この種の侵入防止部材では、取付状態の良好化の要請と取付作業の円滑化の要請とを同時に満足させることが困難である。つまり、この種の侵入防止部材の取り付けには、例えば、(1)侵入防止部材の両端部を含む複数箇所を、ビスを用いて不正対策部位に取り付ける手法(以下、「取付手法1」という。)が用いられる。また、図26に示すように、(2)侵入防止部材900の両端部側に対して、遊技領域の中心部方向に突出すると共に略フック形状の取付部901、902を設け、不正対策部位950の両端部に被取付孔951、952を設ける。そして、侵入防止部材900の左端部側の取付部901を、不正対策部位950の左端部側の被取付孔951に取り付け、侵入防止部材900の右端部側の取付部902を、不正対策部位951の右端部に被取付孔952に取り付けて、侵入防止部材900を不正対策部位950に取り付ける手法(以下、「取付手法2」という。)が用いられいる。
ところが、取付手法1を用いる場合、侵入防止部材の不正対策部位に対する密着度を高めて、侵入防止部材の取付状態の良好化を図ることが容易であるが、この侵入防止部材の取付作業の円滑化を図ることは困難である。蓋し、侵入防止部材の取付作業に際しては、面倒なビス止め作業を行うことが必要であるからである。
一方、取付手法2を用いる場合、侵入防止部材900の取付作業の円滑化を図ることが容易であるが、侵入防止部材900の取付状態の良好化を図ることは困難である。蓋し、取付手法2を用いると、侵入防止部材900が不正対策部位950に対して密着せず、下方に弛んだ状態となり易いからである。より具体的には、取付手法2を用いる場合、左右の取付部901、902の間隔を左右の被取付孔951、952の間隔よりも、若干、大きめに設定し、左右の取付部901、902の間隔と、左右の被掛止孔901、902の間隔との間のクリアランス(遊び)を設けなければ、侵入防止部材900の取り付けを行うことが困難となる。つまり、一方の取付部901を一方の被取付孔951に取り付けた後、侵入防止部材900を不正対策部位950(内側レール)の周方向に若干、スライドさせて、他方の取付部902を他方の被取付孔952に取り付け、侵入防止部材900の取付を完了することになる。このため、取付手法2を用いる場合、侵入防止部材900の取付後に、左右の取付部901、902の間隔と、左右の被取付孔951、952の間隔との間のクリアランス(遊び)の分だけ、侵入防止部材が下方に弛んだ状態となり易いからである。
そして、この弛みを発生すると、以下のような不具合を生ずる。即ち、不正対策部位950の下方には、通常、前述の発射レールが配設される。このため、侵入防止部材900に弛みが発生すると、発射レール上の遊技球(発射球)が侵入防止部材900に接触し、球飛びが不安定になる等の問題を生ずることがある。
尚、図26に示すように、侵入防止部材900の左右両端部側に対して、遊技領域の中心部方向に略直線状に突出する突出片961、962を設け、不正対策部位950の両端部に被取付孔951、952を設ける態様を例示することもできる。この態様では、各突出片961、962を対応する被取付孔951、952に挿入し、各突出片961、962を遊技領域の内側に臨ませる。そして、各突出片961、962を、不正対策部位950(内側レール)の周方向に屈曲させて、侵入防止部材900の取付を完了することになる。この態様によると、侵入防止部材900の取付状態の良好化を図ることができるが、侵入防止部材900の取付作業が煩雑となる。蓋し、侵入防止部材900の取付作業の際に、各突出片961、962を屈曲させる作業が必要となるが、その作業は、前述の「ビス止め作業」と同様に、煩雑で作業性が悪いからである。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、侵入防止部材の取付状態の良好化の要請と取付作業の円滑化の要請とを同時に満足させることができる遊技機を提供することである。
本発明の他の目的は、侵入防止部材の取付状態の良好化の要請と取付作業の円滑化の要請とを同時に満足させることができる侵入防止手段を提供することである。
請求項1に記載の遊技機は、
遊技領域を形成するための遊技領域形成部を前面部に備える遊技盤と、
該遊技盤の前面部において前方に突出する状態に配設されて前記遊技領域の略円形状の外縁部を構成する領域レール部を具備し、前記領域レール部の下半側部分から選択される不正対策部位における左右方向に沿った一端部側に第1の被掛止部を有するレール部材と、
前記遊技盤の前面部の前方に配置され、前記領域レール部の突端部との間に隙間部を形成するガラス扉枠と、
上面部を前記不正対策部位の外側面に沿わせつつ略円弧状に配置される基体部と、該基体部から延出して前記ガラス扉枠に当接する状態に配置される延出部と、を具備する侵入防止部材と、
前記遊技盤の前面部において前記不正対策部位の外側面の外側に位置する部位に装着され、前記不正対策部位の左右方向に沿った他端部側と対向する位置に前記基体部の左右方向に沿った他端部側を支持するための支持部を具備し、該支持部に穴状、孔状若しくは溝状の第2の被掛止部を開口させた外側装着部材と、
を備える遊技機であって、
前記基体部の上面部から突出する第1の突出片と、該第1の突出片の突端部若しくは中間部から屈曲状に突出して前記第1の被掛止部に掛止される掛止片と、を有する第1の取付用突起が、前記基体部の左右方向に沿った一端部側に設けられ、
前記基体部の下面部から突出する第2の突出片によって構成されると共に前記第2の被掛止部に挿入されて前記第2の被掛止部の内壁部に掛止される第2の取付用突起が、前記基体部の左右方向に沿った他端部側に設けられることを特徴とする。
請求項1の発明では、第1の取付用突起が、上方に突出する第1の突出片と、第1の突出片から屈曲状に突出して、第1の被掛止部に掛止される掛止片と、を備える。また、第2の取付用突起が下方に突出する状態に構成されると共に第2の被掛止部に挿入されて第2の被掛止部の内壁部に掛止される。例えば、第1の取付用突起を、基体部の上面部から突出する略L字状(略フック形状)の突起によって構成し、第2の掛止用突部を、基体部の下面部から略平板状等に突出する突起によって構成する。そして、請求項1の発明では、第1の取付用突起及び第2の取付用突起の間隔と、第1の被掛止部及び第2の被掛止部の間隔と、の間のクリアランス(遊び)を無くしたり、このクリアランスを少なくしても、侵入防止部材の取付作業を円滑に行うことができる。尚、請求項1〜8の各発明において、「第1の突出片から屈曲状に突出する」とは、「第1の突出片に対して屈曲する状態に突出する」こと、換言すると、第1の突出片の突出方向と異なる方向に向かって突出する」こと指し、例えば、第1の突出片の突出方向が上方である場合に、左右一方の方向等に突出すること等を指す。
より具体的には、第1の取付用突起の掛止部を不正対策部位の周方向にスライドさせつつ、第1の被掛止部に掛止し、侵入防止部材の一端部側を不正対策部位の一端部側に取り付ける(引っ掛ける)。つまり、略L字状(略フック形状)等に構成される「第1の取付用突起」を不正対策部位の周方向にスライドさせつつ、その「掛止部」を第1の被掛止部に対して、遊技領域の半径方向に沿った外側方向に向かって当接させて掛止する。この後、遊技領域の半径外側方向に突出する第2の取付用突起を、そのまま(第2の取付用突起を、不正対策部位の周方向にスライドさせることなく)、第2の被掛止部に挿入するだけで、第2の取付用突起は第2の被掛止部に掛止され、侵入防止部材の他端部側は外側装着部材に取り付けられる(引っ掛けられる)。
換言すると、通常、後から取り付けられる「第2の取付用突起」の取り付けを、第2の取付用突起を第2の被掛止部に単に挿入するだけで(第2の取付用突起を、不正対策部位の周方向にスライドさせることなく)完了する。このため、請求項1の発明では、第1の取付用突起及び第2の取付用突起の間隔と、第1の被掛止部及び第2の被掛止部の間隔と、の間のクリアランス(遊び)を無くしたり、このクリアランスを少なくしても、侵入防止部材の取付を円滑に行うことができる。
請求項1の発明では、このように、前記「クリアランス(遊び)」を無くすか、少なくすると共に、不正対策部位の左右方向に沿った他端部側が、外側装着部材(支持部)によって支持される。このため、侵入防止部材が、不必要に下方に弛んだ状態となることはない。従って、請求項1の発明の遊技機によると、侵入防止部材の取付状態の良好化の要請と取付作業の円滑化の要請とを同時に満足させることができる。
ここで、請求項1〜8の各発明においては、「第1の被掛止部」と「第1の取付用突起」の具体例として以下の態様を例示できる。例えば、不正対策部位の左右方向に沿った一端部側に被取付孔(貫通孔)を設け、不正対策部位の内側面において、被取付孔の周縁に位置する部位によって第1の被掛止部を構成する。また、基体部の上面部から突出しつつ、被取付孔に挿通される挿通部(第1の突出片)と、この挿通部の突端部若しくは中間部から左右何れかの方向に突出する掛止部と、を備える第1の取付用突起(略L字状若しくは略フック形状の第1の取付用突起)を例示できる。
この第1の取付用突起においては、例えば、掛止部が、遊技領域の半径外側方向に向かって第1の被掛止部に掛止される。この具体例では、不正対策部位の外側面の外側(遊技領域外)の掛止部は、被取付孔を通じて、不正対策部位の内側面の内側(遊技領域内)に挿入される。そして、「掛止部」を不正対策部位の周方向にスライドさせ、「掛止部」を「第1の被掛止部」の内側(遊技領域の半径方向に沿った内側)に移動し、「掛止部」を「第1の被掛止部」に当接状に(遊技領域の半径外側方向に当接させて状態で)掛止すると、「第1の取付用突起」の「第1の被掛止部」に対する取り付けを完了する。
各請求項の発明においては、「第2の取付用突起(但し、請求項9の発明では、取付用突起)」の具体例として以下の態様を例示できる。例えば、基体部の下面部から突出する略平板状の第2の取付用突起(請求項9の発明では、取付用突起)を例示できる。また、各請求項の発明の第2の被掛止部(但し、請求項9の発明では、被掛止部)は、「有底の穴状の第2の被掛止部(請求項9の発明では、被掛止部)」、「支持部を貫通する孔状の第2の被掛止部(請求項9の発明では、被掛止部)」、「溝状の第2の被掛止部(請求項9の発明では、被掛止部)」のうちの何れであってもよい。
各請求項の発明の「レール部材」としては、外側レールと内側レールとを備えるものを例示できる。このうち、「外側レール」は、通常、「遊技盤の前面部において、開口部を下方に向けた略円弧形状(Cの字状)に配置された(略円弧状の経路を描く状態に配置された)帯状の金属板」を用いて構成される。また、「内側レール」は、「遊技盤の前面部のうちで、外側レールの内側の部位において、開口部を上方に向けた略円弧形状(Cの字状)に配置された(略円弧状の経路を描く状態に配置された)帯状の金属板」を用いて構成される。そして、遊技盤の前面部においては、遊技盤の右斜め下方から打ち出され、左上がり傾斜状の発射レールに沿って上昇した遊技球は、遊技盤の左端側において外側レールと内側レールとの間の誘導通路を経て遊技盤の左上部に導かれる。そして、内側レールの略全体と、外側レールの上部側の部分とによって、略円形(略円形の経路を描く)を「領域レール部」が構成される。
この遊技盤の前面部のうちで、この領域レール部で取り囲まれた部位が、遊技領域とされる。この遊技領域内においては、最下部にアウト口が設けられ、この最下部よりも上方の位置に各種の入賞装置が配設されている。そして、遊技機において、遊技盤の斜め右下方には発射装置が配置され、遊技球は、この発射装置によって発射され、遊技盤の下方において、遊技盤の斜め右側から左側に上昇する経路を描く、発射レールに沿って上昇する。更に、この発射レールに沿って上昇した遊技球は、遊技盤の左端側において外側レールと内側レールとの間の誘導通路を経て遊技盤の左上部に導かれる。この遊技球は、内側レールの左上端部と、外側レールの左上端部との間に形成される入口部(遊技領域の入口部)を通じて、遊技領域内に放出される。
各請求項の発明の「不正対策部位」を、この「領域レール部の下半側部分」から適宜、選択することができるが、「領域レール部の最下部を含む円弧状の部分」として構成することが望ましい。例えば、セブン機においては、その遊技領域に配置される入賞装置のうちで、「大量の賞球を期待できる大入賞装置」が最も、不正行為の対象となり易い。そして、この「大入賞装置」は、遊技領域において、「領域レール部の最下部」の上方(アウト口の上方)に配置されることが多い。このため、「領域レール部において、大入賞装置の直下に位置する部位(領域レール部の最下部)」を含む状態にて、「不正対策部位」を選択することが望ましいからである。
この「不正対策部位」のサイズ(経路長)は、「大入賞装置」の左右方向に沿った幅を考慮して選択することが望ましい。例えば、領域レール部のうちで、その最下部を中央に配置し、左右両側に高くなる円弧状の部分(円弧状の経路を描く部分)であって、中心角を20度〜180度(特に、35度〜180度)のうちの何れかの角度とする部分を用いて、「不正対策部位」を構成することが望ましい。
通常、ガラス扉枠は、ガラス板と、このガラス板を保持する扉枠本体とを備えている。そして、各請求項の発明の「延出部がガラス扉枠に当接する状態」としては、(1)延出部が、扉枠本体に到達する態様、(2)延出部がガラス板に到達する態様、(3)延出部が扉枠本体及びガラス板の双方に到達する態様、等を例示できる。また、各請求項の発明において、扉枠本体に、ガラス板を保持するための保持手段は、扉枠本体に対して固定的に装着されても(開閉不可能な状態に装着されても)、開閉可能な状態に装着されてもよい。
各請求項の発明において、掛止片の突出方向は種々選択でき、基体部の上面部に沿った方向を例示できる。つまり、左右何れか一方の方向、左右双方向、前後何れか一方の方向、前後双方向、斜め前後のうちの何れか一方の方向、斜め前後の双方向等を例示できる。これらの場合、掛止片は略水平な方向に突出してもよいが、傾斜するような方向に突出してもよい。また、各請求項の発明において、第2の被掛止部(請求項9の発明では、被掛止部)の内壁部のうちで、第2の取付突起が実際の当接する箇所(実際に掛止される箇所)は、例えば、以下の箇所である。つまり、第2の被掛止部の内壁部を構成する面部分のうちで、左右何れかに位置する面部分を例示できる。特に、第2の被掛止部の内壁部が、相互に対向する面部分を左右に備える場合、これらの面部分のうちで、「不正対策部位の最下部」の側に位置する面部分を、第2の取付突起が実際の当接する箇所として選択することが好適である。
各請求項の発明において、延出部の延出箇所としては、例えば、基体部の前端部や、基体部の下面部等を例示できる。
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、
前記第2の被掛止部は、前方に向かって開放されていることを特徴とする。
請求項2の発明では、第2の被掛止部が前方(遊技機の前方)に向かって開放されるため、第2の取付用突起を第2の被掛止部に挿入することがより一層、容易となる。このため、侵入防止部材の取付作業のより一層、円滑化を図ることができる。
請求項3に記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、
前記外側装着部材は、前記遊技機に関する情報を表示するための表示部を備える遊技機情報表示部材であることを特徴とする。
請求項3の発明では、「情報の表示を行うために遊技盤に装着される部材(遊技機情報表示部材)」を用いて、外側装着部材を構成する。つまり、「侵入防止部材を支持するためのだけに用いる部材」を遊技機に付加することなく、請求項1の発明の目的(侵入防止部材の取付状態の良好化の要請と取付作業の円滑化の要請とを同時に満足させること)を達成することを意図している。従って、請求項3の発明によると、遊技機に加える改良を少なくしつつ、請求項1の発明の目的を達成することができる。
ここで、請求項3の発明の「遊技機情報表示部材」としては、所謂「証紙台」を例示することができる。この「証紙台」は、所謂「証紙」を保持(貼付)した状態で、遊技盤に装着される部材である。この「証紙」には、遊技機に関する情報(製造メーカ、製造番号等)が表示される。
請求項4に記載の遊技機は、請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機において、
前記基体部の左右方向に沿った他端部側には、前記基体部の下面部から下り傾斜状に突出すると共に、自由端を前記基体部の下面部に近接させて撓んだ状態とすると、該自由端を前記基体部の下面部から離間させるような付勢力を生じさせる下部板バネ部が設けられ、
前記下部板バネ部を前記撓んだ状態としつつ、前記下部板バネ部の突端部側を前記支持部に当接する状態とし、
前記基体部の左右方向に沿った他端部側を、前記下部板バネ部の付勢力を用いて前記不正対策部位の外側面に圧接させたことを特徴とする。
請求項4の発明では、下部板バネ部の付勢力を利用して、基体部の左右方向に沿った他端部側を不正対策部位の外側面に密着させるため、侵入防止部材が不正対策部位の外側面に対してより確実に密着する。従って、請求項4の発明によると、「侵入防止部材の弛み」をより一層、確実に防止できる。
下部板バネ部は、基体部に一体的に設けられても、基体部と別体の板バネによって構成されてもよい。また、基体部に一体的に設ける態様では、基体部若しくはその一部を金属製の板状物で構成し、この板状物に略コの字状の「切り込み部」を設ける。そして、板状物において、「切り込み部」に囲まれた部位を、基体部の下方に折り返し、この折り返した部位によって、下部板バネ部を構成する態様を例示できる。尚、請求項4の発明の応用発明として、基体部の下面部と、支持部との間に、板バネ以外の付勢手段(コイルバネ、ゴム、樹脂発泡体等のクッション部材等)を配置した態様を例示することもできる。
請求項5に記載の遊技機は、請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機において、
前記基体部の左右方向に沿った他端部側には、前記基体部の上面部から上り傾斜状に突出すると共に、自由端を前記基体部の上面部に近接させて撓んだとすると、該自由端を前記基体部の上面部から離間させるような付勢力を生じさせる上部板バネ部が設けられ、
前記上部板バネ部を前記撓んだ状態としつつ、前記上部板バネ部の突端部側を前記不正対策部位に外側面に当接する状態とし、
前記基体部の左右方向に沿った他端部側を、前記上部板バネ部の付勢力を用いて前記支持部に圧接させたことを特徴とする。
請求項5の発明では、上部板バネ部の付勢力を利用して、基体部の左右方向に沿った他端部側を、不正対策部位の支持部に密着させる。従って、請求項5の発明によっても、「侵入防止部材の弛み」をより一層、確実に防止できる。
上部板バネ部は、基体部に一体的に設けられても、基体部と別体の板バネによって構成されてもよい。また、基体部に一体的に設ける態様では、基体部若しくはその一部を金属製の板状物で構成し、この板状物に略コの字状の「切り込み部」を設ける。そして、板状物において、「切り込み部」に囲まれた部位を、基体部の上方に折り返し、この折り返した部位によって、上部板バネ部を構成する態様を例示できる。尚、請求項5の発明の応用発明として、基体部の上面部と、支持部との間に、板バネ以外の付勢手段(コイルバネ、ゴム、樹脂発泡体等のクッション部材等)を配置した態様を例示することもできる。
請求項6に記載の遊技機は、請求項1〜5の何れか一項に記載の遊技機において、
前記基体部は、略帯状の板状物を用いて構成される芯部材と、該芯部材の構成素材よりも軟質な構成素材を用いて構成されると共に前記芯部材の上面部及び下面部のうちの少なくとも一方を被覆する表皮部材と、を備え、
前記延出部は、前記表皮部材と同一の構成素材を用いて、前記表皮部材と一体的に設けられることを特徴とする。
請求項6の発明では、基体部の構造を、芯部材と軟質な表皮部材とを備える2重構造とすると共に、延出部を表皮部材と一体的に構成する。つまり、請求項6の発明では、侵入防止部材を、剛性の確保に重点をおく部分(芯部材)と、柔軟性の確保に重点をおく部分(表皮部材及び延出部からなる部分)との2重構造とするため、侵入防止部材の取り扱いの容易化を図りつつ、侵入防止部材の本来の機能(不正部材の侵入防止機能)をより確実に発揮できる。
蓋し、請求項6の発明によると、延出部等を軟質な素材を用いて構成するため、延出部のガラス扉枠に対する密着性が高められる。しかも、芯部材によって、侵入防止部材の剛性を確保できるめ、延出部等を軟質な素材を用いて構成しても、侵入防止部材の取り扱いが容易であるからである。
ここで、芯部材の構成素材としては、金属や硬質樹脂等を例示できる。また、表皮部材及び延出部の構成素材としては、ゴムや軟質樹脂等を例示できる。更に、表皮部材としては、例えば、(a)芯部材を挿入する挿入空間を備え、芯部材の上下面部を被覆する略筒形状の表皮部材、(b)芯部材の上面部若しくは下面部の一方を被覆する表皮部材、等を例示できる。尚、何れの態様においても、芯部材の上面部を、弾性素材で構成される表皮部材で被覆すると、基体部の不正対策部位に対する密着度が高められるため、より好適である。
尚、不正対策部位(内側レール)の構成素材が金属である場合、芯部材の構成素材を金属とすることで、以下のような効果も得られる。つまり、不正対策部位(内側レール)の熱膨張率と、芯部材の構成素材の熱膨張率とを等しくしたり、近似したものとできるため、不正対策部位(内側レール)及び侵入防止部材に熱膨張等を生じても、侵入防止部材の不正対策部位(内側レール)に対する密着度が低下することを防止できる。
請求項7に記載の遊技機は、請求項1〜6の何れか一項に記載の遊技機において、
前記侵入防止部材において、少なくとも、前記延出部に対して、透視度低下処理を施したことを特徴とする。
請求項7の発明によると、不正行為をより一層確実に防止したり、不正行為の実行をより一層的確に抑止できる。つまり、不正行為者の多くは、遊技機において遊技盤の下方の位置に挿入した不正部材を、遊技盤の前方に移行させる際に、ガラス扉枠の前方から遊技機の内部を覗き込みつつ、不正部材の位置(特に、不正部材の先端部の位置)を確認する。これに対して、請求項7の発明によると、主壁体部の透視度を低下させる処理を施して、不正部材の位置(特に、不正部材の先端部の位置)を確認困難、若しくは、確認不可能とするため、不正行為の実行が不可能、若しくは、困難となる。従って、請求項7の発明によると、不正行為をより一層確実に防止したり、不正行為の実行をより一層的確に抑止できる。
ここで、請求項7の発明の「透視度低下処理」とは、延出部若しくは侵入防止部材全体等(以下、「延出部等」という。)の透視度を低下させるための処理、つまり、延出部等を上下方向に透視できる度合いを低下させる処理である。具体的には、(1)延出部等に色彩を施す処理、(2)延出部等に模様を施す処理、(3)延出部等に図形、その他の線図を施す処理、(4)延出部等(特に、その上面部)に、乱反射の発生手段(傷、スリット、凹凸等)を設ける処理、若しくは、(1)〜(4)の処理のうちの2つ以上を組み合わせた処理、等を例示できる。尚、侵入防止部材(請求項6の発明では、表皮部材及び延出部)を樹脂の一体成形品で作成する場合、(1)の色彩を施する処理は、この一体成形品の成形時に行っても(例えば、材料中に顔料を混入する。)よいし、一体成形品の成形後の事後的な着色によって行ってもよい。更に、延出部の上面部等に、遊技領域に配設された「セル画」と、同一の色彩、模様、線図等を施して、この「透視度低下処理」を行うこともできる。
請求項8に記載の侵入防止手段は、
遊技領域を形成するための遊技領域形成部を前面部に備える遊技盤と、
該遊技盤の前面部において前方に突出する状態に配設されて前記遊技領域の略円形状の外縁部を構成する領域レール部を具備し、前記領域レール部の下半側部分から選択される不正対策部位における左右方向に沿った一端部側に第1の被掛止部を有するレール部材と、
前記遊技盤の前面部の前方に配置され、前記領域レール部の突端部との間に隙間部を形成するガラス扉枠と、
を備える遊技機において、前記不正対策部位の下方に配置されると共に、前記遊技領域外の不正部材を、前記隙間部を通じて前記遊技領域に侵入させる不正行為を防止するための侵入防止手段であって、
上面部を前記不正対策部位の外側面に沿わせつつ略円弧状に配置される基体部と、該基体部から延出して前記ガラス扉枠に当接する状態に配置される延出部と、を具備する侵入防止部材と、
前記遊技盤の前面部において前記不正対策部位の外側面の外側に位置する部位に装着され、前記不正対策部位の左右方向に沿った他端部側と対向する位置に前記基体部の左右方向に沿った他端部側を支持するための支持部を具備し、該支持部に穴状、孔状若しくは溝状の第2の被掛止部を開口させた外側装着部材と、
を備え、
前記基体部の上面部から突出する第1の突出片と、該第1の突出片の突端部若しくは中間部から屈曲状に突出して前記第1の被掛止部に掛止される掛止片と、を有する第1の取付用突起が、前記基体部の左右方向に沿った一端部側に設けられ、
前記基体部の下面部から突出する第2の突出片によって構成されると共に前記第2の被掛止部に挿入されて前記第2の被掛止部の内壁部に掛止される第2の取付用突起が、前記基体部の左右方向に沿った他端部側に設けられることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1の発明の遊技機を構成する侵入防止手段(侵入防止部材及び外側装着部材)に関するものである。この請求項8の発明は、前述の請求項2〜請求項7のうちの何れかの請求項に係る発明の特徴を備えてもよい。
請求項9に記載の遊技機は、
遊技領域を形成するための遊技領域形成部を前面部に備える遊技盤と、
該遊技盤の前面部において前方に突出する状態に配設されると共に、前記遊技領域の略円形状の外縁部を構成する領域レール部を備えるレール部材と、
前記遊技盤の前面部の前方に配置され、前記領域レール部の突端部との間に隙間部を形成するガラス扉枠と、
上面部を、前記領域レール部の下半側部分から選択される前記不正対策部位の外側面に沿わせつつ略円弧状に配置される基体部と、該基体部から延出して前記ガラス扉枠に当接する状態に配置される延出部と、を具備する侵入防止部材と、
前記遊技盤の前面部において前記不正対策部位の外側面の外側に位置する部位に装着され、前記不正対策部位の左右方向に沿った一端部側と対向する位置に前記基体部の左右方向に沿った一端部側を支持するための支持部を具備し、該支持部に穴状、孔状若しくは溝状の被掛止部を開口させた第1の外側装着部材と、
前記遊技盤の前面部において前記不正対策部位の外側面の外側に位置する部位に装着され、前記不正対策部位の左右方向に沿った他端部側と対向する位置に前記基体部の左右方向に沿った他端部側を支持するための支持部を具備し、該支持部に穴状、孔状若しくは溝状の被掛止部を開口させた第2の外側装着部材と、
を備える遊技機であって、
前記基体部の左右方向に沿った各端部側に、前記基体部の下面部から突出する突出片によって構成されると共に、対応する前記被掛止部に挿入されて前記被掛止部の内壁部に掛止される取付用突起が、各々設けられたことを特徴とする。
請求項9の発明では、左右の両取付用突起を、被掛止部に挿入されて、その内壁部に掛止される構成とする。このため、両取付用突起の間隔と、両被掛止部の間隔と、の間のクリアランス(遊び)を無くしたり、このクリアランスを少なくしても、侵入防止部材の取付作業を円滑に行うことができる。
具体的には、遊技領域の半径外側方向に突出する両取付用突起を、そのまま(第2の取付用突起を、不正対策部位の周方向にスライドさせることなく)、対応する被掛止部に挿入し、侵入防止部材の両端部側を対応する外側装着部材に取り付け(引っ掛け)ればよい。このため、請求項9の発明では、両取付用突起の間隔と、両被掛止部の間隔と、の間のクリアランス(遊び)を無くしたり、このクリアランスを少なくしても、侵入防止部材の取付を円滑に行うことができる。
請求項9の発明では、このように、前記クリアランス(遊び)を無くするか、少なくすると共に、不正対策部位の左右方向に沿った他端部側が、外側装着部材(支持部)によって支持される。このため、侵入防止部材が、不必要に下方に弛んだ状態となることはない。従って、請求項9の発明の遊技機によると、侵入防止部材の取付状態の良好化の要請と取付作業の円滑化の要請とを同時に満足させることができる。尚、第1の外側装着部材及び第2の外側装着部材を別体としてもよいし、一体としてもよい。
請求項9の発明が、前述の請求項2〜請求項7のうちの何れかの請求項に係る発明の特徴を備えてもよい。つまり、以下の関連発明1〜6を例示することもできる。
つまり、関連発明1の遊技機は、請求項9の発明の遊技機において、
前記被掛止部は、前方に向かって開放されていることを特徴とする。
関連発明2の遊技機は、請求項7の発明若しくは関連発明1の遊技機において、
前記第1の外側装着部材及び前記第2の外側装着部材のうちの少なくとも一方が、前記遊技機に関する情報を表示するための表示部を備える遊技機情報表示部材であることを特徴とする。
関連発明3の遊技機は、請求項7の発明、関連発明1、若しくは、関連発明2の遊技機において、
前記基体部の左右方向に沿った他端部側には、前記基体部の下面部から下り傾斜状に突出すると共に、自由端を前記基体部の下面部に近接させて撓んだ状態とすると、該自由端を前記基体部の下面部から離間させるような付勢力を生じさせる下部板バネ部が設けられ、
前記下部板バネ部を前記撓んだ状態としつつ、前記下部板バネ部の突端部側を前記支持部に当接する状態とし、
前記基体部の左右方向に沿った他端部側を、前記下部板バネ部の付勢力を用いて前記不正対策部位の外側面に圧接させたことを特徴とする。
関連発明4の遊技機は、請求項7の発明、関連発明1、若しくは、関連発明2の遊技機において、
前記基体部の左右方向に沿った他端部側には、前記基体部の上面部から上り傾斜状に突出すると共に、自由端を前記基体部の上面部に近接させて撓んだとすると、該自由端を前記基体部の上面部から離間させるような付勢力を生じさせる上部板バネ部が設けられ、
前記上部板バネ部を前記撓んだ状態としつつ、前記上部板バネ部の突端部側を前記不正対策部位に外側面に当接する状態とし、
前記基体部の左右方向に沿った他端部側を、前記上部板バネ部の付勢力を用いて前記支持部に圧接させたことを特徴とする。
関連発明5の遊技機は、請求項7の発明、関連発明1、関連発明2、関連発明3、若しくは、関連発明4の遊技機において、
前記基体部は、略帯状の板状物を用いて構成される芯部材と、該芯部材の構成素材よりも軟質な構成素材を用いて構成されると共に前記芯部材の上面部及び下面部のうちの少なくとも一方を被覆する表皮部材と、を備え、
前記延出部は、前記表皮部材と同一の構成素材を用いて、前記表皮部材と一体的に設けられることを特徴とする。
関連発明6の遊技機は、請求項7の発明、関連発明1、関連発明2、関連発明3、関連発明4、若しくは、関連発明5の遊技機において、
前記侵入防止部材において、少なくとも、前記延出部に対して、透視度低下処理を施したことを特徴とする。
尚、各請求項の発明、各関連発明、各応用発明においては、基体部の後端部の全域、若しくは、一部が、遊技盤の前面部と当接してもよいし、遊技盤の前面部と離間してもよい。また、基体部の後端部のうちでアウト口の直下に位置する部位を除く部位」を遊技盤の前面部に当接させ、「基体部の後端部のうちで領域レール部の最下部の下方に位置する部分(以下、「最下部下方部分」という。)」を、「アウト口の直下の位置」、若しくは、「アウト口の直下よりも遊技機の奥側の位置」に到達させることが望ましい。
蓋し、「領域レール部の最下部」は、遊技盤面に設けられたアウト口に遊技球(アウト球)を案内するための案内部を構成するが、この領域レール部の最下部(案内部)の後端部は、通常、切り欠き部とされている。しかも、遊技盤(遊技領域)において、この切り欠き部の真上の位置に、大入賞装置が配置されるのが一般的なため、不正行為者は、「この切り欠き部の下方から、切り欠き部を通過して大入賞装置に至る経路」を、「不正部材の侵入経路」として選択する可能性が高い。このため、「最下部下方部分」を、「アウト口の直下の位置」、若しくは、「アウト口の直下よりも遊技機の奥側の位置」に到達させることによって、この経路を遮断することが望ましいからである。
各請求項の発明において、「延出部をガラス扉枠に当接させること」には、延出部の前端部をガラス扉枠の背面部(後面部であって、遊技盤との対向面部である。)に当接させることの他に、延出部の前端部をガラス扉枠の背面部よりも、前方に到達させること(例えば、ガラス扉枠の背面部に対して、後方に開口する凹部を設け、延出部の前端部を、この凹部を進入させること等)も含まれる。また、「延出部の前端部をガラス扉枠に到達させること」には、延出部の前端部の全域(左右方向に沿った全幅の範囲)を、ガラス扉枠に到達させることの他に、延出部の前端部の一部(左右方向に沿った一部の範囲)をガラス扉枠に到達させることも含まれる。
以上記述したように、請求項1〜請求項7、及び請求項9の各発明の遊技機によると、侵入防止部材の取付状態の良好化の要請と取付作業の円滑化の要請とを同時に満足させることができる。また、請求項8の発明の侵入防止手段によると、侵入防止部材の取付状態の良好化の要請と取付作業の円滑化の要請とを同時に満足させることができる。
以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図10を参照して説明する。この遊技機1は、図1〜図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。
このうち、外枠2は、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されると共に、遊技機本体Hを支持するためのものである。この外枠2は、図2に示すように、略矩形状の枠状体(額縁状体)によって構成されている。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22と、を備えている。
遊技機本体Hは、図1及び図2に示すように、外枠2の一側(遊技者から見て左端側)に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、中枠3と、前面枠4と、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図8を参照)等を主要部としている。尚、図2においては、遊技盤10の図示を省略している。
中枠3は、全体がプラスチック製であり、外枠2の内側に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。また、中枠3の右端中央には施錠装置7が設けられている。更に、中枠3の下方側の前面部には、遊技球を遊技盤10に発射する発射装置(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、発射装置から発射された遊技球を外レール14(後述する。)に向かって誘導する発射レール55(図4及び図5を参照)と、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図11参照)等が配設されている。尚、発射レール55は、中枠3の下方側の前面部において、左方向に向かって上がり傾斜状に設けられている。
中枠3の前面部には、遊技盤10(図4参照)が保持されている。そして、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図8参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。尚、遊技盤10及び裏機構盤102の詳細に関しては後述する。
前面枠4は、ガラス扉枠の具体例を構成するものであり、図1及び図2に示すように、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、全体がプラスチック製である。また、前面枠4は円形状の開口部4aを有している。この開口部4aは、前面枠4を閉じた状態としたときに、前面枠4の奥側(背後)に配置される遊技盤10の盤面を、前方(遊技者の側)から視認可能とするためのものである。つまり、この開口部4aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図4参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。
図2及び図3に示すように、前面枠4の裏面において、開口部4aの略矩形状の取り囲む部位のうちで、上辺部を除く部位には、略コ字形に形成された保持部材41が配設されている。この保持部材41は、2つの保持溝41a、41bを遊技機1の前後(前面枠4の厚さ方向)に形成するものである。また、これらの保持溝41a、41bは、前面枠4の上方に向かって開放されており、これらの保持溝41a、41bには、前面枠4の上方から、ガラス板41c、41cが挿入されている。但し、図2においては、後方の保持溝41bに装着されるガラス板41cの図示を省略している。
本遊技機1においては、前面枠4を閉じた状態とすると、前面枠4の開口部4aと、遊技盤10の遊技領域11(後述する。)とが前後方向に位置合わせされる。このため、遊技者は、ガラス板41c、41cを通じて、遊技領域11を視認することができる。尚、本実施例の前面枠(ガラス扉枠)4において、ガラス板41c、41cを直接的に保持する部分(保持部材41)を、前面枠4の裏面に開閉不可能な状態に装着したが、本実施例と異なり、この部分を、ガラス板41c、41cと一体で開閉可能な状態に装着してもよい。
図1に示すように、前面枠4には、各種のLED表示部4b、4c、4d、4e、4fが設けられ、これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めること等を目的として、ゲームの進行に応じて点灯及び消灯したり、点滅する。また、前面枠4の前面上方側の中央で左右に並ぶ2個の中上LED表示部4f、4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。更に、賞球LED表示部4gの上方には、エラーLED表示部4hが略扇形に設けられている。
本実施例においては、図12に示すように、前面枠4を閉じたときに、前面枠4の裏面部47と、遊技盤10の前面部10aとの間に、空間部(以下、「盤前空間部」という。)Kが形成される。また、前面枠4を閉じたときに、前面枠4の裏面部47と、後述する「領域レール部r」との間には、隙間部(以下、「レール前隙間部」という。)Sが形成される。
図1に示すように、中枠3の前面部において、前面枠3の下方側の部位には、受皿扉部材5が開閉可能に装着されている。尚、前述の発射レール55は、図4に示すように、受皿扉部材5の後方(背後)に配置されている。また、受皿扉部材5の裏側には、音量スイッチ基板12(図9参照)が設けられ、受皿扉部材5の皿外縁部5aには球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が設けられている。
この受皿扉部材5は、図6及び図7に示すように、中枠3の左端に開閉可能に支持された前板部51と、前板部51の前面部から前方に突出する上皿部52とを備えている。また、上皿部52は、上方に開口する容器形状に構成されると共に、底部521を右方向に向かって下り傾斜としている。更に、上皿部52の周壁部522のうちで後方に位置する部位(以下、「奥壁部」という。)522bであって、しかも、左端側の部位には、遊技球通路5Bの出口部が設けられ、この出口部が排出口5bを構成している。この遊技球通路5Bは、遊技機1内から排出される遊技球を、上皿部52の内部に導くものであり、前板部51の後面部(背面部)から奥壁部522bの前面部に向かって貫通する状態に設けられている。尚、遊技球通路5Bの入口部(図示を省略)が、前板部51の後面部で開口している。また、奥壁部522bの上端面は凹部522cが形成され、この凹部522cには突起部522dが設けられている。
図1及び図2に示すように、前面枠3の前面部であって、上皿部5よりも下方の部位には、下皿部6が突出状に設けられている。そして、この下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部6の右端には発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿部6の上部には、灰皿6bの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
図1及び図2に示すように、発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
更に、図1及び図2に示すように、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が設けられている。尚、上皿部5の略中央部には第1音声出力部5cが設けられている。この第1音声出力部5cには、スピーカー400aを構成する中高音用ユニット(ツィータ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。
また、下皿部6における排出ノブ6cの右側及び左側には第2音声出力部6dが設けられている。この第2音声出力部6dには、スピーカー400aを構成するユニット(ウーハ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、本遊技機1では、上皿部5の前面における左端側の部位に、2つの操作ボタンB1、B2を配置している。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について、図4及び図5を中心にして説明する。この遊技盤10は、中枠3(図1を参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図8参照)によりその背面側が覆われている。
この遊技盤10の前面部10aには、図5に示すように、レール部材Rが配置されている。このレール部材Rは、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール14と、内側レール15とを用いて構成されている。この遊技盤10の前面部10aにおいて、このレール部材Rのうちで、領域レール部rによって、遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11の外縁部Gを構成している。そして、遊技盤10の前面部10aのうちで、領域レール部rに囲まれた部位が、「遊技領域形成部YK」である。
つまり、外側レール14は、遊技盤10の前面部10aにおいて、「開口部を下方に向けた略円弧形状に配置された帯状の金属板」を用いて構成される。また、内側レール15は、遊技盤10の前面部10aのうちで、外側レール14の内側の部位において、「開口部を上方に向けた略円弧形状に配置された帯状の金属板」を用いて構成される。そして、内側レール15の略全体と、外側レール14の上部側の部分とによって、略円形の「領域レール部r」が構成される。
本遊技機1においては、遊技盤10の右斜め下方の発射装置によって打ち出され、左上がり傾斜状の発射レール55に沿って上昇した遊技球Vは、遊技盤10の左端側において、外側レール14と内側レール15との間の誘導通路Yを経て、遊技盤10の左上部の「領域入口部Y1」に導かれた後、「領域レール部r」によって包囲された遊技領域11に放出される構造となっている。
図4に示すように、遊技領域11内には、中央装置26と、始動口(普通電動役物171)17と、下部装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車24、25等が配設されている。
図4に示すように、中央装置26は遊技領域11の略中央部に配置されると共に、液晶表示装置27を備えている。また、中央装置26の上部中央には、普通図柄表示装置32が配置されている。この普通図柄表示装置32は、7セグメント表示器32aと、普通図柄保留表示LED32bとを有している。更に、中央装置26の左右斜め下方には、普通図柄作動ゲート36、37がそれぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37s(図9参照)が配設されている。
遊技領域11において、中央装置26の下方に離れた位置には、始動口17が配設されている。そして、この始動口17の入口側部分に、普通電動役物171が配置されている。つまり、この普通電動役物171は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。また、普通電動役物171の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物171)入賞検出スイッチ17s(図9参照)と、翼片部を作動させるための始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図9参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
下部装置18は、上記始動口(普通電動役物171)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図9参照)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検出する入賞球検出スイッチ318(図9参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
また、左下入賞口21は、始動口(普通電動役物171)17の略斜め左下側に配設されて、内部に左下入賞口通過検出スイッチ21s(図9参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223が左下入賞口LED基板21f(図9参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、始動口(普通電動役物)17の略斜め右下側に配設されて、内部に右下入賞口通過検出スイッチ22s(図9参照)が設けられている。そして、この右下入賞口22の下方には複数個の右下入賞口LED224が右下入賞口LED基板22f(図9参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。
下部装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検出スイッチ19s(図9参照)、右入賞口通過検出スイッチ20s(図9参照)が設けられている。また、中央装置26の左右斜め上方には、一対のランプ風車24、25がそれぞれ配設されている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。
これらの障害釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。また、遊技領域の最下部にはアウト口48が設けられている。尚、図5に示すように、「領域レール部r」の最下部r1はアウト口48に遊技球(アウト球)を案内するための案内部を構成するが、この最下部r1には、切り欠き部(最下部r1の後端部を切り欠いて構成される切り欠き部)が設けられている。また、図示を省略するが、アウト口48の下部にはバック球防止部材が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、図4に示すように、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
尚、本遊技機1では、図1に示すように、上皿部5の前面における左端側の部位に操作ボタンB1、B2を配設している。この操作ボタンB1、B2は、液晶表示装置27の表示画面271で行われる表示に変更を加えるためのものである。
本実施例では、図5に示すように、大入賞装置31のサイズを考慮し、不正対策部位Fを以下のように定めている。つまり、大入賞装置31は、「領域レール部rのうちでその最下部r1を中央に配置し、左右両側に高くなると共に中心角(D)を25度とする円弧状部分r3」の上方に位置している。このため、この「円弧状部分r3」よりも、更に広範な「円弧状部分r5」によって不正対策部位Fを構成し、大入賞装置31への不正行為の防止を図っている。つまり、「領域レール部rのうちでその最下部r1を中央に配置し、左右両側に高くなると共に中心角(E)を約110度とする円弧状部分r5」によって不正対策部位Fを構成している。尚、図5等においては、図示の便宜を図るため、不正対策部位Fを、「円弧状の帯形状」にハッチング表示を施して示している。
本実施例では、図4及び図5に示すように、この不正対策部位Fに対して、侵入防止手段300が配置されている。この侵入防止手段300は、証紙台500と、侵入防止部材600と、を用いて構成されている。この侵入防止手段300の詳細に関しては後述する。尚、図21に示すように、不正対策部位Fの左端側には、略矩形状の貫通孔q(被取付孔)が設けられている。この貫通孔qは、不正対策部位Fをその肉厚方向に貫通する状態に設けられている。そして、不正対策部位Fの内側面F2において、貫通孔qの周縁に位置すると共に、アウト口48側(右側)に位置する部位が、第1の被掛止部Qの具体例を構成している。
次に、本遊技機1の裏面構造について図8を参照して説明する。前面枠4(図1)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。また、裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。更に、遊技盤10は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。また、上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検出スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。更に、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検出スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
また、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、液晶表示装置27(図8参照)を格納した蓋付きの裏ケース(図示ぜす)が設けられ、この裏ケースの下側には、後述する主制御部140(図9参照)を構成する主制御基板を格納した主制御基板ケース112が配設されている。
この主制御基板ケース112の背面下側には、発射装置制御部193(図9参照)を構成する発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113と、発射制御集合中継基板(図示略)と、が設けられている。また、裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が配設され、裏機構盤102の右下方部には、払出制御部150(図9参照)を構成する払出制御基板を格納した払出制御基板ケース118が配設されている。更に、遊技機1の裏面側には、中継基板(図示を省略)が装着されている。
図9に示すように、この中継基板190は、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。尚、本実施例においては、主制御基板ケース112、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
一方、裏機構盤102の左下端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板(図示略)が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板(図示略)の上側に配設されている。また、払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。更に、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材(図示略)が設けられている。尚、本実施例では、電源ターミナル基板121に対して、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ121aを接続しているが、このラムクリアスイッチ121aの接続を省略したり、ラムクリアスイッチ121aの接続個所を変更してもよい。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置130について、図9を参照して説明する。この電子制御装置130は、主制御部140と、複数の副制御部とを含んで構成されている。また、副制御部としては、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(払出制御部150、音声・ランプ制御部170等)と、この第1次副制御部を介して主制御部140に接続された第2次副制御部(発射装置制御部193、図柄制御部160等)と、を備えている。尚、主制御部140と第1次副制御部とは信号伝送経路500aによって接続され、第1次副制御部及び第2次副制御部は信号伝送経路500bによって接続されている。
次に、各制御部間における「データ等」の伝送方式について述べる。即ち、主制御部140から、払出制御部150および音声・ランプ制御部170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータ等が伝送される。また、音声・ランプ制御部170から図柄制御部160へも一方向形式でデータが伝送されるものとして説明するが、音声・ランプ制御部170と図柄制御部160との間では双方向形式でデータを伝送することとしてもよい。尚、図9に示した破線の矢印は、各制御部140ないし180への電源供給経路を表している。また、図示されているように、電源は先ず初めに電源受電基板410に供給され、電源ユニット420で所定電圧に変換された後、分電基板430から各制御部140ないし180に電力が供給される。更に、電源投入時には、後述するシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
ここで、主制御部140は、遊技の基本進行を司る制御部であり、当否判定の等、本遊技機1において重要な処理を実行する。また、主制御部140は、図9に示すように、各種スイッチ(9a、9b、9b、104、192、17s、19s〜22s、36s、37s、318)等からの情報を受け取って所定の演算を行った後、払出制御部150や音声・ランプ制御部170に各種のコマンドを出力するとともに、各種の基板やソレノイド(17c、313、37)などに駆動信号を出力する。
尚、図示を省略するが、音声・ランプ制御部170は、スピーカー400aやランプ等の制御を主に行うための制御基板と、制御基板からの命令を受けて、ランプ等に駆動信号を出力するための駆動基板の、主に2つの基板から構成されている。また、図柄制御部160は、特別図柄制御基板によって主に構成されている。
中継基板190には、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等が接続されている。また、払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検出スイッチ104及び補給球切れ検出スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、払出制御部150の入出力回路部に接続されている。
以上の電子制御装置130においては、遊技球が始動口17に入球すると、その情報が始動口入賞検出スイッチ17sによって検出されて、主制御部140に入力される。また、遊技球が普通図柄作動左ゲート36あるいは普通図柄作動右ゲート37を通過すると、その情報が普通図柄作動口通過検出器36s,37sにより検出されて、主制御部140に入力される。更に、入賞球検出スイッチ19s〜22s,318で遊技球の入球が検出されると、その情報は、中継基板190を介して主制御部140に入力される。
(2)侵入防止手段の説明
侵入防止手段300は、図10に示すように、証紙台500と、侵入防止部材600と、を用いて構成されている。この侵入防止手段300は、「不正部材を、不正対策部位Fの下方部から大入賞装置31に向かって侵入させるための侵入経路」を遮断するためのものである。
証紙台500は、外側装着部材(特に、遊技機情報表示部材)の具体例を示すものであり、図10に示すように、遊技盤10の前面部10aにおいて、不正対策部位Fの外側面F1の外側に位置する部位(以下、「外領域M」という。)に着脱可能な状態に装着されている。この外領域Mは、遊技盤10の中心線(上下方向に沿った中心線であって、アウト口48を通過する。)を基準にとして、右外領域部MR(遊技者から見て右側の領域部)と、左外領域部ML(遊技者から見て左側の領域部)とに区画される。そして、証紙台500は、右外領域部MRに装着されている。
尚、本実施例においては、左外領域部ML及び右外領域部MRのうちの右外領域部MRのみに、証紙台500を装着可能な空き部分が存在するため、右外領域部MRには証紙台500を装着した。但し、本実施例と異なり、左外領域部MLに外側装着部材を装着したり、左外領域部ML及び右外領域部MRに外側装着部材を装着してもよい。
証紙台500は、図11に示すように、前壁部502と、前壁部502の周縁部から後方に突出する周壁部503とを備えている。そして、この証紙台500は、「前壁板502を内底面とすると共に周壁部503を周壁としつつ、後方に開口する略容器形状」を備えている。また、図13に示すように、この証紙台500の後端面505は略台形の枠形状とされている。また、図12及び図13に示すように、後端面505の右端の上方側と左端の下方側とに、取付代506、509を一体的に備えている。これらの取付代506、509は板形状とされると共に、後面を後端面505と面一にしている(図13を参照)。また、取付代506、509は、表裏を貫通する状態にビス挿通孔506a、509aを備える。尚、図12に示すように、証紙台500の右端の上方側と、左端の下方側には、切り欠き部508a、508bが設けられている。そして、各取付代506、509は、各切り欠き部508a、508bを通じて、証紙台500の前方に露呈している。
前壁部502は、図11〜図13に示すように、左右の端縁(側端縁)を上下方向に向け、下部の端縁(下端縁)を略水平方向に向け、上部の端縁(上端縁)を略円弧状とする板状体によって構成されている。また、前壁部502の上部の端縁(上端縁)の曲率は、内側レール15の曲率と略等しくされている(図10を参照)。尚、証紙台500を遊技盤10に装着すると、前壁部502の上端縁は、「内側レール15の下半側であって、右側に位置する部位」と略平行な円弧を描くことになる(図10を参照)。更に、図11に示すように、前壁部502の前面部に、平面形状が略矩形状の凹部502aを備えており、この凹部502aには証紙(図示を省略)が貼付される。尚、この証紙は、遊技機に関する情報(製造メーカ、製造番号等)を表示するための表示部を構成するものである。そして、証紙の前面部には、遊技機に関する情報が印刷されている。また、本証紙台500は、証紙を装着(貼付)した状態で完成品となり、請求項3の発明の「遊技機情報表示部材」の具体例を構成する。
周壁部503は、図12及び図13に示すように、右壁板部503aと、左壁板部503bと、上壁板部503cと、底壁板部503dとを、略台形の枠型に配置した構成を備える。このうち、上壁板部503cは、前壁板502の上端縁に沿った略円弧形状に構成されている。つまり、この上壁板部503cの上面部507は略帯状に構成されつつ、内側レール15の略等しい曲率を備えている。このため、図10に示すように、証紙台500を遊技盤10に装着すると、上壁板部503cの上面部507と、「内側レール15の下半側であって、右側に位置する部位」の外側面とが略平行となる。
上壁板部503cの上面部507は、「支持部」の具体例を構成するものであり、図11〜図13に示すように、左方向に下る傾斜部(傾斜面)を構成している。この上壁板部503cの右端側には、図11〜図14に示すように、斜め上方に開口する溝部507aが設けられている。この溝部507aは、「第2の被掛止部」の具体例を構成するものであり、上壁板部503をその前後方向に縦断する状態に設けられている。そして、溝部507aは、証紙台500の前面部及び後面部においても開口している。この溝部507aの上面部507で開口する開口部は、長手方向を証紙台500の奥行き方向に向け、短手方向を証紙台500の幅方向に向けている。
上壁板部503cの上面部507の左端側からは、図11〜図14に示すように、支持突部507bが突出している。また、図11に示すように、上壁板部503cの前端縁において、右端側に位置する部位からは、脱落防止壁507cが略円弧状に立ち上げられている。尚、脱落防止壁507cには、溝部507a(第2の被掛止部)の前端部を、前方に開放するための切り欠き部507gが設けられている。
侵入防止部材600は、図15に示すように、基体部610と、延出部620とを備えている。このうち、基体部610は、長尺な帯状に構成され、不正対策部位Fと、長手幅及び短手幅が略等しくされている。この基体部610は、侵入防止部材600を不正対策部位Fに装着したときに、不正対策部位Fの外側面F1に沿うように略円弧状に配置される。
延出部620も、図15に示すように、長尺な帯状に構成され、基体部610の前端縁から、斜め下方に延出している。そして、侵入防止部材600を不正対策部位Fに装着し、更に、前面枠4(ガラス扉枠)を閉じた状態とすると、この延出部620は、その突端部が前面枠4(ガラス扉枠)の裏面部に当接する(図17を参照)。
基体部610は、図15〜図18を用いて示されるように、略帯状の金属板を用いて構成される芯部材611(図19を参照)と、樹脂を用いて構成されると共に基体部610の上面部610aを被覆する表皮部材612と、を備えている。また、延出部620は、表皮部材612と同一の樹脂を用いて構成されると共に、表皮部材612と一体とされている。つまり、表皮部材612及び延出部620からなる一体物は、樹脂を用いて一体成形されて作成されるものである。
芯部材611は、図19に示すように、長尺な帯状に構成され、不正対策部位Fと、長手幅及び短手幅が略等しくされている。この芯部材611の上面部において左端側に位置する部位には、第1の取付用突起613が、略L字状となりつつ、上方に向かって突出している。つまり、図20(a)に示すように、この第1の取付用突起613は、芯部材611の上面部の上方に突出する第1の突出片613aと、この第1の突出片613aの突端部から、芯部材611の上面部に略平行の方向に突出する(但し、自由端に向かって僅かに上がり傾斜となるように突出する)掛止片613bと、を備える。
尚、掛止片613bは掛止部の具体例を構成すると共に、第1の突出片613a及び掛止片613bは何れも平板状とされている。また、第1の取付用突起613の自由端、つまり、掛止片613bの突端部は、芯部材611の右端方向を指向している。但し、掛止片613bの突端部が指向する方向は、他の方向(芯部材611の左端方向、芯部材611の前方向、芯部材611の後方向等)等であってもよい。
侵入防止部材600を不正対策部位Fに装着すると、「第1の突出片613a」は遊技領域11の半径内側方向に突出する状態に配置される。また、掛止片613bは、第1の突出片613aの突端部から遊技領域11を周回する方向に屈曲して(左方向に周回するように屈曲して)、突出する状態に配置される(図21を参照)。
芯部材611の右端部では、図15及び図20(c)に示すように、第2の取付用突起614が下方に向かって突出している。この第2の取付用突起614は、芯部材611の右端部と略直交する平板状に構成されている。そして、侵入防止部材600を不正対策部位Fに装着すると、「第2の取付用突起614」は遊技領域11の半径外側方向に突出する状態に配置される。
図20(b)に示すように、芯部材611の下面部であって、芯部材611の右端部寄りの部位からは、下部板バネ部615が突出している。この下部板バネ部615は、芯部材611の右端部寄りの部位に略コの字状に切り込み部を設けると共に、芯部材611のうちで、当該「切り込み部」で囲まれて部位を、芯部材611の下方に屈曲させて構成されている。
この芯部材611の下面部から下り傾斜状に突出している。そして、自由端を基体部610の下面部に近接させて撓んだ状態とすると(芯部材611の下面部を基準とする傾斜角度Xが小さくなるように、下部板バネ部615を撓ませると)、下部板バネ部615には、自由端を基体部610の下面部から離間させるような付勢力(傾斜角度Xを復元する方向への付勢力)を生する。
表皮部材612は、図15に示すように、芯部材611の上面部のうちで、芯部材611の左右の端部側を除く部位を被覆するものである。この表皮部材612は、図17に示すように、芯部材611の上面部と面当接する本体部612aと、本体部612aの左右の端縁に設けられ、略L字状の断面を備える把持部612b、612cを備える。
表皮部材612は、把持部612b、612cの突端部を芯部材611の下面部に回り込ませた状態で、芯部材611に装着される。尚、表皮部材612を芯部材611に装着しても、芯部材611の両端部側と、芯部材611の裏面部の大部分は、表皮部材612で被覆されない。このため、第1の取付用突起613と、第2の取付用突起614と、下部板バネ部615は、外部に露呈した状態となる。
次に、侵入防止手段300の装着の手順の一例を述べる。先ず、証紙台500が、遊技盤10の右外領域部MRに装着される。この装着は、不正対策部位Fの外側面F1と、上壁板部503cの上面部507(支持部)とが、所定の隙間(基体部610を挿入可能な間隔であって、例えば、基体部610の肉厚の1.02倍〜1.80倍の間隔の隙間)をおいて対向するように装着される。この際、不正対策部位Fの外側面F1と、上壁板部503cの上面部507(支持部)とは略平行とされる。そして、証紙台500の前方から、切り欠き部508a、508bを通じて、ビス挿通孔506a、509aにビスを装着して、証紙台500は遊技盤10の右外領域部MRに固定される。
この後、侵入防止部材600が不正対策部位Fに装着される。先ず、図21(a)に示すように、第1の取付用突起613を貫通孔qに位置合わせする(遊技領域11の半径に沿って位置合わせする)。この後、第1の取付用突起613を貫通孔qに挿入する。更に、基端部610を不正対策部位Fの外側面F1の外側で、領域レール部rの左回転方向に移動し、第1の取付用突起613を貫通孔q内で左回転方向に移動する。尚、貫通孔qの左右方向に沿った幅が、掛止片613b(つまり、掛止部)の左右方向に沿った幅よりも大きくされているため、第1の取付用突起613は貫通孔qに対して円滑に挿入できる。
これにより、図21(b)に示すように、第1の取付用突起613が第1の被掛止部Qに掛止される。即ち、第1の突出片613a(前述の挿通部を構成)が、貫通孔qに挿通され、掛止片613b(つまり、掛止部)が第1の被掛止部Qに掛止される。このとき、掛止片613bは第1の被掛止部Qに対して、遊技領域11の半径外側方向に向かって当接(面当接)され、掛止片613bは第1の被掛止部Qに掛止される。このため、侵入防止部材600の左端部側600L(図15を参照)は、第1の取付用突起613を用いて不正対策部位Fに取り付けられる。
続いて、侵入防止部材600の右端部側600R{図22(a)}を、不正対策部位Fの外側面F1と、上壁板部503cの上面部507(支持部)との間の隙間部S1{図22(a)}に挿入する。この挿入作業は、図14に示すように、右端部側600Rを、証紙台500の前方から隙間部S1に挿入する作業である。この挿入作業の際、第2の取付用突起614は、切り欠き部507gを通過して隙間S1内に前方から後方に向かって進入する。これにより、第2の取付用突起614の突端部側は、溝部507a(第2の被掛止部)の入口側に進入した状態となる。
この後、第2の取付用突起614を溝部507a(第2の被掛止部)に対し、半径外側方向に沿って直線状(直進状)に挿入し、第2の取付用突起614を溝部507a(第2の被掛止部)の内壁部に掛止する。つまり、この掛止は、図23に示すように、遊技領域11の半径外側方向に突出する第2の取付用突起614を、遊技領域11の中心部の方向と、前方に開口する溝部507a(第2の被掛止部)に挿入するだけで完了する。この際、略平板状の「第2の取付用突起614」は、その表裏面を、斜め右下り傾斜状としつつ(遊技領域11の半径外側方向に沿って右下り傾斜状としつつ)、斜め右下り傾斜状(遊技領域11の半径外側方向に沿って右下り傾斜状)の溝部507a(第2の被掛止部)に収まった状態となる。そして、第2の取付用突起614の一つの側面614a(左方向を向いた側面)が、溝部507a(第2の被掛止部)の内壁部を構成する一つの面部分(溝部507aの左端に位置し、右方向を指向する面部分ある。)507gに当接(面当接)し、第2の取付用突起614の溝部507a(第2の被掛止部)への掛止を完了する。
以上のように、侵入防止部材600の取付を完了すると、基体部610は不正対策部位Fの外側面F1に沿うように略円弧状に配置される。このとき、基体部610は、不正対策部位Fの外側面F1に密着する。そして、本実施例では、下部板バネ部615等の作用で、基体部610の不正対策部位Fの外側面F1に対する密着度が高められる。つまり、第2の取付用突起614を溝部507a(第2の被掛止部)に掛止すると、下部板バネ部615が、その突端部を支持突部507bに当接させる。この際、下部板バネ部615がその自由端を基体部610の下面部に近接させるように撓み、圧縮された状態となる。このため、下部板バネ部615の付勢力(復元力)を用いて、侵入防止部材600の右端部側600Rが、不正対策部位Fの方向に押圧されるからである。
このように、侵入防止部材600を、不正対策部位Fに装着すると、図18に示すように、延出部620は、不正対策部位Fの斜め下方に突出する。そして、前面枠4(ガラス扉枠)を閉じた状態とすると、図16及び図17に示すように、延出部620の突端部が前面枠4(ガラス扉枠)の裏面部に当接する。これにより、「下方から大入賞装置31に向かって不正部材Jを侵入させる侵入経路」を遮断することができる。
(3)実施例の効果
本実施例では、第1の取付用突起613を遊技領域11の半径内側方向に突出する状態で配置される略フック形状に構成し、第2の取付用突起614を、遊技領域11の半径外側方向に突出する状態で配置される略平板状に構成する。そして、第1の取付用突起613の掛止片613b(掛止部)を、第1の被掛止部Qに掛止し、侵入防止部材600の左端部側を不正対策部位Fの左端部側に掛止した(引っ掛けた)後、第2の取付用突起614を第2の被掛止部(溝部507a)に挿入し、侵入防止部材600の右端部側を証紙台500に掛止する。
つまり、本実施例では、後から掛止される「第2の取付用突起614」が、フック状ではなく、略平板状構成され、その掛止も、第2の被掛止部(溝部507a)に、「単に挿入するだけ」で完了する。このため、左右の取付用突起613、613eの間隔と、第1の被掛止部Q及び第2の被掛止部(溝部507a)の間隔との間にクリアランス(遊び)を無くしたり、少なくしても、侵入防止部材600の取付を円滑に行うことができる。そして、このようにクリアランス(遊び)を無くすること等が可能であると共に、不正対策部位Fの右端部側が証紙台500(支持部)によって支持されるため、侵入防止部材600が、不必要に下方に弛んだ状態となることはない。しかも、下部板バネ部615の付勢力を用いて、基体部610の不正対策部位Fの外側面F1に対する密着度が高められている。従って、本実施例によると、侵入防止部材600の取付状態の良好化の要請と取付作業の円滑化の要請とを同時に満足させることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
即ち、本実施例と異なり、侵入防止部材の右端部側に第1の取付用突起を設け、侵入防止部材の左端部側に第2の取付用突起を設けると共に、不正対策部位の右端部側に第1の取付用突起を設け、不正対策部位の左端部側に第2の取付用突起を設けてもよい。また、外側装着部材は証紙台500に限定されない。例えば、外領域Mに、証紙台500と共に他の外側装着部材を装着し、当該他の外側装着部材に対して「第2の被掛止部」を設けてもよい。
本実施例と異なり、右外領域部MRと、左外領域部MLとに各々、別個の外側装着部材を装着してもよい。この場合、基体部の左右方向に沿った各端部側に対して、遊技領域の外側方向に突出する状態に配置される突出片によって構成される掛止部を設ける。そして、第1の部材の支持部と、第2の部材の支持部との各々に対して、掛止部が挿入状に掛止される被掛止部を設けてもよい。また、右外領域部MRと、左外領域部MLとに至る単一の外側装着部材を装着してもよい。
各請求項の発明では、図24(a)に示す変形例1のように、基体部610の下面部から延出部620を延出させてもよい。また、各請求項の発明では、図24(b)に示す変形例2のように、第1の被掛止部Qを、不正対策部位Fの外側面の側に設けてもよい。更に、図24(c)に示す変形例3のように、第2の取付用突起614を略平板状以外の形状(例えば、屈曲する板状)に設けてもよい。つまり、第2の被掛止部800に挿入されて、その内壁部に掛止可能(つまり、第2の被掛止部800に挿入するだけでその内壁部に掛止可能)であれば、その形状を特に問わない。
上記した各実施例や各変形例の形態では、図柄制御部160を音声・ランプ制御部170の制御下で用いる態様を説明した。即ち、図柄制御部160を、主制御部140の2次側(下流)にある音声・ランプ制御部170を介して、主制御部140の2次側(下流)に接続する設ける態様を例示したが、図柄制御部160を音声・ランプ制御部170よりも1次側(上流側)に配置することもできる。つまり、図25の変形例4のように、主制御部140の2次側(下流)に所定の伝送経路500aを用いて図柄制御部160を接続し、図柄制御部160の2次側に所定の伝送経路500bを用いて音声・ランプ制御部170を接続する。そして、音声・ランプ制御部170の2次側(下流)に所定の伝送経路を用いて、液晶柄表示装置27を接続してもよい。
また、上記した各実施例や各変形例の形態では、液晶表示装置27での図柄(本図柄、疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)や保留数の表示制御、及び普通図柄表示装置32での普通図柄の表示制御を図柄表示部160で行うものとしていたが、このうち、液晶表示装置27における本図柄と保留数の表示制御と、普通図柄表示装置32における普通図柄の表示制御とを主制御部140で行い、液晶表示装置27における疑似図柄や背景図柄やキャラクタ図柄等の演出専用図柄の表示制御のみを図柄表示部160で行うようにしても良い。