JP2006104033A - 化合物半導体単結晶成長装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】垂直ブリッジマン法や垂直温度勾配凝固法により、連通細管を用いることなしに、種付部近傍に発生する転位を少なくして、低転位密度の化合物半導体単結晶を歩留良く育成する。
【解決手段】種結晶載置部3a、増径部3b及び定径部3cを有する成長容器を支持部材7により支持して加熱装置内に配置し単結晶を成長する垂直ブリッジマン法および垂直温度勾配凝固法による化合物半導体単結晶の成長装置において、成長容器3の種結晶載置部3aの側面を覆う覆い部材7aを設置し、該覆い部材7aの熱伝導率λ(W/m・K)と厚さt(m)を1.0×10-3≦t/λ≦1.0×10-2の関係を満たすように設定し、種結晶6の直径を5mm〜25mmとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体融液を結晶成長容器内で下方から上方に向けて徐々に固化させて単結晶を成長する垂直ブリッジマン法(VB法)又は垂直温度勾配凝固法(VGF法)による化合物半導体単結晶の製造装置に関するものである。
Siの単結晶の製造技術にはチョクラルスキー法がある。このチョクラルスキー法において、ネッキング法を用いることにより、現在Siの無転位結晶が得られている。
ネッキング法とは、種結晶から伝播する転位や、種付け時の熱ショック等で発生する転位が引き上げ方向に対して斜めに伝播することを利用して、種付け作業時に結晶を直径2〜3mm程度にまで細く絞ることによって固液界面形状が融液に対して凸になり、転位は界面に垂直に伸びるので、この細く絞った部分で転位を結晶の表面に逃がして、それ以降に成長する結晶に転位が伝播するのを防ぐ方法である。
III−V族化合物半導体単結晶の製造方法には、融液が分解するのを防ぐために液体封止材を用いる液体封止引上法(LEC法)がある。LEC法では、成長中の高温下では、結晶からV族が解離するという問題があるため、液体封止材から露出する部分の温度をある温度以下にしなければならない。そのため、結晶成長界面近傍の温度勾配が大きくなり、熱応力による転位が細く絞った箇所以降に発生してしまうため、低転位結晶にならない。
一方、近年では、直径φ3インチを超える大型で、しかも転位密度の低い化合物半導体単結晶が得られる方法として、液体封止引上法に代わって、半導体原料融液を結晶成長容器内に収納し、結晶成長容器の底部に予め配置した種結晶より徐々に上方に固化させることにより単結晶を成長する縦型成長法、すなわち垂直ブリッジマン法(VB法)や垂直温度勾配凝固法(VGF法)が注目されている。垂直ブリッジマン法も垂直温度勾配凝固法も、結晶成長容器内の最下部に種結晶を、その上部に原料融液を配置し、結晶成長容器内で種結晶から成長を開始し、徐々に上方に向けて結晶を成長させる点で共通する。ただし、垂直ブリッジマン法(VB法)では成長容器を相対的に降下させて成長させるのに対し、垂直温度勾配凝固法(VGF法)では温度降下のみで成長させる点で、両者に違いがある。垂直ブリッジマン法および垂直温度勾配凝固法では、いずれも成長中の結晶からのV族の解離を防止できるため、LEC法に比べて低温度勾配下で成長が可能となり、熱応力が低減されて、転位密度が大幅に低減した化合物半導体単結晶を製造することができる。
しかし、垂直ブリッジマン法および垂直温度勾配凝固法での低温度勾配下での成長によっても、種付け部近傍より育成結晶中に転位が伝播してしまい、無転位もしくは極低転位密度の単結晶を得ることは困難であった。そこで、Si単結晶の製造技術で用いられているネッキング法に類似した考えで、連通細管を有する挿入部品を、種結晶載置部に配置することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の技術は、具体的には、図2に示すように、成長容器12の種結晶載置部にGaAs種結晶11をセットし、その上に蛇行した連通細管を有する焼結窒化ホウ素製の挿入部品13を載置するものであり、これによって、種付け部近傍より伝播する転位が遮蔽されて、無転位もしくは極低転位密度の単結晶が得られるようになるとされている。なお、14は育成結晶、18は原料である。
特開平6−298588号公報
しかしながら、上記特許文献1のような技術による場合、連通細管と種結晶載置部の隙間が常に適正でないと、隙間に原料融液が流れ込み、種結晶からの成長よりも先に隙間に流れ込んだ融液から固化することにより、多結晶化する恐れがある。
そこで、本発明の目的は、垂直ブリッジマン法や垂直温度勾配凝固法において、上記連通細管を用いることなしに、種付部近傍に発生する転位を少なくして、低転位密度の単結晶を歩留り良く育成する化合物半導体単結晶の成長装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1の発明に係る化合物半導体単結晶成長装置は、下部に種結晶載置部及び該種結晶載置部から上方に向けて直径が大きくなる増径部及びこれに続く直径が一定の定径部を有する成長容器を、支持部材により支持して加熱装置内に配置し、半導体融液を成長容器内で下方から上方に向けて徐々に固化させて単結晶を成長する垂直ブリッジマン法および垂直温度勾配凝固法による化合物半導体単結晶の成長装置において、成長容器の種結晶載置部の側面を覆う覆い部材を設置し、該覆い部材の熱伝導率λ(W/m・K)と厚さt(m)を1.0×10-3≦t/λ≦1.0×10-2の関係を満たすように設定したことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の化合物半導体単結晶成長装置において、種結晶の直径が5mm以上、25mm以下であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の化合物半導体単結晶成長装置において、前記成長容器を支持する支持部材に、前記成長容器の増径部の外周部全面に接触しこれを下方から支持する増径部受け部と、該増径部受け部の下端から垂下し前記種結晶載置部の周囲側面を囲繞する側面覆い部を設け、この支持部材の側面覆い部を、前記成長容器の種結晶載置部の側面を覆う覆い部材として設置したことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物半導体単結晶成長装置において、前記成長容器の種結晶載置部の側面を覆う覆い部材をグラファイト又はアルミナで構成したことを特徴とする。
<発明の要点>
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、種付部近傍に発生し伝播する転位の多くは、炉内の温度変動により、一時的に成長速度が速くなることにより発生し、種結晶の直径が小さいほど炉内の温度変動の影響を受けやすく転位が多く発生することを発見した。
更に鋭意研究を進めた結果、炉内温度変動の影響を少なくするために、成長容器の種結晶載置部の側面を覆う覆い部材を設置することで、炉内温度変動の影響が少なくなり、一時的に成長速度が速くなることによる転位を抑制することができることが分かった。しかし、この場合、熱伝導率が低く、厚さが厚い部材を用いた時は、結晶からの放熱が不足し、固液界面が融液に対して凹面になることによる転位が発生することを発見した。
よって、成長容器の種結晶載置部の側面を覆う適切な材質と厚さの覆い部材を設置することで、種付部近傍から発生し伝播する転位を少なくできることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、結晶容器内の最下部に種結晶、その上部に原料融液を配置し、結晶容器内で種結晶から成長を開始し、徐々に上方に向けて結晶を成長させる垂直ブリッジマン法および垂直温度勾配凝固法による化合物半導体単結晶の成長装置であって、成長容器の種結晶載置部の側面を覆う覆い部材を設置し、該覆い部材の熱伝導率λ(W/m・K)と厚さt(m)が1.0×10-3≦t/λ≦1.0×10-2の関係を満たすように設定することにより、好ましくは更に種結晶の直径が5mm以上、25mm以下であるように設定することにより、種付部近傍から発生し伝播する転位を少なくするものである。
本発明では、結晶容器内の最下部に種結晶、その上部に原料融液を配置し、成長容器内で種結晶から成長を開始し、徐々に上方に向けて結晶を成長させる垂直ブリッジマン法および垂直温度勾配凝固法による化合物半導体単結晶の成長装置において、該成長容器の種結晶載置部の側面を覆う覆い部材を設置したので、炉内温度変動の影響を少なくして一時的に成長速度が速くなることによる転位を抑制することができる。この場合、覆い部材の熱伝導率λ(W/m・K)と厚さt(m)が1.0×10-3≦t/λ≦1.0×10-2の関係を満たすように設定したので、熱伝導率が低く、厚さが厚い覆い部材を用いた場合に較べ、結晶からの放熱不足をなくし、固液界面が融液に対して凹面になることによる転位の発生をなくすことができる。
また、本発明では、種結晶の直径を5mm以上、25mm以下としたので、種付部近傍に発生する転位をより効果的に少なくすることができる。
よって、本発明によれば、低転位密度の単結晶を歩留り良く製造することができる。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1に示す化合物半導体単結晶の製造装置は、チャンバ1内の不活性ガス中で加熱装置(ヒータ8、9)で加熱処理する成長炉として構成されている。そして、この成長炉は、種結晶6とGaAs多結晶原料の融液4と液体封止剤5を収容する筒状の成長容器(るつぼ)3と、これを支持する支持部材7と、所定の温度勾配を作ることのできるグラファイト製のヒータ8、9と、成長につれて垂直下方向に移動可能で、上部に上記支持部材7を取り付けた下軸10から構成される。
成長容器3はPBN製であり、容器底部に設けられた断面積が小さい種結晶載置部3aと、これに続く徐々に上方に断面積が増大する増径部3bと、これに続く断面積が大きくほぼ一定の径を有する定径部3cとを有する。
成長容器(るつぼ)3を下方より支持する支持部材7は、増径部3bの外周部全面に接触しこれを下方から支持する増径部受け部7bと、種結晶載置部3aを収納する下端が解放された中央凹部、つまり上記増径部受け部7bの下端から垂下し種結晶載置部3aの周囲側面を囲繞する側面覆い部(覆い部材)7aとを有する。また支持部材7は、増径部受け部7bの上端から上方に連続し上記定径部3cを被う直径が一定の定径部包囲部7cを有する。さらにまた支持部材7は、増径部受け部7bと定径部包囲部7cの境界角部から下方に存在するコ字状断面の基台部7dを有する。基台部7dの内部、すなわち側面覆い部7aと増径部受け部7bの下方は空洞71になっている。そして、基台部7dの下部は、下軸10の頂部に固定されている。
上記支持部材7は、その増径部受け部7bが、成長容器の増径部3bの外周部全面と接触しており、且つその増径部と接触している増径部受け部7bの厚さは、その平均Tが10mmより大きくなっている。ただし、その増径部受け部7bの厚さの許容範囲は、最小厚さがT−T/3より大きく、最大厚さがT+T/3より小さい。つまり、増径部受け部7bの厚さは、(T−T/3)〜(T+T/3)の範囲内の厚さとなっている。増径部受け部7bの厚さを上記範囲に設定することで、結晶増径部を成長する時の温度の変化量を少なくし、結晶増径部における双晶の発生割合を少なくするためである。
本発明の視点から見た場合、上記支持部材7は、増径部受け部7bの下端から垂下し種結晶載置部3aの周囲側面を囲繞する側面覆い部7aを有するが、この支持部材の側面覆い部7aが、成長容器3の種結晶載置部3aの側面を覆う覆い部材として機能する。
この覆い部材としての側面覆い部7aは、その材料の熱伝導率λ(W/m・K)と厚さt(m)が1.0×10-3≦t/λ≦1.0×10-2の関係を満たすように設定されている。この種結晶載置部の側面を覆う覆い部材は、例えばグラファイト又はアルミナから構成される。種結晶載置部の側面を覆う覆い部材の熱伝導率、厚さをこの範囲に設定することにより、結晶からの放熱の不足をなくし、固液界面が融液に対して凹面にならないようにして、転位の発生を防止するためである。
そして、種結晶載置部3aに収納される種結晶6は、その直径が5mm以上、25mm以下のものに制限される。種付部近傍から発生し伝播する転位を少なくするためである。
このように本発明に従い、結晶容器内の最下部に種結晶、その上部に原料融液を配置し、成長容器内で種結晶から成長を開始し、徐々に上方に向けて結晶を成長させる垂直ブリッジマン法および垂直温度勾配凝固法による化合物半導体単結晶の成長装置において、該成長容器の種結晶載置部の側面を覆う覆い部材を設置し、該覆い部材の熱伝導率λ(W/m・K)と厚さt(m)が1.0×10-3≦t/λ≦1.0×10-2の関係を満たし、種結晶の直径が5mm以上、25mm以下とすることで、種付部近傍に発生する転位を少なくすることができる。そのため、低転位密度の単結晶を歩留り良く製造することができるようになる。
本発明の効果を確認するため、下記実施例1〜4及び比較例1〜3の如くGaAs単結晶を試作した。これを表1の試作例1〜8の順序で説明する。
(実施例1)
図1の装置を用いて化合物半導体単結晶の一つであるGaAs単結晶を育成した(表1の試作例1を参照)。
PBN製の成長容器(るつぼ)3には、その定径部3c、増径部3b、種結晶載置部3aの側面の厚さが全て25mmのものを用いた。
支持部材7の材質は熱伝導率100W/m・Kのグラファイトである。支持部材7の厚さは全て10cmと均一で、成長容器3の増径部3bの全面が、支持部材7の増径部受け部7bに接触した状態で支持されている。成長容器3の増径部3bは垂直方向に対して45°の角度をなしており、これに応じて支持部材7の増径部受け部7bも傾斜付けられている。
従って、支持部材7において、種結晶載置部3aの側面を覆う覆い部材である側面覆い部7aは、熱伝導率100W/m・Kのグラファイト製で、その厚さが10cmであり、熱伝導率λ(W/m・K)に対する厚さt(m)の割合はt/λ=1.0×10-3となっている。
上記構成の化合物半導体単結晶成長装置において、PBN製るつぼである成長容器3に、GaAs多結晶原料を6100gと、n型ドーパントとしてSiを1.4gと、液体封止材である酸化ホウ素(B23)を400gと、直径10mmの種結晶6を収容した。その後、炉内に成長容器3をセットした。
セット完了後、炉内を真空引きし、不活性ガスで置換し、上部ヒータ9、下部ヒータ8により昇温して、GaAs多結晶原料を完全に融解した。種付け後、成長容器3を3mm/hrの速度で下方に移動して結晶成長を行った。
この方法で、直径φ3インチ、結晶長200mmの全長単結晶が得られた。
上記のようにして得られた単結晶の定径部3cの種側、中央部および尾部側より(001)面のウェハを切り出し、溶融KOHエッチングにより転位密度の評価を行った所、全ての試料において転位密度は平均500個/cm2未満であった。
また、上記のようにして得られた単結晶の溶解した種結晶部より(001)面のウェハを切り出して、同様に転位密度の評価を行った所、平均500個/cm2未満であった。
また、同じ条件で20回成長を行った結果、GaAs単結晶を得ることができる単結晶歩留りは80%以上であり、単結晶の転位密度も全て平均500個/cm2未満であった(表1の試作例1参照)。すなわち、本発明における1.0×10-3≦t/λ≦1.0×10-2の範囲における下限において良好な結果が得られた。
(実施例2)
上記実施例1と同じく、PBN製の成長容器3には、その定径部、増径部、種結晶載置部の側面の厚さが全て10mmのものを用いた。
一方、支持部材7の材質には、熱伝導率10W/m・Kのアルミナ(Al23)を用いた。この支持部材7の厚さ、すなわち種結晶載置部3aの側面を覆う覆い部材である側面覆い部7aの厚さは10cmとした。従って、熱伝導率λ(W/m・K)に対する厚さt(m)の割合は、上記実施例1よりも高く、t/λ=1.0×10-2となっている。
上記以外は実施例1と同じ条件で20回成長を行った結果、単結晶歩留りは80%以上で、単結晶の転位密度も全て平均500個/cm2未満であった(表1の試作例2参照)。すなわち、本発明における1.0×10-3≦t/λ≦1.0×10-2の範囲における上限において良好な結果が得られた。
(実施例3)
直径5mmの種結晶6を用いた以外は、上記実施例1と同じ条件で20回成長を行った(表1の試作例3を参照)。
その結果、単結晶歩留りは80%以上で、単結晶の転位密度も全て平均500個/cm2未満であった。すなわち、本発明における種結晶の直径5mm〜25mmの範囲における下限において良好な結果が得られた。
(比較例1)
熱伝導率λ(W/m・K)と厚さt(m)の関係がt/λ<1.0×10-3となるような支持部材7を用いた以外は、上記実施例1と同様な条件でGaAs単結晶の成長を行った(表1の試作例4を参照)。
成長を行った単結晶について、上記実施例1と同様に、定径部の種側、中央部および尾部側より(001)面のウェハを切り出し、溶融KOHエッチングにより転位密度の評価を行った所、転位密度が平均500個/cm2以上であった。すなわち、本発明における1.0×10-3≦t/λ≦1.0×10-2の範囲における下限を下回ると良い結果は得られない。
また、同じ条件で20回成長を行った結果、単結晶歩留りは70%と上記実施例1より低下した。
(比較例2)
熱伝導率λ(W/m・K)と厚さt(m)の関係がt/λ>1.0×10-2となるような支持部材7を用いた以外は、上記実施例1と同じ条件でGaAs単結晶の成長を行った(表1の試作例5を参照)。
成長を行った単結晶について、上記実施例1と同様に、定径部の種側、中央部および尾部側より(001)面のウェハを切り出し、溶融KOHエッチングにより転位密度の評価を行った所、転位密度が平均500個/cm2以上であった。
また、同じ条件で20回成長を行った結果、単結晶歩留りは60%と上記(実施例1)より低下した。
(実施例4)
直径が25mm以上の種結晶6を用いた以外は上記実施例1と同様な条件で、GaAs単結晶の成長を行った(表1の試作例6を参照)。
成長を行った単結晶について、上記実施例1と同様に、定径部の種側、中央部および尾部側より(001)面のウェハを切り出し、溶融KOHエッチングにより転位密度の評価を行った所、全ての試料において平均500個/cm2未満であった。すなわち、本発明における種結晶の直径5mm〜25mmの範囲における上限において良好な結果が得られた。
ただし、φ4インチ結晶からの種結晶の採取本数が10本以下と上記実施例1の直径25mmの種結晶の採取本数の12本より少なくなり、経済性が悪くなった。
(比較例3)
直径が5mmより小さい種結晶6を用いた以外は、上記実施例1と同様な条件でGaAs単結晶の成長を行った(表1の試作例7を参照)。
成長を行った単結晶について、上記実施例1と同様に、定径部の種側、中央部および尾部側より(001)面のウェハを切り出し、溶融KOHエッチングにより転位密度の評価を行った所、転位密度が平均500個/cm2以上であった。すなわち、本発明における種結晶の直径5mm〜25mmの範囲における下限を下回ると転位密度が多くなるという結果が得られた。
また、同じ条件で20回成長を行った結果、単結晶歩留りは65%と上記実施例1より低下した。
(比較例4)
直径が25mmより大きい種結晶6を用いた以外は、上記実施例1と同様な条件でGaAs単結晶の成長を行った(表1の試作例8を参照)。
成長を行った単結晶について、上記実施例1と同様に、定径部の種側、中央部および尾部側より(001)面のウェハを切り出し、溶融KOHエッチングにより転位密度の評価を行った所、転位密度が平均500個/cm2以上であった。すなわち、本発明における種結晶の直径5mm〜25mmの範囲における上限を上回ると転位密度が多くなるという結果が得られた。
また、同じ条件で20回成長を行った結果、単結晶歩留りは65%と上記実施例1より低下した。
Figure 2006104033
上記試作例から、種付部近傍から発生し伝播する転位を、転位密度500未満と少なくするためには、成長容器の種結晶載置部の側面を覆う部材の熱伝導率λ(W/m・K)と厚さt(m)を1.0×10-3≦t/λ≦1.0×10-2の関係を満たすように設定することが必要であり、さらに種結晶の直径が5mm以上、25mm以下であるように設定することが有効であることが分かった。
本実施例では、GaAsの単結晶成長について述べたが、GaAsの他に、例えばInP、GaP等の化合物半導体単結晶成長に応用することも可能であり、同様の効果が得られる。
本発明に係る垂直ブリッジマン法による化合物半導体結晶成長装置の概略図である。 従来の化合物半導体結晶製造装置における結晶成長容器の断面略図である。
符号の説明
1 チャンバ
2 不活性ガス
3 成長容器
3a 種結晶載置部
3b 増径部
3c 定径部
4 GaAs多結晶原料の融液
5 液体封止剤(B23
6 種結晶
7 支持部材
7a 側面覆い部(覆い部材)
7b 増径部受け部
7c 定径部包囲部
7d 基台部
10 下軸

Claims (4)

  1. 下部に種結晶載置部及び該種結晶載置部から上方に向けて直径が大きくなる増径部及びこれに続く直径が一定の定径部を有する成長容器を、支持部材により支持して加熱装置内に配置し、半導体融液を成長容器内で下方から上方に向けて徐々に固化させて単結晶を成長する垂直ブリッジマン法および垂直温度勾配凝固法による化合物半導体単結晶の成長装置において、
    成長容器の種結晶載置部の側面を覆う覆い部材を設置し、該覆い部材の熱伝導率λ(W/m・K)と厚さt(m)を
    1.0×10-3≦t/λ≦1.0×10-2
    の関係を満たすように設定したことを特徴とする化合物半導体単結晶成長装置。
  2. 請求項1記載の化合物半導体単結晶成長装置において、
    種結晶の直径が5mm以上、25mm以下であることを特徴とする化合物半導体単結晶成長装置。
  3. 請求項1又は2記載の化合物半導体単結晶成長装置において、
    前記成長容器を支持する支持部材に、前記成長容器の増径部の外周部全面に接触しこれを下方から支持する増径部受け部と、該増径部受け部の下端から垂下し前記種結晶載置部の周囲側面を囲繞する側面覆い部を設け、
    この支持部材の側面覆い部を、前記成長容器の種結晶載置部の側面を覆う覆い部材として設置したことを特徴とする化合物半導体単結晶成長装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の化合物半導体単結晶成長装置において、
    前記成長容器の種結晶載置部の側面を覆う覆い部材をグラファイト又はアルミナで構成したことを特徴とする化合物半導体単結晶成長装置。
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