JP2006104048A - フッ化マンガンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】
フッ素ガスを発生できるフッ化マンガンを、昇華・凝結というプロセスを経ることなく、低温および低圧の条件および簡易な方法で、安価で大量に製造する方法を開発すること。
【解決手段】
本発明のフッ化マンガンの製造方法は、100℃以上の温度で乾燥させたMnF2など
のマンガン化合物と、F2などのフッ素化剤とを50〜250℃で反応させる工程(1)
、および該工程(1)により得られた生成物とフッ素化剤とを、さらに250〜450℃で反応させる工程(2)を含むことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、安全性および生産性に優れたフッ化マンガンの製造方法に関する。
近年、フッ素ガスは、その特性を活かし、電子産業分野においてエッチング工程やクリーニング工程に用いられたり、無機化合物や有機化合物のフッ素化に用いられている。しかし、フッ素ガスは非常に強い酸化性を有する支燃性ガスであり、毒性や腐食性も強いことから取り扱いには注意が必要であり、またフッ素ガスを製造する際の蒸留精製などが難しいことが知られている。
フッ素ガスを安全に供給する方法として、フッ素化合物を加熱することにより、フッ素ガスを発生させるHALOGEN GENERATORが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
また、特許文献2には、MnF4を用いた精製フッ素ガスの製造方法が開示されている
。具体的には、まず、450〜650℃のフッ素ガス気流中でMnF3とフッ素ガスとを
反応させて生成したMnF4を昇華させた後、70℃以下の温度で凝結させて得られたM
nF4を70〜300℃に加熱することにより、MnF4→MnF3+1/2F2という反応式に従って高純度フッ素ガスを得る方法が記載されている。
しかしながら、この方法では加熱昇華と昇華したMnF4の捕集とを行うことができる
複雑な装置でなければMnF4を合成することができないことや、昇華・凝結というプロ
セスを経なければならないため大量生産が難しいという問題点がある。
本発明者らは、昇華・凝結というプロセスを経ることなくMnF4を製造するために、
MnF2にフッ素ガスを反応させることにより、MnF3を経てMnF4を合成する方法(
反応式としてはMnF2+F2→MnF4)を試みた。しかしながら、単純にMnF2にフッ素ガスを接触させて反応させるだけでは硝子状に溶融してしまい反応が進まなくなり、MnF4を製造することが困難であった。ここで圧力を上昇させるとMnF4への反応は進行するが、高温・高圧でフッ素ガスを使用できる耐圧容器は非常に高価となり、結果として合成されたMnF4も高価なものとなってしまう。そのため、できるだけ低温・低圧で反
応を行うことができる方法の開発が求められていた。
US5,363,396号公報 SU1432001号公報
本発明の課題は、フッ素ガスを発生できるフッ化マンガンを、昇華・凝結というプロセスを経ることなく、低温および低圧の条件および簡易な方法で、安価で大量に製造する方法を開発することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、マンガン化合物とフッ素化剤とを反応させてフッ化マンガン(MnFx:x=3〜4)を製造する際に、5
0〜250℃の温度でマンガン化合物にフッ素化剤を接触させる工程(1)を行った後、該工程(1)を経たフッ化マンガンに250〜450℃でフッ素化剤を接触させる方法により、上記課題が解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の〔1〕〜〔11〕に示されるフッ化マンガンの製造方法に関
する。
〔1〕マンガン化合物とフッ素化剤とを50〜250℃で反応させる工程(1)、および該工程(1)により得られた生成物とフッ素化剤とを、さらに250〜450℃で反応させる工程(2)を含むことを特徴とするフッ化マンガンの製造方法。
〔2〕前記工程(1)の前に100℃以上の温度で前記マンガン化合物を乾燥する工程を含む〔1〕に記載のフッ化マンガンの製造方法。
〔3〕前記工程(1)が、マンガン化合物が充填された容器に、フッ素化剤を減圧状態から一定圧になるまで一定速度で供給してマンガン化合物とフッ素化剤とを接触させる工程を含む〔1〕または〔2〕に記載のフッ化マンガンの製造方法。
〔4〕前記工程(2)が、マンガン化合物が充填された容器に、フッ素化剤を減圧状態から一定圧になるまで一定速度で供給してマンガン化合物とフッ素化剤とを接触させる工程を含む〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
〔5〕前記工程(1)が、減圧下で不純物を除去する工程を含む〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
〔6〕前記工程(2)が、減圧下で不純物を除去する工程を含む〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
〔7〕前記マンガン化合物が、MnF2、MnCO3、MnOおよびこれらの水和物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
〔8〕前記マンガン化合物がMnF2またはその水和物である〔7〕に記載のフッ化マ
ンガンの製造方法。
〔9〕前記フッ素化剤が、F2、ClFおよびClF3からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
〔10〕前記フッ素化剤がF2である〔9〕に記載のフッ化マンガンの製造方法。
〔11〕前記製造方法により得られたフッ化マンガンがMnFx(x=3〜4)である
〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
〔12〕前記工程(1)の反応が100〜200℃で行われる〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
〔13〕前記工程(2)の反応が250〜400℃で行われる〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
〔14〕前記工程(1)および(2)の反応が反応生成物を粉砕しながら行われる〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
本発明によれば、マンガン化合物とフッ素化剤との反応が、低温かつ低圧の条件で行うことができ、昇華・凝結というプロセスを経ることなくフッ化マンガンを、安価で簡易な方法により大量に製造することができる。
以下、本発明に係るフッ化マンガンの製造方法について詳細に説明する。
本発明のフッ化マンガンの製造方法は、マンガン化合物にフッ素化剤を50〜250℃の温度で接触させて反応させる工程(1)を行った後、該工程(1)により得られた生成
物にフッ素化剤を250〜450℃の温度で接触させて反応させる工程(2)を含む。
本発明で用いられるマンガン化合物としては、市販されているマンガン化合物を使用することができ、たとえば、MnF2、MnCO3、MnOなどが挙げられる。これらの中では、陰イオンのフッ素への置換を行う必要が無いことからMnF2を使用することが好ま
しい。
上記マンガン化合物は水和物でもよいが、フッ素ガスとの反応により生成する副生成物HFがフッ化マンガンの合成を阻害することがあるので、好ましくは100℃以上、より好ましくは200℃以上、特に好ましくは300℃以上の温度で乾燥を行ってからフッ素化剤と接触させることが望ましい。上記乾燥方法としては、露点−70℃以下の不活性ガス(He,N2など)気流下で乾燥する方法や、減圧条件下で加温する方法などが挙げら
れる。
本発明で用いられるフッ素化剤としては、マンガンの価数を上げることのできるフッ素化剤であればよく、たとえば、F2、ClF、ClF3などが挙げられる。これらの中では、純粋なフッ素化のみを進行させることができることから、F2を用いることが好ましい
次に、マンガン化合物としてMnF2と、フッ素化剤としてF2とを用いてフッ化マンガンを製造する方法を具体的に説明する。
なお、フッ化マンガンは単体分子として存在しているのではないため、その結晶構造の中にMnF3状態とMnF4状態とが混在したような状態になっている。そのため、たとえば、結晶構造中にMnF3状態が50%およびMnF4状態が50%で混在している場合、本明細書ではMnF3.5と表記する。このように、価数が整数ではなく、小数点を含む数
字で表記される場合もあるため、本明細書ではMnFx(x=3〜4)と表記している。
使用するMnF2の純度は特に限定されないが、純度が低すぎると不純物によりフッ素
化が阻害されることもあるため、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上であることが望ましい。また、F2の純度も特に限定されないが
、MnF2と同様に、純度が低すぎると不純物によりフッ素化が阻害されることもあるた
め、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上、特に好ましくは99.9%以上であることが望ましい。また、F2中にHFが存在すると、フッ化マンガンの溶融塩が生
成しやすくなるため、F2中のHF濃度は、好ましくは1%以下、より好ましくは0.1
%以下、特に好ましくは0.01%以下であることが望ましい。
上記MnF2の平均粒径は、粒径が小さいほど表面積が増大してフッ素化の効率が向上
することから、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.1μm以下であることが望ましい。
また、MnF2は、工業的には、通常MnCO3とHFとの反応(MnCO3+2HF→
MnF2+CO2+H2O)により製造される。このような無水MnF2を用いれば、昇華・凝結といったプロセスを経ることなくフッ化マンガン(MnFx:x=3〜4)を製造す
ることができるため、複雑な装置を必要とせず、従来の方法と比較してより安価に製造できるため好ましい。
本発明のフッ化マンガンの製造方法としては、まず上記MnF2を反応容器内に入れて
、減圧下で加熱しながら初期乾燥を行う。これは、MnF2の製造の際に残留した微量な
結晶水や、MnF2結晶表面に付着した水分を除去するためである。このとき、減圧を中
断し、露点−70℃以下の不活性ガス(He、N2等)で反応容器を加圧した後、再び減
圧状態にすることで、効率的に水分を除去することができる。この回数は多くすれば、それだけ水分を除去できるが、概ね5〜10回繰り返すことで十分に水分を除去することができる。このときの温度は100℃以上であれば水分除去はできるが、300〜400℃で実施することで、さらに効率的に水分除去ができるため好ましい。
上記のようにしてMnF2の水分を除去した後、F2と反応させてフッ化マンガンを合成する際に、まず反応容器を真空状態(<1kPa)にし、次いでF2を反応容器に導入す
る。このとき一気に反応容器内にフッ素ガスを供給して大気圧以上の圧力とすると、MnF2とF2との反応が瞬時に進みマンガン化合物が溶融して固化してしまい、固化した内部のフッ化マンガンにF2が接触できなくなり反応が進行しなくなってしまうため、反応速
度が大幅に低下することがある。そのため、真空状態の反応容器にゆっくりと流量を制限してF2を供給することにより、溶融を防止し、フッ素化を継続することができる。
工程(1)におけるMnF2とF2との反応は50〜250℃、より好ましくは100〜200℃で行うことが望ましい。工程(1)の反応温度が低すぎると反応速度が遅くなり、また高すぎると結晶表面にMnF4が生成して、それ以上反応が進行しなくなることが
ある。
上記反応温度で真空容器に供給するF2の速度は、反応容器内部のマンガン化合物1モ
ルに対して、好ましくは1mol/hr以下、より好ましくは0.5mol/hr以下、特に好ましくは0.1mol/hr以下であることが望ましい。反応初期では、MnF2
とF2の反応速度はF2の供給速度より遅いため、反応容器内の圧力は徐々に上昇し、供給圧と等しくなった時点で、反応容器内は一定圧となる。一定圧となった反応後期においては、F2はフッ化マンガンと反応した分だけが供給される。なお、一定圧となるまでは、
2の供給速度は上記範囲内で一定であることが好ましい。
上記工程(1)におけるフッ素化の圧力は特に限定されないが、高圧で実施するとフッ素ガス取り扱い時の危険性が増加すること、高価な耐圧反応容器が必要になることから、できるだけ低圧で実施することが好ましい。具体的な圧力としては、好ましくは2MPa以下、より好ましくは1MPa以下、特に好ましくは0.5MPa以下であることが望ましい。
このように、F2の供給速度を制御することによりフッ化マンガンの溶融を防止できる
理由については、はっきりとわかっていないが、おそらく急激に供給した場合にはMnF2結晶の表面で瞬間的にMnF4ができてしまい、そのときの反応熱でMnF4が溶融し互
着して固結するものと推測される。
上記工程(1)でフッ化マンガンを合成する際、最初に乾燥を行ったMnF2を用いて
フッ素化を行うが、MnF2の純度によっては乾燥後においてもMn−OH等の形で不純
物が残っていることがあり、F2と不純物が反応してHF等の不純物を生成する可能性が
ある。そこで、反応の途中でF2の供給を一時停止し、減圧状態にすることにより、これ
らの不純物を除去することが望ましい。このときの減圧の回数は生成する不純物の量にもよるが、概ね1回行えばよく、生成する不純物の量によっては2回以上行ってもよい。
上記工程(1)の反応を続けると、反応容器内のフッ化マンガンへのフッ素ガスの吸収が停止し、それ以上反応が進まなくなる。このとき、工程(1)を経て合成されたフッ化マンガンを分析すると、MnFx(x≒3)であることから、MnF2から、ほぼMnF3
となった化合物が合成されている。このまま工程(1)を引き続き実施しても、MnF3
からさらにフッ素化された化合物への反応はほとんど進行しないため、引き続き工程(2)を行う。
工程(2)における反応温度は、さらにフッ素化を進行させるために、好ましくは250〜450℃、より好ましくは250〜400℃の範囲であることが望ましい。このように、反応温度を上げることでフッ素化はさらに進行していくが、工程(1)で合成されたMnFxはxが3より小さいことがあるが、その場合には、工程(2)を実施した際に、
初期反応熱が大きくなることにより溶解固化する可能性がある。そのため、工程(2)では、反応温度を250℃から段階的に上げていくことが好ましい。
上記のように段階的に反応温度を上昇させることにより、反応容器内のフッ化マンガンによるフッ素ガスの吸収が再開し、工程(1)における反応後期の圧力と同圧力で継続的に実施することができる。なお、工程(2)は、工程(1)が終了した時点で、微量生成する可能性のある不純物を一度減圧条件により除去してから行うことがより好ましい。また、工程(2)は、工程(1)と同じく瞬間的にフッ化マンガン化合物の表面で反応して粉体が溶融状態になるのを避けるため、真空容器にゆっくりと流量を制限しながらF2
導入してフッ素化を行うことが好ましい。
工程(2)におけるF2の供給速度は、減圧された反応容器内部のマンガン化合物1モ
ルに対して、好ましくは1mol/hr以下、より好ましくは0.5mol/hr以下、特に好ましくは0.1mol/hr以下であることが望ましい。このとき、工程(1)と同様に、工程(2)の反応初期においては、フッ化マンガンとF2の反応速度はF2の供給速度より遅いため、反応容器内の圧力は徐々に上昇し、供給圧と等しくなった時点で、反応容器内は一定圧となる。一定圧となった反応後期においては、フッ素ガスはフッ化マンガンと反応した分だけが供給される。なお、一定圧となるまでは、F2の供給速度は上記
範囲内で一定であることが好ましい。
工程(2)におけるフッ素化の圧力も工程(1)と同様に特に限定されないが、高圧で実施するとフッ素ガス取り扱い時の危険性が増加することや、高価な耐圧反応容器が必要になることから、できるだけ低圧で実施することが好ましい。具体的な圧力としては、好ましくは2MPa以下、より好ましくは1MPa以下、特に好ましくは0.5MPa以下であることが望ましい。
工程(2)では、より高温の条件でフッ素化を行うことから、工程(1)では反応しなかった不純物から、HF等の不純物が生成する可能性がある。そこで、F2の供給を一時
停止し、減圧状態にすることにより、これらの不純物を除去することが望ましい。このときの減圧の回数は生成する不純物の量にもよるが、概ね1回行えばよく、生成する不純物の量によっては2回以上行ってもよい。
また、工程(1)および工程(2)において、反応生成物を粉砕しながら反応を行ってもよい。
上述した本発明の製造方法を実施することにより、MnF2から、少なくともx=3〜
4のMnFx、より具体的には、フッ素発生剤として使用するのに好ましいx=3.5〜
4のMnFxを合成することができる。
なお、本発明で使用する反応容器の形状は特に限定されないが、極端に細長かったり、太く短い場合には反応容器としてスペースばかりとってしまい、好ましくない。そのため、円柱型の反応容器の場合、剤充填高さと反応容器の直径との比が、剤充填高さ/反応容器直径=1.5〜15程度が好ましい。
本明細書におけるマンガンの価数については、フッ化マンガンを硝酸水溶液または塩酸水溶液に溶解し、マンガンについてはICP分析し、フッ素についてはイオンクロマトグ
ラフにより分析して、フッ化マンガン中のマンガンとフッ素の割合を計算して求めた。
本発明の製造方法により得られたフッ化マンガンをNi容器に入れて加熱することにより、99,95%以上の高純度フッ素ガスを発生させることができる。なお、上記フッ素ガスの純度は、該フッ素ガス中に含まれる不純物の量をガスクロマトグラフィーおよびFT−IRによって分析することにより、求めることができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
図1に本発明のフッ化マンガンの製造方法に用いられる製造装置の一例である概略図を示す。図1に示すような製造装置を用いて、以下の実施例および比較例を行った。
〔実施例1〕
MnF2 60g(0.65mol)を0.1L-Ni反応容器10(φ30×150mm)に充填した。この反応容器10を電熱ヒーター9により加熱し真空ポンプ11で圧力1
kPa以下に減圧して1時間乾燥を行った。乾燥の途中で真空引きを一時中断し、バルブ3よりHeを反応容器10に0.1MPa(ゲージ圧力)供給し、再び真空引きを行う操作を5回行った。その後、150℃、1kPa以下の真空状態にした反応容器10にマスフローコントローラー5により、フッ素ガス(F2)を50ml/min(0.13mol
/hr)で供給し、工程(1)の反応を行った。圧力は次第に上昇し供給圧と同じ0.4MPaで一定となり、反応容器中のフッ化マンガンによるフッ素ガスの吸収が続いた。反応開始後360分の時点で一度フッ素ガスの供給を停止し、真空引きを行い反応容器内の圧力を1kPa以下に減圧した後、再びマスフローコントローラー5によりフッ素ガスを50ml/min(0.13mol/hr)で供給した。圧力は供給圧と同じ0.4MPaまで上昇し、反応容器中のフッ化マンガンによるフッ素ガスの吸収が再び開始され、フッ化マンガンによるフッ素ガスの吸収が認められなくなった時点で反応を終了した。フッ素ガス流量と圧力の変化を、それぞれ図2と図3に示す。ICPとイオンクロマトの分析値より得られたフッ化マンガンの価数を求めた結果、MnF2.96であった。
〔実施例2〕
実施例1に引き続き、工程(2)を実施した。
まず、フッ素ガスの供給を停止し、真空ホ゜ンフ゜11で真空引きを実施し反応容器内の圧力を1kPa以下とした。その後、280℃、1kPa以下の真空状態にした反応容器10に、マスフローコントローラー5によりフッ素ガスを200ml/min(0.54mol/hr)で供給し、工程(2)の反応を行った。フッ化マンガンによるフッ素ガスの吸収が認められなくなった時点で反応を終了した。フッ素ガス流量と圧力の変化を、それぞれ図4と図5に示す。ICPとイオンクロマトの分析値より得られたフッ化マンガンの価数を求めた結果、MnF3.91であった。
〔比較例1〕
MnF2 60g(0.65mol)を0.1L-Ni反応容器10(φ30×150mm)に充填した。この反応容器10を電熱ヒーター9により加熱し真空ポンプ11で圧力1
kPa以下に減圧して1時間乾燥を行った。乾燥の途中で真空引きを一時中断し、バルブ3よりHeを反応容器に0.1MPa(ゲージ圧力)供給し、再び真空引きを5回行った。その後、300℃、1kPa以下の真空状態にした反応容器10に、マスフローコントローラー5によりフッ素ガスを50ml/min(0.13mol/hr)で供給し、フッ素化反応を行った。反応開始後、圧力は次第に上昇し供給圧と同じ0.4MPaで一定となった。反応開始後360分の時点で一度フッ素ガスの供給を停止し、真空引きを行い反応容器内の圧力を1kPa以下に減圧した後、マスフローコントローラー5によりフッ素ガ
スを50ml/min(0.13mol/hr)で供給した。圧力は供給圧と同じ0.4MPaまで上昇し、反応容器中のフッ化マンガンがフッ素ガスをほとんど吸収しなかったため反応を終了した。フッ素ガス流量と圧力の変化を、それぞれ図6と図7に示す。ICPとイオンクロマトの分析値より得られたフッ化マンガンの価数を求めた結果、MnF2.11であった。
以上の結果から、実施例1と比較して反応の初期温度が300℃であるとフッ素化反応が充分に進行しないことがわかった。
本発明のフッ化マンガンの製造方法に用いられる製造装置の一例を示す概略図である。 実施例1におけるフッ素ガス流量の変化を示すグラフである。 実施例1における圧力の変化を示すグラフである。 実施例2におけるフッ素ガス流量の変化を示すグラフである。 実施例2における圧力の変化を示すグラフである。 比較例1におけるフッ素ガス流量の変化を示すグラフである。 比較例1における圧力の変化を示すグラフである。
符号の説明
1・・・ストップバルブ
2・・・圧力計
3・・・ストップバルブ
4・・・ストップバルブ
5・・・マスフローコントローラー
6・・・クッションタンク
7・・・NaF筒
8・・・ストップバルブ
9・・・加熱用ヒーター
10・・・Ni反応容器
11・・・真空ポンプ
12・・・除害設備
13・・・Mnxy(y/x=2〜4)
14・・・熱電対

Claims (14)

  1. マンガン化合物とフッ素化剤とを50〜250℃で反応させる工程(1)、および
    該工程(1)により得られた生成物とフッ素化剤とを、さらに250〜450℃で反応させる工程(2)
    を含むことを特徴とするフッ化マンガンの製造方法。
  2. 前記工程(1)の前に100℃以上の温度で前記マンガン化合物を乾燥する工程を含む請求項1に記載のフッ化マンガンの製造方法。
  3. 前記工程(1)が、マンガン化合物が充填された容器に、フッ素化剤を減圧状態から一定圧になるまで一定速度で供給してマンガン化合物とフッ素化剤とを接触させる工程を含む請求項1または2に記載のフッ化マンガンの製造方法。
  4. 前記工程(2)が、マンガン化合物が充填された容器に、フッ素化剤を減圧状態から一定圧になるまで一定速度で供給してマンガン化合物とフッ素化剤とを接触させる工程を含む請求項1〜3のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
  5. 前記工程(1)が、減圧下で不純物を除去する工程を含む請求項1〜4のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
  6. 前記工程(2)が、減圧下で不純物を除去する工程を含む請求項1〜5のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
  7. 前記マンガン化合物が、MnF2、MnCO3、MnOおよびこれらの水和物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜6のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
  8. 前記マンガン化合物がMnF2またはその水和物である請求項7に記載のフッ化マンガ
    ンの製造方法。
  9. 前記フッ素化剤が、F2、ClFおよびClF3からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜8のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
  10. 前記フッ素化剤がF2である請求項9に記載のフッ化マンガンの製造方法。
  11. 前記製造方法により得られたフッ化マンガンがMnFx(x=3〜4)である請求項1
    〜10のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
  12. 前記工程(1)の反応が100〜200℃で行われる請求項1〜11のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
  13. 前記工程(2)の反応が250〜400℃で行われる請求項1〜12のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
  14. 前記工程(1)および(2)の反応が反応生成物を粉砕しながら行われる請求項1〜13のいずれかに記載のフッ化マンガンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102658076A (zh) * 2012-05-11 2012-09-12 中山大学 一种微纳米材料及其制备方法、装置、应用
CN115947375A (zh) * 2023-01-04 2023-04-11 湖北卓熙氟化股份有限公司 一种三氟化锰的制备方法

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