう材を介してシーム溶接により接合した後に行われるJISC60068−2−17環境試験法−電気・電子−封止(気密性)に基づくヘリウムをトレーサーガスに用いたボンビング法による気密性の性能検査の際に加わる約0.4MPaの加圧力により金属蓋体自体が変形し、パッケージの静電容量に変動が生じる。さらに、パッケージに収納された電子部品と蓋体が接触し電子部品の特性低下を招くという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、蓋体自体が変形することで生じる電子部品用パッケージの性能低下による電子部品の性能低下を抑えることを可能とした蓋体と電子部品用パッケージを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の蓋体と電子部品用パッケージは、電子部品を搭載する搭載部を備えた基体の上面に、電子部品を覆うように基体にろう材を介して接合される金属製の蓋体であって、ろう材が前記蓋体の一主面に予め形成され、かつ蓋体に屈曲部が形成されている。
本構成によって、金属蓋体の強度を保持することができる。
さらに、電子部品を搭載する搭載部を備えた基体と、基体の上面から下面に連続形成された配線導体と、搭載部で配線導体にろう材を介して搭載された電子部品と、電子部品を覆うように基体にろう材を介して接合された蓋体からなり、蓋体に屈曲部が形成されている。
本構成によって、電子部品用パッケージの強度を保持するとともに、電子部品が動作時に発生させる熱を効果的に放熱することができる。
以上のように、本発明の蓋体と電子部品用パッケージによれば、蓋体に設けた屈曲部により、蓋体本体の強度を補強するとともに、外部から受ける応力を屈曲部で吸収および緩和することができる。また、電子部品用パッケージはパッケージ自体が受ける外部衝撃や熱衝撃による歪みを蓋体に設けた屈曲部で吸収および緩和しパッケージ自体の変形を防止することが出来る。さらに、屈曲部を設けることで、パッケージ寸法を大きくすることなく、表面積を広く確保することができ放熱効率に優れ、半導体素子の自己発熱による特性劣化を抑えることができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の実施の形態1における蓋体の斜視図であり、図1(b)は図1(a)のX−X’線に沿った断面図である。
図1(a)、(b)において、2は鉄−ニッケル合金または鉄−ニッケル−コバルト合金などからなる金属薄板(図示せず)を成形金型により打ち抜き加工された金属蓋体である。
金属薄板(図示せず)の一主面には銀−銅合金または金−錫合金などからなる圧接されたろう材7が形成されている。
金属蓋体2には、成形金型により打ち抜き加工と略同時に厚さ方向に平面視で十字形、ハの字形、円形、ロの字形などの屈曲部8が形成されている。
詳細な構成を以下に説明する。
金属蓋体2を構成する金属薄板(図示せず)は30μm〜100μmの厚みであることが好ましい。これは、30μm未満では金属薄板(図示せず)自体が強度不足となり、シーム溶接時の収縮力や気密性の性能検査時の加圧力により金属蓋体2自体が変形することがある。また、100μm以上ではシーム溶接時の収縮力が大きくなり、パッケージに亀裂を生じさせることがある。さらに、パッケージの小型化を考慮して特に50μm〜80μmの厚みが好適である。
金属薄板(図示せず)のパッケージと接合される一主面に圧接されているろう材7の厚みは5μm〜50μmに形成されている。特にパッケージの小型化を考慮すれば5μm〜15μm施された形態が好ましい。これは、金属蓋体2に固着させたろう材8の厚みを厚くすることで、封止用メタライズ層と金属蓋体とをろう材を介してシーム溶接により接合する際に発生する熱衝撃は厚みの厚いろう材により良好に吸収されるとともに、シーム溶接の電流は金属蓋体に固着された電気抵抗の低い銀−銅合金から成るろう材に多量に流れて封止用メタライズ層に多量に流れることを防止するのに有効である。さらに、金属蓋体2に形成された屈曲部8を設けることで、シーム溶接する際に発生する熱衝撃による金属蓋体2の歪みを吸収し金属蓋体2の変形を防止するのに有効である。
屈曲部8は金属蓋体2の厚さ方向に形成されている。その形状は平面視で十字形、ハの字形、円形、ロの字形などに形成され、断面視でU型、V型、W型などに形成されている。これによれば、金属蓋体2の強度を保持することができる。また、屈曲部8の深さは金属薄板(図示せず)の板厚の1/3〜同等程度が好ましい。例えば、板厚が100μmであれば30μm〜100μmの範囲が好ましい。これは、板厚の1/3〜同等程度であれば金属蓋体2の強度を向上させる効果があり、1/3以下であれば金属蓋体2の強度を補強する効果がなく、同等以上であれば、金属蓋体2の強度を補強する効果に顕著な差が無いことが確認されたためである。
なお、金属蓋体2の外形寸法はパッケージ寸法に合わせて適宜選択すればよい。
なお、本実施の形態において、金属薄板(図示せず)に形成されるろう材7を圧接により設けたが、金属めっき被膜や導電材を塗布しても良い。
また、金属蓋体2の接合をシーム溶接で説明したが、ろう材を介して溶融接合を用いても同様の作用効果を奏する。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2の電子部品用パッケージの断面図である。図2 において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図2において、1は絶縁基体または金属基体からなる基体であり、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックからなる絶縁基体である。絶縁基体1は半導体素子や圧電素子などを搭載する搭載部1aの外囲に環状側壁(図示せず)が一体形成されている。
絶縁基体1の搭載部1aから底面にかけて連続したタングステンやモリブデンからなるメタライズ配線導体4が形成されている。搭載部1aのメタライズ配線導体4には電子部品3として例えば圧電素子、光半導体素子、化合物半導体素子などが導電性接着剤5を介して接続されている。導電性接着剤5としては導電性ペーストや金−錫共晶合金、錫−鉛共晶合金などがある。
絶縁基体1の環状側壁(図示せず)上面にタングステンやモリブデンからなる封止用メタライズ層6が形成されている。封止用メタライズ層6上にはニッケル層と、金めっき層などからなる金属層(図示せず)が施されている。
絶縁基体1上面にはろう材7を介して金属蓋体2がシーム溶接法により接合されている。金属薄板(図示せず)の一主面には銀−銅合金または金−錫合金などからなる圧接されたろう材7が形成されている。以上の構成は従来の構成と略同一である。
金属蓋体2には、平面視で十字形、ハの字形、円形、ロの字形などに形成され、断面視でU型、V型、W型などに形成された屈曲部8を設けた構成が従来の構成と異なる。これによれば、金属蓋体2に形成された屈曲部8は金属蓋体2本体の強度を補強する作用と共に、電子部品3が動作時に発生させる熱を効果的に放熱するという作用を有するものである。これは近年増加している高出力半導体素子を収納するパッケージとして非常に有用である。
また、屈曲部8は金属基体2を接合する際には適正な接合位置に載置するための位置規制部としての作用を備える。さらに、接合する際に溶融するろう材7が流れ出し電子部品3に付着することを防ぐろう材7の流れ止め部としての作用も備えるものである。
なお、金属蓋体2の外形寸法はパッケージ寸法に合わせて適宜選択すればよい。
なお、本実施の形態において、金属薄板(図示せず)に形成されるろう材7を圧接により設けたが、金属めっき被膜や導電材を塗布しても良い。
また、金属蓋体2の接合をシーム溶接で説明したが、ろう材を介して溶融接合を用いても同様の作用効果を奏する。
電子部品を収納する電子部品用パッケージの蓋体と、それを用いた電子部品用パッケージとして有用であり、特に高出力タイプ電子部品用パッケージに適している。
(a)本発明の実施の形態1における蓋体の斜視図、(b)図1(a)のX−X’線に沿った断面図 本発明の実施の形態2における電子部品用パッケージの断面図 従来の電子部品用パッケージの断面図
符号の説明
1 絶縁基体
1a 搭載部
2 金属蓋体
3 電子部品
4 メタライズ配線導体
5 導電性接着剤
6 封止用メタライズ層
7 ろう材
8 屈曲部
101 絶縁基体
101a 搭載部
102 金属蓋体
103 電子部品
104 メタライズ配線導体
105 導電性接着剤
106 封止用メタライズ層
107 ろう材

Claims (6)

  1. 電子部品を搭載する搭載部を備えた基体の上面に、前記電子部品を覆うように前記基体に接合される金属製の蓋体であって、前記蓋体に屈曲部が形成されたことを特徴とする蓋体。
  2. 前記蓋体の一主面にろう材が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の蓋体。
  3. 前記蓋体にめっき被膜が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の蓋体。
  4. 電子部品を搭載する搭載部を備えた基体と、前記基体の上面から下面に連続形成された配線導体と、前記搭載部で前記配線導体にろう材を介して搭載された電子部品と、前記電子部品を覆うように前記基体に接合された蓋体からなり、前記蓋体に屈曲部が形成されたことを特徴とする電子部品用パッケージ。
  5. 前記蓋体の一主面にろう材が形成されたことを特徴とする請求項4に記載の電子部品用パッケージ。
  6. 前記蓋体にめっき被膜が形成されたことを特徴とする請求項4に記載の電子部品用パッケージ。
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