JP2006107325A - 電力量検針支援装置、端末装置、電力量検針支援方法 - Google Patents

電力量検針支援装置、端末装置、電力量検針支援方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 本発明は、低コストで且つ検針値を正確に読み取ることが出来る電力量検針支援装置、端末装置、電力量検針支援方法を提供することを課題とする
【解決手段】 本発明の電力量検針支援装置1は、制御回路が格納された本体部と、数値表示部Nを撮像する撮像部3と、撮像した画像を送信するためのアンテナとを備えており、撮像部3はガラスカバーを介して数値表示部の斜め上方に位置すると共に凸面鏡5と、赤外線LED6とを有していることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電気の使用量を計量する電力量計の検針を支援する技術に関する。
従来より、電気等の使用料金は需要家の使用量に基づき算出されている。一般に、その課金方式は、需要家の電気使用量を電力量計(検針メータ)等で計量し、その検針量(使用量)に単位あたりの使用料金を乗じ使用料金が算出される。このように電力の使用料金は検針量に基づいて決定される。
電力量計の検針は、検針員が各需要家宅を訪問し、各需要家宅に設置されている電力量計に表示されている検針値を目視により確認し、検針値を記録するという方法が多くとられている。
また、近年では、検針員による検針ではなく、デジタルの電力量計及び通信回線網を利用した検針システムの開発も行われている(特許文献1)。この自動検針システムは、電力量計と、電力量計で表示された検針データを送信する通信端末と、検針データを受信してその検針データから各需要家への課金額を算出する課金センタとを備えている。通信端末と課金センタは電話回線網等の通信回線に接続されており、この通信回線を介して検針データの送受信を行うことで電気の使用量を計量する。
特開2001−307272号公報
ところで、電力量計は、検針員の頭上より高い位置に設けられていることが多い。そのため、検針員は、踏み台を持ち込み、その踏み台に登って検針を行っていた。
ところが、電力量計は、検針員が検針し易い場所に設置されているものばかりではない。例えば、建物と建物とが隣接した非常に狭隘な場所に電力量計が設置されている場合もある。踏み台を持ち込み設置できる程のスペースも無いような場所では、検針員は細棒の先端に鏡を取り付けた道具等を用いて目視検針を行わなければならなかった。
また、暗所に電力量計が設けられている場合は、検針員はライトを付けながら目視検針を行い、西日が強い場所では西日を遮りながら目視検針を行わなければならない。
さらに、近年では、セキュリティーの問題から、電力量計が設置されている需要家宅の敷地内に検針員が入ることを懸念するケースが多くなってきている。このような場合は、検針員は、需要家の許可を得て敷地内に入り目視検針を行うため、需要家が不在の際は検針ができなかった。
このように、電力量計が設けられている環境に応じて、様々な方法を駆使して目視検針を行うことは、検針の効率の低下につながっていた。
そこで、本発明は、円滑に検針を行う事ができる電力量計検針支援装置、端末装置、電力量検針支援方法を提供することを課題とする。
また、上述したようなデジタルの電力量計及び通信回線網を利用した検針システムでは、電力量計毎にデータの送受信を行うための電話回線等の通信回線を引くことが必要とな
る。これは、現状の電力量計の数を考慮すると、膨大なコストを要することになり、実現性に乏しいものであった。
さらに、デジタルの電力量計やパルス出力機能付きの電力量計は、既存の電力量計のサイズが大きくなってしまうという問題があった。さらに、これらの電力量計は、電力量計本体の電源とは別個の電源を確保しなければならなくなる。そのため、狭隘な箇所が多い難検針場所に、これらの電力量計を適用することは困難な場合が多かった。
また、低コストで、上述したような問題を解決するために、電力量計に設けられ電力使用量を数値にて表示する数値メータを撮像するカメラを取り付け、撮像した画像を確認することにより検針を行う方法もあった。尚、電力量計の数値メータの部分は、外部から常に視認可能な状態としておかねばならない。
ところが、数値メータ全体が撮像出来る位置にカメラを取り付けようとすると、外部から数値メータを視認出来ない位置となってしまう。また、カメラの取付角度を調整して数値メータを撮像すると、数値メータ全体を撮像することができない、又は撮像した画像に歪みが生じる、というように正確な数値(電力使用量)を確認することが困難であった。
そこで、本発明は、低コストで且つ検針値を正確に読み取ることが出来る電力量検針支援装置、端末装置、電力量検針支援方法を提供することを課題とする。
本発明は上記事項に鑑みてなされたものであり、すなわち本発明は、電力量が数値で表示される数値表示部を有する電力量計に装着される電力量検針支援装置であって、数値表示部の正面に対して斜め方向から数値表示部を撮像する撮像手段と、撮像手段からの撮像情報を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された撮像情報を外部に送信する通信手段と、撮像手段、記憶手段及び通信手段を制御する制御手段とを備え、撮像手段は、数値表示部と前記撮像手段との間に位置し、数値表示部を映す鏡像手段を有し、この鏡像手段により映された前記数値表示部の鏡像を撮像することを特徴とする。
ここで、記憶した撮像情報を送信手段によって、例えば検針員の所持している検針端末に送信することにより、検針が困難な場所であっても検針員が無理して数値表示部を目視することなく検針を行うことができる。これによって、検針員が、検針を行うための不安全な行為がなくなる。
また、通信手段としては、特定小電力無線,赤外線通信,無線LAN,ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))等を好適に用いることができる。これらの無線通信手段を採用することにより、電力量検針支援装置を遠隔操作することができるようになるため、検針員が立ち入れないような場所に設置された電力量計の検針も行うことができるようになる。
また、本発明に係る撮像手段は、鏡像手段に光を照射する照射手段を有する構成としてもよい。照射手段としては、赤外線LEDランプを好ましく用いることができる。このように、赤外線を照射しながら数値表示部を撮影することができるため、暗所や強い光により乱反射するような場所に設置された電力量計の検針も問題なく行うことができる。
さらに、本発明に係る鏡像手段は凸面鏡であることを特徴とする。撮像手段は、数値表示部の上方から撮像するため、鏡像手段に平面鏡を用いると、数値表示部の上方側や左右端が映せないことがある。しかしながら、本発明では、平面鏡に比べて広い範囲を映すことができる凸面鏡を鏡像手段として用いているため、数値表示部を広い範囲で映すことが
出来る。加えて、本発明の鏡像手段は末広がりの円錐台の側面の一部を切り取ったような形状をなしている。これにより、本発明の撮像手段が、数値表示部を数値表示部の斜め上方から撮像するため、撮像した画像は、上側に比べて下側が小さい台形型の画像となってしまうことを解消することができる。つまり、本発明に係る鏡像手段によれば、正確な検針値を得ることが可能となる。
また、本発明に係る制御手段は、数値表示部の撮像情報を画像処理によりさらに画像が鮮明となるような処理を施す構成としてもよい。この場合、電力量検針支援装置側にROM(Read Only Memory)を設け、その中に画像の補正処理の専用ソフトを格納するという構成を例示できる。尚、ここで行われる画像処理は、既存の画像処理技術を用いることとする。
このように、撮像した画像を補正してから通信手段により検針端末に送信することにより、検針員の数値読み取りの間違いを防止することができ、高精度で検針を行うことができる。
さらに、本発明に係る鏡像手段は、数値表示部の少なくとも一部に焦点を合わせて数値表示部を映す副鏡像手段を有する構成とすることもできる。上述したように、撮像手段により撮像された数値表示部は、末つぼまりの台形となってしまい、画像の下方に標記された内容が鮮明に撮像されない。
そこで、本発明では、数値表示部の下方に表示された特定の標記をピンポイントで映すための副鏡像手段を設けた。この副鏡像手段により、数値表示部の下方に表示された標記も、撮像手段により鮮明に撮像される。
また、本発明の電力量検針支援装置は、OCR(Optical Character Reader)等の読取装置で電力量計の検針値を読み取りデータ化したものを検針員側の端末に送信し、デジタル表示させるという方式を採用しておらず電力量計の数値を撮像した画像を検針員側の端末に送るという方式を採用している。これによって、検針の信頼度が画像認識アルゴリズムの精度の高低に左右されることがなくなり、検針結果の信頼度を高めることが出来る。
また、本発明は、少なくとも撮像手段、通信手段又は制御手段に駆動電力を供給する電源手段と、電源手段からの駆動電力の供給を開始する電源起動手段とを有しており、電源起動手段は、内部クロックにより一定時間毎に駆動電力の供給開始を制御する構成としてもよい。
このような構成とすることにより、例えば、内部クロックを次回の検針日に設定しておくことにより、電力量検針支援装置の起動にかかる時間を省略することができスムーズに検針を行えるようになる。
また、電源手段は、一般的なバッテリーの他にも太陽電池で充電を行うものであってもよい。電力量計は屋外に設置されていることが多いので、太陽電池を用いて充電することにより効率よく且つ低コストで電力を確保することができる。
さらに、本発明に係る電源起動手段は、外部からの非接触媒体からの起電力により起動されるIC(Integrated Circuit )タグとすることができる。このようなICタグ(RFIDタグ)を用いて電力量検針支援装置を起動させることにより、電力量計が検針員の背丈より遙かに高い位置に取り付けられていたとしても容易に起動させることができる。これによって、検針に要する時間と手間を十分に省略することができる。
また、本発明に係る電源手段は、電力量計に接続される単相三線の一線に巻回したコイルとしてもよい。このような構成とすると、電力量検針支援装置専用の電源を設ける必要がなくなる。これによって、電力量検針支援装置に効率的に電力を供給することができる。勿論、コイルの両端から引き出した電力供給線(電線)をバッテリに接続する構成としてもよい。
また、本発明は、電力量が数値で表示される数値表示部を有する電力量計に装着され該数値表示部の正面に対して斜め方向から数値表示部を撮像する撮像手段と、撮像手段からの撮像情報を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された撮像情報を外部に送信する通信手段と、撮像手段、記憶手段及び通信手段を制御する制御手段とを備え、撮像手段は、数値表示部と撮像手段との間に位置し、数値表示部を映す鏡像手段を有し、この鏡像手段により映された数値表示部の鏡像を撮像する電力量検針支援装置から数値表示部の撮像情報を受信する端末装置であって、通信手段から撮像情報を受信する受信手段と、受信手段で受信した撮像情報を表示する表示手段とを有することを特徴とする端末装置である。
この端末装置は検針員が使用するものであり、携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistance)に対して好適に用いることができる。これによって、専用の機器(検針器)を製造するコストを削減することができる。勿論、従来から用いられている専用の機器に上記構成を設けてもよい。
また、本発明の端末装置には、ICタグを起動する起電力を発生するICタグ起動手段が設けられている。このとき、電力量検針支援装置には、少なくとも撮像手段、通信手段又は制御手段に駆動電力を供給する電源手段と電源手段からの駆動電力の供給を開始するICタグからなる電源起動手段とを有することとする。
つまり、検針員の持つ端末装置にICタグ起動手段を設けることにより、電力量検針支援装置を遠隔操作することができる。これにより、検針困難な場所に電力量計が設けられている場合であってもスムーズに検針を行うことができる。
また、本発明は、電力量が数値で表示される数値表示部を有する電力量計に装着され該数値表示部の正面に対して斜め方向から数値表示部を撮像する撮像手段と、撮像手段からの撮像情報を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された撮像情報を外部に送信する通信手段と、撮像手段、記憶手段及び通信手段を制御する電力量検針支援装置側制御手段とを備え、撮像手段は、数値表示部と撮像手段との間に位置し、数値表示部を映す鏡像手段を有し、この鏡像手段により映された前記数値表示部の鏡像を撮像する電力量検針支援装置と、数値表示部の撮像情報を受信する端末装置、通信手段から撮像情報を受信する受信手段と、受信手段で受信した撮像情報を表示する表示手段と、受信手段と表示手段とを制御する端末側制御手段とを有する端末装置とからなり、電力量検針支援装置側制御手段は、撮像手段に数値表示部を撮像させ、当該撮像情報を記憶手段に記憶させ、該記憶手段から読み出した撮像情報を通信手段によって外部に送信させ、端末側制御手段は、受信手段で受信した撮像情報を表示手段に表示させる電力量検針支援装置と端末装置とを用いた電力量検針支援方法である。
さらに、本発明の電力量検針支援方法は、電力量計検針支援装置が前記に加えて、少なくとも撮像手段、通信手段又は電力量検針支援装置側制御手段に駆動電力を供給する電源手段と、電源手段からの駆動電力の供給を開始するICタグからなる電源起動手段とを有し、端末装置は、に加えて、ICタグを起動する起電力を発生させるICタグ起動手段を有し、端末側制御手段が、ICタグ起動手段を起動して電力量検針支援装置のICタグに起電力を供給すると、電力量検針支援装置側制御手段は、電源手段に対して少なくとも撮像手段、通信手段又は支援装置側制御手段に駆動電力を供給し、供給された駆動電力に基
づいて、撮像手段に数値表示部を撮像させ、撮像手段により撮像した撮像情報を前記記憶手段に記憶させ、該記憶手段から読み出した撮像情報を通信手段によって外部に送信させ、端末側制御手段は、受信手段で受信した撮像情報を表示手段に表示させることを特徴とする。
本発明によれば、低コストで且つ検針値を正確に読み取ることが出来る電力量検針支援装置、端末装置、電力量検針支援方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態の電力量検針支援装置、端末装置、電力量検針支援方法について図面を参照して説明する。
(装置構成)
図1に示すように、本実施形態の電力量検針支援装置1は、使用電力量を計量する電力量計(以下、電力メータと称す)Mの上部に取り付けられる。電力メータMの前面には、計量した使用電力量を数値表示する数値表示部Nが設けられている。尚、数値表示部Nの前面は透明部材Lにより覆われている。この透明部材Lは、電力メータMのカバーの役割を果たすものとする。
また、電力量検針支援装置1の外観は、制御回路が格納された本体部2と、数値表示部Nを撮像する撮像部(撮像手段)3と、撮像した画像を送信するためのアンテナ4とからなる。
図2に電力量検針支援装置1の内部構造を示した側面図を示す。本実施形態の撮像部3は、ガラスカバーを介して数値表示部の斜め上方に位置している。さらに、撮像部3は、凸面鏡(鏡像手段)5と、赤外線LED(照射手段)6とを有している。
図3に示すように、凸面鏡5は、円錐台の側面の一部を切り取ったような形状を成しており、上部から下部へ末広がりに形成されている。凸面鏡5は、高さ(my)17(mm)、上部の弦の長さ(mx)11.14(mm),半径(r)46.55(mm)、下部の弦の長さ(mx)19.49(mm),半径(r)780.09(mm)に形成されている。さらに、上部から下部に向かうに従い半径(r)は、60.27(mm),78.97(mm),105.79(mm),146.78(mm),216.10(mm),356.31(mm)となっている。尚、本実施形態の凸面鏡5は上記したサイズ・形状に形成されているが、凸面鏡5は、上記サイズ・形状に限定されることはなく、例えば、上述した寸法の±2%の範囲内の寸法で形成された凸面鏡や、下部を曲面ではなく平面とした凸面鏡としてもよい。
そして、この凸面鏡5は、撮像部3に対して43度〜47度(45±2度)傾斜し、且つ数値表示部に対して17度〜13度(15±2度)傾斜するようにして取り付けられる。尚、凸面鏡5の取付角度は、電力メータのタイプやメーカにより適宜調節する。
このように凸面鏡5を傾斜させて、撮像部3による数値表示部Nの撮像範囲を決定する。そして、円錐台型に形成された、凸面鏡5の球面状の面で数値表示部Nを撮影することにより、撮像画像の歪み補正を行うことができる。図4に示すように、平面鏡を使用して撮像すると、数値表示部Nの上側は大きくなり、且つ下側は小さく歪んだ画像となる(下底より上底の方が長い台形型)。
ところが、本実施形態の凸面鏡5を用いて数値表示部Nを撮像すると、図5に示すように、歪みを生じさせることなく(長方形)数値表示部Nを撮像することができる。
また、図6に示すように、赤外線LED6は、撮像部3を挟んで左右両側に三つずつ並設されている。このように、撮像部3を中心としその両側に赤外線LED6を配置することにより、赤外線を数値表示部を斜め上方から照射したときの赤外線の照度を均一にすることができる。
これにより、照射された赤外線が、数値表示部Nの下方に設けられた金属の銘板に部分的に反射してしまう、又は、画像の露出を調整しなければならない、という問題を解消することができる。
加えて、赤外線LED6は撮像するときに発光する。尚、これとは別に光源となるLED(不図示)を設けストロボの役割を果させるような構成としてもよい。これによって、暗い場所に設置された電力メータの数値表示部Nも明確に撮像することができ、検針精度を向上させることができる。
以上が、本実施形態における電力量検針支援装置1の装置構成である。
(ハードウェア構成)
次に、電力量検針支援装置1のハードウェア構成について説明する。
図7に本実施形態の電力量検針支援装置1の制御ブロック図を示す。電力量検針支援装置1は、各装置の制御やデータの計算・加工制御を司るCPU(中央処理演算装置)(制御手段)7と、撮像部3と、撮像部3にて撮像された画像や各種制御プログラムを格納するメモリ(記憶手段)8と、駆動力(電力)を各装置に供給するバッテリ(電源手段)9と、駆動力の供給を開始させるICタグ(電源起動手段)10と、各装置との通信や外部との通信を担う無線通信モジュール(通信手段)11と、アンテナ4とを備えている。
本実施形態に係る撮像部3は、数値表示部Nを撮像するレンズ12と、撮像素子であるCCD(Charge Coupled Devices)素子13とを備えている。尚、これに限らず、撮像素子13としてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを用いてもよい。
図2に示すように、本実施形態の撮像部3は、数値表示部Nを斜め上方向から撮像する位置に設けられている。これは、数値表示部Nの正面を覆わないようにするためである。これによって、電力メータMは、本実施の形態の電力量検針支援装置1を電力メータMに装着しても通常の電力メータとしての機能を失うことがなく、検針員は数値表示部Nを正面から視認することができる。
ところが、撮像部3を数値表示部Nの斜め上方に設置することにより、撮像部3にて撮像した数値表示部Nの画像は、台形又は弓形にゆがんだ画像となってしまう。凸面鏡5ではなく平面鏡を用いて撮像する場合には、図7に示す撮像部3のレンズ12にはこのようなゆがみを補正する機能を備えたレンズ(補正手段)が必要となる。
また、図10に示すICタグ10は、無線のICチップのことであり、需要家毎に付されたお客さま番号のような識別コードなどの情報が記録されており、電波を使って情報を送受信する能力を有する。尚、本実施形態に係る無線通信モジュール11は、無線LANであるとする。
さらに、本実施形態の電力量検針支援装置1は、内部クロック14も備えている。この内部クロック14を次回の検針日に設定しておくと、設定した時間になると自動的にICタグ10を待機状態にさせる。これによって、電力量検針支援装置1の消費電力を節約することができ、長期間メンテナンスフリーで運用できるようになる。
一方、検針員が所持する検針用端末(端末装置)20は、電力量検針支援装置1のICタグ10を起動する起電力を発生させるICタグR/W(Reader/Writer)(ICタグ起動手段)21と、起電力を電力量検針支援装置1へ送信したり、電力量検針支援装置1から送信された撮像情報(画像)を受信したりする無線通信モジュール(受信手段)22と、受信した画像を表示する表示部(表示手段)23と、これらを制御する制御回路24とを備えている。電力量検針支援装置1のICタグ10は、検針端末20のICタグR/W21から発せられた電波を受信することによりバッテリ9が電力供給を開始する。尚、検針端末20は携帯電話端末として説明する。
(電力量検針支援工程)
次に、本実施形態の電力量検針支援装置1による検針の支援工程について図8に示すフローチャートに基づき説明する。尚、以下の説明では、凸面鏡5は、数値表示部Nの撮像が可能となる所定の角度に設定されていることとし、さらに赤外線LED6を照射しながら撮像を行う場合について説明する。
まずは、電力量検針支援装置1を起動させる。起動させるためには、検査員が検針端末20に設けられているICタグR/W21によって電力量検針支援装置1に設けられたICタグ10を起動させる(S01)。ICタグ10が起動すると、バッテリ9から電力が供給され、電力量検針支援装置1全体がウエイクアップの状態となる。
次にCPU7は、赤外線LED6の点灯制御を実行する(S02)。赤外線LED6が点灯すると、赤外線が凸面鏡5に反射し、撮像箇所である数値表示部Nを照射する。
そして、CPU5は、撮像部3が数値表示部Nの撮像を開始する制御を実行する(S03)。撮像部3は、直接数値表示部Nを撮像するのではなく、撮像部3と数値表示部Nとの間に位置する凸面鏡5に映った数値表示部Nの鏡像を撮像する。尚、撮像部3により撮像された数値表示部Nの画像は鏡像となっているためCPU7により補正されることとする。
次に、CPU7は、補正した画像をメモリ8に格納する制御を実行する(S04)。メモリ8内には、図示しないが日付と識別コードと前記画像とが関連づけられながら格納されるテーブルが構築されている。撮像された画像は、このテーブル内に順に格納されていく。
そして、CPU7は、格納された画像を検針員の所持する検針端末20に送信する制御を実行する(S05)。送信された画像は、検針端末20の表示部23に表示される。検針員は、表示された数値表示部Nの画像を視認することにより、電力メータMの検針を行うこととなる。
以上が本実施形態の電力量の検針支援方法である。
上述したように、本実施形態の電力量検針支援装置1は、撮像部3により電力メータMの数値表示部Nを撮像し、撮像した画像を検針員の所持している検針端末20に送信する。
これによって、検針が困難な場所であっても検針員が数値表示部Nを無理して直接視認するために踏み台等に乗ったり様々な道具を用いたりして検針を行うことがなくなる。これに伴い、検針員が、検針を行う不安全な行為をなくすことができ検針時の安全性を向上させることができる。
また、本実施形態の電力量検針支援装置1は、撮像部3により撮像した画像を凸面鏡5で補正してから検針端末20に送信する。これにより、数値読取の間違いを防止することができ、高精度で検針を行うことができる。
また、本実施形態の電力量検針支援装置1にはICタグ10が設けられ、且つ検針員の持つ検針端末20にICタグR/W21が設けられているため、電力量検針支援装置1の起動を遠隔操作することができる。
これにより、検査員の背丈よりも高い位置や壁と壁との間が狭くてなかなか入れないような検針困難な場所に電力メータが設けられていても検針員は遠隔地から検針を行うことができる。また、本願の電力量検針支援装置1を電力メータに設けることにより、需要家の敷地内に電力メータが設置されていても敷地内に入ることなく検針を行うことができる。
また、検針端末20を携帯電話端末とすることにより、従来から使用している検針専用の検針器を製造する必要がなくなるため、検針作業にかかるコストを削減することができる。
また、本実施形態の電力量検針支援装置1は、赤外線LEDランプ6を有し、赤外線を照射しながら数値表示部を撮影することができるため、暗所や強い光により乱反射するような場所に設置された電力量計の検針も問題なく行うことができる。
さらに、本実施形態の電力量検針支援装置1は、円錐台の側面形状を成した凸面鏡に映った(数値表示部の)像を撮像することにより、撮像画像の下側が上側に比べて小さくなるというような歪みを解消し、正確な検針値を得ることが可能となる。
<その他の実施の態様1>
本実施の形態での凸面鏡は、図3に示すような円錐台の側面形状をなしたものであったが、図9に示すような凸面鏡を用いてもよい。
本態様の凸面鏡50は、本実施形態の凸面鏡5と同一のサイズ及び形状をなす本体51と、本体51同様に円錐台の側面形状をなすサブミラー(副鏡像手段)52とを有している。サブミラー52は、高さ11(mm),上部の幅5.57(mm),下部の幅9.745(mm)に形成されている。尚、サブミラー52は、上部から下部に向かって幅が、80(mm),150(mm),300(mm),600(mm)となっている。このサブミラー52は、図9中の本体51の中心線を基準とした左下側に取り付けられている。尚、サブミラー52が取り付けられている本体51の上端から6(mm)下の部分は、サブミラー52を取り付けるために切り欠かれている。尚、サブミラーは上記サイズ(寸法)に限定されることはなく、サブミラーの各寸法を上記寸法の±2%の範囲内とすることができる。
また、図10に示すように、サブミラー52は、本体51の背面側に4.5〜8.5度(6.5±2度)傾斜して取り付けられている。これは、図2に示す、数値表示部Nの下側に位置する銘板Oの部分をより明確に撮像するためである。銘板Oには、電力メータMの製造番号や型式番号が標記されている。これらの番号は、電力メータMの取り替え時期を判断したり、電力メータMの部品を交換したりするときに利用される。尚、サブミラー52の傾斜角度は、電力メータMのタイプやメーカ、或いは銘板Oの取付位置に応じて上記傾斜角度の範囲内で調節する。
本態様の凸面鏡50を利用すると、サブミラー52がピンポイントで銘板部分を映すことができるため、サブミラー52に映った像を撮像部によって撮像すると、図11に示す
ように、銘板部分の標記を明確に撮像することができる。
したがって、本態様の凸面鏡50を用いることにより、電力メータMのメンテナンスの効率性を向上させることができる。
<その他の実施態様2>
第1の実施の形態では、図7に示すように、電力量検針支援装置1の駆動電源をバッテリ9としているが、電力メータMに接続されている単相三線の一線にコイルを巻回し、このコイルに生じる誘導電力を電源として用いる構成としてもよい。その場合、誘導起電力は交流電流となるので直流に整流して用いる。
このような構成にすると、図7に示すように電力量検針支援装置を駆動させるためのバッテリを設ける必要がなくなり装置自体の構成を簡易化することができ、装置自体の製造コストを低減させることができる。
さらに、本態様は需要家に供給される前の電力から電源をとる構成であるため、安定した電力を効率的に確保することができる。
本実施の形態の電力量検針支援装置の斜視図である。 本実施の形態の電力量検針支援装置の内部構造を示す図である。 本実施の形態の凸面鏡の正面図である。 平面鏡を用いた場合の撮像画像を示す図である。 凸面鏡を用いた場合の撮像画像を示す図である。 本実施の形態の赤外線LEDの取付状態を示す図である。 本実施の形態の電力量検針支援装置の制御ブロック図である。 本実施の形態の電力量検針支援工程を示すフローチャートである。 他の実施の態様1に係る凸面鏡の正面図である。 他の実施の態様1に係る凸面鏡の側面図である。 他の実施の態様1に係る凸面鏡を用いた場合の撮像画像を示す図である。
符号の説明
1 電力量検針支援装置
2 本体部
3 撮像部(撮像手段)
4 アンテナ
5 凸面鏡(鏡像手段)
6 赤外線LED(照射手段)
7 CPU(制御手段)
8 メモリ(記憶手段)
9 バッテリ(電源手段)
10 ICタグ(電源起動手段)
11 無線通信モジュール(通信手段)
12 レンズ
13 撮像素子
14 内部クロック
20 検針端末(端末装置)
21 ICタグR/W(ICタグ起動手段)
22 無線通信モジュール(受信手段)
23 表示部
24 制御回路
50 凸面鏡(鏡像手段)
51 本体
52 サブミラー(副鏡像手段)
L 透明部材
M 電力メータ(電力量計)
N 数値表示部
L 銘板

Claims (10)

  1. 電力量が数値で表示される数値表示部を有する電力量計に装着される電力量検針支援装置であって、
    前記数値表示部の正面に対して斜め方向から前記数値表示部を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段からの撮像情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された撮像情報を外部に送信する通信手段と、
    前記撮像手段、前記記憶手段及び前記通信手段を制御する制御手段とを備え、
    前記撮像手段は、
    前記数値表示部と前記撮像手段との間に位置し、前記数値表示部を映す鏡像手段を有し、この鏡像手段により映された前記数値表示部の鏡像を撮像する電力量検針支援装置。
  2. 前記撮像手段は、前記鏡像手段に光を照射する照射手段を有する請求項1に記載の電力量検針支援装置。
  3. 前記鏡像手段は、凸面鏡である請求項1又は2に記載の電力量検針支援装置。
  4. 前記鏡像手段は、
    前記数値表示部の内の少なくとも一部に焦点を合わせて前記数値表示部を映す副鏡像手段を有する請求項1〜3の何れかに記載の電力量検針支援装置。
  5. 少なくとも前記撮像手段、前記通信手段又は前記制御手段に駆動電力を供給する電源手段と、
    前記電源手段からの駆動電力の供給を開始する電源起動手段とを有し、
    前記電源起動手段は、内部クロックにより一定時間毎に駆動電力の供給開始を制御する請求項1〜4の何れかに記載の電力量検針支援装置。
  6. 前記電源起動手段は、外部からの非接触媒体からの起電力により起動されるICタグである請求項1〜5の何れかに記載の電力量検針支援装置。
  7. 電力量が数値で表示される数値表示部を有する電力量計に装着され該数値表示部の正面に対して斜め方向から前記数値表示部を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段からの撮像情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された撮像情報を外部に送信する通信手段と、
    前記撮像手段、前記記憶手段及び前記通信手段を制御する制御手段とを備え、
    前記撮像手段は、
    前記数値表示部と前記撮像手段との間に位置し、前記数値表示部を映す鏡像手段を有し、この鏡像手段により映された前記数値表示部の鏡像を撮像する電力量検針支援装置から前記数値表示部の撮像情報を受信する端末装置であって、
    前記通信手段から前記撮像情報を受信する受信手段と、
    前記受信手段で受信した前記撮像情報を表示する表示手段とを有する端末装置。
  8. 前記電力量検針支援装置には、前記に加えて、少なくとも前記撮像手段、前記通信手段又は前記制御手段に駆動電力を供給する電源手段と、前記電源手段からの駆動電力の供給を開始するICタグからなる電源起動手段とを有し、
    前記端末装置には、前記に加えて、前記ICタグを起動する起電力を発生するICタグ起動手段を有する請求項7に記載の端末装置。
  9. 電力量が数値で表示される数値表示部を有する電力量計に装着され該数値表示部の正面に対して斜め方向から前記数値表示部を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段からの撮像情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された撮像情報を外部に送信する通信手段と、
    前記撮像手段、前記記憶手段及び前記通信手段を制御する電力量検針支援装置側制御手段とを備え、
    前記撮像手段は、
    前記数値表示部と前記撮像手段との間に位置し、前記数値表示部を映す鏡像手段を有し、この鏡像手段により映された前記数値表示部の鏡像を撮像する電力量検針支援装置と、
    前記数値表示部の撮像情報を受信する端末装置、
    前記通信手段から前記撮像情報を受信する受信手段と、
    前記受信手段で受信した前記撮像情報を表示する表示手段と、
    前記受信手段と前記表示手段とを制御する端末側制御手段とを有する端末装置とからなり、
    前記電力量検針支援装置側制御手段は、前記撮像手段に前記数値表示部を撮像させ、当該撮像情報を前記記憶手段に記憶させ、該記憶手段から読み出した撮像情報を前記通信手段によって外部に送信させ、
    前記端末側制御手段は、前記受信手段で受信した前記撮像情報を前記表示手段に表示させる電力量検針支援装置と端末装置とを用いた電力量検針支援方法。
  10. 前記電力量計検針支援装置は、前記に加えて、少なくとも前記撮像手段、前記通信手段又は前記電力量検針支援装置側制御手段に駆動電力を供給する電源手段と、前記電源手段からの駆動電力の供給を開始するICタグからなる電源起動手段とを有し、
    前記端末装置は、前記に加えて、前記ICタグを起動する起電力を発生させるICタグ起動手段を有し、
    前記端末側制御手段が、前記ICタグ起動手段を起動して前記電力量検針支援装置のICタグに起電力を供給すると、
    前記電力量検針支援装置側制御手段は、前記電源手段に対して少なくとも前記撮像手段、前記通信手段又は前記支援装置側制御手段に駆動電力を供給し、供給された駆動電力に基づいて、前記撮像手段に前記数値表示部を撮像させ、前記撮像手段により撮像した撮像情報を前記記憶手段に記憶させ、該記憶手段から読み出した撮像情報を前記通信手段によって外部に送信させ、
    前記端末側制御手段は、前記受信手段で受信した前記撮像情報を前記表示手段に表示させる請求項9に記載の電力量検針支援装置と端末装置とを用いた電力量検針支援方法。
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