以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図6は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、ガラス扉4と前面板5とが上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
前面板5には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿6、発射手段を作動させるための発射ハンドル7等が設けられている。
ガラス扉4の裏側には、図2に示す遊技盤11が着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、センターケース14、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース14には、液晶式等の画像表示手段21の他、普通図柄表示手段22、特別図柄表示手段23、普通保留個数表示手段24、特別保留個数表示手段25等が設けられている。画像表示手段21は、演出図柄表示手段26等を構成している。
普通図柄表示手段22は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段22の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段16は、特別図柄表示手段23による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口27a,27bと、下特別始動口27bを開閉する開閉手段28とを備え、例えばセンターケース14の下側に配置されている。
上特別始動口27aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口27bは、開閉手段28により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段28が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段23は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口27a,27bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口27a,27bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には所定の外れ態様で停止するようになっている。
ここで、この特別図柄の変動が特定事象の一例であり、特別図柄の変動回数が、特定事象の生起回数の一例である。なお、各停止図柄態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する大当たり状態中に特別始動口27a,27bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、特別保留個数表示手段25が大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
演出図柄表示手段26は、例えば特別図柄表示手段23による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段21の表示画面21aに変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口27a,27bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
なお本実施形態では、特別図柄が大当たり態様で停止する場合には演出図柄も所定の大当たり態様で停止し、特別図柄が外れ態様で停止する場合には演出図柄も所定の外れ態様で停止するものとする。ここで、演出図柄の停止図柄態様については、例えば大当たり態様は複数(3つ)の図柄が全て同じ図柄で揃った「ぞろ目」の停止図柄態様、外れ態様は複数(3つ)の図柄のうちの少なくとも1つが他と異なる「非ぞろ目」の停止図柄態様となっている。
大入賞手段17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板29を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段23の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて発生する大当たり状態中に、開閉板29が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、31は主制御基板、32は演出制御基板で、これら各制御基板31,32は、遊技盤11に装着されたセンターケース14、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤11を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板31は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段33、普通始動口チェック処理手段34、普通乱数記憶手段35、普通図柄処理手段36、普通利益状態発生手段37、普通図柄表示制御手段38、特別乱数作成処理手段39、特別始動口チェック処理手段40、特別乱数記憶手段41、特別図柄処理手段42、大当たり状態発生手段43、特別図柄表示制御手段44、遊技期間管理手段45、制御コマンド送信手段46等を備えている。
普通乱数作成処理手段33は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段34は、普通図柄始動手段15による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段33で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段35に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段36は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、当たり判定手段36a、普通停止図柄選択手段36b、変動時間選択手段36c等を備えている。当たり判定手段36aは、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否かの判定を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段35に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段35に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うように構成されている。
普通停止図柄選択手段36bは、普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するものである。本実施形態では、当たり態様と外れ態様に対応するのは各1種類の図柄のみであるため、当たり判定機能による当たり/外れの判定結果に基づいて、当たり判定の場合には「○」が、外れ判定の場合には「×」が画一的に選択される。変動時間選択手段36cは、普通図柄の変動時間を選択するものである。
また本実施形態では、普通図柄の当たり確率として、通常確率(例えば1/10)と、それよりも高い高確率(例えば1/1.3)との2種類が設けられており、後述する時短遊技状態中は高確率に設定され(普図確変状態)、それ以外は通常確率に設定されるようになっている。なお、普図確変状態中か否か、即ち普通図柄の当たり確率を高確率とするか通常確率とするかについては、例えば普図確変フラグの値が5AH(普図確変状態中)であるか00Hであるかによって判断される。
更に本実施形態では、普通図柄の変動時間として、通常変動時間(例えば27秒)と、それよりも短い短縮変動時間(例えば2.7秒)との2種類が設けられており、後述する時短遊技状態中は短縮変動時間に設定され(普図時短状態)、それ以外は通常変動時間に設定されるようになっている。なお、普図時短状態中か否か、即ち普通図柄の変動時間を短縮変動時間とするか通常変動時間とするかについては、例えば普図時短フラグの値が5AH(普図時短状態中)であるか00Hであるかによって判断される。
普通利益状態発生手段37は、当たり判定手段36aによる判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、特別図柄始動手段16を構成する下特別始動口27bの開閉手段28を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。本実施形態では、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、後述する時短遊技状態中は特別開閉パターンに設定され(開放延長状態)、それ以外は通常開閉パターンに設定されるようになっている。なお、開放延長状態中か否か、即ち特別図柄始動手段16の開閉パターンを特別開閉パターンとするか通常開閉パターンとするかについては、例えば開放延長フラグの値が5AH(開放延長状態中)であるか00Hであるかによって判断される。
普通図柄表示制御手段38は、普通図柄処理手段36による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段22の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段35に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段22による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段36cで選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段36bで選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
特別乱数作成処理手段39は、大当たり/外れの判定に用いる大当たり判定乱数の他、大当たり判定の場合の停止図柄態様の選択に用いる大当たり図柄乱数、外れ判定の場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段40は、特別図柄始動手段16への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち特別始動口27a,27bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段39で作成された大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として特別乱数記憶手段41に記憶させるように構成されている。
特別図柄処理手段42は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、大当たり判定手段42a、特別停止図柄選択手段42b、変動パターン選択手段42c等を備えている。大当たり判定手段42aは、乱数抽選により大当たり/外れの判定を行うもので、特別図柄表示手段23が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段41に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段41に最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行うように構成されている。
また本実施形態では、特別図柄の大当たり確率として、通常確率(例えば1/350)と、それよりも高い高確率(例えば1/35)との2種類が設けられており、後述する確変遊技状態中は高確率に設定され、それ以外は通常確率に設定されるようになっている。なお、確変遊技状態中か否か、即ち特別図柄の大当たり確率を高確率とするか通常確率とするかについては、例えば特図確変フラグの値が5AH(確変遊技状態中)であるか00Hであるかによって判断される。
特別停止図柄選択手段42bは、特別図柄の変動後の停止図柄態様を選択するもので、例えば大当たり判定手段42aによる判定結果が大当たりであった場合には、特別乱数記憶手段41に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値に基づいて複数種類の大当たり態様の何れかを選択し、大当たり判定手段42aによる判定結果が外れであった場合には、外れ図柄乱数等に基づいて例えば1又は複数種類の外れ態様の何れかを選択するように構成されている。
変動パターン選択手段42cは、演出図柄の変動パターンを選択するもので、所定の変動パターン選択テーブルに基づいて抽選により変動パターンを選択するようになっている。本実施形態では、変動パターン選択テーブルとして、図4(a)に示す変動パターン選択テーブル1と、図4(b)に示す変動パターン選択テーブル2との2種類が設けられており、後述する特定テーブル選択期間中は変動パターン選択テーブル1が、それ以外は変動パターン選択テーブル2が使用されるようになっている。なお、変動パターン選択手段42cは、例えばテーブル参照先データ1に設定された参照先にある変動パターン選択テーブルを使用するように構成されており、テーブル参照先データ1には、特定テーブル選択期間中は変動パターン選択テーブル1の格納位置Xが設定され、特定テーブル選択期間の終了時に変動パターン選択テーブル2の格納位置Yに変更されるようになっている。
大当たり状態発生手段43は、大当たり判定手段42aによる大当たり/外れの判定結果が大当たりとなり、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて大当たり状態を発生させるためのものである。大当たり状態中は、大入賞手段17の開閉板29が所定の開放パターンに従って前側に開放され、遊技球が容易に入賞可能な状態となる。
特別図柄表示制御手段44は、特別図柄表示手段23の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段42による特別図柄処理に基づいて、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動を開始させると共に、変動パターン選択手段42cで選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、特別停止図柄選択手段42bで選択された停止図柄態様で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
遊技期間管理手段45は、特別図柄の変動回数(特定事象の生起回数)によって継続期間が規定される複数種類の遊技期間の開始及び終了を制御するもので、本実施形態では、特定テーブル選択期間、時短遊技状態、確変遊技状態の3種類の遊技期間を管理するように構成されている。これら3種類の遊技期間は、例えば大当たり状態の終了時に同時に開始され、その後の特別図柄の変動回数が、各遊技期間毎に設定された上限回数に達した時点で個別に終了するようになっており、それら遊技期間の終了時には、夫々個別の遊技期間終了時処理が実行されるようになっている。なお、これらの遊技期間は、次の大当たり状態が発生した場合には、特別図柄の変動回数が上限回数に達する前であってもその時点で終了するようになっている。
3種類の遊技期間のうちの特定テーブル選択期間中は、変動パターン選択手段42cによる変動パターンの選択に用いる変動パターン選択テーブルとして変動パターン選択テーブル1(図4(a))が用いられ、この特定テーブル選択期間終了後は変動パターン選択テーブル2(図4(b))に切り換えられるようになっている。
本実施形態では、RAM上にテーブル参照先データ1の記憶領域が設けられており(図5)、変動パターン選択手段42cは、そのテーブル参照先データ1に設定された参照先にある変動パターン選択テーブルを使用するように構成されている。従って、テーブル参照先データ1には、大当たり状態の終了時(特定テーブル選択期間の開始時)に変動パターン選択テーブル1の格納位置Xがセットされ、特定テーブル選択期間の終了時に実行される遊技期間終了時処理によって変動パターン選択テーブル2の格納位置Yに変更されるようになっている。なお、RAM上にはテーブル参照先データ1の他にテーブル参照先データ2の記憶領域が設けられており(図5)、特定テーブル選択期間の終了時にテーブル参照先データ1に格納される変動パターン選択テーブル2の格納位置Yは、例えばこのテーブル参照先データ2に格納されるようになっている
また本実施形態では、特定テーブル選択期間の上限回数が50回に設定されている。この上限回数の値は、大当たり状態の終了時(特定テーブル選択期間の開始時)に、RAM上の変動回数カウンタ1に格納されるようになっている(図5)。
また、3種類の遊技期間のうちの時短遊技状態中は、下特別始動口27bの開閉手段28の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)よりも開放時間及び/又は開放回数が大となる特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)に設定される開放延長状態の他、例えば特別図柄に関して特別図柄表示手段23の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に設定される特図時短状態、普通図柄に関して当たり確率が通常確率(例えば1/10)より高い高確率(例えば1/1.3)に設定される普図確変状態、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)よりも短い短縮変動時間(例えば2.7秒)に設定される普図時短状態が発生するようになっている。
本実施形態では、RAM上に普図確変フラグ、普図時短フラグ、開放延長フラグ、特図時短フラグの記憶領域が設けられており(図5)、それら各フラグには、普図確変状態、普図時短状態、開放延長状態、特図時短状態の発生中は5AHが、それ以外は00Hが夫々セットされるようになっている。従って、普図確変フラグ、普図時短フラグ、開放延長フラグ、特図時短フラグには、大当たり状態の終了時(時短遊技状態の開始時)に夫々5AHがセットされ、時短遊技状態の終了時に実行される遊技期間終了時処理によって夫々00Hに変更されるようになっている。
また本実施形態では、時短遊技状態の上限回数が50回に設定されている。この上限回数の値は、大当たり状態の終了時(時短遊技状態の開始時)に、RAM上の変動回数カウンタ2に格納されるようになっている(図5)。
また、3種類の遊技期間のうちの確変遊技状態中は、大当たりとなる確率が通常確率
(例えば1/350)より高い高確率(例えば1/35)に設定されるようになっている。本実施形態では、RAM上に特図確変フラグの記憶領域が設けられており(図5)、この特図確変フラグには、確変遊技状態中は5AHが、それ以外は00Hがセットされるようになっている。従って、特図確変フラグには、大当たり状態の終了時(確変遊技状態の開始時)に5AHがセットされ、確変遊技状態の終了時に実行される遊技期間終了時処理によって00Hに変更されるようになっている。
また本実施形態では、確変遊技状態の上限回数が100回に設定されている。この上限回数の値は、大当たり状態の終了時(確変遊技状態の開始時)に、RAM上の変動回数カウンタ3に格納されるようになっている(図5)。
このように、RAM上には、普図確変フラグ、普図時短フラグ、開放延長フラグ、特図時短フラグ、特図確変フラグ、変動回数カウンタ1〜3、テーブル参照先データ1,2
(以下、特別遊技情報という)に対応する特別遊技情報記憶領域Bが設けられており(図5)、大当たり状態の終了時(各遊技期間の開始時)に所定の値が設定されるようになっている。なお本実施形態では、図5に示すように、RAM上にそれら特別遊技情報記憶領域Bとは別のバッファ記憶領域Aを設け、例えば特別図柄の変動開始時に、各特別遊技情報の値を夫々バッファ記憶領域Aに格納しておき、その後に大当たり状態が終了した時点で、バッファ記憶領域Aの値を特別遊技情報記憶領域Bに転送するようになっている。
また、遊技期間管理手段45は、例えば特別図柄の外れ態様となる変動停止時に、ROM上のデータテーブルを用いて図6に示す遊技期間管理処理を実行するようになっている。このROM上のデータテーブルには、図5に示すように、管理対象となる遊技期間の種類数が「ループ回数」として設定されると共に、それら複数種類の遊技期間毎に、その遊技期間の「指定データ」と「設定データ」とで構成されるデータグループが設定されている。本実施形態のデータテーブルでは、ループ回数が3に設定され、またその3種類の遊技期間、即ち特定テーブル選択期間、時短遊技状態、確変遊技状態に対応する3組のデータグループ1〜3が設定されている。
「指定データ」は、大当たり状態の終了時に各遊技期間の上限回数が設定される変動回数カウンタを指定するもので、データグループ1〜3の各指定データには夫々変動回数カウンタ1〜3のアドレスが設定されている。また、「設定データ」は、各遊技期間の終了時に実行される遊技期間終了時処理の内容を規定するもので、例えば特定テーブル選択期間に対応するデータグループ1の指定データには、テーブル参照先データ1にテーブル参照先データ2の値をセットする旨が設定され、時短遊技状態に対応するデータグループ2の指定データには、普図確変フラグ、普図時短フラグ、開放延長フラグ、特図時短フラグに夫々00Hをセットする旨が設定され、確変遊技状態に対応するデータグループ3の指定データには、特図確変フラグに00Hをセットする旨が設定されている。
続いて、特別図柄の外れ態様となる変動停止時に実行される遊技期間管理処理(図6)の手順を説明する。この遊技期間管理処理では、まずデータテーブルからループ回数の値(ここでは3)を取得し(S1)、続いてデータテーブルの参照先を最初のデータグループ(ここではデータグループ1)の記憶領域に変更する(S2)。
そして、以下の遊技期間別処理(S3〜S7)を、ループ回数の値を1ずつ減算しつつ(S8)、またデータテーブルの参照先を次のデータテーブルに変更しつつ(S10)、ループ回数の値が0になるまで、即ち例えば3つのデータグループ1〜3について繰り返す。
遊技期間別処理(S3〜S7)では、まず参照先のデータグループから指定データ、即ち変動回数カウンタのアドレスを取得し、そのアドレスから変動回数カウンタの値を取得する(S3)と共に、その変動回数カウンタの値が0であるか否かを判定する(S4)。例えば、データグループ1を参照する1回目の遊技期間別処理であれば、変動回数カウンタ1の値を取得し、その値が0であるか否かを判定する。そして、このS4において変動回数カウンタの値が0でないと判定された場合、即ち当該遊技期間開始後における特別図柄の変動回数(特定事象の生起回数)が上限回数に達していない場合には(S4:No)、変動回数カウンタの値を1減算してその減算後の値に更新し(S5)、その減算後の変動回数カウンタの値が0であること、即ち当該遊技期間開始後における特別図柄の変動回数(特定事象の生起回数)が上限回数に達したことを条件に(S6:Yes)、参照先のデータグループから取得した設定データに基づいて遊技期間終了時処理を実行し(S7)、そのデータグループに係る遊技期間を終了させる。
図5に示す設定の場合、データグループ1を参照する1回目の遊技期間別処理では、初期値として50が設定される変動回数カウンタ1の値が0になった時点で、テーブル参照先データ2に格納されている変動パターン選択テーブル2の格納位置Yを、テーブル参照先データ1に格納する遊技期間終了時処理が実行され、特定テーブル選択期間が終了する。また、データグループ2を参照する2回目の遊技期間別処理では、初期値として50が設定される変動回数カウンタ2の値が0になった時点で、普図確変フラグ、普図時短フラグ、開放延長フラグ、特図時短フラグの値を00Hに変更する遊技期間終了時処理が実行され、時短遊技状態が終了する。また、データグループ3を参照する3回目の遊技期間別処理では、初期値として100が設定される変動回数カウンタ3の値が0になった時点で、特図確変フラグの値を00Hに変更する遊技期間終了時処理が実行され、確変遊技状態が終了する。
遊技期間が終了すると、次回以降の遊技期間管理処理では、その終了した遊技期間についての遊技期間別処理のS4において変動回数カウンタの値が0であると判定されるため、S5〜S7の処理は実行されない。なお、各遊技期間の継続中に次の大当たり状態が発生した場合には、各遊技期間はその時点で終了するようになっている。
遊技期間管理手段45は以上のように構成されているため、例えば新たな遊技期間の追加又は削除を行う場合には、データテーブルのループ回数をその追加後又は削除後の値に変更すると共に、データグループの追加又は削除を行うだけでよく、遊技期間管理処理等のプログラムについては何ら変更する必要がなく、データ容量の増加も最小限に抑えることが可能である。
制御コマンド送信手段46は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板32等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、例えば特別図柄の変動時には、特別図柄処理手段42による特別図柄処理に基づいて、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、演出図柄の停止図柄の抽選を指示する停止図柄コマンド、演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンド等を演出制御基板32側に送信し、また時短遊技状態や確変遊技状態の終了時には、それらの遊技期間の終了を指定する状態指定コマンドを演出制御基板32側に送信する等、各サブ制御基板に対して種々のタイミングで制御コマンドを送信するようになっている。
演出制御基板32は、演出図柄表示手段26、音声出力手段51、電飾手段52等の各種演出手段を制御するためのもので、演出図柄制御手段53等を備えている。演出図柄制御手段53は、演出図柄表示手段26の表示制御及びそれに伴う音声出力手段51、電飾手段52等の制御を行うもので、主制御基板31側から変動パターンコマンド及び停止図柄コマンドを受信した場合に、その変動パターンコマンドに対応する変動パターンに基づいて画像表示手段21の表示画面21a上で演出図柄の変動を開始させると共に変動後の停止図柄態様を抽選により決定し、その後に変動停止コマンドを受信したときに、抽選により決定した停止図柄態様で演出図柄の変動を停止させ、またその演出図柄の変動表示に合わせて音声出力手段51から所定の効果音を出力し、電飾手段52を所定のパターンで発光させ、また主制御基板31側から状態指定コマンドを受信した場合には、その遊技状態に合わせて音声出力手段51から所定の効果音を出力し、電飾手段52を所定のパターンで発光させるようになっている。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、少なくとも各遊技期間の開始後、特別図柄の変動が停止する毎に、例えばROM上のデータテーブルに基づいて遊技期間管理処理(図6)を実行するように構成されており、データテーブル(図5)には、複数種類の遊技期間毎に、RAM上の変動回数カウンタのアドレスを指定する指定データと遊技期間終了時処理に関する設定データとで構成されるデータグループが格納されており、遊技期間毎の変動回数カウンタには、その遊技期間における上限回数が大当たり状態終了時の値として設定されるようになっており、遊技期間管理処理(図6)は、遊技期間別処理(S3〜S7)を、各遊技期間について繰り返し実行するように構成され、遊技期間別処理(S3〜S7)は、その遊技期間に対応する変動回数カウンタから1減算し(S5)、その減算後の値が0であることを条件に(S6:Yes)、データグループの設定データに基づいて遊技期間終了時処理を実行する(S7)ように構成されているため、例えば新たな遊技期間に関する遊技処理を追加する場合であっても、データテーブルに新たな遊技期間に関するデータグループを追加する等の変更を行うだけでプログラムについては何ら変更する必要がなく、データ容量の増加も最小限に抑えることが可能である。
なお実施形態の場合、遊技期間管理処理における遊技期間別処理(S3〜S7)はデータテーブルに設定されたループ回数分しか実行されないため、データグループの設定はそのままで、ループ回数の設定値のみを増減することで遊技期間に関する設定を変更することが可能である。例えば、実施形態の場合にループ回数の設定値を2に変更すれば、確変遊技状態について上限回数の設定が解除され、常に次回大当たり状態発生まで継続する設定となる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、各遊技期間に対応する変動回数カウンタにその遊技期間における上限回数を初期値として設定し、カウントダウン方式で特別図柄の変動回数(特定事象の生起回数)が上限回数に達したか否かを判定するように構成したが、特定事象の生起回数が上限回数に達したか否かの判定方法は任意であり、例えばカウントアップ方式を採用してもよい。カウントアップ方式を採用する場合、指定データには、例えばカウンタのアドレス情報の他、上限回数を直接設定してもよいし、上限回数が設定されている記憶領域のアドレスを設定してもよい。このように、特定事象の生起回数が上限回数に達したか否かの判定方法に拘わらず、指定データにはその遊技期間の上限回数を直接的又は間接的に指定する情報を設定すればよい。
実施形態では、データテーブルに遊技期間の種類数をループ回数として予め設定し、そのループ回数に基づいて遊技期間別処理の繰り返し数を管理するように構成したが、例えばループ回数を予め設定しなくても、他の方法で最終のデータグループを認識できるようにしておけば、その最終のデータグループの処理が終了するまで遊技期間別処理を繰り返し実行することで同様の管理が可能である。
特定事象は任意であり、普通図柄の変動回数、特定の変動パターンの出現等、どのようなものでもよい。また、遊技期間についても、他の遊技期間と同時に開始され、他の遊技期間と同じ特定事象の生起回数によって継続期間が規定されるものであればよい。
また、実施形態では本発明をパチンコ機に適用した例を示したが、パチンコ機以外の弾球遊技機、スロットマシン等の各種遊技機に対して広く適用可能である。