JP2006095864A - 駆動信号生成方法、印刷装置、及び印刷システム - Google Patents

駆動信号生成方法、印刷装置、及び印刷システム Download PDF

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Abstract

【課題】駆動信号の生成精度を高める。
【解決手段】駆動信号生成方法を生成するにあたり、以下の1〜4のステップを行う。1.インクを吐出させるための動作を行う素子(ピエゾ素子417)に印加される駆動信号COMを生成情報(DAC値)に基づいて生成する駆動信号生成部70に、前記素子に印加されない調整用信号ASを生成させる調整用信号生成ステップ。2.前記調整用信号を計測する信号計測ステップ。3.前記調整用信号の計測結果に基づいて前記生成情報を調整する生成情報調整ステップ。4.調整後の前記生成情報に基づいて、前記駆動信号生成部に駆動信号を生成させる駆動信号生成ステップ。
【選択図】 図16

Description

本発明は、インクを吐出させるための動作を行う素子に印加される駆動信号を生成する駆動信号生成方法、この駆動信号を生成情報に基づいて生成する駆動信号生成部を有する印刷装置及び印刷システムに関する。
媒体に画像を印刷する印刷装置には、駆動信号をピエゾ素子に印加させるものがある。この種の印刷装置には、駆動信号の補正を行うものが提案されている。例えば、環境温度の違いによるインク量のばらつきを防止するため、環境温度に応じて駆動信号の補正を行う印刷装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2000−272103号公報
従来における駆動信号の補正は、環境温度等の外的要因に対して行われていた。言い替えれば、駆動信号の補正にあたり、この駆動信号を生成する駆動信号生成部のばらつきは考慮されていなかった。しかし、最近では印刷装置も広く普及し、同じ画像を複数台の印刷装置によって印刷させる場合もある。このような場合は、印刷装置の個体差をできるだけ少なくすることが求められる。また、1つのピエゾ素子に対して複数の駆動信号を選択的に印加させる印刷装置も提案されている。このような印刷装置では駆動信号毎に駆動信号生成部が設けられるが、高品位な画像を印刷させるためには、駆動信号生成部同士のばらつきが少ないことが求められる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動信号生成部による駆動信号の生成精度を高めることにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、
インクを吐出させるための動作を行う素子に印加される駆動信号を生成情報に基づいて生成する駆動信号生成部に、前記素子に印加されない調整用信号を生成させる調整用信号生成ステップと、
前記調整用信号を計測する信号計測ステップと、
前記調整用信号の計測結果に基づいて前記生成情報を調整する生成情報調整ステップと、
調整後の前記生成情報に基づいて、前記駆動信号生成部に駆動信号を生成させる駆動信号生成ステップと、
を有する駆動信号生成方法である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
すなわち、インクを吐出させるための動作を行う素子に印加される駆動信号を生成情報に基づいて生成する駆動信号生成部に、前記素子に印加されない調整用信号を生成させる調整用信号生成ステップと、前記調整用信号を計測する信号計測ステップと、前記調整用信号の計測結果に基づいて前記生成情報を調整する生成情報調整ステップと、調整後の前記生成情報に基づいて、前記駆動信号生成部に駆動信号を生成させる駆動信号生成ステップと、を有する駆動信号生成方法が実現できること。
このような駆動信号生成方法によれば、駆動信号生成ステップで生成される駆動信号は、駆動信号生成部で生成された調整用信号の計測結果に基づいて調整される。ここで、調整用信号は、インクを吐出させるための動作を行う素子に印加されない。このため、調整用信号は、駆動信号生成部の特性が正確に反映されたものとなる。従って、駆動信号生成部の特性を精度良く認識することができ、ひいては駆動信号生成部による駆動信号の生成精度を高めることができる。
かかる駆動信号生成方法であって、前記調整用信号生成ステップでは、第1駆動信号を第1生成情報に基づいて生成する第1駆動信号生成部に、第1調整用信号を生成させ、第2駆動信号を第2生成情報に基づいて生成する第2駆動信号生成部に、第2調整用信号を生成させ、前記信号計測ステップでは、前記第1調整用信号と前記第2調整用信号とを計測し、前記生成情報調整ステップでは、前記第1調整用信号の計測結果と前記第2調整用信号の計測結果に基づいて、第1生成情報及び第2生成情報を調整し、前記駆動信号生成ステップでは、調整後の第1生成情報に基づいて、前記第1駆動信号生成部に前記第1調整用信号を生成させ、調整後の前記第2生成情報に基づいて、前記第2駆動信号生成部に前記第2調整用信号を生成させること。
このような駆動信号生成方法によれば、第1駆動信号生成部と第2駆動信号生成部のばらつきが調整され、第1駆動信号と第2駆動信号の生成精度を高めることができる。
かかる駆動信号生成方法であって、前記調整用信号生成ステップでは、前記生成情報に基づいて増幅前の増幅前駆動信号を生成する、前記駆動信号生成部の増幅前駆動信号生成部に、前記調整用信号を生成させ、前記信号計測ステップでは、前記増幅前駆動信号生成部で生成された前記調整用信号を計測すること。
このような駆動信号生成方法によれば、増幅前駆動信号生成部に調整用信号を生成させるので、生成された調整用信号も増幅前のレベルとなる。このため、信号の扱いが容易になる。
かかる駆動信号生成方法であって、前記調整用信号生成ステップでは、前記生成情報に基づいて生成された増幅前駆動信号を増幅する、前記駆動信号生成部の信号増幅部に、前記調整用信号を生成させ、前記信号計測ステップでは、前記信号増幅部で生成された前記調整用信号を計測すること。
このような駆動信号生成方法によれば、駆動信号と同様に増幅された調整用信号を計測の対象としているので、調整用信号を精度良く計測することができる。
かかる駆動信号生成方法であって、前記信号計測ステップでは、前記調整用信号の電圧を計測すること。
このような駆動信号生成方法によれば、調整用信号の計測が容易である。
かかる駆動信号生成方法であって、前記信号計測ステップでは、前記調整用信号を、調整用信号計測装置で計測すること。
このような駆動信号生成方法によれば、計測に必要な構成を調整用信号計測装置に設ければ足りる。このため、計測対象となる装置(例えば、印刷装置)の構成を簡素化することができる。
かかる駆動信号生成方法であって、前記信号計測ステップでは、前記調整用信号を、前記生成情報を出力するコントローラで計測すること。
このような駆動信号生成方法によれば、調整用信号をコントローラで計測するので、計測対象となる装置の出荷後においても、調整を行うことができる。
かかる駆動信号生成方法であって、前記信号計測ステップでは、前記第1駆動信号生成部に生成させた第1調整用信号、及び、前記第2駆動信号生成部に生成させた第2調整用信号を切り替えスイッチを介して順次選択し、前記第1生成情報及び第2生成情報を出力するコントローラで計測すること。
このような駆動信号生成方法によれば、複数の調整用信号を切り替えスイッチを介して選択するので、計測用の構成を共通化できる。
かかる駆動信号生成方法であって、前記調整用信号生成ステップでは、 前記素子の動作開始から終了までを規定するための単位信号における、最高電圧に対応する生成情報に基づき、前記調整用信号を生成させること。
このような駆動信号生成方法によれば、単位信号の最高電圧に対応する生成情報に基づいて調整用信号が生成される。この最高電圧はインク量に対する影響が大きいので、この最高電圧を調整対象とすることにより、インク量を高い精度で調整できる。
かかる駆動信号生成方法であって、前記調整用信号生成ステップでは、前記素子の動作開始から終了までを規定するための単位信号における、開始電圧に対応する生成情報に基づき、前記調整用信号を生成させること。
このような駆動信号生成方法によれば、単位信号における開始電圧を基準に調整が行われるため、駆動信号の生成精度を高めることができる。特に、複数の駆動信号を切り替える構成では、切り替え時における電圧の変動を防止することができる。
また、インクを吐出させるための動作を行う素子に印加される第1駆動信号を第1生成情報に基づいて生成する第1駆動信号生成部の、前記第1生成情報に基づいて増幅前の増幅前駆動信号を生成する増幅前駆動信号生成部、又は、前記増幅前駆動信号を増幅する信号増幅部に、前記素子の動作開始から終了までを規定するための単位信号における最高電圧又は開始電圧に対応する生成情報に基づき、前記素子に印加されない第1調整用信号を生成させ、且つ、前記素子に印加される第2駆動信号を第2生成情報に基づいて生成する第2駆動信号生成部の、前記第2生成情報に基づいて増幅前の増幅前駆動信号を生成する増幅前駆動信号生成部、又は、前記増幅前駆動信号を増幅する信号増幅部に、前記素子の動作開始から終了までを規定するための単位信号における最高電圧又は開始電圧に対応する生成情報に基づき、前記素子に印加されない第2調整用信号を生成させる、調整用信号生成ステップと、前記第1駆動信号生成部の前記増幅前駆動信号生成部、又は、前記信号増幅部で生成された第1調整用信号の電圧と、前記第2駆動信号生成部の前記増幅前駆動信号生成部、又は、前記信号増幅部で生成された前記第2調整用信号の電圧とを、調整用信号計測装置で計測し、又は、切り替えスイッチを介して順次選択して、前記生成情報を出力するコントローラで計測する、信号計測ステップと、前記第1調整用信号の計測結果に基づいて第1生成情報を調整し、前記第2調整用信号の計測結果に基づいて第2生成情報を調整する、生成情報調整ステップと、調整後の前記第1生成情報に基づいて、前記第1駆動信号生成部に前記第1調整用信号を生成させ、調整後の前記第2生成情報に基づいて、前記第2駆動信号生成部に前記第2調整用信号を生成させる、駆動信号生成ステップと、を有する駆動信号生成方法を実現することもできる。
このような駆動信号生成方法によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するので、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、インクを吐出させるための動作を行う素子と、前記素子に印加される駆動信号を生成情報に基づいて生成する駆動信号生成部と、前記駆動信号生成部に前記素子に印加されない調整用信号を生成させ、生成された前記調整用信号に基づいて前記生成情報を調整し、調整後の前記生成情報に基づいて、前記駆動信号生成部に駆動信号を生成させるコントローラと、を有する、印刷装置を実現することもできる。
また、印刷装置と前記印刷装置を制御する印刷制御装置とを有する印刷システムであって、前記印刷装置は、インクを吐出させるための動作を行う素子と、前記素子に印加される駆動信号を生成情報に基づいて生成する駆動信号生成部と、前記駆動信号生成部に前記素子に印加されない調整用信号を生成させ、生成された前記調整用信号に基づいて前記生成情報を調整し、調整後の前記生成情報に基づいて、前記駆動信号生成部に駆動信号を生成させるコントローラと、を有する、印刷システムを実現することもできる。
===印刷システムの構成===
<全体構成について>
まず、印刷装置を印刷システムとともに説明する。なお、印刷システムとは、印刷装置と、この印刷装置の動作を制御する印刷制御装置とを少なくとも含むシステムのことである。
図1は、印刷システム100の構成を説明する図である。例示した印刷システム100は、印刷装置としてのプリンタ1と、印刷制御装置としてのコンピュータ110とを含んでいる。具体的には、この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。
プリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する。なお、この媒体に関し、以下の説明では、代表的な媒体である用紙S(図3Aを参照。)を例に挙げて説明する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。表示装置120は、ディスプレイを有している。この表示装置120は、例えば、コンピュータプログラムのユーザーインタフェースを表示するためのものである。入力装置130は、例えば、キーボード131やマウス132である。記録再生装置140は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置141やCD−ROMドライブ装置142である。
===コンピュータ===
<コンピュータ110の構成について>
図2Aは、コンピュータ110、及びプリンタ1の構成を説明するブロック図である。図2Bは、プリンタ1が有するメモリ63の一部分を模式的に説明する図である。
まず、コンピュータ110の構成について簡単に説明する。このコンピュータ110は、前述した記録再生装置140と、ホスト側コントローラ111とを有している。記録再生装置140は、ホスト側コントローラ111と通信可能に接続されており、例えばコンピュータ110の筐体に取り付けられている。ホスト側コントローラ111は、コンピュータ110における各種の制御を行うものであり、前述した表示装置120や入力装置130も通信可能に接続されている。このホスト側コントローラ111は、インタフェース部112と、CPU113と、メモリ114とを有する。インタフェース部112は、プリンタ1との間に介在し、データの受け渡しを行う。CPU113は、コンピュータ110の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ114は、CPU113が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成される。このメモリ114に格納されるコンピュータプログラムとしては、前述したように、アプリケーションプログラムやプリンタドライバがある。そして、CPU113は、メモリ114に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。
プリンタドライバは、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換する機能をコンピュータ110に実現させる。そして、プリンタ1は、コンピュータ110からの印刷データを受信することで印刷動作を実行する。言い替えると、コンピュータ110は、印刷データを介してプリンタ1の動作を制御しているといえる。従って、コンピュータ110は、このプリンタドライバによって、印刷制御装置として機能する。そして、プリンタドライバは、画像データを印刷データに変換する機能を実現させるためのコードを有する。
印刷データは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと、画素データとを有する。コマンドデータとは、プリンタ1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。このコマンドデータには、例えば、給紙を指示するコマンドデータ、搬送量を示すコマンドデータ、排紙を指示するコマンドデータがある。また、画素データは、印刷される画像の画素に関するデータである。ここで、画素とは、用紙上に仮想的に定められた方眼状の升目であり、ドットが形成される領域を示す。そして、印刷データにおける画素データは、用紙上に形成されるドットに関するデータ(例えば、ドットの大きさのデータ)に変換される。本実施形態において、画素データは2ビットのデータによって構成されている。すなわち、この画素データには、ドット無しに対応する画素データ「00」と、小ドットに対応する画素データ「01」と、中ドットの形成に対応する画素データ「10」と、大ドットに対応する画素データ「11」とがある。従って、このプリンタ1は4階調でドットの形成ができる。そして、本実施形態において、大ドットは最大ドットに相当する。
そして、プリンタドライバは、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換するため、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理などを行う。また、プリンタドライバは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録された状態で提供される。また、プリンタドライバは、インターネットを介してコンピュータ110にダウンロードすることも可能である。
===プリンタ===
<プリンタ1の構成について>
次に、プリンタ1の構成について説明する。ここで、図3Aは、本実施形態のプリンタ1の構成を示す図である。図3Bは、本実施形態のプリンタ1の構成を説明する側面図である。なお、以下の説明では、図2Aも参照する。
図2Aに示すように、プリンタ1は、用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、検出器群50、プリンタ側コントローラ60、及び駆動信号生成回路70を有する。なお、本実施形態において、プリンタ側コントローラ60及び駆動信号生成回路70は、共通のコントローラ基板CTRに設けられている。また、ヘッドユニット40は、ヘッド制御部HCと、ヘッド41とを有している。
このプリンタ1では、プリンタ側コントローラ60によって制御対象部、すなわち用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40(ヘッド制御部HC,ヘッド41)、及び駆動信号生成回路70が制御される。これにより、プリンタ側コントローラ60は、コンピュータ110から受け取った印刷データに基づき、用紙Sに画像を印刷させる。また、検出器群50の各検出器は、プリンタ1内の状況を監視している。そして、各検出器は、検出結果をプリンタ側コントローラ60に出力する。各検出器からの検出結果を受けたプリンタ側コントローラ60は、その検出結果に基づいて制御対象部を制御する。
<用紙搬送機構20について>
用紙搬送機構20は、媒体を搬送させる媒体搬送部に相当する。この用紙搬送機構20は、用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだり、この用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送させたりするものである。この搬送方向は、次に説明するキャリッジ移動方向と交差する方向である。そして、図3A及び図3Bに示すように、用紙搬送機構20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内に自動的に送るためのローラであり、この例ではD形の断面形状をしている。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送させるためのモータであり、その動作は、プリンタ側コントローラ60によって制御される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって送られてきた用紙Sを、印刷可能な領域まで搬送するためのローラである。この搬送ローラ23の動作も搬送モータ22によって制御される。プラテン24は、印刷中の用紙Sを、この用紙Sの裏面側から支持する部材である。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送するためのローラである。
<キャリッジ移動機構30について>
キャリッジ移動機構30は、ヘッドユニット40が取り付けられたキャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させるためのものである。キャリッジ移動方向には、一側から他側への移動方向と、他側から一側への移動方向が含まれている。なお、ヘッドユニット40はヘッド41を有するので、キャリッジ移動方向はヘッド41の移動方向に相当し、キャリッジ移動機構30はヘッド41を移動方向に移動させるヘッド移動部に相当する。そして、このキャリッジ移動機構30は、キャリッジモータ31と、ガイド軸32と、タイミングベルト33と、駆動プーリー34と、従動プーリー35とを有する。キャリッジモータ31は、キャリッジCRを移動させるための駆動源に相当する。このキャリッジモータ31は、プリンタ側コントローラ60によって動作が制御される。そして、キャリッジモータ31の回転軸には、駆動プーリー34が取り付けられている。この駆動プーリー34は、キャリッジ移動方向の一端側に配置されている。駆動プーリー34とは反対側のキャリッジ移動方向の他端側には、従動プーリー35が配置されている。タイミングベルト33は、キャリッジCRに接続されているとともに、駆動プーリー34と従動プーリー35に架け渡されている。ガイド軸32は、キャリッジCRを移動可能な状態で支持する。このガイド軸32は、キャリッジ移動方向に沿って取り付けられている。従って、キャリッジモータ31が動作すると、キャリッジCRは、このガイド軸32に沿ってキャリッジ移動方向に移動する。
<ヘッドユニット40について>
ヘッドユニット40は、インクを用紙Sに向けて吐出させるためのものである。ここで、図4は、ヘッドユニット40の分解斜視図である。図5は、ヘッド41の構造を説明する断面図である。
このヘッドユニット40は、例えば、図4に示すように、ヘッド41と、針側ケース部材42と、ヘッド側ケース部材43を有している。針側ケース部材42とヘッド側ケース部材43の間には、ヘッド制御基板44が配置されている。また、ヘッド側ケース部材43にはヘッド41が取り付けられている。これらのヘッド制御基板44とヘッド41とは、フィルム状のヘッド側配線部材45によって電気的に接続される。そして、このヘッド側配線部材45には、ヘッド41を制御するためのヘッド制御部HCが設けられている。このヘッド制御部HCについては、後で説明する。また、ヘッド制御基板44には、サーミスタ55が設けられている。このサーミスタ55は、ヘッド41の周辺温度を検出する。すなわち、サーミスタ55は、ヘッド41の温度を間接的に検出するための検出器といえる。
このヘッドユニット40が有するヘッド41は、例えば、図5に示す構造を有している。例示したヘッド41は、流路ユニット41Aと、アクチュエータユニット41Bとを有する。流路ユニット41Aは、ノズルNzが設けられたノズルプレート411と、インク貯留室412aとなる開口部が形成された貯留室形成基板412と、インク供給口413aが形成された供給口形成基板413とを有する。アクチュエータユニット41Bは、圧力室414aとなる開口部が形成された圧力室形成基板414と、圧力室414aの一部を区画する振動板415と、供給側連通口416aとなる開口部が形成された蓋部材416と、振動板415の表面に形成されたピエゾ素子417とを有する。このヘッド41には、インク貯留室412aから圧力室414aを通ってノズルNzに至る一連の流路が形成されている。使用時において、この流路はインクで満たされており、ピエゾ素子417を変形させることで、対応するノズルNzからインクを吐出させることができる。従って、このヘッド41において、ピエゾ素子417は、インクを吐出させるための動作を行う素子に相当する。
また、このプリンタ1では、前述したように、画素データ「00」に対応するドット無し、画素データ「01」に対応する小ドットの形成、画素データ「10」に対応する中ドットの形成、及び画素データ「11」に対応する大ドットの形成という4種類の制御ができる。このため、各ノズルNzからは、量が異なる複数種類のインクを吐出させることができる。例えば、各ノズルNzからは、大ドットを形成し得る量の大インク滴、中ドットを形成し得る量の中インク滴、及び小ドットを形成し得る量の小インク滴からなる3種類のインクを吐出させることができる。
<検出器群50について>
検出器群50は、プリンタ1の状況を監視するためのものである。図3A,図3B,図4に示すように、この検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出器53、紙幅検出器54、及びサーミスタ55等が含まれている。リニア式エンコーダ51は、キャリッジCR(ヘッド41,ノズルNz)のキャリッジ移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出器53は、印刷される用紙Sの先端位置を検出するためのものである。紙幅検出器54は、印刷される用紙Sの幅を検出するためのものである。サーミスタ55は、前述したように、ヘッド制御基板44に設けられ、ヘッド41の周辺温度を検出するためのものである。
<プリンタ側コントローラ60について>
プリンタ側コントローラ60は、プリンタ1の制御を行うものである。そして、このプリンタ側コントローラ60は、生成情報の一種であるDAC値(デジタルアナログ変換値)を、駆動信号生成回路70に出力するコントローラに相当する。そして、プリンタ側コントローラ60は、DAC値を出力することにより、駆動信号生成回路70に駆動信号COM(第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_B,図11Aを参照。)を生成させる。なお、DAC値、及び駆動信号COMについては、後で説明する。
このプリンタ側コントローラ60は、図2Aに示すように、インタフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、制御ユニット64とを有する。インタフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110との間で、データの受け渡しを行う。CPU62は、プリンタ1の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等の記憶素子によって構成される。本実施形態では、図2Bに示すように、メモリ63の一部分が、プログラム記憶領域63a、波形記憶領域63b、及び調整値記憶領域63cとして用いられている。プログラム記憶領域63aは、コンピュータプログラムが記憶される領域である。波形記憶領域63bは、駆動信号COMを生成させるための波形データが記憶される領域である。調整値記憶領域63cは、駆動信号生成回路70が有する第1波形生成回路71Aと第2波形生成回路71B(図6を参照。)のばらつきを調整するための調整値(後述する。)が記憶される領域である。
そして、CPU62は、メモリ63のプログラム記憶領域63aに記憶されているコンピュータプログラムに従い、各制御対象部を制御する。例えば、CPU62は、制御ユニット64を介して用紙搬送機構20やキャリッジ移動機構30を制御する。また、CPU62は、ヘッド41の動作を制御するためのヘッド制御信号をヘッド制御部HCに出力したり、駆動信号COMを生成させるための制御信号を駆動信号生成回路70に出力したりする。
<駆動信号生成回路70について>
駆動信号生成回路70は、共通に使用される駆動信号COMを生成する。本実施形態の駆動信号COMは、1つのノズル列に対応する全てのピエゾ素子417に対して共通に使用される。ここで、図6は、駆動信号生成回路70の構成を説明するブロック図である。
この駆動信号生成回路70は、複数種類の駆動信号COMを同時に生成できる。本実施形態の駆動信号生成回路70は、第1駆動信号COM_Aを生成する第1駆動信号生成部70Aと、第2駆動信号COM_Bを生成する第2駆動信号生成部70Bを有している。そして、第1駆動信号生成部70Aは、第1波形生成回路71Aと第1電流増幅回路72Aを有し、第2駆動信号生成部70Bは、第2波形生成回路71Bと第2電流増幅回路72Bを有する。なお、第1波形生成回路71Aと第2波形生成回路71Bは同じ構成であり、第1電流増幅回路72Aと第2電流増幅回路72Bは同じ構成である。このため、以下の説明は、主として、第1駆動信号生成部70A、すなわち、第1波形生成回路71Aと第1電流増幅回路72Aについて行うことする。
図7Aは、第1波形生成回路71A及び第2波形生成回路71Bの構成を説明するためのブロック図である。なお、この図において、第2波形生成回路71Bの構成は、括弧付きの符号で示している。また、図7Bは、デジタルアナログ変換器711A(711B)に入力されるDAC値と、電圧増幅回路712A(712B)からの出力電圧との関係を説明する図である。
第1波形生成回路71Aは、デジタルアナログ変換器(D/A変換器)711Aと、電圧増幅回路712Aとを有する。デジタルアナログ変換器711Aは、DAC値に応じた電圧信号を出力する電気回路である。このDAC値は、電圧増幅回路712Aから出力させる電圧(以下、出力電圧ともいう。)を指示するための情報である。すなわち、このDAC値は、駆動信号COMを生成させるための生成情報の一種である。そして、DAC値は、波形記憶領域63bに記憶された波形データに基づき、CPU62から出力される。本実施形態において、DAC値は10ビットのデータによって構成されているが、便宜上、末尾にhを付して16進数で示すことにする。
電圧増幅回路712Aは、デジタルアナログ変換器711Aからの出力電圧を、ピエゾ素子417の動作に適した電圧まで増幅する。本実施形態の電圧増幅回路712Aでは、デジタルアナログ変換器711Aからの出力電圧を、最大40数Vまで増幅する。そして、増幅後の出力電圧は、制御信号S_Q1及び制御信号S_Q2として第1電流増幅回路72Aに出力される。
例えば、図7Bに示す例では、デジタルアナログ変換器711Aに入力されたDAC値が16進数で「24Eh」の場合(2進数で「1001001110」の場合)、電圧増幅回路712Aで増幅された後の出力電圧は25.00Vとなる。また、デジタルアナログ変換器711Aに入力されたDAC値が16進数で「0h」の場合(2進数で「0000000000」の場合)、電圧増幅回路712Aで増幅された後の出力電圧は1.40Vとなり、入力されたDAC値が16進数で「3FF」の場合(2進数で「1111111111」の場合)、電圧増幅回路712Aで増幅された後の出力電圧は42.32Vとなる。すなわち、例示された第1駆動信号生成部70Aは、最低の出力電圧が1.40Vであり、DAC値が1つ大きくなると、出力電圧が0.04Vだけ上昇する構成である。
従って、本実施形態では、デジタルアナログ変換器711Aが増幅前駆動信号生成部に相当し、生成情報としてのDAC値に基づき、電圧増幅や電流増幅される前の増幅前駆動信号を生成する。また、電圧増幅回路712A、及び第1電流増幅回路72Aが信号増幅部に相当し、DAC値(生成情報)に基づいて生成された増幅前駆動信号について、その電力(電圧及び電流)を増幅する。
また、デジタルアナログ変換器711Aの出力と電圧増幅回路712Aの入力との間には、計測用端子713Aが設けられる。この計測用端子713Aは、デジタルアナログ変換器711Aの出力電圧と同じ電圧となる。言い替えると、前述した増幅前駆動信号が出力される端子である。この計測用端子713Aは、デジタルアナログ変換器711Aの出力と電圧増幅回路712Aの入力とを電気的に接続する信号線から分岐され、設けられている。そして、増幅前駆動信号の計測時において、この計測用端子713Aには、計測用プローブ211(図15を参照。)が接触される。なお、増幅前駆動信号の計測については、後述する。
<第1駆動信号生成部70Aの動作の具体例について>
次に、この第1駆動信号生成部70Aの動作の具体例について説明する。ここで、図8Aは、生成される駆動信号COMの一部分を説明する図である。図8Bは、第1電流増幅回路72Aの出力電圧を、電圧V1から電圧V4まで降下させる動作を説明するための図である。
プリンタ側コントローラ60のCPU62は、まず、駆動信号COMを生成するためのパラメータに基づき、更新周期τ毎の出力電圧を求める。図8Aに示される駆動パルスPS´を例に挙げると、パラメータとしては、駆動電圧Vhと、この駆動電圧Vhと基準電圧Vcの関係を規定する比率と、中間電圧VCを維持する時間PWh1と、中間電圧VCから最低電圧VLまで、一定の傾きで電圧を降下させる時間PWd1と、最低電圧VLを維持する時間PWh2と、最低電圧VLから最高電圧VHまで、一定の傾きで電圧を上昇させる時間PWc1と、最高電圧VHを維持する時間PWh3と、最高電圧VHから中間電圧VCまで、一定の傾きで電圧を降下させる時間PWd2と、中間電圧VCを維持する時間PWh4がある。
ここで、駆動電圧Vhは、駆動パルスPS´における最高電圧VHと最低電圧VLの電圧差である。言い替えれば、駆動パルスPS´の印加時におけるピエゾ素子417の最低電位(最低電圧VLによって定まる電位)と最高電位(最高電圧VHによって定まる電位)の差に相当する。基準電圧Vcは、ピエゾ素子417における基準となる変形状態を定めている。本実施形態は、この基準電圧Vcを、駆動電圧Vhの40%(比率0.4)としている。中間電圧VCは、最低電圧VLに基準電圧Vcを加算して得られた電圧である。また、最高電圧VHは、最低電圧VLに駆動電圧Vhを加算して得られた電圧である。そして、これらのパラメータは、メモリ63の波形記憶領域63bに記憶されている。なお、駆動電圧Vhに関しては、基準となる電圧値(便宜上、基準駆動電圧Vhsともいう。)が波形記憶領域63bに記憶されている。すなわち、この基準駆動電圧Vhsを、ヘッド41の周辺温度等に基づいて補正することで、実際に用いられる駆動電圧Vhが定められる。
CPU62は、所定のタイミング、例えば給紙のタイミングで、サーミスタ55の出力からヘッド41の周辺温度を取得し、取得した周辺温度に基づいて駆動電圧Vhを定める。駆動電圧Vhを定めると、CPU62は、基準電圧Vc、中間電圧VC、最高電圧VHを算出する。そして、CPU62は、前述した時間PWh1〜時間PWh4を用いて、更新周期τ毎の出力電圧を求める。この更新周期τは、例えば0.1μs(クロックCLK=10MHz)〜0.05μs(クロックCLK=20MHz)である。そして、求められた更新周期τ毎の出力電圧に基づいて、更新周期τ毎のDAC値が定められ、例えばメモリ63の作業領域(図示せず)に記憶される。
駆動信号COMを生成する場合には、更新周期τ毎のDAC値を、デジタルアナログ変換器711Aへ順次出力する。図8Bの例では、クロックCLKで規定されるタイミングt(n)で電圧V1に対応するDAC値が出力される。これにより、周期τ(n)にて、電圧増幅回路712Aからは電圧V1が出力される。そして、更新周期τ(n+4)までは、電圧V1に対応するDAC値が順次出力され、電圧増幅回路712Aからは電圧V1が出力され続ける。また、タイミングt(n+5)では、電圧V2に対応するDAC値が出力される。これにより、周期τ(n+5)にて、電圧増幅回路712Aの出力は、電圧V1から電圧V2へ降下する。同様に、タイミングt(n+6)では、電圧V3に対応するDAC値が出力される。これにより、周期τ(n+6)にて、電圧増幅回路712Aの出力は、電圧V2から電圧V3へ降下する。以下同様に、DAC値が出力されるため、電圧増幅回路712Aから出力される電圧は、次第に降下する。そして、周期τ(n+10)にて、電圧増幅回路712Aの出力は電圧V4まで降下する。
<第1電流増幅回路72Aについて>
次に、第1電流増幅回路72Aについて説明する。ここで、図9は、電流増幅回路72A,72Bの構成を説明する図である。
この第1電流増幅回路72Aは、多数のピエゾ素子417が支障なく動作できるように、十分な電流を供給するための回路である。従って、電圧増幅回路712Aで増幅された電圧は、電流増幅後も同じ電圧で維持される。例示した第1電流増幅回路72Aは、第1駆動信号COM_Aの電圧の変化に伴って発熱する第1トランジスタ対721Aを有する。そして、この第1トランジスタ対721Aは、互いのエミッタ端子同士が接続されたNPN型のトランジスタQ1とPNP型のトランジスタQ2を有する。NPN型のトランジスタQ1は、駆動信号COMの電圧上昇時に動作するトランジスタである。このNPN型のトランジスタQ1は、コレクタが電源に、エミッタが第1駆動信号COM_Aの出力信号線に、それぞれ接続されている。PNP型のトランジスタQ2は、電圧降下時に動作するトランジスタである。PNP型のトランジスタQ2は、コレクタが接地(アース)に、エミッタが第1駆動信号COM_Aの出力信号線に、それぞれ接続されている。なお、NPN型のトランジスタQ1とPNP型のトランジスタQ2のエミッタ同士が接続されている部分の電圧(第1駆動信号COM_Aの電圧)は、符号FB1で示すように、電圧増幅回路712Aへフィードバックされている。
そして、この第1電流増幅回路72A、すなわち第1トランジスタ対721Aは、第1波形生成回路71Aからの出力電圧によって動作が制御される。例えば、出力電圧が上昇状態にあると、制御信号S_Q1によってNPN型のトランジスタQ1がオン状態となる。これに伴い、第1駆動信号COM_Aの電圧も上昇する。一方、出力電圧が降下状態にあると、制御信号S_Q2によってPNP型のトランジスタQ2がオン状態となる。これに伴い、第1駆動信号COM_Aの電圧も降下する。なお、出力電圧が一定である場合、NPN型のトランジスタQ1もPNP型のトランジスタQ2もオフ状態となる。その結果、第1駆動信号COM_Aは一定電圧となる。
<第2波形生成回路71B及び第2電流増幅回路72Bについて>
次に、第2波形生成回路71B及び第2電流増幅回路72Bについて簡単に説明する。前述したように、第2波形生成回路71Bの構成は、第1波形生成回路71Aの構成と同じであり、第2電流増幅回路72Bの構成は、第1電流増幅回路72Aの構成と同じである。すなわち、第2波形生成回路71Bは、デジタルアナログ変換器711Bと、電圧増幅回路712Bとを有する。また、第2電流増幅回路72Bは、第2駆動信号COM_Bの電圧の変化に伴って発熱する第2トランジスタ対721Bを有する。そして、第2トランジスタ対721Bは、互いのエミッタ端子同士が接続されたNPN型のトランジスタQ1とPNP型のトランジスタQ2を有する。そして、デジタルアナログ変換器711Bの出力と電圧増幅回路712Bの入力との間には、計測用端子713Bが設けられる。これらの構成の内、デジタルアナログ変換器711Bは増幅前駆動信号生成部に相当する。また、電圧増幅回路712B及び第2電流増幅回路72Bは、信号増幅部に相当する。
<生成される駆動信号COMについて>
次に、駆動信号生成回路70によって生成される駆動信号について説明する。例示した駆動信号生成回路70は、図11Aに示す第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bを生成する。すなわち、第1波形生成回路71Aは、第1のDAC値(第1生成情報に相当する。)に基づいて第1駆動信号COM_Aを生成する。また、第2波形生成回路71Bは、第2のDAC値(第2生成情報に相当する。)に基づいて第2駆動信号COM_Bを生成する。
第1駆動信号COM_Aは、繰り返し周期Tにおける期間T1で生成される第1波形部SS11aと、期間T2で生成される第2波形部SS12aと、期間T3で生成される第3波形部SS13aとを有する。ここで、第1波形部SS11aは駆動パルスPS1を有している。また、第2波形部SS12aは駆動パルスPS2を、第3波形部SS13aは駆動パルスPS3をそれぞれ有している。そして、駆動パルスPS1と駆動パルスPS3は、大ドットの形成時にピエゾ素子417へ印加されるものであり、互いに同じ波形をしている。すなわち、これらの駆動パルスPS1及び駆動パルスPS3は、大ドットの形成時において、インクを吐出させるための動作の開始から終了までを規定する単位信号に相当する。また、駆動パルスPS2は、小ドットの形成時にピエゾ素子417へ印加されるものである。そして、この駆動パルスPS2は、小ドットの形成時において、インクを吐出させるための動作の開始から終了までを規定する単位信号に相当する。この駆動パルスPS2をピエゾ素子417へ印加させることで、ヘッド41(対応するノズルNz)からは、小インク滴が吐出される。
第2駆動信号COM_Bは、期間T1で生成される第1波形部SS21aと、期間T2で生成される第2波形部SS22aと、期間T3で生成される第3波形部SS23aとを有する。この第2駆動信号COM_Bでは、第1波形部SS21aは駆動パルスPS4を、第2波形部SS22aは駆動パルスPS5をそれぞれ有している。ここで、駆動パルスPS4は、中ドットの形成時にピエゾ素子417へ印加される。この駆動パルスPS4をピエゾ素子417へ印加させることで、ヘッド41からは、中インク滴が吐出される。従って、この駆動パルスPS4は、中ドットの形成時において、インクを吐出させるための動作の開始から終了までを規定する単位信号に相当する。また、駆動パルスPS5は、大ドットの形成時にピエゾ素子417へ印加されるものである。すなわち、この駆動パルスPS5も単位信号に相当する。なお、この駆動パルスPS5は、駆動パルスPS1や駆動パルスPS3と、同じ波形をしている。なお、この第2駆動信号COM_Bにおいて、期間T3に生成される第3波形部SS23aは、中間電圧VCで一定の定電圧信号である。
<ヘッド制御部HCについて>
次に、ヘッド制御部HCについて説明する。ここで、図10は、ヘッド制御部HCの構成を説明するブロック図である。図10に示すように、ヘッド制御部HCは、第1シフトレジスタ81Aと、第2シフトレジスタ81Bと、第1ラッチ回路82Aと、第2ラッチ回路82Bと、デコーダ83と、制御ロジック84と、防止回路85と、第1レベルシフタ86Aと、第2レベルシフタ86Bと、第1スイッチ87Aと、第2スイッチ87Bを備えている。制御ロジック84を除いた各部、すなわち、第1シフトレジスタ81Aと、第2シフトレジスタ81Bと、第1ラッチ回路82Aと、第2ラッチ回路82Bと、デコーダ83と、防止回路85と、第1レベルシフタ86Aと、第2レベルシフタ86Bと、第1スイッチ87Aと、第2スイッチ87Bは、それぞれピエゾ素子417毎に設けられる。そして、ピエゾ素子417はインクが吐出されるノズルNz毎に設けられるので、これらの各部もノズルNz毎に設けられる。
ヘッド制御部HCは、プリンタ側コントローラ60からの印刷データ(画素データSI)に基づき、インクを吐出させるための制御を行う。本実施形態では、画素データが2ビットで構成されており、クロック信号CLKに同期して、この画素データが記録ヘッド41へ送られてくる。そして、画素データの上位ビット群が第1シフトレジスタ81Aにセットされ、下位ビット群が第2シフトレジスタ81Bにセットされる。第1シフトレジスタ81Aには第1ラッチ回路82Aが電気的に接続され、第2シフトレジスタ81Bには第2ラッチ回路82Bが電気的に接続されている。そして、プリンタ側コントローラ60からのラッチ信号LATがHレベルになると、第1ラッチ回路82Aは画素データの上位ビット群をラッチし、第2ラッチ回路82Bは画素データの下位ビット群をラッチする。第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bでラッチされた画素データ(上位ビットと下位ビットの組)はそれぞれ、デコーダ83に入力される。
デコーダ83は、画素データの上位ビット及び下位ビットに基づいてデコードを行い、第1スイッチ87A及び第2スイッチ87Bのオンオフを制御するスイッチ制御信号を出力する。スイッチ制御信号は、制御ロジック84に記憶されている選択データと、第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bでラッチされた画素データとの組み合わせに基づいて出力される。選択データは、第1駆動信号COM_Aに対応する第1選択データと、第2駆動信号COM_Bに対応する第2選択データとに分かれて制御ロジック84に記憶されている。そして、第1駆動信号COM_A用の第1選択データは、制御信号線群CTL_Aを通じて出力され、第2駆動信号COM_B用の第2選択データは、制御信号線群CTL_Bを通じて出力される。
本実施形態において、第1選択データは、第1駆動信号COM_Aを構成する第1波形部SS11aから第3波形部SS13aのそれぞれに対応する3ビットのデータによって構成される。同様に、第2選択データは、第2駆動信号COM_Bを構成する第1波形部SS21aから第3波形部SS23aのそれぞれに対応する3ビットのデータによって構成される。そして、これらの第1選択データ、及び第2選択データは、各階調(非形成,小ドット,中ドット,大ドット)毎のデータであり、制御信号線群CTL_A,CTL_Bの対応する信号線を通じて各階調のデータが出力される。そして、デコーダ83は、ラッチされた画素データ(階調値)に対応する第1選択データ、及び第2選択データを、制御信号線群CTL_A及び制御信号線群CTL_Bを通じて取得し、スイッチ制御信号を出力する(後述する。)。
デコーダ83から出力されたスイッチ制御信号は、防止回路85を通った後に、第1レベルシフタ86Aや第2レベルシフタ86Bに入力される。すなわち、第1選択データに応じたスイッチ制御信号(便宜上、第1スイッチ制御信号ともいう。)が第1レベルシフタ86Aに入力され、第2選択データに応じたスイッチ制御信号(便宜上、第2スイッチ制御信号ともいう。)が第2レベルシフタ86Bに入力される。これらの第1レベルシフタ86A及び第2レベルシフタ86Bは、電圧増幅器として機能する。そして、これらの第1レベルシフタ86A及び第2レベルシフタ86Bは、対応するスイッチ制御信号が[1]の場合に、第1スイッチ87A,第2スイッチ87Bを駆動な程度の電圧まで昇圧されたオン信号を出力する。
そして、第1スイッチ87Aの入力側には駆動信号生成回路70からの第1駆動信号COM_Aが印加されており、第2スイッチ87Bの入力側には第2駆動信号COM_Bが印加されている。また、第1スイッチ87Aと第2スイッチ87Bの共通の出力側にはピエゾ素子417が電気的に接続されている。これらの第1スイッチ87A及び第2スイッチ87Bは、生成される駆動信号COM毎に設けられるスイッチである。そして、第1駆動信号COM_Aを構成する波形部SS11a〜SS13aと、第2駆動信号COM_Bを構成する波形部SS21a〜SS23aを、ピエゾ素子417へ選択的に印加させる。
前述した第1選択データは第1スイッチ87Aの動作を制御し、第2選択データは第2スイッチ87Bの動作を制御する。すなわち、デコーダ83は、第1選択データが[1]の場合、その期間に亘って第1スイッチ制御信号を[1]にする。そして、第1レベルシフタ86Aは、第1スイッチ制御信号が[1]である期間に亘って、数十ボルトに昇圧されたオン信号を第1スイッチ87Aへ出力する。これにより、第1スイッチ87Aがオン状態となって、第1駆動信号COM_Aがピエゾ素子417に印加される。なお、第1選択データが[0]の場合、デコーダ83は、その期間に亘って第1スイッチ制御信号を[0]にする。これに伴い、第1レベルシフタ86Aからは、第1スイッチ87Aを動作させるための電気信号は出力されない。その結果、第1駆動信号COM_Aは、ピエゾ素子417に印加されない。また、デコーダ83は、第2選択データが[1]の場合には第2スイッチ制御信号を[1]にし、第2選択データが[0]の場合には第2スイッチ制御信号を[0]にする。そして、第2レベルシフタ86Bは、入力された第2スイッチ制御信号が[1]の場合、数十ボルトに昇圧されたオン信号を第2スイッチ87Bへ出力し、第2スイッチ制御信号が[0]の場合、第2スイッチ87Bを動作させるための電気信号は出力されない。そして、オン信号の出力によって第2スイッチ87Bがオン状態となり、第2駆動信号COM_Bがピエゾ素子417に印加される。
なお、ピエゾ素子417はコンデンサの様に振る舞う。このため、駆動信号COMの印加が停止された場合において、ピエゾ素子417は停止直前の電位を維持する。従って、駆動信号COMの印加が停止されている期間において、ピエゾ素子417は、駆動信号COMの印加が停止される直前の変形状態を維持する。
また、本実施形態では、デコーダ83と、第1レベルシフタ86A及び第2レベルシフタ86Bの間に、防止回路85が配置されている。この防止回路85は、1つのピエゾ素子417に対して、第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bが同時に印加されることを防止するためのものである。この防止回路85は、例えば、ロジック回路によって構成される。
<階調制御について>
次に、このプリンタ1における階調制御について説明する。ここで、図11Aは、第1駆動信号COM_Aと、第2駆動信号COM_Bと、必要な制御信号を説明する図である。図11Bは、画素データ(階調値)と、波形部の選択パターンと、選択データを説明する図である。図12は、小ドットの形成時、中ドットの形成時、及び大ドットの形成時において、ピエゾ素子417に印加される波形部を説明する図である。この階調制御において、第1スイッチ87A及び第2スイッチ87Bは、前述したように、スイッチ制御信号に基づいて動作が制御される。
まず、小ドットの形成(画素データ[01])の場合について説明する。この場合、デコーダ83は、小ドットの形成を示す画素データ[01]に基づき、第1選択データ[010]及び第2選択データ[000]を選択し、第1スイッチ制御信号と第2スイッチ制御信号を出力する。これにより、図12の上段に示すように、第1駆動信号COM_Aは期間T2でピエゾ素子417に印加され、第2駆動信号COM_Bは期間T1〜期間T3に亘ってピエゾ素子417に印加されない。従って、第1駆動信号COM_Aの第2波形部SS12aが有する駆動パルスPS2がピエゾ素子417に印加され、ノズルNzからは小ドットに対応する量のインクが吐出される。
次に、中ドットの形成(画素データ[10])の場合について説明する。この場合、デコーダ83は、中ドットの形成を示す画素データ[10]に基づき、第1選択データ[000]及び第2選択データ[100]を選択し、第1スイッチ制御信号と第2スイッチ制御信号を出力する。これにより、図12の中段に示すように、第2駆動信号COM_Bは期間T1でピエゾ素子417に印加され、第1駆動信号COM_Aは、期間T1〜期間T3に亘ってピエゾ素子417に印加されない。従って、第1波形部SS21aが有する駆動パルスPS4がピエゾ素子417に印加され、ノズルNzからは中ドットに対応する量のインクが吐出される。
次に、大ドットの形成(画素データ[11])の場合について説明する。この場合、デコーダ83は、大ドットの形成を示す画素データ[11]に基づき、第1選択データ[101]及び第2選択データ[010]を選択し、第1スイッチ制御信号と第2スイッチ制御信号を出力する。これにより、図12の下段に示すように、第1駆動信号COM_Aは期間T1と期間T3でピエゾ素子417に印加され、第2駆動信号COM_Bは期間T2でピエゾ素子417に印加される。従って、第1駆動信号COM_Aの第1波形部SS11aが有する駆動パルスPS1と、第2駆動信号COM_Bの第2波形部SS22aが有する駆動パルスPS5と、第1駆動信号COM_Aの第3波形部SS13aが有する駆動パルスPS3とがピエゾ素子417に順に印加され、ノズルNzからは大ドットに対応する量のインクが吐出される。
なお、ドットの非形成(画素データ[00])の場合、第1選択データが[000]であり、第2選択データも[000]である。この場合には、第1駆動信号COM_Aも第2駆動信号COM_Bのいずれも、ピエゾ素子417に印加されない。従って、ノズルNzからはインクが吐出されない。
<印刷動作について>
前述した構成を有するプリンタ1では、プリンタ側コントローラ60が、メモリ63に格納されたコンピュータプログラムに従って、制御対象部(用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、駆動信号生成回路70)を制御する。従って、このコンピュータプログラムは、この制御を実行するためのコードを有する。そして、制御対象部を制御することで、用紙Sに対する印刷動作が行われる。
ここで、図13は、印刷動作を説明するフローチャートである。例示した印刷動作は、印刷命令の受信動作(S10)、給紙動作(S20)、ドット形成動作(S30)、搬送動作(S40)、排紙判断(S50)、排紙処理(S60)、及び印刷終了判断(S70)を有している。以下、各動作について、簡単に説明する。
印刷命令の受信動作(S10)は、コンピュータ110からの印刷命令を受信する動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60はインタフェース部61を介して印刷命令を受信する。
給紙動作(S20)は、印刷対象となる用紙Sを移動させ、印刷開始位置(所謂頭出し位置)に位置決めする動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60は、搬送モータ22を駆動するなどして、給紙ローラ21や搬送ローラ23を回転させる。
ドット形成動作(S30)は、用紙Sにドットを形成するための動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60は、キャリッジモータ31を駆動したり、駆動信号生成回路70やヘッド41に対して制御信号を出力したりする。これにより、ヘッド41の移動中にノズルNzからインクが吐出され、用紙Sにドットが形成される。
搬送動作(S40)は、用紙Sを搬送方向へ移動させる動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60は、搬送モータ22を駆動して搬送ローラ23を回転させる。この搬送動作により、先程のドット形成動作によって形成されたドットとは異なる位置に、ドットを形成することができる。
排紙判断(S50)は、印刷対象となっている用紙Sに対する排出の要否を判断する動作である。この判断は、例えば、印刷データの有無に基づき、プリンタ側コントローラ60によって行われる。
排紙処理(S60)は、用紙Sを排出させる処理であり、先程の排紙判断で「排紙する」と判断されたことを条件に行われる。この場合、プリンタ側コントローラ60は、排紙ローラ25を回転させることで、印刷済みの用紙Sを外部に排出させる。
印刷終了判断(S70)は、印刷を続行するか否かの判断である。この判断も、プリンタ側コントローラ60によって行われる。
===本実施形態の概要===
<駆動信号生成回路のばらつきについて>
ところで、以上の説明は、プリンタ1の構成を説明する目的で、駆動信号生成回路70が有する第1駆動信号生成部70Aの特性と、第2駆動信号生成部70Bの特性とが揃っていることを前提にして行っている。しかし、実際には、第1駆動信号生成部70Aの特性と、第2駆動信号生成部70Bの特性とがばらつくことがある。以下、この場合の問題点について説明する。ここで、図14Aは、第1駆動信号生成部70Aにて生成された駆動パルスを説明する図である。図14Bは、第1駆動信号生成部70Aにおける出力電圧の例を説明する図である。この図14Bの出力電圧は、図14Aの駆動パルスPS1に対応している。図14Cは、第2駆動信号生成部70Bにて生成された駆動パルスPS5を説明する図である。図14Dは、第2駆動信号生成部70Bにおける出力電圧の例を説明する図である。この図14Dの出力電圧は、図14Cの駆動パルスPS5に対応している。図14Eは、図14Aの駆動パルスPS1と図14Cの駆動パルスPS5を用いて形成されたドットDTの大きさの違いを説明する図である。
この例において、第2駆動信号生成部70Bは、第1駆動信号生成部70Aよりも高い電圧を出力する特性を有している。すなわち、第1駆動信号生成部70Aでは、DAC値「0h」が入力されると1.40Vの電圧を出力し、DAC値「271h」が入力されると26.40Vの電圧を出力する。ここで、DAC値「0h」が最低電圧VLに対応し、DAC値「271h」が最高電圧VHに対応しているとすると、駆動パルスPS1の駆動電圧Vh_Aは、25.00Vとなる。また、第2駆動信号生成部70Bでは、DAC値「0h」が入力されると1.42Vの電圧を出力し、DAC値「271h」が入力されると26.80Vの電圧を出力する。この場合、駆動パルスPS5の駆動電圧Vh_Bは、25.38Vとなる。そして、これらの駆動電圧Vh_A,Vh_Bの違いは、インクを吐出させる際において、圧力室414a内のインクに対する圧力変動の大きさの違いとなって現れる。
その結果、図14Eに示すように、駆動パルスPSによって形成されたドットDT(PS5)は、駆動パルスPSPS1によって形成されたドットDT(PS1)よりも大きくなる。このドットの大きさの違いは、画質の劣化の要因となり得るので好ましくない。例えば、大ドットの形成時には、駆動パルスPS3もピエゾ素子417に印加されるが、この駆動パルスPS3は第1駆動信号生成部70Aにて生成される。このため、駆動パルスPS3は、駆動パルスPS1と同じ形状となる。そうすると、図14Eに点線で示すように、大ドットを構成する3つのドットの内、中央のドットDT(PS5)が他のドットDT(PS1),DT(PS3)よりも大きくなってしまう。これにより、これら3つのドットで構成される大ドットが変形することになり、画質を損ねてしまう可能性がある。本実施形態では、このような不具合を防止するため、次の構成を採っている。
すなわち、駆動信号COM(第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_B)を生成するにあたり、次の1〜4の処理を行う。
1.ピエゾ素子417に印加される第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_BをDAC値(生成情報)に基づいて生成する駆動信号生成部70A,70Bに、ピエゾ素子417に印加されない調整用信号AS(第1調整用信号AS_A(図17A),第2調整用信号AS_B(図17B))を生成させる(調整用信号生成ステップ)。
2.駆動信号生成部70A,70Bに生成させた調整用信号ASを計測する(信号計測ステップ)。
3.調整用信号ASの計測結果に基づいて、DAC値を調整する(生成情報調整ステップ)。
4.調整後のDAC値に基づいて、駆動信号生成部70A,70Bに第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_Bを生成させる(駆動信号生成ステップ)。
このような手順を採ることにより、駆動信号生成ステップで生成される第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_Bは、駆動信号生成部70A,70Bで生成された調整用信号AS(第1調整用信号AS_A,第2調整用信号AS_B)の計測結果に基づいて調整される。ここで、調整用信号ASは、ピエゾ素子417に印加されない。このため、調整用信号ASは、駆動信号生成部70A,70Bの特性が正確に反映されたものとなる。従って、駆動信号生成部70A,70Bの特性を精度良く認識することができ、ひいては駆動信号生成部70A,70Bによる第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_Bの生成精度を高めることができる。
===調整値の設定===
<調整値の設定に使用される機器について>
まず、調整値の設定に使用される機器について説明する。図15は、調整値の設定に使用される機器を説明するブロック図である。なお、既に説明された機器については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
調整値の設定は、調整値設定装置200を用いて行われる。この調整値設定装置200は、調整用信号ASを駆動信号生成部70A,70Bに生成させる機能と、生成された調整用信号ASを計測する機能と、定められた調整値をプリンタ1に書き込む機能とを有する。従って、調整値設定装置200は、調整用信号ASの生成制御装置、調整用信号AS計測装置、調整値書込装置に相当する。そして、調整値設定装置200は、プリンタ側インタフェース部201と、プローブ側インタフェース部202と、アナログデジタル変換部(A/D変換部)203と、CPU204と、メモリ205と、計測用プローブ211とを有する。
プリンタ側インタフェース部201は、プリンタ側コントローラ60が有するインタフェース部61と通信可能に接続される。従って、調整値設定装置200のCPU204は、このプリンタ側インタフェース部201を介して、プリンタ側コントローラ60へ制御信号を出力することができる。プローブ側インタフェース部202は、計測用プローブ211からの電気信号を入力するためのものである。アナログデジタル変換部203は、プローブ側インタフェース部202を介して入力された計測用プローブ211からの電気信号を、電圧値に応じたデジタル値に変換する。そして、変換したデジタル値をCPU204に出力する。
CPU204は、調整値設定装置200の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ205は、CPU204が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成される。そして、CPU204は、メモリ205に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。このメモリ205に格納されるコンピュータプログラムとしては、調整値設定用プログラムがある。この調整値設定用プログラムは、調整値設定処理を実行させるためのものである。この調整値設定処理の実行により、そのプリンタ1に対する調整値が定められ、調整値記憶領域63cに記憶される。従って、調整値設定用プログラムは、調整値設定処理を実行させるためのコードを有する。
<調整値の設定処理について>
次に、調整値設定処理について説明する。ここで、図16は、調整値設定処理の流れを示すフローチャートである。図17Aは、第1駆動信号生成部70Aに生成させる第1調整用信号AS_Aを説明する図である。図17Bは、第2駆動信号生成部70Bに生成させる第2調整用信号AS_Bを説明する図である。
調整値の設定処理は、組み立ての終了したプリンタ1に対して行われる。この調整値の設定処理を行うにあたり、調整値設定装置200とプリンタ1とを通信可能に接続する。例えば、プリンタ側コントローラ60のインタフェース部61と調整値設定装置200のプリンタ側インタフェース部201とを通信ケーブル等によって接続する。次に、調整値設定装置200に、調整値設定用プログラムを実行させる。この調整値設定用プログラムの実行により、調整用信号ASを生成させるステップ(S110),調整用信号ASを計測するステップ(S120),調整値を算出するステップ(S130),調整値を書き込むステップ(S140)が行われる。以下、これらのステップについて説明する。
調整用信号ASを生成させるステップ(S110)では、駆動信号生成回路70に調整用信号ASを生成させる。すなわち、第1駆動信号生成部70Aには第1調整用信号AS_Aを生成させ、第2駆動信号生成部70Bには第2調整用信号AS_Bを生成させる。ここで、調整用信号ASとは、駆動信号生成回路70の特性を認識するために生成させる信号であり、ピエゾ素子417には印加されないものである。
ところで、一般的なフィードバック制御では、装置を実際に動作させた状態で特性を把握することが行われている。この考え方を適用すると、プリンタ1では、ピエゾ素子417に第1駆動信号COM_Aや第2駆動信号COM_Bを印加させ、インクを実際に吐出させた状態で特性を把握することが良いとも考えられる。しかし、本実施形態では、ピエゾ素子417に印加されない調整用信号ASを用いて調整を行っている。これは、第1駆動信号COM_Aや第2駆動信号COM_Bを用いて特性を把握させると、ピエゾ素子417への印加に伴って第1駆動信号COM_Aや第2駆動信号COM_Bが歪んでしまうからである。さらに、ピエゾ素子417はノズルNz毎に設けられている。このため、インクが吐出されるノズルNzの数に応じて、第1駆動信号COM_Aや第2駆動信号COM_Bが歪む度合いが変わってしまう。このような事情により、ピエゾ素子417に印加されない調整用信号ASを用いて調整が行われている。
本実施形態における第1調整用信号AS_Aと第2調整用信号AS_Bは、単位信号としての駆動パルスPSにおける、最高電圧VHに対応するDAC値に基づき生成される。このように、第1調整用信号AS_Aと第2調整用信号AS_Bを、最高電圧VHに対応するDAC値に基づいて生成するようにしたのは、この最高電圧VHは、インクの吐出量に対する影響が大きいためである。従って、この最高電圧VHを調整対象とすることにより、インク量を高い精度で調整できる。
図14A〜図14Dの例で説明すると、「271h」のDAC値を第1駆動信号生成部70Aのデジタルアナログ変換器711Aに出力して第1調整用信号AS_Aを生成させる。同様に、「271h」のDAC値を第2駆動信号生成部70Bのデジタルアナログ変換器711Bに出力して第2調整用信号AS_Bを生成させる。
このため、調整値設定装置200のCPU204は、プリンタ1に対して制御コマンドを出力する。この制御コマンドに基づき、プリンタ側コントローラ60のCPU62は、第1駆動信号生成部70Aのデジタルアナログ変換器711Aに対して、「271h」のDAC値(第1生成情報)を出力する。同様に、CPU62は、第2駆動信号生成部70Bのデジタルアナログ変換器711Bにも「271h」のDAC値(第2生成情報)を出力する。このとき、第1スイッチ87A及び第2スイッチ87Bは、ともにオフ状態であるため、第1調整用信号AS_Aと第2調整用信号AS_Bを同時に出力させることができる。なお、DAC値は一例であり、この値に限定されるものではない。
このようにして生成された第1調整用信号AS_Aは所定の電圧pVH_A(図17Aを参照。)で一定の信号となり、第2調整用信号AS_Bは所定の電圧pVH_B(図17Bを参照。)で一定の信号となる。そして、第1駆動信号生成部70Aのデジタルアナログ変換器711Aの特性と、第2駆動信号生成部70Bのデジタルアナログ変換器711Bの特性が揃っているならば、第1調整用信号AS_Aの電圧と第2調整用信号AS_Bの電圧は同じ値を示す。一方、これらのデジタルアナログ変換器711A,711Bの特性が相違しているならば、第1調整用信号AS_Aの電圧pVH_Aと第2調整用信号AS_Bの電圧pVH_Bは異なる値を示す。従って、これらの第1調整用信号AS_Aの電圧pVH_Aと第2調整用信号AS_Bの電圧pVH_Bは、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bの特性を示す情報の一種であるといえる。また、デジタルアナログ変換器711A,711Bから出力される信号は、電圧増幅回路712A,712Bで電圧が増幅される前のものである。このため、第1調整用信号AS_Aの電圧pVH_A及び第2調整用信号AS_Bの電圧pVH_Bは、駆動パルスPSにおける最高電圧VHよりも十分に低い。例えば、駆動パルスPSにおける最高電圧VHが20数V〜30数Vであるのに対し、第1調整用信号AS_Aの電圧pVH_A及び第2調整用信号AS_Bの電圧pVH_Bは、1V〜2V程度である。
調整用信号ASを計測するステップ(S120)では、調整値設定装置200によって調整用信号ASの計測を行う。本実施形態では調整用信号ASの電圧を計測している。ここで、電圧を計測するようにしたのは、デジタル変換等が容易に行え、計測が容易だからである。また、計測対象の調整用信号ASは、前述したように、電圧増幅回路712A,712Bで増幅される前のものである。このため、駆動信号COMにおける最高電圧VHに比べて十分に低い電圧値である。この点でも、信号の取り扱いが容易になり、計測を容易に行うことができる。
そして、第1調整用信号AS_Aを計測する場合には、第1駆動信号生成部70A側の計測用端子713Aに計測用プローブ211を接触させる。これにより、第1調整用信号AS_Aの電圧が、プローブ側インタフェース部202を通じて入力される。入力された第1調整用信号AS_Aの電圧pVH_Aは、アナログデジタル変換部203にてデジタル値に変換され、CPU204に出力される。CPU204は、アナログデジタル変換部203からのデジタル値に基づき、第1調整用信号AS_Aの電圧pVH_Aを認識する。また、第2調整用信号AS_Bを計測する場合には、第2駆動信号生成部70B側の計測用端子713Bに計測用プローブ211を接触させる。これにより、第1調整用信号AS_Aの計測時と同様な手順で第2調整用信号AS_Bの電圧pVH_Bが計測される。すなわち、CPU204によって第2調整用信号AS_Bの電圧pVH_Bが認識される。このようにして認識された第1調整用信号AS_Aの電圧pVH_A、及び第2調整用信号AS_Bの電圧pVH_Aは、調整値設定装置200のメモリ205に記憶される。例えば、このメモリ205の一部領域に割り当てられた作業領域(図示せず。)に記憶される。
調整値を算出するステップ(S130)では、計測された第1調整用信号AS_Aの電圧値、及び第2調整用信号AS_Bの電圧値に基づき、第1駆動信号生成部70A用の第1調整値と、第2駆動信号生成部70B用の第2調整値とが算出される。このステップで、調整値設定装置200のCPU204は、計測された第1調整用信号AS_Aの電圧値、及び第2調整用信号AS_Bの電圧値と、調整用信号ASを生成させるステップで指定した電圧値(設計上の電圧値)との差を求める。この例では、DAC値「271h」に対応する電圧増幅前の出力電圧との差が求められる。電圧の差を求めたならば、調整値設定装置200のCPU204は、その電圧の差に応じた調整値を算出する。この調整値は、計測対象となったDAC値における、設計値からの電圧差を示す情報である。そして、この調整値としては、例えば、設計値からの電圧差を示す数値情報や、設計値からの電圧差を示すDAC値の情報など、適宜に定めることができる。また、本実施形態の調整値は、設計値からの電圧差を示す情報であるため、第1駆動信号生成部70A用の第1調整値と、第2駆動信号生成部70B用の第2調整値とが個別に定められる。なお、第1駆動信号生成部70Aや第2駆動信号生成部70Bが設計通りの特性を有していた場合、調整不要の旨を示す調整値が定められる。そして、このステップで定められる調整値は、ピエゾ素子417に印加されない調整用信号ASの電圧に基づいて定められている。このため、得られた調整値は、駆動信号生成部70A,70Bの特性が正確に反映されたものとなる。
調整値を書き込むステップ(S140)では、算出された調整値を、プリンタ1に書き込む。このステップで調整値設定装置200のCPU204は、まず、プリンタ1に対して制御コマンドを出力し、プリンタ1の状態を変更する。これにより、プリンタ1は、プリンタ側コントローラ60のメモリ63に対して、情報を書き込み可能な状態に変更する。プリンタ1の状態が変更されたならば、調整値設定装置200のCPU204は、ステップS130で算出した調整値(第1調整値、第2調整値)を送信し、プリンタ側コントローラ60のメモリ63(調整値記憶領域63c)に書き込む。調整値を書き込んだならば、調整値設定装置200のCPU204は、調整値の設定に関する一連の処理を終了する。
<画像の本印刷について>
このようにして、メモリ63の調整値記憶領域63cに記憶された調整値は、出荷後の本印刷で使用される。ここで、図18は、本印刷における駆動信号COMの調整を説明する図である。図19は、本印刷時におけるドットの大きさを示す図である。
図18に示す例は、第1駆動信号生成部70Aが設計値通りの第1駆動信号COM_Aを出力し、第2駆動信号生成部70Bが設計値よりも高い電圧の第2駆動信号COM_Bを出力する場合を示している。その結果、この例では、調整をしない状態では、第2駆動信号生成部70Bで生成される駆動パルスPS3が、第1駆動信号生成部70Aで生成される駆動パルスPS1,PS5よりも大きくなっている。この場合、調整値としてマイナスの値が設定される。
これにより、出荷後の本印刷では、定められた調整値に基づいてDAC値(生成情報)が調整され(生成情報調整ステップ)、調整後のDAC値に基づいて駆動信号生成部70A,70Bに駆動信号COM(第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_B)を生成させる(駆動信号生成ステップ)。この例では、第1駆動信号生成部70A用のDAC値については、調整不要の旨の第1調整値に基づいて、設計値通りのDAC値が指定される。一方、第2駆動信号生成部70B用のDAC値については、設計値よりも高い電圧が出力される旨の第2調整値に基づいて、設計値よりも低い値のDAC値が指定される。
調整の結果、第1駆動信号COM_Aの最高電圧VH_Aと第2駆動信号COM_Bの最高電圧VH_Bとが設計上の電圧値で揃う。すなわち、第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bの生成精度を高めることができる。これにより、ドットを設計通りの形状で形成することができ、画質の向上が図れる。例えば、大ドットを例に挙げて説明すると、調整により、第1駆動信号COM_Aの駆動パルスPS1,PS3と第2駆動信号COM_Bの駆動パルスPS5の波形が揃う。つまり、駆動パルスPS1及び駆動パルスPS3の駆動電圧Vh_Aと駆動パルスPS5の駆動電圧Vh_B´が揃う。このように、両方の駆動電圧Vh_A,Vh_B´とが揃えられることにより、駆動パルスPS1及び駆動パルスPS3を用いて形成されたドットの大きさと、駆動パルスPS5を用いて形成されたドットの大きさとが揃う。その結果、図19に示すように、大ドットに関し、設計通りの形状で形成することができ、画質の向上が図れる。
そして、本実施形態では、調整値が、ピエゾ素子417に印加されない調整用信号ASに基づいて定められているので、第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bの生成精度を高めることができる。すなわち、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bのばらつきを調整することができる。さらに、調整値を、第1駆動信号生成部70A用のもの(第1調整値)と、第2駆動信号生成部70B用のもの(第2調整値)とから構成し、第1駆動信号生成部70Aの特性と第2駆動信号生成部70Bの特性を設計上の特性にあわせるようにしているので、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bによる駆動信号COMの生成精度をより高めることができる。
また、本実施形態では、調整用信号ASの計測を、調整用信号計測装置としての調整値設定装置200に行わせている。このため、計測に必要な構成を調整値設定装置200に設けることができ、プリンタ1には設けずに済む。従って、計測対象となるプリンタ1の構成を簡素化することができる。
===第2実施形態===
ところで、前述した第1実施形態では、第1駆動信号生成部70Aのデジタルアナログ変換器711A、及び第2駆動信号生成部70Bのデジタルアナログ変換器711Bに、調整用信号ASを生成させていた。しかし、この構成に限定されるものではない。例えば、信号増幅部としての、電圧増幅回路712A,712B及び電流増幅回路72A,72Bに、調整用信号ASを生成させてもよい。以下、このように構成した第2実施形態について説明する。ここで、図20は、第2実施形態の構成を説明するブロック図である。
図20に示すように、本実施形態では、第1電流増幅回路72Aの出力に計測用端子722Aが設けられ、第2電流増幅回路72Bの出力に計測用端子722Bが設けられる。そして、調整用信号ASの計測は、これらの計測用端子722A,722Bを用いて行われる。なお、計測用端子722A,722Bの配置が異なること、及びアナログデジタル変換器の入力電圧が異なる以外は、第2実施形態の構成は、前述した第1実施形態と同じである。このため、第1実施形態の構成を適宜参照して説明を行う。
まず、調整値の設定について説明する。調整値の設定方法も前述した第1実施形態と同様である。簡単に説明すると、調整値設定装置200からは、第1駆動信号生成部70Aのデジタルアナログ変換器711A用のDAC値(第1生成情報)と、第2駆動信号生成部70Bのデジタルアナログ変換器711B用のDAC値(第2生成情報)とが出力される。これにより、第1駆動信号生成部70Aのデジタルアナログ変換器711Aと、第2駆動信号生成部70Bのデジタルアナログ変換器711Bは、増幅前調整用信号を生成する。そして、各増幅前調整用信号について、第1駆動信号生成部70Aの電圧増幅回路712Aと第2駆動信号生成部70Bの電圧増幅回路712Bのそれぞれで電圧を増幅させ、第1電流増幅回路72Aと第2電流増幅回路72Bのそれぞれで電流を増幅させる。電圧及び電流の増幅により、本実施形態における調整用信号ASが得られる。すなわち、第1電流増幅回路72Aからは第1調整用信号AS_A´が出力され、第2電流増幅回路72Bからは第2調整用信号AS_B´が出力される。
次に、これらの第1調整用信号AS_A及び第2調整用信号AS_Bの電圧を、調整値設定装置200に入力する。ここでは、計測用プローブ211を第1電流増幅回路72A側の計測用端子722Aに接触させて第1調整用信号AS_A´の電圧を入力し、計測用プローブ211を第2電流増幅回路72B側の計測用端子722Bに接触させて第2調整用信号AS_B´の電圧を入力する。入力された第1調整用信号AS_A´の電圧、及び第2調整用信号AS_B´の電圧は、アナログデジタル変換部203にてデジタル値に変換され、調整値設定装置200のCPU204に出力される。このCPU204は、アナログデジタル変換部203からのデジタル値に基づき、第1調整用信号AS_A´の電圧及び第2調整用信号AS_B´の電圧を認識する。そして、CPU204は、認識された第1調整用信号AS_A´の電圧及び第2調整用信号AS_B´の電圧に基づいて調整値(第1調整値,第2調整値)を求め、求めた調整値をプリンタ側コントローラ60の調整値記憶領域63cに記憶させる。
この第2実施形態でも画像の本印刷時において、調整値に基づいて駆動信号COM(第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_B)の調整が行われるので、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bのばらつきが防止され、駆動信号COMを精度良く生成させることができる。また、本実施形態の第1調整用信号AS_A´と第2調整用信号AS_B´は、電圧増幅回路712A,712B及び電流増幅回路72A,72Bによって増幅された信号である。このため、調整用信号ASは、実際に出力される駆動信号COMに近い信号となる。従って、調整用信号ASの電圧を精度良く計測することができ、ひいては駆動信号COMの生成精度をより高めることができる。
===第3実施形態===
ところで、前述した第1実施形態及び第2実施形態の何れも、調整用信号ASの計測や調整値の設定は、調整値設定装置200を用いて行われていた。この点に関し、調整用信号ASの計測や調整値の設定を、プリンタ1が有するプリンタ側コントローラ60で行わせてもよい。以下、このように構成した第3実施形態について説明する。ここで、図21は、第3実施形態の構成を説明するブロック図である。図22は、印刷動作に関連して行われる駆動信号COMの調整動作を説明するフローチャートである。
図21に示すように、この第3実施形態において、前述した第1実施形態との構成上の違いは、第1アナログデジタル変換器65Aと第2アナログデジタル変換器65Bがプリンタ側コントローラ60に設けられている点にある。そして、第1アナログデジタル変換器65Aは、第1駆動信号生成部70Aが有するデジタルアナログ変換器711Aの出力電圧をデジタル変換し、変換した出力電圧(デジタル値)をCPU62に出力する。また、第2アナログデジタル変換器65Bは、第2駆動信号生成部70Bが有するデジタルアナログ変換器711Bの出力電圧をデジタル変換し、変換した出力電圧をCPU62に出力する。また、調整値の設定等をプリンタ側コントローラ60に行わせるため、メモリ63には調整値設定用プログラムが記憶される。この調整値設定用プログラムはコンピュータプログラムの一種であり、調整値設定処理を実行させるためのコードを有する。
次に、この第3実施形態において行われる調整値設定処理について説明する。この調整値設定処理は、例えば、コンピュータ110から印刷命令が出力される毎(印刷のジョブ毎)に、プリンタ側コントローラ60(CPU62)によって行われる。このため、コンピュータからの印刷命令の受信を契機に処理が開始される(S210)。印刷命令を受信すると、CPU62は、第1調整用信号AS_Aを出力させる(S220)。すなわち、CPU62は、第1駆動信号生成部70Aのデジタルアナログ変換器711Aに、第1生成情報としてのDAC値を出力する。このDAC値は、例えば前述した第1実施形態と同様に、駆動パルスPSの最高電圧VHに対応するものとされる。これにより、デジタルアナログ変換器は、第1調整用信号AS_Aを出力する。出力された第1調整用信号AS_Aは、第1アナログデジタル変換器65Aにてデジタル変換され、CPU62に出力される。そして、CPU62は、第1調整用信号AS_Aの出力電圧を計測する(S230)。この出力電圧の計測は、変換後のデジタルデータに対して行われる。そして、複数取得したデジタルデータの平均値を、第1調整用信号AS_Aの出力電圧の計測値とする。本実施形態では、5回取得したデジタルデータの平均値を計測値としている。また、得られた計測値は、例えばメモリ63の作業領域に、一時的に記憶される。
第1調整用信号AS_Aの出力電圧を計測したならば、第2調整用信号AS_Bを出力させる(S240)。この第2調整用信号AS_Bも第1調整用信号AS_Aと同様にして出力される。すなわち、CPU62は、第2駆動信号生成部70Bのデジタルアナログ変換器711Bに、駆動パルスPSの最高電圧VHに対応するDAC値(第2生成情報)を出力する。これにより、デジタルアナログ変換器からは第2調整用信号AS_Bが出力される。この第2調整用信号AS_Bは、第2アナログデジタル変換器65Bにてデジタル変換される。次に、CPU62は、第2調整用信号AS_Bの出力電圧を計測する(S250)。この出力電圧の計測も第1調整用信号AS_Aと同様に行われる。本実施形態では、5回取得したデジタルデータの平均値を計測値としている。そして、計測値は、例えばメモリ63の作業領域に、一時的に記憶される。
第1調整用信号AS_A及び第2調整用信号AS_Bの出力電圧を計測したならば、計測値同士を比較する(S260)。言い替えれば、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bの特性の違いが認識される。ここで、計測値の差が許容範囲内であれば、CPU62は、第1駆動信号生成部70Aの特性と第2駆動信号生成部70Bの特性は揃っていると判断して、駆動信号COMの調整は行わない。一方、計測値の差が許容範囲を超えていれば、CPU62は、調整値を設定する(S270)。この調整値の設定は、計測値の差(すなわち、第1調整用信号AS_Aと第2調整用信号AS_Bの差)に基づき、前述した第1実施形態と同様にして行われる。そして、設定された調整値は、例えばメモリ63の作業領域に記憶される。
このようにして、必要な調整値が設定されたならば、CPU62は、印刷動作を制御する(S280)。この印刷動作は、図13にて説明したように、給紙動作(S20)、ドット形成動作(S30)、搬送動作(S40)、排紙判断(S50)、排紙処理(S60)、及び印刷終了判断(S70)からなる。なお、各処理の内容は同じであるため、説明は省略する。そして、この印刷動作では、調整値に基づいてDAC値が調整され、調整後のDAC値で第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bが調整される。このため、第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bの生成精度を高めることができ、ひいては、印刷される画像の品質を高めることができる。
加えて、本実施形態では、DAC値を出力するプリンタ側コントローラ60で調整を行っているので、プリンタ1の出荷後であっても調整を行うことができる。また、時間の経過に伴うプリンタ1の状態の変化にも対応することができる。さらに、印刷命令の受信を契機に調整が行われるので、画像の印刷を、最適化された駆動信号COMで行うことができる。
なお、この第3実施形態において、第1調整用信号AS_Aと第2調整用信号AS_Bとが揃ったことを確認した後に、印刷動作(S280)を行わせるようにしてもよい。以下、このように構成した変形例について説明する。ここで、図23は、この変形例における動作を説明するフローチャートである。具体的には、調整値の設定処理(図22のS270に相当する。)の詳細を説明するフローチャートである。なお、調整値の設定以外の処理は、前述した第3実施形態と同じである。
変形例の設定処理では、第1調整用信号AS_Aを基準としており、第2調整用信号AS_Bの出力電圧を第1調整用信号AS_Aの出力電圧に揃えるようにしている。このため、CPU62は、計測値の差に基づき、第2調整用信号AS_Bに使用される仮第2調整値を設定する(S271)。次に、この仮第2調整値に基づく第2調整用信号AS_B(仮第2調整用信号)を生成させる。すなわち、仮第2調整値を、第2駆動信号生成部70Bのアナログデジタル変換器に出力する。仮第2調整値に基づく第2調整用信号AS_Bを生成させたならば、この第2調整用信号AS_Bの出力電圧を計測し、計測値を取得する(S273)。ここでの計測も、複数回の平均値を取得する。この変形例では、5回の平均値を計測値として取得している。計測値を取得したならば、取得した計測値(第2調整用信号AS_Bの計測値)と第1駆動信号COM_Aの計測値とを比較し、その差が許容範囲内であるか判断する(S274)。ここで、許容範囲内であれば、その時点の仮第2調整値を第2調整値とし、調整値の設定処理を終了する。そして、印刷動作(S280)を実行する。一方、許容範囲を超えていれば、ステップS271に戻って一連の処理を繰り返し実行する。
このような変形例では、第1駆動信号生成部70Aの特性と第2駆動信号生成部70Bの特性とが揃ったことを確認した後に印刷動作(S280)が実行される。このため、各駆動信号生成部70A,70Bの特性を確実に揃えることができる。
===その他の実施の形態===
上記の各実施形態は、主としてプリンタ1を有する印刷システム100について記載されているが、その中には、単位信号(駆動パルス)の調整方法や印刷制御方法等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<調整用信号ASの選択について>
第3実施形態において、第1調整用信号AS_Aは第1アナログデジタル変換器65Aにてデジタル変換され、第2調整用信号AS_Bは第2アナログデジタル変換器65Bにてデジタル変換されていた。この点に関し、切り替えスイッチを切り替えて、第1調整用信号AS_Aと第2調整用信号AS_Bとを順次計測させるようにしてもよい。ここで、図24は、プリンタ側コントローラ60に切り替えスイッチを設けた実施形態を説明する図である。
この実施形態では、切り替えスイッチとしてのマルチプレクサ66を設けている。このマルチプレクサ66には、第1駆動信号生成部70Aのデジタルアナログ変換器711Aの出力と、第2駆動信号生成部70Bのデジタルアナログ変換器711Bの出力と、CPU62からの切り替え制御信号とが入力されている。そして、マルチプレクサ66からの出力は、アナログデジタル変換器65Cに入力されている。また、アナログデジタル変換器65Cの出力は、CPU62に入力されている。
マルチプレクサ66は、CPU62からの切り替え制御信号が入力される毎に、アナログデジタル変換器65Cへ出力する信号を切り替える。このため、計測対象となる調整用信号ASを切り替えて、アナログデジタル変換器65Cへ出力することができる。すなわち、第1調整用信号AS_Aと第2調整用信号AS_Bとを切り替えて、アナログデジタル変換器65Cへ出力することができる。これにより、アナログデジタル変換器65Cの数を削減することができ、部品点数の削減が図れる。また、計測を同じアナログデジタル変換器65Cで行うことができるので、計測の精度を高めることもできる。
<駆動信号発生部の調整について>
前述した第1実施形態〜第3実施形態では、第1調整用信号AS_Aと第2調整用信号AS_Bの両方を設計上の電圧値に揃えるようにしていたが、この方法に限定されない。一方の調整用信号を他方の調整用信号に揃えるようにしてもよい。
また、調整用信号ASを生成させるためのDAC値(生成情報)に関し、駆動パルスPSの最高電圧VHに限らない。例えば、駆動パルスPSの中間電圧VC(図8Aを参照。)であってもよい。この中間電圧は、駆動パルスPSの開始電圧に相当する。そして、この中間電圧VCを調整対象にすることにより、ピエゾ素子417に印加される駆動信号COMが、一方の駆動信号COMから他方の駆動信号COMへ切り替わる時に、電圧の変動を防止することができる。このため、駆動信号COMの切り替えを円滑に行わせることができる。
<生成情報,計測対象について>
生成情報に関しても、前述したDAC値に限られない。例えば更新周期τ毎の電圧変化量を示す変化量情報であってもよい。また、電圧以外の要素、例えば電流を計測してもよい。
<駆動素子について>
前述の実施形態では、ピエゾ素子417を用いてインクを吐出させていた。しかし、インクを吐出させるための素子は、ピエゾ素子417に限られるものではない。例えば、発熱素子や磁歪素子等、インクを吐出させるための動作を実行である素子ならば使用することができる。
<駆動信号COMについて>
前述した実施形態では、第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bからなる2種類の駆動信号COMを出力するプリンタ1を例に挙げたが、この構成に限定されるものではない。すなわち、3種類以上の駆動信号COMを同時に生成可能なプリンタであっても、1種類の駆動信号COMを生成可能なプリンタであっても、同様に調整することができる。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタ1の実施形態であったので、染料インク又は顔料インクをノズルNzから吐出させていた。しかし、ノズルNzから吐出させるインクは、このようなインクに限られるものではない。
<他の応用例について>
また、前述の実施形態では、プリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
印刷システムの構成を説明する図である。 図2Aは、コンピュータ、及びプリンタの構成を説明するブロック図である。図2Bは、プリンタが有するメモリの一部分を模式的に説明する図である。 図3Aは、プリンタの構成を示す図である。図3Bは、プリンタの構成を説明する側面図である。 ヘッドユニットの分解斜視図である。 ヘッドの構造を説明する断面図である。 図6は、駆動信号生成回路の構成を説明するブロック図である。 図7Aは、第1波形生成回路及び第2波形生成回路の構成を説明するためのブロック図である。図7Bは、デジタルアナログ変換器に入力されるDAC値と、電圧増幅回路からの出力電圧との関係を説明する図である。 図8Aは、生成される駆動信号の一部分を説明する図である。図8Bは、第1電流増幅回路の出力電圧を、電圧V1から電圧V4まで降下させる動作を説明するための図である。 電流増幅回路の構成を説明する図である。 ヘッド制御部の構成を説明するブロック図である。 図11Aは、第1駆動信号と、第2駆動信号、必要な制御信号を説明する図である。図11Bは、画素データと、波形部の選択パターンと、選択データを説明する図である。 小ドットの形成時、中ドットの形成時、及び大ドットの形成時において、ピエゾ素子に印加される波形部を説明する図である。 印刷動作を説明するフローチャートである。 図14Aは、第1駆動信号生成部にて生成された駆動パルスを説明する図である。図14Bは、第1駆動信号生成部における出力電圧の例を説明する図である。図14Cは、第2駆動信号生成部にて生成された駆動パルスを説明する図である。図14Dは、第2駆動信号生成部における出力電圧の例を説明する図である。図14Eは、図14Aの駆動パルスと図14Cの駆動パルスを用いて形成されたドットの大きさの違いを説明する図である。 調整値の設定に使用される機器を説明するブロック図である。 調整値設定処理の流れを示すフローチャートである。 図17Aは、第1駆動信号生成部に生成させる第1調整用信号を説明する図である。図17Bは、第2駆動信号生成部に生成させる第2調整用信号を説明する図である。 本印刷における駆動信号の調整を説明する図である。 本印刷時におけるドットの大きさを示す図である。 第2実施形態の構成を説明するブロック図である。 第3実施形態の構成を説明するブロック図である。 印刷動作に関連して行われる駆動信号の調整動作を説明するフローチャートである。 調整値の設定処理の他の例を説明するフローチャートである。 プリンタ側コントローラに切り替えスイッチを設けた実施形態を説明する図である。
符号の説明
1 プリンタ,20 用紙搬送機構,21 給紙ローラ,22 搬送モータ,
23 搬送ローラ,24 プラテン,25 排紙ローラ,
30 キャリッジ移動機構,31 キャリッジモータ,32 ガイド軸,
33 タイミングベルト,34 駆動プーリー,35 従動プーリー,
40 ヘッドユニット,41 ヘッド,41A 流路ユニット,
411 ノズルプレート,412 貯留室形成基板,412a インク貯留室,
413 供給口形成基板,413a インク供給口,
41B アクチュエータユニット,414 圧力室形成基板,414a 圧力室,
415 振動板,416 蓋部材,416a 供給側連通口,417 ピエゾ素子,
42 針側ケース部材,43 ヘッド側ケース部材,44 ヘッド制御基板,
45 ヘッド側配線部材,50 検出器群,51 リニア式エンコーダ,
52 ロータリー式エンコーダ,53 紙検出器,54 紙幅検出器,
55 サーミスタ,60 プリンタ側コントローラ,61 インタフェース部,
62 CPU,63 メモリ,64 制御ユニット,
65A 第1アナログデジタル変換器,65B 第2アナログデジタル変換器,
65C アナログデジタル変換器,66 マルチプレクサ,70 駆動信号生成回路,
70A 第1駆動信号生成部,71A 第1波形生成回路,
711A デジタルアナログ変換器,712A 電圧増幅回路,713A 計測用端子,
72A 第1電流増幅回路,721A 第1トランジスタ対,722A 計測用端子,
70B 第2駆動信号生成部,71B 第2波形生成回路,
711B デジタルアナログ変換器,712B 電圧増幅回路,713B 計測用端子,
72B 第2電流増幅回路,721B 第2トランジスタ対,722B 計測用端子,
81A 第1シフトレジスタ,81B 第2シフトレジスタ,82A 第1ラッチ回路,
82B 第2ラッチ回路,83 デコーダ,84 制御ロジック,85 防止回路,
86A 第1レベルシフタ,86B 第2レベルシフタ,
87A 第1スイッチ,87B 第2スイッチ,
100 印刷システム,110 コンピュータ,110A コンピュータ,
111 ホスト側コントローラ,112 インタフェース部,113 CPU,
114 メモリ,120 表示装置,130 入力装置,131 キーボード,
132 マウス,140 記録再生装置,141 フレキシブルディスクドライブ装置,
142 CD−ROMドライブ装置,200 調整値設定装置,
201 プリンタ側インタフェース部,202 プローブ側インタフェース部,
203 アナログデジタル変換部,204 CPU,205 メモリ,
211 計測用プローブ,S 用紙,CTR コントローラ基板,HC ヘッド制御部,
Nz ノズル,Q1 NPN型のトランジスタ,Q2 PNP型のトランジスタ,
COM_A 第1駆動信号,COM_B 第2駆動信号,LAT ラッチ信号,
CH_A 第1チェンジ信号,CH_B 第2チェンジ信号,PS 駆動パルス,
Vh 駆動電圧,Vhs 基準駆動電圧,VH 最高電圧,Vc 基準電圧,
VC 中間電圧,CTL_A 制御信号線群,CTL_B 制御信号線群,
AS 調整用信号,
AS_A,AS_A´ 第1調整用信号,
AS_B,AS_B´ 第2調整用信号,
pVH_A 第1調整用信号の電圧,
pVH_B 第2調整用信号の電圧

Claims (13)

  1. インクを吐出させるための動作を行う素子に印加される駆動信号を生成情報に基づいて生成する駆動信号生成部に、前記素子に印加されない調整用信号を生成させる調整用信号生成ステップと、
    前記調整用信号を計測する信号計測ステップと、
    前記調整用信号の計測結果に基づいて前記生成情報を調整する生成情報調整ステップと、
    調整後の前記生成情報に基づいて、前記駆動信号生成部に駆動信号を生成させる駆動信号生成ステップと、
    を有する駆動信号生成方法。
  2. 請求項1に記載の駆動信号生成方法であって、
    前記調整用信号生成ステップでは、
    第1駆動信号を第1生成情報に基づいて生成する第1駆動信号生成部に、第1調整用信号を生成させ、
    第2駆動信号を第2生成情報に基づいて生成する第2駆動信号生成部に、第2調整用信号を生成させ、
    前記信号計測ステップでは、
    前記第1調整用信号と前記第2調整用信号とを計測し、
    前記生成情報調整ステップでは、
    前記第1調整用信号の計測結果と前記第2調整用信号の計測結果に基づいて、第1生成情報及び第2生成情報を調整し、
    前記駆動信号生成ステップでは、
    調整後の第1生成情報に基づいて、前記第1駆動信号生成部に前記第1調整用信号を生成させ、調整後の前記第2生成情報に基づいて、前記第2駆動信号生成部に前記第2調整用信号を生成させる、駆動信号生成方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の駆動信号生成方法であって、
    前記調整用信号生成ステップでは、
    前記生成情報に基づいて増幅前の増幅前駆動信号を生成する、前記駆動信号生成部の増幅前駆動信号生成部に、前記調整用信号を生成させ、
    前記信号計測ステップでは、
    前記増幅前駆動信号生成部で生成された前記調整用信号を計測する、駆動信号生成方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の駆動信号生成方法であって、
    前記調整用信号生成ステップでは、
    前記生成情報に基づいて生成された増幅前駆動信号を増幅する、前記駆動信号生成部の信号増幅部に、前記調整用信号を生成させ、
    前記信号計測ステップでは、
    前記信号増幅部で生成された前記調整用信号を計測する、駆動信号生成方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の駆動信号生成方法であって、
    前記信号計測ステップでは、
    前記調整用信号の電圧を計測する、駆動信号生成方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の駆動信号生成方法であって、
    前記信号計測ステップでは、
    前記調整用信号を、調整用信号計測装置で計測する、駆動信号生成方法。
  7. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の駆動信号生成方法であって、
    前記信号計測ステップでは、
    前記調整用信号を、前記生成情報を出力するコントローラで計測する、駆動信号生成方法。
  8. 請求項2から請求項5のいずれかに記載の駆動信号生成方法であって、
    前記信号計測ステップでは、
    前記第1駆動信号生成部に生成させた第1調整用信号、及び、前記第2駆動信号生成部に生成させた第2調整用信号を切り替えスイッチを介して順次選択し、前記第1生成情報及び第2生成情報を出力するコントローラで計測する、駆動信号生成方法。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の駆動信号生成方法であって、
    前記調整用信号生成ステップでは、
    前記素子の動作開始から終了までを規定するための単位信号における、最高電圧に対応する生成情報に基づき、前記調整用信号を生成させる、駆動信号生成方法。
  10. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の駆動信号生成方法であって、
    前記調整用信号生成ステップでは、
    前記素子の動作開始から終了までを規定するための単位信号における、開始電圧に対応する生成情報に基づき、前記調整用信号を生成させる、駆動信号生成方法。
  11. (a)インクを吐出させるための動作を行う素子に印加される第1駆動信号を第1生成情報に基づいて生成する第1駆動信号生成部の、前記第1生成情報に基づいて増幅前の増幅前駆動信号を生成する増幅前駆動信号生成部、又は、前記増幅前駆動信号を増幅する信号増幅部に、前記素子の動作開始から終了までを規定するための単位信号における最高電圧又は開始電圧に対応する生成情報に基づき、前記素子に印加されない第1調整用信号を生成させ、且つ、
    前記素子に印加される第2駆動信号を第2生成情報に基づいて生成する第2駆動信号生成部の、前記第2生成情報に基づいて増幅前の増幅前駆動信号を生成する増幅前駆動信号生成部、又は、前記増幅前駆動信号を増幅する信号増幅部に、前記素子の動作開始から終了までを規定するための単位信号における最高電圧又は開始電圧に対応する生成情報に基づき、前記素子に印加されない第2調整用信号を生成させる、調整用信号生成ステップと、
    (b)前記第1駆動信号生成部の前記増幅前駆動信号生成部、又は、前記信号増幅部で生成された第1調整用信号の電圧と、前記第2駆動信号生成部の前記増幅前駆動信号生成部、又は、前記信号増幅部で生成された前記第2調整用信号の電圧とを、調整用信号計測装置で計測し、又は、切り替えスイッチを介して順次選択して、前記生成情報を出力するコントローラで計測する、信号計測ステップと、
    (c)前記第1調整用信号の計測結果に基づいて第1生成情報を調整し、前記第2調整用信号の計測結果に基づいて第2生成情報を調整する、生成情報調整ステップと、
    (d)調整後の前記第1生成情報に基づいて、前記第1駆動信号生成部に前記第1調整用信号を生成させ、調整後の前記第2生成情報に基づいて、前記第2駆動信号生成部に前記第2調整用信号を生成させる、駆動信号生成ステップと、
    を有する駆動信号生成方法。
  12. (A)インクを吐出させるための動作を行う素子と、
    (B)前記素子に印加される駆動信号を生成情報に基づいて生成する駆動信号生成部と、
    (C)前記駆動信号生成部に前記素子に印加されない調整用信号を生成させ、
    生成された前記調整用信号に基づいて前記生成情報を調整し、
    調整後の前記生成情報に基づいて、前記駆動信号生成部に駆動信号を生成させるコントローラと、
    を有する、印刷装置。
  13. 印刷装置と前記印刷装置を制御する印刷制御装置とを有する印刷システムであって、
    前記印刷装置は、
    (A)インクを吐出させるための動作を行う素子と、
    (B)前記素子に印加される駆動信号を生成情報に基づいて生成する駆動信号生成部と、
    (C)前記駆動信号生成部に前記素子に印加されない調整用信号を生成させ、
    生成された前記調整用信号に基づいて前記生成情報を調整し、
    調整後の前記生成情報に基づいて、前記駆動信号生成部に駆動信号を生成させるコントローラと、
    を有する、印刷システム。

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