JP2006104359A - 感光性印刷版材用ブロック共重合体およびその組成物およびそれを用いた感光性エラストマー組成物 - Google Patents

感光性印刷版材用ブロック共重合体およびその組成物およびそれを用いた感光性エラストマー組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザー加工特性、画像現像性、小さな文字でも鮮明な印刷性、親水性ポリマーを添加した場合には水現像性に優れた感光性印刷版材用ブロック共重合体、その組成物および感光性エラストマー組成物を提供する。
【解決手段】芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなり、芳香族ビニル化合物含量が10〜40重量%で、トルエン不溶分が30ppm以下で、タイプA硬度が85以下で、共役ジエンを主体とする重合体ブロック中の、ビニル結合含有量が50%以下である感光性印刷版材用ブロック共重合体、この感光性印刷版材用ブロック共重合体に対し、酸化防止剤がノニルフェノールを含有せず、リン系化合物、フェノール系化合物およびラクトン系化合物の群から選ばれた少なくとも1種を含む感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、1)感光性印刷版材用ブロック共重合体、2)感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物、3)感光性エラストマー組成物に関する。さらに詳しくは、水現像性を有し、画像現像性、小さな文字でも鮮明な印刷性、寸法安定性、親水性ポリマーを添加した場合には水現像性に優れた感光性印刷版材用ブロック共重合体および感光性エラストマー組成物に関する。
感光性エラストマー組成物は、フレキソ印刷やレタープレス印刷に代表される凸版印刷用の版材に使用され、主に、フィルム、ラベル、封筒、重袋、包装紙類、段ボールなどに広く用いられている。
感光性エラストマー組成物のエラストマーバインダーとして、主に熱可塑性ブロック共重合体が使用され、その中でもスチレンを主体とする重合体ブロックと、ブタジエンまたはイソプレンを主体とする重合体ブロックからなるスチレン系熱可塑性エラストマー(SBS、SIS)が特に良く開示されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
感光性エラストマー組成物を得る方法として、スチレン系熱可塑性エラストマーと光重合性モノマー、光重合開始剤および水現像可能とする場合は親水性重合体とを100℃〜200℃の混合機で混練するのが一般的である。その際、画像再現性に優れ、小さな文字でも鮮明な印刷性を有するための一つの要因として、感光性エラストマー組成物のゲル量抑制が挙げられる。
ゲル量の抑制としては、(1)混練時の熱劣化防止、(2)原材料中のゲル量管理などがあり、(1)については混練り温度の適正化や老化防止剤(酸化防止剤)量の適正化で対応している。
また、(2)については、原料由来のゲル量を管理することで対応している。
原材料のうち、最もゲル量に影響するのは、スチレン系熱可塑性エラストマーといわれている。ゲル量削減の対策として、ブタジエンまたはイソプレンを主体とする重合体ブロック部分の残存二重結合を飽和したタイプ(SEBS、SEPS)や部分的に飽和したタイプ(SBBS)を使用する例が開示されている(特許文献4)。
飽和タイプにした場合、光重合開始剤によるスチレン系熱可塑性エラストマーと光重合性モノマーとの共架橋性に劣り好ましくない。
また、スチレン系熱可塑性エラストマー中の老化防止剤(酸化防止剤)量を適正値以上にすることも考えられるが、光硬化速度が遅くなり、さらに材料コストの上昇の問題もあり好ましくない。
特開平5−94015号公報 特開2003−280186号公報 特開平5−134425号公報 特開平9−40728号公報
本発明は、レーザー加工特性、画像現像性、小さな文字でも鮮明な印刷性、親水性ポリマーを添加した場合には水現像性に優れた感光性印刷版材用ブロック共重合体およびその組成物、ならびに感光性エラストマー組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の性能を有する感光性エラストマー組成物を開発するために、鋭意検討を重ねた結果、ある特定の範囲の構造でゲル量が少ない芳香族ビニル化合物と共役ジエンとの感光性印刷版材用ブロック共重合体が、非常に優れた性能を示し、本目的が達成されることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
本発明は、少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなり、(ア)芳香族ビニル化合物含量が10〜40重量%で、(イ)トルエン不溶分が30ppm以下で、(ウ)タイプA硬度が85以下、(エ)共役ジエンを主体とする重合体ブロック中の、ビニル結合含有量が50%以下であることを特徴とする感光性印刷版材用ブロック共重合体に関する。
ここで、本発明の感光性印刷版材用ブロック共重合体としては、(オ)少なくとも2個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体であって、該ブロック共重合体中の全結合芳香族ビニル化合物含量が10〜40重量%であり、かつゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した、標準ポリスチレン換算のピーク分子量が70,000〜400,000であるブロック共重合体と、(カ)1個以上の芳香族ビニル化合物重合体ブロックと1個以上の共役ジエンを主体とする重合体ブロックを含むブロック重合体であって、かつゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した、標準ポリスチレン換算のピーク分子量が(オ)ブロック共重合体のピーク分子量の1/3未満であるブロック重合体とを、(オ)/(カ)(重量比)=50〜95/5〜50の割合で含有するブロック共重合体が好ましい。
また、以上の感光性印刷版材用ブロック共重合体は、(キ)メルトフローレート(E条件)が0.1〜20で、(ク)かさ密度が0.1〜0.5、(ケ)粒径分布が5メッシュに残る成分が20重量%以下で、なおかつ20メッシュを通過する成分が20重量%以下で、(コ)細孔の全容積が100〜1,000mm/gであり、(サ)トルエン不溶分が20ppm以下であることが好ましい。
次に、本発明は、上記感光性印刷版材用ブロック共重合体100重量部に対し、(シ)酸化防止剤がノニルフェノールを含有せず、加水分解後ノニルフェノールを発生しない、リン系化合物、フェノール系化合物およびラクトン系化合物の群から選ばれた少なくとも1種を0.5〜4.0PHR含む感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物に関する。
次に、本発明は、(ス)上記感光性印刷版材用ブロック共重合体および/または感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物と、(セ)光重合性不飽和単量体と、(ソ)光重合開始剤を含有することを特徴とする感光性エラストマー組成物に関する。
次に、本発明は、上記(ス)感光性印刷版材用ブロック共重合体と、(セ)光重合性不飽和単量体と、(ソ)光重合開始剤と、(タ)親水性ポリマーを含有する感光性エラストマー組成物に関する。
本発明の印刷版材用ブロック共重合体は、フレキソ印刷やレタープレス印刷に代表される凸版印刷用の版材のエラストマーバインダーとして好適である。
また、本発明の感光性エラストマー組成物は、この本発明の印刷版材用ブロック共重合体と光重合性不飽和単量体と光重合開始剤および水現像性を必要とする場合は親水性ポリマーとの組成物であり、レーザー加工特性、画像現像性、小さな文字でも鮮明な印刷性、親水性ポリマーを添加した場合には水現像性にを優れ、ひいては、フレキソ版用感光性樹脂、凸版用感光性樹脂などに使用可能な感光性エラストマー組成物を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に使用される感光性印刷版材用ブロック共重合体は、少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体である。
ここで、感光性印刷版材用ブロック共重合体を得るために用いられる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンが好ましい。
また、感光性印刷版材用ブロック共重合体を得るために用いられる共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、より好ましくは1,3−ブタジエン、イソプレンである。
(ア)感光性印刷版材用ブロック共重合体の芳香族ビニル化合物含有量は、10重量%〜40重量%、好ましくは10重量%〜30重量%である。この含有量が10重量%未満では、露光後フレキソ印刷版、レタープレス印刷板としたときの版強度が低く、洗い出し工程時版材の欠陥や過剰の印圧がかかった場合にシャープな印刷ができない。一方、40重量%を超えると、版材の柔軟性が劣りカスレや印刷ムラの原因となり好ましくない。
また、(イ)感光性印刷版材用ブロック共重合体のトルエン不溶分は、30ppm以下、好ましくは20ppm以下、さらに好ましくは15ppm以下である。この含有量が30ppmを超えると、洗い出し工程時版材の欠陥の原因や印刷時小さな文字の鮮明さにかけ好ましくない。ここで、トルエン不溶分は、後記した方法により測定された値である。トルエン不溶分は、脱溶時の条件を穏和にすることにより容易に調整することができる。
さらに、(ウ)感光性印刷版材用ブロック共重合体の硬度は、タイプA硬度が85以下、好ましくは30〜70、さらに好ましくは35〜70である。85を超えると、柔軟性が劣りカスレや印刷ムラの原因となり好ましくない。硬度は、芳香族ビニル化合物の全結合含有量により、容易に調整することができる。
なお、(エ)感光性印刷版材用ブロック共重合体の共役ジエンを主体とする重合体ブロックのビニル結合含有量は50重量%以下、好ましくは35重量%以下である。この含有量が50重量%を超えると、ゲル化しやすく好ましくない。
本発明の感光性印刷版材用ブロック共重合体としては、好ましくは、(オ)少なくとも2個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体であって、該ブロック共重合体中の全結合芳香族ビニル化合物含量が10〜40重量%であり、かつゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した、標準ポリスチレン換算のピーク分子量が70,000〜400,000であるブロック共重合体と、(カ)1個以上の芳香族ビニル化合物重合体ブロックと1個以上の共役ジエンを主体とする重合体ブロックを含むブロック重合体であって、かつゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した、標準ポリスチレン換算のピーク分子量が(オ)ブロック共重合体のピーク分子量の1/3未満であるブロック重合体とを、(オ)/(カ)(重量比)=50〜95/5〜50の割合で含有するブロック共重合体が好ましい。
なお、本発明において、「ピーク分子量」とは、ピーク先端の分子量を示し、以下も同様である。
上記(オ)ブロック共重合体は、画像再現性に優れ、小さな文字でも鮮明な印刷性を有するため、好適である。
(オ)ブロック共重合体中の芳香族ビニル化合物の全結合含有量は、好ましくは10〜40重量%である。この全結合含有量が、10重量%未満では、露光後フレキソ印刷板、レタープレス印刷版としたときの版強度が低く、洗い出し工程時版材の欠陥や過剰の印圧がかかった場合にシャープな印刷ができない。一方、40重量%を超えると、版材の柔軟性が劣りカスレや印刷ムラの原因となり好ましくない。さらに好ましくは、15〜30重量%である。
また、(オ)ブロック共重合体中の共役ジエンを主体とする重合体ブロック中の、ビニル結合含有量は、50重量%以下である。50重量%を超えると、ゲル化しやすく好ましくない。好ましくは、35重量%以下である。
さらに、(オ)ブロック共重合体の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックのピーク分子量は、5,000〜20,000が好ましく、さらに好ましくは6,000〜18,000である。ピーク分子量が、5,000未満では、露光後フレキソ印刷板、レタープレス印刷版としたときの版強度が低く、洗い出し工程時版材の欠陥や過剰の印圧がかかった場合にシャープな印刷ができず好ましくない。一方、20,000を超えると(カ)ブロック共重合体の含有下でも版材の柔軟性が劣りカスレや印刷ムラの原因となり好ましくない。
また、共役ジエンを主体とする重合体ブロックには、芳香族ビニル化合物を含んでいてもよい。例えば、結合芳香族ビニル化合物を(オ)中の全結合芳香族ビニル化合物の0〜40重量%含有することができ、さらに好ましくは0〜30重量%である。また、その構造はランダム状でも、漸増するテーパーブロックでもよい。ランダム、テーパーの分析手法としては田中らによるブタジエン単位の二重結合を全てオゾン開裂して得られた分解物のGPCによる方法(高分子学会予稿集第29巻9号2055頁)や、四酸化オスミウムとt−ブチルハイドロパーオキシドによる酸化分解法(「ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス」第1巻、第429頁、1946年)などがある。共役ジエンを主体とする重合体ブロックに結合芳香族ビニル化合物を含有させることにより、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックおよび共役ジエンを主体とする重合体ブロックの鎖長を調節することで、感光性エラストマー組成物に使用する光重合性不飽和単量体との混和性が向上する。共役ジエンを主体とする重合体ブロックの結合芳香族ビニル化合物の量が40重量%を超えると、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックの分子量が小さくなりすぎるため、露光後フレキソ印刷板、レタープレス印刷版としたときの版強度が低く、洗い出し工程時版材の欠陥や過剰の印圧がかかった場合にシャープな印刷ができず好ましくない。これが漸増するテーパーブロックでもよい。
(オ)ブロック共重合体のピーク分子量は、70,000〜400,000であり、好ましくは70,000〜300,000、特に好ましくは70,000〜200,000である。この分子量が、70,000未満では、露光後フレキソ印刷板、レタープレス印刷版としたときの版強度が低く、洗い出し工程時版材の欠陥や過剰の印圧がかかった場合にシャープな印刷ができず好ましくない。一方、400,000を超えると、感光性エラストマー組成物に使用する光重合性不飽和単量体との混和性に劣ることがあり好ましくない。
一方、上記(カ)ブロック共重合体は、感光性エラストマー組成物に使用する光重合性不飽和単量体との混和性を高める相溶化剤として好適である。
なお、(カ)ブロック共重合体中の全結合芳香族ビニル化合物含有量は、好ましくは10重量%を超え70重量%以下、さらに好ましくは10重量%を超え50重量%以下である。この含有量が10重量%以下では、感光性エラストマー組成物に使用する光重合性不飽和単量体との混和性に劣る。一方、70重量%を超えても感光性エラストマー組成物に使用する光重合性不飽和単量体との混和性に劣る。また(オ)ブロック共重合体との共存によりゲルの生成抑制に好ましい効果を与える。
また、(カ)ブロック共重合体中の共役ジエンを主体とする重合体ブロックのビニル結合含有量は好ましくは50重量%未満である。50重量%以上では、ゲル化しやすくなり好ましくない。さらに好ましくは、10〜40重量%である。
また、(カ)ブロック共重合体における芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックのピーク分子量は、好ましくは6,000〜18,000であり、かつ芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックのピーク分子量の合計量は、好ましくは6,000〜35,000である。かつ芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックのピーク分子量が18,000、および/または芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックのピーク分子量の合計量が35,000を超えると、感光性エラストマー組成物に使用する光重合性不飽和単量体との混和性に劣る。一方、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックのピーク分子量が5,000未満、および/または芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックのピーク分子量の合計量が5,000未満では、露光後フレキソ印刷板、レタープレス印刷版としたときの版強度が低く、洗い出し工程時版材の欠陥や過剰の印圧がかかった場合にシャープな印刷ができず好ましくない。
また、(カ)ブロック共重合体全体のピーク分子量は、好ましくは5,000〜50,000が好ましい。5,000未満では、感光性エラストマー組成物に使用する光重合性不飽和単量体との混和性に劣る。一方50,000を超えても、感光性エラストマー組成物に使用する光重合性不飽和単量体との混和性に劣り、好ましくない。
また、(カ)ブロック共重合体において共役ジエンを主体とする重合体ブロックには、(オ)ブロック共重合体と同様に芳香族ビニル化合物を含んでいてもよい。例えば、結合芳香族ビニル化合物を(カ)中の全結合芳香族ビニル化合物の0〜90重量%含有することができ、さらに好ましくは0〜50重量%である。また、その構造はランダム状でも、漸増するテーパーブロックでもよい。
以上の(カ)ブロック共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した標準ポリスチレン換算のピーク分子量が、(オ)ブロック共重合体のピーク分子量の1/3未満、好ましくは1/20〜1/3である。1/3以上では、感光性エラストマー組成物に使用する光重合性不飽和単量体との混和性に劣り好ましくない。
また、(オ)ブロック共重合体と(カ)ブロック共重合体の割合は(オ)/(カ)(重量比)=50〜95/5〜50、好ましくは70〜95/5〜30である。(オ)ブロック共重合体が50重量%未満では露光後フレキソ印刷板、レタープレス印刷版としたときの版強度が低く、洗い出し工程時版材の欠陥や過剰の印圧がかかった場合にシャープな印刷ができない。一方、95重量%を超えると、感光性エラストマー組成物に使用する光重合性不飽和単量体との混和性に劣る。
以上の本発明の(キ)感光性印刷版材用ブロック共重合体のメルトフローレート(E条件)は、好ましくは0.1〜20、さらに好ましくは0.5〜8である。0.1未満では、光重合性不飽和単量体と光重合開始剤および水現像性を必要とする場合は親水性ポリマーとの相溶性が悪く、画像現像性や版強度の低下を起こし好ましくない。一方、20を超えると、版強度が低くなり好ましくない。
なお、感光性印刷版材用ブロック共重合体全体の重量平均分子量は、70,000〜400,000が好ましい。70,000未満では、版強度が低くなり好ましくない。400,000を超えると光重合性不飽和単量体と光重合開始剤および水現像性を必要とする場合は親水性ポリマーとの相溶性が悪く、画像現像性や版強度の低下を起こし好ましくない。
また、本発明の感光性印刷版材用ブロック共重合体は、ペレット、ポーラスペレット、クラムいずれの形状でも良いが、ゲル量、感光性エラストマー組成物の混合時間短縮のため、好ましくはクラムである。さらに好ましいクラム形状は、(ク)かさ密度が0.1〜0.5、(ケ)粒径分布が5メッシュに残る成分が20重量%以下で、なおかつ20メッシュを通過する成分が20重量%以下で、(コ)細孔の全容積が100〜1,000mm/g、(サ)トルエン不溶分が20ppm以下である。
ここで、かさ密度が0.1未満では、感光性エラストマー組成物の混練り時投入時間が長くなり好ましくない。一方、0.5を超えると、感光性エラストマー組成物の混練り時間が長くなり好ましくない。かさ密度は、脱溶時の条件により調整することができる。
また、粒径分布は、5メッシュに残る成分が20重量%を超えると、感光性エラストマー組成物の混練り時投入口でのブリッジが発生し好ましくない。かつ、20メッシュを通過する成分が20重量%を超えると、感光性エラストマー組成物の混練り時投入時間が長くなり好ましくない。この粒径分布は、脱溶時の条件により調整することができる。
本発明に使用される感光性印刷版材用ブロック共重合体は、例えば不活性炭化水素溶媒中において、有機リチウム化合物などを重合開始剤に用い、芳香族ビニル化合物と共役ジエンを逐次重合させることにより製造することができる。
例えば、まず芳香族ビニル化合物を重合させ、次いで共役ジエンを重合させたのち、カップリング剤を反応させるか、再度、芳香族ビニル化合物を反応させることにより製造することができる。また、共役ジエンの重合において、必要に応じて所望量の芳香族ビニル化合物を添加し、共重合してもよい。好ましくはカップリング剤を使用しない製造方法である。カップリング剤を使用するとカップリング剤残さにより透明性が劣り、現像性に影響を及ぼす。
上記不活性炭化水素溶媒としては、ペンタン、n−ヘキサン、ヘプタン、オクタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、キシレンなどの炭化水素が用いられるが、これらの中ではシクロヘキサンが好ましい。
重合開始剤である有機アルカリ金属化合物としては、有機リチウム化合物が好ましい。この有機リチウム化合物としては、有機モノリチウム、有機ジリチウム、有機ポリリチウム化合物が用いられる。
これらの具体例としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、イソプレニルジリチウムなどが挙げられ、モノマー100重量部当たり0.02〜2重量部の量で用いられる。
また、この際、ミクロ構造、すなわち共役ジエン部分のビニル結合含量の調節剤としてルイス塩基、例えばエーテル、アミンなど、具体的にはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル、ブチルエーテル、高級エーテル、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテルエチレングリコールジブチルエーテルなどのポリエチレングリコールのエーテル誘導体、アミンとしてはテトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、トリブチルアミンなどの第3級アミンなどが挙げられ、不活性炭化水素溶媒とともに用いられる。
これらは、共役ジエンを主体とする重合体ブロックの重合において、芳香族ビニル化合物を共重合させる際、芳香族ビニル化合物/共役ジエンの構造調節剤としても用いることができる。
重合反応は、通常、20〜120℃、好ましくは30〜100℃で実施される。また、重合は、一定温度にコントロールして実施しても、また熱除去をしないで上昇温度下に実施してもよい。
感光性印刷版材用ブロック共重合体に用いられるカップリング剤としては、好ましくは2官能性カップリング剤が使われる。このようなものとしては、例えば、ジブロモメタン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、メチレンクロライド、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、ジクロロブタンなどのジハロゲン化アルカン、ジクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、モノエチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、モノブチルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、モノヘキシルジクロロシラン、ジヘキシルジクロロシラン、ジブロモシラン、モノメチルジブロモシラン、ジメチルジブロモシランなどのハロゲン化ケイ素化合物、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどのジ芳香族ビニル化合物、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、酢酸フェニル、安息香酸エチル、安息香酸フェニルのようなエステル化合、ジブチルジクロロスズ、テトラクロロスズなどのスズ化合物、ビスフェノール−A、ビスフェノール−AD、ビスフェノール−F、その他のエポキシ化合物、プロピオン酸クロリド、アジピン酸ジクロリドなどの酸クロリド、1,4−クロルメチルベンゼン、トリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
感光性印刷版材用ブロック共重合体の芳香族ビニル化合物の結合量は、各段階における重合時のモノマーの供給量で調節され、必要に応じて調節される共役ジエンのビニル結合含有量は、上記ミクロ調節剤の成分を変量することにより調節される。また、共役ジエンを主体とする重合体ブロックの芳香族ビニル化合物/共役ジエンの構造も上記ミクロ調節剤で調節される。ここで、芳香族ビニル化合物/共役ジエンの構造調節とは、共役ジエン中に結合する芳香族ビニル化合物のランダム、テーパー、ブロック構造などの結合状態を制御することをいう。
また、感光性印刷版材用ブロック共重合体の分子量やメルトフローレートは、重合開始剤、例えば、sec−ブチルリチウムの添加量で調節される。
感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物は、以上の感光性印刷版材用ブロック共重合体100重量部に対し、(シ)酸化防止剤としてノニルフェノールを含有せず、加水分解後ノニルフェノールを発生しない、リン系化合物、フェノール系化合物およびラクトン系化合物の群から選ばれた少なくとも1種を0.5PHR〜4.0PHR含むことが好ましい。このリン系化合物および/またはフェノール系化合物としては、例えば2,6−ジ−t−ブチルクレゾール、4,6−ビス(オクチルメチル)−o−クレゾール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,2−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピル]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスフォスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォスファイト、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンとの反応生成物、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとp−キシレンとの反応生成物、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとm−キシレンとの反応生成物、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとトルエンとの反応生成物などである。
感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物に用いられる酸化防止剤は、感光性印刷版材用ブロック共重合体に対し、0.5PHR〜4.0PHR含有していることが好ましい。さらに好ましくは、0.5PHR〜3.0PHR以下含有していることである。0.5PHR未満では、ゲル量が多くなり小さな文字の鮮明さにかけ好ましくない。一方、4.0PHRを超えると光硬化速度が遅くなり好ましくない。
フェノール系化合物、リン系化合物およびラクトン系化合物以外の酸化防止剤として、例えばイオウ系化合物も併せて添加してもよい。また、光安定剤などの安定剤を添加することもできる。光安定剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などのいずれでもよい。
さらに、感光性印刷版材用ブロック共重合体は、上記の方法で重合した後、以下の方法で得ることができる。例えば、感光性印刷版材用ブロック共重合体溶液を熱湯中に撹拌下投入し、溶媒を蒸留除去し、含水ポリマーをスクリュー型搾り機で脱水する方法、アセトンまたはアルコールなどを加えて沈殿させ、バンドドライヤーで乾燥する方法、直接押出機にて脱溶剤する方法などがある。好ましくは熱湯中に撹拌下投入し、溶媒を蒸留除去し、含水ポリマーをスクリュー型搾り機で脱水する方法である。
感光性印刷版材用ブロック共重合体は、配合量が少なすぎると、柔軟性に劣り小さな文字での鮮明性に欠ける。多すぎると画像現像性に劣る。感光性エラストマー組成物全量に対して10〜90重量%が好ましい。
次に、以上の(ス)感光性印刷版材用ブロック共重合体および/またはその組成物に用いられる(セ)光重合性不飽和単量体としては、光重合可能なエチレン性二重結合を有する不飽和化合物であり、感光性エラストマー組成物や感光性樹脂組成物に一般に用いられ得るものであれば特に制限されることなく用いることができる。具体的には、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメトキシモノアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−エチロールアクリルアミド、N−プロピロールアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−エチロール(メタ)アクリルアミド、N−プロピロールメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ヒドロキシプロピルアクリレート、トリアクリルホルマール、ジアクリルアミドジメチレンエーテル、メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、オリゴウレタンジ(メタ)アクリレート、1,3―ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、メタクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、フマル酸ジエチルエステル、フマル酸ジブチルエステル、フマル酸ジオクチルエステル、フマル酸ジステアリルエステル、フマル酸ブチルオクチルエステル、フマル酸ジフェニルエステル、フマル酸ジベンジルエステル、マレイン酸ジブチルエステル、マレイン酸ジオクチルエステル、フマル酸ビス(3−フェニルプロピル)エステル、フマル酸ジラウリルエステル、フマル酸ジベヘニルエステル、N−n−ヘキシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−2−エチルヘキシルマレイミド、N−n−デシルマレイミド、N−n−ラウリルマレイミドなどが挙げられる。
これらの光重合性不飽和単量体は、単独で用いても2種以上を併用しても良い。
光重合性不飽和単量体は配合量が少なすぎると、細かい点や文字の形成性を低下させる。一方、配合量が多すぎると、得られた版の硬度が高くなってインキ乗りが悪くなる。感光性エラストマー組成物全量に対して1〜50重量%が好ましい。
また、感光性エラストマー組成物に用いられる(ソ)光重合開始剤としては、感光性エラストマー組成物や感光性樹脂組成物に一般に用いられ得るものであれば特に制限されることなく用いることができる。例えば、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、アセチフェノン類、α−ジケトン類、アシロイン類、アシロインエーテル類、ベンジルアルキルケタール類、多核キノン類、チオキサントン類、アシルフォスフィン類などが挙げられ、具体的には、ベンゾフェノン、クロルベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンジル、ジアセチル、ベンゾイン、ビバロイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジイソプロピルケタール、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、メチルナフトキノン、2−クロルアントラキノン、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、アシルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用しても良い。
光重合性開始剤は、配合量が少なすぎる光重合開始能が不十分となる傾向があり、一方多すぎると自らの遮光により感光性エラストマー組成物内部が硬化しなくなり、現像により画像が欠けやすくなる。光重合性開始剤の配合量は、感光性エラストマー組成物全量に対して、0.01〜10重量%が好ましい。
さらに、水現像性を必要とする感光性エラストマー組成物に用いられる(タ)親水性ポリマーとは、水または水を主成分として、アルカリ性水溶液、酸性水溶液、有機溶剤、または界面活性剤を含む現像液に可溶あるいは膨潤(分散)するポリマーを意味し、−COM基、−SOM基、(Mは水素原子、周期表第I、II、III族元素、アミン、アンモニウムを示す)−NH、−OHなどの親水基を有し、かつ線状で架橋のないポリマーである。
このような親水性ポリマーの例として、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロースなどの汎用樹脂のほかに、(メタ)アクリル酸とジエン化合物を共重合させたジエン系ゴム、無水マレイン酸で変性した液状ポリブタジエン、また特に効果的な骨格としては−COOM(Mは水素原子、周期表第I、II、III族元素、アミン、アンモニウムを示す)を50〜50,000当量/10g有するポリマーであり、上記周期表第I、II族元素としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、ホウ素、アルミニウムなどが挙げられる。なお、本発明において−COOM基が50当量/10g未満では,水に対する親和性に劣り中性水で現像することが難しく、一方50,000当量/10gを超えると、耐水系インキ性が劣るので好ましくない。
親水性ポリマーとしては、具体的には−COOM基含有ポリウレタン、−COOM含有ポリエステル、−COOM基含有エポキシ化合物、−COOM基含有ポリアミド酸、−COOM基含有アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、−COOM基含有スチレンーブタジエンポリマー、−COOM基含有ポリブタジエン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(MRC)、メチルセルロース(MC)、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、および該化合物誘導体などが使用できるが、これらに限定されるものではない。
なお、上記親水性ポリマーに含有されるカルボキシル基の少なくとも一部を中和するために使用される化合物としては、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの炭酸アルカリ金属塩、カリウムーt―ブトキサイド、ナトリウムメトキサイドなどのアルカリ金属のアルコキサイド、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの多価金属の水酸化物、アルミウムイソプロポキサイドをはじめとする多価金属アルコキサイド、トリエチルアミン、トリーn−プロピルアミンなどの第3級アミン、ジエチルアミン、ジーn−プロピルアミンなどの第2級アミン、n−プロピルアミンなどの第1級アミン、モルホリンなどの環状アミン、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリレート、炭酸アンモニウムなど、アンモニウム塩、などを挙げることができる。これらは、単独あるいは複数類組み合わせて使用してもよい。
なお、上記親水性ポリマーは、−COOM基以外に親水部としてポリオキシアルキレン鎖を有していてもよく、また架橋剤として作用できるようにエチレン性不飽和基を含有していても良い。また、本発明において親水性ポリマーとして、上記親水性ポリマー以外に、例えば水酸基、アミン基、スルホン酸基などの親水性基および/あるいはポリオキシアルキレン鎖を有するポリマーなどを併用しても良い。なお、親水性ポリマーの全組成物中の含有率は、水現像性を必要とする場合には、水系現像性や耐水系インク性を考慮して5〜80重量%、好ましくは7〜40重量%である。
そのほか、本発明の感光性エラストマー組成物には、上記した必須成分のほかに、所望に応じ種々の補助添加成分、例えば可塑剤、熱重合防止剤、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、光安定剤などを添加することができる。
本発明の感光性エラストマー組成物は、印刷板としての精度を維持するために、ポリエステルなどの支持体をレリーフの反対側に設けても良い。
本発明の感光性エラストマー組成物は、その組成によっては粘着性を生じるので、その上に重ねられる透明画単体(ネガフィルム)との接触性を良くするためと、その画像単体の再利用を可能にするために、その表面に可とう性フィルム層を設けても良い。
可塑剤としては、ナフテン油、パラフィン油などの炭化水素油、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエンの変性物、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、液状スチレン−ブタジエン共重合体、数平均分子量2,000以下のポリスチレン、セバチン酸エステル、フタル酸エステルなどが挙げられる。
本発明の感光性エラストマー組成物は、印刷板としての精度を維持するために、ポリエステルなどの支持体をレリーフの反対側に設けても良い。
本発明の感光性エラストマー組成物は、その組成によっては粘着性を生じるので、その上に重ねられる透明画単体(ネガフィルム)との接触性を良くするためと、その画像担体の再利用を可能にするために、その表面に可とう性フィルム層を設けても良い。
本発明の感光性エラストマー組成物は、種々の方法で調製することができる。例えば、配合される原料を適当な溶剤、例えばブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテートなどのエステル類、石油留分、デカリン、トルエンなどの炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフランなどのエーテル類やクロロホルム、四塩化炭素、1,1,1−トリクロルエタン、テトラクロルエチレン、トリクロルエチレンなどの塩素系にプロパノール、ブタノール、ペンタノールなどのアルコール類を混合した混合溶剤に溶解させて混合し、型枠の中に流し込み溶剤を蒸発させ、そのまま板とすることができるし、この感光性エラストマー組成物の板に加熱プレス処理すればより厚みの精度のよい層が得られる。また、押出機やニーダー、バンバリーミキサーなどを用いてエラストマー組成物を混合した後に、熱プレス成形やカレンダー処理または押出成形により所望の厚さを形成することが可能である。支持体や可とう性フィルム層は、シート成形後ロールラミネートにより感光層に密着させることができる。ラミネート後に加熱プレスして精度の良い感光層を得ることもできる。
本発明の感光性エラストマー組成物を光硬化するのに用いられる活性光線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、太陽光などがある。
また、本発明の感光性エラストマー組成物は、レーザーによる加工も可能である。レーザー発振装置としては、主に炭酸ガスレーザーを使用することができる。
本発明の感光性エラストマー組成物に透明画像担体を通して活性光線を照射して画像を形成させたあと、未露光部を溶出するのに用いられる現像液は、未露光部を良く溶解または分散し、露光してできた画像部にはほとんど影響を与えないものがよい。
例えば、溶剤系では、1,1,1−トリクロルエタン、テトラクロルエチレンなどの塩素系有機溶剤や、ブチルアセテート、3−メチキシアセテートなどのエステル類、石油溜分、トルエンなどの炭化水素類などやこれらにプロパノールやブタノールなどのアルコール類を添加混合した物を例として挙げることができる。
水系としては、水道水、井戸水、工業用水などの水であり、界面活性剤を含んでいても含んでいなくてもよい。
未露光部の溶出はノズルからの噴射によって、またはブラシによるブラッシングで行われる。
なお、本発明の感光性エラストマー組成物には、他のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を少量併用することができる。また、他の熱可塑性エラストマー、液状ゴムや熱可塑性樹脂、例えばスチレン−ブタジエンゴムラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アタクチックポリプロピレン、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン樹脂、液状ポリブタジエンあるいはエチレン−プロピレンゴムなどの他の重合体を併用することが可能である。この場合、あらかじめ本発明の感光性印刷版材用ブロック共重合体と上記他の重合体とを、任意の割合で混練りしたのち、ペレット化およびまたは粉体化して使用することもできる。
さらに、本発明の感光性エラストマー組成物には、そのほか、シリカ、タルク、炭酸カルシウムなどの充填剤、顔料、架橋剤、難燃剤などの添加剤を配合することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り重量基準である。
また、実施例中の各種評価は、次のようにして求めたものである。
<感光性印刷版材用ブロック共重合体の特性>
(1)重量平均分子量(Mw)
重量平均分子量測定には、東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC−8220)を用い、カラムはWaters社製のUltrabondagel E750Aを用いた。溶媒にはテトラヒドロフランを使用し、測定条件は温度45℃、流速1.0ml/分、試料濃度0.1%、注入量20μlで測定し、標準ポリスチレンで換算した値である。
(2)結合スチレン含量
赤外分光分析装置(Perkin-Elmer社製、フーリエ変換型赤外分光分析装置)を用い、波長699cm-1の吸収強度から検量線法によりスチレンの含有量を算出した。
(3)ブタジエン中ビニル結合含有量の定量分析
上記で得られた、450〜1,200cm-1を測定範囲として測定した分析結果を基に、モレロ法にてブタジエン中のビニル結合含有量を算出した。
(4)メルトフローレート[MFR(E)]の分析
本分析にはテスター産業社製、オートメルトインデクサー(TP-404型)を用いた。分析試料は上記組成物をJIS-K7210のG法(190℃、2.16kg荷重)に従い測定した。単位は、g/10分である。
(5)トルエン不溶分
感光性印刷版材用ブロック共重合体100gをトルエン700mlに溶解後、トルエン不溶分を100メッシュ金網でろ過し測定した。
(6)硬度
タイプAデューロメーターにて、JIS K6253に従い測定した。
(7)かさ密度
充分乾燥した感光性印刷版材用ブロック共重合体を500ccの容器で計量し、500ccの重量から計算した。
(8)粒度分布
充分乾燥した感光性印刷版材用ブロック共重合体1,000gを5メッシュ、20メッシュを重ねた篩にかけて、その篩を通過した重量、残った重量から計算した。
(9)細孔全容積
アムコ社製、ポロシメーターpascal 140型の水銀ポロシメータを使用して水銀圧入法で測定した。
<感光性エラストマー組成物の特性>
(10)画像現像性
実施例1で示す方法で現像を行ったとき、非露光部の現像深さ1mm程度で印刷画像のネガに対応する凹凸形状がえられたものを○とし、非露光部が現像されにくく現像深さ0.7mm以下のものを×とした。
(11)小さな文字でも鮮明な印刷性
実施例1で示す方法で現像を行ったとき、印刷画像のネガに対応する0.2mm幅の凸細線の形状にゆがみ、太りがなく、ネガと同一の幅で再現している場合を○とし、ほぼ再現されている場合を△、再現されていない場合を×とした。
(12)寸法安定性
露光前のシートの寸法安定性を評価するため、大きさ3×3cmのシート上に720gの重りを乗せ、40℃7日後の版厚の低下率(%)を測定した。版厚低下率(%)が5%以下のものを○、それより大きなものを×とした。
(13)レーザー加工性
密閉型炭酸ガスレーザー発振器(米国シンラッド社製、出力;25W)が搭載されたレーザー加工機(Great Computer Corporation製、「Laser Pro」)にて、SPEED20(%)、POWER100(%)、および解像度1000(dpl)として用いた。(9)において作製されたシートをレーザー加工し、加工時の発炎、加工表面のベタツキ、臭気を評価した。「○」は良いまたは無いを、「×」は悪いまたは大きいを意味する。
実施例1
感光性印刷版材用ブロック共重合体の重合およびその組成物の製造
ジャケットと攪拌機の付いた内容積100リットルのステンレス製重合容器を充分に窒素で置換した後、シクロヘキサン50kg、スチレン1.0kgを仕込み、ジャケットに温水を通して内容物を40℃とした。
次いで、sec−ブチルリチウム7gを添加して重合を開始した。スチレン重合完了後、内容物温度が80℃になるように温調しながら、1,3−ブタジエン6.0kgをゆっくりと添加した。重合完了後、スチレン1.0kgを添加し、30分間反応させた。反応後、メタノール1mlを添加して感光性印刷版材用ブロック共重合体を得た。その後10分撹拌した後、ブレンド容器に移液し、酸化防止剤であるスミライザーBHT(住友化学社製)を50g、イルガフォス168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を50g添加した。この重合溶液をスチームストリッピングし、溶媒を除去し含水クラムを得た。引き続き、熱ロールにより脱水乾燥して、さらにクラッシャーにかけて所定の粒度分布になるように調整し、感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物(イ−1)を得た。表1にその分析値、物性値を示した。
感光性エラストマー組成物の調製
上記で得た感光性印刷版材用ブロック共重合体(イ−1)58重量部、液状ポリブタジエン(新日本石油化学社製 B−2000:35重量部)、1,6−ヘキサンジオールアクリレート5重量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1.5重量部、2,6−ジ−t−ブチルクレゾール0.5重量部を3Lニーダーにて150℃で混練りした。
得られた感光性エラストマー組成物を3mm厚用シート金型に入れ、上下0.1mmのポリエステルフィルムではさみ、プレス機にて130℃で加熱後冷却して厚さ3mmシートを成形した。成形後、片方のポリエステルフィルムをはがし、紫外線露光機(日本電子精機社製、JE−A2−SS型)を用いて、硬化層の厚みを1.5mm程度となるように露光した。次に、露光していない面のポリエステルフィルムをはがし、再現性評価用のネガフィルムを表面に密着させて、この面を前述の露光機で15分間露光した。ネガフィルムをはがし、トリクロロエタン/イソプロピルアルコール[混合比率(重量比)=80/20]の混合溶剤で未露光部分を溶解除去した。その後、50℃で30分乾燥し、未露光部分が除去された面を上記光源で10分間再露光して、画像現像性、小さな文字でも鮮明な印刷性を評価した。
実施例2
感光性印刷版材用ブロック共重合体の重合およびその組成物の製造
ジャケットと攪拌機の付いた内容積100リットルのステンレス製重合容器を充分に窒素で置換した後、シクロヘキサン50kg、スチレン1.0kgを仕込み、ジャケットに温水を通して内容物を40℃とした。
次いで、sec−ブチルリチウム3.5gを添加して重合を開始した。スチレン重合完了後、内容物温度が80℃になるように温調しながら、1,3−ブタジエン6.0kgをゆっくりと添加した。重合完了後スチレン1.0kgを添加し、30分間反応させた。反応後、メタノール1mlを添加して、10分撹拌した後、ブレンド容器に移液し、酸化防止剤であるスミライザーBHT(住友化学社製)を50g、イルガノックスB220/FF(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を50g添加した。
さらに、ジャケットと攪拌機の付いた内容積100リットルのステンレス製重合容器を充分に窒素で置換した後、シクロヘキサン30kg、スチレン0.6kgを仕込み、ジャケットに温水を通して内容物を40℃とした。
次いで、sec−ブチルリチウム30gを添加して重合を開始した。スチレン重合完了後、内容物温度が80℃になるように温調しながら、1,3−ブタジエン3.4kgをゆっくりと添加し、30分間反応させた。反応後、メタノール20mlを添加して、10分撹拌した後、ブレンド容器に移液し混合溶液を作製した。
この混合溶液をスチームストリッピングし、溶媒を除去し含水クラムを得た。引き続き、熱ロールにより脱水乾燥して、さらにクラッシャーにかけて所定の粒度分布になるように調整し、感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物(イ−2)を得た。表1にその分析値、物性値を示した。
感光性エラストマー組成物の調製
上記で得た感光性印刷版材用ブロック共重合体(イ−2)90重量部、1,6−ヘキサンジオールアクリレート8重量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1.5重量部、2,6−ジ−t−ブチルクレゾール0.5重量を3Lニーダーにて150℃で混練りし、実施例1と同様の方法で感光特性を評価した。
実施例3
感光性印刷版材用ブロック共重合体の重合およびその組成物の製造
重合、スチームストリッピング、溶媒を除去し含水クラムを得るまでは実施例1と同様な方法で行った後、ベント付き30mm押出機により脱水乾燥を行った。その後、カッターを調整して所定の粒度分布になるようにした。さらに、熱風乾燥を行い、感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物(イ−3)を得た。表1にその分析値、物性値を示した。
感光性エラストマー組成物の調製
実施例1と同様の方法にて調製し、感光特性およびレーザー加工性を評価した。
実施例4
感光性印刷版材用ブロック共重合体の重合およびその組成物の製造
感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物(イ−1)を用いた。
感光性エラストマー組成物の調製
上記で得た感光性印刷版材用ブロック共重合体(イ−1)23重量部、親水性ポリマー40重量部、液状ポリブタジエン(新日本石油化学社製、B−2000:35重量部)、1,6−ヘキサンジオールアクリレート5重量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1.5重量部、2,6−ジ−t−ブチルクレゾール0.5重量を3Lニーダーにて150℃で混練りし、未露光部の溶解除去溶剤として濃度2%、温度50℃のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で感光特性およびレーザー加工性を評価した。
なお、親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコール共重合体(Hoechst社製、GE597)を使用した。
実施例5〜7
感光性印刷版材用ブロック共重合体の重合およびその組成物の製造
実施例5はスチレン、1,3ブタジエン、sec−ブチルリチウムの仕込量を変更し、実施例6〜7はスチレン、1,3ブタジエン、sec−ブチルリチウムの仕込量及びエチレングリコールジエチルエーテルを変量しビニル調節を行い、表1の粒度分布とする以外は実施例3と同様にして得た。
感光性エラストマー組成物の調製
実施例1と同様の方法にて調製し、感光特性を評価した。
比較例1
感光性印刷版材用ブロック共重合体の重合およびその組成物の製造
重合、スチームストリッピング、溶媒を除去し含水クラムを得るまでは実施例1と同様な方法で行った後、クラシャー粉砕後熱風乾燥機で水分を完全に除去し乾燥クラムを得た。
さらに、ベント付き30mm押出機により溶融押し出しを行い、ペレットを得た。さらに、ペレットをシクロヘキサン溶液とし、再度、スチームストリッピング、溶媒を除去し含水クラムを得、ベント付き30mm押出機により脱水乾燥を行った。その後、カッターを調整して所定の粒度分布になるようにした。さらに、熱風乾燥を行い、感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物(イ−7)を得た。表1にその分析値、物性値を示した。
感光性エラストマー組成物の調製
実施例1と同様の方法にて調製し、感光特性を評価した。
比較例2〜3
スチレン、1,3ブタジエン、sec−ブチルリチウムの仕込量を変更し、表1の粒度分布とする以外は実施例3と同様にして得た。
感光性エラストマー組成物の調製
実施例1と同様の方法にて調製し、感光特性、レーザー加工性を評価した。
Figure 2006104359
表1より、本発明の感光性印刷版材用ブロック共重合体を用いた感光性エラストマー組成物である実施例1〜実施例7は、画像現像性、小さな文字でも鮮明な印刷性、寸法安定性、レーザー加工性、水現像性が良好であることがわかる。
これに対し、表1から、本発明の感光性印刷版材用ブロック共重合体を含まない感光性エラストマー組成物である比較例1は、ゲル量が多いため画像現像性、小さな文字での鮮明な印刷性、レーザー加工性に劣る。比較例2、比較例3は、感光性印刷版材用ブロック共重合体中の芳香族ビニル化合物含量が本発明の範囲外であり、小さな文字での鮮明な印刷性、寸法安定性に劣る。
本発明の感光性印刷版材用ブロック共重合体は、ゲル量が少ないことから凸版印刷版材用に好適である。
また、本発明の感光性エラストマー組成物は、画像現像性、小さな文字でも鮮明な印刷性、寸法安定性、レーザー加工性、水現像性に優れているので、フレキソ印刷やレタープレス印刷に代表される凸版印刷用の版材に使用され、主に、フィルム、ラベル、封筒、重袋、包装紙類、段ボールなどに広く用いられている。

Claims (6)

  1. 少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなり、
    (ア)芳香族ビニル化合物含量が10〜40重量%、
    (イ)トルエン不溶分が30ppm以下
    (ウ)タイプA硬度が85以下
    (エ)共役ジエンを主体とする重合体ブロック中の、ビニル結合含有量が50%以下
    を充足する感光性印刷版材用ブロック共重合体。
  2. 感光性印刷板材用ブロック共重合体が
    (オ)少なくとも2個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体であって、該ブロック共重合体中の全結合芳香族ビニル化合物含量が10〜40重量%であり、かつゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した、標準ポリスチレン換算のピーク分子量が70,000〜400,000であるブロック共重合体と、(カ)1個以上の芳香族ビニル化合物重合体ブロックと1個以上の共役ジエンを主体とする重合体ブロックを含むブロック重合体であって、かつゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した、標準ポリスチレン換算のピーク分子量が(オ)ブロック共重合体のピーク分子量の1/3未満であるブロック重合体とを、(オ)/(カ)(重量比)=50〜95/5〜50の割合で含有する請求項1記載の感光性印刷板材用ブロック共重合体。
  3. 感光性印刷版材用ブロック共重合体の
    (キ)メルトフローレート(E条件)が0.1〜20であって
    (ク)かさ密度が0.1〜0.5、
    (ケ)粒径分布が5メッシュに残る成分が20重量%以下で、なおかつ20メッシュを通過する成分が20重量%以下、
    (コ)細孔の全容積が100〜1000mm/gであり、
    (サ)トルエン不要分が20ppm以下である
    請求項1または2記載の感光性印刷版材用ブロック共重合体。
  4. 請求項1〜3のいずれかの感光性印刷版材用ブロック共重合体100重量部に対し、(シ)酸化防止剤として、ノニルフェノールを含有せず、加水分解後ノニルフェノールを発生しない、リン系化合物、フェノール系化合物およびラクトン系化合物の群から選ばれた少なくとも1種を0.5〜4.0PHR含む感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物。
  5. (ス)請求項1〜3いずれか記載の感光性印刷版材用ブロック共重合体および/または請求項4記載の感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物、
    (セ)光重合性不飽和単量体、
    (ソ)光重合開始剤、
    を含有することを特徴とする感光性エラストマー組成物。
  6. さらに、(タ)親水性ポリマーを含有する請求項5記載の感光性エラストマー組成物。
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