JP2006100608A - 多層プリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁ノイズ抑制効果の特性が安定した多層プリント基板を得る。
【解決手段】 内層に電源回路10及びグラウンド回路11を有し、電源回路10及びグラウンド回路11の少なくともいずれかに磁性体層13が被覆されている多層プリント配線板1であって、磁性体層13は、金属磁性部粒子からなる芯材に、カルボキシル基を有するポリマーを含有するフェライト層が被覆されて形成されたフェライト被覆金属磁性微粒子が含まれている。また、前記芯材は、カルボニル鉄、Fe−Cr合金、Fe−Ni合金、Fe−Si−Al合金、Fe−Si合金、Fe−Co合金、及び、Fe−Cr−Al合金から選ばれる少なくとも一種とする。
【選択図】図1
【解決手段】 内層に電源回路10及びグラウンド回路11を有し、電源回路10及びグラウンド回路11の少なくともいずれかに磁性体層13が被覆されている多層プリント配線板1であって、磁性体層13は、金属磁性部粒子からなる芯材に、カルボキシル基を有するポリマーを含有するフェライト層が被覆されて形成されたフェライト被覆金属磁性微粒子が含まれている。また、前記芯材は、カルボニル鉄、Fe−Cr合金、Fe−Ni合金、Fe−Si−Al合金、Fe−Si合金、Fe−Co合金、及び、Fe−Cr−Al合金から選ばれる少なくとも一種とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、電磁ノイズ抑制効果の特性が安定した多層プリント配線板に関する。
近年の電子機器の高機能化により、電子部品の動作周波数は高周波化が進んでいる。そのため、これに伴うプリント配線板の信号回路からの不要輻射ノイズの増加や、外来の電磁ノイズに対する耐性の低下が問題となっている。
特にICやLSIが搭載された多層プリント配線板は、これらのスイッチング動作に伴う高周波電源電流が電源層に流れ込むため、この影響によって高周波電磁ノイズが発生するという問題がある。そこで、ICやLSIの近傍にデカップリングコンデンサを接続し、高周波電源電流をこのデカップリングコンデンサにバイパスさせて電源層への流れ込みを少なくさせることが行われている。
この電源デカップリングの強化を目的として、特許文献1では、インピーダンス付加回路を含む配線で電源層を構成するとともに、電源層の上下両側の絶縁材料を磁性体混合絶縁材料とした多層プリント配線板が提案されている。
この多層プリント配線板は、インピーダンス付加回路によって大きなインダクタンスを確保することができるため、ICやLSIからの高周波電源電流の他回路への流れ込みを小さくすることができるとともに、磁性体により、その効果がさらに高められるものである。
特開平09−139573号公報
しかし、この多層プリント配線板はインピーダンス付加回路が冗長であるため、ICやLSIを高密度に搭載する場合、配線レイアウトが難しいという問題がある。
また、近年ではICやLSIのスイッチング周波数が1GHzを超えるものが現れている。特許文献1の発明では、磁性体としてセンダスト粉砕物が用いられているが、このような磁性微粒子は1GHzを超える高周波電磁ノイズの吸収性が非常に小さく、十分な効果を得ることができない。
そこで、本願発明者らは、内層に電源回路及びグラウンド回路を有する多層プリント配線板において、電源回路及びグラウンド回路の少なくともいずれかにフェライト被覆金属磁性微粒子を含む磁性体層が形成されている多層プリント配線板を提案している(特願2003−393434)。
この多層プリント配線板は、磁性体層にフェライト被覆金属磁性微粒子を含むので、1GHzを超える電磁波ノイズに対しても十分な吸収性を持つとともに、特許文献1にあるような特別な付加回路を設けることなく電源デカップリングを強化することができる。しかも、従来の製造工程を大幅に変更することなく、容易に製造することができる。
ところが、この多層プリント基板を量産するにあたり、製造ロットによっては、絶縁性が劣化してしまったものや、電磁ノイズ抑制効果のバラツキが大きくなってしまったものが発生した。
この原因を究明したところ、上記のフェライト被覆金属磁性微粒子は、磁性金属微粒子からなる芯材の表面にフェライトめっきによりフェライト被覆層を形成することによって得ていたのであるが、この方法では、金属性微粒子とフェライト被覆層との密着性が十分ではないことが判明した。その結果、フェライト被覆層が剥離してしまったり、フェライト被覆層の膜厚が均一でないという現象が発生していた。
フェライト被覆層の剥離があると、成形体としたときに高周波数域での透磁率が低下したり、剥離したフェライト被覆層により、めっき浴が汚れてしまい、フェライトめっきが十分でないという問題が生じる。また、フェライト被覆層の膜厚が不均一であると、成形体として均一で安定した透磁率が得られないだけでなく、絶縁不良等が発生する。
そこで、本願発明者らは、この問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、フェライト被覆層にカルボキシル基を有するポリマーを含有させると、芯材及びフェライト被覆層の密着性が向上することを見出し、この技術を提案した(特願2004−154898)。
そして、この改良されたフェライト被覆金属磁性微粒子を含む磁性体層を多層プリント基板の電源回路及びグラウンド回路の少なくともいずれかに設けることで、製造ロットによらず、電磁ノイズ抑制効果が安定することが確認された。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、芯材及びフェライト被覆層の密着性が高いフェライト被覆金属磁性微粒子を用いることにより、電磁ノイズ抑制効果の特性が安定した多層プリント配線板を得ることである。
上記課題解決のための請求項1に記載の発明は、内層に電源回路及びグラウンド回路を有し、これら電源回路及びグラウンド回路の少なくともいずれかに磁性体層が被覆されている多層プリント配線板であって、この磁性体層は、金属磁性微粒子からなる芯材に、カルボキシル基を有するポリマーを含有するフェライト層が被覆されて形成されたフェライト被覆金属磁性微粒子を含むことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多層プリント基板において、金属磁性微粒子からなる芯材は、カルボニル鉄、Fe−Cr合金、Fe−Ni合金、Fe−Si−Al合金、Fe−Si合金、Fe−Co合金、及び、Fe−Cr−Al合金から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の多層プリント基板において、前記フェライト層が、化学式MO・Fe2O3(MはFe、Mn、Co、Ni、Mg、Zn、Cd、Cuのうちから選ばれる少なくとも一種、もしくはそれらの混合物)で示されるソフトフェライトと、カルボキシル基を有するポリマーとを有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の多層プリント基板において、前記カルボキシル基を有するポリマーが水溶性であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の多層プリント基板において、前記カルボキシル基を有するポリマーは、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸の少なくとも一種以上からなることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の多層プリント配線板において、前記カルボキシル基を有するポリマーが、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸の少なくとも1種類以上で変性されてなるポリビニルアルコールであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の多層プリント配線板において、前記カルボキシル基を有するポリマーが、アミノ酸変性ポリマーであることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の多層プリント配線板において、前記磁性体層が、フェライト粒子を含むことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の多層プリント配線板において、前記フェライト粒子が、化学式MO・Fe2O3(MはFe、Mn、Co、Ni、Mg、Zn、Cd、Cuのうちから選ばれる少なくとも一種、もしくはそれらの混合物)で示されるソフトフェライトであることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の多層プリント配線板において、前記磁性体層が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、及びそれらの変性体の中から選ばれる一種以上の樹脂をバインダーとすることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の多層プリント配線板において、前記磁性体層におけるフェライト被覆金属磁性微粒子、或いはフェライト被覆金属磁性微粒子及びフェライト粒子の重量比が、70〜98wt%であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、多層プリント基板の電源回路及びグラウンド回路の少なくともいずれかに磁性体層が被覆されることで、ICやLSIのスイッチング動作により発生する電磁ノイズがこの磁性体層に吸収されるとともに、1GHzを超える電磁ノイズをも吸収されるので、特別な付加回路を設けることなく、電源デカップリングを強化させることができ、ICやLSIの高密度配線に対応可能で、かつ、電磁ノイズ発生の抑制が極めて大きいという従来の効果に加え、芯材及びフェライト被覆層の密着性がきわめて高く、フェライト被覆層が芯材から剥離しないので、絶縁性の劣化防止、及び、製造ロットによる電磁ノイズ抑制効果のバラツキが最小限に抑制されるという効果がある。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の多層プリント配線板において、1GHzを超える高周波領域における電磁ノイズ抑制効果が一段と優れているという効果がある。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の多層プリント配線板において、前記フェライト層が上記のソフトフェライトと、カルボキシル基を有するポリマーを含有するので、磁性体層がスヌークの限界即を遙かに超える磁気特性を有し、絶縁性が高く、かつ、高周波領域における電磁ノイズ抑制効果がいっそう優れているという効果がある。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の多層プリント配線板において、前記カルボキシル基を有するポリマーが水溶性であることとしたので、前記芯材と前記フェライト層との密着性が優れ、高い絶縁信頼性を得ることができる。さらに、製造ロットによる電磁ノイズ抑制効果のバラツキを最小限に抑えることができるという効果がある。
請求項5から7に記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の多層プリント配線板において、カルボキシル基を有するポリマーが請求項5から7に記載の通りであることとしたので、芯材とフェライト層との密着性がより優れ、より高い絶縁信頼性を得ることができるとともに、製造ロットによる電磁ノイズ抑制効果のバラツキを最小限に抑えることができるという効果がある。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1〜7のいずれかに記載の多層プリント配線板において、前記磁性体層がフェライト粒子を含むこととしたので、前記磁性体層の絶縁性がより高く、且つ、低周波領域から、1GHzを超える高周波領域に至るまで、広い範囲の電磁ノイズ抑制効果を有する、という効果がある。すなわち、フェライト被覆金属磁性微粒子を含むことにより、高周波領域での電磁ノイズ抑制効果を有し、同時に、フェライト粒子を含むことにより、低周波領域での電磁ノイズ抑制効果も有する、という効果が得られる。
また、請求項1〜7のいずれかに記載のフェライト被覆金属磁性微粒子は、比較的高価な材料であるが、フェライト粒子はこれらフェライト被覆金属磁性微粒子と比べて安価で得ることができる。よって、磁性体層にフェライト粒子を混合させることにより、フェライト被覆金属磁性微粒子の配合比率を低下させることができるとともに、原材料コストを低減させつつ、所望の電磁ノイズ抑制効果を有する磁性体層を得ることができるという効果がある。
請求項9に記載の発明によれば、請求項1〜8のいずれかに記載の多層プリント配線板において、前記フェライト粒子が上記の通りであることとしたので、前記磁性体層の絶縁性がより高く、かつ、低周波領域における電磁ノイズ抑制効果がいっそう優れているという効果がある。
請求項10に記載の発明によれば、請求項1〜9のいずれかに記載の多層プリント配線板を製造するにあたり、前記磁性体が、上記の樹脂をバインダーとして用いているので、従来の製造工程を大幅に変えることなく、容易に行うことができるという効果がある。さらに、耐熱性、屈曲性や強靱性などの所望の物性に合わせて任意に選択することが可能である。
請求項11に記載の発明によれば、請求項1〜10のいずれかに記載の多層プリント配線板において、磁性体層におけるフェライト被覆金属磁性微粒子、或いはフェライト被覆金属磁性微粒子及びフェライト粒子の重量比を70wt%以上とすることにより、磁性体層にこれらが含まれることによる電磁ノイズ抑制効果が十分なものとなるとともに、重量比を98wt%以下とすることにより、磁性体層の強靭性も十分なものとなるので、磁性体層の絶縁性や樹脂組成物の塗布作業性を適切にすることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の多層プリント配線板1の特徴部分を示す部分断面図である。この多層プリント配線板1は、内層基板15、磁性体層13、絶縁層14、外層信号回路3、部品ランド4、5、6、7、及び、ソルダーレジスト層2からなる。内層基板15には、電源回路10、グラウンド回路11、及び、内層信号回路12が形成されており、電源回路10、及び、グラウンド回路11には磁性体層13が被覆されている。
また、部品ランド4及び6はスルーホール8により互いに接続され、さらに、電源回路10に接続されている。同様に、部品ランド5及び7はスルーホール9により互いに接続され、さらに、グラウンド回路11に接続されている。
部品ランド4にはこの多層プリント配線板1に搭載されるIC部品(図示せず)の電源ピンが接続され、部品ランド5には、IC部品のグラウンドピンが接続される。また、部品ランド6及び7にはデカップリングコンデンサ(図示せず)が接続される。
磁性体層13は、フェライト被覆金属磁性微粒子、及び、ソフトフェライト粒子をバインダーに混合させたものである。フェライト被覆金属磁性微粒子は、カルボニル鉄、Fe−Cr合金、Fe−Ni合金、Fe−Si−Al合金、Fe−Si合金、Fe−Co合金、及び、Fe−Cr−Al合金から選ばれる少なくとも一種を含む芯材にフェライトめっき層が被覆されたものである。ソフトフェライト粒子は、化学式MO・Fe2O3(MはFe、Mn、Co、Ni、Mg、Zn、Cd、Cuのうちから選ばれる少なくとも一種、もしくはそれらの混合物)で示される化合物である。
詳しくは、フェライト被覆金属磁性微粒子は平均粒径が1〜30μmで、ソフトフェライト粒子は、平均粒径1〜30μmとし、これらの粒子形状は球状、扁平状、針状、不定形状などを用いることができ、磁性体層の体積固有抵抗が1.0×108Ω・m以上であればよい。
磁性微粒子及びソフトフェライト粒子の混合比は所望の電磁ノイズ抑制効果が得られるために99:1〜1:99の範囲から任意の割合を選択することができる。
バインダーとしては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ホットメルト型樹脂系(スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、スチレン・イソプレン・スチレンゴム(SIS))、スチレン・イソプレン・ブタジエン・スチレンゴム(SIBS)、スチレン・ブタジエン・スチレンゴム(SBS)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、メチルメタアクリレート・ブタジエンゴム(MBR)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンゴム(SEPS)、SEBS、SEEPS、エチレン酢ビ樹脂、ポリアミド樹脂、溶剤型樹脂系(アクリル樹脂)、酢酸ビニル或いは酢酸ビニルとアクリル酸エステル、ベオバ、などが共重合された酢ビ系樹脂、塩化ビニルと酢酸ビニル、エチレン、アクリル酸エステルなどが共重合された塩化ビニル系樹脂、スチレンとアクリル酸エステルなどが共重合されたスチレン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、変性シリコン樹脂、水分散型樹脂系(合成ゴム系ラテックスの具体例としてはスチレン・ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、メチルメタアクリレート・ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどのカルボキシル変性したものなどが挙げられる。
また、合成樹脂系エマルジョンである各種アクリル酸エステルなどのアクリル系モノマーを使用して調製されたアクリル酸エステル樹脂系エマルジョン、酢酸ビニル或いは酢酸ビニルとアクリル酸エステル、ベオバなどのコモノマーとを共重合した酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、塩化ビニルと酢酸ビニル、エチレン、アクリル酸エステルなどコモノマーとが重合された塩化ビニル樹脂系エマルジョン、スチレンとアクリル酸エステルなどコモノマーとが共重合されたスチレン樹脂系エマルジョン、エチレン・酢酸ビニル共重合系エマルジョンなどが挙げられる。
また、湿気硬化型樹脂である変性シリコン樹脂、シアノアクリレート樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。より具体的には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、及びそれらの変性体のうちから少なくとも一種から選択された熱硬化性樹脂が好ましく、熱硬化性樹脂は、硬化剤を最適量加えることにより、プリント配線板の製造工程中に適合した条件下で硬化させることができるので、多層プリント配線板1を製造する上で適したものである。
この樹脂に、フェライト被覆金属磁性微粒子、または、フェライト被覆金属磁性微粒子及びソフトフェライト粒子の混合体を、重量比70〜98wt%の範囲となるように充填・分散させることにより、磁性体層13が得られる。熱硬化性樹脂に混合体を上記の条件で含ませることにより、この磁性体層13は1.0×108Ω以上の絶縁性を確保しながら十分な電磁ノイズ抑制効果を示す。
次にこの多層プリント配線板1の製造工程を説明する。まず、内層基板15に電源回路10、グラウンド回路11、及び、内層信号回路12を形成した後、磁性体層13を30〜100μmの厚みとなるよう、電源回路10及びグランド回路11に被覆する。この被覆は、スクリーン印刷法等により磁性体層13を塗布し、加熱硬化させて行う。
続いて、内層基板15に、絶縁層14、及び、銅箔(図示せず)を積層する。絶縁層14は、プリント配線板の製造において一般的に用いられている熱硬化性樹脂含浸シートを用いる。
積層した後、穴あけ、銅めっき処理を施してスルーホール8、9を形成し、次いで、銅箔をエッチングして外層信号回路3、部品ランド4、5、6、7を形成した後、ソルダーレジスト層2を被覆し、外形加工を行って仕上げる。上記の積層から外形加工にいたる工程は、公知の技術により行えばよい。
本発明にかかる多層プリント配線板1は、上記の実施の形態に限られるものではなく、特に磁性体層13の被覆領域は、多層プリント配線板1の性能によって、適時選択されるものである。
例えば、上記の実施形態においては、電源回路10、及び、グラウンド回路11の両方に磁性体層8が被覆されているが、この多層プリント配線板1に求められる電磁ノイズの放出の許容度によっては、電源回路10及びグラウンド回路11のいずれかのみに被覆することとしてもよい。
また、この実施形態においては、内層信号回路12には磁性体層13を被覆していない。これは、内層信号回路12に流れる信号電流の劣化をできる限り防止するためである。
しかし、この劣化の許容度によっては、内層信号回路12にも磁性体層13を被覆してよい。これは、内層基板15の全面に磁性体層13を被覆してよい場合もある、ということである。
すなわち、上述の通り、多層プリント配線板1に求められる電磁ノイズの放出の許容度、及び、内層信号の劣化の許容度により、磁性体層13の被覆領域は適時選択されるので、磁性体層13を必要な箇所にのみ被覆する、あるいは、内層基板15の全面に被覆することにより、上述の製造工程において、一部の工程が簡略化される。
具体的には、磁性体層13を内層基板15の両面ともに被覆する場合は、まず片面側の被覆・加熱硬化工程を経たのち、他の面の被覆・加熱硬化工程を経る。すなわち、被覆・加熱硬化工程が2回となる。磁性体層13を内層基板15のいずれか片面のみに被覆する場合は、被覆・加熱硬化工程は1回でよい。
また、磁性体層13を内層基板15のある領域のみに塗布する場合は、その領域を特定するための製版用フィルムを作成し、この専用フィルムを用いてスクリーン版を製版するが、磁性体層13を内層基板15の前面に塗布する場合は、専用フィルムは不要となる。
よって、多層プリント配線板1を製造するにあたり、磁性体層13の被覆領域を適時選択することにより、磁性体層を被覆する工程を容易にすることができる。
1 多層プリント配線板
2 ソルダーレジスト層
3 外層信号回路
4 部品ランド
5 部品ランド
6 部品ランド
7 部品ランド
8 スルーホール
9 スルーホール
10 電源回路
11 グラウンド回路
12 内層信号回路
13 磁性体層
14 絶縁層
15 内層基板
2 ソルダーレジスト層
3 外層信号回路
4 部品ランド
5 部品ランド
6 部品ランド
7 部品ランド
8 スルーホール
9 スルーホール
10 電源回路
11 グラウンド回路
12 内層信号回路
13 磁性体層
14 絶縁層
15 内層基板
Claims (11)
- 内層に電源回路及びグラウンド回路を有し、上記電源回路及びグラウンド回路の少なくともいずれかに磁性体層が被覆されている多層プリント配線板であって、上記磁性体層は、金属磁性微粒子からなる芯材に、カルボキシル基を有するポリマーを含有するフェライト層が被覆されて形成されたフェライト被覆金属磁性微粒子を含むことを特徴とする多層プリント配線板。
- 前記金属磁性微粒子からなる芯材は、カルボニル鉄、Fe−Cr合金、Fe−Ni合金、Fe−Si−Al合金、Fe−Si合金、Fe−Co合金、及び、Fe−Cr−Al合金から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板。
- 前記フェライト層が、化学式MO・Fe2O3(MはFe、Mn、Co、Ni、Mg、Zn、Cd、Cuのうちから選ばれる少なくとも一種、もしくはそれらの混合物)で示されるソフトフェライトと、カルボキシル基を有するポリマーとを有することを特徴とする請求項1または2に記載の多層プリント配線板。
- 前記カルボキシル基を有するポリマーが、水溶性であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多層プリント配線板。
- 前記カルボキシル基を有するポリマーが、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸の少なくとも一種以上からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多層プリント配線板。
- 前記カルボキシル基を有するポリマーが、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸の少なくとも1種類以上で変性されてなるポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多層プリント配線板。
- 前記カルボキシル基を有するポリマーが、アミノ酸変性ポリマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多層プリント配線板。
- 前記磁性体層が、フェライト粒子を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の多層プリント配線板。
- 前記フェライト粒子が、化学式MO・Fe2O3(MはFe、Mn、Co、Ni、Mg、Zn、Cd、Cuのうちから選ばれる少なくとも一種、もしくはそれらの混合物)で示されるソフトフェライトであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の多層プリント配線板。
- 前記磁性体層が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、及びそれらの変性体の中から選ばれる一種以上の樹脂をバインダーとすることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の多層プリント配線板。
- 前記磁性体層におけるフェライト被覆金属磁性微粒子、或いはフェライト被覆金属磁性微粒子及びフェライト粒子の重量比が、70〜98wt%であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の多層プリント配線板。
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2004
- 2004-09-30 JP JP2004285602A patent/JP2006100608A/ja active Pending
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