JP2006101757A - 高脂質食材の製造方法及び高脂質食材並びに高脂質食材製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】油脂分等を除去するという前工程を不要として米糠を所望の粉粒状態に粉砕し、高機能食材としての米糠の利用価値を高める。
【解決手段】粉砕機1による粉砕が可能な含有量まで脂質の配合比率が減少するよう糠に玄米を混合した原料3を粉砕する。
【選択図】図1
【解決手段】粉砕機1による粉砕が可能な含有量まで脂質の配合比率が減少するよう糠に玄米を混合した原料3を粉砕する。
【選択図】図1
Description
本発明は高脂質食材の製造方法及び高脂質食材並びに高脂質食材製造装置に関するものである。
玄米を精米すると多量の米糠が生成されるが、斯かる米糠は従来、搾油、動物の飼料、きのこ栽培用の床、糠漬けの床、肥料等に用いられ、又、約30%の米糠は廃棄処理をされていた。
一方、米糠には、脂質、ビタミン類、脂質中のオレイン酸、リノール酸、バルミチン酸、中性油、遊離脂肪酸、γ−オルザノール等の機能性物質が含まれていることから、近年、米糠は高機能性食品として注目されており、このため、米糠を粉砕機により微細な粉粒状態に粉砕加工し、新規食材として利用することが種々検討されている。しかし、米糠は高脂質であるため、ただ単に粉砕機により粉砕した場合には、脂質中の油分が滲出して粉砕機のブレード等に米糠が付着し、所望の状態に粉砕することが困難である。このため、米糠を粉砕する場合には、従来は事前にヘキサン等の溶剤を用いて脱脂することが行なわれている。
又、米糠の食材としての有効利用のため、予め玄米に約6000気圧の負荷をかけた後、炊き、これを食材として用いることも提案されている。なお、高圧をかけるのは、高圧をかけると玄米が多孔状態となり、炊いた後に柔らかくなるためである。
更に、食材として利用する米糠の製造方法としては特許文献1や非特許文献1がある。而して、特許文献1では米糠に含まれている機能性物質や栄養分を保有し、且つ食味が優れた粉粒状米糠を製造するために、米糠を篩にかけてその篩を通過した米糠を加熱水又は加熱水蒸気により加熱し、その加熱された米糠を乾燥させ、乾燥させた米糠を粉砕して粉粒状に加工している。
非特許文献1には、米糠から異物を除去した後に、加熱殺菌して酵素を失活させ、圧搾し、蝋分を除去し、これを微粉化することが開示されている。
特開2003−225061号公報
食品と開発 VOL.37 NO6 米糠の微粉化技術と新食材の開発 第10頁〜第12頁(2002年6月発行)
上述の従来技術のうち、米糠を溶剤により脱脂する場合は、米糠に含有されている上記各種の機能性物質が損なわれると共に溶出してしまい、且つ、米糠にはヘキサン等の溶剤が残留しているため、食用に適用することができない。
又、予め玄米に約6000気圧の負荷をかけた後、炊き、これを食材として用いる場合には、玄米に対する米糠の付着量は約8%であるため機能性物質の含有量が少なく、高機能性食品としては不十分である。
更に、特許文献1のように、米糠を篩にかけてその篩を通過した米糠を加熱水又は加熱水蒸気により加熱し、その加熱された米糠を乾燥させ、乾燥させた米糠を粉砕して粉粒状に加工するような場合には、加熱により脂質が失われるうえ、製造工程に多数の工程が必要となり、能率良く粉粒状米糠を製造することはできない。
更に又、非特許文献1のように、米糠を加熱殺菌して酵素を失活させ、圧搾し、油脂分を除去し、これを微粉化する場合には、脂質が失われるうえ、製造工程に多数の工程が必要となり、能率良く米糠の微粉化を行なうことができない。
又更に、米糠の粒径と食味や加工性との関連性については、上述のように、前処理することなく米糠を粉砕するのは難しいこともあり、検討がなされておらず、食味や加工性について積極的に検討するという発想もなかった。
従って、従来は、前処理をすることなく米糠を高機能性食品として積極的に活用することは困難で、限定的にしか実施されていないのが現状であり、米糠を積極的に高機能性食品して利用するのは困難であるという問題があった。
本発明は上述の実情に鑑み、油脂分等を除去するという前工程を不要として米糠を所望の粉粒状態に粉砕し、高機能食材としての米糠の利用価値を高め得るようにすることを目的としてなしたものである。
請求項1の高脂質食材の製造方法は、糠に食することが可能な希釈材を混合した原料を粉砕するものであり、請求項2の高脂質食材の製造方法においては、糠に加える希釈材の量を、糠が含有する脂質に影響されずに粉砕機による原料の粉砕が可能な量とし、請求項3の高脂質食材の製造方法においては、糠は米糠であり、請求項4の高脂質食材の製造方法においては、希釈材は玄米及び/又は白米であり、請求項5の高脂質食材の製造方法においては、糠及び希釈材を約50μm以下に粉砕する。
請求項6の高脂質食材は、糠に食することが可能な希釈材を混合した原料を粉砕したものであり、請求項7の高脂質食材においては、糠に加える希釈材の量を、糠が含有する脂質に影響されずに粉砕機による原料の粉砕が可能な量とし、請求項8の高脂質食材においては、糠は米糠であり、請求項9の高脂質食材においては、希釈材は玄米若しくは白米であり、請求項10の高脂質食材においては、糠及び希釈材は約50μm以下に粉砕されている。
請求項11の高脂質食材製造装置は、糠及び食することの可能な希釈材を含む原料を粉砕する粉砕機と、粉砕されて空気輸送された粉粒体を空気から分離する分離手段と、粉砕機の出口若しくはその近傍において粉粒体を約50℃以下に保持するための冷却手段とを備えたものである。
本発明によれば、下記のごとき種々の優れた効果を奏し得る。
1)糠を脱脂することなく粉砕しても、滲出した脂質が粉砕機に付着する速度よりも、混合した希釈材が粉砕機に付着した脂質を剥離させる速度が速いことにより、粉砕機内に糠が付着、成長して粉砕不能になるという事態を生じることがなく、又、糠中に含有されている機能性物質が損なわれることもない。従って、糠の食味が良好となり、高機能食材としての糠、特に米糠の利用価値が向上する。
II)糠を新規食材として活用することにより、脂質、蛋白質、ビタミン群等を有効利用することができ、これらを有効利用することにより、健康食材としての機能を有する食材とすることが可能となる。
III)とりわけ、含有脂質がそのままの形で利用することができるため、脂質に含まれるオレイン酸、リノール酸、バルミチン酸、中性油、遊離脂肪酸、γ−オルザノール等の機能性物質を摂取することができる。
IV)希釈材として玄米の他に白米を使用することができるため、玄米、白米等と混用することにより、玄米のみや白米のみの味に加えて、糠成分を追加した新規食材を製造することができる。
V)粉砕の前工程として脱脂を行なう必要がなく、且つ、粉砕時の温度も制限されているため、米糠や玄米又は白米が有する風味を保持することができる。
VI)原料を50μm以下に粉砕することにより、高脂質食材の食味や加工性がが著しく良好となる。
VII)簡単な装置で製造できるため、コストが安価である。
1)糠を脱脂することなく粉砕しても、滲出した脂質が粉砕機に付着する速度よりも、混合した希釈材が粉砕機に付着した脂質を剥離させる速度が速いことにより、粉砕機内に糠が付着、成長して粉砕不能になるという事態を生じることがなく、又、糠中に含有されている機能性物質が損なわれることもない。従って、糠の食味が良好となり、高機能食材としての糠、特に米糠の利用価値が向上する。
II)糠を新規食材として活用することにより、脂質、蛋白質、ビタミン群等を有効利用することができ、これらを有効利用することにより、健康食材としての機能を有する食材とすることが可能となる。
III)とりわけ、含有脂質がそのままの形で利用することができるため、脂質に含まれるオレイン酸、リノール酸、バルミチン酸、中性油、遊離脂肪酸、γ−オルザノール等の機能性物質を摂取することができる。
IV)希釈材として玄米の他に白米を使用することができるため、玄米、白米等と混用することにより、玄米のみや白米のみの味に加えて、糠成分を追加した新規食材を製造することができる。
V)粉砕の前工程として脱脂を行なう必要がなく、且つ、粉砕時の温度も制限されているため、米糠や玄米又は白米が有する風味を保持することができる。
VI)原料を50μm以下に粉砕することにより、高脂質食材の食味や加工性がが著しく良好となる。
VII)簡単な装置で製造できるため、コストが安価である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例である。
図中、1はフィーダ2から供給された、米糠と玄米とが混合した原料3を所望の粒度の粉粒体に粉砕するための粉砕機であり、粉砕機1には、原料3と共に、冷風機4からの低温の空気5を導入し得るようになっている。なお、原料3中の玄米は米糠中の脂質の希釈材として機能する。
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例である。
図中、1はフィーダ2から供給された、米糠と玄米とが混合した原料3を所望の粒度の粉粒体に粉砕するための粉砕機であり、粉砕機1には、原料3と共に、冷風機4からの低温の空気5を導入し得るようになっている。なお、原料3中の玄米は米糠中の脂質の希釈材として機能する。
粉砕機1で粉砕された粉粒体6は若干昇温した空気5と共に、サイクロン7に導入され、サイクロン7においては、粉粒体6は空気5から分離され、製品8として下方へ導出されるようになっており、粉粒体6が分離された空気5はバグフィルタ9へ導入されるようになっている。而して、バグフィルタ9では空気5中の微粉末が捕集され、微粉末が捕集されて清浄化された空気5はブロア10により外部に排出されるようになっている。
粉砕機1の出口側管路には、温度検出器11が接続されており、温度検出器11で検出した空気5の温度Tは電気信号として冷風機4のコントローラ4aへ与え得るようになっている。
粉砕機1の詳細は図2に示されている。すなわち、粉砕機1はいわゆる高速回転式衝撃粉砕機で、ケーシング12内を上下方向に貫通する高速回転可能な縦軸13を備え、縦軸13には、ロータ14を介し、円周方向へ複数枚で上下方向へ複数段(図示例では4段)に亘り、ブレード15が設けられている。ブレード15は鉛直面に対し傾斜しており、且つ上下のブレード15では傾斜角度は異なっている。
又、ケーシング12の内周面には、中空円筒状にライナ16が設けられている。図中12aはケーシング12下端に設けられた入口部、12bはケーシング12上端側部に設けられた出口部である。
而して、原料3は空気5によって粉砕機1におけるケーシング12内のブレード15とライナ16との間の隙間に搬入され、図示してない駆動装置により高速回転する鋭利なブレード15及びライナ16によって粉砕されるようになっている。又、原料3はケーシング12内のブレード15とライナ16との隙間において発生する空気5の渦により原料3同士が衝突させられて更に粉砕されるようになっている。
次に、本発明において使用する原料3について説明する。
本図示例においては、原料3は米糠(粒径約300μm)と玄米であるが、発明者の研究の結果、脱脂をすることなく粉砕するために次のような配分とすることが良いことが判明した。
本図示例においては、原料3は米糠(粒径約300μm)と玄米であるが、発明者の研究の結果、脱脂をすることなく粉砕するために次のような配分とすることが良いことが判明した。
例えば、粉砕機1で粉砕した後の製品8の粒径を150μmとすると、原料3の配合比率は米糠30wt%、玄米70wt%とする。又、製品8の粒径を50μmとすると、原料3の配合比率は米糠20wt%、玄米80wt%とする。更に、製品8の粒径を15μmとすると、原料3の配合比率は米糠15wt%、玄米85wt%とする。
又、玄米の糠の量は約8wt%であるため、配合比率が米糠30wt%、玄米70wt%の場合、原料3の糠の量は合計は約35.6wt%となり、配合比率が米糠20wt%、玄米80wtの場合、原料3の糠の量は合計約26.4wt%となり、配合比率が米糠15wt%、玄米85wt%の場合、原料3の糠の量は合計約21.8wt%である。これらをまとめると図3の図表のようになる。
而して、米糠に含有されている脂質を希釈して、米糠と玄米の配合比率を粉砕機1が許容する上記値とした場合には、原料を粉砕機1で粉砕しても、粉砕機1に対し米糠が付着、成長することがなく、従って、米糠の粉砕を円滑に行なうことができるのである。
次に、上記した実施の形態の作動を説明する。
米糠及び玄米から成る原料3は予め105℃で1時間程度加熱しておく。このように熱処理を行うのは、加熱することにより含有酵素の働きを失活させて米糠の臭いを除去するためである。
米糠及び玄米から成る原料3は予め105℃で1時間程度加熱しておく。このように熱処理を行うのは、加熱することにより含有酵素の働きを失活させて米糠の臭いを除去するためである。
熱処理により脱臭が行なわれた原料3は、冷まされた状態でフィーダ2から投入され、冷風機4からの低温の空気5と共に、粉砕機1のケーシング12内に導入される。而して、原料3は、ケーシング12内のブレード15とライナ16との隙間において、高速回転する鋭利なブレード15及びライナ16によって粉砕(乾式粉砕)されると共に、隙間に発生する空気5の渦により原料3同士を衝突することにより、更に粉砕される。米糠の粉砕の際、米糠から脂質が滲出するのが防止されると共に、希釈材である玄米は剥離材としても機能するため、ブレード15、ロータ14、ライナ16に米糠が付着して粉砕不能となることがない。
米糠15wt%と玄米85wt%の原料3を15μmに粉砕する場合、粉砕時のブレード15の回転数は+15000rpm(周速=+120m/min.)であり、米糠20wt%と玄米80wt%の原料3を50μmに粉砕する場合、粉砕時のブレード15の回転数は−12000rpm(周速=−100m/min.)であり、米糠30wt%と玄米70wt%の原料3を150μmに粉砕する場合、粉砕時のブレード15の回転数は−6000rpm(周速=−50m/min.)である。なお、+と−ではブレード15の回転方向は逆である。
このように、場合によりブレード15の回転方向を逆にするのは以下に述べる理由による。すなわち、ブレード15の回転方向を逆にすると傾斜したブレード15は粉粒体に上向きの力を与えることにより、原料3の粉砕機1内における滞留時間を調整して所望の粒径分布の粉粒体6を得ることができるためである。
粉砕された原料3はサイクロン7へ送給されて空気5から分離され、分離された原料3は製品8としてサイクロン7から導出され、原料3を分離された空気5は、バグフィルタ9へ導入されて微粉末を除去され、清浄化された空気5はブロア10により大気へ排出される。
斯かる運転の際には、温度検出器11で検出された粉砕機1出口若しくはその近傍の温度Tは、冷風機4のコントローラ4aに与えられ、粉砕機1出口における粉粒体設定温度と比較され、偏差がある場合には、偏差が零となるよう、空気の温度が制御される。具体的には、粉砕機1出口において粉粒体6は約50℃を越えないように制御される。このように粉粒体6の温度が50℃を越えないように制御するのは、米糠に含まれている 脂質、ビタミン類、脂肪中のオレイン酸、リノール酸、バルミチン酸、中性油、遊離脂肪酸、γ−オルザノール等の機能性物質の損傷を防止するため、及び、粉砕機1内に脂質を介して米糠が付着し、成長して、粉砕不能になるのを防止するためである。
又、粉砕不能にならないようにするためには、米糠に含有されている脂質等の含有成分の粘度、糊化特性に影響を与えず、含有されている脂質の融点以下の温度領域である約50℃以下で粉砕を行なう必要がある。
本図示例によれば、米糠を脱脂することなく粉砕しても、粉砕機1内における米糠の付着、成長を防止することができるため、粉砕機1のブレード15やライナ16に米糠が付着して粉砕不能になるという事態が生じることがない。又、米糠中に含有されている機能性物質が損なわれることもない。従って、米糠の食味が良好となり、高機能食材としての米糠の利用価値が向上する。
又、米糠を新規食材として活用することにより、脂質、蛋白質、ビタミン群等を有効利用することができ、これらを有効利用することにより、健康食材としての機能を有する食材とすることが可能となる。
とりわけ、含有脂質がそのままの形で利用することができるため、脂質に含まれるオレイン酸、リノール酸、バルミチン酸、中性油、遊離脂肪酸、γ−オルザノール等の機能性物質を摂取することができる。
更に、玄米の他に白米を使用することができるため、玄米、白米等と混用することにより、玄米のみや白米のみの味に加えて、糠成分を追加した新規食材を製造することができる。
更に又、粉砕の前工程として脱脂を行なう必要がなく、且つ、粉砕時の温度も制限されているため、米糠や玄米又は白米が有する風味を保持することができる。
又、原料3の粉砕に使用する装置は簡単な構成であるため、設備費、運転維持費等のコストが安価である。
次に、玄米粉粒体の加熱実験を行なった結果を図4により説明する。図4に示すグラフは玄米粉粒体の糊化特性を示すためのもので、上段は、玄米粉粒体の加熱を30℃から開始し、T1=約1分30秒の間30℃に加熱した後、T2=約5分30秒強の間に93℃まで徐々に一定速度で加熱し、T3=約7分弱の間93℃に保持し、しかる後、T4=約6分強の間に30℃まで徐々に一定速度で冷却し、更にT5=約2分30秒の間約30℃に保持したときの玄米粉粒体の温度変化の線図を示す。
図4のグラフのうち下段は、上記のように加熱した際の玄米粉粒体の粘度の変化を表している。なお、粘性の単位(RVU)はRapid Viscosity Analyser(RVA)を用いて計測された特別な指標である。この粘性の変化を示すグラフから以下のことが明らかとなる。すなわち、図4の上段に示す温度変化状態で玄米粉粒体の加熱を行なった場合には、加熱開始後Tb1=約5分までは、すなわち、グラフではAの位置までは粘性は零であり、その後、Tb2=約3分45秒の間は、粘性は直線的に上昇してピークBとなり、その後、Tb3=約6分15秒で二次曲線的に徐々に下降して中間における極小部Cの粘性となり、その後はTb4=約7分30秒で放物線的に最終点Dまで徐々に上昇する。
なお、図4の下段のグラフ中、Vpはピーク粘性、Bdは粘性のブレークダウン、Coはコンシスタンシィ、Vfはファイナル粘性である。
図5のグラフには、白米、玄米、20wt%米糠+80wt%玄米、のメディアン径とピーク粘性の関係が示され、図6のグラフには、白米、玄米、20wt%米糠+80wt%玄米の、メディアン径と粘性のブレークダウンとの関係が示され、図7のグラフには、白米、玄米、20wt%米糠+80wt%玄米の、メディアン径とコンシスタンシィの関係が示され、図8のグラフには、白米、玄米、20%wt米糠+80wt%玄米の、メディアン径とファイナル粘性の関係が示されている。
何れの場合も、メディアン径が約50μmを越えると、メディアン径と粘性の関係は略水平で、メディアン径が変化しても各粘性は変化せず一定であるが、メディアン径が50μm以下では、小さい糊化特性値は、粘度が加熱、冷却に対し安定していることを意味するものであり、メディアン径が減少すると粘性も直線的に下降している。而して、試食や実験の結果、メディアン径50μm以下の粒子は、食味や加工性が良好であることが判明した。
なお、本発明の実施の形態においては、糠として米糠を用いる場合について説明したが、米糠以外の糠を使用することも可能なこと、希釈材としては玄米又は白米以外のもの、例えば麦を用いることも可能なこと、装置においては、空気から粉砕された原料を分離するためにサイクロンを使用する場合について説明したが、分級器を用いることも可能であること(この場合は、粉砕された原料は粒度分布別に分けた状態で空気から分離することができる)、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 粉砕機
3 原料
4 冷風機(冷却手段)
6 粉粒体
7 サイクロン(分離手段)
3 原料
4 冷風機(冷却手段)
6 粉粒体
7 サイクロン(分離手段)
Claims (11)
- 糠に食することが可能な希釈材を混合した原料を粉砕することを特徴とする高脂質食材の製造方法。
- 糠に加える希釈材の量を、糠が含有する脂質に影響されずに粉砕機による原料の粉砕が可能な量とする請求項1記載の高脂質食材の製造方法。
- 糠は米糠である請求項1又は2記載の高脂質食材の製造方法。
- 希釈材は玄米及び/又は白米である請求項1乃至3の何れかに記載の高脂質食材の製造方法。
- 糠及び希釈材を約50μm以下に粉砕する請求項1乃至4の何れかに記載の高脂質食材の製造方法。
- 糠に食することが可能な希釈材を混合した原料を粉砕したことを特徴とする高脂質食材。
- 糠に加える希釈材の量を、糠が含有する脂質に影響されずに粉砕機による原料の粉砕が可能な量とした請求項6記載の高脂質食材。
- 糠は米糠である請求項7記載の高脂質食材。
- 希釈材は玄米若しくは白米である請求項6又は7記載の高脂質食材。
- 糠及び希釈材は約50μm以下に粉砕されている請求項6乃至9の何れかに記載の高脂質食材。
- 糠及び食することの可能な希釈材を含む原料を粉砕する粉砕機と、粉砕されて空気輸送された粉粒体を空気から分離する分離手段と、粉砕機の出口若しくはその近傍において粉粒体を約50℃以下に保持するための冷却手段とを備えたことを特徴とする高脂質食材製造装置。
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