JP4441652B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関する。本発明は、いわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球遊技機や、スロットマシン等のコイン式遊技機(回胴式遊技機)などの遊技機において、特に有効に利用される。
例えば、遊技機の構成部品等として使用される配線基板(プリント配線基板)は、導体パターンを備える配線基板本体と、この配線基板本体にハンダを用いて実装される電子部品と、を備えるのが一般的である。かかる配線基板においては、他の配線基板との識別を図ること等を目的に、識別用手段を付加することがある。
例えば、配線基板本体を積層体構造とすると共に配線基板本体の層間に識別用手段を埋設すること(以下、「従来例1」といい、特許文献1の図7を参照)が行われている。また、識別用手段(ICチップ及びアンテナ等で構成)の全体若しくは一部を配線基板本体の表面に直接、粘着させると共に、この識別用手段よりも大きな表面積を備える粘着テープによって、この識別用手段を覆い尽くすこと(以下、「従来例2」といい、特許文献1の図7及び特許文献2の図8を参照)も行われている。
特開平11−99270号公報 特開2000−334154号公報
ところが、前記各従来例には以下のような問題がある。即ち、従来例1によれば、当該従来例に係る配線基板と、識別用手段を備えない配線基板(以下、「在来基板」という。)との間で、構成部品の共通性(構造やサイズの共通性)が低くなるという問題がある。つまり、従来例1の配線基板本体では、その層間に識別用手段の埋設空間を付加することが必要な分だけ、在来基板の配線基板本体とは大きな構造上の差異を生ずると共に、この埋設空間を設ける分だけ、肉厚が厚くなるからである。
このため、従来例1の配線基板では、在来基板からの部品転用(特に、配線基板本体の転用)が困難となり、その分、製造コストが高くなり易い。また、従来例1の配線基板では、配線基板本体の層間に識別用手段を埋設させた「特殊構造」を備えるため、製造上の手間が多くなり、この点からも、製造コストが高くなり易い。
また、従来例2の配線基板では、粘着テープが配線基板本体の表面から剥離すると、識別用手段が破壊される構造であるため、この識別用手段に付与すべき識別情報の種類が限定されることになる。例えば、この識別用手段を、「リサイクル履歴を示すリサイクル情報」を発信させるための手段として用いることは困難である。つまり、識別用手段にリサイクル情報等を付与し、配線基板のリサイクルを行う度にリサイクル情報を更新しようと考えても、当該配線基板の使用期間の経過に伴って、識別用手段に破損を生ずる可能性があるからである。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、製造コストを抑えつつ、種々の識別情報を発信可能な配線基板を備える遊技機を提供することである。
本発明の他の目的は、配線基板の「リサイクル」と「廃棄」をより効率的で、しかも、円滑に行うことを可能とする遊技機を提供することである。
本明細書において参考的に開示する第1の参考発明(以下、「参考発明1」という。)の遊技機は、
配線基板本体と、該配線基板本体に実装される電子部品と、該配線基板本体に装着される識別用部材と、を具備する配線基板を有する遊技機であって、
前記識別用部材は、所定の電子部品と略同一の外形を備える外郭体と、該外郭体に埋設される識別用部材本体を備え、
該識別用部材本体が、前記配線基板を識別するための識別情報の書き込み及び読み出しが可能な記憶手段を有するICチップを具備すると共に、所定の書き込み手段の無線を用いた要求に応じて、前記識別情報を前記記憶手段に書き込む処理を実行し、所定の読み取り手段の無線を用いた要求に応じて、前記識別情報を該読み取り手段に送信する処理を実行することを特徴とする。
参考発明1の遊技機では、配線基板本体とは別体の識別用部材を、当該配線基板本体に装着することによって、配線基板に識別情報を付与する。つまり、参考発明1の配線基板においては、「在来の配線基板(前述の如く、識別用手段を備えない配線基板)」を構成する「配線基板本体」をそのまま利用したり、微修正を加えて(例えば、配線基板本体の表面に装着部を設けること)利用すればよい。換言すると、参考発明1の配線基板は、在来の配線基板との構成部品(特に、配線基板本体)の共通性が高くなる。
また、参考発明1の配線基板では、その配線基板本体の構造を、在来の配線基板の配線基板本体と同様なもの(前述の埋設空間を備えないもの)とできる。しかも、識別用部材の外形が所定の電子部品と略同様なものされる。このため、識別用部材を配線基板本体に装着する際に、例えば、電子部品を配線基板本体に実装する手法と同様な手法を用いることができる。よって、参考発明1の配線基板の製造上の手間は、在来の配線基板の製造上の手間に比べて多くならない。従って、参考発明1によると、種々の識別情報を発信可能な配線基板を安価に製造することができる。
更に、参考発明1の発明では、識別用部材を外郭体と、その内部に埋設された識別用部材本体とで構成する。つまり、識別用部材の主要部を構成する識別用部材本体(例えば、ICチップと、アンテナとを備える)を外郭体で保護することで、識別用部材の耐久性が高められるため、この識別用部材に付与すべき識別情報の種類の選択の自由度が高められる。例えば、この識別用部材を、「リサイクル履歴を示すリサイクル情報」を発信させるための部材として用いることも容易である。つまり、識別用部材にリサイクル情報等を付与し、配線基板のリサイクルを行う度にリサイクル情報を更新する場合、当該配線基板の使用期間が経過しても、識別用部材(特に、識別用部材本体)に破損を生ずる可能性が低いからである。つまり、参考発明1によると、種々の識別情報を発信可能な配線基板を備える遊技機を得ることができる。
本出願において、「(識別用部材本体が)外郭体に埋設される〜」態様には、「識別用部材本体が外郭体の内部に埋没する状態で埋設される態様(例えば、識別用部材本体が外郭体に埋没し、識別用部材本体が外郭体の表面に露呈しない態様」の他に、「識別用部材本体の一部が、外郭体の表面と面一となりつつ、識別用部材本体が外郭体に埋設される態様」も含まれる。また、参考発明1と、後述する参考発明8においては、「識別用部材の外郭体」は、所定の電子部品と外形のみが同一であってもよいし、外形の他に、色彩、模様、若しくは、「色彩及び模様」が同一であってもよい。また、参考発明1と、後述する参考発明8における「所定の電子部品」は、「同一の配線基板本体に現実に実装されている電子部品」であっても、「同一の配線基板本体には実装されていない電子部品」であってもよい。後者の態様によると、「理論上不要な電子部品」と同一外形の「識別用部材」を、「同一の配線基板本体」に装着し、配線基板を目視する者に不自然な印象を与えること(例えば、理論上、1つ実装すれは良いはずの「特定の電子部品」と、「同一外形の識別用部材」が装着され、見る者に不自然な印象を与えること)を防止できる。
本出願において、「書き込み手段」及び「読み取り手段」が、別体の装置で構成されても、一体の装置で構成されてもよい。つまり、「書き込み手段」を「書き込み装置(データ書き込み装置、即ち、ライタ)」で構成し、「読み取り手段」を、「書き込み装置」とは別体の「読み取り装置(データ読み取り装置、即ち、リーダ)」で構成してもよい。また、「書き込み手段」及び「読み取り手段」を、両手段として機能(つまり、書き込み・読み取り手段として機能)する「書き込み・読み取り装置(即ち、リーダライタ)」によって構成してもよい。
尚、参考発明1と異なり、配線基板本体に実装される電子部品の外装に、識別情報を付与すること(以下、「比較例」という。)も考えられる。ところが、この比較例では、電子部品の製造行程において、電子部品の外装に識別情報を付与する工程を付加することが必要となり、配線基板の製造行程が複雑化する。また、遊技機の製造メーカにおいては、同じ実装部品でありながら、外装に識別情報が付与されたものと、識別情報が付与されていないものとを購入し、管理しなけらばならないため、電子部品の購入、管理等の手間が多くなる。
しかも、比較例の「外装に識別情報が付与された電子部品」は、あくまでも、実装品であるため、配線基板本体における装着位置は、配線基板本体上に形成された回路(導体パターン等)に依存する。つまり、比較例では、配線基板本体に設けられた回路に電気的に導通させことを前提とする「電子部品」の外装に対して、識別用手段を付加した構成である。よって、識別用手段の配置部位が、配線基板本体に設けられた回路(導体パターン等)によって制約されるため、以下のような問題を生ずる。
例えば、配線基板本体の回路(導体パターン等)の形成態様による制約のため、「識別用手段を外装に付加した電子部品」を、配線基板本体において、嵩高の電子部品(例えば、コンデンサ等)の近傍に実装せざるを得ないことがある。この場合において、参考発明1と同様に、ICチップを用いて識別用手段を構成すると共に、リーダライタ等の装置によってICチップに記憶された識別情報を読み取ろうとしても、嵩高の電子部品に邪魔をされ、この装置をICチップに十分に接近させることができないことがある。つまり、装置と、ICチップとの距離が大きくなり、両者間で的確な交信(通信)を行うことができないことがある。尚、かかる事態を想定し、装置が発信する電波等を強くして、装置及びICチップ間の交信距離を長くすることも考えられるが、この場合、強くされた電波等がノイズとなり、他の電子部品に悪影響を与える可能性もある。
一方、参考発明1によると、電子部品自体の製造に際して、その外装に識別情報を付与する工程が必要とされない。また、識別用部材は、電子部品とは全く別部品であるため、この識別用部材を配線基板に付加しても、電子部品の購入、管理等の手間が多くなることはない。
しかも、識別用部材は、配線基板本体に形成された回路(導体パターン等)とは電気的に無関係(電気的に接続されない)部品である。よって、配線基板本体において、識別用部材の装着位置を選択する自由度が高くなる。例えば、配線基板本体に設けられた回路(導体パターン等)によって制約を受けることなく、識別用部材の装着位置を選択することができる。より具体的には、配線基板本体において、嵩高の電子部品の近傍や多数の電子部品が密集する部位を避けつつ、識別用部材を装着することもできる。
本明細書において参考的に開示する第2の参考発明(以下、「参考発明2」という。)の遊技機は、参考発明1の遊技機において、
導体パターンの一部を構成する実装部と、ハンダを付着可能な素材を用いて構成される装着部とを、前記配線基板本体に設けると共に、
前記実装部に対して前記電子部品をハンダを用いて実装し、前記装着部に対して前記識別用部材をハンダを用いて装着することを特徴とする。
参考発明2では、配線基板本体に、「電子部品をハンダ実装するための装着部(ランド、スルーホール等)」の他に、識別用部材を、ハンダ装着するための「第2の装着部」を設ける。つまり、識別用部材の装着を、電子部品の実装と同様に、ハンダを用いて行うことができる。このため、識別用部材を配線基板本体に装着する作業上の手間、ひいては、配線基板の製造上の手間を更に少なくできる。
特に、電子部品を配線基板本体に実装する作業の一環として、識別用部材を配線基板本体に装着する作業を行うと、配線基板の製造上の手間が更により一層少なくなる。蓋し、識別用部材の外形は電子部品と同一であり、しかも、識別用部材がハンダを用いて装着されるため、電子部品を配線基板本体に実装する際に使用する「治具」、「工具」、「工作機械」等を用いて、識別用部材の装着を行うことができるからである。尚、参考発明1において、参考発明2の適用を受けない場合には、ハンダ装着以外の装着手法を用いて、識別用部材を配線基板本体に装着してもよい。つまり、粘着(接着を含む)、係止、係合、嵌合、ネジ止め(ビス止め)等の種々の装着手法を用いて装着することもできる。
本出願において、ハンダを付着可能な素材としては、例えば、「配線基板本体に導体パターンを形成するための導体」と同様な素材を例示できる。この場合、配線基板本体の製造工程において、当該配線基板本体に導体パターンを形成する際に、装着部を同時に形成することが望ましい。尚、本出願においては、「電子部品の実装」のように、配線基板本体に形成された回路(導体パターン等)との電気的接続を行いつつ、配線基板本体に搭載することを「実装」と称し、「識別用部材の装着」のように、配線基板本体に形成された回路との電気的接続を行わずに、配線基板本体に搭載することを「装着」と称する。また、実装部の具体的な形態は特に問わず、例えば、配線基板本体を貫通しないランド形状の実装部や、配線基板本体を貫通するスルーホール形状の実装部を例示できる。更に、装着部の具体的な形態も特に問わず、例えば、配線基板本体を貫通しないランド形状の装着部や、配線基板本体を貫通するスルーホール形状の装着部を例示できる。
本明細書において参考的に開示する第3の参考発明(以下、「参考発明3」という。)の遊技機は、参考発明2の遊技機において、
前記装着部を一部に含んで構成される疑似導体パターンを、前記導体パターンとは電気的に導通しない状態にて、前記配線基板本体に形成することを特徴とする。
参考発明3では、配線基板本体に疑似導体パターン(つまり、ダミーの導体パターン)を設けるため、この配線基板を目視する者は、この識別用部材をあたかも、本物の電子部品のように感ずる。このため、識別用部材を配線基板に付加することが原因となり、配線基板の外観を低下させたり、この配線基板を目視する者に違和感を与えることを防止できる。
尚、参考発明3を、後述する参考発明5で引用する場合には、特に大きな効果が得られる。つまり、識別用部材は、電子部品と同一の外形を備えるばかりか、「識別用部材であることを示す部分(ICチップやアンテナ等)」が外郭体の内部に埋設されているため、当該識別用部材を観察する者が、「当該識別用部材が電子部品ではない。」と一見で認識することは困難である。しかも、配線基板本体における「識別用部材をハンダを用いて装着するための装着部」は、疑似導体パターン(つまり、ダミーの導体パターン)の一部として構成される。このため、不正防止行為を行おうとする者(以下、「不正行為者」という。)が、配線基板本体に装着された識別用部材を、一見して、「識別用部材である」と見破ることは困難である。従って、後述する参考発明5で引用する態様では、不正行為者による不正行為の防止に大きな意義を有している。
請求項記載の遊技機は、
配線基板本体と、該配線基板本体に実装される電子部品と、該配線基板本体に装着される識別用部材と、を具備する配線基板を有する遊技機であって、
前記識別用部材が、
前記配線基板本体に対して第1の粘着力で粘着されると共に、シート状の外郭体と、該外郭体に埋設された識別用部材本体とを有する第1のシート状部材と、
前記第1のシート状部材の表面に前記第1の粘着力よりも弱い第2の粘着力粘着される第2のシート状部材と、を具備し、
前記識別用部材本体が、前記配線基板のリサイクルに関する第1識別情報の書き込み及び読み出しが可能な記憶手段を有するICチップを具備すると共に、所定の書き込み手段の無線を用いた要求に応じて、前記第1識別情報を前記記憶手段に書き込む処理を実行し、所定の読み取り手段の無線を用いた要求に応じて、前記第1識別情報を該読み取り手段に送信する処理を実行し、
前記第2のシート状部材には、当該遊技機の機種を特定するための第2識別情報が印字されていることを特徴とする
請求項の発明によると、配線基板本体とは別体の「第1のシート状部材」を、当該配線基板本体に粘着することによって、配線基板に識別情報を付与する。つまり、請求項の発明の配線基板においても、「在来の配線基板(前述の如く、識別用手段を備えない配線基板)」を構成する「配線基板本体」をそのまま利用したり、微修正を加えて利用すればよい。換言すると、請求項の発明の配線基板においても、在来の配線基板との構成部品(特に、配線基板本体)の共通性が高くなる。
また、請求項の発明の配線基板においても、その配線基板本体の構造を、在来の配線基板の配線基板本体と同様なもの(前述の埋設空間を備えないもの)とできる。しかも、第1のシート状部材を単に粘着するだけで、配線基板に識別情報を付与できる。よって、請求項の発明の配線基板の製造上の手間は、在来の配線基板の製造上の手間に比べて多くならない。従って、請求項の発明によっても、識別情報を発信可能な配線基板を安価に製造することができる。
また、請求項の発明においても、第1のシート状部材を、外郭体と、その内部に埋設された識別用部材本体とで構成する。つまり、第1のシート状部材の主要部を構成する識別用部材本体(例えば、ICチップと、アンテナとを備える)を外郭体で保護することで、識別用部材の耐久性が高められている。このため、第1のシート状部材に付与すべき識別情報の種類の選択の自由度が高められる。例えば、第1のシート状部材を、「リサイクル履歴を示すリサイクル情報」を発信させるための部材として用いることも容易である。
つまり、第1のシート状部材にリサイクル情報等を付与し、配線基板のリサイクルを行う度にリサイクル情報を更新する場合、当該配線基板の使用期間が経過しても、第1のシート状部材(特に、識別用部材本体)に破損を生ずる可能性が低いからである。よって、請求項の発明によっても、種々の識別情報を発信可能な配線基板を備える遊技機を得ることができる。尚、請求項の発明では、第1のシート状部材や第2のシート状部材の全体、若しくは、これらのうちで、配線基板との接触部を構成する部位を絶縁体で構成することも容易である。よって、この識別用部材を「導体パターン」上や、電子部品上等にも装着できる。従って請求項の発明によると、配線基板上における「識別用部材の位置」の選択の自由度を高くすることもできる。
更に、請求項の発明では、剥がし難い第1のシート状部材と、剥がし易い第2のシート状部材とを備え、両者に異なる識別用部材を付与するため、識別用部材としての利便性が更に向上する。ここで、第2のシート状部材、第1のシート状部材よりも簡易な構成とする。つまり、第2のシート状部材を、シート体(識別用部材本体を埋設しない単なるシート体)で構成すると共に、このシート体に文字、図形、色彩、模様、若しくは、これら2つ以上の組み合わせで構成される識別情報を印刷、刻印、着色等によって付与(つまり、電気的な手法を用いずに付与される固定的な識別情報を付与)する具体的態様とする。
この具体的態様は、配線基板のリサイクルを行う場合に特に有効である。つまり、識別情報(基板情報)を、(1)配線基板のリサイクル時に更新することが必要な識別情報(例えば、リサイクル回数等の履歴的な識別情報)と、(2)リサイクル前後で、そまま継続使用する可能性もあるが、全く別のものに変更することになる可能性がある識別情報(例えば、遊技機の機種名等)と、に区別する。そして、前者(1)の識別情報(以下、「第1識別情報」という。)を、第1のシート状部材の「識別用部材本体」に付与し、後者(2)の識別情報(以下、「第2識別情報」という。)を、第2のシート状部材の付与する態様を例示できる。
この態様によると、配線基板のリサイクルを実行する際に、第2識別情報の変更を必要とない場合には、第1のシート状部材の「第1識別情報」を、リーダライタ等を用いて更新する(書き換える)。一方、第2識別情報の変更を必要とする場合には、粘着力が弱い「第2のシート状部材」を剥がし、新たな「第2識別情報」が付与された「第2のシート状部材」を、配線基板本体に粘着すると共に、第1のシート状部材の「第1識別情報」を、リーダライタ等を用いて更新する(書き換える)。つまり、この態様によると、識別情報の性質に応じて、対象となるシート状部材を選択するため、配線基板のより円滑なリサイクルを行うことができる。しかも、リサイクル時に交換する可能性がある「第2のシート状部材」は、構造が簡単で安価であるため、このように、複数の「シート状部材」を用いても、遊技機(配線基板)の製造コストが高くなることはない。
請求項の発明においては、配線基板本体の所定の部位に対して、第1のシート状部材を粘着し、この第1のシート状部材の表面(配線基板本体と離間する側の面)に第2のシート状部材を粘着する態様を採用する。
尚、請求項の発明の「粘着」は、接着をも含む概念である。つまり、粘着対象から無理に剥がすと、粘着対象に破壊を生ずる態様の粘着(即ち、接着)を含まれる。また、「第1の粘着力」と、「第2の粘着力」の差異が、第1のシート状部材に設けられる粘着層自体の粘着力と、第2のシート状部材に設けられる粘着層自体の粘着力との差異に起因して生ずることもあるが、粘着対象の状況の差異に起因して生ずることもある。
請求項2の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、
前記第2のシート状部材は、透明または半透明のシート状の基材部と、該基材部の下面に形成された粘着剤層と、を備え、
前記基材部の下面に前記第2識別情報が印字されていることを特徴とする。
本明細書において参考的に開示する第4の参考発明(以下、「参考発明4」という。)の遊技機は、参考発明1〜参考発明3のうちの何れかの発明に係る遊技機において、
前記識別情報には、前記配線基板のリサイクル情報が含まれることを特徴とする。
参考発明4は、以下の観点でなされたものである。つまり、「リサイクル情報(リサイクル回数等)」の中には、配線基板のリサイクルを実行する度に更新することが必要なものがある。一方、識別用部材に付与される「識別情報」は、リーダライタ等を用いて更新可能であるため、当該識別情報にリサイクル情報を含ませることとした。ここで、「リサイクル情報」には、「リサイクル品であるか否かを示す情報」、「リサイクルの履歴を特定する情報(リサイクル回数)」の他に、「使用年数を示す情報」等を例示できる。尚、参考発明4においては、識別情報をリサイクル情報のみで構成してもよいし、リサイクル情報及び他の情報(基板情報)で構成してもよい。
また、参考発明4によると、遊技機の製造メーカは、自社の遊技機に関し、その配線基板の品質不良を原因としてクレームを受けた場合に、その対応が容易となる。つまり、品質不良の原因に応じて、製造メーカが行う対応は異なったものとなる。例えば、リサイクル品を使用したことを原因とする品質不良と、経年劣化を原因とする品質不良とでは、製造メーカが行う対応は異なったものとなる。これに対し、参考発明4によると、製造メーカは、識別情報を用いて、クレーム時の原因切り分けが容易となり、これのクレームに対する対応も容易なものとなる。
本明細書において参考的に開示する第5の参考発明(以下、「参考発明5」という。)の遊技機は、参考発明1〜参考発明4のうちの何れかの発明に係る遊技機において、
前記識別情報には、当該遊技機と、前記配線基板との対応関係が正しいか否かを識別するための真偽情報が含まれることを特徴とする。
参考発明5は、以下の観点でなされたものである。つまり、通常、遊技機は、主制御基板に搭載された「ROM」に記憶された「遊技制御プログラム」に従って、その遊技状態が制御される。ところが、近年、主制御基板自体を、不正な基板と交換し、その後、不正な遊技を行う「不正行為」が、種々のパチンコホールで行われている。そして、参考発明5は、このような「不正行為」の防止を意図してなされたものである。つまり、参考発明5によると、真偽情報を識別情報に含ませるため、主制御基板の不正な交換を早期に発見し、「不正行為」を防止することができる。尚、参考発明5においては、識別情報を真偽情報のみで構成してもよいし、真偽情報及び他の情報(基板情報やリサイクル情報)で構成してもよい。
本明細書において参考的に開示する第6の参考発明(以下、「参考発明6」という。)の遊技機は、参考発明1〜参考発明5のうちの何れかの発明に係る遊技機において、
前記識別情報には、当該遊技機の機種を特定するための情報及び当該遊技機を製造したメーカを特定するための情報のうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする。
参考発明6も、参考発明4及び参考発明5の発明と同様に、識別情報の具体例を示している。尚、参考発明6においては、参考発明6に例示する識別情報のみで構成してもよいし、この情報及び他の情報(リサイクル情報、真偽情報等)で構成してもよい。
本明細書において参考的に開示する第7の参考発明(以下、「参考発明7」という。)の配線基板は、
配線基板本体と、該配線基板本体に実装される電子部品と、該配線基板本体に装着される識別用部材と、を具備する配線基板であって、
前記識別用部材は、前記電子部品と略同一の外形を備える外郭体と、該外郭体に埋設される識別用部材本体を備え、
該識別用部材本体が、前記配線基板を識別するための識別情報の書き込み及び読み出しが可能な記憶手段を有するICチップを具備すると共に、所定の書き込み手段の無線を用いた要求に応じて、前記識別情報を前記記憶手段に書き込む処理を実行し、所定の読み取り手段の無線を用いた要求に応じて、前記識別情報を該読み取り手段に送信する処理を実行することを特徴とする。
参考発明7によると、参考発明1と同様な効果が得られる。この参考発明7の発明の配線基板は、参考発明1の遊技機において好適に使用される配線基板であるが、遊技機以外の電化製品の配線基板としても好適に使用できる。
この参考発明7の配線基板において、
「導体パターンの一部を構成する実装部と、ハンダを付着可能な素材を用いて構成される装着部とを、前記配線基板本体に設けると共に、
前記実装部に対して前記電子部品をハンダを用いて実装し、前記装着部に対して前記識別用部材をハンダを用いて装着すること」を特徴としてもよい(以下、「関連発明1」という。)。
また、参考発明7の配線基板、又は、関連発明1の配線基板において、
「前記装着部を一部に含んで構成される疑似導体パターンを、前記導体パターンとは電気的に導通しない状態にて、前記配線基板本体に形成すること」を特徴としてもよい(以下、「関連発明2」という。)。
本明細書において参考的に開示する第8の参考発明(以下、「参考発明8」という。)の配線基板は、
配線基板本体と、該配線基板本体に実装される電子部品と、該配線基板本体に装着される識別用部材と、を具備する配線基板であって、
前記識別用部材が、
前記配線基板本体の表面に対して第1の粘着力を用いて粘着されると共に、シート状の外郭体と、該外郭体に埋設された識別用部材本体とを有する第1のシート状部材と、
前記第1のシート状識別用部材の表面、及び、前記配線基板本体の表面のうちの少なくとも一方に、前記第1の粘着力よりも弱い第2の粘着力を用いて粘着される第2のシート状部材と、を具備し、
該識別用部材本体が、前記配線基板を識別するための識別情報の書き込み及び読み出しが可能な記憶手段を有するICチップを具備すると共に、所定の書き込み手段の無線を用いた要求に応じて、前記識別情報を前記記憶手段に書き込む処理を実行し、所定の読み取り手段の無線を用いた要求に応じて、前記識別情報を該読み取り手段に送信する処理を実行し、
前記第2のシート状部材には、前記識別情報とは異なる他の識別情報で構成される基板情報が付与されることを特徴とする。
本明細書において参考的に開示する第9の参考発明(以下、「参考発明9」という。)の配線基板は、参考発明7又は参考発明8の遊技機において、
前記識別情報には、前記配線基板のリサイクル情報が含まれることを特徴とする。
参考発明9の配線基板は、参考発明4の遊技機において好適に使用される配線基板であるが、遊技機以外の電化製品の配線基板としても好適に使用できる。
参考発明7、参考発明8、参考発明9、関連発明1、関連発明2のうちの何れか一の発明に係る配線基板において、
「前記識別情報には、当該遊技機と、前記配線基板との対応関係が正しいか否かを識別するための真偽情報が含まれること」を特徴としてもよい(以下、「関連発明3」という。)。
参考発明7、参考発明8、参考発明9、関連発明1〜関連発明3のうちの何れか一の発明に係る配線基板において、
「前記識別情報には、当該遊技機の機種を特定するための情報及び当該遊技機を製造したメーカを特定するための情報のうちの少なくと1つが含まれること」を特徴としてもよい。
以上記述したように本各発明によれば、製造コストを抑えつつ、種々の識別情報を発信可能な配線基板備える遊技機が得られる。
以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
A.実施例1
(1)機械的な構造
先ず、この遊技機1の機械的な構造について、図1〜図13を参照して説明する。この遊技機1は、遊技機本体と、この遊技機本体を固定するための遊技機枠とを備えている。ここで、遊技機枠とは、遊技機1のうちで、パチンコホールの島設備に固定される枠状の部分であって、外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4とを備えている。一方、遊技機本体は、遊技機1のうちで、遊技機枠(2、3、4等)に着脱自在に固定される部分であって、遊技盤10と、裏機構盤102等とを主要部としている。
この遊技機1の前面部は、遊技機枠を構成する外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4とを備え、この遊技機枠には、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とが設けられている。尚、図1及び図2においては、遊技盤10の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。また、中枠3は、全体がプラスチック製であり、外枠2の内側に嵌めこまれている。また、中枠3は、上側2/3程度を示す枠体部3aと、下側1/3程度を示す下板部3bと、を有し(図2参照)、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。また、枠体部3aの前面側には遊技盤10と前面枠4とが重なるように設けられ、下板部3bの前面側には上皿部6と下皿部6とが設けられている。更に、中枠3の右端中央には施錠装置7(図1参照)が設けられている。
また、下板部3bには、遊技球を遊技盤10に発射する発射ユニット(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図8参照)等が配設されている。尚、本実施例のスピーカー400aは、中高音用ユニット(ツィータ)及び低音用ユニット(ウーハ)を含むマルチウェイ方式とされている。
前面枠4は、図1及び図2に示すように、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、全体がプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤10(図4参照)の盤面を前方から視認可能とするために、円形状の開口部4aを有している。つまり、この開口部4aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図4参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。そして、前面枠4の裏面には、開口部4aに応じて二枚のガラス板41rが嵌められた略長方形状のガラス枠41s(図2参照)が装着されている。
前面枠4には、左LED表示部4b、右LED表示部4c、左上LED表示部4d、右上LED表示部4e、中上LED表示部4f、4fが設けられている。これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めること等を目的として、ゲームの進行に応じて点灯及び消灯したり、点滅する。尚、左LED表示部4bは開口部4aの周囲の左側に略円弧状に設けられ、右LED表示部4cは開口部4aの周囲の右側に略円弧状に設けられている。また、左上LED表示部4dは左LED表示部4bの左斜め上方に設けられ、右上LED表示部4eは右LED表示部4cの右斜め上方に設けられている。更に、中上LED表示部4f、4fは略円形状に形成され、左上LED表示部4dの上端部と右LED表示部4cの上端部との間に2個配置されている。
また、2個の中上LED表示部4f、4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。更に、賞球LED表示部4gの上方には、エラーLED表示部4hが略扇形に設けられている。
図3は、各種LED基板4i〜4oの位置関係を示す説明図である。各種LED基板4i〜4oは、中枠3の枠体部において、上述の各種LED表示部4b〜4fに対応する位置に設けられている。具体的には、左LED基板4iは左LED表示部4bに対応し、右LED基板4jは右LED表示部4cに対応し、左上LED基板4kは左上LED表示部4dに対応し、右上LED基板4lは右上LED表示部4eに対応している。また、中上LED基板4mは中上LED表示部4fに対応し、賞球LED基板4nは賞球LED表示部4gに対応し、エラーLED基板4oはエラーLED表示部4hに対応している。
図1及び図2に示すように、上皿部5は、前面枠3の下方に設けられると共に、皿外縁部5aと、遊技機1の内部の遊技球を下皿部6に排出するための排出口5b等を備えている。尚、上皿部5の裏側には、音量スイッチ基板12(図8参照)が設けられ、皿外縁部5aには球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が設けられている。
下皿部6は上皿部5の下方に設けられると共に、この下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部6の右端には発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿部6の上部には、灰皿6bの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
つまり、下皿部6の略中央手前側には、球抜き孔の開閉を行うための排出ノブ6cが設けられている。この排出ノブ6cはプルロック式に構成され、通常時は直立状態とされている。即ち、球抜き孔は排出ノブ6cに連動し、排出ノブ6cが直立状態のときに、球抜き孔は閉鎖状態とされる。そして、この排出ノブ6cは、上端を回転軸として下端を奥側に押圧することにより回動可能とされている。この排出ノブ6cの下端を奥側に倒したときに、球抜き孔は排出ノブ6cの回動に連動して開放状態とされると共に、排出ノブ6cは下端を奥側に倒した状態でロックされて球抜き孔の開放状態が保持され、遊技球を下皿部6から排出可能となる。また、下端を奥側に倒した状態でロックされている排出ノブ6cを更に奥側に押すと、排出ノブ6cのロックが解除され、排出ノブ6cを直立状態に戻すことがきる。そして、排出ノブ6cを直立状態に戻すと、球抜き孔は閉鎖状態に戻される。
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が設けられている。
尚、上皿部5の略中央部には第1音声出力部5cが設けられている。この第1音声出力部5cは、複数の長孔とその上部に形成された多数の小孔とで構成されている。そして、この第1音声出力部5cには、スピーカー400aを構成する中高音用ユニット(ツィータ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、下皿部6における排出ノブ6cの右側及び左側には第2音声出力部6dが設けられている。この第2音声出力部6dには、スピーカー400aを構成するユニット(ウーハ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、本遊技機1では、上皿部5の前面における左端側の部位に、2つの操作ボタンB1、B2を配置している。
次に、遊技盤10は、遊技機枠の一部を構成する「中枠3(図1及び図2参照)」に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図7参照)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央装置26と、始動口(普通電動役物171)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車24、25等が配設されている。
図4に示すように、中央装置26は遊技領域11の略中央部に配置されると共に、液晶表示装置27を備えている。この液晶表示装置27の表示画面271は、図5(a)に示すように、その下縁側に横長に形成された主表示領域271Aと、表示画面271の大部分を占める演出用表示領域271Bとを備えている。このうち、主表示領域271Aは、右端寄りの部分に、識別情報としての2つの本図柄を表示する本図柄表示部272、273を形成し、略中央に特別図柄保留表示部16aを形成している。
また、演出用表示領域271Bは、識別情報としての3つの疑似図柄を表示する3つの疑似図柄表示部275〜277と、その他の部分で構成される背景画面表示部278とを備えている。尚、本実施例では、本図柄を表示するための領域(主表示領域271A)と、演出専用図柄(疑似図柄や背景図柄)を表示するための領域(演出用表示領域271B)とが、「特別図柄表示手段」において区画されているが、「特別図柄表示手段」の同一の領域に、本図柄と演出専用図柄とを表示してもよい。また、本明細書において、識別情報としての本図柄と疑似図柄を、特別図柄と称することがある。
2つの本図柄表示部272、273は、疑似図柄表示部275〜277よりも小型(例えば、1/10〜1/100)で、認識困難とされているので、遊技者は、主に演出表示領域271B(疑似図柄表示部275〜277、背景画面表示部278)に注目して、遊技を進行することになる。そして、個々の本図柄表示部272、273において、本図柄が変動表示された後に、確定表示される。
この液晶表示装置27においては、始動入賞を生ずること(始動口17に、遊技球が入賞すること)を前提に、特別図柄(本図柄及び疑似図柄)の変動開始条件(つまり、特別図柄変動開始条件)が成立すると、その表示画面271の表示領域(主表示領域271Aと、演出用表示領域271B)に表示される各図柄(本図柄及び疑似図柄)が、それぞれ変動する。そして、特別図柄始動入賞を生ずる毎に選択・設定される「特別図柄の変動時間」が経過すると、特別図柄(本図柄及び疑似図柄)の確定図柄が確定表示される。
つまり、本図柄表示部272、273によって、本図柄を所定の変動時間だけ、変動表示した後に、本図柄の確定図柄が確定表示がなされる。また、演出用表示領域271Bにおいても、3つの疑似図柄(演出専用図柄の一具体例を示す)の変動表示と、背景図柄の表示とを、「本図柄と同一の変動時間」だけ、行った後、3つの疑似図柄の確定図柄が確定表示される。尚、本実施例では、遊技機1が「特別図柄変動時間」を短縮化する制御を受けているか否かによって、この変動時間は異なったものとされる。
本図柄表示部272、273に、大当り図柄(後述する)が確定表示(停止表示)されると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口311が開放され、遊技者に「特別遊技(特別遊技状態)に係る特典」が付与される。つまり、2つの本図柄は、その確定表示(停止表示)の態様によって、「特別遊技(特別遊技状態)に係る特典を遊技者に付与するか否かに関する判定の結果(つまり、「当否判定」の結果)」を表示する。
尚、本明細書において、右側(遊技者を基準に左右を定める。以下の説明においても同様)の本図柄表示部272を「第1本図柄表示部272」と称すると共に、この本図柄表示部272に表示される本図柄を「第1本図柄」と称することがある。また、左側の本図柄表示部273を「第2本図柄表示部273」と称し、この本図柄表示部273に表示される本図柄を「第2本図柄」と称することがある。
本実施例では、始動入賞を生ずると、当否判定を実行するための、判定実行条件が成立する。また、両本図柄表示部272、273では、始動入賞を生ずることを前提に、特別図柄の変動開始条件が成立すると、本図柄の変動表示を開始する。即ち、図5(b)及び(c)に示すように、両本図柄表示部272、273では、「1」〜「9」の数字をこの順に表示した後、「1」の戻り、更に、「1」〜「9」の数字をこの順に表示することを繰り返す。尚、図5(b)に示すように、「第1本図柄表示部272」に表示される「1」〜「9」の数字は、赤色で表示される場合と、青色で表示される場合とがある。
両本図柄表示部272、273に、「特別遊技(特別遊技状態)に係る特典を遊技者に付与するか否かに関する判定(つまり、当否判定)」の結果を示す確定図柄が確定表示されると、遊技者に対して、以下の情報が発信される。つまり、両本図柄表示部272、273に同一の数字が確定表示されると、当否判定の結果が大当りであることを示す。このとき、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が赤色の表示であれば、当否判定の結果が「大当り」であると共に、「確率変動を行うか否かの判定結果」も「当り」であること(以下、「確変当り」と称する)を示す。また、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が青色の表示であれば、「当否判定」の結果が「大当り」であるが、「確率変動を行うか否かの判定の結果」は「外れ」であること(以下、「通常当り」と称する)を示す。
この「確率変動」は、特別遊技以外の「遊技上の特典」の具体例を示しておいり、特別図柄始動入賞を生ずると、「確率変動に係る特典を遊技者に付与するか否かの判定」を実行するための、判定実行条件が成立する。この「確率変動」は、所定の「確変当り」に係る特別遊技の実行後において、「確率変動終了条件」が成立するまでの間、当該遊技機1において「大当り」が発生する確率(当否判定において、大当りと判定される確率)を高確率に設定することを内容とする特典である。尚、「確変当り」を生じた場合には、当該「確変当り」に係る特別遊技の実行後に、液晶表示装置27の表示画面271に、「以後、当該遊技機1の遊技状態が、確率変動状態に制御される旨(確変突入)」の表示がされ、当該遊技機1の遊技状態が確率変動状態に制御される。
図5に示す「両本図柄表示部272、273」に、異なる数字が確定表示されると、「当否判定(特別遊技に係る特典を付与するか否かの判定)」の結果が「外れ」であることを示す。尚、この場合、「確率変動に係る特典を遊技者に付与するか否かの判定」の結果も落選となる。
図5(a)に示すように、演出用表示領域271Bには、疑似図柄表示部275〜277が表示されることがある。尚、この疑似図柄表示部275〜277は、演出用表示領域271Bの下半部において3つ並んで配置される。また、以下の説明において、遊技者から見て左側の疑似図柄表示部275を「左疑似図柄表示部275」と称し、遊技者から見て中央の疑似図柄表示部276を「中疑似図柄表示部276」と称すると共に、遊技者から見て右側の疑似図柄表示部277を「右疑似図柄表示部277」と称する。
また、演出用表示領域271Bに疑似図柄表示部275〜277が表示されるときには、この演出用表示領域271Bのその他の部位によって背景画面表示部278が表示される。そして、この背景画面表示部278には、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)が表示することができる。
疑似図柄表示部275〜277では、前述の本図柄表示部272、273と、同時に図柄変動を開始する。そして、この疑似図柄表示部275〜277に、確定表示される確定図柄(停止図柄)には、図6(a)〜(c)に示す態様がある。即ち、図6(a)の「外れを示す停止図柄」と、図6(b)の「通常当りを示す停止図柄」と、図6(c)の「確変当りを示す停止図柄」とがある。このうち、「外れを示す停止図柄」は、3つの疑似図柄表示部275〜277のうちの少なくとも2つに異なる数字を表示して構成される。また、「通常当りを示す停止図柄」は、「1」、「2」、「4」、「6」若しくは「8」のうちの何れかの数字を3つ並べて構成される。更に、「確変当りを示す停止図柄」は、「3」、「5」、「7」若しくは「9」のうちの何れかの数字を3つ並べて構成される。
ここで、この疑似図柄表示部275〜277においても、特別図柄始動入賞を前提に、特別図柄の変動開始条件が成立すると、図柄の変動(疑似図柄の変動)を開始すると共に、背景画面表示部278には動画が連続的に表示される。この際、変動途中の疑似図柄の表示態様は、それ自体単独で、若しくは、背景の動画が示すメッセージに呼応して、回転、拡大、縮小等を行ってもよい。
尚、本実施例では、疑似図柄表示部275〜277に確定表示される疑似図柄(以下、「確定疑似図柄」という。)の表示内容と、両本図柄表示部272、273に確定表示される本図柄の表示内容(以下、「真実の判定の結果の内容」という。)とが一致している。つまり、本図柄の確定図柄によって「確変当り」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって「確変当り」が表示され、本図柄の確定図柄によって「通常当り」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって、「通常当り」が表示される。また、本図柄の確定図柄によって「外れ」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって、「外れ」が表示される。
このように、疑似図柄表示部275〜277では、本図柄表示部272、273と同時に図柄変動を開始し、同時に図柄変動を停止する。そして、疑似図柄表示部275〜277には、本図柄表示部272、273と同一内容(例えば、両者とも確変当り、両者とも通常当り、両者とも外れ)の確定表示がなされる。つまり、疑似図柄表示部275〜277に確定表示される表示内容が、本図柄表示部272、273に確定表示される表示内容と矛盾することはない。但し、疑似図柄表示部275〜277においては、その変動の開始から停止に至るまでの間に種々の演出表示が実行される。つまり、疑似図柄表示部275〜277では、所謂「リーチ演出」や所謂「再抽選演出」を行う。
尚、この「リーチ演出」とは、「特別図柄表示手段に、特別遊技に関する判定の最終結果(当否判定の結果)等が表示される前において、特別遊技の実行(大当りの発生)の可能性が継続している状態のときに、この特別図柄表示手段において表示される演出表示」のことを指す。即ち、「特別図柄表示手段」の所定の表示部に表示される最終停止図柄(本図柄の確定図柄や疑似図柄の確定図柄)となる表示図柄以外の図柄(本図柄や疑似図柄)が、大当りとなる特定の停止図柄態様(大当りとなる複数の本図柄の確定図柄態様や、大当りとなる複数の疑似図柄の確定図柄態様)と一致している状態で所定時間継続して停止、揺動、拡大、縮小あるいは変形したり、複数の表示図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄(変動中の本図柄や、変動中疑似図柄)の位置が入れ替わっている状態等を指す。
例えば、「特別図柄表示手段」の表示部が、本図柄を表示するための表示領域(つまり、本図柄表示部)や疑似図柄を表示するための表示領域(つまり、疑似図柄表示部)を横方向、縦方向、若しくは傾斜方向にライン状に並べる場合においては、一方の端(例えば、左側、上側、若しくは、斜め上側)の表示領域で変動表示されている端図柄(例えば、「左の図柄」、「上の図柄」、若しくは、「斜め上の図柄」)、他方の端(例えば、右側、下側、若しくは、斜め下側)の表示領域で変動表示されている端図柄(例えば、「右の図柄」、「下の図柄」、若しくは、「斜め下の図柄」)、中間(例えば、真ん中)の表示領域で変動表示されている「中の図柄」の順に図柄が停止し、これら表示図柄がすべて同一図柄で揃った場合に大当りとなるものとする。
このとき、最終停止図柄である「中の図柄」以外の図柄(例えば、「左の図柄」及び「右の図柄」、「上の図柄」及び「下の図柄」、「斜め上の図柄」及び「斜め下の図柄」)が同一図柄で停留している状態をリーチ状態という。そして、このリーチ状態となると、「中の図柄」の変動表示パターンを通常状態とは異なる変動表示パターンとしたり、あるいはそのとき同時に画面をフラッシュさせたり、何らかのサインやキャラクターを登場させたりするなどいろいろな表示態様を採ることで、遊技者の大当り発生に対する期待感を大きくさせ、遊技興趣を盛り上げるように構成してもよい。
本実施例では、本図柄表示部272、273において、前記「大当り判定」の結果が「大当り(確変当り、通常当りの何れでもよい。)」であることを示す確定図柄を確定表示する場合には、疑似図柄表示部275〜277にも、前記「大当り判定」の結果が「大当り(確変当り、通常当りの何れでもよい。)」であることを示す確定図柄を確定表示する。この場合、疑似図柄の変動途中において、疑似図柄表示部275〜277では、リーチ表示が行われる。このリーチ表示の態様としては、疑似図柄の変動時間(つまり、本図柄の変動時間)が短い場合や通常の長さに簡単に行われると、疑似図柄の変動時間(つまり、本図柄の変動時間)が長い場合に行われる発展型のリーチ(スーパーリーチ)とがある。
また、本図柄表示部272、273において、前記第1の判定(大当り判定)の結果が「外れ」であることを示す「確定図柄」を確定表示する場合には、疑似図柄表示部275〜277にも、前記当否判定の結果が「外れ」であることを示す確定図柄が確定表示される。この場合、疑似図柄の変動途中において、疑似図柄表示部275〜277で、リーチ表示を行う場合(以下、「リーチ外れ表示」という)と、リーチ表示を行わない場合(以下、「通常外れ表示」という。)とがある。尚、リーチ外れ表示を行う場合も、実施されるリーチ表示の態様としては、「ノーマルリーチ」や「発展型のリーチ」を例示できる。
また、本実施例では、疑似図柄表示部275〜277において、「再抽選演出」を行うことがある。つまり、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄の変動表示の後に、一旦、「偽りの判定の結果の内容」を示す疑似図柄を仮停止させる(以下、この仮停止された疑似図柄を「仮確定疑似図柄」という。)。そして、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄を再度、変動表示した後に、「真実の判定の結果の内容」と一致する内容の疑似図柄(確定疑似図柄)を確定表示してもよい。具体的には、本図柄表示部272、273において、「確変当りを示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部275〜277において、一旦、「通常当りを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動(再抽選表示ともいう。)させ、最終的に、「確変当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。
また、疑似図柄表示部275〜277において、「再抽選演出」以外の態様の「再変動演出」を行ってもよい。例えば、本図柄表示部272、273において、「当り(通常、確変の何れでもよい。)を示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部275〜277において、一旦、「外れを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動させ、最終的に、「当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。更に、再抽選やその他の再変動の実行の可否等は、主制御部140で抽選してもよいし、副制御部(170若しくは160)によって抽選してもよい。
尚、各請求項に係る発明において、本図柄表示部272、273の表示態様は、本実施例に例示するものに限定されない。例えば、本図柄表示部272、273の少なくとも一方を、2つ又は3つ以上の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)で構成する。そして、この複数の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)で、複数の特別図柄(識別情報)を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、特別図柄の組み合わせ図柄を、停止表示させてもよい。例えば、液晶表示装置27に、左特別図柄を表示する左特別図柄表示領域と、中特別図柄を表示する中特別図柄表示領域と、右特別図柄を表示する右特別図柄表示領域とを、略横一列に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成する。そして、各特別図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向に図柄変動方向が設定され、その向きで変動しているように識別情報としての複数の図柄(特別図柄)が順次表示されていくようにしてもよい。これらの態様では、例えば、表示画面271の本図柄表示部に、同一図柄(例えば、「7、7、7」)で揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口311を開放してもよい。
更に、本実施例では、本図柄表示部272、273を認識困難としていることから、疑似図柄表示部275〜277において、所謂「リーチ演出」を行うが、本図柄表示部272、273において「リーチ演出」を行ってもよい(尚、本図柄表示部272、273で、リーチ演出を行う場合には、本図柄表示部272、273の数を3つ、若しくは、9つ等にする必要がある。)。また、本実施例では、同一の液晶表示装置27に、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277とを設けたが、両者を別体の表示装置27に設けてもよい。
図5(a)に戻り、特別図柄保留表示部16aは、特別図柄始動入賞のうちで、未消化の状態にあるもの数(保留数)を、所定数を上限(例えば、4個、若しくは、4個以上の数)として表示するものである。尚、「未消化」の状態とは、例えば、特別図柄始動入賞を生じたが、液晶表示装置27において、当該特別図柄始動入賞に係る当否判定の結果の表示が未だなされていない状態等を指す。
この特別図柄保留表示部16aには、「1」〜「4」までの数字を表示するための「数字表示部161a〜164a」を横方向に並べている。そして、保留数(特別図柄保留数)に対応する数字表示部161a〜164aを点灯させたり、全数字表示部161a〜164aを消灯させることで、その時点の保留数が表示される。例えば、全「数字表示部161a〜164a」が消灯状態とされると、その時点の保留数が「0」であると表示される。また、左端の数字表示部161aを点灯すると、その時点の保留数が「1」であると表示され、点灯する数字表示部を右方向に1つずつ増加させていくと、保留数が1つずつ増加する。そして、全数字表示部164aを点灯すると、その時点の保留数が「4」であると表示される。
この特別図柄保留表示部16aでは、始動入賞{始動口(普通電動役物)17への入賞}を生ずるごとに、表示する保留数を1つずつ増加させる。また、次の特別図柄の変動(本図柄表示部272、273における変動)を開始するたびに、保留数が消化され、特別図柄保留表示部16aによって表示される保留数が1つずつ減少する。尚、この特別図柄保留表示部16aを、表示画面271とは別体の装置として構成することもできる。
図4に戻り、中央装置26の上部中央には、普通図柄表示装置32が配置されている。この普通図柄表示装置32は、7セグメント表示器32aと、普通図柄保留表示LED32bとを有している。7セグメント表示器32aは、普通図柄表示手段の具体例を示すものであり、普通図柄(例えば、1〜9の奇数数字)を変動表示させた後、普通図柄に関する当否抽選(つまり、普通電動役物171を開放状態に変化させるか否かの抽選)の結果を示す停止図柄(普通図柄の停止図柄であって、例えば、1〜9の奇数数字のうちの何れか)を停止表示する。
後述する左右の普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)36、37のいずれかを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件(つまり、普通図柄変動開始条件)」が成立すると、7セグメント表示器32aにおいて、普通図柄の変動表示を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示すると、「普通電動役物171」が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
中央装置26の左右斜め下方には、普通図柄作動ゲート36、37がそれぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37s(図8参照)が配設されている。この左、右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37sは、「第1の検出手段」の具体例を構成している。そして、前述のように、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置32における7セグメント表示器32aが変動表示する。
普通図柄保留表示LED32bは、4個の丸形の赤色LEDで構成され、7セグメント表示器32aの左右両側に近接して配置されている。これは、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の7セグメント表示器32aの変動表示が開始されるたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED32bが消灯される。
始動口17は、中央装置26とは別体に構成されると共に、中央装置26の下方に離れて配設されている。そして、この始動口17の入口側部分に、普通電動役物171が配置されている。つまり、この普通電動役物171は、「可変入球手段」の具体例を構成すると共に、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。
また、普通電動役物171の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物171)入賞検出スイッチ17s(図8参照)と、翼片部を作動させるための始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図8参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
変動入賞装置18は、上記始動口(普通電動役物171)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図8参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検出する入賞球検出スイッチ318(図8参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
また、左下入賞口21は、始動口(普通電動役物171)17の略斜め左下側に配設されて、内部に左下入賞口通過検出スイッチ21s(図8参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223が左下入賞口LED基板21f(図8参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、始動口(普通電動役物)17の略斜め右下側に配設されて、内部に右下入賞口通過検出スイッチ22s(図8参照)が設けられている。そして、この右下入賞口22の下方には複数個の右下入賞口LED224が右下入賞口LED基板22f(図8参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。
変動入賞装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検出スイッチ19s(図8参照)、右入賞口通過検出スイッチ20s(図8参照)が設けられている。また、中央装置26の左右斜め上方には、一対のランプ風車24、25がそれぞれ配設されている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。なお、多数の障害釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
本遊技機1では、図1に示すように、上皿部5の前面における左端側の部位に操作ボタンB1、B2を配設している。この操作ボタンB1、B2は、液晶表示装置27の表示画面271で行われる表示に変更を加えるためのものである。このような変更の具体例としては、(a)所定の有効期間内(操作ボタンB1、B2の操作が有効な期間)に、何れかの操作ボタン(B1若しくはB2)を操作すると、第1本図柄表示部272で「変動演出表示」中の本図柄(第1本図柄)を、本来の変動時間(仮に、有効な操作ボタンB1、B2がなされない場合の変動時間)の終了を待たずに強制的に停止させること(以下、「一部変動短縮処理」という。)や、(b)この有効期間から選択される所定の期間内に、何れかの操作ボタン(B1若しくはB2)を操作すると、演出用表示領域271Bで表示される専用演出表示の態様を、複数種類の態様の中から選択すること、等を例示できる。このれらの場合、遊技者は、操作ボタンB1、B2を操作することで、あたかも、液晶表示装置27の表示画面271行われる演出等に参加しているような気分を味わうことができる。
尚、本遊技機1では、複数の操作手段(操作ボタンB1、B2)を備えると共に、遊技者が何れの操作手段(操作ボタンB1、B2)を操作しても、同一の結果を生ずる。例えば、何れの操作ボタンB1、B2に、特定の操作(有効期間内における第1回目の操作)を施しても、「一部変動短縮処理」が実行される。また、特定の操作の後、「所定の期間内」であれば、何れの操作ボタンB1、B2に操作を施しても、「専用演出表示の態様選択」が実行されるものとしてもよい。但し、複数の操作手段(操作ボタンB1、B2)を有する遊技機1において、個々の操作手段が別個の機能を発揮してもよい。
「専用演出表示」の選択態様としては、例えば、(a)疑似図柄の表示態様を選択すること(例えば、複数の疑似図柄を横並び表示するか、縦並び表示するか、傾斜状に表示するか、マトリクス状に表示するか等を選択したり、疑似図柄を構成する数字、文字等のサイズ、字体等を選択すること等)、(b)複数種類(例えば、10種類)の背景図柄から所望の背景図柄を選択すること、(c)背景図柄上に表示するキャラクター図柄を選択すること、(d)本図柄若しくは疑似図柄によって、リーチ演出を行う場合には、そのリーチ選出パターンやリーチ演出の種類を選択すること、若しくは、(a)〜(d)のうちの2つ以上の事項を選択すること、等を例示できる。
図4に戻り、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図7を参照して説明する。前面枠4(図1及び図2参照)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。遊技盤10(図4参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検出スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検出スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
また、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、液晶表示装置27(図4参照)を格納した蓋付きの裏ケース111が設けられ、この裏ケース111の下側には、後述する主制御部140(図8参照)として、裏側遊技装置としての主制御基板340{図9(a)参照}を格納した格納容器としての主制御基板ケース112が配設されている。
この主制御基板ケース112の背面下側には、発射装置制御部193(図8参照)として発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113、及び発射制御集合中継基板(図示略)が設けられている。また、裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が、同じく右下方部には、払出制御部150(図8参照)として、払出制御基板350{図9(b)参照}を格納した格納容器としての払出制御基板ケース118が設けられている。更に、前記主制御基板ケース112の右側上方に裏側遊技装置としての中継基板190が装着されている。
前記中継基板190は、図8にも示すように、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。尚、本実施例においては、主制御基板ケース112、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
一方、裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板122が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板122の上側に配設されている。また、払出制御基板350{図9(b)参照}を格納した払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。更に、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。尚、本実施例では、電源ターミナル基板121に対して、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ(図示を省略)を接続しているが、このラムクリアスイッチの接続を省略したり、ラムクリアスイッチの接続個所を変更してもよい。
ここで、本遊技機1は種々の配線基板を備えているが、本遊技機1を構成する全ての配線基板に対して「識別用部材」を装着してもよし、全ての配線基板から選択される所定の配線基板に対して「識別用部材」を装着してもよい。つまり、本遊技機1は配線基板として、前述した種々の配線基板(主制御基板340、発射装置制御基板、払出制御基板350、中継基板190、電源ターミナル基板121、端子基板122、電源ターミナル基板121)の他に、後述する各種の配線基板{音声・ランプ制御基板370(制御基板370、駆動基板380)、電源受電基板410、分電基板430、普通図柄表示装置基板32f、払出用端子基板191、図柄制御基板360、画像制御基板361等)を備えるが、これら全ての配線基板に「識別用部材」を装着しても、これらの配線基板から選択される所定の配線基板に対して「識別用部材」を装着してもよい。
尚、これらの配線基板の中には、主制御基板340等のように、ケース(例えば、主制御基板ケース112)200に収納されつつ、遊技機1に組み込まれるものの他に、画像制御基板361等のように、部品ユニット(複数の部品を組み合わせてユニット化したもので、例えば、液晶表示ユニットUを例示できる。)の一部として遊技機1に組み込まれるもののや、その他の方法(例えば、直付けする)で遊技機1に組み込まれるものがあるが、何れの配線基板に対しても、「識別用部材」を装着することができる。
配線基板、識別用部材、ケース200、及び、部品ユニットの詳細に関しては後述する。
(2)遊技機1の電子制御装置130
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置130について、図8〜図13を参照して説明する。
a.遊技機1の制御回路の構成:
先ず、本遊技機1の制御回路の構成について説明する。電子制御装置130は、図8に示すように、主制御部140と、複数の副制御部とを含んで構成されている。この主制御部140は、当否判定(当否抽選)の制御等の遊技の基本進行を司る制御部である。また、副制御部は、主制御部140に直に接続された第1次副制御部と、第1次副制御部を介して主制御部140に接続された第2次副制御部とから構成されている。尚、主制御部140と第1次副制御部とは信号伝送経路500aによって接続され、第1次副制御部及び第2次副制御部は信号伝送経路500bによって接続されている。
本実施例では、払出制御部(主として賞球の払出制御を行う賞球払出制御部)150と音声・ランプ制御部170とが第1次副制御部に該当し、発射装置制御部193や図柄制御部160等が第2次副制御部に該当する。ここで、図9(a)及び(b)に示すように、主制御部140は主制御基板340を備え、払出制御部150は払出制御基板350を備えている。また、図12に示すように、図柄制御部160は図柄制御基板360を備え、図13に示すように、音声・ランプ制御部170は音声・ランプ制御基板370を備えている。
また、主制御部140から、払出制御部150および音声・ランプ制御部170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータが伝送される。また、本実施例では音声・ランプ制御部170から図柄制御部160へも一方向形式でデータが伝送されるものとして説明するが、音声・ランプ制御部170と図柄制御部160との間では双方向形式でデータを伝送することとしてもよい。
尚、図8に示した破線の矢印は、各制御部140ないし180への電源供給経路を表している。図示されているように、電源は先ず初めに電源受電基板410に供給され、電源ユニット420で所定電圧に変換された後、分電基板430から各制御部140ないし180に電力が供給される。更に、電源投入時には、後述するシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
詳細には後述するが、主制御部140は各種スイッチや検出器などからの情報を受け取って所定の演算を行った後、払出制御部150や音声・ランプ制御部170に各種のコマンドを出力するとともに、各種の基板やソレノイドなどに駆動信号を出力する。以下では、主制御部140や、払出制御部150、音声・ランプ制御部170、図柄制御部160、各種基板などの構成について順番に説明する。
主制御部140は、主制御基板ケース112に格納された主制御基板340によって主に構成されており、主制御基板ケース112は、不正行為者が容易に開閉できないような構造に形成されている。図10は、主制御基板340の構成を概念的に示した説明図である。図示されているように、主制御基板340は、CPU401を含む主回路部400と入出力回路部500とが、バスで接続されて相互にデータをやりとり可能に構成されている。主回路部400には、CPU401と、発振部410と、リセット回路部450と、I/Oデコード回路部420と、データバス安定化部411と、第1外部入力回路部430などが設けられている。
図11は、CPU401の詳細な構造を示した説明図である。図11に示すようにCPU401は、CPUコア480と、内蔵RAM481と、内蔵ROM482と、メモリ制御回路483と、クロック発生器484と、アドレスデコーダ485と、ウオッチドッグタイマ486と、カウンタ/タイマ487と、パラレル入出力ポート488と、リセット/割り込みコントローラ489と、外部バスインターフェース490と、出力制御回路491などから構成されている。CPU401は、ワークエリアとしてRAM481を使用しながら、ROM482に格納された制御プログラムを実行することにより、遊技機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司るとともに、ROM482に記憶された当否判定プログラムを実行することにより、当否判断制御を行う。
上述した主回路部400とともに主制御基板340を構成する入出力回路部500には、外部端子部145が接続されており、この外部端子部145によってパチンコホールの「ホールコンピューター」に接続されている。主制御基板340はRAMクリア処理を実行するに際して、RAMクリア信号をONにした後、一定時間経過後に再びOFFとする動作を行うが、このRAMクリア信号は外部端子部145を介してパチンコホールのシステム等に報知されている。このため、不正行為者によってRAMクリア処理が実行された場合には、不正行為者に悟られることなく、パチンコホールの管理者側で不正行為を検知することが可能となっている。
入出力回路部500には、信号伝送経路500aを介して払出制御部150および音声・ランプ制御部170が接続されている(図8参照)。入出力回路部500は、払出制御部150や音声・ランプ制御部170での処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを、信号伝送経路500aを介して払出制御部150あるいは音声・ランプ制御部170に出力する。また、入出力回路部500からは、図柄制御部160での処理内容を指示するコマンドデータも出力される。図柄制御部160に対するコマンドデータは、一旦、音声・ランプ制御部170に向けて出力された後、音声・ランプ制御部170から信号伝達経路500bを経由して図柄制御部160に供給される。
加えて入出力回路部500には、始動口(普通電動役物171)入賞検出器(入賞検出スイッチ)17sや、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド17c,313、右普通図柄作動ゲート通過検出器(右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ)37s、左普通図柄作動ゲート通過検出器(左普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ)36sなどが接続されている。
また、図8、図9(a)及び図10に示すように、操作ボタンB1、B2は、中継基板280を介在させた状態で、操作信号伝送経路(信号線)Sを用いて主制御部140に接続されている。また、主制御部140には、操作信号入力回路部146が設けられ、この操作信号入力回路部146には信号線S1を介して、操作信号入力用のコネクタSNが接続されている。そして、このコネクタSNには、操作信号伝送経路Sの2次側の端部(主制御部140側の端部)が接続されている。尚、この操作信号入力回路部146と、この操作信号入力回路部146から引き出された信号線S1と、コネクタSNとによって、「操作信号入力部」の一具体例を構成している。
払出制御部150は、図9(b)に示すように、主に、払出制御基板ケース118に格納された払出制御基板350によって構成されている。この払出制御基板350は、主制御基板340と同様に、主回路部600と入出力回路部700とがバスで相互にデータをやりとり可能に接続されて構成されている。また、入出力回路部700には信号伝送経路500aが接続されており、主制御基板340から出力された前述のコマンドデータは信号伝送経路500aを介して入出力回路部700に入力される。また、入出力回路部700には、賞球払出装置109や発射装置制御部193なども接続されている。
音声・ランプ制御部170は、図13に示すように、スピーカー400aやランプ等の制御を主に行うための制御基板370と、制御基板370からの命令を受けて、ランプ等に駆動信号を出力するための駆動基板380の、主に2つの基板から構成されている。このうち、制御基板370には、演算回路構成要素として、CPU171と、RAM172と、ROM173と、入出力ポート174と、サウンドジェネレータ176と、コネクタCN1が設けられており、これらがバス175で相互にデータをやりとり可能に接続されている。また、サウンドジェネレータ176は、予め記憶された音声データをゲームの進行に合わせて再生することで、スピーカー400aから各種の音声を出力する。尚、スピーカー400aから出力される音量は、音量スイッチ基板12によって調整可能となっている。
また、入出力ポート174には信号伝送経路500aが接続されている。前述した主制御部140が、特別図柄の変動・停止、リーチ発生、リーチ表示の態様、特別遊技態様、確率変動や時短などの遊技モードを指示する制御命令を出力すると、出力された各種の制御命令は信号伝送経路500aを介して入出力ポート174に入力される。そして、制御基板370では、このような制御命令を受け取ると、ROM173に予め記憶されているプログラムに従って所定の処理を行い、駆動基板380に向かって各種の命令を出力する。また、制御基板370と駆動基板380とは、コネクタCN1とコネクタCN2とで互いに接続されている。
駆動基板380には、各種LEDやランプなどを駆動するための駆動信号を発生させる駆動回路部382と、発生した駆動信号を、各種LED基板4d,4f,19f〜22fや、各種ランプ基板216f,262f、枠飾り基板4gなどに出力するためのコネクタ出力部384とが設けられている。これら各基板にランプあるいはLED等が1個または複数個接続されており、コネクタ出力部384から供給される駆動信号により、ゲームの進行に対応して点灯・消灯または点滅する。尚、コネクタ出力部384を、駆動回路部382とは別基板に設ける構成としても良い。こうすることで、各種LEDなどのランプの数や色が変更されても駆動回路部382の変更を要しない場合には、コネクタ出力部384のみを変更して対応することが可能となる。
尚、パチンコ機1に、モータなどによって駆動される可動式役物が設けられている場合には、モータを駆動するための駆動回路を、駆動回路部382あるいはコネクタ出力部384に搭載することとしても良い。こうすれば、可動式役物の有無もしくは個数が変更された場合でも、容易に対応することが可能となる。
図柄制御部160は、図12に示すように、特別図柄制御基板360によって主に構成されている。この図柄制御部160は、演算回路構成要素としてCPU161と、RAM162と、ROM163と、入出力ポート164と、駆動回路166とを備えており、これら演算回路構成要素がバス165により接続されて相互にデータをやりとり可能に構成されている。また、入出力ポート164には、信号伝送経路500aや特別図柄表示手段27が接続されている。CPU161は、RAM162をワークエリアとして使用しながら、ROM163に格納された制御プログラムを実行することにより、中央装置26の制御を行っている。
中継基板190には、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等が接続されており、中継基板190の出力端子は、主制御部140の入出力回路部500と接続されている。
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検出スイッチ104及び補給球切れ検出スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、図9(b)に示す払出制御部150の入出力回路部700に接続されている。
以上の電子制御装置130においては、遊技球が始動口17に入球すると、その情報が始動口入球検出器17sによって検出されて、主制御部140に入力される。また、遊技球が普通図柄作動左ゲート36あるいは普通図柄作動右ゲート37を通過すると、その情報が普通図柄作動口通過検出器36s,37sにより検出されて、主制御部140に入力される。更に、入賞球検出スイッチ19s〜22s,318で遊技球の入球が検出されると、その情報は、中継基板190を介して主制御部140に入力される。
主制御部140は、これらの情報を受け取って、変動パタン指定コマンド、停止図柄指定コマンド、及び変動停止コマンドを送信する。これらのコマンドは、信号伝送経路500a、音声・ランプ制御部170、信号伝送経路500bを経由して図柄制御部160に供給される。図柄制御部160では、変動コマンドを受けとると、複数の変動態様から乱数等による抽選を行って変動態様を決定する。また、主制御部140は、図柄制御部160に出力するコマンドに同期させて、音声・ランプ制御部170にも所定のコマンドを送信する。こうして、図柄の表示と音声の出力とを併せて行うことによって各種の演出を行う。
b.賞球動作の概要
次に、本実施例のパチンコ機1の賞球動作について簡単に説明する。遊技球が大入賞口31に入球すると、大入賞口31の内部に設けられた入賞球検出スイッチ318がこれを検出して、入球を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。信号を受け取ると、主制御部140は後述する処理を行って、払出制御部150に向かって15個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する。また、遊技球が始動口(普通電動役物)17に入球した場合は、始動口の内部に設けられた始動口入賞検出スイッチ17sがこれを検出して、信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。この信号を受けて主制御部140は、後述する処理を行った後、4個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部150に向かって出力する。
左右下入賞口など、他の入賞口に入球した場合は、内部に設けられた通過検出スイッチが入球を検出して、入球した旨の信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。主制御部140は、後述する処理を行って10個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部150に向かって出力する。これら賞球コマンドは、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、遊技球の通過を検出した順番に従って信号伝送経路500aを介して送信される。払出制御部150は、こうして主制御部140から賞球コマンドを受け取って、賞球払出信号を出力することにより、賞球払出装置109を作動させて指示された個数分の賞球動作を行う。
また、主制御部140は、上述した各種検出スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、始動口(普通電動役物)入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ318等の検出結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、「遊技が行われていない客待ちの状態」、「遊技は行われているが特別図柄始動入賞がない状態(変動準備状態)」、「特別図柄始動入賞があった状態」、および「特別遊技状態」などを判断する。また主制御部140は、始動入賞を検出すると乱数値に基づいて当否判定を行い、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)や確定などの表示態様制御を行うための各種コマンドを出力する。これらコマンドは、前述した信号伝送経路500aを介して一旦、音声・ランプ制御部170に出力された後、音声・ランプ制御部170から信号伝送経路500bを介して図柄制御部160に送信される。
(5)主制御部による制御ジョブの概要
次に、前述の電子制御装置130によって実行される遊技機1の制御の内容について説明する。
a.主制御部メインジョブ
図16は、主制御部メインジョブの流れを示すフローチャートである。かかる主制御部メインジョブは、主制御部140に搭載された主制御基板340によって実行されるジョブであり、遊技機1における遊技全体の進行を制御するジョブである。この主制御部メインジョブは、遊技機1の電源が投入され、あるいはリセットスイッチが押された時に、主回路部401に内蔵されたCPU480が内蔵ROM482のブート領域に格納されているプログラムを読み出すことによって、自動的に開始される。
尚、本遊技機1では、この主制御部メインジョブ以外にも多数のジョブが存在するが、これらジョブの多くは、所定の条件が成立すると主制御部メインジョブから呼び出されることによって実行される。
主制御部メインジョブを開始すると、先ず、初めに初期化ジョブを実施する(S10)。ここで、図17は初期化ジョブの流れを示したフローチャートである。この初期化ジョブでは、電源投入時に行われる所定の各種処理を行った後(S12)、音声・ランプ制御部170に向かって初期図柄指定コマンドを出力する処理を行う(S14)。
尚、電源投入時に行われる各種処理とは、例えば、主回路部401に内蔵されているCPU480の動作チェックやRAMの初期化を行ったり、音声・ランプ制御部170や、払出制御部150、図柄制御部160などの各制御部を初期化する処理である。また、初期図柄とは、遊技機1の電源投入時あるいはリセットボタンを押されたときに、普通図柄表示装置32や液晶表示装置27(図4参照)などに表示される図柄を言い、初期図柄指定コマンドとは、これら初期図柄の表示を図柄制御部160に対して指定するコマンドである。
図18は、主制御部140から初期図柄指定コマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。主制御部140に設けられた主制御基板340は、1bitのストローブ信号と8bitのコマンドデータとを、音声・ランプ制御基板370に向かって出力する。また、音声・ランプ制御基板370では、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、初期図柄指定コマンドを確実に読み取ることができる。
尚、ここでは初期図柄指定コマンドを出力する場合について説明したが、主制御部140が出力する他のコマンドも同様の手順によって出力されている。こうしてストローブ信号とともに供給された初期図柄制定コマンドは、直ちに音声・ランプ制御部170から図柄制御部160に転送され、図柄制御部160の制御の下で普通図柄表示装置32あるいは特別図柄制御装置27のそれぞれに初期図柄が表示される。
以上の説明からも明らかなように、遊技機1では、主制御部140が所定の処理を行って各種のコマンドを出力し、このコマンドを受けて、音声・ランプ制御部170や図柄制御部160、払出制御部150など所定の処理を行うことによって遊技が進行する。換言すれば、主制御部140と、その他の各種制御部とは、互いに処理を分担しながら、遊技機1の動作を制御している。そこで、理解の便宜を図るために、以下では、主制御部140内で実施される処理は「ジョブ」と呼び、音声・ランプ制御部170や図柄制御部160などで行われる処理は「ルーチン」と呼んで区別することにする。例えば、図17に示した初期化ジョブ、あるいは図19に示したデモ表示ジョブは「ジョブ」という名前が示すように、いずれも主制御部140で実施される処理である。
主制御部140は、以上のようにして初期化ジョブを終了したら、図16に示した主制御部メインジョブに復帰して、今度はデモ表示ジョブを開始する(S30)。ここでデモ表示とは、遊技機1がいわゆる客待ち状態の時に、遊技客の注意を引きつけるために、普通図柄や特別図柄で特別に行われる演出の表示を言う。
図19は、デモ表示ジョブの流れを示すフローチャートである。デモ表示ジョブを開始すると、先ず初めに、発射ハンドル9に設けられたタッチスイッチ9a(図1を参照のこと)がONとなっているか否かを判断する(S32)。前述したように、遊技者が発射ハンドル9に触れていればタッチスイッチ9aはONになるから、タッチスイッチがONであれば(S32:YES)、客待ち状態ではないと判断される。そこで、このような場合はデモ表示は不要であり、直ちにデモ表示ジョブを終了して、主制御部メインジョブに復帰する。
一方、タッチスイッチがOFFであれば(S32:NO)、客待ち状態となっている可能性がある。そこで、タッチスイッチが継続してOFFとなっている経過時間を検出し(S34)、連続してOFFとなっている経過時間が、所定時間(例えば2分)に達しているか否かを判断する(S36)。経過時間が所定時間に達していない場合は(S36:NO)、客待ち状態ではないと判断してデモ表示ジョブを終了する。経過時間が所定時間に達している場合は(S36:YES)、主制御部140はデモ指定コマンドを出力する(S38)。
デモ指定コマンドは、図18を用いて前述した初期図柄指定コマンドと同様に、主制御基板340から音声・ランプ制御基板370に向かってストローブ信号とともに出力される。音声・ランプ制御部170は、受け取ったデモ指定コマンドを図柄制御部160に転送するとともに、スピーカやランプを駆動してデモ時の演出を行う。一方、図柄制御部160は、音声・ランプ制御部170からデモ指定コマンドを受け取ると、普通図柄制御装置32aや液晶表示装置(特別図柄制御装置)27を制御して、所定のデモ表示を行う。
主制御部メインジョブでは、以上のような一連の処理を終了すると、図16に示した普通図柄作動ゲート36,37を遊技球が通過したか否かを判断する(S80)。そして、普通図柄作動ゲート36,37を遊技球が通過した場合は、普通図柄の保留数が所定個数(上限個数であって、本実施例では「4」)を超えているか否かが判断される(S83)。この普通図柄保留数(未始動回数)が所定個数(本実施例では「4」)を超えていれば、その「普通図柄始動通過」は無効となり、S100へスキップする。また、所定個数内の保留数(未始動回数)であれば、S85において、普通図柄保留数メモリ481m(図14参照)に記憶されている普通図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、普通図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S90において、普通図柄に関する当否抽選に用いる当否抽選乱数(「当否抽選」に用いる乱数)を発生させ(プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ抽選乱数値を、普通図柄当否抽選乱数メモリ481m(図14参照)に記憶した後、S100の処理に移行する。
尚、本出願においては、前述のように、主制御部140が主体となって行う「遊技状態に関する判別」のうちで、「遊技遊技状態を特別遊技状態にするか否か、つまり、変動入賞装置18を遊技者にとって有利な状態とするか否かの判別」を「判定」と称すると共に、この「判定結果を示すために用いられる図柄」を「本図柄(特別図柄)」と称する。また、主制御部140が主体となって行う「遊技状態に関する判別」のうちで、「普通電動役物171を遊技者にとって有利な状態とするか否か判別」を「抽選」と称すると共に、この抽選結果を示す普通図柄と称する。
この普通図柄当否抽選乱数メモリ481lは、図15(b)に示すように、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域を備えている。そして、普通図柄当否抽選乱数値を、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で記憶可能となっている。つまり、最も古いタイミングで記憶された当否抽選乱数値が、「領域0」に記憶される。また、普通図柄当否判定乱数メモリ481lに、同時に記憶できる当否抽選乱数値の数(つまり、所定個数)は領域の数に限定される。更に、現に生じている判定乱数値の数が所定個数を下回る場合には、当否抽選乱数値が記憶されていない空きの領域が存在する。
そして、各当否抽選乱数値に対応する「普通図柄の変動表示」が実行される毎に、「領域0」の記憶データ(当否抽選乱数値であって、最古のもの)がクリアーされると共に、「領域1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データ(存在する場合のみであって、領域1〜領域3の全てに存在する場合と、領域1及び領域2に存在する場合と、領域1のみに存在する場合と、領域1〜領域3の全てに存在しない場合とがある。)が、「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。
一方、普通図柄変動ゲート36,37を遊技球が通過していないが、普通図柄に関する保留記憶が存在する場合(S95:YES)も、S100の処理に移行する。
S100の処理においては、普通図柄表示装置32における演出を制御するためのジョブ(普通図柄制御ジョブ)を行い、更に、S200の処理においては、普通電動役物171の駆動を制御するためのジョブ(普通電動役物駆動制御ジョブ)を行う。尚、普通図柄制御ジョブの内容については後述する。
次いで、主制御部140は、遊技機に複数設けられた入賞口のいずれかに遊技球が入球したか否かを判断する(S300)。前述したように、各入賞口の内部には入賞球の通過を検出するスイッチが設けられており、スイッチで検出された信号が信号ケーブルによって主制御基板340に伝達される。そして、主制御部140は、いずれの信号ケーブルから信号が伝達されたかに基づいて、入球のあった入賞口を容易に検出することができる。
更に、主制御部140は、入球のあった入球口に応じて、所定数の遊技球を払い出す旨の賞球コマンドを出力する(S310)。この賞球コマンドは、主制御部140から払出制御部150に向かって出力され、払出制御部150ではコマンドに従って賞球払出装置109を制御することにより、所定数の遊技球の払出を行う。もちろん、主制御部140から音声・ランプ制御部170にもコマンドを出力して、賞球に伴う所定の演出を行うこととしても良い。
続いて、主制御部140は、遊技球の入球した入賞口が始動口17か否か、つまり、始動入賞を生じたか否かを判断する(S315)。そして、始動口17でない場合(S315;NO)は、S350へスキップする。一方、入球した入賞口が始動口17である場合は(S315:YES)、S320において、特別図柄保留数が特定個数(上限個数であって、本実施例では「4」)を超えているか否かが判断される。この特別図柄保留数(未始動回数)が特定個数(本実施例では「4」)を超えていれば、その始動入賞は無効となり、S500へスキップする。また、特定個数内の特別図柄保留数(未始動回数)であれば、S325において、特別図柄保留数メモリ481b(図14参照)に記憶されている特別図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、特別図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S330において、特別図柄当否判定乱数(以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう)を発生させ(プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ判定乱数値を、S140において、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図14参照:以下、判定乱数メモリともいう)に記憶した後、S500の処理に移行する。このメモリ481aは、読み込んだ判定乱数値を特別図柄始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。尚、この判定乱数値は、特別図柄保留数(未始動回数)と共に「特別検出情報」の具体例を構成する。また、特別図柄保留数メモリ481b(図14参照)及び特別図柄当否抽選乱数メモリ481a(図14参照)は、「特別図柄検出情報記憶手段」の具体例を構成すると共に、特別図柄当否抽選乱数メモリ481aに記憶される「判定乱数値」のうちで、大当り判定の対象とされ得るものが、「特別図柄大当り情報」の具体例を構成する。
この特別図柄当否判定乱数メモリ481aも、図15(a)に示すように、普通図柄当否判定乱数メモリ481lと同様に、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域を備えている。そして、判定乱数値を、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で記憶可能となっている。つまり、最も古いタイミングで記憶された判定乱数値が、「領域0」に記憶される。また、特別図柄当否判定乱数メモリ481aに、同時に記憶できる判定乱数値の数(つまり、特定個数)は領域の数に限定される。更に、現に生じている判定乱数値の数が特定個数を下回る場合には、判定乱数値が記憶されていない空きの領域が存在する。
そして、各判定乱数値に対応する「特別図柄の変動表示」が実行される毎に、「領域0」の記憶データ(判定乱数値であって、最古のもの)がクリアーされると共に、「領域1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データ(存在する場合のみであって、領域1〜領域3の全てに存在する場合と、領域1及び領域2に存在する場合と、領域1のみに存在する場合と、領域1〜領域3の全てに存在しない場合とがある。)が、「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。
このS500の処理では、液晶表示装置27における演出を制御するためのジョブ(特別図柄制御ジョブ)が行われる。そして、S500の処理に後続する処理を、遊技状態制御ジョブ(S900)で実施した後、所定の「1つの始動入賞機会に伴う一連の遊技」を終了する。尚、特別図柄制御ジョブS500及び遊技状態制御ジョブ(S900)の内容については後述する。また、S350において、特別図柄保留数(未始動回数)が存在しないと判断される場合には、特別図柄制御ジョブS500及び遊技状態制御ジョブ(S900(S900)は行わない。
そして、以上の様な処理を行ったら、遊技機1の電源がOFFとされたか否かを判断し(S980)、電源がONであると判断された場合は(S980:NO)、再びS30のデモ表示ジョブに戻って続く一連の処理を行う。これに対して、パチンコ機1の電源がOFFになったと判断された場合は(S980:YES)、主制御部メインジョブを終了する。そして、主制御部メインジョブが終了されると、遊技の進行が停止し、パチンコ機1の遊技状態が終了する。
b.主要なジョブの説明
次に、普通図柄制御ジョブ(S100)、特別図柄制御ジョブ(S500)、、遊技状態制御ジョブの各ジョブについて、順番に説明する。
図20(a)は、普通図柄制御ジョブ(S100)の流れを示すフローチャートである。この処理は、遊技球が普通図柄変動ゲート36,37を通過したことを普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37sが検出することを前提に開始される。この普通図柄制御ジョブ(S100)を開始すると、先ず、「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」が行われる。この「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」においては、普通図柄についての当否抽選等が行われる。
この当否抽選ジョブ(S110)では、図21に示すように、普通図柄当否抽選乱数メモリ481m(図14参照)から記憶している最も古い先頭の普通図柄当否抽選乱数値を読み出す(つまり、「領域0」に記憶されている普通図柄当否抽選乱数値を読み出す)と共に、普通図柄当否抽選乱数メモリ481mをシフトする(S117)。次いで、S120において、遊技機1が確変中であるか否か(つまり、確変移行フラグが設定されている否か)が判断される。つまり、遊技機1の遊技状態が、「大当り判定」を通常確率で行う「通常遊技状態」にあるのか、高確率で行う「高確率状態」にあるのか、が判断される。尚、「確変移行フラグ」に関しては後述する。
S120において充足しないと判断されると(S120;NO)、低確率状態での当否抽選が行われる(S124)。つまり、S117で読み出した乱数値の当否を、「低確率時のデータテーブル(例えば、当選確率「8」割)」を用いて当否抽選する(S124)。一方、120において充足すると判断されると(S120;YES)、高確率状態での当否抽選が行われる(S122)。つまり、S117で読み出した乱数値の当否を、「高確率時のデータテーブル(例えば、当選確率「9」割)」を用いて当否抽選する(S122)。
S122若しくはS124の当否抽選の結果が、当りの場合には(S125;YES)、S126において、当り普通図柄(当否抽選結果が当りであることを示すための普通図柄の停止図柄)を乱数によって決定し、決定した乱数値を当り普通図柄番号メモリ481p(図14参照)に記憶する(S127)。そして、「当りフラグ(普通図柄の当否抽選の結果が当りであることを示すフラグ)」を普通図柄抽選結果メモリ481o(図14参照)にセットする(S127)。
S122若しくはS124の当否抽選の結果が、外れの場合には(S125;NO)、S128において、外れ普通図柄(当否抽選結果が外れであることを示すための普通図柄の停止図柄)を乱数によって決定し、決定した乱数値を外れ普通図柄番号メモリ481q(図14参照)に記憶する(S128)。そして、「外れフラグ(普通図柄の当否抽選の結果が外れであることを示すフラグ)」を普通図柄抽選結果メモリ481o(図14参照)にセットする(S129)。
普通図柄制御ジョブ(S100)では、図20(a)に示すように、この「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」に続いて、「普通図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S150)」が実行される。この表示制御コマンド設定ジョブ(S150)では、「普通図柄指定コマンド(普通図柄の停止図柄を特定するためのコマンド)」を設定する処理と、「普通図柄変動パターン指定コマンド(普通図柄の変動時間を特定するためのコマンド)」を選択・設定する処理と、が実行される。
但し、「普通図柄変動パターン指定コマンド」を設定する処理(S156若しくはS158)において、遊技機の遊技状態に応じて、「普通図柄変動パターン指定コマンド」が選択される。つまり、遊技機の遊技状態が、「普通図柄の変動時間」や「特別図柄の変動時間」を短縮化すべき状態(以下、「変動短縮化状態」という。)にあるときには、普通図柄の変動時間を短くするための「普通図柄変動パターン指定コマンド」が設定される。この「変動短縮化状態」は、遊技機が確率変動状態にあったり、確率変動状態に後続して実行される時短遊技状態(通常遊技状態のうちで、「普通図柄の変動時間」や「特別図柄の変動時間」を短縮化すべき場合)にある場合等に生ずる。また、この「変動短縮化状態」を、確率変動状態を実行することなく、実行される時短遊技状態にあるときに生じさせてもよい。
普通図柄制御ジョブ(S100)では、普通図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S150)に続いて、普通図柄関連コマンドを音声・ランプ制御基板370に向かって出力する処理を行う(S185、S190、S195)。ここで、普通図柄関連コマンドとは、普通図柄制御のために主制御基板340から出力される各種のコマンドである。具体的には、前述の「普通図柄変動パターン指定コマンド」及び「普通図柄指定コマンド」の他に、普通図柄の確定表示(停止表示)を制御するための「普通図柄停止コマンド」などの各種コマンドが含まれる。
図20(b)は、これら普通図柄関連コマンドを一覧的に表示した説明図である。即ち、普通図柄の変動パターンに応じて、コマンドChp1 ,コマンドChp2 ,コマンドChp3 ,コマンドChp4 ・・・など、各種の指定コマンドが予め設定されている。また、変動後に停止させる普通図柄に応じて、コマンドChs1 ,コマンドChs2 ,コマンドChs3 ,コマンドChs4 ・・・などの各種の指定コマンドが設定されており、普通図柄の変動表示を停止させるためのコマンドとしては、コマンドChstpが設定されている。もちろん、表示されているコマンド以外に他のコマンドを設定しておくことも可能である。
これらの普通図柄関連コマンドは、図11に示した主回路部401の内蔵ROM482に予め記憶されている。尚、図20(a)のS185、S190、S195では、決定した変動パターン及びおよび普通図柄に応じて、内蔵ROM482から対応するコマンドを読み出した後、音声・ランプ制御基板370に向かってストローブ信号とともに出力する処理を行う(図18参照)。こうして、決定した内容に応じて各種の普通図柄関連コマンドを出力し(S185、S190)、最後に図柄停止コマンドを出力したら、普通図柄制御ジョブを終了する(S195)。尚、音声・ランプ制御基板370は、普通図柄関連コマンドを受信すると、そのコマンドを図柄制御基板360に転送する。
普通図柄制御ジョブ(S100)に後続する「普通電動役物駆動制御ジョブ(S200)」では、前述の「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」の抽選結果が「当り」である場合(普通図柄抽選結果メモリ481oに「当りフラグ」がセットされている場合)、S127でセットされた「当りフラグ」を解除し、「普通電動役物171の開放駆動」が実行される。尚、前述の「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」の抽選結果が「外れ」である場合(普通図柄抽選結果メモリ481oに「外れフラグ」がセットされている場合)、S129でセットされた「外れフラグ」を解除し、「普通電動役物駆動制御ジョブ(S200)」を終了する。
この「普通電動役物駆動制御ジョブ(S200)」において、普通電動役物171の開放駆動を実行する場合{普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)の抽選結果が「当り」である場合}、所定の「開放パターン」に従う「普通電動役物171の開放駆動」が実行される。このとき、遊技機の遊技状態が、「変動短縮化状態」にあるときには、普通電動役物171への入賞を促進するための「開放パターン」が選択される。つまり、遊技機1が非「変動短縮化状態」にあるときに比べて、(1)普通電動役物171の開放時間を長くすること、及び、(2)開放回数を多くすること、のうちの少なくとも一方を実現する「開放パターン」が選択される。
次に、特別図柄制御ジョブ(S500)の内容について説明する。図22(a)は、特別図柄制御ジョブ(S500)の流れを示すフローチャートである。この特別図柄制御ジョブ(S500)においては、ジョブを開始すると、特別図柄の当否判定ジョブ(S600)と、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)」とを行う。
特別図柄の当否判定ジョブ(S600)においては、「当否判定(特別遊技状態に係る特典を付与するか否かの判定)」を行うと共に、「特別図柄の変動後に確定表示する図柄(確定図柄)」を決定する処理が行われる。この特別図柄の当否判定ジョブ(S500)は、以下のように行われる。
即ち、図23に示すように、S605において、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図14参照)から記憶している最も古い先頭の特別図柄判定乱数値を読み出し、S610に進む。次いで、S610においては、図11に示すROM482内の大当り番号メモリ482aから大当り番号(当り用判定値)を読み出し、上記特別図柄当否判定乱数値との比較を行い(S620又はS625)、両者が一致していれば大当り判定となり、大当り処理(S650)が行われる。一方、一致していなければ外れ判定となり、外れ処理(S680以降の処理)が行われる。
但し、当否判定に先立ち、遊技機1が高確率状態にあるか否か(確変移行フラグが設定されているか否か)が判断され(S615)、高確率状態にないとき(確変移行フラグが設定されていないとき)には(S615;NO)、「低確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S620)。一方、遊技機1が高確率状態にあるとき(確変移行フラグが設定されているとき)には(S615;YES)、「高確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S625)。
大当り処理(S650)においては、図24に示すように、先ず、S652に進み、当り本図柄(当りを示すための第1本図柄と、第2本図柄であって、両者は同一の図柄である。)を決定する当り本図柄決定乱数を読み出し、その読み出した乱数値を当り本図柄番号メモリ481e(図14参照)に記憶する(S654)。次いで、S605で読み出した当り本図柄決定乱数の値と、確率変動判定用の当り番号(以下、「確変当り番号」という。)とが一致するか否かを判定する(S660)。そして、両者が一致しない場合には(S660;NO)落選(通常当り)となり、そのままS668の処理に移行する。一方、両者が一致していれば(S660;YES)当選(確変当り)となり、「確変当りフラグ」を「設定」した後(S665)、S668の処理に移行する。
S668においては、「大当りフラグ(大当り判定の結果が当りであることを示すフラグ)」を、特別図柄判定結果メモリ481i(図14参照)にセットする。尚、「確変(確率変動)」に関する判定を「大当りを示す図柄を決定するためのの乱数(当り本図柄決定乱数)」を利用して行ったが、この確変に関する判定を、大当り判定に用いる乱数を用いて行っても、この確変に関する確変の抽選専用の乱数を用いて行ってもよい。
一方、外れ処理においては、図23に示すように、S680で外れ第1本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第1本図柄番号メモリ481f(図14参照)に記憶する(S682)。同様に、S684で外れ第2本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第2本図柄番号メモリ481g(図14参照)に記憶する(S686)。そして、S690において、「外れフラグ(大当り判定の結果が外れであることを示すフラグ)を、特別図柄判定結果メモリ481i(図14参照)」にセットする。
特別図柄制御ジョブ(S500)では、図22(a)に示すように、この「特別図柄の当否判定ジョブ(S600)」に続いて、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)」が実行される。この表示制御コマンド設定ジョブ(S700)では、「本図柄指定コマンド(本図柄表示部272、273において、表示される本図柄の確定図柄を特定するためのコマンド)」を設定する処理と、「本図柄変動パターン指定コマンド(本図柄表示部272、273において、変動表示する本図柄の変動時間を特定するためのコマンド)」を選択・設定する処理と、が実行される。
ここで、「特別図柄の表示制御コマンド」は、特別図柄制御のために主制御基板340から出力される各種のコマンドであり、図11に示した主回路部401の内蔵ROM482に予め記憶されている。尚、本実施例では、特別図柄を本図柄と、疑似図柄によって構成するが、特別図柄を本図柄のみによって構成してもよい。また、疑似図柄の背景には、この疑似図柄を際だたせるための背景図柄を表示している。但し、この背景図柄が疑似図柄と共に特別図柄を構成してもよいし、この背景図柄が疑似図柄若しくは本図柄の一部を構成してもよい。
また、「特別図柄の表示制御コマンド」には、前記「本図柄指定コマンド」と、「本図柄変動パターン指定コマンド」の他に、本図柄の確定表示を制御するための「本図柄停止コマンド」が含まれている{図22(b)}。尚、本実施例において、「本図柄指定コマンド」として、第1本図柄表示部272に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第1本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド1」と表記することもある。)」と、第2本図柄表示部273に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第2本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド2」と表記することもある。)」とが存在する。
更に、「特別図柄の表示制御コマンド」には、「大当り関連表示コマンド(大当り図柄の確定表示の後、特別遊技が開始するまでの過渡的演出表示を司るコマンド)」が含まれている。但し、これらコマンド以外に、他のコマンドを設定してもよい。
また、本実施例では、「変動パターン指定コマンド」によって、全図柄(本図柄及び疑似図柄によって構成される特別図柄の他に、背景図柄を含む。)の変動時間が特定される。また、「本図柄停止コマンド」によって、変動中の図柄の確定表示が制御される。例えば、全本図柄が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時まで変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、全本図柄の確定表示が制御される。一方、全本図柄のうちの一部が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時までに確定表示され、全本図柄のうちの残部が変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、この残部の確定表示が制御される。
特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S800)においては、前記当否判定(S620、S625)の結果が大当りである場合、「大当りを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「大当り本図柄番号メモリ481eに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド1」及び「本図柄指定コマンド2」を設定する処理が行われる。そして、「大当り用」の「変動パターン指定コマンド(変動パターン)」を選択、設定する処理が行われる。
また、特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S800)においては、前記大当り判定(S620、S625)の結果が外れの場合、「外れを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「外れ第1本図柄番号メモリ481fに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド1」に設定し、前述の「外れ第2本図柄番号メモリ481gに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド2」に設定する処理が行われる。更に、「外れ用」の「変動パターン指定コマンド」を選択、設定する処理が行われる。
次に、遊技状態制御ジョブ(S900)に関し、図25及び図26を用いて説明する。この遊技状態制御ジョブ(S900)は、1回の「始動入賞」を契機に開始される「一連の遊技(以下、「図柄表示遊技」という。)」の最終段階で実行される。つまり、この「図柄表示遊技」は、1回の始動入賞を契機に開始されると共に、図柄の表示等によって種々の演出表示を行いつつ、判定の結果の表示を行うと共に、この判定の結果に基づいて、「遊技上の利益」の付与等を行うことを内容とする遊技である。そして、この遊技状態制御ジョブ(S900)をもって、1回の「始動入賞」を契機に開始された「1回の図柄表示遊技」が終了する。
この遊技状態制御ジョブ(S900)では、特別図柄判定結果メモリ481iに「大当りフラグ」がセットされているか否か(つまり、当否判定の結果が大当りであるか否か)が判断される(S902)。そして、S902で「大当りフラグ」がセットされていると判断される場合(S902;YES)、この「大当りフラグ」を解除し、「特別遊技状態」を開始する(S920)。尚、「特別遊技状態」を開始する前において、液晶表示装置27には、大当り図柄が確定表示され、続いて、液晶表示装置27で、大当り関連表示(大当り表示に始まり、特別遊技を開始するまで行われる過渡的演出表示)がなされた後に開始される。
S902で「大当りフラグ」がセットされいないと判断される場合(S902;NO)、図26に示すように、「外れフラグ(S690)を解除する(S906)。次いで、確変移行フラグが設定されているか否かを判断し(S908)、設定されていなければ(S908;NO)、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。これにより、1回の「始動入賞」を契機に開始された「1回の図柄表示遊技」が終了する。
一方、S908において、確変移行フラグが設定されていると判断されると(S908;YES)、「確変カウンタ」の値を「+1」する処理を行う(S910)。尚、この「確変移行フラグ」は、後述するように(S997)、遊技機1が確率変動状態(確変状態)にあることを示すフラグであって、「確変当りに係る特別遊技状態」の終了後においてセットされる。また、「確変カウンタ」は、遊技機1が確変状態(確率変動状態)に移行した後に、「当否判定」においても、「大当り」の判定結果を得ることなく行った図柄表示の回数を示す。つまり、遊技機1が確変状態(確率変動状態)に移行した後、「当否判定」において、「大当り」の判定結果を得ることなく行った「液晶表示装置27による図柄の変動表示」の回数を示す。尚、液晶表示装置27による図柄の変動表示は、変動表示を開始し、確定図柄(判定結果を示す図柄)を確定表示するまでを「1回」とする。
S910において、「確変カウンタ」の値を「+1」する処理を行った後、「確変カウンタ」の値が「50」に到達したか否かを判断する(S914)。そして、「50」に到達していなければ(S914;NO)、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、「次回の図柄表示遊技」においても、確変状態を継続する。これに対して、「確変カウンタ」の値が「50」に到達していると(つまり、「50」になっていると)、「確変カウンタ」をクリア(「ゼロ」にする。)した後(S916)、確変移行フラグを解除して(S918)、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、「次回の図柄表示遊技」においては、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態となる。
図25に戻り、S920において、特別遊技状態を開始すると、「確変移行フラグ」が設定されているか否かが判断され(S922)、設定されていなれば(S922;NO)、そのままS925の処理に移行する。一方、「確変移行フラグ」が設定されていれば(S922;YES)、「確変カウンタ」をクリアし、当該「確変移行フラグ」を解除した後にS925の処理に移行する。
S925の処理は、連続カウンタを初期化(例えば、「1」に設定)する処理である。この「連続カウンタ」の値は、「大当り特別遊技状態」における「ラウンド回数」に相当する。このS925の処理の後、開閉板312を開放方向に作動し、大入賞口311を開放し(S927)、大入賞口311に遊技球が入賞し易い状態にする。
大入賞口311の開放状態が所定時間(例えば30秒)tを経過したとき(S930;YES)、若しくは、入賞数が所定数nに到したとき(S935;YES)に、「停止条件」が成立し、開閉板312を閉鎖方向に作動し、大入賞口311が閉鎖状態とされ(S940)、1つのラウンドを終了する。尚、所定時間tが経過しておらず(S930;NO)、しかも、入賞数が所定数nに到達していないとき(S935;NO)、即ち、「停止条件」が成立しない場合には、大入賞口311の開放状態が維持される。また、「入賞数が所定数nに到達したか否か」は、入賞球検出スイッチ318(図8参照)に所定数n(例えば10個)の入賞が検出されたか否かにより判断することができる。
S930によって大入賞口311(開閉板312)が閉鎖されてから、所定時間(例えば0.5秒)tが経過した後に、連続カウンタの値を「+1」し(S950)、特別遊技の終了条件を満たすか否かが判断される(S955)。例えば、連続カウンタの値が所定の回数(例えば、14回)に到達したか否かが判断され(S955)、所定の回数に達すると(S955;YES)、特別遊技の終了条件が成立し、特別遊技状態を終了し(S960)、遊技機1の遊技状態は「非特別遊技状態」となる。
一方、特別遊技の終了条件を満たさない場合、つまり、所定の回数に到達しない場合(S955;NO)と、再び大入賞口311(開閉板312)が開放状態となり、大入賞装置31が遊技球受入状態となる。尚、「ラウンドの終了条件成立」までを、1つのラウンドとする「遊技球受入状態」は、最終ラウンド(本実施例では14ラウンド)まで繰り返し継続される。そして、本実施例では、「各ラウンドの終了条件」成立時(S935)に、「継続条件」の成否の判断を行わないため、一旦大当り遊技を開始すると、当該特別遊技状態の最終ラウンドまでの実行が保証される。
S960で特別遊技を終了した後に、確変当りフラグ(S665)が設定されているか否かが判断される(S995)。つまり、終了した特別遊技状態が、確変当りに基づくものであるか否かが判断される(S995)。そして、確変当りフラグ(S665)が設定されている場合には(S995;YES)、確変当りフラグを解除する処理(S996)と、確変移行フラグを設定する処理(S997)とを実行した後、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。一方、S995において、「NO」と判断される場合には、S996の処理と、S997の処理を実行することなく、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。
尚、S997において、確変移行フラグが設定され、遊技機1が、「確率変動状態」に移行すると、上記特別遊技状態終了後、特別図柄の変動が50回行われるまで当否判定の確率(大当り確率)が通常の約4〜10倍に向上する。
(6)コマンドの送受信
主制御部140及び副制御部(170、160)間のコマンドの送受信に関し、図27及び図28を用いて説明する。この図27及び28は、ステップS810、S820、S830等において、特別図柄の表示制御コマンドが主制御部140(主制御基板340)から音声・ランプ制御部170(音声・ランプ制御基板370)に向かって出力される様子と、主制御部140(主制御基板340)に操作信号が出力される様子と、主制御部140(主制御基板340)から音声・ランプ制御部170(音声・ランプ制御基板370)に演出操作信号が出力される様子等を概念的に示した説明図である。尚、普通図柄の表示制御コマンドの送受信については、特別図柄の表示制御コマンドの送受信とほぼ同様の処理なので、ここでは説明を省略する。
特別図柄制御ジョブ{図22(a)}において、ステップS810の処理が初めて実行される時には、図27に示すように、「変動パターン指定コマンド」が出力される。この「変動パターン指定コマンド」は、本図柄(第1〜第2本図柄)の変動を開始させるコマンドであるばかりか、これらの本図柄と共に特別図柄を構成する疑似図柄の変動を開始させるコマンドでもある。更に、本図柄の変動の変動時間を指定するコマンドであると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。
尚、図27及び図28において、実線の矢印は、主制御部140に操作信号が供給されていることを模式的に示したものである。また、「白抜きの矢印」は、(1)「演出操作信号」が、主制御部140から、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160に供給されていることを模式的に示す場合と、(2)主制御部140の発するコマンドが音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160に供給されていることを模式的に示す場合と、がある。更に、「斜線が付された矢印」は、音声・ランプ制御部170が発したコマンドが図柄制御部160に供給されていることを模式的に示したものである。尚、音声・ランプ制御部170から出力されるコマンドについては、後ほど詳しく説明する。
音声・ランプ制御基板370は、図27に示すように、「本図柄変動パターン指定コマンド」を受け取ると、直ちに図柄制御基板360に転送する。これにより、本図柄(第1〜第2本図柄)と、疑似図柄は変動を開始する。但し、疑似図柄の変動は、音声・ランプ制御基板370を発信源とするコマンドによって開始させてもよい。また、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、後述する処理が開始される。
特別図柄制御ジョブが1周目の処理を終了して、2周目にS820の処理が実行されるときには、第1本図柄を指定するコマンド(第1本図柄指定コマンドCts1 )を出力する。尚。主制御部メインジョブは一連の処理を完了するために約4msec掛かるため、「本図柄変動パターン指定コマンド」を出力してから、略4msecに、第1本図柄指定コマンドを出力することになる。更に、その約4msec後に3周目の処理が実行される時には、第2本図柄を指定するコマンド(第2本図柄指定コマンドCts2 )が出力される。
尚、本実施例では、2つの本図柄を同時には表示できないものとして説明したが、より多くの本図柄を表示可能としてもよい。こうして特別図柄(本図柄)についての変動パターン指定コマンドと図柄指定コマンドとを出力したら、変動パターンに応じて定まる所定のタイミングで、全本図柄変動表示を停止するコマンド(本図柄停止コマンドCtstp)を出力する。
そして、所定の時間経過後に、主制御部140は、音声・ランプ制御基板370に、「本図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)」を送信する(図41参照)。また、音声・ランプ制御基板370は、「本図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)」を受け取ると、直ちに図柄制御基板360に転送する。そして、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、本図柄の停止表示と、疑似図柄の停止表示と、を行う。尚、疑似図柄の停止表示は、音声・ランプ制御基板370を発信源とするコマンドによって行ってもよい。また、本図柄の停止図柄が、特別遊技に関する当否判定の当選を示す図柄である場合には、所定の時間経過後に、主制御部140は、音声・ランプ制御基板370に、「大当り関連表示コマンド(例えば、大当り表示開始コマンド)」を送信する。
(5)サブ基板メインルーチン
a.概略
音声・ランプ制御部170は、主制御部140から出力された図柄表示制御コマンドを受け取ると、この図柄表示制御コマンドを直ちに図柄制御部160に転送し、図柄制御部160は、受け取った図柄表示制御コマンドに応じて特別図柄や普通図柄の表示制御を開始する。以下では、この特別図柄の表示制御を示す処理、即ち、サブ基板メインルーチン(S1000)の内容について説明する。尚、普通図柄の表示制御については、特別図柄の表示制御と処理の流れが基本的に同じなので、ここでは説明を省略する。
図29は、サブ基板メインルーチンの流れを示したフローチャートである。かかる処理は、遊技機1の電源が投入あるいはリセットスイッチが押されて、図25に示した主制御部メインジョブ中で初期化ジョブが実行され、音声・ランプ制御部170および図柄制御部160が初期化されると、自動的に開始される処理である。
サブ基板メインルーチンを開始すると、先ず、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する(S1005)。そして、変動パターン指定コマンドを受信した場合は(S1005:YES)、全特別図柄(つまり、両本図柄及び疑似図柄)と、背景図柄の変動を開始する(S1010)。尚、特別図柄の変動開始に合わせて、所定の効果音が出力される。
次いで、全ての本図柄指定コマンドを全て受信したか否かを判断し(S1020)、受信した場合には(S1020;YES)、図柄表示制御処理を行う(S1100)。そして、本図柄停止コマンドの受信すると(S1030;YES)、全特別図柄(つまり、全本図柄及び疑似図柄)と、背景図柄の変動を停止させる(S1500)。更に、大当り関連表示コマンドを受信したか否かを判断し(S1800)、受信した場合には(S1800;YES)、大当り関連表示(S1830)に移行する。そして、以上の処理を行ったら、遊技機1の電源がOFFになっていないことを確認し(S1850)、電源がOFFでなければステップS1005に戻って続く一連の処理を行う。ステップS1850において電源がOFFであると判断されたら、サブ基板メインルーチン(S1000)を終了する。
(6)配線基板H(識別用部材820)、ケース200及び部品ユニットUの詳細
a.配線基板の概要
本遊技機1は、前述のように、主制御基板340、発射装置制御基板、払出制御基板350、中継基板190、電源ターミナル基板121、端子基板122、電源ターミナル基板121、音声・ランプ制御基板370(制御基板370、駆動基板380)、電源受電基板410、分電基板430、普通図柄表示装置基板32f、払出用端子基板191、図柄制御基板360、画像制御基板361等の種々の配線基板Hを備えている。そして、本実施例では、これら全ての配線基板Hに、識別用部材(疑似電子部品820)を装着している。
先ず、これらの配線基板Hの概要について説明する。これらの配線基板Hは、図30(a)及び(b)に示すように、配線基板本体800と、配線基板本体800に実装される電子部品810、815と、配線基板本体800に装着された疑似電子部品820と、を備えている。
本配線基板Hに実装される電子部品810、815は、通常型の電子部品810と、補助的な電子部品815と、に分類される。そして、通常型の電子部品810としては、種々の能動素子(IC、トランジスタ、ダイオード、オペアンプ等)と、受動素子(抵抗、コイル、コンデンサ等)とを例示できる。また、補助的な電子部品815としては、コネクタを例示できる。
疑似電子部品820は、識別用部材の具体例を構成するものであり、通常型の電子部品810と同様な外観を備える(同様な外形、色彩及び模様を備える)外郭体821と、この外郭体821の内部に埋設された識別用部材本体822とを具備している。尚、本実施例では、識別用部材本体822を外郭体821の内部に埋没させているため、外郭体821の外観を目視しただけでは、外郭体821の内部に識別用部材本体822が存在することを認識できない。また、本実施例では、識別用部材(疑似電子部品820)を通常型の電子部品810と同様な外観に構成したが、この識別用部材を補助型の電子部品(コネクタ)815と同様な外観に構成することもできる。
識別用部材本体822としは、所謂「無線式ICタグ」を使用している。この識別用部材本体822は、図31に示すように、タグ情報(識別情報)の記憶等を行うICチップ822aと、送受信アンテナ(例えば、銅線をコイル状に巻いて構成)822cと、2枚のフィルム822d、822eと、を備えている。このうち、送受信アンテナ822cの両端部(巻き始めの端部と、巻き終わりの端部)はICチップ822aに接続されている。また、一方のフィルム822dの下面と、他方のフィルム822eの上面とは、ICチップ822a及び送受信アンテナ822cを上下から挟むようにしつつ、接着されて一体化されている。
図32に示すように、このICチップ(半導体ICチップ)822aは、マイクロコンピュータ(マイコン)823と、情報送受信部825と、電源部826とを備えている。このうち、マイクロコンピュータ823内には、CPU823aと、記憶手段823bとが配設されている。
記憶手段823bは、参考発明1の記憶手段の具体例を構成すると共に、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、リードオンリーメモリ(ROM)と、EEPROMと、で構成されている。そして、ROMには、CPU823aを動作させるためのプログラムが書き換え不能な状態に格納され、EEPROMには、種々の識別情報が更新可能な状態(書き換え可能な状態)に格納されている。この識別情報としては、図33に示すように、基板情報(機種名を示す情報、ロット番号を示す情報、製造日付を示す情報等の基板に固有な情報、つまり、基板のリサイクル履歴とは無関係な情報)が含まれる。但し、この配線基板Hのリサイクル時には、この基板情報と共に、リサイクル情報(配線基板Hのリサイクル回数を示す情報や、リサイクル品であるか否かを示す情報等)が含まれる。そして、CPU823は、リダーライタ827からの無線を用いた要求(無線通信)に応じて、記憶手段823bに格納されたプログラムや各種データを読み出し、必要な演算や判断を行い、各種制御を行う。
情報送受信部825には、同調回路や変復調回路、増幅回路、整流回路等が設けられている。また、送受信アンテナ822cで受信された所定周波数の信号は、情報送受信部825内で整流されて電力が生成され、電源部826に供給される。そして、この電力によりマイクロコンピュータ(マイコン)823、その他の各回路が作動する。更に、情報送受信部825は、受信信号から電力を生成すると共にデータを増幅・復調し、マイクロコンピュータ823へ出力することができる。また、情報送受信部825は、マイクロコンピュータ823から出力された情報を変調・増幅し、アンテナ822cから出力することができる。そして、このアンテナ822cから出力された情報は、電波により搬送されて対応するリダーライタ827で受信される。
尚、疑似電子部品820との無線交信を行うリダーライタ827としては、図32に併記するものを例示できる。このリダーライタ827は、書き込み手段(書き換え手段)及び読み取り手段として機能する装置、つまり、「書き込み・読み取り装置」の具体例を構成している。そして、このリダーライタ827は、制御用のマイクロコンピュータ(制御用マイコン)827aと、情報送受信部827bと、電源部827cと、操作部827dと、表示部827eとを備えている。尚、制御用マイクロコンピュータ827a内には、CPU、記憶手段(制御プログラムの記憶されたROMの他に、RAMやEEPROM)が配設されている。そして、このリダーライタ827においては、操作部827d(例えば、キーボード)を操作することで、送受信アンテナ827fを用いて疑似電子部品820に送信すべき情報を選択することができる。また、疑似電子部品820に送信すべき情報や、疑似電子部品820から受信した情報を、表示部(例えば、ディスプレイ)827eに表示して確認することもできる。
本実施例では、疑似電子部品820及びリダーライタ827の交信距離は、5〜15cm(好ましくは、7〜15cm)の間とされている。また、疑似電子部品820やリダーライタ827が、疑似電子部品820及びリダーライタ827間の送受信以外に使用する送受信手段を備えてもよい。例えば、図32の破線に示すように、リダーライタ827が「パチンコホールの管理用コンピュータ」との間で情報の送受信を行うための送受信手段(例えば、第2の情報送受信部828aと、第2の送受信アンテナ828bとを具備する構成)を備えてもよい。
配線基板本体800は、図30(a)に示すように、略板状に構成されると共に、一側縁側の領域を「補助的な電子部品815(コネクタ)」が実装される端子領域800aとし、その他の領域を「通常型の電子部品810」の実装が行われる通常領域800bとしている。また、通常領域800bの略4隅には、配線基板本体800をケース200に取り付けるときに用いる取付孔800cが、通常領域800bの上下面を貫通する状態に設けられている。
配線基板本体800は、図34(a)及び(b)に示すように、略板状に構成される絶縁基板801と、主に絶縁基板801の上面部に形成された導体パターン802と、絶縁基板801の上面部に形成された疑似ランド部803と、を備える。尚、本実施例では、片面(上面部)実装型の配線基板Hを例示するため、導体パターン802を絶縁基板801の片面(本実施例では、上面部を例示するが下面部であってもよい。)を主体に構成するが、この導体パターン802を、絶縁基板801の両面(上面部及び下面)に対して同様に形成してもよい。
導体パターン802は、導電性材料(例えば、銅箔の表面にメッキを施した構成)を用いて構成されている。そして、この導体パターン802は、絶縁基板801の上面部で線形経路を描く線形部802aと、所定の線形部802aの端部と一体となったランド部802bと、を備える。また、この導体パターン802は、他の線形部802aの端部と一体となりつつ、絶縁基板801の下面部まで到達するスルーホール部802cを備えている。そして、ランド部802b及びスルーホール部802cは、「実装部」の具体例を構成している。
疑似ランド部803も、導電性材料(例えば、銅箔の表面にメッキを施した構成)で構成されている。この疑似ランド部803は、「装着部」の具体例を構成すると共に、ランド部802bと同様な外形を備えている。但し、この疑似ランド部803は、絶縁基板801の上面部のうちで、導体パターン802が存在しない部位において、導体パターン802とは独立した状態(電気的に接続されない状態)に設けられている。
尚、本配線基板本体800の製造過程においては、絶縁基板801に導体パターン802を形成する際に、疑似ランド部803を同時に形成している。つまり、絶縁基板801に所定の導体(銅箔等の導体膜)を貼り付けた後、エッチング等を施して導体から余分な部位を除去し、絶縁基板801に「導体のうちで必要な部分(以下、「必要部分」という。)」を残す。このとき、「必要部分」としては、導体パターン802となる部分の他に、疑似ランド部803となる部分も選択される。そして、この「必要部分」にメッキ処理等の仕上げ加工を施すと、絶縁基板801に対して、所望の導体パターン802と共に、疑似ランド部803が形成される。
次に、図35〜図37(a)により、配線基板本体800に対し、電子部品810、820の実装と、疑似電子部品820の装着とを施す手順の一具体例を説明する。
先ず、配線基板本体800の上面部うちで、ランド部802bと、疑似ランド部803とにクリームハンダ808を付着させる。この付着作業の手法は特に問わないが、例えば、ハンダ印刷用マスク(メタルマスク)900と、スキージ910とを用いて行う手法を例示できる。つまり、図35(a)に示すように、上下面部を貫通する貫通孔901を備えるハンダ印刷用マスク(メタルマスク)900を、配線基板本体800の上面部に搭載する。この際、貫通孔901を、配線基板本体800において、ハンダを付着させた部位(ランド部802bと疑似ランド部803)と位置合わせする。
次いで、ハンダ印刷用マスク(メタルマスク)900の上面部に位置するクリームハンダを、スキージ910を用いてこの貫通孔901内に進入させ、ランド部802b及び疑似ランド部803に搭載する。そして、ハンダ印刷用マスク(メタルマスク)900を配線基板本体800から取り除くと、図35(b)に示すように、ランド部802bと、疑似ランド部803とにクリームハンダ808が搭載された状態となる。
更に、図36(a)に示すように、各ランド部802bに対応する電子部品810(815)を搭載すると共に、疑似ランド部803に対応する疑似電子部品820を搭載する。そして、リフロ炉等を用いて加熱すると、図36(b)に示すように、ランド部802bへの電子部品810(815)の実装と、疑似ランド部803への疑似電子部品820の装着とを完了する。
続いて、図37に示すように、各スルーホール部802cに対して、対応する電子部品810、815の挿入部を挿入する。そして、図30(a)に示すように、スルーホール部802c内をハンダ809で充填すると、スルーホール部802cへの電子部品810(815)の実装を終了し、本配線基板Hの作製を終了する。
以上のように、本実施例では、本配線基板本体800に対して、電子部品810、815が実装される「装着部(第1の装着部であって、ランド部802bと、スルーホール部802cとを例示する。)」の他に、疑似電子部品820をハンダを用いて装着するための装着部(第2の装着部であって、疑似ランド部803を例示する。)を形成する。そして、本配線基板本体800に電子部品810、815をハンダ808、809を用いて実装する行程の一環として、配線基板本体800に対して、疑似電子部品820をハンダ808を用いて装着する。このため、本実施例では、疑似電子部品820の装着することによって、配線基板Hの製造上の手間を多くすることはない。
尚、本実施例では、配線基板本体800にランド状に設けられる「第2の装着部(疑似ランド部803)」に対して疑似電子部品820を装着する態様を例示したが、配線基板本体800にスルーホール状に設けられる「第2の装着部(疑似スルーホール)」に対して疑似電子部品820を装着してもよい。
b.ケースの概要
前述のように、配線基板Hのうちで、主制御基板340、音声・ランプ制御基板370、図柄制御基板360等の主要なものは、図38に示すように、ケース(主制御基板ケース112等)200に収納されている。このケース200について、図39〜図45を用いて説明する。このケース200は、第1のケース部210と、第2のケース部230と、第3のケース部260と、封止手段270とを備えている。
第1のケース部(ケース本体)210は樹脂を用いて作製した一体成形品であり、図40に示すように、上方部に開口部211を有する略容器形状を備え、略矩形状の底板部212の外縁から4角枠状の外壁部213を立ち上げている。また、底板部212のうちで、外壁部213の内側の部位からは、4角枠状の内壁部214を立ち上げている。この内壁部214は、背の高い平面形状が略コの字状の内壁板214aと、背の低い平面形状が略コの字状の内壁板214bとを4角枠状に組み合わせて構成されている。
第1のケース部210の内部空間のうちで、内壁部214に取り囲まれた部分は、配線基板Hの収納部を構成している。また、この収納部のうちで、背の高い内壁板214aで取り囲まれた部位が、実装領域800bを収納するための実装領域収納部位214cであり、背の低い内壁板214bで取り囲まれた部位が、端子領域800aを収納するための端子領域収納部位214dである。
底板部212のうちで、実装領域収納部位214cの4隅側に位置する部位からは、略円筒状の取付部215が立ち上げられている。但し、図39及び40においては、2つの取付部215のみを図示している。この取付部215は、本来の制御基板の取付部材としての機能としても機能する。また、この取付部215は、上端面(突端面)に、雌ネジ部を開口させると共に、側面を平面略矩形状のリブ215bによって内壁部214と一体化させている。また、実装領域収納部位214c内に補強用リブ216aが配設されていると共に、端子配設領域214d内にも補強用リブ216bが配設されている。
外壁部213は、4つの外壁板213a〜213dで構成され、このうちの1個の外壁板213aからは、第1の重ね合わせ部217が薄肉状のリブ217aを介在させた状態で配置されている。この重ね合わせ部217は、図41(b)及び図42に示すように、下方に開口する円筒容器形状を備えており、上方の天板部217bの中心位置に挿通孔217cを有している。本実施例では、このような重ね合わせ部217を4つ備えており、各重ね合わせ部217は、薄肉状のリブ217aを介して外壁板213aに固定されていると共に、連接する他の重ね合わせ部に対しても、薄肉状のリブ217aを介して固定されている。
また、図40及び45に示すように、この外壁板213aにおいて第1の重ね合わせ部217の両脇の部位からは、第1の雄型のスライド嵌合部218が突出している。また、底板部212の外面において、外壁板213aに近接する2個所からは、略L字状の係止部219aが突出している。この係止部219aは、底板部212を始点に垂下した後に屈曲し、突端を外壁板213aの外側に突出させる状態となっている。更に、外壁部213aと対向する外壁部213bにおいては、上端面上に5つの第2の雌型のスライド嵌合部220が並設されている。また、底板部212の外面において、外壁板213bに近接する2個所からは、略L字状の係止部219bが突出している。この係止部219bは、底板部212を始点に垂下した後に屈曲し、突端を外壁板213bの外側に突出させる状態となっている。
また、残りの一対の外壁板213c、213dでは、図40に示すように、長手方向に沿ってレール部222を各々配置している。このレール部222は、図44に示すように、開口部を上方に向けた略Lの字状の縦断面を備えており、このレール部222内に、複数のスライド係合部223を略等間隔に配置している。このスライド係合部223は、図43に示すように、レール部222の底面から垂設される縦板状のストッパ223bと、横板状の摺動部223aと、を一体的に備えた略L字形状に形成されている。尚、ストッパ223bは、第1のケース部210と、第2のケース部230とを相対的に摺動させ、両ケース部210、230をスライド係合させる際に、スライド方向に沿った終端側に配置されている。
第2のケース部(ケース蓋)230も、樹脂を用いて作製した一体成形品であり、図39に示すように、下方側に開口部231を有する略容器形状を備えている。但し、この第2のケース部を単なる蓋状に形成してもよいし、前述の第1のケース部210が蓋状に形成されてもよい。また、略矩形状の上板部232の外縁から略4角枠状の外壁部233を垂下させている。また、この外壁部233は、4つの外壁板233a〜233dで構成されている。更に、上板部232には、第2のケース部230と、第1のケース部210とを重ね合わせてケース200を閉鎖したときに、端子配設領域300aと対向する部位に通過窓234aを形成している。また、上板部232の残部は、この通過窓234aよりも隆起した隆起部234bとされている。
図39に示すように、外壁部233を構成する1つの外壁板233aの近傍には、第2の重ね合わせ部237が配置されている。即ち、図41(a)及び図42に示すように、第2の重ね合わせ部237は、外壁板233aから略水平に突出する板状部237bから上方に立ち上げられると共に、重ね合わせ部237、外壁板233a及び板状部237b間に形成されたリブ237aによって補強されている。この重ね合わせ部237は柱形状を備え、外壁板233aの幅方向に沿って4個立ち上げられている。また、重ね合わせ部237の下面では、案内穴237cが開口されている。また、図39に示すように、この外壁板233aにおいて、第2の重ね合わせ部237の両脇の部位には、前述の「第1の雄型のスライド嵌合部218」と雌雄を反転させた第1の雌型のスライド嵌合部240が、この雄型のスライド嵌合部218と同間隔に同数配置されている。
また、図39に示すように、外壁部233aと対向する外壁部233bにおいては、前述の「第2の雌型のスライド嵌合部220」と雌雄を反転させた第2の雄型のスライド嵌合部238が、この雌型のスライド嵌合部220と同間隔に同数配置されている。また、残りの一対の外壁板233c、233dでは、長手方向に沿ってレール部242を各々配置している。このレール部242は、図44に示すように、外壁板233c、233dの下端から略水平に突出する水平板部242aと、水平板部242aの突端から垂下する垂下板部242bとによって断面略L字形状とされている。また、図43に示すように、このレール部242内にも、複数のスライド係合部243が略等間隔に配置されている。このスライド係合部243は、レール部242の上面部から垂下するストッパ243bと、横板状の摺動部243aと、を一体的に備えた略L字形状に形成されている。尚、このストッパ243bも、1のケース部210と、第2のケース部230とを相対的に摺動させ、両ケース部210、230をスライド係合させる際に、スライド方向に沿った終端側に配置されている。
第3のケース部(接続端子装着部材)260も、樹脂を用いて作製した一体成形品である。また、図39に示すように、端子配設領域800aの上方に配置される装着本体部261と、装着本体部261の長手方向に沿った一個の端縁から立ち上げられた第1のリブ262と、この一個の端縁の両脇側から水平に突出する取付代263と、装着本体部261の裏面側において、上記「一個の端縁」以外の端縁から垂下する第2のリブ265とを備えている。また、装着本体部261には、3個の接続端子通過窓261aが設けられ、更に、取付代263には、挿通孔263aが貫通状に設けられている。
次に、配線基板Hを、ケース200内に組み付けるための手順について簡単に説明する。先ず、配線基板Hを、開口部211を通じて第1のケース部210内に挿入・固定する。そして、配線基板Hを第1のケース部210内で位置合わせすると、配線基板本体800の実装領域800bが、第1のケース部210の実装領域収納部位214cに収納され、配線基板Hの端子配設領域800aが、第1のケース部210の端子領域収納部位214dに収納される。
次いで、第3のケース部(接続端子装着部材)260が、端子領域収納部位214dに配置される。このとき、第2のリブ265の下端面が、底板部212に当接し、第3のケース部260の装着本体部261と、「内壁板214c及び補強用リブ216b」との間に空間部が形成される。そして、この空間部に端子配設領域800aが収容される。同時に、配線基板本体800の端子配設領域800aに実装された電子部品(例えば、コネクター)820を、接続端子通過窓261aに挿通させる。
また、2個の取付代263が、実装領域300b上に進入し、この2個の取付代263の挿通孔263aが、取付孔302のうちで端子配設領域300aに近接する2個の上方に位置合わせされる。そして、この2個の取付孔302においては、上方から取付代263、配線基板H、取付部215の順に重ね合わせた状態で、ビス(図示を省略)の雄ネジ部を、挿通孔263a、配線基板本体800の取付孔802の順に通過させた後、取付部215の雌ネジ部に螺合させる。これにより、第3のケース部260を第1のケース部210に固定する。併せて、端子配設領域800aから離間する2個の取付孔802においては、配線基板H、取付部215の順に重ね合わせた状態で、ビス(図示を省略)の雄ネジ部を取付部215を雌ネジ部に螺合する。そして、配線基板Hの実装領域800bの4隅が対応する4つの取付部215に螺子止めされ、配線基板Hの第1のケース部210への固定を完了する。
続いて、第1のケース部210の開口部211に、第2のケース部230の開口部231を重ね合わせてケース200を閉鎖する。この閉鎖作業に際しては、先ず、図43に示すように、第1のケース部210の各レール部222上に、第2のケース部230の対応関係にある各レール部242を対向状態で配置する。このとき、第2のケース部230を、第1のケース部210に対して相対的に、第2の重ね合わせ部237の方向に位置ズレを生じた状態とする。
これにより、図43に示すように、各レール部242内の各スライド係合部243は、各レール部222内の各スライド係合部243のうちで、対応関係にあるものよりも後退した状態となる。また、図44に示すように、レール部242の水平板部242aは、外壁部213a(外壁板213c、213d)の上端面に摺動可能に支持されると共に、各レール部242の垂下板部242bは各レール部222内に挿入されながら、各レール部222の垂設板部222bと摺動可能な状態で当接する。このため、第1のケース部210及び第2のケース部230は、各ケース部210(230)において隣り合う他のレール部242(レール部222)の方向(底板部212や上板部232の表裏面と平行な平面内)に、相対的な移動を行うことが禁止される。
次いで、両ケース部210、230の重ね合わせ部217、237を重ね合わせる方向に向かって、両ケース部210、230を相対的にスライドさせると、対応するレール部222、242内において、対応関係にあるスライド係合部223、243がスライド状に係合する。そして、スライド量を増加させると、対応関係にあるスライド係合部223、243のストッパー(223a及び243a)同士が当接し、第1のケース部210と第2のケース部230とのスライド量を更に増加させることが禁止される。尚、上記「スライド係合」とは、第1のケース部210のスライド係合部223と、第2のケース部230のスライド係合部243とがスライド状に係合すると共に、重ね合わされた第1のケース部210と、第2のケース部230とが、重ね合わされた方向と逆方向(ケース200の開放方向であって、底板部212や上板部232と垂直な方向)へ離間することを禁止するように係合することである。また、スライドとは、重ね合わせ方向と垂直な方向に移動させることをいう。
また、同時に、図45に示すように、第1の雄型のスライド嵌合部218が第1の雌型のスライド嵌合部240に嵌合し、第2の雄型のスライド嵌合部238が第2の雌型のスライド嵌合部220に嵌合する。尚、上記「スライド嵌合」とは、第1のケース部210のスライド嵌合部218、220と、第2のケース部230のスライド嵌合部238、240とがスライド状に嵌合すると共に、重ね合わされた第1のケース部210と、第2のケース部230とが、重ね合わされた方向と逆方向(ケース200の開放方向であって、底板部212や上板部232と垂直な方向)へ離間することを禁止するように嵌合することである。また、スライドとは、重ね合わせ方向と垂直な方向に移動させることをいう。
また、図42に示すように、両ケース部210、230の重ね合わせ部217、237が重ね合わされた状態となる。即ち、4つの第1の重ね合わせ部217の天板部217bと、4つの第2の重ね合わせ部237とが重ね合わされた状態となり、対応関係にある挿通孔217cと案内穴237cとが位置合わせされる。そして、所定の一個の重ね合わせ部217の開口部から、封止手段(戻り止めボルト)270を挿入し、この封止手段270の雄ネジ部を挿通孔217c及び案内穴237cに螺入する。
尚、この挿通孔217c及び案内穴237cの内径は、封止手段(戻り止めボルト)270の外径よりも小さくされている。また、封止手段(戻り止めボルト)270は、挿通孔217c及び案内穴23を通じて、重ね合わせ部217、237に一旦、ねじこまれると(螺入される)、取り外し方向へは回転不能となっている。これにより、第1のケース部210と第2のケース部230とは、重ね合わせを行う方向と逆方向(底板部212や上板部232の表裏面と直交する方向)への離間を禁止された状態となる。同時に、各スライド係合部223、243の係合を解除する方向へのスライドも禁止された状態となり、ケース200の封止状態が堅固に維持される。
また、監督官庁等の検査機関の検査等の際には、第1のケース部210と、第2のケース部230とを離間させ、ケース200の封止状態を解除することが必要となる。このとき、使用状態にある第1の重ね合わせ部217(即ち、封止手段270を用いている重ね合わせ部217)において、隣接する他の第1の重ね合わせ部217との間に介在されたリブ217a、及び、外壁部213(外壁板213a)との間に介在された217aを、ニッパー等の工具で切断する。これにより、第1の重ね合わせ部217と、第2の重ね合わせ部237との固定が解除される。そして、対応するスライド係合部間(223及び243)の係合と、対応するスライド嵌合部間(218及び240、220及び240)の嵌合と、を解除する方向に向かって、第1のケース部210と第2のケース部230とを相対的にスライドさせると、第1のケース部210及び第2のケース部230を離間させることができる。
c.部品ユニットの概要
前述のように、配線基板Hのうちで、画像制御基板361等のように、他の関連部品と共に部品ユニットを構成するものもある。以下、この種の部品ユニットに関し、具体例を用いて説明する。
図46は、部品ユニットの具体例を構成する「液晶表示ユニットU」を図示するものである。この「液晶表示ユニットU」は、画像パネル部362と、画像パネル部362の背面に取着された保護ケース部363とを備えている。このうち、画像パネル部362は、前述の液晶表示装置27を前面側に配置している。また、画像パネル部362の背面からは、保護ケース部363内に向かって取付部363aを突出させている。そして、この取付部363aの突端部に画像制御基板361がビス等を用いて固定されている。
この液晶表示ユニットUは、遊技機1の製造過程において、通常、1つの部品として取り扱われている。つまり、遊技機1の部品を製造販売する業者から、遊技機1の製造メーカに対して、この液晶表示ユニットUの単位で納品される。そして、遊技機1の製造メーカにおいては、この液晶表示ユニットUの単位で遊技機に組み込まれる。このため、この液晶表示ユニットUは、ユニットの単位でリサイクルされたり、廃棄されることが望ましい。
(7)遊技機(配線基板)のリサイクル
a.概要
複数のパチンコ機1の製造メーカが、使用済みの遊技機、及び、その部品(配線基板H)の効率的なリサイクル(リユース)を意図して協働体を構成している。そして、この協働体の構成員たる「製造メーカ(以下、構成メーカ」という。)は、図47に従ってリサイクル(リユース)を実行する。つまり、各構成メーカが、自社の新台をパチンコホールに納品するときに、使用済みの遊技機が、何れかの構成メーカの製造にかかる遊技機である限り、その製造メーカを問わずに(自社品であるか、他社品であるかを問わずに)回収する。
各構成メーカが、回収した「使用済みの遊技機」は、リサイクル管理センタに集約され、製造メーカ別(各構成メーカ別)に分別、保管される。尚、各構成メーカが、新台を納品するときに使用済みの遊技機を回収できなかった場合、リサイクル管理センタが、パチンコホールに出向き、「使用済みの遊技機」の回収を行うことがある。
各構成メーカは、リサイクル管理センターからの連絡を受けて、自社の使用済み遊技機を引き取る。また、各構成メーカは、自社の使用済み遊技機をリサイクル処理業者へ搬送すべきことを、リサイクル管理センターに対して指示することもある。更に、各構成メーカは、リサイクル処理業者に対して、「使用済みの遊技機」やその部品(配線基板H)の処分を依頼したり、リサイクル処理業者から産出される再生部品を受け取ることがある。
b.リサイクル管理センターの処理
リサイクル管理センターにおいては、図48に示すように、搬送された遊技機1や配線基板Hが、構成メーカにかかわるものであるか否か、つまり、「リサイクル管理センター」が取り扱う「対象製品」であるか否かを判断する(S2005)。そして、「対象製品」でなければ(S2005;NO)、遊技機1や配線基板Hを、搬出元のパチンコホールへ返品する(S2008)。一方、「対象製品」であれば(S2005;YES)、遊技機1や配線基板Hが「リサイクル管理センター」に搬入された旨を、当該遊技機1や配線基板Hの製造元の「構成メーカ」に連絡する。
c.各構成メーカでの処理
各構成メーカは、ヴァージン配線基板(新品の配線基板H)を、図49に示すように取り扱う。尚、図49及び後述する図50は、ケース200に収納されるタイプの配線基板H(主制御基板340、音声・ランプ制御基板370、図柄制御基板360等)の処理手順を示している。
つまり、配線基板本体800を作製した後(S2020)、リダーライタ827を用いて、疑似電子部品820(つまり、ICタグ)に基板情報(機種名を示す情報、ロット番号を示す情報、製造日付を示す情報)を付与(記憶)する(S2025)。次いで、配線基板本体800への電子部品810、815の実装と、配線基板本体800への疑似電子部品820の装着と、を同時に実行する(S2030)。そして、この電子部品810、815の実装と、疑似電子部品820の装着とが施された配線基板本体800(つまり、完成品の配線基板H)をケース200に収納し(S2040)、このケース200を封止(封止手段270を用いる。)して、遊技機1に組み込む(S2050)。そして、この遊技機1は、パチンコホールへ出荷される。尚、ケース200に収納するタイプの配線基板Hであっても、封止を行わないものは、この封止が省略される。
尚、図示を省略するが、部品ユニットに組み込むタイプの配線基板H(画像制御基板361等)では、図49に示すS2030の処理の後、この電子部品810、815の実装と、疑似電子部品820の装着とが施された配線基板本体800(つまり、完成品の配線基板H)を、部品ユニット(液晶表示ユニットU等)に組み込む。この後、この部品ユニット(液晶表示ユニットU等)遊技機1に組み込む。
また、本実施例では、疑似電子部品820(つまり、ICタグ)に識別情報を付与した後、この疑似電子部品820(つまり、ICタグ)を配線基板本体800に装着した(S2025、S2030)。但し、疑似電子部品820(つまり、ICタグ)を配線基板本体800に装着した後に、この疑似電子部品820(つまり、ICタグ)に識別情報を付与してもよい。
更に、本実施例では、配線基板Hがヴァージン基板であるときには、疑似電子部品820に付与される識別情報から「リサイクル情報」を除外する態様を例示するが、配線基板Hがヴァージン基板であるときも、疑似電子部品820に付与される識別情報に「リサイクル情報」を含ませることができる。つまり、配線基板Hがヴァージン基板であるときも、「再利用回数」がゼロ回である」旨のリサイクル情報や、「リサイクル品でない旨」のリサイクル情報を付与すればよいからである。
構成メーカは、回収した配線基板H(リサイクルを行ったり、廃棄を行う配線基板H)を、図50に示すように取り扱う。先ず、当該製造メーカは、リダーライタ827を用いて、回収した配線基板Hが自社品であるか否かを判断する(S2100)。この判断は、疑似電子部品820に付与されている基板情報(機種名を示す情報、ロット番号を示す情報、製造日付を示す情報)を、リダーライタ827の表示部(例えば、ディスプレイ)827eに表示して行われる。
尚、本実施例では、S2100の処理を、ケース200に収納された状態の配線基板Hに対して行うが、このS2100の処理を、予め、ケース200より取り外した配線基板Hに対して行ってもよいし、遊技機1に組み込まれている配線基板Hに対して行ってもよい。また、図50に示す処理は、前述のように、ケース200に収納されるタイプの配線基板Hに対するものではあるが、部品ユニット(液晶表示ユニットU)に組み込むタイプの配線基板H(画像制御基板361等)に対しても同様に適用できる。そして、部品ユニットに組み込むタイプの配線基板H(画像制御基板361等)においては、当該部品ユニットを分解せずにリサイクルを行う可能性が高い場合には、S2100の処理を、部品ユニットに組み込まれた状態の配線基板H(画像制御基板361等)に対して行うことが望ましい。
構成メーカが、「回収した配線基板Hが自社品(自社の正規品)でない」と判断すると(S2100;NO)、この配線基板H(若しくは遊技機1全体)を、搬送元(パチンコホール、リサイクル管理センター等)に返品する(S2105)。一方、構成メーカが、「回収した配線基板Hが自社品である」と判断すると(S2100;YES)、ケース200の封止(封止手段270による封止)を解除し、ケース200から配線基板Hを取り出す(S2108)。そして、この配線基板H(若しくは遊技機1全体)を、リサイクル(再利用するか否か)を判断する(S2110)。
このS2110の判断は、配線基板Hの外観等を目視しつつ、リダーライタ827を用いて、リサイクル情報(リサイクル回数等)を読み取りながら行う。例えば、リダーライタ827の表示部(例えば、ディスプレイ)827eに表示される「リサイクル回数」が上限数に到達していれば、リサイクル(再利用)しないと判断され(S2110;NO)、当該「リサイクル回数」が上限数に到達していなければ、リサイクル(再利用)をすると判断される(S2110;YES)。
構成メーカが、S2110の処理で、「回収した配線基板Hのリサイクル(再利用)を実行しない」と判断すると(S2110;NO)、当該配線基板Hは廃棄される(S2115)。つまり、本実施例では、このS2110の処理において、目視のみに頼らずに、リサイクル情報を検査し、この検査結果を用いて、配線基板Hのリサイクル(再利用)の実行の可否を決定する。このため、リサイクル(再利用)品を利用した遊技機1において、「配線基板Hがリサイクル(再利用)品であることを原因とする製品不良」を生ずることを未然に防止できる。
構成メーカが、S2110の処理で、「回収した配線基板Hのリサイクル(再利用)を実行する」と判断すると(S2110;YES)、当該配線基板Hに修理や改良を加える必要がなければ(2120;NO)、そのまま、S2150の処理に移行する。一方、当該配線基板Hに修理や改良を加える必要があれば(2120;YES)、当該配線基板Hに修理や改良を加えた後(S2130)、S2150の処理に移行する。
S2150の処理では、疑似電子部品820を配線基板Hから取り外す。そして、リダーライタ827を用いて、疑似電子部品820にリサイクル情報を付与する(S2155)。つまり、配線基板Hに始めてのリサイクルを実行する場合には、「サイクル回数が1である旨のリサイクル情報」を付与し、配線基板Hに2度目以降のリサイクルを実行する場合には、「回収時のサイクル回数」に対して、リサイクル回数を「+1」加算した「新たなサイクル回数」を示す「リサイクル情報」を付与する。この後、疑似電子部品820を配線基板Hに再装着し(S2170)、更にケース200に収納し(S2070)、ケース200の封止(封止手段270による封止)を行った後、遊技機1に組み込む(S2080)。
尚、配線基板Hのリサイクル時において、疑似電子部品820に付与すべき「識別情報」は、本実施例の「リサイクル情報」に限定されない。つまり、リサイクルの事情に応じて、当該「識別情報」を追加、変更することができる。例えば、リサイクルされる配線基板Hが適用される遊技機1が、当該リサイクル前と変更される場合、S2155の処理において、疑似電子部品820に対して、「リサイクル情報」と共に、新たな遊技機1に対応する基板情報(機種名を示す情報等)を付与してもよい。
また、本実施例では、疑似電子部品820を配線基板Hから一端、取り外した後(S2150)、疑似電子部品820に識別情報(リサイクル情報等)を付与したが(S2155)、疑似電子部品820を配線基板Hに取り付けたままの状態で、当該疑似電子部品820に識別情報(リサイクル情報等)を付与してもよい。特に、部品ユニットに組み込むタイプの配線基板H(画像制御基板361等)において、疑似電子部品820に識別情報(リサイクル情報等)を付与する場合、「配線基板Hと一体で部品ユニットに組みまれた状態の疑似電子部品820」に識別情報(リサイクル情報等)を付与することが望ましい。蓋し、部品ユニットに組みまれた状態の配線基板Hは、変更、改良を要することなく、リサイクルに供されることがあるからである。
(8)実施例1の効果
以上の実施例1によると、配線基板本体800とは別体の疑似電子部品820を、当該配線基板本体800に装着することによって、配線基板Hに識別情報を付与する。つまり、実施例1の配線基板Hにおいては、「在来の配線基板」を構成する「配線基板本体」に微修正を加えて(つまり、疑似ランド部803を付加する微修正を加えて)、利用すればよい。換言すると、実施例1の配線基板Hは、在来の配線基板との構成部品(特に、配線基板本体800)の共通性が高くなる。
また、実施例1の配線基板Hでは、その配線基板本体800の構造を、在来の配線基板の配線基板本体と同様なもの(前述の埋設空間を備えないもの)とできる。しかも、疑似電子部品820の外観が、配線基板本体800に実装される電子部品810、815と同様なものされる。更に、実施例1では、配線基板本体800に、電子部品810、815を、ハンダを用いて実装するための「第1の装着部(ランド部802b及びスルーホール部802c)」の他に、疑似電子部品820を、ハンダを用いて装着するための「第2の装着部(疑似ランド部803)」を設ける。このため、疑似電子部品820の装着を、電子部品810、815の実装と同様に、ハンダを用いて行うことができる。
特に、実施例1では、電子部品810、815を配線基板本体800に実装する作業の一環として、疑似電子部品820を配線基板本体800に装着する作業を行うことができる。蓋し、疑似電子部品820の外観(外形)は電子部品810、815と同一であり、しかも、疑似電子部品820がハンダを用いて装着されるため、電子部品810、815を配線基板本体800に実装する際に使用する「治具」、「工具」、「工作機械」等を用いて疑似電子部品820の装着を行うことができるからである。従って、実施例1によると、疑似電子部品820を配線基板本体800に装着することが原因となり、配線基板Hの製造上の手間を多くすることはない。
更に、実施例1の発明では、外郭体821と、この外郭体821の内部に埋没する識別用部材本体822とで構成する。つまり、識別用部材(疑似電子部品820)の主要部を構成する識別用部材本体822を外郭体821で保護することで、識別用部材(疑似電子部品820)の耐久性が高められている。よって、本実施例では、識別用部材(疑似電子部品820)にリサイクル情報等を付与し、配線基板Hのリサイクルを行う度にリサイクル情報を更新するが、当該配線基板Hの使用期間が経過しても、識別用部材(特に、識別用部材本体822)に破損を生ずる可能性が低い。
また、実施例1によると、遊技機1の製造メーカは、自社の遊技機1に関し、その配線基板Hの品質不良を原因としてクレームを受けた場合に、その対応が容易となる。つまり、品質不良の原因に応じて、製造メーカが行う対応は異なったものとなる。例えば、リサイクル品を使用したことを原因とする品質不良と、経年劣化を原因とする品質不良とでは、製造メーカが行う対応は異なったものとなる。これに対し、実施例1によると、製造メーカは、識別情報を用いて、クレーム時の原因切り分けが容易となり、これのクレームに対する対応も容易なものとなる。
尚、本実施例によると、疑似電子部品820を用いて、配線基板Hの商品管理を効率的に行うことができる。例えば、疑似電子部品820にリサイクル情報を付与したため、遊技機メーカにおける「会計上の処理」も容易となり、配線基板Hの商品管理を効率的に行うことができる。蓋し、遊技機1に組み込まれる「配線基板H」は、リサイクル品であるか、ヴァージン品(新品)であるかかによって原価が異なる。そして、実施例1によると、疑似電子部品820を用いて、遊技機1に組み込まれる「配線基板H」が、リサイクル品であるか、ヴァージン品(新品)であるかかを、簡易に把握できるからである。
尚、本実施例は、何れの配線基板Hのリサイクルにも好適に適用されるが、特に、副制御基板(発射装置制御基板、払出制御基板350、音声・ランプ制御基板370、図柄制御基板360等)のリサイクルを促進するものである。副制御基板では、(例えば、発射制御基板)ではリサイクル前と後で機種が異なっても、粋が変わらないかぎり、そのまま使用できる可能性が高いからである。
B.実施例2
次に、図51〜図53を用いて実施例2の遊技機について説明する。この遊技機は、識別用部材の構造と、識別用部材の配線基板本体800への装着態様と、が異なる他は、実施例1の遊技機と同様である。つまり、実施例2では、識別用部材として疑似電子部品820を用いるのではなく、他の態様の識別用部材を用いる点が、実施例1と異なる。そして、実施例2では、実施例1と相違する部分のみを言及する。
実施例2では、図51(a)〜(c)に示すように、識別用部材を、2枚のシール850、860を用いた2重構造とされている。つまり、実施例2の識別用部材は、配線基板本体800の表面に粘着される下層シール850と、この下層シール850の表面部に粘着される上層シール860と、を備える。
下層シール850は、第1のシート状部材の一具体例を示すものであり、シート状(例えば、白色で無地のシール状)の外郭体851と、この外郭体851に埋没状に埋め込まれた識別用部材本体852と、を備える。この識別用部材本体852は、実施例1の識別用部材本体822と同様な構成を備える。そして、この識別用部材本体852(この識別用部材本体852のEEPROMに)は、種々の識別情報が更新可能な状態(書き換え可能な状態)に格納されている。この識別情報には、図33に示すように、基板情報(機種名を示す情報、ロット番号を示す情報、製造日付を示す情報)と、リサイクル情報(配線基板Hがリサイクル品であるか否かを示す情報、リサイクル回数を示す情報)が含まれる。
また、下層シール850は、シート状の基材部と、その下面部に形成された粘着剤層(図示を省略)とを備える。この粘着剤層は、例えば、アクリル系重合体を用いて構成することができる。
上層シール860は、第2のシート状部材の一具体例を示すものであり、型式名等の基板情報を示す印刷部861が設けられている。尚、上層シール860において基板情報を付与する箇所は特に問わず、例えば、上層シール860の上面部を例示できる。但し、上層シール860を透明体や半透明体等で構成する場合には、上層シール860の下面部に基板情報を付与し、当該基板情報が不用意に剥離すること等を防止できる。また、上層シール860も、シート状の基材部と、その下面部に形成された粘着剤層(図示を省略)とを備える。この粘着剤層は、例えば、アクリル系重合体を用いて構成することができる。
本実施例では、図51(c)に示すように、配線基板本体800の表面に下層シール850の下面部を当接させつつ、下層シール850の粘着剤層と配線基板本体800の表面との間に生ずる粘着力(つまり、第1の粘着力)で、下層シール850を配線基板本体800に粘着させる。そして、下層シール850の上面部に上層シール860の下面部を当接させつつ、上層シール860の粘着剤層と、下層シール850の上面部との間に生ずる粘着力(つまり、第2の粘着力)で、上層シール860を下層シール850に粘着させている。
但し、第1の粘着力と、第2の粘着力を比べると、前者の方が、2〜30倍程度強くなっている。例えば、下層シール850の粘着剤層を構成するアクリル系重合体における「単位重量当りのアクリル酸基の含有量」を、上層シール860の粘着剤層を構成するアクリル系重合体における「単位重量当りのアクリル酸基の含有量」よりも多くすることで、第1の粘着力を、第2の粘着力を比べて大きくすることができる。
以上のように構成される実施例2の配線基板Hも、実施例1の配線基板Hと同様に、ケース200に収納したり、部品ユニット(液晶表示ユニットU等)に組み込んで、遊技機1に装着したり、そのまま遊技機1に装着して用いることができる。
実施例2の遊技機(配線基板H)のリサイクルの概要も、図47に従って説明される。また、リサイクル管理センターの処理も、図48に従って実行される。但し、各構成メーカでの処理が以下のように行われる。
構成メーカは、ヴァージン配線基板(新品の配線基板H)を、図52に示すように取り扱う。尚、図52及び後述する図53は、ケース200に収納されるタイプの配線基板H(主制御基板340、音声・ランプ制御基板370、図柄制御基板360等)の処理手順を示している。
つまり、配線基板本体800を作製した後(S2020)、上層シール860に、第の基板情報(機種名)を付与(印刷若しくは刻印等)する(S2022)。更に、リダーライタ827を用いて、下層シール850(つまり、ICタグ)に、第の基板情報(ロット番号を示す情報、製造日付を示す情報)を付与(記憶)する(S2026)。この第の基板情報とは、第の基板情報以外の基板情報であって、第の基板情報よりも、当該配線基板Hのリサイクル時に、書き換える可能性が高いものを例示できる。
次いで、配線基板本体800への電子部品810、815の実装(S2032)した後、この配線基板本体800の平面部のうちの空き領域(電子部品810、815が実装されていない部位等)に下層シール850を粘着する(S2034)。更に、下層シール850の上面部に上層シール860を粘着した後、配線基板本体800(つまり、完成品の配線基板H)をケース200に収納し(S2040)、遊技機1に組み込む(S2050)。そして、この遊技機1は、パチンコホールへ出荷される。尚、ケース200に配線基板Hを収納したときに(S2040)、このケース200の封止(封止手段270を用いる。)を行う必要がある場合はこの封止を行い、必要がない場合は、この封止は省略される。
尚、実施例2では、配線基板本体800のうちの空き領域に、識別用部材を装着したが、配線基板に直接接触する下層シール850が、絶縁体で構成されるため、この識別用部材を当該空き領域以外の部位、例えば、「導体パターン802」上や、電子部品上等に装着することもできる。よって、実施例2によると、配線基板H上における「識別用部材の装着位置」の選択の自由度が高くなる。
また、図示を省略するが、部品ユニットに組み込むタイプの配線基板H(画像制御基板361等)では、図52に示すS2036の処理の後、この電子部品810、815の実装と、下層シール850及び上層シール860の粘着が施された配線基板本体800(つまり、完成品の配線基板H)を、部品ユニット(液晶表示ユニットU等)に組み込む。この後、この部品ユニット(液晶表示ユニットU等)遊技機1に組み込む。
また、本実施例では、下層シール850(つまり、ICタグ)に識別情報を付与した後、配線基板本体800に粘着したが、下層シール850を配線基板本体800に粘着したり、下層シール850及び上層シール860を配線基板本体800に粘着した後に、この下層シール850(つまり、ICタグ)に識別情報を付与してもよい。更に、本実施例では、配線基板Hがヴァージン基板であるときには、下層シール850(つまり、ICタグ)に付与される識別情報から「リサイクル情報」を除外する態様を例示するが、配線基板Hがヴァージン配線基板であるときも、下層シール850(つまり、ICタグ)に付与される識別情報に「リサイクル情報」を含ませることができる。つまり、配線基板Hがヴァージン配線基板であるときも、「再利用回数がゼロ回である」旨の「リサイクル情報」等を付与すればよいからである。
構成メーカは、回収した配線基板H(リサイクルを行ったり、廃棄を行う配線基板H)を、図53に示すように取り扱う。先ず、当該製造メーカは、下層シール850を目視して、回収した配線基板Hが自社品であるか否かを判断する(S2101)。但し、実施例1と同様に、リダーライタ827を用いて、回収した配線基板Hが自社品であるか否かの判断を行ってもよい。つまり、下層シール850に付与されている基板情報(機種名を示す情報等)を、リダーライタ827の表示部(例えば、ディスプレイ)827eに表示して、この判断を行うこともできる。
尚、本実施例においても、S210の処理をケース200に収納された状態の配線基板Hに対して行うが、このS210の処理を、予め、ケース200より取り外した配線基板Hに対して行ってもよいし、遊技機1に組み込まれている配線基板Hに対して行ってもよい。また、図53に示す処理は、前述のように、ケース200に収納されるタイプの配線基板Hに対するものではあるが、部品ユニット(液晶表示ユニットU)に組み込むタイプの配線基板H(画像制御基板361等)に対しても同様に適用できる。そして、部品ユニットに組み込むタイプの配線基板H(画像制御基板361等)においては、当該部品ユニットを分解せずにリサイクルする可能性が高い場合には、S210の処理を、部品ユニットに組み込まれた状態の配線基板H(画像制御基板361等)に対して行うことが望ましい。
構成メーカが、「回収した配線基板Hが自社品(自社の正規品)でない」と判断すると(S210;NO)、この配線基板H(若しくは遊技機1全体)を、搬送元(パチンコホール、リサイクル管理センター等)に返品する(S2105)。一方、構成メーカが、「回収した配線基板Hが自社品である」と判断すると(S2100;YES)、ケース200の封止(封止手段270による封止)を解除し、ケース200から配線基板Hを取り出す(S2108)。そして、この配線基板H(若しくは遊技機1全体)を、リサイクル(再利用するか否か)を判断する(S2110)。
このS2110の判断は、配線基板Hの外観等を目視しつつ、リダーライタ827を用いて、リサイクル情報(リサイクル回数等)を読み取りながら行う。例えば、リダーライタ827の表示部(例えば、ディスプレイ)827eに表示される「リサイクル回数」が上限数に到達していれば、リサイクル(再利用)しないと判断され(S2110;NO)、当該「リサイクル回数」が上限数に到達していなければ、リサイクル(再利用)をすると判断される(S2110;YES)。
構成メーカが、S2110の処理で、「回収した配線基板Hのリサイクル(再利用)を実行しない」と判断すると(S2110;NO)、当該配線基板Hは廃棄される(S2115)。つまり、本実施例では、このS2110の処理において、目視のみに頼らずに、リサイクル情報を検査し、この検査結果を用いて、配線基板Hのリサイクル(再利用)の実行の可否を決定する。このため、リサイクル(再利用)品を利用した遊技機1において、「配線基板Hがリサイクル(再利用)品であることを原因とする製品不良製品不良」を生ずることを未然に防止できる。
構成メーカが、S2110の処理で、「回収した配線基板Hのリサイクル(再利用)を実行する」と判断すると(S2110;YES)、当該配線基板Hに修理や改良を加える必要がなければ(2120;NO)、そのまま、S2135の処理に移行する。一方、当該配線基板Hに修理や改良を加える必要があれば(2120;YES)、当該配線基板Hに修理や改良を加えた後(S2130)、S2135の処理に移行する。
S2135の処理では、上層シール860を交換すべきか否かが判断される。例えば、配線基板Hの適用対象となる遊技機1の機種が、リサイクルの前後で、変更される場合とか、上層シール860に破損等を生じている場合等には、上層シール860を交換すべきとされる。そして、上層シール860を交換する必要がある場合には(S2135;YES)には上層シール860を交換した後(S2138)、S2150の処理に移行し、上層シール860を交換する必要がない場合には、そのまま(S2138の処理経由せず)、S2150の処理に移行する。
215の処理では、リダーライタ827を用いて下層シール850にリサイクル情報を付与する。つまり、配線基板Hに始めてのリサイクルを実行する場合には、「サイクル回数が1である旨のリサイクル情報」を付与し、配線基板Hに2度目以降のリサイクルを実行する場合には、「回収時のサイクル回数」に対して、リサイクル回数を「+1」加算した「新たなサイクル回数」を示す「リサイクル情報」を付与する。尚、本実施例では、「リサイクル情報」の付与や更新の際に層シール80を配線基板本体800から剥離する必要がないため、層シール8配線基板本体800に対して、長期間に渡って確実に粘着させることが容易である。また、配線基板Hのリサイクル時において、下層シール850に付与すべき「識別情報」は、本実施例の「リサイクル情報」に限定されない。つまり、リサイクルの事情に応じて、当該「識別情報」を追加、変更することができる。例えば、リサイクルされる配線基板Hが適用される遊技機1が、当該リサイクル前と変更される場合、S2155の処理において、下層シール850に対して、「リサイクル情報」と共に、新たな遊技機1に対応する基板情報(機種名を示す情報等)を付与してもよい。
215の処理の後、配線基板Hをケース200に収納し(S2070)、必要に応じてケース200の封止(封止手段270による封止)を行った後、遊技機1に組み込む(S2080)。
実施例2においても、実施例1と同様な効果が得られる。つまり、実施例2によると、配線基板本体800とは別体の「下層シール850」を、当該配線基板本体800に粘着することによって、配線基板Hに識別情報を付与する。つまり、実施例2の配線基板Hにおいては、「在来の配線基板」を構成する「配線基板本体」をそのまま利用すればよい。換言すると、実施例2の配線基板Hにおいては、在来の配線基板との構成部品(特に、配線基板本体800)の共通性が特に高くなる。
また、実施例2の配線基板Hにおいても、その配線基板本体800の構造を、在来の配線基板の配線基板本体と同様なもの(前述の埋設空間を備えないもの)とできる。しかも、下層シール850を単に粘着するだけで、配線基板Hに識別情報を付与できる。よって、実施例2の配線基板Hの製造上の手間は、在来の配線基板の製造上の手間に比べて多くならない。従って、実施例2によっても、識別情報を発信可能な配線基板Hを安価に製造することができる。
また、実施例2においても、識別用部材の主要部をなす「下層シール850」を、外郭体851と、この外郭体851に埋没状に埋め込まれた識別用部材本体852とで構成する。つまり、「下層シール850」において特に重要な「識別用部材本体852」を外郭体851で保護することで、「下層シール850」の耐久性が高められている。このため、「下層シール850」に付与すべき識別情報の種類の選択の自由度が高められる。
更に、実施例2は、粘着力の強い「下層シール850」を「リサイクル履歴を示すリサイクル情報」を発信させるための部材として用いる。つまり、下層シール850にリサイクル情報を付与し、配線基板Hのリサイクルを行う度にリサイクル情報を更新するが、当該配線基板Hの使用期間が経過しても、下層シール850に破損を生ずる可能性が低い。一方、粘着が弱い「上層シール860」に、「リサイクル時の変更される可能性が高い基板情報」を発信させるための部材として用いる。つまり、実施例2では、配線基板本体Hに対して、粘着態様(剥がし易さ)が異なる複数種類のシート状部材(下層シール850及び上層シール860)を備えるため、識別用部材としての利便性が更に向上する。
即ち、剥がし難い下層シール850と、剥がし易い上層シール860とを備え、両者に異なる識別用部材を付与する。つまり、識別情報の性質に応じて、対象となるシート状部材を選択するため、配線基板Hのより円滑なリサイクルを行うことができる。しかも、リサイクル時に交換する可能性がある「上層シール860」は、構造が簡単で安価であるため、このように、複数の「シート状部材」を用いることが原因となり、遊技機(配線基板)の製造コストを高くしない。
C.実施例3
次に、実施例3の遊技機1について、図54を用いて説明する。この実施例3の遊技機1は、以下の点が異なる他は実施例1の遊技機1と同様である。つまり、実施例3では、配線基板本体800に対して疑似導体パターン803Aを形成する点のみが実施例1と異なる。
この疑似導体パターン803Aは、導体パターン802と同様な外形を備えつつも、配線基板Hの回路を構成しない。つまり、配線基板本体800に設けられた導体パターン802の何れの部分とも、電気的に導通しない状態に形成されている。この疑似導体パターン803Aは、絶縁基板801の上面部に線形の経路を描く線形部803aを備えている。そして、実施例3においては、疑似ランド部803が、配線基板本体800上の単独で存在するのではなく、線形部803aの端部と一体となりつつ、疑似導体パターン803Aの一部として存在している。
この実施例3の遊技機1によると、実施例1の遊技機1と同様な効果が他に、以下の効果が得られる。即ち、実施例3においては、配線基板本体800に疑似導体パターン(つまり、ダミーの導体パターン)803Aを設けるため、この配線基板800を目視する者は、疑似電子部品820をあたかも、本物の電子部品810、815のように感ずる。このため、疑似電子部品820を配線基板Hに付加することが原因となり、配線基板Hの外観を低下させたり、この配線基板Hを目視する者に違和感を与えることを防止できる。
尚、実施例3においては、疑似電子部品820に付加すべき識別情報に真偽情報(当該遊技機1と、配線基板Hとの対応関係が正しいか否かを識別するための情報)を含ませると、以下のような効果を生ずる。つまり、実施例3によると、疑似電子部品820が、電子部品810、815と同一の外観を備えるばかりか、「一見して識別用部材であることを示す部分(ICチップ822a、送受信アンテナ822c等)」が外郭体821の内部に埋設されている。
しかも、疑似ランド部803を疑似導体パターン(つまり、ダミーの導体パターン)803Aの一部として構成するため、不正行為者が、配線基板本体800に装着された疑似電子部品820を、一見して、「識別用部材である」と見破ることは困難である。従って、実施例3の遊技機1によると、不正行為者による不正行為の防止に大きな意義を有している。
D.実施例4
実施例4では、図55を用いて各構成メーカにおいて、識別用部材(疑似電子部品820若しくは下層シール850)と、リダーライタ827との間で行われる交信態様の具体例を説明する。
先ず、リダーライタ827を、識別用部材(ICタグ)との交信が可能な距離に近づけ、リダーライタ827から識別用部材(ICタグ))に対して、「応答要求信号」を送信する(S2310)。そして、識別用部材(ICタグ)が、「応答要求信号」を受信すると(S2210)、識別用部材(ICタグ)は、リダーライタ827に「応答信号」を送信する(S2220)。
このとき、識別用部材(ICタグ)に記憶されている識別情報が、識別用部材(ICタグ)からリダーライタ827に「応答信号」と共に送信される。尚、識別用部材(ICタグ)に記憶されている識別情報は、基板情報(機種名を示す情報、ロット番号を示す情報、製造日付を示す情報)と、リサイクル情報(リサイクル回数)である。尚、適用対象となる配線基板Hがヴァージン基板である場合には、付与されるリサイクル情報で特定される「リサイクル回数」は「ゼロ回」とされる。
更に、リダーライタ827が当該「応答信号」を受信すると(S2320)、リダーライタ827において、当該「応答信号」を送信した配線基板Hが、自社製品であるか否かを判断する(S2330)。尚、S2330の判断は、識別用部材(ICタグ)からリダーライタ827に送信される基板情報(機種名を示す情報、ロット番号を示す情報、製造日付を示す情報)を用いて行うことができる。
S2330の処理で、自社製品でないと判断すると(S2330;NO)、リダーライタ827の表示部(例えば、ディスプレイ)827eに、「配線基板Hが社外品である」旨を表示し(S2340)、「リーダライタが行う一連処理(リーダライタ処理)」を終了する。この処理によって、「配線基板Hが社外品である」と判断される場合には、当該配線基板Hが「不正な配線基板」である可能性もある。
一方、S2330の処理で、自社製品である判断すると(S2330;YES)、リダーライタ827の表示部(例えば、ディスプレイ)827eに、「基板情報(機種名を示す情報、ロット番号を示す情報、製造日付を示す情報)を表示する(S2350)。そして、リサイクル回数(R)を、「+1」し(S2360)、このリサイクル回数(R)が上限数(V)に到達したか否かを判断する(S2370)。
リサイクル回数(R)は、前述のように、リサイクル情報の1つであって、「配線基板H」に施された「リサイクル」の実行回数を示す。例えば、「配線基板H」が「ヴァージン基板」であると、このリサイクル回数(R)は「ゼロ」となり、「配線基板H」が1度のリサイクルを経ると、このリサイクル回数(R)は「1」となる。
S2370の処理で、リサイクル回数(R)が上限数(V)に到達していると(S2370;YES)、「配線基板Hを廃棄すべきである」旨の表示(廃棄表示)を行って、「リーダライタが行う一連処理(リーダライタ処理)」を終了する(S2390)。尚、配線基板Hを廃棄するか否かの判断を、「配線基板Hの使用期間が所定の期間に到達したか否か」を基準に行ってもよいし、「リサイクル回数(R)が上限数(V)に到達すること、及び、配線基板Hの使用期間が所定の期間に到達すること」の何れか一方を満足するか否かを基準に行ってもよい。
S2370の処理で、リサイクル回数(R)が上限数(V)に到達していない場合(S2370;NO)、S2360で設定した「新たな」リサイクル回数(R)を示す信号(以下、「リサイクル回数(R)信号」という。)を、リダーライタ827から識別用部材(ICタグ)へ送信し(S2380)、「リーダライタが行う一連処理(リーダライタ処理)」を終了する。
一方、識別用部材(ICタグ)では、S2230の処理の後に、所定の待機期間を終了するまでの間、S2380処理で送信された「リサイクル回数(R)信号」を受信するか否かを判断する(S2230、S2240)。そして、「リサイクル回数(R)信号」を受信した場合(S2240;YES)には、識別用部材(ICタグ)に記憶されていた「旧リサイクル回数」を、受信した信号で特定される「新リサイクル回数(R)」に更新し(書き換え、S2250)、「識別用部材(ICタグ)が行う一連処理(ICタグ処理)」を終了する。
また、識別用部材(ICタグ)では、S2230の処理の後に、所定の待機期間を終了するまでの間、「リサイクル回数(R)信号」を受信しない場合(S2240;NO)には、S2250の処理を経ることなく、「識別用部材(ICタグ)が行う一連処理(ICタグ処理)」を終了する。この取り扱いは、リーダライタ処理において、S2380の処理が実行されない場合、つまり、リーダライタ処理において、「社外表示がなされる場合(S2340)」と、「廃棄表示がなされる場合(S2380)」とに実行される。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。即ち、複数の実施例の特徴を兼ね備える変形例を例示することもできる。
また、上述した実施例では、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)に本発明を適用した例について説明したが、「羽根物」や「権利物」と呼ばれるパチンコ機はもちろんのこと、アレンジボール遊技機や回胴式遊技機に本発明を適用できることは言うまでもない。
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機を示す正面図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、前面枠が開いた状態を示す斜視図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、各種LED基板を示す説明図である。 本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、遊技盤を示す正面図である。 (a)は、本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、液晶表示装置の表示画面を示す概略的な正面図であり、(b)は第1本図柄の表示態様を示す説明図であり、(c)は第2本図柄の表示態様を示す説明図である。 (a)〜(c)は、本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、疑似図柄の停止図柄の態様を示す概略的な説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機を示す裏面図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る電子制御装置を示すブロック図である。 (a)は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する主制御部の説明図であり、(b)は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する払出制御部の説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、主制御部を示す説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、主制御部を構成するCPUを示す説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する図柄制御部の説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する音声・ランプ制御部の説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、主制御部の内蔵RAMに格納された各種メモリ等の代表例を示す説明図である。 (a)は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄判定用乱数メモリを説明するための説明図であり、(b)は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、普通図柄判定用乱数メモリを説明するための説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機の主制御部が行う主制御部メインジョブを説明するためのフロー図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、初期化ジョブを示すフロー図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、主制御部から初期図柄指定コマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、デモ表示ジョブを示すフロー図である。 (a)は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、普通図柄制御ジョブを示すフロー図であり、(b)は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、普通図柄関連コマンドを示す説明図である。 (a)は本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、普通図柄の当否抽選ジョブを説明するためのフロー図である。 (a)は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄制御ジョブを示すフロー図であり、(b)は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄関連コマンドを示す説明図である。 本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄の当否判定ジョブ(大当り判定の部分)を説明するためのフロー図である。 図23の特別図柄の当否判定ジョブにおける大当り処理を説明するためのフロー図である。 本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、遊技状態制御ジョブ(主に、大当りに係る特別遊技状態の部分)を説明するためのフロー図である。 本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、遊技状態制御ジョブ(主に、外れに係る部分)を説明するためのフロー図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄変動開始、変動中のタイム図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄変動中及び停止表示時のタイム図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、サブ基板メインルーチンを説明するためのフロー図である。 (a)は本発明の各実施例(実施例2を除く)及び各変形例に係る遊技機において、配線基板を概略的に示す平面図であり、(b)は図30(a)のa−a断面図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、識別用部材本体(ICタグ)を示す分解斜視図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、識別用部材本体(ICタグ)と、リダーライタを示す模式的な説明図である。 図32の識別用部材本体(ICタグ)に付与される識別情報を模式的に示す説明図である。 (a)は本発明の各実施例(実施例2を除く)及び各変形例に係る遊技機において、配線基板本体を概略的に示す平面図であり、(b)は図33(a)のb−b断面図である。 (a)及び(b)は、図30に示す配線基板の製造工程を説明するための説明図である。 (a)及び(b)は、図30に示す配線基板の製造工程を説明するための説明図である。 図30に示す配線基板の製造工程を説明するための説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る配線基板を示す平面図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係るのケースを示す分解斜視図である。 図37の第1のケース部を示す拡大斜視図である。 (a)は第2のケース部の重ね合わせ部を説明するための一部平面図であり、(b)は第1のケース部の重ね合わせ部を説明するための一部平面図である。 (a)及び(b)はケースの封止方法を説明するためのものであり、図37の5−5縦断面図である。 スライド係合部を説明するためのものであり、図37の2−2縦断面図である。 (a)及び(b)は、レール部を説明するためのものであり、図37の3−3縦断面図である。 (a)及び(b)は、スライド嵌合部を説明するためのものであり、図37の4−4縦断面図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る部品ユニットの概略的な縦断面図である。 本発明の各実施例及び各変形例において、配線基板の流通(リサイクルを含む)を示す説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例において、リサイクル管理センタの処理手順を示すフロー図である。 本発明の各実施例(実施例2を除く)及び各変形例において、ヴァージン基板の処理手順を示すフロー図である。 本発明の各実施例(実施例2を除く)及び各変形例において、リサイクル基板の処理手順を示すフロー図である。 (a)は本発明の実施例2に係る遊技機において、配線基板を概略的に示す平面図であり、(b)は図51(a)のc−c断面図であり、(c)は図51(b)の拡大して示す説明図である。 本発明の実施例2において、ヴァージン基板の処理手順を示すフロー図である。 本発明の実施例2において、リサイクル基板の処理手順を示すフロー図である。 本発明の実施例3において、配線基板本体の要部を示す平面図である 本発明の実施例4において、識別用部材本体(ICタグ)と、リダーライタを示す模式的との交信を概略的に示す説明図である。
符号の説明
1;遊技機1(弾球遊技機)、
H;配線基板、
800;配線基板本体、
810、815;電子部品、
802;導体パターン、
808、809;ハンダ、
802b;ランド部(第1の装着部)、
802c;スルーホール部(第1の装着部)、
803;疑似ランド部(第2の装着部)、
803A;疑似導体パターン、
820;疑似電子部品(識別用部材)、
821、851;外郭体、
822、852;識別用部材本体、
822a;ICチップ、
850;下層シール(第1のシート状部材)、
860;上層シール(第2のシート状部材)。

Claims (2)

  1. 配線基板本体と、該配線基板本体に実装される電子部品と、該配線基板本体に装着される識別用部材と、を具備する配線基板を有する遊技機であって、
    前記識別用部材が、
    前記配線基板本体に対して第1の粘着力で粘着されると共に、シート状の外郭体と、該外郭体に埋設された識別用部材本体とを有する第1のシート状部材と、
    前記第1のシート状部材の表面に前記第1の粘着力よりも弱い第2の粘着力で粘着される第2のシート状部材と、を具備し、
    前記識別用部材本体が、前記配線基板のリサイクルに関する第1識別情報の書き込み及び読み出しが可能な記憶手段を有するICチップを具備すると共に、所定の書き込み手段の無線を用いた要求に応じて、前記第1識別情報を前記記憶手段に書き込む処理を実行し、所定の読み取り手段の無線を用いた要求に応じて、前記第1識別情報を該読み取り手段に送信する処理を実行し、
    前記第2のシート状部材には、当該遊技機の機種を特定するための第2識別情報が印字されていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記第2のシート状部材は、透明または半透明のシート状の基材部と、該基材部の下面に形成された粘着剤層と、を備え、
    前記基材部の下面に前記第2識別情報が印字されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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