以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図10は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、ガラス扉4と前面板5とが上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
前面板5には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿6、発射手段を作動させるための発射ハンドル7等が設けられている。
ガラス扉4の裏側には、図2に示す遊技盤11が着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、センターケース14、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース14には、液晶式等の画像表示手段21の他、普通図柄表示手段22、特別図柄表示手段23、普通保留個数表示手段24、特別保留個数表示手段25等が設けられている。画像表示手段21は、演出図柄表示手段26等を構成している。
普通図柄表示手段22は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段22の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段16は、特別図柄表示手段23による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口27a,27bと、下特別始動口27bを開閉する開閉手段28とを備え、例えばセンターケース14の下側に配置されている。
上特別始動口27aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口27bは、開閉手段28により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段28が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段23は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口27a,27bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口27a,27bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の第1大当たり態様又は第2大当たり態様で、小当たり判定値と一致する場合には所定の小当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
特別図柄には、例えば第1〜第4大当たり態様、小当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別始動口27a,27bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、特別保留個数表示手段25が大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
演出図柄表示手段(図柄表示手段)26は、例えば特別図柄表示手段23による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段21の表示画面21aに変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口27a,27bの何れかに遊技球が入賞すること(所定の図柄変動開始条件の成立の一例)を条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
なお本実施形態では、特別図柄が第1〜第4大当たり態様、小当たり態様、外れ態様で停止する場合には、演出図柄もそれに対応して第1〜第4大当たり態様、小当たり態様、外れ態様で停止するものとする(図5参照)。ここで、演出図柄の停止図柄態様については、例えば第1大当たり態様及び小当たり態様は、複数(3つ)の図柄のうちの少なくとも1つが他と異なる「非ぞろ目」の停止図柄態様のうちで予め定められた1又は複数、第2〜第4大当たり態様は複数(3つ)の図柄が全て同じ図柄で揃った「ぞろ目」の停止図柄態様、外れ態様は「非ぞろ目」の停止図柄態様のうち、第1大当たり態様及び小当たり態様以外の停止図柄態様で構成されているものとする。
大入賞手段17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板29を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段23の変動後の特別図柄が特定態様、即ち第1〜第4大当たり態様又は小当たり態様となることに基づいて特別利益状態、即ち大当たり状態又は小当たり状態が発生したときに、開閉板29が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
本実施形態では、図5に示すように、特別利益状態における大入賞手段17の開放パターンとしてA,Bの2種類が設けられており、特別図柄表示手段23及び演出図柄表示手段26の変動後の停止図柄が第2〜第4大当たり態様となった場合には開放パターンAに従って大入賞手段17が開放され、第1大当たり態様又は小当たり態様となった場合には開放パターンBに従って大入賞手段17が開放されるようになっている。
開放パターンAは、大入賞手段17を、開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を15ラウンド行うように設定されている。一方の開放パターンBは、大入賞手段17を0.2秒開放する動作を2ラウンド行うように設定されている。この開放パターンBは、1回の開放時間が0.2秒と僅かでしかも繰り返しラウンド数も2ラウンドと少ないため、その開放中に遊技球が入賞する可能性は極めて小さい。
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、31は主制御基板、32は演出制御基板で、これら各制御基板31,32は、遊技盤11に装着されたセンターケース14、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤11を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板31は、主に遊技盤11側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段33、普通始動口チェック処理手段34、普通乱数記憶手段35、普通図柄処理手段36、普通利益状態発生手段37、普通図柄表示制御手段38、特別乱数作成処理手段39、特別始動口チェック処理手段40、特別乱数記憶手段41、特別図柄処理手段42、特別利益状態発生手段43、特別図柄表示制御手段44、特別遊技状態発生手段45、制御コマンド送信手段46等を備えている。
普通乱数作成処理手段33は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段34は、普通図柄始動手段15による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段33で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段35に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段36は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、当たり判定手段36a、普通停止図柄選択手段36b、変動時間選択手段36c等を備えている。当たり判定手段36aは、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否かの判定を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段35に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段35に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うように構成されている。
普通停止図柄選択手段36bは、普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するものである。本実施形態では、当たり態様と外れ態様に対応するのは各1種類の図柄のみであるため、当たり判定機能による当たり/外れの判定結果に基づいて、当たり判定の場合には「○」が、外れ判定の場合には「×」が画一的に選択される。変動時間選択手段36cは、普通図柄の変動時間を選択するものである。
なお本実施形態では、当たり判定に用いる当たり判定値の数を、後述する開放延長状態中とそれ以外とで異ならせることにより、図4に示すように、開放延長状態中の当たり確率(例えば1/1.3)がそれ以外のときの当たり確率(例えば1/10)よりも高く設定されている。
普通利益状態発生手段37は、当たり判定手段36aによる判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、特別図柄始動手段16を構成する下特別始動口27bの開閉手段28を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。本実施形態では、図4に示すように、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、開放延長状態中以外は通常開閉パターンが、開放延長状態中は特別開閉パターンが選択されるようになっている。
普通図柄表示制御手段38は、普通図柄処理手段36による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段22の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段35に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段22による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段36cで選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段36bで選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
特別乱数作成処理手段39は、大当たり/小当たり/外れの判定に用いる大当たり判定乱数の他、大当たり判定の場合の停止図柄態様の選択に用いる大当たり図柄乱数、外れ判定の場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段40は、特別図柄始動手段16への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち特別始動口27a,27bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段39で作成された大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として特別乱数記憶手段41に記憶させるように構成されている。
特別図柄処理手段42は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、大当たり判定手段42a、特別停止図柄選択手段42b、変動パターン選択手段42c、変動パターン選択テーブル設定手段42d等を備えている。大当たり判定手段42aは、乱数抽選により大当たり、小当たり、外れの判定を行うもので、特別図柄表示手段23が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段41に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段41に最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値又は小当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/小当たり/外れの判定を行うように構成されている。
特別停止図柄選択手段42bは、特別図柄の変動後の停止図柄態様を選択するもので、図5に示すように、例えば大当たり判定手段42aによる判定結果が大当たりであった場合には、特別乱数記憶手段41に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値に基づいて第1〜第4大当たり態様の何れかを選択し、大当たり判定手段42aによる判定結果が小当たりであった場合には例えば1又は複数種類の小当たり態様の何れかを抽選等により選択し、大当たり判定手段42aによる判定結果が外れであった場合には例えば1又は複数種類の外れ態様の何れかを抽選等により選択するように構成されている。なお、以下の説明では、第1〜第4大当たり態様が選択された場合の大当たりの種類を夫々第1〜第4大当たりとして区別するものとする。
変動パターン選択手段42cは、演出図柄の変動パターンを選択するもので、後述するTcodeで指定される変動パターン選択テーブルを用いて、抽選により変動パターンを選択するようになっている。また、変動パターン選択テーブル設定手段42dは、変動パターン選択手段42cによる変動パターンの選択に用いる変動パターン選択テーブルの識別番号(Tcode)を設定するもので、予め定められた変更ルールに基づいて、変動パターンの選択に用いる変動パターン選択テーブルの識別番号(Tcode)を、例えば特別利益状態(大当たり状態及び小当たり状態)の終了時点(所定時点の一例)を含めてそれ以降、任意期間経過毎に1又は複数回変更するように構成されている。なお、これら変動パターン選択手段42c、変動パターン選択テーブル設定手段42dの詳細については後述する。
特別利益状態発生手段43は、特別利益状態を発生させるためのもので、大当たり状態発生手段43aと小当たり状態発生手段43bとを備えている。大当たり状態発生手段43aは、大当たり判定手段42aによる大当たり/小当たり/外れの判定結果が大当たりとなり、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動後の停止図柄が第1〜第4大当たり態様となることに基づいて大当たり状態を発生させるためのものである。本実施形態では、図5に示すように、大当たり状態における大入賞手段17の開放パターンとしてA,Bの2種類が設けられており、第1大当たりの場合には開放パターンBが、第2〜第4大当たりの場合には開放パターンAが夫々選択されるようになっている。
小当たり状態発生手段43bは、大当たり判定手段42aによる大当たり/小当たり/外れの判定結果が小当たりとなり、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動後の停止図柄が小当たり態様となることに基づいて小当たり状態を発生させるためのものである。小当たり状態における大入賞手段17の開放パターンは例えば1種類で、図5に示すように、第1大当たりの場合と同様、大入賞手段17を0.2秒開放する動作を2ラウンド行う開放パターンBが設定されている。
特別図柄表示制御手段44は、特別図柄表示手段23の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段42による特別図柄処理に基づいて、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動を開始させると共に、変動パターン選択手段42cで選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、特別停止図柄選択手段42bで選択された停止図柄態様で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段45は、特別利益状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば大当たりの種類に応じて、確変状態、開放延長状態を個別に発生させるようになっている。
確変状態中は、大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、大当たりとなる確率が低確率(例えば1/350)から高確率(例えば1/35)に切り換えられるようになっている。この確変状態は、大当たり状態発生後、例えば次の大当たり状態が発生するまで継続される。
また、開放延長状態中は、下特別始動口27bの開閉手段28の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)からそれよりも開放時間及び/又は開放回数が大となる特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ切り換えられる他、例えば特別図柄に関して特別図柄表示手段23の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられ、普通図柄に関して当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、開放延長状態は例えばその開始後に特別図柄が所定回数(例えば50回)変動した時点で終了する。
本実施形態では、図5に示すように、第3,第4大当たりの場合には、確変状態と開放延長状態との両方が発生し、第2大当たりの場合には、開放延長状態のみが発生する。また、第1大当たりの場合には、確変状態は常に発生するが、開放延長状態については、大当たり発生時点の開放延長状態発生の有無に応じて、例えば開放延長状態中であった場合には引き続き開放延長状態が発生し、開放延長状態中でなかった場合には開放延長状態は発生しない(いわゆる潜伏確変)ようになっている。
制御コマンド送信手段46は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板32等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、例えば特別図柄の変動時には、特別図柄処理手段42による特別図柄処理に基づいて、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、演出図柄の停止図柄の抽選を指示する停止図柄コマンド、演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンド等を演出制御基板32側に送信するようになっている。
演出制御基板32は、演出図柄表示手段26、音声出力手段51、電飾手段52等の各種演出手段を制御するためのもので、演出図柄制御手段53等を備えている。演出図柄制御手段53は、演出図柄表示手段26の表示制御及びそれに伴う音声出力手段51、電飾手段52等の制御を行うもので、主制御基板31側から変動パターンコマンド及び停止図柄コマンドを受信した場合に、その変動パターンコマンドに対応する変動パターンに基づいて画像表示手段21の表示画面21a上で演出図柄の変動を開始させると共に変動後の停止図柄態様を抽選により決定し、その後に変動停止コマンドを受信したときに、抽選により決定した停止図柄態様で演出図柄の変動を停止させ、またその演出図柄の変動表示に合わせて音声出力手段51から所定の効果音を出力し、電飾手段52を所定のパターンで発光させるようになっている。
続いて、変動パターン選択手段42cによる変動パターン選択処理、及び変動パターン選択テーブル設定手段42dによる変動パターン選択テーブルの変更処理について詳述する。
図6は、変動パターン選択手段42cによる変動パターンの選択処理に用いられる変動パターン選択テーブルの一例であり、本実施形態では変動パターン選択テーブル0〜4の5種類が設けられているものとする。各変動パターン選択テーブルには、大当たり/外れの夫々について、選択対象となる1又は複数種類の変動パターンとそれらの選択率とが設定されている。例えば、図6(a)に示す変動パターン選択テーブル0の場合、大当たりに対してはノーマルリーチ1変動パターン、スーパーリーチ1変動パターン、スーパーリーチ2変動パターンの3種類が夫々15/200,85/200,100/200の確率で選択される。
また図7は、変動パターン選択テーブル設定手段42dによる変動パターン選択テーブルの変更処理に関する変更ルールを規定する設定情報テーブル(図7(a))とIndexテーブル(図7(b))との一例である。
設定情報テーブル(図7(a))には、変動パターン選択テーブルの変更に関する設定情報セット(図7(a)における各行)が複数組(図7(a)の例では6組)設定されており、各設定情報セットには識別番号(以下、Indexという)が付与されている。
設定情報セットは、変更後の変動パターン選択テーブルの識別番号(以下、Tcodeという)を指定するテーブル指定情報と、その変更後の変動パターン選択テーブルの使用期間を指定する期間指定情報と、その使用期間が経過した時点での変動パターン選択テーブルの変更に用いる設定情報セット(のIndex)を指定する継続指定情報とで構成されている。
本実施形態では、期間指定情報を、特別図柄の変動回数で規定している。また、期間指定情報には、有限期間と無期限との2種類があり、有限期間についてはその期間を示す数値等(図7(a)の例では変動回数の値)が設定され、無期限の場合にはその旨の情報 (図7(a)では「−」で示す)が設定されている。なお、期間指定情報が無期限の場合には、その設定情報セットが最終となるため(最終設定情報セット)、継続指定情報には次の設定情報セットのIndexは設定されない(図7(a)では「−」で示す)。
また、Indexテーブル(図7(b))には、特別利益状態(大当たり状態及び小当たり状態)の終了時点(所定時点の一例)での変動パターン選択テーブルの変更に用いる設定情報セットを指定する初期指定情報が、例えば特別遊技状態の種類及び大当たり/小当たりの種類に応じて設定されている。例えば、低確率中(確変状態中以外)で且つ開放延長なし(開放延長状態中以外)の状態で第3大当たりとなった場合には、Index=4の設定情報セットが選択される。
このように、本実施形態における変動パターン選択テーブルの変更処理に関する変更ルールは、Indexテーブルで設定される初期指定情報を起点として、継続指定情報を介して繋がる1又は複数の設定情報セットよりなる設定情報セット列によって規定されている。なお、本実施形態の全ての設定情報セット列は、その最後の設定情報セットが最終設定情報セットとなっている。
図7に示す設定で、低確率中(確変状態中以外)で且つ開放延長なし(開放延長状態中以外)の場合について、大当たり/小当たりの種類毎の設定情報セット列を表したのが図8である。例えば第1大当たりの場合には、Indexテーブル(図7(b))ではIndex=1に設定されており、このIndex=1に対応する設定情報セット(図7(a))では、テーブル指定情報がTcode=1に、期間指定情報が無期限に、夫々設定されている。従って、第1大当たりの場合には、図8に示すように、変動パターン選択テーブルの第1回目の変更時(大当たり/小当たり状態の終了時)に、変動パターン選択テーブル1に設定され、次の大当たり/小当たり状態の発生までその変動パターン選択テーブル1が継続的に用いられる。
また、例えば第3大当たりの場合には、Indexテーブル(図7(b))ではIndex=4に設定されており、このIndex=4に対応する設定情報セット(図7(a))では、テーブル指定情報がTcode=2に、期間指定情報が変動回数100回に、継続指定情報がIndex=6に夫々設定されている。また、そのIndex=6に対応する設定情報セット(図7(a))では、テーブル指定情報がTcode=4に、期間指定情報が無期限に、夫々設定されている。従って、第3大当たりの場合には、図8に示すように、変動パターン選択テーブルの第1回目の変更時(大当たり/小当たり状態の終了時)に、変動パターン選択テーブル2に設定され、その後の特別図柄の変動回数が100回に達するまでその変動パターン選択テーブル2が用いられた後、第2回目の変更が行われる。その第2回目の変更時には、変動パターン選択テーブル4に設定され、次の大当たり/小当たり状態の発生までその変動パターン選択テーブル4が継続的に用いられる。
ところで、図7に示す変更ルール(設定情報テーブル及びIndexテーブル)では、図8に示すように変動パターン選択テーブルの変更回数は最大2回となっている。この図7に示す変更ルールのうち、設定情報テーブルのみを図9に示すように一部変更すると、変動パターン選択テーブルの変更回数は最大3回となる。
即ち、例えば第3大当たりの場合には、Indexテーブル(図7(b))ではIndex=4に設定されており、このIndex=4に対応する設定情報セット(図9)では、テーブル指定情報がTcode=2に、期間指定情報が変動回数100回に、継続指定情報がIndex=7に夫々設定されている。また、そのIndex=7に対応する設定情報セット(図9)では、テーブル指定情報がTcode=3に、期間指定情報が変動回数50回に、継続指定情報がIndex=6に夫々設定されている。更にそのIndex=6に対応する設定情報セット(図9)では、テーブル指定情報がTcode=4に、期間指定情報が無期限に、夫々設定されている。
従って、第3大当たりの場合には、図10に示すように、変動パターン選択テーブルの第1回目の変更時(大当たり/小当たり状態の終了時)に、変動パターン選択テーブル2に設定され、その後の特別図柄の変動回数が100回に達するまでその変動パターン選択テーブル2が用いられた後、第2回目の変更が行われる。その第2回目の変更時には、変動パターン選択テーブル3に設定され、その後の特別図柄の変動回数が50回に達するまでその変動パターン選択テーブル3が用いられた後、第3回目の変更が行われる。そしてその第3回目の変更時には、変動パターン選択テーブル4に設定され、次の大当たり/小当たり状態の発生までその変動パターン選択テーブル4が継続的に用いられる。
このように、本実施形態では、変動パターン選択テーブルの最大変更回数を2回(図7)から3回(図9)に増やしても、それによって増加するデータ量は、設定情報テーブルを構成する設定情報セット1つ分だけである。
図11(a),(b)は、本実施形態に係る発明と従来の発明との比較のために、図7,図9における低確率の場合と同内容の変更ルールを、従来の発明における設定方法で記載したもので、図11(a)が図7に、図11(b)が図9に夫々対応している。図11に示す従来の例では、特別遊技状態の種類及び大当たり/小当たりの種類毎に、変更後の変動パターン選択テーブルの継続期間(変動回数)と次の変更後のTcodeとの組が、変動パターン選択テーブルの変更回数分設定されているため、変動パターン選択テーブルの変更回数が1回増える毎に、図11(b)に太枠で示す部分だけデータ量が増加し、そのデータ増加量は本実施形態に係る発明と比較して明らかに大きく、しかもその差は変更回数が多いほど大きくなる。
以上のように、本実施形態のパチンコ機では、変動パターン選択テーブル設定手段42dが、予め定められた変更ルールに基づいて、変動パターン選択テーブルを、所定時点を含めてそれ以降、任意期間経過毎に1又は複数回変更するように構成され、その変更ルールは、変動パターン選択テーブルの変更に関する設定情報セットが複数組設定された設定情報テーブルと、特別利益状態(大当たり状態及び小当たり状態)の終了時点(所定時点)での変動パターン選択テーブルの変更に用いる設定情報セットを指定する初期指定情報とで構成されており、各設定情報セットは、変更後の変動パターン選択テーブルを指定するテーブル指定情報と、その変更後の変動パターン選択テーブルの使用期間を指定する期間指定情報と、その使用期間が経過した時点での変動パターン選択テーブルの変更に用いる設定情報セットを指定する継続指定情報とで構成されているため、変動パターン選択テーブルの変更回数を増加した場合のデータ量の増加を、従来の発明と比較して小さく抑えることができる。
図12及び図13は本発明の第2の実施形態を例示し、変動パターン選択テーブルの変更を無限ループ状に繰り返す場合を含むように変更ルールを設定した例を示している。
本実施形態の設定情報テーブル(図12)は、図7(a)に示す設定情報テーブルのうち、Index=0に対応する設定情報セットの設定内容のみが変更されている。なお、Indexテーブルについては図7(b)に示すIndexテーブルをそのまま用いるものとする。
本実施形態の設定情報テーブル(図12)では、Index=2に対応する設定情報セットの継続指定情報にIndex=0が設定されており、またそのIndex=0に対応する設定情報セットの継続指定情報にIndex=2が設定されている。また、本実施形態のIndexテーブル(図7(b))では、低確率中(確変状態中以外)で且つ開放延長なし(開放延長状態中以外)の状態で小当たりとなった場合に、Index=2の設定情報セットが選択されるようになっている。
このように、本実施形態の変更ルールを規定する複数の設定情報セット列のうち、低確率中(確変状態中以外)で且つ開放延長なし(開放延長状態中以外)の状態で小当たりとなった場合の設定情報セット列には、図13に示すように、Index=2及び0の2つの設定情報セット内でループするループ部を含んでいる。なお、それ以外の設定情報セット列はループ部を含んでおらず、その最後の設定情報セットが最終設定情報セットとなっている。
これにより、低確率中(確変状態中以外)で且つ開放延長なし(開放延長状態中以外)の状態で小当たりとなった場合には、特別図柄が50回変動する毎に変動パターン選択テーブル1と変動パターン選択テーブル0との間で交互に変更する処理が、次に大当たり/小当たり状態が発生するまで無限ループ状に繰り返される。しかも、設定情報セット列上に、複数の設定情報セットによるループ部を形成すればよいため、その設定に必要なデータ量は極めて小さい。
なお、図11に示したような従来の発明における設定方法では、変更後の変動パターン選択テーブルの継続期間(変動回数)と次の変更後のTcodeとの組を、変動パターン選択テーブルの変更回数分設定する必要があるため、変動パターン選択テーブルの変更を無限ループ状に繰り返すような処理を行わせることは事実上不可能である。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、全ての設定情報セット列がループ部を含むように構成してもよい。また、3つ以上の設定情報セット内でループするループ部を設けてもよい。
期間指定情報によって指定される使用期間は、特別図柄の変動回数で規定するものに限られず、例えば経過時間、賞球獲得個数、所定の変動パターンの出現回数等で規定してもよい。
また、実施形態では本発明をパチンコ機に適用した例を示したが、パチンコ機以外の弾球遊技機、スロットマシン等の各種遊技機に対して広く適用可能である。