JP2006109219A - 画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シェーディング補正データを形成する際に読み取る標準白色板上に付着したゴミデータ排除処理に必要な画像データ記憶メモリが少なくとも2組のフルラインメモリが必要でありゴミデータ除去手段を構成する部品コストの容量低減を図る。
【解決手段】 標準白色板を用いて画像読取センサのシェーディング補正データを取り込む画像読取装置において、主走査1ラインを複数のエリアに等分し、該複数のエリアの中からゴミデータ除去が必要なエリアを選択する「エリア選択手段」を設け、該エリア選択手段による選択結果に応じて、選択されたエリアについてのみゴミデータ除去処理を実行する様に構成することにより、従来例が必要としていたメモリ容量を少なくすることが出来、部品コスト低減を図ることが可能。
【選択図】 図1
【解決手段】 標準白色板を用いて画像読取センサのシェーディング補正データを取り込む画像読取装置において、主走査1ラインを複数のエリアに等分し、該複数のエリアの中からゴミデータ除去が必要なエリアを選択する「エリア選択手段」を設け、該エリア選択手段による選択結果に応じて、選択されたエリアについてのみゴミデータ除去処理を実行する様に構成することにより、従来例が必要としていたメモリ容量を少なくすることが出来、部品コスト低減を図ることが可能。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光源からの光で被写体を照射することで得られる画像情報を、CCD等の画像読取センサを用いて読み取り、光電変換及び画像処理を行った後に、他の記録媒体へと出力する画像読取装置に関するものである。
具体的には、デジタル式複写装置やデジタルスキャナ等の画像読取装置に関するものである。
一般に画像読取装置は、被写体をランプなどの光源を用いて照射した結果、画像の濃度に応じて得られる画像情報を、CCD等の画像読取センサでスキャンすることにより画像読み取りを行っている。使用する画像読取センサが、一方向に配列された複数の画素センサから構成されるラインセンサの場合、画素センサの配列方向(以下「主走査方向」と呼ぶ)は、画像読取センサ自身が一定期間内に各画素センサに対して与えられた光量に比例した電荷を画素センサの配列順にアナログ画像信号として出力する事で、順次読取を行う。一方、被写体に平行かつ主走査方向に直行する方向(以下「副走査方向」と呼ぶ)の読取に関しては、機械的な動作により被写体と画像読取センサとの相対位置関係を順次変える事で行っている。主走査方向の画像読取動作に同期して、副走査方向への移動を行う事で、被写体全体の画像情報の読み取りを可能にしている。画像読取センサのアナログ信号出力は、一般に増幅などのアナログ処理の後にデジタル信号に変換され、デジタル的な画像処理を受けた後、画像読取装置から出力される。
ところで被写体を照射するランプの配光は一般に均一でなく、被写体の被照射部分には光量ムラがあり、この部分を読み取る画像読取センサの出力にシェーディングとして現れる。また一般に、CCD等の画像読取センサの各画素センサの感度が等しくないため、等光量が入射した場合でも各画素センサの出力は一様にならない。上記二種類の要因による画像読取センサの出力不均一を補正するために従来の画像読取装置では、副走査画像読み取り範囲内の被写体の影響を受けない位置に設けられた標準白色板をランプで照射し、該標準白色板の被照射部分を画像読取センサで読み取った時の出力データを補正データとしてメモリに保持し、読み取りセンサの出力を該補正データで補正している。これを一般にシェーディング補正と呼ぶ。(例えば、特許文献1参照)。
(従来例1の説明)
図7は従来の一般的な画像読取装置の電気回路構成をあらわすブロック図である。
図7は従来の一般的な画像読取装置の電気回路構成をあらわすブロック図である。
図7において、31は画像処理部の各手段を駆動するための同期信号や駆動クロック信号を発生するためのタイミング信号発生手段、33はアナログ信号処理手段であり、画像読取センサ27から出力される画像信号に対してアナログ処理を行う、サンプルホールド回路・黒レベルクランプ回路・可変ゲインアンプ・黒レベルオフセット回路等を含む。34はアナログ信号処理手段33から出力されるアナログ画像信号をデジタル信号に変換するA/D変換器である。35はシェーディング補正制御手段である。シェーディング補正制御手段35にはシェーディング補正データ記憶手段36とシェーディング補正実行手段37が接続されており、シェーディング補正手段を構成する。シェーディング補正手段は、A/D変換器34から送られてくる画像信号に対して、シェーディング補正を行う。なお一般にシェーディング補正データ記憶手段36は主走査1ライン分の画像データを保持し得る容量を持つラインメモリである。シェーディング補正データ記憶手段36はシェーディング補正制御手段35の制御に従い、画像読取センサ27が本図では不図示の標準白色板28を読み取った時の画像信号をシェーディング補正データとして記憶する。一方被写体の画像情報を読み取る際には、保持しているシェーディング補正データをシェーディング制御手段35を介して、シェーディング補正実行手段37に対して出力する。シェーディング補正実行手段37は一般にROMもしくはRAMであり、シェーディング補正のためのLUTをデータとして保持している。シェーディング補正実行手段37は、シェーディング補正データ記憶手段36から送られてくるシェーディング補正データを用いて、A/D変換器34からシェーディング補正制御手段35を介して送られてくる画像信号に対して、シェーディング補正を実行し、結果をシェーディング補正制御手段35に出力する。
38は画像処理手段であり、シェーディング補正実行手段37からシェーディング補正制御手段35を介して送られてくるシェーディング補正後の画像信号に対して、エッジ強調や二値化等の画像処理を行い出力する。
39は画像読取装置11の制御を司る制御手段であり、一般にはCPUである。40は制御手段39の動作プログラムを保持するプログラム保持手段であり、一般にはROMである。41は各種設定値等を記憶するデータ保持手段であり、一般的にはRAMである。一般にデータ保持手段41は画像読取装置の電源が切られた時にも、内部に書き込まれたデータを消失しないように構成されている。
上記各手段はバス42を介して直接或いは間接的に接続されている。一般に制御手段39はプログラム保持手段40に書き込まれたプログラムに従って動作し、他の各手段は制御手段39の指示に従って動作する。
一方43はランプ制御手段である。ランプ制御手段43はバス42を介して制御手段39に接続されており、制御手段39から与えられる指示値に応じた電圧で、ランプ21を点灯するように動作する。
また44は副走査方向の読み取りを行うための動力を発生する動力源であり、一般にはモータである。動力源44は動力源制御手段45に接続されており、また動力源制御手段45は制御手段にバス42を介して接続されている。従って制御手段39の指示に従い動力源44が所定の動作を行い、結果的に第一ミラー台15や第二ミラー台25がスキャン動作などを行う。
46は画像読取装置11の各所に設けられた検知手段であり、一般にはフォトインタラプタ等のセンサである。検知手段46は制御手段39のI/Oポートに接続されており、検知手段46の出力に応じて制御手段39は制御シーケンスのステップを進めたり、切り替えを行う。例えば検知手段46は第一ミラー台15の位置を検出するポジションセンサであり、制御手段39は検知手段46の出力に応じて動力源44を制御する事により、第一ミラー台15を所定の位置に移動するように制御している。
17は操作手段である。操作手段17もバス42を介して制御手段39に接続されている。使用者は操作部17から所望の動作を選択し、入力する。この入力信号は制御手段39に伝達され、制御手段39は画像読取装置11が操作手段17からの入力に応じた動作をするように、各手段の設定や制御を行う。
47は外部I/F部であり、画像処理手段38で処理された画像信号は外部I/F部47を介して外部へ出力される。また同様に同期信号や画像クロック等も、外部I/F部を介して入出力される。更に外部I/F部47は信号線を介して制御手段39に接続されており、制御手段39が外部I/F部47に接続された外部機器を制御可能にしているだけでなく、時には外部機器からの指示に従い、画像読取装置11が動作する事も可能にしている。
なお上記構成を用いて、標準白色板28を画像読取センサ27で読み取り、シェーディング補正データを作成する際に、上記動力源44を動作することにより標準白色板28の所定領域内をスキャンして、副走査方向に複数のライン分の画像データを得て、画像読取センサの各画素毎に順次平均値を算出し、該算出結果を持ってシェーディング補正データとする方法もある。この方式を「(単純)移動シェーディング」と呼ぶ。
上記移動シェーディングを行うことにより、標準白色板28の分光反射率の不均一や標準白色板28上に付着したゴミによるシェーディング補正データへの影響を少しでも緩和することが可能である。
(従来例2の説明)
「従来例1」の構成で移動シェーディングを行うことにより、標準白色板28上に付着したゴミがシェーディング補正データに及ぼす影響を緩和できることは述べた。しかしあまりにもゴミの影響が大きい場合には、シェーディング補正データにゴミが及ぼす影響を排除しきれない。ゴミの影響を受けた部分はシェーディング補正が正常に行われず、結果的に読み取った原稿の画像情報に影響が及ぶことも考えられる。
「従来例1」の構成で移動シェーディングを行うことにより、標準白色板28上に付着したゴミがシェーディング補正データに及ぼす影響を緩和できることは述べた。しかしあまりにもゴミの影響が大きい場合には、シェーディング補正データにゴミが及ぼす影響を排除しきれない。ゴミの影響を受けた部分はシェーディング補正が正常に行われず、結果的に読み取った原稿の画像情報に影響が及ぶことも考えられる。
本従来例2では、A/D変換器34から出力される画像データに対して、標準白色板28上のゴミによる影響を検出し、排除するための「ゴミデータ除去手段」を設けた構成の一例を述べる。
図8は、本従来例2の電気回路構成をあらわすブロック図である。従来例1に対する構成上の特徴は、ゴミデータ除去手段90が設けられていることである。ゴミデータ除去手段90は、ゴミデータ除去制御・演算手段91、フルラインメモリ92及び93から構成されている。各フルラインメモリ92及び93は主走査1ライン分の画像データを保持できる以上の容量を持っている。
フルラインメモリ92は、画像読取センサが読み取り動作を行っている主走査ラインの1ライン前の画像データを保持し、フルラインメモリ93はフルラインメモリ92に保持されている主走査ラインの更に1ライン前の画像データを保持している。
図9は、ゴミデータ除去手段90の動作原理の一例を表す図面である。
同図においてD(x,y)、主走査ライン内でx番目、副走査方向yライン目の画像データであることを示す。A/D変換器34からゴミデータ除去手段90に対して、画像データD(x,y)が入力されるのに同期して、ゴミデータ除去制御・演算手段91は、フルラインメモリ92から保持されている画像データ:D(x,y−1)を、フルラインメモリ93から保持されている画像データ:D(x,y−2)を読み出す。即ちゴミデータ除去制御・演算手段91は、D(x,y)と、D(x,y)と同じ主走査位置の、1主走査ライン前及び2主走査ライン前の画像データを取り込む。なお画像データを主走査1ラインずつ遅延させていくため、D(x,y)はフルラインメモリ92の所定のアドレス(画像データD(x,y−1)が保持されていたアドレス)へ、D(x,y−1)はフルラインメモリ93の所定のアドレス(画像データD(x,y−2)が保持されていたアドレス)に書き込まれる。
次にゴミデータ除去制御・演算手段91は、画像データ:D(x,y−1)がゴミの影響を受けているデータであるか否かを判定する。ここでは同図内に示した判定条件に従い、D(x,y−1)と、副走査方向に前後関係であるD(x,y)とD(x,y−2)との平均値に対する差分を求め、その絶対値が予め決められた判定値:α以上の場合、D(x,y−1)がゴミの影響を受けたデータであると判定する。この場合、ゴミデータ除去制御・演算手段91は、D(x,y)とD(x,y−2)との平均値を出力する。
一方D(x,y−1)がゴミの影響を受けていないデータであると判定された場合、ゴミデータ除去制御・演算手段91はD(x,y−1)をそのまま出力する。
この様に、着目する画像データがゴミの影響を受けていると判断された場合、その画素の副走査方向に前後関係にある画像データの平均値を代用することで、ゴミの影響を受けた画像データを削除している。
なおここでは説明のために主走査3ライン分のデータからゴミデータ判定・演算を行う構成・方法について述べたが、更に多い主走査ライン(例えば5ライン)のデータからゴミ判定・演算を行う構成・方法も周知である。
(従来例3の説明)
ゴミデータ除去手段の構成・方法が従来例2とは異なる例について説明する。
ゴミデータ除去手段の構成・方法が従来例2とは異なる例について説明する。
図10は、本従来例3の電気回路構成をあらわすブロック図である。ゴミデータ除去手段111は、ゴミデータ除去制御手段112とエリアメモリ113で構成される。
図11は、本実施例3で行うゴミデータ除去手段111の動作原理の一例を表す図面である。
ゴミデータ除去制御手段112は、移動シェーディング実行時に標準白色板28の所定のエリアをスキャンすることによって得られる画像データをすべて、エリアメモリ113に書き込む様に制御する。次にゴミデータ除去制御手段112はエリアメモリ113に保持されている画像データから、画像読取センサ27の素子毎に対応する複数の画像データについて、ヒストグラムを作成する。更にゴミデータ除去制御手段112は、各ヒストグラム毎に、頻度がピークとなる画像読取値から、予め決められた値:β以上離れた画像データをゴミデータと判断して、ヒストグラムから削除する。残された画像データの画像読取値と頻度から平均値を算出し、この結果を対応する画像読取センサの素子のシェーディング補正データとする。画像読取センサの全素子について、上記処理を行うことでシェーディング補正データが作成される。このシェーディング補正データを、バス42及びシェーディング補正制御手段35を介して、シェーディング補正データ保持手段36の、画像読取センサの各素子に対応するアドレスに書き込む。上記のような処理を行うことで、ゴミの影響を排除したシェーディング補正データを作成することが出来る。
特開2002−262035号公報
前述のように本件が対象とする画像読取装置は、画像読取センサが標準白色板を読み取る際の画像データを用いてシェーディング補正を行う構成になっている。従って基本的にシェーディング補正データに影響を及ぼすゴミの付着は許されない。シェーディング補正データがゴミの影響を受けると、読み取った画像に「シェーディングスジ」と呼ばれる福走査方向の線が入ってしまうからである。しかし画像読取センサの1素子が読み取る画素サイズは極めて微小であるため(例えば400[dpi]の場合、63.5[μm]×63.5[μm])、微小なゴミがシェーディング補正データに影響を及ぼす。標準白色板を作成する工程で、この様な微小のゴミを極力減らす努力は行われているが、完全に取り除くことは困難である。標準白色板上に残ったわずか1つのゴミがシェーディング補正データに影響を及ぼし、使用できない場合もある。従って標準白色板に対する要求が厳しくなり、結果的に標準白色板のコストアップにつながっている。
「従来例2」「従来例3」の構成は、上述の標準白色板上に付着したゴミがシェーディング補正データに影響を及ぼさないように、シェーディング補正データを取り込むときだけに作用する「ゴミデータ除去手段」を設けている。しかし両従来例ともゴミによる影響を受けた画像データを削除あるいは周囲の画像データから求めた値で代用するため、標準白色板上に付着したゴミの数が多くなると、ゴミの影響を排除した後のシェーディング補正データの信頼性が低下してしまう。従って標準白色板へのゴミの付着は、製造工程上管理しなければならない。また標準白色板を製造する工程の改善の結果、標準白色板に付着するゴミを減らすことは可能になっており、問題となるのはわずかに残った、シェーディング補正データに影響を及ぼすか否か判明しないゴミである。
ここで「従来例2」「従来例3」の構成を見直すと、標準白色板上に問題となるゴミが存在するかどうか、また存在する場合何処にあるかが不明であるため、シェーディング補正データを取り込む場合には、常時「ゴミデータ除去手段」を使用し、更に主走査方向全画素についてゴミデータ除去処理を行っている。このため「従来例2」の構成では、主走査1ライン分のデータを記憶できる容量を持つフルラインメモリが、少なくとも2組必要であり、「従来例3」の構成ではシェーディング補正データを取り込む際の全画像データを記憶できる容量を持つエリアメモリが必要となる。この結果「ゴミデータ除去手段」を構成する部品のコストが高くなり、画像読取装置全体のコストアップにもつながってしまう。
主走査1ラインを複数のエリアに等分し、該複数のエリアの中からゴミデータ除去処理が必要なエリアを選択する「エリア選択手段」を設け、エリア選択手段による選択結果に応じて、選択されたエリアについてのみゴミデータ除去処理を実行する用に構成する。
この結果、「従来例2」「従来例3」がゴミデータ除去処理のために必要としていたメモリ容量を低減することが出来る。
標準白色板を画像読取センサで副走査方向に移動しながら読み取る際の画像データをもとにシェーディング補正データを形成する画像読取装置のうち、シェーディング補正データ形成用に使用する全画像データに対してゴミデータ除去を行う画像読取装置について、主走査1ラインを複数のエリアに等分し、該複数のエリアからゴミデータ除去が必要なエリアを選択する手段を設け、該選択結果に基づいて選択されたエリアに対してのみゴミデータ除去処理を行う構成及び動作方法を用いることにより、ゴミデータ除去処理を行う際に必要とされるメモリ容量を低減することが可能となる。
この結果、ゴミデータ除去手段に必要なコストを低減することが可能になり、ついては画像読取装置全体のコストを低減することも可能になる。
(第1の実施例)
図1は、本件が対象とする画像読取装置の構成をあらわす外観図である。
図1は、本件が対象とする画像読取装置の構成をあらわす外観図である。
図1において、11は本件が対象とする画像読取装置、12は画像読取装置11の出力を印字する画像出力装置である。画像読取装置11の部分において、13は画像情報を持つ被写体、14は被写体13を支持するプラテンガラス、15はプラテンガラス14の下に設けられた第一ミラー台である。画像読取時には、第一ミラー台15が図中の矢印A方向に揺動する事で、被写体13の画像情報を副走査方向にスキャンする構成になっている。16は図中の矢印Bの方向に開閉動作が可能であり、被写体13をプラテンガラス14に圧着すると同時に、画像読取時に外光の影響を遮断する圧板である。17は使用者が画像読取装置11に対して、モードの設定や画像読取の指示を与えるための操作部である。19は本件の特徴である主走査分割エリア指示手段であり、操作部17内に設けられている。なお操作部17には、画像読取装置11からの情報を表示する表示手段も含む。
画像読取装置11と画像出力装置12とは、信号ケーブル18によって電気的に接続されている。
図2は画像読取装置の内部構成をあらわす図面である。
図2において、21は同図では図示しない被写体を照射するためのランプ、27は画像読取を行う画像読取センサである。22・23・24はランプ21によって照射された被写体からの反射光を画像読取センサ27へと導くための第一・第二・第三ミラーである。25は図中のA方向に移動可能に構成されている第二ミラー台である。第二ミラー23・第三ミラー24は第二ミラー台25に固定されている。26は第一・第二・第三ミラーによって導かれた被写体の反射光を画像読取センサ27に結像するためのレンズである。28は一様に所定の反射率を持つ標準白色板である。
画像読取センサ27の読取動作に応じて、図示しないメカ機構の作用により第一ミラー台15と第二ミラー台25が図中の矢印Aの方向に移動することにより、画像読取センサ27は被写体の画像情報を読み取ることができる。この時被写体と画像読取センサ7との距離が変化しないように、第二ミラー台25は第一ミラー台15の半分の速度で同一方向に移動する。標準白色板28は所定の一様な反射率を持つように構成されており、第一ミラー台15及び第二ミラー台25を移動することにより、画像読取センサ27の画像読取位置を標準白色板28に合せた時、画像読取センサ27からはランプ21による照度ばらつきと各画素センサの感度に応じた電圧が信号として出力される。この時の出力信号を基に、実際に画像読取を行う際の画像読取センサ27の各画素センサ間の出力を補正することで、シェーディングを補正することができる。一方同図から判るように画像読み取り動作の間、ランプ21による被写体の照射位置と画像読取センサ27による画像読取位置の相対位置関係は変化しないため、標準白色板28を読み取った時の画像読取センサ27の出力を用いて、画像読み取り動作中のシェーディング補正を行うことができる。
図3は本実施例が対象とする画像読取装置の電気回路構成をあらわすブロック図である。
図3において、31は画像処理部の各手段を駆動するための同期信号や駆動クロック信号を発生するためのタイミング信号発生手段、33はアナログ信号処理手段であり、画像読取センサ27から出力される画像信号に対してアナログ処理を行う、サンプルホールド回路・黒レベルクランプ回路・可変ゲインアンプ・黒レベルオフセット回路等を含む。34はアナログ信号処理手段33から出力されるアナログ画像信号をデジタル信号に変換するA/D変換器である。190は本実施例で使用するゴミデータ除去手段である。ゴミデータ除去手段190は、ゴミデータ除去制御・演算手段191、ラインメモリ192,193から構成されている。35はシェーディング補正制御手段である。シェーディング補正制御手段35にはシェーディング補正データ記憶手段36とシェーディング補正実行手段37が接続されており、上記手段を用いて、A/D変換器34から送られてくる画像信号に対して、シェーディング補正を行う。なお一般にシェーディング補正データ記憶手段36はRAMであり、シェーディング補正制御手段35の制御に従い、画像読取センサ27が本図では不図示の標準白色板28を読み取った時の画像信号をシェーディング補正データとして記憶し、被写体の画像情報を読み取る際にはシェーディング制御手段35を介してシェーディング補正実行手段37に対して出力する。一方シェーディング補正実行手段37は一般にROMもしくはRAMであり、シェーディング補正のためのLUTをデータとして保持している。シェーディング補正実行手段37は、シェーディング補正データ記憶手段36から送られてくるシェーディング補正データを用いて、A/D変換器34からシェーディング補正制御手段35を介して送られてくる画像信号に対して、シェーディング補正を実行し、結果をシェーディング補正制御手段35に出力する。
38は画像処理手段であり、シェーディング補正実行手段37からシェーディング補正制御手段35を介して送られてくるシェーディング補正後の画像信号に対して、エッジ強調や二値化等の画像処理を行い出力する。
39は画像読取装置11の制御を司る制御手段であり、一般にはCPUである。40は制御手段39の動作プログラムを保持するプログラム保持手段であり、一般にはROMである。41は各種設定値等を記憶するデータ保持手段であり、一般的にはRAMである。一般にデータ保持手段41は画像読取装置の電源が切られた時にも、内部に書き込まれたデータを消失しないように構成されている。
上記各手段はバス42を介して直接或いは間接的に接続されている。一般に制御手段39はプログラム保持手段40に書き込まれたプログラムに従って動作し、他の各手段は制御手段39の指示に従って動作する。
一方43はランプ制御手段である。ランプ制御手段43は制御手段39から与えられる指示に応じた電圧で、ランプ21を点灯するように動作する。
また44は図2の第一ミラー台15や第二ミラー台25を動かすための動力を発生する動力源であり、一般にはモータである。動力源44は動力源制御手段45に接続されており、また動力源制御手段45はバス42を介して制御手段39に接続されている。従って制御手段39の指示に従い動力源44が所定の動作を行い、結果的に第一ミラー台15や第二ミラー台25がスキャン動作などを行う。
46は画像読取装置11の各所に設けられた検知手段であり、一般にはフォトインタラプタ等のセンサである。検知手段46は制御手段39と接続されており、検知手段46の出力に応じて制御手段39は制御シーケンスのステップを進めたり、切り替えを行う。例えば検知手段46は第一ミラー台15の位置を検出するポジションセンサであり、制御手段39は検知手段46の出力に応じて動力源44を制御する事により、第一ミラー台15を所定の位置に移動するように制御している。
操作手段17もバス42を介して、制御手段39に接続されている。使用者は操作部17から所望の動作を選択し、入力する。この入力信号は制御手段39に伝達され、制御手段39は画像読取装置11が操作手段17からの入力に応じた動作をするように、各手段の設定や制御を行う。
19は本件の特徴をなす主走査分割エリア指示手段であり、バス42を介して制御手段39に接続されている。主走査分割エリア指示手段19を用いて選択された分割エリア情報は制御手段39に伝達され、制御手段39は選択された主走査分割エリアに対してゴミデータ除去手段190が動作するように、ゴミデータ除去手段90に対して制御信号を送る。
47は外部I/F部であり、画像処理手段38で処理された画像信号は外部I/F部47を介して外部へ出力される。また同様に同期信号等も、外部I/F部を介して入出力される。更に外部I/F47はバス42を介して制御手段39に接続されており、制御手段39が外部I/F部47に接続された外部機器を制御可能にしているだけでなく、時には外部機器からの指示に従い、画像読取装置11が動作する事も可能にしている。
本実施例の動作上の特徴はシェーディング補正データを取り込む際に、[従来例1]で述べた「(単純)移動シェーディング」の動作と[従来例2]で述べた「ゴミデータ除去」を併用した移動シェーディングを、主走査1ライン期間内で切り換えて動作することである。
主走査1ラインをN個のエリアに分割し、従来例で述べた原因(標準白色板28上に付着したゴミ)によって、画像情報に「シェーディングスジ」が現れている部分を含むエリアを、主走査分割エリア選択手段19で選択する。この選択されたエリアの情報は、制御手段39に伝達される。制御手段39は該選択情報に従い、主走査1ラインの期間の内、選択されたエリアに対応する期間だけ[従来例2]に記載した「ゴミデータ除去」動作を実行するように、ゴミデータ除去手段190に対して設定を行う。
図4は本実施例の動作内容を表す図面であり、主走査1ラインをエリア1からエリア8までの8つのエリアに等分した構成で、主走査分割エリア指示手段19により、エリア4が選択された場合を示す。同図に示したゴミデータ除去手段190のゴミデータ判定・除去手段191内に設けられた「ENABLE信号発生用カウンタ回路」は主走査1ラインの周期の内、エリア4に対応したタイミングで「ENABLE信号」をアクティブにする。同じゴミデータ判定・除去手段191内の「アドレスカウンタ回路」は、「ENABLE信号」がアクティブの場合にのみ動作するように構成されている。従ってゴミデータ除去手段190内のラインメモリ192,193にはエリア4に対応した画像データだけが書き込まれる。エリア4に対応した画像データは、「従来例2」に記述した方法で、ゴミデータの判定・除去が行われ、出力される。一方「ENABLE信号」がインアクティブの状態では、ゴミデータ除去手段190は動作せず、ゴミデータ除去手段190に入力された画像データD(x,y)はそのまま出力される。従ってシェーディング補正データを読み込む場合に、エリア4以外の部分では「従来例1」に示した(単純)移動シェーディングが実行され、エリア4の部分では「従来例2」に示したゴミデータ除去が行われた画像データを用いた(単純)移動シェーディングが実行される。
この様に分割された主走査1ラインの中から選択された1エリアについてのみゴミデータ除去手段190が動作するので、ゴミデータ除去手段190内で使用するラインメモリ192,193はそれぞれエリア1つ分の画像データを記憶し得るだけの容量があればよい。本実施例の場合、主走査1ラインを8等分しているので、「従来例2」の構成で必要なメモリ容量の1/8で済む。
本実施例の構成及び動作方法を使用することによって、ゴミデータ除去に必要なメモリ容量を低減することが可能であり、回路構成にかかるコストを低減することが可能である。
なお本実施例では、主走査1ラインを8等分してエリアを決めた場合を説明したが、更に主走査1ラインを細分化することも可能である。この場合ラインメモリ192,193に必要な容量は更に減らし得るので、更なるコスト低減も可能になる。
また本実施例では、主走査1ラインを8等分したエリアの内、1つのエリアを選択する場合の構成・方法について述べたが、複数のエリアを選択可能にし、また「ENABLE信号発生用カウンタ回路」が選択されたエリア毎に対応したタイミングで「ENABLE信号」をアクティブにする構成にし、更にラインメモリ192,193を主走査1ラインの中で選択可能なエリアの最大数(予め決めておく)の総和の画像データを記憶できる容量にすることで、主走査1ライン中の複数のエリアで「シェーディングスジ」が発生した場合にも対応できる。
(第2の実施例)
本実施例では、シェーディングデータを取り込む場合に、主走査1ラインを等分したエリアの内、選択されたエリアに対してのみ「従来例3」で述べたゴミデータ除去操作を実行する構成・及び方法について説明する。
本実施例では、シェーディングデータを取り込む場合に、主走査1ラインを等分したエリアの内、選択されたエリアに対してのみ「従来例3」で述べたゴミデータ除去操作を実行する構成・及び方法について説明する。
図5は本実施例で使用する電気回路構成を表すブロック図である。
なお、同一構成要素については同一番号を付記し、説明を省略する。
同図において、300は本実施例で使用するゴミデータ除去手段である。ゴミデータ除去手段300は、ゴミデータ除去制御手段301とエリアメモリ302で構成される。本ゴミデータ除去手段300は、「従来例3」で使用するゴミデータ除去手段111に、「実施例1」のゴミデータ除去手段190と同様に、主走査1ライン中の選択されたエリアに対応するタイミングでのみ動作し、ゴミデータ除去手段300内に設けられたエリアメモリ302に走査1ライン中の選択されたエリアに対応する画像データだけを順次書き込むように構成されている。
図6は本実施例の動作内容を示す図面である。
同図では説明のため、主走査1ラインを8等分した場合(エリア1〜エリア8)で、エリア4が選択された状況を想定している。
シェーディング補正データ取込のために移動シェーディングを実行すると、主走査1ライン中のエリア4に対応するタイミングで、ゴミデータ除去手段300内のゴミデータ判定・演算手段301に設けられた「ENABLE信号発生用カウンタ回路」の「ENABLE信号」をアクティブにする。この動作を画像読取センサが標準白色板28の所定のエリアを読み取っている間、各主走査ライン毎に繰り返す。「ENABLE信号」がアクティブの状態でのみ「アドレスカウンタ回路」が動作するように構成することで、主走査1ラインの画像データの内、エリア4に対応した画像データだけがエリアメモリ302に順次記憶される。なお「ENABLE信号」がインアクティブの時には、ゴミデータ除去手段300に入力された画像データD(x,y)はそのまま出力され、後段のシェーディング補正手段に送られ、「従来例1」で述べた(単純)移動シェーディングによりシェーディング補正データが作られる。移動シェーディングが終了すると、「従来例3」で述べた方法で、エリアメモリ302に記憶された画像データから、エリア4の部分のシェーディング補正データを作成する。このエリア4用のシェーディング補正データを、シェーディング補正データ記憶手段の、エリア4に対応する部分に上書きする。
この結果エリア4については、「従来例3」で述べた方法によるゴミデータ除去が行われたシェーディング補正データとなる。
本実施例の場合、主走査1ライン中の選択されたエリアについてのみゴミデータ除去を実行するので、説明に用いたように主走査1ラインを8等分する場合、エリアメモリ302に必要な容量は、「従来例3」でエリアメモリに要求された容量の1/8で済む。
本実施例の構成及び動作方法を使用することによって、ゴミデータ除去に必要なメモリ容量を低減することが可能であり、回路構成にかかるコストを低減することが可能である。
なお本実施例では、主走査1ラインを8等分してエリアを決めた場合を説明したが、更に主走査1ラインを細分化することも可能である。この場合エリアメモリ301に必要な容量は更に減らし得るので、更なるコスト低減も可能になる。
また本実施例では、主走査1ラインを8等分したエリアの内、1つのエリアを選択する場合の構成・方法について述べたが、複数のエリアを選択可能にし、また「ENABLE信号発生用カウンタ回路」が選択されたエリア毎に対応したタイミングで「ENABLE信号」をアクティブにする構成にし、更にエリアメモリ301を主走査1ラインの中で選択可能なエリアの最大数(予め決めておく)の総和の画像データを記憶できる容量にすることで、主走査1ライン中の複数のエリアで「シェーディングスジ」が発生した場合にも対応できる。
Claims (4)
- 均一な反射率を有する標準白色板を、原稿の画像情報を読み取るための画像センサで読み取った際の画像情報をもとにシェーディング補正データを形成する画像読取装置で、シェーディング補正データを形成する際に該標準白色板の所定の領域を移動しながら読み取り、かつこの結果得られた画像データに対して、該標準白色板上に付着したゴミの影響を取り除く「ゴミデータ除去」を行う画像読取装置において、主走査1ラインを複数のエリアに等分し、該複数のエリアの中から、ゴミデータ除去処理を行うエリアを選択する「エリア選択手段」を備えたことを特徴とする画像読取装置。
- エリア選択手段による選択結果に基づいて、選択されたエリアに対してのみゴミデータ処理を実行することを特徴とする、請求項1に記載の画像読取装置。
- ゴミデータ処理を行う領域を限定することによって、ゴミデータ除去処理を実行する際に必要なメモリ容量を低減したことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
- 主走査1ラインの中で、選択された領域に対してのみゴミデータ除去処理を行い、非選択の領域については、画像読取センサの同一素子が読み取った複数の画像データの平均値を用いてシェーディング補正データを形成することを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項3に記載の画像読取装置。
Priority Applications (1)
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JP2004294859A JP2006109219A (ja) | 2004-10-07 | 2004-10-07 | 画像読取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=36378398
Family Applications (1)
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Country | Link |
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-
2004
- 2004-10-07 JP JP2004294859A patent/JP2006109219A/ja not_active Withdrawn
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