JP2006100461A - 熱処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱処理される基板面内において温度分布の均一性を担保することができる熱処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 熱処理装置は、熱処理プレート11と、上部カバー50と、側部カバー60と、往方向熱輸送路71と、復方向熱輸送路72とを備える。往方向熱輸送路71は、熱処理プレート11の中空部10から上部カバー50の中空部51に向けて作動液16の蒸気を流通させるためのものであり、一端が排出口11aと接続され、他端が流入口50aと接続される。復方向熱輸送路72は、上部カバー50の中空部51から熱処理プレート11の中空部10に向けて作動液16の蒸気を流通させるためのものであり、一端が排出口50bと接続され、他端が流入口11bと接続される。
【選択図】 図1
【解決手段】 熱処理装置は、熱処理プレート11と、上部カバー50と、側部カバー60と、往方向熱輸送路71と、復方向熱輸送路72とを備える。往方向熱輸送路71は、熱処理プレート11の中空部10から上部カバー50の中空部51に向けて作動液16の蒸気を流通させるためのものであり、一端が排出口11aと接続され、他端が流入口50aと接続される。復方向熱輸送路72は、上部カバー50の中空部51から熱処理プレート11の中空部10に向けて作動液16の蒸気を流通させるためのものであり、一端が排出口50bと接続され、他端が流入口11bと接続される。
【選択図】 図1
Description
この発明は、半導体ウェハや液晶表示パネル用ガラス基板あるいは半導体製造装置用マスク基板等の基板を熱処理プレートにより加熱して処理する熱処理装置に関する。
このような熱処理装置は、例えば半導体製造工程において、基板上に形成されたフォトレジスト膜の露光処理前の加熱処理(プリべーク処理)や露光後の加熱処理(ポストエクスポージャベーク処理)、あるいは、現像後の加熱処理(ポストベーク処理)等に用いられる。このような熱処理装置として、例えば特許文献1に記載される装置が知られている。
特許文献1に記載の装置は、ヒートパイプ構造の載置台と、載置台を加熱するヒータとを備える。そして、この装置は、このような構成を採用していることから、熱容量を極めて小さくしつつ、温度分布の面内均一性を高めることができる。
特開2001−313328号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置によれば、載置台にのみ加熱手段が接続されているため、基板と載置台との間の距離が同一であれば、温度分布の均一性を担保することができるが、基板と載置台との間の距離が相違すれば、その距離の相違量に応じて温度分布が不均一になりやすいという問題が生じる。実際に、熱処理装置により熱処理される基板の多くは、わずかな撓みまたは反りが生じている。このため、基板と載置台との間の距離が基板面内において相違していることが通常である。
この発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、熱処理される基板面内において温度分布の均一性を担保することができる熱処理装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、その表面に熱を伝達可能な中空部と、作動液を貯留する前記中空部と連通した作動液貯留部と、前記作動液を加熱して蒸発させる加熱手段と、を有し、その表面に基板を近接または載置して熱処理する熱処理プレートと、その表面に熱を伝達可能な中空部を有し、前記熱処理プレートの上部に配置される上部カバーと、前記熱処理プレートの中空部と前記上部カバーの中空部との間で前記作動液の蒸気を流通させる熱輸送路とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱処理装置において、前記熱輸送路は、フレキシブルチューブからなる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の熱処理装置において、前記熱輸送路は、前記熱処理プレートの中空部から前記上部カバーの中空部に向けて前記作動液の蒸気を流通させるための往方向熱輸送路と、前記上部カバーの中空部から前記熱処理プレートの中空部に向けて前記作動液の蒸気を流通させるための復方向熱輸送路とからなる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の熱処理装置において、前記作動液を冷却する冷却手段を備える。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の熱処理装置において、前記冷却手段は、冷却流体の流路と、前記流路に冷却水を供給する冷却水供給手段と、前記流路に気体を供給する気体供給手段とを有する。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の熱処理装置において、前記熱処理プレートおよび前記上部カバーの側部に配置され、前記熱処理プレートと前記上部カバーとの間を閉鎖して熱処理雰囲気を形成する側部カバーと、前記側部カバーを、前記熱処理プレートと前記上部カバーとの間を閉鎖する閉鎖位置と、前記熱処理プレートと前記上部カバーとの間を開放する開放位置との間で移動させる側部カバー移動機構とを備える。
請求項1に記載の発明によれば、その表面に熱を伝達可能な中空部と、作動液を貯留する中空部と連通した作動液貯留部と、作動液を加熱して蒸発させる加熱手段とを有し、その表面に基板を近接または載置して熱処理する熱処理プレートと、その表面に熱を伝達可能な中空部を有し、熱処理プレートの上部に配置される上部カバーと、熱処理プレートの中空部と上部カバーの中空部との間で作動液の蒸気を流通させる熱輸送路とを備えることから、熱処理される基板面内において温度分布の均一性を担保することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、熱輸送路は、フレキシブルチューブからなることから、メンテナンス時等において当該熱処理装置の操作性を高めることが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、熱輸送路は、熱処理プレートの中空部から前記上部カバーの中空部に向けて作動液の蒸気を流通させるための往方向熱輸送路と、上部カバーの中空部から熱処理プレートの中空部に向けて作動液の蒸気を流通させるための復方向熱輸送路とからなることから、蒸気の流通を効率的に行うことが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、作動液を冷却する冷却手段を備えることから、熱処理プレートを迅速に降温させることが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、冷却手段は、冷却流体の流路と、流路に冷却水を供給する冷却水供給手段とを備えることから、熱処理プレートを迅速に降温させることが可能となる。また、冷却手段は、流路に気体を供給する気体供給手段を備えることから、流路内に冷却水が残存して沸騰することにより熱処理される基板面内において温度分布が不均一となることを防止することが可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、熱処理プレートおよび上部カバーの側部に配置され、熱処理プレートと上部カバーとの間を閉鎖して熱処理雰囲気を形成する側部カバーを備えることから、温度分布がより均一な雰囲気で基板を熱処理することが可能となる。また、側部カバーを、熱処理プレートと上部カバーとの間を閉鎖する閉鎖位置と、熱処理プレートと上部カバーとの間を開放する開放位置との間で移動させる側部カバー移動機構を備えることから、熱処理プレートへの基板の搬入および搬出の操作を簡易に行うことが可能となる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る熱処理装置の側面概要図であり、図2はその平面図である。
この熱処理装置は、その表面に基板を近接または載置して熱処理する熱処理プレート11と、熱処理プレート11の上部に配置される上部カバー50と、熱処理プレート11と上部カバー50との間を閉鎖して熱処理雰囲気を形成する側部カバー60と、往方向熱輸送路71と、復方向熱輸送路72と、熱処理プレート11の温度を測定するための温度センサ14とを備える。
この熱処理プレート11は、例えば、アルミニウム等の伝熱性が良好な金属材料によって形成され、その表面に熱を伝達可能な中空部10と、作動液16を貯留する中空部10と連通した作動液貯留部13と、作動液16を加熱して蒸発させる加熱手段としてのヒータ17とを有する。なお、この熱処理プレートの表面には、アルミナ、マテアタイト等の低伝熱部材から構成された3個の球体20が配設されている。この球体20の上端は、熱処理プレート11の上面より微少量だけ突出する状態で配設されており、基板Wと熱処理プレート11の表面との間にいわゆるプロキシミティギャップと称される微小間隔を保った状態で、基板Wを熱処理プレート11の球体20上に載置、支持して、この基板Wを加熱するように構成されている。また、熱処理プレート11には、往方向熱輸送路71と接続される排出口11aと、復方向熱輸送路72と接続される流入口11bとが形成される。これらの往方向熱輸送路71と復方向熱輸送路72とについては、後程詳細に説明する。
なお、基板Wを熱処理プレート11と直接接触する状態で熱処理プレート11上に載置してもよい。
熱処理プレート11を構成する中空部10は、ヒートパイプ構造のため減圧されている。したがって、熱処理プレート11の内部には、その強度を補強するため複数のリム12が形成されている。
熱処理プレート11を構成する作動液貯留部13は、熱処理プレート11の中空部10の下方に一対配置されている。この作動液貯留部13には、水等の作動液16が貯留されている。熱処理プレート11を構成するヒータ17は、作動液貯留部13内部に配置され、作動液16を加熱する。
上部カバー50は、例えば、アルミニウム等の伝熱性が良好な金属材料によって形成され、その表面に熱を伝達可能な中空部51を有する。この上部カバー50には、往方向熱輸送路71と接続される流入口50aと、復方向熱輸送路72と接続される排出口50bとが形成される。なお、この上部カバー50の内部には、熱処理プレート11と同様に、その強度を補強するための複数のリムが形成されてもよい。
往方向熱輸送路71および復方向熱輸送路72は、フレキシブルチューブからなり、熱処理プレート11の中空部10と上部カバー50の中空部51との間で作動液16の蒸気を流通させるためのものである。これらの往方向熱輸送路71および復方向熱輸送路72がフレキシブルチューブからなることから、例えば、メンテナンス時等において、上部カバー50を熱処理プレート11の上方から移動させることができ、熱処理装置の操作性を高めることが可能となる。
往方向熱輸送路71は、熱処理プレート11の中空部10から上部カバー50の中空部51に向けて作動液16の蒸気を流通させるためのものである。この往方向熱輸送路71の一端は、熱処理プレート11に形成される排出口11aと接続され、他端は、上部カバー50の上方位置に形成される流入口50aと接続される。
復方向熱輸送路72は、上部カバー50の中空部51から熱処理プレート11の中空部10に向けて作動液16の蒸気を流通させるためのものである。この復方向熱輸送路72の一端は、上部カバー50の下方位置に形成される排出口50bと接続され、他端は、熱処理プレート11に形成される流入口11bと接続される。
このように、この熱処理装置は、熱処理プレート11の中空部10と上部カバー50の中空部51との間で作動液16の蒸気を流通させる往方向熱輸送路71および復方向熱輸送路72を備えることから、蒸気の流通を効率的に行うことができ、熱処理される基板Wの面内において温度分布の均一性を担保することが可能となる。
なお、熱処理プレート11の排出口11aは、熱処理プレート11の中空部10においてできる限り上方の位置に形成され、上部カバー50の流入口50aは、上部カバー50の中空部51においてできる限り上方の位置に形成される。また、上部カバー50の排出口50bは、上部カバー50の中空部51においてできる限り下方の位置に形成され、熱処理プレート11の流入口11bは、熱処理プレート11の中空部10においてできる限り下方の位置に形成される。このため、熱処理プレート11、往方向熱輸送路71、上部カバー50、および、復方向熱輸送路72の間で、作動液16の液溜まりをできる限り防止することが可能となる。なお、作動液16の液溜まりをさらに防止するため、上部カバー50における中空部51の下面52を流入口50aから排出口50b方向へ下がるように傾斜させてもよい。また、このように作動液16の蒸気の輸送方向を一定方向に定めることにより、蒸気の流通を効率的に行うことが可能となる。
この熱処理装置においては、ヒータ17の駆動により作動液16を加熱することにより、作動液16の蒸気が熱処理プレート11の中空部10へ移動する。熱処理プレート11の中空部10に移動した作動液16の蒸気は、熱処理プレート11の排出口11aから往方向熱輸送路71を通り、上部カバー50の流入口50aから上部カバー50の中空部51へ移動する。そして、この上部カバー50の中空部51に移動した作動液16の蒸気は、上部カバー50の排出口50bから復方向熱輸送路72を通り、熱処理プレート11の流入口11bから熱処理プレート11の中空部10へ移動する。このようにして、作動液貯留部13と熱処理プレート11および上部カバー50との間で蒸発潜熱の授受を行う。そして、作動液16の蒸気は、再度、作動液16となって作動液貯留部13に回収される。
側部カバー60は、熱処理プレート11および上部カバー50の側部に配置される。そして、側部カバー60は、図示しない側部カバー移動機構に接続されており、熱処理プレート11と上部カバー50との間を閉鎖する閉鎖位置と、図1において一点鎖線で示す、熱処理プレート11と上部カバー50との間を開放する開放位置との間で移動する。この側部カバー60は、基板Wが熱処理装置により熱処理される間は閉鎖位置に移動し、基板Wの熱処理が終了すると開放位置に移動する。このため、温度分布のより均一な雰囲気で基板を熱処理することができるとともに、熱処理プレート11への基板Wの搬入および搬出の操作を簡易に行うことが可能となる。なお、側部カバー60には、往方向熱輸送路71および復方向熱輸送路72との干渉を回避するための切欠が形成されている。
このような熱処理装置は、以上のような構成を有することにより、わずかな撓みまたは反りが生じた基板であっても、熱処理される基板面内において温度分布の均一性を担保することが可能となる。
このような熱処理装置において、フォトレジストの種類等に対応して基板Wの熱処理温度を直前の設定温度より低い温度に変更するためには、熱処理プレート11を急速に強制冷却する必要がある。このため、この熱処理装置においては、熱処理プレート11の中空部10の下方に一対で配置される作動液貯留部13の中央部に、冷却プレート21が配設されている。
次に、この冷却プレート21の構成について説明する。図3は、冷却プレート21の平面図である。
この冷却プレート21は、熱伝導率が高い二枚の金属板を張り合わせた構成を有し、その張り合わせ面には冷却流体の流路24が形成されている。この冷却流体の流路24の一端は流入口22と接続されており、他端は流出口23と接続されている。また、流入口22から流出口23に至る流路24は、その流路長を長くするために蛇行状に形成されている。
図1に示すように、流入口22に取り付けられた供給配管25は、冷却水の供給部32と、開閉弁34を介して接続されている。また、この供給配管25は、冷却用の気体である圧縮空気の供給部31とも、開閉弁33を介して接続されている。一方、流出口23に取り付けられた排出配管26は、大気開放されたドレイン35と接続されている。
なお、冷却水としては、単なる水を使用してもよく、また、その他の冷却媒体を使用してもよい。
このように構成された冷却プレート21においては、基板Wの熱処理温度を直前の設定温度より低い温度に変更する際には、冷却流体の流路24中に冷却水の供給部32から供給された冷却水を流通させることにより、熱処理プレート11を高速に降温させる。熱処理プレート11の降温に供された冷却水は、大気開放されたドレイン35に排出される。
このとき、この降温動作後に冷却流体の流路24に冷却水が残存していた場合には、冷却流体の流路24内に残存した冷却水が後続する基板Wの熱処理時にその沸点以上の温度まで昇温されて沸騰し、熱処理プレート11の温度が不均一になったり、熱処理プレート11が振動したりすることにより、基板Wの処理結果に悪影響を及ぼす。このため、この熱処理装置においては、冷却流体の流路24を供給して熱処理プレート11の温度を高速に降温させた後、この流路24に圧縮空気の供給部31から供給された圧縮空気を供給する構成となっている。
次に、以上のような構成を有する熱処理装置において、基板Wの熱処理温度を直前の設定温度より低い新たな設定温度Xに変更する場合の熱処理プレート11の降温動作について説明する。図4は、この発明に係る熱処理プレート11の降温動作を示すフローチャートである。
熱処理プレート11が、あるロットの基板Wを熱処理するために設定された設定温度となっている場合に、引き続いて異なるロットの基板Wを熱処理するためにこの熱処理プレート11の温度を設定温度Xに変更する場合においては、次のような制御動作により、冷却プレート21を使用して熱処理プレート11の温度を降温させる。
すなわち、先ず、制御部40の制御で開閉弁34を開放することにより、冷却水の供給部32から冷却プレート21における冷却流体の流路24内に冷却水を供給する(ステップS11)。これにより、熱処理プレート11が冷却水の作用で急速冷却され、高速に降温される。
また、これと並行して、ヒータ駆動部45によるヒータ17の加熱制御動作を停止する(ステップS12)。すなわち、制御部40からヒータ駆動部45に指令を出すことにより、ヒータ駆動部45によるヒータ17の一切の制御動作を停止させる。
そして、温度センサ14による熱処理プレート11の温度の検出値を制御部40において監視し、熱処理プレート11の温度が新たな設定温度XよりもY1だけ高い温度となったか否かを判定する(ステップS13)。
熱処理プレート11の温度が新たな設定温度XよりY1だけ高い温度となれば、制御部40び制御で開閉弁34を閉止することにより、冷却水の供給を停止する(ステップS14)。
また、これと並行して、制御部40の制御で開閉弁33を開放することにより、圧縮空気の供給部31から冷却プレート21における冷却流体の流路24内に圧縮空気を供給する(ステップS15)。これにより、冷却流体の流路24から冷却水が排出されるとともに、圧縮空気の作用で熱処理プレート11が低速で降温される。
そして、所定時間経過すれば、制御部40の制御で開閉弁33を閉止することにより、圧縮空気の供給を停止する(ステップS17)。これにより、熱処理プレート11は、その放熱のみにより冷却されることになる。
この状態で、一定のディレイ時間tの経過を待つ(ステップS18)。
そして、ディレイ時間tが経過すれば、ヒータ駆動部45によるヒータ17の制御動作を再開させる。
そして、熱処理プレート11の温度が設定温度Xとなれば(ステップS20)、降温処理動作を終了する。
なお、上述した一定のディレイ時間tを設けているのは、次のような理由による。すなわち、このような熱処理装置においては、PID制御等を利用したヒータ駆動部45を使用し、熱処理プレート11の温度を経時的に測定することによりヒータ17による加熱動作を制御することで、熱処理プレート11の温度を設定温度に整定させている。そして、このときのPID制御等に使用される各係数等の設定は、熱処理プレート11が通常の状態で降温するという条件の下に設定されている。
一方、この実施形態に係る熱処理装置のように、熱処理プレート11を冷却水や圧縮空気により強制的に冷却した場合においては、ヒータ駆動部45が強制冷却時の降温速度を考慮してヒータ17の制御を実行するため、新たな設定温度Xに対してオーバシュートが発生するという問題が生ずる。
しかしながら、この実施形態に係る熱処理装置においては上述した一定のディレイ時間tの間は熱処理プレート11は冷却水や圧縮空気により強制冷却されていないことから、熱処理プレート11は通常の状態で降温する。このため、熱処理プレート11の温度変動がオーバシュートを生ずることなく、速やかに設定温度Xに整定する。
なお、上述したディレイ時間tは、熱処理プレート11の降温速度が、強制冷却の影響を受けた状態から通常の状態へ移行するために必要な時間に対応する時間である。このディレイ時間tは、熱処理プレート11の熱容量等を考慮して実験的に求めることができる。
以上のような構成を有する熱処理装置においては、最初に冷却水を利用して熱処理プレート11を冷却することから、熱処理プレート11を高速に降温させることができる。しかる後、圧縮空気を利用して熱処理プレート11を低速で降温させることから、熱処理プレート11の降温動作時にオーバシュートを生ずることなく、速やかに設定温度に整定する。
このとき、先に冷却流体の流路24内に供給されたこの流路24内に残存する冷却水は、後で冷却流体の流路24内に供給される圧縮空気によりこの流路24内から排出される。このため、冷却流体の流路24内に残存した冷却水が基板Wの熱処理時にその沸点以上の温度まで昇温されて沸騰するという現象の発生を有効に防止することができる。
なお、この実施形態に係る熱処理装置においては、冷却流体の流路24は、大気開放されたドレイン35と接続されている。このため、装置の誤動作等により冷却流体の流路24内において冷却水が沸騰した場合においても、沸騰時の圧力を大気開放されたドレイン35から排出させることができる。このため、冷却流体の流路24内の圧力が急上昇して爆発等が生ずるという危険を未然に回避することが可能となる。
次に、この発明に係る熱処理装置の主要な電気的構成について説明する。図5は、この発明に係る熱処理装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。
この熱処理装置は、装置の制御に必要な動作プログラムが格納されたROM41と、制御時にデータ等が一時的にストアされるRAM42と、論理演算を実行するCPU43からなる制御部40を備える。制御部40は、インターフェース44を介して、上述した温度センサ14、開閉弁33、開閉弁34と接続されている。また、制御部40は、上述したヒータ17を駆動するためのヒータ駆動部45、および、側部カバー60を駆動するための側部カバー駆動手段61と接続されている。
なお、上述した実施形態に係る熱処理装置においては、冷却水を利用して熱処理プレート11を高速に降温させた後、圧縮空気を利用して熱処理プレート11を低速で降温させる構成を採用しているが、圧縮空気は冷却流体の流路24内に残存した冷却水を排出する目的のみに使用してもよい。
また、上述した実施形態に係る熱処理装置においては、冷却水の供給部32と冷却プレート21との間に開閉弁34を設け、制御部40の制御でこの開閉弁を開閉することにより、冷却プレート21における冷却流体の流路24に冷却水を供給するか否かを決定し、これにより熱処理プレート11の降温動作を制御しているが、冷却プレート21における冷却流体の流路24に供給する冷却水の流量を調整することにより、熱処理プレート11の降温動作を制御するようにしてもよい。
また、上述した実施形態に係る熱処理装置において、圧縮空気の供給部31と冷却プレート21との間、または、圧縮空気の供給部31に空気の冷却手段を設けてもよい。
また、上述した実施形態に係る熱処理装置においては、側方カバー60を、熱処理プレート11と上部カバー50との間を閉鎖する閉鎖位置と、熱処理プレート11と上部カバー50との間を開放する開放位置との間で移動させる側部カバー移動機構61を備えているが、上部カバー50を熱処理プレート11に対して熱処理プレート11と側部カバー60との間を閉鎖および開放する位置に相対的に移動させる上部カバー移動手段を備えてもよい。
さらに、上述した実施形態に係る熱処理装置においては、熱処理プレート11の中空部10と上部カバー50の中空部51との間で作動液16の蒸気を流通させる往方向熱輸送路71および復方向熱輸送路72を備えるが、熱処理プレート11の中空部10と上部カバー50の中空部51との間で作動液16の蒸気を流通させる単一の熱輸送路を備えてもよい。
10 中空部
11 熱処理プレート
12 リム
13 作動液貯留部
14 温度センサ
16 作動液
17 ヒータ
20 球体
21 冷却プレート
22 流入口
23 流出口
24 流路
25 供給配管
26 排出配管
31 圧縮空気の供給部
32 冷却水の供給部
33 開閉弁
34 開閉弁
35 ドレイン
40 制御部
41 ROM
42 RAM
43 CPU
44 インターフェース
45 ヒータ駆動部
50 上部カバー
51 中空部
60 側部カバー
61 側部カバー駆動手段
11 熱処理プレート
12 リム
13 作動液貯留部
14 温度センサ
16 作動液
17 ヒータ
20 球体
21 冷却プレート
22 流入口
23 流出口
24 流路
25 供給配管
26 排出配管
31 圧縮空気の供給部
32 冷却水の供給部
33 開閉弁
34 開閉弁
35 ドレイン
40 制御部
41 ROM
42 RAM
43 CPU
44 インターフェース
45 ヒータ駆動部
50 上部カバー
51 中空部
60 側部カバー
61 側部カバー駆動手段
Claims (6)
- その表面に熱を伝達可能な中空部と、作動液を貯留する前記中空部と連通した作動液貯留部と、前記作動液を加熱して蒸発させる加熱手段と、を有し、その表面に基板を近接または載置して熱処理する熱処理プレートと、
その表面に熱を伝達可能な中空部を有し、前記熱処理プレートの上部に配置される上部カバーと、
前記熱処理プレートの中空部と前記上部カバーの中空部との間で前記作動液の蒸気を流通させる熱輸送路と、
を備える熱処理装置。 - 請求項1に記載の熱処理装置において、
前記熱輸送路は、フレキシブルチューブからなる熱処理装置。 - 請求項1または請求項2に記載の熱処理装置において、
前記熱輸送路は、
前記熱処理プレートの中空部から前記上部カバーの中空部に向けて前記作動液の蒸気を流通させるための往方向熱輸送路と、
前記上部カバーの中空部から前記熱処理プレートの中空部に向けて前記作動液の蒸気を流通させるための復方向熱輸送路と、
からなる熱処理装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の熱処理装置において、
前記作動液を冷却する冷却手段を備える熱処理装置。 - 請求項4に記載の熱処理装置において、
前記冷却手段は、
冷却流体の流路と、
前記流路に冷却水を供給する冷却水供給手段と、
前記流路に気体を供給する気体供給手段と、
を有する熱処理装置。 - 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の熱処理装置において、
前記熱処理プレートおよび前記上部カバーの側部に配置され、前記熱処理プレートと前記上部カバーとの間を閉鎖して熱処理雰囲気を形成する側部カバーと、
前記側部カバーを、前記熱処理プレートと前記上部カバーとの間を閉鎖する閉鎖位置と、前記熱処理プレートと前記上部カバーとの間を開放する開放位置との間で移動させる側部カバー移動機構と、
を備える熱処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004283085A JP2006100461A (ja) | 2004-09-29 | 2004-09-29 | 熱処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004283085A JP2006100461A (ja) | 2004-09-29 | 2004-09-29 | 熱処理装置 |
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JP (1) | JP2006100461A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007294688A (ja) * | 2006-04-25 | 2007-11-08 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp | 均熱処理装置 |
-
2004
- 2004-09-29 JP JP2004283085A patent/JP2006100461A/ja active Pending
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JP2007294688A (ja) * | 2006-04-25 | 2007-11-08 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp | 均熱処理装置 |
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