以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した具体例について説明する。
A.実施例1
(1)機械的な構造
先ず、この遊技機1の機械的な構造について、図1〜図12を参照して説明する。この遊技機1は、遊技機本体と、この遊技機本体を固定するための遊技機枠とを備えている。ここで、遊技機枠とは、遊技機1のうちで、パチンコホールの島設備に固定される枠状の部分であって、外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4とを備えている。一方、遊技機本体は、遊技機1のうちで、遊技機枠(2、3、4等)に着脱自在に固定される部分であって、遊技盤10と、裏機構盤102等とを主要部としている。
この遊技機1の前面部は、遊技機枠を構成する外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4とを備え、この遊技機枠には、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とが設けられている。尚、図1及び図2においては、遊技盤10の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配
置されているため、図1においては明示されていない。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。また、中枠3は、全体がプラスチック製であり、外枠2の内側に嵌めこまれている。また、中枠3は、上側2/3程度を示す枠体部3aと、下側1/3程度を示す下板部3bと、を有し(図2参照)、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。また、枠体部3aの前面側には遊技盤10と前面枠4とが重なるように設けられ、下板部3bの前面側には上皿部6と下皿部6とが設けられている。更に、中枠3の右端中央には施錠装置7(図1参照)が設けられている。
また、下板部3bには、遊技球を遊技盤10に発射する発射ユニット(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図11参照)等が配設されている。尚、本実施例のスピーカー400aは、中高音用ユニット(ツィータ)及び低音用ユニット(ウーハ)を含むマルチウェイ方式とされている。
前面枠4は、図1及び図2に示すように、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、全体がプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤10(図4参照)の盤面を前方から視認可能とするために、円形状の開口部4aを有している。つまり、この開口部4aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図4参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。そして、前面枠4の裏面には、開口部4aに応じて二枚のガラス板41rが嵌められた略長方形状のガラス枠41s(図2参照)が装着されている。
前面枠4には、左LED表示部4b、右LED表示部4c、左上LED表示部4d、右上LED表示部4e、中上LED表示部4f、4fが設けられている。これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めること等を目的として、ゲームの進行に応じて点灯及び消灯したり、点滅する。尚、左LED表示部4bは開口部4aの周囲の左側に略円弧状に設けられ、右LED表示部4cは開口部4aの周囲の右側に略円弧状に設けられている。また、左上LED表示部4dは左LED表示部4bの左斜め上方に設けられ、右上LED表示部4eは右LED表示部4cの右斜め上方に設けられている。更に、中上LED表示部4f、4fは略円形状に形成され、左上LED表示部4dの上端部と右LED表示部4cの上端部との間に2個配置されている。
また、2個の中上LED表示部4f、4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。更に、賞球LED表示部4gの上方には、エラーLED表示部4hが略扇形に設けられている。
図3は、各種LED基板4i〜4oの位置関係を示す説明図である。各種LED基板4i〜4oは、中枠3の枠体部において、上述の各種LED表示部4b〜4fに対応する位置に設けられている。具体的には、左LED基板4iは左LED表示部4bに対応し、右LED基板4jは右LED表示部4cに対応し、左上LED基板4kは左上LED表示部4dに対応し、右上LED基板4lは右上LED表示部4eに対応している。また、中上LED基板4mは中上LED表示部4fに対応し、賞球LED基板4nは賞球LED表示部4gに対応し、エラーLED基板4oはエラーLED表示部4hに対応している。
図1及び図2に示すように、上皿部5は、前面枠3の下方に設けられると共に、皿外縁部5aと、遊技機1の内部の遊技球を下皿部6に排出するための排出口5b等を備えている。尚、上皿部5の裏側には、音量スイッチ基板12(図11参照)が設けられ、皿外縁部5aには球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が設けられている。
下皿部6は上皿部5の下方に設けられると共に、この下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部6の右端には発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿部6の上部には、灰皿6bの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
つまり、下皿部6の略中央手前側には、球抜き孔の開閉を行うための排出ノブ6cが設けられている。この排出ノブ6cはプルロック式に構成され、通常時は直立状態とされている。即ち、球抜き孔は排出ノブ6cに連動し、排出ノブ6cが直立状態のときに、球抜き孔は閉鎖状態とされる。そして、この排出ノブ6cは、上端を回転軸として下端を奥側に押圧することにより回動可能とされている。この排出ノブ6cの下端を奥側に倒したときに、球抜き孔は排出ノブ6cの回動に連動して開放状態とされると共に、排出ノブ6cは下端を奥側に倒した状態でロックされて球抜き孔の開放状態が保持され、遊技球を下皿部6から排出可能となる。また、下端を奥側に倒した状態でロックされている排出ノブ6cを更に奥側に押すと、排出ノブ6cのロックが解除され、排出ノブ6cを直立状態に戻すことがきる。そして、排出ノブ6cを直立状態に戻すと、球抜き孔は閉鎖状態に戻される。
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が設けられている。
尚、上皿部5の略中央部には第1音声出力部5cが設けられている。この第1音声出力部5cは、複数の長孔とその上部に形成された多数の小孔とで構成されている。そして、この第1音声出力部5cには、スピーカー400aを構成する中高音用ユニット(ツィータ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、下皿部6における排出ノブ6cの右側及び左側には第2音声出力部6dが設けられている。この第2音声出力部6dには、スピーカー400aを構成するユニット(ウーハ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、本遊技機1では、上皿部5の前面における左端側の部位に、2つの操作ボタンB1、B2を配置している。
次に、遊技盤10は、遊技機枠の一部を構成する「中枠3(図1及び図2参照)」に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図10参照)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央装置26と、始動口(普通電動役物171)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車24、25等が配設されている。
図4に示すように、中央装置26は遊技領域11の略中央部に配置されると共に、「特別図柄表示手段」の一具体例を構成する液晶表示装置27を備えている。この液晶表示装置27の表示画面271は、図5(a)に示すように、その下縁側に横長に形成された主表示領域271Aと、表示画面271の大部分を占める演出用表示領域271Bとを備えている。このうち、主表示領域271Aは、右端寄りの部分に、識別情報としての2つの本図柄を表示する本図柄表示部272、273を形成し、略中央に特別図柄保留表示部16aを形成している。
また、演出用表示領域271Bは、識別情報としての3つの疑似図柄を表示する3つの疑似図柄表示部275〜277と、その他の部分で構成される背景画面表示部278とを備えている。尚、本実施例では、本図柄を表示するための領域(主表示領域271A)と、演出専用図柄(疑似図柄や背景図柄)を表示するための領域(演出用表示領域271B)とが、「特別図柄表示手段」において区画されているが、「特別図柄表示手段」の同一の領域に、本図柄と演出専用図柄とを表示してもよい。また、本明細書において、識別情報としての本図柄と疑似図柄を、特別図柄と称することがある。
2つの本図柄表示部272、273は、疑似図柄表示部275〜277よりも小型(例えば、1/10〜1/100)で、認識困難とされているので、遊技者は、主に演出表示領域271B(疑似図柄表示部275〜277、背景画面表示部278)に注目して、遊技を進行することになる。そして、個々の本図柄表示部272、273において、本図柄が変動表示された後に、確定表示される。
この液晶表示装置27においては、図7に示すように、特別図柄始動入賞を生ずること(始動口17に、遊技球が入賞すること)を前提に、特別図柄(本図柄及び疑似図柄)の変動開始条件(つまり、特別図柄変動開始条件)が成立すると、その表示画面271の表示領域(主表示領域271Aと、演出用表示領域271B)に表示される各図柄(本図柄及び疑似図柄)が、それぞれ変動する。そして、特別図柄始動入賞を生ずる毎に選択・設定される「特別図柄の変動時間」が経過すると、特別図柄(本図柄及び疑似図柄)の確定図柄が確定表示される。
つまり、本図柄表示部272、273によって、本図柄を所定の変動時間だけ、変動表示した後に、本図柄の確定図柄が確定表示がなされる。また、演出用表示領域271Bにおいても、3つの疑似図柄(演出専用図柄の一具体例を示す)の変動表示と、背景図柄の表示とを、「本図柄と同一の変動時間」だけ、行った後、3つの疑似図柄の確定図柄が確定表示される。尚、本実施例では、遊技機1が「特別図柄変動短縮化制御」を受けているか否かによって、この変動時間は異なったものとされる。この点関しては、後述する。
図7に示すように、本図柄表示部272、273に、大当り図柄(後述する)が確定表示(停止表示)されると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口311が開放され、遊技者に「特別遊技(特別遊技状態)に係る特典」が付与される。つまり、2つの本図柄は、その確定表示(停止表示)の態様によって、「特別遊技(特別遊技状態)に係る特典を遊技者に付与するか否かに関する判定の結果(つまり、「当否判定」の結果)」を表示する。
尚、本明細書において、右側(遊技者を基準に左右を定める。以下の説明においても同様)の本図柄表示部272を「第1本図柄表示部272」と称すると共に、この本図柄表示部272に表示される本図柄を「第1本図柄」と称することがある。また、左側の本図柄表示部273を「第2本図柄表示部273」と称し、この本図柄表示部273に表示される本図柄を「第2本図柄」と称することがある。
本実施例では、後述のように、特別図柄始動入賞を生ずると、当否判定を実行するための、判定実行条件が成立する。また、両本図柄表示部272、273では、特別図柄始動入賞を生ずることを前提に、特別図柄変動開始条件が成立すると、本図柄の変動表示を開始する。即ち、図5(b)及び(c)に示すように、両本図柄表示部272、273では、「1」〜「9」の数字をこの順に表示した後、「1」の戻り、更に、「1」〜「9」の数字をこの順に表示することを繰り返す。尚、図5(b)に示すように、「第1本図柄表示部272」に表示される「1」〜「9」の数字は、赤色で表示される場合と、青色で表示される場合とがある。
両本図柄表示部272、273に、「特別遊技(特別遊技状態)に係る特典を遊技者に付与するか否かに関する判定(つまり、当否判定)」の結果を示す確定図柄が確定表示されると、遊技者に対して、以下の情報が発信される。つまり、両本図柄表示部272、273に同一の数字が確定表示されると、当否判定の結果が大当りであることを示す。このとき、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が赤色の表示であれば、当否判定の結果が「大当り」であると共に、「確率変動を行うか否かの判定結果」も「当り」であること(以下、「確変当り」と称する)を示す。また、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が青色の表示であれば、「当否判定」の結果が「大当り」であるが、「確率変動を行うか否かの判定の結果」は「外れ」であること(以下、「通常当り」と称する)を示す。
この「確率変動」は、特別遊技以外の「遊技上の特典」の具体例を示しておいり、特別図柄始動入賞を生ずると、「確率変動に係る特典を遊技者に付与するか否かの判定」を実行するための、判定実行条件が成立する。この「確率変動」は、所定の「確変当り」に係る特別遊技の実行後において、「確率変動終了条件」が成立するまでの間、当該遊技機1において「大当り」が発生する確率(当否判定において、大当りと判定される確率)を高確率に設定することを内容とする特典である。つまり、図7に示すように、所定の「確変当り」に係る特別遊技の実行後に、液晶表示装置27の表示画面271に、「以後、当該遊技機1の遊技状態が、確率変動状態に制御される旨(確変突入)」の表示がされ、当該遊技機1の遊技状態が確率変動状態に制御される。
本遊技機1では、その遊技状態が「確率変動状態」に制御されると、同時に、「時短関連遊技状態」に制御される。つまり、本実施例の遊技機1では、「確変当り」を生じ(本図柄表示部272、273に、確変当りの表示がされ)、更に、「確変当り」に係る特別遊技状態を終了すると、「時短関連遊技状態」の「開始条件」が成立する。
この「時短関連遊技状態」が開始すると、図8(b)に示すように、特別図柄の変動時間を短縮化する「特別図柄変動時間短縮化制御(図7の符号Tを参照)」が開始すると共に、図示を省略するが、始動口(普通電動役物)17への遊技球の入球を促進する「入球促進制御」が開始される。尚、「特別図柄変動時間短縮化制御」及び「入球促進制御」の詳細に関しては、後述する。また、図8(a)は、「特別図柄変動時間短縮化制御」を実行しない場合の様子を、図8(b)との比較のために図示したものである。
「確率変動終了条件」は、図7に示すように、所定の「確変当り」に係る特別遊技の実行後において、特別図柄の変動回数が「確率変動終了回数(例えば、30回)」に達することによって成立する(図7の符号Kを参照)。但し、「確率変動終了条件」が成立する前(当該「特別図柄の変動回数が確率変動終了回数」に達する前)であっても、当該「確変当り」に後続する「他の大当り」を発生すると、「確率変動停止条件」が成立し、当該確率変動状態は終了する。尚、当該「他の大当り」が、「確変当り」である場合には、当該「他の大当り」に係る特別遊技の終了後に、当該遊技機1の遊技状態は改めて「確率変動状態(時短関連遊技状態)」に制御される。
本遊技機1が、「確率変動状態」に移行した後、前記「他の大当り」を発生することなく、特別図柄の変動回数が、前記「確率変動終了回数」に達すると、当該遊技機1の確率変動状態が解除されるが、「時短関連遊技状態」は継続される。尚、本明細書においては、この「時短関連遊技状態」のうちで、「確率変動状態と同時に行われる部分(確率変動状態の解除前の部分)」を「確変一体型部分(図7の符号G1を参照)」と称し、「確率変動状態の解除後に行われるの部分」を「おまけ型部分(図7の符号G2を参照)」と称することがある。また、本実施例の遊技機1では、「時短関連遊技状態」のうちで「おまけ型部分G2」を開始するときに、液晶表示装置27の表示画面271に、「以後、当該遊技機1の遊技状態が、おまけ型部分G2を実行する旨」の表示がされる。
この「時短関連遊技状態」は、「本遊技機1の当該時短関連遊技状態への移行後における特別図柄の変動回数」が、所定の上限回数(例えば、80回)に到達すると、終了する。但し、この「特別図柄の変動回数」が上限回数に到達する前であっても、前記「確変当り(当該時短関連遊技状態の発生原因となる確変当り)」に後続する「他の大当り」を発生すると、停止条件が成立し、当該時短関連遊技状態は終了する。
このように、本実施例では、「時短関連遊技状態」を「確率変動状態」と同時に開始し、その後、「時短関連遊技状態」のみを実施する態様の遊技機1を例示した。但し、「確率変動状態」と切り離し、「時短関連遊技状態」のみを実施する態様の遊技機1や、「確率変動状態」を終了した後に「時短関連遊技状態」を実施する遊技機1であってもよい。これらの点に関しては、後述する。
図5に示す「両本図柄表示部272、273」に、異なる数字が確定表示されると、「当否判定(特別遊技に係る特典を付与するか否かの判定)」の結果が「外れ」であることを示す。尚、この場合、「確率変動に係る特典を遊技者に付与するか否かの判定」の結果も落選となる。
図5(a)に示すように、演出用表示領域271Bには、疑似図柄表示部275〜277が表示されることがある。尚、この疑似図柄表示部275〜277は、演出用表示領域271Bの下半部において3つ並んで配置される。また、以下の説明において、遊技者から見て左側の疑似図柄表示部275を「左疑似図柄表示部275」と称し、遊技者から見て中央の疑似図柄表示部276を「中疑似図柄表示部276」と称すると共に、遊技者から見て右側の疑似図柄表示部277を「右疑似図柄表示部277」と称する。
また、演出用表示領域271Bに疑似図柄表示部275〜277が表示されるときには、この演出用表示領域271Bのその他の部位によって背景画面表示部278が表示される。そして、この背景画面表示部278には、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)が表示することができる。
疑似図柄表示部275〜277では、前述の本図柄表示部272、273と、同時に図柄変動を開始する。そして、この疑似図柄表示部275〜277に、確定表示される確定図柄(停止図柄)には、図6(a)〜(c)に示す態様がある。即ち、図6(a)の「外れを示す停止図柄」と、図6(b)の「通常当りを示す停止図柄」と、図6(c)の「確変当りを示す停止図柄」とがある。このうち、「外れを示す停止図柄」は、3つの疑似図柄表示部275〜277のうちの少なくとも2つに異なる数字を表示して構成される。また、「通常当りを示す停止図柄」は、「1」、「2」、「4」、「6」若しくは「8」のうちの何れかの数字を3つ並べて構成される。更に、「確変当りを示す停止図柄」は、「3」、「5」、「7」若しくは「9」のうちの何れかの数字を3つ並べて構成される。
ここで、この疑似図柄表示部275〜277においても、特別図柄始動入賞を前提に、特別図柄の変動開始条件が成立すると、図柄の変動(疑似図柄の変動)を開始すると共に、背景画面表示部278には動画が連続的に表示される。この際、変動途中の疑似図柄の表示態様は、それ自体単独で、若しくは、背景の動画が示すメッセージに呼応して、回転、拡大、縮小等を行ってもよい。
尚、本実施例では、疑似図柄表示部275〜277に確定表示される疑似図柄(以下、「確定疑似図柄」という。)の表示内容と、両本図柄表示部272、273に確定表示される本図柄の表示内容(以下、「真実の判定の結果の内容」という。)とが一致している。つまり、本図柄の確定図柄によって「確変当り」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって「確変当り」が表示され、本図柄の確定図柄によって「通常当り」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって、「通常当り」が表示される。また、本図柄の確定図柄によって「外れ」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって、「外れ」が表示される。
このように、疑似図柄表示部275〜277では、本図柄表示部272、273と同時に図柄変動を開始し、同時に図柄変動を停止する。そして、疑似図柄表示部275〜277には、本図柄表示部272、273と同一内容(例えば、両者とも確変当り、両者とも通常当り、両者とも外れ)の確定表示がなされる。つまり、疑似図柄表示部275〜277に確定表示される表示内容が、本図柄表示部272、273に確定表示される表示内容と矛盾することはない。但し、疑似図柄表示部275〜277においては、その変動の開始から停止に至るまでの間に種々の演出表示が実行される。つまり、疑似図柄表示部275〜277では、所謂「リーチ演出」や所謂「再抽選演出」を行う。
尚、この「リーチ演出」とは、「特別図柄表示手段に、特別遊技に関する判定の最終結果(当否判定の結果)等が表示される前において、特別遊技の実行(大当りの発生)の可能性が継続している状態のときに、この特別図柄表示手段において表示される演出表示」のことを指す。即ち、「特別図柄表示手段」の所定の表示部に表示される最終停止図柄(本図柄の確定図柄や疑似図柄の確定図柄)となる表示図柄以外の図柄(本図柄や疑似図柄)が、大当りとなる特定の停止図柄態様(大当りとなる複数の本図柄の確定図柄態様や、大当りとなる複数の疑似図柄の確定図柄態様)と一致している状態で所定時間継続して停止、揺動、拡大、縮小あるいは変形したり、複数の表示図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄(変動中の本図柄や、変動中疑似図柄)の位置が入れ替わっている状態等を指す。
例えば、「特別図柄表示手段」の表示部が、本図柄を表示するための表示領域(つまり、本図柄表示部)や疑似図柄を表示するための表示領域(つまり、疑似図柄表示部)を横方向、縦方向、若しくは傾斜方向にライン状に並べる場合においては、一方の端(例えば、左側、上側、若しくは、斜め上側)の表示領域で変動表示されている端図柄(例えば、「左の図柄」、「上の図柄」、若しくは、「斜め上の図柄」)、他方の端(例えば、右側、下側、若しくは、斜め下側)の表示領域で変動表示されている端図柄(例えば、「右の図柄」、「下の図柄」、若しくは、「斜め下の図柄」)、中間(例えば、真ん中)の表示領域で変動表示されている「中の図柄」の順に図柄が停止し、これら表示図柄がすべて同一図柄で揃った場合に大当りとなるものとする。
このとき、最終停止図柄である「中の図柄」以外の図柄(例えば、「左の図柄」及び「右の図柄」、「上の図柄」及び「下の図柄」、「斜め上の図柄」及び「斜め下の図柄」)が同一図柄で停留している状態をリーチ状態という。そして、このリーチ状態となると、「中の図柄」の変動表示パターンを通常状態とは異なる変動表示パターンとしたり、あるいはそのとき同時に画面をフラッシュさせたり、何らかのサインやキャラクターを登場させたりするなどいろいろな表示態様を採ることで、遊技者の大当り発生に対する期待感を大きくさせ、遊技興趣を盛り上げるように構成してもよい。
本実施例では、本図柄表示部272、273において、前記当否判定の結果が「大当り(確変当り、通常当りの何れでもよい。)」であることを示す確定図柄を確定表示する場合には、疑似図柄表示部275〜277にも、前記当否判定の結果が「大当り(確変当り、通常当りの何れでもよい。)」であることを示す確定図柄が確定表示する。この場合、疑似図柄の変動途中において、疑似図柄表示部275〜277では、リーチ表示が行われる。このリーチ表示の態様としては、疑似図柄の変動時間(つまり、本図柄の変動時間)が短い場合や通常の長さに簡単に行われる「ノーマルリーチ{図9(a)参照}」と、疑似図柄の変動時間(つまり、本図柄の変動時間)が長い場合に行われる発展型のリーチ{「スーパーリーチ」ともいい、図9(b)参照}とがある。
また、本図柄表示部272、273において、前記当否判定の結果が「外れ」であることを示す「確定図柄」を確定表示する場合には、疑似図柄表示部275〜277にも、前記当否判定の結果が「外れ」であることを示す確定図柄が確定表示される。この場合、疑似図柄の変動途中において、疑似図柄表示部275〜277で、リーチ表示を行う場合{以下、「リーチ外れ表示」といい、図8(c)参照}と、リーチ表示を行わない場合{以下、「通常外れ表示」といい、図8(a)及び(b)参照}とがある。尚、リーチ外れ表示を行う場合も、実施されるリーチ表示の態様としては、「ノーマルリーチ」や「発展型のリーチ」を例示できる。
また、本実施例では、疑似図柄表示部275〜277において、図9(c)に示すように、「再抽選演出」を行うことがある。つまり、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄の変動表示の後に、一旦、「偽りの判定の結果の内容」を示す疑似図柄を仮停止させる(以下、この仮停止された疑似図柄を「仮確定疑似図柄」という。)。そして、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄を再度、変動表示した後に、「真実の判定の結果の内容」と一致する内容の疑似図柄(確定疑似図柄)を確定表示してもよい。
具体的には、本図柄表示部272、273において、「確変当りを示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部275〜277において、一旦、「通常当りを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動(再抽選表示ともいう。)させ、最終的に、「確変当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。
また、疑似図柄表示部275〜277において、「再抽選演出」以外の態様の「再変動演出」を行ってもよい。例えば、本図柄表示部272、273において、「当り(通常、確変の何れでもよい。)を示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部275〜277において、一旦、「外れを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動させ、最終的に、「当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。更に、再抽選やその他の再変動の実行の可否等は、主制御部140で抽選してもよいし、副制御部(170若しくは160)によって抽選してもよい。
尚、各請求項に係る発明において、本図柄表示部272、273の表示態様は、本実施例に例示するものに限定されない。例えば、本図柄表示部272、273の少なくとも一方を、2つ又は3つ以上の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)で構成する。そして、この複数の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)で、複数の特別図柄(識別情報)を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、特別図柄の組み合わせ図柄を、停止表示させてもよい。例えば、液晶表示装置27に、左特別図柄を表示する左特別図柄表示領域と、中特別図柄を表示する中特別図柄表示領域と、右特別図柄を表示する右特別図柄表示領域とを、略横一列に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成する。そして、各特別図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向に図柄変動方向が設定され、その向きで変動しているように識別情報としての複数の図柄(特別図柄)が順次表示されていくようにしてもよい。これらの態様では、例えば、表示画面271の本図柄表示部に、同一図柄(例えば、「7、7、7」)で揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口311を開放してもよい。
更に、本実施例では、本図柄表示部272、273を認識困難としていることから、疑似図柄表示部275〜277において、所謂「リーチ演出」を行うが、本図柄表示部272、273において「リーチ演出」を行ってもよい(尚、本図柄表示部272、273で、リーチ演出を行う場合には、本図柄表示部272、273の数を3つ、若しくは、9つ等にする必要がある。)。また、本実施例では、同一の液晶表示装置27に、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277とを設けたが、両者を別体の表示装置27に設けてもよい。
図5(a)に戻り、特別図柄保留表示部16aは、特別図柄始動入賞のうちで、未消化の状態にあるもの数(保留数)を、所定数を上限(例えば、4個、若しくは、4個以上の数)として表示するものである。尚、「未消化」の状態とは、例えば、特別図柄始動入賞を生じたが、液晶表示装置27において、当該特別図柄始動入賞に係る当否判定の結果の表示が未だなされていない状態等を指す。
この特別図柄保留表示部16aには、「1」〜「4」までの数字を表示するための「数字表示部161a〜164a」を横方向に並べている。そして、保留数(特別図柄保留数)に対応する数字表示部161a〜164aを点灯させたり、全数字表示部161a〜164aを消灯させることで、その時点の保留数が表示される。例えば、全「数字表示部161a〜164a」が消灯状態とされると、その時点の保留数が「0」であると表示される。また、左端の数字表示部161aを点灯すると、その時点の保留数が「1」であると表示され、点灯する数字表示部を右方向に1つずつ増加させていくと、保留数が1つずつ増加する。そして、全数字表示部164aを点灯すると、その時点の保留数が「4」であると表示される。
この特別図柄保留表示部16aでは、特別図柄始動入賞{始動口(普通電動役物)17への入賞}を生ずるごとに、表示する保留数を1つずつ増加させる。また、次の特別図柄の変動(本図柄表示部272、273における変動)を開始するたびに、保留数が消化され、特別図柄保留表示部16aによって表示される保留数が1つずつ減少する。尚、この特別図柄保留表示部16aを、表示画面271とは別体の装置として構成することもできる。
図4に戻り、中央装置26の上部中央には、普通図柄表示装置32が配置されている。この普通図柄表示装置32は、7セグメント表示器32aと、普通図柄保留表示LED32bとを有している。7セグメント表示器32aは、普通図柄表示手段の具体例を示すものであり、普通図柄(例えば、1〜9の奇数数字)を変動表示させた後、普通図柄に関する当否抽選(つまり、普通電動役物171を開放状態に変化させるか否かの抽選)の結果を示す停止図柄(普通図柄の停止図柄であって、例えば、1〜9の奇数数字のうちの何れか)を停止表示する。
後述する左右の普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)36、37のいずれかを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件(つまり、普通図柄変動開始条件)」が成立すると、7セグメント表示器32aにおいて、普通図柄の変動表示を開始する。
普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示すると、「普通電動役物171」が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
中央装置26の左右斜め下方には、普通図柄作動ゲート36、37がそれぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、37s(図11参照)が配設されている。この左、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、37sは、「第1の検出手段」の具体例を構成している。そして、前述のように、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置32における7セグメント表示器32aが変動表示する。
普通図柄保留表示LED32bは、4個の丸形の赤色LEDで構成され、7セグメント表示器32aの左右両側に近接して配置されている。これは、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の7セグメント表示器32aの変動表示が開始されるたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED32bが消灯される。
始動口17は、中央装置26とは別体に構成されると共に、中央装置26の下方に離れて配設されている。そして、この始動口17の入口側部分に、普通電動役物171が配置されている。つまり、この普通電動役物171は、「可変入球手段」の具体例を構成すると共に、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。
また、普通電動役物171の内部には、遊技球の通過を検知する始動口(普通電動役物171)入賞検知スイッチ17s(図11参照)と、翼片部を作動させるための始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図11参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。尚、始動口入賞検知スイッチ17sは、「第2の検出手段」の一具体例を構成している。
変動入賞装置18は、上記始動口(普通電動役物171)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図11参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検知する入賞球検知スイッチ318(図11参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
また、左下入賞口21は、始動口(普通電動役物171)17の略斜め左下側に配設されて、内部に左下入賞口通過検知スイッチ21s(図11参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223が左下入賞口LED基板21f(図11参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、始動口(普通電動役物)17の略斜め右下側に配設されて、内部に右下入賞口通過検知スイッチ22s(図16参照)が設けられている。そして、この右下入賞口22の下方には複数個の右下入賞口LED224が右下入賞口LED基板22f(図11参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。
変動入賞装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検知スイッチ19s(図11参照)、右入賞口通過検知スイッチ20s(図11参照)が設けられている。また、中央装置26の左右斜め上方には、一対のランプ風車24、25がそれぞれ配設されている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。なお、多数の障害釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
本遊技機1では、図1に示すように、上皿部5の前面における左端側の部位に操作ボタンB1、B2を配設している。この操作ボタンB1、B2は、液晶表示装置27の表示画面271で行われる表示に変更を加えるためのものである。このような変更の具体例としては、(a)所定の有効期間内(操作ボタンB1、B2の操作が有効な期間)に、何れかの操作ボタン(B1若しくはB2)を操作すると、第1本図柄表示部272で「変動演出表示」中の本図柄(第1本図柄)を、本来の変動時間(仮に、有効な操作ボタンB1、B2がなされない場合の変動時間)の終了を待たずに強制的に停止させること(以下、「一部変動短縮処理」という。)や、(b)この有効期間から選択される所定の期間内に、何れかの操作ボタン(B1若しくはB2)を操作すると、演出用表示領域271Bで表示される専用演出表示の態様を、複数種類の態様の中から選択すること、等を例示できる。このれらの場合、遊技者は、操作ボタンB1、B2を操作することで、あたかも、液晶表示装置27の表示画面271行われる演出等に参加しているような気分を味わうことができる。
尚、本遊技機1では、複数の操作手段(操作ボタンB1、B2)を備えると共に、遊技者が何れの操作手段(操作ボタンB1、B2)を操作しても、同一の結果を生ずる。例えば、何れの操作ボタンB1、B2に、特定の操作(有効期間内における第1回目の操作)を施しても、「一部変動短縮処理」が実行される。また、特定の操作の後、「所定の期間内」であれば、何れの操作ボタンB1、B2に操作を施しても、「専用演出表示の態様選択」が実行されるものとしてもよい。但し、複数の操作手段(操作ボタンB1、B2)を有する遊技機1において、個々の操作手段が別個の機能を発揮してもよい。
「専用演出表示」の選択態様としては、例えば、(a)疑似図柄の表示態様を選択すること(例えば、複数の疑似図柄を横並び表示するか、縦並び表示するか、傾斜状に表示するか、マトリクス状に表示するか等を選択したり、疑似図柄を構成する数字、文字等のサイズ、字体等を選択すること等)、(b)複数種類(例えば、10種類)の背景図柄から所望の背景図柄を選択すること、(c)背景図柄上に表示するキャラクター図柄を選択すること、(d)本図柄若しくは疑似図柄によって、リーチ演出を行う場合には、そのリーチ選出パターンやリーチ演出の種類を選択すること、若しくは、(a)〜(d)のうちの2つ以上の事項を選択すること、等を例示できる。
図4に戻り、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図10を参照して説明する。前面枠4(図1及び図2参照)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。遊技盤10(図4参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検知スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
また、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、液晶表示装置27(図4参照)を格納した蓋付きの裏ケース111が設けられ、この裏ケース111の下側には、後述する主制御部140(図11参照)として、裏側遊技装置としての主制御基板340{図12(a)参照}を格納した格納容器としての主制御基板ケース112が配設されている。
この主制御基板ケース112の背面下側には、発射装置制御部193(図11参照)として発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113、及び発射制御集合中継基板(図示略)が設けられている。また、裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が、同じく右下方部には、払出制御部150(図11参照)として、払出制御基板350{図12(b)参照}を格納した格納容器としての払出制御基板ケース118が設けられている。更に、前記主制御基板ケース112の右側上方に裏側遊技装置としての中継基板190が装着されている。
前記中継基板190は、図11にも示すように、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。尚、本実施例においては、主制御基板ケース112、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
一方、裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板122が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板122の上側に配設されている。また、払出制御基板350{図12(b)参照}を格納した払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。更に、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。尚、本実施例では、電源ターミナル基板121に対して、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ(図示を省略)を接続しているが、このラムクリアスイッチの接続を省略したり、ラムクリアスイッチの接続個所を変更してもよい。
(2)遊技機1の電子制御装置130
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置130について、図11〜図16を参照して説明する。
a.遊技機1の制御回路の構成:
先ず、本遊技機1の制御回路の構成について説明する。電子制御装置130は、図8に示すように、主制御部140と、複数の副制御部とを含んで構成されている。この主制御部140は、当否判定(当否抽選)の制御等の遊技の基本進行を司る制御部である。また、副制御部は、主制御部140に直に接続された第1次副制御部と、第1次副制御部を介して主制御部140に接続された第2次副制御部とから構成されている。尚、主制御部140と第1次副制御部とは信号伝送経路500aによって接続され、第1次副制御部及び第2次副制御部は信号伝送経路500bによって接続されている。
本実施例では、払出制御部(主として賞球の払出制御を行う賞球払出制御部)150と音声・ランプ制御部170とが第1次副制御部に該当し、発射装置制御部193や図柄制御部160等が第2次副制御部に該当する。ここで、図12(a)及び(b)に示すように、主制御部140は主制御基板340を備え、払出制御部150は払出制御基板350を備えている。また、図15に示すように、図柄制御部160は特別図柄制御基板360を備え、図16に示すように、音声・ランプ制御部170は音声・ランプ制御基板370を備えている。
また、主制御部140から、払出制御部150および音声・ランプ制御部170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータが伝送される。また、本実施例では音声・ランプ制御部170から図柄制御部160へも一方向形式でデータが伝送されるものとして説明するが、音声・ランプ制御部170と図柄制御部160との間では双方向形式でデータを伝送することとしてもよい。
尚、図11に示した破線の矢印は、各制御部140ないし180への電源供給経路を表している。図示されているように、電源は先ず初めに電源受電基板410に供給され、電源ユニット420で所定電圧に変換された後、分電基板430から各制御部140ないし180に電力が供給される。更に、電源投入時には、後述するシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
詳細には後述するが、主制御部140は各種スイッチや検知器などからの情報を受け取って所定の演算を行った後、払出制御部150や音声・ランプ制御部170に各種のコマンドを出力するとともに、各種の基板やソレノイドなどに駆動信号を出力する。以下では、主制御部140や、払出制御部150、音声・ランプ制御部170、図柄制御部160、各種基板などの構成について順番に説明する。
主制御部140は、主制御基板ケース112に格納された主制御基板340によって主に構成されており、主制御基板ケース112は、不正行為者が容易に開閉できないような構造に形成されている。図13は、主制御基板340の構成を概念的に示した説明図である。図示されているように、主制御基板340は、CPU401を含む主回路部400と入出力回路部500とが、バスで接続されて相互にデータをやりとり可能に構成されている。主回路部400には、CPU401と、発振部410と、リセット回路部450と、I/Oデコード回路部420と、データバス安定化部411と、第1外部入力回路部430などが設けられている。
図14は、CPU401の詳細な構造を示した説明図である。図14に示すようにCPU401は、CPUコア480と、内蔵RAM481と、内蔵ROM482と、メモリ制御回路483と、クロック発生器484と、アドレスデコーダ485と、ウオッチドッグタイマ486と、カウンタ/タイマ487と、パラレル入出力ポート488と、リセット/割り込みコントローラ489と、外部バスインターフェース490と、出力制御回路491などから構成されている。CPU401は、ワークエリアとしてRAM481を使用しながら、ROM482に格納された制御プログラムを実行することにより、遊技機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司るとともに、ROM482に記憶された当否判定プログラムを実行することにより、当否判断制御を行う。
上述した主回路部400とともに主制御基板340を構成する入出力回路部500には、外部端子部145が接続されており、この外部端子部145によってパチンコホールの「ホールコンピューター」に接続されている。主制御基板340はRAMクリア処理を実行するに際して、RAMクリア信号をONにした後、一定時間経過後に再びOFFとする動作を行うが、このRAMクリア信号は外部端子部145を介してパチンコホールのシステム等に報知されている。このため、不正行為者によってRAMクリア処理が実行された場合には、不正行為者に悟られることなく、パチンコホールの管理者側で不正行為を検知することが可能となっている。
尚、主制御部140は、請求項1の「遅延手段」、請求項4の「特別図柄検出情報状態判定手段」、請求項5の「特別図柄検出情報数判定手段」、請求項6の「普通図柄検出情報状態判定手段」、請求項8の「可変入球手段状態判定手段」、及び、「変動中普通図柄当り情報判定手段」としても機能する。
入出力回路部500には、信号伝送経路500aを介して払出制御部150および音声・ランプ制御部170が接続されている(図11参照)。入出力回路部500は、払出制御部150や音声・ランプ制御部170での処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを、信号伝送経路500aを介して払出制御部150あるいは音声・ランプ制御部170に出力する。また、入出力回路部500からは、図柄制御部160での処理内容を指示するコマンドデータも出力される。図柄制御部160に対するコマンドデータは、一旦、音声・ランプ制御部170に向けて出力された後、音声・ランプ制御部170から信号伝達経路500bを経由して図柄制御部160に供給される。
加えて入出力回路部500には、始動口(普通電動役物171)入賞検知器(入賞検知スイッチ)17sや、普通図柄表示手段基板32f、各種ソレノイド17c,313、右普通図柄作動ゲート通過検知器(右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ)37s、左普通図柄作動ゲート通過検知器(左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ)36sなどが接続されている。
また、図11、図12(a)及び図13に示すように、操作ボタンB1、B2は、中継基板280を介在させた状態で、操作信号伝送経路(信号線)Sを用いて主制御部140に接続されている。また、主制御部140には、操作信号入力回路部146が設けられ、この操作信号入力回路部146には信号線S1を介して、操作信号入力用のコネクタSNが接続されている。そして、このコネクタSNには、操作信号伝送経路Sの2次側の端部(主制御部140側の端部)が接続されている。尚、この操作信号入力回路部146と、この操作信号入力回路部146から引き出された信号線S1と、コネクタSNとによって、「操作信号入力部」の一具体例を構成している。
払出制御部150は、図12(b)に示すように、主に、払出制御基板ケース118に格納された払出制御基板350によって構成されている。この払出制御基板350は、主制御基板340と同様に、主回路部600と入出力回路部700とがバスで相互にデータをやりとり可能に接続されて構成されている。また、入出力回路部700には信号伝送経路500aが接続されており、主制御基板340から出力された前述のコマンドデータは信号伝送経路500aを介して入出力回路部700に入力される。また、入出力回路部700には、賞球払出装置109や発射装置制御部193なども接続されている。
音声・ランプ制御部170は、図16に示すように、スピーカー400aやランプ等の制御を主に行うための制御基板370と、制御基板370からの命令を受けて、ランプ等に駆動信号を出力するための駆動基板380の、主に2つの基板から構成されている。このうち、制御基板370には、演算回路構成要素として、CPU171と、RAM172と、ROM173と、入出力ポート174と、サウンドジェネレータ176と、コネクタCN1が設けられており、これらがバス175で相互にデータをやりとり可能に接続されている。また、サウンドジェネレータ176は、予め記憶された音声データをゲームの進行に合わせて再生することで、スピーカー400aから各種の音声を出力する。尚、スピーカー400aから出力される音量は、音量スイッチ基板12によって調整可能となっている。
また、入出力ポート174には信号伝送経路500aが接続されている。前述した主制御部140が、特別図柄の変動・停止、リーチ発生、リーチ表示の態様、特別遊技態様、確率変動や時短などの遊技モードを指示する制御命令を出力すると、出力された各種の制御命令は信号伝送経路500aを介して入出力ポート174に入力される。そして、制御基板370では、このような制御命令を受け取ると、ROM173に予め記憶されているプログラムに従って所定の処理を行い、駆動基板380に向かって各種の命令を出力する。また、制御基板370と駆動基板380とは、コネクタCN1とコネクタCN2とで互いに接続されている。
駆動基板380には、各種LEDやランプなどを駆動するための駆動信号を発生させる駆動回路部382と、発生した駆動信号を、各種LED基板4d,4f,19f〜22fや、各種ランプ基板216f,262f、枠飾り基板4gなどに出力するためのコネクタ出力部384とが設けられている。これら各基板にランプあるいはLED等が1個または複数個接続されており、コネクタ出力部384から供給される駆動信号により、ゲームの進行に対応して点灯・消灯または点滅する。尚、コネクタ出力部384を、駆動回路部382とは別基板に設ける構成としても良い。こうすることで、各種LEDなどのランプの数や色が変更されても駆動回路部382の変更を要しない場合には、コネクタ出力部384のみを変更して対応することが可能となる。
尚、パチンコ機1に、モータなどによって駆動される可動式役物が設けられている場合には、モータを駆動するための駆動回路を、駆動回路部382あるいはコネクタ出力部384に搭載することとしても良い。こうすれば、可動式役物の有無もしくは個数が変更された場合でも、容易に対応することが可能となる。
図柄制御部160は、図15に示すように、特別図柄制御基板360によって主に構成されている。この図柄制御部160は、演算回路構成要素としてCPU161と、RAM162と、ROM163と、入出力ポート164と、駆動回路166とを備えており、これら演算回路構成要素がバス165により接続されて相互にデータをやりとり可能に構成されている。また、入出力ポート164には、信号伝送経路500aや特別図柄表示手段27が接続されている。CPU161は、RAM162をワークエリアとして使用しながら、ROM163に格納された制御プログラムを実行することにより、中央装置26の制御を行っている。
中継基板190には、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等が接続されており、中継基板190の出力端子は、主制御部140の入出力回路部500と接続されている。
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検知スイッチ104及び補給球切れ検知スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、図12(b)に示す払出制御部150の入出力回路部700に接続されている。
以上の電子制御装置130においては、遊技球が始動口17に入球すると、その情報が始動口入球検知器17sによって検知されて、主制御部140に入力される。また、遊技球が普通図柄作動左ゲート36あるいは普通図柄作動右ゲート37を通過すると、その情報が普通図柄作動口通過検知器36s,37sにより検知されて、主制御部140に入力される。更に、入賞球検知スイッチ19s〜22s,318で遊技球の入球が検知されると、その情報は、中継基板190を介して主制御部140に入力される。
主制御部140は、これらの情報を受け取って、変動パタン指定コマンド、停止図柄指定コマンド、及び変動停止コマンドを送信する。これらのコマンドは、信号伝送経路500a、音声・ランプ制御部170、信号伝送経路500bを経由して図柄制御部160に供給される。図柄制御部160では、変動コマンドを受けとると、複数の変動態様から乱数等による抽選を行って変動態様を決定する。また、主制御部140は、図柄制御部160に出力するコマンドに同期させて、音声・ランプ制御部170にも所定のコマンドを送信する。こうして、図柄の表示と音声の出力とを併せて行うことによって各種の演出を行う。
b.賞球動作の概要
次に、本実施例のパチンコ機1の賞球動作について簡単に説明する。遊技球が大入賞口31に入球すると、大入賞口31の内部に設けられた入賞球検知スイッチ318がこれを検知して、入球を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。信号を受け取ると、主制御部140は後述する処理を行って、払出制御部150に向かって15個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する。また、遊技球が始動口(普通電動役物)17に入球した場合は、始動口の内部に設けられた始動口入賞検知スイッチ17sがこれを検知して、信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。この信号を受けて主制御部140は、後述する処理を行った後、6個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部150に向かって出力する。
左右下入賞口など、他の入賞口に入球した場合は、内部に設けられた通過検出スイッチが入球を検知して、入球した旨の信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。主制御部140は、後述する処理を行って10個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部150に向かって出力する。これら賞球コマンドは、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、遊技球の通過を検知した順番に従って信号伝送経路500aを介して送信される。払出制御部150は、こうして主制御部140から賞球コマンドを受け取って、賞球払出信号を出力することにより、賞球払出装置109を作動させて指示された個数分の賞球動作を行う。
また、主制御部140は、上述した各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、入賞球検知スイッチ318等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、「遊技が行われていない客待ちの状態」、「遊技は行われているが特別図柄始動入賞がない状態(変動準備状態)」、「特別図柄始動入賞があった状態」、および「特別遊技状態」などを判断する。また主制御部140は、始動入賞を検知すると乱数値に基づいて当否判定を行い、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)や確定などの表示態様制御を行うための各種コマンドを出力する。これらコマンドは、前述した信号伝送経路500aを介して一旦、音声・ランプ制御部170に出力された後、音声・ランプ制御部170から信号伝送経路500bを介して図柄制御部160に送信される。
(3)主制御部による制御ジョブの概要
次に、前述の電子制御装置130によって実行される遊技機1の制御の内容について説明する。
a.主制御部メインジョブ
図19は、主制御部メインジョブの流れを示すフローチャートである。かかる主制御部メインジョブは、主制御部140に搭載された主制御基板340によって実行されるジョブであり、遊技機1における遊技全体の進行を制御するジョブである。この主制御部メインジョブは、遊技機1の電源が投入され、あるいはリセットスイッチが押された時に、主回路部401に内蔵されたCPU480が内蔵ROM482のブート領域に格納されているプログラムを読み出すことによって、自動的に開始される。
尚、本遊技機1では、この主制御部メインジョブ以外にも多数のジョブが存在するが、これらジョブの多くは、所定の条件が成立すると主制御部メインジョブから呼び出されることによって実行される。
主制御部メインジョブを開始すると、先ず、初めに初期化ジョブを実施する(S10)。ここで、図20は初期化ジョブの流れを示したフローチャートである。この初期化ジョブでは、電源投入時に行われる所定の各種処理を行った後(S12)、音声・ランプ制御部170に向かって初期図柄指定コマンドを出力する処理を行う(S14)。
尚、電源投入時に行われる各種処理とは、例えば、主回路部401に内蔵されているCPU480の動作チェックやRAMの初期化を行ったり、音声・ランプ制御部170や、払出制御部150、図柄制御部160などの各制御部を初期化する処理である。また、初期図柄とは、遊技機1の電源投入時あるいはリセットボタンを押されたときに、普通図柄表示装置32や液晶表示装置27(図4参照)などに表示される図柄を言い、初期図柄指定コマンドとは、これら初期図柄の表示を図柄制御部160に対して指定するコマンドである。
図21は、主制御部140から初期図柄指定コマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。主制御部140に設けられた主制御基板340は、1bitのストローブ信号と8bitのコマンドデータとを、音声・ランプ制御基板370に向かって出力する。また、音声・ランプ制御基板370では、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、初期図柄指定コマンドを確実に読み取ることができる。
尚、ここでは初期図柄指定コマンドを出力する場合について説明したが、主制御部140が出力する他のコマンドも同様の手順によって出力されている。こうしてストローブ信号とともに供給された初期図柄制定コマンドは、直ちに音声・ランプ制御部170から図柄制御部160に転送され、図柄制御部160の制御の下で普通図柄表示装置32あるいは特別図柄制御装置27のそれぞれに初期図柄が表示される。
以上の説明からも明らかなように、遊技機1では、主制御部140が所定の処理を行って各種のコマンドを出力し、このコマンドを受けて、音声・ランプ制御部170や図柄制御部160、払出制御部150など所定の処理を行うことによって遊技が進行する。換言すれば、主制御部140と、その他の各種制御部とは、互いに処理を分担しながら、遊技機1の動作を制御している。そこで、理解の便宜を図るために、以下では、主制御部140内で実施される処理は「ジョブ」と呼び、音声・ランプ制御部170や図柄制御部160などで行われる処理は「ルーチン」と呼んで区別することにする。例えば、図20に示した初期化ジョブ、あるいは図22に示したデモ表示ジョブは「ジョブ」という名前が示すように、いずれも主制御部140で実施される処理である。
主制御部140は、以上のようにして初期化ジョブを終了したら、図19に示した主制御部メインジョブに復帰して、今度はデモ表示ジョブを開始する(S30)。ここでデモ表示とは、遊技機1がいわゆる客待ち状態の時に、遊技客の注意を引きつけるために、普通図柄や特別図柄で特別に行われる演出の表示を言う。
図22は、デモ表示ジョブの流れを示すフローチャートである。デモ表示ジョブを開始すると、先ず初めに、発射ハンドル9に設けられたタッチスイッチ9a(図1を参照のこと)がONとなっているか否かを判断する(S32)。前述したように、遊技者が発射ハンドル9に触れていればタッチスイッチ9aはONになるから、タッチスイッチがONであれば(S32:YES)、客待ち状態ではないと判断される。そこで、このような場合はデモ表示は不要であり、直ちにデモ表示ジョブを終了して、主制御部メインジョブに復帰する。
一方、タッチスイッチがOFFであれば(S32:NO)、客待ち状態となっている可能性がある。そこで、タッチスイッチが継続してOFFとなっている経過時間を検出し(S34)、連続してOFFとなっている経過時間が、所定時間(例えば2分)に達しているか否かを判断する(S36)。経過時間が所定時間に達していない場合は(S36:NO)、客待ち状態ではないと判断してデモ表示ジョブを終了する。経過時間が所定時間に達している場合は(S36:YES)、主制御部140はデモ指定コマンドを出力する(S38)。
デモ指定コマンドは、図21を用いて前述した初期図柄指定コマンドと同様に、主制御基板340から音声・ランプ制御基板370に向かってストローブ信号とともに出力される。音声・ランプ制御部170は、受け取ったデモ指定コマンドを図柄制御部160に転送するとともに、スピーカやランプを駆動してデモ時の演出を行う。一方、図柄制御部160は、音声・ランプ制御部170からデモ指定コマンドを受け取ると、普通図柄制御装置32aや液晶表示装置(特別図柄制御装置)27を制御して、所定のデモ表示を行う。
主制御部メインジョブでは、以上のような一連の処理を終了すると、図11に示した普通図柄作動ゲート36,37を遊技球が通過したか否かを判断する(S80)。そして、普通図柄作動ゲート36,37を遊技球が通過した場合は、普通図柄の保留数(つまり、普通図柄検出情報記憶手段に記憶された普通図柄検出情報の数)が所定個数(上限個数であって、本実施例では「4」)を超えているか否かが判断される(S83)。この普通図柄保留数(未始動回数)が所定個数(本実施例では「4」)を超えていれば、その「普通図柄始動通過」は無効となり、S100へスキップする。また、所定個数内の保留数(未始動回数)であれば、S85において、普通図柄保留数メモリ481m(図17参照)に記憶されている普通図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、普通図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S90において、普通図柄当否抽選乱数(「当否抽選」に用いる乱数)を発生させ(プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ抽選乱数値を、普通図柄当否抽選乱数メモリ481l(図17参照)に記憶した後、S100の処理に移行する。このメモリ481lは、読み込んだ抽選乱数値を普通図柄始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。尚、この抽選乱数値は、普通図柄保留数(未始動回数)と共に「普通図柄検出情報」の具体例を構成する。また、普通図柄保留数メモリ481m(図17参照)及び普通図柄当否抽選乱数メモリ481l(図17参照)は、「普通図柄検出情報記憶手段」の具体例を構成すると共に、普通図柄当否抽選乱数メモリ481lに記憶される「抽選乱数値」のうちで、当り抽選の対象となり得るものが、「普通図柄当り情報」の具体例を構成する。
この普通図柄当否抽選乱数メモリ481lは、図18(b)に示すように、「領域0」、「領域1」、「領域3」及び「領域4」の4つの記憶領域を備えている。そして、普通図柄当否抽選乱数値を、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で記憶可能となっている。つまり、最も古いタイミングで記憶された当否抽選乱数値が、「領域0」に記憶される。また、普通図柄当否判定乱数メモリ481lに、同時に記憶できる当否抽選乱数値の数(つまり、所定個数)は領域の数に限定される。更に、現に生じている判定乱数値の数が所定個数を下回る場合には、当否抽選乱数値が記憶されていない空きの領域が存在する。
そして、各当否抽選乱数値に対応する「普通図柄の変動表示」が実行される毎に、「領域0」の記憶データ(当否抽選乱数値であって、最古のもの)がクリアーされると共に、「領域1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データ(存在する場合のみであって、領域1〜領域3の全てに存在する場合と、領域1及び領域2に存在する場合と、領域1のみに存在する場合と、領域1〜領域3の全てに存在しない場合とがある。)が、「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。
一方、普通図柄変動ゲート36,37を遊技球が通過していないが、普通図柄に関する保留記憶が存在する場合(S95:YES)も、S100の処理に移行する。
S100の処理においては、普通図柄表示装置32における演出を制御するためのジョブ(普通図柄制御ジョブ)を行い、更に、S200の処理においては、普通電動役物171の駆動を制御するためのジョブ(普通電動役物駆動制御ジョブ)を行う。尚、普通図柄制御ジョブや普通電動役物駆動制御ジョブの内容については後述する。
次いで、主制御部140は、遊技機に複数設けられた入賞口のいずれかに遊技球が入球したか否かを判断する(S300)。前述したように、各入賞口の内部には入賞球の通過を検知するスイッチが設けられており、スイッチで検出された信号が信号ケーブルによって主制御基板340に伝達される。そして、主制御部140は、いずれの信号ケーブルから信号が伝達されたかに基づいて、入球のあった入賞口を容易に検出することができる。
更に、主制御部140は、入球のあった入球口に応じて、所定数の遊技球を払い出す旨の賞球コマンドを出力する(S310)。この賞球コマンドは、主制御部140から払出制御部150に向かって出力され、払出制御部150ではコマンドに従って賞球払出装置109を制御することにより、所定数の遊技球の払出を行う。もちろん、主制御部140から音声・ランプ制御部170にもコマンドを出力して、賞球に伴う所定の演出を行うこととしても良い。
続いて、主制御部140は、遊技球の入球した入賞口が始動口17か否か、つまり、特別図柄始動入賞を生じたか否かを判断する(S315)。そして、始動口17でない場合(S315;NO)は、S350へスキップする。一方、入球した入賞口が始動口17である場合は(S315:YES)、S320において、特別図柄保留数(つまり、特別図柄検出情報記憶手段に記憶された特別図柄検出情報の数)が特定個数(上限個数であって、本実施例では「4」)を超えているか否かが判断される。この特別図柄保留数(未始動回数)が特定個数(本実施例では「4」)を超えていれば、その特別図柄始動入賞は無効となり、S500へスキップする。また、特定個数内の特別図柄保留数(未始動回数)であれば、S325において、特別図柄保留数メモリ481b(図17参照)に記憶されている特別図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、特別図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S330において、特別図柄当否判定乱数(以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう)を発生させ(プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ判定乱数値を、S140において、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図17参照:以下、判定乱数メモリともいう)に記憶した後、S500の処理に移行する。このメモリ481aは、読み込んだ判定乱数値を特別図柄始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。尚、この判定乱数値は、特別図柄保留数(未始動回数)と共に「特別検出情報」の具体例を構成する。また、特別図柄保留数メモリ481b(図17参照)及び特別図柄当否抽選乱数メモリ481a(図17参照)は、「特別図柄検出情報記憶手段」の具体例を構成すると共に、特別図柄当否抽選乱数メモリ481aに記憶される「判定乱数値」のうちで、大当り判定の対象とされ得るものが、「特別図柄大当り情報」の具体例を構成する。
この特別図柄当否判定乱数メモリ481aも、図18(a)に示すように、普通図柄当否判定乱数メモリ481lと同様に、「領域0」、「領域1」、「領域3」及び「領域4」の4つの記憶領域を備えている。そして、判定乱数値を、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で記憶可能となっている。つまり、最も古いタイミングで記憶された判定乱数値が、「領域0」に記憶される。また、特別図柄当否判定乱数メモリ481aに、同時に記憶できる判定乱数値の数(つまり、特定個数)は領域の数に限定される。更に、現に生じている判定乱数値の数が特定個数を下回る場合には、判定乱数値が記憶されていない空きの領域が存在する。
そして、各判定乱数値に対応する「特別図柄の変動表示」が実行される毎に、「領域0」の記憶データ(判定乱数値であって、最古のもの)がクリアーされると共に、「領域1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データ(存在する場合のみであって、領域1〜領域3の全てに存在する場合と、領域1及び領域2に存在する場合と、領域1のみに存在する場合と、領域1〜領域3の全てに存在しない場合とがある。)が、「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。
このS500の処理では、液晶表示装置27における演出を制御するためのジョブ(特別図柄制御ジョブ)が行われる。そして、S500の処理に後続するS900の処理では、特別遊技状態にある時に行われる種々の演出を制御するためのジョブ(特別遊技関連ジョブ)を実施する。尚、特別図柄制御ジョブS500及び特別遊技関連ジョブS900の内容については後述する。また、S350において、特別図柄保留数(未始動回数)が存在しないと判断される場合には、特別図柄制御ジョブS500及び特別遊技関連ジョブS900は行わない。
そして、以上の様な処理を行ったら、パチンコ機1の電源がOFFとされたか否かを判断し(S980)、電源がONであると判断された場合は(S980:NO)、再びS30のデモ表示ジョブに戻って続く一連の処理を行う。これに対して、パチンコ機1の電源がOFFになったと判断された場合は(S980:YES)、主制御部メインジョブを終了する。そして、主制御部メインジョブが終了されると、遊技の進行が停止し、パチンコ機1の遊技状態が終了する。
b.主要なジョブの説明
次に、普通図柄制御ジョブ(S100)、普通電動役物駆動制御ジョブ(S200)、特別図柄制御ジョブ(S500)、変動終了時ジョブ(S840)、特別遊技関連ジョブ(S900)の各ジョブについて、順番に説明する。
図23(a)は、普通図柄制御ジョブ(S100)の流れを示すフローチャートである。この処理は、遊技球が普通図柄変動ゲート36,37を通過したことを普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、37sが検知(検出)することを前提に開始される。この普通図柄制御ジョブ(S100)を開始すると、先ず、「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」が行われる。この「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」においては、普通図柄についての当否抽選等が行われる。
この当否抽選ジョブ(S110)では、図24に示すように、普通図柄当否抽選乱数メモリ481l(図17参照)から記憶している最も古い先頭の普通図柄当否抽選乱数値を読み出す{つまり、図18(b)の「領域0」に記憶されている普通図柄当否抽選乱数値を読み出す}と共に、普通図柄当否抽選乱数メモリ481lをシフトする(S117)。次いで、S120において、遊技機1が確変中であるか否か(つまり、確変移行フラグが設定されている否か)が判断される。つまり、遊技機1が、「確率変動状態」にあるのか、それ以外の「非確率変動状態」にあるか、が判断される。尚、「確変移行フラグ」に関しては後述する。
S120において充足しないと判断されると(S120;NO)、低確率状態での当否抽選が行われる(S124)。つまり、S117で読み出した乱数値の当否を、「低確率時のデータテーブル(例えば、当選確率「8」割)」を用いて当否抽選する(S124)。一方、120において充足すると判断されると(S120;YES)、高確率状態での当否抽選が行われる(S122)。つまり、S117で読み出した乱数値の当否を、「高確率時のデータテーブル(例えば、当選確率「9」割)」を用いて当否抽選する(S122)。
S122若しくはS124の当否抽選の結果が、当りの場合には(S125;YES)、S126において、当り普通図柄(当否抽選結果が当りであることを示すための普通図柄の停止図柄)を乱数によって決定し、決定した乱数値を当り普通図柄番号メモリ481o(図17参照)に記憶する(S127)。そして、「当り」という当否抽選結果(本実施例では「1」)を普通図柄抽選結果メモリ481n(図17参照)に記憶する。
S122若しくはS124の当否抽選の結果が、外れの場合には(S125;NO)、S128において、外れ普通図柄(当否抽選結果が外れであることを示すための普通図柄の停止図柄)を乱数によって決定し、決定した乱数値を外れ普通図柄番号メモリ481p(図17参照)に記憶する(S128)。そして、「外れ」という当否抽選結果(本実施例では「2」)を普通図柄抽選結果メモリ481n(図17参照)に記憶する。
普通図柄制御ジョブ(S100)では、図23(a)に示すように、この「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」に続いて、「普通図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S150)」が実行される。この表示制御コマンド設定ジョブ(S150)では、図25(a)に示すように、「普通図柄指定コマンド(普通図柄の停止図柄を特定するためのコマンド)」を設定する処理(S152)と、「普通図柄変動パターン指定コマンド(普通図柄の変動時間を特定するためのコマンド)」を選択・設定する処理(S156若しくはS158)と、が実行される。
但し、「普通図柄変動パターン指定コマンド」を設定する処理(S156若しくはS158)においては、先ず、移行フラグ(確変移行フラグ若しくは時短移行フラグ)が設定されているか否かを判断する(S154)。つまり、遊技機1が時短関連遊技状態(確変移行フラグ設定時は「確変一体型部分(G1)」、時短移行フラグ設定時は「おまけ型部分(G2)」である。)にあるか否かを判断する(S154)。
そして、移行フラグが設定されていない場合(S154;NO)には、通常遊技状態用(非時短関連遊技状態用)の「データテーブル」を用いて、変動パターン(図中、「通常時用変動パターン」と表記)を選択し、変動パターン指定コマンドを設定する(S156)。一方、移行フラグが設定されている場合(S154;YES)には、時短関連遊技状態用の「データテーブル」を用いて、変動パターンを選択(図中、「時短時用変動パターン」と表記)し、変動パターン指定コマンドを設定する(S158)。
本実施例では、図25(b)に示すように、通常遊技状態用(非時短関連遊技状態用)の「データテーブル」を用いると、変動パターン(変動時間)は「23秒」、「24秒」、「25秒」、「26秒」及び「27秒」のうちの何れかとされ、時短関連遊技状態用の「データテーブル」を用いると、変動パターン(変動時間)は「3.0秒」、「5.2秒」、「5.3秒」、「5.4秒」及び「5.5秒」のうちの何れかとされる。つまり、本遊技機1では、時短関連遊技状態のときの「普通図柄の変動時間」は、通常遊技状態の「普通図柄の変動時間」の約(1/9)〜約(1/4)に短縮化される。
普通図柄制御ジョブ(S100)では、普通図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S150)に続いて、普通図柄関連コマンドを音声・ランプ制御基板370に向かって出力する処理を行う(S185、S190、S195)。ここで、普通図柄関連コマンドとは、普通図柄制御のために主制御基板340から出力される各種のコマンドである。具体的には、前述の「普通図柄変動パターン指定コマンド」及び「普通図柄指定コマンド」の他に、普通図柄の確定表示(停止表示)を制御するための「普通図柄停止コマンド」などの各種コマンドが含まれる。
図23(b)は、これら普通図柄関連コマンドを一覧的に表示した説明図である。即ち、普通図柄の変動パターンに応じて、コマンドChp1 ,コマンドChp2 ,コマンドChp3 ,コマンドChp4 ・・・など、各種の指定コマンドが予め設定されている。また、変動後に停止させる普通図柄に応じて、コマンドChs1 ,コマンドChs2 ,コマンドChs3 ,コマンドChs4 ・・・などの各種の指定コマンドが設定されており、普通図柄の変動表示を停止させるためのコマンドとしては、コマンドChstpが設定されている。もちろん、表示されているコマンド以外に他のコマンドを設定しておくことも可能である。
これらの普通図柄関連コマンドは、図14に示した主回路部401の内蔵ROM482に予め記憶されている。尚、図23(a)のS185、S190、S195では、S152、156(S158)で決定した変動パターン及びおよび普通図柄に応じて、内蔵ROM482から対応するコマンドを読み出した後、音声・ランプ制御基板370に向かってストローブ信号とともに出力する処理を行う(図21参照)。こうして、S152、156(S158)で決定した内容に応じて各種の普通図柄関連コマンドを出力し(S185、S190)、最後に図柄停止コマンドを出力したら、普通図柄制御ジョブを終了する(S195)。尚、音声・ランプ制御基板370は、普通図柄関連コマンドを受信すると、そのコマンドを図柄制御基板360に転送する。
前述の「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」において「当り抽選」がなされると、普通電動役物171の開放駆動が実行される(図19及び図26参照)。つまり、「普通電動役物駆動制御ジョブ(S200)」において、所定の「開放パターン」に従う「普通電動役物171の開放駆動」が実行される。
つまり、図26(a)に示すように、「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」において「当否抽選結果が当り(当選)」であると(S210;YES)、移行フラグ(確変移行フラグ、若しくは、時短移行フラグ)が設定されているか否かを判断する(S212)。つまり、遊技機1が時短関連遊技状態にあるか否かを判断する(S212)。尚、確変移行フラグ設定時は「確変一体型部分(G1)」を実行していると判断され、時短移行フラグ設定時は「おまけ型部分(G2)」を実行していると判断される。
そして、移行フラグが設定されていない場合(S212;NO)には、通常遊技状態用(非時短関連遊技状態用)の開放パターン(図中、「通常時用の開放パターン」と表記)に従って、普通電動役物171が開放駆動される(S214)。一方、移行フラグが設定されている場合(S212;YES)には、時短関連遊技状態用の開放パターン(図中、「時短時用の開放パターン」と表記)に従って、普通電動役物171が開放駆動される(S218)。
尚、図26(b)に示すように、「通常時用の開放パターン」とは、普通電動役物171を「通常の時間(例えば、0.3秒)」の間、一回に限り、開放駆動させるための「開放パターン」を指す。また、本実施例では、「時短時用の開放パターン」としては、次の2種類のものが用意されている。
つまり、(a)普通電動役物171を「通常の時間(例えば、0.3秒)」よりも「長い時間(以下、中時間といい、例えば、1.4秒を例示できる。)」の間、「複数回(例えば、3回)」に渡って開放駆動させる「開放パターン(以下、時短時用の開放パターン2と称する。)」と、(b)普通電動役物171を、前記「中時間(例えば、1.4)」よりも更に「長い時間(以下、長時間といい、例えば、6秒を例示できる。)の間、一回に限り開放駆動させる「開放パターン(以下、時短時用の開放パターン1と称する。)と、が用意されている。
そして、S212で「YES」と判断される場合に、「時短時用の開放パターン1」及び「時短時用の開放パターン2」のうちの一方が乱数を用いた抽選によって選択されることになっている。但し、本実施例と異なり、「時短時用の開放パターン」の種類を1種としたり、3種以上としてもよい。
以上のように、本実施例では、遊技機1が時短関連遊技状態のうちの確変一体型部分G1にあるときには、普通図柄変動時間短縮化制御(S154、S158)と、時間延長制御(S212、S218)と、高確率化制御(S120、S122)とを行うか、これらに加えて、回数増加制御(S212、S218)を実行する。また、遊技機1が時短関連遊技状態のうちのおまけ型部分G2にあるときには、普通図柄変動時間短縮化制御(S154、S158)と、時間延長制御(S212、S218)とを行うか、これらに加えて、回数増加制御(S212、S218)を実行する。よって、遊技機1が時短関連遊技状態にあるときには、始動口17(普通電動役物171)へ遊技球が入球する可能性が高くなる。
次に、特別図柄制御ジョブ(S500)の内容について説明する。図27(a)は、特別図柄制御ジョブ(S500)の流れを示すフローチャートである。この特別図柄制御ジョブ(S500)においては、ジョブを開始すると、特別図柄の当否判定ジョブ(S600)と、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)」とを行う。
特別図柄の当否判定ジョブ(S600)においては、「当否判定(特別遊技に係る特典を付与するか否かの判定)」を行うと共に、「特別図柄の変動後に確定表示する図柄(確定図柄)」を決定する処理が行われる。この特別図柄の当否判定ジョブ(S500)は、以下のように行われる。
即ち、図28に示すように、S605において、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図17参照)から記憶している最も古い先頭の特別図柄判定乱数値を読み出し、S610に進む。次いで、S610においては、図14に示すROM482内の大当り番号メモリ482aから大当り番号(当り用判定値)を読み出し、上記特別図柄当否判定乱数値との比較を行い(S620又はS625)、両者が一致していれば大当り判定となり、大当り処理(S650)が行われる。一方、一致していなければ外れ判定となり、外れ処理(S680以降の処理)が行われる。
但し、この当否判定に先立ち、遊技機1が高確率状態にあるか否か(確変移行フラグが設定されているか否か)が判断され(S615)、高確率状態にないとき(確変移行フラグが設定されていないとき)には(S615;NO)、「低確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S620)。一方、遊技機1が高確率状態にあるとき(確変移行フラグが設定されているとき)には(S615;YES)、「高確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S625)。
大当り処理(S650)においては、図29に示すように、先ず、S652に進み、当り本図柄(当りを示すための第1本図柄と、第2本図柄であって、両者は同一の図柄である。)を決定する当り本図柄決定乱数を読み出し、その読み出した乱数値を当り本図柄番号メモリ481e(図17参照)に記憶する(S654)。次いで、S605で読み出した当り本図柄決定乱数の値と、確率変動判定用の当り番号(以下、「確変当り番号」という。)とが一致するか否かを判定する(S660)。そして、両者が一致しない場合には(S660;NO)落選(通常当り)となり、そのままS6680の処理に移行する。一方、両者が一致していれば(S660;YES)当選(確変当り)となり、「確変当りフラグ」を「設定」した後(S665)、S668の処理に移行する。
S668においては、「大当り」という判定結果(本実施例では「1」)を特別図柄判定結果メモリ481i(図17参照)に記憶する。尚、「確変」は、特別遊技に係る特典以外の「遊技上の特典」の一具体例を構成する。また、本実施例では、確変に関する判定を「特別図柄の当否判定に関する乱数」を利用して行ったが、この確変に関する判定を大当り処理で決定される当り図柄の種類に対応させて行ってもよいし、この確変に関する確変の抽選専用の乱数を用いて行ってもよい。
一方、外れ処理においては、図28に示すように、S680で外れ第1本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第1本図柄番号メモリ481f(図17参照)に記憶する(S682)。同様に、S684で外れ第2本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第2本図柄番号メモリ481g(図17参照)に記憶する(S686)。そして、S690において、「外れ」という判定結果(本実施例では「2」)を特別図柄判定結果メモリ481i(図17参照)に記憶する。
特別図柄制御ジョブ(S500)では、図27(a)に示すように、この「特別図柄の当否判定ジョブ(S600)」に続いて、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)」が実行される。この表示制御コマンド設定ジョブ(S700)では、図30に示すように、「本図柄指定コマンド(本図柄表示部272、273において、表示される本図柄の確定図柄を特定するためのコマンド)」を設定する処理(S706又はS716)と、「本図柄変動パターン指定コマンド(本図柄表示部272、273において、変動表示する本図柄の変動時間を特定するためのコマンド)」を選択・設定する処理(S710若しくはS720)と、が実行される。
ここで、「特別図柄の表示制御コマンド」は、特別図柄制御のために主制御基板340から出力される各種のコマンドであり、図14に示した主回路部401の内蔵ROM482に予め記憶されている。尚、本実施例では、特別図柄を本図柄と、疑似図柄によって構成するが、特別図柄を本図柄のみによって構成してもよい。また、疑似図柄の背景には、この疑似図柄を際だたせるための背景図柄を表示している。但し、この背景図柄が疑似図柄と共に特別図柄を構成してもよいし、この背景図柄が疑似図柄若しくは本図柄の一部を構成してもよい。
また、「特別図柄の表示制御コマンド」には、前記「本図柄指定コマンド」と、「本図柄変動パターン指定コマンド」の他に、本図柄の確定表示を制御するための「本図柄停止コマンド」が含まれている{図27(b)}。尚、本実施例において、「本図柄指定コマンド」として、第1本図柄表示部272に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第1本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド1」と表記することもある。)」と、第2本図柄表示部273に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第2本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド2」と表記することもある。)」とが存在する。
更に、「特別図柄の表示制御コマンド」には、「大当り関連表示コマンド(大当り表示の後、特別遊技が開始するまでの過渡的演出表示を司るコマンド)」が含まれている。但し、これらコマンド以外に、他のコマンドを設定してもよい。また、本実施例では、「変動パターン指定コマンド」によって、全図柄(本図柄及び疑似図柄によって構成される特別図柄の他に、背景図柄を含む。)の変動時間が特定される。また、「本図柄停止コマンド」によって、変動中の図柄の確定表示が制御される。例えば、全本図柄が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時まで変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、全本図柄の確定表示が制御される。一方、全本図柄のうちの一部が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時までに確定表示され、全本図柄のうちの残部が変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、この残部の確定表示が制御される。
特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)では、前記当否判定(S620、S625)の結果が大当りである場合には(S702;YES)には、「大当りを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる(S706)。つまり、前述の「当り本図柄番号メモリ481eに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド1」及び「本図柄指定コマンド2」を設定する処理が行われる。そして、「大当り用」の「変動パターン指定コマンド(変動パターン)」を選択、設定する処理(図においては、「変動パターン選択・設定処理」と表記)」が行われる(S710)。
また、前記当否判定(S620、S625)の結果が外れの場合には(S702;NO)には、「外れを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる(S716)。つまり、前述の「外れ第1本図柄番号メモリ481fに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド1」に設定し、前述の「外れ第2本図柄番号メモリ481gに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド2」に設定する処理が行われる。更に、「外れ用」の「変動パターン指定コマンド」を選択、設定する処理が行われる(S720)。
「大当り用」の「変動パターン指定コマンド(変動パターン)」を選択、設定する処理(S710)、及び、「外れ用」の「変動パターン指定コマンド(変動パターン)」を選択、設定する処理(S720)は、何れも、図31に従って行われる。
先ず、遊技機1の遊技状態が確率変動状態にあるか否か、つまり、確変移行フラグが設定されているか否が判断される(S722)。この確変移行フラグは、遊技機1が確率変動状態に移行していることを示すものである。そして、この確変移行フラグの設定は、後述する「特別遊技関連処理」において、確変当りに係る特別遊技の終了後になされる(図39のS970を参照)。
S722で、遊技機1の遊技状態が確変状態と判断される場合(S722;YES)、つまり、遊技機1の遊技状態が「時短関連遊技状態のうちの確変一体型部分(G1)」にある場合には、特別図柄の変動パターン(変動パターン指定コマンド)として、時短関連遊技状態用の変動パターン(図中、「時短時変動パターン」と表記)を選択・設定し(S760)、本処理を終了する。つまり、本実施例では、遊技機1の遊技状態が確変状態(「確変一体型部分(G1)」)にあるときには、一律に、時短関連遊技状態用の変動パターン(変動パターン指定コマンド)が選択・設定される。この場合、確変移行フラグが設定された状態にあるため、入球促進制御として、普通図柄変動時間短縮化制御(S154、S158)と、時間延長制御(S212、S218)と、高確率化制御(S120、S122)とを行うか、これらに加えて、回数増加制御(S212、S218)が実行される。
S722で、遊技機1の遊技状態が確変状態でないと判断される場合には(S722;NO)には、S724において、遊技機1の遊技状態が、「時短関連遊技状態のうちのおまけ部分(G2)」の状態にあるか否かを判断する。つまり、時短フラグ(おまけ部分の状態にあることを示す時短フラグである。)が設定されているか否かを判断する(S724)。そして、S724で「NO」と判断される場合、つまり、遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態」にあるときには、特別図柄の変動パターン(変動パターン指定コマンド)として、通常時用変動パターン(図中、「通常時変動パターン」と表記)を選択・設定し(S762)、本処理を終了する。この場合、移行フラグ(確変移行フラグ及び時短フラグ)は設定されていないため、前述の如く、入球促進制御は行われない(図24のS124,図25のS156、図26のS214)。尚、時短移行フラグ等に関しては後述する。
遊技機1の遊技状態が確変状態でないと判断されるが(S722;NO)、「時短関連遊技状態のうちのおまけ部分(G2)」の状態にあると判断される場合には(S724;YES)、時短カウンタ481sの値が、40以下である否かを判断する(S745)。この時短カウンタ481sの値は、遊技機1の遊技状態が「時短関連遊技状態のうちのおまけ部分(G2)」に移行した後において、大当り判定を経ることなく行った「特別図柄の変動回数(以下、「おまけ時変動回数」という。)」を示すものである。そして、後述のように、この「おまけ時変動回数」が上限数(本実施例では、「50」を例示)に到達すると、クリアされる。即ち、時短カウンタ481sの値が上限数に到達すると、時短関連遊技状態(おまけ部分G2)を終了し、遊技機1の遊技状態は、「次回の特別図柄の変動機会」より通常遊技状態に戻される。
ここで、S745の処理は、「特定条件」の成立の有無を判断するためのものである。即ち、本実施例では、時短関連遊技状態の開始後、大当り判定を経ることなく行った「特別図柄の変動回数」が所定の回数となると、「特定条件」が成立する。換言すると、本実施例では、「特別図柄の変動回数の残り回数」が特定回数(本実施例では、10回を例示)となると、「特定条件」が成立する。尚、「特別図柄の変動回数の残り回数」とは、「時短関連遊技状態において、大当り判定を経ることなく行った特別図柄の変動回数の上限数(以下、時短時変動上限回数という。」を基準に定めた「残り回数」である。
S745の処理で「特定条件」の未だ成立していないと判断される場合(S745;NO)、つまり、「残り変動回数」が10回を超えると判断される場合には、特別図柄の変動パターンとして、時短関連遊技状態用の変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定し(S760)、本処理を終了する。このとき、時短移行フラグ(S735)が設定されているため、入球促進制御として、普通図柄変動時間短縮化制御(S154、S158)と、時間延長制御(S212、S218)とを行うか、これらに加えて、回数増加制御(S212、S218)が実行される。
S745の処理で「特定条件」が成立した判断される場合(S745;YES)、つまり、「残り変動回数」が特定回数以下(本実施例では、10回以下)になったと判断される場合、特別図柄の変動パターンとして、通常時用変動パターンが選択・設定される(S762)。
このように、本実施例では、遊技機1が時短関連遊技状態を実行している場合であっても、「特別図柄の変動回数の残り回数」が、所定数(本実施例では、10回)以下となると、特別図柄の変動パターン(変動パターン指定コマンド)として通常時用変動パターンが選択・設定され(S762)、遊技機1への「特別図柄変動時間短縮化制御」が解除される。つまり、主制御部140は、S745の処理における否定的な判定に伴ってS762の処理を行うことで、「遅延手段」として機能することになる。
但し、この遅延手段が作動したとき(S745;NO、S762)においても、時短移行フラグは設定された状態にあるため、入球促進制御は続行される。つまり、普通図柄変動時間短縮化制御(S154、S158)と、時間延長制御(S212、S218)とを行うか、これらに加えて、回数増加制御(S212、S218)が実行される。よって、遊技球の始動口17への入球(普通電動役物171への入球)が促進された状態が維持される。
このように、本実施例の遊技機1では、時短関連遊技状態の終了間近になると{特別図柄の変動回数の残り回数が少なくなると(10回になると)}、遅延手段が作動し、遊技機1の遊技状態が、時短関連遊技状態の終了を遅延させるように制御される。この点について、図32を用いて更に説明する。
図32(b)は、本実施例の遊技機1における「時短関連遊技状態の終了間近」の遊技状態を示しており、図32(a)は、比較例の遊技機における「時短関連遊技状態の終了間近」の遊技状態を示している。つまり、本実施例の遊技機1では、特別図柄の変動回数の残り回数が10回(「ラスト10」と図示)になると(破線Dを参照)、「特別図柄変動時間短縮化制御」が解除され(遅延手段が作動し)、特別図柄の変動時間が長くなる。
即ち、時短関連遊技状態が完了するまでの間、そのまま、「特別図柄変動時間短縮化制御」を継続する比較例の遊技機に比べて、個々の「特別図柄の変動表示」毎の変動時間が長くなり、時短関連遊技状態の終了が遅延する。尚、図32(a)及び(b)において比較例の遊技機では、特別図柄の変動回数の残り回数が全て消化される間(ラスト10、ラスト9 ・・・ラスト1と消化される間)に、本実施例の遊技機1では、特別図柄の変動回数を1回しか消化しない(ラスト10のみを消化する)場合を例示する。そして、本実施例の遊技機1では、この時短関連遊技状態の終了を遅延させる間に、入球促進制御を実行するため、特別図柄検出情報の数を、上限個数にしたり、上限個数に近づけることが容易である。
ここで、図31のS762の「通常時変動パターン選択・設定処理」と、S760の「時短時変動パターン選択・設定処理」の具体例を例示する。
本遊技機1では、図33及び図36に示すように、主制御部140のROM482に、「変動パターンに関するデータ」をテーブル形式で記憶している。このデータを記憶したテーブルは、当該遊技機1の遊技状態に応じた変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定する際に使用される。つまり、本実施例では、「特別図柄変動時間短縮制御」を実行しないとき(遊技機1が時短関連遊技状態以外の遊技状態にあるときと、時短関連遊技状態にあっても、特別図柄変動時間短縮制御を実行しないとき)に使用される「通常時テーブル(図33)」と、遊技機1が「特別図柄変動時間短縮制御を実行するときに使用される「時短時テーブル(図36)」と、が用意されている。そして、これらのテーブルには各々複数のデータが記憶され、各データ毎に、特別図柄の変動時間(特別図柄の変動開始から全図柄停止までの時間)が異なる長さに指定される。
通常時テーブルには、図33に示すように、「複数のデータ(A1〜A16までの16種を例示)」が記憶されている。そして、各データ(A1〜A16)によって、各々、異なる「変動時間」を指定される。尚、図33において、変動時間を「T」で示すと共に、「T」の右側に添えられた「添え字」の数が大きくなる程、変動時間の長さが長くなるものとする。また、図33に示すようにおいては、「変動時間T」の欄に、具体的な数値(秒)を例示する。例えば、通常時テーブルを用いて選択される「変動時間T」のうちで、最短のもの「T1」は「40秒」であり、最長のもの「T16」は「141秒」である。
そして、遊技機1が、「特別図柄変動時間短縮制御」を実行しないときには、前述のS762に示す処理(通常時変動パターン選択・設定処理)において、通常時テーブルを用いて所定の変動パターン(変動パターン指定コマンド)が選択される。但し、特別図柄に関する当否判定の結果が大当り(S630;YES)である場合は、当該当否判定の結果が外れ(S630;NO)である場合に比べて、変動時間が長目となる「変動パターン(変動パターン指定コマンド)」が選択される。
つまり、当該当否判定の結果が大当り(S630;YES)である場合は、図34に示すように、「A3」、「A7」、「A10」、「A12〜A16」のうちの何れかの「データ」が選択される。尚、この「データ」の選択に際しては、所定の「振り分け用乱数」を用いることができる。また、当該当否判定の結果が外れ(S630;NO)である場合は、図35に示すように、「A1」、「A2」、「A4〜A6」、「A9」、「A10」のうちの何れかの「データ」が選択される。尚、この「データ」の選択に際しても、所定の「振り分け用乱数」を用いることができる。
当該当否判定の結果が大当り(S630;YES)の場合には、遊技上を盛り上げるために、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄を用いた「十分な演出表示」が要求され易い。即ち、本遊技機1では、当該当否判定の結果が大当り(S630;YES)の場合、本図柄表示部272、273に本図柄が確定表示される前に、疑似図柄表示部275〜277において、必ず、「リーチ演出」を行うため、長目の変動時間を選択することが必要となる。特に、「リーチ演出」によって実行されるリーチ態様の演出度が高かったり(例えば、スーパーリーチである場合)、この「リーチ演出」とは別に「再抽選演出」を行う場合には、長目の変動時間を選択することが必要となるからである。
尚、図33及び図36において、「疑似図柄」の欄に記載した内容は、各データ毎に実行可能な「演出内容」を例示する。例えば、データ(変動パターンA1)を選択した場合には、疑似図柄表示部275〜277において、「通常外れ(リーチ演出を経由しない外れ演出)」を実行可能である。また、データ(変動パターンA10)を選択した場合には、疑似図柄表示部275〜277において、「スーパーリーチ当り(スーパーリーチ演出を経由する大当り演出)」を実行可能である。更に、データ(変動パターンA14)を選択した場合には、疑似図柄表示部275〜277において、「再抽選演出を経由する確変当り演出)」を実行可能である。
一方、時短時テーブルにも、図36に示すように、「複数のデータ(S1〜S10までの10種を例示)」が記憶されている。そして、各データ(S1〜S10)によって、各々、異なる「変動時間」を指定される。尚、図36において、変動時間を「t」で示すと共に、「t」の右側に添えられた「添え字」の数が大きくなる程、変動時間の長さが長くなるものとする。また、図36に示すようにおいても、「変動時間t」の欄に、具体的な数値(秒)を例示する。例えば、時短時テーブルを用いて選択される「変動時間t」のうちで、最短のもの「t1」は「3.9秒」であり、最長のもの「T10」は「35.0秒」である。
そして、遊技機1が、「特別図柄変動時間短縮制御」を実行するときには、前述のS760に示す処理(時短時変動パターン選択・設定処理)において、時短時テーブルを用いて所定の変動パターン(変動パターン指定コマンド)が選択される。但し、特別図柄に関する当否判定の結果が大当り(S630;YES)である場合は、当該当否判定の結果が外れ(S630;NO)である場合に比べて、変動時間が長目となる「変動パターン(変動パターン指定コマンド)」が選択される。
つまり、当該当否判定の結果が大当り(S630;YES)である場合は、図37(a)に示すように、「S6〜S10」のうちの何れかの「データ」が選択される。尚、この「データ」の選択に際しても、所定の「振り分け用乱数」を用いることができる。また、当該当否判定の結果が外れ(S630;NO)である場合は、図37(b)に示すように、「S1〜S5」のうちの何れかの「データ」が選択される。尚、この「データ」の選択に際しても、所定の「振り分け用乱数」を用いることができる。
尚、この時短時テーブル使用時においても、当該当否判定の結果が大当り(S630;YES)の場合には、当該当否判定の結果が外れ(S630;NO)である場合に比べて、長目の変動時間を選択される。但し、当該当否判定の結果が大当り(S630;YES)の場合においても、「特別図柄変動時間短縮制御」の実行を担保するために、前述の「通常時テーブルを用いて選択される何れの変動時間」よりも短い「変動時間」が選択される。このため、時短時テーブル使用時には、当該当否判定の結果が大当り(S630;YES)の場合においても、疑似図柄表示部275〜277において「ノーマルリーチ演出」が行われるが、これよりも演出時間が長くなる「スーパーリーチ演出」や「再抽選演出」を行うことはない。
以上の如く、本実施例では、特別図柄の変動時間を「短縮化」する態様として、「特別図柄変動時間短縮制御の実行する場合(以下、前者の場合という。)」に選択される「特別図柄の変動時間」を、「特別図柄変動時間短縮制御を実行しない場合(以下、後者の場合という。)」に選択される「特別図柄の変動時間」に比べて、一律に短くする態様を例示した。但し、この「短縮化」する態様には、例えば、時短時テーブルを用いて選択される「変動時間」の平均値(期待値)」が、通常時テーブルを用いて選択される「変動時間」の平均値(期待値)」に比べて短くされる態様も含まれる。
図27(a)に戻り、S700に続き、S710若しくはS720で選択・設定した「変動パターン指定コマンド」を、音声・ランプ制御基板370に向かって出力する処理(S810)を行い、更に、「本図柄指定コマンド1(第1本図柄指定コマンド)」及び「本図柄指定コマンド2(第2本図柄指定コマンド)」を音声・ランプ制御基板370に向かって出力する処理(S820)を行う(図41参照)。一方、音声・ランプ制御基板370や、図柄制御部160においては、図柄表示制御コマンドを受信して、「サブ基板メインルーチン」を行う。この「サブ基板メインルーチン」に関しては後述する。
次いで、「本図柄指定コマンド1(第1本図柄指定コマンド)」及び「本図柄指定コマンド2(第2本図柄指定コマンド)」によって特定される変動時間が終了するときに、主制御部140から音声・ランプ制御基板370に向かって、本図柄停止コマンドが出力される(S820)。このとき、変動中の本図柄が停止する(図42参照)。そして、本図柄が停止した後、変動終了時ジョブ(S840)が実行される。
次に、この変動終了時ジョブ(S840)の詳細について、図38を用いて説明する。この変動終了時ジョブ(S840)では、先ず、前述の「特別図柄の当否判定ジョブ(S600)」の結果が大当りであるか否かが判断される(S843)。そして、大当りと判断される場合(S843;YES)には、「大当り関連表示コマンド」を出力し(S846)、変動終了時ジョブ(S840)を終了する。
S843で、大当りでないと判断される場合(S843;NO)、つまり、前述の「特別図柄の当否判定ジョブ(S600)」の結果が外れである場合には、確変移行フラグが設定されているか否かが判断される(S848)。そして、確変移行フラグが設定されていると判断される場合(S848;YES)には、確変カウンタ481r(図17参照)の値を「+1」した後(S850)、「確変カウンタ481r」の値が、「30」に到達したか否かが判断される(S852)。
この「確変カウンタ」は、遊技機1の遊技状態が確変状態になった後に、大当り判定を経ることなく行った「特別図柄の変動回数」を示すもので、初期値は「0」である。つまり、後述するように、この「確変カウンタ」は、当該「大当り判定を経ることなく行った特別図柄の変動回数(以下、「確変時変動回数」という。)」が所定回数(本実施例では、30回であるが、)に到達するか、当該「確変時変動回数」が所定回数に到達する前に大当りを判定が行われると、クリアされる。
S852で、確変カウンタの値が「30に到達していない」と判断されると(S852;NO)、遊技機1の遊技状態は、未だ、確変状態(「確変一体型部分(G1)」)にある。このため、そのまま(後述するS856、S860、及び、S865の各処理を行うことなく)、変動終了時ジョブ(S840)を終了する。
S852で、確変カウンタの値が「30に到達した」と判断されると(S852;YES)、遊技機1の確変状態(「確変一体型部分(G1)」)は終了(今回の特別図柄の変動終了をもって終了)する。そして、遊技機1の遊技状態は、「次回の特別図柄の変動機会」より、「時短関連遊技状態のうちのおまけ部分(G2)」に移行する。つまり、本遊技機1の遊技状態は、次回の特別図柄の変動開始時から非確変状態に移行する。
そして、このように、確変カウンタの値が「30に到達した」と判断されると(S852;YES)、確変カウンタをクリアする処理(初期化して「0」にする処理、S856)と、確変移行フラグを解除する処理(S860)と、時短移行フラグを設定する処理(S865)とを実行した後、変動終了時ジョブ(S840)を終了する。
ここで、S865の処理で設定される「時短移行フラグ」は、遊技機1の遊技状態が、「時短関連遊技状態のうちのおまけ部分(G2)」にあるときに設定される。つまり、本遊技機1では、特別遊技の終了後に、確変状態となり、時短関連遊技状態(「確変一体型部分(G1)」)を実行するが、大当り判定を経ることなく、特別図柄の変動を30回終了すると、確変状態を終了する。この場合、時短関連遊技状態はそのまま継続される(つまり、「おまけ部分(G2)」を実行する。)。そして、時短フラグは、遊技機1が、時短関連遊技状態のうちの「おまけ部分(G2)」に突入すると設定され、当該「おまけ部分(G2)」を終了すると、解除される。
S843で大当りでないと判断され(S843;NO)、しかも、S848で、確変移行フラグが設定されていないと判断される場合(S848;NO)には、前述の「時短移行フラグ」が、設定されているか否かが判断される(S870)。つまり、遊技機1の遊技状態が、「時短関連遊技状態のうちのおまけ部分(G2)」にあるか否かが判断される(S870)。そして、時短移行フラグが設定されていると判断される場合(S870;YES)には、時短カウンタ481s(図17参照)の値を「+1」する処理(S872)を実行する。
ここで、時短カウンタ481sは、遊技機1が「時短関連遊技状態のうちのおまけ部分(G2)」の実行を開始した後に、大当り判定を経ることなく行った「特別図柄の変動回数(以下、「おまけ時変動回数」という。)」を示すもので、初期値は「0」である。そして、本実施例では、時短カウンタ481sの値が上限数(50)に到達すると、「時短関連遊技状態において、大当り判定を経ることなく行った特別図柄の変動回数」が、その上限数(確変時変動回数の上限数と、おまけ時変動回数の上限数とをあわせた数、即ち、80)に到達するので、このときの「特別図柄の変動」で時短関連遊技状態が終了し、次回の「特別図柄の変動」から、通常遊技状態に戻る。
S872で、確変カウンタ481r(図17参照)の値を「+1」した後、「確変カウンタ481r」の値が、「50」に到達したか否かが判断される(S878)。そして、「50」に到達していないと判断される場合(S878;NO)には、遊技機1の遊技状態は、未だ、「時短関連遊技状態のうちのおまけ部分(G2)」にあるため、そのまま(後述するS880、S886の各処理を行うことなく)、変動終了時ジョブ(S840)を終了する。
一方、S878で、「50」に到達したと判断される場合、遊技機1は「時短関連遊技状態のうちのおまけ部分(G2)」を終了する。この場合、本遊技機1においては、次回の特別図柄の変動開始時から、遊技状態が、時短関連遊技状態から通常遊技状態に移行する。そして、時短カウンタ481sをクリアする処理(初期化して「0」にする処理、S880)と、時短移行フラグを解除する処理(S886)とを実行した後、変動終了時ジョブ(S840)を終了する。
尚、S843で大当りでないと判断され(S843;NO)、S848で確変移行フラグが設定されていないと判断され(S848;NO)、更にS870で、「時短移行フラグ」が設定されていないと判断される場合(S870;NO)には、そのまま(S880、S886の各処理を行うことなく)、変動終了時ジョブ(S840)を終了する。
次に、特別遊技関連ジョブ(S900)に関し、図39を用いて説明する。この特別遊技関連ジョブ(S900)は、遊技機1が特別遊技状態に移行するとなされるものである。尚、この特別遊技状態は、液晶表示装置27(図4参照)に、「大当りを示す」本図柄の確定表示(停止表示)と、大当り関連表示(大当り表示の後、特別遊技が開始するまでの過渡的演出表示)がなされた後に開始される。
先ず、本遊技機1が特別遊技状態になると(S902;YES)、移行フラグが設定されているか否かを判断し(S903)、設定されていなければ(S903;NO)、そのままS908の処理に移行し、設定されていれば(S903;YES)、当該移行フラグを解除し、カウンタをクリアした後にS908の処理に移行する。尚、S903及びS905の「移行フラグ」は、後述するS970の「確変移行フラグ」及び前述のS735の「時短移行フラグ」のうちの何れであってもよい。また、S805の「カウンタ」は、S726の「確変カウンタ」及びS740の「時短カウンタ」のうちの何れであってもよい。つまり、本実施例では、各大当り判定に伴い「特別遊技」を開始する場合に、当該遊技機1が、現に「確率変動状態(時短関連遊技状態のうちの確変一体型部分(G1)」にあったり、「時短関連遊技状態のうちのおまけ型部分(G2)」にある場合(S903;YES)、この遊技機1の遊技状態は、通常遊技状態に戻される。
S908の処理は、連続カウンタを初期化(例えば、「1」に設定)する処理である。尚、「連続カウンタ」の値は、特別遊技状態における「ラウンド回数」に相当する。このS908の処理の後、開閉板312を開放方向に作動し、大入賞口311を開放し(S910)、大入賞口311に遊技球が入賞し易い状態にする。
大入賞口311の開放状態が所定時間(例えば30秒)t(1)を経過したとき(S915;YES)、若しくは、入賞数が所定数n1に到したとき(S920;YES)に、「停止条件」が成立し、開閉板312を閉鎖方向に作動し、大入賞口311が閉鎖状態とされ(S930)、1つのラウンドを終了する。尚、所定時間t(1)が経過しておらず(S915;NO)、しかも、入賞数が所定数n1に到達していないとき(S920;NO)、即ち、「停止条件」が成立しない場合には、大入賞口311の開放状態が維持される。また、「入賞数が所定数n1に到達したか否か」は、入賞球検知スイッチ318(図11参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検知されたか否かにより判断することができる。
S930によって大入賞口311(開閉板312)が閉鎖されてから、所定時間(例えば0.5秒)t(2)が経過した後に、連続カウンタの値を「+1」し(S950)、特別遊技の終了条件を満たすか否かが判断される(S955)。例えば、連続カウンタの値が所定の回数(例えば、14回)に到達したか否かが判断され(S955)、所定の回数に達すると(S955;YES)、特別遊技の終了条件が成立し、特別遊技(特別遊技状態)を終了し(S960)、遊技機1は「非特別遊技状態」となる。
一方、特別遊技の終了条件を満たさない場合、つまり、所定の回数に到達しない場合(S955;NO)と、再び大入賞口311(開閉板312)が開放状態となり、大入賞装置31が遊技球受入状態となる。尚、「ラウンドの終了条件成立」までを、1つのラウンドとする「遊技球受入状態」は、最終ラウンド(本実施例では14ラウンド)まで繰り返し継続される。そして、本実施例では、「各ラウンドの終了条件」成立時(S920)に、「継続条件」の成否の判断を行わないため、一旦大当り遊技を開始すると、当該特別遊技の最終ラウンドまでの実行が保証される。
S960で特別遊技を終了した後に、確変当りフラグ(S665)が設定されているか否かが判断される(S965)。つまり、終了した特別遊技が、確変当りに基づくものであるか否かが判断される(S965)。そして、確変当りフラグ(S665)が設定されている場合には(S965;YES)、確変当りフラグを解除する処理(S967)と、確変移行フラグを設定する処理(S970)とを実行した後、特別遊技関連ジョブ(S900)を終了する。尚、S965において、「NO」と判断される場合には、S967の処理と、S970の処理を実行することなく、特別遊技関連ジョブ(S900)を終了する。
尚、S965において、確変移行フラグが設定され、遊技機1が、「確率変動状態」に移行すると、上記特別遊技状態終了後、特別図柄の変動が30回行われるまで当否判定の確率(大当り確率)が通常の約4〜5倍に向上する。
(4)コマンドの送受信
主制御部140及び副制御部(170、160)間のコマンドの送受信に関し、図41及び図42を用いて説明する。この図41及び42は、ステップS810、S820、S830等において、特別図柄の表示制御コマンドが主制御部140(主制御基板340)から音声・ランプ制御部170(音声・ランプ制御基板370)に向かって出力される様子と、主制御部140(主制御基板340)に操作信号が出力される様子と、主制御部140(主制御基板340)から音声・ランプ制御部170(音声・ランプ制御基板370)に演出操作信号が出力される様子等を概念的に示した説明図である。尚、普通図柄の表示制御コマンドの送受信については、特別図柄の表示制御コマンドの送受信とほぼ同様の処理なので、ここでは説明を省略する。
特別図柄制御ジョブ{図27(a)参照}において、ステップS810の処理が初めて実行される時には、図41に示すように、変動パターン指定コマンドが出力される。尚、この変動パターン指定コマンドは、本図柄の変動を開始させるコマンドであるばかりか、この本図柄と共に特別図柄を構成する疑似図柄の変動を開始させるコマンドでもある。更に、本図柄の変動の変動時間を指定するコマンドであると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。
尚、図41及び図42において、実線の矢印は、主制御部140に操作信号が供給されていることを模式的に示したものである。また、「白抜きの矢印」は、(1)「演出操作信号」が、主制御部140から、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160に供給されていることを模式的に示す場合と、(2)主制御部140の発するコマンドが音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160に供給されていることを模式的に示す場合と、がある。更に、「斜線が付された矢印」は、音声・ランプ制御部170が発したコマンドが図柄制御部160に供給されていることを模式的に示したものである。尚、音声・ランプ制御部170から出力されるコマンドについては、後ほど詳しく説明する。
音声・ランプ制御基板370は、図41に示すように、「本図柄変動パターン指定コマンド」を受け取ると、直ちに図柄制御基板360に転送する。これにより、本図柄と、疑似図柄は変動を開始する。但し、疑似図柄の変動は、音声・ランプ制御基板370を発信源とするコマンドによって開始させてもよい。また、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、後述する処理が開始される。
特別図柄制御ジョブが1周目の処理を終了して、2周目にS515の処理が実行されるときには、第1本図柄を指定するコマンド(第1本図柄指定コマンドCts1 )を出力する。尚。主制御部メインジョブは一連の処理を完了するために約4msec掛かるため、「本図柄変動パターン指定コマンド」を出力してから、略4msecに、第1本図柄指定コマンドを出力することになる。更に、その約4msec後に3周目の処理が実行される時には、第2本図柄を指定するコマンド(第2本図柄指定コマンドCts2 )が出力される。尚、本実施例では、2つの本図柄を同時には表示できないものとして説明したが、より多くの本図柄を表示可能としてもよい。こうして特別図柄(本図柄)についての変動パターン指定コマンドと図柄指定コマンドとを出力したら、変動パターンに応じて定まる所定のタイミングで、全本図柄変動表示を停止するコマンド(本図柄停止コマンドCtstp)を出力する。
そして、所定の時間経過後に、主制御部140は、音声・ランプ制御基板370に、「本図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)」を送信する(図42参照)。また、音声・ランプ制御基板370は、「本図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)」を受け取ると、直ちに図柄制御基板360に転送する。そして、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、本図柄の停止表示と、疑似図柄の停止表示と、を行う。尚、疑似図柄の停止表示は、音声・ランプ制御基板370を発信源とするコマンドによって行ってもよい。また、本図柄の停止図柄が、特別遊技に関する当否判定の当選を示す図柄である場合には、所定の時間経過後に、主制御部140は、音声・ランプ制御基板370に、「大当り関連表示コマンド(例えば、大当り表示開始コマンド)」を送信する。
(5)サブ基板メインルーチン
a.概略
音声・ランプ制御部170は、主制御部140から出力された図柄表示制御コマンドを受け取ると、この図柄表示制御コマンドを直ちに図柄制御部160に転送し、図柄制御部160は、受け取った図柄表示制御コマンドに応じて特別図柄や普通図柄の表示制御を開始する。以下では、この特別図柄の表示制御を示す処理、即ち、サブ基板メインルーチン(S1000)の内容について説明する。尚、普通図柄の表示制御については、特別図柄の表示制御と処理の流れが基本的に同じなので、ここでは説明を省略する。
図40は、サブ基板メインルーチンの流れを示したフローチャートである。かかる処理は、遊技機1の電源が投入あるいはリセットスイッチが押されて、図19に示した主制御部メインジョブ中で初期化ジョブが実行され、音声・ランプ制御部170および図柄制御部160が初期化されると、自動的に開始される処理である。
サブ基板メインルーチンを開始すると、先ず、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する(S1005)。そして、変動パターン指定コマンドを受信した場合は(S1005:YES)、全特別図柄(つまり、両本図柄及び疑似図柄)と、背景図柄の変動を開始する(S1010)。尚、特別図柄の変動開始に合わせて、所定の効果音が出力される。
次いで、全ての本図柄指定コマンドを全て受信したか否かを判断し(S1020)、受信した場合には(S1020;YES)、図柄表示制御処理を行う(S1100)。そして、本図柄停止コマンドの受信すると(S1030;YES)、全特別図柄(つまり、両本図柄及び疑似図柄)と、背景図柄の変動を停止させる(S1500)。更に、大当り関連表示コマンドを受信したか否かを判断し(S1800)、受信した場合には(S1800;YES)、大当り関連表示(S1830)に移行する。そして、以上の処理を行ったら、遊技機1の電源がOFFになっていないことを確認し(S1850)、電源がOFFでなければステップS1005に戻って続く一連の処理を行う。ステップS1850において電源がOFFであると判断されたら、サブ基板メインルーチン(S1000)を終了する。
(6)実施の効果
本遊技機1によると、時短関連遊技状態への移行後において、「特別図柄の変動」の「残り回数」が少なくなると(10回になると)、特別図柄変動時間短縮化制御を解除しつつ、時短関連遊技状態を継続する。このため、この「残り回数」が少なくなった後においては、「特別図柄検出情報(特別図柄保留数等)」の消化ペース(特別図柄変動開始条件が成立するペース)が落ちる。このとき、入球促進制御の実行態様に関しては、「残り回数」が少なくなる前と変化がない。つまり、時短関連遊技状態の終了を遅延させ、この遅延させた間、入球促進制御が継続される。
このため、この遅延された間に、始動口17への入賞の機会が増え、特別図柄検出情報記憶手段に記憶させる「特別図柄検出情報(特別図柄保留数等)」を上限個数又は上限個数に近い状態にすることが容易となる。従って、「時短関連遊技状態の終了直後の特別図柄検出情報(特別図柄保留数等)」の「ばらつき」を減らすことができる。よって、「時短関連遊技状態」の終了時に、特別図柄の変動回数が急激に減ることを防止できるので、遊技者のストレスを解消できる。また、遊技者は、時短関連遊技状態の終了間際に、特別図柄検出情報記憶手段に記憶させる「特別図柄検出情報(特別図柄保留数等)」の数を増やすという目的を抱くことができる。つまり、「時短関連遊技状態」を淡々と消化するのではなく、「特別図柄検出情報(特別図柄保留数等)」の数を増やすという「大当り以外の目的」を抱くことができるので、「時短関連遊技」の興趣が高められる。
次に、実施例1の変形例(以下、「変形例1」という。)に係る遊技機1について図43を用いて説明する。この変形例に係る遊技機1では、「特別遊技関連ジョブ」において以下の点が実施例1と異なる。
つまり、S930によって大入賞口311(開閉板312)が閉鎖されてから、所定時間t(2)が経過した後に、「継続条件」の成否の判断する(S940)。尚、「継続条件」としては、「大入賞口311に入賞した遊技球が、図示しない特定領域を通過したこと」を例示できる。
S940において、継続条件が成立していると判断される場合に(S940;YES)、連続カウンタの値を「+1」した後(S950)、大当り遊技の終了条件を満たすか否かが判断される(S955)。例えば、連続カウンタの値が所定回数(例えば、14回)に到達したか否かが判断され(S955)、所定回数に達すると(S955;YES)、特別遊技の終了条件が成立し、特別遊技を終了する(S960)。
一方、所定回数に到達しないと(S955;NO)と、再び、大入賞口311(開閉板312)を開放状態とする(S910)。尚、「各ラウンドの終了条件成立」までを、1つのラウンドとする「遊技球受入状態」は、最終ラウンド(本変形例では14ラウンド)まで繰り返し継続される。また、「各ラウンドの終了条件成立時」に継続条件が不成立の場合は、特別遊技状態がそのラウンドで終了(いわゆるパンク)するものとなっている。
尚、変形例1においても、S960で特別遊技を終了した後に、確変当りフラグ(S665)が設定されているか否かが判断される(S965)。そして、確変当りフラグ(S665)が設定されている場合には(S965;YES)、確変当りフラグを解除する処理(S967)と、確変移行フラグを設定する処理(S970)とを実行した後、特別遊技関連ジョブ(S900)を終了する。尚、S965において、「NO」と判断される場合には、S967の処理と、S970の処理を実行することなく、特別遊技関連ジョブ(S900)を終了する。
B.実施例2
実施例2の遊技機1は、実施例1の遊技機1の構成に、請求項4の発明の特徴を付加したものである。つまり、実施例2の遊技機1は、図31の代わりに、図44を用いる点を除いて、実施例1の遊技機1と同様である。具体的には、「図1〜30、図32〜図42、及びこれらの図の説明」は、実施例2においても、そのまま適用できる。
図44は、この実施例2で実行する「変動パターン選択・設定」の内容を示しており、実施例1で実行する「変動パターン選択・設定(図31)」とは、以下の点が異なる。つまり、S745において、「否定的な判断がなされた場合(S745;NO)には、S751の処理が実行される点が、実施例1で実行する「変動パターン選択・設定(図31)」と異なる。
即ち、S745で「NO」と判断される場合、つまり、時短カウンタ481sの値が、「41〜50」である場合には、「特別図柄に関する保留情報(特別図柄検出情報記憶手段に記憶された特別図柄検出情報)」の中に、特別図柄大当り情報(図中、「特別保留内当り」と表記)が記憶されているか否かが判断される(S751)。このS751の判断は、例えば、特別図柄当否判定乱数メモリ481aの何れかの領域{図18(a)の「領域0」、「領域1」、「領域3」及び「領域4」参照}に、「大当り判定に係る判定乱数値」が記憶されているか否かを判断すること(特別図柄当否判定乱数メモリ481aをスキャンすること)によって行われる。尚、主制御部140は、S751の処理を実行する際に、前述の「特別図柄検出情報状態判定手段」として作用することになる。
そして、「特別図柄に関する保留情報」の中に、特別図柄の大当りに関する特別図柄検出情報が記憶されていない場合には(S751;NO)、特別柄変動時間短縮制御を解除しつつ、変動パターン選択・設定を行う(S762)。一方、「特別図柄に関する保留情報」の中に、特別図柄の大当りに関する特別図柄検出情報が記憶されている場合には(S751;YES)、特別柄変動時間短縮制御を実行しつつ、変動パターン選択・設定を行う(S760)。つまり、遅延手段の作動を禁止し、特別柄変動時間短縮制御を実行する。
尚、この遅延手段の作動を禁止しつつ行われた「通常時変動パターン選択・設定」に先行して行われた「他の変動パターン選択・設定の処理」において、一端、特別柄変動時間短縮制御が解除されていた場合(つまり、当該他の変動パターン選択・設定処理のS745及びS751で「NO」と判断されていた場合)、S751及びS760は「特別柄変動時間短縮制御を再開する処理(再開手段)」としての意味を有することになる。例えば、時短カウンタの値が「41」のときに特別柄変動時間短縮制御を解除し、この解除状態を時短カウンタの値が「45」まで継続したが、時短カウンタの値が「46」となったときに、S751で「YES」と判断されたとする。この場合、S751で「YES」と判断された以後は、特別柄変動時間短縮制御を再開することになる。
本実施例2の遊技機1では、時短関連遊技状態の終了間近になると{特別図柄の変動回数の残り回数が少なると(10回になると)}、遊技機1の遊技状態を判断しつつ、特別柄変動時間短縮制御を解除するか否かを判断する。即ち、特別図柄検出情報記憶手段の状態を判断し、この特別図柄検出情報記憶手段に、特別図柄大当り情報が記憶されていない場合は、実施例1や変形例1と同様に、特別柄変動時間短縮制御を解除し、通常時の変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定する。これに対して、特別図柄検出情報記憶手段に、特別図柄大当り情報が記憶されている場合は、特別柄変動時間短縮制御をそのまま継続し、時短時の変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定する。
本実施例では、特別図柄検出情報記憶手段に「特別図柄大当り情報」が記憶されている場合、「遅延動作態様」の実行を禁止し、当該「特別図柄大当り情報」に関わる特別遊技を早期に実行することを可能としている。つまり、本実施例では、特別図柄検出情報記憶手段に記憶された「特別図柄検出情報」の態様に応じて、「時短関連遊技状態の終了を遅延させる手段」を実行するか否かを選択するため、より一層、遊技上の興趣を高めることができる。
C.実施例3
実施例3の遊技機1は、実施例1の遊技機1の構成に、請求項5〜7の発明の特徴を付加したものである。つまり、実施例3の遊技機1は、図31の代わりに、図45及び図46を用いる点と、図47及び図48が付加されている点を除いて、実施例1の遊技機1と同様である。具体的には、「図1〜30、図32〜図42、及びこれらの図の説明」は、実施例3においても、そのまま適用できる。
図45は、この実施例3で実行する「変動パターン選択・設定」の内容を示しており、実施例1で実行する「変動パターン選択・設定(図32)」とは、以下の点が異なる。つまり、S745において、「否定的な判断がなされた場合(S745;NO)」には、S756の処理が実行される点が、実施例1で実行する「変動パターン選択・設定処理(図31)」と異なる。
即ち、S745で「NO」と判断される場合、つまり、時短カウンタ481sの値が、「41〜50」である場合には、「特別図柄に関する保留情報(特別図柄検出情報手段に記憶された特別図柄検出情報)の数(特別図柄保留数)」が、上限個数(本実施例では、4個)であるか否かが判断される(S756)。このS756の判断は、特別図柄保留数メモリ481b(図17参照)に記憶されている特別図柄保留数(未始動回数)を判断することによってなされる。そして、「特別図柄に関する保留情報」の数(特別図柄保留数)が上限個数にある場合(S756;YES)、特別柄変動時間短縮制御を解除し、通常時の変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定する(S762)。
一方、「特別図柄に関する保留情報(特別図柄検出情報手段に記憶された特別図柄検出情報)」の数(特別図柄保留数)が上限個数にない場合(S756;NO)には、「特定変動パターン選択・設定処理」を実行する(S770)。つまり、「特別図柄に関する保留情報」の数(特別図柄保留数)が上限個数にない場合(S756;NO)には、「S760による処理で得られる変動時間」と、「S762による処理で得られる変動時間」との中間の長さに相当する「変動時間」が設定される。
次に、「特定変動パターン選択・設定処理」について、図46を用いて説明する。この「特定変動パターン選択・設定処理」では、「普通図柄に関する保留情報(普通図柄検出情報手段に記憶された普通図柄検出情報)」の数(普通図柄保留数)の数が「ゼロ(0)」であるか否かが判断される(S772)。尚、このS772の判断は、普通図柄保留数メモリ481m(図17参照)に記憶されている普通図柄保留数(未始動回数)を判断することによってなされる。
ここで、図47及び図48には、「6種類の変動パターン(大当り用と、外れ用を区別すると、12種類)」、つまり、「タイプ1〜6」の「変動パターン」を表記する。そして、タイプ1から順に「タイプNo.」が大きくなる従って、変動時間が、長くなるように定められている。即ち、「タイプ1の変動パターンによって指定される変動時間」は、「タイプ2の変動パターンによって指定される変動時間」よりも短く、「タイプ2の変動パターンによって指定される変動時間」は、「タイプ3の変動パターンによって指定される変動時間」よりも短く、 ・・・、「タイプ5の変動パターンによって指定される変動時間」は、「タイプ6の変動パターンによって指定される変動時間」よりも短くなるように定められている。この点に関しては、後述する。尚、図47の「特定時短時デーブル」は、前述の「特定変動時間短縮用のデータテーブル」の具体例を構成している。
図46に戻り、「普通図柄に関する保留情報」の数(普通図柄保留数)が「ゼロ(0)」でない場合(S772;NO)には、普通図柄当否判定乱数メモリ481lに記憶されている「普通図柄に関する保留情報(普通図柄検出情報手段に記憶された普通図柄検出情報)」の中に、「普通図柄当り情報」(図中、「普通図柄保留内当り」と表記)が記憶されているか否かが判断される(S774、S778、S782、S786)。この判断は、例えば、普通図柄当否抽選乱数メモリ481lの何れかの領域{図18(b)の「領域0」、「領域1」、「領域3」及び「領域4」参照}に、「当否抽選の結果が当りとなる抽選乱数値」が記憶されているか否かを判断すること(普通図柄当否抽選乱数メモリ481lをスキャンすること)によって行われる。尚、主制御部140は、S774の処理、S778の処理、S782の処理、S786の処理を実行する際に、前述の「普通図柄検出情報状態判定手段」として作用することになる。
そして、「普通図柄保留内当り」の数が、「4つ」つの場合には(S774;YES)、「タイプ1」の変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定する(S776)。また、「普通図柄保留内当り」の数が「3つ」つの場合には(S774;NO、S778;YES)、「タイプ2」の変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定する(S780)。更に、「普通図柄保留内当り」の数が「2つ」つの場合には(S774;NO、S778;NO、S782;YES)、「タイプ3」の変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定する(S784)。
「普通図柄保留内当り」の数が「1つ」の場合には(S774;NO、S778;NO、S782;NO、S786;YES)、「タイプ4」の変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定する(S788)。また、「普通図柄保留内当り」の数が「ゼロ」の場合には(S774;NO、S778;NO、S782;NO、S786;NO)には、「タイプ5」の変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定する(S790)。
以上の如く、「特定変動パターン選択・設定処理」においては、「普通図柄に関する保留情報」の数(普通図柄保留数)が「ゼロ(0)」でない場合(S772;YES)には、「普通図柄保留内当り」の数が多くなるに従って、「特別図柄の変動時間」が短くされる。つまり、「普通図柄に関する保留情報」に基づく、「始動口17」の開放頻度を考慮し、この開放頻度が高くなるに従って、「特別図柄の変動時間」が短くされる。
S772で、「普通図柄に関する保留情報」の数(普通図柄保留数)「ゼロ(0)」であると判断される場合(S772;NO)には、「始動口17」の開放に結び付く遊技(普通図柄の変動表示に伴う遊技)が現在進行中であるか否かを判断する。先ず、普通図柄が変動中であるか否かを判断する(S792)。そして、変動中である場合(S792;YES)には、当該変動中の普通図柄が、当り判定(普通図柄に関する当り判定)に係るものであるか否か、つまり、当該変動中の普通図柄が停止すると、当りに係る「普通図柄」が表示されるか否かが判断される(S794)。
S794で、「YES」と判断される場合には、「タイプ4」の変動パターン変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定する(S788)。つまり、「普通図柄保留内当り」の数が「1つ」の場合(S786;YES)と同様な変動パターンを選択・設定する。一方、S794で、「NO」と判断される場合には、「タイプ6」の変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定する(S798)。つまり、「特定変動パターン選択・設定処理」において、最長の変動パターンが選択・設定される。
S772で、「普通図柄に関する保留情報」の数(普通図柄保留数)の数が「ゼロ(0)」であると判断され(S772;NO)、しかも、普通図柄が変動中でない場合(S792;NO)には、現に、「始動口17」が開放しているか否かが判断される(S796)。そして、S796で、「YES」と判断される場合には、「タイプ4」の変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定する(S788)。一方、S798で、「NO」と判断される場合には、「タイプ6」の変動パターン変動パターン(変動パターン指定コマンド)選択・設定する(S798)。尚、主制御部140は、S792の処理及びS794の処理を実行する際に、「可変入球手段状態判定手段」として作用し、S792の処理及びS796の処理を実行する際に、「変動中普通図柄当り情報判定手段」として作用する。
以上のように、実施例3では、「特別図柄に関する保留情報」の数(特別図柄保留数)や、「普通図柄保留内当り」をも考慮しつつ、変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定する。つまり、「始動口17の開放の可能性」が高くなるに従って、変動時間がより短目の変動パターン選択・設定され、「始動口17の開放の可能性」が低くなるに従って、変動時間がより長目の変動パターン選択・設定される。即ち、本実施例では、「始動口17の開放の可能性」を考慮しつつ、特別図柄の変動時間の短縮化の度合いを緩和している。このように、時短関連遊技状態の終了間近になると、より多角的、多面的で、きめ細かな配慮の下、変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定する。
尚、所定の変動パターン選択・設定処理の実行時に、S756の処理で「NO」と判断され、当該変動パターン選択・設定処理に後続する「他の変動パターン選択・設定」の実行時に、S756の処理で「YES」と判断される場合もある。この場合、「他の変動パターン選択・設定」の際には、特別柄変動時間短縮制御を解除し、通常時の変動パターンを選択・設定する(S762)。
次に、「特定変動パターン選択・設定処理」において参照する「データテーブル」の具体例を説明する。つまり、実施例3の遊技機では、変動パターンに関するデータテーブルを、3種類用意している。即ち、図33に示す「通常時テーブルと、図36に示す「時短時テーブル」の他に、図47に示す「特定時短時テーブル」とを、主制御部140のROM482に記憶している。尚、「通常時テーブル」は、図45の「通常時変動パターン選択・設定処理(S762)」を実行する際に参照され、「時短時テーブル」は、図45の「時短時変動パターン選択・設定処理(S760)」を実行する際に参照される。この「通常時テーブル」及び「時短時テーブル」の具体的な内容は実施例1で説明した通りである。
「特定時短時テーブル」は、図46の「特定変動パターン選択・設定処理(S770)」を実行する際に参照される。そして、この「特定時短時テーブル」を用いて定めた「変動パターン」によって特定される「変動時間」は、概ね、「通常時テーブル」を用いて定めた「変動パターン」によって特定される「変動時間」と、「時短時テーブル」を用いて定めた「変動パターン」によって特定される「変動時間」との中間の長さとなる。
この「特定時短時テーブル」には、図47に示すように、「大当り用の複数のデータ(V1〜V6までの6種を例示)」と、「外れ用の複数のデータ(W1〜W6までの6種を例示)」が記憶されている。そして、各データ(V1〜V6,W1〜W6)によって、各々、異なる「変動時間」が指定される。尚、図47において、変動時間を「L」で示すと共に、「L」の右側に添えられた「添え字」の数が大きくなる程、変動時間の長さが長くなるものとする。また、図47に示すようにおいても、「変動時間L」の欄に、具体的な数値(秒)を例示する。例えば、特定時短時テーブルを用いて選択される「変動時間L」のうちで、最短のもの「L1」は「3.9秒」であり、最長のもの「L12」は「41.0秒」である。
そして、「特定変動パターン選択・設定処理」においては、図48に従って、「変動パターン」が選択される。つまり、特別図柄に関する当否判定の結果が大当り(S630;YES)である場合は、「タイプ1の変動パターン」としては「変動パターンV1」、「タイプ2の変動パターン」としては「変動パターンV2」、「タイプ3の変動パターン」としては「変動パターンV3」、「タイプ4の変動パターン」としては「変動パターンV4」、「タイプ5の変動パターン」としては「変動パターンV5」、「タイプ6の変動パターン」としては「変動パターンV6」、がそれぞれ選択される。
特別図柄に関する当否判定の結果が外れ(S630;NO)である場合は、「タイプ1の変動パターン」としては「変動パターンW1」、「タイプ2の変動パターン」としては「変動パターンW2」、「タイプ3の変動パターン」としては「変動パターンW3」、「タイプ4の変動パターン」としては「変動パターンW4」、「タイプ5の変動パターン」としては「変動パターンW5」、「タイプ6の変動パターン」としては「変動パターンW6」、がそれぞれ選択される。
次に、実施例3の変形例について述べる。つまり、実施例3では、「特定変動パターン選択・設定処理(S770)」を実行するか否かの判断(S756の判断)に際し、「特別図柄に関する保留情報」の数(特別図柄保留数)が「上限個数」であるか否かを基準としたが、この判断の基準となる数は、当該「上限個数」に限定されない。例えば、S756において、「特別図柄に関する保留情報」の数(特別図柄保留数)が、「(上限個数−1)以上であるか否か(本実施例では、3又は4個であるか否か)」を判断してもよい。つまり、S756の処理は、「特別図柄に関する保留情報」の数(特別図柄保留数)が十分な数であるか否かを基準に判断すればよい。
D.実施例4
実施例4の遊技機1は、確変状態を実行せずに、時短関連遊技状態を実行する点が、実施例1の遊技機1と異なる。つまり、実施例4では、図7の代わりに図49を用いる点と、図24の代わりに図50を用いる点と、図28の代わりに図51を用いる点と、図29の代わりに図52を用いる点と、図31の代わりに図53を用いる点と、図38の代わりに図54を用いる点と、図39の代わりに図55を用いる点とが、実施例1若しくは変形例1の遊技機1と異なる。具体的には、「図1〜6、図8〜図23、図25〜図27、図30、図32〜図38、図40〜図42、及びこれらの図の説明」は、実施例4においても、そのまま適用できる。
実施例4においても、図5に示す両本図柄表示部272、273に同一の数字が確定表示されると、「当否判定」の結果が「大当り」であることを示す。但し、実施例4においては、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が赤色の表示であれば、「特別図柄に関する当否判定」の結果が「大当り」であると共に、「時短関連遊技状態の実行可否の判定結果」も「当り」であること(以下、「時短当り」と称する)を示す。一方、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が青色の表示であれば、「当否判定」の結果が「大当り」であるが、「時短関連遊技状態の実行可否の判定結果」は「外れ」であること(以下、「通常当り」と称する)を示す。
本実施例の「時短関連遊技状態」も、特別遊技以外の「遊技上の特典」の具体例を示しており、特別図柄始動入賞を生ずると、この「時短関連遊技状態」を実行するか否かを判定するための、判定実行条件が成立する。つまり、図49に示すように、所定の「時短当り」に係る特別遊技の実行後に、液晶表示装置27の表示画面271に、「以後、当該遊技機1の遊技状態が、時短関連遊技状態に制御される旨(時短突入)」の表示がされ、当該遊技機1の遊技状態が、純粋な時短関連遊技状態に制御される。つまり、本実施例では、確率変動を伴わない時短関連遊技状態を実行する。
本遊技機1では、「時短当り」を生じ(本図柄表示部272、273に、時短当り図柄の表示がされ)、更に、「時短当り」に係る特別遊技状態を終了すると、「時短関連遊技状態」の「開始条件」が成立する。この「時短関連遊技状態」が開始すると、図8(b)に示すように、特別図柄の変動時間を短縮化する「特別図柄変動時間短縮化制御」が開始すると共に、図示を省略するが、始動口(普通電動役物)17への遊技球の入球を促進する「入球促進制御」が開始される。
実施例4の「時短関連遊技状態の終了条件」は、図49に示すように、所定の「時短当り」に係る特別遊技の実行後において、特別図柄の変動回数が「時短変動終了回数(例えば、50回)」に達することによって成立する。但し、当該「特別図柄の変動回数が時短変動終了回数」に達する前であっても、当該「時短当り」に後続する「他の大当り」を発生することによって成立する。尚、当該「他の大当り」が、「時短当り」である場合には、当該「他の大当り」に係る特別遊技の終了後に、当該遊技機1の遊技状態は改めて、実施例4の「時短関連遊技状態」に制御される。
本遊技機1が、「時短関連遊技状態」に移行した後、前記「他の大当り」を発生することなく、特別図柄の変動回数が、前記「時短変動終了回数」に達すると、当該遊技機1の「時短関連遊技状態」が解除される。
また、実施例4では、普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)において以下の点が実施例1と異なる。つまり、図50に示すように、S117の処理の後、一律に、低確率状態での当否抽選が行われる(S123)。つまり、S117で読み出した乱数値の当否を、「低確率時のデータテーブル(高確率状態にないときのデータテーブル)を用いて判定する(S123)。
更に、実施例4では、特別図柄の当否判定ジョブ(S600)においては以下の点が実施例1と異なる。つまり、図51に示すように、S610の処理の後、一律に、低確率状態での当否判定が行われる(S621)。つまり、S605で読み出した乱数値の当否を、「低確率時のデータテーブル(高確率状態にないときのデータテーブル)を用いて当否判定が行われる。
また、実施例4では、大当り処理(S650)において以下の点が実施例1と異なる。つまり、図52に示すように、S654の処理の後、S605で読み出した当り本図柄決定乱数の値と、時短変動判定用の当り番号(以下、「時短当り番号」という。)とが一致するか否かを判定する(S661)。そして、両者が一致しない場合には(S661;NO)落選(通常当り)となり、そのままS6680の処理に移行する。一方、両者が一致していれば(S661;YES)当選(時短当り)となり、「時短当りフラグ」を「設定」した後(S666)、S668の処理に移行する。
更に、実施例4では、「変動パターン選択・設定処理」が、図53に従って実行される。先ず、遊技機1が実施例4の「時短関連遊技状態」にあるか否か、つまり、時短移行フラグ(N)が設定されているか否が判断される(S725)。尚、実施例4の「時短関連遊技状態」は、確変状態を実行せずに実行される。即ち、「ノーマルタイプ」の「時短関連遊技状態」であるため、この「時短関連遊技状態」への移行を示す時短移行フラグに「(N)」の符号を付し、実施例1〜実施例3の「時短移行フラグ」との区別を行う。
また、実施例4において使用する「時短カウンタ」においても、「(N)」の符号を付し、実施例1〜実施例3の「時短カウンタ」との区別を行う。この時短カウンタ(N)の値は、遊技機1が「ノーマルタイプ」の「時短関連遊技状態」の実行を開始した後に、大当り判定を経ることなく行った「特別図柄の変動回数(以下、「ノーマル時短変動回数」という。)」を示すものである。そして、後述のように、この「ノーマル時短変動回数」が上限数(本実施例では、「50」を例示)に到達すると、クリアされる。即ち、時短カウンタ(N)の値が上限数に到達すると、「ノーマルタイプ」の「時短関連遊技状態」が終了し、遊技機1は通常遊技状態に戻される。つまり、遊技機1の遊技状態は、「次回の特別図柄の変動機会」より通常遊技状態に戻される。
このS745の処理も、「特定条件」の成立の有無を判断するためのものである。即ち、本実施例では、「ノーマルタイプ」の「時短関連遊技状態」の開始後、大当り判定を経ることなく行った「特別図柄の変動回数」が所定の回数となると、「特定条件」が成立する。換言すると、本実施例においても、「特別図柄の変動回数の残り回数」が特定回数(本実施例では、10回を例示)となると、「特定条件」が成立する。尚、「特別図柄の変動回数の残り回数」とは、「ノーマルタイプ」の「時短関連遊技状態」において、大当り判定を経ることなく行った特別図柄の変動回数の上限数(以下、時短時変動上限回数という。」を基準に定めた「残り回数」である。
S745の処理で「特定条件」の未だ成立していないと判断される場合(S745;NO)、つまり、「残り変動回数」が10回を超えると判断される場合、特別図柄の変動パターンとして、時短関連遊技状態用の変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定し(S760)、本処理を終了する。このとき、時短移行フラグ(S735)が設定されているため、入球促進制御として、普通図柄変動時間短縮化制御(S154、S158)と、時間延長制御(S212、S218)とを行うか、これらに加えて、回数増加制御(S212、S218)が実行される。
S745の処理で「特定条件」が成立した判断される場合(S745;YES)、つまり、「残り変動回数」が特定回数以下(本実施例では、10回以下)になったと判断される場合、特別図柄の変動パターンとして、通常時用変動パターンが選択・設定される(S762)。
このように、本実施例では、遊技機1が「時短関連遊技状態」を実行している場合であっても、「特別図柄の変動回数の残り回数」が、所定数(本実施例では、10回)以下となると、特別図柄の変動パターン(変動パターン指定コマンド)として通常時用変動パターンが選択・設定され(S762)、遊技機1への「特別図柄変動時間短縮化制御」が解除される。但し、この場合、時短移行フラグ(N)は設定された状態にあるため、入球促進制御は続行される(図24のS122,図25のS158、図26のS218)。
一方、S725において、遊技機1が「時短関連遊技状態」にないと判断される場合には(S725;NO)、つまり、遊技機1が「通常遊技状態」にあるときには、特別図柄の変動パターン(変動パターン指定コマンド)として、通常時用変動パターン(通常時用変動パターン)を選択・設定する(S762)。この場合、移行フラグ{時短フラグ(N)}は設定されていないため、入球促進制御は行われない(図24のS124,図25のS156、図26のS214)。
このように、本実施例の遊技機1においても、時短関連遊技状態の終了間近になると{特別図柄の変動回数の残り回数が少なくなると(10回になると)}、遊技機1の遊技状態が、時短関連遊技状態の終了を遅延させるように制御される。そして、本図柄が停止した後、変動終了時ジョブ(S840)が実行される。
更に、実施例4では、「変動終了時ジョブ(S840)」が、図54に従って実行される。先ず、前述の「特別図柄の当否判定ジョブ(S600)」の結果が大当りであるか否かが判断される(S843)。そして、S843で大当りと判断される場合(S843;YES)には、「大当り関連表示コマンド」を出力し(S846)、変動終了時ジョブ(S840)を終了する。
S843で大当りでないと判断される場合(S843;NO)、つまり、前述の「特別図柄の当否判定ジョブ(S600)」の結果が外れである場合には、時短移行フラグ(N)が設定されているか否かが判断される(S870)。そして、時短移行フラグ(N)が設定されていると判断される場合(S870;YES)、つまり、遊技機1が「ノーマルタイプ」の「時短関連遊技状態」にある場合には、時短カウンタ(N)の値を「+1」する処理(S872)を実行する。
ここで、時短カウンタ(N)は、遊技機1が「ノーマルタイプ」の「時短関連遊技状態」の実行を開始した後に、大当り判定を経ることなく行った「特別図柄の変動回数を示すもので、初期値は「0」である。そして、本実施例では、時短カウンタ(N)の値が上限数(50)に到達すると、「ノーマルタイプの時短関連遊技状態において、大当り判定を経ることなく行った特別図柄の変動回数」が、その上限数に到達するので、このときの「特別図柄の変動」で時短関連遊技状態が終了し、次回の「特別図柄の変動」から、通常遊技状態に戻る。
S872で、確変カウンタ481r(図17参照)の値を「+1」した後、「確変カウンタ481r」の値が、「50」に到達したか否かが判断される(S878)。そして、「50」に到達していないと判断される場合(S878;NO)には、遊技機1の遊技状態が、未だ、「ノーマルタイプ」の「時短関連遊技状態」にあるため、そのまま(後述するS880、S886の各処理を行うことなく)、変動終了時ジョブ(S840)を終了する。
一方、S878で、「50」に到達したと判断される場合、遊技機1は「ノーマルタイプ」の「時短関連遊技状態」を終了する。この場合、本遊技機1においては、次回の特別図柄の変動開始時から、遊技状態が、時短関連状態から通常遊技状態に移行する。そして、時短カウンタ(N)をクリアする処理(初期化して「0」にする処理、S880)と、時短移行フラグ(N)を解除する処理(S886)とを実行した後、変動終了時ジョブ(S840)を終了する。
尚、S843で大当りでないと判断され(S843;NO)、S870で時短移行フラグ(N)が設定されていないと判断される場合(S870;NO)には、そのまま(S880、S886の各処理を行うことなく)、変動終了時ジョブ(S840)を終了する。
更に、実施例4では、「特別遊技関連ジョブ(S900)」において以下の点が実施例1と異なる。つまり、図55に示すように、本遊技機1が「特別遊技状態(特別遊技状態)」となると(S902;YES)、移行フラグが設定されているか否かを判断し(S903)、設定されていなければ(S903;NO)、そのままS908の処理に移行し、設定されていれば(S903;YES)、当該移行フラグを解除し、カウンタをクリアした後に、S908の処理に移行する。但し、実施例4においては、S903の「移行フラグ」とは、S735の「時短移行フラグ(N)」を指す。また、S905の「カウンタ」とは、S740の「時短カウンタ(N)」を指す。つまり、本実施例では、各大当り判定に伴い「特別遊技」を開始する場合に、当該遊技機1が、現に「時短関連遊技確率変動状態」にある場合(S903;YES)、この遊技機1の遊技状態は、通常遊技状態に戻される。
S960の処理の後には、時短当りフラグ(S666)が設定されているか否かが判断される(S966)。つまり、終了した特別遊技が、時短当りに基づくものであるか否かが判断される(S966)。そして、時短当りフラグ(S666)が設定されている場合には(S966;YES)、時短当りフラグを解除する処理(S968)と、時短移行フラグ(N)を設定する処理(S971)とを実行した後、特別遊技関連ジョブ(S900)を終了する。尚、S966において、「NO」と判断される場合には、S968の処理と、S971の処理を実行することなく、特別遊技関連ジョブ(S900)を終了する。このように、時短当りに基づく「特別遊技」の終了後、確変状態を実行せずに、時短関連遊技状態を実行する態様においても、実施例1と同様な効果が得られる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。即ち、複数の実施例の特徴を兼ね備える変形例を例示することもできる。
例えば、図56に示すように、実施例2及び実施例3の特徴を兼ね備える遊技機を例示することもできる。つまり、S745で「NO」と判断される場合、つまり、時短カウンタ481sの値が、「41〜50」である場合には、「特別図柄に関する保留情報(特別図柄検出情報)」の中に、特別図柄大当り情報(図中、「特別保留内当り」と表記)が記憶されているか否かを判断する(S751)。そして、「特別図柄に関する保留情報」の中に、特別図柄の大当りに関する特別図柄検出情報が記憶されている場合には(S751;YES)、特別柄変動時間短縮制御を実行しつつ、変動パターン(変動パターン指定コマンド)を選択・設定する(S760)。
一方、「特別図柄に関する保留情報」の中に、特別図柄の大当りに関する特別図柄検出情報が記憶されていない場合には(S751;NO)、「特別図柄に関する保留情報(特別図柄検出情報手段に記憶された特別図柄検出情報)の数(特別図柄保留数)が、上限個数(本実施例では、4個)であるか否かを判断してもよい(S756)。そして、このS756に後続する処理は、実施例3と同様に行うことができる。
また、上記した各実施例や各変形例の形態では、確変状態の終了条件を30回の特別図柄変動とし、時短状態の終了条件(実施例1〜3では、時短関連遊技状態のうちのおまけ部分G2の終了条件を指し、実施例4では、ノーマルタイプの時短関連遊技状態の終了条件を指す。)を50回の特別図柄変動としていたが、終了条件とする特別図柄の変動回数は適宜設定可能であり、上記した各実施例や各変形例の形態に限定されるものではない。
また、上記した各実施例や各変形例の形態では、確変当りが発生した場合には特別図柄が30回変動するまで確変状態を実行し、その確変状態で大当りが発生しなかった場合には、更に特別図柄が50回変動するまで時短状態を実行する機種や、確変状態がなく、時短当りが発生した場合には特別図柄が50回変動するまで時短状態を実行する機種を例示したが、本発明はこれら以外の機種にも適用可能である。そのような機種としては、例えば、(a)確変当りが発生した場合には、次回大当りが発生するまで確変状態を実行し、確変状態において通常当りが発生した場合には、特別図柄が100回変動するまで時短状態を実行する機種、(b)通常遊技状態において通常当りが発生した場合には、特別図柄が100回変動するまで継続する時短状態に移行する機種、(c)全ての大当り図柄を確変当り図柄あるいは時短当り図柄とした機種、(d)大当り図柄の種類(「777」や「888」等の図柄の組み合せ)に応じて確変状態や時短状態の終了条件(例えば、特別図柄の変動回数)が異なる機種、等を例示できる。
また、上記した各実施例や各変形例の形態では、図柄制御部160を音声・ランプ制御部170の制御下で用いる態様を説明した。即ち、図柄制御部160を、主制御部140の2次側(下流)にある音声・ランプ制御部170を介して、主制御部140の2次側(下流)に接続する設ける態様を例示したが、図柄制御部160を音声・ランプ制御部170よりも1次側(上流側)に配置することもできる。
つまり、図56に示す変形例のように、主制御部140の2次側(下流)に所定の伝送経路500aを用いて図柄制御部160を接続し、図柄制御部160の2次側に所定の伝送経路500bを用いて音声・ランプ制御部170を接続する。そして、音声・ランプ制御部170の2次側(下流)に所定の伝送経路を用いて液晶表示装置(特別図柄表示装置)27を接続してもよい。
また、上記した各実施例や各変形例の形態では、液晶表示装置27での図柄(本図柄、疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)や保留数の表示制御、及び普通図柄表示装置32での普通図柄の表示制御を図柄表示部160で行うものとしていたが、このうち、液晶表示装置27における本図柄と保留数の表示制御と、普通図柄表示装置32における普通図柄の表示制御とを主制御部140で行い、液晶表示装置27における疑似図柄や背景図柄やキャラクタ図柄等の演出専用図柄の表示制御のみを図柄表示部160で行うようにしても良い。