JP2006095026A - テーブルにおける幕板 - Google Patents

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Abstract

【課題】遮蔽範囲が広く、開閉が容易な幕板を提供する。
【解決手段】テーブル1における両側の支柱5間にわたって架設される幕板40において、その幕板40を上下に2分割し、上側幕板42と下側幕板41の少なくも一方を、その下端を支点として着席側と反着席側に回動可能に備えたことを特徴とする。前記支柱5を、その下部側を垂直に起立する垂直部6とし、上部側を着席側に向って上向きに傾斜する傾斜部7とし、前記下側幕板41を前記支柱の垂直部6に配置し、前記上側幕板42を前記支柱の傾斜部7に配置する。
【選択図】図5

Description

本発明は、テーブルにおいて、着席者の足部が前方から見えないようにテーブルの前側に設けられる幕板に関する。
従来、事務机や会議用机などのテーブルにおいて、着席者の足部が前方、例えば対向側に着席した人から見えないように、遮蔽する幕板を設けるものがある。
また、近年、パソコンの普及により、図29に示すように、テーブル201の天板202に配線穴203を形成し、パソコン204のコード205を配線穴203から天板202の下側へ配線することが行われている。
このようなことから、従来、前記の幕板を図29に示すように、1枚の幕板206で形成するとともに該幕板206を、その下端を支柱207に回転支軸208により回転可能に設けて、実線の開状態と鎖線の閉状態に開閉可能に備え、前記のような配線が必要な場合には幕板206を開状態にして、この幕板206の裏側で配線したり、部品209を収納し、幕板206を、その幕板の機能と配線空間形成部材としての機能を兼備させたものが知られている。
前記従来のように幕板206を1枚で形成して、これを開閉するものにおいては、この幕板206が上下方向に長いと遮蔽範囲が広く幕板としての機能が高い反面、幕板が重くなり、幕板の開閉操作機構やストッパ機構の大型化、コスト高になる。また、逆に幕板206が上下方向に短いと、幕板の開閉操作が楽になる反面、遮蔽範囲が狭くなる問題がある。
また、着席者の足が幕板に当ることがあるため、開閉操作機構やストッパ機構の強度化が必要で、この面からも機構の大型化、コスト高になる問題がある。
そこで、本発明は前記の問題を解決するテーブルにおける幕板を提供することを目的とするものである。
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、テーブルにおける両側の支柱にわたって架設される幕板において、その幕板を上下に2分割し、その上側幕板と下側幕板の少なくとも一方を、その下端を支点として着席側と反着席側に回動可能に備えたことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、テーブルにおける両側の支柱にわたって架設される幕板において、その幕板を上下に2分割し、その下側幕板を両支柱に固着し、上側幕板を、その下端を支点として着席側と反着席側に回動可能に備えたことを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、テーブルにおける両側の支柱にわたって架設される幕板において、その幕板を上下に2分割し、その上側幕板を両支柱に固着し、下側幕板を、その下端を支点として着席側と反着席側に回動可能に備えたことを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、テーブルにおける両側の支柱にわたって架設される幕板において、その幕板を上下に2分割し、その上側幕板と下側幕板を、それぞれ下端を支点として着席側と反着席側に回動可能に備えたことを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記支柱を、その下部側を垂直に起立する垂直部とし、上部側を着席側に向って上向きに傾斜する傾斜部とし、前記下側幕板を前記支柱の垂直部に配置し、前記上側幕板を前記支柱の傾斜部に配置したものである。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、天板が起倒するテーブルであって、前記天板と前記回動する幕板との間に、天板の起立動作に連動して幕板を、開状態から閉状態に作動させる連動機構を設けたものである。
請求項1記載の発明によれば、幕板を上下に2分割したので、この2枚の幕板で上下に長い幕板を構成して広い範囲の遮蔽が行えるとともに、分割された幕板を開閉するようにしたので、前記従来のような大きな1枚の幕板を開閉するものに比べて、開閉する幕板を軽くすることができる。
そのため、2枚の幕板による広い範囲の遮蔽機能を保持し、かつ、開閉する幕板を軽量にしてその開閉操作機構やストッパ機構の小型化、低廉化を図ることができる。
更に、請求項2記載の発明のように、着席者の足が当る下側幕板は、開閉する上側の幕板とは分離してビスなどの簡易な止具で強固に固定できるため、前記従来のような足が当ることから開閉機構やストッパ機構の強度化を図る問題を解消できる。
更に、下側幕板を両側の支柱に固定することにより、テーブル本体の強度、特に側方より押したときの強度を向上させることができる。
また、請求項3記載の発明のように、下側幕板を開くようにすると、該下側幕板の内側への配線や物の収納作業が容易になる。
また、請求項4記載の発明のように、上下の幕板を開くようにすると、配線量や物の収納量を多くすることができる。
請求項5記載の発明のように、支柱の上部を傾斜させて該傾斜部に上側幕板を配置したことにより、その上側幕板を開くようにした場合、該幕板と支柱との間の側面開口部がV状に開いて広くなり、配線作業や物の収納が容易になる。
請求項6記載の発明によれば、天板を起立させるテーブルにおいて、テーブルの収納時に天板を起立させると回動する幕板が自動的に閉じる。そのため、上側幕板が回動するようにしたものにおいては、上側幕板を閉め忘れて開いたままの状態で天板を起立させても、上側幕板が自動的に閉じ、天板と上側幕板とが干渉して破損することを防止できる。
本発明を実施するための最良の形態を図1乃至28図に示す実施例に基づいて説明する。
図1乃至図11は実施例1を示し、本発明をテーブル、より詳しくはフラップテーブルに適用したもので、テーブル1の下部には左右側に位置して一対の横脚2,2Aが設けられており、該横脚2,2Aは前後方向に、かつ、並行して配置されている。また、両横脚2,2Aには支柱5,5Aが立設されている。なお、テーブル1における着席側Aを後側とし、着席側と反対の側、すなわち、反着席側Bを前側とする。
また、前記一方の横脚2及び支柱5側と他方の横脚2A及び支柱5A側の構造は同様の構造であるため、一方の横脚2及び支柱5側について説明し、他方の横脚2Aと支柱5A側の部品については一方の横脚2と支柱5側と同一の符号を付してその説明は省略する。
前記横脚2,2Aの前後端部の下面には、車輪3a,3bが具備されおり、実施例ではキャスタを用いている。
横脚2,2Aの上面には、その前後方向の中央部から前側寄りに偏位して支柱5,5Aが立設され、該支柱5,5Aは金属パイプで形成されてその下端部が横脚2,2Aを上下方向に貫通して横脚2,2Aに固着されている。したがって、支柱5,5Aの下端は横脚2の下側に開口している。
前記支柱5,5Aは、横脚2、2Aの上面から所定の長さだけ床面に対して垂直状態に起立した垂直部6と、該垂直部6の上端から、後側である着席側に向かって上方に傾斜する傾斜部7とで一連に屈曲して形成されている。また、傾斜部7の前面7aは直線面に形成されている。前記垂直部6の上下方向(軸方向)の長さは、図2に示すように、垂直部6の中心線と傾斜部7の中心線との交点から床面FLまでの長さL1が35cm〜55cmの範囲になるように設定されている。このL1の長さは、好ましくは48cmに設定する。また、垂直部6の中心線と傾斜部7の中心線との交点から傾斜部の中心線と水平姿勢の天板10の裏面との交点までの長さL2は14cm〜38cmの範囲に設定されている。このL2の長さは、好ましくは23cmに設定する。更に、傾斜部7の水平面に対する角度α1は45度〜75度の範囲に設定され、好ましくは60度に設定する。例えば、天板10の板厚を25mm前後とし、床面FLからテーブル1の全高さL5を700mm前後とした場合に、前記L1を48cm、L2を23cm、α1を60度に設定する。前記両支柱5,5Aにおける上部、すなわち、傾斜部7,7間には、両支柱5,5Aを連結補強する貫パイプ4が架設されている。
前記支柱5,5Aの上部、すなわち、前記傾斜部7,7に、図6に示すように、ヒンジ金具5aが上方へ突出するように固着されており、該ヒンジ金具5aには、左右方向に水平に配置された第1支軸8が設けられており、該第1支軸8に、これを回転軸として天板取付板9が回動可能に備えられている。更に、該天板取付板9の上面には天板10が固着されており、前記第1支軸8を中心として天板取付板9とともに天板10が前後方向に回動できるようになっている。また、天板取付板9には図5に示すように、回転軸11が回転可能に設けられ、該回転軸11に操作レバー12とストッパレバー13が固設されている。更に、前記ストッパレバー13にはピン13aが設けられており、天板10を図5に示すように水平状態にして操作レバー12を下動するとピン13aが前記ヒンジ金具5a側に設けた係止溝14aに係止して天板10の水平状態を保持し、操作レバー12を上動してピン13aを係止溝14aから外した後天板10を起立させ、その後に操作レバー12を下動することにより、図9に示すように、ピン13aをヒンジ金具5a側に設けた係止溝14bに係止して天板10の起立状態を保持できるようになっている。また、前記ストッパレバー13には、これを前記係止溝14a,14b方向へ常時付勢する付勢手段であるスプリング13cが設けられている。
更に、前記のように天板10を起立させることにより、図9に示すように、天板10が、その前側下面が前記支柱5における傾斜部7の前面7aに沿って傾斜して起立するようになっている。
前記支柱5の上部、すなわち傾斜部7であって、かつ、前記天板取付板9の下側には、第2支軸15が支柱5,5Aに回転可能に支持されて架設されている。
前記天板10の下側には棚板16が配置されており、該棚板16は図4に示すように、棚側板16aと棚棒16bで構成されている。該棚側板16aの前側端は下方へ屈曲しており、その先端が前記第2支軸15に固着されている。したがって、棚板16を第2支軸15を中心として上下方向に回動することにより、第2支軸15も同期して同方向へ同量分回転するようになっている。
棚側板16aの後側端(着席側端)と天板取付板9とはリンク部17で連結されており、該リンク部17はトグル機構で形成されている。このトグル機構は図7に示すように、天板10側、すなわち、天板取付板9に水平に設けた第3支軸18により回転可能に設けられた第1のリンク19と、棚側板16aの後側端に回転可能に設けた第4支軸20に設けられた第2のリンク21と、前記第1のリンク19の他端と第2のリンク21の他端を回転可能に連結するピン22と、該ピン22が、前記第3支軸18と第4支軸20とを結ぶ線上から前側に位置した状態(図7の状態)を保持するストッパ部23と、前記ピン22を前側へ付勢するコイルばねからなる付勢手段24とにより構成されている。
したがって、図7に示すように、ピン22を、第3支軸18と第4支軸20とを結ぶ線(死点)Xより前側に位置させることにより、ストッパ部23と付勢手段24とにより、両リンク19と21のほぼ直線形態を維持し、図7の状態からピン22を、第3支軸18と第4支軸20とを結ぶ直線(死点)を超えて後側へ移動させることにより、両リンク19と21をくの字状に大きく折曲して、棚側板16a、すなわち棚板16を、第2支軸15を中心として該第2支軸15とともに上方へ回動できるようになっている。
更に、前記第2のリンク21には解除レバー26が一体に形成されており、該解除レバー26を手操作で上動することにより第2のリンク21を、前記ピン22が死点を超えて後側に移動するように回転できるようになっている。
また、前記の構成により、前記支柱5部と、天板取付板9、すなわち、天板10部と、棚板16と、リンク部17とで平行リンクを構成している。
前記第2支軸15には、支柱5内において、連動レバー27が前側に向かって一体的に固着されており、第2支軸15の回転により連動レバー27が支柱5内で上下方向に揺動するようになっている。
前記支柱5内にはロッド28が昇降可能に配置されており、そのロッド28の上端は前記連動レバー27の先部に回転可能に連結されている。
前記ロッド28の下端は前記横脚2の下側に突出している。
前記横脚2の下側には支板29が固設されており、該支板29に制動機構30が設けられている。該制動機構30を構成する制動腕31は、その中央部を、支板29において左右方向に水平に設けた回転軸32に回転可能に取付けて設けられている。更に、回転軸32は、前記ロッド28の軸芯よりも前側に配置されている。
前記ロッド28の下端部には、下方が開口する係止溝33が形成され、前記制動腕31の上端に設けた摺動ピン34が係止溝33に上下方向に摺動可能に嵌合している。また、制動腕31の下端には摩擦係数の大きい制動部材35が固着されている。該制動部材35は左右方向に水平に設けた軸36に、該軸36を中心とする円環状に形成して制動腕31に回転不能に固着されている。
前記ロッド28には、その係止溝33より上方に位置してピン37が固設され、該ピン37と前記摺動ピン34との間に引っ張り方向に付勢する付勢手段であるスプリング38が架設されており、前記制動腕31を、その回転軸32を中心として、図5において反時計方向に回動するように付勢されている。更に、制動腕31は、車輪3a,3bが床面に接触していない状態で、ロッド28が最上昇した場合に、図5に示すように摺動ピン34が、係止溝33の上面に当接し、かつ、制動部材35が、車輪3a,3bの下面より下方へ所定量L3だけ突出するように設定されている。したがって、この状態で車輪3a,3bが図8に示すように床面FLに接すると、制動腕31がスプリング38を引き伸ばして図5の状態から時計方向に回転し、スプリング38に上方への付勢力が蓄積され、この蓄力によって制動部材35が図8に示すように床面FLに圧接され、この圧接力による床面との摩擦抵抗により、テーブル1の移動を阻止するようになっている。
更に、前記のように制御部材35が床面FLに接触した状態では、制動腕31が、図8に示すように、回転軸32より下方がテーブル1の前方に位置する後傾姿勢をとるようになっており、テーブル1に図8における矢印C方向の移動力が作用した場合に、制動部材35が床面FL方向に喰い込的に一層圧接されるようになっている。
以上の構造により、前記ロッド28と制動腕31等が連動機構を構成し、前記リンク部17と解除レバー26が解除手段を構成している。また、前記連動レバー27が第2支軸15の回転をロッド28の昇降に変換する機構を構成している。
次に、幕板について説明する。
テーブル1の前側には幕板40が設けられており、該幕板40は、下側幕板41と上側幕板42とに上下に2分割されている。
下側幕板41は、前記左右の支柱5,5Aの前面間にわたって横架されており、ビス等の適宜手段により支柱5,5Aに垂直状態に固着されている。該下側幕板41の上端は支柱5,5Aにおける垂直部6の上端部に位置している。
また、前記上側幕板42は、前記左右の支柱5,5Aにおける傾斜部7の前側間にわたって配置されているとともに、その下端を前記下側幕板42の上端に、左右方向に水平に配置した回転軸43により回転可能に設けられており、上側幕板42が、その下端部の回転軸43を中心として、上部が前後方向に移動して開閉するようになっている。更に、上側幕板42は、支柱5,5Aにおける傾斜部7の前面に沿って閉じるようになっている。なお、前記上幕板42は支柱5,5A側に回転軸43を設けて開閉するようにしてもよい。また、上側幕板42の上下方向の長さは、その上端が、前記天板10の水平姿勢において、その天板10の裏面に近接し、かつ、天板10と干渉することなく前後方向に移動できるように設定されている。なお、上側幕板42の裏側には図11に示すように布製などの柔軟材からなる受幕42aが設けられており、その一端が上側幕板42に固着され、他端が支柱5,5A間に架設して固着され、中間部が垂れ下がっている。
前記上側幕板42の裏面には取付板44が固設されており、連動機構であるワイヤ45の一端が前記取付板44に連結され、ワイヤ45の他端が前記ストッパレバー13のピン13aに連結されている。
前記ワイヤ45は、図5に示す上側幕板42の閉じ状態からその上側幕板42を手操作で図11に示すように前側へ開き回動した場合には、図5の状態からワイヤ45のみが引き移動されて前記ストッパレバー13は図5に示す状態を維持し、また、図11に示すように上側幕板42の開状態において前記ストッパレバー13が後方に回動された場合には、ワイヤ45がストッパレバー13とともに後方へ引かれて、開状態にある上側幕板42を後方へ引いて閉じるようになっている。すなわち、天板10を起立させるためにストッパレバー13を作動すると上側幕板42が閉じるようになっており、このストッパレバー13が、天板10の起立動作に連動して上側幕板42を閉じる連動機構を構成している。
なお、前記ワイヤ45の他端を天板10側、例えば天板取付板9に連結して天板10が起立する際にワイヤ45が後方へ引かれて開状態の上側幕板42を閉じるようにして、前記の連動機構を構成してもよい。
なお、前記回転軸11は左右の天板取付板9,9間にわたって架設されて、これに両支柱5,5A側に設けた両ストッパレバー13,13が固着され、また、前記第2支軸15は左右の支柱5,5A間にわたって架設されて、該第2支軸15に両棚側板16a,16aと両連動レバー27,27が固着され、また、前記第4支軸20は両棚側板16a,16a間にわたって架設されて、これに両棚側板16a,16a側に設けた両第2のリンク21,21が固着されている。
したがって、テーブル1の左右に設けた一対の操作レバー12,12のいずれかを操作することにより天板10の起倒操作ができ、また、テーブル1の左右に設けた一対の解除レバー26,26のいずれかを操作することにより左右のリンク部17,17のトグル機構を解除して棚板16を上方へ回動し、両支柱5,5A側の両制動機構30,30の制動の解除操作が行えるようになっている。
次に、前記実施例の作用について説明する。
先ず、支柱5,5Aについて説明する。
支柱5,5Aの下部側を、横脚2,2Aにおける前方に位置して垂直状態に立設したので、両支柱5,5A間に架設される貫パイプ4が前方に配置されて下肢空間Eの奥行きが広くなり、この貫パイプ4に着席者の足が当たることを防止することができる。更に、前記のように下肢空間Eの奥行きが広いことから、椅子をテーブル1の下部に奥深く収納でき、椅子を収納した不着席時における椅子の後部の通路を広く確保できる。換言すると、天板10の前後方向の長さを長くして天板面を広くすることができる。更に、着席側の天板下部側面空間も広くなり、着席者の出入りが容易になる。
更に、このように支柱5、5Aを前方に位置させても、該支柱5、5Aの上部を、着席側に向かって上方に傾斜させて、その上部に天板10の回転軸8を設けたので、天板10を図9に示すように前側へ起立させても、起立状態の天板10の重心を支柱5、5Aの垂直部6よりテーブル1の中心側におくことができ、テーブルの安定性を確保できる。そのため、天板10を起立させて移動する際のテーブル1の前側への転倒を防止できる。更に、回転軸8が天板10の前後方向の中央部近傍に位置するため、天板10の前後方向のバランスがとれ、天板10を小さい力で軽く起倒できる。更に、天板10の起立状態が着席側に上向きの傾斜状態となるため、天板10の上端部を手で前方へ押し移動する際に、押し力が下方に作用し、押し移動が容易になり、かつ、天板10の高さも直立形態のものに比べて低くなり、小柄な女性でも押し移動がしやすくなる。
次に、制動部材35による制動とその解除動作について説明する。
図5及び図6に示すように、天板10を水平姿勢にしてピン13aを係止溝14aに係止した状態では、天板10の水平姿勢がロックされる。
また、天板取付板9と棚板16とを連結するリンク部17が図5及び図7の状態にある場合には、ピン22が死点Xより前側に位置し、第2のリンク21がストッパ部23に当接し、第1のリンク19がスプリング24により前方へ付勢されていることにより、天板10と棚板16は一体的で、かつ、棚板16は水平状態に保持されている。
棚板16、すなわち、棚側板16aが水平状態にあると、連動レバー27によりロッド28が図5に示すように上昇位置にあり、ロッド28のピン37と制動腕31のピン34間に架設されたスプリング38の引張り力により制動腕31は、回転軸32を中心として図5において反時計方向に付勢される。このとき、車輪3aが床面FLに接していないと仮定した場合には図5に示すように制動部材35が車輪3aの下面よりも下方へ突出するように設定されているため、図8に示すように車輪3aを実際に床面FLに接するように置いた場合には、スプリング38の引張り力(付勢荷重)により制動部材35が床面FLに圧接し、該制動部材35と床面FLとの間に摩擦抵抗を発生させることができる。
したがって、この摩擦抵抗力が、テーブル1が不用意に移動しない値に設定されるようにスプリング38の引張り荷重を設定することにより、制動部材35によって、テーブル1の移動を阻止することができる。
次に、前記のテーブルの使用状態から、そのテーブルの天板10を起立させてテーブルを移動して収納する場合について説明する。
前記の図5に示す状態から、操作レバー12を手動により上動してピン13aを係止溝14aから外し、天板10を手動により第1支軸8を中心として、天板10の後側が上昇するように前側へ起立回転し、図9に示すように起立させる。この起立後、操作レバー12から手を離すことにより、スプリング13cの付勢力によってピン13aが係止溝14bに係合して天板10の起立状態がロックされる。
このように天板10が起立すると、支柱5、天板取付板9、棚板16、リンク部17による平行リンク機構により、棚板16が第2支軸15とともに回転し、該第2支軸15の回転により連動レバー27が第2支軸15を中心として下方へ回動する。この連動レバー27の下方への回動によりロッド28が図9に示すように下降し、該ロッド28に形成した係止溝33の上端によって制動腕31のピン34を下方へ押し下げる。これにより、制動腕31は回転軸32を中心として図9に示すように回転し、制動部材35が床面FLより上方へ離間して制動が解除され、テーブル1を車輪3a,3bによって容易に移動することができる。
次に前記図9に示す天板10の起立状態から、テーブル1を所定の使用場所に配置して天板10を図5に示すように使用状態の水平姿勢に倒すと、平行リンク機構により棚板16も水平状態になり、これにより、図9の状態から第2支軸15が時計方向に回転し、連動レバー27が図5に示すように上方へ回動する。この連動レバー27の回動によりロッド28が図5に示すように上昇し、該ロッド28に形成した係止溝33とピン37も上昇する。このピン37の上昇により、ピン37と制動腕31のピン34間に架設されたスプリング38を介して制動腕31が回転軸32を中心として反時計方向に回動し、制動部材35が床面FLに接する。この制動部材35が床面FLに接触した状態から更にロッド28が上昇するように設定されているため、そのロッド28の上昇により、ピン37が更に上昇し、スプリング38が引き伸ばされるとともに図8に示すように、ピン34と係止溝33の上端面との間に隙間33aが発生する。
前記のようにスプリング38が引き伸ばされると、そのばね荷重によってピン34に上方への所定の引張力が作用し、この引張力に対応して制動部材35と床面FLとの間に所定の圧接力が作用する。したがって、この圧接力によって、テーブル1の移動が阻止され、テーブル1を定位置に停止保持することができる。
この制動操作は、車輪3a,3bを床面FLより上昇させることなく、すなわち、テーブル1を床面FLより持ち上げることなく行なうため、従来のようなテーブルを持ち上げて制動させるものに比べて制動操作が軽い力で容易に行える。
更に、前記の制動状態においては、制動腕31が後傾姿勢にあるため、図8の矢印C方向に移動力が作用した場合に、制動部材35が床面FLへ喰い込むように一層圧接する作用が生じ、テーブル1の移動を一層阻止する。
次に、棚板16による制動及びその解除操作について説明する。
前記図5に示す天板10の水平姿勢、すなわち、テーブル1の使用状態において、そのテーブルを隣接するテーブルと位置合せするために、テーブルを微量だけ移動したい場合には、先ず解除レバー26を手で押し上げて第2のリンク21を、第4支軸20を中心として図5及び図7において反時計方向に回動し、ピン22を図7において死点Xより右側に移動させる。そして、この状態で棚板16の後部側(解除レバー26側)を手で押し上げ、棚板16を、第2支軸15を中心として第2支軸15とともに回動させる。この第2支軸15の反時計方向の回転により連動レバー27が第2支軸15を中心として反時計方向に回動し、ロッド28が下降する。このロッド28の下降により、前記と同様に制動腕31が回転軸32を中心として時計方向に回動し、制動部材35が床面FLより上方へ離間する。これにより、天板10が水平姿勢のままテーブル1を車輪3a,3bで移動することができ、テーブル1を微動して、隣接するテーブルとの位置合せが容易に行なえる。
次に、前記のテーブルの位置合せを行った後、棚板16から手を離すと、棚板16の自重及びスプリング24の付勢力により棚板16が水平姿勢に復帰するとともに、ピン22が死点Xを超えて図7の状態に復帰し、棚板16の水平姿勢がロックされる。この棚板16が水平姿勢に復帰すると、ロッド28が上昇し、前記のように制動部材35が床面FLに圧接してテーブル1の移動が阻止される。
以上のことから、棚板16がテーブル1の制動状態を一時的に解除する一時解除手段を構成する。
また、前記のように、スプリング38の付勢力により制動部材35を床面FLに圧接するようにしたので、床面FLに不陸がある場合、例えば制動部材35が位置する床面が他の床面より凹の場合にはスプリング38の付勢力によって制動部材35が凹の底面まで下降して圧接し、凸の場合にはスプリング38を引き伸ばして制動部材35が凸の上面まで上昇して圧接し、床面に不陸があっても制動部材35が床面に確実に圧接し、確実な制動を行なうことができる。
次に幕板40の作用について説明する。
天板10が水平姿勢のテーブル使用状態においては、幕板40における下側幕板41と上側幕板42の存在により、着席者の足部を、例えば対向側に着席した人から見えないように遮蔽することができる。
また、天板10の水平姿勢のテーブル使用状態において、その天板10上に図11に示すようにパソコン50を設置して、その配線51や部品52を天板10の下部空間を利用して配置する場合には、上側幕板42を手操作で図11に示すように開き、この上側幕板42の裏側空間部における受幕42a上に前記の配線51や部品52を収納保持する。
次に、前記のように上側幕板42が開いた状態から天板10を起立してテーブルを収納する場合には、先ずパソコン50を天板10から取り除き、前記の配線51や部品52も取り除く。次に、天板10を起立させる前操作として操作レバー12を上方へ回動すると、これに一体的に設けられたストッパレバー13が回転軸11を中心として後方へ回動し、これに連結されたワイヤ45が後方へ引かれ、該ワイヤ45に連結された上側幕板42が閉じ方向へ引かれ、上側幕板42は回転軸43を中心として回動して図5に示すように閉じられる。その後、天板10を起立させる。
このように、天板10の起立に先立って操作される操作レバー12により、すなわち、天板10の起立動作に連動して上側幕板42が、天板10の起立前に閉じられるため、上側幕板42を閉じ忘れて開状態のまま天板10を起立して、これらの干渉により上側幕板42が破損することを防止できる。
図12乃至図15は実施例2を示す。
本実施例2は、前記実施例1における制動機構30の他の例を示す。
図13において、前記実施例1と同様のロッド28の下端にはピン穴60が形成され、該ピン穴60と作動レバー61の一端に形成したピン穴62を合致させ、これらのピン穴60,62に水平のピン63を挿通して、ロッド28と作動レバー61がピン63により回転可能に連結されている。前記作動レバー61は、前記ピン穴62から下降し、その下降部から前方へ屈曲して、くの字状に形成され、その下降部(屈曲部)においてピン穴64が形成されている。該ピン穴64にはピン65が挿通され、該ピン65を前記支板29に止着して、作動レバー61がピン65を中心として回転可能に備えられている。更に、前記作動レバー61の後面には係止片66が一体に設けられている。
前記ロッド28の下端には制動腕67が、これに形成したピン穴68を前記ピン63に回転可能に嵌合して備えられている。該制動腕67は、前記ピン穴68部から前方へ突出する第1腕部69と、ピン穴68部から、前側下方へ突出する第2腕部70とからなり、第2腕部70の後面70aが前記作動レバー61に形成した係止片66の前面に係合するようになっている。更に、前記第2腕部70の下端部には、前記実施例1の制動部材35と同様の制動部材35が固設されている。
更に、前記作動レバー61の前片61aは前記制動腕67の第1腕部69よりも下側で、かつ、制動腕67を形成する両側板間に位置して突出している。そして、前記第1腕部69の前部に形成した穴71に挿通したピン72と、前記作動レバー61の前片61aの前部に形成した穴73間に付勢部材である引張りスプリング74が架設されており、このスプリング荷重によって制動腕67の第1腕部69が作動レバー61の前片61a側へ常時引っ張られている。
その他の構造は前記実施例1と同様であるため、前記と同一部分には前記と同一の符号を付してその説明は省略する。
次に、前記実施例2の作用について説明する。
図12に示すように天板10と棚板16が水平姿勢の状態の場合には、前記実施例1と同様にロッド28が上昇し、図12及び図14に示すように制動部材35が下降した状態にある。
この状態から前記実施例1のように天板10を起立させたり、棚板16を一時的に上動すると、ロッド28が下降し、図15に示すようにピン63が下降する。このピン63の下降により作動レバー61はピン65を中心として図の時計方向に回動するとともに、制動腕67もピン63によって下方へ押され、ピン65の上面の接触点を中心として図の時計方向に回動し、制動部材35が図15に示すように床面FLより上方に離間する。したがって、テーブル1を車輪3a,3bにより移動させることができる。
次に、前記の図15の状態から天板10を水平姿勢に倒伏したり、また、一時的に上昇した棚板16を水平姿勢に復帰させると、ロッド28が前記実施例1と同様に上昇する。
ロッド28が上昇すると、ピン63も図14に示すように上昇し、作動レバー61がピン65を中心として反時計方向に回動し、また、制動腕67もピン65の上面の接触点を中心として図の反時計方向に回動し、制動部材35は図14に示すように下降する。このとき、スプリング74の付勢力によって制動腕67が後方へ回動しようとするが、制動腕67の後面70aが作動レバー61の係止片66に当り、図14の状態が保持される。この状態では、車輪3a,3bを床面FLに接触させない状態で、制動部材35が、車輪3aの下面より下方へ所定量L3だけ突出するようになっている。
したがって、この状態で車輪3a,3bを床面FLに接触させると、制動部材35とともに制動腕67がピン63を中心として図14において時計方向に回動し、その制動腕67のピン72は図14の位置から上方に移動する。このとき、作動レバー61は不動状態であるため、ピン72の上動によりスプリング74が引き伸ばされ、スプリング74に、制動腕67を下方へ引っ張る力が蓄積される。したがって、この蓄力によって制動部材35が床面FLに圧接され、この圧接力による床面との摩擦抵抗により、テーブル1の移動が阻止される。
なお、実際には、車輪3a,3bが床面FLに接した状態で制動部材35が下降されるため、制動部材35が床面FLへ接触し、その後に前記のスプリング荷重が作用して制動部材35が床面FLに圧接される。
本実施例2においても前記実施例1と同様の効果が得られる。
図16及び図17は実施例3を示す。
本実施例3は、前記実施例1における制動機構30の更に他の例を示すもので、前記実施例に比べて、前記ロッド28の下降時に制動部材35が床面に接し、上昇時に制動部材35が床面より上方へ離間するように構成したものである。
本実施例3においては、例えば前記実施例における天板10或いは棚板16を起立方向に回動した場合にロッド28が上昇するように構成する。例えば、前記実施例における連動レバー27を前記第2支軸15から図の右側へ突出させ、該連動レバー27に前記のロッド28を連結する。
また、制動機構30は、図16及び図17に示すように、前記支板29に設けたピン77に作動レバー78と制動腕79を回転可能に設け、作動レバー78の下部には腕78aを一方へ突出し、制動腕79の上部には腕79aを一方へ突出し、該両腕78a,79a間にスプリング80を架設し、更に制動腕79の後側には係止片81を設け、該係止片81に作動レバー78の後面が係止するようにして構成されている。
その他の構造は前記実施例1と同様である。
そして、天板10及び棚板16が起立姿勢の状態では、ロッド28が上動して図17に示すように作動レバー78がピン77を中心として上動し、制動部材35が床面FLより上方に離間して、テーブル1の移動が可能になる。
前記の状態から前記天板10或いは棚板16を水平姿勢にするとロッド28が図16に示すように下降し、作動レバー78がピン77を中心として図16に示すように下動する。このとき、作動レバー78は係止片81に当り、制動部材35は、車輪3aが床面FLに接していない状態では車輪3aの下面より下方へ所定量L3だけ突出する。
したがって、この状態で車輪3a,3bを床面FLに接触させると、制動部材35とともに制動腕79がピン77を中心として図16において時計方向に回動し、その制動腕79の腕79aは図16の位置から上方へ回転移動する。このとき、作動レバー78の腕78aは不動状態であるため、腕79aの上動によりスプリング80が引き伸ばされ、スプリング80に、腕79aを下方へ引っ張る力が蓄積される。したがって、この蓄力によって制動部材35が床面FLに圧接され、この圧接力による床面との摩擦抵抗により、テーブル1の移動が阻止される。
なお、実際には、車輪3a,3bが床面FLに接した状態で制動部材35が下降されるため、制動部材35が床面FLへ接触し、その後に前記のスプリング荷重が作用して制動部材が床面FLに圧接される。
本実施例3においても前記実施例と同様の効果が得られる。
更に本実施例3においては、天板10及び棚板16を起立する際にロッド28を上方へ引っ張る型式となるため、ロッド28を可撓性のワイヤで形成でき、ロッド28を金属棒材で形成するものより安価に形成できる。
図18乃至図22は実施例4を示す。
本実施例4は、前記実施例1における制動機構30の更に他の例を示すもので、前記実施例1と同様に前記ロッド28の上昇時に制動部材35が床面に接し、下降時に制動部材35が床面より上方へ離間するようにし、更に、前記実施例1の制動腕31を1本のロッド28に対して前後に一対ハの字状に設けたものである。
前記実施例と同様の横脚2の下側には左右に位置して図20に示すような支板83が固設されており、その上板83aには窓83bが形成されている。該窓83bには前記実施例1と同様のロッド28の下部が貫通するように配置され、該ロッド28の下端には連結部材84の上端が固着されている。該連結部材84の下部は図に示すように屈曲しており、その下端部には軸穴85が形成されている。
前記支板83の内側には、前側作動レバー86と後側作動レバー87が配置されており該両作動レバー86,87の基部側には軸穴88が形成されている。そして、前記軸穴85と両軸穴88,88にピン89を挿通して、両作動レバー86,87がピン89に回動可能に備えられている。更に、前記前側作動レバー86における中間部には軸穴90が形成されており、該軸穴90と、前記支板83における前記ピン89よりも前側に形成した軸穴91とにピン92を挿通して、前側作動レバー86がピン92を中心として回動するようになっている。
また、後側作動レバー87の中間部には軸穴93が形成されており、該軸穴93と、前記支板83における前記ピン89よりも後側に形成した長穴状軸穴94とにピン95を挿通して、後側作動レバー87がピン95を中心として回動するようになっている。前記長穴状軸穴94は、前後方向に長く、かつ、後側が若干下降するように傾斜している。
したがって、ロッド28が上昇した場合には、前側作動レバー86がピン92を中心として図18及び図19に示すように回動して起立状態になるとともに後側作動レバー87がピン95を中心として図18及び図19に示すように回動して起立状態になり、両作動レバー86,87が、これらの内角が小さいハの字状になるようになっている。
また、ロッド28が下降した場合には、前側作動レバー86がピン92を中心として図21及び図22に示すように回動して倒伏状態になるとともに後側作動レバー87は、そのピン95が長穴状軸穴94に沿って後方へ移動しつつピン95を中心として回動し、倒伏状態になり、両作動レバー86,87が図21及び図22に示すように逆ハの字状になるようになっている。
前記前側作動レバー86の外側には、前側制動腕96が配置され、後側作動レバー87の外側には、後側制動腕97が配置されている。
前側制動腕96と後側制動腕97の夫々の基部には軸穴98,99が形成されており、これら軸穴98,99を前記ピン89に回転可能に嵌合して、両制動腕96,97がピン89を中心として上下方向に回転できるようになっている。
前側制動腕96と後側制動腕97の夫々の先部には、前記実施例と同様の制動部材35が固設されている。
更に、前側制動腕96には、その中央部であって、かつ、前側作動レバー86の上部に位置してピン100が固設されている。
また、後側制動腕97には、その中央であって、かつ、後側作動レバー87の上部に位置してピン101が固設されている。
また、前側作動レバー86の先部にはピン102が設けられ、後側作動レバー87の先部にはピン103が設けられている。
そして、前記ピン100とピン102間には、これらを相互に引張る付勢部材であるスプリング104が架設されており、また、前記ピン101とピン103間には、これらを相互に引張る付勢手段であるスプリング105が架設されている。
その他の構造は前記第1実施例と同様である。
次に、前記実施例4の作用について説明する。
天板10と棚板16が水平姿勢の状態の場合には前記実施例1と同様にロッド28が上昇し、図18及び図19に示すように制動部材35が下降した状態にある。
この状態から前記実施例のように天板10を起立させたり、棚板16を一時的に上動すると、ロッド28が下降し、図21及び図22に示すようにピン89が下降する。このピン89の下降により前側作動レバー86がピン92を中心として図の時計方向に回動し、また、前側制動腕96は、その下面がピン92に当接していることにより、ピン92部を中心として時計方向に回動し、図21及び図22に示す状態になる。
また、ピン89の下降により後側作動レバー87は、ピン95が長穴状軸穴94内を後方へ移動しながらピン95を中心として反時計方向に回動し、また、後側制動腕97は、その下面がピン93に当接していることにより、ピン93を中心として反時計方向に回動し、図21及び図22に示す状態になる。これにより、両作動レバー86,87相互及び両制動腕96,97相互は逆ハの字状になり、両制動部材35,35は床面FLから上方に離間する。したがって、テーブル1を車輪3a,3bにより移動させることができる。
次に、前記図21及び図22の状態から天板10を水平姿勢に倒伏したり、一時的に上昇した棚板16を水平姿勢に復帰させると、ロッド28が前記実施例1と同様に上昇する。
ロッド28が上昇すると、ピン89も図18及び図19に示すように上昇し、前側作動レバー86はピン92を中心として反時計方向に回動し、後側作動レバー87は、ピン95が長穴状軸穴94内を前方へ移動しながらピン95を中心として時計方向に回動する。
前側作動レバー86の前記の回動により、スプリング104を介して前側制動腕96がピン89を中心として反時計方向に回動し、後側作動レバー87の前記の回動により、スプリング105を介して後側制動腕97がピン89を中心として時計方向に回動し、前後の作動レバー86,87相互及び前後の制動腕96,97相互は図18及び図19に示すようにハの字状になり、両制動部材35,35は最下降する。
この両制動部材35,35の最下降位置は、車輪3a,3bが床面FLに接触していない状態では、図19に示すように、車輪3a,3bの下面から所定量L3だけ突出するように設定されている。
実際には車輪3a,3bが床面FLに接している状態で天板10が水平姿勢へ倒されるため、両制動腕96,97はL3だけ上方へ押し上げられた状態になる。このL3だけ押し上げられると、両作動レバー86,87が図18及び図19の位置におかれているため、両スプリング104,105はL3だけ引き伸ばされて引き力が蓄力され、この引き力によって両制動部材35,35を床面FLへ圧接し、この圧接力による床面との摩擦力により、テーブル1の移動が阻止される。
したがって、本実施例においても前記実施例1と同様の効果を発揮できる。
更に本実施例4においては、制動時において、一対の制動腕96,97がハの字状に配置されるため、テーブルの前方への移動力に対しては前側の制動部材35が床面へ喰い込むように作用し、テーブルの後方への移動力に対しては後側の制動部材35が床面へ喰い込むように作用し、テーブルの前方及び後方への移動の阻止が確実に行なえる。
図23乃至図25は実施例5を示す。
本実施例5は、前記実施例1で示した上側幕板42を天板10に連動して閉じる連動機構の他の例を示す。
天板10に固着された天板取付板9には一方の連動リンク110がピン111により回転可能に設けられ、上側幕板42の裏面には他方の連動リンク112がピン113により回転可能に設けられ、かつ、これら両連動リンク110,112がピン114で回転可能に連結されている。
そして、図23に示すように上側幕板42を閉じた状態では両連動リンク110,112が、くの字状に屈折し、図24に示すように上側幕板42を開いた状態では両連動リンク110,112が直線状になって上側幕板42の開き状態を保持し、更に、上側幕板42の開き状態から図25に示すように天板10を起立する際には、天板10の起立動作に追従して直線状の連動リンク110,112が後方へ引かれ、上側幕板42を後方へ引いて閉じるようになっている。
その他の構造は前記実施例1と同様である。
本実施例5においても、前記実施例1と同様に、天板10の起立動作に連動して上側幕板42が、天板10の起立前に閉じられるため、上側幕板42を閉じ忘れて開状態のまま天板10を起立して、これらの干渉により上側幕板42が破損することを防止できる。
本実施例5の連動機構は前記実施例2〜4の実施例のテーブルにも適用できるものである。
図26は実施例6を示す。
本実施例6は多数のテーブルを平行スタックできるテーブルに前記実施例1乃至5の発明を適用したものである。
前記実施例1乃至5においては支柱5を横脚2、2A上に立設したが、本実施例6は、前記の横脚2、2Aを用いず、支柱5の左右方向の側面(内側面又は外側面)に、着席側に向って下方へ傾斜する斜脚120を支柱5と平行して固設し、支柱5を支承するようにしたものである。
すなわち、前記実施例と同様に、垂直部6と傾斜部7を有する支柱5の外側に斜脚120を配設するとともに、該斜脚120の上部121を支柱5に固着したものである。
また、支柱5の下部には前記実施例と同様の車輪3aを設け、斜脚120の下部には車輪3bが設けられている。なお、支柱5の下部に、前記と同様の制動機構30を設けてもよい。この場合には、支柱5内に、前記の制動機構30を作動する前記と同様のロッド28を設け、天板10と棚板16の回動により前記実施例と同様に、ロッド28を昇降して制動機構30を作動するようにする。これらの機構は図において省略した。
本実施例6においては、前記各実施例と同様な作用、効果を奏する上に、多数のテーブルを前後方向に重ねて収納する際には、天板10を起立した状態の前側のテーブルに、天板10を起立した状態の後側のテーブルを重ねることにより、前後のテーブルの支柱5、5が前後に平行して重ねられ、前後のテーブルの斜脚120、120が前後に平行して重ねられ、いわゆる平行スタックとなり、重ねられた各テーブルが、その左右方向にずれることなく重ねられて収納スペースが少なくなる。
図27は実施例7を示す。
本実施例7は、前記実施例1及び5に示す幕板の変形例である。
本実施例7の幕板は、前記実施例1と同様に下側幕板41と上側幕板42に2分割され、その上側幕板42を支柱5の傾斜部7に固着し、下側幕板41の下端を支柱5の垂直部6に、左右方向に水平に配置した回転軸43aにより回転可能に連結して、該下側幕板41を、その下端を中心として前後方向に開閉可能に備えたものである。
また、下側幕板41は、前記実施例1或いは実施例5と同様な、天板10の起立方向の回動によって天板が閉じる連動機構で連結してもよく、また、この連動機構を設けず、手動で開閉するようにしてもよい。
その他の構造は前記実施例と同様である。
本実施例7においては、前記実施例1の幕板と同様の効果を奏する上に、下側幕板41を開くようにしたことにより、該下側幕板41内へ配線や物を収納する際に、上側幕板42内に収納する場合に比べて、天板10が支障とならず、収納作業が容易になる。
図28は実施例8を示す。
本実施例8は、前記実施例1及び5に示す幕板の更なる変形例である。
本実施例8の幕板は、前記実施例1と同様に下側幕板41と上側幕板42に2分割され、その下側幕板41の下端を支柱5の垂直部6に、左右方向に水平に配置した回転軸43aにより回転可能に、連結して、該下側幕板41を、その下端を中心として前後方向に開閉可能に備え、更に、上側幕板42の下端を、支柱5における垂直部6の上端部に取付腕122を介して左右方向に水平に配置した回転軸43により回転可能に連結して、該上側幕板42を、その下端を中心として前後方向に開閉可能に備えたものである。
また、下側幕板41と上側幕板42は、それぞれ、手動で開閉するようにしてもよく、また、前記のような天板10との連動機構によって天板10の起立方向の回動によって両幕板41、42が閉じるようにしてもよい。
その他の構造は前記実施例と同様である。
本実施例8においては、前記実施例1と同様の効果を奏する上に、上下の幕板41、42が開くことにより、配線や物の収納スペースを広くすることができる。
なお、前記実施例7と8は支柱5の下部の支持部を省略した。
本発明の実施例1を示すテーブルの前面図。 図1の側面図。 図1の後面図。 図1の底面図。 本発明における連動機構等を示す側断面図。 図5における後面図。 図5における一時解除機構であるリンク部を示す図。 図5の状態から制動部材を床面に接触させた図。 図5の状態から天板を起立させた状態の側断面図。 図5の制動機構の部品を分離した斜視図。 図5に示す上側幕板を開いた状態の側面図。 本発明の実施例2を示すもので、要部を実線で表わした側断面図。 図12における制動機構の部品を分離した斜視図。 図12における制動機構の制動部材を下降させた図。 図14の状態から制動部材を上昇させた図。 本発明の実施例3を示すもので、制動部材を下降させた図。 図16の状態から制動部材を上昇させた図。 本発明の実施例4を示すもので、制動部材を下降させた図。 図18の制動機構の拡大図。 図18の制動機構の部品を分離した斜視図。 図18の状態から制動部材を上昇した図。 図21の制動機構の拡大図。 本発明における上側幕板の開閉機構を示す実施例5で、上側幕板を閉じた状態の図。 図23の状態から上側幕板を開いた状態の図。 図24の状態から天板を起立させて上側幕板を閉じた図。 本発明の実施例6を示す側面図。 本発明の実施例7を示す側面図。 本発明の実施例8を示す側面図。 従来の技術を示すテーブルの側面図。
符号の説明
1 テーブル
5、5A 支脚
6 垂直部
7 傾斜部
40 幕板
41 下側幕板
42 上側幕板
45 連動機構

Claims (6)

  1. テーブルにおける両側の支柱にわたって架設される幕板において、その幕板を上下に2分割し、その上側幕板と下側幕板の少なくとも一方を、その下端を支点として着席側と反着席側に回動可能に備えたことを特徴とするテーブルにおける幕板。
  2. テーブルにおける両側の支柱にわたって架設される幕板において、その幕板を上下に2分割し、その下側幕板を両支柱に固着し、上側幕板を、その下端を支点として着席側と反着席側に回動可能に備えたことを特徴とするテーブルにおける幕板。
  3. テーブルにおける両側の支柱にわたって架設される幕板において、その幕板を上下に2分割し、その上側幕板を両支柱に固着し、下側幕板を、その下端を支点として着席側と反着席側に回動可能に備えたことを特徴とするテーブルにおける幕板。
  4. テーブルにおける両側の支柱にわたって架設される幕板において、その幕板を上下に2分割し、その上側幕板と下側幕板を、それぞれ下端を支点として着席側と反着席側に回動可能に備えたことを特徴とするテーブルにおける幕板。
  5. 前記支柱を、その下部側を垂直に起立する垂直部とし、上部側を着席側に向って上向きに傾斜する傾斜部とし、前記下側幕板を前記支柱の垂直部に配置し、前記上側幕板を前記支柱の傾斜部に配置した請求項1乃至4のいずれかに記載のテーブルにおける幕板。
  6. 天板が起倒するテーブルであって、前記天板と前記回動する幕板との間に、天板の起立動作に連動して幕板を、開状態から閉状態に作動させる連動機構を設けた請求項1乃至5のいずれかに記載のテーブルにおける幕板。
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