JP2006094895A - シリンジ - Google Patents

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Abstract

【課題】 大幅な設計変更を行うことなく、従来のシリンジの設計および製造工程をそのまま利用でき、かつ界面活性作用を有する薬液の注入に使用してもシリンジ内面に油滴が発生せず、ガスケットの摺動抵抗の上昇を抑えることが可能なシリンジを提供する。
【解決手段】 外筒と、該外筒の内面に密着するガスケットと、該ガスケットを摺動させるためにガスケットからシリンジ後端へと延びるプランジャーとを有してなり、該外筒の内表面にシリコーンオイルおよび微粉末シリカを含有する潤滑剤が塗布されてなるシリンジ。

Description

本発明はシリンジに関し、さらに詳細には界面活性作用を有する薬液の注入に使用されるシリンジまたは界面活性作用を有する薬液が充填されたプレフィルドシリンジに関する。
合成樹脂製のディスポーザブルシリンジは、外筒と、該外筒の内面に密着するガスケットと、該ガスケットを摺動させるためにガスケットからシリンジ後端へと延びるプランジャーとから構成される。該シリンジは、プランジャーを外筒の後端方向へ動かすことにより、シリンジ内に薬液を充填し、該プランジャーを外筒の先端方向へ動かすことにより、シリンジ内に充填された薬液を外筒の先端開口から押し出して使用する。予めシリンジ内に薬液が充填されたプレフィルドシリンジもまた、プランジャーを外筒の先端方向へ動かすことにより、シリンジ内に充填された薬液を排出して使用する。
これらのシリンジで用いられるガスケットは、該外筒の内面に密着し、シリンジ内に充填された薬液の漏洩や気泡の混入を防止しながら薬液を外筒内から排出するためのものであり、合成ゴムなどの弾性体から成形される。薬液の排出に際して、前記ガスケットは外筒内を円滑に摺動する必要があるため、従来のディスポーザブルシリンジは、外筒内表面あるいはガスケット外表面にシリコーンオイルが潤滑剤として塗布されている。
しかし、これらのシリンジが界面活性作用を有する薬剤を含有する薬液の注入に使用される場合、潤滑剤として塗布されたシリコーンオイルが外筒内表面で油滴化したり、ガスケットの摺動抵抗が上昇するという問題が生じ対策が求められている。シリンジ内表面における油滴の発生は、油滴がシリンジ内表面から剥がれた場合、シリンジ内に充填された薬液に混じって人体に注入される危険性があるため、特に解決すべき問題である。
これまで、シリンジの外筒内表面あるいはガスケット外表面に塗布される潤滑剤と、シリンジ内に充填された薬液の接触による問題発生について対策を施したシリンジとしては、ガスケットの材質に潤滑剤を配合して、潤滑剤をシリンジやガスケット表面には塗布しない構成としたもの(例えば、特許文献1および2参照)や、シリンジの形状をガスケットが薬液に直接接触しないものとしたもの(例えば、特許文献3参照)、潤滑剤を特別な方法でガスケットに固着して剥がれにくくしたもの(例えば、特許文献4および5参照)、シリンジ内の必要部位にのみ潤滑剤を塗布して薬液との接触面積を減少させたもの(例えば、特許文献6参照)などが公知となっている。
しかし、これらのいずれの技術も、従来のシリンジを大幅に設計変更するものであったり、また設計変更自体の規模は小さくても効果が不十分であったりして、種々の薬液の注入に使用されるシリンジを、その用途の一つである界面活性作用を有する薬液の注入に際しても問題なく使用する対策としては満足のいくものではなかった。
特開平5−131029号公報 特開2001−289326号公報 特開2002−172166号公報 特表2002−506694号公報 特開2004−162761号公報 特開2004ー57819号公報
そこで本発明は、大幅な設計変更を行うことなく、従来のシリンジの設計および製造工程をそのまま利用でき、かつ界面活性作用を有する薬液の注入に使用してもシリンジ内面に油滴が発生せず、ガスケットの摺動抵抗が上昇を抑えることが可能なシリンジを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、潤滑剤としてシリコーンオイルに微粉末シリカを含有させたものを用いることで、界面活性作用を有する薬液と接触したときにシリンジ内面に油滴が発生しないことを見出し、本発明に到達した。また、シリンジ内面の油滴発生を防止することにより、ガスケットの摺動抵抗の上昇を抑えることが可能である。
すなわち、本発明は、
(1) 外筒と、該外筒の内面に密着するガスケットと、該ガスケットを摺動させるためにガスケットからシリンジ後端へと延びるプランジャーとを有してなり、該外筒の内表面にシリコーンオイルおよび微粉末シリカを含有する潤滑剤が塗布されてなるシリンジ、
(2) 前記潤滑剤は、微粉末シリカが0.1〜20重量部含まれてなる(1)記載のシリンジ、
(3) 前記潤滑剤に含まれるシリコーンオイルは、25℃における粘度が100〜1,000,000cSである(1)または(2)記載のシリンジ、
(4) 前記潤滑剤に含まれる微粉末シリカは、比表面積が100m/g以上である(1)〜(3)のいずれかに記載のシリンジ、
(5) 前記シリンジは、界面活性作用を有する薬剤を含有する薬液の注入に使用されるものである(1)〜(4)のいずれかに記載のシリンジ、
(6) 前記シリンジは、界面活性作用を有する薬剤を含有する薬液が予め充填されたプレフィルドシリンジである(1)〜(5)のいずれかに記載のシリンジ、
(7) 前記界面活性作用を有する薬剤は、表面張力が70mN/m以下の薬剤である(5)または(6)記載のシリンジ、
(8) 前記界面活性作用を有する薬剤は、ヒアルロン酸塩、グリチルリチン酸塩、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリプロピレングリコール、レシチン、グリセリンからなる群から選ばれる一種以上の薬剤である(5)〜(7)のいずれかに記載のシリンジ
に関する。
本発明のシリンジは、従来のシリンジに用いられていた潤滑剤を改良することにより、特殊な薬液の使用に際しても油滴が発生せず、この油滴によるガスケットの摺動抵抗の上昇を抑えることが可能になったため、薬液を選ぶことなくシリンジを使用することができる。また本発明は、このように潤滑剤について改良を行ったものであるため、シリンジの製造工程に大幅な変更を行う必要がなく、従来のシリンジにも適用できる。さらに、本発明のシリンジは、予めシリンジ内に薬液が充填されたプレフィルドシリンジであってもよく、このプレフィルドシリンジにおいても内部の薬液の種類を選ぶことなく、油滴の発生を防止し、かつ摺動抵抗の上昇を抑えた状態で使用することが可能である。
本発明のシリンジは、本質的には両端が開口した外筒と、該外筒の内面に密着するガスケットと、ガスケットを摺動させるプランジャーとからなる従来のシリンジの構成をそのまま採用できる。該プランジャーは、先端がガスケットに固着され、後端が常に外筒の後端部から露出しうるように、外筒内に配置される。該プランジャーを前後に動かすことにより、ガスケットが外筒内を摺動し、外筒の先端部開口を通じて外筒内に薬液を吸引したり、外筒内に充填された薬液を排出し、患者に注入したりする。該外筒内に予め薬液が充填されたプレフィルドシリンジも、本発明の範囲内に含まれる。
本発明のシリンジは、前記ガスケットが外筒の内表面に密着した状態で前後に摺動するが、その摺動抵抗を低減するために外筒内表面にシリコーンオイルおよび微粉末シリカを含有する潤滑剤が塗布されてなる。
本発明で用いられる潤滑剤に含まれるシリコーンオイルは、基本的にはポリジメチルシロキサンであるが、潤滑性を損なわない範囲で側鎖や末端が置換されたポリジメチルシロキサンを用いることができる。具体的には、ポリメチルフェニルシロキサンやポリメチルハイドロジェンシロキサンなどがあげられる。
前記シリコーンオイルは、25℃における粘度が100〜1,000,000cSであるものが好ましく、1000〜100,000cSのものがより好ましく用いられる。粘度が100cSより小さいシリコーンオイルは、外筒内表面からはがれおちて薬液中に浮遊するおそれがあり、粘度が1,000,000cSより大きいシリコーンオイルは、潤滑性に乏しく、ガスケットの摺動抵抗が高くなるおそれがある。
本発明で用いられる潤滑剤に含まれる微粉末シリカは、湿式シリカ、乾式シリカのいずれであってもよい。前記微粉末シリカとしては、具体的には沈降シリカ、シリカキセロゲル、ヒュームドシリカ、あるいはこれらのシリカの表面を有機シリル基で処理したものが例示される。本発明で用いられる微粉末シリカとしては、BET法による比表面積が100m/g以上であるものが好ましく、比表面積が150m/g以上であるものがより好ましく用いられる。
本発明のシリンジは、前記シリコーンオイルと前記微粉末シリカを含有する潤滑剤を用いることを特徴とするものである。このような潤滑剤は、シリンジを界面活性作用を有する薬剤を含有する薬液の注入に使用する場合に有効である。シリンジを用いて薬液の注入を行う際、シリンジの外筒内表面に塗布される潤滑剤は外筒内に充填された薬液と接触する。従来のシリンジで使用されているシリコーンオイルのみからなる潤滑剤は、薬液が界面活性作用を有する薬剤を含有する場合に、潤滑剤の表面に油滴が発生し、ガスケットの摺動抵抗が上昇するという問題が生じる。しかし、本発明のようにシリコーンオイルに微粉末シリカを配合した潤滑剤を用いると、薬液が界面活性作用を有する薬剤を含有していた場合であっても、潤滑剤表面に油滴が発生せず、ガスケットの摺動抵抗の上昇を抑えることが可能である。
前記界面活性作用を有する薬剤とは、ヒアルロン酸塩、グリチルリチン酸塩、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリプロピレングリコール、レシチン、グリセリンなど、表面張力が70mN/m以下の薬剤である。このような薬剤は、シリコーンオイルと接触することによりシリコーンオイルの流動性に影響を及ぼし、シリコーンオイルと薬剤の界面に油滴を形成するのであるが、その具体的な機構は現段階では不明である。本発明の潤滑剤はシリコーンオイルに微粉末シリカを配合したことにより、この油滴形成に係る機構の進行を阻害して油滴の発生を防止し、ガスケットの摺動抵抗の上昇を抑える効果があることがわかっている。
前記界面活性作用を有する薬剤を含有する薬液とは、上記した薬剤のいずれかを含有する薬液であってもよいし、上記した薬剤のうち2種以上を含有する薬液であってもよい。上記薬剤以外の成分については特に限定されない。
以下、本発明における潤滑剤について、さらに詳細に説明する。本発明における潤滑剤に含まれる微粉末シリカは、0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。微粉末シリカの配合量が0.1重量部より少なくなると、界面活性作用を有する薬剤を含有する薬液に接触した場合、潤滑剤表面に油滴が発生し、ガスケットの摺動抵抗が上昇する。また、微粉末シリカの配合量が20重量部を超えると、潤滑剤の粘度が高すぎてガスケットの摺動抵抗を十分に低下させることができなくなるおそれがある。
前記潤滑剤は、界面活性作用を有する薬剤を含有する薬液と接触した場合の油滴の発生を防止するという効果を損なわない範囲であれば、シリコーンオイルと微粉末シリカ以外の成分を含むものであってもよい。
本発明の潤滑剤は、それぞれの成分をホモミキサー、コロイドミルあるいは三本ロールミルなどの混合機を用いて均一に混合される。こうして得られた潤滑剤は、シリンジの外筒内表面に塗布されるが、その塗布方法としては、転写法、スプレー法など公知の技術を用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリジメチルシロキサン(ダウコーニングシリコーン社製、DC360、25℃における粘度:12500cS)99.9重量部に対してシリカ(日本アエロジル社製、アエロジルR976S、比表面積:240m/g)0.1重量部を添加した組成物をT.K.ホモミクサー(特殊機化工業社製)を用いて混合し、半透明の液体である潤滑剤を得た。この潤滑剤を内容量が20mLのシリンジ内面に10mg塗布した後、ヒシファーゲン注(ニプロファーマ社製、ヒシファーゲンC注、グリチルリチン酸モノアンモニウム含有薬液、表面張力:66mN/m)20mLをシリンジ内に充填し、ガスケットを打栓した状態で高圧蒸気滅菌を施して、プレフィルドシリンジを作製した。
(実施例2)
実施例1における潤滑剤として、ポリジメチルシロキサン99.5重量部に対してシリカ0.5重量部を添加し混合した潤滑剤を用いる以外は、実施例1と同様の要領でヒシファーゲン注充填プレフィルドシリンジを作製した。
(実施例3)
実施例1における潤滑剤として、ポリジメチルシロキサン99重量部に対してシリカ1重量部を添加し混合した潤滑剤を用いる以外は、実施例1と同様の要領でヒシファーゲン注充填プレフィルドシリンジを作製した。
(実施例4)
実施例1における潤滑剤として、ポリジメチルシロキサン95重量部に対してシリカ5重量部を添加し混合した潤滑剤を用いる以外は、実施例1と同様の要領でヒシファーゲン注充填プレフィルドシリンジを作製した。
(実施例5)
実施例1における潤滑剤として、ポリジメチルシロキサン90重量部に対してシリカ10重量部を添加し混合した潤滑剤を用いる以外は、実施例1と同様の要領でヒシファーゲン注充填プレフィルドシリンジを作製した。
(実施例6)
実施例1における潤滑剤として、ポリジメチルシロキサン80重量部に対してシリカ20重量部を添加し混合した潤滑剤を用いる以外は、実施例1と同様の要領でヒシファーゲン注充填プレフィルドシリンジを作製した。
(実施例7)
ポリジメチルシロキサン(ダウコーニングシリコーン社製、DC360、25℃における粘度:100cS)95重量部に対してシリカ(日本アエロジル社製、アエロジルR976S、比表面積240m/g)5重量部を添加した組成物をT.K.ホモミクサー(特殊機化工業社製)を用いて混合し、半透明の液体である潤滑剤を得た。この潤滑剤を内容量が20mLのシリンジ内面に10mg塗布した後、ヒシファーゲン注(ニプロファーマ社製、ヒシファーゲンC注、グリチルリチン酸モノアンモニウム含有薬液、表面張力:66mN/m)20mLをシリンジ内に充填し、ガスケットを打栓した状態で高圧蒸気滅菌を施して、プレフィルドシリンジを作製した。
(実施例8)
実施例7におけるシリコーンオイルとして、ポリジメチルシロキサン(信越化学工業社製、KF96、25℃における粘度:1,000,000cS)を用いる以外は、実施例7と同様の要領でヒシファーゲン注充填プレフィルドシリンジを作製した。
(実施例9)
ポリジメチルシロキサン(ダウコーニングシリコーン社製、DC360、25℃における粘度:12500cS)95重量部に対してシリカ(日本アエロジル社製、アエロジルR976S、比表面積:240m/g)5重量部を添加した組成物をT.K.ホモミクサー(特殊機化工業社製)を用いて混合し、半透明の液体である潤滑剤を得た。この潤滑剤を内容量が20mLのシリンジ内面に10mg塗布した後、ミノファーゲン(ミノファーゲン製薬社製、強力ネオミノファーゲンシー、グリチルリチン酸モノアンモニウム含有薬液、表面張力:59.7mN/m)20mLをシリンジ内に充填し、ガスケットを打栓した状態で高圧蒸気滅菌を施して、プレフィルドシリンジを作製した。
(実施例10)
ポリジメチルシロキサン(ダウコーニングシリコーン社製、DC360、25℃における粘度:12500cS)95重量部に対してシリカ(日本アエロジル社製、アエロジルR976S、比表面積:240m/g)5重量部を添加した組成物をT.K.ホモミクサー(特殊機化工業社製)を用いて混合し、半透明の液体である潤滑剤を得た。この潤滑剤を内容量が20mLのシリンジ内面に10mg塗布した後、ポリソルベート20溶液(和光純薬社製、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート60mg/L含有薬液、表面張力:40.8mN/m)20mLをシリンジに充填し、ガスケットを打栓した状態で高圧蒸気滅菌を施して、プレフィルドシリンジを作製した。
(実施例11)
実施例10におけるシリンジに充填する薬液として、ポリソルベート80溶液(和光純薬社製、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート60mg/L含有薬液、表面張力:47.5mN/m)を用いる以外は、実施例10と同様の要領でポリソルベート80溶液充填プレフィルドシリンジを作製した。
(比較例1)
ポリジメチルシロキサン(ダウコーニングシリコーン社製、DC360、25℃における粘度:12500cS)を内容量が20mLのシリンジ内面に10mg塗布した後、ヒシファーゲン注(ニプロファーマ社製、ヒシファーゲンC注、グリチルリチン酸モノアンモニウム含有薬液、表面張力:66mN/m)20mLをシリンジ内に充填し、ガスケットを打栓した状態で高圧蒸気滅菌を施して、プレフィルドシリンジを作製した。
(比較例2)
比較例1におけるシリコーンオイルとして、ポリジメチルシロキサン(ダウコーニングシリコーン社製、DC360、25℃における粘度:100cS)を用いる以外は、比較例1と同様の要領でヒシファーゲン注充填プレフィルドシリンジを作製した。
(比較例3)
比較例1におけるシリコーンオイル(信越化学社製、KF96、25℃における粘度:1,000,000cS)を用いる以外は、比較例1と同様の要領でヒシファーゲン注充填プレフィルドシリンジを作製した。
(比較例4)
比較例1におけるシリンジに充填する薬液として、ミノファーゲン(ミノファーゲン社製、強力ネオミノファーゲンシー、グリチルリチン酸モノアンモニウム含有薬液、表面張力:59.7mN/m)を用いる以外は、比較例1と同様の要領でミノファーゲン充填プレフィルドシリンジを作製した。
(比較例5)
比較例1におけるシリンジに充填する薬液として、ポリソルベート20溶液(和光純薬社製、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート60mg/L含有薬液、表面張力:40.8mN/m)を用いる以外は、比較例1と同様の要領でポリソルベート20溶液充填プレフィルドシリンジを作製した。
(比較例6)
比較例1におけるシリンジに充填する薬液として、ポリソルベート80溶液(和光純薬社製、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート60mg/L含有薬液、表面張力:47.5mN/m)を用いる以外は、比較例1と同様の要領でポリソルベート80溶液充填プレフィルドシリンジを作製した。
(参考例1)
潤滑剤を全く塗布していない内容量が20mLのシリンジ内に、ヒシファーゲン注(ニプロファーマ社製、ヒシファーゲンC注、グリチルリチン酸モノアンモニウム含有薬液、表面張力:66mN/m)20mLを充填し、ガスケットを打栓した状態で高圧蒸気滅菌を施して、プレフィルドシリンジを作製した。
(参考例2)
ポリジメチルシロキサン(ダウコーニングシリコーン社製、DC360、25℃における粘度:12500cS)を内容量が20mLのシリンジ内面に10mg塗布した後、蒸留水(表面張力:72.8mN/m)20mLをシリンジ内に充填し、ガスケットを打栓した状態で高圧蒸気滅菌を施して、プレフィルドシリンジを作製した。
(参考例3)
ポリジメチルシロキサン(ダウコーニングシリコーン社製、DC360、25℃における粘度:12500cS)を内容量が20mLのシリンジ内面に10mg塗布した後、コンドロイチン硫酸(模範薬品株式会社製、コンドロイチン注「モハン」2%、表面張力:70.5mN/m)20mLをシリンジ内に充填し、ガスケットを打栓した状態で高圧蒸気滅菌を施して、プレフィルドシリンジを作製した。
(油滴発生の評価)
実施例1〜11、比較例1〜6、および参考例1〜3において作製したプレフィルドシリンジを24時間放置した後、シリンジ内表面における油滴発生を目視にて確認した。その結果を表1に示す。
(摺動抵抗測定)
実施例1〜11、比較例1〜6、および参考例1〜3において作製したプレフィルドシリンジを24時間放置した後、シリンジ内でのガスケット摺動抵抗を万能材料試験器(インストロンジャパン社製、インストロン5565)で測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2006094895
表1より明らかであるように、本発明のシリコーンオイルおよび微粉末シリカを含有する潤滑剤が塗布されたシリンジ(実施例1〜11)は、界面活性作用を有する薬剤を含有する薬液を充填した場合も、界面活性作用を有しない薬液を充填した場合(参考例2、3)と変わらず、シリンジ内表面に油滴が発生しなかった。一方、従来のシリコーンオイルのみからなる潤滑剤が塗布されたシリンジ(比較例1〜6)は、界面活性作用を有する薬剤を含有する薬液を充填した場合、シリンジ内表面に油滴が発生していた。
また、表1より明らかであるように、本発明のシリコーンオイルおよび微粉末シリカを含有する潤滑剤が塗布されたシリンジ(実施例1〜11)は、界面活性作用を有する薬剤を含有する薬液を充填した場合も、シリンジ内でのガスケットの摺動抵抗が上昇がほとんどなく、多少上昇したとしても潤滑剤塗布前のシリンジ(参考例1)と比較して十分に摺動抵抗が低いものであった。一方、従来のシリコーンオイルのみからなる潤滑剤が塗布されたシリンジ(比較例1〜6)は、界面活性作用を有する薬剤を含有する薬液を充填した場合、相対的にシリンジ内でのガスケットの摺動抵抗が上昇しており、さらにシリコーンの種類が同一であれば、微粉末シリカを含有している実施例の場合に比較して、いずれの比較例もシリンジ内でのガスケットの摺動抵抗値が高くなった。
以上の実施例により、本発明のシリコーンオイルおよび微粉末シリカを含有する潤滑剤が塗布されたシリンジは、従来のシリコーンオイルのみからなる潤滑剤が塗布されたシリンジに比べ、シリンジ内表面に油滴が発生するおそれがなく、さらにシリンジ内でのガスケットの摺動抵抗が上昇することも抑えることができるものであることが明らかになった。

Claims (8)

  1. 外筒と、該外筒の内面に密着するガスケットと、該ガスケットを摺動させるためにガスケットからシリンジ後端へと延びるプランジャーとを有してなり、該外筒の内表面にシリコーンオイルおよび微粉末シリカを含有する潤滑剤が塗布されてなるシリンジ。
  2. 前記潤滑剤は、微粉末シリカが0.1〜20重量部含まれてなる請求項1記載のシリンジ。
  3. 前記潤滑剤に含まれるシリコーンオイルは、25℃における粘度が100〜1,000,000cSである請求項1または2記載のシリンジ。
  4. 前記潤滑剤に含まれる微粉末シリカは、比表面積が100m/g以上である請求項1〜3のいずれかに記載のシリンジ。
  5. 前記シリンジは、界面活性作用を有する薬剤を含有する薬液の注入に使用されるものである請求項1〜4のいずれかに記載のシリンジ。
  6. 前記シリンジは、界面活性作用を有する薬剤を含有する薬液が予め充填されたプレフィルドシリンジである請求項1〜5のいずれかに記載のシリンジ。
  7. 前記界面活性作用を有する薬剤は、表面張力が70mN/m以下の薬剤である請求項5または6記載のシリンジ。
  8. 前記界面活性作用を有する薬剤は、ヒアルロン酸塩、グリチルリチン酸塩、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリプロピレングリコール、レシチン、グリセリンからなる群から選ばれる一種以上の薬剤である請求項5〜7のいずれかに記載のシリンジ。
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