JP2006111604A - 経口投与用吸着剤、並びに腎疾患治療又は予防剤、及び肝疾患治療又は予防剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】経口投与用吸着剤は、平均粒子径が0.01〜1mmであり、BET法により求められる比表面積が700m2/g以上であり、細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積が0.25mL/g〜1.0mL/gであり、全酸性基が0.30meq/g〜1.20meq/gであり、そして全塩基性基が0.20meq/g〜0.7meq/gである表面改質球状活性炭からなる。
【選択図】なし
Description
本発明による経口投与用吸着剤は、体内の有毒な毒性物質(Toxin)に対する吸着能が高く、従って、経口摂取から体外排出までの体内滞留期間内において、毒性物質を吸着すべき一定時間内に多くの毒性物質を吸着することができる。
ところが、後述する実施例に示すとおり、前記特許文献1や前記特許文献2に記載の経口吸着剤は、有害物質と接触してから約3時間までの期間では、吸着能力が必ずしも高くなく、しかも吸着能力を完全には使い尽くさず、依然として充分な吸着能力を有した状態で小腸下部や大腸へ送られ、更に体外に排出される。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
一方、前記特許文献1(特公昭62−11611号公報)の実施例1〜3では、細孔半径37.5〜75000オングストロームの空隙容積が0.20〜0.23mL/gの吸着剤が実際に調製されており、β−アミノイソ酪酸、γ−アミノ−n−酪酸、ジメチルアミン、及びオクトパミンの吸着性に優れていることが実際に確認されている。なお、前記特許文献1には、細孔半径100〜75000オングストロームの空隙容積(すなわち、細孔直径20〜15000nmの細孔容積)が0.1〜1mL/gの多孔性球状炭素質物質からなる吸着剤が一般的に記載されている。しかしながら、その特許文献1の実施例1〜3で具体的に開示されている吸着剤は、前記の通り、細孔半径37.5〜75000オングストロームの空隙容積が0.20〜0.23mL/gである吸着剤のみであり、しかも、細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積が0.25mL/g〜1.0mL/gの場合に、吸着量が増加し、初期吸着速度が向上することは全く記載されていない。なお、細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積が0.25mL/g〜1.0mL/gである本発明の多孔性球状炭素質物質の構造が、細孔半径37.5〜75000オングストロームの空隙容積(すなわち、細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積)が0.20〜0.23mL/gを有する特許文献1記載の多孔性球状炭素質物質の構造と、細孔容積の点で異なることは言うまでもない。
一方、その後の細孔構造制御技術の進歩により、従来よりはナフタレン添加量を増加させることが可能になっただけでなく、例えば、ナフタレンの添加量とは無関係に細孔構造を制御することが可能になり、細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積が0.25mL/g〜1.0mL/gの本発明による表面改質球状活性炭を調製することが可能になっている。
また、不融処理後の熱溶融性樹脂や熱不融性樹脂の球状体を熱処理すると、多くの熱分解ガスなどが発生する場合には、賦活操作を行う前に適宜予備焼成を行い、予め熱分解生成物を除去することができる。
上記の細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積が0.25〜1.0mL/gである球状活性炭を、例えば以下の方法で調製することができる。
石油ピッチ又は石炭ピッチ等のピッチに対し、添加剤として沸点200℃以上の2環又は3環の芳香族化合物又はその混合物を加えて加熱混合した後、成形し、ピッチ成形体を得る。次に、70〜180℃の熱水中で撹拌下に分散造粒して微小球体化し、更にピッチに対し低溶解度を有しかつ添加剤に対して高溶解度を有する溶剤で、ピッチ成形体から添加剤を抽出除去させ、球状多孔性ピッチを得ることができる。
このような溶剤でピッチと添加剤との混合物成形体から添加剤を抽出することによって、成形体の形状を維持したままで添加剤を成形体から除去することができる。この際に、成形体中に添加剤の抜け穴が形成され、均一な多孔性を有する球状多孔性ピッチが得られるものと推定される。
出発材料として用いる前記の熱不融性樹脂としては、熱処理による炭素化収率が高いことが望ましい。炭素化収率が低いと、球状活性炭としての強度が弱くなる。また、不必要な細孔が形成されるため、球状活性炭の嵩密度が低下して、体積あたりの比表面積が低下するので、投与体積が増加し、経口投与が困難になるという問題を引き起こす。従って、熱不融性樹脂の炭素化収率は高いほど好ましく、非酸化性ガス雰囲気中800℃での熱処理による収率の好ましい値は30重量%以上であり、更に好ましくは35重量%以上である。
例えば、多孔質の架橋ビニル樹脂を懸濁重合によって調製する場合には、ビニル系モノマー、架橋剤、ポロゲン(porogen)及び重合開始剤を含む有機相を、分散安定剤を含有する水系分散媒体中に添加し、攪拌混合により水相中に懸濁された多数の有機液滴を形成した後、加熱して有機液滴中のモノマーを重合させることにより、多孔質の球状の架橋ビニル樹脂を調製することができる。
(1)平均粒子径
レーザー回折式粒度分布測定装置〔(株)島津製作所:SALAD−3000S〕を用い、体積基準の粒度累積線図を作成し、粒度累積率50%における粒子径を平均粒子径とした。
連続流通式のガス吸着法による比表面積測定器(例えば、MICROMERITICS社製「Flow Sorb II 2300」)を用いて、表面改質球状活性炭試料のガス吸着量を測定し、BETの式により比表面積を計算することができる。具体的には、試料である表面改質球状活性炭を試料管に充填し、その試料管に窒素30容量%を含有するヘリウムガスを流しながら以下の操作を行い、表面改質球状活性炭試料への窒素吸着量を求める。すなわち、試料管を−196℃に冷却し、表面改質球状活性炭試料に窒素を吸着させる。次に、試料管を室温に戻す。このとき表面改質球状活性炭試料から脱離してくる窒素量を熱伝導度型検出器で測定し、吸着ガス量(v)とする。
BETの式から誘導された近似式:
vm=1/(v・(1−x))
を用いて液体窒素温度における、窒素吸着による1点法(相対圧力x=0.3)によりvmを求め、次式:
比表面積=4.35×vm(m2/g)
により試料の比表面積を計算する。前記の各計算式で、vは実測される吸着量(cm3/g)であり、xは相対圧力である。
水銀ポロシメーター(例えば、MICROMERITICS社製「AUTOPORE 9200」)を用いて細孔容積を測定することができる。試料である表面改質球状活性炭を試料容器に入れ、2.67Pa以下の圧力で30分間脱気する。次いで、水銀を試料容器内に導入し、徐々に加圧して水銀を表面改質球状活性炭試料の細孔へ圧入する(最高圧力=414MPa)。このときの圧力と水銀の圧入量との関係から以下の各計算式を用いて表面改質球状活性炭試料の細孔容積分布を測定する。
具体的には、細孔直径15μmに相当する圧力(0.06MPa)から最高圧力(414MPa:細孔直径3nm相当)までに表面改質球状活性炭試料に圧入された水銀の体積を測定する。細孔直径の算出は、直径(D)の円筒形の細孔に水銀を圧力(P)で圧入する場合、水銀の表面張力を「γ」とし、水銀と細孔壁との接触角を「θ」とすると、表面張力と細孔断面に働く圧力の釣り合いから、次式:
−πDγcosθ=π(D/2)2・P
が成り立つ。従って
D=(−4γcosθ)/P
となる。
本明細書においては、水銀の表面張力を484dyne/cmとし、水銀と炭素との接触角を130度とし、圧力PをMPaとし、そして細孔直径Dをμmで表示し、下記式:
D=1.27/P
により圧力Pと細孔直径Dの関係を求める。例えば、本発明における細孔直径7.5〜15000nmの範囲の細孔容積とは、水銀圧入圧0.085MPaから169MPaまでに圧入された水銀の体積に相当する。
0.05規定のNaOH溶液50mL中に、200メッシュ以下に粉砕した表面改質球状活性炭試料1gを添加し、48時間振とうした後、表面改質球状活性炭試料をろ別し、中和滴定により求められるNaOHの消費量である。
0.05規定のHCl溶液50mL中に、200メッシュ以下に粉砕した表面改質球状活性炭試料1gを添加し、24時間振とうした後、表面改質球状活性炭試料をろ別し、中和滴定により求められるHClの消費量である。
腎疾患としては、例えば、慢性腎不全、急性腎不全、慢性腎盂腎炎、急性腎盂腎炎、慢性腎炎、急性腎炎症候群、急性進行型腎炎症候群、慢性腎炎症候群、ネフローゼ症候群、腎硬化症、間質性腎炎、細尿管症、リポイドネフローゼ、糖尿病性腎症、腎血管性高血圧、若しくは高血圧症候群、あるいは前記の原疾患に伴う続発性腎疾患、更に、透析前の軽度腎不全を挙げることができ、透析前の軽度腎不全の病態改善や透析中の病態改善にも用いることができる(「臨床腎臓学」朝倉書店、本田西男、小磯謙吉、黒川清、1990年版及び「腎臓病学」医学書院、尾前照雄、藤見惺編集、1981年版参照)。
また、肝疾患としては、例えば、劇症肝炎、慢性肝炎、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、肝線維症、肝硬変、肝癌、自己免疫性肝炎、薬剤アレルギー性肝障害、原発性胆汁性肝硬変、振せん、脳症、代謝異常、又は機能異常を挙げることができる。その他、体内に存在する有害物質による病気、すなわち、精神病等の治療にも用いることができる。
空気中120℃にて3時間乾燥したイオン交換樹脂(スチレン系;有効径=0.50〜0.65mm:商品名「Amberlite15WET」;オルガノ株式会社製)を、目開き250μmの篩で篩分し、微粉末を除去した後、微粉除去した球状のイオン交換樹脂を流動床を用いた窒素ガス雰囲気中600℃で3時間熱処理し、球状炭素を得た。次に、得られた球状炭素100gを目皿付き石英製縦型反応管に入れ、流動床を用いた窒素ガス雰囲気中で820℃まで2時間昇温した後、64.5vol%の水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中にて820℃で10時間の賦活処理を行い、球状活性炭32gを得た。
得られた球状活性炭を更に流動床にて、酸素濃度18.5vol%の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下470℃で3時間15分間酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下900℃で17分間還元処理を行い、表面改質球状活性炭を得た。平均粒子径は0.35mmであった。
得られた表面改質球状活性炭の特性を表1に示す。
賦活処理において、賦活時間を14時間とし、球状活性炭17gを得たこと以外は、実施例1に記載の方法を繰り返して、表面改質球状活性炭を得た。平均粒子径は0.35mmであった。
得られた表面改質球状活性炭の特性を表1に示す。
石油系ピッチ(軟化点=210℃;キノリン不溶分=1重量%以下;H/C原子比=0.63)68kgと、ナフタレン32kgとを、撹拌翼のついた内容積300Lの耐圧容器に仕込み、180℃で溶融混合を行った後、アセチルアセトンコバルト塩68gをピッチに加え、撹拌して溶解させた後、140〜160℃に冷却して押し出し、紐状成形体を得た。次いで、この紐状成形体を直径と長さの比が1〜2になるように破砕した。
0.23重量%のポリビニルアルコール(ケン化度=88%)を溶解して93℃に加熱した水溶液中に、前記の破砕物を投入し、撹拌分散により球状化した後、前記のポリビニルアルコール水溶液を水で置換することにより冷却し、20℃で3時間冷却し、ピッチの固化及びナフタレン結晶の析出を行い、球状ピッチ成形体スラリーを得た。
乾燥した球状活性炭を流動床にて、酸素濃度18.5vol%の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下470℃で3時間15分間酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下900℃で17分間還元処理を行い、表面改質球状活性炭を得た。平均粒子径は0.35mmであった。
得られた表面改質球状活性炭の特性を表1に示す。
前記実施例3の溶融ピッチに加えるアセチルアセトンコバルト塩の量を6.8gとし、賦活処理における賦活時間を2時間としたこと以外は、実施例3に記載の方法を繰り返して、表面改質球状活性炭を得た。平均粒子径は0.35mmであった。
得られた表面改質球状活性炭の特性を表1に示す。
石油系ピッチ(軟化点=210℃;キノリン不溶分=1重量%以下;H/C原子比=0.63)68kgと、ナフタレン32kgとを、撹拌翼のついた内容積300Lの耐圧容器に仕込み、180℃で溶融混合を行った後、140〜160℃に冷却して押し出し、紐状成形体を得た。次いで、この紐状成形体を直径と長さの比が1〜2になるように破砕した。
0.23重量%のポリビニルアルコール(ケン化度=88%)を溶解して93℃に加熱した水溶液中に、前記の破砕物を投入し、撹拌分散により球状化した後、前記のポリビニルアルコール水溶液を水で置換することにより冷却し、20℃で3時間冷却し、ピッチの固化及びナフタレン結晶の析出を行い、球状ピッチ成形体スラリーを得た。
大部分の水をろ過により除いた後、球状ピッチ成形体の約6倍重量のn−ヘキサンでピッチ成形体中のナフタレンを抽出除去した。このようにして得た多孔性球状ピッチを、流動床を用いて、加熱空気を通じながら、235℃まで昇温した後、235℃にて1時間保持して酸化し、熱に対して不融性の多孔性球状酸化ピッチを得た。続いて、多孔性球状酸化ピッチを、流動床を用い、64.5vol%の水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中で、820℃で230分間賦活処理をして充填密度が0.6mL/gの多孔性球状炭素を得た。
乾燥した球状活性炭を流動床にて、酸素濃度18.5vol%の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下470℃で3時間15分間酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下900℃で17分間還元処理を行い、表面改質球状活性炭を得た。平均粒子径は0.35mmであった。
得られた表面改質球状活性炭の特性を表1に示す。
脱イオン交換水658g、及び1.44%メチルセルロース水溶液32gを1Lのセパラブルフラスコに入れ、これにスチレン109g、純度57%ジビニルベンゼン(57%のジビニルベンゼンと43%のエチルビニルベンゼン)120g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.3g、及びポロゲンとしての1−ブタノールを適宜加えた後、窒素ガスで系内を置換し、この二相系を150rpmで攪拌し、55℃に加熱してからそのまま20時間保持した。得られた樹脂を濾過した後、減圧乾燥機にて90℃で12時間減圧乾燥することにより水分及びポロゲンを減圧留去し、平均粒子径600μmの球状の多孔性合成樹脂を得た。多孔性合成樹脂の比表面積は30m2/gであった。
得られた球状の多孔性合成樹脂100gを目皿付き反応管に仕込み、縦型管状炉にて不融化処理を行った。不融化条件は、3L/minで乾燥空気を反応管下部より上部に向かって流し、5℃/hで260℃まで昇温した後、260℃で4時間保持することにより球状の多孔性酸化樹脂を得た。球状の多孔性酸化樹脂を窒素雰囲気中600℃で1時間熱処理した後、流動床を用い、64.5vol%の水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中、820℃で10時間賦活処理を行い、球状活性炭を得た。
得られた球状活性炭を、更に流動床にて、酸素濃度18.5vol%の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下470℃で3時間15分酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下900℃で17分間熱処理を行い、表面改質球状活性炭を得た。平均粒子径は310μmであった。
得られた表面改質球状活性炭の特性を表1に示す。
石油系ピッチ(軟化点=178℃;キノリン不溶分=1重量%以下;H/C原子比=0.67)68kgと、ナフタレン32kgと、撹拌翼のついた内容積300Lの耐圧容器に仕込み、200℃で溶融混合を行った後、140〜160℃に冷却して押し出し、紐状成形体を得た。次いで、この紐状成形体を直径と長さの比が1〜2になるように破砕した。
0.23重量%のポリビニルアルコール(ケン化度=88%)を溶解して93℃に加熱した水溶液中に、前記の破砕物を投入し、撹拌分散により球状化した後、前記のポリビニルアルコール水溶液を水で置換することにより冷却し、20℃で3時間冷却し、ピッチの固化及びナフタレン結晶の析出を行い、球状ピッチ成形体スラリーを得た。
次いで、球状活性炭を流動床にて、酸素濃度18.5vol%の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下470℃で3時間15分間酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下900℃で17分間還元処理を行い、表面改質球状活性炭を得た。平均粒子径は0.35mmであった。
得られた表面改質球状活性炭の特性を表1に示す。
空気中120℃にて3時間乾燥したイオン交換樹脂(スチレン系;有効径=0.50〜0.65mm:商品名「Amberlite15WET」;オルガノ株式会社製)を、目開き250μmの篩で篩分し、微粉末を除去した後、微粉除去した球状のイオン交換樹脂を流動床を用いた窒素ガス雰囲気中600℃で3時間熱処理し、球状炭素を得た。次に、得られた球状炭素100gを目皿付き石英製縦型反応管に入れ、流動床を用いた窒素ガス雰囲気中で820℃まで2時間で昇温した後、64.5vol%の水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中にて820℃で10時間の賦活処理を行い、球状活性炭32gを得た。平均粒子径は0.35mmであった。
得られた球状活性炭の特性を表1に示す。
球状のフェノール樹脂(粒子径=10〜700μm:商品名「高機能真球樹脂マリリンHF500タイプ」;群栄化学株式会社製)を、目開き250μmの篩で篩分し、微粉末を除去した後、微粉除去した球状のフェノール樹脂150gを目皿付き石英製縦型反応管に入れ、流動床を用いた窒素ガス雰囲気中900℃で1時間熱処理し、球状炭素68gを得た。次に、得られた球状炭素68gを目皿付き石英製縦型反応管に入れ、流動床を用いた窒素ガス雰囲気中で900℃まで2.5時間で昇温した後、64.5vol%の水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中にて900℃で賦活処理を行い、充填密度が0.5g/mLの球状活性炭30gを得た。
得られた球状活性炭を更に流動床にて、酸素濃度18.5vol%の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下470℃で3時間15分間酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下900℃で17分間還元処理を行い、表面改質球状活性炭を得た。平均粒子径は0.28mmであった。
得られた表面改質球状活性炭の特性を表1に示す。
前記比較例3で用いたフェノール樹脂(群栄化学株式会社製)に代えて、住友ベークライト株式会社製の球状のフェノール樹脂(平均粒子径=700μm:商品名「フェノール樹脂球状硬化物ACSシリーズPR−ACS−2−50C」)を使用したこと以外は、比較例3に記載の方法を繰り返して、表面改質球状活性炭を得た。平均粒子径は0.41mmであった。
得られた表面改質球状活性炭の特性を表1に示す。
以下の表1に示す各種の特性は、以下の方法で測定した。
(1)細孔容積
前記実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた各表面改質球状活性炭及び活性炭の細孔容積は、前記の水銀圧入法により求めた。表1に記載の数値は、細孔直径7.5〜15000nm及び細孔直径20〜15000nmの範囲の細孔容積に相当する。
0.05規定のNaOH溶液50mL(全酸性基)又はHCl溶液50mL(全塩基性基)中に、200メッシュ以下に粉砕した表面改質球状活性炭試料1gを添加し、48時間振とうした後、表面改質球状活性炭試料をろ別し、中和滴定により、NaOHの消費量(全酸性基)又はHClの消費量(全塩基性基)を求めた。
前記実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた各表面改質球状活性炭及び活性炭に関して、DL−β−アミノイソ酪酸吸着試験を以下の方法で実施した。
球状活性炭試料又は表面改質球状活性炭試料を乾燥した後、乾燥試料0.500gを正確に量って共栓付三角フラスコにとった。一方、DL−β−アミノイソ酪酸0.100gを正確に量り、pH7.4のリン酸塩緩衝液を加えて溶かし、正確に1000mLとした液(原液)50mLを、前記の共栓付三角フラスコに正確に加え、37±1℃で3時間振り混ぜた。フラスコの内容物を、ろ孔0.65μmのメンブランフィルターで吸引ろ過し、はじめのろ液約20mLを除き、次のろ液約10mLを取って試料溶液とした。
試料溶液0.1mLを試験管に正確に取り、pH8.0のリン酸塩緩衝液5mLを正確に加えて混合した後、フルオレスカミン0.100gを非水滴定用アセトン100mLに溶かした液1mLを正確に加えて混合した後で、15分間静置した。この液につき、蛍光光度法により試験を行い、励起波長390nm、及び蛍光波長475nmで蛍光強度を測定した。
なお、表1に示す数値は、「10」(非吸着)〜「0」(完全吸着)の間の評価を示す。
前項(3)の「DL−β−アミノイソ酪酸残量試験」では、球状活性炭試料又は表面改質球状活性炭試料とDL−β−アミノイソ酪酸とを接触させて振とうさせる時間を一定時間(3時間)として実験を行ったが、比較例1で得られた表面改質球状活性炭に関して接触振とう時間を変化させた場合の吸着速度の変化を調べた。
DL−β−アミノイソ酪酸の初期濃度は10mg/dLとし、接触振とう時間が、1時間、2時間、3時間、5時間、8時間、18時間、及び24時間におけるDL−β−アミノイソ酪酸残量を前項(3)の操作と同様にして調べた。結果を図1に示す。なお、図1は、実施例5で得られた表面改質球状活性炭の振とう時間が3時間におけるデータを比較のために記入した。
前記のBET法によって測定した。
腎疾患としては、例えば、慢性腎不全、急性腎不全、慢性腎盂腎炎、急性腎盂腎炎、慢性腎炎、急性腎炎症候群、急性進行型腎炎症候群、慢性腎炎症候群、ネフローゼ症候群、腎硬化症、間質性腎炎、細尿管症、リポイドネフローゼ、糖尿病性腎症、腎血管性高血圧、若しくは高血圧症候群、あるいは前記の原疾患に伴う続発性腎疾患、更に、透析前の軽度腎不全を挙げることができ、透析前の軽度腎不全の病態改善や透析中の病態改善にも用いることができる(「臨床腎臓学」朝倉書店、本田西男、小磯謙吉、黒川清、1990年版及び「腎臓病学」医学書院、尾前照雄、藤見惺編集、1981年版参照)。
また、肝疾患としては、例えば、劇症肝炎、慢性肝炎、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、肝線維症、肝硬変、肝癌、自己免疫性肝炎、薬剤アレルギー性肝障害、原発性胆汁性肝硬変、振せん、脳症、代謝異常、又は機能異常を挙げることができる。その他、体内に存在する有害物質による病気、すなわち、精神病等の治療にも用いることができる。
Claims (3)
- 平均粒子径が0.01〜1mmであり、BET法により求められる比表面積が700m2/g以上であり、細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積が0.25mL/g〜1.0mL/gであり、全酸性基が0.30meq/g〜1.20meq/gであり、そして全塩基性基が0.20meq/g〜0.7meq/gである表面改質球状活性炭からなることを特徴とする、経口投与用吸着剤。
- 請求項1に記載の経口投与用吸着剤を有効成分とする、腎疾患治療又は予防剤。
- 請求項1に記載の経口投与用吸着剤を有効成分とする、肝疾患治療又は予防剤。
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