JP2006098705A - 偏光デバイス、液晶表示パネル - Google Patents

偏光デバイス、液晶表示パネル Download PDF

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Abstract

【課題】薄型軽量な偏光デバイスを提供する。
【解決手段】基板30の一方の面上に形成された偏光分離素子アレイ10と、基板30の他方の面上に形成された偏光変換素子アレイ20とを備え、10は、入射光を回折して所定の偏光方向と垂直な偏光方向の0次回折光を出射すると共に、所定の偏光方向と平行な偏光方向の±1次回折光を出射する偏光分離素子11と、入射光を回折して所定の偏光方向と平行な偏光方向の0次回折光を出射すると共に、所定の偏光方向と垂直な偏光方向の±1次回折光を出射する偏光分離素子12とを有し、20は、偏光分離素子11からの0次回折光および偏光分離素子12からの±1次回折光の偏光方向を90度回転させる第1偏光変換素子と、偏光分離素子12からの0次回折光および偏光分離素子11からの±1次回折光の偏光方向を変化させることなく透過させる偏光変換素子22とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入射光を所定の偏光光に変換する偏光デバイス、およびそれを利用した液晶表示パネルに関する。
従来より、偏光光を利用した装置が知られている。例えば、液晶表示パネルなどを用いた投射型表示装置(プロジェクタ)では、液晶表示パネルに対する照明光として直線偏光光を用いている。このような装置では、所定の偏光光を得るために、偏光デバイスが用いられている。
図15は、プロジェクタなどに用いられる照明光学系の例を示している。この照明光学系は、光源(図示せず)と、オプティカルインテグレータ112と、偏光変換素子アレイ113とを備えている。この照明光学系の各構成要素は、これらの光軸が光軸AXと一致するように、光軸AXに沿って順次配置されている。
オプティカルインテグレータ112は、例えばガラスからなるレンズアレイを用いて構成されている。具体的には、マトリクス状に配置されたn個のレンズを含む第1のレンズアレイ112Aと、この第1のレンズアレイ112Aの各レンズに対応して配置されたn個のレンズを含む第2のレンズアレイ112Bとにより構成されている。
偏光変換素子アレイ113は、図16に拡大して示したように、ガラス基板113Aと、偏光分離膜113Bと、反射膜113Cとを有し、それらが接着剤(図示せず)を介して交互に複数配置されている。この偏光変換素子アレイ113の出射側には、1/2波長板113Dが所定間隔で複数配置されている。また、入射側には、所定箇所に開口部130Aが設けられた遮光板130が配置されている。偏光分離膜113Bと反射膜113Cは、光軸AXに対しほぼ45°の角度で設けられている。
この照明光学系では、光源からの光が、第1レンズアレイ112Aの各レンズセル112Aj(1≦j≦n)によりn個の光束に分割され、対応する第2レンズアレイ112Bの各レンズセル112Bj(1≦j≦n)の開口部近傍に集光される。第2レンズアレイ112Bを透過した無偏光の光束は、遮光板130の開口部130Aから偏光変換素子アレイ113に入射する。
偏光変換素子アレイ113では、図16に示したように、入射光が偏光分離膜113BによりS偏光とP偏光とに分離される。偏光分離膜113Bで反射されたS偏光は、さらに反射膜113Cで反射され、偏光変換素子アレイ113から射出される。一方、偏光分離膜113Bを透過したP偏光は、1/2波長板113Dを透過し、その際に、S偏光に変換され偏光変換素子アレイ113から射出される。この結果、偏光変換素子アレイ113から射出される光束はすべて直線偏光のS偏光として射出される。このS偏光が、例えば表示パネルへの照明光として利用される。なお、例えば1/2波長板113Dを設ける位置をずらすことにより、最終的な偏光成分をP偏光にすることも可能である。
偏光分離面と反射面とを利用して直線偏光光を得る偏光デバイスの従来例としては、以下の文献記載のものがある。
特許第3298580号公報
しかしながら、上記の照明光学系の各光学部品はガラスで構成されているため、薄型化するには限界がある。また、ガラス製の光学部品は重いため、軽量化を妨げる要因ともなっている。さらに、偏光変換素子アレイ113のガラス基板113Aは、ガラスを機械加工して形成されるため、製造プロセスのスループットの改善を妨げる要因となっている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、薄型軽量な偏光デバイスを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、製造プロセスに要する時間が短い偏光デバイスを提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、上記偏光デバイスを利用した液晶表示パネルを提供することにある。
本発明の第1の偏光デバイスは、以下の(A)〜(E)の構成要素を備えたものである。
(A)基板
(B)基板の一方の面上に形成された偏光分離部
(C)基板の他方の面上に形成された偏光変換部
(D)上記偏光分離部は、前記入射光を回折して前記所定の偏光方向と垂直な偏光方向を有する0次回折光を出射すると共に、前記所定の偏光方向と平行な偏光方向を有する±1次回折光を出射する第1偏光分離素子と、前記入射光を回折して前記所定の偏光方向と平行な偏光方向を有する0次回折光を出射すると共に、前記所定の偏光方向と垂直な偏光方向を有する±1次回折光を出射する第2偏光分離素子とを有すること
(E)上記偏光変換部は、前記第1偏光分離素子から出射された0次回折光および前記第2偏光分離素子から出射された±1次回折光の偏光方向を90度回転させる第1偏光変換素子と、前記第2偏光分離素子から出射された0次回折光および前記第1偏光分離素子から出射された±1次回折光の偏光方向を変化させることなく透過させる第2偏光変換素子とを有すること
上記第1,第2偏光分離素子としては、具体的には以下の態様が考えられる。
(a)第1偏光分離素子は、第1格子定数の第1回折格子と、第1格子定数より小さい第2格子定数の第2回折格子とを組み合わせた2重周期回折格子となっている。
ここで、第1回折格子が所定の偏光方向と垂直な格子ベクトルを有している。一方、第2回折格子は、所定の偏光方向と垂直な格子ベクトルを有していてもよいし、逆に所定の偏光方向と平行な格子ベクトルを有していてもよい。
(b)第2偏光分離素子は、第3格子定数の第3回折格子と、第3格子定数より小さい第4格子定数の第4回折格子とを組み合わせた2重周期回折格子となっている。
ここで、第3回折格子は、所定の偏光方向と垂直な格子ベクトルを有している。一方、第4回折格子は、所定の偏光方向と垂直な格子ベクトルを有していてもよいし、逆に所定の偏光方向と平行な格子ベクトルを有していてもよい。
本発明の第2の偏光デバイスは、以下の(A)〜(E)の構成要素を備えたものである。
(A)基板
(B)基板の一方の面上に形成された偏光分離部
(C)基板の他方の面上に形成された偏光変換部
(D)上記偏光分離部は、前記入射光を回折して前記所定の偏光方向と平行な偏光方向を有する0次回折光を出射すると共に、前記所定の偏光方向と垂直な偏光方向を有する±1次回折光を出射する第1偏光分離素子と、前記入射光を回折して前記所定の偏光方向と垂直な偏光方向を有する0次回折光を出射すると共に、前記所定の偏光方向と平行な偏光方向を有する±1次回折光を出射する第2偏光分離素子とを有すること
(E)上記偏光変換部は、前記第1偏光分離素子から出射された0次回折光および前記第2偏光分離素子から出射された±1次回折光の偏光方向を変化させることなく透過させる第2偏光変換素子と、前記第2偏光分離素子から出射された0次回折光および前記第1偏光分離素子から出射された±1次回折光の偏光方向を90度回転させる第1偏光変換素子とを有すること
上記第1,第2偏光分離素子としては、具体的には以下の態様が考えられる。
(a)第1偏光分離素子は、第1格子定数の第1回折格子と、第1格子定数より小さい第2格子定数の第2回折格子とを組み合わせた2重周期回折格子となっている。
ここで、第1回折格子が所定の偏光方向と平行な格子ベクトルを有している。一方、第2回折格子は、所定の偏光方向と垂直な格子ベクトルを有していてもよいし、逆に所定の偏光方向と平行な格子ベクトルを有していてもよい。
(b)第2偏光分離素子は、第3格子定数の第3回折格子と、第3格子定数より小さい第4格子定数の第4回折格子とを組み合わせた2重周期回折格子となっている。
ここで、第3回折格子は、所定の偏光方向と平行な格子ベクトルを有している。一方、第4回折格子は、所定の偏光方向と垂直な格子ベクトルを有していてもよいし、逆に所定の偏光方向と平行な格子ベクトルを有していてもよい。
本発明の偏光デバイスでは、入射光は互いに垂直な直線偏光性を有するP偏光およびS偏光に空間分離される。その空間分離されたP偏光およびS偏光のいずれか一方の偏光方向は他方の偏光方向と平行となるように偏光変換される。
本発明の液晶表示パネルは、上記偏光デバイスを備えたものである。
本発明の液晶表示パネルでは、入射光は上記偏光デバイスで所定の偏光光に変換される。その偏光光は液晶セルに入射され、液晶セルを透過した光はカラーフィルタを透過して出射される。入射光は、白色光であってもよいし、カラーフィルタに応じた色の波長を有する光であってもよい。
本発明の偏光デバイスによれば、薄膜を積み重ねた構造としたので、薄型軽量化することができる。また、金型などによる形成加工またはRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング) により偏光分離部および偏光変換部を形成する場合には、製造プロセスに要する時間を短くすることができる。
また、本発明の液晶表示パネルによれば、上記偏光デバイスを用いるようにしたので、薄型軽量化することができると共に、製造プロセスに要する時間を短縮することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る偏光デバイス1を斜視的に表したものである。この偏光デバイス1は、偏光分離素子アレイ10、偏光変換素子アレイ20および基板30を備えている。偏光分離素子アレイ10は、それぞれ2つの偏光分離素子11,12を含んで構成されており、偏光変換素子アレイ20は、それぞれ2つの偏光変換素子21,22を含んで構成されている。
偏光分離素子アレイ10は、例えばシクロオレフィンポリマー(COP)からなる基板30の一方の側に設けられており、偏光変換素子アレイ20は、基板30の他方の側に設けられている。偏光分離素子11,12および偏光変換素子21,22は、巨視的には、X軸方向に幅D、Y軸方向に奥行きW、Z軸方向に高さTの直方体で構成されており、X軸方向に交互に配置されている。ここで、偏光分離素子11は、偏光変換素子21と対向する部位に配置されており、偏光分離素子12は、偏光変換素子22と対向する部位に配置されている。
図2は、上記の偏光分離素子11,12の一部を拡大して平面的に表したものである。偏光分離素子11は、複数の複屈折領域13および複数の等方領域15を含んで構成されており、偏光分離素子12は、複数の複屈折領域14および複数の等方領域16を含んで構成されている。複屈折領域13,14および等方領域15,16は、X軸方向の幅がd/2、Y軸方向の奥行きがWの領域で構成されており、X軸方向に交互に配置して構成されている。
図3は、偏光分離素子11を図2における矢視方向A−Aで切断した断面を表したものである。偏光分離素子11は、周期d(格子定数d)が入射光C1の波長λより大きい (d>λ)周期構造をX軸方向に有する長周期回折格子で構成されている。複屈折領域13は、周期Λ(格子定数Λ)が入射光C1の波長λの1/2以下(Λ<λ/2)の周期構造をX軸方向に有する微細回折格子で構成されている。等方領域15は、複屈折領域13に挟まれた領域であり、等方性の媒質で満たされている。
この偏光分離素子11は、透過光の波面をこの回折格子の凹凸や屈折率に比例して位相シフトし、ファーフィールドで回折波にするようになっている。また、複屈折領域13は、入射光C1にとっては、ある屈折率を持つ一様な媒質と等価であり、その屈折率は微細回折格子の凹凸やそれを構成する物質の屈折率で決定されるようになっている。さらに、その微細構造の方向性に応じて構造性複屈折と呼ばれる光学異方性が生じるようになっている。すなわち、複屈折領域13の微細回折格子では、上述の超周期回折格子のように回折波は発生せず、偏光方向が微細回折格子の格子ベクトル(Y軸方向)と平行なS偏光および偏光方向が微細回折格子の格子ベクトル(Y軸方向)と直交するP偏光に対してそれぞれ異なる屈折率を有する複屈折媒質と同様の性質を有する。具体的には、複屈折領域13は、等方領域15の移相量を基準として、微細回折格子が形成された複屈折領域13におけるP偏光に対する移相量がπ(2j+1)、S偏光に対する移相量が2π(j+1)(jは0以上の整数)となる偏光特性を有する。
図4は、偏光デバイス1をY軸方向から見たものである。上記のような偏光特性の複屈折領域13を有する偏光分離素子11は、0次回折光のS偏光(S(0))を生じさせると共に、±1次回折光のP偏光(P(±1))を生じさせるようになっている。さらに、0次回折光のP偏光(P(0))を減衰させると共に、±1次回折光のS偏光(S(±1))を減衰させるようになっている。
図5は、偏光分離素子12を図2における矢視方向B−Bで切断した断面を表したものである。図6は、偏光分離素子12を図2における矢視方向C−Cで切断した断面を表したものである。偏光分離素子12は、図5に示したように、上記偏光分離素子11と同様に、周期d(格子定数d)が入射光C1の波長λより大きい(d>λ)周期構造をX軸方向に有する長周期回折格子で構成されている。複屈折領域14は、図6に示したように、周期Λ(格子定数Λ)が入射光C1の波長λの1/2以下(Λ<λ/2)の周期構造をY軸方向に有する微細回折格子で構成されている。等方領域16は、複屈折領域14に挟まれた領域であり、等方性の媒質で満たされている。
この偏光分離素子12は、透過光の波面をこの回折格子の凹凸や屈折率に比例して位相シフトし、ファーフィールドで回折波にするものである。また、複屈折領域14は、上記複屈折領域13と同様に、入射光C1にとっては、ある屈折率を持つ一様な媒質と等価であり、その屈折率は微細回折格子の凹凸やそれを構成する物質の屈折率で決定されるようになっている。さらに、その微細構造の方向性に応じて構造性複屈折と呼ばれる光学異方性が生じるようになっている。すなわち、複屈折領域14は、上記複屈折領域13と同様に、上述の超周期回折格子のように回折波は発生せず、偏光方向が微細回折格子の格子ベクトル(Y軸方向)と平行なS偏光および偏光方向が微細回折格子の格子ベクトル(Y軸方向)と直交するP偏光に対してそれぞれ異なる屈折率を有する複屈折媒質と同様の性質を有する。ただし、その微細構造の周期方向は、上記複屈折領域13の周期方向と90度ずれているので、この複屈折領域14は、上記複屈折領域13とは反対の偏光特性を示すようになっている。具体的には、複屈折領域14は、等方領域16の移相量を基準として、微細回折格子が形成された複屈折領域14におけるP偏光に対する移相量がπ (2j+1)、S偏光に対する移相量が2π(j+1)(jは0以上の整数)となる偏光特性を有する。
上記のような偏光特性の複屈折領域14を有する偏光分離素子12は、図4に示したように、0次回折光のP偏光(P(0))を生じさせると共に、±1次回折光のS偏光(S(±1))を生じさせるようになっている。さらに、0次回折光のS偏光(S(0))を減衰させると共に、±1次回折光のP偏光(P(±1))を減衰させるようになっている。
上記より、偏光分離素子11,12は、それぞれ格子定数dの長周期回折格子と、格子定数Λの微細回折格子を組み合わせた、いわゆる2重周期回折格子となっていることが分かる。これらの2重周期回折格子は、複屈折領域13,14における光学異方性を利用することにより、上述のように、入射光C1からP偏光およびS偏光を空間分離することができるようになっている。
ここで、偏光変換素子21は、上記において空間分離されたS偏光(S(0)、S(±1))が集まる部位に配置されており、S偏光(S(0)、S(±1))の直線偏光方向を90度回転してP偏光に変換した後、偏光デバイス1から出射させるようになっている。また、偏光変換素子22は、上記において空間分離されたP偏光(P(0)、P(±1))が集まる部位に配置されており、P偏光(P(0)、P(±1))を透過させて偏光デバイス1から出射させるようになっている。従って、偏光デバイス1は、無偏光の入射光C1をP偏光に変換して出射するようになっている。
次に、上記の偏光特性を生じるのに必要な偏光分離素子11,12の凹凸や屈折率を設定する方法について説明する。なお、以下では、凹凸の大きさや幅が同一であって、微細回折格子の格子ベクトルが互いに直交する偏光分離素子11、12を金型などの成形加工により形成すると共に、偏光分離素子11の回折次数を1以下に限定した例について説明する。
まず、成形加工に適しており、複屈折の少ない光学材料としては、例えばシクロオレフィンポリマー(COP)やアクリル樹脂(PMMA)などが挙げられる。これらの光学材料の屈折率(n)は、ほぼ1.5である。そこで、本実施の形態では、偏光分離素子11,12の光学材料として、屈折率1.5のCOPを用いることにする。また、偏光分離素子11,12の等方領域15,16や複屈折領域13,14の溝には、屈折率(n0)1.0の空気が満たされているものとする。
これより、屈折率1.5の媒質と屈折率1.0の空気との周期構造を含んで構成された複屈折領域13のS偏光に対する実効屈折率(n#1)およびP偏光に対する実効屈折率(n⊥1)、ならびに複屈折領域15のS偏光に対する実効屈折率(n⊥2)およびP偏光に対する実効屈折率(n#2)を求めることができる。ここで、n#1, 2、n⊥1,2は、例えば図7、8に示したように、フラクショナルファクタf(凸領域の幅/(凸領域の幅+凹領域の幅))の関数になっている。さらに、n#1とn⊥1との差分から求まる複屈折Δn1(=n#1−n⊥1)、およびn#2とn⊥2との差分から求まる複屈折Δn2(=n#2−n⊥2)は、例えば図7、8に示したように、フラクショナルファクタfがほぼ0.5で最大となる。そこで、ここでは、複屈折Δn1,2が最大(0.1)となるようにフラクショナルファクタfを0.5に設定しておく。これに伴い、n#1は1.3、n⊥1は1.2、n#2は1.3、n⊥2は1.2に設定される。
次に、偏光分離素子11,12における長周期回折格子の構造を決定する。
図3に示したように、例えば回折してθm方向に進む光線について、長周期回折格子の間隔がdの場合の回折光の光路差は、d・sinθmとなる。これが入射光の波長λの整数倍(mλ)となるとき、隣り合う複屈折領域13からの光は互いに強め合う。従って、回折光の次数を1次以下に限定するには、sin90°≦sinθ2=2・λ/dとなるような格子定数dに設定すれば良いので、格子定数dの最大値は、2・λとなる。ここで、本実施の形態の偏光デバイス1は、主に画像表示装置に用いられることから、入射光C1は可視光(波長λは、およそ0.4μm〜0.8μm)であり、また格子定数dは大きい方が製造しやすいことから、可視光をカバーできる程度の格子定数dに設定する。ここでは、格子定数dを2・0.4μm=0.8μmに設定する。
次に、±1次回折光の回折角θ1は、sinθ1=λ/d=0.4μm/0.8μm=0.5より、30°となるので、偏光分離素子11,12の±1次回折光を偏光変換素子22に入射するようにするには、図4に示したように、偏光分離素子11,12の幅Dが、L・tanθ1を満たすことが必要となる。ここで、Lは、偏光デバイス1のZ方向の厚みを指す。偏光分離素子11,12の幅Dがなるべく大きい方が回折効率の観点から好ましいので、偏光分離素子11,12の幅Dが適度な幅となるように偏光デバイス1の厚みLを決定する。ただし、偏光デバイス1の厚みLは、画像表示装置を設計する上で問題が生じない程度の厚みとするのが好ましい。ここでは、偏光デバイス1の厚みLを500μmに設定する。これにより、偏光分離素子11,12の幅Dは500μm・0.577=289μmに設定される。なお、長周期回折格子の格子深さh2は、後述の微細回折格子の構造を決定することにより決定される。
次に、偏光分離素子11,12における微細回折格子の構造を決定する。
複屈折領域13,14において構造複屈折を生じさせるには、微細回折格子の格子定数Λを入射光C1の波長λの1/2以下(Λ<λ/2)にすることが必要である。そこで、本実施の形態では、可視光をカバーできる程度の格子定数Λに設定する。ここでは、格子定数Λを0.4μm/2=0.2μmに設定する。なお、上記のように、フラクショナルファクタfを0.5に設定したので、微細回折格子の幅(f・Λ)は、0.5・0.2μm=0.1μmとなる。
次に、偏光分離素子11,12の微細回折格子の格子深さh2,h4を決定する。
複屈折領域13,14が、上述のような偏光特性を有するためには、複屈折Δn1,Δn2による移相量がπとなる必要がある。従って、以下の式において、φ1,φ2がπとなるように格子深さh2,h4を設定する。
φ1=2π・Δn・h2/λ……式(1)
φ1=2π・Δn・h4/λ……式(2)
式(1),(2)を計算してh2,h4を求めると、h2,h4はπ・0.4/(2π・0.1)=2μmとなる。なお、微細回折格子のアスペクト比(h1/(f・Λ),h2/(f・Λ))は、2μm/0.1μm=20となる。
次に、偏光分離素子11,12の長周期回折格子の格子深さh1,h3を決定する。
上記のように、偏光分離素子11において、0次回折光のS偏光(S(0))を生じさせると共に、±1次回折光のP偏光(P(±1))を生じさせ、さらに、0次回折光のP偏光(P(0))を減衰させると共に、±1次回折光のS偏光(S(±1))を減衰させるには、以下の条件を満たすことが必要である。
すなわち、等方領域15を通過した入射光C1のP偏光成分と複屈折領域13で回折された0次回折光のP偏光成分の位相差がπ(2j+1)となる必要がある(jは、0以上の整数)。さらに、等方領域15を通過した入射光C1のS偏光成分と複屈折領域13で回折された0次回折光のS偏光成分の位相差が2π(j+1)となる必要がある。従って、以下の式において、φ3がπ(2j+1)、φ4が2π(j+1)となるように格子深さh1を設定する。
φ3=2π・{n⊥1・h2−n1・(h2−h1)−n0・h1}/λ……式(3)
φ4=2π・{n#1・h2−n1・(h2−h1)−n0・h1}/λ……式(4)
式(3),(4)に数値を代入して整理すると、
h1=(0.2・(2j+1)+0.6)/0.5となる。そこで、例えばj=2とした場合には、h1=3.2μmとなる。このときの偏光分離素子11の断面は図3のようになる。
同様にして、偏光分離素子12において、0次回折光のP偏光(P(0))を生じさせると共に、±1次回折光のS偏光(S(±1))を生じさせ、さらに、0次回折光のS偏光(S(0))を減衰させると共に、±1次回折光のP偏光(P(±1))を減衰させるには、以下の条件を満たすことが必要である。
すなわち、等方領域16を通過した入射光C1のS偏光成分と複屈折領域14で回折された0次回折光のS偏光成分の位相差がπ(2j+1)となる必要がある。さらに、等方領域16を通過した入射光C1のP偏光成分と複屈折領域14で回折された0次回折光のP偏光成分の位相差が2π(j+1)となる必要がある。従って、以下の式において、φ5がπ(2j+1)、φ6が2π(j+1)となるように格子深さh3を設定する。
φ5=2π・{n⊥2・h4−n2・(h4−h3)−n0・h3}/λ……式(5)
φ6=2π・{n#2・h4−n2・(h4−h3)−n0・h3}/λ……式(6)
式(5),(6)に数値を代入して整理すると、
h3=(0.4・(j+1)+0.4)/0.5となる。そこで、例えばj=2とした場合には、h3=3.2μmとなる。つまり、偏光分離素子11,12の長周期回折格子の格子深さh1,h3は同じということになる。このようにして、偏光分離素子11,12の構造は決定される。
次に、上記の偏光特性を生じるのに必要な偏光変換素子21,22の構造について説明する。
図9は、偏光変換素子21,22の平面図を表す。図10は、偏光変換素子21を図9における矢視方向A−Aで切断した断面を表したものである。図9に示したように、本実施の形態では、偏光変換素子21は、格子ベクトルが所定の偏光方向とほぼ45度の角度を有する微細回折格子から構成されており、材質は偏光分離素子11,12と同一のものから構成されているものとする。また、偏光変換素子22は、光学異方性を有さないので、基板30と同様の材質から構成されたものとする。そこで、以下では、偏光変換素子21について説明する。
偏光変換素子21が、上述のような偏光特性を有するためには、微細回折格子の格子ベクトルと平行な偏光方向を有する偏光光とそれと直交する偏光方向を有する偏光光とに対する位相差φ7がπとなることが必要である。従って、以下の式において、φ7がπとなるように格子深さh5を設定する。
φ7=2π・Δn・h5/λ……式(7)
式(7)を計算してh5を求めると、h5はπ・0.4/(2π・0.1)=2μmとなる。なお、微細回折格子のアスペクト比(h1/(f・Λ),h2/(f・Λ))は、2μm/0.1μm=20となる。このようにして、偏光変換素子21の構造は決定される。
次に、図4を参照して、上記の構成を有する偏光デバイス1の作用について説明する。
偏光分離素子11は、入射光C1を回折させて、0次回折光のS偏光(S(0))および±1次回折光のP偏光(P(±1))を出射する一方で、0次回折光のP偏光(P(0))および±1次回折光のS偏光(S(±1))を減衰させる。また、偏光分離素子12は、0次回折光のP偏光(P(0))および±1次回折光のS偏光(S(±1))を出射する一方で、0次回折光のS偏光(S(0))および±1次回折光のP偏光(P(±1))を減衰させる。このようにして、偏光分離素子11は、入射光C1からP偏光およびS偏光を空間分離する。
偏光変換素子21は、上記において空間分離されたS偏光(S(0)、S(±1))の直線偏光方向を90度回転してP偏光に変換した後、そのP偏光を偏光デバイス1から出射する。また、偏光変換素子22は、上記において空間分離されたP偏光(P(0)、P(±1))を透過させて偏光デバイス1から出射する。このようにして、偏光デバイス1は、無偏光の入射光C1をP偏光に変換して出射する。
本実施の形態の偏光デバイス1によれば、偏光変換部20、基板30および偏光分離部10を積み重ねた構造としたので、薄型軽量化することができる。また、金型などによる形成加工により偏光分離部10および偏光変換部20を形成するようにしたので、製造プロセスに要する時間を短くすることができる。
(液晶表示パネル)
次に、上述した偏光デバイス1を用いた液晶表示パネルについて説明する。この液晶表示パネルは、例えばRGB各色用の液晶表示パネルを用いて照明光を基に3色の画像光を形成すると共に、これらの画像光を合成してカラー画像を生成し投影表示する液晶プロジェクタに用いられる。
図11は、本実施の形態に係る液晶表示パネル50の概略構成を表したものである。この液晶表示パネル50は、液晶セル51の入射側の面に偏光デバイス1、出射側の面にカラーフィルタ52をそれぞれ配設した構成を有している。ここで、偏光デバイス1は、2つの赤用偏光デバイス1R、2つの緑用偏光デバイス1G、2つの青用偏光デバイス1Bを含んで構成されている。カラーフィルタ52は、2つの赤用フィルタ52R、2つの緑用フィルタ52G、2つの青用フィルタ52Bを含んで構成されている。
赤、緑、青用偏光デバイス1R, 1G,1Bは、液晶セル51を間にして上記赤、緑、青用フィルタ52R,52G,52Bに対向する部位にそれぞれ配置されている。また、赤、緑、青用偏光デバイス1R, 1G,1Bは、各色の光の波長に応じた凹凸や屈折率を有している。なお、各色の光の波長に応じた凹凸や屈折率を設定する方法は、上記と同様である。
この液晶表示パネル50に入射した光は、前述のように偏光デバイス1において所定の偏光方向を有する偏光光に変換された後、液晶セル51において、その偏光光の透過率が映像信号に応じて変更される。そして、この液晶セル51を透過した光は、カラーフィルタ52においてRGB各色からなるカラー画像光に変換される。
このように、本実施の形態の液晶表示パネルでは、偏光デバイス1において、各色に応じて凹凸や屈折率を設定するようにしたので、回折角や複屈折量を波長によらず一定とすることができ、赤、緑、青用偏光デバイス1R, 1G,1Bの偏光変換効率を一定にすることができる。
また、この液晶表示パネル50では、上記偏光デバイス1を用いるようにしたので、薄型軽量化することができる。また、長寿命化することができるだけでなく、製造プロセスに要する時間を短縮することができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。
例えば、本実施の形態の偏光デバイス1では、偏光分離素子11,12の格子ベクトルが互いに直交するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図12に示したように、偏光分離素子11,62の格子ベクトルが平行になるようにしてもよい。ただし、この場合には、複屈折領域64が、等方領域66の移相量を基準として、微細回折格子が形成された複屈折領域64におけるP偏光に対する移相量が2π(j+1)、S偏光に対する移相量がπ(2j+3)(jは0以上の整数)となる偏光特性を有するように、偏光分離素子62における長周期回折格子や微細回折格子の格子深さを設定することが必要となる。なお、S偏光に対する移相量がπとならないのは、複屈折領域64における構造複屈折の性質上、S偏光に対する屈折率の方がP偏光に対する屈折率よりも大きくなるからであり、S偏光に対する移相量がP偏光に対する移相量を上回ることは無いからである。従って、この場合には、偏光分離素子11,62は異なる格子深さを有することになる。
また、本実施の形態の偏光デバイス1では、偏光分離素子11と偏光変換素子21とが対向配置されており、さらに偏光変換素子12と偏光変換素子22とが対向配置されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図13に示した偏光デバイス40ように、偏光分離素子11と偏光変換素子22とが対向配置され、さらに偏光変換素子12と偏光変換素子21とが対向配置されるようにしてもよい。このような配置にすることにより、図14に示したように、本実施の形態における偏光デバイス1から出射される出射光C2の偏光方向と垂直な偏光方向を有する出射光C2を出射することができるようになる。
また、本実施の形態の偏光デバイス1では、0次回折光および1次回折光を用いるようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、偏光デバイスから出射される光の強度が十分大きい場合には、0次回折光のみを用いるようにしてもよい。なお、この場合には、1次回折光が生じないように偏光デバイスの構造を設定することが必要になる。
また、本実施の形態の偏光デバイス1では、偏光分離素子11,12の光学材料として屈折率1.5程度のCOPを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。ただし、精密成形性、低複屈折性を有する光学材料であって、上記光学材料よりも屈折率が高い材料を用いた場合には、偏光分離素子11,12の凹凸のアスペクト比を小さくすることができるので、そのような光学材料を用いて偏光分離素子11,12を形成するのがより好ましい。
また、本実施の形態の偏光デバイス1では、偏光分離素子11,12の凹凸を成形加工により形成する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばリアクティブイオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)により偏光分離素子11,12の凹凸を形成するようにしてもよい。
また、本実施の形態の偏光デバイス1では、偏光分離素子11,12の等方領域15,16や複屈折領域13,14の溝には、屈折率1.0の空気が満たされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、空気以外の何らかの媒質で満たしても構わない。ただし、その媒質の屈折率が空気の屈折率1.0を越える場合には、屈折率差Δnを大きく取れるように、偏光分離素子11,12の光学材料の屈折率を十分に大きくしておくことが望ましい。
また、本実施の形態の偏光デバイス1では、h1とh2が異なるように設定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、h1とh2が同じになるように偏光分離素子11,12の凹凸および屈折率を設定しても構わない。h1とh2が同じであっても、複屈折領域13,14に対して構造複屈折性を生じさせることができるからである。
また、本実施の形態の偏光デバイス1では、複屈折領域13,14および偏光変換素子21に微細回折格子を形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、微細回折格子の代わりに、同様の光学異方性を有する複屈折媒体を用いても構わない。
また、本実施の形態の液晶表示パネル50では、R,G,B各色の光を入射するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、単に白色光を入射するようにしてもよい。ただし、この場合には、白色光(波長λは、およそ0.4μm〜0.8μm)の波長に応じて偏光デバイス1の凹凸や屈折率を変更する必要がある。このように白色光を入射光として利用できるように設定された液晶表示パネルは、例えば液晶表示装置に好適に用いられる。
本発明の一実施の形態に係る偏光デバイスの斜視図である。 図1の偏光分離素子の平面図である。 図2における矢視方向A−Aの断面図である。 偏光デバイスの断面図である。 図2における矢視方向B−Bの断面図である。 図2における矢視方向C−Cの断面図である。 複屈折領域の実行屈折率とフラクショナルファクタの関係図である。 複屈折領域の複屈折とフラクショナルファクタの関係図である。 偏光変換素子の平面図である。 図9における矢視方向A−Aの断面図である。 液晶表示パネルの斜視図である。 偏光分離素子の変形例の平面図である。 偏光デバイスの変形例の斜視図である。 偏光デバイスの変形例の断面図である。 従来の偏光デバイスの断面図である。 図9の偏光デバイスの拡大図である。
符号の説明
1,40…偏光デバイス、1R…赤用偏光デバイス、1G…緑用偏光デバイス、1B…青用偏光デバイス、10…偏光分離素子アレイ、11,12,62…偏光分離素子、13,14,64…複屈折領域、15,16,66…等方領域、20…偏光変換素子アレイ、21,22…偏光変換素子、30…基板、50…液晶表示パネル、51…液晶セル、52…カラーフィルタ、52R…赤用カラーフィルタ、52G…緑用カラーフィルタ、52B…青用カラーフィルタ、C1…入射光、C2…出射光、C(0)…0次回折光、C(1)…1次回折光、C(−1)…−1次回折光、d…偏光分離素子における長周期回折格子の格子定数、D…偏光分離素子の幅、f…フラクショナルファクタ、h1,h3…偏光分離素子における長周期回折格子の格子深さ、h2,h4…偏光分離素子における微細回折格子の格子深さ、n#1,n#2…格子ベクトルに平行な偏光光に対する実効屈折率、n⊥1,n⊥2…格子ベクトルに垂直な偏光光に対する実効屈折率、L…偏光デバイスの厚さ、P(0)…0次回折光のP偏光成分,P(1)…1次回折光のP偏光成分,P(−1)…−1次回折光のP偏光成分、S(0)…0次回折光のS偏光成分,S(1)…1次回折光のS偏光成分,S(−1)…−1次回折光のS偏光成分、T…偏光分離素子および偏光変換素子の厚さ、W…偏光分離素子および偏光変換素子の奥行き、Δn1,Δn2…複屈折、θ1…1次回折光の回折角、λ…入射光の波長、Λ…偏光分離素子における微細回折格子の格子定数

Claims (12)

  1. 入射光を、所定の偏光方向を有する偏光光に変換する偏光デバイスであって、
    基板の一方の面上に形成された偏光分離部と、
    前記基板の他方の面上に形成された偏光変換部と
    を備え、
    前記偏光分離部は、前記入射光を回折して前記所定の偏光方向と垂直な偏光方向を有する0次回折光を出射すると共に、前記所定の偏光方向と平行な偏光方向を有する±1次回折光を出射する第1偏光分離素子と、前記入射光を回折して前記所定の偏光方向と平行な偏光方向を有する0次回折光を出射すると共に、前記所定の偏光方向と垂直な偏光方向を有する±1次回折光を出射する第2偏光分離素子とを有し、
    前記偏光変換部は、前記第1偏光分離素子から出射された0次回折光および前記第2偏光分離素子から出射された±1次回折光の偏光方向を90度回転させる第1偏光変換素子と、前記第2偏光分離素子から出射された0次回折光および前記第1偏光分離素子から出射された±1次回折光の偏光方向を変化させることなく透過させる第2偏光変換素子とを有する
    ことを特徴とする偏光デバイス。
  2. 前記第1偏光分離素子は、第1格子定数の第1回折格子と、前期第1格子定数より小さい第2格子定数の第2回折格子とを組み合わせた2重周期回折格子であり、
    前記第2偏光分離素子は、第3格子定数の第3回折格子と、前期第3格子定数より小さい第4格子定数の第4回折格子とを組み合わせた2重周期回折格子であり、
    前記第1および前記第2回折格子は、前記所定の偏光方向と垂直な格子ベクトルを有し、
    前記第3および第4回折格子は、前記所定の偏光方向と垂直または平行な格子ベクトルを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の偏光デバイス。
  3. 前記入射光の波長をλ、第1格子定数をd1、前記第1回折格子の格子深さをh1、第2格子定数をΛ1、前記第2回折格子の格子深さをh2、第3格子定数をd3、前記第3回折格子の格子深さをh3、第4格子定数をΛ2、前記第4回折格子の格子深さをh4、前記第2回折格子の格子ベクトルと平行な方向の実効屈折率をn#1、前記第2回折格子の格子ベクトルと垂直な方向の実効屈折率をn⊥1、前記第4回折格子の格子ベクトルと平行な方向の実効屈折率をn#2、前記第4回折格子の格子ベクトルと垂直な方向の実効屈折率をn⊥2、前記偏光分離部の、前記基板と反対側の表面に接している媒質の屈折率をn0、前記第1偏光分離素子を構成する物質の屈折率をn1、前記第2偏光分離素子を構成する物質の屈折率をn2とすると、
    d1≦2λ、
    d2≦2λ、
    Λ1≦λ/2
    およびΛ2≦λ/2
    を満たすd1、d2、Λ1およびΛ2を設定すると共に、
    φ1=2π・(n#1−n⊥1)・h2/λ
    およびφ2=2π・(n#2−n⊥2)・h4/λ
    の式において、φ1,φ2がπとなるようにh2,h4を設定し、さらに、
    φ3=2π・{n⊥1・h2−n1・(h2−h1)−n0・h1}/λ、
    φ4=2π・{n#1・h2−n1・(h2−h1)−n0・h1}/λ、
    φ5=2π・{n⊥2・h4−n2・(h4−h3)−n0・h3}/λ
    およびφ6=2π・{n#2・h4−n2・(h4−h3)−n0・h3}/λ
    の式において、φ3がπ(2j+1)、φ4が2π(j+1)となるようにh1を設定すると共に、φ5がπ(2j+1)、φ6が2π(j+1)となるようにh3を設定する (jは、0以上の整数)
    ことを特徴とする請求項2記載の偏光デバイス。
  4. 前記入射光の波長をλ、第1格子定数をd1、前記第1回折格子の格子深さをh1、第2格子定数をΛ1、前記第2回折格子の格子深さをh2、第3格子定数をd3、前記第3回折格子の格子深さをh3、第4格子定数をΛ2、前記第4回折格子の格子深さをh4、前記第2回折格子の格子ベクトルと平行な方向の実効屈折率をn#1、前記第2回折格子の格子ベクトルと垂直な方向の実効屈折率をn⊥1、前記第4回折格子の格子ベクトルと平行な方向の実効屈折率をn#2、前記第4回折格子の格子ベクトルと垂直な方向の実効屈折率をn⊥2、前記偏光分離部の、前記基板と反対側の表面に接している媒質の屈折率をn0、前記第1偏光分離素子を構成する物質の屈折率をn1、前記第2偏光分離素子を構成する物質の屈折率をn2とすると、
    d1≦2λ、
    d2≦2λ、
    Λ1≦λ/2
    およびΛ2≦λ/2
    を満たすd1、d2、Λ1およびΛ2を設定すると共に、
    φ1=2π・(n#1−n⊥1)・h2/λ
    およびφ2=2π・(n#2−n⊥2)・h4/λ
    の式において、φ1,φ2がπとなるようにh2,h4を設定し、さらに、
    φ3=2π・{n⊥1・h2−n1・(h2−h1)−n0・h1}/λ、
    φ4=2π・{n#1・h2−n1・(h2−h1)−n0・h1}/λ、
    φ5=2π・{n⊥2・h4−n2・(h4−h3)−n0・h3}/λ
    およびφ6=2π・{n#2・h4−n2・(h4−h3)−n0・h3}/λ
    の式において、φ3がπ(2j+1)、φ4が2π(j+1)となるようにh1を設定すると共に、φ5が2π(j+1)、φ6がπ(2j+3)となるようにh3を設定する (jは、0以上の整数)
    ことを特徴とする請求項2記載の偏光デバイス。
  5. 前記第1偏光変換素子は、第5格子定数の第5回折格子であり、
    前記第5回折格子の格子ベクトルは、前記所定の偏光方向からほぼ45度の傾きを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の偏光デバイス。
  6. 入射光を、所定の偏光方向を有する偏光光に変換する偏光デバイスであって、
    基板の一方の面上に形成された偏光分離部と、
    前記基板の他方の面上に形成された偏光変換部と
    を備え、
    前記偏光分離部は、前記入射光を回折して前記所定の偏光方向と平行な偏光方向を有する0次回折光を出射すると共に、前記所定の偏光方向と垂直な偏光方向を有する±1次回折光を出射する第1偏光分離素子と、前記入射光を回折して前記所定の偏光方向と垂直な偏光方向を有する0次回折光を出射すると共に、前記所定の偏光方向と平行な偏光方向を有する±1次回折光を出射する第2偏光分離素子とを有し、
    前記偏光変換部は、前記第1偏光分離素子から出射された0次回折光および前記第2偏光分離素子から出射された±1次回折光の偏光方向を変化させることなく透過させる第2偏光変換素子と、前記第2偏光分離素子から出射された0次回折光および前記第1偏光分離素子から出射された±1次回折光の偏光方向を90度回転させる第1偏光変換素子とを有する
    ことを特徴とする偏光デバイス。
  7. 前記第1偏光分離素子は、第1格子定数の第1回折格子と、前期第1格子定数より小さい第2格子定数の第2回折格子とを組み合わせた2重周期回折格子であり、
    前記第2偏光分離素子は、第3格子定数の第3回折格子と、前期第3格子定数より小さい第4格子定数の第4回折格子とを組み合わせた2重周期回折格子であり、
    前記第1および前記第2回折格子は、前記所定の偏光方向と平行な格子ベクトルを有し、
    前記第3および第4回折格子は、前記所定の偏光方向と垂直または平行な格子ベクトルを有する
    ことを特徴とする請求項6記載の偏光デバイス。
  8. 前記入射光の波長をλ、第1格子定数をd1、前記第1回折格子の格子深さをh1、第2格子定数をΛ1、前記第2回折格子の格子深さをh2、第3格子定数をd3、前記第3回折格子の格子深さをh3、第4格子定数をΛ2、前記第4回折格子の格子深さをh4、前記第2回折格子の格子ベクトルと平行な方向の実効屈折率をn#1、前記第2回折格子の格子ベクトルと垂直な方向の実効屈折率をn⊥1、前記第4回折格子の格子ベクトルと平行な方向の実効屈折率をn#2、前記第4回折格子の格子ベクトルと垂直な方向の実効屈折率をn⊥2、前記偏光分離部の、前記基板と反対側の表面に接している媒質の屈折率をn0、前記第1偏光分離素子を構成する物質の屈折率をn1、前記第2偏光分離素子を構成する物質の屈折率をn2とすると、
    d1≦2λ、
    d2≦2λ、
    Λ1≦λ/2
    およびΛ2≦λ/2
    を満たすd1、d2、Λ1およびΛ2を設定すると共に、
    φ1=2π・(n#1−n⊥1)・h2/λ
    およびφ2=2π・(n#2−n⊥2)・h4/λ
    の式において、φ1,φ2がπとなるようにh2,h4を設定し、さらに、
    φ3=2π・{n⊥1・h2−n1・(h2−h1)−n0・h1}/λ、
    φ4=2π・{n#1・h2−n1・(h2−h1)−n0・h1}/λ、
    φ5=2π・{n⊥2・h4−n2・(h4−h3)−n0・h3}/λ
    およびφ6=2π・{n#2・h4−n2・(h4−h3)−n0・h3}/λ
    の式において、φ3がπ(2j+1)、φ4が2π(j+1)となるようにh1を設定すると共に、φ5がπ(2j+1)、φ6が2π(j+1)となるようにh3を設定する (jは、0以上の整数)
    ことを特徴とする請求項7記載の偏光デバイス。
  9. 前記入射光の波長をλ、第1格子定数をd1、前記第1回折格子の格子深さをh1、第2格子定数をΛ1、前記第2回折格子の格子深さをh2、第3格子定数をd3、前記第3回折格子の格子深さをh3、第4格子定数をΛ2、前記第4回折格子の格子深さをh4、前記第2回折格子の格子ベクトルと平行な方向の実効屈折率をn#1、前記第2回折格子の格子ベクトルと垂直な方向の実効屈折率をn⊥1、前記第4回折格子の格子ベクトルと平行な方向の実効屈折率をn#2、前記第4回折格子の格子ベクトルと垂直な方向の実効屈折率をn⊥2、前記偏光分離部の、前記基板と反対側の表面に接している媒質の屈折率をn0、前記第1偏光分離素子を構成する物質の屈折率をn1、前記第2偏光分離素子を構成する物質の屈折率をn2とすると、
    d1≦2λ、
    d2≦2λ、
    Λ1≦λ/2
    およびΛ2≦λ/2
    を満たすd1、d2、Λ1およびΛ2を設定すると共に、
    φ1=2π・(n#1−n⊥1)・h2/λ
    およびφ2=2π・(n#2−n⊥2)・h4/λ
    の式において、φ1,φ2がπとなるようにh2,h4を設定し、さらに、
    φ3=2π・{n⊥1・h2−n1・(h2−h1)−n0・h1}/λ、
    φ4=2π・{n#1・h2−n1・(h2−h1)−n0・h1}/λ、
    φ5=2π・{n⊥2・h4−n2・(h4−h3)−n0・h3}/λ
    およびφ6=2π・{n#2・h4−n2・(h4−h3)−n0・h3}/λ
    の式において、φ3がπ(2j+1)、φ4が2π(j+1)となるようにh1を設定すると共に、φ5が2π(j+1)、φ6がπ(2j+3)となるようにh3を設定する (jは、0以上の整数)
    ことを特徴とする請求項7記載の偏光デバイス。
  10. 前記第1偏光変換素子は、第5格子定数の第5回折格子となっており、
    前記第5回折格子の格子ベクトルは、前記所定の偏光方向からほぼ45度の傾きを有する
    ことを特徴とする請求項6記載の偏光デバイス。
  11. 液晶セルの入射側の面に偏光デバイス、出射側の面にカラーフィルタをそれぞれ配設した構成を有する液晶表示パネルであって、
    前記偏光デバイスは、
    基板の一方の面上に形成された偏光分離部と、
    前記基板の他方の面上に形成された偏光変換部と
    を備え、
    前記偏光分離部は、入射光を回折して前記所定の偏光方向と垂直な偏光方向を有する0次回折光を出射すると共に、前記所定の偏光方向と平行な偏光方向を有する±1次回折光を出射する第1偏光分離素子と、前記入射光を回折して前記所定の偏光方向と平行な偏光方向を有する0次回折光を出射すると共に、前記所定の偏光方向と垂直な偏光方向を有する±1次回折光を出射する第2偏光分離素子とを有し、
    前記偏光変換部は、前記第1偏光分離素子から出射された0次回折光および前記第2偏光分離素子から出射された±1次回折光の偏光方向を90度回転させる第1偏光変換素子と、前記第2偏光分離素子から出射された0次回折光および前記第1偏光分離素子から出射された±1次回折光の偏光方向を変化させることなく透過させる第2偏光変換素子とを有する
    ことを特徴とする液晶表示パネル。
  12. 液晶セルの入射側の面に偏光デバイス、出射側の面にカラーフィルタをそれぞれ配設した構成を有する液晶表示パネルであって、
    基板の一方の面上に形成された偏光分離部と、
    前記基板の他方の面上に形成された偏光変換部と
    を備え、
    前記偏光分離部は、入射光を回折して前記所定の偏光方向と平行な偏光方向を有する0次回折光を出射すると共に、前記所定の偏光方向と垂直な偏光方向を有する±1次回折光を出射する第1偏光分離素子と、前記入射光を回折して前記所定の偏光方向と垂直な偏光方向を有する0次回折光を出射すると共に、前記所定の偏光方向と平行な偏光方向を有する±1次回折光を出射する第2偏光分離素子とを有し、
    前記偏光変換部は、前記第1偏光分離素子から出射された0次回折光および前記第2偏光分離素子から出射された±1次回折光の偏光方向を変化させることなく透過させる第2偏光変換素子と、前記第2偏光分離素子から出射された0次回折光および前記第1偏光分離素子から出射された±1次回折光の偏光方向を90度回転させる第1偏光変換素子とを有する
    ことを特徴とする液晶表示パネル。
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