JP2006096908A - 補強性粒子、重合体組成物及びこれらの製造方法並びに加硫性ゴム組成物 - Google Patents

補強性粒子、重合体組成物及びこれらの製造方法並びに加硫性ゴム組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 機械的強度、低発熱性及び耐摩耗性に優れた重合体組成物、この重合体組成物を得るために適した補強性粒子及びこれらの製法並びにこの重合体組成物を含有する加硫性ゴム組成物を提供する。
【解決手段】 表面にシラノール基を有する補強性粒子100重量部を、16.0〜20.0MPa1/2の溶解度パラメーターを有する有機溶媒中で、重量平均分子量500〜200,000の極性官能基含有シロキサン変性重合体0.3〜200重量部で被覆してなるシロキサン変性重合体被覆補強性粒子。この補強性粒子を含有してなる重合体組成物。この重合体組成物に加硫剤を配合してなる加硫性ゴム組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特定の構造を有する補強性粒子、これを含有してなる重合体組成物、これらの製造方法、及び加硫性ゴム組成物に関する。更に詳しくは、特定の構造を有する化合物で被覆してなる補強性粒子、これを含有してなる、補強性粒子の分散性、機械的特性及び耐摩耗性に優れた重合体組成物、これらの製造方法、及びこの重合体組成物と加硫剤とを含有してなる加硫性ゴム組成物に関する。
近年、省資源や環境対策等が重視されるにつれて、自動車の低燃費化に対する要求は、ますます厳しくなり、自動車タイヤについても、転動抵抗を小さくすることにより、低燃費化に寄与することが求められている。
このため、補強剤として、従来のカーボンブラックに代えてシリカを配合することが行われる。タイヤ用ゴム組成物にシリカを配合すると、低発熱性が改良されて転動抵抗が小さくなる他、タイヤのウェット性能が向上するという特徴を有する。しかし、シリカはカーボンブラックと比較して、ゴム分子に対する親和性が小さいため、ゴムへの分散性が悪く、耐破断性及び耐摩耗性を改良する効果(補強性)の点で劣るという問題があった。そこで、カーボンブラックと同等レベルの補強性を得るために、ゴム組成物へシリカを配合する場合には、一般にシランカップリング剤が併用される。
しかしながら、シランカップリング剤単独ではシリカの分散性や補強性が十分ではない。
このため、これを改善すべく、各種の疎水性化合物でシリカの表面を改質する方法が検討されている。このような化合物として、シリル基含有スルフィド化合物等の硫黄含有シランカップリング剤があるが、多量の使用が必要であって経済的でない。
特許文献1には、ジエン系ゴム及びシリカを含有するゴム組成物に、側鎖又は末端に極性基を有するシリコーンオイルを配合して、反発弾性、引張特性、摩耗特性及び加工特性に優れたゴムが得られることが報告されている。しかしながら、低燃費性等の性能が未だ不十分である。
特許文献2には、少なくとも一種のエラストマー及び強化充填剤としてのシリカに、シリカ粒子表面のヒドロキシル部位と結合し得る少なくとも1つの官能性シロキシ基単位を含む機能化ポリオルガノシロキサン化合物と、ポリオルガノシロキサン化合物及び/又はシリカ粒子に結合し得る官能基とポリマーに結合し得る官能基とを有する機能化オルガノシランとを配合したタイヤケーシング用のゴム組成物が、改良されたヒステリシス特性及びスコーチ安定性を有すると、報告されている。しかしながら、所望の効果を得るためには、煩瑣な工程を必要とする機能化オルガノシランの合成が必要である。
特許文献3には、シリカを、好ましくはチタン触媒の存在下、アセトン、メタノール、エタノール等の溶媒中、アルコキシシリル基又はアシロキシシリル基を有するポリシロキサンで浸漬又はコーティングにより表面処理した後、乾燥して得られたポリシロキサン表面処理金属酸化物を配合してなるゴム組成物が開示されていて、このゴム組成物は、改良されたモジュラス及び耐摩耗性を有すると報告されている。
しかしながら、これらのシリコーンオイルやシロキサンで表面処理をしたシリカは、ゴムとの反応性部位を有しないため、補強性の観点からは効果が十分ではないとの報告(特許文献4)がある。
特許文献4には、ジエン系ゴムと反応可能な官能基を有するシランカップリング剤と線状又は分岐状ポリシロキサンとを加水分解、縮合せしめてなるゴム反応性ポリシロキサンでシリカ等の金属酸化物を、好ましくはチタン触媒を用いて乾式法により表面処理してなるゴム反応性ポリシロキサン表面処理金属酸化物と、ジエン系ゴム、このゴム反応性ポリシロキサン表面処理金属酸化物及び含硫黄シランカップリング剤を含んでなるゴム組成物が開示されている。公報の記載によれば、このゴム組成物は、高い破断強度及び破断伸びを有するとされている。しかしながら、このゴム組成物は、耐摩耗性や低燃費性については十分な性能を有しない。
また、最近、シリカ、ポリシロキサン及び非イオン性界面活性剤を含有する水性懸濁液にゴムラテックスを添加して混合し、次いで、酸でゴムを凝固させ、乾燥してゴム粉末乃至ゴム顆粒を製造する方法が提案されている(特許文献5)。この方法によれば、加工性、低燃費性及び摩耗性に一定の改良が見られるが、十分ではない。
このように、補強性粒子としてシリカを配合した場合に、優れた加工性、機械的強度とともに高い耐摩耗性を示し、低燃費性にも優れたゴム組成物を得るべく、幅広い研究がなされているにも拘らず、未だこれらの要求を満たすものが得られているとはいえない。
このように、基材である重合体の本来の特性を損なうことなく、種々の特性を改良するために種々の配合剤が添加されるが、これらの場合に、その配合剤の分散性が良好であり、且つ、基材重合体が本来有する良好な特性が、基材重合体/配合剤の複合体においても維持されていることが求められている。
国際公開第96/29364号パンフレット 特開平9−194638号公報 特開平10−25364号公報 特開2004−67818号公報 特開2003−160668号公報
従って、本発明の目的は、補強性粒子の分散性に優れ、基材重合体の本来有する特性、特に機械的強度及び耐摩耗性にも優れた重合体組成物及びその製造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、この重合体組成物を得るために適した補強性粒子及びその製造方法を提供することにある。本発明の更に他の目的は、機械的強度や耐摩耗性に優れた加硫性ゴム組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の溶媒中で、特定のシロキサン変性重合体で被覆したシリカ等の補強性粒子と重合体とを含有してなる重合体組成物が、上記各特性において優れていることを見出し、この知見に基いて更に鋭意研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、表面にシラノール基を有する補強性粒子100重量部を、16.0〜20.0MPa1/2の溶解度パラメーターを有する有機溶媒中で、重量平均分子量500〜300,000の少なくとも1つの極性の官能基を含有するシロキサン変性重合体0.3〜200重量部で被覆してなるシロキサン変性重合体被覆補強性粒子が提供される。
本発明において、上記少なくとも1つの極性の官能基を含有するシロキサン変性重合体は、ポリオキシアルキレン基と他の一つの極性の官能基とを有するものであることが好ましい。
本発明において、前記シロキサン変性重合体被覆補強性粒子は、16.0〜20.0MPa1/2の溶解度パラメーターを有する有機溶媒の溶液の形態を有することができる。
本発明によれば、表面にシラノール基を有する補強性粒子100重量部を、16.0〜20.0MPa1/2の溶解度パラメーターを有する有機溶媒中で、重量平均分子量500〜300,000の少なくとも1つの極性の官能基を含有するシロキサン変性重合体0.3〜200重量部と混合することを特徴とするシロキサン変性重合体被覆補強性粒子の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、基材重合体100重量部と前記シロキサン変性重合体被覆補強性粒子5〜200重量部とを含有してなる重合体組成物が提供される。
前記重合体組成物において、基材重合体は、少なくとも1つの極性の官能基を含有するシロキサン化合物で変性された重合体であることが好ましい。
また、基材重合体は、ゴム状重合体であることができる。
本発明によれば、前記シロキサン変性重合体被覆補強性粒子を基材重合体に配合する重合体組成物の製造方法が提供される。
本発明の重合体組成物の製造方法において、16.0〜20.0MPa1/2の溶解度パラメーターを有する有機溶媒の溶液の形態を有するシロキサン変性重合体被覆補強性粒子と、基材重合体を10.0〜18.8MPa1/2の溶解度パラメーターを有する有機溶媒に溶解してなる溶液と、を混合することが好ましい。
更に、本発明によれば、基材重合体としてゴム状重合体を使用した前記重合体組成物と加硫剤とを含有してなる加硫性ゴム組成物が提供される。
本発明の加硫性ゴム組成物は、タイヤ用に好適である。
本発明によれば、補強性粒子の分散性に優れ、基材重合体の本来有する特性、特に機械的強度及び耐摩耗性にも優れた重合体組成物及びそのために使用する補強性粒子を容易に得ることができる。
本発明のシロキサン変性重合体被覆補強性粒子は、補強性粒子を特定のシロキサン変性重合体で被覆してなる。
本発明で使用しうる補強性粒子は、補強性を重合体粒子に付与するために用いられるものであり、表面にシラノール基を有するものであれば、特に限定されないが、その具体例としては、珪酸質粒子を挙げることができる。
珪酸質粒子としては、乾式法シリカ;湿式法シリカ;アルミニウムシリケートやカルシウムシリケート等の合成珪酸塩系シリカ;等が挙げられる。これらの中でも、含水珪酸を主成分とする湿式法シリカが特に好ましい。
また、補強性粒子の他の具体例として、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の表面をシラン化合物と反応させる等の方法によって得られる、表面にシラノール基を有するものを挙げることができる。
これらの補強性粒子は、それぞれ単独で又は二種以上を組合せて使用することができる。
珪酸質粒子の比表面積には、特に制限はないが、BET法による窒素吸着比表面積が50〜800m/gのものがよい。窒素吸着比表面積は、好ましくは80〜250m/g、更に好ましくは100〜200m/gである。比表面積がこの範囲内にあるとき、加工性、低発熱性、耐摩耗性が特に優れた重合体組成物を得ることができる。珪酸質粒子のpHは特に限定されないが、酸性の珪酸質粒子がよく、pHが3〜6.9のものが好ましく、pHが5〜6.7のものが更に好ましい。
本発明において表面にシラノール基を有する補強性粒子を被覆するための少なくとも1つの極性の官能基を含有するシロキサン変性重合体(以下、「極性官能基含有シロキサン変性重合体」ということがある。)は、下記一般式(I):で表されるシロキサン構造を分子内に有する重合体である。
Figure 2006096908
一般式(I)において、R及びRは、それぞれ、水素原子、周期律表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、又は前記極性の官能基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、少なくともR及びRの一方が、少なくとも1つの極性の官能基を有する。また、nは、2〜200である。それぞれ複数存在するR及びRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I)において、nの下限は、好ましくは3、更に好ましくは50である。
一般式(I)で表されるシロキサン構造における極性の官能基の数は、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10以上である。官能基の密度が高いほど補強性粒子との反応効率がよい。
極性官能基含有シロキサン変性重合体において、一般式(I)で表されるシロキサン構造は、重合体鎖に、直接結合していてもよく、二価の有機基(アルキレン基、シクロアルキレン基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、アリーレン基、エーテル基、カルボニル基、アミノ基、チオエーテル基、シリレン基及びこれらの結合で形成される二価の基(オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、アミド基等))を介して結合していてもよい。
また、極性官能基含有シロキサン変性重合体において、官能基の分布状況は、特に限定されず、ランダムに分布していても、ブロック状に集中していてもよく、また、シロキサン構造の主鎖に沿って分布が傾斜していてもよい。
周期律表第15族又は第16族の原子を有する極性の官能基は、酸素原子又は窒素原子を有するものが好ましく、酸素原子を有するものが特に好ましい。
窒素原子を有する極性の官能基の具体例としては、アミノ基を挙げることができる。
酸素原子を有する極性の官能基の具体例としては、一般式(II):−R−O−Rで表されるものを挙げることができる。
一般式(II)において、Rは、単結合又は二価の有機基である。二価の有機基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、アリーレン基、エーテル基、カルボニル基、シリレン基及びこれらの結合で形成される二価の基(オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基等)等を示すことができる。
は、水素原子又は炭化水素基である。炭化水素基は、その炭素原子の一部が酸素、窒素、硫黄等の第15族又は第16族の原子等で置換されていてもよい。これらの炭化水素基は、鎖状であっても環状であっても一部に環を有する鎖状であってもよい。その具体例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、エポキシ基、グリシジル基、フリル基等を挙げることができる。また、これらの炭化水素基は、その水素原子がハロゲン等の置換基で置換されてもよい。
このような極性の官能基の具体例としては、水酸基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシポリオキシアルキレン基、アルコキシポリオキシアルキレン基、グリシジルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基等を挙げることができる。
更に、RとRとは、互いに結合して酸素原子を含有する環を形成していてもよい。RとRとが互いに結合して酸素原子を含有する環を形成した極性の官能基の例としては、エポキシ基、グリシジル基等を示すことができる。
これらの極性の官能基のうち、エポキシ基、グリシジルオキシ基及びポリオキシアルキレン基が好ましく、中でも、ヒドロキシポリオキシアルキレン基(末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン基)及びアルコキシポリオキシアルキレン基(末端にアルコキシル基を有するポリオキシアルキレン基)が特に好ましい。
ポリオキシアルキレン基におけるオキシアルキレン基の数は、10以下が好ましい。
本発明のシロキサン変性重合体被覆補強性粒子において、極性官能基含有シロキサン変性重合体が、ポリオキシアルキレン基と他の一つの極性の官能基とを有するものであることが好ましい。他の一つの極性基としては、エポキシ基、グリシドキシ基等のエポキシ基含有基が好ましい。
また、エポキシ基、グリシドキシ基等のエポキシ基含有基とポリオキシアルキレン基とが上記一般式(I)で表されるシロキサン構造中に同時に含まれる場合には、エポキシ基含有基の数がポリオキシアルキレン基の数よりも多いことが好ましい。
周期律表第15族又は第16族の原子を有する極性の官能基は、シロキサン構造の珪素原子に直接結合していてもよく、また、少なくとも1つの二価の有機基(アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アミノ基、チオエーテル基、シリレン基等)を介して珪素原子に結合していてもよい。
一般式(I)で表されるシロキサン構造を有する極性官能基含有シロキサン変性重合体は、重合体の重合活性末端に、一般式(III)又は一般式(IV)で表されるシロキサン化合物を反応させることによって得ることができる。一般式(III)又は一般式(IV)で表されるシロキサン化合物の量は、重合活性末端1モル当たり、通常、0.0001〜10モル、好ましくは0.001〜5モル、更に好ましくは0.01〜1モルである。
Figure 2006096908
一般式(III)において、R、R及びnは、一般式(I)におけると同様である。R及びRは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、周期律表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、又はハロゲン原子若しくは前記極性の官能基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。
Figure 2006096908
一般式(IV)において、R、R及びnは、一般式(I)におけると同様である。R及びRは、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、周期律表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、又はハロゲン原子若しくは前記極性の官能基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。mは、1〜4の整数である。それぞれ複数存在するR及びRは、同一であっても異なっていてもよい。また、R又はRが複数存在するときは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
一般式(III)又は一般式(IV)で表されるシロキサン化合物中の極性の官能基等が重合体の重合活性末端と反応して、一般式(I)で表されるシロキサン構造が重合体中に導入される。
極性官能基含有シロキサン変性重合体の重量平均分子量は、500〜300,000の範囲内にあることが必要である。重量平均分子量の下限は、好ましくは10,000、更に好ましくは40,000である。重量平均分子量がこの範囲内にあるとき、補強性粒子の被覆、基材重合体との配合等の処理の間に極性官能基含有シロキサン変性重合体が系外へ逸失してしまうことがない。また、重量平均分子量がこの範囲内にあると、溶媒中に十分に溶解するので、補強性粒子の被覆に時間が掛からない、補強性粒子の被覆率を高くできる等の利点がある。
極性官能基含有シロキサン変性重合体を得るためにシロキサン化合物と反応させる重合体(以下、「べース重合体」ということがある。)は、シロキサン化合物と反応し得る活性末端を有するものであれば、特に限定されない。
このような活性末端を有するベース重合体は、触媒を用いた溶液重合により得ることが可能であり、その溶液重合触媒としては、パーオキサイド等の過酸化物触媒、アゾ化合物触媒等のラジカル重合触媒;有機リチウム等のアルカリ金属、グリニア試薬等のアルカリ土類金属を用いたアニオン重合触媒;ジエチルアミノメチルスチレン等を用いた開始末端にアミノ基をもつアルカリ金属開始触媒;コバルト、ニッケル等と有機アルミニウム、メチルアルモキサン等とを組み合わせた配位重合触媒;ネオジム、サマリウム、ガドリニウム等の遷移金属カルボン酸と有機アルミニウム、アルキルアルモキサン等とを組み合わせたリビング重合性をもった配位重合触媒;等が挙げられる。
これらの中でも、活性末端を有するベース重合体とシロキサン化合物との反応の効率の観点から、リビング重合性をもった触媒を用いるのがよく、アルカリ金属、アルカリ土類金属触媒、ネオジムやガドリニウム等の遷移金属触媒が好ましく、アルカリ金属触媒が最も好ましい。
ベース重合体を得るための単量体としては、上記触媒を用いて重合できるものを用いればよい。その具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン単量体;スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、ブチルスチレン、メトキシスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン、ジメチルアミノエチルスチレン、ジエチルアミノメチルスチレン、ジエチルアミノエチルスチレン、シアノエチルスチレン等のスチレン誘導体の単量体;メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート等のアクリル酸エステル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等;が挙げられる。
単量体の選定に当たっては、基材重合体との親和性等を勘案して決定すればよいが、例えば、基材重合体としてタイヤ用途等に用いられるスチレン−ブタジエン共重合体を使用する場合には、1,3−ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン単量体又はこれらとスチレンとの共重合体が好ましい。
ベース重合体の重合に用いる有機溶媒に、特に限定はないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等の環状又は鎖状エーテル溶媒;ブテン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の鎖状脂肪族炭化水素溶媒;シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロブタン、シクロプロパン等の環状脂肪族炭化水素溶媒;アセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン溶媒;等を例示することができる。これらの中でも、鎖状脂肪族炭化水素溶媒及び環状脂肪族炭化水素溶媒が好ましく、中でも、ブテン、ブタン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロペンタンが好ましい。
これらの有機溶媒は、一種類を単独で使用してもよく、二種類以上を併用してもよい。
極性官能基含有シロキサン変性重合体を得るには、ベース重合体の溶液重合において、重合転化率が5〜100%の間に、好ましくは30〜99.9%の間に、更に好ましくは50〜99.5%の間に、重合反応系内にシロキサン化合物を添加すればよい。添加時の重合転化率を上記範囲とすることにより、生産性を良好に保ち、極性官能基含有シロキサン変性重合体におけるシロキサン構造の比率を適切な程度にすることができる。
ベース重合体の重合に際しては、重合溶媒や単量体中の重合禁止物質や触媒不活性化物質をできる限り取り除くことが好ましい。これらの物質が多量に存在すると、重合の促進を阻害することは当然であるが、シロキサン化合物による変性反応効率が低下するほか、得られる極性官能基含有シロキサン変性重合体を用いる補強性粒子の製造に影響を与え、更には得られた重合体組成物の低発熱性が劣る等の問題を引き起こすので好ましくない。
本発明のシロキサン変性重合体被覆補強性粒子は、表面にシラノール基を有する補強性粒子100重量部を、重量平均分子量500〜300,000の少なくとも1つの極性の官能基を含有するシロキサン変性重合体0.3〜200重量部と混合することによって得ることができる。
表面にシラノール基を有する補強性粒子と極性官能基含有シロキサン変性重合体との混合は、16.0〜20.0MPa1/2の溶解度パラメーターを有する有機溶媒中で、両者を接触させることにより行う。溶解度パラメーター(以下、「SP値」ということがある。)は、好ましくは、16.8〜19.0MPa1/2、更に好ましくは18.0〜18.8MPa1/2の範囲である。
なお、有機溶媒の溶解度パラメーターは、ポリマーハンドブック(POLYMER HANDBOOK、JOHN WILEY & SONS社発行)に記載された方法により求めることができる。
補強性粒子を被覆するための、極性官能基含有シロキサン変性重合体の使用量は、補強性粒子100重量部に対して、通常、0.3〜200重量部、好ましくは0.5〜20重量部、更に好ましくは1〜10重量部の範囲である。
上記範囲のSP値を有する溶媒としては、ベンゼン(SP値=18.8MPa1/2。以下、本明細書において、SP値の単位を省略することがある。)、トルエン(同18.2)、キシレン(同18.0)、エチルベンゼン(同18.0)等の芳香族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン(同18.6);シクロヘキサン(同16.8)、シクロペンタン(同17.8)等の環状脂肪族炭化水素溶媒;メチルエチルケトン(同19.0)、ジエチルケトン(同18.0)等のケトン溶媒;等を例示することができる。
これらのうち、芳香族炭化水素溶媒及び環状脂肪族炭化水素溶媒が好ましく、中でも、トルエン、キシレン及びシクロヘキサンが好ましく、トルエン、キシレンが最も好ましい。
有機溶媒は、上記範囲のSP値を有するものであれば、特に限定されず、単一の溶媒であっても、二種以上の溶媒からなる混合溶媒であってもよい。
上記範囲のSP値を有する有機溶媒に、上記範囲外のSP値を有する有機溶媒を混合して使用することができる。この場合は、上記範囲のSP値を有する溶媒が混合溶媒の50重量%以上を占めることが好ましく、70重量%以上を占めることがより好ましく、80重量%以上を占めることが特に好ましい。
上記範囲外のSP値を有する有機溶媒としては、上記範囲より低いSP値を有するn−ペンタン(SP値14.3MPa1/2)、n−ヘキサン(同14.9)等の鎖状炭化水素溶媒等、及び、上記範囲より高いSP値を有するn−ブタノール(同23.3)、エタノール(同26.0)等のアルコール溶媒、アセトン(同20.3)等を挙げることができる。
SP値の高いアルコール溶媒等を用いると、シロキサン変性重合体被覆補強性粒子の溶液を基材重合体溶液と混合した際に、基材重合体が析出する恐れがあるので、その使用量は少ない方が好ましい。また、SP値の低い鎖状炭化水素溶媒等を用いると、極性官能基含有シロキサン変性重合体及び補強性粒子の溶液(分散液)の安定性が低下する恐れがあるので、その使用量は少ない方が好ましい。
補強性粒子と極性官能基含有シロキサン変性重合体との混合方法は、16.0〜20.0MPa1/2のSP値を有する有機溶媒中で、両者を接触させるものであれば、特に限定されないが、極性官能基含有シロキサン変性重合体を有機溶媒に溶解して均一な溶液とし、これに、攪拌下、補強性粒子を徐々に添加するのが好ましい。
極性官能基含有シロキサン変性重合体の有機溶媒溶液の濃度は、特に限定されないが、通常、0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。濃度がこの範囲内にあると、得られる溶液の粘度は取り扱いやすい水準となり、補強性粒子の被覆率が適切な範囲となって、得られるシロキサン変性重合体被覆補強性粒子を基材重合体に配合したときに分散が良好となる。
混合時の温度は、特に限定されないが、通常、5℃以上、200℃以下であり、好ましくは20℃以上、150℃以下、更に好ましくは30℃以上、130℃以下である。混合時の温度がこの範囲内にあると、均一な分散が容易であり、極性官能基含有シロキサン変性重合体の分解や劣化の恐れがない。また、溶媒の沸点に近くなると、操業上・安全上の問題が生じるので、溶媒の沸点を考慮して、適切に設定するのが好ましい。
攪拌速度は、通常、10〜10,000回転/分で、好ましくは50〜5,000回転/分、更に好ましくは100〜1,000回転/分である。攪拌速度がこの範囲内にあると、補強性粒子が沈降することがなく反応効率がよい。攪拌翼の形状は、特に限定されず、平板、ヘリカル、ダブルヘリカル等を適宜組合せることができる。また、ホモジナイザー等を用いて高速で、且つ、せん断を与えながら混合してもよい。
混合時の雰囲気は、特に限定されないが、安全のために不活性雰囲気下で行うのが好ましい。混合時の系内の圧力も特に限定されない。また、混合時間は、攪拌速度等にも依るが、通常、5分〜3時間程度である。
このようにして、極性官能基含有シロキサン変性重合体で被覆された補強性粒子の透明な溶液を得ることができる。
極性官能基含有シロキサン変性重合体で被覆された補強性粒子は、この溶液から、蒸発乾固、遠心分離等の適切な方法で溶媒と分離して、固形粒子として得ることができるが、溶液の状態で使用してもよい。基材重合体との混合の均一性を考慮すると、本発明のシロキサン変性重合体被覆補強性粒子は、16.0〜20.0MPa1/2の溶解度パラメーターを有する有機溶媒の溶液の形態を有しているのが好ましい。
本発明の重合体組成物は、基材重合体100重量部と上記本発明のシロキサン変性重合体被覆補強性粒子5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部とを含有してなる。
本発明において使用し得る基材重合体の種類は、重合体組成物の用途や使用目的に応じて適宜選定すればよく、樹脂であってもゴム状重合体であってもよい。
樹脂の例としては、ポリスチレン等の芳香族ビニル重合体;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ジシクロペンタジエン重合体等の脂環式オレフィン重合体;アクリロニトリル重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂;ハロゲン化ビニル重合体;これらの水素添加重合体等の樹脂を挙げることができる。
ゴム状重合体の例としては、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム等のジエン系ゴム;ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム等のジエン系ゴム以外のゴム;等を挙げることができる。
基材重合体は、固形状であっても溶液状であっても、エマルションやサスペンションであってもよいが、溶液重合で得られるのが好ましい極性官能基含有シロキサン変性重合体との混和性を考慮すると、溶液状であるのが好ましい。
基材重合体の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、通常、20万〜300万、好ましくは35万〜200万、更に好ましくは50万〜150万である。分子量が過度に低いと重合体組成物の摩耗特性が不十分となる恐れがあり、過度に分子量が高いと重合体組成物の粘度が高くなり、加工性が劣る恐れがある。
基材重合体は、アミノ基、水酸基、アルコキシ基等の周期律表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基やハロゲン原子等で変性されているのが好ましい。
変性の方法は、特に限定されず、官能基含有単量体を共重合しても、重合後に付加反応で導入してもよい。
官能基含有単量体を共重合する方法としては、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、アミノアクリレート、N,N−ジメチルアミノアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のアミノ基含有単量体;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体;ビニル−トリメトキシシラン、ビニル−ジフェニル−メトキシシラン、ビニル−トリメチルシラン等のビニルシラン類;等の単量体を、例えば、共役ジエン又は共役ジエン−芳香族ビニル単量体の存在下に共重合する方法を示すことができる。
これらの官能基含有単量体の共重合量は、通常、全単量体の0.01〜10重量%である。
重合の方法も、特に限定されず、乳化重合、懸濁重合、溶液重合等のいずれであってもよい。溶液重合によれば、シロキサン変性重合体被覆補強性粒子等の混合の均一性が向上するので好ましい。
重合体の重合後変性による場合の変性剤も特に限定されないが、前述の一般式(III)又は一般式(IV)で表されるシロキサン化合物、又はエポキシ基、カルボニル基、アルコキシル基等を有するシルセスキオキサン等の、少なくとも1つの極性の官能基を含有するシロキサン化合物;N−メチルピロリドン、N−フェニルピロリドン等のN−置換ピロリドン類;e−カプロラタム等のラクタム類;N,N,N’,N’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;チオベンゾフェノン類;テトラグリシジルアミノエチルベンゼン、テトラグリシジルアミノエチルシクロヘキサン、ジ(ジグリシジルアミノフェニル)メタン等のグリシジルアミノ基含有化合物;ソルビトールポリグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキシリルプロピル)ジスルフィド等のアルコキシラン類;テトラクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等のハロゲン化シラン類;テトラクロロスズ、ジブチルジクロロスズ等のハロゲン化スズ化合物;等を挙げることができる。
これらの中でも、少なくとも1つの極性の官能基を含有するシロキサン化合物、グリシジルエーテル類、アルコキシシラン類が好ましく、また、少なくとも1つの極性の官能基を有するシロキサン化合物が特に好ましく、一般式(III)又は一般式(IV)で表されるシロキサン化合物が最も好ましい。また、2種類以上の変性剤を同時に用いると安定性の高い重合体を得ることができるので好ましい。
変性の程度は、重合体活性末端1モル当たり導入される官能基の量が、通常、0.1モル%以上、好ましくは0.3モル%以上、より好ましくは0.5モル%以上である。基材重合体の官能基の量がこの範囲内にあると、得られる重合体組成物の耐摩耗性等の特性が特に良好となる。
本発明の重合体組成物は、基材重合体にシロキサン変性重合体被覆補強性粒子を配合することにより得ることができる。
配合の方法は、特に限定されず、両者を固形状で混合する方法、いずれか一方を溶液として他方をこれに添加する方法等を採用してもよいが、両者を溶液の状態で混合すると、シロキサン変性重合体被覆補強性粒子を基材重合体中に均一に分散させることができるので好ましい。
本発明においては、基材重合体溶液を得るための溶媒として、SP値が10.0〜18.8MPa1/2の有機溶媒が好ましく、14.0〜18.6MPa1/2の有機溶媒がより好ましく、14.9〜18.2MPa1/2の有機溶媒が更に好ましい。SP値がこの範囲内の有機溶媒を用いると、基材重合体の溶解性が適切なものとなり、シロキサン変性重合体被覆補強性粒子溶液との混和性が良好である。
このようなSP値を有する有機溶媒としては、ベンゼン(SP値=18.8MPa1/2)、トルエン(同18.2)、キシレン(同18.0)、エチルベンゼン(同18.0)等の芳香族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン(同18.6)、ジメチルエーテル(同18.0)、ジエチルエーテル(同15.1)等の環状もしくは鎖状エーテル溶媒;n−ブタン(同13.9)、n−ペンタン(同14.3)、n−ヘキサン(同14.9)、n−ヘプタン(同15.1)、n−オクタン(同15.6)、n−デカン(同13.5)等の鎖状脂肪族炭化水素溶媒;シクロヘキサン(同16.8)、メチルシクロヘキサン(同16.0)、エチルシクロヘキサン(同16.3)、シクロペンタン(同17.8)等の環状脂肪族炭化水素溶媒;メチルエチルケトン(同19.0)、ジエチルケトン(同18.0)等のケトン溶媒;等が挙げられる。
これらのうち、芳香族炭化水素溶媒、環状又は鎖状エーテル溶媒、鎖状脂肪族炭化水素溶媒及び環状脂肪族炭化水素溶媒が好ましく、より好ましくは芳香族炭化水素溶媒、鎖状脂肪族炭化水素溶媒、環状脂肪族炭化水素溶媒がより好ましい。
有機溶媒は、単一の溶媒であっても、二種以上の溶媒からなる混合溶媒であってもよい。
また、本発明の効果を損なわない限り、SP値が18.8MPa1/2を超える有機溶媒又は有機溶媒以外の溶媒を併用することができる。このような混合溶媒を用いる場合は、上記10.0〜18.8MPa1/2の範囲のSP値を有する有機溶媒が混合溶媒の50重量%以上を占めることが好ましく、70重量%以上を占めることがより好ましく、80重量%以上を占めることが更に好ましい。
SP値が18.8MPa1/2を超える溶媒としては、水(SP値=47.9MPa1/2);ホルムアミド(同39.3)、N,N−ジメチルホルムアミド(同24.8)、メタノール(同29.7)、エタノール(同26.0)、イソプロピルアルコール(同23.5)、ピリジン(同21.9)、二硫化炭素(同20.5)、アセトン(同20.3)、クロロホルム(同19.0)、塩化メチレン(同19.8)等を挙げることができる。
基材重合体溶液中の基材重合体濃度は、通常、1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、更に好ましくは10〜30重量%である。濃度がこの範囲内にあると、シロキサン変性重合体被覆補強性粒子との混和性がよく、混和後の重合体組成物の回収に要するエネルギーが適切な範囲となり、また、回収効率もよい。また、基材重合体溶液の粘度が過度に高くならないので混合が容易である。
基材重合体溶液は基材重合体を有機溶媒中で溶解した溶液を用いても、溶液重合法で得られた基材重合体溶液をそのまま用いてもよいが、溶液重合で得られた溶液は、基材重合体が均一に溶解されているので好ましい。更に、溶液重合の溶液としては反応停止前の活性状態にある基材重合体溶液を用いると、得られる重合体組成物の物性が向上するので好ましい。
固形の基材重合体を有機溶媒に溶解する場合は、基材重合体を予め、ペレット状に加工し又は粉砕器等で大きさを5cm以下にしてから有機溶媒中に少しずつ添加していくのがよく、溶解槽を毎分10回転以上、好ましくは毎分50回転以上、更に好ましくは毎分100回転以上で攪拌しながら添加するのがよい。攪拌速度がこの範囲内にあると、基材重合体の溶解が良好で、固形分が沈降することがない。基材重合体を溶解した後、必要に応じて、ホモジナイザー等を用いて更に均一性をよくしてもよい。
基材重合体溶液とシロキサン変性重合体被覆補強性粒子の溶液とを混合することによって、有機溶媒溶液の形態を有する、基材重合体とシロキサン変性重合体被覆補強性粒子とを含有してなる重合体組成物を得ることができる。
このとき、基材重合体溶液の有機溶媒の溶解度パラメーターが10.0〜18.8MPa1/2であり、シロキサン変性重合体被覆補強性粒子溶液の有機溶媒の溶解度パラメーターが16.0〜20.0MPa1/2であると、重合体の沈殿等を引き起こすことなく、均一に混合できるので好ましい。
基材重合体溶液とシロキサン変性重合体被覆補強性粒子の溶液とを混合する方法は、特に限定されないが、基材重合体溶液にこれより比重の大きいシロキサン変性重合体被覆補強性粒子の溶液を添加する方法を採用すると、より均一に混合できるので好ましい。
混合溶液の濃度は、通常、1〜80重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜35重量%とすると、より短時間で均一に混合できるので、好ましい。
混合時の攪拌条件等は特に限定されないが、通常、毎分10〜10,000回転、好ましくは毎分50〜5,000回転の攪拌下に混合する。また、攪拌機の種類等も特に限定されない。
混合時の添加方法は、特に限定されないが、均一な混合を達成するために、重合体被覆補強性粒子の溶液を徐々に添加することが好ましい。また、添加に要する時間は、混合する基材重合体溶液と重合体被覆補強性粒子の溶液の量によるが、5分〜1時間程度である。
混合温度は、通常、20〜150℃、好ましくは25〜100℃、更に好ましくは30〜80℃である。この温度範囲で混合すると、両溶液の粘度が適切なレベルで、且つ、近くなり、均一に混合しやすい。
基材重合体とシロキサン変性重合体被覆補強性粒子とを含有してなる重合体組成物の溶液を、溶媒除去処理に付することによって、固形状態の重合体組成物を得ることができる。
溶媒除去の方法としては、例えば、貧溶媒との混合や電解質等の凝固剤の添加による凝固を行って重合体組成物をクラムとして溶媒と分離する方法、重合体組成物溶液を熱水中に注入し、溶媒を水蒸気とともに蒸留し、重合体組成物をクラム状で析出させるスチームストリッピング法、減圧蒸留による溶媒の除去等、従来公知の方法を採用することができる。
次に、溶媒を分離した重合体組成物を必要に応じて精製する。例えば、凝固やスチームストリッピングにより生じたクラムを水洗して乳化剤、電解質等を除去する。これは、重合や凝固に使用した乳化剤等が、酸等として製品重合体中に残存すると重合体組成物の特性の低下を招く恐れがあるので、これらを除去するのが目的である。次に、重合体組成物を乾燥することが好ましい。乾燥の方法としては、従来公知の方法を採用することができる。例えば、スクイザー等で水分を絞って脱水した後、バンド通風乾燥装置、ベント型押出乾燥装置、エクスパンジョン型押出乾燥装置等を用いて乾燥する方法が挙げられる。
本発明の重合体組成物に、種々の配合剤を添加して各種用途に好適な組成物を得ることができる。
これら配合剤の添加は、重合体組成物が溶液状態にあるときに行ってもよく、また、固形状とした後で行ってもよい。
本発明において、重合体組成物の基材重合体としてゴム状重合体を使用すると、これから、タイヤのほか、ホース、窓枠、ベルト、靴底、防振ゴム、自動車部品、スポンジ、マット等のゴム製品の原料として好適な加硫性ゴム組成物や、スチレン系樹脂の耐衝撃性改質用組成物を得ることができる。
本発明の加硫性ゴム組成物は、基材重合体としてゴム状重合体を含有する本発明の重合体組成物と加硫剤とを必須成分として含有してなる。
加硫性ゴム組成物に用いるゴム状重合体としては、ジエン系ゴム及びジエン系ゴム以外のゴムを挙げることができる。
ジエン系ゴムとしては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、溶液重合スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、乳化重合スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、乳化重合スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、高ビニル・スチレン−ブタジエン共重合体−低ビニル・スチレン−ブタジエン共重合体ブロック共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体ゴム等が挙げられ、要求特性に応じて適宜選択できる。これらの中でも、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムが特に好ましい。
これらのゴムは、それぞれ単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
タイヤ用途に好適な加硫性ゴム組成物を得るには、ゴム状重合体として、ジエン系ゴムを用いるのが好ましい。また、そのジエン系ゴムのミクロ構造は、共役ジエン単位と芳香族ビニル化合物単位との含有量比(共役ジエン単位:芳香族ビニル化合物単位)が100:0〜50:50であり、結合芳香族ビニル化合物量をS、共役ジエン単位中のビニル結合量をVとするとき、通常、200>2S+V>0.1、好ましくは170>2S+V>55、更に好ましくは150>2S+V>100である。この値が上記範囲内にあるとき、強度特性や摩耗特性に優れ、湿潤時制動性にも優れたタイヤ用ゴム組成物を得ることができる。
ジエン系ゴムにおける各単量体単位の配列様式は、特に限定されず、ランダムであっても、ブロック構造でも、テーパ構造でもよいが、8連鎖以上の芳香族ビニル化合物単位を含む割合は少ないほうがよく、通常、全結合芳香族ビニル化合物量に対して、10%以下、好ましくは5%以下、更に好ましくは1%以下である。また、共役ジエン単位が重合体鎖の少なくとも一つの末端にブロック状で含まれているのが好ましい。
加硫剤に特に限定はなく、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等の硫黄;一塩化硫黄、二塩化硫黄等のハロゲン化硫黄;ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物;p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム等のキノンジオキシム;トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、4,4’−メチレンビス−o−クロロアニリン等の有機多価アミン化合物;メチロール基を持ったアルキルフェノール樹脂;等が挙げられる。これらの中でも、硫黄が好ましく、粉末硫黄が特に好ましい。これらの加硫剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いられる。
加硫剤の配合割合は、ゴム成分100重量部に対して、通常、0.1〜15重量部、好ましくは0.3〜10重量部、更に好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。加硫剤の配合割合がこの範囲にあるときに、引張強度や耐摩耗性に優れるとともに、耐熱性や残留ひずみ等の特性にも特に優れる組成物を得ることができる。
これらの加硫剤を配合するに際して、加硫促進剤や加硫活性化剤を併用することが好ましい。加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤;チオカルボアニリド、ジオルトトリルチオウレア、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア、トリメチルチオウレア等のチオウレア系加硫促進剤;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、等のチウラム系加硫促進剤;ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、等のジチオカルバミン酸系加硫促進剤;イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛等のキサントゲン酸系加硫促進剤;等の加硫促進剤が挙げられる。
これらの加硫促進剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組合せて用いられるが、少なくともスルフェンアミド系加硫促進剤を含むものが特に好ましい。スルフェンアミド系加硫促進剤を含むものの中では、スルフェンアミド系加硫促進剤の割合が全加硫促進剤中の30重量%以上のものが好ましい。
加硫促進剤の配合割合は、ゴム成分100重量部に対して、通常、0.1〜15重量部、好ましくは0.3〜10重量部、更に好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
加硫活性化剤としては、特に制限はないが、例えばステアリン酸等の高級脂肪酸や酸化亜鉛等を用いることができる。酸化亜鉛としては、例えば、表面活性の高い粒度5μm以下のものを用いるのが好ましく、かかる具体例としては、粒度が、例えば、0.05〜0.2μmの活性亜鉛華や0.3〜1μmの亜鉛華等を挙げることができる。また、酸化亜鉛は、アミン系の分散剤や湿潤剤で表面処理したもの等を用いることができる。
これらの加硫活性化剤は、それぞれ単独で又は2種以上を併用して用いることができる。加硫活性化剤の配合割合は、加硫活性化剤の種類により適宜選択される。
高級脂肪酸を用いる場合、ゴム成分100重量部に対して、通常、0.05〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部配合する。酸化亜鉛を用いる場合は、ゴム成分100重量部に対して、通常、0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜3重量部配合する。加硫活性化剤の配合割合がこの範囲にあるときに、組成物の加工性、引張強度及び耐摩耗性等の特性が高度にバランスされ好適である。
本発明の加硫性ゴム組成物には、ゴム状重合体及びシロキサン変性重合体被覆補強性粒子に加えて、ゴム状重合体以外の重合体;シリカ;SAF、ISAF、HAF、FEF、アセチレンブラック、カーボン繊維、フラーレン等のカーボンブラック等の、シロキサン変性重合体被覆補強性粒子以外の補強剤を、必要に応じて、配合することができる。
また、本発明の加硫性ゴム組成物には、この分野で通常使用される各種添加剤を配合することができる。
このような添加剤としては、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、粉砕シリカ等の充填剤;ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス−(トリエトキシシリルプロピル)モノスルフィド、ビス−(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス−(2−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(2−トリエトキシシリルプロピル)ペンタスルフィド、ビス−(2−トリエトキシシリルプロピル)ヘキサスルフィド、3−オクタチオ−1−プロピルエトキシシラン等のシランカップリング剤;ナフテン系、パラフィン系又はアロマ系プロセスオイル;ジオクチルフタレート等の可塑剤;鉱物系のプロセスオイル;ナタネ油、桐油、トール油、亜麻仁油、パーム油等の植物系オイル;牛脂等の動物系オイル;石油合成オイル;テルペン樹脂、石油樹脂類;老化防止剤;等を挙げることができる。これらの配合剤の量は、通常用いられる範囲でよい。
本発明の加硫性ゴム組成物は、常法に従って各成分を配合することにより得ることができる。
配合に当たって、各成分は、本発明のシロキサン変性重合体被覆補強性粒子の調製後、これに添加してもよく、ゴム状重合体とシロキサン変性重合体被覆補強性粒子とを配合する工程の任意の時点で添加してもよい。
本発明の加硫性ゴム組成物は、低発熱性に優れるので、低燃費タイヤのタイヤトレッドとして特に好適に用いられるが、その他にもオールシーズンタイヤ、高性能タイヤ、スタッドレスタイヤ等のタイヤトレッド、サイドウオール、アンダートレッド、カーカス、ビード部等の各種タイヤ用途に好適に使用することができる。
以下に参考例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、各例中の部及び%は特に断りのない限り、質量基準である。
なお、各特性は、以下の方法により評価した。
また、本実施例において、SP値は、単位(MPa1/2)を省略して記載する場合がある。
[重合体分子量]
高速液体クロマトグラフィによりポリスチレン換算分子量として求める。具体的には、東ソー社製HLC8220を用い、GMH−HR−Hカラム2本を用い、テトラヒドロフラン(THF)を使用し、40℃、1ml/minの速度で測定する。分子量の較正はポリマーラボラトリー社製の標準ポリスチレン(500から300万)の12点で実施する。
[重合体のミクロ構造]
NMRにより測定する。
[重合体組成物中の補強性粒子の量]
JIS K6226−1に準じて、熱重量分析計(TGA)を用いて測定する。試料(質量F0の補強性粒子を含有する重合体組成物)を、550℃で15分間維持して、全有機分が分解揮散した後に残存する補強性粒子の量(F)を測定する。重合体組成物中に取り込まれた補強性粒子の比率(取り込み比率)(%)は、
取り込み比率(%)=100×F/F0で表される。
[引張強度]及び[伸び]
160℃、30分加硫後サンプルについて、JIS K6251:1993に従い、ダンベル状3号形を用いて測定する。引張強度及び伸びの測定単位は、それぞれ、MPa及び%である。いずれも数値が大きいほどよい。
[加硫速度]
JIS K6300に従って測定する。レオメータのトルクカーブから最低トルク(ML)及び最高トルク(MH)及びその差分dS(=MH−ML)から、トルクがML+0.1×dS及びML+0.9×dSとなる時間を求める。この両者の間の時間を加硫時間(単位:分)とする。この時間が短いほど、配合物の均一性がよいことを示す。
なお、測定は、東洋精機社製RLR型加硫試験機を用い、160℃(振れ角1度)の条件で行った。
[シリカの分散性]
シリカの分散性の指標として、160℃、30分加硫後サンプルの1Hz、60℃で、0.3%から70%のG’(貯蔵弾性率)の歪依存性を、ラバープロセスアナライザーRPA2000(アルファテクノロジー社製)を用いて測定する。測定単位はMPaである。この測定値を、基準サンプルを100とする指数に換算して示す。指数の数値が小さいほど、シリカの分散性がよい。
[低発熱性]
160℃、30分加硫後サンプルについて、粘弾性測定装置(レオメトリックス社製RDA−II)を用いて、tanδを動的歪0.5%、周波数20Hzの条件下、60℃で測定する。この測定値を基準サンプルを100とする指数に換算して示す。指数の数値が小さいほど低発熱性に優れていることを示す。
[耐摩耗性]
160℃、30分加硫後サンプルについて、JIS K6242:1993に従いピコ摩耗試験機で実施する。測定単位はccである。測定値の逆数を、基準サンプルを100とする指数で示す。指数の数値が大きいほどよい。
[参考例1]:(基材重合体P1の製造)
結合スチレン量35%、ブタジエン単位部分のビニル結合量12%、重量平均分子量80万、ゴム成分100部に対して37.5部のアロマチックオイルを含有する乳化重合スチレン−ブタジエン共重合ゴム(日本ゼオン社製、Nipol SBR9528R)(以下、「基材重合体P1」という。)を粉砕し、30℃、100回転の攪拌下にシクロヘキサン(SP値16.8)/ヘキサン(SP値14.9)混合溶媒(混合比9/1)に溶解して、ゴム成分濃度15%の溶液を得た。
[参考例2](ベース重合体A1b−1〜A1b−4及びA1b−c1の製造)
攪拌器付オートクレーブを用いて、シクロヘキサン(同16.8)/ヘキサン(同14.9)混合溶媒(混合比9/1)中で、n−ブチルリチウム(A1b−1〜A1b−5のベース重合体ごとに変量した。)を用いて、スチレンとブタジエンとの共重合を行い、表2に示す結合スチレン量及びブタジエン単位部分のビニル結合量及び重量平均分子量を有するリビング重合体(ベース重合体A1b−1〜A1b−4及びA1b−c1)溶液(濃度10%)を得た。
[参考例3](極性官能基含有シロキサン変性重合体A1−1〜A1−4及びA1−c1の製造)
リビング重合体(ベース重合体Ab1−1〜Ab1−4及びAb1−c1)の溶液に、重合活性末端1モルに対しエポキシ基量が0.5モルとなるように、表1に示す極性の官能基含有シロキサン化合物aの20%キシレン溶液を、攪拌下に添加した。反応停止は実施せず、老化防止剤の添加も行わなかった。これにより、表2に示す極性官能基含有シロキサン変性重合体A1−1〜A1−4及びA1−c1の濃度10%の溶液を得た。
Figure 2006096908
なお、表1の極性の官能基含有シロキサン化合物は、下記一般式(V)で表される。表1中、POAは、下記一般式(VI)で表される。一般式(VI)中、rは、平均2.5である。また、GOPは、3−グリシドキシプロピル基を表す。
Figure 2006096908
Figure 2006096908
Figure 2006096908
[実施例1及び比較例1]:シロキサン変性重合体被覆シリカ粒子の製造
参考例3で得た、表2に示すシロキサン変性重合体(A1−1〜A1−4及びA1−c1)5部を含む10%溶液を窒素雰囲気下、脱水・精製したシクロヘキサン400部に溶解して、均一な溶液を得た。70℃において、攪拌機を用いてこの溶液を毎分100回転で攪拌しながら、80部の湿式法シリカ(ローディア社製、窒素吸着比表面積(BET)165m/g、pH6.5の含水珪酸、商品名Z1165MP)を5分間掛けて徐々に添加して更に10分間混合を続け、シロキサン変性重合体被覆シリカ粒子の溶液SS1−1〜SS1−4及びSS1−c1を得た(表3)。なお、比較例1−2では、シロキサン変性重合体の代わりにアロマチックオイル5部を含む溶液を用いて、シリカ分散液SS1-c2を得た。
Figure 2006096908
[実施例2及び比較例2]:シロキサン変性重合体被覆シリカ粒子を用いた重合体組成物の製造
実施例1及び比較例1で得たシロキサン変性重合体被覆シリカ粒子85部を含有するシクロヘキサン溶液(SS1−1〜SS1−4及びSS1−c1)及びシリカ分散液(SS1−c2)に、70℃で毎分100回転の攪拌下、参考例1で得た基材重合体P1を100部含有するシクロへキサン/n−ヘキサン溶液を10分間掛けて徐々に添加した。添加終了後、更に10分間攪拌を継続して、混合液を均一化して、重合体組成物溶液を得た。
得られた重合体組成物溶液中に老化防止剤として2−メチル−4,6−ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノールを0.1部添加した後、スチームストリッピング法により溶媒を除去して、固形の重合体組成物(B2−1〜B2−4、B2−c1〜B2−c2)を得た。得られた重合体組成物は柔らかいゴム状であった。
実施例については、凝固水(スチームストリッピング後にクラムを分離した後の水相をいう。)の白濁はなかったが、比較例では白濁が見られた。また、重合体組成物(B2−1〜B2−4、B2−c1〜B2−c2)を熱重量分析計(TGA)で分析したところ、含有シリカ量は表4に示すとおりであった。これからシリカの取込み比率(使用したシリカのうち、重合体組成物中に取り込まれたものの比率)を求めた。結果を表4に示す。
Figure 2006096908
[参考例4]:(基材重合体P3及びP3−c1の製造)
参考例2と同様にして、結合スチレン量30%、ビニル結合量58%、重量平均分子量71,500のスチレン−ブタジエン共重合体P3bを得た。
これに、それぞれ、表5に示す変性剤を用いて、重合活性末端1モルに対してエポキシ基量が1モルになるようにした以外は、参考例3と同様にして、変性された基材重合体P3及びP3−c2を得た。なお、参考例4−c2では、変性剤に代えて、重合活性末端1モルに対して、0.25モルのテトラメトキシシラン(TMOS)を用いた。
Figure 2006096908
[実施例3及び比較例3]:シロキサン変性重合体被覆シリカ粒子を用いた加硫性ゴム組成物の製造
参考例2と同様にして、表6に示すリビング重合体(ベース重合体Ab3−1〜Ab3−4、Ab3−1c及びAb3−2c)溶液を得た。
これらのベース重合体と、それぞれ、表6に表1における記号を用いて示す変性剤(シロキサン化合物)を使用して(なお、比較例3−2では、TMOSを使用した。)、参考例3と同様にして、極性官能基含有シロキサン変性重合体A3−1〜A3−4及びA3−c1〜A3−c2を得た。
これらの極性官能基含有シロキサン変性重合体(A3−1〜A3−4及びA3−c1〜A3−c2)10部を含む溶液とシリカ60部とを使用して、実施例1と同様にして、シロキサン変性重合体被覆シリカ粒子の溶液SS3−1〜SS3−4及びSS3−c1〜SS3−c2を得た。
このシロキサン変性重合体被覆シリカ粒子の溶液SS3−1〜SS3−4及びSS3−c1並びにシリカ分散液SS3−c2と変性された基材重合体P3及びP3−c1とを、表6に示すような組合せで、60℃で毎分100回転の攪拌下に、30分間混合した。
以下、実施例2と同様にして、スチームストリッピング法により溶媒を除去して、固形の重合体組成物(B3−1〜B3−4、B3−c1〜B3−c2)を得た。得られた重合体組成物は柔らかいゴム状であった。
また、実施例2と同様にして、シリカの取込み比率を求めた。結果を表6に示す。
Figure 2006096908
変性された基材重合体100部、極性官能基含有シロキサン変性重合体10部及びシリカ60部の合計170部を含む重合体組成物(B3−1〜B3−4、B3−c1〜B3−c2)に、アロマチックオイル(プロセスオイル)20部、シランカップリング剤のカーボンブラック吸着物(混合比50/50。デグッサ社製、商品名X50S)8部、亜鉛華3部、ステアリン酸2部及び老化防止剤6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)2部及びワックス系老化防止剤(大内新興化学工業社製、サンノック)2部を添加して、バンバリーミキサーを用いて150℃で、毎分70回転の条件下で均一化し、スチームストリッピングにより脱溶媒し、水絞り器で水分量が約10%となるまで脱水し、次いで150℃の一軸押出機で押出した後、60分熱風乾燥してゴム組成物を得た。
得られたゴム組成物に、50℃のロールを使用して、硫黄1.6部、加硫促進剤DPG(1,3−ジフェニルグアニジン)0.5部及び同CBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)1.8部を配合して加硫性ゴム組成物(C3−1〜C3−4及びC3−c1〜C3−c2)を得た。
得られた加硫性ゴム組成物(C)について、物性評価を行った。結果を表6に示す。なお、表6中、加硫性ゴム組成物のシリカ分散性及び低発熱性(tanδ)は、比較例3−2の数値を100として、指数化して示してある。
[参考例5]
参考例2と同様にして、スチレンとブタジエンとの共重合を行い、表7に示す分子量を有する、いずれも結合スチレン量21%、ビニル結合含有量63%の、リビング重合体(基材重合体)P4b−1〜P4b−5及びP4b−c1〜P4b-c2を得た。これらの基材重合体P4b−1〜P4b−5及びP4b−c1〜P4b-c2を、表7に表1における記号を用いて示す変性剤を用いて、参考例3と同様にして変性して、変性した基材重合体P4−1〜P4−5及びP4−c1〜P4-c2を得た。
なお、P−4−2については、重合活性末端1モルに対してエポキシ基量が0.25モルとなるように、シロキサン化合物aを反応させた後、TMOSを0.0625モル反応させた。また、P−4−4については、重合活性末端1モルに対してTMOSを0.0625モルを反応させた後、N−フェニルピロリドン(NPP)0.25モルを反応させた。更に、P−4−5、P−4−c1及びP−4−c2については、重合活性末端1モルに対して0.125モルの塩化第二錫を使用した。
Figure 2006096908
[実施例4及び比較例4]:シロキサン変性重合体被覆シリカ粒子を用いた加硫性ゴム組成物の製造
実施例3と同様にして、10部の極性官能基含有シロキサン変性重合体A3−1でシリカ粒子80部を被覆して得た被覆シリカ粒子溶液SS4−1を得た。
シロキサン変性重合体被覆シリカ粒子8部を含有する被覆シリカ粒子溶液SS4−1と変性した基材重合体P4−1〜P4−5とを、表7に示すような組合せで、60℃で毎分100回転の攪拌下に、30分間混合して、重合体組成物溶液BS4−1〜BS4−4及びBS4−c1を得た。なお、比較例4−1については、被覆シリカ粒子溶液に代えて、シリカ粒子粉末を使用した。
実施例2と同様にして、スチームストリッピング法により溶媒を除去して、固形の重合体組成物(B4−1〜B4−4及びB4−c1)を得た。得られた重合体組成物B4−1〜B4−4は柔らかいゴム状であったが、B4−c1は、硬質のゴム状であった。
また、実施例2と同様にして、シリカの取込み比率を求めた。結果を表に示す。
ナフテンオイルをナタネ油に変え、加硫促進剤DPGの量を1部とするほかは、実施例3と同様にして、加硫性ゴム組成物(C4−1〜C4−4及びC4−c1)を得た。なお、実施例4−5、比較例4−1及び比較例4−2では、ナタネ油の量を28部とした。
また、比較例4−2では、80部のシリカ粒子と100部の変性基材重合体P4−c2とを用いて、ドライ混練により加硫性ゴム組成物C4−c2を得た。
得られた加硫性ゴム組成物について、物性評価を行った。結果を表7に示す。なお、表7中、加硫性ゴム組成物のシリカ分散性、低発熱性(tanδ)及び耐摩耗性は、比較例4−2の数値を100として、指数化して示してある。
表2及び3の結果から、極性の官能基を有するシロキサン化合物によるベース重合体の変性を行わなかった場合(比較例2−2)は、シリカ粒子の流失量が大きいことが分かる。また、極性官能基含有シロキサン変性重合体の重量平均分子量が30万を超える場合(比較例2−1)は、シリカの取込み比率が低下することが分かる。
表5の結果から、極性の官能基を有しないシロキサン化合物又はTMOSにより変性した重合体で被覆して得られたシリカ粒子を使用した場合(比較例3−1、同3−2)は、シリカ粒子の一部が系外に流失した重合体組成物となり、これから得られる加硫性ゴム組成物は、引張強度に劣り、低発熱性及び耐摩耗性も劣ることが分かる。
これに対して、本発明のシロキサン変性重合体被覆シリカ粒子を用いて得られた重合体組成物から得られる加硫性ゴム組成物は、加硫速度、引張強度、伸び、シリカ分散性、低発熱性及び耐摩耗性のいずれにも優れていることが分かる。
また、表7の結果から、基材重合体をも極性の官能基含有シロキサン化合物で変性した場合は、更に、優れた物性を有する加硫性ゴム組成物が得られることが分かる。
このように、本発明によれば、補強性粒子の分散性に優れた重合体組成物を得ることができる。また、本発明によれば、この重合体組成物を得るために適した補強性粒子を得ることができる。更に本発明によれば、機械的強度、シリカの分散性、低発熱性及び耐摩耗性に優れた加硫性ゴム組成物を得ることができる。

Claims (11)

  1. 表面にシラノール基を有する補強性粒子100重量部を、16.0〜20.0MPa1/2の溶解度パラメーターを有する有機溶媒中で、重量平均分子量500〜300,000の少なくとも1つの極性の官能基を含有するシロキサン変性重合体0.3〜200重量部で被覆してなるシロキサン変性重合体被覆補強性粒子。
  2. 少なくとも1つの極性の官能基を含有するシロキサン変性重合体が、ポリオキシアルキレン基と他の一つの極性の官能基とを有するものである請求項1に記載のシロキサン変性重合体被覆補強性粒子。
  3. 16.0〜20.0MPa1/2の溶解度パラメーターを有する有機溶媒の溶液の形態を有する請求項1又は2に記載のシロキサン変性重合体被覆補強性粒子。
  4. 表面にシラノール基を有する補強性粒子100重量部を、16.0〜20.0MPa1/2の溶解度パラメーターを有する有機溶媒中で、重量平均分子量500〜300,000の少なくとも1つの極性の官能基を含有するシロキサン変性重合体0.3〜200重量部と混合することを特徴とするシロキサン変性重合体被覆補強性粒子の製造方法。
  5. 基材重合体100重量部と請求項1又は2に記載のシロキサン変性重合体被覆補強性粒子5〜200重量部とを含有してなる重合体組成物。
  6. 基材重合体が少なくとも1つの極性の官能基を含有するシロキサン化合物で変性された重合体である請求項5に記載の重合体組成物。
  7. 基材重合体がゴム状重合体である請求項5又は6に記載の重合体組成物。
  8. 請求項1又は2に記載のシロキサン変性重合体被覆補強性粒子を基材重合体に配合する請求項5に記載の重合体組成物の製造方法。
  9. 請求項3に記載の有機溶媒の溶液の形態を有するシロキサン変性重合体被覆補強性粒子と、基材重合体を10.0〜18.8MPa1/2の溶解度パラメーターを有する有機溶媒に溶解してなる溶液と、を混合することからなる請求項5に記載の重合体組成物の製造方法。
  10. 請求項7に記載の重合体組成物及び加硫剤を含有してなる加硫性ゴム組成物。
  11. タイヤ用である請求項10に記載の加硫性ゴム組成物。
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