JP2010116395A - デカフルオロシクロヘキセンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】C6F6を出発物質とし、これをフッ素化して高収率で高純度のデカフルオロシクロヘキセンを製造する方法、および前記フッ素化工程に有用なフッ素化剤の提供。
【解決手段】六フッ化ベンゼンを原料としてデカフルオロシクロヘキセンを製造する方法において、二フッ化コバルト1〜50wt%と、二フッ化カルシウム、二フッ化マグネシウム、三フッ化アルミニウム、フッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムの中から選ばれる金属フッ化物50〜99wt%とを混合して組成されたものをフッ素ガスと200〜400℃で反応させて活性化させたフッ素化剤と、六フッ化ベンゼンとを不活性ガス含有雰囲気中で60〜200℃で反応させてデカフルオロシクロヘキセンを製造する方法を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】六フッ化ベンゼンを原料としてデカフルオロシクロヘキセンを製造する方法において、二フッ化コバルト1〜50wt%と、二フッ化カルシウム、二フッ化マグネシウム、三フッ化アルミニウム、フッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムの中から選ばれる金属フッ化物50〜99wt%とを混合して組成されたものをフッ素ガスと200〜400℃で反応させて活性化させたフッ素化剤と、六フッ化ベンゼンとを不活性ガス含有雰囲気中で60〜200℃で反応させてデカフルオロシクロヘキセンを製造する方法を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、六フッ化ベンゼンをフッ素化剤と反応させてデカフルオロシクロヘキセンを製造する方法において、高い選択率でデカフルオロシクロヘキセンを得ることが可能なデカフルオロシクロヘキセンの製造方法、およびこれに用いられるフッ素化剤に関する。具体的には、本発明は、六フッ化ベンゼン(C6F6)をフッ素化剤と反応させてデカフルオロシクロヘキセン(C6F10)を製造する方法、およびフッ化コバルト(CoF2)1〜50wt%と、二フッ化カルシウム(CaF2)、二フッ化マグネシウム(MgF2)、三フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化ナトリウム(NaF)およびフッ化カリウム(KF)の中から選ばれる少なくとも1種の金属フッ化物50〜99wt%とを含んでなるフッ素化剤に関する。
C6F10は、分子量262および沸点51〜53℃の物質であって、プラズマ状態の化学種からみて、半導体製造工程のエッチングガスとして使用可能性のある物質の一つである。
この化学種は、従来のポリシリコンまたはシリコン酸化物に用いられるエッチングガスとしてのオクタフルオロシクロペンテン(C5F8)などと類似の化学種を示す。
本発明者らは、商用化工程が容易で比較的簡単な工程によって製造することが可能なデカフルオロシクロヘキセン(C6F10)を有用なエッチングガスとして注目し、その製造方法を開発することになった。
特許文献1には、アンデカフルオロシクロヘキサン(C6F11H)を700〜900℃で加熱してデカフルオロシクロヘキセン(C6F10)を製造する方法が開示されている。
この方法としては、少なくとも700℃以上の高い反応温度で行われなければならず、収率も61〜85%と高くない。特許文献2では、これより低い反応温度である320℃でフッ化ナトリウムペレットに通過させて製造したが、収率が低かった。また、原料であるアンデカフルオロシクロヘキサン(C6F11H)は、製造することが複雑なので、工業的に使用するには難しさが多い。
この化学種は、従来のポリシリコンまたはシリコン酸化物に用いられるエッチングガスとしてのオクタフルオロシクロペンテン(C5F8)などと類似の化学種を示す。
本発明者らは、商用化工程が容易で比較的簡単な工程によって製造することが可能なデカフルオロシクロヘキセン(C6F10)を有用なエッチングガスとして注目し、その製造方法を開発することになった。
特許文献1には、アンデカフルオロシクロヘキサン(C6F11H)を700〜900℃で加熱してデカフルオロシクロヘキセン(C6F10)を製造する方法が開示されている。
この方法としては、少なくとも700℃以上の高い反応温度で行われなければならず、収率も61〜85%と高くない。特許文献2では、これより低い反応温度である320℃でフッ化ナトリウムペレットに通過させて製造したが、収率が低かった。また、原料であるアンデカフルオロシクロヘキサン(C6F11H)は、製造することが複雑なので、工業的に使用するには難しさが多い。
特許文献3では、反応温度120℃で過量の五フッ化アンチモン(SbF5)とクロロパーフルオロシクロヘキセンとを反応させてC6F10を製造する方法を開示している。 原料がヘプタフルオロトリクロロシクロヘキセンの場合、C6F10の収率が7.1%と非常に低い。
その他にも、アンデカフルオシクロヘキセン(C6F11H)をKOHと反応させてC6F10を製造する方法が知られている(非特許文献1)。
その他にも、アンデカフルオシクロヘキセン(C6F11H)をKOHと反応させてC6F10を製造する方法が知られている(非特許文献1)。
Fluorocarbon and their derivatives. R. E. bank, 1970
本発明の目的は、C6F6を出発物質とし、これをフッ素化して高収率で高純度のデカフルオロシクロヘキセンを製造する方法、および前記フッ素化工程に有用なフッ素化剤を提供することにある。
本発明で開発したフッ素化剤は、パウダー状態であって、二フッ化コバルト(CoF2)1〜50wt%に二フッ化カルシウム(CaF2)、二フッ化マグネシウム(MgF2)、三フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化ナトリウム(NaF)およびフッ化カリウム(KF)の少なくとも一つを50〜99wt%の重量割合で機械的に混合し、これをフッ素ガスと接触反応させることにより、活性化されたフッ素化剤を作る。前記金属フッ化物の添加割合によって反応性および選択性が異なり、特にC6F10を選択的に合成するためのフッ素化剤として適する。
CoF2および金属フッ化物をフッ素ガスと反応させて金属フッ化物中のフッ素含量を高めてフッ素化剤のフッ化能力を高めようとするフッ素化剤の活性化反応は、次の反応式によって行われる。
CoF2+1/2F2→CoF3
CoF2以外の金属フッ化物は、それ以上のフッ化反応が起こらない。
CoF3は、CoF2より強力なフッ素化剤であるが不安定な化合物なので、空気との接触の際に直ちにCoF2に還元され、保管が非常に難しい物質である。
CoF2+1/2F2→CoF3
CoF2以外の金属フッ化物は、それ以上のフッ化反応が起こらない。
CoF3は、CoF2より強力なフッ素化剤であるが不安定な化合物なので、空気との接触の際に直ちにCoF2に還元され、保管が非常に難しい物質である。
C6F6を出発物質としてC6F8を製造するとき、CoF2またはCoF3をフッ素化剤としてC6F6をフッ化反応させると、反応生成物としては、C6F8、C6F10、C6F12が多様な割合で混合された混合物が得られる。特にCoF3の場合、大部分の化合物がC6F12に転換される。
この際、C6F6の反応はフッ素化剤のフッ化性能と反応温度によって影響され、生成混合物の混合割合も差異を示す。
よって、目標化合物(C6F10)の選択率を高めるためには、それに適した反応条件を維持させる必要がある。
この際、C6F6の反応はフッ素化剤のフッ化性能と反応温度によって影響され、生成混合物の混合割合も差異を示す。
よって、目標化合物(C6F10)の選択率を高めるためには、それに適した反応条件を維持させる必要がある。
本発明者らは、目標化合物(C6F10)の選択率を高めることが可能な反応条件を確認するために多様な方法で実験してみた結果、フッ素化剤におけるCoF3の含量比率を調節することにより、C6F6のフッ素化の度合いを調節することができるという点に着目し、フッ素化反応に悪い影響を及ぼさず、CoF3の含量比率を調節することが可能な稀釋劑(diluent)として金属フッ化物を選択してフッ素化剤を構成させることにより、C6H8の選択率に優れた反応条件を確認し、本発明を完成するに至った。
ここで、金属フッ化物としてCaF2、MgF2、AlF3、NaFおよびKFが好ましい。
CoF3の高い活性によりC6F6がC6F12に進むことを抑制し且つ反応条件を調節するためには、CoF3の活性度を低く調整する必要がある。
前記活性化されたフッ素化剤を用いてデカフルオロシクロヘキセンを製造する方法は、最適の収率を得るためにフッ素化剤の反応性を調節する方法であって、金属フッ化物の添加割合を調節する以外にも、不活性ガスである窒素(N2)、ヘリウム(He)およびアルゴン(Ar)のいずれか一つを反応物と共に供給することを特徴とする。
C6F6のフッ化反応工程で不活性ガスを導入させると、原料ガス(C6F6)とフッ素化剤との接触時間を減らすことができる。よって、不活性ガスの導入によりフッ素化反応を制御することができる。
CoF2を活性物質とし、金属フッ化物を稀釋劑とするフッ素化剤を構成させるが、金属フッ化物の含量は50〜99wt%の割合が好ましい。
ここで、金属フッ化物としてCaF2、MgF2、AlF3、NaFおよびKFが好ましい。
CoF3の高い活性によりC6F6がC6F12に進むことを抑制し且つ反応条件を調節するためには、CoF3の活性度を低く調整する必要がある。
前記活性化されたフッ素化剤を用いてデカフルオロシクロヘキセンを製造する方法は、最適の収率を得るためにフッ素化剤の反応性を調節する方法であって、金属フッ化物の添加割合を調節する以外にも、不活性ガスである窒素(N2)、ヘリウム(He)およびアルゴン(Ar)のいずれか一つを反応物と共に供給することを特徴とする。
C6F6のフッ化反応工程で不活性ガスを導入させると、原料ガス(C6F6)とフッ素化剤との接触時間を減らすことができる。よって、不活性ガスの導入によりフッ素化反応を制御することができる。
CoF2を活性物質とし、金属フッ化物を稀釋劑とするフッ素化剤を構成させるが、金属フッ化物の含量は50〜99wt%の割合が好ましい。
本発明のフッ素化剤を用いるフッ素化反応条件は、金属フッ化物の含量、反応温度および不活性ガスの供給量が相互影響を及ぼすが、金属フッ化物の含量が99wt%以上になると、フッ素化反応速度があまり低くなり、金属フッ化物の含量が50wt%以下になると、反応制御が難しくなる。
反応温度60〜200℃で反応条件を調節するには、金属フッ化物の含量が50〜99wt%であることが非常に好ましい。
本発明の製造方法においては、ヘキサフルオロベンゼンが反応原料として用いられる。C6F6は、6つの不飽和結合炭素のそれぞれにフッ素原子が結合し、水素原子がなく、常温で液体の化合物である。原料物質としてベンゼン或いはクロロベンゼンおよび炭化水素などを使用する場合、フッ酸(HF)が生成されるので、酸を除去する工程が必要となり、異性体を含んだ数多くの副産物が生成されて精製工程が非常に複雑になるので、商用工程として適しない。
本発明では、反応器に二フッ化コバルト(CoF2)と金属フッ化物との混合物を充填させ、200〜400℃でフッ素ガスによって活性化させることにより、活性化されたフッ素化剤を作る。これを用いて反応温度60〜200℃の範囲でC6F6と不活性ガスを供給してC6F10を製造する。反応が終わると、フッ素化剤は、さらにフッ素ガスによって活性化させて次の反応のために待機させる。商用工程に適用するためには連続的に反応が行われなければならないので、2基の反応器を用いてフッ素化剤の活性化工程と反応工程が繰り返し行われるようにする。以下、本発明の工程の概要は、図1に示した製造設備に基づいて説明する。
反応温度60〜200℃で反応条件を調節するには、金属フッ化物の含量が50〜99wt%であることが非常に好ましい。
本発明の製造方法においては、ヘキサフルオロベンゼンが反応原料として用いられる。C6F6は、6つの不飽和結合炭素のそれぞれにフッ素原子が結合し、水素原子がなく、常温で液体の化合物である。原料物質としてベンゼン或いはクロロベンゼンおよび炭化水素などを使用する場合、フッ酸(HF)が生成されるので、酸を除去する工程が必要となり、異性体を含んだ数多くの副産物が生成されて精製工程が非常に複雑になるので、商用工程として適しない。
本発明では、反応器に二フッ化コバルト(CoF2)と金属フッ化物との混合物を充填させ、200〜400℃でフッ素ガスによって活性化させることにより、活性化されたフッ素化剤を作る。これを用いて反応温度60〜200℃の範囲でC6F6と不活性ガスを供給してC6F10を製造する。反応が終わると、フッ素化剤は、さらにフッ素ガスによって活性化させて次の反応のために待機させる。商用工程に適用するためには連続的に反応が行われなければならないので、2基の反応器を用いてフッ素化剤の活性化工程と反応工程が繰り返し行われるようにする。以下、本発明の工程の概要は、図1に示した製造設備に基づいて説明する。
本発明の方法は、デカフルオロシクロヘキセンを99%以上の選択率で製造することができるという利点がある。
以下、本発明を詳細に説明する。
−反応器の形態とフッ素化剤の活性化工程
水平あるいは垂直形態の反応器に反応器容量の約70%に該当する量のフッ素化剤、すなわち粉末状の二フッ化コバルトに粉末状の二フッ化カルシウム(CaF-2)、二フッ化マグネシウム(MgF2)、三フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化ナトリウム(NaF)およびフッ化カリウム(KF)の少なくとも1種を全体重量に対して50〜99%の範囲で機械的に混合して均一に充填し、反応温度200〜400℃の範囲でフッ素ガスによってフッ素化剤を活性化させた。活性化が終了した後、不活性ガスを供給しながら残留フッ素ガスを除去する。投入されたフッ素ガスがもはや消耗されず全て外部に排出されると、CoF2の活性化が終了したのである。
水平あるいは垂直形態の反応器に反応器容量の約70%に該当する量のフッ素化剤、すなわち粉末状の二フッ化コバルトに粉末状の二フッ化カルシウム(CaF-2)、二フッ化マグネシウム(MgF2)、三フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化ナトリウム(NaF)およびフッ化カリウム(KF)の少なくとも1種を全体重量に対して50〜99%の範囲で機械的に混合して均一に充填し、反応温度200〜400℃の範囲でフッ素ガスによってフッ素化剤を活性化させた。活性化が終了した後、不活性ガスを供給しながら残留フッ素ガスを除去する。投入されたフッ素ガスがもはや消耗されず全て外部に排出されると、CoF2の活性化が終了したのである。
−C6F10の合成工程
フッ素化剤の活性化が終了すると、反応器の温度を60〜200℃に降温し、原料であるC6F6を定量的に気化器に通過させた後、反応器へ送る。反応器を通過して出る生成物は−10℃〜0℃のトラップで凝縮させた後、未反応物質、およびより高い沸騰点を持つ生成物を捕集し、残りの生成物は−60℃〜−80℃の2次アセトン/液体窒素トラップで凝縮させる。下記の実施例を挙げて本発明の内容を具体的に説明する。
フッ素化剤の活性化が終了すると、反応器の温度を60〜200℃に降温し、原料であるC6F6を定量的に気化器に通過させた後、反応器へ送る。反応器を通過して出る生成物は−10℃〜0℃のトラップで凝縮させた後、未反応物質、およびより高い沸騰点を持つ生成物を捕集し、残りの生成物は−60℃〜−80℃の2次アセトン/液体窒素トラップで凝縮させる。下記の実施例を挙げて本発明の内容を具体的に説明する。
実施例1〜4
反応器(A、B)(3インチ×1100mm)内に、MgF266.7wt%とCoF233.3wt%とを混合して構成させたフッ素化剤1.8kgを投入し、反応器の内部を不活性窒素ガスでパージして反応器およびパウダー表面の水分を除去した後、反応器の温度を350℃に昇温させ、しかる後に、フッ素ガスを投入してフッ素化剤を活性化させる。活性化が完了すると、反応器内の未反応フッ素ガスを除去し、反応器の温度は70〜130℃に維持させる。
反応準備が完了すると、気化器7の温度を120〜130℃に維持させ、原料であるC6F6を定量で投入して反応を進行させる。ここに不活性窒素ガスを5〜600mol%の原料供給量で一緒に供給する。
反応器(A、B)(3インチ×1100mm)内に、MgF266.7wt%とCoF233.3wt%とを混合して構成させたフッ素化剤1.8kgを投入し、反応器の内部を不活性窒素ガスでパージして反応器およびパウダー表面の水分を除去した後、反応器の温度を350℃に昇温させ、しかる後に、フッ素ガスを投入してフッ素化剤を活性化させる。活性化が完了すると、反応器内の未反応フッ素ガスを除去し、反応器の温度は70〜130℃に維持させる。
反応準備が完了すると、気化器7の温度を120〜130℃に維持させ、原料であるC6F6を定量で投入して反応を進行させる。ここに不活性窒素ガスを5〜600mol%の原料供給量で一緒に供給する。
前記方法で製造したフッ素化剤を使用し、六フッ化ベンゼンとの反応は次の反応条件によって行った。
反応条件
反応器:3インチ×1100mm、SUS316L
反応原料:六フッ化ベンゼン(70〜90g/hr)
不活性ガスの供給:原料供給量の180mol%(不活性ガス:窒素)
反応温度:70〜130℃
反応圧力:大気圧
前述した条件の下で六フッ化ベンゼンをフッ素化反応させて得たガスを氷水のトラップとアセトン/液体窒素の混合トラップを用いて凝縮させた後、ガスクロマトグラフィーを用いて反応生成物を分析した。その結果は表1〜2に示した。
反応条件
反応器:3インチ×1100mm、SUS316L
反応原料:六フッ化ベンゼン(70〜90g/hr)
不活性ガスの供給:原料供給量の180mol%(不活性ガス:窒素)
反応温度:70〜130℃
反応圧力:大気圧
前述した条件の下で六フッ化ベンゼンをフッ素化反応させて得たガスを氷水のトラップとアセトン/液体窒素の混合トラップを用いて凝縮させた後、ガスクロマトグラフィーを用いて反応生成物を分析した。その結果は表1〜2に示した。
実施例5〜9
フッ素化剤の組成および成分を異ならせる以外は、表1および表2に記載された反応条件によって行った。その結果は次の表1および表2に示した。
フッ素化剤の組成および成分を異ならせる以外は、表1および表2に記載された反応条件によって行った。その結果は次の表1および表2に示した。
上記の結果より、CoF2の割合が増加するほど、C6F6の転換率は増加するが、C6F10の選択性は減少する。最適の反応条件でC6F10の選択性を99%まで得ることができた。
本発明では、2基の反応器(A)、(B)を並列に連結して交代に使用する。すなわち、1基の反応器で反応が終わると、窒素として残っている有機物を排気した後、フッ素ガスを入れてさらにフッ素化剤を活性化させると同時に、待機している他の反応器は有機物との反応を開始する。商用化工程のためには工程が連続的に行われなければならないので、フッ素化剤の活性化工程と反応工程が繰り返し行われるようにするためには2基の反応器を使用することが好ましい。
本発明では、2基の反応器(A)、(B)を並列に連結して交代に使用する。すなわち、1基の反応器で反応が終わると、窒素として残っている有機物を排気した後、フッ素ガスを入れてさらにフッ素化剤を活性化させると同時に、待機している他の反応器は有機物との反応を開始する。商用化工程のためには工程が連続的に行われなければならないので、フッ素化剤の活性化工程と反応工程が繰り返し行われるようにするためには2基の反応器を使用することが好ましい。
A、B 反応器
1 F2ガス
2 不活性ガス
3〜5 流量計
6 六フッ化ベンゼン
7 気化器
8 残留ガス除去装置
9 氷水トラップ
10 アセトン/液体窒素トラップ
11 洗浄機(scrubber)
1 F2ガス
2 不活性ガス
3〜5 流量計
6 六フッ化ベンゼン
7 気化器
8 残留ガス除去装置
9 氷水トラップ
10 アセトン/液体窒素トラップ
11 洗浄機(scrubber)
Claims (2)
- 六フッ化ベンゼンを原料としてデカフルオロシクロヘキセンを製造する方法において、
二フッ化コバルト1〜50wt%と、二フッ化カルシウム、二フッ化マグネシウム、三フッ化アルミニウム、フッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムの中から選ばれる金属フッ化物50〜99wt%とを混合して組成されたものをフッ素ガスと200〜400℃で反応させて活性化させたフッ素化剤と、六フッ化ベンゼンとを不活性ガス含有雰囲気中で60〜200℃で反応させてデカフルオロシクロヘキセンを製造する方法。 - 不活性ガスが窒素、ヘリウムおよびアルゴンの中から選択され、不活性ガス雰囲気が六フッ化ベンゼン供給量の50〜400mol%で組成されることを特徴とする、請求項1に記載のデカフルオロシクロヘキセンの製造方法。
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Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5559069A (en) * | 1994-05-26 | 1996-09-24 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Catalysts for halogenated hydrocarbon processing, their precursors and their preparation and use |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
JPN6012032234; J. RIERA et al.: Tetrahedron Vol.22, 1966, p.2555-2559 * |
JPN6012032235; Richard D. CHAMBERS et al.: Journal of the chemical society perkin transactions I , 1974, p.114-125 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE102009013786A1 (de) | 2010-05-20 |
KR20100053815A (ko) | 2010-05-24 |
CN101735006A (zh) | 2010-06-16 |
US20100121117A1 (en) | 2010-05-13 |
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