1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(発射操作部)60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66、及び、音を出力するスピーカ67が設けられている。
図2に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図7参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出表示手段ともいう)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面(表示部)7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示(可変表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図5参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一例)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9を表示する演出保留表示エリアがある。演出保留画像9の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図5参照)にて表示される第1特図保留の記憶数や、第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口や固定入球口ともいう)20を備える第1始動入賞装置(第1の入球手段や固定入賞装置ともいう)19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
より詳細には図3に示すように、第1始動入賞装置19の内部には、第1始動口20を通過した遊技球が通過する第1始動口内共通路70と、第1始動口内共通路70から分岐する2つの通路(第1転落用通路71および第1非転落用通路73)とが形成されている。第1転落用通路71上には第1転落領域72が形成されており、この第1転落領域72には、第1転落領域72への遊技球の通過を検知する転落用第1始動口センサ20aが配されている。一方、第1非転落用通路73上には第1非転落領域74が形成されており、この第1非転落領域74には、第1非転落領域74への遊技球の通過を検知する非転落用第1始動口センサ20bが配されている。
なお後述するように、転落用第1始動口センサ20aによる遊技球の検知は、第1特別図柄の抽選の契機となっているとともに、高確率状態から通常確率状態への転落契機にもなっている。これに対して、非転落用第1始動口センサ20bによる遊技球の検知は、第1特別図柄の抽選の契機にはなっているが、高確率状態から通常確率状態への転落契機にはなっていない。
また第1始動入賞装置19は、第1始動口20へ入賞した遊技球のうち第1転落用通路71を通過する遊技球の数と、第1非転落用通路73を通過する遊技球の数との比が、およそ「100:0」となる形状で形成されている。言い換えれば、第1始動口内共通路70と第1転落用通路71及び第1非転落用通路73との分岐部70aは、第1転落用通路71と第1非転落用通路73とに振分率がおよそ「100:0」となるように遊技球を振り分ける形状に形成されている。つまり、第1始動口20へ入賞した遊技球のうち第1転落用通路71を通過する遊技球の割合(「第1通過率」という)は、百分率でおよそ「100」である。
よって、第1始動口20へ入賞した遊技球が、第1非転落領域74を通過することは極めてまれであり、実質的には必ず第1転落領域72を通過して転落用第1始動口センサ20aに検知されることとなる。そのため、後述する高確率状態への制御中に第1始動口20へ遊技球が入賞した場合には、実質的には必ず通常確率状態へ転落することとなる。
また図2に示すように、遊技領域3における第1始動口20の右方には、第2始動口(入球口に相当、第2始動入賞口や可変入球口ともいう)21を備える普通可変入賞装置(普通電動役物、いわゆる電チュー)22が設けられている。電チュー22を、第2の入球手段や第2始動入賞装置ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、開閉部材(入球口開閉部材ともいう)23を備え、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。開閉部材23は、電チューソレノイド24(図6参照)により駆動される。開閉部材23が開状態(図2に二点鎖線で示す状態)にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が可能となり、閉状態(図2に実線で示す状態)にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。
より詳細には図4に示すように、電チュー22の内部には、第2始動口21を通過した遊技球が通過する第2始動口内共通路(共通路に相当)75と、第2始動口内共通路75から分岐する2つの通路(第2転落用通路76および第2非転落用通路78)とが形成されている。第2転落用通路(第1通路に相当)76上には第2転落領域77が形成されており、この第2転落領域77には、第2転落領域77への遊技球の通過を検知する転落用第2始動口センサ(第1遊技球検知手段に相当)21aが配されている。一方、第2非転落用通路(第2通路に相当)78上には第2非転落領域79が形成されており、この第2非転落領域79には、第2非転落領域79への遊技球の通過を検知する非転落用第2始動口センサ(第2遊技球検知手段に相当)21bが配されている。
なお後述するように、転落用第2始動口センサ21aによる遊技球の検知は、第2特別図柄の抽選の契機となっているとともに、高確率状態から通常確率状態への転落契機にもなっている。これに対して、非転落用第2始動口センサ21bによる遊技球の検知は、第2特別図柄の抽選の契機にはなっているが、高確率状態から通常確率状態への転落契機にはなっていない。
また、第2始動口内共通路75と第2転落用通路76及び第2非転落用通路78との分岐部75aには、可動部材68が配されている。可動部材68は、可動部材ソレノイド69(図6参照)によって駆動される。
可動部材68は、図4(A)に示すように、可動部材ソレノイド69の非通電時には、第2転落領域77へ遊技球を振り分ける第1状態にある。可動部材68が第1状態にあるときには、第2始動口21に入賞した遊技球は第2転落領域77を通過する。また可動部材68は、図4(B)に示すように、可動部材ソレノイド69の通電時には、第2非転落領域79へ遊技球を振り分ける第2状態にある。可動部材68が第2状態にあるときには、第2始動口21に入賞した遊技球は第2非転落領域79を通過する。このように本形態では、分岐部75aに可動部材68を設けているため、開閉部材23の開閉タイミングと可動部材68の作動タイミングとを適宜調整することにより、電チュー22における転落確率を任意の値に設定することが可能である。この点については後述する。
さらに電チュー22には、第2始動口内共通路75における分岐部75aの上流に、入賞カウント用第2始動口センサ(上流側遊技球検知手段に相当)21cが配されている。後述するように本形態では、第2始動口21への入賞球数のカウント、及び、第2始動口21への入賞に基づく賞球の払い出しは、この入賞カウント用第2始動口センサ21cによる遊技球の検知に基づいて行われる。
また図2に示すように、遊技領域3における第1始動口20の下方には、大入賞口(特別入賞口に相当)30を備えた大入賞装置(特別可変入賞装置や特別入賞手段ともいう)31が設けられている。大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材ともいう)32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図6参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3におけるセンター装飾体10の右方には、遊技球が通過可能なゲート(通過口ともいう)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞や、大入賞口30への入賞を狙うことができる。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過や、第2始動口21への入賞、大入賞口30への入賞を狙うことができる。
なお本形態では、大入賞口30への入賞は左打ちであっても右打ちであっても可能であるが、大入賞口30が開放される大当たり遊技中は公知の方法で右打ちにて遊技を行うよう遊技者に報知するようにしている。右打ちにて大当たり遊技を遊技させれば、大当たり遊技中に第2始動口21への入賞が生じ得て、第1始動口20への入賞に基づく抽選よりも有利な抽選を、大当たり遊技の終了直後に受けられるようになり得るからである。有利な抽選とは、特典量の比較的多い大当たり(本形態では賞球の獲得が可能で時短状態の制御契機にもなる大当たり)に当選し易い抽選ということである。この点については後述する。
また図2および図5に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(特図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄や特定表示態様の特別図柄ともいう、本形態では大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口30の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(所定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図6参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図6参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図6参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(所定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図6参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図6及び図7に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図6及び図7に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、後述する装飾可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、転落用第1始動口センサ20a、非転落用第1始動口センサ20b、転落用第2始動口センサ21a、非転落用第2始動口センサ21b、入賞カウント用第2始動口センサ21c、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
転落用第1始動口センサ20aは、第1始動口20内の第1転落領域72(図3参照)に設けられて、第1始動口20に入賞したあと第1転落領域72を通過した遊技球を検出するものである。非転落用第1始動口センサ20bは、第1始動口20内の第1非転落領域74(図3参照)に設けられて、第1始動口20に入賞したあと第1非転落領域74を通過した遊技球を検出するものである。転落用第2始動口センサ21aは、第2始動口21内の第2転落領域77(図4参照)に設けられて、第2始動口21に入賞したあと第2転落領域77を通過した遊技球を検出するものである。非転落用第2始動口センサ21bは、第2始動口21内の第2非転落領域79(図4参照)に設けられて、第2始動口21に入賞したあと第2非転落領域79を通過した遊技球を検出するものである。入賞カウント用第2始動口センサ21cは、第2始動口内共通路75(図4参照)における分岐部75aよりも上流に設けられて、第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。
また、ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、普通入賞口27内に設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、可動部材ソレノイド69および大入賞口ソレノイド33が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の開閉部材23を駆動するものである。可動部材ソレノイド69は、電チュー22の内部に配された可動部材68を駆動するものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、特別図柄表示器41、普通図柄表示器42、特図保留表示器43、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお装飾可動体15は、図2では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」及び「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(つまり大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技に相当する。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると、大入賞口30を開放させる大当たり遊技が実行される。より詳細には本形態では、図8(A)に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選にて当選可能な大当たりの種別として、「非時短大当たり」(振分率20%)、「時短A大当たり」(振分率30%)、「時短B大当たり(振分率20%)」、及び「時短C大当たり」(振分率30%)がある。
また、第2特別図柄(特図2)の抽選にて当選可能な大当たりの種別として、「時短A大当たり」(振分率30%)、「時短B大当たり」(振分率20%)、及び「時短C大当たり」(振分率50%)がある。なお、いずれの大当たりであっても、ラウンド数は16Rであり、1Rあたりの大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。
特図1の抽選によって「非時短大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_非時短図柄」が停止表示される。また、「時短A大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短図柄A」が停止表示される。また、「時短B大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短図柄B」が停止表示される。また、「時短C大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短図柄C」が停止表示される。
また、特図2の抽選によって「時短A大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短図柄A」が停止表示される。また、「時短B大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短図柄B」が停止表示される。また、「時短C大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短図柄C」が停止表示される。
各大当たりと、その大当たりへの当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態との関係は、次の通りである。
「非時短大当たり」 … 「非時短状態」
「時短A大当たり」 … 「時短状態A」
「時短B大当たり」 … 「時短状態B」
「時短C大当たり」 … 「時短状態C」
なお本形態では、全ての大当たり図柄は、高確率状態への制御契機となる図柄である。つまり、高確率状態への突入率(「高確率状態突入率」や「確変突入率」という)は、100%に設定されている。遊技状態については後に詳しく説明する。
上記のとおり本形態では、時短状態には、「時短状態A」、「時短状態B」、及び「時短状態C」の3つの種類がある。本形態では、後述する高ベース状態への制御は、時短状態への制御に同期して行われる。よって、高ベース状態の種類に、「高ベース状態A」、「高ベース状態B」、及び「高ベース状態C」の3種類があると言い換えてもよい。なお、時短状態への制御に伴って高ベース状態に制御されると、低ベース状態に制御されているときよりも電チュー22に係る第2始動口21への入賞が容易となる。
上記した各種の時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放パターンが互いに異なっている(図12参照)。その結果、各時短状態では、第2始動口21へ入賞した遊技球のうち第2転落用通路76(図4参照)を通過する遊技球の割合(第2転落領域77を通過する遊技球の割合、「第2通過率」という)が互いに異なることとなる。
時短状態Aでは、第2通過率は約100%である(図12参照)。つまり、時短状態Aでは、第2始動口21への入賞が生じると、ほぼ必ず高確率状態から通常確率状態に転落する。つまり、大当たり遊技の終了後すぐに高確率状態から通常確率状態に転落することとなる。
なお、時短状態Aに制御された場合、時短回数は100回に設定される(図8(B)参照)。時短回数とは、時短状態において実行され得る特別図柄の変動表示の上限回数のことである。すなわち、時短状態において大当たりに当選することなく時短回数に及ぶ特別図柄の変動表示が終了すると、時短状態から非時短状態に移行する。
上述したようにこの時短状態Aに制御された場合には、すぐに通常確率状態に転落するため、実質的には高確率状態の利益を受けられない。そのため、時短状態Aに制御されている期間のほぼすべては、通常確率状態に制御されていることとなる。
時短状態Bでは、第2通過率は約50%である(図12参照)。つまり、時短状態Bでは、第2始動口21への入賞が生じると、50%の転落確率で高確率状態から通常確率状態に転落する。なお、時短状態Bに制御された場合、時短回数は100回に設定される(図8(B)参照)。従ってこの時短状態Bに制御された場合には、なるべく長く高確率状態が続くことに期待して遊技者は遊技を進行することとなる。
時短状態Cでは、第2通過率は約0%である(図12参照)。つまり、時短状態Cでは、第2始動口21への入賞が生じても、高確率状態から通常確率状態に転落することはほぼない。なお、時短状態Cに制御された場合、時短回数は10000回に設定される(図38参照)。すなわち正しく右打ちにて遊技している限り、次回の大当たりに当選するまで時短状態が継続する。従って時短状態Cに制御された場合には、次回の大当たりに当選するまで高確率状態も継続可能となる。
なお非時短状態では、必ず低ベース状態に制御されるため、電チュー22に係る第2始動口21への入賞が容易にならない。よって、第2始動口21ではなく第1始動口20を狙って遊技者は遊技を行うこととなる。上述したように、第1通過率(第1始動口20への入賞球が第1転落領域72(図3参照)を通過する割合)は、約100%である(図3参照)。そのため、非時短状態に制御された場合には、大当たり遊技の終了後すぐに高確率状態から通常確率状態に転落することとなる。つまり、実質的には高確率状態の利益を受けられないということである。
図8(B)に示すように、特図1の抽選における各大当たりへの振分確率は、「非時短大当たり」が20%、「時短A大当たり」が30%、「時短B大当たり」が20%、「時短C大当たり」が30%となっている。特図1の抽選における確変突入率は名目的には100%であるが、上述したように「非時短大当たり」及び「時短A大当たり」に当選した場合には、高確率状態の利益を受けることなく通常確率状態に転落する。従って、特図1の抽選における実質的な確変突入率は、50%である。なお、特図1の抽選における、時短状態への突入率(「時短突入率」、「高ベース状態突入率」、又は「入球容易状態突入率」という)は、80%である。
これに対して、特図2の抽選における各大当たりへの振分確率は、「時短A大当たり」が30%、「時短B大当たり」が20%、「時短C大当たり」が50%となっている。従って、特図2の抽選における実質的な確変突入率は、特図1の抽選よりも高く、70%である。また、特図2の抽選における時短突入率は、特図1の抽選よりも高く、100%である。つまり本形態では、特図2の抽選の方が特図1の抽選よりも遊技者にとって有利な抽選となっている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図9(A)に示すように、大当たり乱数は0〜629までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜126までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜240までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図10(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図10(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図10(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。高ベース状態は入球容易状態に相当し、低ベース状態は非入球容易状態に相当する。
なお、高ベース状態(電サポ制御状態)では、補助遊技における電チュー22の開放回数を非時短状態よりも多くしてもよい。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしてもよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、「時短A大当たり」、「時短B大当たり」、及び「時短C大当たり」(図8参照)への当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は基本的には、転落領域(第1転落領域72又は第2転落領域77)へ遊技球が通過すること、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
既に述べたように、時短C大当たりに当選した場合には、その当選に基づく大当たり遊技の実行後は実質的に次回の大当たりに当選するまで時短状態(つまりは高ベース状態)が続く(図8(B)参照)。そして、高ベース状態では入球容易となっている第2始動口21を狙って遊技している限り転落領域への通過は生じない。よってこの場合には、高確高ベース状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。
これに対して、時短A大当たりや時短B大当たりに当選した場合には、時短回数は100回に設定されるが(図8(B)参照)、100回の特別図柄変動が終了するよりも前に転落領域への通過が生じる。この場合、第2転落領域77への通過に基づく特別図柄変動から、時短状態における特別図柄の総変動回数が100回に至るまでの間は、通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態に制御される。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。
また、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。なお、「非時短大当たり」(図8参照)への当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態であり、この遊技状態を特に「高確低ベース状態」というが、本形態ではこの場合はすぐに第1始動口20への入賞に基づき高確率状態から通常確率状態へ転落する。そのため、「非時短大当たり」への当選時は、大当たり遊技の終了後の遊技状態は実質的には通常遊技状態となる。
また本形態では、大当たり遊技(特別遊技)の実行中の状態を「大当たり遊技状態(特別遊技状態)」と称することとする。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図14〜図41に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図14に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図15に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。次いで遊技制御用マイコン81は、後述する入力処理(S102)を実行する。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図14の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、可動部材制御処理(S107)および保留球数処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図14参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[入力処理]入力処理(S102)では主に、パチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(転落用第1始動口センサ20a、非転落用第1始動口センサ20b、入賞カウント用第2始動口センサ21c、大入賞口センサ30a、普通入賞口センサ27a等(図6参照))からの検知信号を読み込み、入賞口の種類に応じた数(例えば大入賞口であれば15球、第1始動口20であれば3球、第2始動口21であれば2球、普通入賞口27であれば10球)の賞球を払い出す旨を指定する賞球コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。
図16に示すように、入力処理(S102)において遊技制御用マイコン81は、入賞カウント用第2始動口センサ21cからの検知信号があれば(S121でYES)、賞球コマンドをセットするとともに(S122)、後述する普通動作ステータスが「4」であるか否かを判定する(S123)。普通動作ステータスが「4」であることは、補助遊技の実行中であることを意味している(図20参照)。普通動作ステータスが「4」であれば(S123でYES)、1回の補助遊技における第2始動口21への総入賞球数をカウントするための第2始動口入賞カウンタの値を1インクリメントして(S124)、ステップS125に進む。入賞カウント用第2始動口センサ21cからの検知信号がない場合や(S121でNO)、普通動作ステータスが「4」でない場合は(S123でNO)、そのままステップS125に進む。
ステップS125ではその他処理を行う。その他処理(S125)では、入賞カウント用第2始動口センサ21c以外の各種センサからの検知信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための賞球コマンドをセットしたり、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号に基づいて、下皿満杯データをRAM84の出力バッファに記憶したりする。
なお、この入力処理(S102)でセットされた賞球コマンドは、出力処理(S101)において、払出制御基板(賞球払出手段)110に送信される。賞球コマンドを受けた払出制御基板110は、賞球コマンドが示す数の賞球を払い出す。
[始動口センサ検出処理]図17に示すように、始動口センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、転落用第2始動口センサ21a又は非転落用第2始動口センサ21bによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS208に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS208に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。その後遊技制御用マイコン81は、後述する転落抽選処理(S207)を行う。
続いて始動口センサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、転落用第1始動口センサ20a又は非転落用第1始動口センサ20bによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S208)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S208でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S208でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限数)に達しているか否か判定する(S209)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S209でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S209でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S210)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S211)を行う。特図1関係乱数取得処理(S211)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。その後遊技制御用マイコン81は、後述する転落抽選処理(S212)を行う。
[転落抽選処理]図18に示すように転落抽選処理(S207又はS212)ではまず、遊技球が転落領域(第1転落領域72又は第2転落領域77のいずれか)を通過したか否かを判定する(S301)。すなわち、転落用第1始動口センサ20a又は転落用第2始動口センサ21aのいずれかによる遊技球の検知があったか否かを判定する。判定結果がNOであれば本処理を終える。これに対して、判定結果がYESであれば、続いて確変フラグがONであるか否かを判定する(S302)。確変フラグは、現在の遊技状態が高確率状態であることを示すフラグである。
ステップS302の判定結果がNOであれば本処理を終える。これに対して、ステップS302の判定結果がYESであれば、転落フラグをONするとともに(S303)、RAM84に設けた転落カウンタに、現在の特図保留球数の値をセットする(S304)。詳細にはステップS304では、第2始動口21への入賞に基づく転落抽選処理(S207)であれば、特図2保留球数の値を転落カウンタにセットする。また、第1始動口20への入賞に基づく転落抽選処理(S212)であれば、特図1保留球数の値を転落カウンタにセットする。このような転落抽選処理を行うことによって、高確率状態中に第2始動口21へ入賞した遊技球が第2転落領域77を通過した場合には、その入賞に基づく大当たり判定から通常確率状態に制御し、また、第1始動口20へ入賞した遊技球が第1転落領域72を通過した場合には、その入賞に基づく大当たり判定から通常確率状態に制御するようにしている。
[ゲート通過処理]図19に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が「4」以上であるか否か判定し(S401)、普通図柄保留球数が「4」以上であれば(S401でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が「4」以上でなければ(S401でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S402)、普通図柄乱数取得処理(S403)を行う。普通図柄乱数取得処理(S403)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図9(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S104)に次いで、図20に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では、普通図柄表示器42および電チュー22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普通動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「普通動作ステータス」が「1」である場合には(S601でYES)、普通図柄待機処理(S602)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には(S601でNO、S603でYES)、普通図柄変動中処理(S604)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には(S601,S603で共にNO、S605でYES)、普通図柄確定処理(S606)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には(S601,S603,S605の全てがNO)、普通電動役物処理(S607)を行う。なお普通動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]図21に示すように、普通図柄待機処理(S602)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S701)、「0」であればこの処理を終える。一方「0」でなければ、後述する普通図柄当たり判定処理を行う(S702)。
普通図柄当たり判定処理(S702)に次いで、遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S703)。普通図柄変動パターン選択処理では、図10(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。なお普通図柄表示器42による普通図柄の変動表示(可変表示)の結果として停止表示(導出表示)される図柄は、普通図柄抽選の結果が「当たり」である場合は普通当たり図柄(「○○」、○:点灯、●:消灯)であり、「ハズレ」である場合は普通ハズレ図柄(「●○」)である。
普通図柄変動パターン選択処理(S703)に次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S704)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S705)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動開始処理を行う(S706)。普通図柄変動開始処理では、ステップS703で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当たり判定処理]図22に示すように、普通図柄当たり判定処理(S702)ではまず、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出す(S801)。次いで、普通図柄当たり判定テーブル(図10(D))のアドレスをセットする(S802)。続いて、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S803)。時短状態であれば、図10(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当たり判定値が「1」〜「240」)に基づいて、当たりか否か判定する(S804)。すなわち、読み出した普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−H)が当たり判定値の何れかと一致するか否か判定する。これに対して、非時短状態であれば、図10(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当たり判定値が「210」〜「240」)に基づいて、当たりか否か判定する(S805)。
そして当たり判定(S804,S805)の結果が「当たり」であれば、普通当たりフラグをONするとともに(S806)、普通当たり図柄に対応する普図停止図柄データ(11H)をRAM84に設けた普図バッファにセットして(S807)、本処理を終える。これに対して、当たり判定(S804,S805)の結果が「ハズレ」であれば、普通ハズレ図柄に対応する普図停止図柄データ(01H)を普図バッファにセットして(S807)、本処理を終える。なお本形態では、非時短状態であってもおよそ1/8の確率で普通図柄抽選に当選し、電チュー22が開放されるようになっている。これは、大当たり遊技中に、第2特図保留を発生可能とするためである。なお、大当たり遊技中に普通図柄抽選が頻繁に実行されるように、非時短状態における普通図柄の変動時間を本形態よりも短く(例えば2〜3秒等に)してもよい。
[普通図柄変動中処理]図23に示すように、普通図柄変動中処理(S604)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S1001)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S1001でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S1002)、普通動作ステータスを「3」にセット(S1003)する。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1004)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]図24に示すように、普通図柄確定処理(S606)ではまず、普通図柄の停止時間(本形態では500ms)が経過したか否か判定し(S1101)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S1101でYES)、続いて、普通当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1102)。普通当たりフラグがONでなければ(S1102でNO)、普通動作ステータスを「1」にセットして(S1107)、この処理を終える。
一方、普通当たりフラグがONであれば(S1102でYES)、後述する開放パターン選択処理(S1103)を行って、補助遊技のオープニングを開始する(S1104)。そして、可動部材作動フラグをONするとともに(S1105)、普通動作ステータスを「4」にセットして(S1106)、本処理を終える。可動部材作動フラグは、可動部材68を作動させる期間であることを示すフラグである。つまり本形態では、可動部材68の作動は補助遊技(補助遊技のオープニング)とともに開始される。なお、可動部材68の作動パターンについては後に詳述する。
[開放パターン選択処理]図25に示すように、開放パターン選択処理(S1103)では、遊技状態フラグの値に応じた電チュー開放TBLをセットする。遊技状態フラグとは、現在の遊技状態を示すフラグである。開放パターン選択処理(S1103)において技状態フラグの値が「1」であれば(S1121でYES)、現在の遊技状態は非時短状態であるため(図39中の表参照)、電チュー開放TBL1(図12参照)をセットする(S1122)。
また、遊技状態フラグの値が「2」であれば(S1121でNO、S1123でYES)、現在の遊技状態は時短状態Aであるため(図39中の表参照)、電チュー開放TBL2(図12参照)をセットする(S1124)。また、遊技状態フラグの値が「3」であれば(S1121及びS1123でNO、S1125でYES)、現在の遊技状態は時短状態Bであるため(図39中の表参照)、電チュー開放TBL3(図12参照)をセットする(S1126)。また、遊技状態フラグの値が「4」であれば(S1121,S1123及びS1125の全てでNO)、現在の遊技状態は時短状態Cであるため(図39中の表参照)、電チュー開放TBL4(図12参照)をセットする(S1127)。
なお、いずれの電チュー開放TBLの開放パターンであっても、1回の補助遊技における開閉部材23の開放回数は1回である。よって、電チュー開放TBLのセットの際には、電チュー22の開放回数をカウントする電チュー開放カウンタの値を「1」にセットする。各電チュー開放TBLの開放パターンの詳細については後述する。
[普通電動役物処理]図26に示すように、普通電動役物処理(S607)ではまず、普通当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S1201)。普通当たり終了フラグは、補助遊技において電チュー22の開放が全て終了したことを示すフラグである。
普通当たり終了フラグがONでなければ(S1201でNO)、第2始動口21の開放中か否か(すなわち電チュー22の開放中か否か)を判定する(S1202)。開放中でなければ(S1202でNO)、第2始動口21を開放させる時間に至ったか否か、すなわち補助遊技におけるオープニングの時間(開放前インターバルの時間)が経過して第2始動口21の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバル時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定し(S1203)、至っていなければ処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させる(S1204)。
一方、第2始動口21の開放中であれば(S1202でYES)、実行中の補助遊技における第2始動口21への総入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では9個)に達しているか否かを判定する(S1205)。すなわち、第2始動口21への総入賞個数を示す第2始動口入賞カウンタの値が「9」であるか否かを判定する。ステップS1205において規定入賞個数に達していなければ(S1205でNO)、続いて、第2始動口21を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから所定の開放時間が経過したか否か)を判定する(S1206)。そして、第2始動口21の開放時間が経過していなければ(S1206でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S1205でYES)又は第2始動口21の開放時間が経過した場合(S1206でYES)、すなわち2つの電チュー開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2始動口21を閉鎖(閉塞)する(S1207)。
そして第2始動口21の閉鎖(S1207)に次いで、電チュー開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1208)、電チュー開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1209)。「0」でなければ(S1209でNO)、再び電チュー22を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1209でYES)、補助遊技を終了させるべく、補助遊技のエンディングを開始し(S1210)、普通当たり終了フラグをセットして(S1211)、本処理を終える。なお本形態では電チュー開放カウンタは、非時短状態及び時短状態A〜Cのいずれであっても電チュー22の開放(開閉部材23の開放)が1回なされると「0」になる。
これに対してステップS1201において普通当たり終了フラグがONであれば(S1201でYES)、補助遊技における電チュー22の開放動作は全て終了しているので、続いて、補助遊技における閉鎖後インターバルの時間(補助遊技のエンディングの時間)が経過したか否かを判定する(S1212)。経過していなければ本処理を終える。一方、経過していれば(S1212でYES)、普通当たり終了フラグをOFFするとともに(S1213)、普通当たりフラグをOFFする(S1214)。そして、第2始動口入賞カウンタの値をクリアするとともに(S1215)、普通動作ステータスを「1」にセットして(S1216)、本処理を終える。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)において、普通動作処理(S105)として再び普通図柄待機処理(S602、図20参照)が実行されることになる。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う(図15参照)。特別動作処理(S106)では、図27に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図28に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1408)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1408でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1415)、そうであれば(S1415でYES)処理を終え、そうでなければ(S1415でNO)、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする(S1416)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の転落処理(S1402)、特図2大当たり判定処理(S1403)、及び特図2変動パターン選択処理(S1404)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1405)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1406)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1407)を実行する。特図2変動開始処理(S1407)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1407)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2変動パターン選択処理(S1404)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1408でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の転落処理(S1409)、特図1大当たり判定処理(S1410)、及び特図1変動パターン選択処理(S1411)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1412)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1413)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1414)を実行する。特図1変動開始処理(S1414)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1414)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1変動パターン選択処理(S1411)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、時短突入率及び実質的な確変突入率が高くなっている(図8(B)参照)。すなわち特図2の抽選の方が、特図1の抽選よりも遊技者にとって有利な抽選となっている。なお、通常遊技状態での当選に基づく大当たり遊技中に第2特図保留を発生させることができた場合には、大当たり遊技の終了後には第1特図保留が残っていても、遊技者に有利な特図2の抽選が実行されることとなる。また本形態では、時短状態において遊技者が右打ちを続けている限り、特図1の抽選が実行されることがないように(つまり第2特図保留が「0」となってしまうことがないように)、普通図柄の変動時間(図10(E)参照)や電チュー22の開放パターン(図12参照)が設定されている。
[転落処理]図29に示すように、転落処理(S1402又はS1409)ではまず、遊技制御用マイコン81は、転落フラグがONか否かを判定する(S1901)。転落フラグは、有効な始動入賞(乱数取得の契機となった始動入賞)時に転落領域(第1転落領域72又は第2転落領域77)への通過が生じたことを示すフラグである(図17及び図18参照)。ステップS1901において転落フラグがONでなければ(S1901でNO)、高確率状態から通常確率状態へ転落させることはないため、直ちに本処理を終える。
一方、転落フラグがONであれば(S1901でYES)、転落カウンタを1ディクリメントする(S1902)。そして、転落カウンタの値が「0」か否かを判定する(S1903)。転落カウンタの値が「0」でなければ(S1903でNO)、転落領域(第1転落領域72又は第2転落領域77)への通過時に取得した乱数値に基づく大当たり判定の実行タイミングではないため、高確率状態への制御を終了させずに、本処理を終える。これに対して、転落カウンタの値が「0」であれば(S1903でYES)、高確率状態への制御を終了させるべく確変フラグをOFFする(S1904)。
続いて遊技制御用マイコン81は、遊技状態フラグの値が「4」であるか否かを判定する(S1905)。すなわち、時短状態Cに制御されているか否かを判定する。判定結果がYESであれば、高確率状態の終了とともに時短状態も終了させるために、時短フラグをOFFする(S1906)。そして、遊技状態フラグの値を「1」(非時短状態を示す値)にセットして(S1907)、ステップS1908に進む。
一方、ステップS1905の判定結果がNOであれば、ステップS1906及びS1907の処理を行うことなくステップS1908に進む。このように、時短状態Cに制御された場合には、高確率状態への制御期間と時短状態への制御期間が一致するようにしている。そのため、大当たり遊技後の特別図柄変動の実行回数が100回に至るよりも前に通常確率状態に転落した場合には、時短状態もそこで終了する。なお、このような場合であっても時短状態への制御は、大当たり遊技の終了後の特別図柄変動の実行回数が100回に至るまで継続し得るように構成してもよい。
ステップS1908では、遊技制御用マイコン81は転落フラグをOFFする。そして、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S1909)、本処理を終える。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1403)と特図1大当たり判定処理(S1410)とは、処理の流れが同じであるため図30に基づいてまとめて説明する。図30に示すように、特図2大当たり判定処理(S1403)又は特図1大当たり判定処理(S1410)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1403)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1410)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図10(A))のアドレスをセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図10(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「628」,「629」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図10(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「620」〜「629」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図10(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて当たり種別を判定する(S1506)。当たり種別を判定(S1506)した後は、大当たりフラグをONするとともに(S1507)、当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図8(A)参照)をRAM84に設けた特図バッファにセットして(S1508)、ステップS1509に進む。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)を特図バッファにセットして(S1508)、ステップS1509に進む。ステップS1509では、ステップS1508でセットした特図停止図柄データの情報を含む図柄指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお、第1始動口20への入球により取得された乱数値に基づく当否判定を、第1当否判定といい、第2始動口21への入球により取得された乱数値に基づく当否判定を、第2当否判定ということとする。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1404)と特図1変動パターン選択処理(S1411)とは、処理の流れが同じであるため図31及び図32に基づいてまとめて説明する。図31及び図32に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1404)又は特図1変動パターン選択処理(S1411)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1603)。
またステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ(S1602でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1604)。図10(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1606)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図32に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1602〜S1606と同様の流れで処理(S1607〜S1611)を行う。すなわち、大当たりフラグがONであれば(S1607でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11の時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1609でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11の時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1610)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1609でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11の時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たり当選時に変動時間の長い変動パターンが選択される確率が非時短状態中よりも低くなっている。すなわち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図31に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。ステップS1612でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1302)におけるステップS1407又はS1414でセットされる変動開始コマンドに含められる。
ここで図11に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決まる(図11の備考欄参照)。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。本形態では、SPリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
また本形態では、SPリーチには、弱SPリーチA、弱SPリーチB、及び強SPリーチの3種類がある(図11の備考欄参照)。なお、SPリーチの種類としてこれら以外の種類を含んでいる構成としてもよい。上記の3種類のSPリーチは、互いに大当たり期待度が異なっている。具体的には、弱SPリーチA、弱SPリーチB、強SPリーチの順に大当たり期待度が高くなっている。つまり本パチンコ遊技機1では、弱SPリーチA、弱SPリーチB、強SPリーチの順に大当たり期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている。
より詳細には、大当たり当選時には強SPリーチが最も選択され易く、次いで弱SPリーチBが選択され易く、その次に弱SPリーチAが選択され易くなっている。ノーマルリーチが選択される割合は最も低い。これに対して、ハズレ時にはノーマルリーチが最も選択され易く、次いで弱SPリーチAが選択され易く、その次に弱SPリーチBが選択され易くなっている。強SPリーチが選択される割合は最も低い。
[特別図柄変動中処理]図33に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1404又はS1411で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図11参照)が経過したか否かを判定する(S1701)。経過していなければ(S1701でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1701でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1702)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1703)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1704)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図34に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(図11参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1801でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1802)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1803)。大当たりフラグがONであれば(S1803でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1804)。そして、遊技制御用マイコン81は、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1805)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S1806)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1807)。
ステップS1807に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8(A)を参照)をセットする(S1808)。なおこのときに、大当たり遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS1803において大当たりフラグがONでなければ(S1803でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1809)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図35に示すように、遊技状態管理処理(S1802)ではまず、確変フラグがONか否か判定し(S2001)、ONであれば、高確率状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定して(S2003)、「0」であれば確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされるようになっている。この点については後述する。
続いて、時短フラグがONか否か判定し(S2005)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。そして、「0」であれば時短フラグをOFFするとともに(S2008)、遊技状態フラグの値を「1」(非時短状態であることを示す値)にセットする(S2009)。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2010に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「100」又は「10000」にセットされるようになっている。この点については後述する。
その後、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2010)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図36に示すように、遊技状態リセット処理(S1805)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。なお、本形態における低ベース状態とは、電チュー22による入賞のサポートがないという意味での低ベース状態であり、大入賞装置の作動に基づくベースアップを考慮したものではない。
続いて遊技制御用マイコン81は、転落フラグがONか否かを判定する(S2105)。転落フラグがONでなければ(S2105でNO)、本処理を終える。これに対して、転落フラグがONであれば(S2105でYES)、転落フラグをOFFするとともに(S2106)、転落カウンタの値をリセットして(S2107)、つまり「0」にクリアして、本処理を終える。このようにするのは、大当たり遊技の実行前の転落領域(第1転落領域72又は第2転落領域77)への通過に基づいて、大当たり遊技の終了後の高確率状態が終了しないようにするためである。
[特別電動役物処理]図37に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり遊技終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり遊技終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり遊技終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口30の開放中か否か(すなわち大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たり遊技のオープニングの時間が経過して大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って大入賞口30を開放させる(S2204)。
ステップS2202において大入賞口30の開放中であれば(S2202でYES)、そのラウンド遊技(単位開放遊技)における大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり8個)に達しているか否かを判定する(S2205)。規定入賞個数に達していなければ(S2205でNO)、大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図8(A)参照)が経過したか否か)を判定する(S2206)。そして、大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2206でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2205でYES)又は大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2206でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2207)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2208)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2209)。「0」でなければ(S2209でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2209でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2210)、大当たり遊技のエンディングを開始する(S2211)。そして、大当たり遊技終了フラグをセットして処理を終える(S2212)。
またステップS2201において大当たり遊技終了フラグがONであれば(S2201でYES)、大当たり遊技における大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たり遊技のエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2213)、エンディング時間が経過していなければ(S2213でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2213でYES)、大当たり遊技終了フラグをOFFした後(S2214)、後述の遊技状態設定処理(S2215)を行って、大当たりフラグをOFFする(S2216)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットして処理を終える(S2217)。
[遊技状態設定処理]図38に示すように、遊技状態設定処理(S2215)ではまず、確変フラグをONするとともに(S2301)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2302)。確変カウンタにセットされる値が「10000」であるということは、転落領域(第1転落領域72又は第2転落領域77)への通過があるか、又は、次の大当たりに当選するまでは実質的に高確率状態が終了しないということである。
なお本形態では、名目的な確変突入率を100%にしている(図8(B)参照)、つまり全ての大当たり遊技の終了後に一旦は高確率状態に制御することとしている。そのため、この遊技状態設定処理(S2215)では必ず確変フラグをONする。但し、高確率状態への制御契機とならない非確変大当たりに当選可能な構成(つまり名目的にも確変突入率が100%未満である構成)とした場合には、まず今回当選した大当たりの種類が、確変大当たり(高確率状態への制御契機となる大当たり)か否かを判定し、確変大当たりである場合には確変フラグをONする構成とすればよい。つまり、当選した大当たり図柄の種別に基づいて高確率状態に制御する構成とすればよい。
ステップS2302に続いて遊技制御用マイコン81は、今回当選した大当たりの種類(特別図柄の種類)が、時短C大当たり(時短状態Cへの制御契機となる大当たり、図8(B)参照)であるか否かを判定する(S2303)。今回当選した大当たりの種類は、特図バッファにセットされている特図停止図柄データの値に基づいて判定する。時短C大当たりであれば(S2303でYES)、時短フラグをONするとともに(S2304)、時短カウンタに「10000」をセットして(S2305)、ステップS2309に進む。
なお時短状態Cでは、後述するように電チュー22への入賞を狙って遊技している限り高確率状態が続く。第2転落領域77への通過率が約0%だからである(図12参照)。よって、時短状態Cに制御された場合の、時短カウンタにセットされる値(時短回数)が「10000」であるということは、本形態では次回の大当たり当選まで高確高ベース状態が続くということである。ここで、時短回数とは、時短状態且つ高ベース状態(入球容易状態)への制御が継続され得る特別図柄の変動表示の上限回数である。
ステップS2303において「時短C大当たり」でなければ、続いて、今回当選した大当たりの種類(特別図柄の種類)が、「時短A大当たり」(時短状態Aへの制御契機となる大当たり、図8(B)参照)、又は「時短B大当たり」(時短状態Bへの制御契機となる大当たり、図8(B)参照)のいずれかであるか否かを判定する(S2306)。判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2307)、時短カウンタに「100」をセットして(S2308)、ステップS2309に進む。
なお、時短状態Aに制御された場合には、後述するように大当たり遊技の終了後すぐに高確率状態は終了する。第2転落領域77への通過率が約100%だからである(図12参照)。従って、大当たり遊技の終了後、特別図柄変動の実行回数が100回に至るまでのほぼ全期間が、低確高ベース状態に制御されることとなり、高確率状態の利益を受けられない。
これに対して、時短状態Bに制御された場合には、高確率状態の利益を受けられる可能性がある。第2転落領域77への通過率が約50%だからである(図12参照)。但し、大当たり遊技後の特別図柄変動の実行回数が100回に至るよりも前に、高確率状態から通常確率状態に転落した場合には、その後の残りの時短回数分の特別図柄変動は、低確高ベース状態で実行されることとなる。
ステップS2306において「時短A大当たり」でも「時短B大当たり」でもなければ(S2306でNO)、今回当選した大当たりの種類は「非時短大当たり」(図8(B)参照)であるため、時短フラグをONすることなく、ステップS2309に進む。これにより、高確低ベース状態に制御される。
低ベース状態では、電チュー22への入賞は難しい。そのため、遊技者は左打ちにて第1始動口20への入賞を狙って遊技を行う。第1始動口20へ入賞した遊技球は、略必ず第1転落領域72を通過する(図3参照)。よって、高確率状態での特別図柄抽選はほとんど実行されることがなく、大当たり遊技の終了後すぐに高確率状態への制御が終了して、低確低ベース状態に制御されることとなる。
ステップS2309では、遊技制御用マイコン81は、後述する遊技状態フラグ設定処理を行う。そして、今設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2310)、本処理を終える。
ここで、上述した大当たり遊技後の遊技状態についての説明をまとめる。本形態では、確変フラグと時短フラグがともにONされると、高確高ベース状態に制御される。但し、時短状態の種類が時短状態A〜Cのいずれであるかによって、その後の遊技展開(遊技の進行)が異なってくる。つまり、時短状態Aであれば、第2通過率(第2転落領域77への通過率)が約100%である。そのため、高確率状態の利益はほとんど受けられず、すぐに低確高ベース状態に制御される。この状態は、大当たりに当選するか、特別図柄変動の実行回数が100回に至るまで続く。
また、時短状態Bであれば、第2通過率が約50%である。そのため、時短状態Aよりは通常確率状態に転落し難い。よって、ある程度は高確率状態の利益を受けられる見込みがある。それでも、特別図柄変動の実行回数が100回に至るまで高確率状態に制御され続けることはほぼない。従って、時短状態に制御されている途中で通常確率状態に転落して、低確高ベース状態となる。
また、時短状態Cであれば、第2通過率は約0%である。そのため、時短状態(つまりは高ベース状態)が続く限り高確率状態に制御され続ける。しかも時短状態Cでは時短回数が「10000」回に設定される。従って、実質的には次回の大当たりに当選するまで高確高ベース状態が続くこととなる。
これらに対して、確変フラグだけがONされ、時短フラグがONされなかったときは、高確低ベース状態に制御される。低ベース状態では、電チュー22への入賞は難しい。そのため、遊技者は左打ちにて第1始動口20への入賞を狙って遊技を行う。第1始動口20へ入賞した遊技球は、略必ず第1転落領域72を通過する(図3参照)。よって、高確率状態での特別図柄抽選はほとんど実行されることがなく、大当たり遊技の終了後すぐに高確率状態への制御が終了することとなる。つまり、低確低ベース状態(通常遊技状態)に制御されることとなる。
このように本形態では、時短状態Aや時短状態Bに制御された場合には、高確率状態がいつまで(特別図柄が何変動するまで)続くかわからない所謂「転落抽選機」として機能する。これに対して、時短状態Cに制御された場合には、大当たりに当選するまで高確率状態が続く所謂「確変ループ機」として実質的には機能する。
また、時短状態Aに制御された場合には、高確率状態での大当たり抽選を受けることなく通常確率状態に転落するため、大当たり遊技の終了とともに低確高ベース状態に制御したのとほとんど変わらない遊技性となる。また、非時短状態に制御された場合にも、高確率状態での大当たり抽選を受けることなく通常確率状態に転落するため、大当たり遊技の終了とともに低確低ベース状態に制御したのとほとんど変わらない遊技性となる。このように時短A大当たりや非時短大当たりといった大当たりを設けていることにより、内部的には全ての大当たり図柄が高確率状態の制御契機となる図柄となっていても、実質的な確変突入率を100%未満にすることが可能となっている。特に本形態では、各大当たりの振分率を図10(B)に示すようにすることで、特図1の抽選と特図2の抽選とで実質的な確変突入率が異なるようにしている(図8(B)参照)。
[遊技状態フラグ設定処理]図39に示すように、遊技状態フラグ設定処理(S2309)では、今回当選した大当たりの種類(特別図柄の種類)が、非時短大当たり(図8参照)であれば(S2401でYES)、遊技状態フラグの値を「1」にセットする(S2402)。また、時短A大当たり(図8参照)であれば(S2401でNO、S2403でYES)、遊技状態フラグの値を「2」にセットする(S2404)。また、時短B大当たり(図8参照)であれば(S2401及びS2403でNO、S2405でYES)、遊技状態フラグの値を「3」にセットする(S2406)。また、時短C大当たり(図8参照)であれば(S2401,S2403及びS2405でNO、S2407でYES)、遊技状態フラグの値を「4」にセットする(S2408)。なお、遊技状態フラグの初期値は「1」である。
[可動部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで可動部材制御処理(S107)を行う(図15参照)。可動部材制御処理(S107)では図40に示すように、まず、可動部材作動フラグがONか否かを判定する(S2501)。可動部材作動フラグがONでなければ本処理を終える。一方、可動部材作動フラグがONであれば(S2501でYES)、補助遊技のオープニングが開始しているため(図24参照)、可動部材68を所定の作動パターンにて作動させるべく可動部材作動処理(S2502)を行う。
可動部材作動処理(S2502)では、可動部材68の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、可動部材68の開放タイミングになったら可動部材ソレノイド69をONし、可動部材68の閉鎖タイミングになったら可動部材ソレノイド69をOFFする。これにより、可動部材68は、補助遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
具体的には図13(f)に示すように、可動部材68をまず、補助遊技のオープニングの開始から2秒にわたって第1状態(図4(A)参照)に制御する。続いて、2秒にわたって第2状態(図4(B)参照)に制御する。その後、再び第1状態に制御する。このような一連の動作が、可動部材68の一定動作(所定の作動パターン)である。
可動部材作動処理(S2502)に続いて遊技制御用マイコン81は、可動部材68の動作が終了したか否かを判定する(S2503)。具体的には、ステップS2502でセットした可動部材68の作動時間を計測するためのタイマに基づいて、可動部材68が一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間が経過したか否かを判定する。そして、可動部材68の動作が終了していなければそのまま本処理を終える。これに対して、可動部材68の動作が終了していれば(S2503でYES)、可動部材作動フラグをOFFしてから(S2504)本処理を終える。
ここで図13に基づいて、上記のような可動部材68の一定動作と、補助遊技における電チュー22(第2始動口21)の開放パターンとの関係について説明する。本形態では、補助遊技における電チュー22の開放パターンとして、図13(b),(c),(d)及び(e)に示す4つの開放パターンがある。なお、図13(a)は、補助遊技の実行期間(実行開始から実行終了まで)を示している。
電チュー22の開放パターンは、図12に示したように、時短状態か否か及び時短状態の種類に応じて異なっている。つまり、各時短状態では、補助遊技の実行に際して互いに異なる電チュー開放テーブルが選択される。具体的には、時短状態Aでは電チュー開放TBL2が選択され、時短状態Bでは電チュー開放TBL3が選択され、時短状態Cでは電チュー開放TBL4が選択される。なお、非時短状態では電チュー開放TBL1が選択される。
図12及び図13(c)に示すように、電チュー開放TBL2の開放パターン(第1の時短開放パターン)は、開放前インターバルの時間(オープニングの時間)が0.1秒で、開放時間が2.0秒の開放パターンである。また図12及び図13(d)に示すように、電チュー開放TBL3の開放パターン(第2の時短開放パターン)は、開放前インターバルの時間が1.0秒で、開放時間が2.0秒の開放パターンである。また図12及び図13(e)に示すように、電チュー開放TBL4の開放パターン(第3の時短開放パターン)は、開放前インターバルの時間が2.0秒で、開放時間が2.0秒の開放パターンである。なお図12及び図13(b)に示すように、電チュー開放TBL1の開放パターン(非時短開放パターン)は、開放前インターバルの時間が1.6秒で、開放時間が0.5秒の開放パターンである。
本形態では、図13(a)及び(f)に示すように、可動部材68を、補助遊技の開始から2秒にわたって第1状態(図4(A))に制御した後、第1状態から第2状態(図4(B))に切り替え、さらに2秒経過後に可動部材68を第2状態から第1状態に戻す。つまり、このような作動パターンで可動部材68を作動させる。
そうすると、電チュー開放TBL1(非時短状態時)や電チュー開放TBL2(時短状態A時)の開放パターンで開閉部材23が開放される場合には、第2始動口21へ入賞した遊技球が分岐部75a(図4参照)に到達したときには概ね可動部材68が第1状態をとっており、ほぼ必ず第2転落領域77へ振り分けられることとなる(図13参照)。よってこの場合には、第2始動口21へ入賞した遊技球の転落用第2始動口センサ21aによる検出率(第2転落領域77への通過率)がほぼ100%となる(図12参照)。
これに対して、電チュー開放TBL3(時短状態B時)の開放パターンで開閉部材23が開放される場合には、第2始動口21へ入賞した遊技球が分岐部75aに到達したときに可動部材68が第1状態をとっていたり第2状態をとっていたりするため、第2転落領域77と第2非転落領域79とにおよそ均等に振り分けられることとなる(図13参照)。よってこの場合には、第2始動口21に入賞した遊技球の転落用第2始動口センサ21aによる検出率は、50%程度となる(図12参照)。
また、電チュー開放TBL4(時短状態C時)の開放パターンで開閉部材23が開放される場合には、第2始動口21へ入賞した遊技球が分岐部75aに到達したときには概ね可動部材68が第2状態をとっており、ほぼ必ず第2非転落領域79へ振り分けられることとなる(図13参照)。よってこの場合には、第2始動口21に入賞した遊技球の転落用第2始動口センサ21aによる検出率は、ほぼ0%となる(図12参照)。
従って時短状態Cでは、第2始動口21へ入賞した遊技球が、第2転落領域77を通過することは極めてまれであり、実質的には必ず第2非転落領域79を通過して非転落用第2始動口センサ21bに検知されることとなる。そのため、高確率状態への制御中に第2始動口21へ遊技球が入賞した場合には、実質的には必ず高確率状態への制御が維持される(通常確率状態へ転落しない)こととなる。
上述したように、本形態では、高確率状態において転落用第2始動口センサ21aにより遊技球が検知されると、その検知に基づく抽選から通常確率状態に制御される。これに対して、非転落用第2始動口センサ21bに検知されれば、高確率状態から転落することはない。よってこの点に鑑みれば、時短状態としては時短状態Cが最も遊技者に有利であり、その次に時短状態Bが有利であり、時短状態Aが最も有利でないということとなる。つまり本形態では、複数種類の時短状態(つまりは高ベース状態)があり、時短状態の種類に応じて遊技者に対する有利度が異なっている。よって、いずれの時短状態に制御されるかに遊技者の関心を集めることが可能となっており、遊技興趣を高めることが可能となっている。
[保留球数処理]遊技制御用マイコン81は、可動部材制御処理(S107)に次いで保留球数処理(S108)を行う(図15参照)。保留球数処理(S108)では図41に示すように、まず、RAM84に記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2801)。次いで、その保留球数をサブ制御基板90に通知するための保留球数コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする(S2802)。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図42〜図48に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図42に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図43に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図44に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図7参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データ(装飾可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図45に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図46に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態指定コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述するモードステータス設定処理を行う(S4402)。
続いて演出制御用マイコン91は、主制御基板80から図柄指定コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば演出図柄選択処理を行う(S4404)。演出図柄選択処理(S4404)では、図柄指定コマンドが示す特図停止図柄データの情報に基づいて、変動演出にて最終的に停止表示する演出図柄8L,8C,8R(図2参照)の組み合わせを決定する。なお、ここで取得した特図停止図柄データの情報は、後述する各処理においても適宜利用可能である。
具体的には、図8(B)に示すように、特別図柄の種別が「特図1_時短図柄C」又は「特図2_時短図柄C」であれば、演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせとして、「3」又は「7」のゾロ目を選択する。また、特別図柄の種別が「特図1_時短図柄A」、「特図1_時短図柄B」、「特図2_時短図柄A」、又は「特図2_時短図柄B」であれば、演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせとして、「1」、「5」又は「9」のゾロ目を選択する。また、特別図柄の種別が「特図1_非時短図柄」であれば、演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせとして、「2」、「4」、「6」又は「8」のゾロ目を選択する。また、特別図柄の種別が上記のいずれの「大当り図柄」でもなく「ハズレ図柄」であれば、演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせとして、リーチ有りハズレの場合は「787」などのバラケ目、リーチ無しハズレの場合は「635」などのバラケ目を選択する。なお、演出図柄の決定には演出図柄決定用乱数が用いられる。
上記のように本形態では、時短大当たりに当選した場合には奇数の演出図柄を選択し、非時短大当たりに当選した場合には偶数の演出図柄を選択することとしている。奇数の演出図柄を特定演出図柄と称し、偶数の演出図柄を非特定演出図柄と称する。特定演出図柄にて大当たり当選が報知された場合には、遊技者は、大当たり遊技の終了後には高ベース状態に制御されることを認識することができる。
また、時短大当たりの中でも特に時短C大当たりに当選した場合には、「3」又は「7」の演出図柄を選択することとしている。「3」又は「7」の演出図柄を特殊特定演出図柄と称する。特殊特定演出図柄にて大当たり当選が報知された場合には、遊技者は、大当たり遊技の終了後には高確高ベース状態が次の大当たり当選まで続くことを認識することができる。なお、特殊特定演出図柄、特定演出図柄、及び非特定演出図柄としてどんな表示態様の演出図柄を採用するかは適宜変更可能である。
図46に戻り、受信コマンド解析処理(S4301)では演出制御用マイコン91は、ステップS4404に続いて、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4406)。
次に、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S4408)。変動演出終了処理(S4408)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、変動演出を終了させる。これにより、表示画面7aに変動表示(例えば上下に揺れるように表示)されていた演出図柄8L,8C,8Rは、確定的に停止表示されることとなる(揺れることなく止まって表示されることとなる)。
続いて、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば大当たり遊技演出選択処理を行う(S4410)。大当たり遊技演出選択処理(S4410)では、オープニングコマンドを解析して、大当たり遊技時に実行する大当たり遊技演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択した大当たり遊技演出パターンにて大当たり遊技演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。なお本形態では、大当たり遊技演出には、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出と、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出が含まれている。
オープニング演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて大当たり遊技演出を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4412)。エンディング演出選択処理(S4412)では、大当たり遊技のエンディング時に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
エンディング演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにてエンディング演出を行う。
具体的には、非時短大当たりのエンディング演出は、図49(a)に示すように「またね!」の画像を表示画面7aに表示する演出である。これにより、遊技者には非時短状態(すなわち低ベース状態)に制御されることが報知される。また、時短A大当たりのエンディング演出は、図49(b)に示すように「Aモード突入!」の画像を表示画面7aに表示する演出である。これにより、遊技者には時短状態Aに制御されることが報知される。また、時短B大当たりのエンディング演出は、図49(c)に示すように「Bモード突入!」の画像を表示画面7aに表示する演出である。これにより、遊技者には時短状態Bに制御されることが報知される。また、時短C大当たりのエンディング演出は、図49(d)に示すように「Cモード突入!」の画像を表示画面7aに表示する演出である。これにより、遊技者には時短状態Cに制御されることが報知される。すなわち、次回の大当たり当選まで、高確高ベース状態に制御されることが報知される。
図46に戻り、続いて演出制御用マイコン91は、その他の処理(S4413)を行う。その他の処理(S4413)では、上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド、保留球数コマンド等)に基づく処理を行う。そして受信コマンド解析処理を終える。
[モードステータス設定処理]モードステータス設定処理(S4402)では、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信した遊技状態指定コマンドに基づいてモードステータスの値を設定する。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
本形態では図47に示すように、モードステータスは「1」〜「4」までの値をとり、各値は演出モードN、A、B及びCに対して割り当てられている(図中の表参照)。遊技状態指定コマンドの示す遊技状態が非時短状態であれば(S4501でYES)、モードステータスの値を「1」にセットする(S4502)。モードステータス「1」は、演出モードNに対応している。すなわち、演出モードNは、非時短状態(つまりは低ベース状態)に制御されているときに実行される演出モードである。
遊技状態指定コマンドの示す遊技状態が時短状態Aであれば(S4501でNO、S4503でYES)、モードステータスの値を「2」にセットする(S4504)。モードステータス「2」は、演出モードAに対応している。すなわち、演出モードAは、時短状態A(第2転落領域77への通過率(第2通過率)が約100%の時短状態)に制御されているときに実行される演出モードである。
遊技状態指定コマンドの示す遊技状態が時短状態Bであれば(S4501及びS4503でNO、S4505でYES)、モードステータスの値を「3」にセットする(S4506)。モードステータス「3」は、演出モードBに対応している。すなわち、演出モードBは、時短状態B(第2転落領域77への通過率が約50%の時短状態)に制御されているときに実行される演出モードである。
遊技状態指定コマンドの示す遊技状態が時短状態Cであれば(S4501,S4503及びS4505でNO、S4507でYES)、モードステータスの値を「4」にセットする(S4508)。モードステータス「4」は、演出モードCに対応している。すなわち、演出モードCは、時短状態C(第2転落領域77への通過率が約0%の時短状態、つまり大当たり当選まで継続する高確高ベース状態)に制御されているときに実行される演出モードである。
モードステータスの値をセットしたあと演出制御用マイコン91は、セットしたモードステータスの値(つまり設定した演出モード)に応じた背景コマンドを、RAM94の出力バッファにセットして(S4509)、本処理を終える。ステップS4509でセットした背景コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、背景コマンドが示す演出モードに応じた背景画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。つまり、設定された演出モードに応じた演出(モード演出)の実行が開始される。遊技者は表示画面7aに表示された背景画像を確認することで、つまり演出モードがN、A、B又はCのいずれであるかを確認することで、現在の遊技状態を把握することが可能である。
[変動演出開始処理]図48に示すように、変動演出開始処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S5001)。変動開始コマンドには、変動パターンの情報が含まれている。次に演出制御用マイコン91は、現在のモードステータスを参照する(S5002)。
そして、変動演出パターンの選択を行う(S5003)。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、演出モードの種類および変動パターンの種類(図11のP1等)に応じて分類されている複数のテーブルの中から、モードステータスの値および変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、例えばSPリーチの種類の詳細(例えば、弱SPリーチAとして複数あるリーチ演出のうちのどれを行うのか)等まで含めた演出図柄変動演出の詳細が決定される。つまり変動演出パターンが決まれば、演出図柄変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出(SW演出)の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる演出図柄変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
続いて演出制御用マイコン91は、予告演出の選択を行う(S5004)。具体的には、予告演出決定用乱数を取得するとともに、特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
予告演出の例としては、大当たり当選に対する期待度(以下「当選期待度」という)が高いことを示す金色の枠でのセリフ予告、当選期待度が中程度であることを示す緑色の枠でのセリフ予告、当選期待度がこれらよりも低いことを示す青色の枠でのセリフ予告等が挙げられる。つまり、予告演出とは、演出図柄8L,8C,8Rによる最終的な当落報知よりも前に当選期待度を遊技者に対して示す演出である。なお、上記した弱SPリーチAや弱SPリーチB、強SPリーチといった各リーチ演出も、演出図柄8L,8C,8Rによる最終的な当落報知よりも前に当選期待度を遊技者に対して示す演出である。
ステップS5004に続いて演出制御用マイコン91は、ステップS4404で選択した演出図柄、ステップS5003で選択した変動演出パターン、及び、ステップS5004で選択した予告演出にて演出図柄変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットして(S5005)、変動演出開始処理を終了する。ステップS5005でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
7.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、第2始動口21内に可動部材68がある。そして、この可動部材68により、第2始動口21へ入球した遊技球は第2転落用通路76又は第2非転落用通路78へ振り分けられる。そのため、この可動部材68の作動開始タイミング(本形態では補助遊技における開放前インターバルの開始のタイミング)と、第2始動口21を開閉する開閉部材23の開放タイミング(図13参照)とを適宜調整することによって、第2始動口21へ入球した遊技球の第2転落用通路76への通過率(転落用第2始動口センサ21aによって検知される割合)を自在に調整することが可能となっている。つまり、第2転落用通路76上の転落用第2始動口センサ21aによる検知に基づく内部処理(第1処理)の実行確率と、第2非転落用通路78上の非転落用第2始動口センサ21bによる検知に基づく内部処理(第2処理)の実行確率とを、自在に調整することが可能となっている(図12参照)。
特に本形態のパチンコ遊技機1では、第2転落用通路76を通過するか、第2非転落用通路78を通過するかで、実行される抽選内容を変えている。具体的には、第2始動口21へ入球した遊技球が第2転落用通路76を通過した場合には、大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かの抽選の処理(特別遊技抽選処理、図30参照)だけでなく、遊技状態を高確率状態から通常確率状態へ転落させる処理(高確終了処理、図29のステップS1904の処理)が実行される。つまり、上記の第1処理として、特別遊技抽選処理と高確終了処理とが実行される。これに対して、第2非転落用通路78を通過した場合には、上記の第2処理として、高確終了処理は実行されずに、大当たり遊技の実行抽選の処理(特別遊技抽選処理)が実行される。よって、機械的な(構造的な)転落抽選における転落確率を自在に調整することが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、複数種類の高ベース状態(高ベース状態A、高ベース状態B、又は高ベース状態C)、つまりは時短状態(時短状態A、時短状態B、又は時短状態C)のうちのいずれに制御されているかによって、補助遊技における開閉部材23の開放パターンが変わる(図12参照)。そして、開放パターンが変われば、第2始動口21へ入球した遊技球の第2転落用通路76への通過率が変わる。従って、第2転落用通路76への通過率(第1処理の実行確率)が高ベース状態の種類(つまりは時短状態の種類)で変わる新たな遊技性を提供することが可能となっている。すなわち、高ベース状態の種類(つまりは時短状態の種類)に応じて高確率状態から通常確率状態への転落確率が異なる新たな遊技性を提供することが可能となっている。これにより、どの種類の高ベース状態に制御されるかに遊技者の関心を強く持たせることが可能となっており、高ベース状態への制御時の遊技興趣を向上し得る。
特に本形態のパチンコ遊技機1によれば、可動部材68は、補助遊技の開始から所定の作動パターンで作動する(図13(f)参照)。これに対して、第2始動口21を開閉する開閉部材23は、開放前の閉塞時間(開放前インターバルの時間)が互いに異なる複数の開放パターン(図12参照)のうち、制御中の高ベース状態の種類(つまりは時短状態の種類)に応じた開放パターンで作動する。よって、高ベース状態の種類(つまりは時短状態の種類)が異なれば、可動部材68の一定動作に対する開閉部材23の開放タイミングが変わり、可動部材68が第2状態に制御されている期間と、開閉部材23が開状態に制御されている期間とが重複する重複期間の長さが変わる(図13参照)。従って本形態によれば、補助遊技において第2始動口21へ入球した遊技球の第2転落用通路76への通過率を、高ベース状態(つまりは時短状態)ごとに確実に異ならせることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、高ベース状態の種類(つまりは時短状態の種類)が異なっていても(すなわち開閉部材23の開放パターンが異なっていても)、1回の補助遊技における第2始動口21の開放時間は同じである(図12参照)そのため、第2始動口21への入球し易さは同じになっている。従って、高ベース状態への制御契機となった大当たり図柄の種類によって、高ベース状態における第2始動口21への入球率に差が生じるのを防止することが可能である。よって、各高ベース状態における第2始動口21への入球率の設計が煩雑になるのを防止可能である。また、各高ベース状態における第2始動口21への入球率が共通していることによって、どの大当たり図柄で当選しても一定の特典が得られるという安心感を遊技者に対して与えることが可能となっている。なおこの点を考慮しなければ、時短状態における開閉部材23の各開放パターンは、第2始動口21の開放時間が互いに同じ時間に設定されておらず多少異なっていてもよい。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、転落用第2始動口センサ21aや非転落用第2始動口センサ21bの配置位置よりも上流の位置に、第2始動口21への入球数をカウントするための入賞カウント用第2始動口センサ21cを設けている(図4参照)。従って、転落用第2始動口センサ21aや非転落用第2始動口センサ21bが入球数カウント用の遊技球検知手段を兼ねる構成とした場合よりも、第2始動口21へ入球した遊技球を早くに検知することが可能となっており、第2始動口21への入球数を開閉部材23の閉状態への制御に正確に反映させることが可能となっている。従って、1回の補助遊技において予め定めた上限数(本形態では9個)を超えて第2始動口21への入球が生じる(所謂オーバーフローが生じる)のを抑制することが可能となっている。
8.他の実施形態
以下、第1形態以外の実施形態(他の実施形態)について説明する。なお、他の実施形態の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
〈第2形態〉
第2形態のパチンコ遊技機は、第1形態のパチンコ遊技機1とは電チュー22の開放パターン及び可動部材68の作動パターンが異なっている。具体的には、図50に示すように、非時短状態では電チュー開放TBL11が選択され、時短状態Aでは電チュー開放TBL12が選択され、時短状態Bでは電チュー開放TBL13が選択され、時短状態Cでは電チュー開放TBL14が選択される構成となっている。すなわち第2形態では、遊技制御用マイコン81は開放パターン選択処理(S1103,図25)のステップS1122,S1124,S1126,及びS1127において、図50に示す電チュー開放TBLのうち遊技状態に対応するものをセットする。これらの各電チュー開放TBLの開放パターンは、開放前インターバルの時間がいずれも0秒である。
図50及び図51(b)に示すように、電チュー開放TBL11の開放パターン(非時短開放パターン)は、開放時間が0.5秒の開放パターンである。また図50及び図51(c)に示すように、電チュー開放TBL12の開放パターン(第1の時短開放パターン)は、開放時間が2.0秒の開放パターンである。また図50及び図51(d)に示すように、電チュー開放TBL13の開放パターン(第2の時短開放パターン)は、開放時間が3.0秒の開放パターンである。また図50及び図51(e)に示すように、電チュー開放TBL14の開放パターン(第3の時短開放パターン)は、開放時間が4.0秒の開放パターンである。
この第2形態のパチンコ遊技機では、図51(a)及び(f)に示すように、可動部材68を、補助遊技の開始から0.2秒の極めて短い時間にわたって第2状態(図4(B))に制御した後、1.8秒にわたって第1状態(図4(A))に制御する。それから、再び2秒にわたって第2状態に制御して、第1状態に戻す。つまり、このような作動パターンで可動部材68を作動させることとする。
そうすると、電チュー開放TBL11(非時短状態時)や電チュー開放TBL12(時短状態A時)の開放パターンで開閉部材23が開放される場合には、第2始動口21へ入賞した遊技球が分岐部75a(図4参照)に到達したときには可動部材68が概ね第1状態をとっており、ほぼ必ず第2転落領域77へ振り分けられることとなる(図51参照)。言い換えれば、第2非転落領域79を通過する可能性は極めて低い(図50参照)。よってこの場合には、第2始動口21へ入賞した遊技球の非転落用第2始動口センサ21bによる検出率がほぼ0%となる。
これに対して、電チュー開放TBL13(時短状態B時)の開放パターンで開閉部材23が開放される場合には、開放時間のはじめ2秒で入賞した遊技球は概ね第2転落領域77へ振り分けられるが、開放時間の残り1秒で入賞した遊技球は概ね第2非転落領域79へ振り分けられることとなる(図51参照)。言い換えれば、第2非転落領域79への通過容易性はある程度高い(図50参照)。よってこの場合には、右打ちにて遊技球を発射し続けた場合の、第2始動口21へ入賞した遊技球の非転落用第2始動口センサ21bによる検出率が、33%程度となる。
また、電チュー開放TBL14(時短状態C時)の開放パターンで開閉部材23が開放される場合には、開放時間の前半2秒で入賞した遊技球は概ね第2転落領域77へ振り分けられるが、開放時間の後半2秒で入賞した遊技球は概ね第2非転落領域79へ振り分けられることとなる(図51参照)。言い換えれば、第2非転落領域79への通過容易性は非常に高い(図50参照)。よってこの場合には、右打ちにて遊技球を発射し続けた場合の、第2始動口21へ入賞した遊技球の非転落用第2始動口センサ21bによる検出率が、50%程度となる。
以上説明したように第2形態のパチンコ遊技機によれば、大入賞口30の開放契機となる第2始動口21の内部に、当該第2始動口21へ入球した遊技球の行き先を決める可動部材68が設けられている。この可動部材68は、補助遊技の開始から所定の作動パターンで作動する(図51(f)参照)。これに対して、補助遊技において第2始動口21を開閉する開閉部材23は、開放時間が互いに異なる複数の開放パターンのうち(図50参照)、制御中の高ベース状態の種類(つまりは時短状態の種類)に応じた開放パターンで作動する。よって、高ベース状態の種類(つまりは時短状態の種類)が異なれば、可動部材68の一定動作に対する開閉部材23の開放期間の長さが変わり、可動部材68が第2状態に制御されている期間と、開閉部材23が開状態に制御されている期間とが重複する重複期間の長さが変わる(図51参照)。この重複期間が長いほど、第2非転落用通路78へ遊技球を通過させ易くなる。
従って本形態によれば、補助遊技において第2始動口21内の第2非転落用通路78へ遊技球を通過させられるかどうかの可能性の高さを、高ベース状態(つまりは時短状態)ごとに異ならせることが可能である。つまり、時短状態の種類に応じて高確率状態から通常確率状態への転落し易さを異ならせることが可能である。よって、いずれの時短状態に制御されるかに遊技者の関心を集めることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能である。なお本形態によれば、可動部材68を用いることなく電チュー22の形状等によって第2転落用通路76又は第2非転落用通路78への振分率をコントロールする構成と比べて、各通路への振分率を意図通りに実現することが可能である。
また第2形態のパチンコ遊技機によれば、高ベース状態の種類(つまりは時短状態の種類)に対応付けられた複数の開放パターンは互いに開放時間が異なっているため、高ベース状態の種類(つまりは時短状態の種類)の違いによって高ベース状態における第2始動口21への入球し易さに違いをもたせることが可能となっている(図51参照)。従って、より入球し易い種類の高ベース状態に制御された際には遊技者に対して強い高揚感を与えることが可能となっており、高ベース状態における興趣を向上させることが可能である。
また第2形態のパチンコ遊技機によれば、補助遊技の開始とともに開閉部材23が開状態に制御されるため(図51参照)、開状態に制御される前に閉状態に制御される期間(開放前インターバルの期間)を設けた構成と比べて、補助遊技の実行期間を短くすることが可能となっている。そのため、高ベース状態における遊技のスピード感を高めることが可能となっている。但し、この点を考慮しなければ、開放前インターバルの期間を設けてもよい。
なお、第2形態のパチンコ遊技機において、第1形態と同様の構成に基づいて同様の効果が奏されることは当然のことである。
〈第3形態〉
第3形態のパチンコ遊技機も、第1形態や第2形態のパチンコ遊技機とは、電チュー22の開放パターン及び可動部材68の作動パターンが異なっている。この第3形態のパチンコ遊技機は、補助遊技において第2始動口21への入賞個数が所定の作動契機個数(作動入球数)に到達したことに基づいて、可動部材68が一定動作を開始するように構成されている。具体的には、図52に示すように、非時短状態及び時短状態Aでは、作動契機個数を9個に設定し、時短状態Bでは、作動契機個数を3個に設定し、時短状態Cでは、作動契機個数を1個に設定している。なお、各遊技状態における作動契機個数は、非時短状態及び時短状態Aでは8個、時短状態Bでは4個、時短状態Cでは2個に設定するなど、適宜変更可能である。
そして、非時短状態では、図52に示す電チュー開放TBL21が選択され、時短状態A、B、及びCでは、図52に示す電チュー開放TBL22が選択されるように構成されている。すなわち第3形態では、遊技制御用マイコン81は開放パターン選択処理(S1103,図25)のステップS1122において電チュー開放TBL21をセットし、S1124,S1126,及びS1127において電チュー開放TBL22をセットする。これらの各電チュー開放TBLの開放パターンは、開放前インターバルの時間がいずれも0秒である。また図52及び図53(b)に示すように、電チュー開放TBL21の開放パターン(非時短開放パターン)は、開放時間が0.5秒の開放パターンであり、図52及び図53(c)に示すように、電チュー開放TBL22の開放パターン(時短開放パターン)は、開放時間が2.0秒の開放パターンである。
非時短状態や時短状態Aでは、可動部材68の一定動作の開始タイミングを、補助遊技において第2始動口21への入賞個数が9個に至ったときとしている(図52参照)。そのため、非時短状態において電チュー開放TBL21(図53(b)参照)の開放パターンで開閉部材23が開放されても、開放時間が0.5秒と極めて短いため、補助遊技において第2始動口21への入賞個数が、可動部材68の作動契機個数(9個)に至ることはない。
また、時短状態Aにおいて電チュー開放TBL22(図53(c)参照)の開放パターンで開閉部材23が開放されても、2.0秒の開放時間中に第2始動口21への入賞個数が、可動部材68の作動契機個数(9個)に至ることはない。従ってこれらの場合には、可動部材68は第1状態(図4(A))に制御され続け、第2状態(図4(B))に制御されることはない(図53(a)及び(d)参照)。従って、第2始動口21へ入賞した遊技球は、ほぼ必ず第2転落領域77へ振り分けられることとなる。よってこれらの場合には、第2始動口21へ入賞した遊技球の転落用第2始動口センサ21aによる検出率(第2転落領域77への通過率)がほぼ100%となる(図52参照)。
これに対して時短状態Bでは、可動部材68の一定動作の開始タイミングを、補助遊技において第2始動口21への入賞個数が3個に至ったときとしている(図52参照)。そのため、時短状態Bにおいて電チュー開放TBL22(図53(f)参照)の開放パターンで開閉部材23が開放されると、2.0秒の開放時間中に第2始動口21への入賞個数が、可動部材68の作動契機個数(3個)に至る。すると、可動部材68は第1状態から第2状態に切り替わり、以後補助遊技の終了まで第2状態が維持される(図53(e)及び(g)参照)。従って、第2始動口21へ入賞した遊技球は、第2転落領域77と第2非転落領域79とにおよそ均等に振り分けられることとなる。よってこの場合には、第2始動口21に入賞した遊技球の転落用第2始動口センサ21aによる検出率は、50%程度となる(図52参照)。
また時短状態Cでは、可動部材68の一定動作の開始タイミングを、補助遊技において第2始動口21への入賞個数が1個に至ったときとしている(図52参照)。そのため、時短状態Bにおいて電チュー開放TBL22(図53(i)参照)の開放パターンで開閉部材23が開放され、第2始動口21への入賞が1球生じると、可動部材68は第1状態から第2状態に切り替わり、以後補助遊技の終了まで第2状態が維持される(図53(h)及び(j)参照)。従って、第2始動口21へ入賞した遊技球は、ほぼ必ず第2非転落領域79へ振り分けられることとなる。よってこの場合には、第2始動口21へ入賞した遊技球の転落用第2始動口センサ21aによる検出率がほぼ0%となる(図52参照)。
このように構成する場合には、図40に示した可動部材制御処理に変えて、図54に示す可動部材制御処理を行うようにする。なお、この可動部材制御処理は、メイン側タイマ割り込み処理(図15)中の処理として行う。図54に示す可動部材制御処理(S107)では、遊技制御用マイコン81はまず、普通動作ステータスが「4」であるか否かを判定する(S5501)。
普通動作ステータスが「4」でなければ(S5501でNO)、補助遊技の実行中ではないため本処理を終える。一方、普通動作ステータスが「4」であれば(S5501でYES)、補助遊技の実行中であるため、入賞カウント用第2始動口センサ21cによる遊技球の検知があるか否かを判定する(S5502)。入賞カウント用第2始動口センサ21cによる検知がなければ(S5502でNO)本処理を終える。これに対して、入賞カウント用第2始動口センサ21cによる検知があれば(S5502でYES)、可動部材68の作動契機個数をカウントするための作動カウンタの値を1インクリメントする(S5503)。
続いて遊技制御用マイコン81は、遊技状態フラグが「4」であるか否かを判定する(S5504)。遊技状態フラグが「4」であれば(S5504でYES)、時短状態Cであるため(図53参照)、続いて作動カウンタの値が「1」であるか否かを判定する(S5505)。「1」でなければ本処理を終えるが、「1」であれば可動部材作動処理を行う(S5506)。可動部材作動処理では、可動部材68を第1状態(図4(A))から第2状態(図4(B))に変化させる。その後、作動カウンタの値をクリアして(S5507)、本処理を終える。
またステップS5504において遊技状態フラグが「4」でなければ、続いて遊技状態フラグが「3」であるか否かを判定する(S5508)。遊技状態フラグが「3」であれば(S5508でYES)、時短状態Bであるため(図53参照)、続いて作動カウンタの値が「3」であるか否かを判定する(S5509)。「3」でなければ本処理を終えるが、「3」であれば(S5509でYES)、上述の可動部材作動処理を行うとともに(S5506)、作動カウンタの値をクリアして(S5507)、本処理を終える。
またステップS5508において遊技状態フラグが「3」でなければ、時短状態A又は非時短状態であるため(図53参照)、続いて作動カウンタの値が「9」であるか否かを判定する(S5510)。「9」でなければ本処理を終えるが、「9」であれば(S5510でYES)、上述の可動部材作動処理を行うとともに(S5506)、作動カウンタの値をクリアして(S5507)、本処理を終える。
なお、ステップS5506で第1状態から第2状態に制御された可動部材68は、補助遊技の終了に伴って第1状態に戻される。つまり、遊技制御用マイコン81は、普通電動役物処理(ステップS607、図26参照)において閉鎖後インターバル時間が経過したと判定したときには(ステップS1212でYESと判定したときには)、可動部材68が第2状態にあるか否かを判定し、あれば第1状態に戻す。
以上説明した第3形態のパチンコ遊技機によれば、大入賞口30の開放契機となる第2始動口21の内部に、当該第2始動口21へ入球した遊技球の行き先を決める可動部材68が設けられている。補助遊技において第2始動口21への入球数が所定の作動入球数に至ると、可動部材68の第1状態(図4(A)参照)と第2状態(図4(B)参照)とが切り替わる。この作動入球数の値は、高ベース状態の種類(つまりは時短状態の種類)に応じて異なっている(図52参照)。よって、高ベース状態の種類(つまりは時短状態の種類)が異なれば、可動部材68が第2状態に制御されている期間と、開閉部材23が開状態に制御されている期間とが重複する重複期間の長さが変わる(図53参照)。
従って本形態によれば、補助遊技において第2始動口21へ入球した遊技球の第2転落用通路76への通過率を、高ベース状態(つまりは時短状態)ごとに異ならせることが可能である。つまり、時短状態の種類に応じて高確率状態から通常確率状態への転落し易さを異ならせることが可能である。よって、いずれの時短状態に制御されるかに遊技者の関心を集めることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能である。
また第3形態のパチンコ遊技機によれば、入賞カウント用第2始動口センサ21cによって、分岐部75aに設けられた可動部材68よりも上流の位置で第2始動口21への入球検知が行われ、その入球検知に基づいて第2始動口21への入球数がカウントされている。そして、このカウントに基づいて、可動部材68の状態が切り変わり、第2転落用通路76と第2非転落用通路78のいずれに遊技球が進入するかが切り替わる。従って、意図していたよりも多くの遊技球が第2転落用通路76に振り分けられたり、第2非転落用通路78に振り分けられたりするのを防ぐことが可能である。つまり、第2始動口21へ入球した遊技球の第2転落用通路76及び第2非転落用通路78への振分率を、意図した通りの値に確実に調整することが可能となっている。
また第3形態のパチンコ遊技機によれば、高ベース状態の種類(つまりは時短状態の種類)が異なっても、補助遊技における開閉部材23の開放パターンは共通している(図52参照)。よって、各高ベース状態(つまりは時短状態)ごとに異なる開放パターンを設けるよりも、必要なデータ容量を少なくすることが可能であり、開閉部材23の開放制御に伴う処理負担を軽減することが可能である。なおこの点を考慮しなければ、開閉部材23の開放パターンを、時短状態Aでは1.5秒の開放時間とし、時短状態Bでは2.0秒の開放時間とし、時短状態Cでは2.5秒の開放時間とするなど、時短状態の種類に応じて変えてもよい。
また第3形態のパチンコ遊技機によれば、補助遊技の開始とともに開閉部材23が開状態に制御されるため(図53参照)、開状態に制御される前に閉状態に制御される期間(開放前インターバルの期間)を設けた構成と比べて、補助遊技の実行期間を短くすることが可能となっている。そのため、高ベース状態における遊技のスピード感を高めることが可能となっている。但し、この点を考慮しなければ、開放前インターバルの期間を設けてもよい。
また、第3形態のパチンコ遊技機において、第1形態と同様の構成に基づいて同様の効果が奏されることは当然のことである。なお、この第3形態では、補助遊技の実行中に第2始動口21への入賞球数が作動入球数に至ると、可動部材68を第1状態(第2転落領域77に振り分ける状態、図4(A)参照)から第2状態(第2非転落領域79に振り分ける状態、図4(B)参照)に切り替えた。これに対して、可動部材68を第2状態から第1状態に切り替える構成としてもよい。つまり可動部材68の初期状態を第2状態としてもよい。またこの第3形態では、作動入球数を入賞カウント用第2始動口センサ21cによる検知に基づいてカウントする構成としたが、転落用第2始動口センサ21a及び非転落用第2始動口センサ21bによる検知に基づいてカウントする構成としてもよい。
〈第4形態〉
第1形態のパチンコ遊技機1は、図4に示したように電チュー22の内部に入賞カウント用第2始動口センサ21cが配されていた。これに対して、第4形態のパチンコ遊技機では、図55に示すように、電チュー22Aは入賞カウント用第2始動口センサを有していない。第4形態に係る電チュー22Aの他の構成は、第1形態と同様である。
この第4形態では、補助遊技における第2始動口21への入賞球数のカウントや、賞球の払い出しは、転落用第2始動口センサ21a及び非転落用第2始動口センサ21bによる遊技球の検知に基づいて行われる。具体的には、図16に示した入力処理(S102)のステップS121において、転落用第2始動口センサ21a又は非転落用第2始動口センサ21bによる遊技球の検知があれば、ステップS122に進むようにする。なお第4形態では、ステップS121において転落用第2始動口センサ21a又は非転落用第2始動口センサ21bのいずれかがONであれば第2始動口入賞カウンタの値を1加算する処理(ステップS124の処理)を実行し得る遊技制御用マイコン81が、「入球数カウント手段」を構成する。
以上説明した第4形態のパチンコ遊技機によれば、転落用第2始動口センサ21aと非転落用第2始動口センサ21bとが、第2始動口21への入球数のカウントのための遊技球検知手段を兼ねている。よって、転落用第2始動口センサ21a及び非転落用第2始動口センサ21bとは別に遊技球検知手段を設ける場合に比べて、部品点数の増加を防いでコストアップを抑制することが可能となる。
なお、第2始動口から第2転落領域や第2非転落領域までの距離が長い構成(例えば10cmを超える構成)の場合には、第1形態に示したように、入賞カウント用第2始動口センサ21c(図4参照)を設けることが望ましい。
〈第5形態〉
第1形態のパチンコ遊技機1は、転落抽選の結果に基づいて高確率状態から通常確率状態に制御する構成であった。これに対して、第5形態では、転落抽選を行わない遊技機としている。そして、転落用第2始動口センサ21a(図4参照)によって遊技球が検知されるか、非転落用第2始動口センサ21b(図4参照)によって遊技球が検知されるかによって、当選可能な特別図柄の種別が異なるように構成している。なおこの第5形態及び後述する第6形態の説明では、「転落用第2始動口センサ21a」を「左側第2始動口センサ21a」と称し、「非転落用第2始動口センサ21b」を「右側第2始動口センサ21b」と称することとする。また、「第2転落用通路76」を「第1通路76」と称し、「第2非転落用通路78」を「第2通路78」と称することとする。また、第1始動口20内の通路は分岐している必要はなく、第1始動口センサを1つ(例えば20aのみ)備えていればよい。
まず、第5形態のパチンコ遊技機において当選可能な当たりの種類について説明する。図56は、第5形態のパチンコ遊技機に係る当たり種別判定テーブルである。図56に示すように、第5形態では、第1特別図柄(特図1)の抽選にて当選可能な大当たり図柄として、「特図1_図柄A」と「特図1_図柄B」とがある。「特図1_図柄A」は、大当たり遊技後の遊技状態が高確高ベース状態に制御される「確変大当たり」である。この図柄に当選した場合には、高確高ベース状態は次回の大当たり当選まで継続する。「特図1_図柄B」は、大当たり遊技後の遊技状態が低確高ベース状態に制御される「時短大当たり」である。この低確高ベース状態は、特別図柄変動の実行回数が100回に至ると終了する。つまり時短回数(高ベース状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数)は100回である。
また、第2特別図柄(特図2)の抽選にて当選可能な大当たり図柄として、図56に示す各種の図柄がある。図56に示すように本形態では、左側第2始動口センサ21a(図4参照)による遊技球の検知に基づいて実行される特図2の抽選と、右側第2始動口センサ21b(図4参照)による遊技球の検知に基づいて実行される特図2の抽選とで、当選可能な大当たり図柄が異なっている。ここで、左側第2始動口センサ21aによる遊技球の検知に基づいて実行される特図2の抽選を、特図2−1の抽選(第1抽選)といい、右側第2始動口センサ21bによる遊技球の検知に基づいて実行される特図2の抽選を、特図2−2の抽選(第2抽選)ということとする。このように互いに抽選内容の異なる特図2−1の抽選と特図2−2の抽選とを設けることで、疑似的に特別図柄の数を増やしたような効果が発揮される。つまり疑似的に、特図1および特図2に加えて特図3を設けたような効果(抽選バリエーションの増加効果)が発揮される。
具体的には、特図2−1の抽選では、「特図2_図柄C」、「特図2_図柄D」、「特図2_図柄E」、及び「特図2_図柄F」に当選可能である。また、特図2−2の抽選では、「特図2_図柄G」、「特図2_図柄H」、「特図2_図柄I」、及び「特図2_図柄J」に当選可能である。これらの各大当たり図柄は、図示を省略するが、第2特別図柄表示器41bにおける停止表示の態様が異なっている。
各大当たり図柄に当選した場合の大入賞口30の開放パターン及び時短回数は、図56に示す通りである。図56に示すように、大入賞口30の開放パターン及び時短回数は、当選した大当たり図柄の種類に応じて異なっている。ここで、特図2−1の抽選にて大当たりに当選した場合には、ラウンド数は16R、8R、又は6Rのいずれかとなり、大入賞口30の最大開放時間は29秒、25秒、又は20秒のいずれかとなり、時短回数は次回まで(本形態では10000回)、100回、50回、又は0回のいずれかとなる。これに対して、特図2−2の抽選にて大当たりに当選した場合には、ラウンド数は16R又は10Rのいずれかとなり、大入賞口30の最大開放時間は29秒又は10秒のいずれかとなり、時短回数は次回まで(本形態では10000回)又は60回のいずれかとなる。このように、特図2−1の抽選と特図2−2の抽選とでは、当選可能な大当たり図柄の種類が異なっており、そのため、当選により遊技者に付与される特典の量(特典内容)も異なっている。
なお、特図2−1の抽選にて当選可能な「特図2_図柄C」は、大当たり遊技後に高確高ベース状態に制御される「確変大当たり」であり、「特図2_図柄D」及び「特図2_図柄E」は、大当たり遊技後に低確高ベース状態に制御される「時短大当たり(第1時短大当たり及び第2時短大当たり)」であり、「特図2_図柄F」は、大当たり遊技後に後述する低確低ベース状態に制御される「通常大当たり」である。第1時短大当たりは、時短回数が100回にセットされる時短大当たりであり、第2時短大当たりは、時短回数が50回にセットされる時短大当たりである。なお、本形態の「通常大当たり」は本発明の「第1大当たり」の一例である。
また、特図2−2の抽選にて当選可能な「特図2_図柄G」は、大当たり遊技後に高確高ベース状態に制御される「確変大当たり」であり、「特図2_図柄H」、「特図2_図柄I」、及び「特図2_図柄J」は、大当たり遊技後に低確高ベース状態に制御される「時短大当たり(第3時短大当たり)」である。第3時短大当たりは、時短回数が60回にセットされる時短大当たりである。なお、本形態の「第3時短大当たり」は本発明の「第2大当たり」の一例である。
なお、各大当たり図柄の振分率は図56に示す通りである。また、上述したように各大当たり図柄は、固有の停止表示の態様(パターン)をもっているが、「特図2_図柄H」、「特図2_図柄I」、及び「特図2_図柄J」は共に、「第3時短大当たり」としての図柄である。この意味では、これらの図柄を、互いに停止表示の態様が異なる「特図2_時短図柄3」のように表現することもできる。このように表現した場合には、特別図柄の種類は当たりの種類と一致する。
また第5形態では、「第3時短大当たり」に当選した場合には、第1形態で説明した「時短状態C」に制御され、「第2時短大当たり」に当選した場合には、「時短状態B」に制御され、「第1時短大当たり」を含むその他の時短状態への制御契機となる大当たりに当選した場合には、「時短状態A」に制御されるものとする。すなわち本形態にも、複数種類の時短状態がある。言い換えれば複数種類の高ベース状態がある。
次に、この第5形態のパチンコ遊技機における遊技制御用マイコン81の動作について、図57〜図60に基づいて簡単に説明する。第5形態のパチンコ遊技機では、遊技制御用マイコン81は、第1形態における始動口センサ検出処理(図17)に替えて、図57に示す始動口センサ検出処理を行う。
[始動口センサ検出処理]図57に示すように、第5形態に係る始動口センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に関する処理(ステップS6001〜S6004)を行う。この処理は、第1形態におけるステップS201及びS202(図17及び図19参照)の処理と同様である。次に第1始動口20に関する処理(ステップS6005〜S6008)を行う。この処理は、第1形態におけるステップS208〜S211(図17参照)の処理と同様である。続いて、後述する第2始動口処理(S6009)を行う。
[第2始動口処理]図58に示すように第2始動口処理(S6009)ではまず、第2始動口21に遊技球が入賞して第1通路76(図4参照)を通過したか否か、即ち、左側第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S6101)。左側第2始動口センサ21aによる遊技球の検知がなかった場合(S6101でNO)にはステップS6106に進むが、左側第2始動口センサ21aによる検知があった場合には(S6101でYES)、特図2保留球数が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S6102)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S6102でYES)には、ステップS6106に進む。
これに対して、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S6102でNO)、特図2保留球数に1を加算して(S6103)、特図2関係乱数取得処理(S6104)を行う。特図2関係乱数取得処理(S6104)は、第1形態におけるステップS206(図17参照)の処理と同様である。続いて遊技制御用マイコン81は、いま格納した乱数値が左側第2始動口センサ21aによる遊技球の検知に基づくものであることを示すセンサ判別情報(例えば値「1」)を、第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する(S6105)。
ステップS6106では、遊技制御用マイコン81は、第2始動口21に遊技球が入賞して第2通路78(図4参照)を通過したか否か、即ち、右側第2始動口センサ21bによって遊技球が検出されたか否か判定する。右側第2始動口センサ21bによる遊技球の検知がなかった場合(S6106でNO)には本処理を終える。これに対して、右側第2始動口センサ21bによる検知があった場合には(S6106でYES)、ステップS6107〜S6110の処理を行う。ステップS6107〜S6109の処理は、上述したステップS6102〜S6104の処理と同様であるため説明を省略する。ステップS6110では遊技制御用マイコン81は、ステップS6109で格納した乱数値が右側第2始動口センサ21bによる遊技球の検知に基づくものであることを示すセンサ判別情報(例えば値「2」)を、第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
また第5形態のパチンコ遊技機では、遊技制御用マイコン81は、第1形態における特図2大当たり判定処理(S1403)のステップS1506の処理(図30参照)として、図59に示す当たり種別判定処理を行う。
[当たり種別判定処理]図59に示すように、当たり種別判定処理(S1506)ではまず、センサ判別情報(図58のステップS6105又はS6110で取得した情報)を読み出して(S6201)、いま実行している特図2大当たり判定処理が左側第2始動口センサ21aによる検知に基づくものか否かを判定する(S6202)。左側第2始動口センサ21aによる検知に基づくものであれば(S6202でYES)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図56に示す左側第2始動口センサ用の当たり種別判定テーブル(第1判定テーブルともいう)に基づいて当たり種別を判定する(S6203)。この場合、特図2_図柄C〜Fのいずれかに当選する。
これに対して、右側第2始動口センサ21bによる検知に基づくものであれば(S6202でNO)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図56に示す右側第2始動口センサ用の当たり種別判定テーブル(第2判定テーブルともいう)に基づいて当たり種別を判定する(S6204)。この場合、特図2_図柄G〜Jのいずれかに当選する。
また第5形態のパチンコ遊技機では、遊技制御用マイコン81は、第1形態における遊技状態設定処理(図38参照)に替えて、図60に示す遊技状態設定処理を行う。
[遊技状態設定処理]図60に示すように、第5形態に係る遊技状態設定処理(S2215)ではまず、今回当選した大当たりの種類(特別図柄の種類)が、確変大当たり(高確率状態への制御契機となる大当たり、図56参照)であるか否かを判定する(S6301)。ステップS6301において確変大当たりであれば(S6301でYES)、確変フラグをONするとともに(S6302)、確変カウンタに「10000」をセットする(S6303)。
本形態では高確率状態への制御に伴って必ず時短状態且つ高ベース状態にも制御される。そのため、ステップS6303に続いて遊技制御用マイコン81は、時短フラグをONするとともに(S6305)、時短カウンタに「10000」をセットして(S6306)、ステップS6310に進む。
またステップS6301において確変大当たりでない場合には(S6301でNO)、続いて、時短大当たり(図56参照)であるか否かを判定する(S6307)。時短大当たりであれば(S6307でYES)、時短フラグをONするとともに(S6308)、大当たりの種類に応じた時短回数(図56参照)を時短カウンタにセットして(S6309)、ステップS6310に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が非高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、設定した時短回数に及ぶ特別図柄の可変表示が行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
一方、ステップS6307において時短大当たりでなければ、確変フラグも時短フラグもONすることなくステップS6310に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が非高確率状態且つ非時短状態且つ低ベース状態(すなわち低確低ベース状態)になる。
ステップS6310では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態フラグの値を遊技状態に応じた値に設定する。遊技状態フラグの値と遊技状態との関係は、図39中の表に示す通りである。その後、遊技制御用マイコン81は、遊技状態指定コマンドをセットして本処理を終える。
以上説明した第5形態のパチンコ遊技機によれば、第2始動口21へ入球した遊技球が第1通路76を通過するか、第2通路78を通過するかで、当選可能な大当たりの種類が異なってくる。そして、第1通路76の通過時に当選可能な第1大当たり(本形態では通常大当たり)と、第2通路78の通過時に当選可能な第2大当たり(第3時短大当たり)とでは、遊技者が得られる特典量(つまり大当たり遊技における獲得可能な賞球数や大当たり遊技の終了後の遊技状態)が異なっている(図56参照)。従って、第1通路76への通過率を調整することで、特典量が互いに異なる第1大当たり及び第2大当たりへの当選し易さを自在に調整することが可能となる。
なお、第5形態のパチンコ遊技機を次のように変更してもよい。すなわち、特図2の抽選にて当選可能な当たりの種類に小当たりがある構成としてもよい。小当たりに当選した場合には、例えば総開放時間が1.8秒以下となるような短時間にわたって大入賞口30を開放させる小当たり遊技(特別遊技の一例)を実行する。この場合、特図2−1の抽選と特図2−2の抽選とで、当選可能な小当たり図柄(小当たり遊技の実行契機となる特別図柄、特定表示態様の特別図柄の一例)の種類を異ならせる。そして、各小当たり図柄ごとに、小当たり遊技における大入賞口30の開放時間を異ならせる。このように構成すれば、左側第2始動口センサ21aと右側第2始動口センサ21bとのどちらに検知されるかによって、小当たり当選時に遊技者に付与される特典量が異なる遊技機とすることが可能となる。
また、特図2−1の抽選と特図2−2の抽選とで、変動パターンの選択に用いるテーブルを異ならせてもよい。例えば、特図2−1の抽選では、第1形態と同様の図11に示した変動パターン判定テーブルに基づいて変動パターンを決定し、特図2−2の抽選では、これとは異なる特殊変動パターン判定テーブルに基づいて変動パターンを決定するように構成する。特殊変動パターン判定テーブルでは、図11に示したテーブル(「通常変動パターン判定テーブル」とする)では、選択され得ない特殊な変動パターン(例えば、変動時間の長さが異なる変動パターンや演出内容が異なる変動パターン)が選択されるように構成する。このように構成すれば、左側第2始動口センサ21aと右側第2始動口センサ21bとのどちらに検知されるかによって、変動パターンが変わり得るため、遊技興趣を高めることが可能となる。
また第5形態では特図2−1の抽選において4種類の当たりに当選可能であり、特図2−2の抽選において2種類の当たりに当選可能であった(図56参照)。これに対して、特図2−1の抽選において当選可能な当たりの種類が1種類であったり、特図2−2の抽選において当選可能な当たりの種類が1種類であったりしてもよい。また、特図2−1の抽選と特図2−2の抽選とでは、当選可能な大当たりの種類の少なくとも一部が異なっていればよく、全てが異なっている必要はない。特図2−1の抽選にのみ特図2−2の抽選では当選し得ない大当たりがあってもよいし、逆に特図2−2の抽選にのみ特図2−1の抽選では当選し得ない大当たりがあってもよい。
また第5形態において、開閉部材23の開放制御及び可動部材68の作動制御を、上記の第2形態や第3形態のようにしてもよい。また第5形態において、上記の第4形態のように、入賞カウント用第2始動口センサを有しない構成としてもよい。
なお第5形態では、図58のステップS6101〜6105、図30のステップS1403及び図59のステップS6201〜S6203を含む処理、すなわち特図2−1の抽選の処理が第1処理に当たる。また、図58のステップS6106〜6110、図30のステップS1403及び図59のステップS6201,S6202,S6204を含む処理、すなわち特図2−2の抽選の処理が第2処理に当たる。
〈第6形態〉
第6形態のパチンコ遊技機は、第5形態の遊技機をさらに変更したものである。第5形態では、左側第2始動口センサ21aによる遊技球の検知に基づく特図2の抽選(特図2−1の抽選)と、右側第2始動口センサ21bによる遊技球の検知に基づく特図2の抽選(特図2−2の抽選)とで、当選可能な大当たり図柄の種類が異なっていた(図56参照)。
これに対して、第6形態のパチンコ遊技機では、図61に示すように、左側第2始動口センサ21aによる遊技球の検知に基づく特図2の抽選であっても、右側第2始動口センサ21bによる遊技球の検知に基づく特図2の抽選であっても、当選可能な大当たり図柄の種類は同じである。つまり、特図2−1の抽選であっても、特図2−2の抽選であっても、共通の当たり種別判定テーブル(共通判定テーブルともいう)に基づいて、当たり種別が判定される構成となっている。
なお本形態では、共通判定テーブルは、当たり種別乱数値が「0」〜「3」であれば「特図2_図柄C」が選択され、当たり種別乱数値が「4」又は「5」であれば「特図2_図柄D」が選択され、当たり種別乱数値が「6」又は「7」であれば「特図2_図柄E」が選択され、当たり種別乱数値が「8」又は「9」であれば「特図2_図柄F」が選択されるテーブルとなっている(図61の第2始動口の欄参照)。
但し、左側第2始動口センサ21aによって検知された場合と、右側第2始動口センサ21bによって検知された場合とでは、同じ大当たり図柄に当選しても、大当たり遊技における大入賞口30の開放パターンや、高ベース状態(つまりは時短状態)に制御された場合の時短回数が異なっている(図61参照)。このように第2始動口21に入賞した遊技球がどちらのセンサに検知されるかに応じて大入賞口30の開放パターンや時短回数が異なる構成とすることで、特図2の抽選における当選バリエーションを最大2倍に増やすことが可能である。つまり、疑似的に特別図柄の数を増やしたような効果、言い換えれば、特図1および特図2に加えて疑似的に特図3を設けたような効果(抽選バリエーションの増加効果)が発揮される。
各大当たり図柄に当選した場合の大入賞口30の開放パターン及び時短回数は、図61に示す通りである。具体的には、「特図2_図柄C」に当選した場合には、左側第2始動口センサ21aによる検知に基づく当選(特図2−1の抽選に基づく当選)であれば、大入賞口30の開放パターンは「大入賞口開放TBL3」の開放パターンとなり、時短回数は「次回まで(本形態では10000回)」となる。これに対して、右側第2始動口センサ21bによる検知に基づく当選(特図2−2の抽選に基づく当選)であれば、大入賞口30の開放パターンは「大入賞口開放TBL7」の開放パターンとなり、時短回数は「次回まで」となる。なお、大入賞口開放TBL3と7の両開放パターンは共に、ラウンド数が16Rで、大入賞口30の最大開放時間が29秒の開放パターンである。
また、「特図2_図柄D」に当選した場合には、左側第2始動口センサ21aによる検知に基づく当選であれば、大入賞口30の開放パターンは「大入賞口開放TBL4」の開放パターンとなり、時短回数は「100回」となる。これに対して、右側第2始動口センサ21bによる検知に基づく当選であれば、大入賞口30の開放パターンは「大入賞口開放TBL8」の開放パターンとなり、時短回数は「60回」となる。大入賞口開放TBL4の開放パターンは、ラウンド数が16Rで、大入賞口30の最大開放時間が29秒の開放パターンである。これに対して、大入賞口開放TBL8の開放パターンは、ラウンド数が10Rで、大入賞口30の最大開放時間が10秒の開放パターンである。
また、「特図2_図柄E」に当選した場合には、左側第2始動口センサ21aによる検知に基づく当選であれば、大入賞口30の開放パターンは「大入賞口開放TBL5」の開放パターンとなり、時短回数は「50回」となる。これに対して、右側第2始動口センサ21bによる検知に基づく当選であれば、大入賞口30の開放パターンは「大入賞口開放TBL9」の開放パターンとなり、時短回数は「60回」となる。大入賞口開放TBL5の開放パターンは、ラウンド数が8Rで、大入賞口30の最大開放時間が25秒の開放パターンである。これに対して、大入賞口開放TBL9の開放パターンは、ラウンド数が10Rで、大入賞口30の最大開放時間が10秒の開放パターンである。
また、「特図2_図柄F」に当選した場合には、左側第2始動口センサ21aによる検知に基づく当選であれば、大入賞口30の開放パターンは「大入賞口開放TBL6」の開放パターンとなり、時短回数は「0回」となる。これに対して、右側第2始動口センサ21bによる検知に基づく当選であれば、大入賞口30の開放パターンは「大入賞口開放TBL10」の開放パターンとなり、時短回数は「60回」となる。大入賞口開放TBL6の開放パターンは、ラウンド数が6Rで、大入賞口30の最大開放時間が20秒の開放パターンである。これに対して、大入賞口開放TBL10の開放パターンは、ラウンド数が10Rで、大入賞口30の最大開放時間が10秒の開放パターンである。なお、大入賞口開放TBL8、9、及び10の開放パターンは、同じ開放パターンである。
このように本形態では、特図2−1の抽選と特図2−2の抽選とでは、当選可能な大当たり図柄の種類は同じであるものの、当選時に遊技者に付与される特典の量が異なり得る。
なお、特図2−1の抽選においては、「特図2_図柄C」は、大当たり遊技後に高確高ベース状態に制御される「確変大当たり」であり、「特図2_図柄D」及び「特図2_図柄E」は、大当たり遊技後に低確高ベース状態に制御される「時短大当たり(第1時短大当たり及び第2時短大当たり)」であり、「特図2_図柄F」は、大当たり遊技後に後述する低確低ベース状態に制御される「通常大当たり」である。第1時短大当たりは、時短回数が100回にセットされる時短大当たりであり、第2時短大当たりは、時短回数が50回にセットされる時短大当たりである。なお、本形態の「通常大当たり」は本発明の「第1大当たり」の一例である。
これに対して、特図2−2の抽選においては、「特図2_図柄C」は、大当たり遊技後に高確高ベース状態に制御される「確変大当たり」であり、「特図2_図柄D」、「特図2_図柄E」、及び「特図2_図柄F」は、大当たり遊技後に低確高ベース状態に制御される「時短大当たり(第3時短大当たり)」である。第3時短大当たりは、時短回数が60回にセットされる時短大当たりである。なお、本形態の「第3時短大当たり」は本発明の「第2大当たり」の一例である。各大当たり図柄の振分率は図61に示す通りである。
ここで、この第6形態のパチンコ遊技機における遊技制御用マイコン81の動作について、図62〜図65に基づいて簡単に説明する。第6形態のパチンコ遊技機では、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定処理(ステップS1403又はS1410、図30参照)のステップS1507の処理として、図62に示す大当たりフラグ設定処理を行う。
[大当たりフラグ設定処理]大当たりフラグ設定処理(S1507)では、図62に示すように、遊技制御用マイコン81はまず、この処理が特図1大当たり判定処理(S1410)における処理か否かを判定する(S7001)。判定結果がYESであれば、大当たりフラグの値を「1」にセットする(S7002)。大当たりフラグの値が「1」であることは、第1始動口センサによる遊技球の検知に基づいて大当たりに当選したこと(特図1の抽選にて大当たりに当選したこと)を示す。
ステップS7001の判定結果がNOであれば、この大当たりフラグ設定処理は特図2大当たり判定処理(S1403)における処理である。この場合には、センサ判別情報(図58のステップS6105又はS6110で取得した情報)の値を参照して(S7003)、左側第2始動口センサ21aによる遊技球の検知に基づく大当たり当選か否かを判定する(S7004)。判定結果がYESであれば、大当たりフラグの値を「2」にセットする(S7005)。大当たりフラグの値が「2」であることは、左側第2始動口センサ21aによる遊技球の検知に基づいて大当たりに当選したこと(特図2−1の抽選にて大当たりに当選したこと)を示す。
一方、ステップS7004の判定結果がNOであれば、右側第2始動口センサ21bによる遊技球の検知に基づく大当たり当選であるため、大当たりフラグの値を「3」にセットする(S7006)。大当たりフラグの値が「3」であることは、右側第2始動口センサ21bによる遊技球の検知に基づいて大当たりに当選したこと(特図2−2の抽選にて大当たりに当選したこと)を示す。なお、この大当たりフラグ設定処理でセットされた大当たりフラグの値は、大当たり遊技の終了時に「0」にクリアされるものとする。
また第6形態のパチンコ遊技機では、遊技制御用マイコン81は、特別図柄確定処理(ステップS1306、図34参照)のステップS1808の処理として、図63に示す開放パターン設定処理を行う。
[開放パターン設定処理]開放パターン設定処理(S1808)では、図63に示すように遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグの値が「1」であれば(S7101でYES)、つまり特図1の抽選に基づく大当たり当選であれば、当選した大当たり図柄の種類に応じて、大入賞口開放TBL1又は2(図61参照)のうちのいずれかをセットする(S7102)。また、大当たりフラグの値が「2」であれば(S7101でNO、S7103でYES)、つまり特図2−1の抽選に基づく大当たり当選であれば、当選した大当たり図柄の種類に応じて、大入賞口開放TBL3〜6(図61参照)のうちのいずれかをセットする(S7104)。また、大当たりフラグの値が「3」であれば(S7101及びS7103でNO)、つまり特図2−2の抽選に基づく大当たり当選であれば、当選した大当たり図柄の種類に応じて、大入賞口開放TBL7〜10(図61参照)のうちのいずれかをセットする(S7105)。大入賞口開放TBLをセットした後は、セットした大入賞口開放TBLの種類に応じて、大入賞口開放カウンタの値をセットする(S7106)。なお大当たり遊技では、この処理にてセットされた大入賞口開放TBLに従って大入賞口30が開放される。
また第6形態のパチンコ遊技機では、遊技制御用マイコン81は、第5形態における遊技状態設定処理(図60参照)に替えて、図64に示す遊技状態設定処理を行う。図64に示す第6形態に係る遊技状態設定処理は、図60に示した第5形態に係る遊技状態設定処理のステップS6307〜S6309の処理に替えて、ステップS7207の非確変時処理を行うものである。図64に示すステップS7207以外の各処理は、第5形態における対応する各処理と同様である。
[非確変時処理]非確変時処理(S7207)では、図65に示すように遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグの値が「1」であれば(S7301でYES)、今回当選した大当たりの種類は、特図1の抽選にて当選した時短大当たり(図61参照)であるため、時短フラグをONするとともに(S7302)、時短カウンタの値を「100」にセットする(S7303)。
また、大当たりフラグの値が「2」であれば(S7301でNO、S7304でYES)、続いて、今回当選した大当たりの種類が、時短大当たりか否かを判定する(S7305)。時短大当たりであれば(S7305でYES)、特図2−1の抽選にて当選した時短大当たり(第1時短大当たり又は第2時短大当たり、図61参照)であるため、時短フラグをONするとともに(S7306)、当選した大当たり図柄の種類に応じて、時短カウンタの値を「100」(第1時短大当たり当選時)又は「50」(第2時短大当たり当選時)のいずれかにセットする(S7307)。一方、ステップS7305で時短大当たりでなければ、今回当選した大当たりの種類は通常大当たり(図61参照)であるため、時短フラグをONすることなく処理を終える。
また、大当たりフラグの値が「3」であれば(S7301及びS7304でNO)、今回当選した大当たりの種類は、特図2−2の抽選にて当選した時短大当たり(第3時短大当たり、図61参照)であるため、時短フラグをONするとともに(S7308)、時短カウンタの値を「60」にセットする(S7309)。
以上説明した第6形態のパチンコ遊技機によっても、上述した第5形態のパチンコ遊技機と同様の効果を奏し得る。また、この第6形態においても、上述した第5形態と同様の変更を行うことが可能である。但し、第6形態において小当たり当選可能に構成する場合には、左側第2始動口センサ21aによる検知時も右側第2始動口センサ21bによる検知時も当選可能な小当たり図柄を同じにした上で、どちらに検知されたかに応じて小当たり遊技における大入賞口30の開放パターンを変えるようにする。
なお第6形態では、図58のステップS6101〜6105、図30のステップS1403及び図62のステップS7003〜S7005を含む処理が第1処理に当たる。また、図58のステップS6106〜6110、図30のステップS1403及び図62のステップS7003,S7004,S7006を含む処理が第2処理に当たる。
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機と同様の構成については、上記形態と同じ符号を付して説明を省略する。
上記形態では、当選した大当たり図柄の種類に応じて、複数の時短状態のうちいずれの時短状態に移行するかが決定されるように構成した(図8(B)参照)。これに対して、当選した大当たり図柄の種類と、当選時の遊技状態とに基づいて、複数の時短状態のうちいずれの時短状態に移行するかが決まるように構成してもよい。
また、各遊技状態における第2始動入賞装置(電チュー22)内の第2転落用通路76又は第2非転落用通路78への振分率は、任意に変更可能である。
また上記形態では、電チュー22は、開閉部材23が開状態にあるときのみ第2始動口21への入賞が可能となるものであった。しかしながら電チュー22は、開閉部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また上記形態では、特別図柄抽選の契機となる始動口(特図始動口)の内部に可動部材68を設けた。これに対して、特別図柄抽選を経ないで大入賞口を開放させる始動口(役物始動口や役物作動口という)の内部に、電動式の可動部材を設けてもよい。つまり、可動部材を有する始動入賞装置は、特別図柄抽選の契機となる特図始動口を有するものでなくてもよく、特別図柄抽選を経ることなく大入賞口の開放契機となる役物始動口を有するものであってもよい。そしてこの場合には、役物始動口の開放パターンが高ベース状態の種類(時短状態の種類)に応じて変わるように構成するとよい。なお、役物始動口を有する構成とした場合には、役物始動口への入賞を契機に、内部に特定領域を有する大入賞口が開放される小当たり遊技が実行され、小当たり遊技において特定領域へ遊技球が通過した場合には、続けて大当たり遊技が実行されるように構成する。この場合、小当たり遊技と大当たり遊技とからなる一連の遊技が、特別遊技に相当する。
また上記形態では、大入賞口を1つだけ備える遊技機として構成したが、大入賞口を2つ備える構成、つまり第1特別入賞口と第2特別入賞口とを備える構成としてもよい。この場合、1回の特別遊技において、両方の大入賞口を開放させてもよいし(但し同時には開放させない)、いずれか一方の大入賞口だけを開放させてもよい。
また上記形態では、特別図柄の種類に基づいて高確率状態への制御を行う遊技機として構成した。これに対して、大入賞口内に設けられた特定領域(所謂Vゾーン)への通過に基づいて、高確率状態への制御を行う遊技機としてもよい。すなわち、所謂V確機としてもよい。この場合、上記形態の大入賞装置31に加えて又は替えて、大入賞口内に特定領域を有する大入賞装置を設ける。そして、この大入賞装置における特定領域への通過に基づいて高確率状態への制御を行うようにする。
また、上記形態で示した大当たり図柄の種類と、大入賞口30の開放パターン及び時短回数との対応(図8参照)はあくまで一例であり、適宜変更可能である。また、各種大当たりへの振分率(図8参照)は、適宜変更可能である。
また上記形態では、確変カウンタに「10000」をセットしたり、時短カウンタに「10000」をセットしたりすることにより(図38参照)、特別図柄の変動表示の実行回数に基づいて高確率状態が終了したり、時短状態が終了したりすることのないように構成した。しかしながら、このように特別図柄の変動表示の実行回数に基づく遊技状態の移行をしない場合には、確変カウンタや時短カウンタによる図柄変動の実行回数の管理を行わないように構成してもよい。
また上記形態では、左遊技領域3Aを通る流路を第1流路R1とし、右遊技領域3Bを通る流路を第2流路R2として、第1流路R1上に第1始動口20を配し、第2流路R2上に第2始動口21を配した。これに対して、右遊技領域3Bを通る流路を第1流路とし、左遊技領域3Aを通る流路を第2流路として、第1流路上に第1始動口20を配し、第2流路上に第2始動口21を配してもよい。
また上記形態では、第1始動口20や第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、時短C大当たりに当選した場合には、時短回数を10000回に設定するように構成した(図38参照)。これに対して、時短C大当たりに当選した場合であっても、時短回数が100回に設定される構成としてもよい。このように構成すれば、時短C大当たりに当選した場合には、所謂ST回数(高確率状態での特別図柄変動の上限実行回数)が100回のST機として機能させることが可能となる。なお、ST機とは確変の回数切りの遊技機である。但しこのように構成した場合であっても、大当たり遊技後の特別図柄変動の実行回数が100回に至るまでの間に遊技球が転落領域を通過してしまうと、高確率状態は終了して、通常確率状態に制御される。そのため、以後大当たり遊技後の特別図柄変動の実行回数が100回となるまでの間は、低確低ベース状態となる。つまりこのように構成した場合には、ST機のように機能しつつも、ST回数が上限に満たないで高確率状態が終了することもあり得るという斬新な遊技性を提供することが可能となる。
また上記形態では、各時短状態ごとに演出モードを異ならせた(図49参照)。これに対して、時短状態Aと時短状態Bに制御された場合の演出モードを同じに設定してもよい。そうすれば、どちらの時短状態に制御されているかを遊技者が認識できないようにすることが可能となるため、時短状態A(最も特典量の小さい時短状態)に制御された際の遊技意欲の低下を抑えることが可能となる。また、時短状態A〜Cのいずれに制御された場合であっても、同じ演出モードが設定される構成としてもよい。そうすれば、時短状態Aや時短状態Bに制御されたとしても、時短状態Cであることに期待させることが可能となるため、遊技興趣を高めることが可能となる。なお、時短状態Cに制御された場合には、大当たり遊技後の特別図柄変動の実行回数が100回を超えると、時短状態Cであることを報知する特別の演出モード(例えば演出モードSとする)に制御されるようにするとよい。この制御は、演出制御用マイコン91がモードステータスの値に基づいて行うようにすればよい。なお、この構成では、当選した時短大当たりの種類に関わらず、変動演出やオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等の各種演出として同じ演出が実行されるように構成することが望ましい。どの大当たりに当選したのか遊技者にわからないようにするためである。
なお、大当たり遊技の実行が開始されること、又は、予め定めた上限実行回数に及ぶ特別図柄の変動表示の実行が終了することは、高ベース状態(入球容易状態)の終了条件である。
また、当選による特典の量には、特別遊技において獲得可能な賞球の多寡と、特別遊技後の遊技状態の有利さとが含まれる。つまり、当選による特典には、特別遊技における賞球と、特別遊技後の遊技状態とが含まれる。
また、本発明の「所定の開放条件」とは、上記形態では「普通図柄抽選にて当選すること」である。