JP2006104674A - 多層構造物用のチューンドマスダンパー - Google Patents
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Abstract
【課題】建物の複数の固有振動数に対して制振効果を発揮することができる多層構造物用のチューンドマスダンパーを提供する。
【解決手段】マスが3階建て建物の3質点系振動モデルの層数と同じ3つ上下方向に備えられ、マス3,4,5間と最下が3つ復元要素6,7,8で連結され、マスの各質量m1,m2,m3と、復元要素の各バネ定数k1,k2,k3が、式1〜3を満足するように決められている。
M1:M2:Mn=m1:m2:mn (式1)
K1:K2:Kn=k1:k2:kn (式2)
(K1/M1)=(k1/m1),(K2/M2)=(k2/m2),(K3/M3)=(k3/m3) (式3)
【選択図】 図1
【解決手段】マスが3階建て建物の3質点系振動モデルの層数と同じ3つ上下方向に備えられ、マス3,4,5間と最下が3つ復元要素6,7,8で連結され、マスの各質量m1,m2,m3と、復元要素の各バネ定数k1,k2,k3が、式1〜3を満足するように決められている。
M1:M2:Mn=m1:m2:mn (式1)
K1:K2:Kn=k1:k2:kn (式2)
(K1/M1)=(k1/m1),(K2/M2)=(k2/m2),(K3/M3)=(k3/m3) (式3)
【選択図】 図1
Description
本発明は、多層構造物用のチューンドマスダンパーに関する。
従来より提供されているチューンドマスダンパーは、単一周波数の振動を低減するように構成されており、チューンドマスダンパーを建物の1次固有振動数に同調させると、高次固有振動数の振動を低減することができないという問題があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑み、建物の複数の固有振動数に対して制振効果を発揮することができる多層構造物用のチューンドマスダンパーを提供することを課題とする。
上記の課題は、多層構造物の上端部に設置されるチューンドマスダンパーであって、
多層構造物の層数と同じ数備えられて上下方向に直列に配置された複数のマスと、
マス間及び最下のマスと構造物を連結する複数の復元要素と
が備えられ、
多層構造物を多質点系の振動モデルとして求められる各層の質量を下からM1,M2,…,Mn(nは層数、nは2以上の自然数)、最下の層と地上との間を含む層間のバネ定数を下からK1,K2,…,Kn(nは層数、nは2以上の自然数)とし、
前記マスの質量を下からm1,m2,…,mn(nはマスの数、nは2以上の自然数)とし、復元要素のバネ定数を下からk1,k2,…,kn(nはマスの数、nは2以上の自然数)としたとき、
m1,m2,…,mn及びk1,k2,…,knが、
M1:M2:…:Mn=m1:m2:…:mn (式1)
K1:K2:…:Kn=k1:k2:…:kn (式2)
(K1/M1)=(k1/m1),(K2/M2)=(k2/m2),…,(Kn/Mn)=(kn/mn) (式3)
の式を満足するように決められていることを特徴とする多層構造物用のチューンドマスダンパーによって解決される。
多層構造物の層数と同じ数備えられて上下方向に直列に配置された複数のマスと、
マス間及び最下のマスと構造物を連結する複数の復元要素と
が備えられ、
多層構造物を多質点系の振動モデルとして求められる各層の質量を下からM1,M2,…,Mn(nは層数、nは2以上の自然数)、最下の層と地上との間を含む層間のバネ定数を下からK1,K2,…,Kn(nは層数、nは2以上の自然数)とし、
前記マスの質量を下からm1,m2,…,mn(nはマスの数、nは2以上の自然数)とし、復元要素のバネ定数を下からk1,k2,…,kn(nはマスの数、nは2以上の自然数)としたとき、
m1,m2,…,mn及びk1,k2,…,knが、
M1:M2:…:Mn=m1:m2:…:mn (式1)
K1:K2:…:Kn=k1:k2:…:kn (式2)
(K1/M1)=(k1/m1),(K2/M2)=(k2/m2),…,(Kn/Mn)=(kn/mn) (式3)
の式を満足するように決められていることを特徴とする多層構造物用のチューンドマスダンパーによって解決される。
このチューンドマスダンパーによれば、マスが多層構造物の層数と同じ数備えられて上下方向に直列に配置され、マス間及び最下のマスと構造物が複数の復元要素で連結され、マスの質量m1,m2,…,mnと、復元要素のバネ定数k1,k2,…,knが、上記の式1〜3を満足するように決められているから、建物の複数の固有振動数の振動をいずれも低減することができる。
また、マス間及び最下のマスと構造物を連結する複数の減衰要素が備えられている場合は、多層構造物を多質点系の振動モデルとして求められる最下の層と地上との間を含む層間の減衰係数を下からC1,C2,…,Cn(nは層数、nは2以上の自然数)とし、
前記減衰要素の減衰定数を下からc1,c2,…,cn(nはマスの数、nは2以上の自然数)としたとき、c1,c2,…,cnが、
C1:C2:…:Cn=c1:c2:…:cn (式4)
の式を満足するように決められているとよい。その場合は、建物の複数の固有振動数のいずれの振動に対しても減衰要素をうまい具合に効かせることが可能となる。
前記減衰要素の減衰定数を下からc1,c2,…,cn(nはマスの数、nは2以上の自然数)としたとき、c1,c2,…,cnが、
C1:C2:…:Cn=c1:c2:…:cn (式4)
の式を満足するように決められているとよい。その場合は、建物の複数の固有振動数のいずれの振動に対しても減衰要素をうまい具合に効かせることが可能となる。
本発明は、以上のとおりのものであるから、建物の複数の固有振動数に対して制振効果を発揮することができる。また、一つの大きなマスで建物の一次固有振動数の振動を低減するチューンドマスダンパーに比べ、マスを分割することができて、チューンドマスダンパーの施工性も容易にすることができる。
次に、本発明の実施最良形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す実施形態において、1は建物、2はチューンドマスダンパーであり、建物1は、3階建の3層構造物からなり、3質点系の振動モデルとして表されている。チューンドマスダンパー2は、建物1の層数、即ち3つのマス3,4,5を上下方向の3段、直列に配置し、マス3,4,5間及び最下のマス3と建物1が3つの復元要素6,7,8と、3つの減衰要素9,10,11とで連結されている。
そして、建物1の3質点系の振動モデルとして求められる各層の質量を下からM1,M2,M3、最下の層と地上12との間を含む層間のバネ定数を下からK1,K2,K3とし、マス3,4,5の質量を下からm1,m2,m3とし、復元要素6,7,8のバネ定数を下からk1,k2,k3としたとき、上記のm1,m2,m3及びk1,k2,k3が、
M1:M2:Mn=m1:m2:mn (式1)
K1:K2:Kn=k1:k2:kn (式2)
(K1/M1)=(k1/m1),(K2/M2)=(k2/m2),(K3/M3)=(k3/m3) (式3)
の3つの式を満足するように決められている。
M1:M2:Mn=m1:m2:mn (式1)
K1:K2:Kn=k1:k2:kn (式2)
(K1/M1)=(k1/m1),(K2/M2)=(k2/m2),(K3/M3)=(k3/m3) (式3)
の3つの式を満足するように決められている。
また、建物1の3質点系の振動モデルとして求められる最下の層と地上との間を含む層間の減衰係数を下からC1,C2,C3とし、減衰要素9,10,11の減衰定数を下からc1,c2,c3としたとき、c1,c2,c3が、
C1:C2:…:Cn=c1:c2:…:cn (式4)
の式を満足するように決められている。
C1:C2:…:Cn=c1:c2:…:cn (式4)
の式を満足するように決められている。
なお、建物1の重量とマスの合計質量との比は、100:1、建物1の減衰係数とマスダンパー2の減衰係数は1:0.03〜0.04などに設定されていればよい。
このようにチューンドマスダンパー2を設計することにより、建物1の複数の固有振動数の振動はいずれも低減され、また、建物1の複数の固有振動数のいずれの振動に対しても減衰要素9,10,11がうまい具合に効く。
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、3階建て建物を対象とした場合を示しているが、2階建て建物を2層構造物として2質点系の振動モデルに基づいて設計されたチューンドマスダンパーに構成されていてもよいし、4階建て以上の建物に対しても同様に方法に基づいて設計されていてもよい。また、建物の階数と異なる層数の多層構造物と見てその層数の数に対応する質点系の振動モデルに基づいて設計されたチューンドマスダンパーに構成されていてもよい。
1…建物
2…チューンドマスダンパー
3,4,5…マス
6,7,8…復元要素
9,10,11…減衰要素
2…チューンドマスダンパー
3,4,5…マス
6,7,8…復元要素
9,10,11…減衰要素
Claims (2)
- 多層構造物の上端部に設置されるチューンドマスダンパーであって、
多層構造物の層数と同じ数備えられて上下方向に直列に配置された複数のマスと、
マス間及び最下のマスと構造物を連結する複数の復元要素と
が備えられ、
多層構造物を多質点系の振動モデルとして求められる各層の質量を下からM1,M2,…,Mn(nは層数、nは2以上の自然数)、最下の層と地上との間を含む層間のバネ定数を下からK1,K2,…,Kn(nは層数、nは2以上の自然数)とし、
前記マスの質量を下からm1,m2,…,mn(nはマスの数、nは2以上の自然数)とし、復元要素のバネ定数を下からk1,k2,…,kn(nはマスの数、nは2以上の自然数)としたとき、
m1,m2,…,mn及びk1,k2,…,knが、
M1:M2:…:Mn=m1:m2:…:mn (式1)
K1:K2:…:Kn=k1:k2:…:kn (式2)
(K1/M1)=(k1/m1),(K2/M2)=(k2/m2),…,(Kn/Mn)=(kn/mn) (式3)
の式を満足するように決められていることを特徴とする多層構造物用のチューンドマスダンパー。 - 前記マス間及び最下のマスと構造物を連結する複数の減衰要素が備えられ、
多層構造物を多質点系の振動モデルとして求められる最下の層と地上との間を含む層間の減衰係数を下からC1,C2,…,Cn(nは層数、nは2以上の自然数)とし、
前記減衰要素の減衰定数を下からc1,c2,…,cn(nはマスの数、nは2以上の自然数)としたとき、c1,c2,…,cnが、
C1:C2:…:Cn=c1:c2:…:cn (式4)
の式を満足するように決められている請求項1に記載の多層構造物用のチューンドマスダンパー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004288865A JP2006104674A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 多層構造物用のチューンドマスダンパー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004288865A JP2006104674A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 多層構造物用のチューンドマスダンパー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006104674A true JP2006104674A (ja) | 2006-04-20 |
Family
ID=36374728
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004288865A Pending JP2006104674A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 多層構造物用のチューンドマスダンパー |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2006104674A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013029137A (ja) * | 2011-07-27 | 2013-02-07 | Takenaka Komuten Co Ltd | 制振装置 |
CN108894571A (zh) * | 2018-07-27 | 2018-11-27 | 北京金风科创风电设备有限公司 | 阻尼系统以及具有该阻尼系统的承载围护结构 |
-
2004
- 2004-09-30 JP JP2004288865A patent/JP2006104674A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013029137A (ja) * | 2011-07-27 | 2013-02-07 | Takenaka Komuten Co Ltd | 制振装置 |
CN108894571A (zh) * | 2018-07-27 | 2018-11-27 | 北京金风科创风电设备有限公司 | 阻尼系统以及具有该阻尼系统的承载围护结构 |
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