JP2006112403A - 内燃機関のノック制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可変バルブ機構を備える内燃機関であれ、ノッキングを精度良く検出することのできる内燃機関のノック制御装置を提供する。
【解決手段】この装置は、機関バルブの開閉時期を可変とする可変バルブ機構を備える内燃機関に適用される。ノック判定ゲートにおけるノックセンサ出力(ノック強度LVPK)の大小に応じてノック判定レベルVKDを増減させるとともに、同ノック判定ゲートにおけるノック強度LVPKとノック判定レベルVKDとの対比に基づいてノック判定を行う。機関バルブの着座ノイズの現われる時期がノック判定ゲートの外から中に侵入したときに、ノック判定レベルVKDの増減度合をそうでないときに比して一時的に大きくする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、機関バルブの開閉時期を可変とする可変バルブ機構を備える内燃機関に適用され、ノック判定期間におけるノックセンサ出力の大小に応じてノック判定レベルを増減させるとともに、同ノック判定期間におけるノックセンサ出力と前記ノック判定レベルとの対比に基づいてノック判定を行う内燃機関のノック制御装置に関する。
内燃機関に適用される装置としてノック制御装置、いわゆるノックコントロールシステム(KCS)が周知である。ノック制御装置は、ノッキングの有無を判定し、その判定結果に基づきノッキングを防止すべく内燃機関の動作を調整する。
ノック制御装置でのノック判定は、ノックセンサの出力信号に基づき行われる。一般にノックセンサは、シリンダブロックの適切な位置に取付けられ、ノッキング特有の周波数域の同ブロックの振動を電気信号に変換して出力する振動ピックアップとして構成されている。ノック制御装置は、各気筒の燃焼過程に設定されたノック判定期間(ノック判定ゲート)のノックセンサの出力信号を取得し、ノッキングの無い状態での同ノック判定期間におけるノックセンサの出力信号との比較によりノッキングの有無を判定している。
ここでノッキングの判定態様の一例を説明する。ここで例示する判定態様では、上記ノック判定期間におけるノックセンサ出力のピークホールド値(最大値)の対数変換値であるノック強度LVPKが、図5に示すような正規分布を示すことに着目し、今回取得されたノック強度LVPKの分布内における位置により上記ノッキングの有無の判定を行う。例えば、今回取得したノック強度LVPKが、下式(1)で求まるノック判定レベルVKD以上であればノッキング有りと判定し、同ノック判定レベルVKD未満であればノッキング無しと判定する。なお下式(1)において、VMEDは正規分布の中央値を、SGMMは正規分布の標準偏差を示している。またuは、u値と呼ばれる係数で、内燃機関回転速度及び内燃機関負荷に応じて定まる内燃機関の運転領域毎にその値が予め設定されている。

VKD=VMED+u×SGMM ・・・(1)

そしてノック制御装置は、ノック判定の結果に応じてノッキングを抑制するための内燃機関の制御、すなわちノック抑制制御を実施する。一般にノック抑制制御は、応答性及びノック抑制効果の高い点火時期の調整を通じて行われ、具体的にはノッキングの発生に応じて点火時期を遅角し、ノッキングが発生しなくなると点火時期を進角するようにしている。これにより、ノック制御装置は、許容範囲内の微小ノッキング状態又はノッキング発生直前の状態に維持すべく内燃機関を制御する(以上、特許文献1等)。
ところで近年、内燃機関に適用される機構として、機関バルブのリフト量や作用角を機関運転状態に応じて可変とする可変バルブ機構が実用されている。こうした可変バルブ機構を備える内燃機関では、吸気バルブのリフト量や作用角を小さくすることで、燃焼室内に吸入される空気量を低減することができる。この場合、スロットルバルブを絞ることで吸入空気量を低減するよりもポンピング損失を小さくすることができることから、より低出力で内燃機関を運転可能になり、燃費を向上することができる。
特開平3−121269号公報
ところで上記ノックセンサには、ノッキングに伴う振動以外に、吸排気バルブの開閉時の着座音もノイズとして検出されてしまう。こうした着座音によるノイズは、ノッキングの判定精度を悪化させる要因となる。
特にそうしたノイズがノック判定ゲート外に有る状態から同ゲート内に有る状態へと移行する遷移期間には、実際にはノッキングが発生していない状態であるにも拘わらず、ノッキング有りと誤判定することがある。
図6(a)は、上記ノックセンサによって機関バルブの着座音が検出される時期が、完全にノック判定ゲート外に有るときのノックセンサ出力の推移を示している。このときのノック判定ゲート内のノックセンサ出力には、燃焼に伴う振動のみが検出される。
一方、機関バルブの着座音の検出時期がノック判定ゲート内に侵入し、その着座音の検出レベルがバックグランドノイズの検出レベルに比して大きければ、図6(b)に示すように、ノック判定ゲート内のノックセンサ出力のピークホールド値は、機関バルブの着座音の検出レベルに応じた値に増大する。そのため、機関バルブの着座音の検出時期のノックゲート内への侵入に応じてノック強度LVPKは、図7に示すように、機関バルブの着座音の検出レベルに応じた値へと増大する。
こうしてノック強度LVPKが増大すると、それに応じてノック判定レベルVKDも徐々に増大されるようになる。ただし、上記のようにノック判定レベルVKDは、増大前も含めたノック強度LVPKの分布に基づいて設定されるため、その増大はノック強度LVPKの増大に対して大きく遅れることとなる。その結果、上記ノイズの侵入直後には、ノック判定レベルVKDは、増大したノック強度LVPKに対応した適切な値に比して小さい値を取ることとなり、上述したようなノッキングの誤判定が生じてしまうようになる。
また、上記ノイズがノック判定ゲート内に有る状態から同ゲート外に有る状態へと移行する遷移期間においてもノッキングの誤判定は生じる。この場合、実際にはノッキングが発生している状態であるにも拘わらず、ノッキング無しと誤判定することがある。この誤判定は、ノック強度LVPKの減少に対するノック判定レベルVKDの減少が大きく遅れることに起因して、上記ノイズがノック判定ゲートから外に出た直後において、ノック判定レベルVKDが、減少したノック強度LVPKに対応した適切な値に比して大きい値を取ることとなるために生じるものである。
これらノッキングの誤判定を回避するには、機関バルブの着座音の検出時期に重ならないように、予めノック判定ゲートを設定しておくことが有効である。しかしながら、上記のような可変バルブ機構を備える内燃機関では、機関バルブの開閉時期が状況に応じて可変とされることから、そのような設定が困難となっている。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、
可変バルブ機構を備える内燃機関であれ、ノッキングを精度良く検出することのできる内燃機関のノック制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果を記載する。
請求項1に記載の発明は、機関バルブの開閉時期を可変とする可変バルブ機構を備える内燃機関に適用され、ノック判定期間におけるノックセンサ出力の大小に応じてノック判定レベルを増減させるとともに、同ノック判定期間におけるノックセンサ出力と前記ノック判定レベルとの対比に基づいてノック判定を行う内燃機関のノック制御装置において、前記機関バルブの着座ノイズが前記ノックセンサ出力に現われる時期が前記ノック判定期間の外から中に侵入したときには、前記ノック判定レベルの増減度合をそうでないときに比して一時的に大きくすることをその要旨とする。
上記構成によれば、可変バルブ機構の制御によって着座ノイズの現われる時期がノック判定期間の外から中に侵入した際に、その侵入に伴って増大したノックセンサ出力に対応した適切な値までノック判定レベルを速やかに増大させることができ、前述した誤判定を抑制することができるようになる。したがって、可変バルブ機構を備える内燃機関であれ、ノッキングを精度良く検出することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、機関バルブの開閉時期を可変とする可変バルブ機構を備える内燃機関に適用され、ノック判定期間におけるノックセンサ出力の大小に応じてノック判定レベルを増減させるとともに、同ノック判定期間におけるノックセンサ出力と前記ノック判定レベルとの対比に基づいてノック判定を行う内燃機関のノック制御装置において、前記機関バルブの着座ノイズが前記ノックセンサ出力に現われる時期が前記ノック判定期間の中から外に出たときには、前記ノック判定レベルの増減度合をそうでないときに比して一時的に大きくすることをその要旨とする。
上記構成によれば、可変バルブ機構の制御によって着座ノイズの現われる時期がノック判定期間の中から外に外れた際に、それに伴って減少したノックセンサ出力に対応した適切な値までノック判定レベルを速やかに減少させることができ、前述した誤判定を抑制することができるようになる。したがって、可変バルブ機構を備える内燃機関であれ、ノッキングを精度良く検出することができるようになる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態について説明する。
図1に、本実施の形態にかかる内燃機関のノック制御装置の概略構成を示す。
同図1に示すように、内燃機関10の吸気通路12には、スロットルバルブ14が設けられている。このスロットルバルブ14の開度制御により、吸気通路12を通じて燃焼室18内に吸入される空気の量が調節される。また、上記吸気通路12には燃料噴射弁20が設けられている。この燃料噴射弁20は吸気通路12内に燃料を噴射する。なお、上記内燃機関10は複数の気筒を備える内燃機関であり、図1には一つの気筒のみを図示している。
内燃機関10の各燃焼室18においては、吸入空気と噴射燃料とからなる混合気に対して点火プラグ22による点火が行われる。このときの点火プラグ22による点火時期の調節はイグナイタ22aによって行われる。この点火動作によって混合気が燃焼してピストン24が往復移動し、クランクシャフト26が回転する。そして、燃焼後の混合気は排気として燃焼室18から排気通路28に送り出される。
内燃機関10において、吸気通路12と燃焼室18との間は吸気バルブ30の開閉動作によって連通・遮断され、燃焼室18と排気通路28との間は排気バルブ32の開閉動作によって連通・遮断される。また、吸気バルブ30はクランクシャフト26の回転が伝達される吸気カムシャフト34の回転に伴って開閉動作し、排気バルブ32は同じくクランクシャフト26の回転が伝達される排気カムシャフト36の回転に伴い開閉動作する。
吸気カムシャフト34にはバルブタイミング可変機構38が設けられている。このバルブタイミング可変機構38は、クランクシャフト26の回転位相に対する吸気カムシャフト34の相対回転位相を調節して、吸気バルブ30の開閉時期(バルブタイミング)を進角又は遅角させるものである。なお、このバルブタイミング可変機構38は、油圧アクチュエータ40を通じて同機構38に作用する油圧を制御することにより駆動される。
一方、吸気カムシャフト34の吸気バルブ30との間にはリフト量可変機構42が設けられている。このリフト量可変機構42は、吸気バルブ30のリフト量及び開弁期間(作用角)を可変設定するものである。このリフト量可変機構42の駆動により、吸気バルブ30のリフト量及び作用角は互いに同期して変化し、例えば作用角が大きくなるほどリフト量も大きくなる。なお、リフト量可変機構42は電動モータ44の制御を通じて駆動される。
内燃機関10には、その運転状態を検出するための各種センサが設けられている。そうした各種センサとしては、例えばクランクシャフト26の回転位相及び回転速度(機関回転速度)を検出するためのクランクセンサ52や、吸気カムシャフト34の回転位相を検出するためのカムセンサ54が設けられている。また、リフト量可変機構42の作動量を検出するための作動量センサ56や、ノックセンサ58等も設けられている。
また、内燃機関10は、例えばマイクロコンピュータを有して構成される電子制御装置50を備えている。この電子制御装置50は、各種センサの検出信号を取り込むとともに各種の演算を行い、その演算結果に基づいて燃料噴射制御や、点火時期制御、バルブタイミング可変機構38の作動制御、リフト量可変機構42の作動制御等といった機関制御を実行する。
電子制御装置50は、そうした機関制御の一環としてノック制御を実行する。このノック制御では、ノッキングの発生を防止するべく、上記ノックセンサ58の出力信号に基づくノック判定の結果に応じて点火時期が調整される。
以下、そうしたノック制御の詳細について説明する。
ここでは先ず、ノック判定にかかる処理の概要を説明する。
ノック判定処理では先ず、各気筒の点火後にそれぞれ設定されたノック判定期間(ノック判定ゲート)における上記ノックセンサ58の出力のピークホールド値が取得され、更にその対数変換値であるノック強度LVPKが求められる。ノック判定ゲートは、判定対象気筒のノッキングの発生時期を含むように、予めその期間が設定されている。
そして上記ノック強度LVPKの分布に基づき設定されたノック判定レベルVKDと今回取得されたノック強度LVPKとの比較により、ノッキングの有無を判定する。具体的には、今回取得されたノック強度LVPKが、上記ノック判定レベルVKD以上であればノッキング有りと判定し、同ノック判定レベルVKD未満であればノッキング無しと判定する。
本実施形態では、上記ノック強度LVPKが正規分布を示すことを利用して、上記ノック判定レベルVKDを下式(2)に基づき求めている。なお下式(2)のVMED、SGMM、uは上式(1)と同様に、ノック強度LVPKの分布の中央値、同分布の標準偏差、u値と呼ばれる係数をそれぞれ示している。下式(2)の係数「K」は、上記uと同様の態様で算出される係数であって、ノック判定レベルVKDの微調整を行うための係数である。

VKD=VMED+u×SGMM×K ・・・(2)

上記中央値VMEDは、統計的に求めることもできるが、ここでは演算負荷軽減のため、次の近似により求めている。ここでは、今回取得されたノック強度LVPKがその分布における図2の領域Cにあるとき、すなわち現状の中央値VMEDを上回っているときには(LVPK>VMED)、下式(3)のように現状の中央値VMEDに所定の更新量ΔAを加算した値に同中央値VMEDを更新する。また今回取得されたノック強度LVPKが、図2の領域A若しくは領域Bにあるとき、すなわち現状の中央値VMED以下のときには(LVPK≦VMED)、下式(4)のように現状の中央値VMEDから上記更新量ΔAを減算した値に同中央値VMEDを更新する。こうした中央値VMEDの更新を続けると、正規分布の確率的性質によりその値は実際の中央値近傍に収束されていく。

〔LVPK>VMEDのとき〕
VMED(更新後)=VMED(更新前)+ΔA ・・・(3)

〔LVPK≦VMEDのとき〕
VMED(更新後)=VMED(更新前)−ΔA ・・・(4)

また上記標準偏差SGMMについても、演算負荷軽減のため、やはり統計的に求めるのではなく、次のような近似により求めている。すなわちここでは、今回取得されたノック強度LVPKが図2の領域A若しくは領域Cにある場合には(LVPK≦VMED−SGMM、若しくはLVPK≧VMED)、下式(5)のように現状の標準偏差SGMMに所定の更新量ΔBを加算した値に同標準偏差SGMMの値を更新する。また同図2の領域Bにある場合(VMED−SGMM<LVPK<VMED)、下式(6)のように上記更新量ΔBを2倍したものを現状の標準偏差SGMMから減算した値に同標準偏差SGMMを更新する。こうした標準偏差SGMMの更新を続けると、正規分布の確率的性質により、その値はやがて、上記領域Bの確率が概ね1/3となる値に、すなわち実際の標準偏差近傍の値に収束されていく。なお、上記更新量ΔBとしては、上記中央値VMEDの更新量ΔAを8で割った値が用いられる(ΔB=ΔA/8=|VMED−LVPK|/32)。

〔LVPK≦VMED−SGMM、又はLVPK≧VMEDのとき〕
SGMM(更新後)=SGMM(更新前)+1×ΔB ・・・(5)

〔VMED−SGMM<LVPK<VMEDのとき〕
SGMM(更新後)=SGMM(更新前)−2×ΔB ・・・(6)

なお本実施形態では、上記ノック判定レベルVKDは、気筒毎に個別に求められている。そして各気筒のノック判定は、該当気筒のノック判定レベルVKDを用いて行われるようになっている。
次に、こうしたノック判定の結果に基づく点火時期の調整について説明する。
ノック判定の結果、ノッキングの発生が確認されると、すなわち今回取得されたノック強度LVPKが上記ノック判定レベルVKD以上であると、該当気筒の点火時期が遅角される。一方、ノッキングが発生しなくなったことが確認されると、すなわち今回取得されたノック強度LVPKが上記ノック判定レベルVKD未満であると、点火時期が進角される。電子制御装置50は、このようにノッキングの発生に応じて点火時期を遅角させ、ノッキングが発生しなくなると点火時期を進角させるようにしている。
ここで、上記ノック判定ゲートとしては、吸気バルブ30や排気バルブ32の着座音によるノイズが極力侵入しない期間が設定されている。しかしながら、本実施の形態では、バルブタイミング可変機構38やリフト量可変機構42の作動制御を通じて吸気バルブ30のバルブタイミングや作用角が可変設定されるために、同吸気バルブ30による着座ノイズのノック判定ゲート内への侵入を完全に回避することは困難である。そのため、そうした着座ノイズの現われる時期がノック判定ゲートの外から中に侵入した直後、或いは同時期がノック判定期間の中から外に出た直後において、前述したノッキングの誤判定が生じるおそれがある。
そこで、本実施の形態では、そうした場合において上記中央値VMEDの更新量ΔAを増大させて、ノック判定レベルVKDの増減度合をそうでないときに比して一時的に大きくするようにしている。
以下、そうした中央値VMEDの更新にかかる処理の具体的な処理手順を、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
図3に示すように、この処理では先ず、以下の(条件イ)及び(条件ロ)の一方が満たされているか否かが判断される(ステップS100)。
(条件イ)着座ノイズの現われる時期がノック判定ゲートの外から中に侵入した後の経過時間が所定時間以内であること。
(条件ロ)着座ノイズの現われる時期がノック判定ゲートの中から外に出た後の経過時間が所定時間以内であること。
ここでは、そのときどきの各吸気バルブ30の閉弁時期から、その着座音がノックセンサ58によって検出される時期(検出時期)が求められる。そして、機関運転状態の変化に伴って上記検出時期とノック判定ゲートとがオーバラップするようになったことをもって、「着座ノイズの現われる時期がノック判定ゲートの外から中に侵入した」と判断される。また、上記検出時期とノック判定ゲートとのオーバラップが解消されたことをもって、「着座ノイズの現われる時期がノック判定ゲートの中から外に出た」と判断される。
そして、(条件イ)及び(条件ロ)の何れも満たされない場合には(ステップS100:NO)、前記更新量ΔAとして所定値αが設定される(ステップS102)。なお、この所定値αとしては、上記ノック強度LVPKと現状の中央値VMEDとの差を所定の係数(例えば4)で割った値が用いられる(α=|VMED−LVPK|/4)。
一方、(条件イ)及び(条件ロ)の一方が満たされる場合には(ステップS100:YES)、更新量ΔAとして所定値βが設定される(ステップS104)。この所定値βとしては、上記所定値αよりも大きい値であって、ノック判定レベルVKDの収束性低下を適正に抑制しつつ同ノック判定レベルVKDを速やかに変化させることの可能な値が、実験などにより求められ設定されている。
このように更新量ΔAが設定された後、その更新量ΔAに基づく中央値VMEDの補正が実行される。すなわち、今回取得されたノック強度LVPKが現状の中央値VMEDを上回っているときには(ステップS106:YES)、現状の中央値VMEDに所定の更新量ΔAを加算した値に同中央値VMEDが更新される(ステップS108)。また今回取得されたノック強度LVPKが現状の中央値VMED以下のときには(ステップS106:NO)、現状の中央値VMEDから上記更新量ΔAを減算した値に同中央値VMEDが更新される(ステップS110)。
図4に、ノック強度LVPK及びノック判定レベルVKDの推移の一例を示す。
なお、図4にあって、実線はノック強度LVPK及びノック判定レベルVKDの推移を示し、一点鎖線は更新量増大のなされない従来の装置におけるノック判定レベルVKDの推移を比較対象として示している。
図4の時刻t1において着座ノイズの現われる時期がノック判定ゲートに侵入すると、その後において所定時間が経過するまでの間(時刻t1〜t2)、中央値VMEDの更新量ΔAが増大され、これにより中央値VMEDが速やかに大きい値に変更されるようになる。そのため、ノック判定レベルVKDについてもこれが、従来の装置のノック判定レベルと比べて、増大したノック強度LVPKに対応した適切な値まで速やかに変更されるようになり、前述したノック判定レベルVKDの増大の遅れに起因する誤判定の発生が抑制されるようになる。
また、その後の時刻t3において着座ノイズの現われる時期がノック判定ゲートの中から外に出た場合にも同様に、その後の所定時間(時刻t3〜t4)において上記更新量ΔAが増大される。そして、この場合には中央値VMEDが速やかに小さい値に変更されるようになる。そのため、従来の装置のノック判定レベルと比べて、減少したノック強度LVPKに対応した適切な値までノック判定レベルVKDが速やかに変更されるようになり、前述したノック判定レベルVKDの減少の遅れに起因する誤判定の発生が抑制されるようになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)着座ノイズの現われる時期がノック判定ゲートの外から中に侵入したときに、中央値VMEDの更新量ΔAを一時的に増大させるようにしたため、ノック判定レベルVKDを速やかに増大させてノッキングの誤判定を抑制することができるようになり、ノッキングを精度良く検出することができるようになる。
(2)着座ノイズの現われる時期がノック判定ゲートの中から外に出たときに、中央値VMEDの更新量ΔAを一時的に増大させるようにしたため、ノック判定レベルVKDを速やかに減少させてノッキングの誤判定を抑制することができるようになり、ノッキングを精度良く検出することができるようになる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記(条件イ)及び(条件ロ)の一方が満たされる場合の更新量ΔAとしては、一定の値に限らず、例えば機関回転速度に応じて可変設定される値など、機関運転状態に応じて可変設定される値を用いることもできる。また、更新量ΔAを、(条件イ)が満たされるときと(条件ロ)が満たされるときとで異なる値に設定すること等も可能である。
・ノック強度LVPKの変化に対するノック判定レベルVKDの変化の遅れが小さいのであれば、着座ノイズの現われる時期がノック判定ゲートの外から中に侵入したときに更新量ΔAを増大させる処理、及び同時期がノック判定ゲートの中から外に出たときに更新量ΔAを増大させる処理のうちの何れか一方を省略するようにしてもよい。
・ノック判定レベルVKDの増減度合をそうでないときに比して一時的に大きくすることができるのであれば、中央値VMEDの更新量ΔAを増大させることに代えて、或いはこれに併せて、標準偏差SGMMの更新量ΔBを増大させるようにしてもよい。
・バルブタイミング可変機構38やリフト量可変機構42の構成は適宜変更可能である。それらバルブタイミング可変機構38及びリフト量可変機構42のうち何れか一方を省略すること等も可能である。また、本発明は、排気バルブのバルブタイミングを可変設定するバルブタイミング可変機構や、排気バルブのリフト量及び作用角を可変設定するリフト量可変機構が設けられた内燃機関のノック制御装置にも適用することができる。要は、機関バルブの開閉時期を可変とする可変バルブ機構を備え、同機関バルブの着座ノイズがノックセンサ出力に現われる時期がノック判定ゲートの外と中とを行き来する内燃機関であれば、本発明は適用可能である。
・ノック判定ゲートにおけるノックセンサ出力の大小に応じてノック判定レベルを増減させるとともに同ノック判定ゲートにおけるノックセンサ出力とノック判定レベルとの対比に基づいてノッキングの有無を判定する手法であれば、ノック判定にかかる手法は適宜変更可能である。
本発明にかかる内燃機関のノック制御装置を具体化した一実施の形態の概略構成図。 同実施の形態の中央値及び標準偏差の更新にかかる領域を示す模式図。 同実施の形態の中央値更新処理の具体的な処理手順を示すフローチャート。 ノック強度及びノック判定レベルの推移の一例を示すタイミングチャート。 ノック強度の分布態様及びその分布におけるノック判定レベルの設定例を示すグラフ。 従来のノック制御での(a)着座ノイズの無いとき及び(b)侵入の有るときのノックセンサ出力の推移をそれぞれ例示するタイミングチャート。 従来の装置での着座ノイズの侵入に伴うノック強度及びノック判定レベルの変化態様を示すタイミングチャート。
符号の説明
10…内燃機関、12…吸気通路、14…スロットルバルブ、18…燃焼室、20…燃料噴射弁、22…点火プラグ、22a…イグナイタ、24…ピストン、26…クランクシャフト、28…排気通路、30…吸気バルブ、32…排気バルブ、34…吸気カムシャフト、36…排気カムシャフト、38…バルブタイミング可変機構、40…油圧アクチュエータ、42…リフト量可変機構、44…電動モータ、50…電子制御装置、52…クランクセンサ、54…カムセンサ、56…作動量センサ、58…ノックセンサ。

Claims (2)

  1. 機関バルブの開閉時期を可変とする可変バルブ機構を備える内燃機関に適用され、ノック判定期間におけるノックセンサ出力の大小に応じてノック判定レベルを増減させるとともに、同ノック判定期間におけるノックセンサ出力と前記ノック判定レベルとの対比に基づいてノック判定を行う内燃機関のノック制御装置において、
    前記機関バルブの着座ノイズが前記ノックセンサ出力に現われる時期が前記ノック判定期間の外から中に侵入したときには、前記ノック判定レベルの増減度合をそうでないときに比して一時的に大きくする
    ことを特徴とする内燃機関のノック制御装置。
  2. 機関バルブの開閉時期を可変とする可変バルブ機構を備える内燃機関に適用され、ノック判定期間におけるノックセンサ出力の大小に応じてノック判定レベルを増減させるとともに、同ノック判定期間におけるノックセンサ出力と前記ノック判定レベルとの対比に基づいてノック判定を行う内燃機関のノック制御装置において、
    前記機関バルブの着座ノイズが前記ノックセンサ出力に現われる時期が前記ノック判定期間の中から外に出たときには、前記ノック判定レベルの増減度合をそうでないときに比して一時的に大きくする
    ことを特徴とする内燃機関のノック制御装置。
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