本発明に示される一般式(1)の具体例としては下記に示す化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、本発明に示される一般式(2)の具体例としては下記に示す化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、本発明に示される一般式(3)の具体例としては下記に示す化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、本発明に示される一般式(4)の具体例としては下記に示す。化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、本発明に示される一般式(5)の具体例としては下記に示す化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に示される一般式(6)の具体例として下記に示す化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、本発明に示される一般式(7)の具体例としては下記に示す化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
さらに、本発明に示される一般式(8)の具体例としては下記に示す化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これら化合物を用いることで本発明に示す課題に対して良好な結果が得られる理由は明確となっていない。但しこれら化合物の構造上、樹脂や電荷輸送物質と相溶する部分(具体的にはフェニル基、スチレン基、カーボネート基等)と低表面エネルギー性を発現する部分(シロキサン、長鎖アルキル、フッ化アルキル等)を併せ持ち、かつ適当な分子量を持つことで感光体表面に高濃度にマイグレートすることなく、感光層中に適度に分布を持って保持されているものと考えられる。また、可塑剤的な効果を併せ持つことでソルベントクラックの要因となる薬品が感光層に侵入する速度を低下させる働きも有しているものと考えられる。さらにまた、合成上も残留電位を生じるような不純物を取り込むようなことなくさらに感光層中においても相溶性よく特異的に残留電位を生じるような構造を取らないものと考えられる。従って、初期はもちろんのこと使用中においても指紋やローラー・ベルトから発生する物質によるクラックの発生が無く、かつ静電的にも問題のない特性を維持できるものと考えられる。
続いて、電子写真感光体の構成を図面に沿って説明する。図1は、導電性支持体31上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37とが積層された構成をとっている。図2は、図1において導電性支持体31と電荷発生層35の間に下引き層33を設けた構成となっている。図3は、導電性支持体31上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37とが積層された構成をとっている。さらに、その上にフィラー及び分散剤を含有する保護層39が形成される構成からなる。
導電性支持体31としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体31として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体31として良好に用いることができる。
電荷発生層35は、少なくとも電荷発生物質と必要に応じて結着樹脂を含有する。
必要に応じて電荷発生層17に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等があげられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
電荷発生物質としては、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリツク酸メチン顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、非対称ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、テトラアゾ顔料等のアゾ顔料を用いることができる。
アゾ顔料としては、具体的にはカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報に記載)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132547号公報に記載)、スチルスチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−138229号公報に記載)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17734号公報に記載)などが挙げられる。
電荷発生層35は少なくとも電荷発生物質及び必要に応じて結着樹脂を適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し塗工液を作成、下引き層33上に塗布し、乾燥することにより形成されるが、ここで用いられる溶剤としては、例えばイソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられる。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。電荷発生層17の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷輸送層37は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤、滑材等を添加することが可能であり有用である。
本発明に用いることができる電荷輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられるが、本発明では特に一般式(4)、一般式(5)に示す化合物を用いることが好ましい。
一般式(9)及び(10)で表される化合物の具体例を下記に示すが、本発明はもちろんこれらに限定されるものではない。
まず、一般式(9)で表されるアミノビフェニル化合物の具体例を次に示す。なお、下記表1〜表11中の一般式(9)は、一般式(9)においてk=l=m=n=1の場合である。但し、k、l、m、n=0の場合は、R1、R2、R3、R4についてHと表示する。
さらに、一般式(9)中、R1とR2が互に結合して環を形成しているアミノビフェニル化合物の具体例を次に示す。
さらに、一般式(10)で表されるジアリールアミノスチレン化合物の具体例を次に示す。
さらに、一般式(10)中、p=1の場合のジアリールアミノスチレン化合物の具体例を次に示す。
これら一般式(9)(10)に示す化合物が本発明に好ましい理由は明らかではないが、キャリア移動度が速く、耐ガス性にも優れかつ静電特性上も安定であること、さらに本発明に示す一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)および(8)に示す化合物と構造上相互作用を持ち、ある程度均一に分布する役目を果たしているためと考える。
電荷輸送層37に用いられる結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
但し、従来技術でも述べたように機械的耐久性が優れる樹脂として、一般式(11)に示すビスフェノールZを骨格として有するポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。この骨格を有する樹脂は、従来よく使用されていたポリカーボネートA樹脂より機械的強度に優れ、多種の電荷輸送物質に対して良好な溶解性を示す特徴がある。
本発明の一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)の化合物に対し好適に用いられる理由としては、やはり本発明に示す一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)に示す化合物と構造上相互作用を持ち、ある程度均一に分布する役目を果たし、効果の持続性に対し有効に作用するためであると考えられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は、コストおよび塗膜の均一性維持から35μm以下とすることが好ましい。
本発明に示される一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)の化合物は、表面層が電荷輸送層の場合電荷輸送層中に含有される。添加量としては、結着樹脂100重量部に対して2〜20重量部添加することが好ましい。これ以下の添加量では、ソルベントクラックに対する効果が小さくなり、これ以上の添加では残留電位の上昇等静電特性上の問題が生じるようになる。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
上記電荷輸送層37の上に、耐久性の向上を目的として必要に応じて、フィラー、分散剤、結着樹脂、さらに電荷輸送物質等を適当な溶媒に分散あるいは溶解し、塗布及び乾燥を行うことによって、保護層を設けてもよい。
前記保護層に用いることができるフィラーは、耐摩耗性を向上させる目的で添加される。フィラーは有機フィラー及び無機フィラーとに分類され、有機フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点から無機材料を用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。
フィラーの平均一次粒径は、0.01〜0.5μmであることが、保護層の光透過率や耐摩耗性の点から好ましい。フィラーの平均一次粒径が0.01μm以下の場合は、凝集、分散性の低下等から耐摩耗性の低下を引き起こし、0.5μm以上の場合には、フィラーの沈降性が促進されたり、それを用いて作製した感光体によって得られる画像に異常画像が発生したりする可能性がある。
前記保護層に含有される結着樹脂には、前述の電荷輸送層37に用いられる結着樹脂をすべて使用することが可能であるが、結着樹脂によってもフィラー分散性が影響されるため、フィラー分散性に悪影響を与えないことが重要である。また、酸価を有する樹脂は、残留電位を低減させる上でも有用であり、結着樹脂としてすべてに、あるいは他の結着樹脂と混合させて一部に添加して使用することが可能である。
使用可能な樹脂の一例としては、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アクリル酸やメタクリル酸を用いた各種共重合体、スチレンアクリル共重合体、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂あるいは共重合体等が挙げられる。また、これらの材料は2種以上混合して用いることが可能である。
但し、従来技術でも述べたように機械的耐久性が優れる樹脂として、一般式(11)に示すビスフェノールZを骨格として有するポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。
この骨格を有する樹脂は、従来よく使用されていたポリカーボネートA樹脂より機械的強度に優れ、多種の電荷輸送物質に対して良好な溶解性を示す特徴がある。また、ポリカーボネートA樹脂に比べガス透過率が低く、耐酸化ガス性に優れ、一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)に示す化合物と構造上相互作用を持ち、ある程度均一に分布する役目を果たし、効果の持続性に対し有効に作用するほかに、一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)に示す化合物の分解を抑制することでも効果の持続性を挙げる作用をしているものと考えられる。
本発明における保護層においては、少なくとも1種の電荷輸送物質を含有させることが残留電位を低下させる上で好ましい。保護層に含有される電荷輸送物質には、前述の電荷発生層上に形成される電荷輸送層37に含まれる電荷輸送物質をすべて使用することが可能であるが、好ましくは、前述したように一般式(9)、一般式(10)に示すトリアリールアミン化合物を用いることが好ましい。
前記フィラー材料は、少なくとも有機溶剤、分散剤とともにボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などの従来方法を用いて分散することができる。この中でも、フィラーと分散剤との接触効率を高くすることができ、外界からの不純物の混入が少ないボールミルが分散性の点からより好ましい。
使用されるメディアの材質については、従来使用されているジルコニア、アルミナ、メノウ等すべてのメディアを使用することができるが、フィラーの分散性及び残留電位低減効果の点からアルミナを使用することがより好ましく、耐摩耗性に優れたα型アルミナが特に好ましい。ジルコニアは分散時のメディアの摩耗量が大きく、それらの混入によって残留電位が著しく増加するだけでなく、その摩耗粉の混入によって分散性が低下し、フィラーの沈降性が大幅に低下する。
一方、メディアにアルミナを使用した場合には、分散時のメディアの摩耗量は低く抑えられる上に、混入した摩耗粉が残留電位に与える影響が非常に小さい。また、摩耗粉が混入しても分散性に対する影響が他のメディアに比べて少ない。従って、分散に使用するメディアにはアルミナを使用することがより好ましい。
また、分散剤は、塗工液中のフィラーの凝集、さらにはフィラーの沈降性を抑制し、フィラーの分散性が著しく向上させることから、フィラーや有機溶剤とともに分散前より添加することが好ましい。
一方、バインダー樹脂や電荷輸送物質は、分散前に添加することも可能であるが、その場合分散性が若干低下する場合が見られる。従って、バインダー樹脂や電荷輸送物質は、有機溶剤に溶解された状態で分散後に添加することが好ましい。
以上のようにして得られた分散液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等、従来の塗工方法を用いることができるが、比較的薄い膜を均一に、かつフィラー分散性の良好な膜を形成するためにはスプレー塗工が適している。
保護層全体の膜厚としては、1μm〜10μm、好ましくは2〜6μmが適当である。膜厚が極度に薄い場合には、膜の均一性が低下したり、十分な耐摩耗性が得られない場合があり、膜厚が極度に厚い場合には、残留電位上昇の影響が増大したり、光透過率の低下により解像度やドット再現性の低下を引き起こす場合がある。
本発明の感光体においては、導電性支持体31と感光層との間に下引き層33を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。
更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。さらに、各種分散剤を添加することも可能である。この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
本発明の感光体においては、感光層と保護層との間に中間層を設けることも可能である。中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に従来公知の酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質およびレベリング剤を添加することができる。
次に図4及び図5を用いて本発明の画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを詳しく説明する。
本発明の画像形成装置を図面を用いて説明すると、図4に示すように、矢印A方向に回転するドラム状の電子写真感光体42の外周面に帯電部材41が接触して、この帯電部材41により感光体42は正または負の所定電圧に帯電される。帯電部材41には、正または負の直流電圧がかけられている。帯電部材41に印加する直流電圧は、−2000V〜+2000Vが好ましい。帯電部材41には前記直流電圧に加え、更に交流電圧を重畳して脈流電圧を印加するようにしてもよい。直流電圧に重畳する交流電圧は、ピーク間電圧4000V以下のものが好ましい。ただし、交流電圧を重畳すると帯電部材及び電子写真感光体が振動して異常音を発生する場合がある。
帯電部材41には、瞬時に所望の電圧を印加してもよいが、感光体を保護するために、徐々に印加電圧を上げるようにしてもよい。
帯電部材41は、感光体42と同方向あるいは逆方向に回転するようにしてもよいし、また回転させずに感光体の外周面を摺動するようにしてもよい。更に、帯電部材41に感光体42上の残留トナーをクリーニングする機能を持たせてもよい。この場合、クリーニング手段43を設ける必要がない。
帯電した感光体42は、次いで不図示の像露光手段により光像露光44(スリット露光あるいはレーザービーム走査露光など)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応した静電潜像が順次形成されていく。その静電潜像は、次いで現像手段45でトナー現像され、そのトナー現像像が転写帯電手段46により不図示の給紙部感光体42と転写帯電手段46との間に感光体42の回転と同期取りされて給送される記録材47の面に順次転写されていく。像転写を受けた記録材47は感光体面から分離されて不図示の像定着手段へ導入されて像定着を受けて複写物(コピー)として機外へプリントアウトされる。
像転写後の感光体42の表面はクリーニング手段43にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、前露光48により除電処理がされて繰り返して像形成に使用される。
画像形成装置として、上述の感光体や現像手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。例えば、図5にイマジオMF200(リコー製)に使用されているカートリッジを示すが、少なくとも感光体101、帯電部材102及び現像手段104を容器に納めてひとつの画像形成装置ユニットとし、この装置ユニットを装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成にしてもよい。クリーニング手段107は容器内に設けても設けなくてもよい。
なお、図4及び図5では、転写帯電手段として転写部材46、106が用いられている。転写部材46、106としては、帯電部材41と同じ構成のものが使用できる。転写帯電手段として用いる転写部材46、106には、400V〜2000Vの直流電圧を印加するのが好ましい。108は定着手段である。
帯電部材41、102、転写部材46、106はローラー状、ブラシ状、ブレード状、ベルト状、平板状等、いずれの形状をとっても良い。ローラー状の帯電部材41、102、転写部材46、106は、棒状の導電性芯材の周囲に弾性層、導電層及び抵抗層を有する。
導電性芯材としては、鉄、銅あるいはステンレスなどの金属、カーボン分散樹脂や金属粒子分散樹脂等の導電性樹脂等を用いることができ、その形状としては、棒状、板状等が使用できる。
弾性層は、弾性に富んだ硬度の低い層であり、1.5mm以上、更には2mm以上、特には3mm〜13mmの(膜厚)が好ましい。弾性層に使用する材料としては、例えばクロロプレンゴム、イソプレンゴム、EPDMゴム、ポリウレタンゴム、エポキシゴム、ブチルゴム等が好ましい。
導電層は、電気伝導性の高い層であり、体積抵抗率が107Ω・cm以下、更には106Ωcm以下、特に10〜-2Ω・cm〜106Ω・cmの範囲のものが好ましい。導電層の膜厚は、下側の弾性層の柔軟性を上側の抵抗層に伝えるため薄膜にすることが望ましく、3mm以下、更には2mm以下、特には20μm〜1mmの範囲が好ましい。
導電層に使用する材料としては、金属蒸着膜、導電性粒子分散樹脂、導電性樹脂等を用いることができる。金属蒸着膜としては、例えばアルミニウム、インジウム、ニッケル、銅、鉄等の金属を蒸着したものが挙げられる。導電性粒子分散樹脂としては、例えばカーボン、アルミニウム、ニッケル、酸化チタン等の導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂中に分散したものが挙げられる。導電性樹脂としては、例えば4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
抵抗層は、導電層よりも抵抗が高くなるように形成されており、体積抵抗率が106〜1012Ω・cm、更には107〜1011Ω・cmのものが好ましく、半導電性樹脂、導電性粒子分散絶縁樹脂等を用いることができる。半導電性樹脂としては、例えばエチルセルロース、ニトロセルロース、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、共重合ナイロン、ポリビニルピロリドン、カゼイン等の樹脂、あるいはこれらの樹脂の混合物等が挙げられる。導電性粒子分散絶縁樹脂としては、例えばカーボン、アルミニウム、酸化インジウム、酸化チタン等の導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリメタクリル酸等の絶縁樹脂中に、少量分散して抵抗を調節したものなどが挙げられる。抵抗層の膜厚は帯電性の点から1μm〜500μm、特には50μm〜200μmが好ましい。
平板上の帯電部材は、弾性層の上に導電層及び抵抗層を設けて形成する。この場合、導電性芯材はない。ブレード状の帯電部材、転写部材は、金属板上に弾性層及び抵抗層を設けて形成する。ブラシ状の帯電部材、転写部材は、導電性芯材の周囲に接着層を介して導電性繊維を放射状に設けたり、あるいは金属平板の一面に接着層を介して導電性繊維を設けて形成する。
導電性繊維は、電気伝導性の高い繊維であり、体積抵抗率103Ω・cm以下、更には106Ω・cm以下、特に10〜2Ω・cm〜105Ω・cmの範囲のものが好ましい。また1本の導電性繊維の太さは、柔軟性を保つため細くすることが望ましく、直径1〜100μm、更には5〜50μm、特には8〜30μmの範囲が好ましい。導電性繊維の長さは2〜10mm、更には3〜8mmが好ましい。導電性繊維を形成する材料としては、例えば前述した導電性粒子分散樹脂、導電性樹脂等を用いることができる。更に、カーボン繊維も導電性繊維に使用することができる。
次に、本発明を実施例をあげて説明する。
(実施例1−1)酸化チタン(CR−EL:石原産業製)70重量部、アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S(固形分50%):大日本インキ化学工業製)15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%):大日本インキ化学工業製)10重量部、メチルエチルケトン100重量部からなる混合物をボールミルで72時間分散し、下引き層用塗工液を作成した。これを直径φ30mm、長さ340mmのアルミニウムドラム上に塗布し、130℃で20分間乾燥して、膜厚3μmの下引き層を作成した。
次に、下記構造式(化92)に示すトリスアゾ顔料10重量部を、ポリビニルブチラール(BM−2:積水化学工業社製)4重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解した樹脂液に添加し、ボールミルにて72時間分散を行った。分散終了後、シクロヘキサノン210重量部を加え3時間分散を行い、電荷発生層用塗工液を作成した。これを前記下引き層上に塗布し、130℃10分間乾燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を作成した。
次に、下記構造式(化93)で示される電荷輸送物質7重量部、ポリカーボネート(Zタイプ:粘度平均分子量4万)10重量部、BHT0.07重量部、シリコーンオイル(KF−50:信越化学工業社製)0.002重量部、例示化合物No.(1)−1の0.5重量部をテトラヒドロフラン100重量部に溶解し、電荷輸送層用塗工液を作成した。これを前記電荷発生層上に塗布し、130℃25分間乾燥して膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、実施例1−1の電子写真感光体を得た。
(実施例1−2)実施例1−1における例示化合物No.(1)−1の代わりに例示化合物No.(1)−2の化合物を用いた他は実施例1−1と同様にして実施例1−2の電子写真感光体を作成した。
(実施例1−3)実施例1−1における例示化合物No.(1)−1の代わりに例示化合物No.(1)−10の化合物を用いた他は実施例1−1と同様にして実施例1−3の電子写真感光体を作成した。
(実施例1−4)実施例1−1における例示化合物No.(1)−1の代わりに例示化合物No.(1)−13の化合物を用いた他は実施例1−1と同様にして実施例1−4の電子写真感光体を作成した。
(比較例1−1)実施例1−1における例示化合物No.(1)−1の化合物を除いた他は実施例1−1と同様にして比較例1−1の電子写真感光体を作成した。
(比較例1−2)実施例1−1における例示化合物No.(1)−1の化合物を除き、シリコーンオイル(KF−50:信越化学工業社製)を0.5重量部とした他は実施例1−1と同様にして比較例1−2の電子写真感光体を作成した。
(比較例1−3)実施例1−1における例示化合物No.(1)−1の化合物を除き、ポリカーボネート(Zタイプ:粘度平均分子量4万)代わりに下記構造式(化94)の樹脂を用いた他は実施例1−1と同様にして比較例1−3の電子写真感光体を作成した。
(n:m=5:45 p=100 粘度平均分子量4万)
(実施例1−5〜1−8、比較例1−4〜1−6)実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−3における電荷輸送物質を下記構造式(化85)の電荷輸送物質に変えた以外は実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−3同様にして実施例1−5〜1−8、比較例1−4〜1−6の電子写真感光体を作成した。
以上のようにして得られた電子写真感光体を用いて耐久性、耐ソルベントクラック性について評価した。結果を表39、表40に示す。
(耐久性評価)デジタル複写機であるイマジオMF200(リコー製)を用いて耐久性試験(画像評価)を行うことで評価した。帯電または転写部材には直径6mm、長さ350mmのステンレス棒の周囲に、厚さ7.5mm、幅330mmに、半導電性弾性体層として、ポリエステル成分を含む熱可塑性エラストマー100重量部に過塩素酸リチウム0.5重量部を配合した組成物を押し出し成型法で被覆させ厚さ4mm厚の半導電性弾性層を形成させたものを用いた。この帯電部材の体積抵抗値は4×108Ω・cmであった。転写部材についてもプラス極性の電圧印加を行い、転写を行った。上記複写機を用い温度35℃/湿度70%RHの環境下、記録紙を用い黒ベタ部5%のチャート紙により連続複写による5万枚の耐久性評価を行った。静電特性としては、未露光部電位(VD)、露光部電位(VL)の変化、画像評価としては、記録紙の白部において0.1mm以上の黒斑点が1個/平方センチ以上現れたときの複写枚数について評価した。
(耐ソルベントクラック性)感光体表面10mm×10mmに指脂を付着させ、45℃/43%RHの暗所環境下に1週間放置させてのち顕微鏡にてソルベントクラックの有無を観察した。また、ソルベントクラックに対する耐久性について評価するため、連続1万枚ラン後の感光体についても同様の評価を行った。なお、○はクラック発生なし、△は5本未満の発生、×についてはそれ以上(ほぼ全面クラック)の発生を示すものである。
(実施例2−1)酸化チタン(CR−EL:石原産業製)70重量部、アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S(固形分50%):大日本インキ化学工業製)15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%):大日本インキ化学工業製)10重量部、メチルエチルケトン100重量部からなる混合物をボールミルで72時間分散し、下引き層用塗工液を作成した。これを直径φ30mm、長さ340mmのアルミニウムドラム上に塗布し、130℃で20分間乾燥して、膜厚3μmの下引き層を作成した。
次に、下記構造式(化96)に示すトリスアゾ顔料10重量部を、ポリビニルブチラール(BM−2:積水化学工業社製)4重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解した樹脂液に添加し、ボールミルにて72時間分散を行った。分散終了後、シクロヘキサノン210重量部を加え3時間分散を行い、電荷発生層用塗工液を作成した。これを前記中間層上に塗布し、130℃10分間乾燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を作成した。
次に、下記構造式(化97)で示される電荷輸送物質7重量部、ポリカーボネート(Zタイプ:粘度平均分子量4万)10重量部、BHT0.07重量部、シリコーンオイル(KF−50:信越化学工業社製)0.002重量部、例示化合物No.(2)−1の0.5重量部をテトラヒドロフラン100重量部に溶解し、電荷輸送層用塗工液を作成した。これを前記電荷発生層上に塗布し、130℃25分間乾燥して膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、実施例2−1の電子写真感光体を得た。
(実施例2−2)実施例2−1における例示化合物No.(2)−1の代わりに例示化合物No.(2)−17の化合物を用いた他は実施例2−1と同様にして実施例2−2の電子写真感光体を作成した。
(実施例2−3)実施例2−1における例示化合物No.(2)−1の代わりに例示化合物No.(2)−15の化合物を用いた他は実施例2−1と同様にして実施例2−3の電子写真感光体を作成した。
(実施例2−4)実施例2−1における例示化合物No.(2)−1の代わりに例示化合物No.(2)−6の化合物を用いた他は実施例2−1と同様にして実施例2−4の電子写真感光体を作成した。
(実施例2−5〜2−8)実施例2−1〜2−4における電荷輸送物質を下記構造式(化98)の電荷輸送物質に変えた以外は実施例2−1〜2−4と同様にして実施例2−5〜2−8の電子写真感光体を作成した。
以上のようにして得られた電子写真感光体を用い、実施例1−1と同様にして、耐久性、耐ソルベントクラック性について評価した。結果を表41、表42に示す。
(実施例3−1)酸化チタン(CR−EL:石原産業製)70重量部、アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S(固形分50%):大日本インキ化学工業製)15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%):大日本インキ化学工業製)10重量部、メチルエチルケトン100重量部からなる混合物をボールミルで72時間分散し、下引き層用塗工液を作成した。これを直径φ30mm、長さ340mmのアルミニウムドラム上に塗布し、130℃で20分間乾燥して、膜厚3μmの下引き層を作成した。
次に、下記構造式(化99)に示すトリスアゾ顔料10重量部を、ポリビニルブチラール(BM−2:積水化学工業社製)4重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解した樹脂液に添加し、ボールミルにて72時間分散を行った。分散終了後、シクロヘキサノン210重量部を加え3時間分散を行い、電荷発生層用塗工液を作成した。これを前記中間層上に塗布し、130℃10分間乾燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を作成した。
次に、下記構造式(化100)で示される電荷輸送物質7重量部、ポリカーボネート(Zタイプ:粘度平均分子量4万)10重量部、BHT0.07重量部、シリコーンオイル(KF−50:信越化学工業社製)0.002重量部、例示化合物No.(3)−1の0.5重量部をテトラヒドロフラン100重量部に溶解し、電荷輸送層用塗工液を作成した。これを前記電荷発生層上に塗布し、130℃25分間乾燥して膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、実施例3−1の電子写真感光体を得た。
(実施例3−2)実施例3−1における例示化合物No.(3)−1の代わりに例示化合物No.(3)−6の化合物を用いた他は実施例3−1と同様にして実施例3−2の電子写真感光体を作成した。
(実施例3−3)実施例3−1における例示化合物No.(3)−1の代わりに例示化合物No.(3)−12の化合物を用いた他は実施例3−1と同様にして実施例3−3の電子写真感光体を作成した。
(実施例3−4)実施例3−1における例示化合物No.(3)−1の代わりに例示化合物No.(3)−11の化合物を用いた他は実施例3−1と同様にして実施例3−4の電子写真感光体を作成した。
(実施例3−5〜3−8)実施例3−1〜3−4における電荷輸送物質を下記構造式(化101)の電荷輸送物質に変えた以外は実施例3−1〜3−4と同様にして、実施例3−5〜3−8の電子写真感光体を作成した。
以上のようにして得られた電子写真感光体を用い、実施例1−1と同様にして、耐久性、耐ソルベントクラック性について評価した。結果を表43、表44に示す。
(実施例4−1)酸化チタン(CR−EL:石原産業製)70重量部、アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S(固形分50%):大日本インキ化学工業製)15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%):大日本インキ化学工業製)10重量部、メチルエチルケトン100重量部からなる混合物をボールミルで72時間分散し、下引き層用塗工液を作成した。これを直径φ30mm、長さ340mmのアルミニウムドラム上に塗布し、130℃で20分間乾燥して、膜厚3μmの下引き層を作成した。
次に、下記構造式(化102)に示すトリスアゾ顔料10重量部を、ポリビニルブチラール(BM−2:積水化学工業社製)4重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解した樹脂液に添加し、ボールミルにて72時間分散を行った。分散終了後、シクロヘキサノン210重量部を加え3時間分散を行い、電荷発生層用塗工液を作成した。これを前記下引き層上に塗布し、130℃10分間乾燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を作成した。
次に、下記構造式(化103)で示される電荷輸送物質7重量部、ポリカーボネート(Zタイプ:粘度平均分子量4万)10重量部、BHT0.10重量部、シリコーンオイル(KF−50:信越化学工業社製)0.002重量部、例示化合物No.(4)−2の0.5重量部をテトラヒドロフラン100重量部に溶解し、電荷輸送層用塗工液を作成した。これを前記電荷発生層上に塗布し、130℃25分間乾燥して膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、実施例4−1の電子写真感光体を得た。
(実施例4−2)実施例4−1における例示化合物No.(4)−2の代わりに例示化合物No.(4)−8の化合物を用いた他は実施例4−1と同様にして実施例4−2の電子写真感光体を作成した。
(実施例4−3)実施例4−1における例示化合物No.(4)−2の代わりに例示化合物No.(4)−14の化合物を用いた他は実施例4−1と同様にして実施例4−3の電子写真感光体を作成した。
(実施例4−4)実施例4−1における例示化合物No.(4)−2の代わりに例示化合物No.(4)−29の化合物を用いた他は実施例4−1と同様にして実施例4−4の電子写真感光体を作成した。
(実施例4−5)実施例4−1における例示化合物No.(4)−2の代わりに例示化合物No.(4)−38の化合物を用いた他は実施例4−1と同様にして実施例4−5の電子写真感光体を作成した。
(実施例4−6)実施例4−1における例示化合物No.(4)−2の代わりに例示化合物No.(5)−3の化合物を用いた他は実施例4−1と同様にして実施例4−6の電子写真感光体を作成した。
(実施例4−7)実施例4−1における例示化合物No.(4)−2の代わりに例示化合物No.(5)−16の化合物を用いた他は実施例4−1と同様にして実施例4−7の電子写真感光体を作成した。
(実施例4−8)実施例4−1における例示化合物No.(4)−2の代わりに例示化合物No.(5)−36の化合物を用いた他は実施例4−1と同様にして実施例4−8の電子写真感光体を作成した。
(実施例4−9)実施例4−1における例示化合物No.(4)−2の代わりに例示化合物No.(5)−48の化合物を用いた他は実施例4−1と同様にして実施例4−9の電子写真感光体を作成した。
(実施例4−10)実施例4−1における例示化合物No.(4)−2の代わりに例示化合物No.(5)−60の化合物を用いた他は実施例4−1と同様にして実施例4−10の電子写真感光体を作成した。
(実施例4−11)実施例4−1における例示化合物No.(4)−2の代わりに例示化合物No.(5)−76の化合物を用いた他は実施例4−1と同様にして実施例4−11の電子写真感光体を作成した。
(比較例4−1)実施例4−1における例示化合物No.(4)−2の化合物を除いた他は実施例4−1と同様にして比較例4−1の電子写真感光体を作成した。
(比較例4−2)実施例4−1における例示化合物No.(4)−2の化合物を除き、シリコーンオイル(KF−50:信越化学工業社製)を0.5重量部とした他は実施例4−1と同様にして比較例4−2の電子写真感光体を作成した。
(比較例4−3)実施例4−1における例示化合物No.(4)−2の化合物を除き、ポリカーボネート(Zタイプ:粘度平均分子量4万)代わりに下記構造式(化104)の樹脂を用いた他は実施例4−1と同様にして比較例4−3の電子写真感光体を作成した。
(n:m=5:45 p=100 粘度平均分子量4万)
(実施例4−12〜4−22、比較例4−4〜4−6)実施例4−1〜4−11、比較例4−1〜4−3における電荷輸送物質を下記構造式(化105)の電荷輸送物質に変えた以外は実施例4−1〜4−11、比較例4−1〜4−3同様にして実施例4−12〜4−22、比較例4−4〜4−6の電子写真感光体を作成した。
以上のようにして得られた電子写真感光体を用いて、実施例1−1と同様にして、耐久性、耐ソルベントクラック性について評価した。結果を表45、表46に示す。
(実施例5−1)酸化チタン(CR−EL:石原産業製)70重量部、アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S(固形分50%):大日本インキ化学工業製)15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%):大日本インキ化学工業製)10重量部、メチルエチルケトン100重量部からなる混合物をボールミルで72時間分散し、下引き層用塗工液を作成した。これを直径φ30mm、長さ340mmのアルミニウムドラム上に塗布し、130℃で20分間乾燥して、膜厚3μmの下引き層を作成した。
次に、下記構造式(化106)に示すトリスアゾ顔料10重量部を、ポリビニルブチラール(BM−2:積水化学工業社製)4重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解した樹脂液に添加し、ボールミルにて72時間分散を行った。分散終了後、シクロヘキサノン210重量部を加え3時間分散を行い、電荷発生層用塗工液を作成した。これを前記下引き層上に塗布し、130℃10分間乾燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を作成した。
次に、下記構造式(化107)で示される電荷輸送物質7重量部、ポリカーボネート(Zタイプ:粘度平均分子量4万)10重量部、BHT0.10重量部、シリコーンオイル(KF−50:信越化学工業社製)0.002重量部、例示化合物No.(6)−2の0.5重量部をテトラヒドロフラン100重量部に溶解し、電荷輸送層用塗工液を作成した。これを前記電荷発生層上に塗布し、130℃25分間乾燥して膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、実施例5−1の電子写真感光体を得た。
(実施例5−2)実施例1−1における例示化合物No.(6)−2の代わりに例示化合物No.(6)−16の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例5−2の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−3)実施例5−1における例示化合物No.(6)−2の代わりに例示化合物No.(6)−25の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例5−3の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−4)実施例5−1における例示化合物No.(6)−2の代わりに例示化合物No.(6)−27の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例1−4の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−5)実施例5−1における例示化合物No.(6)−2の代りに例示化合物No.(6)−28の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例5−5の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−6)実施例5−1における例示化合物No.(6)−2の代りに例示化合物No.(6)−33の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例5−6の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−7)実施例5−1における例示化合物No.(6)−2の代りに例示化合物No.(7)−1の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例5−7の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−8)実施例5−1における例示化合物No.(6)−2の代りに例示化合物No.(7)−6の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例5−8の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−9)実施例5−1における例示化合物No.(6)−2の代りに例示化合物No.(7)−22の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例5−9の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−10)実施例5−1における例示化合物No.(6)−2の代りに例示化合物No.(7)−23の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例5−10の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−11)実施例5−1における例示化合物No.(6)−2の代りに例示化合物No.(7)−24の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例5−11の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−12)実施例5−1における例示化合物No.(6)−2の代りに例示化合物No.(7)−25の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例5−12の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−13)実施例5−1における例示化合物No.(6)−2の代りに例示化合物No.(8)−1の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例5−13の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−14)実施例5−1における例示化合物No.(6)−2の代りに例示化合物No.(8)−4の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例5−14の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−15)実施例5−1における例示化合物No.(6)−2の代りに例示化合物No.(8)−38の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例5−15の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−16)実施例5−1における例示化合物No.(6)−2の代りに例示化合物No.(8)−39の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例5−16の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−17)実施例5−1における例示化合物No.(6)−2の代りに例示化合物No.(8)−43の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例5−17の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−18)実施例5−1における例示化合物No.(6)−2の代りに例示化合物No.(8)−47の化合物を用いた他は実施例5−1と同様にして実施例5−18の電子写真感光体を作成した。
(実施例5−19〜5−36)実施例1〜18における電荷輸送物質を下記構造式(化−108)の電荷輸送物質に変えた以外は実施例5−1、5−18、実施例5−19〜5−36の電子写真感光体を作成した。
以上のようにして得られた電子写真感光体を用い、実施例1−1と同様にして、耐久性、耐ソルベントクラック性について評価した。結果を表47、表48に示す。
(実施例6−1)実施例3−1における例示化合物No.(3)−1の代わりに例示化合物No.(1)−11を0.4重量部、例示化合物No.(2)−14を0.3重量部用いた他は実施例3−1と同様にして実施例6−1の電子写真感光体を作成した。
(実施例6−2)実施例3−1における例示化合物No.(3)−1の代わりに例示化合物No.(1)−1を0.4重量部、例示化合物No.(3)−10を0.3重量部用いた他は実施例3−1と同様にして実施例6−2の電子写真感光体を作成した。
(実施例6−3)実施例3−1における例示化合物No.(3)−1の代わりに例示化合物No.(2)−1を0.3重量部、例示化合物No.(3)−10を0.3重量部用いた他は実施例3−1と同様にして実施例6−3の電子写真感光体を作成した。
以上のようにして得られた電子写真感光体を用い、実施例1−1と同様にして、耐久性、耐ソルベントクラック性について評価した。結果を表49に示す。なお、耐ソルベントクラックについてはいずれも発生しなかった。