JP2006108418A - 熱電材料の製造方法および熱電素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子冷却や熱電発電に利用されている熱を電気に変換する熱電材料および熱電材料の作製方法に関するものであり、熱電材料の熱間塑性加工において、クラックが生じず歩留まりの良い塑性加工品を作製するとともに、均一で微細な結晶をもつ熱電材料の作製方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ビスマス、アンチモン、テルル、セレンからなる群から少なくとも二つ以上を含有した熱電材料の製造方法であって、結晶粒径が0.01〜500μmである熱電材料を素材とし、熱間塑性変形を行うことを特徴とする熱電材料の製造方法であって、熱間塑性加工後の熱電材料はスムーズに塑性変形し、クラックも生じず、歩留まりの優れた熱電材料を得ることができる。また、均一な組織を有するため、安定した性能の熱電材料を得ることができる。
【選択図】図2
【解決手段】ビスマス、アンチモン、テルル、セレンからなる群から少なくとも二つ以上を含有した熱電材料の製造方法であって、結晶粒径が0.01〜500μmである熱電材料を素材とし、熱間塑性変形を行うことを特徴とする熱電材料の製造方法であって、熱間塑性加工後の熱電材料はスムーズに塑性変形し、クラックも生じず、歩留まりの優れた熱電材料を得ることができる。また、均一な組織を有するため、安定した性能の熱電材料を得ることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、熱を電気に変換する熱電材料の製造方法および熱電素子に関するものである。
一般に、熱電素子は、P型半導体とN型半導体を、Cu等の金属電極を介して電気的に直列に接合し、電流を流すことにより一方の面が発熱し、一方の面が冷却する。また、電流の向きを反対にすると発熱と冷却も反対になる。
このようなペルチェ効果あるいはゼーベック効果を利用した熱電素子は、電子冷却や熱電発電に利用されている。具体的には、センサー素子や光素子、LSI基板などの半導体回路、宇宙ステーションで使用される電子機器の冷却、あるいはレーザーダイオード等の精密温度制御が要求されるところに使用されている。
熱電材料には多くの系が存在するが、中でもテルル化ビスマス(Bi2Te3)、セレン化ビスマス(Bi2Se3)及びテルル化アンチモン(Sb2Te3)のような熱電材料は室温付近で使用できる材料である。Bi2Te3系の化合物は菱面体結晶の単位胞中にBiとTeの原子をそれぞれ2と3個を含む層状構造で物理的性質に大きな異方性を持つ。
この構造は六方晶表示のc軸方向にTe原子層の重なりが3組存在し、このTe−Te原子の結合はファン・デル・ワールス結合のため、共有結合やイオン結合およびそれらの混合結合で結合した他の原子間の結合より著しく弱く容易に劈開する。また、C軸方向に垂直(C面に平行)な方向で電気特性が高い。熱電材料の特性を表す性能指数Zは(数1)で示すようにゼーベック係数αの2乗と電気伝導率σの積を熱伝導率κで割った数式1で表される。
また、C面方向では性能指数も高くなる。
一般にBi2Te3化合物のような異方性材料はブリッジマン法等で一方向凝固させて作製する。これらは結晶の配向性が整っている。
しかし、前述の異方性材料は、Te−Te原子の結合が、ファン・デル・ワールス結合のため材料強度も脆く、劈開しやすいため、素子化する際の加工時に割れやすいという問題がある。
そこで、焼結法や塑性加工といった手段を用い、機械的特性が優れた熱電材料の作製法が提案された(例えば特許文献1参照)。
そして、さらに結晶配向性が高く、かつ十分な強度をもつ熱電材料の作製法として、塑性変形加工により一方向凝固材料を加工する作製方法も提案された(例えば特許文献2参照)。
図3は特許文献2に記載された従来の熱間押出加工の工程を示す概略図である。図3に示すように、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種の元素とを含む組成又はこれにI、Cl、Hg、Br、Ag及びCuからなる群から選択された少なくとも1種の元素を含む組成の熱電材料の素材20を用意する。この素材20は丸棒であり、C軸方向が長手方向に直交し、C面方向が一方向に揃ったものである。このような素材は例えば、一方向凝固法により作製することができる。
この素材20を、ダイス21により素材の長手方向に押出加工する。この場合に、通常、押出加工においては、素材を軟化させるために、ヒーター52により押出加工時の素材を加熱するが、このとき、加熱温度は加工後の熱電材料23が再結晶しない程度のものとする。そうすると、C面方向が一方向に揃った素材20を押出加工するので、押出後の材料23は、そのC面方向が一方向に揃ったままで、結晶粒が微細化する。これにより、押出前の素材20に対して、結晶粒が微細化する。これにより、押出前の素材20に比して、押出後の材料23は、熱伝導率κが低下し、電気抵抗ρは変化しない。
特開昭62−264682号公報
特開平11−163422号公報
しかしながら、上記従来の構成では、押出加工前の素材20の結晶方向は揃っているが、結晶自体の粒径が一方向凝固材であると数mmから数十mmと非常に大きいため、押出加工の際に結晶が滑りにくくなり、クラックが生じるなど、歩留まりが悪くなる。
また、押出加工による塑性変形で動的再結晶化による結晶の微細化効果も見られるが、ところどころ大きな結晶が残りやすく、性能にバラツキが生じる問題があった。
本発明は、熱電材料の熱間塑性加工において、クラックが生じることがなく、歩留まりの良い塑性加工品を作製するとともに、均一で微細な結晶をもつ熱電材料の作製方法を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の熱電材料の作製方法は、ビスマス、アンチモン、テルル、セレンからなる群から少なくとも二つ以上を含有した熱電材料の製造方法であって、結晶粒径が0.01〜500μmである熱電材料を素材とし、熱間塑性変形を行うことを特徴とするものである。
これによって、熱間塑性加工により熱電材料はスムーズに塑性変形し、クラックも生じず、歩留まりの優れた熱電材料を得ることができる。また、均一な組織を有するため、安定した性能の熱電材料を得ることができる。
また、本発明は、ビスマス、アンチモン、テルル、セレンからなる群から少なくとも二つ以上を含有した熱電材料、具体例としてBi2Te3、Bi2Se3、Sb2Te3といった熱電材料の単体もしくは固溶体の熱電材料は、熱間塑性加工によりC面が配向するため、歩留まりが良く、均質であるとともに、性能の向上を図ることができる。
また、本発明の熱電材料の作製方法は、前記結晶粒径が0.01〜500μmの熱電材料を、粉末圧粉体としたもので、粉末圧粉体とすることで、取り扱い性が増すと共に、外気との接触面積を減らすことで、酸素や水分の影響を減らすことができ、より熱電性能が高い熱電材料となる。
また、本発明の熱電材料の作製方法は、前記結晶粒径が0.01〜500μmである熱電材料を、焼結体としたもので、焼結体とすることで、取り扱い性が増すと共に、粉末圧粉体よりも外気との接触面積を減らすことでき、酸素や水分の影響を減らすことができる。
また、本発明の熱電材料の作製方法は、前記熱間塑性変形を、熱間圧延加工としたもので、熱間圧延加工では、展延方向にC面が配向し、歩留まりが良く、均質な高性能熱電材料を作製することができる。
また、本発明の熱電材料の作製方法は、前記熱間塑性変形を、熱間押出加工としたもので、熱間押出加工では、押出方向と平行な方向にC面が配向し、歩留まりが良く、均質で、さらに高性能熱電材料を作製することができる。
また、本発明の熱電材料の製造方法により作製した熱電材料は、C面と平行な方向に電流が流れるように熱電素子を作製しているため、高性能な熱電素子を提供することができる。
本発明の熱電材料の製造方法は、従来の課題を解決するもので、ビスマス、アンチモン、テルル、セレンからなる群から少なくとも二つ以上を含有した熱電材料は、熱間塑性加工によりC面が配向するため、歩留まりが良く、均質であるとともに、性能の向上を図ることができる。
さらに、この熱間塑性加工において、結晶粒径が0.01〜500μmである熱電材料を素材とし、熱間塑性変形を行うことで、クラックが生じず歩留まりの良い塑性加工品を作製するとともに、均一で微細な結晶をもつ熱電材料を作製することができる。
請求項1に記載の発明は、ビスマス、アンチモン、テルル、セレンからなる群から少なくとも二つ以上を含有した熱電材料の製造方法であって、結晶粒径が0.01〜500μmである熱電材料を素材とし、熱間塑性変形を行う熱電材料の製造方法である。
かかる熱電材料の製造方法は、熱間塑性加工後の熱電材料がスムーズに塑性変形し、クラックも生じず、歩留まりの優れた熱電材料を得ることができる。また、均一な組織を有するため、安定した性能の熱電材料を得ることができる。また、ビスマス、アンチモン、テルル、セレンからなる群から少なくとも二つ以上を含有した熱電材料、具体例としてBi2Te3、Bi2Se3、Sb2Te3といった熱電材料の単体もしくは混晶系固溶体の熱電材料は、熱間塑性加工によりC面が配向するため、歩留まりが良く、均質であるとともに、性能の向上を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、前記熱電材料を、結晶粒径が0.01〜500μmの範囲で、かつ粉末圧粉体としたものである。
このように、熱電材料を粉末圧粉体とすることで、取り扱い性が増すと共に、外気との接触面積を減らすことで、酸素や水分の影響を減らすことができ、より熱電性能が高い熱電材料となる。
請求項3に記載の発明は、前記熱電材料を、結晶粒径が0.01〜500μmの範囲で、かつ焼結体としたものである。
このように、熱電材料を焼結体とすることで、取り扱い性が増すと共に、粉末圧粉体よりも外気との接触面積を減らすことでき、酸素や水分の影響を減らすことができ、さらに熱電性能が高い熱電材料となる。
請求項4に記載の発明は、前記熱間塑性変形を、熱間圧延加工で行うようにしたものである。
このように、熱間圧延加工では、展延方向にC面が配向し、歩留まりが良く、均質な性能を有する高性能熱電材料を作製することができる。
請求項5に記載の発明は、前記熱間塑性変形を、熱間押出加工で行うようにしたものである。
このように、熱間押出加工では、押出方向と平行な方向にC面が配向し、歩留まりが良く、均質な性能で、さらに高性能熱電材料を作製することができる。
請求項6に記載の発明は、前記C面と平行な方向に電流が流れるように作製したものである。
このように、C面と平行な方向に電流が流れるように熱電素子を作製することで、高性能な熱電素子を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における熱間圧延加工の工程を示す概略図である。図1に示すように、本実施の形態1における熱間圧延加工の工程は、ダイス1とパンチ2と結晶粒径が0.01〜500μmである熱電材料の粉末圧粉体3と熱間圧延加工によって圧延された圧延体4とで構成されている。図1の(a)は熱間圧延加工前の状態を、(b)は熱間圧延加工後の状態を表している。
図1は本発明の実施の形態1における熱間圧延加工の工程を示す概略図である。図1に示すように、本実施の形態1における熱間圧延加工の工程は、ダイス1とパンチ2と結晶粒径が0.01〜500μmである熱電材料の粉末圧粉体3と熱間圧延加工によって圧延された圧延体4とで構成されている。図1の(a)は熱間圧延加工前の状態を、(b)は熱間圧延加工後の状態を表している。
以上のように構成された熱間圧延工程について、具体例を用いてその動作を説明する。
まず、ダイス1中にパンチ2で上下を挟む形で、結晶粒径が0.01〜500μmの熱電材料粉末の粉体圧粉体3を設置する。
前記熱電材料の原料としては、V族元素であるSbやBiを、VI族元素であるSeやTeとを合金化して用いる。V族元素とVI族元素の固溶体は、六方晶構造を有する。熱電材料の具体的な組成としては、P型熱電材料として、Bi2Te3とSb2Te3との混晶系固溶体にP型のドーパントを添加して用いたり、N型熱電材料として、Bi2Te3とBi2Se3との混晶系固溶体にN型のドーパントを添加して用いる。
次に、昇温装置(図示せず)にて昇温後、パンチ2を上下方向から一方向加圧する事で、粉体圧粉体3は加圧方向と垂直方向に展延され、圧延体4が得られる。
以上のようにして得られた熱電材料は、粉末圧粉体が溶製材のように結晶粒径が大きくないため、熱間塑性加工により熱電材料はスムーズに塑性変形し、クラックも生じず、歩留まりの優れた熱電材料を得ることができる。また、均一な組織を有するため、安定した性能の熱電材料を得ることができる。
さらに、Bi2Te3系の熱電材料は、展延方向にC面の結晶配向性が揃うことにより、性能指数が向上する効果も有する。
熱電材料粉末の作製方法としては、メカニカルアロイング法、インゴットの熱電材料を機械的に粉砕するメカニカルグラインディング法、電気析出法、ガスアトマイズ法など種々存在するが、一つに限定されるものではない。
得られた熱電材料粉末を篩により、500μm以下の粉末に分級する。熱電材料の結晶粒径は500μm以下であれば十分に効果は得られるが、平均粒度分布が均一なほど均質性は増し、また、粒径が小さいほど、熱伝導率が低下し、かつ押出後の相対密度が増加し、より好ましい。
また、粒径が0.01μmより小さな粒子については、通常の粉砕および分級を行っても非常に微量ながら混入する。これを0.01μmより小さな粒子を選択的に分級するためには、多大な時間とエネルギーとコストが必要となるため、実際には非常に困難である。
しかし、0.01μmより小さな粒子が微量混入しても発明の効果に影響はせず、逆に、0.01μmより小さな粒子を集めることは、コスト的に意味がない。
また、熱電材料粉末は表面積が増加するため、表面酸化されやすい。従って、水素還元等により、表面の還元処理を施す方がより好ましい。
熱電材料粉末は治具を用いて加圧し、粉体圧粉体を作製する。加圧は一軸加圧でも冷間等方加圧装置(CIP)などの等方向加圧でも良い。
また、粉体圧粉体をさらにホットプレスや熱間等方加圧装置(HIP)、放電プラズマ焼結法(SPS)等を用いて焼結し、焼結体にしても構わない。
さらに、圧延体4を展延方向に平行な方向に電流が流れるように加工し、素子を作製することで、材料強度に優れ、製造時の歩留まりも高く、また均質な性能の高性能熱電素子とすることができる。
さらに、熱間圧延工程の際、圧延温度は473K以上823K以下で行うことにより、熱間圧延が良好に行われ、展延方向に結晶配向性が向上するとともに、動的再結晶化により成型品の結晶粒はより微細化され熱伝導率もより低減し、より高性能の熱電材料とすることができる。
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2における熱間押出加工の工程を示す概略図である。図2に示すように、本実施の形態2における熱間押出工程は、ダイス5とダイス5の中に結晶粒径が0.01〜500μmの焼結体6とパンチ7とがあり、ダイス5の回りをヒーター8で取り囲み、加圧装置9がパンチ7を上部から加圧するようになっており、加圧後、押出成型品10がダイス5の下部から押し出されるように構成されている。
図2は本発明の実施の形態2における熱間押出加工の工程を示す概略図である。図2に示すように、本実施の形態2における熱間押出工程は、ダイス5とダイス5の中に結晶粒径が0.01〜500μmの焼結体6とパンチ7とがあり、ダイス5の回りをヒーター8で取り囲み、加圧装置9がパンチ7を上部から加圧するようになっており、加圧後、押出成型品10がダイス5の下部から押し出されるように構成されている。
熱電材料の原料としては、V族元素であるSbやBiを、VI族元素であるSeやTeとを合金化して用いる。V族元素とVI族元素の固溶体は、六方晶構造を有する。熱電材料の具体的な組成としては、P型熱電材料として、Bi2Te3とSb2Te3との混晶系固溶体にP型のドーパントを添加して用いたり、N型熱電材料として、Bi2Te3とBi2Se3との混晶系固溶体にN型のドーパントを添加して用いる。
以上のように構成された熱間押出工程について、以下その動作、作用を説明する。まず、ダイス5をヒーター8で所定の温度にまで加熱する。所定の温度に達した後、ダイス5内に焼結体6を入れ、その上にパンチ7を設置する。焼結体6の温度が上昇するまで数分間放置後、加圧装置9にてパンチ6を押出方向に加圧する。それによりダイス5の下部から、押出成型品10が押し出される。
以上のようにして得られた熱電材料は、焼結体が溶製材のように結晶粒径が大きくないため、熱間押出加工により熱電材料はスムーズに塑性変形し、クラックも生じず、歩留まりの優れた熱電材料を得ることができる。また、均一な組織を有するため、安定した性能の熱電材料を得ることができる。
さらに、Bi2Te3系の熱電材料は、押出方向にC面の結晶配向性が揃うことにより、性能指数が向上する効果も有する。
熱電材料粉末の作製方法としては、メカニカルアロイング法、インゴットの熱電材料を機械的に粉砕するメカニカルグラインディング法、電気析出法、ガスアトマイズ法など種々存在するが、一つに限定されるものではない。
得られた熱電材料粉末を篩により、500μm以下の粉末に分級する。熱電材料の結晶粒径は500μm以下であれば十分に効果は得られるが、平均粒度分布が均一なほど均質性は増し、また、粒径が小さいほど、熱伝導率が低下し、かつ押出後の相対密度が増加し、より好ましい。
また、粒径が0.01μmより小さな粒子については、通常の粉砕および分級を行っても非常に微量ながら混入する。これを0.01μmより小さな粒子を選択的に分級するためには、多大な時間とエネルギーとコストが必要となるため、実際には非常に困難である。しかし、0.01μmより小さな粒子が微量混入しても発明の効果に影響はせず、逆に、0.01μmより小さな粒子を集めることは、コスト的に意味がない。
また、熱電材料粉末は表面積が増加するため、表面酸化されやすい。従って、水素還元等により、表面の還元処理を施す方がより好ましい。
熱電材料粉末は治具を用いて加圧し、粉体圧粉体を作製する。加圧は一軸加圧でも冷間等方加圧装置(CIP)などの等方向加圧でも良い。
そして、粉体圧粉体をさらにホットプレスや熱間等方加圧装置(HIP)、放電プラズマ焼結法(SPS)等を用いて焼結する。本実施の形態2では、焼結体を用いたが、粉末圧粉体を用いても構わない。
さらに、押出成型品10を押出方向に平行な方向に電流が流れるように加工し素子を作製することで、材料強度に優れ、製造時の歩留まりも高く、また均質な性能の高性能熱電素子とすることができる。
また、熱間押出工程の際、押出温度は473K以上823K以下で行うことにより、熱間押出成形がさらに良好に行われ、動的再結晶により成型品の結晶粒はより微細化され熱伝導率もより低減し、より高性能の熱電材料とすることができる。
以上のように本発明にかかる熱電材料の製造方法および熱電素子は、ビスマス、アンチモン、テルル、セレンからなる群から少なくとも二つ以上を含有した熱電材料の製造方法であって、結晶粒径が0.01〜500μmである熱電材料を素材とし、熱間塑性変形を行うことを特徴とすることで、熱間塑性加工後の熱電材料はスムーズに塑性変形し、クラックも生じず、歩留まりの優れた熱電材料を得ることができる。また、均一な組織を有するため、安定した性能の熱電材料を得ることができる。また、ビスマス、アンチモン、テルル、セレンからなる群から少なくとも二つ以上を含有した熱電材料、具体例としてBi2Te3、Bi2Se3、Sb2Te3といった熱電材料の単体もしくは混晶系固溶体の熱電材料は、熱間塑性加工によりC面が配向するため、歩留まりが良く、均質であるとともに、性能の向上を図ることができる。
また、熱間塑性加工で作製した熱電材料をC面と平行な方向に電流が流れるように熱電素子を作製することで、より電流が流れやすい方向に電流を流すことで、より高い熱電性能を有する熱電素子とすることが可能となり、センサー素子や光素子、LSI基板などの半導体回路、宇宙ステーションで使用される電子機器の冷却、レーザーダイオード等の精密温度制御、熱電発電等の用途にも適用できる。
1 ダイス
2 パンチ
3 粉体圧粉体
4 圧延体
5 ダイス
6 焼結体
7 パンチ
8 ヒーター
9 加圧装置
10 押出成型品
2 パンチ
3 粉体圧粉体
4 圧延体
5 ダイス
6 焼結体
7 パンチ
8 ヒーター
9 加圧装置
10 押出成型品
Claims (6)
- ビスマス、アンチモン、テルル、セレンからなる群から少なくとも二つ以上を含有した熱電材料の製造方法であって、結晶粒径が0.01〜500μmである熱電材料を素材とし、熱間塑性変形を行う熱電材料の製造方法。
- 前記熱電材料は、結晶粒径が0.01〜500μmの範囲で、かつ粉末圧粉体である請求項1に記載の熱電材料の製造方法。
- 前記熱電材料は、結晶粒径が0.01〜500μmの範囲で、かつ焼結体である請求項1に記載の熱電材料の製造方法。
- 前記熱間塑性変形を、熱間圧延加工で行うようにした請求項1から3のいずれか一項に記載の熱電材料の製造方法。
- 前記熱間塑性変形を、熱間押出加工で行うようにした請求項1から3のいずれか一項に記載の熱電材料の製造方法。
- 請求項1から5いずれか一項に記載の熱電材料の製造方法により作製した熱電材料で、C面と平行な方向に電流が流れるように作製した熱電素子。
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