JP2006099003A - 画像形成装置、及び、画像形成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザ等が画像形成装置内に詰まった媒体を容易に取り除くことができ、かつ、カバーが開く際の画像形成装置への衝撃を抑えることである。
【解決手段】開閉可能なカバーと、媒体を狭持可能な第一部材及び第二部材と、前記第二部材を前記第一部材に向けて押圧する押圧部材と、を備え、前記カバーが閉じている状態で、前記第一部材と、前記押圧部材により押圧された第二部材と、が狭持する媒体上の現像剤像を定着するための定着ユニットと、前記カバーと前記定着ユニットとを連結するための連結部材であって、前記カバーの開く動作に連動して前記押圧部材による押圧を解除するための押圧解除部と、前記押圧が解除された後の前記カバーの開く動作に連動して前記押圧解除部に対して摺動する摺動部と、を備えた連結部材と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図7

Description

本発明は、画像形成装置、及び、画像形成システムに関する。
画像形成装置は、例えば、媒体上の現像剤像を定着するための定着ユニットを有する。この定着ユニットは、媒体を狭持可能な第一部材及び第二部材と、前記第二部材を前記第一部材に向けて押圧する押圧部材と、を備えており、第一部材と、押圧部材により押圧された第二部材と、が狭持する媒体上の現像剤像を定着する。
上記の画像形成装置内において、媒体が定着ユニットの第一部材と第二部材との間を通過する際に、媒体が詰まってしまうことがある。この詰まった媒体を取り除くため、画像形成装置には、開閉可能なカバーが設けられている。そして、ユーザ等は、このカバーを開けて、画像形成装置内に詰まった媒体を取り除く。
しかし、ユーザがカバーを開けても、第二部材が押圧部材により第一部材に向けて押圧されている状態では、媒体が第一部材と第二部材に挟持されているので、画像形成装置内に詰まった媒体を取り除くことが困難である。そこで、画像形成装置は、カバーと定着ユニットとを連結し、前記カバーの開く動作に連動して前記押圧部材による押圧を解除する連結部材を有する。これにより、カバーを開けることによって、押圧部材による第二部材への押圧が解除され、詰まった媒体を取り除くことが容易になる。
特開2003−287973号公報
ところで、押圧部材による第二部材への押圧は、カバーが全開になる前に解除されることが望ましい。なぜなら、カバーが全開になる前の半開きの状態で、ユーザ等が詰まった媒体を取り除こうとすることがあるからである。
一方、連結部材が押圧部材による第二部材への押圧を解除する際には、押圧部材の押圧力が抵抗となり、カバーを開く方向に対して抵抗がかかり、カバーが勢いよく開くことを防止している。しかし、カバーが全開になる前に前記押圧が解除されると、前記押圧の解除後にカバーが開く動作に対して上記の抵抗が作用しなくなり、カバーが勢いよく開くことがある。カバーが勢いよく開くと、画像形成装置へ作用される衝撃が大きくなり、他の部品等に悪影響を及ぼす恐れがある。そのため、カバーが開く際の画像形成装置への衝撃を抑えることが望ましい。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザ等が詰まった媒体を取り除き易い画像形成装置を実現し、かつ、カバーが開く際の画像形成装置への衝撃を抑えることである。
前記課題を解決するために、主たる本発明は、開閉可能なカバーと、媒体を狭持可能な第一部材及び第二部材と、前記第二部材を前記第一部材に向けて押圧する押圧部材と、を備え、前記カバーが閉じている状態で、前記第一部材と、前記押圧部材により押圧された第二部材と、が狭持する媒体上の現像剤像を定着するための定着ユニットと、前記カバーと前記定着ユニットとを連結するための連結部材であって、前記カバーの開く動作に連動して前記押圧部材による押圧を解除するための押圧解除部と、前記押圧が解除された後の前記カバーの開く動作に連動して前記押圧解除部に対して摺動する摺動部と、を備えた連結部材と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により少なくとも次のことが明らかにされる。
開閉可能なカバーと、媒体を狭持可能な第一部材及び第二部材と、前記第二部材を前記第一部材に向けて押圧する押圧部材と、を備え、前記カバーが閉じている状態で、前記第一部材と、前記押圧部材により押圧された第二部材と、が狭持する媒体上の現像剤像を定着するための定着ユニットと、前記カバーと前記定着ユニットとを連結するための連結部材であって、前記カバーの開く動作に連動して前記押圧部材による押圧を解除するための押圧解除部と、前記押圧が解除された後の前記カバーの開く動作に連動して前記押圧解除部に対して摺動する摺動部と、を備えた連結部材と、を有することを特徴とする画像形成装置。
このような画像形成装置によれば、ユーザ等が詰まった媒体を取り除き易い画像形成装置を実現することが可能となり、かつ、カバーが開く際の画像形成装置への衝撃を抑えることが可能となる。
また、かかる画像形成装置であって、前記第一部材及び前記第二部材は、回転可能なローラであることとしてもよい。
かかる場合には、定着性を向上させるために、押圧部材による第二部材への押圧力を大きくすることが望ましい。一方、この押圧力が大きいと、画像形成装置に詰まった媒体を取り除くために、押圧部材による押圧を解除する必要性がより高まる。そのため、画像形成装置が上記の押圧解除部を有する場合には、ユーザ等が詰まった媒体を取り除き易い画像形成装置を実現するという効果が、より有効に奏される。
また、かかる画像形成装置であって、前記押圧部材は、ばねであることとしてもよい。
かかる場合には、押圧力を調整しやすいので、押圧部材が、適切な押圧力にて第二部材を押圧することが可能となる。
また、かかる画像形成装置であって、前記押圧解除部は、複数のリンクが連結して構成されており、前記リンクの各々は、回動可能であることとしてもよい。
また、かかる画像形成装置であって、前記摺動部は、金属製であることとしてもよい。
かかる場合には、摺動部が摺動する際の摩擦が大きくなり、カバーが開く際のブレーキ効果がより発揮される。そのため、摺動部が金属製である場合には、より有効に、カバーが開く際の画像形成装置への衝撃を抑えることが可能となる。
また、かかる画像形成装置であって、前記連結部材の数は、2つであることとしてもよい。
かかる場合には、安定してカバーを支えることができるから、より有効に、カバーが開く際の画像形成装置への衝撃を抑えることが可能となる。
また、かかる画像形成装置であって、前記カバーは、媒体を搬送するための媒体搬送機構を備えていることとしてもよい。
かかる場合には、カバーの自重が大きくなる。そして、大きくなった自重がカバーを開く方向に作用するから、カバーがさらに勢いよく開く可能性が高まる。そのため、カバーが媒体搬送機構を備えている場合には、カバーが開く際の画像形成装置への衝撃を抑えるという効果が、より有効に奏される。
また、かかる画像形成装置であって、前記カバーは、その鉛直下方に画像形成装置本体に支持されている連結部を備えており、該連結部を支点として開閉することとしてもよい。
かかる場合には、重力の作用によりカバーがさらに勢いよく開く可能性があり、画像形成装置へ作用される衝撃が大きくなる恐れがある。そのため、カバーが、鉛直下方に連結部を備えて、該連結部を支点として開閉する場合には、カバーが開く際の画像形成装置への衝撃を抑えるという効果が、より有効に奏される。
また、かかる画像形成装置であって、前記押圧解除部に対して前記摺動部が摺動する量は、前記カバーが閉じた状態から前記押圧部材による押圧が解除されるまでの間よりも、前記押圧部材による押圧が解除されてから前記カバーが全開するまでの間の方が多いこととしてもよい。
かかる場合には、押圧解除による押圧が解除されるまでの間に、摺動部の摺動による抵抗を受けなくて済み、カバーをスムーズに開くことが可能となる。
また、開閉可能なカバーと、媒体を狭持可能な第一部材及び第二部材と、前記第二部材を前記第一部材に向けて押圧する押圧部材と、を備え、前記カバーが閉じている状態で、前記第一部材と、前記押圧部材により押圧された第二部材と、が狭持する媒体上の現像剤像を定着するための定着ユニットと、前記カバーと前記定着ユニットとを連結するための連結部材であって、前記カバーの開く動作に連動して前記押圧部材による押圧を解除するための押圧解除部と、前記押圧が解除された後の前記カバーの開く動作に連動して前記押圧解除部に対して摺動する摺動部と、を備えた連結部材と、を有し、前記第一部材及び前記第二部材は、回転可能なローラであり、前記押圧部材は、ばねであり、前記押圧解除部は、複数のリンクが連結して構成されており、前記リンクの各々は、回動可能であり、前記摺動部は、金属製であり、前記連結部材の数は、2つであり、前記カバーは、媒体を搬送するための媒体搬送機構を備えており、前記カバーは、その鉛直下方に画像形成装置本体に支持されている連結部を備えており、該連結部を支点として開閉し、前記押圧解除部に対して前記摺動部が摺動する量は、前記カバーが閉じた状態から前記押圧部材による押圧が解除されるまでの間よりも、前記押圧部材による押圧が解除されてから前記カバーが全開するまでの間の方が多いことを特徴とする画像形成装置。
このような画像形成装置によれば、ユーザ等が詰まった媒体を取り除き易い画像形成装置を実現することが可能となり、かつ、カバーが開く際の画像形成装置への衝撃を抑えることが可能という効果、が最も有効に奏される。
また、コンピュータ、及び、このコンピュータに接続可能な画像形成装置であって、開閉可能なカバーと、媒体を狭持可能な第一部材及び第二部材と、前記第二部材を前記第一部材に向けて押圧する押圧部材と、を備え、前記カバーが閉じている状態で、前記第一部材と、前記押圧部材により押圧された第二部材と、が狭持する媒体上の現像剤像を定着するための定着ユニットと、前記カバーと前記定着ユニットとを連結するための連結部材であって、前記カバーが開く際に前記押圧部材による押圧を解除するための押圧解除部と、前記押圧が解除された後に前記押圧解除部に対して摺動する摺動部と、を備えた連結部材と、を有する画像形成装置、を具備したことを特徴とする画像形成システム。
このような画像形成システムによれば、ユーザ等が詰まった媒体を取り除き易い画像形成装置を実現することが可能となり、かつ、カバーが開く際の画像形成装置への衝撃を抑えることが可能となるから、従来よりも優れた画像形成システムを実現することが可能となる。
===画像形成装置の概要===
次に、図1及び図2を用いて、画像形成装置としてレーザビームプリンタ(以下、プリンタともいう)10を例にとって、その概要について説明する。図1は、プリンタ10を示した斜視図である。図2は、プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。なお、図1及び図2には、矢印にて上下方向を示しており、例えば、給紙トレイ92は、プリンタ10の下部に配置されており、定着器90は、プリンタ10の上部に配置されている。
本実施の形態に係るプリンタ10は、図2に示すように、感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、現像器保持ユニット50、一次転写ユニット60、中間転写体70、クリーニングユニット75を有し、さらに、二次転写ユニット80、定着ユニットの一例としての定着器90、開閉可能なカバーの一例としての側面カバー15、ユーザへの報知手段をなし液晶パネルでなる表示ユニット95、及び、これらのユニット等を制御しプリンタとしての動作を司る制御ユニット100を有している。
感光体20は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図2中の矢印で示すように時計回りに回転する。
帯電ユニット30は、感光体20を帯電するための装置であり、露光ユニット40は、レーザを照射することによって帯電された感光体20上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20上に照射する。
現像器保持ユニット50は、感光体20上に形成された潜像を、現像器に収容された現像剤の一例としてのトナー、すなわち、ブラック現像器51に収容されたブラック(K)トナー、マゼンタ現像器53に収容されたマゼンタ(M)トナー、シアン現像器52に収容されたシアン(C)トナー、及び、イエロー現像器54に収容されたイエロー(Y)トナーを用いて現像するための装置である。
この現像器保持ユニット50は、前記4つの現像器51、52、53、54が装着された状態で回転することにより、前記4つの現像器51、52、53、54の位置を動かすことを可能としている。すなわち、この現像器保持ユニット50は、前記4つの現像器51、52、53、54を4つの着脱部50a、50b、50c、50dにより保持しており、前記4つの現像器51、52、53、54は、回転軸50eを中心として、それらの相対位置を維持したまま回転可能となっている。そして、1ページ分の画像形成が終了する毎に選択的に感光体20に対向し、それぞれの現像器51、52、53、54に収容されたトナーにて、感光体20上に形成された潜像を順次現像する。なお、前述した4つの現像器51,52,53,54の各々は、現像器保持ユニット50の前記着脱部に対して着脱可能となっている。
一次転写ユニット60は、感光体20に形成された単色トナー像を中間転写体70に転写するための装置であり、4色のトナーが順次重ねて転写されると、中間転写体70にフルカラートナー像が形成される。この中間転写体70は、PETフィルムの表面にアルミ蒸着層を設けさらにその表層に半導電塗料を形成、積層したエンドレスのベルトであり、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を紙、フィルム、布等の媒体に転写するための装置である。
定着器90は、媒体上に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を媒体に融着させて永久像とするための装置である。なお、定着器90の詳細な構成については後述する。
クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間に設けられ、感光体20の表面に当接されたゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
側面カバー15は、図1に示すように、プリンタ本体10aの右側面に設けられている。側面カバー15は、図2に示すように、その鉛直下方に、プリンタ本体10aに支持されている連結部の一例としての連結軸15aを備えており、該連結軸15aを支点として開閉する。側面カバー15が閉じられた状態にて、プリンタ10は画像の形成を行うことが可能となっている。一方、側面カバー15が開いた状態にて、ユーザ等が、プリンタ10内に詰まった媒体(定着器90周辺にて詰まった媒体)を取り除くことが可能となっている。この側面カバー15は、その鉛直上方に摘み部15bを備えており、ユーザ等は、該摘み部15bを摘んで側面カバー15を開閉する。
側面カバー15には、図2に示すように、一対のレジローラ96のうちの片方のレジローラが支持されている。また、側面カバー15には、この片方のレジローラ96の回転させるためのモータ(不図示)と、媒体を搬送する際のガイドとなるガイド板とが設けられている。なお、レジローラ96、モータ、ガイド板が、「媒体搬送機構」の一例である。
上記の構成の側面カバー15は、第一アーム610及び第二アーム620を介して、定着器90と連結可能である。なお、第一アーム610及び第二アーム620の詳細については、後述する。
制御ユニット100は、図3に示すようにコントローラ部101と、ユニット制御部102とで構成され、コントローラ部101には画像信号及び制御信号が入力され、この画像信号及び制御信号に基づく指令に応じてユニット制御部102が前記各ユニット等を制御して画像を形成する。
次に、このように構成されたプリンタ10の動作について説明する。
まず、不図示のホストコンピュータからの画像信号及び制御信号がインターフェイス(I/F)112を介してプリンタ10のコントローラ部101に入力されると、このコントローラ部101からの指令に基づくユニット制御部102の制御により感光体20、現像ローラ、及び、中間転写体70が回転する。感光体20は、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30により順次帯電される。
感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。また、現像器保持ユニット50は、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像器54が、感光体20に対向した現像位置に位置している。感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像器54によってイエロートナーで現像される。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。
感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体70に転写される。この際、一次転写ユニット60には、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧が印加される。なお、この間、感光体20と中間転写体70とは接触しており、また、二次転写ユニット80は、中間転写体70から離間している。
上記の処理が、第2色目、第3色目、及び、第4色目について、各々の現像器毎に順次実行されることにより、各画像信号に対応した4色のトナー像が、中間転写体70に重なり合って転写される。これにより、中間転写体70上にはフルカラートナー像が形成される。
中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体70の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって媒体に転写される。なお、媒体は、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96を介して二次転写ユニット80へ搬送される。また、転写動作を行う際、二次転写ユニット80は中間転写体70に押圧されるとともに二次転写電圧が印加される。
媒体に転写されたフルカラートナー像は、定着器90によって加熱加圧されて媒体に融着される。一方、感光体20は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット75に支持されたクリーニングブレード76によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、クリーニングユニット75が備える残存トナー回収部に回収される。
===制御ユニットの概要===
次に、制御ユニット100の構成について図3を参照しつつ説明する。図3は、制御ユニット100を示したブロック図である。制御ユニット100のコントローラ部101は、インターフェイス112を介してホストコンピュータと接続され、このホストコンピュータから入力された画像信号を記憶するための画像メモリ113を備えている。ユニット制御部102は、装置本体の各ユニット(帯電ユニット30、露光ユニット40、現像器保持ユニット50、一次転写ユニット60、クリーニングユニット75、二次転写ユニット80、定着器90、表示ユニット95)と電気的に接続され、それらが備えるセンサからの信号を受信することによって、各ユニットの状態を検出しつつ、コントローラ部101から入力される信号に基づいて、各ユニットを制御する。
===定着器の構成===
次に、図4、図5A、及び、図5Bを用いて、媒体上のトナー像を定着する定着器90の概要について説明する。図4は、定着器90を示した斜視図である。図5Aは、加圧ローラ930が定着ローラ920に向けて押圧されている状態での、定着器90を示した図である。図5Bは、加圧ローラ930が定着ローラ920から離間している状態での、定着器90を示した図である。なお、加圧ローラ930が定着ローラ920に向けて押圧されている状態にて、定着器90は媒体上のトナー像を定着する。一方、ユーザ等が、定着ローラ920と加圧ローラ930との間に挟まれた状態にて詰まった媒体、を取り除くために、加圧ローラ930を定着ローラ920から離間させている。
定着器90は、フレーム910と、第一部材の一例としての定着ローラ920と、第二部材の一例としての加圧ローラ930と、加圧レバー940a、940bと、押圧部材の一例としての引っ張りばね960と、を有している。
定着ローラ920は、その表面が熱された状態にて、媒体上に転写されたトナー像を加熱して媒体に融着させる。この定着ローラ920は、内部に、該定着ローラ920の表面を熱するためのヒータを備えている。また、図4に示すように、定着ローラ920は、長手方向の両端にて、フレーム910に軸受けを介して回転可能に支持されている。
加圧ローラ930は、定着ローラ920に向けて押圧された状態にて、媒体上に転写されたトナー像を加圧する。また、加圧ローラ930は、定着ローラ920に向けて押圧された状態にて、該定着ローラ920とともに、トナー像が転写された媒体を狭持する。なお、図5Aに示すように、定着ローラ920と加圧ローラ930とが媒体を狭持していない場合には、加圧ローラ930が定着ローラ920に圧接されている。この加圧ローラ930も、長手方向の両端にて、フレーム910に軸受を介して回転可能に支持されている。定着ローラ920と加圧ローラ930が媒体を挟持した状態で回転すると、転写されたトナー像が媒体に定着しながら、媒体が搬送される。
加圧レバー940a、940bは、把持部941を備えている。この把持部941は、加圧ローラ930を回転可能に把持する。また、加圧レバー940a、940bは、図4に示す長手方向の両端に設けられている。この加圧レバー940a、940bは、フレーム910に設けられたフレーム軸911(図4)により回転可能に支持されている。つまり、加圧レバー940a、940bは、フレーム910に対して、フレーム軸911を中心に回転可能である。
引っ張りばね960は、その一端側がフレーム910のばね掛け部912に支持され、他端側が加圧レバー940a、940bのばね掛け部942に支持されている。この引っ張りばね960は、加圧レバー940a、940bのばね掛け部942をフレーム910のばね掛け部912へ引き寄せるように、引っ張り力を作用させる。この引っ張りばね960の張力によって、加圧ローラ930を把持している加圧レバー940a、940bを、フレーム軸911を支点として回転させる。例えば、図5Aに示すように、加圧ローラ930を把持している加圧レバー940a、940bが図5Aに示す時計方向へ回転した場合(すなわち、加圧ローラ930が定着ローラ920に向けて押圧されている場合)には、加圧ローラ930が定着ローラ920に圧接されている。このように、引っ張りばね960は、加圧ローラ930を定着ローラ920に向けて押圧する。
なお、第一アーム610及び第二アーム620の押圧解除部(後述)によって、加圧ローラ930を把持している加圧レバー940a、940bが図5Aに示す反時計方向に回転した場合(すなわち、引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧が解除される場合)には、図5Bに示すように加圧ローラ930が定着ローラ920から離間した状態となる。
上記の構成の定着器90は、側面カバー15が閉じている状態で、定着ローラ920と、引っ張りばね960により押圧された加圧ローラ930と、が狭持する媒体上のトナー像を定着する。
===連結部材の概要===
次に、連結部材について説明する。連結部材は、側面カバー15と定着器90とを連結し、側面カバー15の開閉動作と連動して動作する。そして、連結部材は、側面カバー15が閉じる際に、加圧ローラ930を定着ローラ920に向けて押圧させ、側面カバー15が開く際に、加圧ローラ930を定着ローラ920から離間させる。本実施形態において、プリンタ10は、連結部材として、第一アーム610と第二アーム620との2つを備えている。第一アーム610は、プリンタ10の右前側(図1参照)に設けられており、第二アーム620は、プリンタ10の右後側(図1参照)に設けられている。なお、第一アーム610の構成及び動作と第二アーム620の構成及び動作とが異なるので、以下において、第一アーム610の構成及び動作と第二アーム620の構成及び動作について説明する。
<<<第一アーム610の構成>>>
第一アーム610の構成について、図6〜図8を用いて説明する。図6は、側面カバー15が閉じている際の、第一アーム610等を示した図である。図7は、引っ張りばねによる押圧が解除された際の、第一アーム610等を示した図である。図8は、側面カバー15が全開している際の、第一アーム610等を示した図である。なお、図6〜図8は、プリンタ10の前側(図1参照)から見た図である。
第一アーム610は、側面カバー15に作用する力を定着器90の加圧レバー940aに伝達する。この第一アーム610は、プリンタ本体10aのフレーム(不図示)に固定されている固定部材611と、第一レバー当接部材612と、レバー側部材613と、カバー側部材614と、摺動部としての第一スライド部材615と、を備えている。
第一レバー当接部材612は、プリンタ本体10aのフレーム(不図示)に固定された固定部材611に対して、軸A612aを中心として回転可能に支持されている。この第一レバー当接部材612の一端側には、加圧レバー940aに当接可能な第一レバー当接部612bが設けられている。また、第一レバー当接部材612の他端側には、カム部612cが形成されている。
レバー側部材613は、プリンタ本体10aのフレーム(不図示)に固定された軸B613aに回転可能に支持されている。レバー側部材613の一端側には、カム部612cと当接するカム当接部613bが設けられている。レバー側部材613の他端側には、平面から構成されるカム当接部613cが設けられている。
カバー側部材614は、プリンタ本体10aのフレーム(不図示)に固定された軸C614aに回転可能に支持されている。カバー側部材614の一端側には、ローラから構成されるカム部614bが形成されており、該カム部614bは、レバー側部材613のカム当接部613bと当接している。また、カバー側部材614の他端側には、第一被スライド部614cが設けられている。
第一スライド部材615は、第一被スライド部614cに対して摺動しながらスライドする。この第一スライド部材615は、第一被スライド部614cに対して所定方向(以下、「スライド方向」と呼ぶ。)のみにスライドするように、該第一被スライド部614cによって移動を規制されている。このため、第一スライド部材615がスライド方向に沿った外力を受けると、第一スライド部材615は、第一被スライド部614cに対して摺動する。一方、第一スライド部材615がスライド方向と直交する方向の外力を受けると、第一スライド部材615は、第一被スライド部614cに対して摺動せず、その外力を第一被スライド部614cに伝達する。また、第一スライド部材615は、側面カバー15に支持されている軸D615aに回転可能に連結されている。なお、第一スライド部材615及び第一被スライド部614cは、金属製である。
このような第一アーム610において、「押圧解除部」は、複数のリンク、すなわち、第一レバー当接部材612、レバー側部材613、及び、カバー側部材614、が連結して構成されている。また、上述したように、各々のリンク、すなわち、第一レバー当接部材612、レバー側部材613、及び、カバー側部材614は、側面カバー15が開閉する際に回転可能である。なお、側面カバー15が開閉する際に、軸A612a、軸B613a、及び、軸C614aは、それぞれプリンタ本体10aに固定されているので、移動しない。これに対し、軸D615aは、側面カバー15に支持されているので、側面カバー15の開閉に伴って移動することになる。
<<<側面カバー15が開く際の第一アーム610の動作>>>
ユーザ等が、プリンタ10内に詰まった媒体を取り除くために、側面カバー15を開くと、まず、第一アーム610の押圧解除部材が、側面カバー15の開く動作と連動して、引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧を解除する。そして、引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧が解除された後、側面カバー15の開く動作に連動して、第一スライド部材615が押圧解除部に対して摺動する。以下、側面カバー15が開く際の第一アーム610の動作について、図6〜図8を用いて説明する。
[1.閉じている側面カバーを開け始めたときの動作]
図6に示すように、側面カバー15が閉じている状態では、第一アーム610(第一レバー当接部材612と、レバー側部材613と、カバー側部材614と、第一スライド部材615)が、コンパクトに折りたたまれている。かかる状態では、第一レバー当接部材612の第一レバー当接部612bは、加圧レバー940aに当接していない(当接しているとしても、軽く当接している)。そのため、加圧ローラ930を把持している加圧レバー940aのばね掛け部942が、引っ張りばね960によって、フレーム910のばね掛け部912へ向かって引っ張られている。そして、図6に示すように、引っ張りばね960の引っ張り力によって、加圧ローラ930が定着ローラ920に圧接された状態となっている。
プリンタ10の右側面(図1参照)に立っているユーザ等が、閉じている側面カバー15の摘み部15bを手前に引くことによって、側面カバー15が連結軸15aを中心として回転する。側面カバー15の時計方向(図6にて矢印の示す方向)への回転に伴い、側面カバー15に支持されている軸D615aが、連結軸15aを中心として、移動する。
軸D615aが移動する方向は、連結軸15aと軸D615aとを結ぶ仮想線に対して直交する方向であり、図6における矢印Nの方向である。つまり、側面カバー15が閉じた状態から開き始めたとき、第一スライド部材615は、側面カバー15から軸D615を介して、図6に示される外力Nを受ける。
ここで、図6に示すように、外力Nのうち、スライド方向に沿った力の成分をN1とし、スライド方向と直交する方向に沿った力の成分をN2とする。力N1は、第一スライド部材615を第一被スライド部614cに対して摺動させる方向の力になる。一方、力N2は、第一被スライド部614cが第一スライド部材615の移動を規制している方向の力なので、第一スライド部材615が第一被スライド部614cへ力を伝達できる方向の力になる。
図6に示すように、側面カバー15が閉じた状態では、連結軸15aと軸D615aとを結ぶ仮想線がスライド方向とほぼ平行になるように、各構成要素(連結軸15a、軸D615a、第一スライド部材615及び第一被スライド部614c)が配置されている。このため、第一スライド部材615に作用する外力Nの方向は、スライド方向とほぼ直交する方向になり、外力Nの大部分が力N2になり、力N1は力N2に対して非常に小さくなる。つまり、側面カバー15を開け始めた状態で第一スライド部材615が外力Nを受けると、第一スライド部材615は、第一被スライド部614cに対してほとんど摺動せず、その外力を第一被スライド部614cに伝達する。
第一被スライド部614cを有するカバー側部材614は、軸C614aにより、回転可能に支持されている。このため、第一被スライド部614cが第一スライド部材615から力N2を受けると、その力は、軸C614aを中心にして、図6における反時計方向にカバー側部材614を回転させる力になる。カバー側部材614が反時計方向へ回転する力を受けると、この力は、カム部614bを介して、レバー側部材613に伝達される。
レバー側部材613は、平面から構成されるカム当接部613cによって、カバー側部材614のカム部614bから力を受ける。このため、レバー側部材613は、カム当接部613cの平面に垂直な方向の力を、カバー側部材614から受けることになる。一方、レバー側部材613は、軸B613aにより、回転可能に支持されている。このため、レバー側部材613がカバー側部材614から受けた力は、軸B613aを中心にして、図6における時計方向にレバー側部材613を回転させる力になる。レバー側部材613が時計方向へ回転する力を受けると、この力は、カム部612cを介して、第一レバー当接部材612に伝達される。
第一レバー当接部材612は、軸A612aにより、回転可能に支持されている。このため、第一レバー当接部材612がレバー側部材613から力を受けると、図6における時計方向に回転する。
以上の説明から分かるとおり、ユーザが閉じている側面カバー15を開くと、側面カバー15の動きに連動して、図6における反時計方向にカバー側部材614が回転し、第一レバー当接部材612が時計方向に回転する。そして、側面カバー15が開き始めてすぐに、第一レバー当接部材612の第一レバー当接部612bが、加圧レバー940aに当接する。
[2.第一レバー当接部612bが加圧レバー940aに当接した後の動作]
加圧レバー940aは、引っ張りばね960の張力により、図6における矢印とは逆方向の時計方向へ回転する力を受けている。この力は、第一レバー当接部材612とレバー側部材613を介して、カバー側部材614を、図6における矢印とは反対方向の時計方向へ回転させる力になる。カバー側部材614を時計方向へ回転させる力は、第一スライド部材615を介して、側面カバー15に支持されている軸D615aに伝達される。
側面カバー15が第一スライド部材615を介して受ける力は、第一スライド部材615のスライド方向と直交する方向の力である。一方、側面カバー15の開き始めでは、連結軸15aと軸D615aとを結ぶ仮想線がスライド方向とほぼ平行になっている。このため、側面カバー15が第一スライド部材615を介して受ける力は、連結軸15aを中心に側面カバー15を回転させる力になる。
つまり、第一レバー当接部612bが加圧レバー940aに当接した後、引っ張りばね960の張力が、側面カバー15まで伝達される。また、側面カバー15の開き始めにおいては、引っ張りばね960の張力は、側面カバー15を閉じる方向の力として、側面カバー15に作用する。
したがって、第一レバー当接部612bが加圧レバー940aに当接した後、さらにユーザが側面カバー15を開くときには、側面カバー15を開く方向に対して、引っ張りばね960の張力による抵抗を受けることになる。また、側面カバー15の自重Gは側面カバー15を開く方向へ作用するが、側面カバー15が小さく開いた状態では、側面カバー15の自重Gによる作用力は小さい。このため、仮に、この時点でユーザが側面カバー15から手を離しても、側面カバー15が勢いよく開くことはない。
そして、引っ張りばね960の張力に反発して、側面カバー15が更に開かれると、第一レバー当接部612bが加圧レバー940aを押す力が、引っ張りばね960の引っ張り力より大きくなり、加圧レバー940aが、フレーム軸911を中心として反時計方向(図6にて矢印の示す方向)に回転する。そして、加圧ローラ930を把持している加圧レバー940aが図7に示した状態まで回転すると、加圧ローラ930が定着ローラ920から離間する。すなわち、引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧が解除される。
なお、第一レバー当接部612bが加圧レバー940aに当接してから、引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧が解除されるまでの間、第一スライド部材615は、第一被スライド部614cに対して、ほとんど摺動していない。このため、側面カバー15を開くとき、ユーザは、引っ張りばね960の張力の抵抗は受けるが、第一スライド部材615が摺動する際に生じる抵抗は受けなくて済む。
[3.加圧ローラ930への押圧解除後の動作]
側面カバー15の開き始めでは、連結軸15aと軸D615aとを結ぶ仮想線がスライド方向とほぼ平行になっている。しかし、側面カバー15を開くと、側面カバー15の動きに連動して、カバー側部材614が回転し、カバー側部材614と連結軸15aとの相対位置が変化する。この結果、引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧が解除されたとき、図7に示すように、スライド方向は、連結軸15aと軸D615aとを結ぶ仮想線に対して、もはや平行ではなくなっている。
そして、図7に示すように、連結軸15aと軸D615aとを結ぶ仮想線に対してスライド方向が大きな角度で交差している状態では、図6に示すような状態とは異なり、カバー側部材614を時計方向に回転させる力は、側面カバー15を閉じる方向の力として側面カバー15に作用しにくい。なぜなら、側面カバー15が第一スライド部材615を介して受ける力は、第一スライド部材615のスライド方向と直交する方向の力であり、この力のうち、連結軸15aと軸D615aとを結ぶ仮想線と平行な方向の成分は、側面カバー15を閉じる方向の力として側面カバー15に作用しないからである。このため、引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧が解除された後では、引っ張りばね960による張力は、側面カバー15を閉じる方向の力に成り難い。
一方、引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧が解除されたとき、側面カバー15の開き始めのときよりも側面カバー15が大きく開いているので、側面カバー15の自重Gは、側面カバーを開く方向へ大きく作用する。そして、側面カバー15の自重Gによる作用は、側面カバー15が大きく開くとともに、大きくなる。
このため、引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧が解除された後、引っ張りばね960の張力に代わり、側面カバー15の開く動作に対して抵抗するものが必要となる。本実施形態では、第一スライド部材615が第一被スライド部614cに対して摺動する際の摩擦力が、側面カバー15の開く動作に対しての抵抗になる。
引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧が解除されたとき、側面カバー15が開くと、第一スライド部材615は、側面カバー15から軸D615aを介して、図7に示される外力Nを受ける。ここで、図7に示すように、外力Nのうち、スライド方向に沿った力の成分をN1とし、スライド方向と直交する方向に沿った力の成分をN2とする。
引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧が解除された後は、側面カバー15の開き始めのとき(図6参照)と比較すると、スライド方向に沿った力の成分N1が大きくなり、スライド方向と直交する方向に沿った力の成分N2が小さくなっている(図7参照)。このことは、側面カバー15が開いた状態では、側面カバー15を開く方向の力は、第一スライド部材615を第一被スライド部614cに対して摺動させる力となり、カバー側部材614を回転させる力には成り難いことを示している。
そのため、側面カバー15が図7に示された状態から図8に示された状態まで開く過程において、側面カバー15が開く動作に連動して、第一スライド部材615が第一被スライド部614cに対して摺動しながらスライドする。ここで、第一スライド部材615が摺動する際の摩擦力による抵抗は、軸D615aを介して側面カバー15に作用する。言い換えると、側面カバー15は、軸D615aを介して、第一スライド部材615が摺動する際の摩擦力による抵抗力をスライド方向に受ける。
軸D615aにおけるスライド方向の力は、連結軸15aと軸D615aとを結ぶ仮想線に対してスライド方向が大きな角度で交差している状態(図7及び図8参照)では、側面カバー15が開く動作に対しての抵抗になる。このため、仮に、引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧が解除された後でユーザが側面カバー15から手を離しても、第一スライド部材615がゆっくりとスライドし、側面カバー15が勢いよく開くことはない。
<<<第二アーム620の構成>>>
第二アーム620の構成について、図9〜図11を用いて説明する。図9は、側面カバー15が閉じている際の、第二アーム620等を示した図である。図10は、引っ張りばねによる押圧が解除された際の、第二アーム620等を示した図である。図11は、側面カバー15が全開している際の、第二アーム620等を示した図である。なお、図9〜図11は、プリンタ10の後側(図1参照)から見た図である。
第二アーム620は、側面カバー15に作用する力を定着器90の加圧レバー940bに伝達する。この第二アーム620は、プリンタ本体10aのフレーム(不図示)に固定されている固定部材621と、第二レバー当接部材622と、中間部材623と、摺動部としての第二スライド部材624と、を備えている。
第二レバー当接部材622は、プリンタ本体10aのフレーム(不図示)に固定された固定部材621に対して、軸F622aを中心として回転可能に支持されている。この第二レバー当接部材622の一端側には、加圧レバー940bに当接可能な第二レバー当接部622bが設けられている。また、第二レバー当接部材622は、その他端側にて、軸G623aに回転可能に連結されている。
中間部材623は、その一端側にて、第二レバー当接部材622と連結している軸G623aに連結されている。このため、中間部材623は、第二レバー当接部材622に対して、軸G623aを中心に相対的に回転可能である。また、中間部材623は、その他端側にて、第二被スライド部623b(図11)が設けられている。

第二スライド部材624は、第二被スライド部623bに対して摺動しながらスライドする。この第二スライド部材624は、第二被スライド部623bに対して所定方向(以下、「スライド方向」と呼ぶ)のみにスライドするように、該第二被スライド部623bによって移動を規制されている。但し、第二スライド部材624と第二被スライド部623bとの間で働く静摩擦力によって、第二スライド部材624と第二被スライド部623bとの間でスライド方向の力を伝達することができる。また、第二スライド部材624は、側面カバー15に支持されている軸H624aに回転可能に連結されている。なお、第二スライド部材624及び第二被スライド部623bは、金属製である。
このような第二アーム620において、「押圧解除部」は、複数のリンク、すなわち、第二レバー当接部材622及び中間部材623、が連結して構成されている。また、上述したように、各々のリンク、すなわち、第二レバー当接部材622及び中間部材623は、側面カバー15が開閉する際に回転可能である。
なお、側面カバー15が開閉する際に、軸F622aは、プリンタ本体10aに固定されているので、移動しない。これに対し、軸H624aは、側面カバー15に支持されているので、側面カバー15の開閉に伴って移動することになる。また、軸G623aは、固定されていないので、側面カバー15の開閉に伴って移動可能である。
<<<側面カバー15が開く際の第二アーム620の動作>>>
ユーザ等が、プリンタ10内に詰まった媒体を取り除くために、側面カバー15を開くと、まず、第二アーム620の押圧解除部材が、側面カバー15の開く動作と連動して、引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧を解除する。そして、引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧が解除された後、側面カバー15の開く動作に連動して、第二スライド部材624が押圧解除部に対して摺動する。以下、側面カバー15が開く際の第二アーム620の動作について、図9〜図11を用いて説明する。
[1.閉じている側面カバーを開け始めたときの動作]
図9に示すように、側面カバー15が閉じている状態では、第二アーム620(第二レバー当接部材622と、中間部材623と、第二スライド部材624)が、コンパクトに折りたたまれている。かかる状態では、第二レバー当接部材622の第二レバー当接部622bは、加圧レバー940bに当接していない(当接しているとしても、軽く当接している)。そのため、加圧ローラ930を把持している加圧レバー940bのばね掛け部942が、引っ張りばね960によって、フレーム910のばね掛け部912へ向かって引っ張られている。そして、図9に示すように、引っ張りばね960の引っ張り力によって、加圧ローラ930が定着ローラ920に圧接された状態となっている。
プリンタ10の右側面(図1参照)に立っているユーザ等が、閉じている側面カバー15の摘み部15bを手前に引くことによって、側面カバー15が連結軸15aを中心として回転する。側面カバー15の反時計方向(図9にて矢印の示す方向)への回転に伴い、側面カバー15に支持されている軸H624aが、連結軸15aを中心として、移動する。
軸H624aの移動に伴って、軸H624aに連結された第二スライド部材624が移動する。この第二スライド部材624の移動に伴って、中間部材623が移動する。このとき、第二レバー当接部材622は、軸G623aを介して中間部材623からスライド方向の力を受け、軸F622aを中心として、図9における反時計方向に回転する。そして、側面カバー15が開き始めてすぐに、第二レバー当接部材622の第二レバー当接部622bが、加圧レバー940bに当接する。
[2.第二レバー当接部622bが加圧レバー940bに当接した後の動作]
第二レバー当接部材622の第二レバー当接部622bが加圧レバー940bに当接すると、引っ張りばね960の張力により、側面カバー15は、軸H624aにおいて第二スライド部材624からスライド方向の力を受ける(第二スライド部材624と第二被スライド部623bとの間の静摩擦力は、この力よりも大きい)。このため、引っ張りばねの張力は、側面カバー15を閉じる方向の力として、側面カバー15に作用する。
したがって、第二レバー当接部622bが加圧レバー940bに当接した後、さらにユーザが側面カバー15を開くときには、側面カバー15を開く方向に対して、引っ張りばね960の張力による抵抗を受けることになる。また、側面カバー15の自重Gは側面カバー15を開く方向へ作用するが、側面カバー15が小さく開いた状態では、側面カバー15の自重Gによる作用力は小さい。このため、仮に、この時点でユーザが側面カバー15から手を離しても、側面カバー15が勢いよく開くことはない。
そして、引っ張りばね960の張力に反発して、側面カバー15が更に開かれると、第二レバー当接部622bが加圧レバー940bを押す力が、引っ張りばね960の引っ張り力より大きくなり、加圧レバー940bが、フレーム軸911を中心として時計方向(図9にて矢印の示す方向)に回転する。そして、加圧ローラ930を把持している加圧レバー940aが図10に示した状態まで回転すると、加圧ローラ930が定着ローラ920から離間する。すなわち、引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧が解除される。
なお、第二レバー当接部622bが加圧レバー940bに当接してから、引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧が解除されるまでの間、第二スライド部材624は、第二被スライド部623bに対して、ほとんど摺動していない。
[3.加圧ローラ930への押圧解除後の動作]
加圧ローラ930への押圧が解除された後、更に側面カバー15を開くと、第二スライド部材624と第二被スライド部623bとの間に働く力が静摩擦力を超えるので、第二スライド部材624が、第二被スライド部623bに対して摺動する。このとき、第二スライド部材624と第二被スライド部623bとの間に動摩擦力が働く。本実施形態では、この動摩擦力が、側面カバー15の開く動作に対しての抵抗になる。
そのため、側面カバー15が図10に示された状態から図11に示された状態まで開く過程において、側面カバー15が開く動作に連動して、第二スライド部材624が第二被スライド部623bに対して摺動しながらスライドする。ここで、第二スライド部材624が摺動する際の動摩擦力による抵抗は、軸H624aを介して側面カバー15に作用する。言い換えると、側面カバー15は、軸H624aを介して、第二スライド部材624が摺動する際の摩擦力による抵抗力をスライド方向に受ける。
軸H624aにおけるスライド方向の力は、連結軸15aと軸H624aとを結ぶ仮想線に対してスライド方向が大きな角度で交差している状態(図10及び図11参照)では、側面カバー15が開く動作に対しての抵抗になる。このため、仮に、引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧が解除された後でユーザが側面カバー15から手を離しても、第二スライド部材624がゆっくりとスライドし、側面カバー15が勢いよく開くことはない。
なお、上記では、第一アーム610の動作と、第二アーム620の動作と、を別々に説明したが、側面カバー15が開く際には、第一アーム610と第二アーム620とが同じタイミングで動作を開始する。
===連結部材の働き===
上述したように、側面カバー15と定着器90とを連結する連結部材は、押圧解除部と、摺動部と、を備えている。これにより、ユーザ等が詰まった媒体を取り除き易いプリンタ10を実現することが可能となり、かつ、側面カバー15が開く際のプリンタ10への衝撃を抑えることが可能となる。以下において、詳細に説明する。
プリンタ10において、押圧部材(引っ張りばね960)による第二部材(加圧ローラ930)への押圧は、側面カバー15が全開になる前に解除されることが望ましい。なぜなら、側面カバー15が全開になる前の半開きの状態で、ユーザ等が詰まった媒体を取り除こうとすることがあるからである。
一方、連結部材が押圧部材(引っ張りばね960)による第二部材(加圧ローラ930)への押圧を解除する際には、押圧部材の押圧力が抵抗となり、側面カバー15を開く方向に対して抵抗がかかり、側面カバー15が勢いよく開くことを防止している。しかし、側面カバー15が全開になる前に前記押圧が解除されると、前記押圧の解除後に側面カバー15が開く動作に対して上記の抵抗が作用しなくなり、側面カバー15が勢いよく開くことがある。側面カバー15が勢いよく開くと、プリンタ10へ作用される衝撃が大きくなり、他の部品等に悪影響を及ぼす恐れがある。そのため、カバーが開く際のプリンタ10への衝撃を抑えることが望ましい。
そこで、本実施形態においては、連結部材(例えば、第一アーム610)が、側面カバー15の開く動作に連動して押圧部材(引っ張りばね960)による第二部材(加圧ローラ930)への押圧を解除するための押圧解除部(第一アーム610において、第一レバー当接部材612、レバー側部材613、及び、カバー側部材614)と、加圧ローラ930への押圧が解除された後の側面カバー15の開く動作に連動して前記押圧解除部に対して摺動する摺動部(第一アーム610において第一スライド部材615)と、を備えている(図8参照)。以下では、第一アーム610を用いて、具体的に説明する。
本実施形態の場合には、側面カバー15が全開になる前(プリンタ10内に詰まった媒体を取り除く前)に、押圧解除部(第一レバー当接部材612、レバー側部材613、及び、カバー側部材614)が、側面カバー15が開く動作に連動して、引っ張りばね960による加圧ローラ930への押圧を解除する。このように、側面カバー15が全開になる前に押圧部材による第二部材への押圧が解除されると、側面カバー15が半開きの状態でも媒体を取り除くことができるから、ユーザ等が詰まった媒体を取り除き易いプリンタ10を実現することが可能となる。
また、摺動部(第一スライド部材615)が、加圧ローラ930への加圧が解除された後の側面カバー15の開く動作に連動して、押圧解除部(第一被スライド部614c)に対して摺動する場合には、摺動部が摺動する際の摩擦力による抵抗力が、側面カバー15に作用する。そして、この力が、側面カバー15が開く動作に対しての抵抗になる。このため、加圧ローラ930への加圧が解除された後に、摺動部がゆっくりとスライドし、側面カバー15が勢いよく開くことが無く、プリンタ10への衝撃を抑えることが可能となる。
以上から、連結部材が押圧解除部と摺動部とを備えている場合には、ユーザ等が詰まった媒体を取り除き易いプリンタ10を実現することが可能となり、かつ、側面カバー15が開く際のプリンタ10への衝撃を抑えることが可能となる。
===その他の実施形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る画像形成装置等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
上記の実施形態において、プリンタ10(画像形成装置)は、開閉可能な側面カバー15(カバー)と、定着器90(定着ユニット)と、側面カバー15と定着器90とを連結するための連結部材(例えば、第一アーム610)と、を有することとした。そして、定着器90は、媒体を狭持可能な定着ローラ920(第一部材)及び加圧ローラ930(第二部材)と、加圧ローラ930を定着ローラ920に向けて押圧する引っ張りばね960(押圧部材)と、を備え、側面カバー15が閉じている状態で、定着ローラ920と、引っ張りばね960により押圧された加圧ローラ930と、が狭持する媒体上のトナー像(現像剤像)を定着することとした。また、連結部材は、側面カバー15の開く動作に連動して引っ張りばね960による押圧を解除するための押圧解除部(例えば、第一アーム610において、第一レバー当接部材612、レバー側部材613、及び、カバー側部材614)と、前記押圧が解除された後の側面カバー15の開く動作に連動して前記押圧解除部に対して摺動する摺動部(例えば、第一アーム610において、第一スライド部材615)と、を備えていることとした。
なお、上記実施の形態において、画像形成装置として中間転写型のフルカラーレーザビームプリンタを例にとって説明したが、本発明は、中間転写型以外のフルカラーレーザビームプリンタ、モノクロレーザビームプリンタ、複写機、ファクシミリなど、各種の画像形成装置に適用可能である。
なお、上記実施の形態において、ロータリー方式の現像器を備えた画像形成装置を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、タンデム方式の現像器を備えた画像形成装置にも、本発明を適用することができる。
なお、上記実施の形態において、像担持体である感光体は、円筒状の導電性基材の外周面に感光層を設けた構成として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ベルト状の導電性基材の表面に感光層を設けて構成した、いわゆる感光ベルトであってもよい。
なお、上記実施の形態において、第一部材(定着ローラ920)が、媒体上のトナー像を加熱することとして説明したが、第一部材がトナー像を加熱しないこととしてもよい。この場合には、第一部材と第二部材(加圧ローラ930)との圧力によって、トナー像を媒体に固着させる。ただし、第一部材がトナー像を加熱する場合には、迅速にトナー像を定着させることができるので、上記実施の形態の方がより望ましい。
さらに、上記実施の形態において、図5Aに示すように、第一部材及び第二部材は、回転可能なローラである(すなわち、第一部材が定着ローラ920で、第二部材が加圧ローラ930である)こととしたが、これに限定されるものではない。例えば、第一部材と第二部材の少なくとも一方は、回転可能なベルトであることとしてもよい。
ただし、第一部材が定着ローラ920で、かつ、第二部材が加圧ローラ930である場合には、定着性を向上させるために、押圧部材による加圧ローラ930への押圧力を大きくすることが望ましい。一方、この押圧力が大きいと、プリンタ10内に詰まった媒体を取り除くために、押圧部材による第二部材への押圧を解除する必要性がより高まる。そのため、プリンタ10が前述の押圧解除部を有する場合には、ユーザ等が詰まった媒体を取り除き易いプリンタ10を実現するという効果が、より有効に奏される。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
さらに、上記実施の形態において、図5Aに示すように、押圧部材は、ばねであることとしたが、これに限定されるものではない。
ただし、押圧部材がばねである場合には押圧力を調整しやすいので、押圧部材が適切な押圧力にて加圧ローラ930を押圧することが可能となる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
また、上記実施の形態において、ばねとして引っ張りばね960を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、圧縮ばね等を用いてもよい。
さらに、上記実施の形態において、図6及び図9に示すように、押圧解除部は、複数のリンク(第一アーム610においては、第一レバー当接部材612、レバー側部材613、及び、カバー側部材614、第二アーム620においては、第二レバー当接部材622、中間部材623)が連結して構成されており、前記リンクの各々は、回転可能であることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、押圧解除部は、一つの部材で構成されていることとしてもよい。
さらに、上記実施の形態において、図6及び図9に示すように、摺動部(第一アーム610においては第一スライド部材615、第二アーム620においては第二スライド部材624)は、金属製であることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、摺動部は樹脂製であることとしてもよい。
ただし、摺動部が金属製である場合には、摺動部が樹脂製である場合に比べて、該摺動部が摺動する際の摩擦力が大きくなり、側面カバー15が開く際のブレーキ効果がより発揮される。そのため、摺動部が金属製である場合には、より有効に、側面カバー15が開く際のプリンタ10への衝撃を抑えることが可能となる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
さらに、上記実施の形態において、図6及び図9に示すように、連結部材の数は、2つ(第一アーム610と第二アーム620)であることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、連結部材の数は、一つであることとしてもよい。
ただし、連結部材の数が2つである場合には、連結部材の数が一つの場合に比べて、側面カバー15を安定して支えることができるから、より有効に、側面カバー15が開く際のプリンタ10への衝撃を抑えることが可能となる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
さらに、上記実施の形態において、図2に示すように、側面カバー15は、媒体を搬送するための媒体搬送機構(レジローラ96、モータ、ガイド板)を備えていることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、側面カバー15は、媒体搬送機構を有さないこととしてもよい。
ただし、側面カバー15が媒体搬送機構を備えている場合には、側面カバー15の自重G(図7等参照)が大きくなる。そして、大きくなった自重Gが、側面カバー15を開く方向へ作用するから、側面カバー15がさらに勢いよく開く可能性が高まる。そのため、側面カバー15が媒体搬送機構を備えている場合には、側面カバー15が開く際のプリンタ10への衝撃を抑えるという効果、がより有効に奏される。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
さらに、上記実施の形態において、図2に示すように、側面カバー15は、その鉛直下方にプリンタ本体10a(画像形成装置本体)に支持されている連結軸15a(連結部)を備えており、連結軸15aを支点として開閉することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、側面カバー15は、鉛直上方に連結軸を備えていることとしてもよい。
ただし、側面カバー15が、鉛直下方に設けられた連結軸15aを支点として開閉する場合には、自重Gの作用により側面カバー15がさらに勢いよく開く可能性があり、プリンタ10へ作用される衝撃が大きくなる恐れがある。そのため、側面カバー15が、鉛直下方に連結軸15aを備えて、該連結軸15aを支点として開閉する場合には、側面カバー15が開く際のプリンタ10への衝撃を抑えるという効果、がより有効に奏される。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
さらに、上記実施の形態において、図6〜図8に示すように、押圧解除部に対して摺動部が摺動する量は、側面カバー15が閉じた状態から押圧部材による押圧が解除されるまでの間よりも、押圧部材による押圧が解除されてから側面カバー15が全開するまでの間の方が多いこととしたが、これに限定されるものではない。
ただし、上述の場合には、押圧解除による押圧が解除されるまでの間に、摺動部の摺動による抵抗を受けなくて済み、側面カバー15をスムーズに開くことが可能となる。従って、上記実施の形態の方がより望ましい。
===画像形成システム等の構成===
次に、本発明に係る実施の形態の一例である画像形成システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図12は、画像形成システムの外観構成を示した説明図である。画像形成システム700は、コンピュータ702と、表示装置704と、プリンタ10と、入力装置708と、読取装置710とを備えている。
コンピュータ702は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置704は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ10は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置708は、本実施形態ではキーボード708Aとマウス708Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置710は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置710AとCD−ROMドライブ装置710Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magneto Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
図13は、図12に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。コンピュータ702が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ802と、ハードディスクドライブユニット804等の外部メモリがさらに設けられている。
なお、以上の説明においては、プリンタ10が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710と接続されて画像形成システムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、画像形成システムが、コンピュータ702とプリンタ10から構成されても良く、画像形成システムが表示装置704、入力装置708及び読取装置710のいずれかを備えていなくても良い。
また、例えば、プリンタ10が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ10が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
このようにして実現された画像形成システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
プリンタ10を示した斜視図である。 プリンタ10の主要構成要素を示した図である。 制御ユニット100を示すブロック図である。 定着器90を示した斜視図である。 図5Aは、加圧ローラ930が定着ローラ920に向けて押圧されている状態での、定着器90を示した図である。図5Bは、加圧ローラ930が定着ローラ920から離間している状態での、定着器90を示した図である。 側面カバー15が閉じている際の、第一アーム610等を示した図である。 引っ張りばねによる押圧が解除された際の、第一アーム610等を示した図である。 側面カバー15が全開している際の、第一アーム610等を示した図である。 側面カバー15が閉じている際の、第二アーム620等を示した図である。 引っ張りばねによる押圧が解除された際の、第二アーム620等を示した図である。 側面カバー15が全開している際の、第二アーム620等を示した図である。 画像形成システムの外観構成を示した説明図である。 図12に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 プリンタ、10a プリンタ本体、
15 側面カバー、15a 連結軸、15b 摘み部、
20 感光体、30 帯電ユニット、40 露光ユニット、
50 現像器保持ユニット、
50a、50b、50c、50d 着脱部、50e 回転軸、
51 ブラック現像器、52 シアン現像器、53 マゼンタ現像器、
54 イエロー現像器、60 一次転写ユニット、70 中間転写体、
75 クリーニングユニット、76 クリーニングブレード、
80 二次転写ユニット、90 定着器、92 給紙トレイ、
94 給紙ローラ、95 表示ユニット、96 レジローラ、
100 制御ユニット、101 コントローラ部、
102 ユニット制御部、112 インターフェイス、113 画像メモリ、
610 第一アーム、611 固定部材、612 第一レバー当接部材、
612a 軸A、612b 第一レバー当接部、612c カム部、
613 レバー側部材、
613a 軸B、613b カム当接部、613c カム当接部、
614 カバー側部材、
614a 軸C、614b カム部、614c 第一被スライド部、
615 第一スライド部材、615a 軸D、
620 第二アーム、621 固定部材、
622 第二レバー当接部材、622a 軸F、622b 第二レバー当接部、
623 中間部材、623a 軸G、623b 第二被スライド部、
624 第二スライド部材、624a 軸H、
700 画像形成システム、702 コンピュータ、704 表示装置、
708 入力装置、708A キーボード、708B マウス、
710 読取装置、710A フレキシブルディスクドライブ装置、
710B CD−ROMドライブ装置、
802 内部メモリ、804 ハードディスクドライブユニット、
910 フレーム、911 フレーム軸、912 ばね掛け部、
920 定着ローラ、930 加圧ローラ、940 加圧レバー、
941 把持部、942 ばね掛け部、960 引っ張りばね、

Claims (11)

  1. 開閉可能なカバーと、
    媒体を狭持可能な第一部材及び第二部材と、前記第二部材を前記第一部材に向けて押圧する押圧部材と、を備え、前記カバーが閉じている状態で、前記第一部材と、前記押圧部材により押圧された第二部材と、が狭持する媒体上の現像剤像を定着するための定着ユニットと、
    前記カバーと前記定着ユニットとを連結するための連結部材であって、前記カバーの開く動作に連動して前記押圧部材による押圧を解除するための押圧解除部と、前記押圧が解除された後の前記カバーの開く動作に連動して前記押圧解除部に対して摺動する摺動部と、を備えた連結部材と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置であって、
    前記第一部材及び前記第二部材は、回転可能なローラであることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の画像形成装置であって、
    前記押圧部材は、ばねであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記押圧解除部は、複数のリンクが連結して構成されており、
    前記リンクの各々は、回転可能であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記摺動部は、金属製であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記連結部材の数は、2つであることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記カバーは、媒体を搬送するための媒体搬送機構を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記カバーは、その鉛直下方に画像形成装置本体に支持されている連結部を備えており、該連結部を支点として開閉することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記押圧解除部に対して前記摺動部が摺動する量は、
    前記カバーが閉じた状態から前記押圧部材による押圧が解除されるまでの間よりも、
    前記押圧部材による押圧が解除されてから前記カバーが全開するまでの間の方が多いことを特徴とする画像形成装置。
  10. 開閉可能なカバーと、
    媒体を狭持可能な第一部材及び第二部材と、前記第二部材を前記第一部材に向けて押圧する押圧部材と、を備え、前記カバーが閉じている状態で、前記第一部材と、前記押圧部材により押圧された第二部材と、が狭持する媒体上の現像剤像を定着するための定着ユニットと、
    前記カバーと前記定着ユニットとを連結するための連結部材であって、前記カバーの開く動作に連動して前記押圧部材による押圧を解除するための押圧解除部と、前記押圧が解除された後の前記カバーの開く動作に連動して前記押圧解除部に対して摺動する摺動部と、を備えた連結部材と、
    を有し、
    前記第一部材及び前記第二部材は、回転可能なローラであり、
    前記押圧部材は、ばねであり、
    前記押圧解除部は、複数のリンクが連結して構成されており、
    前記リンクの各々は、回転可能であり、
    前記摺動部は、金属製であり、
    前記連結部材の数は、2つであり、
    前記カバーは、媒体を搬送するための媒体搬送機構を備えており、
    前記カバーは、その鉛直下方に画像形成装置本体に支持されている連結部を備えており、該連結部を支点として開閉し、
    前記押圧解除部に対して前記摺動部が摺動する量は、
    前記カバーが閉じた状態から前記押圧部材による押圧が解除されるまでの間よりも、
    前記押圧部材による押圧が解除されてから前記カバーが全開するまでの間の方が多いことを特徴とする画像形成装置。
  11. コンピュータ、及び、
    このコンピュータに接続可能な画像形成装置であって、
    開閉可能なカバーと、媒体を狭持可能な第一部材及び第二部材と、前記第二部材を前記第一部材に向けて押圧する押圧部材と、を備え、前記カバーが閉じている状態で、前記第一部材と、前記押圧部材により押圧された第二部材と、が狭持する媒体上の現像剤像を定着するための定着ユニットと、前記カバーと前記定着ユニットとを連結するための連結部材であって、前記カバーが開く際に前記押圧部材による押圧を解除するための押圧解除部と、前記押圧が解除された後に前記押圧解除部に対して摺動する摺動部と、を備えた連結部材と、を有する画像形成装置、
    を具備したことを特徴とする画像形成システム。

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