JP2006100785A - 半導体表面の被覆方法およびそれを用いた半導体粒子の製造方法、その方法により製造された半導体粒子、ならびにそれを用いた光素子 - Google Patents

半導体表面の被覆方法およびそれを用いた半導体粒子の製造方法、その方法により製造された半導体粒子、ならびにそれを用いた光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 発光機能を有する4族半導体粒子の製造方法と、それによる半導体粒子および半導体素子の提供。
【解決手段】 本発明による半導体表面の被覆方法は、4族元素を含んでなる半導体材料の表面に、不活性有機溶媒に可溶であり、かつ電子供与性の還元剤を不活性有機溶媒中で反応させて前記半導体材料の表面を前記還元剤に由来する金属で被覆した後、4族元素および遷移金属元素からなる群から選ばれる元素と電子吸引基とからなる電子吸引基含有化合物を反応させ、前記半導体材料の表面を4族元素または遷移金属元素で被覆する。この方法を利用することで、精密に構造が制御された半導体粒子または半導体素子を製造することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明はシリコン、ゲルマニウム、炭素、錫、鉛などの4族半導体元素を主たる成分とする4族系半導体の表面を、4族元素または遷移金属元素により被覆する方法、その方法を利用したナノ粒子の製造方法、および、それを用いた発光素子や、電気光学効果に基づく光変調素子などの光素子に関するものである。
光情報通信分野への応用を目指した、光材料としてのシリコンの研究は、歴史的にも旧く、1980年代半ばから現在にかけて長期に亘って行われている。しかしながら、III−V族化合物であるインジウム燐、ガリウムヒ素や、絶縁体のニオブ酸リチウムなど、より新しい光材料の研究と比較すると、シリコンの研究にはあまり進展が見られない。
これには2つの大きな理由がある。第一の理由は、シリコンには光を放出する機構が備わっていない、すなわち、発光を示さないことである。第二の理由は、シリコンはポッケルス効果やカー効果などの電気光学効果(EO効果)を示さないことである。これらの理由により、技術的な応用範囲が限られるために、光材料としてシリコンは着目されなかったのであると考えられる。なお、EO効果とは、透明な材料に外部電場を加えたときに屈折率が変化する現象の総称であり、屈折率変化が電場の強さに比例するときをポッケルス効果と呼び、それが電場の二乗に比例するときをカー効果と呼ぶ。
ところで、シリコンが発光しない理由は、間接バンドギャップを有する半導体材料であり、半導体レーザーのような効率的な発光素子を作れない結晶構造を持つためである。これとは対照的に、III−V族化合物のインジウム燐やガリウムヒ素は直接バンドギャップを有する半導体材料であることから、半導体レーザーの材料としてよく用いられている。
また、シリコンがEO効果を示さない理由は、結晶構造が高い対称性を持つためである。EO効果を示す材料を用いると、レーザー光の高速変調が可能になる。もう少し具体的に言うと、電気信号を光信号に変換する光変調器を作ることが可能になる。ポッケルス効果を示すニオブ酸リチウムを用いて実際に光変調器が作られており、光ファイバ通信の分野で広く用いられている。
表1は、従来検討された、シリコンに発光機能を与える材料技術をまとめたもので、6つの代表的な技術である、液相合成シリコンナノ粒子、希土類イオンドーピング、気相合成シリコンクラスター、ポーラスシリコン、シリサイド半導体、歪み超格子について、課題などをそれぞれ示した。
Figure 2006100785
結論から言うと、いずれの材料技術によっても、シリコン材料を効率的に光らせるには至っていない。1つ目の、液相合成シリコンナノ粒子については、粒径が小さいものしか作れない「小粒径問題」という課題がある。液相合成したシリコンナノ粒子は粒径が小さすぎるため、主に青紫領域で発光を示し、可視発光は得られ難い。
2つ目の希土類イオンドーピング(Erイオンドーピング)については、シリコン結晶中に発光性のErイオンが殆ど溶けないために、ドーピングが困難であり、結果として発光が得づらい課題がある。
3つ目の気相合成シリコンクラスターについては、液相合成シリコンナノ粒子とは対照的に、粒径が大きいものしか作れない「大粒径問題」という課題がある。クラスターは主に赤外領域でしか発光を示さず、可視領域では光らない。
4つ目のポーラスシリコンについては、気相合成シリコンクラスターと同様、「大粒径問題」という課題がある。陽極酸化では粒径がまだ大きいため、赤領域での発光を示すが、青や緑の発光は得られ難い。
5つ目のシリサイド半導体(おもにβ−FeSiを指す)については、材料中に歪みを導入しないと光らないという課題がある。なお、計算と実験の両方から、β−FeSiは間接バンドギャップの半導体であることが示されており、本質的に光らない物質であることが判明してきた。
6つ目の歪み超格子(Si/SiGe)については、そのような超格子を有する粒子は殆ど光らないという課題がある。SiGeがそもそも間接バンドギャップの半導体であり、そのために発光し難いことが判明しつつある。
以上の通り、シリコン材料に発光機能を与えることを目的とした従来の材料技術では、実際にシリコン材料を効率的に光らせることができなかった。
シリコンに発光機能を与えることができると、以下に述べるような理由で、エレクトロニクスを大きく進化させることが可能になり、豊かな未来社会の実現に大きく貢献すると期待される。
来るべき未来社会では、情報を自在に活用したいという社会的欲求が益々高まると考えられ、LSIを始めとするエレクトロニクスには今以上の超高速性が求められると考えられている。情報処理や情報伝達の担い手は、その主役の座が、現在の電子から、最速の情報速度を持つ光へと代わるものと予測されている。
光情報通信の分野において、光ファイバ通信をハードウエア面で支える個別の光デバイス(半導体レーザー、光変調器他)が各々シリコンで置き換えられるようになると、LSIと光ファイバがシリコンウエハ上で一体化し、やがて同化する時代が到来するであろう。これは、エレクトロニクスと通信が一体化し、情報処理・伝達の速度が光速の極限にまで速められることを意味する。従って、光デバイスのシリコン化は、広帯域を必要とする、パソコン、検索(インターネット)、画像認識システム、通信、予報・予測(演算や計算)など、様々なアプリケーションや社会インフラの超高速化に大きく貢献するという訳である。
ところが、従来の材料技術では、シリコンを効率的に光らせることが出来ないという本質的な課題を抱えていることは前記したとおりである。
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、4族系半導体材料に発光機能を与える方法として、従来法とは全く異なる、新規な半導体表面の被覆方法と、同様な手法に基づく新規な液相合成ナノ粒子の製造方法とを提供し、かつ、この発光機能を持たせた4族半導体材料をベースとする光素子を提供するものである。
本発明による半導体表面の被覆方法は、
シリコン、ゲルマニウム、炭素、および錫からなる群から選ばれる4族元素を含んでなる半導体材料の表面に、不活性有機溶媒に可溶でありかつ電子供与性の還元剤を前記不活性有機溶媒中で反応させて半導体材料の表面を前記還元剤に由来する金属で被覆し、その後、4族元素および遷移金属元素からなる群から選ばれる元素を含む電子吸引基含有化合物を反応させ、半導体材料の表面を前記電子吸引基含有化合物に由来する4族元素または遷移金属元素で被覆する
ことを特徴とするものである。
また、本発明による半導体粒子の製造方法は、半導体材料に種結晶を用いて、前記の方法により結晶成長させることを特徴とするものである。
また、本発明による半導体粒子は、前記の半導体粒子の製造方法により製造されたことを特徴とするものである。
また、本発明による発光素子は、電気的または光学的なエネルギー励起により光を発生する発光部を具備してなる発光素子であって、前記発光部が前記の半導体粒子を有することを特徴とするものである。
また、本発明による光変調素子は、電気的または光学的な光変調により光信号を発生する光変調部を具備してなる光変調素子であって、前記光変調部が前記の半導体粒子を有することを特徴とするものである。
本発明の方法によれば、半導体表面に原子レベルで精密に厚さおよび組成が制御された被覆を形成させることができる。さらにその方法を種粒子に適用することによって、粒径制御され、かつ組成制御された4族系半導体ナノ粒子の合成が、はじめて可能になる。他の製造方法で作られた4族系半導体ナノ粒子と比較して、発光波長のテーラーメード化、発光効率の向上など、真に発光特性に優れた4族系半導体ナノ粒子がはじめて実現可能になる。
そして、本発明の製造方法による4族系半導体ナノ粒子を用いると、光デバイスがシリコン化でき、LSIの光速化が進むため、広帯域を必要とする、パソコン、検索(インターネット)、画像認識システム、通信、予報・予測(演算や計算)など、様々なアプリケーションや社会インフラの超高速化が実現可能になり、その産業上のメリットは多大である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態(実施形態)を詳細に説明する。
まず初めに、第1節では、本発明の長所、差別化点を明確にするために、4族系半導体材料に発光機能を与える従来法の1つである、グリニャール法と呼ばれるナノ粒子の液相合成法について、シリコンナノ粒子の合成を例に、その原理を説明する。次に、第2節では、グリニャール法の欠点である「小粒径問題」を考察し、可視発光が可能な粒径にまで成長させることが困難なことを説明する。次に、第3−a節、第3−b節では、本発明のナノ粒子製造方法の原理を説明し、原子レベルでの精密な粒径制御が可能なこと、グリニャール法と異なり大粒径化が可能なことを示し、本発明の目的の1つである4族半導体ナノ粒子での可視発光化が実現可能なことを述べる。そして、第3−c節では、本発明の半導体表面被覆方法の原理を説明し、目的である4族半導体材料への発光機能の付与が実現可能なことを述べる。
1)グリニャール法
この方法は、溶液中において、シリコン化合物分子間での縮合反応を利用し、3次元的にSi−Si結合を成長させてナノ粒子を得る手法である。
図1は、Si−Si結合の形成と成長の様子を模式的に示すものである。図に示すように、グリニャール法で用いられる出発材料は、塩化シリコン(液体)と金属マグネシウム(粉体)である。不活性有機溶媒としては脱水したエチレングリコールジメチルエーテル(以下、glymeという)が一般に用いられる。glyme中での反応ステップは、以下の通りである。
1.金属マグネシウム粉を入れたglyme中に塩化シリコンを添加する。
2.攪拌によって、塩化シリコンと金属マグネシウムを衝突させる。
3.この衝突によって、反応中間体である、塩化マグネシウムシリコン分子をその場生成させる。
4.下記反応式で表される塩化シリコンと塩化マグネシウムシリコンの分子縮合反応によって、Si−Si結合を形成させる
ClSi−MgCl + ClSi → ClSi−SiCl + MgCl
5.攪拌を続けながら、3次元的にSi−Si結合を成長させる。
反応ステップ4の反応式からわかるように、Si−Si結合は、glyme中でその場生成させた塩化マグネシウムシリコン分子の−MgCl基が反応点となって、塩化シリコン分子の被反応点である−Cl基と縮合反応することで形成される。この化学反応は、−MgCl基は電子供与性の官能基であり、−Cl基は電子吸引性の官能基であることから、両者が電気的に引き合って化学反応が生じるものと考えられる。
なお、塩化マグネシウムシリコン分子は、マグネシウム原子の付加数に応じてタイプ1からタイプ4に分類される。タイプ別の生成確率は、塩化シリコン分子と金属マグネシウムの濃度に強く依存するが、通常の条件(塩化シリコン分子:金属マグネシウムのモル比が1:1乃至1:4の条件)の下では、タイプ1が他のタイプ2,3,4よりも高い割合で生成される。これは以下のように説明出来る。すなわち、塩化マグネシウムシリコン分子は、溶液に溶けた塩化シリコン分子が、溶液に不溶な金属マグネシウム粉に衝突することで生じる。生じた塩化マグネシウムシリコン分子が、再度金属マグネシウムに衝突する確率は極めて低く、その前に溶液中に溶けたほかの塩化シリコン分子や、成長途中のナノ粒子と反応する。このために、タイプ1の塩化マグネシウムシリコン分子が、他のタイプよりも高い割合で生成する。
タイプ1の塩化マグネシウムシリコン分子は、1分子あたり、反応点(≡Si−MgCl)は1点、被反応点(≡Si−Cl)は3点を持ち、反応点と非反応点の数が一致していない。次に述べるが、この不一致が小粒径問題の原因となる。
2)グリニャール法の小粒径問題
図2aは、結晶シリコンの原子構造を模式的に示すものである。結晶シリコンはダイヤモンド構造を持ち、図に示すように、6員環を有する。
図2bは、成長初期のシリコンナノ粒子を模式的に示すものである。この図は成長反応の核となる第1世代(1個目)のシリコン原子から第3世代シリコン原子までSi−Si結合が成長している様子を示している。
結晶シリコンと同様、シリコンナノ粒子がダイヤモンド構造をとりながら成長するには、第4世代シリコン原子となるべき塩化マグネシウムシリコン分子が2個の第3世代シリコン原子と反応することで、6員環を形成する必要がある。このため、第3世代のシリコンナノ粒子に反応する塩化マグネシウムシリコン分子は、2箇所の第3世代シリコンの被反応点(≡Si−Cl)と反応する必要がある。
しかしながら、通常生成されるタイプ1の塩化マグネシウムシリコン分子は1個のマグネシウム原子しか持たず、反応点(≡Si−MgCl)は1箇所しかない。従って、塩化マグネシウムシリコン分子は、どちらか一方の第3世代シリコン原子とは確実に反応することができない、特異的な状況が生じることが判る。
いま仮に、片方の第3世代シリコンと反応して、第4世代シリコンが成長したと考える。しかしながら、もう片方の未反応の第3世代シリコン原子に付加する3個の−Cl基と、第4世代シリコン原子に付加する3個の−Cl基との間の立体障害は非常に大きいため、第3・第4世代間のSi−Si結合はエネルギー的に不安定で、この結合は壊れやすい傾向にある。このため、通常の合成条件(塩化シリコン分子:金属マグネシウムのモル比が1:1乃至1:4の条件)の下では、第4世代シリコンは極めて成長しづらい。
第3世代まででナノ粒子の成長が止まるとすると、ナノ粒子はたった17個の原子から構成されることになる。このときのナノ粒子の粒径を見積もると、概ね0.5nm乃至1nm程度となる。フォトルミネッセンスのピーク波長を調べると350〜400nm程度であり、紫外−青紫色領域で発光する粒子の大きさに対応する。
文献より、シリコンをナノ粒子化することで青色、緑色、赤色発光を得るには、粒径2〜2.5nm、粒径2.5〜3nm、粒径3〜5nmにそれぞれ調整する必要があると見積もられている。発光波長が長くなる、すなわち発光色が紫外→青→緑→赤の順に変化するほど、粒径が大きくなるのは、量子閉じ込め効果によるものである。
以上の点から、グリニャール法で得られる粒径は、可視発光を得るには小さすぎることがわかる。これが、グリニャール法に特有の小粒径問題である。同様なナノ粒子の成長反応の抑制は、他の4族元素であるゲルマニウム、炭素、錫でも観察され、グリニャール法を用いた4族系半導体ナノ粒子の合成に共通する現象である。
3)本発明による半導体ナノ粒子の製造方法と、半導体表面の被覆方法
4族系半導体ナノ粒子とは異なり、Au、Ag、Pt、Pt、Cu、Fe、Co、Niなどの金属ナノ粒子、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTeなどのII−VI族化合物半導体ナノ粒子、さらにGaAs、InAs、InPなどのIII−V族化合物半導体ナノ粒子では、液相合成法が確立している。これは、構成原子である、Au、Ag、Pt、Pt、Cu、Fe、Co、Ni、Cd、Zn、S、Se、Te、Ga、In、As、Pなどの各原子が、溶液中で、原子イオン状態で比較的安定に存在でき、金属ナノ粒子や化合物半導体ナノ粒子への結晶成長が、時間、試薬濃度、温度などの基本的実験パラメータで比較的容易に制御できるためである。
これに対して、Si、Ge、C、Snなど4族系原子は、CVDなどで作ったプラズマ状態を除き、原子イオン状態が極めて不安定であり、シリコンを例に取れば、通常塩化シリコンなどの化合物分子の形でしか存在しない。このため、液相合成における化学反応は、他材料系のナノ粒子と異なり、分子縮合反応をベースに組み立てる必要がある。
先のグリニャール法におけるSi−Si結合形成の本質は、或る分子における1個の電子供与性の反応点(≡Si−MgCl)と、別の分子における1個の電子吸引性の被反応点(≡Si−Cl)との間での分子縮合反応にあった。課題である小粒径問題は、Si−Si結合形成に関わる、塩化マグネシウムシリコン分子と塩化シリコン分子において、その電子供与性基と電子吸引性基の数が不一致であることに起因した。
4族半導体ナノ粒子を自在に合成する液相合成法、言い換えると、所望の化学組成で所望の粒径に結晶成長でき、かつ所望の波長で発光させられる、新しい液相合成法を実現するには、縮合反応させる分子の電子供与性基と電子吸引性基の数をつねに一致させるよう、化学反応全体を根本からデザインし直す必要がある。
そこで、本発明による半導体表面の被覆方法は、シリコン、ゲルマニウム、炭素、および錫からなる群から選ばれる4族元素を含んでなる半導体材料の表面に、不活性有機溶媒に可溶でありかつ電子供与性の還元剤を前記不活性有機溶媒中で反応させて半導体材料の表面を前記還元剤に由来する金属で被覆し、その後、4族元素および遷移金属元素からなる群から選ばれる元素を含む電子吸引基含有化合物を反応させ、半導体材料の表面を前記電子吸引基含有化合物に由来する4族元素または遷移金属元素で被覆することを特徴とするものである。
図3は、本発明に関わる半導体表面の被覆方法を4族半導体粒子に適用した、最も基本的な4族系半導体ナノ粒子の液相における製造方法の模式説明図である。横軸は試薬を投入する手順(合成手順)を表し、縦軸は本手順に対応するナノ粒子の粒径を表す。
本発明による方法では、電子吸引基含有化合物である4族原子を含む化合物分子(塩化シリコンなど)と、不活性有機溶媒に可溶であり、かつ電子供与性の還元剤(例えばナトリウム・ナフタレンなどの電荷移動錯体、または二ヨウ化サマリウムなどの希土類ヨウ化物)とを用い、溶液中に、この両者を、交互に、必要に応じて繰り返し添加することで半導体表面を被覆する。この方法を半導体からなる種粒子に適用すれば4族系半導体ナノ粒子をつくることができる。本発明による方法により、原子レベルで精密に粒径制御され、かつ組成制御された4族系半導体ナノ粒子をつくることがはじめて可能になる。このようにして作られた4族系ナノ粒子は、従来のナノ粒子と比較して、所望の発光波長で、高い発光効率を持って発光させることが可能になる。
以下では、3−a)単一元素からなる1元系の4族系半導体ナノ粒子製造方法と、3−b)2元系の4族系化合物半導体ナノ粒子の製造方法の原理をそれぞれ説明する。例として、前者ではシリコンナノ粒子、後者ではゲルマニウム・カーボン化合物ナノ粒子を取り上げる。
3−a)1元系からなる4族系半導体ナノ粒子の製造方法
本発明によるひとつの半導体粒子の製造方法は、シリコン、ゲルマニウム、炭素、錫から選ばれた4族系半導体材料において、1個の4族原子Aと4個と電子吸引基Xからなる分子(電子吸引基含有化合物)をAXとし、1個のアルカリ原子Mと1個の芳香族分子Yからなる電荷移動錯体をMYとしたとき、不活性有機溶媒中で、前記分子と前記電荷移動錯体とを化学反応させる際、各々を、AXとMYの序列、またはMYとAXの序列で複数回繰り返して加えることで、A原子からなる3次元ナノ構造を原子単位でサイズ制御し、粒子、特に半導体ナノ粒子を成長させることができる。
例として、シリコンナノ粒子を形成させる場合について説明する。図3に示した合成手順に従い、glyme中に、シリコン原子の供給源である塩化シリコンと、塩化シリコンを還元する還元剤であるナトリウム・ナフタレン電荷移動錯体(正確には(ナトリウム)(ナフタレン)電荷移動錯体。以下、NN錯体という)のglyme溶液とを交互に加えることで、ダイヤモンド構造のシリコンナノ粒子を1原子世代づつ結晶成長させることができる。
さらに具体的に説明すると以下の通りである。
予め塩化シリコンを溶かしたglyme中にNN錯体を徐々に添加し、最初に、種結晶となる、と或る世代のシリコンナノ粒子を生じさせる。この最初に出来上がる種結晶となるナノ粒子は、表面が塩素終端されたナノ粒子である。引き続きNN錯体を添加し続けると、NN錯体はナノ粒子表面にさらに作用し、表面塩素原子はNaClの形に還元されて表面脱離し、また還元剤のナフタレン分子は負イオンから中性イオンに酸化されて溶液中に溶け出し、最終的にナノ粒子表面は全てNN錯体に由来するナトリウム原子で覆われる。この表面がナトリウム終端されたナノ粒子に、改めて塩化シリコン分子を作用させると、表面ナトリウム原子はNaClの形に酸化されて表面脱離し、一方塩化シリコンは塩素原子を失い還元され、塩化シリコンに由来するシリコン原子がナノ粒子表面に化学結合し、丁度1原子世代分だけシリコン原子層が成長した、表面が塩素終端されたシリコンナノ粒子が得られる。言い換えれば、粒子の表面にシリコン原子による単原子膜が形成される。これ以降、NN錯体と塩化シリコンを、規則正しい順番でN回加えれば、N原子世代だけシリコンナノ粒子を結晶成長させることが出来る、すなわち、粒径をN原子世代分だけ選択的に大きく成長させることができる。
なお、溶液中には、ナノ粒子の他に、NaClと中性化したナフタレン分子が混在するが、両者とも安定な状態に化学変化しているため、もはやナノ粒子とは反応しない。
図4は、本発明による製造方法で作成した、ダイヤモンド構造シリコンナノ粒子の世代Gに対する粒径Dの計算結果を示す。粒径D(nm)はナノ粒子を球形に見立てたときの換算直径であり、次式で見積もることができる。
D=a×[3M/4π]1/3 (1)
aはバルク結晶シリコンの格子定数(0.543nm)、Mはナノ粒子を構成する全シリコン原子数である。なお、表2に、ダイヤモンド構造のナノ粒子におけるM値を示す。
Figure 2006100785
図からわかるように、本方法によってナノ粒子を1世代分成長させると、粒径を約0.3nm増加させることができる。シリコンナノ粒子の可視発光は、一般に10nm以下、特に粒径2〜5nmの間で生じると考えられている。従って、7〜16世代にナノ粒子を成長させればよいことがわかる。なお、最初の種結晶を何世代目にするかは、合成条件(温度、濃度、攪拌速度など)によって調整することが可能である。2〜6世代の間の種結晶が得られやすく、合成条件を高温、低濃度、高速攪拌にすると、小さい世代の、大きさの揃った種結晶に調整することが可能である。本発明の方法により製造した、より大きなナノ粒子、例えば7〜16世代のナノ粒子を種結晶とすることも可能である。
還元剤として、不活性有機溶媒に可溶であり、かつ電子供与性の還元剤、例えばナトリウムナフタレンや二ヨウ化サマリウムなどを用いるのは、本発明による製造方法を実現する上で重要な因子の1つである。上記の説明では電荷移動錯体であるNN錯体を還元剤として用いて説明したが、その他の不活性有機溶媒に可溶であり、かつ電子供与性の還元剤、例えば希土類ヨウ化物も用いることができる。表3には、各種還元剤の比較表を示す。
Figure 2006100785
還元剤には、相手に電子を与える電子供与性還元剤と、プロトンを与えるプロトン供与性還元の2種類がある。プロトン供与性の還元剤では、ナノ粒子表面を覆う塩素原子を水素原子に置き換えることは可能であるが、塩化シリコンと水素終端シリコンナノ粒子とは温度の低い溶液中では反応せず、ナノ粒子の成長を制御することができないことがあるので注意が必要である。
また、表3より、還元剤には溶媒に不溶な種類と可溶な種類があることが示されている。溶媒に不溶な還元剤では、ナノ粒子と還元剤とが衝突する確率は殆どゼロであり、ナノ粒子表面は塩素終端のままである。塩素終端シリコンナノ粒子は、塩化シリコンと反応しにくいので、やはりナノ粒子の成長を制御しにくい。
この問題を解決するために、本発明においては還元剤として不活性有機溶媒に可溶であり、かつ電子供与性であるものを用いる。このような還元剤としては、電荷移動錯体(電子供与性の金属原子と、電子受容性の有機分子の組み合わせ)または希土類ヨウ化物が好ましい。より具体的には、電荷移動錯体としてはナトリウム・ナフタレン錯体、リチウム・ナフタレン錯体、リチウム・ジ−t−ブチルビフェニルなど、希土類ヨウ化物としては、二ヨウ化サマリウム、二ヨウ化イットリウム、二ヨウ化ユーロピウムなどが挙げられる。希土類ヨウ化物は特に二価の希土類ヨウ化物が好ましい。ここで、「不活性有機溶媒に可溶である」とは、本発明の方法を実施するのに十分な量が不活性有機溶媒に溶解することを意味する。したがって、本発明の方法に用いる不活性有機溶媒の種類や、還元剤の種類によって必要な溶解度は変化するため、具体的な溶解度は限定されない。しかしながら、本発明に用いられる還元剤の溶解度の一例を挙げれば、glymeに対する溶解度が0.0005モル/リットル以上であることが好ましく、0.001モル/リットル以上であることがより好ましい。
NN錯体において、ナトリウム自体は、マグネシウム同様、通常は不活性有機溶媒に不溶な金属粉体であるが、溶媒に可溶なナフタレン分子と錯体を組ませることで、還元能力は維持したまま溶媒に可溶化させることができる。
NN錯体以外の他の電荷移動錯体も、電子供与性で、且つ溶媒可溶であれば、本発明の方法に還元剤として用いることも可能である。電子供与性の金属原子としては、ナトリウムの他に、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリ金属原子から選ぶことが可能で、組み合わせる電子受容性の有機分子としては、ナフタレンの他に、ピレン、アントラセン、テトラセン、ペリレン、フェナントレン、フルオレン、ビフェニルをはじめとする各種芳香族有機分子をその分子骨格に含む有機分子の中から選ぶことが可能である。リチウム・ナフタレン錯体は有望な還元剤の1つである。
また、本発明の方法に用いることができる還元剤として、希土類ヨウ化物が挙げられる。ここで希土類ヨウ化物は、希土類金属イオンの価数変化を利用した還元剤である。このような還元剤を用いた場合の反応式は、ハロゲン化シランとして臭化シラン(1当量)に対して二ヨウ化サマリウム(3.2当量)を用いた場合、以下のよう示される。
SiBr + 3.2*SmI
→ Siナノ粒子(ハロゲン終端)+3.2*SmI3−xBr (2)
希土類ヨウ化物は価数変化を利用した還元剤であるため、NN錯体などの電荷移動錯体とは異なり、副生成物として芳香族分子を生じないため、後工程の抽出・精製が容易になる利点がある。
シリコン原子の供給源としては、塩化シリコンの他に、臭化シリコン、沃化シリコン、テトラメトシキシシラン、テトラエトキシシランなどから選ぶことが可能である。
不活性有機溶媒としては、上述した還元剤や塩化シリコンとは反応しない不活性有機溶媒が必須である。このような溶媒として、glyme、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなど、エーテル結合を有する溶媒を用いることができる。
なお、ここで説明したシリコンナノ粒子だけでなく、ゲルマニウムナノ粒子、ダイヤモンドナノ粒子、錫ナノ粒子なども基本的には同様な手順で作成可能である。ゲルマニウムナノ粒子は塩化ゲルマニウムとNN錯体から合成可能であり、ダイヤモンドナノ粒子は4臭化炭素とNN錯体から合成可能であり、さらに錫ナノ粒子は塩化錫とNN錯体から合成可能である。いずれも1原子世代ずつ選択的に結晶成長させることが可能である。
3−b)2元系からなる4族系化合物半導体ナノ粒子の製造方法
単一元素からなる半導体粒子の製造方法と異なる点は、4族系化合物を構成する各々の4族系原子の供給源となる、2種類の異なる分子を用いる点である。
すなわち、本発明によるもうひとつの半導体粒子の製造方法は、シリコン、ゲルマニウム、炭素、錫、鉛から選ばれた4族系半導体材料において、1個の4族原子Aと4個と電子吸引基Xからなる分子をAXとし、前記Aと異なる種類の4族原子Bと前記電子吸引基Xからなる分子をBXとし、1個のアルカリ原子Mと1個の芳香族分子Yからなる電荷移動錯体をMYとしたとき、不活性有機溶媒中で、前記分子と前記電荷移動錯体とを化学反応させる際、各々を、AX、MY、BX、MYの序列、またはMY、BX、MY、AXの序列、またはBX、MY、AX、MYの序列、またはMY、AX、MY、BXの序列で複数回繰り返して加えることで、AB2種類の原子からなる3次元ナノ構造を原子単位でサイズ制御し、粒子を成長させることができる。
以下、例として、ゲルマニウム・カーボン化合物ナノ粒子で説明する。
図5は、この2元系の合成方法を説明する模式図である。図3と同様、横軸が合成手順、縦軸が原子の世代を表す。図から分るように、4塩化ゲルマニウム→NN錯体→4臭化炭素→NN錯体を1サイクルとして、これらの試薬を規則正しく繰り返し添加することで、ゲルマニウム原子世代と炭素原子世代が交互に配列する、ダイヤモンド構造(立方硫化亜鉛構造)のゲルマニウム・カーボン化合物ナノ粒子を結晶成長させることが可能になる。
さらに具体的に説明すると以下の通りである。図5では、4塩化ゲルマニウムから合成を開始しているため、種結晶はゲルマニウムナノ粒子になる。先の1次元の場合と同様、種結晶表面ははじめ塩素終端であるが、NN錯体を添加し続けることで、ナトリウム終端へと変化する。次に4臭化炭素を加えると、表面ナトリウム原子はNaBrの形で表面脱離し、一方4臭化炭素は臭素原子を失い還元されてナノ粒子表面に化学結合し、丁度1原子世代分だけ炭素原子がゲルマニウム種結晶を覆った、最表面が塩素終端されたナノ粒子が得られる。これ以降、NN錯体と4塩化ゲルマニウムと4臭化炭素を規則正しい順番で加え続けると、ゲルマニウム原子と炭素原子が交互に成長したゲルマニウム・カーボンナノ粒子が得られるという訳である。
なお、最初の種結晶であるゲルマニウムナノ粒子は、合成条件(温度、濃度、攪拌速度など)を調整することで、数原子世代以内の、小さい、大きさの揃った種結晶に調整可能である。
本発明による方法を用いると、種結晶の部分を除けば、2種類以上の4族元素からなる、規則配列した4族系化合物のナノ粒子をつくることが可能になる。一般には、このような規則配列した化合物の合成は極めて難しい。これは、たとえばゲルマニウム・カーボン化合物では、ゲルマニウムも炭素も同じく4配位原子であり、互いによく混ざり合うことから、規則配列を取りづらく、不規則配列となりやすいことに由来する。
ゲルマニウム・カーボン化合物ナノ粒子の他にも、シリコン・ゲルマニウム化合物、シリコン・カーボン化合物、シリコン・錫化合物、シリコン・鉛化合物、ゲルマニウム・錫化合物、ゲルマニウム・鉛化合物、錫・鉛化合物などの、2元系の4族系化合物のナノ粒子が作成可能である。
さらには1種類以上の4族元素に加えて、4族系元素以外の遷移金属元素、好ましくは4配位元素となりうるチタン、バナジウム、ジルコニウム、ハフニウム、マンガンなどを選ぶことも可能である。そのような方法によれば、シリコン・チタン化合物、シリコン・バナジウム化合物、シリコン・ジルコニウム化合物、シリコン・ハフニウム化合物、シリコン・マンガン化合物、ゲルマニウム・チタン化合物、ゲルマニウム・バナジウム化合物、ゲルマニウム・ジルコニウム化合物、ゲルマニウム・ハフニウム化合物、ゲルマニウム・マンガン化合物、カーボン・チタン化合物、カーボン・バナジウム化合物、カーボン・ジルコニウム化合物、カーボン・ハフニウム化合物、カーボン・マンガン化合物、錫・チタン化合物、錫・バナジウム化合物、錫・ジルコニウム化合物、錫・ハフニウム化合物、錫・マンガン化合物、鉛・チタン化合物、鉛・バナジウム化合物、鉛・ジルコニウム化合物、鉛・ハフニウム化合物、鉛・マンガン化合物などのナノ粒子が作成可能である。
用途に応じて、規則配列と異なる配列の2元系ナノ粒子も作成可能である。2元系の片方をA原子、もう片方をB原子とすると、規則配列・・ABAB・・以外にも、世代ごとでの任意の原子配列、たとえば・・AABBAABB・・、あるいは・・AABAAB・・、あるいは全くの不規則配列・・AABABBBBABAABBB・・も作成可能である。
3元系以上の多元系では、規則配列若しくは不規則配列した4族系ナノ粒子を作成することも可能である。
すなわち本発明によるもうひとつの半導体粒子の製造方法は、シリコン、ゲルマニウム、炭素、錫、鉛から選ばれた4族系半導体材料において、1個の4族原子Aと4個と電子吸引基Xからなる分子をAXとし、前記Aと異なる種類の4族原子Bと電子吸引基Xからなる分子をBXとし、前記ABと異なる種類の4族原子Cと電子吸引基Xからなる分子をCXとし、前記ABCと異なる種類の4族原子Dと電子吸引基Xからなる分子をDXとし、前記ABCDと異なる種類の4族原子Eと電子吸引基Xからなる分子をEXとし、1個のアルカリ原子Mと1個の芳香族分子Yからなる電荷移動錯体をMYとしたとき、不活性有機溶媒中で、前記分子と前記電荷移動錯体とを化学反応させる際、前記分子AX、BX、CX、DX、EXから2種類以上の分子を選び、各々を、前記分子、前記電荷移動錯体の序列、または前記電荷移動錯体、前記分子の序列で複数回繰り返して加えることで、2種類以上の任意の4族原子からなる3次元ナノ構造を原子単位でサイズ制御し、粒子成長させることができる。
また、本発明による他の半導体粒子の製造方法は、シリコン、ゲルマニウム、炭素、錫、鉛から選ばれた4族系半導体材料において、1個の4族原子Aと4個と電子吸引基Xからなる分子をAXとし、1個の遷移金属原子Zと4個の前記電子吸引基Xからなる分子をZXとし、1個のアルカリ原子Mと1個の芳香族分子Yからなる電荷移動錯体をMYとしたとき、不活性有機溶媒中で、前記分子と前記電荷移動錯体とを化学反応させる際、各々を、AX、MY、ZX、MYの序列、またはMY、ZX、MY、AXの序列、またはZX、MY、AX、MYの序列、またはMY、AX、MY、ZXの序列で複数回繰り返して加えることで、AZ2種類の原子からなる3次元ナノ構造を原子単位でサイズ制御し、粒子成長させることができる。
このような方法により、シリコン・ゲルマニウム・カーボンナノ粒子などが作成可能である。
さらに、1元系、2元系、多元系ナノ粒子の一部を発光性の不純物原子で置き換えることも可能である。たとえば、ランタノイド系の希土類イオンや、鉄族の遷移金属イオンなどなどである。希土類イオンは通常3配位であるため、隣接する4個のシリコン原子のうち、1個の原子とは結合出来ない。そこで、5配位の原子、たとえばリン原子を加えることで、これを補償することも可能である。
以上より、本発明の方法によって、原子レベルで精密に、好ましくは発光が効率的に得られる球換算で2〜5nmに粒径制御され、かつ組成制御された4族系半導体ナノ粒子の合成が、はじめて可能になる。従来技術による4族系ナノ粒子と比較して、発光波長のテーラーメード化など、発光特性に優れた4族系ナノ粒子が、はじめて実現可能になる。
3−c)シリコンウエハ上への成長法
本発明の方法によれば、溶液中で4族系半導体ナノ粒子が合成できるだけでなく、シリコンウエハ上に種々の4族系半導体を膜状あるいは粒子状に結晶成長させることが可能になる。手順を説明すると以下の通りである。
まず、シリコンウエハを合成チャンバーに導入し、超高真空状態で表面を清浄化処理し、シリコン原子を析出させる。
次に、真空を破り、大気圧に戻し、合成室にglymeを注入する。この際、表面汚染を避けるため、充分に露点の低い充分に乾燥した不活性ガスを導入する。
次に、ウエハ表面を臭素(Br)などのハロゲン、若しくは臭酸(HBr)または塩酸(HCl)などの酸に接触させて、表面のシリコン原子をハロゲン終端させる。一般に未処理のウェハは表面がハロゲン終端されていないため、このような処理によりウェハ表面の4族元素にハロゲンを結合させることにより、ナトリウム原子が吸着しやすくなる。
なお、ウエハ表面をハロゲン化する手法については、上記とは異なる手法によっても実現可能である。例を挙げると、塩素終端化については、フッ酸(HF)、若しくはフッ化アンモニウム(NHF)で処理し、ウエハ表面を一旦水素終端した後、ラジカル開始剤として過酸化ベンゾイル等を用い、5塩化リン(PCl)若しくは塩素(Cl)を適量加えたクロロベンゼン中で処理することによって、塩素終端表面が得られる。また、臭素終端化については、やはり一旦水素終端した後、ラジカル開始剤として過酸化ベンゾイル等を用い、ブロモトリクロロメタン(CBrCl)で処理することによって、臭素終端表面が得られる。
次に、NN錯体を添加し、表面シリコン原子にナトリウム原子を吸着させる。要するに、シリコンウェハ表面をナトリウム終端させる。
次に、ウエハ上に1元系の4族半導体、たとえばシリコンを成長させる場合、前節までの要領に従い、塩化シリコンとNN錯体を交互に繰り返し添加すれば良い。また規則配列した2元系4族半導体、たとえばゲルマニウム・カーボン化合物などを成長させる場合、やはり前節までの要領に従い、4塩化ゲルマニウム→NN錯体→4臭化炭素→NN錯体を1サイクルとして、これらの試薬を規則正しく繰り返し添加すれば良い。
なお、不規則配列した2元系化合物、3元系以上の多元系化合物、さらには1元系・2元系・多元系合成物の一部を発光性の不純物原子で置き換えることも可能である。
最終的に得られる合成物の形状は、最初に吸着させるナトリウム原子の面密度に強く依存する。すなわち、ナトリウム原子がシリコン表面上に密に吸着すれば膜成長が生じ、疎であれば粒子成長が起きる。そのため、ナトリウム原子の吸着量の制御が重要である。これは、赤外反射分光法などで、ナトリウム原子の吸着をリアルタイムでモニターすることにより制御可能である。
シリコンナノ粒子の合成
図6は、本発明に用いる合成装置を模式的に表したものである。反応容器の四口フラスコ1は、開口部2および3を有し、内部5がアルゴンガス(露点−80度以下)でパージされ、十分に乾燥されている。開口部2または3には図示されていない滴下ロートまたは冷却管が取り付けられている。本実施例を含め、本発明の製造方法では、水や酸素などの大気成分はナノ粒子の汚染に直結することから、このような雰囲気が制御されたフラスコ内で合成を行う必要がある。
シリコンナノ粒子を合成するために、フラスコ内に塩化シリコンを5ミリモル溶かした無水glyme溶液100mlを用意する。この溶液を室温に保ち、攪拌子6で毎分600回転の速度で攪拌しながら、滴下ロートを用いて開口部2から、NN錯体の0.2モル無水glyme溶液をゆっくり滴下する。
NN錯体の無水glyme溶液は濃緑色の液体であるが、無色透明の塩化シリコンglyme溶液中にこのNN錯体溶液を滴下すると、フラスコ内の溶液4は最初クリーム色に変化する。さらにNN錯体を入れ続け、NN錯体の滴下量が概ね20ミリモルに達したところで、溶液が突然濃赤色に変化する。
フラスコ内の溶液が濃赤色に変化しはじめ、色変化が定常状態に達したら、今度は塩化シリコンをゆっくり滴下する。滴下量がおよそ1ミリモルに達すると、溶液は再度クリーム色に変わる。
以後、フラスコ内の溶液色を指標に、クリーム色に変化したら塩化シリコンの滴下を止めてNN錯体溶液を加え、次に濃赤色に変化したらNN錯体溶液の滴下を止めて再び塩化シリコンを加える作業を繰り返す。フラスコに予め仕込んだ塩化シリコンを除き、NN錯体溶液滴下、塩化シリコン滴下の順番で、この操作を4回繰り返すことで塩素終端されたシリコンナノ粒子の合成が可能になる。
クリーム色の溶液中には、塩素終端されたシリコンナノ粒子、NaCl、中性化したナフタレン分子が混在する。塩素終端されたナノ粒子は、シリコン原子から塩素原子に電子が引き寄せられ、シリコン原子は部分的に正に帯電していると推測される。
これに対し、濃赤色の溶液中では、ナトリウム終端シリコンナノ粒子が生成しているものと思われる。負に帯電したシリコンアニオンは、赤い体色を示すことが知られている。このことから、ナトリウム終端シリコンナノ粒子では、ナトリウム原子からシリコン原子に電子が供給され、シリコン原子は部分的に負に帯電し、赤系統の体色を示すものと推測される。NN錯体を入れることで溶液が濃赤色に変化するのは、ナノ粒子表面がナトリウム終端されたことを示す間接的な証拠である。
フラスコ内に生成した塩素終端シリコンナノ粒子を大気中に取り出すと、容易に加水分解が起こり、シリコンナノ粒子は酸化する。このため、引き続き、フラスコ内で、表面安定化処理を行う。
フラスコ内に滴下ロートを用いて、ブチルアルコールを200ミリモルゆっくり滴下し、室温で24時間撹拌する。こうすることで、フラスコ内には、目的物である、ブトキシ基で覆われ表面安定化された、シリコンナノ粒子が生成可能になる。なお副生成物としては、NaClとナフタレンが生じる。
フラスコにヘキサン100mlを注入し、十分に撹拌して、シリコンナノ粒子とナフタレンを選択的に抽出することができる。抽出したヘキサン溶液は、分液ロートを用いて純水で3回水洗し、残存するNaClを除去・精製することができる。精製したヘキサン溶液は硫酸マグネシウムに潜らせて脱水することができる。
その後、真空蒸留でナフタレンとヘキサンをそれぞれ除去・精製し、目的物であるシリコンナノ粒子を得ることができる。
電子顕微鏡観察によって、このようにして合成したシリコンナノ粒子の、シリコン部分の平均粒径はおよそ2.1nmであることが確認可能である。構成元素の組成分析によれば、塩素と酸素は重量比(wt%)でともに装置の検出限界程度の低い値を示すことから、純度の高いナノ粒子が得られる作成法であると言う事ができる。グリニャール法で作ったナノ粒子と比較すると、各々の不純物原子量(Clは1wt%、Oは10wt%)を大幅に低減させることが可能である。
得られたシリコンナノ粒子をヘキサンに溶かし、その蛍光特性を調べることができる。紫外光励起で得られた発光スペクトルからは、ピーク発光波長が525nm、スペクトル半値幅は約60nmの値が得られている。発光量子効率はローダミン6G色素を基準にして求めることができる。その測定によれば、効率が30%から60%程度の値を示す、非常に優れた発光特性を持つシリコンナノ粒子が実現可能である。
粒径制御
第2の実施例では、シリコンナノ粒子の粒径を制御させるために、NN錯体溶液と塩化シリコン各々の滴下回数を4回から12回に増やす点を除き、第1の実施例と同様な手順で、シリコンナノ粒子を合成する。
電子顕微鏡観察によって、このようにして合成したシリコンナノ粒子の、シリコン部分の平均粒径はおよそ3nmであることが確認可能である。光励起で得られた蛍光スペクトルから、ピーク発光波長が630nm、スペクトル半値幅は約80nmのスペクトルが測定されている。発光量子効率は10%から40%程度の値を示す、非常に優れた発光特性を持つ、粒径の大きいシリコンナノ粒子が実現可能である。本発明により、滴下回数によって粒径制御が可能であり、延いては発光ピーク波長の制御が可能になる。
EL発光素子
図7は、本発明の実施例の発光素子を概略的に表す断面図である。この発光素子は、シリコンウエハ上に形成可能であり、p電極としてpSi層7上に設けたpSi層8と、対抗するn電極としてアモルファスSi層12と、活性層9としてシリコンナノ粒子の充填層からそれぞれ構成することが可能である。図7の発光素子はさらにSiO層10とパッド電極11を具備してなる。発光素子は、図示しない電極取出し配線に電気的に接続されている。
活性層に用いるシリコンナノ粒子の粒径は、発光波長に応じて選択することができる。ここでは、平均粒径2.1nmを有する青色発光ナノ粒子が例として引用されている。
20mA、4Vでこの発光素子を駆動することができ、EL発光効率として5cd/Aと大変良好な値を得ることも可能である。
ウエハ被覆
本実施例では、シリコンウエハ上にゲルマニウム・カーボン化合物を被膜させる。本発明に用いる合成装置は原理的には図6と同様の構成であり、異なる点は超高真空対応とするために反応容器は全て金属製である点と、ウエハ温度を調整するためにヒーターが追加されている点である。
合成に先立ち、1cm角のウエハが置かれた反応容器のフラスコを超高真空に引き、この雰囲気でウエハ温度を上げて表面清浄化処理を行い、シリコン原子以外の不純物原子を取り除く。なお、清浄化処理は通常のLSIプロセスに準拠している。 次に、フラスコ内の真空を破り、大気圧に戻し、無水glyme100mlを注入する。この際、表面汚染を避けるため、充分に乾燥したアルゴンガス(露点マイナス80度以下)でパージする。
シリコン表面をナトリウム終端するために、NN錯体の0.1モル無水glyme溶液をゆっくり滴下し、溶液を毎分600回転で攪拌させて、NN錯体をウエハ表面に衝突、反応させる。1cm角のシリコンウエハ表面に、シリコン原子は凡そ1015個(約2ナノモル)存在するので、密にナトリウム終端させるために、NN錯体は過剰量の1ミリモル滴下する。
このナトリウム終端されたウエハ表面をゲルマニウム・カーボン膜で被覆するために、4塩化ゲルマニウム→NN錯体→4臭化炭素→NN錯体を1サイクルとして、これらの試薬を規則正しく繰り返し添加する。なお、表面反応が充分進むよう、いずれの試薬も過剰量滴下する。4臭化炭素は固体試薬であるため、予めglymeに溶かし、0.1モル溶液を用意しておく。
この滴下サイクルを100回繰り返した後、合成したゲルマニウム・カーボン膜表面を安定化させるために、ブチルアルコールを1モルゆっくり滴下し、室温で24時間攪拌する。こうすることで、ウエハ表面には、目的物である、ブトキシ基で覆われ安定化された、ゲルマニウム・カーボン膜が生成可能になる。
フラスコからウエハを取り出し、純水とヘキサンを用いて洗浄することで、ウエハに付着するナフタレン、NaCl、未反応試薬、その他副生成物を取り除くことができる。このようにして、目的物である、ゲルマニウム・カーボン膜で被膜したウエハを得ることができる。
断面の電子顕微鏡観察によって、合成した被膜層の膜厚はおよそ20nmから30nmの間にあることが確認できる。構成元素の組成分析によれば、被膜層からゲルマニウムとカーボンが各々検出され、その比率はGe:C=1:1であることが示されている。また、塩素、酸素、ナトリウムは装置の検出限界程度の低い値をしめすことから、純度の高い膜が作れる製法と言うことができる。
因みに、得られた被膜を紫外線で励起したところ、近赤外領域にピークを持つ発光スペクトルが得られている。発光量子効率はおよそ50%であり、優れた発光特性を持つ4族化合物半導体が実現可能である。
第5の実施例では、NN錯体とは異なる還元剤、リチウム・ジ−t−ブチルビフェニル電荷移動錯体(LDBB錯体)を用いて合成する点を除き、第1の実施例と同様な手順で、シリコンナノ粒子を合成する。
電子顕微鏡観察によって、このようにして合成したシリコンナノ粒子の、シリコン部分の平均粒径は2.2nmであることが確認可能である。光励起で得られた蛍光スペクトルから、ピーク発光波長が530nm、スペクトル半値幅は約60nmの値が得られている。発光量子効率は30%から50%程度の値を示し、非常に優れた発光特性を持つ、粒径の大きいシリコンナノ粒子が実現可能である。本実施例により、還元剤には、NN錯体以外にも、アルカリ金属と芳香族有機分子からなる電荷移動錯体を用いることが可能であることがわかる。
第6の実施例では、第1の実施例と同様な手順で、還元剤とシラン化合物の種類を変えてシリコンナノ粒子を合成する。還元剤としては二ヨウ化サマリウムを用い、シラン化合物として臭化シリコンを用いてシリコンなの粒子を合成する。
第1の実施例と同様な手順でシリコンナノ粒子を表面安定化した後、抽出、精製されたナノ粒子を電子顕微鏡観察すると、第1の実施例同様、平均粒径は2.0nmであることが確認できる。蛍光特性も第1の実施例と同等である。
本実施例により、還元剤として電荷移動錯体の代わりに希土類ヨウ化物を用いることが可能であることがわかる。
従来製造方法(グリニャール法)を説明する概念図。 従来製造方法(グリニャール法)の小粒径問題を説明する模式図。(a)バルク結晶Siの構造 (b)Siナノ粒子の構造 本発明の製造方法に関わる、1元系4族半導体ナノ粒子の合成を説明する模式図。 本発明で作成した、シリコンナノ粒子の世代に対する粒径の計算結果を示すグラフ。 本発明の製造方法に関わる、2元系の4族化合物半導体ナノ粒子の合成を説明する模式図。 本発明の第1の実施例に関わる合成装置を概略的に表す断面図。 本発明の第3の実施例に関わる発光素子を概略的に表す断面図。
符号の説明
1 四口フラスコ
2、3 開口部
4 反応溶液
5 フラスコ内部(乾燥アルゴン)
6 攪拌子
7 pSi層
8 pSi層(p電極)
9 活性層(シリコンナノ粒子充填層)
10 SiO
11 パッド電極
12 アモルファスSi(n電極)

Claims (11)

  1. シリコン、ゲルマニウム、炭素、および錫からなる群から選ばれる4族元素を含んでなる半導体材料の表面に、不活性有機溶媒に可溶でありかつ電子供与性の還元剤を前記不活性有機溶媒中で反応させて半導体材料の表面を前記還元剤に由来する金属で被覆し、その後、
    4族元素および遷移金属元素からなる群から選ばれる元素を含む電子吸引基含有化合物を反応させ、半導体材料の表面を前記電子吸引基含有化合物に由来する4族元素または遷移金属元素で被覆する
    ことを特徴とする、半導体表面の被覆方法。
  2. 前記還元剤が、電荷移動錯体または希土類ヨウ化物である、請求項1に記載の半導体表面の被覆方法。
  3. 前記還元剤が、ナトリウム・ナフタレン錯体、リチウム・ナフタレン錯体、リチウム・ジ−t−ブチルビフェニル、二ヨウ化サマリウム、二ヨウ化イットリウム、および二ヨウ化ユーロピウムからなる群から選択される、請求項1または2に記載の半導体表面の被覆方法。
  4. 前記還元剤と、前記電子吸引基含有化合物とを複数回繰り返して反応させることにより、4族元素または遷移金属元素で複数回被覆する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体表面の被覆方法。
  5. 前記電子吸引性基含有化合物が、半導体材料に含まれる元素と同一の元素を含むものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体表面の被覆方法。
  6. 複数回の被覆のうち一部を、他の被覆に用いた電子吸引基含有化合物とは異なる元素を含む電子吸引基含有化合物を用いて被覆する、請求項4に記載の半導体表面の被覆方法。
  7. 前記表面の4族元素原子が、前記還元剤を反応させるに先立って、ハロゲン終端されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体表面の被覆方法。
  8. 半導体材料に種結晶を用いて、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により結晶成長させることを特徴とする、半導体粒子の製造方法。
  9. 請求項8に記載の半導体粒子の製造方法により製造されたことを特徴とする、半導体粒子。
  10. 電気的または光学的なエネルギー励起により光を発生する発光部を具備してなる発光素子であって、前記発光部が前記請求項9に記載の半導体粒子を有することを特徴とする光素子。
  11. 電気的または光学的な光変調により光信号を発生する光変調部を具備してなる光変調素子であって、前記光変調部が前記請求項9に記載の半導体粒子を有することを特徴とする光変調素子。
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