JP2006095497A - 金属イオン溶出ユニット及びこれを備えた機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 洗濯機などの機器に組み込まれていても、金属電極を容易に効率良く洗浄できる金属イオン溶出ユニット、及びこれを備えた機器の提供。
【解決手段】 電極ケース1内に、金属イオンを溶出する金属電極2を収納する。電極ケース1の側壁には、液体を外部から内部へ流入するための流入口3と、液体を内部から外部へ流出するための流出口4とが形成されている。流入口3と流出口4とには、流入口3、流出口4夫々を開閉するための流入口開閉部材5と流出口開閉部材6とが設けられている。流入口3から流入した液体に、金属電極2から溶出した金属イオンを付与し、金属イオンが付与された液体を流出口4から流出する。流出口開閉部材6を閉じた後、空気孔8を開けて電極ケース1内に存在する空気を抜き、流入口開閉部材5を開けて流入口3からスケール除去剤を電極ケース1内に流し入れて貯留させ、スケール除去剤で金属電極2に付着したスケールを除去する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属電極から金属イオンを液体に溶出させる金属イオン溶出ユニット、及びこれを備えた洗濯機などの機器に関する。
金属電極に電圧を印加して金属電極から金属イオンを溶出させる技術が、種々の電化機器に適用されている。このような金属イオン溶出ユニットを搭載する電化機器としては、洗濯機が代表である(例えば、特許文献1,2参照)。この種の洗濯機では、銀,銅などの金属電極を有して、金属電極に電圧を印加することにより、殺菌力がある銀イオン,銅イオンなどを洗浄水に与えている。また、本発明に関連する技術として、イオン水生成装置における電極の洗浄手法が提案されている(例えば、特許文献3,4参照)。
特開2003−290594号公報 特開2004−166921号公報 特開2002−18442号公報 特開平6−165985号公報
金属イオン溶出ユニットにあって金属電極の使用が長期にわたった場合、供給される液体中にカルシウム、マグネシウム、その他硬度成分が含まれている場合、炭酸カルシウム,水酸化カルシウムなど、または金属電極の材料に由来した塩化物,硫化物などが、スケールとなって電極表面に付着する。この結果、金属イオンの溶出能力が低下してしまうという問題があるため、付着したスケールを除去するために金属電極の洗浄を行う必要がある。
金属電極へのスケール付着対策として、金属電極間への通電極性の反転を用いた手法を用いることが多いが、スケール付着防止には有効な手法である一方、一旦付着してしまったスケールを完全に除去することは難しい。そこで、金属電極に付着したスケール除去作用がある塩酸などのスケール除去剤を金属電極に接触させてスケールを除去する手法が有効である。しかしながら、スケール除去剤を貯留できるような構造を持つ金属イオン溶出ユニットは考案されていない。
特許文献1,2に開示された金属イオン溶出ユニットは、洗濯機のような機器に組み込まれており、一旦組み込まれると水漏れ防止のため容易に取り外しができないような構造を有している。そのため、スケール除去のための金属電極の洗浄を容易に行えないという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、洗濯機などの機器に組み込まれていても、金属電極を容易に洗浄してスケールを除去できる金属イオン溶出ユニット、及びこれを備えた機器を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、効率良く金属電極を洗浄できる金属イオン溶出ユニット、及びこれを備えた機器を提供することにある。
本発明に係る金属イオン溶出ユニットは、金属イオンを溶出する金属電極と、該金属電極を収納し、液体を流入するための流入口及び液体を流出するための流出口を有するケースとを備えており、前記流入口から流入した液体に前記金属電極から溶出した金属イオンを付与し、金属イオンを付与した液体を前記流出口から流出する金属イオン溶出ユニットであって、前記流入口を開閉する流入口開閉手段、及び/または、前記流出口を開閉する流出口開閉手段を備えることを特徴とする。
本発明の金属イオン溶出ユニットにあっては、流入口開閉手段及び/または流出口開閉手段によって、流入口及び/または流出口の開閉を制御するため、スケール除去剤をケース内に貯留させ、金属電極をスケール除去剤に浸漬して、金属電極に付着したスケールを除去する。よって、金属電極の洗浄は容易である。
本発明に係る金属イオン溶出ユニットにおいては、前記流出口の底面の高さは前記ケースの底面の高さ以下であることが好ましい。
この場合、流出口の底面をケースの底面と同じかそれより低く配置している。よって、ケース内に流入した液体は完全に外部に排出され、使用後にスケール除去剤はユニットから完全に排出され、内部に残存しない。
本発明に係る金属イオン溶出ユニットにおいては、前記流入口の底面の高さは前記金属電極の高さより高いことが好ましい。
この場合、流入口の底面を金属電極より高く配置している。よって、流入口から液体が逆流することがないため、流出口にのみ開閉手段を備えれば良く、部品点数が減少してコストは削減する。
本発明に係る金属イオン溶出ユニットにおいては、前記流入口開閉手段及び/または流出口開閉手段を外部から制御する制御手段を備えることが好ましい。
この場合、流入口開閉手段及び/または流出口開閉手段による開閉動作を、外部から制御手段にて制御する。よって、開閉手段を外部からの操作により制御できるため、ユニットが組み込まれている機器を分解する必要がなく、容易に流入口及び/または流出口の開閉を行える。
本発明に係る金属イオン溶出ユニットにおいては、前記ケースの内部及び外部を連通する開口部を設けてあることが好ましい。
この場合、ケースの内部及び外部を連通する開口部を介して、スケール除去剤を供給する。よって、スケール除去剤の使用量は金属電極が浸漬するために必要な最小限の量で済む。また、ユニットが組み込まれている機器を分解する必要がない。
本発明に係る金属イオン溶出ユニットにおいては、前記開口部を開閉する開口部開閉手段を備えることが好ましい。
この場合、開口部開閉手段にて開口部の開閉を制御する。よって、スケール除去剤供給用の開口部をスケール除去時以外は塞いで、ユニットから周辺の部品への液体の漏れまたは飛び散りを防止する。
本発明に係る金属イオン溶出ユニットにおいては、前記流入口開閉手段及び/または流出口開閉手段と前記開口部開閉手段とが連動することが好ましい。
この場合、流入口及び/または流出口と開口部とを連動して開閉する。よって、一度の操作で流入口及び/または流出口と開口部とを開閉でき、操作が簡単になるとともに、ユーザの開閉し忘れがなくなる。
本発明に係る金属イオン溶出ユニットは、金属イオンを溶出する金属電極と、該金属電極を収納し、液体を流入/流出するための開口部を有するケースとを備えており、液体に前記金属電極から溶出した金属イオンを付与する金属イオン溶出ユニットであって、前記金属電極全体を浸漬できるように液体を貯留する液体貯留部を備えることを特徴とする。
本発明の金属イオン溶出ユニットにあっては、金属電極全体を浸漬できるように液体を貯留する液体貯留部を備えている。よって、液体貯留部内にスケール除去剤を貯留することにより、電極を浸漬させてスケールの除去を容易に行う。
本発明に係る機器は、上述したような構成の金属イオン溶出ユニットを備えることを特徴とする。
本発明の機器にあっては、上述したような構成の金属イオン溶出ユニットを備えている。よって、例えば、洗濯機を例とした場合、スケール除去を容易に行えて、金属イオンによる殺菌効果が高い殺菌水を確実に生成し、洗濯物をより清潔に洗うことができる。
本発明の金属イオン溶出ユニットでは、液体を流入するための流入口を開閉する流入口開閉手段、及び/または、液体を流出するための流出口を開閉する流出口開閉手段を備えるようにしたので、ケース内に貯留したスケール除去剤に金属電極を浸漬させてスケールを除去することができ、金属電極の洗浄を容易に行うことができる。
流出口の底面の高さをケースの底面の高さ以下とするようにした場合には、ケース内に流入した液体を完全に外部に排出でき、使用後にスケール除去剤をユニットから完全に排出することができる。
流入口の底面の高さを金属電極の高さより高くするようにした場合には、流出口開閉手段のみを設ければ良く、部品点数を減少できて、コストの削減を図ることができる。
流入口開閉手段及び/または流出口開閉手段を外部から制御する制御手段を備えるようにした場合には、流入口開閉手段及び/または流出口開閉手段の動作を外部から制御できるため、ユニットが組み込まれている機器を分解することなく容易に流入口及び/または流出口の開閉を行うことができる。
ケースの内部及び外部を連通する開口部を設けるようにした場合には、開口部を介してスケール除去剤を供給するため、スケール除去剤の使用量を金属電極が浸漬するために必要な最小限の量で済ませることができ、またユニットが組み込まれている機器を分解する必要もない。
スケール除去剤供給用の開口部を開閉する開口部開閉手段を備えるようにした場合には、開口部開閉手段にて開口部の開閉を制御して、開口部をスケール除去時以外は塞ぎ、ユニットから周辺の部品への液体の漏れまたは飛び散りを防止することができる。
流入口及び/または流出口と開口部とを連動して開閉するようにした場合には、一度の操作で流入口及び/または流出口と開口部とを開閉でき、操作が簡単になるとともに、ユーザの開閉し忘れをなくすことができる。
本発明の金属イオン溶出ユニットでは、金属電極全体を浸漬できるように液体を貯留する液体貯留部を備えるようにしたので、液体貯留部内に貯留したスケール除去剤に電極を浸漬させてスケールの除去を容易に行うことができる。
本発明の機器では、上述したような構成の金属イオン溶出ユニットを備えているので、例えば、洗濯機にあっては、スケール除去を容易に行えて、金属イオンによる殺菌効果が高い殺菌水を確実に生成し、洗濯物をより清潔に洗うことができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る金属イオン溶出ユニット10の構成を示す縦断面図、図2はその横断面図である。図中1は、内部に金属電極2を収納する電極ケースである。電極ケース1は、金属電極2の保護用、及び液体の貯留用として用いられる。電極ケース1の側壁には、液体を外部から内部へ流入するための流入口3と、液体を内部から外部へ流出するための流出口4とが形成されている。流入口3と流出口4とには、流入口3、流出口4それぞれを開閉するための流入口開閉部材5(流入口開閉手段)と流出口開閉部材6(流出口開閉手段)とが設けられている。金属電極2には、金属イオンを溶出するために金属電極2に電圧を印加し、電気的に制御する外部の制御部(図示せず)に接続する端子7が取り付けられている。電極ケース1の上壁には、2箇所に空気孔8が形成されている。
金属電極2は、電極間に液体が存在するとき、電極間に電圧を印加し、電流を流すことによって金属イオンが溶出する。例えば、金属電極2は、抗菌性を有する金属イオンのもとになる金属であれば良く、具体的には、銀、銅、銀と銅との合金、亜鉛などが選択可能である。銀電極から溶出する銀イオン、銅電極から溶出する銅イオン、または亜鉛電極から溶出する亜鉛イオンは、優れた殺菌効果及び防カビ効果を発揮する。銀と銅との合金からは銀イオンと銅イオンとを同時に溶出させることができる。陽極が金属イオンを溶出する電極で、陰極が金属イオンを溶出しない電極であっても良い。電極形態が2枚以上(複数)の電極から構成される場合は、すべて同じ材質の金属電極であっても良いし、いずれかが金属電極で、他の電極が非金属電極(例えば、貴金属(チタン,白金,金など)メッキの電極、炭素電極、導電性プラスチックなど)であっても良い。
金属電極2から溶出した金属イオンは、流入口3から流入した液体に電極ケース1内で付与され、金属イオンが付与された液体が流出口4から流出されるようになっている。流入口3に設けられた流入口開閉部材5と、流出口4に設けられた流出口開閉部材6とは、液体の流れを遮る機能を果たす。通常は、流入口開閉部材5及び流出口開閉部材6は開いた状態で保たれており、金属イオン溶出ユニット10内に液体を流し入れることが可能で、金属電極2から溶出した金属イオンが付与された後に、液体が流出口4から外部へ排出できる状態にある。これらの流入口開閉部材5及び流出口開閉部材6は、弁、バルブ、ねじ、遮断板など、またはこれらを組み合わせた部材が考えられる。もちろん、液体の流れを制御するものであれば、既知の部品(例えば、電磁弁など)を用いても構わない。
金属イオン溶出ユニット10を使用しないときに電極ケース1内に液体が残らないよう、流出口4の底面を、電極ケース1の底面と同じ高さまたはそれより低く配置している。このような配置により、液体が電極ケース1内に残らず、電極ケース1内が乾燥するので、スケール除去剤を使用した後に除去剤を金属イオン溶出ユニット10外に排出することもでき、除去剤への過剰な浸漬による電極、およびケースの脆化を防ぐことができる。また、この構造によれば、細菌の繁殖によるぬめりなどが発生しにくくなる。
空気孔8は、スケール除去剤を電極ケース1内に流入して貯留する際に電極ケース1内の空気を抜くために開けられる。なお、この例では2個の空気孔8を形成しているが、1個または3個以上であっても良い。スケール除去のとき以外、つまり普段使用するときは、金属イオン溶出ユニット10内に流入する液体が空気孔8から飛び散って周辺の部品を濡らしたりしないように、空気孔8の径は数ミリ程度が望ましい。
次に、このような構成の金属イオン溶出ユニット10における動作について説明する。流入口3を介して液体、例えば水を金属イオン溶出ユニット10(電極ケース1)内に流入する。流入された水は、金属電極2から溶出した銀イオン、銅イオンなどの金属イオンが付与される。金属イオンが付与された水が、流出口4を介して金属イオン溶出ユニット10(電極ケース1)外に排出され、殺菌水、防カビ水が得られる。流出口4の底面を電極ケース1の底面と同じ高さまたはそれより低く配置しているため、金属イオン溶出ユニット10の使用後は液体が電極ケース1内に残らず、電極ケース1内が乾燥するので、スケール除去剤を使用した後に除去剤を金属イオン溶出ユニット10外に排出することもでき、除去剤への過剰な浸漬による電極、およびケースの脆化を防ぐことができる。また、この構造によれば、細菌の繁殖によるぬめりなどが発生しにくくなる。
金属電極2に付着したスケールを除去する処理は、以下のようにして行う。流出口開閉部材6を閉じる。次いで、流入口開閉部材5を開けて流入口3からスケール除去剤を金属イオン溶出ユニット10(電極ケース1)内に流入して貯留させる。このとき空気孔8などから電極ケース1内の空気が抜けていく。そして、貯留させたスケール除去剤で金属電極2を洗浄して、付着したスケールを除去する。スケール除去剤は、通常液体(例えば水)を金属イオン溶出ユニット10内に流入するときに使用する経路、例えば金属イオン溶出ユニット10が組み込まれている機器が洗濯機の場合、給水口から流入しても良い。流出口4の底面を電極ケース1の底面と同じ高さまたはそれより低く配置しているため、使用した後にスケール除去剤を金属イオン溶出ユニット10外に完全に排出することが可能である。スケール除去剤を多く入れると空気孔8からスケール除去剤が漏れる可能性があるため、使用するスケール除去剤の量を電極ケース1の容積に対応するように予め決めておくことが好ましい。なお、空気孔8は設けなくても構わない。なぜなら、液体を注入する際に、液体が流れ込む流入口3からも電極ケース1内の空気が抜けていくからである。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る金属イオン溶出ユニット10の構成を示す縦断面図である。図3において、図1と同一部分には同一番号を付してそれらの説明は省略する。図3に示す実施の形態2では、流出口4にのみ流出口開閉部材6が設けられており、流入口3には開閉部材が設けられていない。
流入口3の底面は、電極ケース1内に収納されている金属電極2の一番高い部分よりも高い位置に設置されている。この構造によれば、電極ケース1内の液体が流入口3へ逆流することがないため、金属電極2を完全に浸漬させるための開閉部材を流入口3側に設けることが必ずしも必要でなく、開閉部材は流出口4側のみに設置すれば良い。よって、金属イオン溶出ユニット10に必要とする部品の数が減り、コスト削減につながる。なお、空気孔8は設けなくても構わない。なぜなら、液体を注入する際に、液体が流れ込む流入口3からも電極ケース1内の空気が抜けていくからである。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3に係る金属イオン溶出ユニット10の構成を示す縦断面図である。図4において、図1と同一部分には同一番号を付してそれらの説明は省略する。図4に示す実施の形態3では、流入口3にのみ流入口開閉部材5が設けられており、流出口4には開閉部材が設けられていない。実施の形態3にあっても、部品点数が少なく、コストの低減化を図れる。この場合、スケール除去剤は流出口4から流入しても良い。
なお、図示は省略するが、実施の形態1,3において、実施の形態2のように、金属電極2の一番高い部分よりも高い位置に流入口3の底面を設置するように構成しても良いことは勿論である。
(実施の形態4)
金属イオン溶出ユニットは、機器内に組み込まれていることが一般的であり、このような場合、スケール除去を行う際には、開閉部材を操作するために機器をある程度分解する必要がある。しかし、一般家庭において分解する場合には、再度組み立てる際に水密性(密閉性)が失われてしまうと、水漏れなどが生じる懸念がある。図5は、本発明の実施の形態4に係る金属イオン溶出ユニット10の構成を示す縦断面図である。図5では、洗濯機などの機器に付随するカバー11で金属イオン溶出ユニット10が覆われている。なお、図5において、図1と同一部分には同一番号を付してそれらの説明は省略する。
このように金属イオン溶出ユニット10がカバー11に覆われている場合、ユーザの操作性を向上させるために、また、水漏れなどの懸念を解消するために、カバー11の外部から流入口開閉部材5及び/または流出口開閉部材6の開閉動作を行えることが好ましい。図5に示す実施の形態4では、カバー11の外部に、流入口開閉部材5、流出口開閉部材6それぞれの開閉動作を操作する流入口開閉操作部12、流出口開閉操作部13を備えている。
このような構造によれば、ユーザは、カバー11の外部から流入口開閉操作部12及び/または流出口開閉操作部13を直接操作することにより、流入口開閉部材5及び/または流出口開閉部材6の開閉動作、即ち流入口3及び/または流出口4の開閉を制御できる。よって、金属イオン溶出ユニット10が機器に組み込まれている場合であっても、機器を分解する必要がなく、流入口3及び/または流出口4の開閉を容易に制御できるため、ユーザの操作性は向上する。なお、流入口開閉部材5及び流出口開閉部材6が電磁弁などで構成され、電気的制御を必要とするのであれば、カバー11外部に開閉のためのスイッチを設けても良い。
図6は、実施の形態4に係る金属イオン溶出ユニット10の変形例の構成を示す縦断面図であり、図6における図5と同一部分には同一番号を付している。図6に示す例は、上述した実施の形態2の如く、金属電極2の一番高い部分よりも高い位置に流入口3の底面を設置して、流入口3側に開閉部材を設けないものである。よって、図5のような流入口開閉操作部12は設けられず、流出口開閉操作部13のみを設けている。部材点数を少なくして、低コスト化を図れる。
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5に係る金属イオン溶出ユニット10の構成を示す縦断面図である。図7において、図1と同一部分には同一番号を付してそれらの説明は省略する。図7に示す実施の形態5では、電極ケース1の上壁にその内部及び外部を連通する態様で、スケール除去剤を供給するための開口部14を形成している。
そして、金属電極2に付着したスケールを取り除く際に、この開口部14を介して金属イオン溶出ユニット10(電極ケース1)内に、直接スケール除去剤を注入する。この場合、流入口3及び流出口4の両方に開閉部材(流入口開閉部材5及び流出口開閉部材6)を設け、スケール除去剤を開口部14から注入するときは、流入口開閉部材5及び流出口開閉部材6を何れも閉じて、スケール除去剤を貯留する。このような構造によれば、スケール除去剤は金属イオン溶出ユニット10(電極ケース1)内に貯留できる最小の量で済み、スケール除去後の廃液が少なくなるので環境にも配慮できる。
なお、図7に示す例では、一つの開口部14を設けているが、複数の開口部14を電極ケース1の上壁に形成するようにしても良い。スケール除去を行わないときは、他の部品への水漏れまたは水はねを防止するために、開口部14を開閉するための開閉部材、例えば栓(図示せず)を設けることが好ましい。
図8は、実施の形態5に係る金属イオン溶出ユニット10の変形例の構成を示す縦断面図であり、図8における図7と同一部分には同一番号を付している。図8に示す例は、上述した実施の形態2の如く、金属電極2の一番高い部分よりも高い位置に流入口3の底面を設置して、流入口3側に開閉部材を設けないものである。部材点数を少なくして、低コスト化を図れる。
(実施の形態6)
図9は、本発明の実施の形態6に係る金属イオン溶出ユニット10の構成を示す縦断面図である。図9において、図7と同一部分には同一番号を付してそれらの説明は省略する。図9に示す実施の形態6では、開放されている電極ケース1の上部を蓋15で覆って、蓋15の開閉により電極ケース1の天井部分にスケール除去剤供給用の開口部14を設けるようにしている。この例でも、実施の形態5と同様の効果を奏する。
図10は、実施の形態6に係る金属イオン溶出ユニット10の変形例の構成を示す縦断面図であり、図10における図9と同一部分には同一番号を付している。図10に示す例は、上述した実施の形態2の如く、金属電極2の一番高い部分よりも高い位置に流入口3の底面を設置して、流入口3側に開閉部材を設けないものである。部材点数を少なくして、低コスト化を図れる。
(実施の形態7)
図11は、本発明の実施の形態7に係る金属イオン溶出ユニット10の構成を示す縦断面図である。図11において、図1,図5,図7と同一部分には同一番号を付してそれらの説明は省略する。実施の形態7は、実施の形態4(図5)と同様に、金属イオン溶出ユニット10が洗濯機などの機器に組み込まれ、機器に付随するカバー11で金属イオン溶出ユニット10が覆われている。
カバー11に、スケール除去剤を供給するための開口部14を形成しており、開口部14から電極ケース1に通じる連通管16を設けている。金属電極2に付着したスケールを取り除く際に、この開口部14及び連通管16を介して金属イオン溶出ユニット10(電極ケース1)内に、直接スケール除去剤を注入する。
実施の形態7では、機器を分解する必要がなく、また液体の流入口3及び流出口4を利用してスケール除去剤を流入させる必要がなく、カバー11の外部から、流入口3及び流出口4の開閉を操作して、簡単にスケール除去剤を電極ケース1内に貯留することができる。
図12は、実施の形態7に係る金属イオン溶出ユニット10の変形例の構成を示す縦断面図であり、図12における図11と同一部分には同一番号を付している。図12に示す例は、上述した実施の形態2の如く、金属電極2の一番高い部分よりも高い位置に流入口3の底面を設置して、流入口3側に開閉部材、開閉操作部を設けないものである。部材点数を少なくして、低コスト化を図れる。
実施の形態7において、流入口開閉部材5及び/または流出口開閉部材6と開口部14とを連動して動作させるようにしても良い。例えば、開閉部材5,6と開口部14との操作部を一箇所にし、その一箇所を操作することにより、開閉部材5,6が閉じれば開口部14が開くといった構造にしても良い。例えば、開閉部材5,6と開口部14とが電磁弁で構成されている場合、「ユニット洗浄用ボタン」を押すと、開閉部材5,6の電磁弁が閉じ、開口部14の電磁弁が開くようにすれば良い。このようにすれば、開閉部材5,6が開いている状態で開口部14からスケール除去剤を注いでしまうという不具合を防止することができる。逆に開閉部材5,6と開口部14が閉じている状態で、水道水などの水を流入口3から金属イオン溶出ユニット10(電極ケース1)内に流入させてしまうという不具合も防止することができる。
なお、開閉部材5,6と開口部14との操作部を一箇所にし、その一箇所を操作することにより、開閉部材5,6が閉じれば開口部14が開くといった構造を機械的に構築しても良い。
また、実施の形態1から7において、金属イオン溶出ユニットに開閉部材を取り付けているが、金属イオン溶出ユニットが機器に取り付けられて使用する場合、開閉部材を機器側の水管に設ける構造であっても良い。
(実施の形態8)
上述した実施の形態1〜7は、金属イオン溶出ユニットが機器内に組み込まれており、機器の分解が困難な場合の形態である。実施の形態8では、金属イオン溶出ユニットが機器から容易に取り外し可能な場合について述べる。図13は、本発明の実施の形態8に係る金属イオン溶出ユニット10の構成を示す縦断面図である。
図中1は、内部に金属電極2を収納する電極ケースである。電極ケース1の長さは金属電極2の長さより長い。金属電極2の一端には、電極間隔を一定に保つためのスペーサ21が取り付けられており、金属電極2の他端は、金属電極2を電気的に制御する制御部22に接続している。電極ケース1の長手方向の一端は制御部22にて封止され、その他端は開放されて開口部23となっている。この開口部23を介して、液体を電極ケース1内に流入して液体貯留部24に貯留させ、また、電極ケース1から液体を流出させるようになっている。
図14は、図13に示す金属イオン溶出ユニット10を備えた機器としての殺菌水生成容器の一例を示す。図14において、31は液体(例えば、水)を貯留する貯留容器であり、貯留容器31には中央部が開口している上蓋32が被せられている。この上蓋32に取外し可能な態様で、金属イオン溶出ユニット10が取り付けられており、金属イオン溶出ユニット10の開口部23と貯留容器31とが連通している。
貯留容器31に貯留している液体は、開口部23を介して金属イオン溶出ユニット10(電極ケース1)内に流入し、金属電極2から溶出する金属イオンが付与される。この結果、金属イオンが付与された液体(例えば、銀イオンが付与された殺菌水)が得られて、開口部23から貯留容器31に排出される。
金属電極2に付着したスケールを洗浄によって除去する場合は、金属イオン溶出ユニット10を殺菌水生成容器(上蓋32)から取り外して、図13のように開口部23が上になるように設置し、開口部23を介してスケール除去剤を液体貯留部24に入れて貯留させる。電極ケース1の長さ(液体貯留部24の深さ)が金属電極2の長さより長いため、金属電極2が完全にスケール除去剤に浸漬できるように、スケール除去剤を液体貯留部24に貯留可能である。よって、金属電極2全体をきれいに洗浄できる。
図14に示す機器では、殺菌水の生成が可能であり、しかもスケール除去も複雑な操作を必要とせずに簡単に行うことが可能である。
上述したような各実施の形態の金属イオン溶出ユニット10を備えた機器は、スケールが付着しても薬剤(スケール除去剤)での除去が容易であるため、常に殺菌効果が高い殺菌水を生成することが可能である。このような機器の例として、例えば、衣類洗浄,食器洗浄などを行う家庭用の機器、プール,銭湯などの大型の設備に対応した殺菌水生成装置などが挙げられる。
実施の形態1に係る金属イオン溶出ユニットの構成を示す縦断面図である。 実施の形態1に係る金属イオン溶出ユニットの構成を示す横断面図である。 実施の形態2に係る金属イオン溶出ユニットの構成を示す縦断面図である。 実施の形態3に係る金属イオン溶出ユニットの構成を示す縦断面図である。 実施の形態4に係る金属イオン溶出ユニットの構成を示す縦断面図である。 実施の形態4に係る金属イオン溶出ユニットの変形例の構成を示す縦断面図である。 実施の形態5に係る金属イオン溶出ユニットの構成を示す縦断面図である。 実施の形態5に係る金属イオン溶出ユニットの変形例の構成を示す縦断面図である。 実施の形態6に係る金属イオン溶出ユニットの構成を示す縦断面図である。 実施の形態6に係る金属イオン溶出ユニットの変形例の構成を示す縦断面図である。 実施の形態7に係る金属イオン溶出ユニットの構成を示す縦断面図である。 実施の形態7に係る金属イオン溶出ユニットの変形例の構成を示す縦断面図である。 実施の形態8に係る金属イオン溶出ユニットの構成を示す縦断面図である。 実施の形態8に係る金属イオン溶出ユニットを備えた機器としての殺菌水生成容器の一例を示す縦断面図である。
符号の説明
1 電極ケース(ケース)
2 金属電極
3 流入口
4 流出口
5 流入口開閉部材(流入口開閉手段)
6 流出口開閉部材(流出口開閉手段)
10 金属イオン溶出ユニット
11 カバー
12 流入口開閉操作部(制御手段)
13 流出口開閉操作部(制御手段)
14 開口部
15 蓋(開口部開閉手段)
24 液体貯留部

Claims (9)

  1. 金属イオンを溶出する金属電極と、該金属電極を収納し、液体を流入するための流入口及び液体を流出するための流出口を有するケースとを備えており、前記流入口から流入した液体に前記金属電極から溶出した金属イオンを付与し、金属イオンを付与した液体を前記流出口から流出する金属イオン溶出ユニットであって、
    前記流入口を開閉する流入口開閉手段、及び/または、前記流出口を開閉する流出口開閉手段を備えることを特徴とする金属イオン溶出ユニット。
  2. 前記流出口の底面の高さは前記ケースの底面の高さ以下であることを特徴とする請求項1に記載の金属イオン溶出ユニット。
  3. 前記流入口の底面の高さは前記金属電極の高さより高いことを特徴とする請求項1または2に記載の金属イオン溶出ユニット。
  4. 前記流入口開閉手段及び/または流出口開閉手段を外部から制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかひとつに記載の金属イオン溶出ユニット。
  5. 前記ケースの内部及び外部を連通する開口部を設けてあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかひとつに記載の金属イオン溶出ユニット。
  6. 前記開口部を開閉する開口部開閉手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の金属イオン溶出ユニット。
  7. 前記流入口開閉手段及び/または流出口開閉手段と前記開口部開閉手段とが連動することを特徴とする請求項6に記載の金属イオン溶出ユニット。
  8. 金属イオンを溶出する金属電極と、該金属電極を収納し、液体を流入/流出するための開口部を有するケースとを備えており、液体に前記金属電極から溶出した金属イオンを付与する金属イオン溶出ユニットであって、
    前記金属電極全体を浸漬できるように液体を貯留する液体貯留部を備えることを特徴とする金属イオン溶出ユニット。
  9. 請求項1乃至8のいずれかひとつに記載の金属イオン溶出ユニットを備えることを特徴とする機器。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010201421A (ja) * 2009-03-04 2010-09-16 Grentech Co Ltd 殺菌水生成ユニット、それを含む殺菌水生成カートリッジ及び殺菌洗濯機

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