JP2006108412A - フレキシブルプリント基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特にフレキシブルプリント基板の折り曲げ性と非タック性(非粘着性)の双方を向上させることが可能なフレキシブルプリント基板を提供することを目的としている。
【解決手段】 フレキシブルプリント基板1の保護膜4を2層で形成し、前記保護膜の最下層となる第1の保護膜4aを、前記保護膜の最上層となる第2の保護膜4bに比べて折り曲げ性に優れ、前記第2の保護膜4bを前記第1の保護膜4aに比べて非タック性に優れる材質で形成する。このように前記第1の保護膜4aに、良好な折り曲げ性を持たせ、前記第2の保護膜4bに良好な非タック性を持たせることで、前記フレキシブルプリント基板1の折り曲げ性と非タック性(非粘着性)の双方を向上させることが可能になる。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えばデジタルカメラ,携帯電話等の電子機器に搭載されるフレキシブルプリント基板に係り、特に前記フレキシブルプリント基板の折り曲げ性と非タック性(非粘着性)の双方を向上させることが可能なフレキシブルプリント基板に関する。
フレキシブルプリント基板は、可撓性の絶縁基板上に導電パターンが形成された構造で、さらに前記導電パターン上は、接続端子となる箇所を除いて通常、樹脂などの保護膜でおおわれている。
公知文献として以下の2つを挙げる。特許文献1(特開平7−321449号公報)は、フレキシブルプリント基板の耐屈曲性を向上させるといった発明で、特許文献2(特開平11−140393号公報)は、フレキシブルプリント基板の接続端子部等を部分メッキする際の、非メッキ部分をマスクするために用いるメッキマスク用粘着フィルムに関する発明である。
特開平7−321449号公報 特開平11−140393号公報
従来のフレキシブルプリント基板の構造では次のような問題点があった。すなわち前記電子機器内に設けられたコネクタ部と前記フレキシブルプリント基板との配置によって、可撓性のフレキシブルプリント基板を折り曲げて前記コネクタ部に接続させることがあるため、前記フレキシブルプリント基板に良好な折り曲げ性が必要とされる。
また前記フレキシブルプリント基板を電子機器内に引き回すときに、前記フレキシブルプリント基板の表面がべたついていると、前記フレキシブルプリント基板が電子機器内の構成部材や他のフレキシブルプリント基板にくっついてしまったり、あるいは前記フレキシブルプリント基板を電子機器から取り外すときに表面がべたついていると外しにくく、またべたつくことで前記フレキシブルプリント基板とくっついた電子機器内の構成部材を破損させる等の可能性もある。このため前記フレキシブルプリント基板には良好な非タック性(非粘着性)が求められる。
また前記フレキシブルプリント基板が可動コイル等、可動部材に接続されるものであると、前記フレキシブルプリント基板は可動部材の可動時、常に電子機器内を移動することになるため、さらに良好な折り曲げ性と非タック性とが求められる。
しかし、従来から前記導電パターン上を覆う保護膜として使用される樹脂には、良好な折り曲げ性と非タック性の双方を満足するものが無かった。
上記した特許文献1は、耐屈曲性を確保するためのものであるが、非タック性については何ら言及していない。また特許文献2は、非メッキ部分をマスクするためのメッキマスク用粘着フィルムに関する発明で、保護膜の折り曲げ性と非タック性の双方を向上させるといった観点は開示されていない。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特にフレキシブルプリント基板の折り曲げ性と非タック性(非粘着性)の双方を向上させることが可能なフレキシブルプリント基板を提供することを目的としている。
本発明は、絶縁基板上に導電パターンが形成され、さらに前記導電パターン上に保護膜が形成されたフレキシブルプリント基板において、
前記保護膜は少なくとも2層以上で形成され、前記保護膜の最下層となる第1の保護膜は、前記保護膜の最上層となる第2の保護膜に比べて折り曲げ性に優れ、前記第2の保護膜は前記第1の保護膜に比べて非タック性に優れることを特徴とするものである。
本発明では、上記のように、第1の保護膜に、良好な折り曲げ性を持たせ、前記第2の保護膜に良好な非タック性を持たせることで、前記フレキシブルプリント基板の折り曲げ性と非タック性(非粘着性)の双方を向上させることが可能になる。
本発明では、前記保護膜は2層で形成され、前記導電パターン上に前記第1の保護膜が形成され、前記第1の保護膜上に重ねて前記第2の保護膜が形成される構成であることが好ましい。
また本発明では、前記第2の保護膜は前記第1の保護膜に比べて薄いことが好ましい。これにより適切に折り曲げ性を向上させることが出来る。
本発明では、前記第1の保護膜のガラス転移温度(Tg1)は、前記第2の保護膜のガラス転移温度(Tg2)に比べて低いことが好ましい。具体的には、前記第1の保護膜のガラス転移温度(Tg1)は、−10℃〜30℃の範囲内であることが好ましい。また、前記第2の保護膜のガラス転移温度(Tg2)は35℃〜50℃の範囲内であることが好ましい。これにより前記第1の保護膜の折り曲げ性を適切に向上させることが出来るとともに、前記第2の保護膜の非タック性を向上させることができる。
また、前記第1の保護膜は、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリエステル・ポリウレタン、ポリエーテル・ポリウレタン、ポリカーボネート・ポリウレタンのうちいずれかを主体として形成されることが好ましい。
また、前記第2の保護膜は、主として、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリエステル・ポリウレタン、ポリエーテル・ポリウレタン、ポリカーボネート・ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂のうちいずれかを主体として形成されることが好ましい。
本発明は、フレキシブルプリント基板の保護膜を少なくとも2層以上で形成し、前記保護膜の最下層となる第1の保護膜を、前記保護膜の最上層となる第2の保護膜に比べて折り曲げ性に優れ、前記第2の保護膜を前記第1の保護膜に比べて非タック性に優れる材質で形成する。
このように前記第1の保護膜に、良好な折り曲げ性を持たせ、前記第2の保護膜に良好な非タック性を持たせることで、前記フレキシブルプリント基板の折り曲げ性と非タック性(非粘着性)の双方を向上させることが可能になる。
図1は本発明におけるフレキシブルプリント基板の部分斜視図、図2は図1に示すII−II線から切断し、その切断面を矢印方向から見た前記フレキシブルプリント基板の部分拡大断面図、図3は図2に示すフレキシブルプリント基板の使用例を示す部分拡大断面図、である。
図1に示すフレキシブルプリント基板1は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂やポリイミド樹脂等の可撓性を有する絶縁基板2上に、導電パターン3が印刷等により形成されてなる。
図1に示すように前記フレキシブルプリント基板1の先端部1aを除く領域には、前記導電パターン3上を覆うように保護膜4が形成され、前記先端部1aから前記導電パターン3が露出している。露出した前記導電パターン3は接続端子3aとなる。前記保護膜4はスクリーン印刷等により形成され、所定の加熱工程に付され硬化させられている。
図1,図2に示すように前記保護膜4は第1の保護膜4aと第2の保護膜4bの2層構造からなる。前記第1の保護膜4aは前記導電パターン3上から前記導電パターン3,3間に露出する絶縁基板2上を覆う前記保護膜4の最下層であり、前記第2の保護膜4bは前記第1の保護膜4a上を覆い前記保護膜4の表面層を担う最上層である。
前記第1の保護膜4aは前記第2の保護膜4bに比べて良好な折り曲げ性を有する。ここで「良好な折り曲げ性」とは、後で説明する屈曲試験によって、折曲抵抗変化量(ΔR)が所定値以下のものを指す。本発明では、前記折曲抵抗変化量(ΔR)は例えば4Ω以下であることが好ましいが、この数値は、材質・サイズ・膜厚等を考慮して決定される。
一方、前記第2の保護膜4bは前記第1の保護膜4aに比べて良好な非タック性を有する。「タック性」とはべたつき易さであるから「非タック性」とはべたつき難さである。前記第2の保護膜4bの「非タック性」が良好であるということは前記保護膜4の表面がべたつかず滑らかであるということである。前記「非タック性」は、後述するタック強度試験によって、タック強度が所定値以下のものを指す。本発明では、前記タック強度は20gf以下(=約196mN)であることが好ましいが、この数値は、材質・サイズ・膜厚等を考慮して決定される。
上記のように第1の保護膜4aに良好な折り曲げ性を持たせ、一方、第2の保護膜4bに良好な非タック性を持たせるように調整する方法としては、前記保護膜4a,4bのガラス転移温度(Tg)を調整すればよい。
本発明では、前記第1の保護膜4aのガラス転移温度(Tg1)は、前記第2の保護膜4bのガラス転移温度(Tg2)に比べて低くなっている。
前記ガラス転移温度(Tg)を低くすると、タック強度は大きくなり非タック性は低下するが、軟質化し前記折曲抵抗変化量(ΔR)を小さくすることができ、折り曲げ性を良好に出来る。一方、前記ガラス転移温度(Tg)を大きくすると、硬質化し前記折曲抵抗変化量(ΔR)は大きくなり折り曲げ性は低下するが、タック強度を小さくでき非タック性を良好に出来る。
本発明では、前記第1の保護膜4aのガラス転移温度(Tg1)は、−10℃〜30℃の範囲内であることが好ましい。前記ガラス転移温度(Tg1)をこの範囲内に収めることで、前記第1の保護膜4aの前記折曲抵抗変化量(ΔR)を3Ω以下に抑えることが出来る。より好ましくは前記ガラス転移温度(Tg1)を25℃以下にする。前記ガラス転移温度(Tg1)を25℃以下にするとタック強度が非常に大きくなる。すなわち前記第1の保護膜4a表面の粘着が大きくなるため前記第2の保護膜4bとの接合を強固に出来る。
また前記第2の保護膜4bのガラス転移温度(Tg2)は35℃〜50℃の範囲内であることが好ましい。これにより前記タック強度を10gfよりも小さく出来る。より好ましくは前記ガラス転移温度(Tg2)を40℃以上にすることである。これにより前記タック強度を5gf以下に抑えることが出来る。
本発明では、前記第1の保護膜4aは、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリエステル・ポリウレタン、ポリエーテル・ポリウレタン、ポリカーボネート・ポリウレタンのうちいずれかを主体として形成されることが好ましい。また、本発明では前記第2の保護膜4bは、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリエステル・ポリウレタン、ポリエーテル・ポリウレタン、ポリカーボネート・ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂のうちいずれかを主体として形成されることが好ましい。なお「主体として」としたのは、他に添加元素が加えられてもよいことを指す。
なお例えば、第1の保護膜4aと第2の保護膜4bが共にポリエステルで形成される場合があるが、かかる場合は、一方をエステル以外の材料との共重合にしたり、高分子の構造を変えたり、違う材料を添加したり、あるいは分子量を変えることなどして、前記第1の保護膜4aのガラス転移温度(Tg1)が、前記第2の保護膜4bのガラス転移温度(Tg2)に比べて低くなるように調整することが必要である。さらには、シリカ・水酸化アルミニウム等を添加することでタック性を若干調整することも可能である。
次に膜厚について説明する。図2に示すように、前記絶縁基板2の膜厚はH1で形成され前記膜厚H1は50〜75μm程度である。前記導電パターン3の膜厚はH2で形成され前記膜厚H2は10μm程度である。
本発明では、前記第2の保護膜4bの膜厚H4が前記第1の保護膜4aの膜厚H3よりも薄いことが好ましい。前記第2の保護膜4bは非タック性に優れるが、逆に折り曲げ性には劣る。このため前記第2の保護膜4bを厚く形成し例えば図3のようにフレキシブルプリント基板1を折り曲げたときに前記第2の保護膜4bが割れると、そのときの衝撃が強く前記第1の保護膜4aはおろか導電パターン3にも悪影響(例えばひび割れなど)を及ぼす可能性がある。本発明では前記第2の保護膜4bがフレキシブルプリント基板1を曲げたときに割れてしまっても、できるだけ前記第2の保護膜4bが割れたときの衝撃を小さくしておくために前記第2の保護膜4bの膜厚H4を前記第1の保護膜4aの膜厚H3に比べて小さくしておくことが良い。本発明では前記第1の保護膜4aの膜厚H3を10〜30μmの範囲内で形成し、前記第2の保護膜4bの膜厚H4を1〜5μmの範囲内で形成することが好ましい。
図3のように前記フレキシブルプリント基板1の先端部1aに露出している接続端子3aを電子機器側に取り付けられたコネクタ部10の端子11に導通接続させるために、前記フレキシブルプリント基板1を折り曲げるとき、前記導電パターン3上に形成された第1の保護膜4aの良好な折り曲げ性により前記フレキシブルプリント基板1を容易に折り曲げることができる。このとき、前記保護膜4の最上層である第2の保護膜4bも同じように折り曲げられるが、前記第2の保護膜4bの表面は非タック性に優れるため、前記第2の保護膜4bの表面に電子機器側に装備された部材12が接触したり、あるいは他のフレキシブルプリント基板と接触してもくっつき難く、前記フレキシブルプリント基板1の引き回しを簡単に行なうことができ、また前記部材12を破損させる等の問題も生じない。特に本発明におけるフレキシブルプリント基板1が可動コイル等、可動部材に取り付けられるものである場合、前記可動部材の可動時に、前記フレキシブルプリント基板1が電子機器側の部材等とくっついてしまうといったことが無く前記可動部材の動きを阻害せず、しかも折り曲げ性に優れるので、前記可動部材の移動方向に適切に追従できると共に、前記フレキシブルプリント基板1の寿命を延ばすことが出来る。
なお前記第2の保護膜4bは前記フレキシブルプリント基板1を折り曲げたときに割れてしまう可能性があるが、かかる場合でも導電パターン3上は前記第1の保護膜4aで覆われているので問題はない。
本発明では、前記保護膜4が3層以上であってもよいが、かかる場合、最下層を前記第1の保護膜4aで形成し最上層を前記第2の保護膜4bで形成する。そして中間層は、少なくとも前記第2の保護膜4bより折り曲げ性に優れた材質で形成することが好ましい。例えば前記中間層を第1の保護膜4aと第2の保護膜4bの中間の折り曲げ性及び非タック性を有する材質で形成する。
(タック強度試験)
以下、試験方法について述べるが、これは開発時に特定の検討用サンプルを用いた場合の一例であり、量産などを前提としたものではない点に留意されたい。
基板表面(プラスチックフィルム)に塗膜(保護膜)をスクリーン印刷し、その後、加熱工程に付した試料を用意し、φ5の円柱状の治具の表面に、前記塗膜側が外側に向くように試料を取り付け、前記治具を被試料側に向けて30mm/minのスピードで落とし、次に500gfの荷重を10秒間かける。そして120mm/minのスピードで前記治具を持上げたときに、前記被試料が剥がれるのに必要な強度を測定する。
(屈曲試験)
図8に示すように、基板表面(プラスチックフィルム)に塗膜(保護膜)をスクリーン印刷し、その後、加熱工程に付した試料を用意し、前記塗膜に抵抗計の電極を当て、前記塗膜の抵抗値(R0)を測定する。次に塗膜側を内側にして前記試料を折り曲げ、図9に示すように前記試料に対して、約1秒間、2kgの荷重をかける。
次に、前記塗膜を今度は外側にして、前回、折り曲げた部分と同じ部分から前記試料を折り曲げた後、前記試料を開いて、平坦な状態にし、再び、前記塗膜の抵抗値(R1)を測定する。前記抵抗値(R1)から抵抗値(R0)を引くと折曲抵抗変化量(ΔR)を得ることが出来る。次に説明する図4では、上記の操作を20回行い、20回行なった後の塗膜の抵抗値(R20)から前記抵抗値(R0)を引いたものを折曲抵抗変化量(ΔR)としている。
図4は、ガラス転移温度(Tg)と、折曲抵抗変化量(ΔR)との関係、及びガラス転移温度(Tg)とタック強度との関係を示すグラフである。ガラス転移温度の異なる複数の塗膜を用意し、上記したタック強度と折曲抵抗変化量(ΔR)とを求めた。
図4に示すように、ガラス転移温度(Tg)が大きくなるほどタック強度が低下することがわかった。すなわちガラス転移温度(Tg)が大きくなるほど硬質になって表面のべたつきが無くなり非タック性に優れることがわかった。一方、図4に示すように、ガラス転移温度(Tg)が小さくなるほど折曲抵抗変化量(ΔR)が小さくなることがわかった。すなわちガラス転移温度が大きくなるほど軟質になり折り曲げ性に優れることがわかった。
本発明では第1の保護膜4aには良好な折り曲げ性が求められるので、前記第1の保護膜4aのガラス転移温度(Tg1)は低いことが好ましく、本発明では、前記ガラス転移温度(Tg1)を−10℃〜30℃の範囲内に設定した。これにより前記折曲抵抗変化量(ΔR)を本サンプルでは4Ω以下に抑えることができることがわかった。また、前記ガラス転移温度(Tg1)は25℃以下が好ましいとした。これは前記ガラス転移温度(Tg1)を25℃以下にすることで、タック強度を非常に大きくでき第2の保護膜4bとの接合を強固に出来るからである。また、前記ガラス転移温度(Tg1)を−10℃〜30℃にしたのは、折り曲げ時に第2の保護膜4bからのクラックが下の基板まで到達しないようにするためである。
また本発明では第2の保護膜4bには良好な非タック性が求められるので、前記第2の保護膜4bのガラス転移温度(Tg2)は高いことが好ましく、本発明では、前記第2の保護膜のガラス転移温度(Tg2)を35℃〜50℃の範囲内とした。これにより前記第2の保護膜4bのタック強度を10gf以下に抑えることができることがわかった。また、前記ガラス転移温度(Tg1)は40℃が好ましいとした。これにより前記第2の保護膜4bのタック強度を5gf以下に抑えることができることがわかった。また、前記ガラス転移温度を50℃以下としたのは、添加剤により数gf以下のタッキング性に出来る限界だからである。
次に、以下の試料を用意した。
(比較試料1)
絶縁基板上に、第1の保護膜4aのみを形成した。前記第1の保護膜4aにはガラス転移温度Tgが17℃のポリエステルを使用した。
(比較試料2)
絶縁基板上に、第2の保護膜4bのみを形成した。前記第2の保護膜4bにはガラス転移温度Tgが40℃のポリエーテルを使用した。
(実施試料)
絶縁基板上に、第1の保護膜4aを形成するとともに前記第1の保護膜4a上に第2の保護膜4bを形成した。前記第1の保護膜4a,第2の保護膜4bには上記材料を使用した。
図5は、前記比較試料1の実験結果である。タック強度は20gfであった。一方、屈曲試験は、上記した操作を10回行い、操作ごとの抵抗値をグラフ上にプロットした。図5に示すように、屈曲試験を10回行なった後の抵抗値(R10)から最初(操作回数0回のとき)の抵抗値(R0)を引いた折曲抵抗変化量(ΔR)は3Ωであった。比較試料1は折曲抵抗変化量(ΔR)が小さく折り曲げ性には優れるが、タック強度が非常に高く非タック性は劣っていた。
図6は、前記比較試料2の実験結果である。タック強度は0gfであった。一方、屈曲試験は、上記した操作を10回行い、操作ごとの抵抗値をグラフ上にプロットした。図6に示すように、屈曲試験を10回行なった後の抵抗値(R10)から最初(操作回数0回のとき)の抵抗値(R0)を引いた折曲抵抗変化量(ΔR)は5Ωであった。比較試料2はタック強度が非常に小さく非タック性には優れるが、折曲抵抗変化量(ΔR)が高く折り曲げ性は劣っていた。
図7は、前記実施試料の実験結果である。タック強度は0gfであった。一方、屈曲試験は、上記した操作を10回行い、操作ごとの抵抗値をグラフ上にプロットした。図7に示すように、屈曲試験を10回行なった後の抵抗値(R10)から最初(操作回数0回のとき)の抵抗値(R0)を引いた折曲抵抗変化量(ΔR)は3Ωであった。実施試料はタック強度が非常に小さく非タック性には優れるとともに、折曲抵抗変化量(ΔR)が小さく折り曲げ性にも優れることがわかった。
このように第1の保護膜4aと第2の保護膜4bとを重ねた実施試料は、折り曲げ性と非タック性の両方を満足することがわかった。
本発明におけるフレキシブルプリント基板の部分斜視図、 図1に示すII−II線から切断し、その切断面を矢印方向から見た前記フレキシブルプリント基板の部分拡大断面図、 図2に示すフレキシブルプリント基板の使用例を示す部分拡大断面図、 ガラス転移温度(Tg)と、折曲抵抗変化量(ΔR)との関係、及びガラス転移温度(Tg)とタック強度との関係を示すグラフ、 比較試料1における、操作回数と抵抗値との関係を示すグラフ、 比較試料2における、操作回数と抵抗値との関係を示すグラフ、 実施試料における、操作回数と抵抗値との関係を示すグラフ、 屈曲試験方法を説明するための図、 屈曲試験方法を説明するための図、
符号の説明
1 フレキシブルプリント基板
2 絶縁基板
3 導電パターン
4 保護膜
4a 第1の保護膜
4b 第2の保護膜

Claims (8)

  1. 絶縁基板上に導電パターンが形成され、さらに前記導電パターン上に保護膜が形成されたフレキシブルプリント基板において、
    前記保護膜は少なくとも2層以上で形成され、前記保護膜の最下層となる第1の保護膜は、前記保護膜の最上層となる第2の保護膜に比べて折り曲げ性に優れ、前記第2の保護膜は前記第1の保護膜に比べて非タック性に優れることを特徴とするフレキシブルプリント基板。
  2. 前記保護膜は2層で形成され、前記導電パターン上に前記第1の保護膜が形成され、前記第1の保護膜上に重ねて前記第2の保護膜が形成される請求項1記載のフレキシブルプリント基板。
  3. 前記第2の保護膜は前記第1の保護膜に比べて薄い請求項1または2に記載のフレキシブルプリント基板。
  4. 前記第1の保護膜のガラス転移温度(Tg1)は、前記第2の保護膜のガラス転移温度(Tg2)に比べて低い請求項1ないし3のいずれかに記載のフレキシブルプリント基板。
  5. 前記第1の保護膜のガラス転移温度(Tg1)は、−10℃〜30℃の範囲内である請求項4記載のフレキシブルプリント基板。
  6. 前記第2の保護膜のガラス転移温度(Tg2)は35℃〜50℃の範囲内である請求項4または5に記載のフレキシブルプリント基板。
  7. 前記第1の保護膜は、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリエステル・ポリウレタン、ポリエーテル・ポリウレタン、ポリカーボネート・ポリウレタンのうちいずれかを主体として形成される請求項1ないし6のいずれかに記載のフレキシブルプリント基板。
  8. 前記第2の保護膜は、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリエステル・ポリウレタン、ポリエーテル・ポリウレタン、ポリカーボネート・ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂のうちいずれかを主体として形成される請求項1ないし7のいずれかに記載のフレキシブルプリント基板。
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