JP2007244606A - シリンジ、及びシリンジの製造方法 - Google Patents

シリンジ、及びシリンジの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007244606A
JP2007244606A JP2006071719A JP2006071719A JP2007244606A JP 2007244606 A JP2007244606 A JP 2007244606A JP 2006071719 A JP2006071719 A JP 2006071719A JP 2006071719 A JP2006071719 A JP 2006071719A JP 2007244606 A JP2007244606 A JP 2007244606A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
barrel
silicone
gasket
syringe
kgy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006071719A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Yoshinaga
隆明 義永
Junichi Kubo
順一 久保
Kazunori Muta
一則 牟田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Original Assignee
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc filed Critical Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Priority to JP2006071719A priority Critical patent/JP2007244606A/ja
Publication of JP2007244606A publication Critical patent/JP2007244606A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】バレルとガスケットとの摺動性を確保しつつ、バレル内で液体をより安定的に収容することができるシリンジを提供する。
【解決手段】環状オレフィン系樹脂を主成分として形成されたバレル12と、このバレル12内に摺動自在に挿入されるガスケット14を有するピストン16と、を備えるシリンジ10である。バレル12の内周面および/またはガスケット14の表面には、放射線または紫外線の照射によりシリコーンを固着化してなるシリコーンゲル層20が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、環状オレフィン系樹脂(以下、「COP樹脂」ともいう。)を主成分として形成されたバレルを備えるシリンジ、及びこのシリンジの製造方法に関するものである。
医薬品の剤形の一つである注射剤の医療現場への供給方法の一つとして、いわゆるプレフィルド型シリンジの形態がある(例えば、特許文献1)。プレフィルド型シリンジでは、注射筒兼容器としてのバレル内に予め注射剤を製剤(充填)しておき、端部を密封栓としてのガスケットで封止した状態で輸送、保管し、投与の際にはバレル先端側に注射針又は投与用器具を取付け、ガスケットを先端側に押し込みバレル内を摺動させることにより、注射剤を注射針側から流出させ投与する。このように、プレフィルド型シリンジは操作が簡便であること、緊急時でも薬剤の誤用なく正確な投与量で投与できること、薬品を移し替える操作がなく微生物汚染を回避しやすいなど衛生性が高いこと等、種々の利点があるため、近年多用されるようになってきた。なお、このプレフィルド型シリンジは、感染症等の衛生上の問題から一度使用したら廃棄される、使い捨てタイプのものである。
周知のように、従来のシリンジは薬液等の液体を収容するバレルと、このバレル内に摺動自在に挿入されるガスケットを有するピストンとを備えている。ピストンは、ピストン本体部を含み、このピストン本体部の先端部にガスケットが螺合等により取付けられる。
ところで、樹脂製のバレルには、溶融成形できる汎用樹脂が使用される。特に、薬液等に対する汚染性がなく、樹脂自身に透明性及び耐熱性のあるものが望まれる。バレルの樹脂素材としては、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル、塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリアミド系樹脂等の汎用樹脂が挙げられる。中でも、このような樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が望ましく、例えば、低、中、高−密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の低級オレフィン樹脂、COP樹脂、或いはこれらの二以上の共重合体等が挙げられる。特に、耐熱性があり、且つ汚染性がないCOP樹脂等が最近頻用されている。
一般にガスケットの気密性を維持するために、ガスケットの外径はバレルの内径よりも若干大きくされ、ガスケットがバレル内に強く押込まれて、バレルの内周面に全周密着する。そのため、ガスケットとバレルとの間に潤滑処理を行わないと、摩擦抵抗がかなり大きくなり、ピストンの円滑な押引ができなくなるおそれがある。そこで、バレルの内周面および/またはガスケットの外面にシリコーンオイル等の潤滑剤が塗布され、摩擦抵抗が小さくされる。
ところで、シリコーンゲルは、従来のシリコーンエラストマーよりも非常に低架橋密度でシリコーンオイルを硬化させた硬化物であり、例えば特許文献2に記載されている。また、光または紫外線により硬化してシリコーンゲルとなるものが知られている(例えば、特許文献3)。特に紫外線によるシリコーンの硬化には、ベンゾイン誘導体またはベンゾフェノン誘導体の添加が有効であることが特許文献4に記載されている。特許文献5には、シリンジ本体の内側の潤滑剤としてシリコーンが記載されているが、固着固定の記述は一切ない。
特許第3387775号公報 特開2001−261765号公報 特開平7−88430号公報 特開昭61−145227号公報 特表2004−530465号公報
しかしながら、ガスケットとバレルとの間に潤滑剤が量的に正確に付与されていないと、摺動性を十分にすることができなかったり、また多すぎると、微小粒状に分離した潤滑剤がシリンジ内の液体に流出したりするため、例えば、シリンジを人体に対する薬剤投与器具として用いる場合は、上記潤滑剤の使用は好ましいものではない。特に、COP樹脂を主成分としてなるバレルは、シリコーンを塗布しても相互の相性が悪いことから、シリコーンがバレルの樹脂になじまず、経時的に分離・剥離し、バレルの内周面に油滴状に出現するおそれがある。特にプレフィルド型シリンジの場合は、経時的に出現したシリコーン油滴との相互作用が生じ、製剤の安定性が確保できないおそれがあった。
本発明は、上記した事情に鑑みて為されたものであり、バレルとガスケットとの摺動性を確保しつつ、バレル内で液体をより安定的に収容することを可能とするシリンジ、及びこのシリンジの製造方法を提供することを目的とする。
ガラス製のバレルの場合は、シリコーンを高温(200〜300℃)にて焼き付けることでシリコーンを固着化することができる。しかしながら、COP樹脂はガラス転移点が135℃付近と低く、シリコーンを焼き付けることは不可能であった。
そこで、COP樹脂製のバレルの内周面にシリコーンを塗布し、電子線またはガンマ線を照射してシリコーンゲル化させ固着させたところ、摺動性を確保しつつ、シリコーン油滴の経時的出現を十分に抑えることができることを見出した。また、このときの電子線またはガンマ線の線量が25kGy〜100kGyであると好ましいこと見出した。本発明は、かかる知見に基づいて為されたものである。
すなわち、本発明のシリンジは、環状オレフィン系樹脂を主成分として形成されたバレルと、このバレル内に摺動自在に挿入されるガスケットを有するピストンと、を備えるシリンジである。バレルの内周面および/またはガスケットの表面には、放射線または紫外線の照射によりシリコーンを固着化してなるシリコーンゲル層が設けられている。
このシリンジでは、バレルの内周面および/またはガスケットの表面にシリコーンゲル層が設けられているため、バレルとガスケットとの摺動性を確保することができる。また、バレルの樹脂からシリコーンが経時的に分離・剥離するおそれを低減することができ、バレル内で液体をより安定的に収容することが可能となる。
シリコーンゲル層の厚さは、0.1〜300μmであると好ましい。厚みが0.1μmを下回ると、摺動性が確保できなくなる傾向にあるため好ましくない。また、厚みが300μmを上回ると、シリコーンのゲル化が不十分になる傾向にあるため好ましくない。
放射線が、電子線及びガンマ線から選ばれると好ましい。このようにすれば、バレルの内周面および/またはガスケットの表面にシリコーンをゲル化して、容易に固着させることができる。
本発明のシリンジの製造方法は、環状オレフィン系樹脂を主成分として形成されたバレルの内周面および/またはガスケットの表面にシリコーンを塗布し、線量25kGy〜100kGyの電子線又はガンマ線を照射して、シリコーンゲルとして固着化させると同時に滅菌することを特徴とする。
この製造方法によれば、線量25kGy〜100kGyの電子線又はガンマ線を照射することで、シリコーンをゲル化して固着化を好適に図ることができ、シリコーンが経時的に分離・剥離するおそれを効果的に低減することができて、バレル内で液体をより安定的に収容することが可能となる。
本発明によれば、バレルとガスケットとの摺動性を確保しつつ、バレル内で液体をより安定的に収容することができる。これにより、安全で操作がしやすく、そのため正確な操作が可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係るシリンジ10は、図1に示すように、バレル12と、このバレル12内に摺動自在に挿入されるガスケット14を有するピストン16とを備えている。ピストン16は、ピストン本体部18を含み、このピストン本体部18の先端部にガスケット14が螺合等により取付けられている。一般に、ディスポーザブルタイプのシリンジは、バレルとピストンについてはポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)等により形成されているが、本実施形態のシリンジ10では、バレル12及びピストン本体部18は、特に、耐熱性があり、且つ汚染性がないCOP樹脂により形成されている。
COP樹脂は、次の二つに大別される。一つ目として、環状オレフィンと非環状オレフィンの共重合体である。環状オレフィンとしては、ノルボルネン環を有する多環環状オレフィン類(ノルボルネン類、ジシクロペンタジエン類、テトラシクロドデセン類等)、単環環状オレフィン類、環状ジオレフィン類が挙げられる。非環状オレフィンとしては、ビニル基を有する化合物(α−オレフィン等)、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が挙げられる。また二つ目として、環状オレフィン開環メタセシス重合体(環状オレフィンを開環メタセシス重合したもの)又は環状オレフィン開環メタセシス重合体水素化物(環状オレフィンを開環メタセシス重合した後、重合体を水素化したもの)である。環状オレフィンとしては、ノルボルネン環を有する多環環状オレフィン類(ノルボルネン類、ジシクロペンタジエン類、テトラシクロドデセン類等)、単環環状オレフィン類、環状ジオレフィン類が挙げられる。本実施形態におけるCOP樹脂としては、上記のうち環状オレフィン開環メタセシス重合体水素化物が最も好ましい。
またガスケット14は、気密性を維持するために、ゴム、熱可塑性エラストマー等の弾性体により形成されることが多い。ゴムとしては特に制限されるところはないが、例えばイソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプレン− イソブチレンゴム類、ニトリルゴム等の合成ゴムや天然ゴムを主原料とし、それに充填剤、架橋剤等を配合したものが挙げられる。
また、熱可塑性エラストマーとして、溶液重合型スチレンブタジエンゴム(SBSブロックコポリマー)、ポリエステル又はポリエーテルウレタンゴム、ポリエーテル芳香族ポリエステルブロックの共重合体(ポリエステルゴム)、ポリオレフィンブロック共重合体、高トランス−14−ポリイソプレン、ポリエチレンブチルグラフト共重合体、シンジオタクチックポリブタジエン等も用いることができる。
上記のほか、比較的軟質なプラスチック、例えばコポリマータイプのポリプロピレン、低密度ポリエチレン、エチレン− 酢酸ビニル共重合体等のようなコポリマータイプでポリプロピレンとほぼ同程度の耐熱性(好ましくは130〜140℃程度)を有するプラスチックも用いることができる。
バレル12の内周面及びガスケット14の表面には、図1に示すように、放射線または紫外線の照射によりシリコーンを固着化してなるシリコーンゲル層20が設けられている。なお、図1では、シリコーンゲル層20の厚みを誇張して示しているが、実際の寸法比率はこの限りではない。
シリコーンゲル層20を形成するためのシリコーンは、ケイ素原子に結合した有機基の種類により、ストレートシリコーンと変性シリコーンに大別できる。ストレートシリコーンとは、メチル基、水素原子を置換基として結合したものをいい、変性シリコーンとは、ストレートシリコーンから二次的に誘導された構成部分を持つものをいい、ビニル基、(メタ)アクロイル基等の不飽和基を少なくとも1(好ましくは2)有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。本実施形態においては、これらシリコーンに限定されることなく、ストレートシリコーンあるいは変性シリコーンどちらでも可能である。例えば、ガンマ線による硬化の知られたストレートシリコーンであるダウ・コーニング360(ダウコーニング)や、紫外線硬化性の変性シリコーンゲルとして市販されているスリーボンド3167C、3168(スリーボンド)などを使用することができる。ここで最適には、ダウ・コーニング360(ダウコーニング)を用いるのが好ましい。
またシリコーンゲル層20を形成するためのシリコーンとしては、例えば、特開平1−14226公報に記載されている紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物のように、(メタ)アクリロイル基を有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。また、例えば、特許第3010949号に記載されている末端アミノ基含有オルガノポリシロキサンに、ビニル基含有イソシアネート、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、アクリル酸ハライド又はメタクリル酸ハライドを反応させて得られた光硬化性オルガノポリシロキサンのように、ジアミノオルガノポリシロキサンと、アミノ基反応性の官能基を有する不飽和化合物(ビニル基含有イソシアネート、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、アクリル酸ハライド又はメタクリル酸ハライド)との反応物が挙げられる。
シリコーンは、基本的には上記成分を主成分として含んでいるが、必要に応じて各種添加剤を併用しうる。特に、ヒュームドシリカの併用は硬化物の物性を向上させる上で好ましい。また、末端シラノールを利用して湿気硬化させることや、この末端シラノールが問題ある場合は、トリエチルクロロシラン等を用いて活性を無くすこともできる。
上記したシリコーンには、適宜公知の光重合触媒を加えることも可能である。具体例としてはアセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−アリルアセトフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロ−4−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾイル、ベンゾイルメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーンなどがあげられる。
シリコーンゲル層20は、バレル12の内周面及びガスケット14の表面に上記シリコーンを塗布し、放射線又は紫外線を照射して固着化されたものである。放射線としては、電子線又はガンマ線を用いることができる。シリコーンの塗布は、例えば、シリコーンをミスト化し、噴射吸着させることで行うことができる。
ここで電子線の照射量は、25kGy〜100kGyであると好ましく、より好ましくは50kGy〜100kGyであり、最も好ましくは75kGy〜100kGyである。100kGyを超えるとガスケットの改質が起きる傾向にあるため好ましくない。また、25kGyを下回ると、シリコーンのゲル化が不十分になる傾向にあるため好ましくない。
またガンマ線の照射量は、25kGy〜100kGyであると好ましく、より好ましくは50kGy〜100kGyであり、最も好ましくは75kGy〜100kGyである。100kGyを超えるとガスケットの改質が起きる傾向にあるため好ましくない。また、25kGyを下回ると、シリコーンのゲル化が不十分になる傾向にあるため好ましくない。
シリコーンゲル層20の厚さは、0.1〜300μmであると好ましく、0.2〜200μmであるとより好ましく、0.5〜100μmであるとより一層好ましい。厚みが0.1μmを下回ると、摺動性が確保できなくなる傾向にあるため好ましくない。また、厚みが300μmを上回ると、シリコーンのゲル化が不十分になる傾向にあるため好ましくない。
シリンジ10は、プレフィルド型シリンジであってもよい。すなわち、バレル12と、ガスケット14と、薬液とを備え、バレル12のピストン16の挿入口はガスケット14によって密封され、バレル12内に薬液が液密に収容されていてもよい。この場合、薬液はバレル12内でバレル12と共に蒸気滅菌処理されている。薬液は、治療薬、検査薬、循環液、保存液等の医療用薬液であって、高温で蒸気滅菌、あるいは放射線乃至紫外線を照射することで変質などを生じない薬液等である。
なお、バレル12及びガスケット14への放射線あるいは紫外線によるシリコーンの固着化は、同時にバレル12及びガスケット14の全体を滅菌することにもなる。
なお、上記した実施形態では、バレル12の内周面及びガスケット14の表面の双方にシリコーンゲル層20が設けられていたが、シリコーンゲル層20は、バレル12の内周面及びガスケット14の表面の少なくとも一方にのみ設けられていてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
1.比較例
COP樹脂を主成分として形成されたバレルの内周面に、シリコーンを塗布した。COP樹脂は、日本ゼオン株式会社製の環状オレフィン開環メタセシス重合体水素化物(商品名:ZNX690R)であり、シリコーンは、ダウ・コーニング社製のポリジメチルシロキサン(商品名:ダウ・コーニング360)であった。そして、シリコーンの塗布量は、20μg/cm2(ゲル化後の厚み20μm)であった。
2.実施例
COP樹脂を主成分として形成されたバレルの内周面に、シリコーンを塗布した後、電子線およびガンマ線を以下の条件にて照射した。なお、COP樹脂、シリコーン、及びシリコーンの塗布量は、比較例と同様であった。
・ 電子線(以下、EB)照射条件
線量:15、25、50、75、100 kGy (5水準)
加速電圧:3000kV
電子流:6.25mA
照射施設:株式会社NHVコーポレーション
・ ガンマ(以下、γ)線照射条件
線量:15、25、50、75、100 kGy (5水準)
照射施設:株式会社コーガアイソトープ
3.評価
(1)評価方法
(a)蒸留水による攪拌
作製したバレルに容量の半量蒸留水を入れ振とう機にて200rpm、7hr、振とうし、シリコーンのバレルからの遊離・移動を目視にて確認した。
(b)アセトン+蒸留水による攪拌
作製したバレルに容量の半量のアセトン/蒸留水(1:1)を激しく攪拌した後、シリコーンのバレルからの遊離を目視にて確認した。
(c)超音波処理による濁度測定
ヒアルロン酸Naは両親媒性を持ち、シリコーンと相溶し、白濁する。作製したバレルに、容量の半量の1%ヒアルロン酸Naを入れ、ガスケットにて栓をした後、 超音波処理を施したのち、吸光光度計にて濁度(600nm)を測定した。
機器:ブランソン 2200
超音波出力:80W
時間:30分
水温:なりゆき(室温放置の蒸留水)
(d)経時変化
ヒアルロン酸Naは両親媒性を持ち、シリコーンと相溶し、白濁する。作製したバレルに、容量の半量の1%ヒアルロン酸Naを入れ、ガスケットにて栓をした後、5℃、25℃、40℃、及び50℃にて6ヶ月間、経時変化を観察した。
(2)評価結果
Figure 2007244606
Figure 2007244606
Figure 2007244606
Figure 2007244606
本発明によれば、COP樹脂を主成分として形成されたバレルを備えるシリンジにおいて、バレルとガスケットとの摺動性を確保しつつ、バレル内で液体をより安定的に収容することができるため、医療用器具として産業上の利用性は高い。
実施形態に係るシリンジの構成を示す側断面図である。
符号の説明
10…シリンジ、12…バレル、14…ガスケット、16…ピストン、18…ピストン本体部、20…シリコーンゲル層。

Claims (4)

  1. 環状オレフィン系樹脂を主成分として形成されたバレルと、このバレル内に摺動自在に挿入されるガスケットを有するピストンと、を備えるシリンジであって、
    前記バレルの内周面および/または前記ガスケットの表面には、放射線または紫外線の照射によりシリコーンを固着化してなるシリコーンゲル層が設けられていることを特徴とするシリンジ。
  2. 前記シリコーンゲル層の厚さは、0.1〜300μmである請求項1記載のシリンジ。
  3. 前記放射線が、電子線及びガンマ線から選ばれる請求項1または2記載のシリンジ。
  4. 環状オレフィン系樹脂を主成分として形成されたバレルの内周面および/またはガスケットの表面にシリコーンを塗布し、線量25kGy〜100kGyの電子線又はガンマ線を照射して、シリコーンゲルとして固着化させると同時に滅菌することを特徴とするシリンジの製造方法。
JP2006071719A 2006-03-15 2006-03-15 シリンジ、及びシリンジの製造方法 Pending JP2007244606A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006071719A JP2007244606A (ja) 2006-03-15 2006-03-15 シリンジ、及びシリンジの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006071719A JP2007244606A (ja) 2006-03-15 2006-03-15 シリンジ、及びシリンジの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007244606A true JP2007244606A (ja) 2007-09-27

Family

ID=38589518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006071719A Pending JP2007244606A (ja) 2006-03-15 2006-03-15 シリンジ、及びシリンジの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007244606A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009532530A (ja) * 2006-03-30 2009-09-10 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー シール部材、同部材を用いる物品、およびスティクションを低減する方法
WO2010064667A1 (ja) 2008-12-03 2010-06-10 電気化学工業株式会社 シリンジ
JP2014036876A (ja) * 2007-12-28 2014-02-27 Terumo Corp シリンジ用ガスケットおよびそれを備えたシリンジ
US9234118B2 (en) 2006-03-30 2016-01-12 Becton, Dickinson And Company Coating system, articles and assembly using the same and methods of reducing sticktion
US10066182B2 (en) 2012-05-07 2018-09-04 Becton Dickinson France Lubricant coating for medical container
JP2020505589A (ja) * 2017-10-18 2020-02-20 イーライ リリー アンド カンパニー 注射器におけるシリコーンドレナージの促進試験方法
WO2022202881A1 (ja) 2021-03-25 2022-09-29 テルモ株式会社 持続投与装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002506694A (ja) * 1998-03-17 2002-03-05 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー ポリマー性シリコーン潤滑を含む事前充填可能なシリンジ
WO2004082708A2 (en) * 2003-03-18 2004-09-30 Novo Nordisk Health Care Ag Liquid, aqueous, pharmaceutical compositions of factor vii polypeptides
JP2004530465A (ja) * 2001-03-08 2004-10-07 バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド 予め充填された滅菌容器を製造するための装置および方法
JP2005160888A (ja) * 2003-12-05 2005-06-23 Terumo Corp シリンジ用ガスケット、シリンジ及びシリンジ用ガスケットの製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002506694A (ja) * 1998-03-17 2002-03-05 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー ポリマー性シリコーン潤滑を含む事前充填可能なシリンジ
JP2004530465A (ja) * 2001-03-08 2004-10-07 バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド 予め充填された滅菌容器を製造するための装置および方法
WO2004082708A2 (en) * 2003-03-18 2004-09-30 Novo Nordisk Health Care Ag Liquid, aqueous, pharmaceutical compositions of factor vii polypeptides
JP2005160888A (ja) * 2003-12-05 2005-06-23 Terumo Corp シリンジ用ガスケット、シリンジ及びシリンジ用ガスケットの製造方法

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8816022B2 (en) 2006-03-30 2014-08-26 Becton, Dickinson And Company Sealing members, articles using the same and methods of reducing sticktion
US9234118B2 (en) 2006-03-30 2016-01-12 Becton, Dickinson And Company Coating system, articles and assembly using the same and methods of reducing sticktion
JP2009532530A (ja) * 2006-03-30 2009-09-10 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー シール部材、同部材を用いる物品、およびスティクションを低減する方法
US8603638B2 (en) 2006-03-30 2013-12-10 Becton, Dickinson And Company Sealing members, articles using the same and methods of reducing sticktion
US9345837B2 (en) 2007-12-28 2016-05-24 Terumo Kabushiki Kaisha Gasket for syringe and syringe having gasket
US8968260B2 (en) 2007-12-28 2015-03-03 Terumo Kabushiki Kaisha Gasket for syringe and syringe having gasket
JP2014036876A (ja) * 2007-12-28 2014-02-27 Terumo Corp シリンジ用ガスケットおよびそれを備えたシリンジ
JPWO2010064667A1 (ja) * 2008-12-03 2012-05-10 電気化学工業株式会社 シリンジ
JP5517950B2 (ja) * 2008-12-03 2014-06-11 電気化学工業株式会社 シリンジ
CN102231994A (zh) * 2008-12-03 2011-11-02 电气化学工业株式会社 注射器
KR20110095399A (ko) 2008-12-03 2011-08-24 덴키 가가쿠 고교 가부시기가이샤 시린지
WO2010064667A1 (ja) 2008-12-03 2010-06-10 電気化学工業株式会社 シリンジ
EP2371406A4 (en) * 2008-12-03 2017-08-16 Denka Company Limited Syringe
US10066182B2 (en) 2012-05-07 2018-09-04 Becton Dickinson France Lubricant coating for medical container
JP2020505589A (ja) * 2017-10-18 2020-02-20 イーライ リリー アンド カンパニー 注射器におけるシリコーンドレナージの促進試験方法
CN111246903A (zh) * 2017-10-18 2020-06-05 伊莱利利公司 注射器中的硅酮排出的加速测试方法
US11353436B2 (en) 2017-10-18 2022-06-07 Eli Lilly And Company System for accelerated testing of silicone drainage in syringes
CN111246903B (zh) * 2017-10-18 2022-08-16 伊莱利利公司 注射器中的硅酮排出的加速测试方法
WO2022202881A1 (ja) 2021-03-25 2022-09-29 テルモ株式会社 持続投与装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1870117B1 (en) Medical appliance coating composition and medical appliance
JP2007244606A (ja) シリンジ、及びシリンジの製造方法
ES2545078T3 (es) Métodos de esterilización de dispositivos de sellado elastomérico
ES2669447T3 (es) Sistema de recubrimiento, artículos y conjunto utilizando los mismos y procedimientos para reducir la adherencia
ES2373585T3 (es) Miembros de sellado, artículos que usan los mismos y procedimientos de reducir fricción estática.
ES2431669T3 (es) Componentes médicos que tienen superficies recubiertas que presentan baja fricción y métodos para reducir la adherencia
EP2081615B1 (en) Medical components having coated surfaces exhibiting low friction and methods of reducing sticktion
JP5930959B2 (ja) 摺動性被覆層保有医療用具およびシリンジ
JPS62139668A (ja) 積層した注射器用栓
US20170014576A1 (en) Gasket for use in syringe and syringe having gasket
US8435217B2 (en) Gas sterilizable two-part polymer delivery system
JP2004321614A (ja) 医療用具
JP2016535145A (ja) 自己潤滑性医薬品シリンジストッパ
EP3202447A1 (en) Syringe assembly, pre-filled syringe, seal cap for sheath with puncture needle, and syringe assembly package
JP5013516B2 (ja) 医療用ゴム部材、滅菌済医療用ゴム部材及びゴム組成物
JP5118385B2 (ja) 薬液の滅菌方法、並びにプレフィルドシリンジ及びその製造方法
JP4430903B2 (ja) グリチルリチン酸水溶液充填プレフィルドシリンジ
CN107106786B (zh) 注射器用组装体、预充式注射器、带穿刺针的外筒用密封盖及注射器用组装体包装体
Grigoryan et al. Polymer materials of medical purpose and materials for dentistry
Ledig Silicone rubbers in medical applications–friction reduction with LSR Top Coat

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101005

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101007

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110510

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120312

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120918