JP2006095513A - 複合金属酸化物多孔体の製造方法 - Google Patents

複合金属酸化物多孔体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温耐久性に非常に優れており、高温下であっても比表面積及び浄化性能が高水準に維持され、排ガス浄化用触媒等として有用な複合金属酸化物多孔体を得ることができる方法を提供すること。
【解決手段】 直径50nm以下の一次粒子の凝集体である第1金属酸化物粉末を、直径150μm以下のマイクロビーズを用いて分散媒中で分散せしめ、平均粒径が1〜50nmであり且つ80質量%以上の粒子が直径75nm以下である第1金属酸化物微粒子を得る分散工程と、
前記第1金属酸化物微粒子と、直径50nm以下の一次粒子の凝集体であり且つ平均粒径が200nm以下である第2金属酸化物粉末とを、分散媒中で分散及び混合せしめ、前記第1金属酸化物微粒子と第2金属酸化物微粒子との均一分散液を得る分散混合工程と、
前記均一分散液を乾燥して複合金属酸化物多孔体を得る乾燥工程と、
を含むことを特徴とする複合金属酸化物多孔体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は複合金属酸化物多孔体の製造方法に関し、詳しくは、排ガス中のHC、NO、CO等を浄化するための排ガス浄化用触媒等として有用な複合金属酸化物多孔体を製造するための方法に関する。
近年、人間を取り巻く環境に存在し得る成分であって人体に影響を及ぼす可能性のある有害ガスの存在が問題視されるようになってきており、例えば排ガス中の有害成分であるHC、NO、CO等をより確実に浄化することが可能な排ガス浄化用触媒の開発が望まれている。
このような背景の下で、排ガスを浄化するための各種の触媒が開発されており、例えば特開平6−199582号公報(特許文献1)には10〜100nmのアルミナ粒子と平均粒径が50nm以下のシリカ粒子等を混合することにより、また、特開平7−284672号公報(特許文献2)には50質量%以上の粒子の粒径が100nm以下であるアルミナ粒子と50質量%以上の粒子の粒径が100nm以下であるシリカ粒子等とを混合することにより、1200℃以上の高温でも大きな比表面積を有する多孔体を製造する方法が記載されている。さらに、特開平10−249198号公報(特許文献3)には、貴金属が担持された平均粒径1〜100nmの超微粒子と他の粒子とを混合することにより、浄化活性の耐久性に優れた排ガス浄化用触媒を製造する方法が記載されている。
しかしながら、排ガス中の有害成分に対する規制が益々強化される昨今の状況下にあって、このような有害成分をより確実に浄化することが可能な排ガス浄化用触媒に要求される触媒性能は厳しくなる一方であり、より高温耐久性に優れた、すなわち高温下であっても比表面積及び浄化性能がより高水準に維持される排ガス浄化用触媒の開発が望まれている。
特開平6−199582号公報 特開平7−284672号公報 特開平10−249198号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、高温耐久性に非常に優れており、高温下であっても比表面積及び浄化性能が高水準に維持され、排ガス浄化用触媒等として有用な複合金属酸化物多孔体を製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、直径150μm以下という微細なマイクロビーズを用いて分散せしめた第1金属酸化物微粒子を、平均粒径が200nm以下である第2金属酸化物微粒子と分散及び混合せしめることにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の複合金属酸化物多孔体の製造方法は、
直径50nm以下(より好ましくは20nm以下)の一次粒子の凝集体である第1金属酸化物粉末を、直径150μm以下(より好ましくは10〜100μm)のマイクロビーズを用いて分散媒中で分散せしめ、平均粒径が1〜50nmであり且つ80質量%以上の粒子が直径75nm以下である第1金属酸化物微粒子を得る分散工程と、
前記第1金属酸化物微粒子と、直径50nm以下(より好ましくは20nm以下)の一次粒子の凝集体であり且つ平均粒径が200nm以下である第2金属酸化物粉末とを、分散媒中で分散及び混合せしめ、前記第1金属酸化物微粒子と第2金属酸化物微粒子との均一分散液を得る分散混合工程と、
前記均一分散液を乾燥して複合金属酸化物多孔体を得る乾燥工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
上記本発明の複合金属酸化物多孔体の製造方法においては、前記分散工程における分散媒のpHを、第1金属酸化物のゼータ電位の絶対値が20mV以上となる領域のpHとすることが好ましく、また、前記分散混合工程における分散媒のpHを、第1金属酸化物のゼータ電位の符号と第2金属酸化物のゼータ電位の符号が逆となる領域のpHとすることが好ましい。
また、本発明の複合金属酸化物多孔体の製造方法において前記分散混合工程において得られた前記第2金属酸化物微粒子が、平均粒径が1〜130nmであり且つ80質量%以上の粒子が直径160nm以下のものであることが好ましい。
さらに、前記分散混合工程において、前記第1金属酸化物微粒子と前記第2金属酸化物粉末とを、直径150μm以下(より好ましくは10〜100μm)のマイクロビーズを用いて分散媒中で分散及び混合せしめることが好ましい。
さらに、本発明の複合金属酸化物多孔体の製造方法においては、前記第1金属酸化物微粒子及び/又は前記第2金属酸化物微粒子の表面に貴金属を担持せしめる担持工程が更に含まれていることが好ましい。
また、前記乾燥工程において、前記均一分散液に界面活性剤を添加して混合した後に加熱乾燥することが好ましい。
なお、本発明の製造方法によって高温耐久性に非常に優れた複合金属酸化物多孔体が得られるようになる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、直径150μm以下という微細なマイクロビーズを用いて分散せしめた第1金属酸化物微粒子を、平均粒径が200nm以下である第2金属酸化物微粒子と分散及び混合せしめることにより、両微粒子がナノレベルで均一に混合され、互いに同種の金属酸化物微粒子の間に他種の金属酸化物微粒子が障壁となって存在する形態となるため、乾燥工程や高温処理時における各金属酸化物微粒子の粒成長が十分に抑制され、結果として高温下であっても比表面積及び浄化性能が高水準に維持されるようになると本発明者らは推察する。
本発明によれば、高温耐久性に非常に優れており、高温下であっても比表面積及び浄化性能が高水準に維持され、排ガス浄化用触媒等として有用な複合金属酸化物多孔体を製造することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の複合金属酸化物多孔体の製造方法においては、先ず、
(i)直径50nm以下の一次粒子の凝集体である第1金属酸化物粉末を、直径150μm以下のマイクロビーズを用いて分散媒中で分散せしめ、平均粒径が1〜50nmであり且つ80質量%以上の粒子が直径75nm以下である第1金属酸化物微粒子とし(分散工程)、続いて、
(ii)前記第1金属酸化物微粒子と、直径50nm以下の一次粒子の凝集体であり且つ平均粒径が200nm以下である第2金属酸化物粉末とを、分散媒中で分散及び混合せしめ、前記第1金属酸化物微粒子と第2金属酸化物微粒子との均一分散液とし(分散混合工程)、さらに、
(iii)前記均一分散液を乾燥して複合金属酸化物多孔体を得る(乾燥工程)。
本発明で用いる第1金属酸化物及び第2金属酸化物の種類は特に制限されず、卑金属元素(Y,La,Ce,Pr,Nd,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ca,Mg,Al,K,Ti,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Ga,Rb,Sr,Zr,Nb,Mo,In,Sn,Cs,Ba,Ta,W等)、貴金族元素(Pt,Pd,Rh,Ru,Au,Ag,Os,Ir)及びメタロイド元素(Si,Ge,As,Sb等)からなる群から選択される少なくとも一種の金属の酸化物が挙げられ、中でもCe,Zr,Al,Ti,Si,Mg,Fe,Mn,Ni,Zn及びCuからなる群から選択される少なくとも一種の金属の単独酸化物又は複合酸化物が好ましく、セリア、ジルコニア、セリア−ジルコニア複合酸化物(固溶体)、アルミナ、チタニア、セピオライト、ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一種であることがより好ましい。なお、本発明にかかる金属にはメタロイド(半金属)も含まれ、また、金属酸化物はセリア−ジルコニア複合酸化物、セピオライト、ゼオライトのように複数の金属元素を含有していてもよい。
また、本発明で用いる第1金属酸化物と第2金属酸化物との組み合わせも特に制限されず、目的とする複合金属酸化物多孔体の用途等に応じて適宜選択される。例えば、排ガス浄化用触媒として有用な複合金属酸化物多孔体を得る場合は、酸素貯蔵能(OSC)を有するセリア、セリア−ジルコニア複合酸化物、酸化鉄、酸化プラセオジム等からなる酸素貯蔵材と、拡散障壁となり得るアルミナ、ジルコニア、チタニア等からなる拡散障壁材との組み合わせが好ましい。さらに、例えば高温処理後にも互いが拡散障壁となり得る酸化物の組み合わせという観点から、セリア−ジルコニア複合酸化物とアルミナ、セリアとアルミナ、ジルコニアとアルミナ、セリアとチタニア、アルミナとチタニア、アルミナとシリカ等の組み合わせがより好ましい。
このような本発明で用いる第1金属酸化物は、直径50nm以下(より好ましくは20nm以下、特に好ましくは2〜10nm)の一次粒子(結晶子)の凝集体からなる粉末であることが必要である。一次粒子の直径が50nmを超えていると、後述のマイクロビーズを用いて分散しても十分に小さいナノサイズの微粒子を得ることができず、結果として高温耐久性に十分に優れた複合金属酸化物多孔体が得られない。また、本発明で用いる第1金属酸化物粉末の平均粒径は、特に制限されないが、ナノサイズの微粒子が効率良く得られるようになるという観点から、平均粒径が200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。
また、本発明で用いる第2金属酸化物も、直径50nm以下(より好ましくは20nm以下、特に好ましくは2〜10nm)の一次粒子(結晶子)の凝集体からなる粉末であることが必要である。一次粒子の直径が50nmを超えていると、後述のマイクロビーズを用いて分散しても十分に小さいナノサイズの微粒子を得ることができず、結果として高温耐久性に十分に優れた複合金属酸化物多孔体が得られない。また、本発明で用いる第2金属酸化物粉末の平均粒径は、200nm以下であることが必要であり、10〜100nmであることがより好ましい。第2金属酸化物粉末の平均粒径が200nmを超えていると、前述の第1金属酸化物微粒子と分散及び混合せしめてもナノレベルの均一混合状態は達成されず、結果として高温耐久性に十分に優れた複合金属酸化物多孔体が得られない。
なお、このような第1金属酸化物粉末及び第2金属酸化物粉末の製造方法は特に制限されず、例えば、原料となる金属塩の溶液を用いたいわゆる沈殿法や、それによって得られた沈殿を焼成する方法によって、適宜得ることができる。
本発明における分散工程で用いるマイクロビーズは、直径150μm以下のものであることが必要であり、10〜100μmのものであることがより好ましく、15〜50μmのものであることが特に好ましい。マイクロビーズの直径が150μmを超えていると、十分に小さいナノサイズの微粒子、更にはナノレベルの均一混合状態が達成されず、結果として高温耐久性に十分に優れた複合金属酸化物多孔体が得られない。また、マイクロビーズの直径が150μmを超えていると、粒子自体の組成変形や結晶の破壊が発生し、この観点からも十分な耐熱性が得られない。
また、分散工程において用いるマイクロビーズの直径は、第1金属酸化物粉末の平均粒径の250〜1000倍のものが好ましい。マイクロビーズの直径が前記下限未満では分散の効率が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると十分に小さいナノサイズの微粒子が得られにくくなる傾向にある。
また、本発明における分散混合工程においても、分散工程で用いるマイクロビーズと同様のマイクロビーズを用いて前記第1金属酸化物微粒子と前記第2金属酸化物粉末とを分散媒中で分散及び混合せしめることが好ましい。
さらに、本発明で用いるマイクロビーズの材質は特に制限されず、例えばジルコニア、ガラス等が挙げられる。このようなマイクロビーズの材質は、用いる第1及び/又は第2金属酸化物に応じて適宜選択されることが好ましい。
本発明における分散工程及び分散混合工程で用いる分散媒は、得られる第1金属酸化物微粒子と第2金属酸化物微粒子とを分散させることができる液体であればよく、特に制限されないが、水等が好適に用いられる。また、かかる分散媒に他の成分を添加する必要は特にないが、後述するように分散媒のpHを調整する場合は、そのための酢酸等の酸、アンモニア等の塩基、緩衝剤等を適宜添加してもよい。
このような分散工程及び分散混合工程において用いる具体的な装置は、上記の分散媒中でマイクロビーズと共に第1金属酸化物粉末を混合して後述する第1金属酸化物微粒子を得ることができ、更に同様の分散媒中で第1金属酸化物微粒子と第2金属酸化物粉末とを混合して後述する第1金属酸化物微粒子と第2金属酸化物微粒子との均一分散液を得ることができるものであればよく、特に限定されないが、例えば寿工業株式会社製「ウルトラアペックスミル」を用いれば遠心力による微粒子とマイクロビーズとの効率的な分離が可能となる。
先ず、本発明においては、前述の第1金属酸化物粉末を上記マイクロビーズを用いて分散媒中で分散せしめ、平均粒径が1〜50nm(より好ましくは1〜30nm)であり且つ80質量%以上の粒子が直径75nm以下(より好ましくは80質量%以上の粒子が直径50nm以下)である、十分に小さいナノサイズの第1金属酸化物微粒子を得る(分散工程)。得られる第1金属酸化物微粒子の平均粒径が50nmを超えている場合、また、直径75nm以下の微粒子の存在割合が80質量%未満の場合はいずれも、後述する分散混合工程においてナノレベルの均一混合状態が達成されず、結果として高温耐久性に十分に優れた複合金属酸化物多孔体が得られない。
このような分散工程における分散処理の具体的な条件は特に制限されず、通常は室温〜80℃程度の温度で20〜200分程度の処理時間が採用される。
また、かかる分散工程においては、分散媒のpHを、第1金属酸化物のゼータ電位の絶対値が20mV以上となる領域のpHとすることが好ましい。第1金属酸化物のゼータ電位の絶対値が20mV未満となる場合、得られる第1金属酸化物の微粒子が再凝集して偏析が生じ易くなり、十分に小さいナノサイズの微粒子が得られにくくなる傾向にある。例えば、セリア−ジルコニア複合酸化物(CZ)とアルミナのゼータ電位は図1に示す通りであり、第1金属酸化物としてセリア−ジルコニア複合酸化物を用いる場合は、分散工程における分散媒のpHは3.5以下又は7以上とすることが好ましいこととなる。
上記の分散工程に続いて、本発明においては、同工程で得られた第1金属酸化物微粒子及び前述の第2金属酸化物粉末を分散媒中で分散及び混合せしめ、前記第1金属酸化物微粒子と第2金属酸化物微粒子とがナノレベルの均一混合状態にある均一分散液を得る(分散混合工程)。この際、得られる第2金属酸化物微粒子の平均粒径が1〜130nmであることが好ましく、また、80質量%以上の粒子が直径160nm以下であることが好ましい。得られる第2金属酸化物微粒子の平均粒径が130nmを超えている場合、また、直径160nm以下の微粒子の存在割合が80質量%未満の場合はいずれも、十分なナノレベルの均一混合状態となりにくく、得られる複合金属酸化物多孔体の高温耐久性が低下する傾向にある。
このような分散混合工程における分散混合処理の具体的な条件は特に制限されず、通常は室温〜80℃程度の温度で10〜100分程度の処理時間が採用される。
また、かかる分散混合工程においては、分散媒のpHを、第1金属酸化物のゼータ電位の符号と第2金属酸化物のゼータ電位の符号が逆となる領域のpHとすることが好ましく、両者の差が10mV以上となる領域のpHとすることがより好ましい。第1金属酸化物のゼータ電位の符号と第2金属酸化物のゼータ電位の符号が同じ符号となる場合、得られる第1金属酸化物の微粒子と第2金属酸化物の微粒子とが凝集して偏析が生じ易くなり、得られる複合金属酸化物多孔体の高温耐久性が低下する傾向にある。例えば、図1に示すセリア−ジルコニア複合酸化物(CZ)とアルミナのゼータ電位から明らかな通り、第1金属酸化物としてセリア−ジルコニア複合酸化物、第2金属酸化物としてアルミナを用いる場合は、分散混合工程における分散媒のpHは5〜9(図1中のAで示される範囲)とすることが好ましいこととなる。
さらに、分散混合工程において混合される第1金属酸化物と第2金属酸化物との混合比(質量比)は、特に制限されないが、(第1金属酸化物の質量):(第2金属酸化物の質量)の値が1:10〜5:1であることが好ましい。第1金属酸化物の配合割合が前記下限未満では微粒子と混合した効果が小さくなる傾向にあり、他方、第2金属酸化物の配合割合が前記下限未満ではpHによっては第1金属酸化物の再凝集が起こり易くなる傾向にある。また、第2金属酸化物を拡散障壁として用いる場合、拡散障壁としての機能が低下する傾向にある。
上記の分散混合工程に続いて、本発明においては、同工程で得られた第1金属酸化物微粒子と第2金属酸化物微粒子との均一分散液を乾燥して複合金属酸化物多孔体を得る(乾燥工程)。このような均一分散液を乾燥させる乾燥処理の具体的な条件は特に制限されず、例えば、80〜400℃程度の温度で1〜24時間程度の時間をかけて乾燥せしめる常温又は加熱乾燥、液体窒素を用いて0°以下の温度に凍結させた後に減圧下で乾燥せしめる凍結乾燥といった手法が適宜採用される。
また、本発明においては、乾燥工程において、以下に詳述するように前記均一分散液に界面活性剤を添加して混合した後に加熱乾燥することが好ましい。このような乾燥方法を採用することにより、多層の構造を有する複合金属酸化物多孔体が得られ、その層の形態を界面活性剤の種類によって制御することが可能となる。また、前記均一分散液に界面活性剤を添加することにより、二次粒子の周囲を界面活性剤で被覆することで二次粒子同士の凝集が抑制されることとなり、さらに界面活性剤の分散効果により凝集により得られた二次粒子の分散性が向上する傾向にある。そして、これらの作用により、所望の中心細孔直径(好ましくは5〜30nm)及び所望の細孔容積(好ましくは0.2cc/g以上)を有する複合金属酸化物多孔体がより効率良く得られ、さらに得られる複合金属酸化物多孔体の高温耐久性がより向上する傾向にある。
かかる乾燥工程で用いる界面活性剤としては、陰イオン系、陽イオン系、非イオン系のいずれのものも用いることができるが、その中でも形成するミセルが内部に狭い空間を形成しうる形状、例えば球状ミセルを形成し易い界面活性剤が好ましい。また、臨界ミセル濃度(cmc)が0.1mol/リットル以下の界面活性剤が好ましく、0.01mol/リットル以下のものがより好ましい。なお、臨界ミセル濃度(cmc)とは、ある界面活性剤がミセルを形成する最低の濃度のことである。
このような界面活性剤としては、以下のものから選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
(i)陰イオン性界面活性剤:
アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、αオレフィンスルホン酸及びその塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、フェニルエーテル硫酸エステル塩、メチルタウリン酸塩、スルホコハク酸塩、エーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、エーテルスルホン酸塩、飽和脂肪酸及びその塩、オレイン酸等の不飽和脂肪酸及びその塩、その他のカルボン酸、スルホン酸、硫酸、リン酸、フェノールの誘導体等。
(ii)非イオン性界面活性剤:
ポリオキシエチレンポリプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシポリプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、多価アルコール(グリコール,グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ペンタエリスリトール、ショ糖等)、多価アルコールの脂肪酸部分エステル、多価アルコールのポリオキシエチレン脂肪酸部分エステル、多価アルコールのポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、トリアルキルアミンオキサイド等。
(iii)陽イオン牲界面活性剤:
脂肪酸第一アミン塩、脂肪酸第二アミン塩、脂肪酸第三アミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピロジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルホリニウム塩、ポリエチレンポリアミン、脂肪酸アミド塩等の第四級アンモニウム塩等。
(iv)両イオン性界面活性剤:
ベタイン化合物等。
このような界面活性剤の添加量は、特に制限されないが、得られる複合金属酸化物多孔体に対して2〜40質量%となる範囲、すなわち質量比で複合金属酸化物多孔体:界面活性剤=98〜60:2〜40の範囲が好ましい。界面活性剤の添加量が2質量%未満では添加した効果が小さく、他方、40質量%を超えて添加すると界面活性剤どうしの凝集によって得られた二次粒子の分散性が低下し、また加熱乾燥時に界面活性剤の燃焼による発熱量が大きくなるため金属酸化物の凝集が生じて比表面積が低下し易くなる傾向にある。
かかる乾燥工程における撹拌速度は1000sec−1以上とすることが好ましく、10〜30℃の温度で5分間以上撹拌することが好ましい。撹拌による剪断力が大き過ぎると発熱したり装置の消耗が激しくなり、他方、剪断力が小さ過ぎると界面活性剤の分散状態が不十分となる傾向にある。また、撹拌時の温度がこの範囲より低いと撹拌時間が長時間となり、他方、この範囲より高い温度では発熱や装置の消耗が生じ易くなる傾向にある。
また、このような界面活性剤を用いる乾燥方法における加熱温度は、150〜800℃とすることが好ましい。この温度が150℃より低いと加熱乾燥に長時間必要となり、他方、800℃より高くなると金属酸化物の凝集が生じて比表面積が低下し易くなる傾向にある。また、加熱時間は特に制限されないが、1〜10時間程度が好ましい。
さらに、このような乾燥方法を採用する場合、界面活性剤と混合された均一分散液を噴霧器にかけ、窒素等のキャリアガスによって大きさの揃ったエアロゾル小滴を生成せしめた後、その小滴を加熱器に通してテフロンフィルタ等の捕集手段によって捕集することが好ましい。このようにすることによって、分散性の高い複合金属酸化物多孔体がより効率良く得られる傾向にある。なお、この場合の流速は特に制限されない。
また、本発明においては、上記の乾燥工程の後に焼成工程を含んでいてもよく、かかる焼成工程においては複合金属酸化物多孔体を400〜1000℃程度の温度で1〜10時間程度の時間保持することが好ましい。このような焼成工程を採用することにより、耐久試験後における担体の比表面積低下による貴金属凝集を抑制できる傾向にある。
さらに、本発明においては、前記第1金属酸化物微粒子及び/又は前記第2金属酸化物微粒子の表面に貴金属(貴金属微粒子)を担持せしめる担持工程が更に含まれていることが好ましい。かかる担持工程において、金属酸化物微粒子に担持される貴金属は特に制限されず、Pt、Pd、Rh、Ru、Au、Ag、Os、Irからなる群から選択される少なくとも一種の貴金属が挙げられ、中でも触媒活性の観点からPt、Rh、Pd、Irが好ましく、Ptが特に好ましい。また、金属酸化物微粒子に担持される貴金属の量も特に制限されないが、担持される金属酸化物微粒子100質量部に対して貴金属の量が0.1〜10質量部程度であることが好ましい。貴金属の量が上記下限未満では、貴金属により得られる触媒活性が不十分となる傾向にあり、他方、上記上限を超えると、貴金属による触媒活性が飽和すると共にコストが高騰する傾向にある。さらに、金属酸化物微粒子に貴金属を担持せしめる具体的な方法も特に制限されず、例えば、貴金属塩の溶液に金属酸化物微粒子を接触せしめ、更に必要に応じて還元処理及び/又は焼成処理を施すといった方法が適宜採用される。また、担持される貴金属微粒子の粒径も特に制限されないが、平均粒径が0.1〜10nm程度であることが一般的である。
なお、このように貴金属を担持せしめる場合、担持される金属酸化物微粒子は第1金属酸化物微粒子又は第2金属酸化物微粒子のいずれでもよく、最終的に得られた複合金属酸化物多孔体に金属を担持せしめてもよい。しかし、貴金属が担持されるのに最適な担体として第1金属酸化物微粒子を用いた場合、すなわち第1金属酸化物微粒子に貴金属を担持せしめることが好ましい場合は、かかる担持工程が分散工程と分散混合工程との間に存在することが好ましい。そのようにすることによって第1金属酸化物微粒子にのみ貴金属を担持せしめることが可能となり、得られる複合金属酸化物多孔体の触媒活性及び高温耐久性がより向上する傾向にある。例えば、第1金属酸化物としてセリア−ジルコニア複合酸化物、第2金属酸化物としてアルミナを用いる場合は、貴金属はセリア−ジルコニア複合酸化物の表面上にある方が触媒活性が向上する傾向にあることから、貴金属をセリア−ジルコニア複合酸化物に担持せしめることが好ましい。一方、貴金属を高分散に担持させることが可能であれば、分散工程の前に貴金属を担持せしめてもよい。
以上説明した本発明の方法によって得られる複合金属酸化物多孔体は、前述の第1金属酸化物微粒子及び第2金属酸化物微粒子(貴金属を担持させた場合は更に貴金属微粒子)がナノレベルの均一混合状態で凝集したものであり、その比表面積は特に制限されないが、1〜1000m2/g程度であることが好ましい。なお、かかる比表面積は、吸着等温線からBET等温吸着式を用いてBET比表面積として算出することができる。
また、本発明により得られる複合金属酸化物多孔体の形状は特に制限されず、粉末状であっても、薄膜状であってもよい。また、粉末状の場合、その粒径は特に制限されず、その用途等に応じて適宜調整されるが、一般的には50〜200μm程度が好ましい。また、本発明により得られる複合金属酸化物多孔体は、必要に応じて成形して使用してもよい。成形する手段はどのようなものでも良いが、押出成形、打錠成形、転動造粒、圧縮成形、CIP等が好ましい。その形状は使用箇所、方法に応じて決めることができ、例えば円柱状、破砕状、球状、ハニカム状、凹凸状、波板状等が挙げられる。
さらに、本発明により得られる複合金属酸化物多孔体の用途は特に制限されず、例えば排ガス浄化用触媒、VOC類浄化用触媒、改質触媒、空気清浄機用触媒等として有効に用いられる。また、本発明により得られる複合金属酸化物多孔体の具体的な使用方法も特に制限されず、例えば排ガス浄化用触媒として用いる場合は、処理対象となる有害成分を含む気体と触媒とをバッチ式あるいは連続的に接触させることによって有害成分の浄化が達成される。処理対象となる有害成分としては、排ガス中のNO、CO、HC、SO等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
直径約8nmの一次粒子の凝集体で且つ平均粒径が100nmであるセリウム−ジルコニウム複合酸化物(CZ)の粉末を、直径50μmのジルコニア製マイクロビーズを用いてpH3の水溶液中で90分間分散せしめ、平均粒径が22nmで且つ80質量%以上の粒子が直径43nm以下(D80=43nm)であるCZ微粒子を得た(分散工程)。
続いて、得られたCZ微粒子に、硝酸Ptの硝酸溶液(Pt濃度:4.5wt%)を用いて以下のようにしてPtを担持せしめ、Ptが担持されたCZ微粒子(Pt/CZ微粒子)を得た(担持工程)。すなわち、Pt硝酸溶液をCZ微粒子に含浸担持せしめ、300℃で3時間焼成した。なお、担持されたPtの量は、CZ微粒子100質量部に対して1質量部であった。
次に、得られたPt/CZ微粒子と、直径約10nmの一次粒子の凝集体で且つ平均粒径が162nmであるアルミナの粉末を、直径50μmのジルコニア製マイクロビーズを用いてpH7の水溶液中で30分間分散及び混合せしめた後(分散混合工程)、得られた均一分散液を液体窒素で凍結後、室温で真空容器に放置し(乾燥工程)、Pt/CZ微粒子とアルミナ微粒子とからなる触媒粉末(平均粒径:120nm)を得た。その際、乾燥の工程で融解のないことを目視で確認した。さらに、得られた触媒粉末を金型プレス(1t/cm)で圧粉成形し、粉砕して直径0.5〜1mmのペレット状触媒を得た。
なお、分散混合工程におけるPt/CZ微粒子とアルミナ微粒子との混合比(質量比)は1:1であり、分散混合工程において得られたアルミナ微粒子の平均粒径は110nmで且つ80質量%以上の粒子が直径150nm以下(D80=150nm)であった。また、得られた触媒の比表面積は表3に示すとおりであった。
(実施例2)
分散工程において分散処理時間を120分として得た表1に示すCZ微粒子を用い、更に分散混合工程において直径約10nmの一次粒子の凝集体で且つ平均粒径が110nmであるアルミナ粉末を用いるようにした以外は実施例1と同様にして触媒を得た。得られた触媒の比表面積は表3に示すとおりであった。
(実施例3)
分散工程における水溶液のpHを5として得た表1に示すCZ微粒子を用いるようにした以外は実施例1と同様にして触媒を得た。得られた触媒の比表面積は表3に示すとおりであった。
(実施例4)
分散混合工程における水溶液のpHを4とした以外は実施例1と同様にして触媒を得た。得られた触媒の比表面積は表3に示すとおりであった。
(実施例5)
乾燥工程を以下の界面活性剤を用いた加熱乾燥処理に変更した以外は実施例1と同様にして触媒を得た。すなわち、前記分散混合工程で得られた均一分散液をプロペラ撹拌器を用いて撹拌しながら、ノニオン系界面活性剤(ライオン社製、商品名:レオコン、物質名:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノ−2−エチルヘキシルエーテル)をCZ微粒子と同質量となるように添加した。そして、得られた分散液を、プロペラ撹拌と同時にホモジナイザ撹拌を用いて室温で10分間撹拌(撹拌速度:200sec−1)した後、400℃で5時間かけて加熱乾燥し、Pt/CZ微粒子とアルミナ微粒子とからなる触媒粉末(平均粒径:120nm)を得た。得られた触媒の比表面積は表3に示すとおりであった。
(実施例6)
CZ微粒子へのPt担持は実施せず、乾燥工程で得られたCZ微粒子とアルミナ微粒子とからなる触媒粉末に以下のようにしてPtを担持した以外は実施例1と同様にして触媒を得た。すなわち、Pt硝酸溶液(Pt濃度:4.5wt%)を前記触媒粉末に含浸担持せしめ、300℃で3時間焼成した。なお、担持されたPtの量は、CZ微粒子とアルミナ微粒子との合計量100質量部に対して0.5質量部であった。得られた触媒の比表面積は表3に示すとおりであった。
(比較例1)
分散混合工程において直径約10nmの一次粒子の凝集体で且つ平均粒径が259nmであるアルミナ粉末を用いるようにした以外は実施例1と同様にして触媒を得た。得られた触媒の比表面積は表3に示すとおりであった。
(比較例2)
分散工程において直径200μmのジルコニア製マイクロビーズを用いて得た表1に示すCZ微粒子を用い、更に分散混合工程において直径200μmのジルコニア製マイクロビーズを用いるようにした以外は実施例1と同様にして触媒を得た。得られた触媒の比表面積は表3に示すとおりであった。
(比較例3)
先ず、直径約8nmの一次粒子の凝集体でかつ平均粒径が100nmであるセリウム−ジルコニウム複合酸化物(CZ)の粉末に、硝酸Ptの硝酸溶液(Pt濃度:4.5wt%)を用いて以下のようにしてPtを担持せしめ、Ptが担持されたCZ粉末(Pt/CZ粉末)を得た(担持工程)。すなわち、Pt硝酸溶液をCZ粉末に含浸担持せしめ、300℃で3時間焼成した。なお、担持されたPtの量は、CZ粉末100質量部に対して1質量部であった。
次に、得られたPt/CZ粉末と、直径約10nmの一次粒子の凝集体でかつ平均粒径が110nmであるアルミナの粉末を、容積1リットルのジルコニア製ポットと直径5mmのジルコニア製ボールとを使用したボールミルを用いてpH7の水溶液中で120分間分散及び混合せしめた後(単一分散工程)、得られた均一分散液をプロペラ撹拌器を用いて撹拌しながら、ノニオン系界面活性剤(ライオン社製、商品名:レオコン)をCZ粉末と同質量となるように添加した。そして、得られた分散液を、プロペラ撹拌と同時にホモジナイザ撹拌を用いて室温で10分間撹拌(撹拌速度:200sec−1)した後、400℃で5時間かけて加熱乾燥し、Pt/CZ微粒子とアルミナ微粒子とからなる触媒粉末(平均粒径:120nm)を得た。さらに、得られた触媒粉末を金型プレス(1t/cm)で圧粉成形し、粉砕して直径0.5〜1mmのペレット状触媒を得た。
なお、上記単一分散工程におけるPt/CZ粉末とアルミナ粉末との混合比(質量比)は1:1であり、単一分散工程において得られたPt/CZ微粒子の平均粒径が86nmでかつ80質量%以上の粒子が直径97nm以下(D80=97nm)であり、単一分散工程において得られたアルミナ微粒子の平均粒径は92nmでかつ80質量%以上の粒子が直径113nm以下(D80=113nm)であった。また、得られた触媒の比表面積は表3に示すとおりであった。
Figure 2006095513
Figure 2006095513
Figure 2006095513
<高温耐久性試験1>
表4に示す組成を有するリッチガスとリーンガスを全流量が330ml/minとなるように5分間隔で交互に流した雰囲気中で、前記実施例及び前記比較例で得られた各ペレット状触媒1.5gを1000℃に5時間保持し、かかる耐久試験後の比表面積を測定した。得られた結果を表3に示す。
Figure 2006095513
<高温耐久性試験2>
常圧固定床流通反応装置を用い、前記実施例及び前記比較例で得られた各ペレット状触媒(初期品)1gとそれらに高温耐久性試験1を施したもの(耐久試験後品)1gとのそれぞれに対して、表5に示す組成を有するリッチガスとリーンガスを全流量が7L/minとなるように1秒間隔で流通させ、入りガス温度を100〜500℃とした各温度におけるHC浄化率を測定し、それぞれのHC50%浄化温度を求めた。得られた結果を表3に示す。
Figure 2006095513
表3に示した結果から明らかな通り、本発明の方法によって得られた複合金属酸化物多孔体からなる触媒(実施例1〜6)は、高温下であっても比表面積及び浄化性能が高水準に維持されており、高温耐久性に非常に優れたものであった。中でも、本発明の方法において分散工程及び分散混合工程における分散媒のpHを好適な範囲に調整して得た複合金属酸化物多孔体からなる触媒(実施例1〜2、5)は特に高温耐久性に優れたものであり、界面活性剤を用いて加熱乾燥して得た複合金属酸化物多孔体からなる触媒(実施例5)は更に高温耐久性に優れたものであった。
以上説明したように、本発明によれば、高温耐久性に非常に優れており、高温下であっても比表面積及び浄化性能が高水準に維持される複合金属酸化物多孔体を製造することが可能となる。したがって、本発明の方法は、高温耐久性に優れた排ガス浄化用触媒等の製造方法として非常に有用である。
セリア−ジルコニア複合酸化物(CZ)とアルミナのゼータ電位を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 直径50nm以下の一次粒子の凝集体である第1金属酸化物粉末を、直径150μm以下のマイクロビーズを用いて分散媒中で分散せしめ、平均粒径が1〜50nmであり且つ80質量%以上の粒子が直径75nm以下である第1金属酸化物微粒子を得る分散工程と、
    前記第1金属酸化物微粒子と、直径50nm以下の一次粒子の凝集体であり且つ平均粒径が200nm以下である第2金属酸化物粉末とを、分散媒中で分散及び混合せしめ、前記第1金属酸化物微粒子と第2金属酸化物微粒子との均一分散液を得る分散混合工程と、
    前記均一分散液を乾燥して複合金属酸化物多孔体を得る乾燥工程と、
    を含むことを特徴とする複合金属酸化物多孔体の製造方法。
  2. 前記分散工程における分散媒のpHを、第1金属酸化物のゼータ電位の絶対値が20mV以上となる領域のpHとし、前記分散混合工程における分散媒のpHを、第1金属酸化物のゼータ電位の符号と第2金属酸化物のゼータ電位の符号が逆となる領域のpHとすることを特徴とする請求項1に記載の複合金属酸化物多孔体の製造方法。
  3. 前記第2金属酸化物微粒子が、平均粒径が1〜130nmであり且つ80質量%以上の粒子が直径160nm以下のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合金属酸化物多孔体の製造方法。
  4. 前記分散混合工程において、前記第1金属酸化物微粒子と前記第2金属酸化物粉末とを、直径150μm以下のマイクロビーズを用いて分散媒中で分散及び混合せしめることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の複合金属酸化物多孔体の製造方法。
  5. 前記第1金属酸化物微粒子及び/又は前記第2金属酸化物微粒子の表面に貴金属を担持せしめる担持工程を更に含むことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の複合金属酸化物多孔体の製造方法。
  6. 前記乾燥工程において、前記均一分散液に界面活性剤を添加して混合した後に加熱乾燥することを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の複合金属酸化物多孔体の製造方法。
  7. 前記複合金属酸化物多孔体が排ガス浄化用触媒であることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の複合金属酸化物多孔体の製造方法。
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