JP2006104359A - 感光性印刷版材用ブロック共重合体およびその組成物およびそれを用いた感光性エラストマー組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなり、芳香族ビニル化合物含量が10〜40重量%で、トルエン不溶分が30ppm以下で、タイプA硬度が85以下で、共役ジエンを主体とする重合体ブロック中の、ビニル結合含有量が50%以下である感光性印刷版材用ブロック共重合体、この感光性印刷版材用ブロック共重合体に対し、酸化防止剤がノニルフェノールを含有せず、リン系化合物、フェノール系化合物およびラクトン系化合物の群から選ばれた少なくとも1種を含む感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物。
【選択図】なし
Description
感光性エラストマー組成物のエラストマーバインダーとして、主に熱可塑性ブロック共重合体が使用され、その中でもスチレンを主体とする重合体ブロックと、ブタジエンまたはイソプレンを主体とする重合体ブロックからなるスチレン系熱可塑性エラストマー(SBS、SIS)が特に良く開示されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
感光性エラストマー組成物を得る方法として、スチレン系熱可塑性エラストマーと光重合性モノマー、光重合開始剤および水現像可能とする場合は親水性重合体とを100℃〜200℃の混合機で混練するのが一般的である。その際、画像再現性に優れ、小さな文字でも鮮明な印刷性を有するための一つの要因として、感光性エラストマー組成物のゲル量抑制が挙げられる。
また、(2)については、原料由来のゲル量を管理することで対応している。
原材料のうち、最もゲル量に影響するのは、スチレン系熱可塑性エラストマーといわれている。ゲル量削減の対策として、ブタジエンまたはイソプレンを主体とする重合体ブロック部分の残存二重結合を飽和したタイプ(SEBS、SEPS)や部分的に飽和したタイプ(SBBS)を使用する例が開示されている(特許文献4)。
飽和タイプにした場合、光重合開始剤によるスチレン系熱可塑性エラストマーと光重合性モノマーとの共架橋性に劣り好ましくない。
また、スチレン系熱可塑性エラストマー中の老化防止剤(酸化防止剤)量を適正値以上にすることも考えられるが、光硬化速度が遅くなり、さらに材料コストの上昇の問題もあり好ましくない。
ここで、本発明の感光性印刷版材用ブロック共重合体としては、(オ)少なくとも2個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体であって、該ブロック共重合体中の全結合芳香族ビニル化合物含量が10〜40重量%であり、かつゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した、標準ポリスチレン換算のピーク分子量が70,000〜400,000であるブロック共重合体と、(カ)1個以上の芳香族ビニル化合物重合体ブロックと1個以上の共役ジエンを主体とする重合体ブロックを含むブロック重合体であって、かつゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した、標準ポリスチレン換算のピーク分子量が(オ)ブロック共重合体のピーク分子量の1/3未満であるブロック重合体とを、(オ)/(カ)(重量比)=50〜95/5〜50の割合で含有するブロック共重合体が好ましい。
また、以上の感光性印刷版材用ブロック共重合体は、(キ)メルトフローレート(E条件)が0.1〜20で、(ク)かさ密度が0.1〜0.5、(ケ)粒径分布が5メッシュに残る成分が20重量%以下で、なおかつ20メッシュを通過する成分が20重量%以下で、(コ)細孔の全容積が100〜1,000mm3/gであり、(サ)トルエン不溶分が20ppm以下であることが好ましい。
次に、本発明は、上記感光性印刷版材用ブロック共重合体100重量部に対し、(シ)酸化防止剤がノニルフェノールを含有せず、加水分解後ノニルフェノールを発生しない、リン系化合物、フェノール系化合物およびラクトン系化合物の群から選ばれた少なくとも1種を0.5〜4.0PHR含む感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物に関する。
次に、本発明は、(ス)上記感光性印刷版材用ブロック共重合体および/または感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物と、(セ)光重合性不飽和単量体と、(ソ)光重合開始剤を含有することを特徴とする感光性エラストマー組成物に関する。
次に、本発明は、上記(ス)感光性印刷版材用ブロック共重合体と、(セ)光重合性不飽和単量体と、(ソ)光重合開始剤と、(タ)親水性ポリマーを含有する感光性エラストマー組成物に関する。
また、本発明の感光性エラストマー組成物は、この本発明の印刷版材用ブロック共重合体と光重合性不飽和単量体と光重合開始剤および水現像性を必要とする場合は親水性ポリマーとの組成物であり、レーザー加工特性、画像現像性、小さな文字でも鮮明な印刷性、親水性ポリマーを添加した場合には水現像性にを優れ、ひいては、フレキソ版用感光性樹脂、凸版用感光性樹脂などに使用可能な感光性エラストマー組成物を得ることができる。
本発明に使用される感光性印刷版材用ブロック共重合体は、少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体である。
なお、本発明において、「ピーク分子量」とは、ピーク先端の分子量を示し、以下も同様である。
(オ)ブロック共重合体中の芳香族ビニル化合物の全結合含有量は、好ましくは10〜40重量%である。この全結合含有量が、10重量%未満では、露光後フレキソ印刷板、レタープレス印刷版としたときの版強度が低く、洗い出し工程時版材の欠陥や過剰の印圧がかかった場合にシャープな印刷ができない。一方、40重量%を超えると、版材の柔軟性が劣りカスレや印刷ムラの原因となり好ましくない。さらに好ましくは、15〜30重量%である。
また、共役ジエンを主体とする重合体ブロックには、芳香族ビニル化合物を含んでいてもよい。例えば、結合芳香族ビニル化合物を(オ)中の全結合芳香族ビニル化合物の0〜40重量%含有することができ、さらに好ましくは0〜30重量%である。また、その構造はランダム状でも、漸増するテーパーブロックでもよい。ランダム、テーパーの分析手法としては田中らによるブタジエン単位の二重結合を全てオゾン開裂して得られた分解物のGPCによる方法(高分子学会予稿集第29巻9号2055頁)や、四酸化オスミウムとt−ブチルハイドロパーオキシドによる酸化分解法(「ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス」第1巻、第429頁、1946年)などがある。共役ジエンを主体とする重合体ブロックに結合芳香族ビニル化合物を含有させることにより、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックおよび共役ジエンを主体とする重合体ブロックの鎖長を調節することで、感光性エラストマー組成物に使用する光重合性不飽和単量体との混和性が向上する。共役ジエンを主体とする重合体ブロックの結合芳香族ビニル化合物の量が40重量%を超えると、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックの分子量が小さくなりすぎるため、露光後フレキソ印刷板、レタープレス印刷版としたときの版強度が低く、洗い出し工程時版材の欠陥や過剰の印圧がかかった場合にシャープな印刷ができず好ましくない。これが漸増するテーパーブロックでもよい。
ここで、かさ密度が0.1未満では、感光性エラストマー組成物の混練り時投入時間が長くなり好ましくない。一方、0.5を超えると、感光性エラストマー組成物の混練り時間が長くなり好ましくない。かさ密度は、脱溶時の条件により調整することができる。
また、粒径分布は、5メッシュに残る成分が20重量%を超えると、感光性エラストマー組成物の混練り時投入口でのブリッジが発生し好ましくない。かつ、20メッシュを通過する成分が20重量%を超えると、感光性エラストマー組成物の混練り時投入時間が長くなり好ましくない。この粒径分布は、脱溶時の条件により調整することができる。
例えば、まず芳香族ビニル化合物を重合させ、次いで共役ジエンを重合させたのち、カップリング剤を反応させるか、再度、芳香族ビニル化合物を反応させることにより製造することができる。また、共役ジエンの重合において、必要に応じて所望量の芳香族ビニル化合物を添加し、共重合してもよい。好ましくはカップリング剤を使用しない製造方法である。カップリング剤を使用するとカップリング剤残さにより透明性が劣り、現像性に影響を及ぼす。
重合開始剤である有機アルカリ金属化合物としては、有機リチウム化合物が好ましい。この有機リチウム化合物としては、有機モノリチウム、有機ジリチウム、有機ポリリチウム化合物が用いられる。
これらの具体例としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、イソプレニルジリチウムなどが挙げられ、モノマー100重量部当たり0.02〜2重量部の量で用いられる。
これらは、共役ジエンを主体とする重合体ブロックの重合において、芳香族ビニル化合物を共重合させる際、芳香族ビニル化合物/共役ジエンの構造調節剤としても用いることができる。
また、感光性印刷版材用ブロック共重合体の分子量やメルトフローレートは、重合開始剤、例えば、sec−ブチルリチウムの添加量で調節される。
フェノール系化合物、リン系化合物およびラクトン系化合物以外の酸化防止剤として、例えばイオウ系化合物も併せて添加してもよい。また、光安定剤などの安定剤を添加することもできる。光安定剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などのいずれでもよい。
これらの光重合性不飽和単量体は、単独で用いても2種以上を併用しても良い。
このような親水性ポリマーの例として、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロースなどの汎用樹脂のほかに、(メタ)アクリル酸とジエン化合物を共重合させたジエン系ゴム、無水マレイン酸で変性した液状ポリブタジエン、また特に効果的な骨格としては−COOM(Mは水素原子、周期表第I、II、III族元素、アミン、アンモニウムを示す)を50〜50,000当量/106g有するポリマーであり、上記周期表第I、II族元素としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、ホウ素、アルミニウムなどが挙げられる。なお、本発明において−COOM基が50当量/106g未満では,水に対する親和性に劣り中性水で現像することが難しく、一方50,000当量/106gを超えると、耐水系インキ性が劣るので好ましくない。
本発明の感光性エラストマー組成物は、印刷板としての精度を維持するために、ポリエステルなどの支持体をレリーフの反対側に設けても良い。
本発明の感光性エラストマー組成物は、その組成によっては粘着性を生じるので、その上に重ねられる透明画単体(ネガフィルム)との接触性を良くするためと、その画像単体の再利用を可能にするために、その表面に可とう性フィルム層を設けても良い。
本発明の感光性エラストマー組成物は、印刷板としての精度を維持するために、ポリエステルなどの支持体をレリーフの反対側に設けても良い。
本発明の感光性エラストマー組成物は、その組成によっては粘着性を生じるので、その上に重ねられる透明画単体(ネガフィルム)との接触性を良くするためと、その画像担体の再利用を可能にするために、その表面に可とう性フィルム層を設けても良い。
また、本発明の感光性エラストマー組成物は、レーザーによる加工も可能である。レーザー発振装置としては、主に炭酸ガスレーザーを使用することができる。
例えば、溶剤系では、1,1,1−トリクロルエタン、テトラクロルエチレンなどの塩素系有機溶剤や、ブチルアセテート、3−メチキシアセテートなどのエステル類、石油溜分、トルエンなどの炭化水素類などやこれらにプロパノールやブタノールなどのアルコール類を添加混合した物を例として挙げることができる。
水系としては、水道水、井戸水、工業用水などの水であり、界面活性剤を含んでいても含んでいなくてもよい。
未露光部の溶出はノズルからの噴射によって、またはブラシによるブラッシングで行われる。
さらに、本発明の感光性エラストマー組成物には、そのほか、シリカ、タルク、炭酸カルシウムなどの充填剤、顔料、架橋剤、難燃剤などの添加剤を配合することができる。
なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り重量基準である。
また、実施例中の各種評価は、次のようにして求めたものである。
(1)重量平均分子量(Mw)
重量平均分子量測定には、東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC−8220)を用い、カラムはWaters社製のUltrabondagel E750Aを用いた。溶媒にはテトラヒドロフランを使用し、測定条件は温度45℃、流速1.0ml/分、試料濃度0.1%、注入量20μlで測定し、標準ポリスチレンで換算した値である。
(2)結合スチレン含量
赤外分光分析装置(Perkin-Elmer社製、フーリエ変換型赤外分光分析装置)を用い、波長699cm-1の吸収強度から検量線法によりスチレンの含有量を算出した。
(3)ブタジエン中ビニル結合含有量の定量分析
上記で得られた、450〜1,200cm-1を測定範囲として測定した分析結果を基に、モレロ法にてブタジエン中のビニル結合含有量を算出した。
本分析にはテスター産業社製、オートメルトインデクサー(TP-404型)を用いた。分析試料は上記組成物をJIS-K7210のG法(190℃、2.16kg荷重)に従い測定した。単位は、g/10分である。
(5)トルエン不溶分
感光性印刷版材用ブロック共重合体100gをトルエン700mlに溶解後、トルエン不溶分を100メッシュ金網でろ過し測定した。
タイプAデューロメーターにて、JIS K6253に従い測定した。
(7)かさ密度
充分乾燥した感光性印刷版材用ブロック共重合体を500ccの容器で計量し、500ccの重量から計算した。
(8)粒度分布
充分乾燥した感光性印刷版材用ブロック共重合体1,000gを5メッシュ、20メッシュを重ねた篩にかけて、その篩を通過した重量、残った重量から計算した。
(9)細孔全容積
アムコ社製、ポロシメーターpascal 140型の水銀ポロシメータを使用して水銀圧入法で測定した。
(10)画像現像性
実施例1で示す方法で現像を行ったとき、非露光部の現像深さ1mm程度で印刷画像のネガに対応する凹凸形状がえられたものを○とし、非露光部が現像されにくく現像深さ0.7mm以下のものを×とした。
(11)小さな文字でも鮮明な印刷性
実施例1で示す方法で現像を行ったとき、印刷画像のネガに対応する0.2mm幅の凸細線の形状にゆがみ、太りがなく、ネガと同一の幅で再現している場合を○とし、ほぼ再現されている場合を△、再現されていない場合を×とした。
露光前のシートの寸法安定性を評価するため、大きさ3×3cmのシート上に720gの重りを乗せ、40℃7日後の版厚の低下率(%)を測定した。版厚低下率(%)が5%以下のものを○、それより大きなものを×とした。
(13)レーザー加工性
密閉型炭酸ガスレーザー発振器(米国シンラッド社製、出力;25W)が搭載されたレーザー加工機(Great Computer Corporation製、「Laser Pro」)にて、SPEED20(%)、POWER100(%)、および解像度1000(dpl)として用いた。(9)において作製されたシートをレーザー加工し、加工時の発炎、加工表面のベタツキ、臭気を評価した。「○」は良いまたは無いを、「×」は悪いまたは大きいを意味する。
感光性印刷版材用ブロック共重合体の重合およびその組成物の製造
ジャケットと攪拌機の付いた内容積100リットルのステンレス製重合容器を充分に窒素で置換した後、シクロヘキサン50kg、スチレン1.0kgを仕込み、ジャケットに温水を通して内容物を40℃とした。
次いで、sec−ブチルリチウム7gを添加して重合を開始した。スチレン重合完了後、内容物温度が80℃になるように温調しながら、1,3−ブタジエン6.0kgをゆっくりと添加した。重合完了後、スチレン1.0kgを添加し、30分間反応させた。反応後、メタノール1mlを添加して感光性印刷版材用ブロック共重合体を得た。その後10分撹拌した後、ブレンド容器に移液し、酸化防止剤であるスミライザーBHT(住友化学社製)を50g、イルガフォス168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を50g添加した。この重合溶液をスチームストリッピングし、溶媒を除去し含水クラムを得た。引き続き、熱ロールにより脱水乾燥して、さらにクラッシャーにかけて所定の粒度分布になるように調整し、感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物(イ−1)を得た。表1にその分析値、物性値を示した。
上記で得た感光性印刷版材用ブロック共重合体(イ−1)58重量部、液状ポリブタジエン(新日本石油化学社製 B−2000:35重量部)、1,6−ヘキサンジオールアクリレート5重量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1.5重量部、2,6−ジ−t−ブチルクレゾール0.5重量部を3Lニーダーにて150℃で混練りした。
感光性印刷版材用ブロック共重合体の重合およびその組成物の製造
ジャケットと攪拌機の付いた内容積100リットルのステンレス製重合容器を充分に窒素で置換した後、シクロヘキサン50kg、スチレン1.0kgを仕込み、ジャケットに温水を通して内容物を40℃とした。
次いで、sec−ブチルリチウム3.5gを添加して重合を開始した。スチレン重合完了後、内容物温度が80℃になるように温調しながら、1,3−ブタジエン6.0kgをゆっくりと添加した。重合完了後スチレン1.0kgを添加し、30分間反応させた。反応後、メタノール1mlを添加して、10分撹拌した後、ブレンド容器に移液し、酸化防止剤であるスミライザーBHT(住友化学社製)を50g、イルガノックスB220/FF(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を50g添加した。
さらに、ジャケットと攪拌機の付いた内容積100リットルのステンレス製重合容器を充分に窒素で置換した後、シクロヘキサン30kg、スチレン0.6kgを仕込み、ジャケットに温水を通して内容物を40℃とした。
次いで、sec−ブチルリチウム30gを添加して重合を開始した。スチレン重合完了後、内容物温度が80℃になるように温調しながら、1,3−ブタジエン3.4kgをゆっくりと添加し、30分間反応させた。反応後、メタノール20mlを添加して、10分撹拌した後、ブレンド容器に移液し混合溶液を作製した。
この混合溶液をスチームストリッピングし、溶媒を除去し含水クラムを得た。引き続き、熱ロールにより脱水乾燥して、さらにクラッシャーにかけて所定の粒度分布になるように調整し、感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物(イ−2)を得た。表1にその分析値、物性値を示した。
上記で得た感光性印刷版材用ブロック共重合体(イ−2)90重量部、1,6−ヘキサンジオールアクリレート8重量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1.5重量部、2,6−ジ−t−ブチルクレゾール0.5重量を3Lニーダーにて150℃で混練りし、実施例1と同様の方法で感光特性を評価した。
感光性印刷版材用ブロック共重合体の重合およびその組成物の製造
重合、スチームストリッピング、溶媒を除去し含水クラムを得るまでは実施例1と同様な方法で行った後、ベント付き30mm押出機により脱水乾燥を行った。その後、カッターを調整して所定の粒度分布になるようにした。さらに、熱風乾燥を行い、感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物(イ−3)を得た。表1にその分析値、物性値を示した。
感光性エラストマー組成物の調製
実施例1と同様の方法にて調製し、感光特性およびレーザー加工性を評価した。
感光性印刷版材用ブロック共重合体の重合およびその組成物の製造
感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物(イ−1)を用いた。
感光性エラストマー組成物の調製
上記で得た感光性印刷版材用ブロック共重合体(イ−1)23重量部、親水性ポリマー40重量部、液状ポリブタジエン(新日本石油化学社製、B−2000:35重量部)、1,6−ヘキサンジオールアクリレート5重量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1.5重量部、2,6−ジ−t−ブチルクレゾール0.5重量を3Lニーダーにて150℃で混練りし、未露光部の溶解除去溶剤として濃度2%、温度50℃のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で感光特性およびレーザー加工性を評価した。
なお、親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコール共重合体(Hoechst社製、GE597)を使用した。
感光性印刷版材用ブロック共重合体の重合およびその組成物の製造
実施例5はスチレン、1,3ブタジエン、sec−ブチルリチウムの仕込量を変更し、実施例6〜7はスチレン、1,3ブタジエン、sec−ブチルリチウムの仕込量及びエチレングリコールジエチルエーテルを変量しビニル調節を行い、表1の粒度分布とする以外は実施例3と同様にして得た。
感光性エラストマー組成物の調製
実施例1と同様の方法にて調製し、感光特性を評価した。
感光性印刷版材用ブロック共重合体の重合およびその組成物の製造
重合、スチームストリッピング、溶媒を除去し含水クラムを得るまでは実施例1と同様な方法で行った後、クラシャー粉砕後熱風乾燥機で水分を完全に除去し乾燥クラムを得た。
さらに、ベント付き30mm押出機により溶融押し出しを行い、ペレットを得た。さらに、ペレットをシクロヘキサン溶液とし、再度、スチームストリッピング、溶媒を除去し含水クラムを得、ベント付き30mm押出機により脱水乾燥を行った。その後、カッターを調整して所定の粒度分布になるようにした。さらに、熱風乾燥を行い、感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物(イ−7)を得た。表1にその分析値、物性値を示した。
感光性エラストマー組成物の調製
実施例1と同様の方法にて調製し、感光特性を評価した。
スチレン、1,3ブタジエン、sec−ブチルリチウムの仕込量を変更し、表1の粒度分布とする以外は実施例3と同様にして得た。
感光性エラストマー組成物の調製
実施例1と同様の方法にて調製し、感光特性、レーザー加工性を評価した。
また、本発明の感光性エラストマー組成物は、画像現像性、小さな文字でも鮮明な印刷性、寸法安定性、レーザー加工性、水現像性に優れているので、フレキソ印刷やレタープレス印刷に代表される凸版印刷用の版材に使用され、主に、フィルム、ラベル、封筒、重袋、包装紙類、段ボールなどに広く用いられている。
Claims (6)
- 少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなり、
(ア)芳香族ビニル化合物含量が10〜40重量%、
(イ)トルエン不溶分が30ppm以下
(ウ)タイプA硬度が85以下
(エ)共役ジエンを主体とする重合体ブロック中の、ビニル結合含有量が50%以下
を充足する感光性印刷版材用ブロック共重合体。 - 感光性印刷板材用ブロック共重合体が
(オ)少なくとも2個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体であって、該ブロック共重合体中の全結合芳香族ビニル化合物含量が10〜40重量%であり、かつゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した、標準ポリスチレン換算のピーク分子量が70,000〜400,000であるブロック共重合体と、(カ)1個以上の芳香族ビニル化合物重合体ブロックと1個以上の共役ジエンを主体とする重合体ブロックを含むブロック重合体であって、かつゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した、標準ポリスチレン換算のピーク分子量が(オ)ブロック共重合体のピーク分子量の1/3未満であるブロック重合体とを、(オ)/(カ)(重量比)=50〜95/5〜50の割合で含有する請求項1記載の感光性印刷板材用ブロック共重合体。 - 感光性印刷版材用ブロック共重合体の
(キ)メルトフローレート(E条件)が0.1〜20であって
(ク)かさ密度が0.1〜0.5、
(ケ)粒径分布が5メッシュに残る成分が20重量%以下で、なおかつ20メッシュを通過する成分が20重量%以下、
(コ)細孔の全容積が100〜1000mm3/gであり、
(サ)トルエン不要分が20ppm以下である
請求項1または2記載の感光性印刷版材用ブロック共重合体。 - 請求項1〜3のいずれかの感光性印刷版材用ブロック共重合体100重量部に対し、(シ)酸化防止剤として、ノニルフェノールを含有せず、加水分解後ノニルフェノールを発生しない、リン系化合物、フェノール系化合物およびラクトン系化合物の群から選ばれた少なくとも1種を0.5〜4.0PHR含む感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物。
- (ス)請求項1〜3いずれか記載の感光性印刷版材用ブロック共重合体および/または請求項4記載の感光性印刷版材用ブロック共重合体組成物、
(セ)光重合性不飽和単量体、
(ソ)光重合開始剤、
を含有することを特徴とする感光性エラストマー組成物。 - さらに、(タ)親水性ポリマーを含有する請求項5記載の感光性エラストマー組成物。
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