以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。また、以下に示す実施例1〜3は、同一の取付部材を、それぞれ異なる遊技機1に適用した具体例である。尚、実施例1の遊技機は、「一の遊技機」の具体例を構成し、実施例2の遊技機は、「他の遊技機」の具体例を構成する。
A.実施例1
(1)機械的な構造
先ず、この遊技機1の機械的な構造について、図1〜図13を参照して説明する。この遊技機1は、遊技機本体と、この遊技機本体を固定するための遊技機枠とを備えている。ここで、遊技機枠とは、遊技機1のうちで、パチンコホールの島設備に固定される枠状の部分であって、外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4とを備えている。一方、遊技機本体は、遊技機1のうちで、遊技機枠(2、3、4等)に着脱自在に固定される部分であって、遊技盤10と、裏機構盤102等とを主要部としている。
この遊技機1の前面部は、遊技機枠を構成する外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4とを備え、この遊技機枠には、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とが設けられている。尚、図1及び図2においては、遊技盤10の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。また、中枠3は、全体がプラスチック製であり、外枠2の内側に嵌めこまれている。また、中枠3は、上側2/3程度を示す枠体部3aと、下側1/3程度を示す下板部3bと、を有し(図2参照)、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。また、枠体部3aの前面側には遊技盤10と前面枠4とが重なるように設けられ、下板部3bの前面側には上皿部6と下皿部6とが設けられている。更に、中枠3の右端中央には施錠装置7(図1参照)が設けられている。
また、下板部3bには、遊技球を遊技盤10に発射する発射ユニット(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図8参照)等が配設されている。尚、本実施例のスピーカー400aは、中高音用ユニット(ツィータ)及び低音用ユニット(ウーハ)を含むマルチウェイ方式とされている。
前面枠4は、図1及び図2に示すように、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、全体がプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤10(図4参照)の盤面を前方から視認可能とするために、円形状の開口部4aを有している。つまり、この開口部4aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図4参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。そして、前面枠4の裏面には、開口部4aに応じて二枚のガラス板41rが嵌められた略長方形状のガラス枠41s(図2参照)が装着されている。
前面枠4には、左LED表示部4b、右LED表示部4c、左上LED表示部4d、右上LED表示部4e、中上LED表示部4f、4fが設けられている。これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めること等を目的として、ゲームの進行に応じて点灯及び消灯したり、点滅する。尚、左LED表示部4bは開口部4aの周囲の左側に略円弧状に設けられ、右LED表示部4cは開口部4aの周囲の右側に略円弧状に設けられている。また、左上LED表示部4dは左LED表示部4bの左斜め上方に設けられ、右上LED表示部4eは右LED表示部4cの右斜め上方に設けられている。更に、中上LED表示部4f、4fは略円形状に形成され、左上LED表示部4dの上端部と右LED表示部4cの上端部との間に2個配置されている。
また、2個の中上LED表示部4f、4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。更に、賞球LED表示部4gの上方には、エラーLED表示部4hが略扇形に設けられている。
図3は、各種LED基板4i〜4oの位置関係を示す説明図である。各種LED基板4i〜4oは、中枠3の枠体部において、上述の各種LED表示部4b〜4fに対応する位置に設けられている。具体的には、左LED基板4iは左LED表示部4bに対応し、右LED基板4jは右LED表示部4cに対応し、左上LED基板4kは左上LED表示部4dに対応し、右上LED基板4lは右上LED表示部4eに対応している。また、中上LED基板4mは中上LED表示部4fに対応し、賞球LED基板4nは賞球LED表示部4gに対応し、エラーLED基板4oはエラーLED表示部4hに対応している。
図1及び図2に示すように、上皿部5は、前面枠3の下方に設けられると共に、皿外縁部5aと、遊技機1の内部の遊技球を下皿部6に排出するための排出口5b等を備えている。尚、上皿部5の裏側には、音量スイッチ基板12(図8参照)が設けられ、皿外縁部5aには球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が設けられている。
下皿部6は上皿部5の下方に設けられると共に、この下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部6の右端には発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿部6の上部には、灰皿6bの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
つまり、下皿部6の略中央手前側には、球抜き孔の開閉を行うための排出ノブ6cが設けられている。この排出ノブ6cはプルロック式に構成され、通常時は直立状態とされている。即ち、球抜き孔は排出ノブ6cに連動し、排出ノブ6cが直立状態のときに、球抜き孔は閉鎖状態とされる。そして、この排出ノブ6cは、上端を回転軸として下端を奥側に押圧することにより回動可能とされている。この排出ノブ6cの下端を奥側に倒したときに、球抜き孔は排出ノブ6cの回動に連動して開放状態とされると共に、排出ノブ6cは下端を奥側に倒した状態でロックされて球抜き孔の開放状態が保持され、遊技球を下皿部6から排出可能となる。また、下端を奥側に倒した状態でロックされている排出ノブ6cを更に奥側に押すと、排出ノブ6cのロックが解除され、排出ノブ6cを直立状態に戻すことがきる。そして、排出ノブ6cを直立状態に戻すと、球抜き孔は閉鎖状態に戻される。
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が設けられている。
尚、上皿部5の略中央部には第1音声出力部5cが設けられている。この第1音声出力部5cは、複数の長孔とその上部に形成された多数の小孔とで構成されている。そして、この第1音声出力部5cには、スピーカー400aを構成する中高音用ユニット(ツィータ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、下皿部6における排出ノブ6cの右側及び左側には第2音声出力部6dが設けられている。この第2音声出力部6dには、スピーカー400aを構成するユニット(ウーハ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、本遊技機1では、上皿部5の前面における左端側の部位に、2つの操作ボタンB1、B2を配置している。
次に、遊技盤10は、遊技機枠の一部を構成する「中枠3(図1及び図2参照)」に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図7参照)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央装置26と、始動口(普通電動役物171)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車24、25等が配設されている。
図4に示すように、中央装置26は遊技領域11の略中央部に配置されると共に、液晶表示装置27を備えている。この液晶表示装置27の表示画面271は、図5(a)に示すように、その下縁側に横長に形成された主表示領域271Aと、表示画面271の大部分を占める演出用表示領域271Bとを備えている。このうち、主表示領域271Aは、右端寄りの部分に、識別情報としての2つの本図柄を表示する本図柄表示部272、273を形成し、略中央に特別図柄保留表示部16aを形成している。
また、演出用表示領域271Bは、識別情報としての3つの疑似図柄を表示する3つの疑似図柄表示部275〜277と、その他の部分で構成される背景画面表示部278とを備えている。尚、本実施例では、本図柄を表示するための領域(主表示領域271A)と、演出専用図柄(疑似図柄や背景図柄)を表示するための領域(演出用表示領域271B)とが、液晶表示装置27において区画されているが、液晶表示装置27の同一の領域に、本図柄と演出専用図柄とを表示してもよい。また、本明細書において、識別情報としての本図柄と疑似図柄を、特別図柄と称することがある。
2つの本図柄表示部272、273は、疑似図柄表示部275〜277よりも小型(例えば、1/10〜1/100)で、認識困難とされているので、遊技者は、主に演出表示領域271B(疑似図柄表示部275〜277、背景画面表示部278)に注目して、遊技を進行することになる。そして、個々の本図柄表示部272、273において、本図柄が変動表示された後に、確定表示される。
この液晶表示装置27においては、始動入賞を生ずること(始動口17に、遊技球が入賞すること)を前提に、特別図柄(本図柄及び疑似図柄)の変動開始条件(つまり、特別図柄変動開始条件)が成立すると、その表示画面271の表示領域(主表示領域271Aと、演出用表示領域271B)に表示される各図柄(本図柄及び疑似図柄)が、それぞれ変動する。そして、特別図柄始動入賞を生ずる毎に選択・設定される「特別図柄の変動時間」が経過すると、特別図柄(本図柄及び疑似図柄)の確定図柄が確定表示される。
つまり、本図柄表示部272、273によって、本図柄を所定の変動時間だけ、変動表示した後に、本図柄の確定図柄が確定表示がなされる。また、演出用表示領域271Bにおいても、3つの疑似図柄(演出専用図柄の一具体例を示す)の変動表示と、背景図柄の表示とを、「本図柄と同一の変動時間」だけ、行った後、3つの疑似図柄の確定図柄が確定表示される。尚、本実施例では、遊技機1が「特別図柄変動時間」を短縮化する制御を受けているか否かによって、この変動時間は異なったものとされる。
本図柄表示部272、273に、大当り図柄(後述する)が確定表示(停止表示)されると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口311が開放され、遊技者に「特別遊技(特別遊技状態)に係る特典」が付与される。つまり、2つの本図柄は、その確定表示(停止表示)の態様によって、「特別遊技(特別遊技状態)に係る特典を遊技者に付与するか否かに関する判定の結果(つまり、「当否判定」の結果)」を表示する。
尚、本明細書において、右側(遊技者を基準に左右を定める。以下の説明においても同様)の本図柄表示部272を「第1本図柄表示部272」と称すると共に、この本図柄表示部272に表示される本図柄を「第1本図柄」と称することがある。また、左側の本図柄表示部273を「第2本図柄表示部273」と称し、この本図柄表示部273に表示される本図柄を「第2本図柄」と称することがある。
本実施例では、始動入賞を生ずると、当否判定を実行するための、判定実行条件が成立する。また、両本図柄表示部272、273では、始動入賞を生ずることを前提に、特別図柄の変動開始条件が成立すると、本図柄の変動表示を開始する。即ち、図5(b)及び(c)に示すように、両本図柄表示部272、273では、「1」〜「9」の数字をこの順に表示した後、「1」の戻り、更に、「1」〜「9」の数字をこの順に表示することを繰り返す。尚、図5(b)に示すように、「第1本図柄表示部272」に表示される「1」〜「9」の数字は、赤色で表示される場合と、青色で表示される場合とがある。
両本図柄表示部272、273に、「特別遊技(特別遊技状態)に係る特典を遊技者に付与するか否かに関する判定(つまり、当否判定)」の結果を示す確定図柄が確定表示されると、遊技者に対して、以下の情報が発信される。つまり、両本図柄表示部272、273に同一の数字が確定表示されると、当否判定の結果が大当りであることを示す。このとき、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が赤色の表示であれば、当否判定の結果が「大当り」であると共に、「確率変動を行うか否かの判定結果」も「当り」であること(以下、「確変当り」と称する)を示す。また、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が青色の表示であれば、「当否判定」の結果が「大当り」であるが、「確率変動を行うか否かの判定の結果」は「外れ」であること(以下、「通常当り」と称する)を示す。
この「確率変動」は、特別遊技以外の「遊技上の特典」の具体例を示しておいり、特別図柄始動入賞を生ずると、「確率変動に係る特典を遊技者に付与するか否かの判定」を実行するための、判定実行条件が成立する。この「確率変動」は、所定の「確変当り」に係る特別遊技の実行後において、「確率変動終了条件」が成立するまでの間、当該遊技機1において「大当り」が発生する確率(当否判定において、大当りと判定される確率)を高確率に設定することを内容とする特典である。尚、「確変当り」を生じた場合には、当該「確変当り」に係る特別遊技の実行後に、液晶表示装置27の表示画面271に、「以後、当該遊技機1の遊技状態が、確率変動状態に制御される旨(確変突入)」の表示がされ、当該遊技機1の遊技状態が確率変動状態に制御される。
図5に示す「両本図柄表示部272、273」に、異なる数字が確定表示されると、「当否判定(特別遊技に係る特典を付与するか否かの判定)」の結果が「外れ」であることを示す。尚、この場合、「確率変動に係る特典を遊技者に付与するか否かの判定」の結果も落選となる。
図5(a)に示すように、演出用表示領域271Bには、疑似図柄表示部275〜277が表示されることがある。尚、この疑似図柄表示部275〜277は、演出用表示領域271Bの下半部において3つ並んで配置される。また、以下の説明において、遊技者から見て左側の疑似図柄表示部275を「左疑似図柄表示部275」と称し、遊技者から見て中央の疑似図柄表示部276を「中疑似図柄表示部276」と称すると共に、遊技者から見て右側の疑似図柄表示部277を「右疑似図柄表示部277」と称する。
また、演出用表示領域271Bに疑似図柄表示部275〜277が表示されるときには、この演出用表示領域271Bのその他の部位によって背景画面表示部278が表示される。そして、この背景画面表示部278には、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)が表示することができる。
疑似図柄表示部275〜277では、前述の本図柄表示部272、273と、同時に図柄変動を開始する。そして、この疑似図柄表示部275〜277に、確定表示される確定図柄(停止図柄)には、図6(a)〜(c)に示す態様がある。即ち、図6(a)の「外れを示す停止図柄」と、図6(b)の「通常当りを示す停止図柄」と、図6(c)の「確変当りを示す停止図柄」とがある。このうち、「外れを示す停止図柄」は、3つの疑似図柄表示部275〜277のうちの少なくとも2つに異なる数字を表示して構成される。また、「通常当りを示す停止図柄」は、「1」、「2」、「4」、「6」若しくは「8」のうちの何れかの数字を3つ並べて構成される。更に、「確変当りを示す停止図柄」は、「3」、「5」、「7」若しくは「9」のうちの何れかの数字を3つ並べて構成される。
ここで、この疑似図柄表示部275〜277においても、特別図柄始動入賞を前提に、特別図柄の変動開始条件が成立すると、図柄の変動(疑似図柄の変動)を開始すると共に、背景画面表示部278には動画が連続的に表示される。この際、変動途中の疑似図柄の表示態様は、それ自体単独で、若しくは、背景の動画が示すメッセージに呼応して、回転、拡大、縮小等を行ってもよい。
尚、本実施例では、疑似図柄表示部275〜277に確定表示される疑似図柄(以下、「確定疑似図柄」という。)の表示内容と、両本図柄表示部272、273に確定表示される本図柄の表示内容(以下、「真実の判定の結果の内容」という。)とが一致している。つまり、本図柄の確定図柄によって「確変当り」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって「確変当り」が表示され、本図柄の確定図柄によって「通常当り」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって、「通常当り」が表示される。また、本図柄の確定図柄によって「外れ」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって、「外れ」が表示される。
このように、疑似図柄表示部275〜277では、本図柄表示部272、273と同時に図柄変動を開始し、同時に図柄変動を停止する。そして、疑似図柄表示部275〜277には、本図柄表示部272、273と同一内容(例えば、両者とも確変当り、両者とも通常当り、両者とも外れ)の確定表示がなされる。つまり、疑似図柄表示部275〜277に確定表示される表示内容が、本図柄表示部272、273に確定表示される表示内容と矛盾することはない。但し、疑似図柄表示部275〜277においては、その変動の開始から停止に至るまでの間に種々の演出表示が実行される。つまり、疑似図柄表示部275〜277では、所謂「リーチ演出」や所謂「再抽選演出」を行う。
尚、この「リーチ演出」とは、「特別図柄表示手段に、特別遊技に関する判定の最終結果(当否判定の結果)等が表示される前において、特別遊技の実行(大当りの発生)の可能性が継続している状態のときに、この特別図柄表示手段において表示される演出表示」のことを指す。即ち、「特別図柄表示手段」の所定の表示部に表示される最終停止図柄(本図柄の確定図柄や疑似図柄の確定図柄)となる表示図柄以外の図柄(本図柄や疑似図柄)が、大当りとなる特定の停止図柄態様(大当りとなる複数の本図柄の確定図柄態様や、大当りとなる複数の疑似図柄の確定図柄態様)と一致している状態で所定時間継続して停止、揺動、拡大、縮小あるいは変形したり、複数の表示図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄(変動中の本図柄や、変動中疑似図柄)の位置が入れ替わっている状態等を指す。
例えば、特別図柄表示手段(液晶表示装置27)の表示部が、本図柄を表示するための表示領域(つまり、本図柄表示部)や疑似図柄を表示するための表示領域(つまり、疑似図柄表示部)を横方向、縦方向、若しくは傾斜方向にライン状に並べる場合においては、一方の端(例えば、左側、上側、若しくは、斜め上側)の表示領域で変動表示されている端図柄(例えば、「左の図柄」、「上の図柄」、若しくは、「斜め上の図柄」)、他方の端(例えば、右側、下側、若しくは、斜め下側)の表示領域で変動表示されている端図柄(例えば、「右の図柄」、「下の図柄」、若しくは、「斜め下の図柄」)、中間(例えば、真ん中)の表示領域で変動表示されている「中の図柄」の順に図柄が停止し、これら表示図柄がすべて同一図柄で揃った場合に大当りとなるものとする。
このとき、最終停止図柄である「中の図柄」以外の図柄(例えば、「左の図柄」及び「右の図柄」、「上の図柄」及び「下の図柄」、「斜め上の図柄」及び「斜め下の図柄」)が同一図柄で停留している状態をリーチ状態という。そして、このリーチ状態となると、「中の図柄」の変動表示パターンを通常状態とは異なる変動表示パターンとしたり、あるいはそのとき同時に画面をフラッシュさせたり、何らかのサインやキャラクターを登場させたりするなどいろいろな表示態様を採ることで、遊技者の大当り発生に対する期待感を大きくさせ、遊技興趣を盛り上げるように構成してもよい。
本実施例では、本図柄表示部272、273において、前記「大当り判定」の結果が「大当り(確変当り、通常当りの何れでもよい。)」であることを示す確定図柄を確定表示する場合には、疑似図柄表示部275〜277にも、前記「大当り判定」の結果が「大当り(確変当り、通常当りの何れでもよい。)」であることを示す確定図柄を確定表示する。この場合、疑似図柄の変動途中において、疑似図柄表示部275〜277では、リーチ表示が行われる。このリーチ表示の態様としては、疑似図柄の変動時間(つまり、本図柄の変動時間)が短い場合や通常の長さに簡単に行われると、疑似図柄の変動時間(つまり、本図柄の変動時間)が長い場合に行われる発展型のリーチ(スーパーリーチ)とがある。
また、本図柄表示部272、273において、前記第1の判定(大当り判定)の結果が「外れ」であることを示す「確定図柄」を確定表示する場合には、疑似図柄表示部275〜277にも、前記当否判定の結果が「外れ」であることを示す確定図柄が確定表示される。この場合、疑似図柄の変動途中において、疑似図柄表示部275〜277で、リーチ表示を行う場合(以下、「リーチ外れ表示」という)と、リーチ表示を行わない場合(以下、「通常外れ表示」という。)とがある。尚、リーチ外れ表示を行う場合も、実施されるリーチ表示の態様としては、「ノーマルリーチ」や「発展型のリーチ」を例示できる。
また、本実施例では、疑似図柄表示部275〜277において、「再抽選演出」を行うことがある。つまり、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄の変動表示の後に、一旦、「偽りの判定の結果の内容」を示す疑似図柄を仮停止させる(以下、この仮停止された疑似図柄を「仮確定疑似図柄」という。)。そして、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄を再度、変動表示した後に、「真実の判定の結果の内容」と一致する内容の疑似図柄(確定疑似図柄)を確定表示してもよい。具体的には、本図柄表示部272、273において、「確変当りを示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部275〜277において、一旦、「通常当りを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動(再抽選表示ともいう。)させ、最終的に、「確変当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。
また、疑似図柄表示部275〜277において、「再抽選演出」以外の態様の「再変動演出」を行ってもよい。例えば、本図柄表示部272、273において、「当り(通常、確変の何れでもよい。)を示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部275〜277において、一旦、「外れを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動させ、最終的に、「当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。更に、再抽選やその他の再変動の実行の可否等は、主制御部140で抽選してもよいし、副制御部(170若しくは160)によって抽選してもよい。
尚、各請求項に係る発明において、本図柄表示部272、273の表示態様は、本実施例に例示するものに限定されない。例えば、本図柄表示部272、273の少なくとも一方を、2つ又は3つ以上の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)で構成する。そして、この複数の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)で、複数の特別図柄(識別情報)を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、特別図柄の組み合わせ図柄を、停止表示させてもよい。例えば、液晶表示装置27に、左特別図柄を表示する左特別図柄表示領域と、中特別図柄を表示する中特別図柄表示領域と、右特別図柄を表示する右特別図柄表示領域とを、略横一列に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成する。そして、各特別図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向に図柄変動方向が設定され、その向きで変動しているように識別情報としての複数の図柄(特別図柄)が順次表示されていくようにしてもよい。これらの態様では、例えば、表示画面271の本図柄表示部に、同一図柄(例えば、「7、7、7」)で揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口311を開放してもよい。
更に、本実施例では、本図柄表示部272、273を認識困難としていることから、疑似図柄表示部275〜277において、所謂「リーチ演出」を行うが、本図柄表示部272、273において「リーチ演出」を行ってもよい(尚、本図柄表示部272、273で、リーチ演出を行う場合には、本図柄表示部272、273の数を3つ、若しくは、9つ等にする必要がある。)。また、本実施例では、同一の液晶表示装置27に、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277とを設けたが、両者を別体の表示装置27に設けてもよい。
図5(a)に戻り、特別図柄保留表示部16aは、特別図柄始動入賞のうちで、未消化の状態にあるもの数(保留数)を、所定数を上限(例えば、4個、若しくは、4個以上の数)として表示するものである。尚、「未消化」の状態とは、例えば、特別図柄始動入賞を生じたが、液晶表示装置27において、当該特別図柄始動入賞に係る当否判定の結果の表示が未だなされていない状態等を指す。
この特別図柄保留表示部16aには、「1」〜「4」までの数字を表示するための「数字表示部161a〜164a」を横方向に並べている。そして、保留数(特別図柄保留数)に対応する数字表示部161a〜164aを点灯させたり、全数字表示部161a〜164aを消灯させることで、その時点の保留数が表示される。例えば、全「数字表示部161a〜164a」が消灯状態とされると、その時点の保留数が「0」であると表示される。また、左端の数字表示部161aを点灯すると、その時点の保留数が「1」であると表示され、点灯する数字表示部を右方向に1つずつ増加させていくと、保留数が1つずつ増加する。そして、全数字表示部164aを点灯すると、その時点の保留数が「4」であると表示される。
この特別図柄保留表示部16aでは、始動入賞{始動口(普通電動役物)17への入賞}を生ずるごとに、表示する保留数を1つずつ増加させる。また、次の特別図柄の変動(本図柄表示部272、273における変動)を開始するたびに、保留数が消化され、特別図柄保留表示部16aによって表示される保留数が1つずつ減少する。尚、この特別図柄保留表示部16aを、表示画面271とは別体の装置として構成することもできる。
図4に戻り、中央装置26の上部中央には、普通図柄表示装置32が配置されている。この普通図柄表示装置32は、7セグメント表示器32aと、普通図柄保留表示LED32bとを有している。7セグメント表示器32aは、普通図柄表示手段の具体例を示すものであり、普通図柄(例えば、1〜9の奇数数字)を変動表示させた後、普通図柄に関する当否抽選(つまり、普通電動役物171を開放状態に変化させるか否かの抽選)の結果を示す停止図柄(普通図柄の停止図柄であって、例えば、1〜9の奇数数字のうちの何れか)を停止表示する。
後述する左右の普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)36、37のいずれかを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件(つまり、普通図柄変動開始条件)」が成立すると、7セグメント表示器32aにおいて、普通図柄の変動表示を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示すると、「普通電動役物171」が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
中央装置26の左右斜め下方には、普通図柄作動ゲート36、37がそれぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37s(図8参照)が配設されている。この左、右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37sは、「第1の検出手段」の具体例を構成している。そして、前述のように、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置32における7セグメント表示器32aが変動表示する。
普通図柄保留表示LED32bは、4個の丸形の赤色LEDで構成され、7セグメント表示器32aの左右両側に近接して配置されている。これは、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の7セグメント表示器32aの変動表示が開始されるたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED32bが消灯される。
始動口17は、中央装置26とは別体に構成されると共に、中央装置26の下方に離れて配設されている。そして、この始動口17の入口側部分に、普通電動役物171が配置されている。つまり、この普通電動役物171は、「可変入球手段」の具体例を構成すると共に、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。
また、普通電動役物171の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物171)入賞検出スイッチ17s(図8参照)と、翼片部を作動させるための始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図8参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
変動入賞装置18は、上記始動口(普通電動役物171)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図8参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検出する入賞球検出スイッチ318(図8参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
また、左下入賞口21は、始動口(普通電動役物171)17の略斜め左下側に配設されて、内部に左下入賞口通過検出スイッチ21s(図8参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223が左下入賞口LED基板21f(図8参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、始動口(普通電動役物)17の略斜め右下側に配設されて、内部に右下入賞口通過検出スイッチ22s(図8参照)が設けられている。そして、この右下入賞口22の下方には複数個の右下入賞口LED224が右下入賞口LED基板22f(図8参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。
変動入賞装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検出スイッチ19s(図8参照)、右入賞口通過検出スイッチ20s(図8参照)が設けられている。また、中央装置26の左右斜め上方には、一対のランプ風車24、25がそれぞれ配設されている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。なお、多数の障害釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
本遊技機1では、図1に示すように、上皿部5の前面における左端側の部位に操作ボタンB1、B2を配設している。この操作ボタンB1、B2は、液晶表示装置27の表示画面271で行われる表示に変更を加えるためのものである。このような変更の具体例としては、(a)所定の有効期間内(操作ボタンB1、B2の操作が有効な期間)に、何れかの操作ボタン(B1若しくはB2)を操作すると、第1本図柄表示部272で「変動演出表示」中の本図柄(第1本図柄)を、本来の変動時間(仮に、有効な操作ボタンB1、B2がなされない場合の変動時間)の終了を待たずに強制的に停止させること(以下、「一部変動短縮処理」という。)や、(b)この有効期間から選択される所定の期間内に、何れかの操作ボタン(B1若しくはB2)を操作すると、演出用表示領域271Bで表示される専用演出表示の態様を、複数種類の態様の中から選択すること、等を例示できる。このれらの場合、遊技者は、操作ボタンB1、B2を操作することで、あたかも、液晶表示装置27の表示画面271行われる演出等に参加しているような気分を味わうことができる。
尚、本遊技機1では、複数の操作手段(操作ボタンB1、B2)を備えると共に、遊技者が何れの操作手段(操作ボタンB1、B2)を操作しても、同一の結果を生ずる。例えば、何れの操作ボタンB1、B2に、特定の操作(有効期間内における第1回目の操作)を施しても、「一部変動短縮処理」が実行される。また、特定の操作の後、「所定の期間内」であれば、何れの操作ボタンB1、B2に操作を施しても、「専用演出表示の態様選択」が実行されるものとしてもよい。但し、複数の操作手段(操作ボタンB1、B2)を有する遊技機1において、個々の操作手段が別個の機能を発揮してもよい。
「専用演出表示」の選択態様としては、例えば、(a)疑似図柄の表示態様を選択すること(例えば、複数の疑似図柄を横並び表示するか、縦並び表示するか、傾斜状に表示するか、マトリクス状に表示するか等を選択したり、疑似図柄を構成する数字、文字等のサイズ、字体等を選択すること等)、(b)複数種類(例えば、10種類)の背景図柄から所望の背景図柄を選択すること、(c)背景図柄上に表示するキャラクター図柄を選択すること、(d)本図柄若しくは疑似図柄によって、リーチ演出を行う場合には、そのリーチ選出パターンやリーチ演出の種類を選択すること、若しくは、(a)〜(d)のうちの2つ以上の事項を選択すること、等を例示できる。
図4に戻り、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
遊技盤10の裏面には、ベース板700が装着されている(図30を参照)。そして、このベース板700の背面703によって、「取付箇所」の一具体例を構成している。つまり、ベース板700に形成された取付箇所705に対して、取付台800が着脱自在に取り付けられている。また、この取付台800は、所定の中継基板750を保持している。尚、ベース板700と、取付台800と、中継基板750等の詳細については後述する。
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図7を参照して説明する。前面枠4(図1及び図2参照)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。遊技盤10(図4参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検出スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検出スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
また、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、液晶表示装置27(図4参照)を格納した蓋付きの裏ケース(図示ぜす)が設けられ、この裏ケースの下側には、後述する主制御部140(図8参照)として、裏側遊技装置としての主制御基板340{図9(a)参照}を格納した格納容器としての主制御基板ケース112が配設されている。
この主制御基板ケース112の背面下側には、発射装置制御部193(図8参照)として発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113、及び発射制御集合中継基板(図示略)が設けられている。また、裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が、同じく右下方部には、払出制御部150(図8参照)として、払出制御基板350{図9(b)参照}を格納した格納容器としての払出制御基板ケース118が設けられている。更に、遊技機1の裏面側には、裏側遊技装置としての中継基板(図7では図示しないが、図8の符号190を参照の)が装着されている。
図8にも示すように、この中継基板190は、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。尚、本実施例においては、主制御基板ケース112、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
一方、裏機構盤102の左下端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板(図示略)が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板(図示略)の上側に配設されている。また、払出制御基板350{図9(b)参照}を格納した払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。更に、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材(図示略)が設けられている。尚、本実施例では、電源ターミナル基板121に対して、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ121aを接続しているが、このラムクリアスイッチ121aの接続を省略したり、ラムクリアスイッチ121aの接続個所を変更してもよい。
(2)遊技機1の電子制御装置130
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置130について、図8〜図13を参照して説明する。
a.遊技機1の制御回路の構成:
先ず、本遊技機1の制御回路の構成について説明する。電子制御装置130は、図8に示すように、主制御部140と、複数の副制御部とを含んで構成されている。この主制御部140は、当否判定(当否抽選)の制御等の遊技の基本進行を司る制御部である。また、副制御部は、主制御部140に直に接続された第1次副制御部と、第1次副制御部を介して主制御部140に接続された第2次副制御部とから構成されている。尚、主制御部140と第1次副制御部とは信号伝送経路500aによって接続され、第1次副制御部及び第2次副制御部は信号伝送経路500bによって接続されている。
本実施例では、払出制御部(主として賞球の払出制御を行う賞球払出制御部)150と音声・ランプ制御部170とが第1次副制御部に該当し、発射装置制御部193や図柄制御部160等が第2次副制御部に該当する。ここで、図9(a)及び(b)に示すように、主制御部140は主制御基板340を備え、払出制御部150は払出制御基板350を備えている。また、図12に示すように、図柄制御部160は図柄制御基板360を備え、図13に示すように、音声・ランプ制御部170は音声・ランプ制御基板370を備えている。
また、主制御部140から、払出制御部150および音声・ランプ制御部170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータが伝送される。また、本実施例では音声・ランプ制御部170から図柄制御部160へも一方向形式でデータが伝送されるものとして説明するが、音声・ランプ制御部170と図柄制御部160との間では双方向形式でデータを伝送することとしてもよい。
尚、図8に示した破線の矢印は、各制御部140ないし180への電源供給経路を表している。図示されているように、電源は先ず初めに電源受電基板410に供給され、電源ユニット420で所定電圧に変換された後、分電基板430から各制御部140ないし180に電力が供給される。更に、電源投入時には、後述するシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
詳細には後述するが、主制御部140は各種スイッチや検出器などからの情報を受け取って所定の演算を行った後、払出制御部150や音声・ランプ制御部170に各種のコマンドを出力するとともに、各種の基板やソレノイドなどに駆動信号を出力する。以下では、主制御部140や、払出制御部150、音声・ランプ制御部170、図柄制御部160、各種基板などの構成について順番に説明する。
主制御部140は、主制御基板ケース112に格納された主制御基板340によって主に構成されており、主制御基板ケース112は、不正行為者が容易に開閉できないような構造に形成されている。図10は、主制御基板340の構成を概念的に示した説明図である。図示されているように、主制御基板340は、CPU401を含む主回路部400と入出力回路部500とが、バスで接続されて相互にデータをやりとり可能に構成されている。主回路部400には、CPU401と、発振部410と、リセット回路部450と、I/Oデコード回路部420と、データバス安定化部411と、第1外部入力回路部430などが設けられている。
図11は、CPU401の詳細な構造を示した説明図である。図11に示すようにCPU401は、CPUコア480と、内蔵RAM481と、内蔵ROM482と、メモリ制御回路483と、クロック発生器484と、アドレスデコーダ485と、ウオッチドッグタイマ486と、カウンタ/タイマ487と、パラレル入出力ポート488と、リセット/割り込みコントローラ489と、外部バスインターフェース490と、出力制御回路491などから構成されている。CPU401は、ワークエリアとしてRAM481を使用しながら、ROM482に格納された制御プログラムを実行することにより、遊技機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司るとともに、ROM482に記憶された当否判定プログラムを実行することにより、当否判断制御を行う。
上述した主回路部400とともに主制御基板340を構成する入出力回路部500には、外部端子部145が接続されており、この外部端子部145によってパチンコホールの「ホールコンピューター」に接続されている。主制御基板340はRAMクリア処理を実行するに際して、RAMクリア信号をONにした後、一定時間経過後に再びOFFとする動作を行うが、このRAMクリア信号は外部端子部145を介してパチンコホールのシステム等に報知されている。このため、不正行為者によってRAMクリア処理が実行された場合には、不正行為者に悟られることなく、パチンコホールの管理者側で不正行為を検知することが可能となっている。
入出力回路部500には、信号伝送経路500aを介して払出制御部150および音声・ランプ制御部170が接続されている(図8参照)。入出力回路部500は、払出制御部150や音声・ランプ制御部170での処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを、信号伝送経路500aを介して払出制御部150あるいは音声・ランプ制御部170に出力する。また、入出力回路部500からは、図柄制御部160での処理内容を指示するコマンドデータも出力される。図柄制御部160に対するコマンドデータは、一旦、音声・ランプ制御部170に向けて出力された後、音声・ランプ制御部170から信号伝達経路500bを経由して図柄制御部160に供給される。
加えて入出力回路部500には、始動口(普通電動役物171)入賞検出器(入賞検出スイッチ)17sや、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド17c,313、右普通図柄作動ゲート通過検出器(右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ)37s、左普通図柄作動ゲート通過検出器(左普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ)36sなどが接続されている。
また、図8、図9(a)及び図10に示すように、操作ボタンB1、B2は、ボタン中継基板280を介在させた状態で、操作信号伝送経路(信号線)Sを用いて主制御部140に接続されている。また、主制御部140には、操作信号入力回路部146が設けられ、この操作信号入力回路部146には信号線S1を介して、操作信号入力用のコネクタSNが接続されている。そして、このコネクタSNには、操作信号伝送経路Sの2次側の端部(主制御部140側の端部)が接続されている。尚、この操作信号入力回路部146と、この操作信号入力回路部146から引き出された信号線S1と、コネクタSNとによって、「操作信号入力部」の一具体例を構成している。
払出制御部150は、図9(b)に示すように、主に、払出制御基板ケース118に格納された払出制御基板350によって構成されている。この払出制御基板350は、主制御基板340と同様に、主回路部152と入出力回路部153とがバスで相互にデータをやりとり可能に接続されて構成されている。また、入出力回路部153には信号伝送経路500aが接続されており、主制御基板340から出力された前述のコマンドデータは信号伝送経路500aを介して入出力回路部153に入力される。また、入出力回路部153には、賞球払出装置109や発射装置制御部193なども接続されている。
音声・ランプ制御部170は、図13に示すように、スピーカー400aやランプ等の制御を主に行うための制御基板370と、制御基板370からの命令を受けて、ランプ等に駆動信号を出力するための駆動基板380の、主に2つの基板から構成されている。このうち、制御基板370には、演算回路構成要素として、CPU171と、RAM172と、ROM173と、入出力ポート174と、サウンドジェネレータ176と、コネクタCN1が設けられており、これらがバス175で相互にデータをやりとり可能に接続されている。また、サウンドジェネレータ176は、予め記憶された音声データをゲームの進行に合わせて再生することで、スピーカー400aから各種の音声を出力する。尚、スピーカー400aから出力される音量は、音量スイッチ基板12によって調整可能となっている。
また、入出力ポート174には信号伝送経路500aが接続されている。前述した主制御部140が、特別図柄の変動・停止、リーチ発生、リーチ表示の態様、特別遊技態様、確率変動や時短などの遊技モードを指示する制御命令を出力すると、出力された各種の制御命令は信号伝送経路500aを介して入出力ポート174に入力される。そして、制御基板370では、このような制御命令を受け取ると、ROM173に予め記憶されているプログラムに従って所定の処理を行い、駆動基板380に向かって各種の命令を出力する。また、制御基板370と駆動基板380とは、コネクタCN1とコネクタCN2とで互いに接続されている。
駆動基板380には、各種LEDやランプなどを駆動するための駆動信号を発生させる駆動回路部382と、発生した駆動信号を、各種LED基板4d,4f,19f〜22fや、各種ランプ基板216f,262f、枠飾り基板4gなどに出力するためのコネクタ出力部384とが設けられている。これら各基板にランプあるいはLED等が1個または複数個接続されており、コネクタ出力部384から供給される駆動信号により、ゲームの進行に対応して点灯・消灯または点滅する。尚、コネクタ出力部384を、駆動回路部382とは別基板に設ける構成としても良い。こうすることで、各種LEDなどのランプの数や色が変更されても駆動回路部382の変更を要しない場合には、コネクタ出力部384のみを変更して対応することが可能となる。
尚、パチンコ機1に、モータなどによって駆動される可動式役物が設けられている場合には、モータを駆動するための駆動回路を、駆動回路部382あるいはコネクタ出力部384に搭載することとしても良い。こうすれば、可動式役物の有無もしくは個数が変更された場合でも、容易に対応することが可能となる。
図柄制御部160は、図12に示すように、特別図柄制御基板360によって主に構成されている。この図柄制御部160は、演算回路構成要素としてCPU161と、RAM162と、ROM163と、入出力ポート164と、駆動回路166とを備えており、これら演算回路構成要素がバス165により接続されて相互にデータをやりとり可能に構成されている。また、入出力ポート164には、信号伝送経路500aや特別図柄表示手段27が接続されている。CPU161は、RAM162をワークエリアとして使用しながら、ROM163に格納された制御プログラムを実行することにより、中央装置26の制御を行っている。
中継基板190には、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等が接続されており、中継基板190の出力端子は、主制御部140の入出力回路部500と接続されている。
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検出スイッチ104及び補給球切れ検出スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、図9(b)に示す払出制御部150の入出力回路部153に接続されている。
以上の電子制御装置130においては、遊技球が始動口17に入球すると、その情報が始動口入球検出器17sによって検出されて、主制御部140に入力される。また、遊技球が普通図柄作動左ゲート36あるいは普通図柄作動右ゲート37を通過すると、その情報が普通図柄作動口通過検出器36s,37sにより検出されて、主制御部140に入力される。更に、入賞球検出スイッチ19s〜22s,318で遊技球の入球が検出されると、その情報は、中継基板190を介して主制御部140に入力される。
主制御部140は、これらの情報を受け取って、変動パタン指定コマンド、停止図柄指定コマンド、及び変動停止コマンドを送信する。これらのコマンドは、信号伝送経路500a、音声・ランプ制御部170、信号伝送経路500bを経由して図柄制御部160に供給される。図柄制御部160では、変動コマンドを受けとると、複数の変動態様から乱数等による抽選を行って変動態様を決定する。また、主制御部140は、図柄制御部160に出力するコマンドに同期させて、音声・ランプ制御部170にも所定のコマンドを送信する。こうして、図柄の表示と音声の出力とを併せて行うことによって各種の演出を行う。
b.賞球動作の概要
次に、本実施例のパチンコ機1の賞球動作について簡単に説明する。遊技球が大入賞口31に入球すると、大入賞口31の内部に設けられた入賞球検出スイッチ318がこれを検出して、入球を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。信号を受け取ると、主制御部140は後述する処理を行って、払出制御部150に向かって15個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する。また、遊技球が始動口(普通電動役物)17に入球した場合は、始動口の内部に設けられた始動口入賞検出スイッチ17sがこれを検出して、信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。この信号を受けて主制御部140は、後述する処理を行った後、4個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部150に向かって出力する。
左右下入賞口など、他の入賞口に入球した場合は、内部に設けられた通過検出スイッチが入球を検出して、入球した旨の信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。主制御部140は、後述する処理を行って10個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部150に向かって出力する。これら賞球コマンドは、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、遊技球の通過を検出した順番に従って信号伝送経路500aを介して送信される。払出制御部150は、こうして主制御部140から賞球コマンドを受け取って、賞球払出信号を出力することにより、賞球払出装置109を作動させて指示された個数分の賞球動作を行う。
また、主制御部140は、上述した各種検出スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、始動口(普通電動役物)入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ318等の検出結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、「遊技が行われていない客待ちの状態」、「遊技は行われているが特別図柄始動入賞がない状態(変動準備状態)」、「特別図柄始動入賞があった状態」、および「特別遊技状態」などを判断する。また主制御部140は、始動入賞を検出すると乱数値に基づいて当否判定を行い、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)や確定などの表示態様制御を行うための各種コマンドを出力する。これらコマンドは、前述した信号伝送経路500aを介して一旦、音声・ランプ制御部170に出力された後、音声・ランプ制御部170から信号伝送経路500bを介して図柄制御部160に送信される。
(5)主制御部による制御ジョブの概要
次に、前述の電子制御装置130によって実行される遊技機1の制御の内容について説明する。
a.主制御部メインジョブ
図16は、主制御部メインジョブの流れを示すフローチャートである。かかる主制御部メインジョブは、主制御部140に搭載された主制御基板340によって実行されるジョブであり、遊技機1における遊技全体の進行を制御するジョブである。この主制御部メインジョブは、遊技機1の電源が投入され、あるいはリセットスイッチが押された時に、主回路部401に内蔵されたCPU480が内蔵ROM482のブート領域に格納されているプログラムを読み出すことによって、自動的に開始される。
尚、本遊技機1では、この主制御部メインジョブ以外にも多数のジョブが存在するが、これらジョブの多くは、所定の条件が成立すると主制御部メインジョブから呼び出されることによって実行される。
主制御部メインジョブを開始すると、先ず、初めに初期化ジョブを実施する(S10)。ここで、図17は初期化ジョブの流れを示したフローチャートである。この初期化ジョブでは、電源投入時に行われる所定の各種処理を行った後(S12)、音声・ランプ制御部170に向かって初期図柄指定コマンドを出力する処理を行う(S14)。
尚、電源投入時に行われる各種処理とは、例えば、主回路部401に内蔵されているCPU480の動作チェックやRAMの初期化を行ったり、音声・ランプ制御部170や、払出制御部150、図柄制御部160などの各制御部を初期化する処理である。また、初期図柄とは、遊技機1の電源投入時あるいはリセットボタンを押されたときに、普通図柄表示装置32や液晶表示装置27(図4参照)などに表示される図柄を言い、初期図柄指定コマンドとは、これら初期図柄の表示を図柄制御部160に対して指定するコマンドである。
図18は、主制御部140から初期図柄指定コマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。主制御部140に設けられた主制御基板340は、1bitのストローブ信号と8bitのコマンドデータとを、音声・ランプ制御基板370に向かって出力する。また、音声・ランプ制御基板370では、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、初期図柄指定コマンドを確実に読み取ることができる。
尚、ここでは初期図柄指定コマンドを出力する場合について説明したが、主制御部140が出力する他のコマンドも同様の手順によって出力されている。こうしてストローブ信号とともに供給された初期図柄制定コマンドは、直ちに音声・ランプ制御部170から図柄制御部160に転送され、図柄制御部160の制御の下で普通図柄表示装置32あるいは特別図柄制御装置27のそれぞれに初期図柄が表示される。
以上の説明からも明らかなように、遊技機1では、主制御部140が所定の処理を行って各種のコマンドを出力し、このコマンドを受けて、音声・ランプ制御部170や図柄制御部160、払出制御部150など所定の処理を行うことによって遊技が進行する。換言すれば、主制御部140と、その他の各種制御部とは、互いに処理を分担しながら、遊技機1の動作を制御している。そこで、理解の便宜を図るために、以下では、主制御部140内で実施される処理は「ジョブ」と呼び、音声・ランプ制御部170や図柄制御部160などで行われる処理は「ルーチン」と呼んで区別することにする。例えば、図17に示した初期化ジョブ、あるいは図19に示したデモ表示ジョブは「ジョブ」という名前が示すように、いずれも主制御部140で実施される処理である。
主制御部140は、以上のようにして初期化ジョブを終了したら、図16に示した主制御部メインジョブに復帰して、今度はデモ表示ジョブを開始する(S30)。ここでデモ表示とは、遊技機1がいわゆる客待ち状態の時に、遊技客の注意を引きつけるために、普通図柄や特別図柄で特別に行われる演出の表示を言う。
図19は、デモ表示ジョブの流れを示すフローチャートである。デモ表示ジョブを開始すると、先ず初めに、発射ハンドル9に設けられたタッチスイッチ9a(図1を参照のこと)がONとなっているか否かを判断する(S32)。前述したように、遊技者が発射ハンドル9に触れていればタッチスイッチ9aはONになるから、タッチスイッチがONであれば(S32:YES)、客待ち状態ではないと判断される。そこで、このような場合はデモ表示は不要であり、直ちにデモ表示ジョブを終了して、主制御部メインジョブに復帰する。
一方、タッチスイッチがOFFであれば(S32:NO)、客待ち状態となっている可能性がある。そこで、タッチスイッチが継続してOFFとなっている経過時間を検出し(S34)、連続してOFFとなっている経過時間が、所定時間(例えば2分)に達しているか否かを判断する(S36)。経過時間が所定時間に達していない場合は(S36:NO)、客待ち状態ではないと判断してデモ表示ジョブを終了する。経過時間が所定時間に達している場合は(S36:YES)、主制御部140はデモ指定コマンドを出力する(S38)。
デモ指定コマンドは、図18を用いて前述した初期図柄指定コマンドと同様に、主制御基板340から音声・ランプ制御基板370に向かってストローブ信号とともに出力される。音声・ランプ制御部170は、受け取ったデモ指定コマンドを図柄制御部160に転送するとともに、スピーカやランプを駆動してデモ時の演出を行う。一方、図柄制御部160は、音声・ランプ制御部170からデモ指定コマンドを受け取ると、普通図柄制御装置32aや液晶表示装置(特別図柄制御装置)27を制御して、所定のデモ表示を行う。
主制御部メインジョブでは、以上のような一連の処理を終了すると、図16に示した普通図柄作動ゲート36,37を遊技球が通過したか否かを判断する(S80)。そして、普通図柄作動ゲート36,37を遊技球が通過した場合は、普通図柄の保留数が所定個数(上限個数であって、本実施例では「4」)を超えているか否かが判断される(S83)。この普通図柄保留数(未始動回数)が所定個数(本実施例では「4」)を超えていれば、その「普通図柄始動通過」は無効となり、S100へスキップする。また、所定個数内の保留数(未始動回数)であれば、S85において、普通図柄保留数メモリ481m(図14参照)に記憶されている普通図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、普通図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S90において、普通図柄に関する当否抽選に用いる当否抽選乱数(「当否抽選」に用いる乱数)を発生させ(プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ抽選乱数値を、普通図柄当否抽選乱数メモリ481m(図14参照)に記憶した後、S100の処理に移行する。
尚、本出願においては、前述のように、主制御部140が主体となって行う「遊技状態に関する判別」のうちで、「遊技遊技状態を特別遊技状態にするか否か、つまり、変動入賞装置18を遊技者にとって有利な状態とするか否かの判別」を「判定」と称すると共に、この「判定結果を示すために用いられる図柄」を「本図柄(特別図柄)」と称する。また、主制御部140が主体となって行う「遊技状態に関する判別」のうちで、「普通電動役物171を遊技者にとって有利な状態とするか否か判別」を「抽選」と称すると共に、この抽選結果を示す普通図柄と称する。
この普通図柄当否抽選乱数メモリ481lは、図15(b)に示すように、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域を備えている。そして、普通図柄当否抽選乱数値を、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で記憶可能となっている。つまり、最も古いタイミングで記憶された当否抽選乱数値が、「領域0」に記憶される。また、普通図柄当否判定乱数メモリ481lに、同時に記憶できる当否抽選乱数値の数(つまり、所定個数)は領域の数に限定される。更に、現に生じている判定乱数値の数が所定個数を下回る場合には、当否抽選乱数値が記憶されていない空きの領域が存在する。
そして、各当否抽選乱数値に対応する「普通図柄の変動表示」が実行される毎に、「領域0」の記憶データ(当否抽選乱数値であって、最古のもの)がクリアーされると共に、「領域1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データ(存在する場合のみであって、領域1〜領域3の全てに存在する場合と、領域1及び領域2に存在する場合と、領域1のみに存在する場合と、領域1〜領域3の全てに存在しない場合とがある。)が、「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。
一方、普通図柄変動ゲート36,37を遊技球が通過していないが、普通図柄に関する保留記憶が存在する場合(S95:YES)も、S100の処理に移行する。
S100の処理においては、普通図柄表示装置32における演出を制御するためのジョブ(普通図柄制御ジョブ)を行い、更に、S200の処理においては、普通電動役物171の駆動を制御するためのジョブ(普通電動役物駆動制御ジョブ)を行う。尚、普通図柄制御ジョブの内容については後述する。
次いで、主制御部140は、遊技機に複数設けられた入賞口のいずれかに遊技球が入球したか否かを判断する(S300)。前述したように、各入賞口の内部には入賞球の通過を検出するスイッチが設けられており、スイッチで検出された信号が信号ケーブルによって主制御基板340に伝達される。そして、主制御部140は、いずれの信号ケーブルから信号が伝達されたかに基づいて、入球のあった入賞口を容易に検出することができる。
更に、主制御部140は、入球のあった入球口に応じて、所定数の遊技球を払い出す旨の賞球コマンドを出力する(S310)。この賞球コマンドは、主制御部140から払出制御部150に向かって出力され、払出制御部150ではコマンドに従って賞球払出装置109を制御することにより、所定数の遊技球の払出を行う。もちろん、主制御部140から音声・ランプ制御部170にもコマンドを出力して、賞球に伴う所定の演出を行うこととしても良い。
続いて、主制御部140は、遊技球の入球した入賞口が始動口17か否か、つまり、始動入賞を生じたか否かを判断する(S315)。そして、始動口17でない場合(S315;NO)は、S350へスキップする。一方、入球した入賞口が始動口17である場合は(S315:YES)、S320において、特別図柄保留数が特定個数(上限個数であって、本実施例では「4」)を超えているか否かが判断される。この特別図柄保留数(未始動回数)が特定個数(本実施例では「4」)を超えていれば、その始動入賞は無効となり、S500へスキップする。また、特定個数内の特別図柄保留数(未始動回数)であれば、S325において、特別図柄保留数メモリ481b(図14参照)に記憶されている特別図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、特別図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S330において、特別図柄当否判定乱数(以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう)を発生させ(プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ判定乱数値を、S330において、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図14参照:以下、判定乱数メモリともいう)に記憶した後、S500の処理に移行する。このメモリ481aは、読み込んだ判定乱数値を特別図柄始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。尚、この判定乱数値は、特別図柄保留数(未始動回数)と共に「特別検出情報」の具体例を構成する。また、特別図柄保留数メモリ481b(図14参照)及び特別図柄当否抽選乱数メモリ481a(図14参照)は、「特別図柄検出情報記憶手段」の具体例を構成すると共に、特別図柄当否抽選乱数メモリ481aに記憶される「判定乱数値」のうちで、大当り判定の対象とされ得るものが、「特別図柄大当り情報」の具体例を構成する。
この特別図柄当否判定乱数メモリ481aも、図15(a)に示すように、普通図柄当否判定乱数メモリ481lと同様に、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域を備えている。そして、判定乱数値を、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で記憶可能となっている。つまり、最も古いタイミングで記憶された判定乱数値が、「領域0」に記憶される。また、特別図柄当否判定乱数メモリ481aに、同時に記憶できる判定乱数値の数(つまり、特定個数)は領域の数に限定される。更に、現に生じている判定乱数値の数が特定個数を下回る場合には、判定乱数値が記憶されていない空きの領域が存在する。
そして、各判定乱数値に対応する「特別図柄の変動表示」が実行される毎に、「領域0」の記憶データ(判定乱数値であって、最古のもの)がクリアーされると共に、「領域1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データ(存在する場合のみであって、領域1〜領域3の全てに存在する場合と、領域1及び領域2に存在する場合と、領域1のみに存在する場合と、領域1〜領域3の全てに存在しない場合とがある。)が、「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。
このS500の処理では、液晶表示装置27における演出を制御するためのジョブ(特別図柄制御ジョブ)が行われる。そして、S500の処理に後続する処理を、遊技状態制御ジョブ(S900)で実施した後、所定の「1つの始動入賞機会に伴う一連の遊技」を終了する。尚、特別図柄制御ジョブS500及び遊技状態制御ジョブ(S900)の内容については後述する。また、S350において、特別図柄保留数(未始動回数)が存在しないと判断される場合には、特別図柄制御ジョブS500及び遊技状態制御ジョブ(S900(S900)は行わない。
そして、以上の様な処理を行ったら、遊技機1の電源がOFFとされたか否かを判断し(S980)、電源がONであると判断された場合は(S980:NO)、再びS30のデモ表示ジョブに戻って続く一連の処理を行う。これに対して、パチンコ機1の電源がOFFになったと判断された場合は(S980:YES)、主制御部メインジョブを終了する。そして、主制御部メインジョブが終了されると、遊技の進行が停止し、パチンコ機1の遊技状態が終了する。
b.主要なジョブの説明
次に、普通図柄制御ジョブ(S100)、特別図柄制御ジョブ(S500)、、遊技状態制御ジョブの各ジョブについて、順番に説明する。
図20(a)は、普通図柄制御ジョブ(S100)の流れを示すフローチャートである。この処理は、遊技球が普通図柄変動ゲート36,37を通過したことを普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37sが検出することを前提に開始される。この普通図柄制御ジョブ(S100)を開始すると、先ず、「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」が行われる。この「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」においては、普通図柄についての当否抽選等が行われる。
この当否抽選ジョブ(S110)では、図21に示すように、普通図柄当否抽選乱数メモリ481m(図14参照)から記憶している最も古い先頭の普通図柄当否抽選乱数値を読み出す(つまり、「領域0」に記憶されている普通図柄当否抽選乱数値を読み出す)と共に、普通図柄当否抽選乱数メモリ481mをシフトする(S117)。次いで、S120において、遊技機1が確変中であるか否か(つまり、確変移行フラグが設定されている否か)が判断される。つまり、遊技機1の遊技状態が、「大当り判定」を通常確率で行う「通常遊技状態」にあるのか、高確率で行う「高確率状態」にあるのか、が判断される。尚、「確変移行フラグ」に関しては後述する。
S120において充足しないと判断されると(S120;NO)、低確率状態での当否抽選が行われる(S124)。つまり、S117で読み出した乱数値の当否を、「低確率時のデータテーブル(例えば、当選確率「8」割)」を用いて当否抽選する(S124)。一方、120において充足すると判断されると(S120;YES)、高確率状態での当否抽選が行われる(S122)。つまり、S117で読み出した乱数値の当否を、「高確率時のデータテーブル(例えば、当選確率「9」割)」を用いて当否抽選する(S122)。
S122若しくはS124の当否抽選の結果が、当りの場合には(S125;YES)、S126において、当り普通図柄(当否抽選結果が当りであることを示すための普通図柄の停止図柄)を乱数によって決定し、決定した乱数値を当り普通図柄番号メモリ481p(図14参照)に記憶する(S127)。そして、「当りフラグ(普通図柄の当否抽選の結果が当りであることを示すフラグ)」を普通図柄抽選結果メモリ481o(図14参照)にセットする(S127)。
S122若しくはS124の当否抽選の結果が、外れの場合には(S125;NO)、S128において、外れ普通図柄(当否抽選結果が外れであることを示すための普通図柄の停止図柄)を乱数によって決定し、決定した乱数値を外れ普通図柄番号メモリ481q(図14参照)に記憶する(S128)。そして、「外れフラグ(普通図柄の当否抽選の結果が外れであることを示すフラグ)」を普通図柄抽選結果メモリ481o(図14参照)にセットする(S129)。
普通図柄制御ジョブ(S100)では、図20(a)に示すように、この「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」に続いて、「普通図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S150)」が実行される。この表示制御コマンド設定ジョブ(S150)では、「普通図柄指定コマンド(普通図柄の停止図柄を特定するためのコマンド)」を設定する処理と、「普通図柄変動パターン指定コマンド(普通図柄の変動時間を特定するためのコマンド)」を選択・設定する処理と、が実行される。
但し、「普通図柄変動パターン指定コマンド」を設定する処理(S156若しくはS158)において、遊技機の遊技状態に応じて、「普通図柄変動パターン指定コマンド」が選択される。つまり、遊技機の遊技状態が、「普通図柄の変動時間」や「特別図柄の変動時間」を短縮化すべき状態(以下、「変動短縮化状態」という。)にあるときには、普通図柄の変動時間を短くするための「普通図柄変動パターン指定コマンド」が設定される。この「変動短縮化状態」は、遊技機が確率変動状態にあったり、確率変動状態に後続して実行される時短遊技状態(通常遊技状態のうちで、「普通図柄の変動時間」や「特別図柄の変動時間」を短縮化すべき場合)にある場合等に生ずる。また、この「変動短縮化状態」を、確率変動状態を実行することなく、実行される時短遊技状態にあるときに生じさせてもよい。
普通図柄制御ジョブ(S100)では、普通図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S150)に続いて、普通図柄関連コマンドを音声・ランプ制御基板370に向かって出力する処理を行う(S185、S190、S195)。ここで、普通図柄関連コマンドとは、普通図柄制御のために主制御基板340から出力される各種のコマンドである。具体的には、前述の「普通図柄変動パターン指定コマンド」及び「普通図柄指定コマンド」の他に、普通図柄の確定表示(停止表示)を制御するための「普通図柄停止コマンド」などの各種コマンドが含まれる。
図20(b)は、これら普通図柄関連コマンドを一覧的に表示した説明図である。即ち、普通図柄の変動パターンに応じて、コマンドChp1 ,コマンドChp2 ,コマンドChp3 ,コマンドChp4 ・・・など、各種の指定コマンドが予め設定されている。また、変動後に停止させる普通図柄に応じて、コマンドChs1 ,コマンドChs2 ,コマンドChs3 ,コマンドChs4 ・・・などの各種の指定コマンドが設定されており、普通図柄の変動表示を停止させるためのコマンドとしては、コマンドChstpが設定されている。もちろん、表示されているコマンド以外に他のコマンドを設定しておくことも可能である。
これらの普通図柄関連コマンドは、図11に示した主回路部401の内蔵ROM482に予め記憶されている。尚、図20(a)のS185、S190、S195では、決定した変動パターン及びおよび普通図柄に応じて、内蔵ROM482から対応するコマンドを読み出した後、音声・ランプ制御基板370に向かってストローブ信号とともに出力する処理を行う(図18参照)。こうして、決定した内容に応じて各種の普通図柄関連コマンドを出力し(S185、S190)、最後に図柄停止コマンドを出力したら、普通図柄制御ジョブを終了する(S195)。尚、音声・ランプ制御基板370は、普通図柄関連コマンドを受信すると、そのコマンドを図柄制御基板360に転送する。
普通図柄制御ジョブ(S100)に後続する「普通電動役物駆動制御ジョブ(S200)」では、前述の「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」の抽選結果が「当り」である場合(普通図柄抽選結果メモリ481oに「当りフラグ」がセットされている場合)、S127でセットされた「当りフラグ」を解除し、「普通電動役物171の開放駆動」が実行される。尚、前述の「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」の抽選結果が「外れ」である場合(普通図柄抽選結果メモリ481oに「外れフラグ」がセットされている場合)、S129でセットされた「外れフラグ」を解除し、「普通電動役物駆動制御ジョブ(S200)」を終了する。
この「普通電動役物駆動制御ジョブ(S200)」において、普通電動役物171の開放駆動を実行する場合{普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)の抽選結果が「当り」である場合}、所定の「開放パターン」に従う「普通電動役物171の開放駆動」が実行される。このとき、遊技機の遊技状態が、「変動短縮化状態」にあるときには、普通電動役物171への入賞を促進するための「開放パターン」が選択される。つまり、遊技機1が非「変動短縮化状態」にあるときに比べて、(1)普通電動役物171の開放時間を長くすること、及び、(2)開放回数を多くすること、のうちの少なくとも一方を実現する「開放パターン」が選択される。
次に、特別図柄制御ジョブ(S500)の内容について説明する。図22(a)は、特別図柄制御ジョブ(S500)の流れを示すフローチャートである。この特別図柄制御ジョブ(S500)においては、ジョブを開始すると、特別図柄の当否判定ジョブ(S600)と、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)」とを行う。
特別図柄の当否判定ジョブ(S600)においては、「当否判定(特別遊技状態に係る特典を付与するか否かの判定)」を行うと共に、「特別図柄の変動後に確定表示する図柄(確定図柄)」を決定する処理が行われる。この特別図柄の当否判定ジョブ(S500)は、以下のように行われる。
即ち、図23に示すように、S605において、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図14参照)から記憶している最も古い先頭の特別図柄判定乱数値を読み出し、S610に進む。次いで、S610においては、図11に示すROM482内の大当り番号メモリ482aから大当り番号(当り用判定値)を読み出し、上記特別図柄当否判定乱数値との比較を行い(S620又はS625)、両者が一致していれば大当り判定となり、大当り処理(S650)が行われる。一方、一致していなければ外れ判定となり、外れ処理(S680以降の処理)が行われる。
但し、当否判定に先立ち、遊技機1が高確率状態にあるか否か(確変移行フラグが設定されているか否か)が判断され(S615)、高確率状態にないとき(確変移行フラグが設定されていないとき)には(S615;NO)、「低確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S620)。一方、遊技機1が高確率状態にあるとき(確変移行フラグが設定されているとき)には(S615;YES)、「高確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S625)。
大当り処理(S650)においては、図24に示すように、先ず、S652に進み、当り本図柄(当りを示すための第1本図柄と、第2本図柄であって、両者は同一の図柄である。)を決定する当り本図柄決定乱数を読み出し、その読み出した乱数値を当り本図柄番号メモリ481e(図14参照)に記憶する(S654)。次いで、S605で読み出した当り本図柄決定乱数の値と、確率変動判定用の当り番号(以下、「確変当り番号」という。)とが一致するか否かを判定する(S660)。そして、両者が一致しない場合には(S660;NO)落選(通常当り)となり、そのままS668の処理に移行する。一方、両者が一致していれば(S660;YES)当選(確変当り)となり、「確変当りフラグ」を「設定」した後(S665)、S668の処理に移行する。
S668においては、「大当りフラグ(大当り判定の結果が当りであることを示すフラグ)」を、特別図柄判定結果メモリ481i(図14参照)にセットする。尚、「確変(確率変動)」に関する判定を「大当りを示す図柄を決定するためのの乱数(当り本図柄決定乱数)」を利用して行ったが、この確変に関する判定を、大当り判定に用いる乱数を用いて行っても、この確変に関する確変の抽選専用の乱数を用いて行ってもよい。
一方、外れ処理においては、図23に示すように、S680で外れ第1本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第1本図柄番号メモリ481f(図14参照)に記憶する(S682)。同様に、S684で外れ第2本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第2本図柄番号メモリ481g(図14参照)に記憶する(S686)。そして、S690において、「外れフラグ(大当り判定の結果が外れであることを示すフラグ)を、特別図柄判定結果メモリ481i(図14参照)」にセットする。
特別図柄制御ジョブ(S500)では、図22(a)に示すように、この「特別図柄の当否判定ジョブ(S600)」に続いて、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)」が実行される。この表示制御コマンド設定ジョブ(S700)では、「本図柄指定コマンド(本図柄表示部272、273において、表示される本図柄の確定図柄を特定するためのコマンド)」を設定する処理と、「本図柄変動パターン指定コマンド(本図柄表示部272、273において、変動表示する本図柄の変動時間を特定するためのコマンド)」を選択・設定する処理と、が実行される。
ここで、「特別図柄の表示制御コマンド」は、特別図柄制御のために主制御基板340から出力される各種のコマンドであり、図11に示した主回路部401の内蔵ROM482に予め記憶されている。尚、本実施例では、特別図柄を本図柄と、疑似図柄によって構成するが、特別図柄を本図柄のみによって構成してもよい。また、疑似図柄の背景には、この疑似図柄を際だたせるための背景図柄を表示している。但し、この背景図柄が疑似図柄と共に特別図柄を構成してもよいし、この背景図柄が疑似図柄若しくは本図柄の一部を構成してもよい。
また、「特別図柄の表示制御コマンド」には、前記「本図柄指定コマンド」と、「本図柄変動パターン指定コマンド」の他に、本図柄の確定表示を制御するための「本図柄停止コマンド」が含まれている{図22(b)}。尚、本実施例において、「本図柄指定コマンド」として、第1本図柄表示部272に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第1本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド1」と表記することもある。)」と、第2本図柄表示部273に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第2本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド2」と表記することもある。)」とが存在する。
更に、「特別図柄の表示制御コマンド」には、「大当り関連表示コマンド(大当り図柄の確定表示の後、特別遊技が開始するまでの過渡的演出表示を司るコマンド)」が含まれている。但し、これらコマンド以外に、他のコマンドを設定してもよい。
また、本実施例では、「変動パターン指定コマンド」によって、全図柄(本図柄及び疑似図柄によって構成される特別図柄の他に、背景図柄を含む。)の変動時間が特定される。また、「本図柄停止コマンド」によって、変動中の図柄の確定表示が制御される。例えば、全本図柄が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時まで変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、全本図柄の確定表示が制御される。一方、全本図柄のうちの一部が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時までに確定表示され、全本図柄のうちの残部が変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、この残部の確定表示が制御される。
特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)においては、前記当否判定(S620、S625)の結果が大当りである場合、「大当りを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「大当り本図柄番号メモリ481eに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド1」及び「本図柄指定コマンド2」を設定する処理が行われる。そして、「大当り用」の「変動パターン指定コマンド(変動パターン)」を選択、設定する処理が行われる。
また、特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)においては、前記大当り判定(S620、S625)の結果が外れの場合、「外れを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「外れ第1本図柄番号メモリ481fに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド1」に設定し、前述の「外れ第2本図柄番号メモリ481gに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド2」に設定する処理が行われる。更に、「外れ用」の「変動パターン指定コマンド」を選択、設定する処理が行われる。
次に、遊技状態制御ジョブ(S900)に関し、図25及び図26を用いて説明する。この遊技状態制御ジョブ(S900)は、1回の「始動入賞」を契機に開始される「一連の遊技(以下、「図柄表示遊技」という。)」の最終段階で実行される。つまり、この「図柄表示遊技」は、1回の始動入賞を契機に開始されると共に、図柄の表示等によって種々の演出表示を行いつつ、判定の結果の表示を行うと共に、この判定の結果に基づいて、「遊技上の利益」の付与等を行うことを内容とする遊技である。そして、この遊技状態制御ジョブ(S900)をもって、1回の「始動入賞」を契機に開始された「1回の図柄表示遊技」が終了する。
この遊技状態制御ジョブ(S900)では、特別図柄判定結果メモリ481iに「大当りフラグ」がセットされているか否か(つまり、当否判定の結果が大当りであるか否か)が判断される(S902)。そして、S902で「大当りフラグ」がセットされていると判断される場合(S902;YES)、この「大当りフラグ」を解除し、「特別遊技状態」を開始する(S920)。尚、「特別遊技状態」を開始する前において、液晶表示装置27には、大当り図柄が確定表示され、続いて、液晶表示装置27で、大当り関連表示(大当り表示に始まり、特別遊技を開始するまで行われる過渡的演出表示)がなされた後に開始される。
S902で「大当りフラグ」がセットされいないと判断される場合(S902;NO)、図26に示すように、「外れフラグ(S690)を解除する(S906)。次いで、確変移行フラグが設定されているか否かを判断し(S908)、設定されていなければ(S908;NO)、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。これにより、1回の「始動入賞」を契機に開始された「1回の図柄表示遊技」が終了する。
一方、S908において、確変移行フラグが設定されていると判断されると(S908;YES)、「確変カウンタ」の値を「+1」する処理を行う(S910)。尚、この「確変移行フラグ」は、後述するように(S997)、遊技機1が確率変動状態(確変状態)にあることを示すフラグであって、「確変当りに係る特別遊技状態」の終了後においてセットされる。また、「確変カウンタ」は、遊技機1が確変状態(確率変動状態)に移行した後に、「当否判定」においても、「大当り」の判定結果を得ることなく行った図柄表示の回数を示す。つまり、遊技機1が確変状態(確率変動状態)に移行した後、「当否判定」において、「大当り」の判定結果を得ることなく行った「液晶表示装置27による図柄の変動表示」の回数を示す。尚、液晶表示装置27による図柄の変動表示は、変動表示を開始し、確定図柄(判定結果を示す図柄)を確定表示するまでを「1回」とする。
S910において、「確変カウンタ」の値を「+1」する処理を行った後、「確変カウンタ」の値が「50」に到達したか否かを判断する(S914)。そして、「50」に到達していなければ(S914;NO)、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、「次回の図柄表示遊技」においても、確変状態を継続する。これに対して、「確変カウンタ」の値が「50」に到達していると(つまり、「50」になっていると)、「確変カウンタ」をクリア(「ゼロ」にする。)した後(S916)、確変移行フラグを解除して(S918)、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、「次回の図柄表示遊技」においては、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態となる。
図25に戻り、S920において、特別遊技状態を開始すると、「確変移行フラグ」が設定されているか否かが判断され(S922)、設定されていなれば(S922;NO)、そのままS925の処理に移行する。一方、「確変移行フラグ」が設定されていれば(S922;YES)、「確変カウンタ」をクリアし、当該「確変移行フラグ」を解除した後にS925の処理に移行する。
S925の処理は、連続カウンタを初期化(例えば、「1」に設定)する処理である。この「連続カウンタ」の値は、「大当り特別遊技状態」における「ラウンド回数」に相当する。このS925の処理の後、開閉板312を開放方向に作動し、大入賞口311を開放し(S927)、大入賞口311に遊技球が入賞し易い状態にする。
大入賞口311の開放状態が所定時間(例えば30秒)t1を経過したとき(S930;YES)、若しくは、入賞数が所定数n1に到したとき(S935;YES)に、「停止条件」が成立し、開閉板312を閉鎖方向に作動し、大入賞口311が閉鎖状態とされ(S940)、1つのラウンドを終了する。尚、所定時間t1が経過しておらず(S930;NO)、しかも、入賞数が所定数n1に到達していないとき(S935;NO)、即ち、「停止条件」が成立しない場合には、大入賞口311の開放状態が維持される。また、「入賞数が所定数n1に到達したか否か」は、入賞球検出スイッチ318(図8参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検出されたか否かにより判断することができる。
S930によって大入賞口311(開閉板312)が閉鎖されてから、所定時間(例えば0.5秒)t2が経過した後に、連続カウンタの値を「+1」し(S950)、特別遊技の終了条件を満たすか否かが判断される(S955)。例えば、連続カウンタの値が所定の回数(例えば、14回)に到達したか否かが判断され(S955)、所定の回数に達すると(S955;YES)、特別遊技の終了条件が成立し、特別遊技状態を終了し(S960)、遊技機1の遊技状態は「非特別遊技状態」となる。
一方、特別遊技の終了条件を満たさない場合、つまり、所定の回数に到達しない場合(S955;NO)と、再び大入賞口311(開閉板312)が開放状態となり、大入賞装置31が遊技球受入状態となる。尚、「ラウンドの終了条件成立」までを、1つのラウンドとする「遊技球受入状態」は、最終ラウンド(本実施例では14ラウンド)まで繰り返し継続される。そして、本実施例では、「各ラウンドの終了条件」成立時(S935)に、「継続条件」の成否の判断を行わないため、一旦大当り遊技を開始すると、当該特別遊技状態の最終ラウンドまでの実行が保証される。
S960で特別遊技を終了した後に、確変当りフラグ(S665)が設定されているか否かが判断される(S995)。つまり、終了した特別遊技状態が、確変当りに基づくものであるか否かが判断される(S995)。そして、確変当りフラグ(S665)が設定されている場合には(S995;YES)、確変当りフラグを解除する処理(S996)と、確変移行フラグを設定する処理(S997)とを実行した後、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。一方、S995において、「NO」と判断される場合には、S996の処理と、S997の処理を実行することなく、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。
尚、S997において、確変移行フラグが設定され、遊技機1が、「確率変動状態」に移行すると、上記特別遊技状態終了後、特別図柄の変動が50回行われるまで当否判定の確率(大当り確率)が通常の約4〜10倍に向上する。
(6)コマンドの送受信
主制御部140及び副制御部(170、160)間のコマンドの送受信に関し、図27及び図28を用いて説明する。この図27及び28は、ステップS810、S820、S830等において、特別図柄の表示制御コマンドが主制御部140(主制御基板340)から音声・ランプ制御部170(音声・ランプ制御基板370)に向かって出力される様子と、主制御部140(主制御基板340)に操作信号が出力される様子と、主制御部140(主制御基板340)から音声・ランプ制御部170(音声・ランプ制御基板370)に演出操作信号が出力される様子等を概念的に示した説明図である。尚、普通図柄の表示制御コマンドの送受信については、特別図柄の表示制御コマンドの送受信とほぼ同様の処理なので、ここでは説明を省略する。
特別図柄制御ジョブ{図22(a)}において、ステップS810の処理が初めて実行される時には、図27に示すように、「変動パターン指定コマンド」が出力される。この「変動パターン指定コマンド」は、本図柄(第1〜第2本図柄)の変動を開始させるコマンドであるばかりか、これらの本図柄と共に特別図柄を構成する疑似図柄の変動を開始させるコマンドでもある。更に、本図柄の変動の変動時間を指定するコマンドであると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。
尚、図27及び図28において、実線の矢印は、主制御部140に操作信号が供給されていることを模式的に示したものである。また、「白抜きの矢印」は、(1)「演出操作信号」が、主制御部140から、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160に供給されていることを模式的に示す場合と、(2)主制御部140の発するコマンドが音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160に供給されていることを模式的に示す場合と、がある。更に、「斜線が付された矢印」は、音声・ランプ制御部170が発したコマンドが図柄制御部160に供給されていることを模式的に示したものである。尚、音声・ランプ制御部170から出力されるコマンドについては、後ほど詳しく説明する。
音声・ランプ制御基板370は、図27に示すように、「本図柄変動パターン指定コマンド」を受け取ると、直ちに図柄制御基板360に転送する。これにより、本図柄(第1〜第2本図柄)と、疑似図柄は変動を開始する。但し、疑似図柄の変動は、音声・ランプ制御基板370を発信源とするコマンドによって開始させてもよい。また、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、後述する処理が開始される。
特別図柄制御ジョブが1周目の処理を終了して、2周目にS820の処理が実行されるときには、第1本図柄を指定するコマンド(第1本図柄指定コマンドCts1 )を出力する。尚。主制御部メインジョブは一連の処理を完了するために約4msec掛かるため、「本図柄変動パターン指定コマンド」を出力してから、略4msecに、第1本図柄指定コマンドを出力することになる。更に、その約4msec後に3周目の処理が実行される時には、第2本図柄を指定するコマンド(第2本図柄指定コマンドCts2 )が出力される。
尚、本実施例では、2つの本図柄を同時には表示できないものとして説明したが、より多くの本図柄を表示可能としてもよい。こうして特別図柄(本図柄)についての変動パターン指定コマンドと図柄指定コマンドとを出力したら、変動パターンに応じて定まる所定のタイミングで、全本図柄変動表示を停止するコマンド(本図柄停止コマンドCtstp)を出力する。
そして、所定の時間経過後に、主制御部140は、音声・ランプ制御基板370に、「本図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)」を送信する(S830、図29参照)。また、音声・ランプ制御基板370は、「本図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)」を受け取ると、直ちに図柄制御基板360に転送する。そして、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、本図柄の停止表示と、疑似図柄の停止表示と、を行う。尚、疑似図柄の停止表示は、音声・ランプ制御基板370を発信源とするコマンドによって行ってもよい。また、本図柄の停止図柄が、特別遊技に関する当否判定の当選を示す図柄である場合には、所定の時間経過後に、主制御部140は、音声・ランプ制御基板370に、「大当り関連表示コマンド(例えば、大当り表示開始コマンド)」を送信する。
(5)サブ基板メインルーチン
a.概略
音声・ランプ制御部170は、主制御部140から出力された図柄表示制御コマンドを受け取ると、この図柄表示制御コマンドを直ちに図柄制御部160に転送し、図柄制御部160は、受け取った図柄表示制御コマンドに応じて特別図柄や普通図柄の表示制御を開始する。以下では、この特別図柄の表示制御を示す処理、即ち、サブ基板メインルーチン(S1000)の内容について説明する。尚、普通図柄の表示制御については、特別図柄の表示制御と処理の流れが基本的に同じなので、ここでは説明を省略する。
図29は、サブ基板メインルーチンの流れを示したフローチャートである。かかる処理は、遊技機1の電源が投入あるいはリセットスイッチが押されて、図25に示した主制御部メインジョブ中で初期化ジョブが実行され、音声・ランプ制御部170および図柄制御部160が初期化されると、自動的に開始される処理である。
サブ基板メインルーチンを開始すると、先ず、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する(S1005)。そして、変動パターン指定コマンドを受信した場合は(S1005:YES)、全特別図柄(つまり、両本図柄及び疑似図柄)と、背景図柄の変動を開始する(S1010)。尚、特別図柄の変動開始に合わせて、所定の効果音が出力される。
次いで、全ての本図柄指定コマンドを全て受信したか否かを判断し(S1020)、受信した場合には(S1020;YES)、図柄表示制御処理を行う(S1100)。そして、本図柄停止コマンドの受信すると(S1030;YES)、全特別図柄(つまり、全本図柄及び疑似図柄)と、背景図柄の変動を停止させる(S1500)。更に、大当り関連表示コマンドを受信したか否かを判断し(S1800)、受信した場合には(S1800;YES)、大当り関連表示(S1830)に移行する。そして、以上の処理を行ったら、遊技機1の電源がOFFになっていないことを確認し(S1850)、電源がOFFでなければステップS1005に戻って続く一連の処理を行う。ステップS1850において電源がOFFであると判断されたら、サブ基板メインルーチン(S1000)を終了する。
(6)ベース板700、中継基板750及び取付台800の説明
a、ベース板700の概要
ベース板700は、ベース部材の具体例を示しており、図30に示すように、遊技盤10の裏面10bにおける下方側の部位に、ビス702を用いて固定されている。このベース板700は、樹脂を用いて作製した一体成形品であると共に、横方向に長尺な略板形状とされている。そして、このベース板700は、前面を遊技盤10の裏面10bへの取付面(当接面)とすると共に、背面703を遊技盤10の裏面10bから離間する方向(つまり、遊技機1の使用時において、遊技機1の後方向)に向けている。尚、以下のベース板700に関する説明において、上下、左右等の方向、位置関係は、ベース板700を遊技盤10の裏面10bに装着した状態を基準とするものである。
このベース板700の背面703の一端側(図30では右端側、使用者から見て左端側)を、後述する「取付台800」の取付箇所705としている。この取付箇所705は、図31に示すように、取付箇所705の周縁部側と、この周縁部よりも内側の部位から、リブ状の当接部706が突出(背面703から離間する方向に向かって突出)している。また、周縁部よりも内側で、しかも、上方側の部位からは、位置決め用突起707が突出している。
図31に示すように、取付箇所705の周縁部において、取付箇所705の上下方向に沿った略中間部に位置する部位からは、保持腕708、708が略片持ち梁状に突出している。これらの保持腕708、708は、請求項1の発明の「保持手段」の具体例を構成するものであり、相互に鏡面対称な略フック形状を備える「爪状片」である。つまり、何れの保持腕708、708も、ベース板700の背面703から略垂直に突出する腕本体部708aと、腕本体部708aの自由端から他方の保持腕708の側に屈曲する屈曲部708bと、を備えている。尚、この屈曲部708bは取付箇所705に対向する押さえ面708dを備えている(図37を参照)。
取付箇所705の周縁部うちで、各保持腕708、708の自由端と連続しつつ、左右に隣合う2個所には、逃がし部709、709が切り欠き状に設けられている。この逃がし部709、709は、各保持腕708、708の弾性変形を助長するために設けられたものである。そして、逃がし部709、709によって、両保持腕708、708が、相互の自由端の距離を広げるように撓むこと(つまり、両保持腕708、708を弾性拡開させること)が容易なものとされている。
尚、図30及び図31に示すように、ベース板700を遊技盤10の裏面10bに装着すると、取付箇所705の上方に、他の遊技機用部品(本実施例では、ランプインターフェース基板ケースである。)710等が存在し、取付箇所705の上方の空間を閉鎖している。つまり、本実施例では、取付箇所705の上方に、取付台800の取付経路を設けることは困難である。
b.中継基板750の概要
中継基板750は、図32に示すように、平面形状が略板状の基板本体751と、基板本体751に実装された複数のコネクタ752a〜752cとを備えている。尚、基板本体751の表面には、導体パターンが形成されているが、図32においては、図示を省略する。また、この中継基板750では、小型の基板本体(例えば、縦;25〜30mm、横30〜60mm)751に複数(3つ)のコネクタ752a〜752cを実装し、実装密度が高くなっている。このため、作業者が、この中継基板750を把持するときの把持部は、基板本体751の周縁部側の僅かな部分(周円部から内側へ3mm〜10mmのうちの幅の部分)とされている。
本実施例では、この中継基板750として、複数の制御基板間の配線(主制御基板340と音声・ランプ制御基板370との間の配線、及び、主制御基板340と払出制御基板350との間の配線)を中継するための中継基板750を例示する(図8を参照)。但し、この中継基板750は、複数の中継基板間の配線を中継するための中継基板(図8において図示を省略)、制御基板と中継基板との間配線を中継するための中継基板(図8において図示を省略)、電源用配線の中継基板(図8において図示を省略)であってもよい。また、中継基板750の代わりに、端子基板を本実施例の配線基板としてもよいし、制御基板を本実施例の配線基板としてもよい。
c.取付台800の概要
取付台800の概要に関し、図32及び図33を中心に用いて(図34及び図35を補助的に用いて)説明する。この取付台800は、取付部材の具体例を構成するものであり、樹脂を用いて作製した一体成形品であると共に、外形が略直方体形状とされている。この取付台800は、略筒状の側壁部801と、中板部802とを主体としつつ、「上げ底の略容器形状」に構成されている。そして、この取付台800の裏部803は、側壁部801の一方の開口部を含む構成とされ、この取付台800の表部804は、側壁部801の他方の開口部を含む構成とされている。
側壁部801は、4つの板状部801a、801b、801c、801dを、平面形状が略矩形枠形となるように組み合わせた構成を備える。つまり、対向し合う一組の板状部(以下、「長手側の板状部」という。)801a、801bの横幅が長くされ、対向し合うもう一組の板状部(以下、「短手側の板状部」という。)801c、801dの横幅が短くされることで、側壁部801の平面形状が略矩形枠形とされている。
長手側の板状部801a、801bの各々では、外壁面から一対のリブ806、806を突出させている。つまり、これらの外壁面の各一対のリブ806、806は、各外壁面の横方向中間部において、軸心を上下に向けつつ、略平行に配置されている。そして、(1)各一対のリブ806、806と、(2)各「長手側の板状部801a、801b」において各一対のリブ806、806で挟まれた箇所と、で構成される略「コの字状の部分(以下、コの字状部分S1という。)」が、取付箇所705(一の取付箇所)との関係で、請求項1の発明の「被保持部」の具体例を構成する。また、このコの字状部分S1は後述する突出部S1と共に、後述する取付箇所905(他の取付箇所)との関係で、請求項1の発明の「摺動部」の具体例を構成している。また、このコの字状部分S1は、取付箇所705(一の取付箇所)との関係で、請求項2の発明の「規制手段」の具体例を構成する。尚、コの字状部分S1において下方側の部位(裏部803と連続する部位)には、面取り部K、Kが設けられている。
長手側の板状部801a、801bのうちの一方(801a)においては、一対のリブ806、806の両脇に切り欠き部807が形成されている。この切り欠き部807は、取付台800の表部804で開口すると共に、板状部801aの表裏面で開口し、側壁部801の軸心方向に長尺状の略U字形状とされている{図34(a)等を参照}。また、各切り欠き部807の底部からは、係止腕808が略片持ち梁状に突出している。これらの係止腕808は略フック形状の爪状片であると共に、その自由端が、側壁部801の他方の開口部(表部803)から突出する状態となっている。
何れの係止腕808、808も、切り欠き部807の底部から略垂直に立ち上がる腕本体部808aと、腕本体部808aの突端から、側壁部801の内部方向に屈曲する屈曲部808bとを備えている。そして、屈曲部808bの下面808cが、側壁部801の他方の開口部(表部803)と略同一平面上に位置している{図35(b)等を参照}。また、屈曲部808bの上面側には、側壁部801の内部方向に下り傾斜となる面取り部808dが設けられている{図35(a)等を参照}。
中板部802は、略矩形の板形状に構成され、側壁部801の高さ方向中間部において側壁部801の内壁面と一体となっている。そして、この中板部802は、側壁部801の内部空間805を、側壁部801の一方の開口部に至る空間部分805aと、側壁部801の他方の開口部に至る空間部分805bと、に区画している{図35(a)等を参照}。そして、本実施例では、後者の空間部分805b、つまり、取付台800の表部804において、凹設状に形成された空間部分805bによって、「装着部」の具体例を構成している。
中板部802において、係止腕808と隣合う部位には、中板部802の表裏を貫通する切り欠き802bが設けられている。この切り欠き802bは、係止腕808の自由端と連続し、係止腕808の弾性変形を助長するための逃がし部を構成している。
中板部802の表面(つまり、表部804側の面である。)からは、側壁部801の内壁面とも一体となった支持部802dが突出している。この支持部802dは、中継基板750の裏面と当接しつつ、この中継基板750を支持する部分である。尚、本実施では、中継基板750を装着部(空間部分805b)に装着されたときに、中板部802の表面から突出する複数の支持部802dによって、中継基板750裏面の周縁側が支持される。換言すると、中継基板750裏面において支持部802dによって支持されない部位(以下、「主要部位」という。)と、中板部802の表面との間には、隙間Rが存在するため{図36(c)を参照}、中継基板750を装着部(空間部分805b)に対して安定した状態で装着できる。
蓋し、本中継基板750は、前述のように、複数のコネクタ752a〜752cを実装するため、その裏面には、これらのコネクタ752a〜752cの足をハンダ固定したときに生じた「ハンダ跡」が多数存在する。ところが、本実施例では、これらの「ハンダ跡」を隙間Rに配置すると共に、中継基板750の裏面において「ハンダ跡」の存在しない周縁側を、支持部802dで支持する構造を採用しているからである。
中板部802には、その長尺方向に沿って、2つの貫通孔802aが中板部802の表裏を貫通する状態に設けられている。また、中板部802の裏面(つまり、裏部803側の面である。)においては、貫通孔802aの周囲から、略蓋付き円筒状の垂下部802fを突出させている{図34(b)及び図35(b)を参照}。この垂下部802fは、貫通孔802aと同心状とされると共に、突端に円板状の底部802gを備える。更に、この底部802gの軸心位置に挿通孔802hを貫通状に備えている{図35(b)等を参照}。そして、これらの2つの垂下部802f、802fの突端側で、底部803から(下方に)突出する突出部S2を形成する。この底部803から突出する突出部S2は、コの字状部分S1と共に、後述する取付箇所905(他の取付箇所)との関係で、請求項1の発明の「摺動部」の具体例を構成している{図35(a)〜(c)等を参照}。
側壁部801の他方の開口部(表部804を構成する開口部)は、4つの隅部を備えているが、このうち、係止腕808が存在しない「長手側の板状部801b」の両端に位置する隅部には、脱落防止片804b、804bが設けられている。この脱落防止片804b、804bは、その裏面が、空間部分805bを臨むサイズとされている。そして、これらの落防止片804b、804bと、前述の係止腕808、808(係止手段)とよって、空間部分805b(装着部)に装着された中継基板750の脱落防止するための「脱落防止手段」を構成している。
(6)「中継基板750及び取付台800」のベース板700への取付手順
先ず、図36(a)に示すように、取付台800の表部804を上方に向けた状態で、コネクタ752a〜752cを上方に向け、長手側を取付台800の長手側に向け、基板本体751の短手側を取付台800の短手側に向けた状態とする。ここで、基板本体751は、長手方向に沿った端縁部751a、751bを2つ備え、隅部を4つ備えるが、一方の端縁部751aの両端に位置する隅部を、各々、落防止片804b、804bの下方に挿入すると、他方の端縁部751bの裏面が、2つの係止腕808、808の面取り部808d、808dで支持される。これにより、基板本体751は、「他方の端縁部751b」から「一方の端縁部751a」に向かって下り傾斜となる傾斜状態となる。
この後、基板本体751に、姿勢を水平に変えさせるような押圧力を加え、基板本体751を傾斜状態から水平状態に移行させる。この移行中に、他方の端縁部751bの裏面によって、屈曲部808bが側壁部801から遠ざかる方向に押圧させる。このため、係止腕808は、図36(b)に示すように、その屈曲部808bを側壁部801から遠ざける方向に撓み、他方の端縁部751bを、屈曲部808bの下方に到達するため、基板本体751が水平状態に移行する。
このように、基板本体751が水平状態に移行すると、その裏面が複数の支持部802dによって支持される。同時に、「他方の端縁部751b」の表面に、屈曲部808bの下面808cが当接する。これにより、図36(c)に示すように、中継基板750は、「基板本体751の他方の端縁部751b」を、2つの係止腕808によって抜け止め方向に係止されると共に、「基板本体751の一方の端縁部751a」の両端を、落防止片804b、804bの裏面側に進入させると、取付台800の装着部(空間部分805b)に保持された状態となる。尚、本実施では、中継基板750の落下防止固定に際し、2つの落防止片804b、804bの下方に中継基板750の2箇所を進入させ、2つの係止手段(係止腕808、808)を中継基板750に係止し、中継基板750の4つの箇所に抜け止めを施す態様を採用する。つまり、4つの箇所に向け止めを施す態様を採用しつつも、「弾性変形させつつ中継基板750に係止される係止手段(係止腕808、808)」の数を少なくする(2つにする)ため、中継基板750の抜け止め作業を簡便に行うことができ、その分、当該作業中に、中継基板750に破損を生じさせる可能性が低くなる。
尚、取付台800による中継基板750の保持を解除する場合には、係止腕808を、その屈曲部808bが側壁部801から遠ざかるように、撓ませつつ、取付台800及び中継基板750を逆さまにする。これにより、係止腕808と、基板本体751の他方の端縁部751bとの係止状態が解除され、中継基板750は、基板本体751の他方の端縁部751bを下向きにし、基板本体751の一方の端縁部751aを上向きにした傾斜状態となりつつ、取付台800から離脱し、落下する。
中継基板750を保持した状態の取付台800(以下、「保持済みの取付台800」ということがある。)は、以下の手順で、取付箇所705に取り付けられる。つまり、図37(a)に示すように、取付台800の裏部803を取付箇所705と対向させ(遊技機1の前後方向に対向させ)、この後、取付台800を取付箇所705の方向に移動し、左右の「保持腕708、708の屈曲部708bの屈曲端」を、面取り部K、Kに当接させる。このとき、左右の「保持腕708、708は、取付台800左右の「長手側の板状部801a、801b」に設けられた「コの字状部分S1」に位置合わせされる。
この状態で、「保持済みの取付台800」を、取付箇所705の方向に押し込む。この取付箇所705の方向は、図31及び図37(a)中の矢印Aの方向、つまり、「取付箇所705と略垂直な前方向」である。この方向は、「取付箇所705に交差する方向」の具体例を構成している。そして、このように、「保持済みの取付台800」を押し込むと、保持腕708、708の屈曲部708bの屈曲端が、面取り部K、K(取付箇所705を基準として、「逆ハの字状」に配置される面取り部K、K)と摺動する。このため、両保持腕708、708は、ベース板700の背面703を固定端としつつ、互いの屈曲部708b、708bの間隔を広げるように撓む。
これにより、両保持腕708、708の屈曲部708b、708bが、左右の「コの字状部分S1」内(つまり、各一対のリブ806、806の間)内に進入する。この後、「保持済みの取付台800」の取付箇所705方向への押し込み量を増加させると、各保持腕708、708と、各「コの字状部分S1」とが摺動する。これにより、「保持済みの取付台800」の取付経路が、「取付個所705に略垂直な方向(取付個所705と交差する向の具体例)に規制される。そして、図37(b)に示すように、当接部706が、取付台800の裏部803に当接すると、この押し込み作業を完了する。このとき、位置決め用突起707が、上方側の垂下部802fの挿通孔802hに進入することで、「保持済みの取付台800」の取付箇所705に対する位置決めがなされる。
このように、「保持済みの取付台800」の押し込み作業(装着)を完了すると、両屈曲部708bが、取付台800の表部804側にまわり込み、押さえ面708dが表部804の縁部(各一対のリブ806、806と対応する部分)に当接する。これにより、「保持済みの取付台800」が、取付箇所705に対して抜け止め状態に保持された状態となる。つまり、取付台800において、被保持部を構成する各部位(各「コの字状部分S1」)と、保持手段を構成する各保持腕708、708との係合により、「保持済みの取付台800」が、取付箇所705に対して保持された状態となる。
尚、「保持済みの取付台800」の取り外し作業は、以下のように行われる。つまり、両保持腕708、708を、互いの屈曲部708b、708bが離間するように撓ませ、取付台800の被保持部(コの字状部分S1)と、各保持腕708、708との係合を解除する。そして、「保持済みの取付台800」を、取付箇所705の背後(つまり、遊技機1を基準とする後方向)に引っ張ると、「保持済みの取付台800」が取付箇所705から離脱し、この取り外し作業を完了する。
B.実施例2
次に、実施例2の遊技機について説明する。但し、この実施例2の遊技機は、図38に示すように、ベース板900の構成に差異を有するが、その他の点に関しては、実施例1の遊技機1と同様である。このため、実施例2では、ベース板900の構造上の差異を中心に説明する。尚、中継基板750及び取付台800の構成は、実施例1と同一である。
ベース板900も、ベース部材の具体例を示すものであり、遊技盤10の裏面10b(図30を参照)に、ビスを用いて固定されている。このベース板900も、樹脂を用いて作製した一体成形品であると共に、横方向に長尺な略板形状とされている。そして、このベース板900も、前面を遊技盤10の裏面10bへの取付面(当接面)とすると共に、背面903を遊技盤10の裏面10bから離間する方向(つまり、遊技機1の使用時において、遊技機1の後方向)に向けている。
このベース板900も、その背面903の一端側(例えば、背面903の背後から見て右端側、使用者から見て左端側)を、「取付台800」の取付箇所905としている。この取付箇所905は、「他の取付箇所」の具体例を示しており、図38に示すように、その周縁部の両脇から、固定腕908、908を突出させている。これらの固定腕908、908は、何れも、ベース板900の背面903を自由端とし、この背面903の背後に向かって略直角に突出する略片持ち梁構造を備える。また、背面903の背後から見て、左右に並ぶ、2つの固定腕908、908は、取付箇所905の対象面(仮想的な面であって、取付箇所905に略直交し、取付箇所905の上下方向に配置される面)を基準に、互いに鏡面対称な形状を備えている。
背面903の背後から見て左側の「固定腕908」は、縦断面形状(背面903に平行な縦断面に沿った形状)が、略L字状とされる腕本体部908aと、腕本体部908aの自由端と一体となりつつ、背面903と略平行な矩形型の板形状とされる垂板部908bとを備えている。また、背面903の背後から見て右側の「固定腕908」は、縦断面形状(背面903に平行な縦断面に沿った形状)が、略逆L字状とされる腕本体部908aと、腕本体部908aの自由端と一体となりつつ、背面903と略平行な矩形型の板形状とされる垂板部908bとを備えている。
取付箇所905の周縁部うちで、各固定腕908、908の自由端と連続しつつ、左右に隣合う2個所には、逃がし部909、909が切り欠き状に設けられている。この逃がし部909、909も、固定腕908、908の弾性変形を助長するために設けられたものである。そして、逃がし部909、909によって、両固定腕908、908が、相互の自由端の距離を広げるように撓むこと(つまり、両固定腕908、908を弾性拡開させること)が容易なものとされている。
取付箇所905の内部には、取付箇所905の対象面を基準に対称な形状を備えるリブ910が、背面903の背後に突出する状態に設けられている。このリブ910は、背面903の背後から見て、上方に開口する略「U字状の経路」を描いている。このリブ910においては、上下方向に形成される直線状の部分911が左右に2つ並んでいるが、両直線状の部分911、911間の間隔は、各垂下部802fの外径と略等しくされている。つまり、垂下部802fの外周面を、両直線状の部分911、911に接触させつつ、垂下部802fを両直線状の部分911、911に沿って摺動可能な間隔となっている。また、このリブ910において、両直線状の部分911、911の下端と一体となる略半円状の部分912の内径は、突出部Sの略下半分を収納可能なものとなっている。
このリブ910は、前述の「固定腕908、908」と共に、取付箇所905との関係で、請求項1の発明の「ガイド部」の具体例を構成する。また、前述の突出部S2及び「コの字状部分S1」は、取付箇所905との関係で、請求項1の発明の「摺動部」の具体例を構成する。
取付箇所905において、リブ910の軸心に沿った位置には、ベース板900の上端面で開口する縦長の切り欠き部920が設けられている。この切り欠き部920は、略矩形型の平面形状を備えつつ、ベース板900の上端面で開口している。また、この切り欠き部920の底面部は、直線状の部分911、911の略上方側半分の位置と一致している。そして、この切り欠き部920の内部には、その底面部を固定端としつつ、片持ち梁状に構成される係止腕930が立ち上げられている。
この係止腕930は、上端部(つまり、自由端)931を、ベース板900の上端面の上方に突出させると共に、中間部に突起932を突出させている。尚、本実施では、この突起932を「固定用突起」及び「位置決め用突起」として機能させるが、この突起932をこれらのうちの何れか一方としてのみ機能させることもできる。また、上端部(つまり、自由端)931のうちで、ベース板900の背後側に位置する端縁が、面取り部931aとされている。そして、この係止腕930においては、上端部(つまり、自由端)931及び固定用突起932が、取付箇所905よりも突出した(ベース板900の背後に突出した)状態とされている。
本実施例においては、「保持済みの取付台800」が以下の手順で、取付箇所905に取り付けられる。つまり、図39に示すように、長手方向を上下に向け、取付台800の裏部803(図示を省略)を取付箇所705の方向に向け、更に、取付台800の裏部803で上下に並ぶ「2つの垂下部802f、802f」を、リブ910の上方に位置合わせする。
この状態で、図40に示すように、「保持済みの取付台800」を下方に移動し、下方の突出部S2をリブ910の内部に進入させる。このとき、図43(a)に示すように、下方の突出部S2の外面が、面取り部931aを手始めとし、係止腕930の下方側に向かって、係止腕930と摺動して行くため、係止腕930は、その上端部(つまり、自由端)931側を下方の突出部S2から遠ざけるように撓む。このため、下方の突出部S2のリブ910の内部への進入は円滑に行われる。
このように、下方の突出部S2が、リブ910の内部に進入すると、下方の突出部S2と、リブ910との位置合わせが完了する。この状態で、「保持済みの取付台800」を、取付箇所905の下方向に押し込む。この下方向は、図38中の矢印Bの方向、つまり、「取付箇所905に沿った下方向」である。この下方向は、「取付箇所905に沿った方向」の具体例を構成している。
この後、「保持済みの取付台800」の下方向への押し込み量を増加させると、図41に示すように、取付台800の左右に各一対ずつ配置されたリブ806、806(コの字状部分S1)が、左右の固定腕908の内部に進入する。そして、これらのリブ806、806(コの字状部分S1)の端面と、左右の固定腕908の内壁面とが摺動する。
更に、「保持済みの取付台800」の下方向への押し込み量を増加させると、上方の突出部S2も、リブ910の内部に進入する。このとき、下方の突出部S2と同様に、外面が、面取り部931aを手始めとし、係止腕930の下方側に向かって、係止腕930と摺動して行くため、係止腕930は、その上端部(つまり、自由端)931側を下方の突出部S2から遠ざけるように撓む。このため、上方の突出部S2も、リブ910の内部へ円滑に進入する。
更に、「保持済みの取付台800」の下方向への押し込み量を増加させると、図42に示すように、取付台800の左右両壁面において下方に位置するリブ806{図42中、806(D)と表記}が、固定腕908の内底面と当接し、「保持済みの取付台800」の下方向への押し込み量が、それ以上増加することが禁止される。このとき、図43(b)に示すように、上方の突出部S2に設けられた挿通孔802hに、固定用突起932が進入し、「保持済みの取付台800」の取付箇所905への取り付けを完了する。
このとき、「保持済みの取付台800」は、挿通孔802hへの固定用突起932の進入により、上下方向への移動を禁止される。そして、取付台800の中間部の固定腕908への進入によって、左右と前後への移動を禁止される(左右のリブ806、806が、各々、固定腕908の内部に嵌合するからである。)ため、取付箇所905に固定された状態となる。
この実施例2に示す態様は、取付箇所905の背後には空き空間が無かったり、十分ではなく、取付箇所905の前後や斜め前後に沿って、取付台800の取付経路を確保することが困難な場合に有効である。尚、実施例2では、ガイド部及び摺動部の摺動方向を上下方向としたが、ベース板900の背面903に沿った面内において、この形成方向を種々選択できる。つまり、例えば、略横方向としたり、略傾斜する方向とすること等もできる。
C.実施例3
次に、実施例3の遊技機について説明する。但し、この実施例3の遊技機は、ベース板950の構成に差異を有するが、その他の点に関しては、実施例1の遊技機1と同様である。このため、実施例3においても、ベース板950の構造上の差異を中心に説明する。尚、中継基板750及び取付台800の構成は、実施例1と同一である。
実施例3のベース板950も、ベース部材の具体例を示しており、遊技盤10の裏面10b(図30を参照)に、ビスを用いて固定されている。このベース板950も、樹脂を用いて作製した一体成形品であると共に、横方向に長尺な略板形状とされている。そして、このベース板950も、前面を遊技盤10の裏面10bへの取付面(当接面)とすると共に、背面903を遊技盤10の裏面10bから離間する方向(つまり、遊技機1の使用時において、遊技機1の後方向)に向けている。
このベース板950も、その背面953の一端側(例えば、背面953の背後から見て右端側、使用者から見て左端側)を、「取付台800」の取付箇所955としている。この取付箇所955も、図44に示すように、上下方向に並ぶ、2つのネジ孔956を備えている。
実施例3では、取付台800から中継基板750を取り外して状態で取付箇所955に取り付けられる。つまり、長手方向を上下に向け、取付台800の裏部803を取付箇所955の方向に向け、更に、取付台800の裏部803で上下に並ぶ「2つの垂下部802f、802f」を、ネジ孔956と置合わせする。そして、取付台800の表部804の側から、垂下部802f、802fの各底部802gの挿通孔802hと、ネジ孔956とに、固定用ビス960を装着すると、取付台800の取付箇所955への取り付けを完了する。そして、取付台800に対して、中継基板750を保持させると、中継基板750の取付箇所955への取り付けを完了する。
尚、本実施例において、取付台800及び中継基板750を取付箇所955から取り外す場合は、中継基板750を取付台800から取り外した後に、固定用ビス960を取り外し、取付台800を取付箇所955から取り外せばよい。
この実施例3に示す態様は、取付箇所955の背後のみならず、左右にも、空き空間が不十分な場合に有効である。つまり、取付箇所905の条件が特に悪い場合の策としては有効である。
尚、実施例3では、取付台800を取付箇所955に取り付けた後に、取付台800に中継基板750を保持させたが、実施例3においても、中継基板750を保持した取付台800を、取付箇所955に取り付けたり、取付箇所955から取り外す構成を採用してもよい。例えば、図44の破線Lに示すように、中継基板750に工具(工具全体を通過させてもよいが、工具のうちで固定用ビス960に作用を施す作用部分が、固定用ビス960に到達するように通過させるだけでもよい。)を通過させるための通過孔を設けたり(例えば、ドライバーの先端部の通過孔を設けたり)、取付台800において、中継基板750によって隠蔽されない部位に固定部を設け、この固定部を固定用ビス960等で取付箇所955に固定してもよい。
D.実施例の効果
各実施例に示すように、各実施例に共通する「取付台800」によると、複数の取付経路のうちの何れかを選択し、目的の取付箇所705、905、955に取り付けることができる。つまり、各実施例の遊技機は何れも異なったものであり、各取付箇所705、905、955の周囲の環境が異なっている。ところが、各実施例によると、目的の取付箇所705、905、955の周囲の環境に応じて、「取付台800の取付経路(取付方向)や取付方法」として、最適なものを選択できる。よって、各実施例によると、取付台800の遊技機への取り付けや取り外しを円滑に行うことができる。従って、各実施例によると、汎用性が高く、しかも、「リサイクル」を効果的に行うことができる取付台800が得られると共に、中継基板750の「リサイクル」も効果的に行うことができる。
また、実施例1及び実施例2では、中継基板750の目的の取付箇所705、905、955への着脱を、取付台800に保持させた状態で行う。つまり、作業者は、中継基板850の遊技機への着脱作業の際に、中継基板750自体に直接、手を触れることが不要となるため、この着脱作業の際に、中継基板750に実装されたコネクタ752a〜752cに破損等の不具合を生じさせる防止できる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。即ち、複数の実施例の特徴を兼ね備える変形例を例示することもできる。
また、上述した実施例では、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)に本発明を適用した例について説明したが、「羽根物」や「権利物」と呼ばれるパチンコ機はもちろんのこと、アレンジボール遊技機や回胴式遊技機に本発明を適用できることは言うまでもない。
更に、本実施の形態では、ガイド部及び摺動部等を突部によって構成したが、ガイド部及び摺動部のうちの一方を突部とし、ガイド部及び摺動部のうちの他方を、この突部が摺動可能な状態で嵌り込む凹部によって構成することもできる。また、本実施の形態では、異なる種類(異なる機種)の遊技機間において、同一の取付部材を、「異なる態様(ガイド部の構成態様が異なる)の取付個所」に取り付ける態様を例示した。但し、各請求項の発明は、同一の種類(同一の機種)の遊技機間において、同一の取付部材を、「異なる態様(ガイド部の構成態様が異なる)の取付個所」に取り付ける態様にも適用できる。