JP2006112422A - 内燃機関用部材及びその製造方法 - Google Patents

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誠之 鎌田
Hiroshi Kumagai
宏 熊谷
Midori Kondo
みどり 近藤
Kenji Kikuchi
賢司 菊池
Takumitsu Sagawa
琢円 佐川
Yutaka Mabuchi
豊 馬渕
Takahiro Nakahigashi
孝浩 中東
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Abstract

【課題】付着した液体燃料を速やかに蒸発させつつ、デポジットの弾き性、言い換えれば、付着した液体燃料を速やかに蒸発させてデポジットの付着を防止し得る内燃機関用部材、これを用いたピストン、バルブ及び燃料噴射弁、並びに内燃機関用部材の製造方法を提供すること。
【解決手段】炭素被膜を備えた基材より構成され、炭素被膜がフッ素を含み膜厚が10μm以下の内燃機関用部材である。基材と炭素被膜との間に炭素やケイ素を含む中間層を有する。
内燃機関用部材を用い、冠面に炭素被膜を被覆したピストンである。内燃機関用部材を用い、軸部、傘部及び燃焼室側の面などに炭素被膜を被覆したバルブである。内燃機関用部材を用い、噴射孔に炭素被膜を被覆した燃料噴射弁である。
炭素被膜を気相成膜法により被覆して内燃機関用部材を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、内燃機関用部材、これを用いたピストン、バルブ及び燃料噴射弁、並びに内燃機関用部材の製造方法に係り、更に詳細には、デポジットを抑制できる内燃機関用部材、これを用いたピストン、バルブ及び燃料噴射弁、並びに内燃機関用部材の製造方法に関する。
内燃機関の燃焼室部品においては、燃料の不完全燃焼時に「デポジット」と称する堆積物が生成する。このデポジットは燃料の炭化物(カーボン分)、燃料の酸化したガム状物質などが混ざった、粘着性の強い物質であり、燃焼室に堆積することにより、燃費、排気などの性能低下を引き起こすことが問題となっていた。
例えば、ピストンの冠面やバルブの表面にデポジットが存在すると、燃料が濡れ状態となって付着し、燃料の燃焼効率が低下するため排気ガス中に含まれる未燃の炭素水分が増大する。
このようなデポジットの付着を防止するため、例えば、燃焼室内壁、即ちシリンダヘッドの内壁面、ピストンヘッドの内壁面、ピストンヘッドの壁面及び吸入弁ヘッドの壁面にフッ素樹脂を被覆することが提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
実開昭62−137360号公報 実開昭62−154250号公報 特開平 2−176148号公報
また、特に直噴エンジンの燃料噴射弁においては、部品の寸法精度が厳しく、噴射孔周辺へのデポジットの体積がノズル細孔の目詰まりや噴霧制御の悪化を引き起こすことが問題となっていた。
このような噴霧孔へのデポジット付着防止の方策としては、フッ素樹脂コーティングを施したものや、PTFE粒子による分散めっきを施したものなどが知られている(例えば特許文献4,5参照)
実開昭59−82474号公報 特開平10−89199号公報
しかし、特許文献1〜3に記載されているような被膜では、燃焼室内壁面に対する密着性が不十分であり、十分な耐久性が期待できなかった。また、このような被膜は膜厚が厚く、バルブ表面の熱を効率良く伝熱できないため、燃料の蒸発速度が低下し、排気ガス中の未燃の炭化水素分が増大する原因となっていた。
また、特許文献4に記載のように、燃料噴射弁にフッ素樹脂膜がコーティングされたものでは、膜厚が通常15μm以上と厚く、厚さのムラもあるため、寸法精度の要求される燃料噴射弁には適さず、更に、通常はディッピング法、スプレー法など液相コーティングを採用するため、ノズル細孔の液詰まりを防止することが課題となっていた。
更に、特許文献5に記載のように、PTFE粒子を微分散させたニッケルめっきをノズル部に施したものでは、やはり膜厚は5μm以上と厚く、寸法精度保持には不十分であり、液相処理となるため、酸洗工程、めっき工程での処理液が毛細管現象によりノズル細孔内や部品接合面に残留し、ノズル細孔内、バルブシート面などの腐食を引き起こすことがあった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、デポジットの弾き性、言い換えれば、付着した液体燃料を速やかに蒸発させてデポジットの付着を防止し得る内燃機関用部材、これを用いたピストン、バルブ及び燃料噴射弁、並びに内燃機関用部材の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、フッ素を含む炭素薄膜を所定の厚さで被覆することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、燃料接触部位にフッ素を含み厚さが10μm以下である炭素薄膜を被覆するため、デポジットの付着・堆積が防止され効率の良い燃焼運転が実行される。
以下、本発明の内燃機関用部材について詳細に説明する。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「%」は特記しない限り質量百分率を示す。
本発明の内燃機関用部材は、基材とこれを被覆する炭素被膜より構成される。また、炭素被膜は、基材上の内燃機関用燃料が接触する部位の少なくとも一部に被覆される。更に、炭素薄膜は、フッ素(F)を含み膜厚を10μm以下とする。
このように、燃料接触部位に炭素薄膜を備えることで、カーボン分(劣化したガソリンやエンジンオイルなどの燃焼時に生成される煤など)や、これらにしみ込んだ燃料などがデポジットとして燃焼室内に付着するのが抑制されるため、効率良い燃焼運転の長期継続が可能となる。また、炭素被膜がフッ素を含有することにより、デポジットの積層がより抑制される。更に、炭素被膜の厚さを10μm以下とすることにより、熱伝導効率が良好となり、燃料が付着しても速やかに蒸発する。炭素被膜の厚さは0.05〜5μmであることが好ましい。10μmを超えると、蒸発速度が低下しデポジットが増大する。
なお、上記炭素被膜は、燃料接触部位の少なくとも一部にに配設されていれば良いが、望ましくは燃料接触部位の全体に被覆されていることが良い。また、被覆厚さは10μm以下であれば、燃料の接触度合や燃焼方法などにより適宜変化させて被覆することも可能である。
ここで、上記炭素被膜は、フッ素と炭素の含有量を原子数比で(フッ素/炭素)≧0.25とすることが好適である。より好ましくは0.25≦(フッ素/炭素)≦2.2とすることが良い。このときはデポジットが付着しにくくなる。
また、上記炭素被膜の最表面から深さ4nmまでの、フッ素と炭素の含有量を、原子数比で(フッ素/炭素)≧0.4、より好ましくは(フッ素/炭素)=1〜2.2とすることも好適である。このときはデポジットの弾き性が良好となる。
更に、フッ素の含有量は、炭素被膜の最表面で最も大きく基材に近づくにつれて減少するようにすることが好適である。このときは、炭素被膜の露出面側ではF濃度が高いので優れたデポジットの弾き性を保持し易く、基材との界面側ではF濃度が低いので基材との密着性が良好となり易い。
また、上記炭素被膜は、各種の成膜方法、具合的には、PVD法、CVD法などにより形成できる。
更に、上記炭素被膜としては、例えば、a−C(アモルファスカーボン)、水素を含有するa−C:H(水素アモルファスカーボン)、及びチタン(Ti)やモリブデン(Mo)等の金属元素を一部に含むMeCなどにフッ素を添加して成る薄膜が挙げられる。
更にまた、上記炭素被膜を被覆する基材としては、代表的には、ステンレス鋼、その他の鉄鋼、アルミニウム、チタンなどの金属材料や、各種樹脂、ゴムなどの高分子材料を使用できる。
ここで、本発明の内燃機関用部材において、基材にフッ素入り炭素被膜を形成する際には、被膜の非粘着性が大きく、素地との密着性が重要となる。以下に密着性を向上させる手法について記す。
密着性を上げるためには、素地の粗面化が最も簡単な方法である。粗面化手法としては、例えば、機械加工、サンドブラスト、エッチング、型転写などを用いることができる。このときの表面粗さはRa0.1〜3μmの範囲にすることが好ましい。
また、フッ素入りの炭素被膜と基材との間に中間層を設けるのも効果的である。中間層は少なくとも炭素、ケイ素のいずれか一方又は双方を含むことが好ましい。このとき、中間層にはフッ素はできる限り含まれないことが望ましく、フッ素を全く含まないことがより望ましい。上記中間層を設けることで、該中間層が基材と炭素被膜との橋渡しの役割を果たし、更に成膜中の基材へのフッ素の拡散も抑制することができる。
更に、中間層から炭素被膜にかけて徐々にフッ素を増やした傾斜膜とすると、中間層〜炭素被膜間の密着性を確保することができ好適である。
更にまた、炭素被膜の被覆後に、80〜270℃の温度条件で熱エージング処理を行うことにより、密着性を著しく向上させることができる。後述する熱エージング処理により、被膜の内部応力が緩和し、基材〜被膜間に働く剥離応力が減少するためであると推察できる。
次に、本発明のピストンについて、詳細に説明する。
本発明のピストンは、上述の内燃機関用部材より形成され、少なくとも冠面に上記炭素被膜が被覆されている。これより、劣化したガソリンやエンジンオイル及びデポジットの付着が抑制される。
ここで、本発明のピストンの一実施形態を図1に示す。
かかるピストンは、火花点火式ガソリンエンジンに適用されるものであり、ピストン冠面2を有するピストン本体1より構成され、図示しないピストンピンを介してコネクティングロッド3と連結される。また、厚さ10μm以下且つフッ素を含む炭素被膜は、ピストン冠面2に被覆できる。
なお、内燃機関の種類は特に限定されず、例えば、筒内噴射火花点火式内燃機関、予混合自己圧縮着火型内燃機関及びディーゼル機関などにも適用できる。
次に、本発明のバルブについて、詳細に説明する。
本発明のバルブは、上述の内燃機関用部材より形成され、軸部、傘部又は燃焼室側の面、及びこれらを任意に組合わせた部位に上記炭素被膜が被覆されている。これより、劣化したガソリンやエンジンオイル及びデポジットの付着が抑制される。
ここで、本発明のバルブの一実施形態を図2に示す。
かかるバルブは、エンジンに適用されるものであり、バルブの軸部11、バルブ傘部12、シリンダヘッドの当たり面13、燃焼室側の面14を有する。また、厚さ10μm以下且つフッ素を含む炭素被膜は、バルブの軸部11、バルブ傘部12及び燃焼室側の面14のいずれかの部位又は全ての部位に被覆できる。なお、シリンダヘッドの当たり面13は、シリンダヘッドとバルブが当たり摩耗する部分であり、炭素被膜を適用する必要はない。また、内燃機関の種類は特に限定されず、例えば、筒内噴射火花点火式内燃機関、予混合自己圧縮着火型内燃機関及びディーゼル機関などにも適用できる。更に、上記バルブは、吸入側、排気側を問わず、いずれか一方又は双方に適用できる。
次に、本発明の燃料噴射弁について、詳細に説明する。
本発明の燃料噴射弁は、上述の内燃機関用部材より形成され、少なくとも噴射孔(細孔内壁)に上記炭素被膜が被覆されている。これより、燃料噴射の寸法制度が保持された的確な燃料噴射がなされる。また、デポジット付着による噴霧性悪化が防止され、燃費、排気などの性能が安定化する。
ここで、本発明の燃料噴射弁の一実施形態を図3及び図4に示す。
かかる燃料噴射弁26は、筒内噴射式のガソリンエンジン又はディーゼルエンジンに適用されるもので、噴霧孔21、バルブシート22、ニードルバルブ23を有しており、図4に示すように燃焼室に取り付けられる。燃料噴射弁26においては、炭素被膜を噴霧孔21出口周辺部、噴霧孔21内面、ニードルバルブ23先端部に施すのが好適である。膜厚は、寸法精度が要求される部位であるため10μm以下が好ましく、より好ましくは0.05〜5μmである。一方、気密不良を防止する為、バルブシート22へは炭素被膜を施さない方が好ましい。なお、24はスパークプラグ、25はバルブ、27はピストンをそれぞれ示す。
次に、本発明の内燃機関用部材の製造方法について、詳細に説明する。
本発明の製造方法は、基材に炭素被膜を気相成膜法により被覆して、上述の内燃機関用部材を得ることを特徴とする。これより、均一で薄い被膜を形成でき、また、めっき法のように細孔やシール面の腐食が懸念されることはない。更に、燃料噴射弁のような細孔を有する部品では、噴射孔内部への侵入深さが液相法と比較して少ないため、液相成膜では必要とされるマスキングが不要となる。
また、炭素被膜の被覆前に、基材表面をフッ素ガス、水素ガス、酸素ガス又は希ガス、及びこれらの任意の組合わせに係るガスのプラズマに曝すことが好適である。このときは、被成膜面がプラズマ化したガスによってクリーニングされるので、素地との密着性が良好となり易い。
更に、上記基材としてステンレス鋼を使用し、上記ガスとして希ガスを使用することが好適である。このときは、希ガスのプラズマにステンレス鋼材を曝すことで、鋼材表面の不動態層を効果的に除去できるので、被膜との密着性がより確保され得る。
上記気相成膜法としては、プラズマCVD法を採用することが好適である。このときは炭素被膜中に多くのフッ素原子を取り込むことができる。また、より低温条件で成膜できる。
また、上記プラズマCVD法を採用するときは、炭素被膜用ガスとして炭化水素ガス及びフッ素系ガスを用いることが好適である。
また、炭素被膜と基材との間に中間層を設ける場合、中間層被膜用ガスとして炭化水素ガス、又はケイ素系ガス、又はその両者の混合ガスを用いることが好適であり、成膜処理中のガス及び制御条件を変えることにより、連続的に中間層+炭素被膜の被膜を行うことができる。
このときは、ガスをプラズマ化するため、膜厚の制御が容易になり易い。また、大面積であっても成膜が比較的容易になる。
また、上記炭化水素ガスとしては、メタン(CH4)、エタン(C2H6)、プロパン(C3H8)、ブタン(C4H10)、アセチレン(C2H2)、ベンゼン(C6H6)、シクロヘキサン(C6H12)等を使用することができる。
上記フッ素系ガスとしては、フッ素(F2)、3フッ化窒素(NF3)、6フッ化硫黄(SF6)、4フッ化炭素(CF4)、6フッ化2炭素(C2F6)、8フッ化4炭素(C4F8)、4フッ化ケイ素(SiF4)、6フッ化ケイ素(Si2F6)、3フッ化塩素(ClF3)、フッ化水素(HF)等を使用することができる。
上記ケイ素系ガスとしては、モノシラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)、モノメチルシラン(CH3SiH3)、トリメチルシラン((CH3)3SiH)、テトラメチルシラン(Si(CH3)4)等を使用することができる。
また、炭素被膜の被覆後に、80〜270℃の温度条件で熱エージング処理を行うことが好適である。このときは、密着性を著しく向上させることができる。
80℃より低い温度では、熱エージングの効果が少なく、270℃を超える温度では、炭素被膜が熱分解する危険性がある。より好ましくは、120〜220℃の温度範囲であり、基材の耐熱温度に応じて適宜設定するのが望ましい。また、処理時間は、適宜設定して良いが、量産部品の場合は1〜24時間とすることが望ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例で用いたプラズマCVD装置を図5に示す。
真空排気チャンバー30には、真空に排気するための排気ポンプ31とガスを供給するボンベ38が接続されている。排気ポンプ31とチャンバー30間には、圧力調整弁32が設置され、チャンバー30内が所定圧力に調整可能とされている。ボンベ38とチャンバー30間には、MFC(流量調節器)37が設置され、所定のガス流量がコントロールされる。
チャンバー30内には、接地電極33と高周波電極35が設置され、基材34は高周波電極35上におかれる。高周波電極35には、高周波電源40からマッチングボックス39を介して高周波電力が供給される。
このことにより、設置電極33と高周波電極35間にプラズマが生成される。高周波電極35は、基材34の温度上昇を抑えるため、水冷することが望ましい。
(実施例1)
ピストン母材としてアルミニウム合金AC2Aを使用し、表面を鏡面仕上げした後、下記に示す条件で成膜を行った。
・前処理条件
前処理用ガス Arガス 100sccm(sccm=cm/min、但し25 ℃、1.0×10Paにおいて、以下同じ)
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
処理時間 5min
・成膜条件
成膜用原料ガス メタン(CH)ガス 25sccm
フッ化炭素ガス(C)ガス 25sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
成膜速度 300Å/min
成膜時間 17min
被膜の厚さは電子顕微鏡の観察像から0.5μmであり、表面から深さ4nmまでのFとCの含有量原子数比は、X線光電子分光分析法(以下、XPSと略す)からF/C=0.4であった。また、表面から250nmの深さまでArエッチングし、この深さにおけるFとCの含有量原子数比をXPSで分析したところF/C=0.15であった。
なお、実施例1〜8の成膜条件にあっては、XPSとArエッチングとを反復したところ、炭素被膜表面から深さ4nmまでの最表面におけるFとCの含有量原子数比が最も大きく、基材に近づくにつれて減少することが確認できた。そこで、実施例1、3、6、7では被膜厚さの1/2深さにおけるFとCの含有量原子数比を測定することで、被膜全体の平均的な含有量原子数比とみなした。
(実施例2)
バルブ及び燃料噴射弁の母材としてSUS420Jを使用し、表面を鏡面仕上げした後、下記に示す条件で成膜を行った。
・前処理条件
前処理用ガス Arガス 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
処理時間 5min
・成膜条件
成膜用原料ガス メタン(CH)ガス 50sccm
フッ化炭素(C)ガス 25sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
成膜速度 250Å/min
成膜時間 20min
被膜の厚さは電子顕微鏡の観察像から0.5μmであり、表面から深さ4nmまでのFとCの含有量原子数比はXPSからF/C=0.25であった。
(実施例3)
バルブ及び燃料噴射弁の母材としてSUS420Jを使用し、表面を鏡面仕上げした後、下記に示す条件で成膜を行った。
・前処理条件
前処理用ガス Arガス 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
処理時間 5min
・成膜条件
成膜用原料ガス メタン(CH)ガス 25sccm
フッ化炭素(C)ガス 25sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
成膜速度 300Å/min
成膜時間 17min
被膜の厚さは電子顕微鏡の観察像から0.5μmであり、表面から深さ4nmまでのFとCの含有量原子数比は、XPSからF/C=0.4であった。また、表面から250nmの深さまでArエッチングし、この深さにおけるFとCの含有量原子数比をXPSで分析したところF/C=0.15であった。
(実施例4)
バルブ及び燃料噴射弁の母材としてSUS420Jを使用し、表面を鏡面仕上げした後、下記に示す条件で成膜を行った。
・前処理条件
前処理用ガス Arガス 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
処理時間 5min
・成膜条件
成膜用原料ガス メタン(CH)ガス 15sccm
フッ化炭素(C)ガス 25sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
成膜速度 300Å/min
成膜時間 17min
被膜の厚さは電子顕微鏡の観察像から0.5μmであり、表面から深さ4nmまでのFとCの含有量原子数比はXPSからF/C=0.65であった。
(実施例5)
バルブ及び燃料噴射弁の母材としてSUS420Jを使用し、表面を鏡面仕上げした後、下記に示す条件で成膜を行った。
・前処理条件
前処理用ガス Arガス 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
処理時間 5min
・成膜条件
成膜用原料ガス メタン(CH)ガス 10sccm
フッ化炭素(C)ガス 25sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
成膜速度 200Å/min
成膜時間 25min
被膜の厚さは電子顕微鏡の観察像から0.5μmであり、表面から深さ4nmまでのFとCの含有量原子数比はXPSからF/C=1.0であった。
(実施例6)
バルブ及び燃料噴射弁の母材としてSUS420Jを使用し、表面を鏡面仕上げした後、下記に示す条件で成膜を行った。
・前処理条件
前処理用ガス Arガス 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
処理時間 5min
・成膜条件
成膜用原料ガス メタン(CH)ガス 5sccm
フッ化炭素(C)ガス 25sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
成膜速度 150Å/min
成膜時間 33min
被膜の厚さは電子顕微鏡の観察像から0.5μmであり、表面から深さ4nmまでのFとCの含有量原子数比は、XPSからF/C=1.3であった。また、表面から250nmの深さまでArエッチングし、この深さにおけるFとCの含有量原子数比をXPSで分析したところF/C=0.42であった。
(実施例7)
バルブ及び燃料噴射弁の母材としてSUS420Jを使用し、表面を鏡面仕上げした後、下記に示す条件で成膜を行った。
・前処理条件
前処理用ガス Arガス 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
処理時間 5min
・成膜条件
成膜用原料ガス メタン(CH)ガス 5sccm
フッ化炭素(C)ガス 25sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
成膜速度 150Å/min
成膜時間 33min
・後処理条件
前処理用ガス フッ化炭素ガス(C)ガス 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、500W
真空度 0.1Torr
処理時間 2min
被膜の厚さは電子顕微鏡の観察像から0.5μmであり、表面から深さ4nmまでのFとCの含有量原子数比は、XPSからF/C=1.35であった。また、表面から250nmの深さまでArエッチングし、この深さにおけるFとCの含有量原子数比をXPSで分析したところF/C=0.42であった。
(実施例8)
日産自動車製QR20DDエンジン用燃料噴射弁のノズル部(SUS420J)に、実施例7と同条件で成膜を行った。被膜の密着性は良好であり、成膜前後での噴霧特性に変化はみられず、QR20DDエンジンに装着、外気温23℃で24hの燃焼実験を行った後、ノズル部にデポジットの付着はみられなかった。
(実施例9)
日産自動車製QR20DDエンジン用ピストンの冠面(AC2A)に、実施例7と同条件で成膜を行った。被膜の密着性は良好であり、成膜前後での摺動特性に変化はみられず、QR20DDエンジンに装着、外気温23℃で24hの燃焼実験を行った後、冠面にデポジットの付着はみられなかった。
(実施例10)
日産自動車製QR20DDエンジン用バルブの軸部(SUS420J)に、実施例7と同条件で成膜を行った。被膜の密着性は良好であり、成膜前後でのバルブ特性に変化はみられず、QR20DDエンジンに装着、外気温23℃で24hの燃焼実験を行った後、軸部にデポジットの付着はみられなかった。
(実施例11)
バルブ及び燃料噴射弁の母材としてSUS420Jを使用し、表面をフライス加工によりRa0.2μmに仕上げた基材を用いた以外は、実施例7と同様の操作を繰返して、成膜を行った。
(実施例12)
バルブ及び燃料噴射弁の母材としてSUS420Jを使用し、表面をフライス加工によりRa0.2μmに仕上げた基材を用い、下記に示す条件で中間層を成膜した。続けて同じ装置内で実施例7と同様の操作を繰返して、成膜を行った。中間層の被膜厚さは電子顕微鏡の観察像から0.05μmであった。
・前処理条件
前処理用ガス Arガス 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
処理時間 5min
・成膜条件
成膜用原料ガス メタン(CH)ガス 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
成膜速度 250Å/min
成膜時間 2min
(実施例13)
バルブ及び燃料噴射弁の母材としてSUS420Jを使用し、表面をフライス加工によりRa0.2μmに仕上げた基材を用い、下記に示す条件で中間層を成膜した。続けて同じ装置内で実施例7と同様の操作を繰返して、成膜を行った。中間層の被膜厚さは電子顕微鏡の観察像から0.05μmであった。
・前処理条件
前処理用ガス Arガス 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
処理時間 5min
・成膜条件
成膜用原料ガス トリメチルシリコン(TMS)ガス 60sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、100W
真空度 0.1Torr
成膜速度 100Å/min
成膜時間 5min
(実施例14)
実施例11と同様の条件で得られた試験片を、80℃に保持した高温槽に入れ、24時間熱エージング処理を行った。
(実施例15)
実施例11と同様の条件で得られた試験片を、200℃に保持した高温槽に入れ、6時間熱エージング処理を行った。
(比較例1)
ピストン母材であるアルミニウム合金AC2Aの表面を鏡面仕上げし試料とした。
(比較例2)
バルブ及び燃料噴射弁の母材であるSUS420Jの表面を鏡面仕上げし試料とした。
(比較例3)
バルブ及び燃料噴射弁の母材としてSUS420Jを使用し、表面を鏡面仕上げした後、下記に示す条件で成膜を行った。
・前処理条件
前処理用ガス Arガス 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
処理時間 5min
・成膜条件
成膜用原料ガス メタン(CH)ガス 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
真空度 0.1Torr
成膜速度 100Å/min
成膜時間 50min
被膜の厚さは電子顕微鏡の観察像から0.5μmであり、表面から深さ4nmまでのFとCの含有量原子数比は、XPSから0であった。
(比較例4)
バルブ及び燃料噴射弁の母材としてSUS420Jを使用し、表面を鏡面仕上げした後、ディッピング法にてPTFEコーティングを行った。被膜の厚さは電子顕微鏡の観察像から20μmであった。
(比較例5)
日産自動車製QR20DDエンジン用燃料噴射弁を同エンジンに装着、外気温23℃で24hの燃焼実験を行った後、ノズル噴霧孔付近にデポジットの付着がみられた。
<評価試験>
各試験片について、以下に示すように、水との接触角、デポジット付着高さ、デポジット剥がれ形態を測定した。これらの結果を表1に示す。
1.水の接触角
蒸留水を用い、室温で接触角を測定した。
ここで、水の接触角は、その角度が大きいほど、撥水性が高く、水のような極性液体をはじき易くなり、デポジットの元となる濃縮劣化ガソリンが付着しにくくなる。
2.デポジット付着高さ
ガソリンを酸化劣化させ、得られたガム分を抽出し固形の試験用デポジットを作製した。
この試験用デポジットを正確に20mg測り取り、試験片上に乗せ150℃に加熱融解し、室温まで放冷した後、試験片上に付着したデポジットの高さを測定した。
3.デポジット剥がれ形態
デポジット付着性測定で使用した試験片に、ダイプラウィンテス製サイカス装置を用い、付着デポジットを剥離させ、そのときの剥離形態を観察した。試験用の刃物には、厚さ4mmのボラゾン製を使用し、試験片とのクリアランスを2μmに設定し、移動速度は2μm/secとした。
4.沸騰水浸漬試験
試験片を〜10倍のルーペで観察し、被膜の密着性を×〜◎の4段階で評価した(×:はく離がみられた、△:少しはく離がみられた、○:ほとんどはく離がみられなかった、◎:全くはく離がみられなかった)。
5.燃料浸漬試験
試験片を〜10倍のルーペで観察し、被膜の密着性を×〜◎の4段階で評価した(×:はく離がみられた、△:少しはく離がみられた、○:ほとんどはく離がみられなかった、◎:全くはく離がみられなかった)。
Figure 2006112422
Figure 2006112422
表1より、炭素被膜中のフッ素元素を増加させるに従い、デポジットの弾き性は上昇し、表面のフッ素ガスプラズマ処理により更に良好な弾き性が得られることがわかった。
表2より、表面粗さの調整、中間層の導入、及び被覆後の熱エージングにより、良好な耐久密着性が得られることがわかった。
以上、本発明を好適実施例により詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、本発明の内燃機関用部材は、ピストン、バルブ及び燃料噴射弁に限らず、燃焼室内の他の部品(スパークプラグ、シリンダヘッド、ピストンリングなど)に適用することもでき、部品性能を損なうことなく、燃焼室部品のデポジット付着を軽減できる。
ピストンの一例を示す斜視図である。 バルブの一例を示す斜視図である。 筒内噴射用燃料噴射弁のノズル部の一例を示す概略図である。 筒内噴射用燃料エンジン燃焼室の一例を示す概略図である。 炭素被膜を成膜する装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 ピストン本体
2 ピストン冠面
3 コネクティングロッド
11 バルブの軸部
12 バルブの傘部
13 シリンダヘッドの当たり面
14 燃焼室側の面
21 噴射孔
22 バルブシート
23 ニードルバルブ
24 スパークプラグ
25 バルブ
26 燃料噴射弁
27 ピストン
30 チャンバー
31 排気ポンプ
32 圧力調整弁
33 接地電極
34 基材
35 高周波電極
36 ヒーター
37 MFC
38 プロセスガスボンベ
39 マッチングボックス
40 高周波電源

Claims (18)

  1. 基材と、該基材上に内燃機関用燃料が接触する部位の少なくとも一部を被覆する炭素被膜とで構成された内燃機関用部材であって、
    上記炭素被膜が、フッ素を含むとともに膜厚が10μm以下であることを特徴とする内燃機関用部材。
  2. 上記炭素被膜の膜厚が0.05〜5μmであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用部材。
  3. 上記炭素被膜において、フッ素と炭素の含有量が原子数比で(フッ素/炭素)≧0.25であることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用部材。
  4. 上記炭素被膜の最表面から深さ4nmまでの、フッ素と炭素の含有量が、原子数比で(フッ素/炭素)≧0.4であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の内燃機関用部材。
  5. 上記炭素被膜の最表面から深さ4nmまでの、フッ素と炭素の含有量が、原子数比で(フッ素/炭素)≧1であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の内燃機関用部材。
  6. 上記炭素被膜において、フッ素の含有量が、炭素被膜の最表面で最も大きく基材に近づくにつれて減少することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の内燃機関用部材。
  7. 基材と最表面となる炭素被膜との間に、炭素及び/又はケイ素を含む被膜を中間層として有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の内燃機関用部材。
  8. 基材の表面粗さがRa0.1〜3μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の内燃機関用部材。
  9. 上記炭素被膜において、該炭素被膜の被覆後に80〜270℃の温度条件で熱エージング処理を施したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の内燃機関用部材。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の内燃機関用部材を用いて成るピストンであって、
    少なくとも冠面に上記炭素被膜を被覆したことを特徴とするピストン。
  11. 請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の内燃機関用部材を用いて成るバルブであって、
    軸部、傘部及び燃焼室側の面から成る群より選ばれた少なくとも1種の部位に上記炭素被膜を被覆したことを特徴とするバルブ。
  12. 請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の内燃機関用部材を用いて成る燃料噴射弁であって、
    少なくとも噴射孔に上記炭素被膜を被覆したことを特徴とする燃料噴射弁。
  13. 請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の内燃機関用部材を製造するに当たり、
    炭素被膜を気相成膜法により被覆することを特徴とする内燃機関用部材の製造方法。
  14. 炭素被膜の被覆前に、基材表面をフッ素ガス、水素ガス、酸素ガス及び希ガスから成る群より選ばれた少なくとも1種のガスのプラズマに曝すことを特徴とする請求項13に記載の内燃機関用部材の製造方法。
  15. 上記基材がステンレス鋼であり、上記ガスが希ガスであることを特徴とする請求項14に記載の内燃機関用部材の製造方法。
  16. 上記気相成膜法がプラズマCVD法であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1つの項に記載の内燃機関用部材の製造方法。
  17. 上記プラズマCVD法において、成膜用原料ガスとして炭化水素ガス及びフッ素系ガスを用いることを特徴とする請求項16に記載の内燃機関用部材の製造方法。
  18. 炭素被膜の被覆後に、80〜270℃の温度条件で熱エージング処理を行うことを特徴とする請求項13〜17に記載の内燃機関用部材の製造方法。
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