JP2006104371A - ポリイミド前駆体樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶媒乾燥に必要な比較的低温でイミド化が進行せず220℃以下の温度でイミド化が可能であって、イミド化後はポリイミドが本来持つ高いガラス転移温度、高い耐薬品性、優れた機械物性を有するポリイミド前駆体樹脂組成物、および、それをポリイミド化してなるポリイミド樹脂を含有する構造体を提供する。
【解決手段】
a)ポリアミド酸と、b)下記一般式(I)で示される三フッ化ホウ素誘導体を必須成分として含み、a)成分とb)成分の和100質量部を基準として、a)成分が70〜99.9質量部でありb)成分が0.1〜30質量部であることを特徴とするポリイミド前駆体樹脂組成物。
【化1】
Figure 2006104371

(ただし、一般式(I)中、Rは炭素数1〜20の1〜3級アミン化合物である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、逐次積層工程が可能な多層配線板の絶縁材料や半導体チップ等の電子部品における絶縁保護膜形成材料等に用いられる、耐薬品性、低吸水率、密着性、耐熱性に優れた低温硬化可能なポリイミド前駆体樹脂組成物、ならびに前記前駆体より誘導されるポリイミド樹脂を含む構造体に関する。
従来、回路基板の層間絶縁樹脂としてはエポキシ樹脂が使用されている。エポキシ樹脂は流動性が高く加工温度が低いなど取扱いが容易なため広く電子材料用途に使用されているが、熱膨張係数が高い上、熱硬化性樹脂であるため他の一般の熱硬化性樹脂と同様に機械強度測定における破断伸度、引張強伸度などの機械特性は十分ではなく概して脆い材料である。エポキシ樹脂の熱膨張係数を下げる方法として、シリカなど低熱膨張係数を持ったフィラー成分の混合する方法などが用いられるが、靭性の低下をもたらしさらに脆い材料となって引張強伸度などの特性を損なうため、冷熱衝撃試験といった電子機器としての信頼性試験に掛けた時にクラックが生じることが問題となる。
一方、ポリイミド樹脂は、一般に、高いガラス転移温度/高い耐薬品性/優れた機械物性/優れた電気特性などを有する材料として電子回路用の基材や層間絶縁樹脂層として広く使用されてきた。しかし、通常のポリイミド樹脂は、特性を発現させるため、イミド化硬化温度が300℃以上と、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に比較して高く、そのために使用範囲が限定されるという欠点があった。
イミド化硬化温度を低下させる方法として、ポリイミド分子構造中に屈曲性の高い構造を導入する方法や、無水酢酸とピリジンなどの化学イミド化剤を利用する方法が知られている。しかしながら、前者においては、屈曲性の高い構造を分子鎖に導入することによりポリイミドのガラス転移温度を著しく下げざるを得ず、熱膨張係数や耐熱性や耐薬品性や機械物性などの性能を損なうことが多かった。また、後者においては、イミド化の硬化温度の低下が可能であるが、硬化速度の制御が困難であり、保存時や電子回路基板や電子素子製造工程に適用する際の溶媒乾燥の段階ですでにイミド化が進行してしまい、好ましい製造工程上の特性が得られない。例えば、ポリアミド酸を含む塗布用溶液をコーティングした後90〜120℃程度の低温で溶媒を乾燥した後、その上にフォトレジストを形成してアルカリ水溶液よりなるフォトレジストの現像時に下層に設けたポリアミド酸層を同時にエッチング開孔し、フォトレジストの剥離後に高温加熱によりポリイミド化して開孔されたポリイミド層を得るという方法が半導体チップ製造工程などで採られるが、上記の例のようなこれまでに知られた化学イミド化剤を用いると、低温乾燥時にイミド化が進行しすぎてしまうことでエッチング性を著しく損なう。
また、特許文献1には、ポリアミド酸を含むフィルムを80〜200℃の温度で加熱乾燥し、厚み50μm以下にてイミド化率が10〜50%である離型フィルム上に形成された半硬化状態のポリアミック酸フィルムとする技術が開示されているが、この場合でも、加熱乾燥した後に、イミド化率が10%以上のため、樹脂の流動性が低下するために、該組成物を電子回路配線の凹凸がある基板用のラミネート材料として用いようとしたときに配線間への樹脂の埋込み性が得られないという問題がある。特許文献2には、200℃以下での硬化が可能なポリイミド樹脂組成物が開示されているが、化学イミド化剤の利用により200℃での硬化が可能となるが、120℃でのイミド化率が35%以上のため、同様にして、樹脂の流動性が低下するために、該組成物を電子回路配線の凹凸がある基板用のラミネート材料として用いようとしたときに配線間への樹脂の埋込み性が得られないという問題がある。これまで知られた化学イミド化剤では、100℃前後でのイミド化を抑制することは困難だった。
以上述べたように、ポリイミドの優れた物理的特性をより広い用途で活かすには、100℃前後の比較的低温での乾燥工程ではポリイミド化が実質的に進行せず、一方、それに引き続くそれほど高くない温度での加熱イミド化の工程で完全にイミド化するような材料の開発が望まれていた。
特開平4−339834号公報 特開平8−245879号公報
本発明は、上記のような状況を鑑みてなされたもので、ポリイミドが本来持つ高いガラス転移温度、高い耐薬品性、優れた機械物性を保持し、溶媒乾燥程度の温度ではイミド化が実質的に進行せず、樹脂流動性やアルカリ水溶液でのエッチング性といった電子機器回路基板や電子素子製造工程で必要な性能を保持しながら、その後の220℃以下の温度での加熱によりイミド化が可能である組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造の化合物を用いると、溶媒乾燥のための加熱温度ではイミド化が進行せず、一方で220℃以下の加熱温度で完全にイミド化することのできる、潜在硬化性の高いポリイミド前駆体樹脂組成物を見いだし、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)a)ポリアミド酸と、b)下記一般式(I)で示される三フッ化ホウ素誘導体を必須成分として含み、a)成分とb)成分の和100質量部を基準として、a)成分が70〜99.9質量部でありb)成分が0.1〜30質量部であることを特徴とする低温硬化性ポリイミド前駆体樹脂組成物。
Figure 2006104371
(ただし、一般式(I)中、Rは炭素数1〜20の1〜3級アミン化合物である。)
(2)(1)の低温硬化性ポリイミド前駆体樹脂組成物をイミド閉環させてなるポリイミド樹脂を含む構造体。
逐次積層工程が可能な多層配線板の絶縁材料や半導体チップ等の構造体における絶縁保護膜形成材料等に用いられる、イミド化後の耐薬品性、低吸水率、密着性、耐熱性に優れた低温硬化可能なポリイミド前駆体樹脂組成物に関する。
本発明の低温硬化性樹脂組成物は、電子回路基板や電子素子製造工程へ適用するために必要な成型工程での加熱条件ではイミド化が実質的に進行せず、一方で、その後に220℃以下の加熱処理を行うことでイミド化が可能であるポリイミド樹脂組成物を提供することができる。
これにより、半導体製造工程のような電子素子製造工程の中でのポリアミド酸を用いる製造工程が容易になるのはもとより、電子回路基板へのポリアミド酸の応用用途が広がった。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の低温硬化性ポリイミド樹脂組成物におけるa)成分であるポリアミド酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより得られ、 また、必要に応じて、ジカルボン酸無水物も加えて反応させても良い。
上記のテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸、ベンゼンテトラカルボン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、オキシジフタル酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸などの二無水物が挙げられる。また、上記のジアミンとしては、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンなどが挙げられる。更に、ジカルボン酸無水物とテトラカルボン酸二無水物とジアミンは、それぞれ1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
これらのポリアミド酸は、前記のテトラカルボン酸二無水物(必要に応じ、ジカルボン酸無水物を含む)成分とジアミン成分を反応させて得られるが、それら成分がブロックあるいは、ランダムに含有されていてもよい。
本発明の低温硬化性ポリイミド前駆体樹脂組成物におけるb)成分である、一般式(I)で示される三フッ化ホウ素誘導体は、三フッ化ホウ素とアミン化合物から構成される化合物であり、式中Rは炭素数1〜20の1〜3級アミン化合物である。
Figure 2006104371
三フッ化ホウ素誘導体におけるアミン化合物は、化学安定性などの観点からRは1〜10である1〜3級アミン化合物が好ましい。1〜3級アミン化合物としては、モノメチルアミンやモノエチルアミンなどの1級アミン、ピペリジンなどの2級アミン、また、トリエタノールアミンなどの3級アミンがあげられる。アミンは、それぞれ1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
また、これらの中でも、室温よりも高い温度で容易に解離することが可能であり、ポリイミド樹脂との相溶性が良好なエチルアミンやピペリジンなどがより好ましい。
また、対応するアミン化合物は、三フッ化ホウ素誘導体に対してそれぞれ1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
ポリイミド前駆体樹脂組成物中のb)三フッ化ホウ素誘導体の割合は、a)成分とb)成分の和100質量部を基準として、b)成分が0.1〜30質量部であり、好ましくは、0.5〜20質量部である。220℃以下での硬化といった低温硬化性の観点から、b)成分は0.1質量部以上、イミド化の硬化速度の制御の観点から30質量部以下であることが必要である。
本発明で用いられる樹脂組成物には、用途に応じて溶媒や添加剤を加えることも可能である。溶媒としては、前記のポリアミド酸と混合するもので、例として、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラメチル尿素等が挙げられる。本発明に使用する好ましい溶媒は、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチル−2−ピロリドンである。これらは単独、または2種以上を混合して用いることができる。また添加剤として、脱水剤、シリカなどのフィラー、及びシランカップリング剤などの表面改質剤などをさらに加えても良い。
本発明のポリイミド樹脂を含む構造体は、前記のポリイミド前駆体樹脂組成物を220℃以下の温度で加熱硬化して得たポリイミド樹脂を含む構造体である。加熱時の雰囲気は、不活性ガス中でも良いし、構造体の他の構成成分に酸化などの問題のない限り空気中でも良い。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
尚、以下の実施例において、ポリアミド酸の特性やイミド化の程度の測定は、次のようにして行った。
(1)還元粘度
ポリマー濃度が0.5g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドン溶液を調整した後、柴田科学株式会社製の粘度計番号1のウベローデ粘度管を使用し、温度30℃±1℃の恒温水槽中で測定した。
(2)イミド化率
本発明において、イミド化率は、IR法で求めた。使用した測定器は、Thermo Nicolet Corporation製Centaurusで、Ge結晶を使用したATR法で測定した。Journal of Polymer
Science:Part A:Polymer Chemistry,Vol.27,711−724(1989)に倣い、1500cm-1近傍のベンゼン環に基づくピークを基準とし、1380cm-1近傍のイミド環生成に基づくピークの吸光度との比からイミド化率を求める。それらのピーク前後でピークの谷と谷を結ぶように適宜ベースラインを引き、それぞれのピークからそのベースラインへ降ろした線とベースラインとの交点からピークまでの高さをそれぞれの吸光度と定義し、本発明の樹脂を窒素雰囲気で300℃60分間熱処理した際の樹脂の1380cm-1における吸光度をA1、1500cm-1の吸光度をA2とし、各条件における1380cm-1の吸光度をB1、1500cm-1の吸光度をB2とした場合、各条件におけるイミド化率Cは、300℃60分間熱処理時のそれを100として、イミド化率C=((B1/B2)/(A1/A2))×100(%)の式で算出した。
(3)吸水率
イミド化が完結せずポリアミド酸が残存していると、その量に応じて該ポリマー層の吸水率は増加する。吸水率は、樹脂組成物を200℃90分空気中にて熱処理し、縦5cm×横5cm×厚さ10μmとしたフィルムで測定した。このフィルムを105℃60分間加熱乾燥した後、質量を測定し、その後100℃沸騰水中に1 時間浸漬させた後、フィルム表面の水滴をふき取り質量を測定した。吸水率は、以下の計算式にて計算した。
吸水率(%)=(浸漬後の質量−浸漬前の質量)/浸漬前の質量×100
(4)樹脂流動性
樹脂組成物の流動性は、ポリエステルフィルム上に形成した樹脂組成物層を10cm角のシートに切断し、圧力2.9MPa、170℃で10分間プレスした後に、シート外に流れ出した樹脂の質量%で評価した。7.0質量%以上であるときに充分な樹脂流動性があると評価した。
[ 実施例1]
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量500mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、水分吸収用シリカゲル乾燥管を取り付けた。このフラスコにN−メチル−2−ピロリドン(脱水)(和光純薬工業株式会社製)(以下NMPと略す)347.9g、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(和歌山精化工業株式会社製)(以下ODAと略す)27.5gを室温にて加え、撹拌・溶解した後に、氷水にてフラスコを冷却した。フラスコ内の液体の温度が5℃になった際に、無水フタル酸(和光純薬工業株式会社製)(以下PAと略す)0.5gを加え5分間撹拌後に3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(ダイセル化学工業株式会社製)(以下BTDAと略す)43.7gをフラスコに除々に加え、氷水で冷却しながら8時間撹拌した。反応終了後のポリアミド酸樹脂の還元粘度は、1.27dl/gであった。上記で製造したポリアミド酸ワニス100g(固形分濃度17.2wt%)に対して三フッカホウ素・モノエチルアミン1.85g(和光純薬工業株式会社製)を加え十分攪拌して樹脂組成物ワニスを得た。
このワニスを80℃に保温された平滑なプレートに保持されたポリエステルフィルム上に塗布して30分放置後、空気循環式の乾燥炉で100℃30分乾燥してフィルムを得た。乾燥後の樹脂組成物層の厚さは40μmであった。このフィルムは、4%のイミド化されており、流動性は11質量%であり、良好な流動性であった。
このフィルムにおける支持フィルムであるポリエステルフィルムを剥離して、空気循環式の乾燥炉で200℃90分の熱処理を実施した。100%のイミド化であった。吸水率は、0.3%であった。得られた結果を要約して表1に示す。
[ 実施例2]
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量300mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、水分吸収用シリカゲル乾燥管を取り付けた。このフラスコにNMP256.3g、ODA13.5gを室温にて加え、撹拌・溶解した後に、氷水にてフラスコを冷却した。フラスコ内の液体の温度が5℃になった際に、BTDA21.4gをフラスコに除々に加え、氷水で冷却しながら8時間撹拌した。反応終了後のポリアミド酸樹脂の還元粘度は、0.85dl/gであった。上記で製造したポリアミド酸ワニス100g(固形分濃度17.2wt%)に対して三フッ化ホウ素・モノエチルアミン1.85g(和光純薬工業株式会社製)を加え十分攪拌して樹脂組成物ワニスを得た。このワニスを80℃に保温された平滑なプレートに保持されたポリエステルフィルム上に塗布して30分放置後、空気循環式の乾燥炉で100℃30分乾燥して樹脂シートを得た。乾燥後の樹脂組成物層の厚さは40μmであった。このフィルムは、4%のイミド化されており、流動性は10質量%であり、良好な流動性であった。このフィルムにおけるの支持フィルムを剥離して、空気循環式の乾燥炉で200℃90分の熱処理を実施した。100%のイミド化であった。吸水率は、0.6%であった。 得られた結果を要約して表1に示す。
[ 実施例3]
実施例2で製造したポリアミド酸ワニス100gに対して(固形分濃度17.2wt%)に対して三フッ化ホウ素・モノエチルアミン1.85g(和光純薬工業株式会社製)を加え十分攪拌して樹脂組成物ワニスを得た。この樹脂組成物ワニスをSiウェハー上に乾燥後の膜厚が17μmとなるようにスピンコートし、100℃で20分乾燥した後、イミド化率4%のポリアミド酸膜を得た。その塗布膜を2.38wt%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用いて、完全に溶解する時間を23℃で測定したところ、膜厚1μmあたり28秒だった。
このことから、上記樹脂組成物ワニスのフォトレジスト現像時のエッチング性能は良好であることが判る。
[ 比較例1]
実施例1で製造したポリアミド酸ワニス100g(固形分濃度17.2wt%)に対して、三フッ化ホウ素・モノエチルアミンを加えない以外は、同様にしてフィルムを得た。
100℃30分乾燥後のフィルム中の樹脂組成物層の厚さは40μmであった。この樹脂組成物層の組成は、2%イミド化されており、流動性は8.2質量%であり、良好な流動性であった。このフィルムにおける支持フィルムを剥離して、空気循環式の乾燥炉で200℃90分の熱処理を実施した。92%のイミド化であった。吸水率は、2.2%であった。得られた結果を要約して表1に示す。これを実施例1と比較すると、実施例1では100℃乾燥後のイミド化率は変わらず、さらに、200℃熱処理後において比較例1ではイミド化率が92%に留まるのに対して、実施例1では100%となっており、本願の化学イミド化剤が望ましい潜在硬化性を有することが判る。
[ 比較例2]
実施例1で製造したポリアミド酸ワニス100g(固形分濃度17.2wt%)に対して三フッ化ホウ素・モノエチルアミン8g(和光純薬工業株式会社製)を加え十分攪拌して樹脂組成物ワニスを得た。
このワニスを80℃に保温された平滑なプレートに保持されたポリエステルフィルム上に塗布して30分放置後、空気循環式の乾燥炉で100℃30分乾燥してフィルムを得た。乾燥後の樹脂組成物層の厚さは40μmであった。このフィルムは、12%のイミド化されており、流動性は0質量%であり、流動性が得られなかった。
このフィルムにおける支持フィルムを剥離して、空気循環式の乾燥炉で200℃90分の熱処理を実施した。100%のイミド化であった。吸水率は、0.3%であった。得られた結果を要約して表1に示す。
[ 比較例3]
実施例1で製造したポリアミド酸ワニスに対して1.8gの2−エチル−4−メチルイミダゾールを加えて、十分攪拌して樹脂組成物ワニスを得た。
このワニスを80℃に保温された平滑なプレートに保持されたポリエステルフィルム上に塗布して30分放置後、空気循環式の乾燥炉で100℃30分乾燥してフィルムを得た。乾燥後の樹脂組成物層の厚さは40μmであった。このフィルムは、14%のイミド化されており、流動性は0.4質量%であり、流動性が得られなかった。
このフィルムにおける支持フィルムを剥離して、空気循環式の乾燥炉で200℃90分の熱処理を実施した。100%のイミド化であった。吸水率は、0.7%であった。得られた結果を要約して表1に示す。
[ 比較例4]
実施例2で製造したポリアミド酸ワニス100gに対して(固形分濃度17.2wt%)に対して1.8gの2−エチル−4−メチルイミダゾールを加え十分攪拌して樹脂組成物ワニスを得た。この樹脂組成物ワニスをSiウェハー上に乾燥後の膜厚が17μmとなるようにスピンコートし、100℃で20分乾燥した後、イミド化率14%のポリアミド酸膜を得た。その塗布膜を2.38wt%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用いて、完全に溶解する時間を23℃で測定したところ、1μmあたり40秒であった。
このことから、上記樹脂組成物ワニスのフォトレジスト現像時のエッチング性能は不十分であることが判る。
本発明のポリイミド前駆体樹脂組成物は、耐薬品性、低吸水率、密着性、耐熱性に優れ、溶媒乾燥時にイミド化しないため必要な成型が可能であり、その後220℃以下の温度でイミド化硬化できるため、電子回路基板用多層配線板の絶縁材料や、半導体チップ等の電子部品における絶縁保護膜形成材料等に好適である。
Figure 2006104371






Claims (2)

  1. a)ポリアミド酸と、b)下記一般式(I)で示される三フッ化ホウ素誘導体を必須成分として含み、a)成分とb)成分の和100質量部を基準として、a)成分が70〜99.9質量部でありb)成分が0.1〜30質量部であることを特徴とするポリイミド前駆体樹脂組成物。
    Figure 2006104371
    (ただし、一般式(I)中、Rは炭素数1〜20の1〜3級アミン化合物である。)
  2. 請求項1記載のポリイミド前駆体樹脂組成物をイミド閉環させてなるポリイミド樹脂を含む構造体。
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