JP2006094600A - 回転子結線方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 整流子に電機子巻線のコイルを溶融接合により安定確実に接続すること。
【解決手段】 電機子鉄心の各スロットより整流子14側にはみ出た各コイル16の開放端のコイル端末16iを、当該コイルと対応する整流子片18の端子部22の溝22aに所定の他のコイル16のコイル端末16jと上下に重ねて嵌め込む。次に、整流子片18の端子部22とコイル端末16i,16jとが接触する部分CNに向けて、YAG第2高調波のパルスレーザ光(グリーン光)LBを照射する。このYAG第2高調波のパルスレーザ光LBが照射された接触部分CNでは、整流子片18の端子部22およびコイル端末16i,16jのいずれもYAG第2高調波のレーザエネルギーを高い吸収率で吸収して急速に溶融し、スポット溶接(継手溶接)の接合部が形成される。

【選択図】 図3

Description

本発明は、回転子結線方法に係わり、特に整流子と電機子巻線とを接続する方法に関する。
発電機や電動機等の回転機は、機械的には回転子、固定子および軸受を主要部分とし、電気的には界磁、電機子、整流子およびブラシを主要部分としている。一般的には、回転子に円筒形の電機子および整流子が設けられ、回転子と対向する固定子に界磁およびブラシが設けられる。電機子は、電機子鉄心の表面に電機子巻線を構成する多数のコイルを装着してなる。整流子は、絶縁板を介して円周方向に並べた多数の整流子片を有し、固定子側のブラシと摺接して回転部分と静止部分との間の電流通路を形成する。
回転子を組み立てるには、整流子の各整流子片に電機子巻線のコイルを接続または結線する工程を必要とする。従来より、この結線工程には、ヒュージング加工が用いられている。この種のヒュージング加工は、各整流子片の端子部に各コイルの端末をジュール熱と加圧力を利用して熱かしめで接続し、機械的な接合を得るものである。
しかしながら、ヒュージング加工は、抵抗溶接機と同様に通電用の電極や加圧機構を有する大掛かりなヒュージング加工機を必要とするだけでなく、かしめ接続による機械的な接合であるために接合強度や電気的特性の信頼性が低いという問題があった。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、整流子に電機子巻線のコイルを溶融接合により安定確実に接続する回転子結線方法を提供することを目的とする。
本発明の別の目的は、整流子に電機子巻線のコイルを溶融接合で接続するための簡便かつ効率的な回転子結線方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の回転子結線方法は、整流子と電機子巻線とを接続する回転子結線方法であって、整流子を構成する各整流子片の端子部に電機子巻線を構成する各コイルの端末を嵌め込み、前記整流子片の端子部と前記コイルの端末とが接触する部分にレーザ光を照射して、前記レーザ光のエネルギーによって前記整流子片の端子部と前記コイルの端末とを溶接する。
また、本発明の第2の回転子結線方法は、整流子と電機子巻線とを接続する回転子結線方法であって、整流子を構成する各整流子片の端子部に電機子巻線を構成する各コイルの端末をかしめ、前記整流子片の端子部と前記コイルの端末とが接触する部分にレーザ光を照射して、前記レーザ光のエネルギーによって前記整流子片の端子部と前記コイルの端末とを溶接する。
本発明の回転子結線方法は、整流子を構成する各整流子片の端子部に電機子巻線を構成する各コイルの端末とをレーザで溶接する。本発明の好適な一態様によれば、銅または銅合金からなる整流子片の端子部とコイルとが接触する部分に可変のパルス幅を有するYAG高調波のパルスレーザ光を照射する。銅系の金属はYAG高調波のレーザエネルギーを高い吸収率で吸収するため、適度なレーザ出力とパルス幅を有するYAG高調波のパルスレーザ光を照射することで、銅系の結線部分または接触部分において機械的にも電気的にも信頼性の高い溶融接合を効率よく実現することができる。また、ヒュージング加工のように結線部に電極を当てたり加圧力を加える必要がなく、簡便かつ短時間に回転子結線作業を行うことができる。
本発明において、YAG高調波は、実用的には、波長が532nmのYAG第2高調波で充分である。好ましい一態様によれば、Nd:YAGレーザにより可変のパルス幅を有する波長1064nmのYAG基本波のパルスレーザ光を生成し、このYAG基本波のパルスレーザ光をKTP結晶に入射させて、KTP結晶とYAG基本波のパルスレーザ光との非線形相互作用によりYAG第2高調波のパルスレーザ光を生成する。
また、本発明においては、YAG基本波やCO2レーザ等も使用可能である。特に、ヒュージング加工と併用する場合は、ヒュージング加工による熱かしめを補強するだけの溶融接合がレーザ溶接によって得られれば充分である。
本発明の回転子結線方法によれば、上記のような構成と作用により、整流子に電機子巻線のコイルを溶融接合により安定確実に接続することができ、さらには簡便かつ効率的な溶融接合を実現することもできる。
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。
図1〜図5に、本発明における回転子結線方法の一実施形態を示す。図1は全体の斜視図、図2および図3は要部の斜視図、図4は要部の横断面図、図5は要部の縦断面図である。
図1に示すように、回転子を組み立てるために、軸10に円筒形の電機子鉄心12と整流子14とを軸方向に並べて(隣り合わせで)固定する。電機子鉄心12の外周面に形成された軸方向に延びるスロットには、電機子巻線を構成する多数の型巻コイル16が鼓状巻で装着されている。コイル16は、銅または銅合金からなり、断面が矩形または円形で、裸線または絶縁被覆線のいずれであってもよい。整流子14は、絶縁板(たとえばマイカ板)17を介して円周方向に密に並べられた多数の整流子片18で構成されている。各整流子片18は、銅または銅合金からなり、図2に示すように、軸方向に延在するブラシ接触部20と、このブラシ接触部20の一端部から半径方向外側に延びる端子部(耳部)22とを有している。端子部22の先端面には半径方向内側に切り欠かれた溝または凹部22aが形成されている。
上記のような回転子の組立を完成させるため、整流子14に電機子巻線のコイル16を接続または結線する。この結線のために、第1の工程として、電機子鉄心12の各スロットより整流子14側にはみ出た各コイル16の開放端のコイル端末16iを、当該コイルと対応する整流子片18の端子部22の溝22aに所定の他のコイル16のコイル端末16jと上下に重ねて嵌め込む(図2、図3)。
次に、第2の工程として、回転子から見て整流子の前方に配置したレーザ出射ユニット30より結線部に向けて、より詳細には整流子片18の端子部22とコイル端末16i,16jとが接触する部分CNに向けて、レーザ光LBを照射する(図1、図3、図4)。この実施形態におけるレーザ出射ユニット30は、レーザ光LBとして、532nmの波長を有するYAG第2高調波のパルスレーザ光(グリーン光)を出射する。このYAG第2高調波のパルスレーザ光LBが照射された接触部分CNでは、整流子片18の端子部22およびコイル端末16i,16jのいずれもYAG第2高調波のレーザエネルギーを高い吸収率で吸収して急速に溶融し、スポット溶接(継手溶接)の接合部Wが形成される(図4、図5)。なお、コイル16が被覆線であっても、端子部22およびコイル端末16i,16jが溶融した熱によって絶縁膜も溶ける。
より詳細には、図4に示すように、継手溶接部Wは、整流子片18の端子部22とコイル端末16i,16jとが接触する部分CNのうち、コイル端末16i,16jの端面から内奥に向かって形成される。図5に示すように接触部分CNの内の適当な間隔を置いた複数の箇所(図示の例は5箇所)に継手溶接部Wを形成してよく、さらには継手溶接部を連続させるシーム溶接も可能である。また、コイル端末16i,16j同士の接触部分にも上記と同様にレーザ光LBを照射して継手溶接部Wを形成してもよい。
上記接触部分CNの内で継手溶接部Wが形成されない箇所または領域は、圧接状態になっているので、ある程度の機械的な結合力が得られるとともに、コイル16が裸線の場合は電気的な接続も得られる。もっとも、機械的接合強度の大部分が継手溶接部Wで得られ、電気的接続の信頼性も継手溶接部Wで保証されることになる。
なお、レーザ出射ユニット30とワーク(回転子)との間で加工点または溶接ポイントを移動させるための機構(たとえばX−Yテーブル機構、θ回転機構等)が用いられてよい。
上記のように、この実施形態では、どちらも銅または銅合金からなる整流子片18の端子部22と電機子コイル16の端末16i,16jとが接触する部分CNに、波長532nmのYAG第2高調波のパルスレーザ光(グリーン光)LBを照射する点が重要である。後述するように銅系の金属はYAG第2高調波のレーザエネルギーを高い吸収率で吸収するため、適度なレーザ出力とパルス幅を有するYAG第2高調波のパルスレーザ光LBを照射することで、銅系の結線部分または接触部分CNにおいて機械的にも電気的にも信頼性の高い溶融接合を効率よく実現することができる。また、ヒュージング加工のように結線部に電極を当てたり加圧力を加える必要がなく、簡便かつ短時間に回転子結線作業を行うことができる。
ここで、図6〜図10につき、上記実施形態における回転子結線方法のベースとなる本発明のレーザ技術について説明する。
図6に、Cu、Au、Fe(鉄)の波長吸収特性を示す。代表的なYAGレーザであるNd:YAGレーザの基本波(ω)は1064nmである。このYAG基本波(ω)を、Feは比較的良好に吸収するが、CuやAuは僅かしか吸収しない。したがって、上記のような回転子結線における整流子片18の端子部22と電機子コイル16の端末16i,16jとの接続にYAG基本波(ω)のレーザ光を用いたならば、接合部(結線部)への入熱が非常に難しく、無理にレーザパワーを上げると結線部が吹き飛んでしまうこともあり、安定確実な溶接は殆ど不可能である。ところが、CuやAuは、YAG基本波(ω)の高調波つまり第2高調波(2ω:532nm)、第3高調波(3ω:355nm)あるいは第4高調波(4ω:266nm)等をよく吸収する。たとえば、第2高調波(2ω:532nm)に対するCuやAuの吸収率は50%以上である。YAG基本波(ω)をよく吸収するといわれるFeの吸収率が40%以下であることに鑑みれば、如何に高い吸収率であるかが分かる。実用的に、CuやAuのレーザ溶接には第2高調波(2ω:532nm)で十分である。
図7に、この実施形態の回転子結線方法で用いるYAGレーザ装置の構成を示す。このYAGレーザ装置は、支持台(図示せず)上に直線配列型で一対の終端ミラー36,38、固体レーザ活性媒質40、波長変換結晶42、偏光素子44および高調波分離出力ミラー46を配置している。
両終端ミラー36,38は互いに向かい合って光共振器を構成している。一方の終端ミラー36の反射面36aには、基本波長(1064nm)に対して反射性の膜がコーティングされている。他方の終端ミラー38の反射面38aには、基本波長(1064nm)に対して反射性の膜がコーティングされるとともに、第2高調波(532nm)に対して反射性の膜がコーティングされている。
活性媒質40は、たとえばNd:YAGロッドからなり、一方の終端ミラー36寄りに配置され、電気光学励起部48によって光学的にポンピングされる。電気光学励起部48は、活性媒質40に向けて励起光を発生するための励起光源(たとえば励起ランプあるいはレーザダイオード)を有し、この励起光源をレーザ電源部50からの励起電流(パルス電流)でパルス点灯駆動することにより、活性媒質40を持続的または断続的にポンピングする。なお、レーザ電源部50は制御部52の下で電気光学励起部48を駆動する。こうして活性媒質40で生成される基本波長(1064nm)の光ビームLAは、終端ミラー36,38の間に閉じ込められて増幅される。このように、両終端ミラー(光共振器)36,38、活性媒質40および電気光学励起部48によって基本波長(1064nm)の光ビームまたはレーザ光LAを生成するレーザ発振器が構成されている。
偏光素子44は、たとえばポラライザまたはブリュースタ板等からなり、活性媒質40からの基本波長の光ビームが非法線方向で入射するように光共振器の光路または光軸に対して所定の斜めの角度で配置されている。活性媒質40からの基本波長の光ビームLAのうち、P偏光は偏光素子44をまっすぐ透過して波長変換結晶42に入射し、S偏光は偏光素子44で所定の方向に向けて反射するようになっている。ここで、P偏光およびS偏光は基本波長の光ビームの進行方向に垂直な面内で振動方向が互いに直交する直線偏光成分(電界成分)である。たとえば、P偏向は鉛直方向で振動する直線偏光成分であり、S偏向は水平方向で振動する直線偏光成分である。好ましくは、基本波長(1064nm)においてP偏光透過率は略100%でS偏光反射率は略100%であるような偏光フィルタ特性が選ばれる。
波長変換結晶42は、たとえばKTP(KTiOPO4 )結晶あるいはLBO(LiB35)結晶等の非線形光学結晶からなり、他方の終端ミラー38寄りに配置され、この光共振器で励起された基本モードに光学的に結合され、基本波長との非線形光学作用により第2高調波(532nm)の光ビームSHG(LB)を光共振器の光路上に生成する。
波長変換結晶42より終端ミラー38側に出た第2高調波の光ビームSHGは、終端ミラー38で戻されて、波長変換結晶42を通り抜ける。波長変換結晶42より終端ミラー38の反対側に出た第2高調波の光ビームSHG(LB)は、光共振器の光路または光軸に対して所定の角度(たとえば45°)で斜めに配置されている高調波分離出力ミラー46に入射し、このミラー46で所定の方向に反射または分離出力されるようになっている。そして、高調波分離出力ミラー46より分離出力された第2高調波の光ビームSHG(LB)は、ベントミラー54で光軸を曲げられて入射ユニット56へ向けられる。
入射ユニット56は集光レンズ58を内蔵しており、ベントミラー54からの第2高調波の光ビームSHG(LB)を集束レンズ58により集束して光ファイバ60の一端面(入射端面)に入射させる。光ファイバ60は第2高調波の光ビームSHGをレード出射ユニット34(図1)まで伝送させる。出射ユニット34には、光ファイバ60の他端面より出射された第2高調波の光ビームSHG(LB)を集束させて被接合物(22,16)の溶接ポイントに照射するための光学レンズが設けられている。
このYAGレーザ装置では、第2高調波の光ビームSHGすなわちYAG第2高調波パルスレーザ光SHGについてパワーフィードバック制御を行うために、ベントミラー54の背後に漏れたYAG第2高調波パルスレーザ光SHGの漏れ光MSHG を受光する受光素子またはフォトセンサ62が配置されている。測定回路64は、フォトセンサ62の出力信号を基に第2高調波パルスレーザ光SHGのレーザ出力測定値を表す電気信号(レーザ出力測定値信号)を生成する。制御部52は、測定回路64からのレーザ出力測定値信号を基準値または基準波形と比較し、比較誤差に応じてたとえばパルス幅変調(PWM)方式の制御信号を生成する。レーザ電源50は、制御部52からの制御信号に応じてスイッチング素子をスイッチング動作させ、電気光学励起部48に供給する励起電流のパルス幅および電流値を制御する。
図8に、この実施形態におけるYAG第2高調波パルスレーザ光SHG(LB)のレーザ出力波形の一例を示す。図示のように、パワーフィードバック方式でレーザパワー、パルス幅、パルス波形等を任意に設定・制御することができる。
図9に、この実施形態で用いる波長変換方法の基本原理を示す。この波長変換方法は、波長変換結晶42にタイプII位相整合角にカットされた非線形光学結晶を使用し、タイプIIの位相整合で基本波から第2高調波への波長変換を行う。より詳細には、固体パルスレーザたとえばYAGパルスレーザ(図示せず)で生成された基本波(たとえば1064nm)のパルスレーザ光を楕円偏光(好ましくは円偏光)またはランダム偏光の形態で非線形光学結晶42に入射させる。そうすると、入射光のうち基本波長の垂直偏光成分と水平偏光成分のみが直線偏光として非線形光学結晶42を通過する。非線形光学結晶42は、基本波YAGパルスレーザと光学的に結合して、非線形光学効果により基本波光の垂直偏光成分と同じ方向に直線偏光したロングパルスの第2高調波パルスレーザ光SHG(532nm)を生成する。
しかしながら、上記のような波長変換方法(図9)においては、基本波パルスレーザ光の偏光分布に偏りまたは異方性があったりすると、波長変換効率が低下し、第2高調波パルスレーザ光SHGのレーザ出力が下がったり変動することがある。特に、活性媒質40に対する電気光学励起部48のポンピング(励起光の照射)が不均一であると、基本波パルスレーザ光の偏光分布に偏りまたは異方性が生じる。
図10に、この実施形態における波長変換方法を示す。この波長変換は、基本波のP偏光を透過させると同時にS偏光を反射する偏光素子44をその直線偏光化方向(P偏光の振動方向)が非線形光学結晶42の光学軸に対して相対的に45°傾くように配置する。実施形態の高調波レーザ装置(図7)では、図10に示すように、偏光素子44の直線偏光化方向を鉛直方向に設定し、非線形光学結晶42の方をその光学軸が鉛直方向に対して45°傾くように配置している。
このように偏光素子44の直線偏光化方向と非線形光学結晶42の光学軸とを相対的に45°傾けて配置する構成によれば、偏光素子44からのP偏光が非線形光学結晶42の座標系において見かけ上直交する等強度の2つの基本波光成分として非線形光学効果に作用する。仮に偏光素子44を省くと、P偏光と直交するS偏光も非線形光学結晶42に入射することになり、それによって非線形光学結晶42の座標系において垂直偏光成分と水平偏光成分のバランスが崩れ、タイプIIの波長変換効率は低下する。こうして、偏光素子44の直線偏光化により、高効率のタイプII波長変換が可能であり、安定かつ高出力でロングパルスの第2高調波パルスレーザ光SHGを生成することができる。これにより、CuやAuの被溶接材に対しては、YAG第2高調波の入射時間をパルス幅で任意に制御し、YAG第2高調波パルスレーザ光SHGのエネルギー吸収が十分に行われ、良好な溶融接合を得ることができる。
以上、好適な実施形態を説明したが、本発明の技術思想に基づいて種々の変形・変更が可能である。たとえば、上記のような回転子結線において従来一般のヒュージング加工と本発明によるレーザ溶接とを併用する方法も可能である。
図11および図12に、回転子結線におけるヒュージング加工の一例を示す。上記実施形態と同様に、先ず電機子鉄心12の各スロットより整流子14側にはみ出た各コイル16の開放端のコイル端末16iを、当該コイルと対応する整流子片18の端子部22の溝22aに所定の他のコイル16のコイル端末16jと上下に重ねて嵌め込む(図2、図3)。次に、各整流子片18の端子部22の溝22a内のコイル端部16i,16jに対してヒュージング加工を施す。
詳細には、図11に示すように、各整流子片18において、端子部22の溝22aに納められたコイル端末16i,16jにたとえばタングステンからなる高発熱性の電極62を所定の加圧力Fで押し付けるとともに、ブラシ接触部20にたとえばクロム銅からなる低発熱性の電極64を当て、両電極62,64間に適当な電圧を印加して加工点または結線部K(16i,16j,22)に電流Iを流す。コイル端末16i,16jが被覆線の場合は、絶縁膜の絶縁作用により通電開始直後は導通せず、電流Iは端子部22の溝22aを迂回して流れる。すると、電極62および端子部22がジュール熱で発熱し、その熱でコイル端部16i,16jの絶縁膜が溶け、コイル導体が露出する。以後、電極62からの電流Iはコイル端末16i,16jのコイル導体を通って流れる。コイル端末16i,16jは、電極62より加圧力Fを受けながら自己のジュール熱および電極62や端子部22のジュール熱によって加熱され、図12の(A),(B)に示すように溶け込みながら端子部22に熱かしめで接続される。
上記のようなヒュージング加工は各整流子片18毎に行なわれる。したがって、整流子14における整流子片18の総数をN個とすると、当該電機子を一周して上記のヒュージング加工が所定のマシンタクトでN回繰り返し行なわれる。
次に、図13に示すように、各整流子片18における結線部に対して、つまり各整流子片18の端子部22とこれに熱かしめで接続されているコイル端末16i,16jとの間の接触部CNに向けて、レーザ出射ユニット30よりYAG第2高調波のパルスレーザ光(グリーン光)LBを照射する。そうすると、YAG第2高調波のパルスレーザ光LBが照射された接触部分CNでは、整流子片18の端子部22およびコイル端末16i,16jの双方がYAG第2高調波のレーザエネルギーを高い吸収率で吸収して速やかに溶融し、スポット溶接(継手溶接)の接合部が形成される。上記と同様に、複数個の継手溶接部を適当な間隔で離散的に形成してもよく、あるいは継手溶接部を連続させてシーム溶接としてもよい。
上記接触部分CNの中で継手溶接部Wが形成されない箇所または領域も、既に熱かしめで接続されているので、相当の機械的な結合力と電気的な接続が得られている。このように、熱かしめの接続部分と継手溶接の接続部分とを併存させることで、整流子14の結線部における接合強度および電気的特性の信頼性を重畳的ないし相乗的に向上させることができる。
上記実施形態における回転子の構成、特に整流子14や電機子コイル16の構成は一例であり、任意の回転子構造における整流子と電機子巻線との接続に本発明のレーザ溶接法を適用することができる。たとえば、上記実施形態における整流子片18の端子部22aはコイル端末16i,16jを嵌め込む切欠または溝部22aを有している。しかし、たとえば図14に示すようなフック型の端子部25等も可能である。この場合は、両コイル端末16i,16jを端子部25に引っ掛け(好ましくはかしめ接続し)、この結線部、特にコイル端末16i,16jと端子部25とが接触する部分に対して図示のようにレーザ出射ユニット30よりYAG第2高調波のパルスレーザ光(グリーン光)LBを照射し、スポット溶接の接合部を形成してよい。また、整流子片18の耳部に整流子ライザを設ける場合も、整流子ライザと電機子コイルとの接続に本発明のレーザ溶接法を適用することができる。この場合、整流子ライザは整流子片18の延長部分とみなすことができる。
また、大抵の整流子および電機子コイルは銅または銅合金で作られることから、本発明におけるレーザ光は、上記実施形態におけるようなYAG第2高調波のパルスレーザ光(グリーン光)が最も好ましい。しかし、溶接効率ないし溶接能力の低下を伴うことになるが、YAG基本波(たとえば1064nm)のパルスレーザ光を使用することも可能であり、あるいはCO2レーザ光も使用可能である。特に、本発明によるレーザ溶接をヒュージング加工と併用する場合は、熱かしめを補強するだけの溶融接合が得られればよいので、YAG基本波やCO2レーザでも実用上十分な回転子結線を行うことが可能である。
本発明における回転子結線方法の一実施形態を示す斜視図である。 上記実施形態における回転子結線加工の一段階を示す斜視図である。 上記実施形態における回転子結線加工の一段階を示す斜視図である。 上記実施形態における回転子結線加工の一段階を示す横断面図である。 上記実施形態における回転子結線の溶接部を示す正面図である。 Cu、Au、Feの波長吸収特性を示す図である。 実施形態の接続方法で用いるYAGレーザ装置の構成を示すブロック図である。 実施形態におけるYAG第2高調波パルスレーザ光のレーザ出力波形の一例を示す図である。 実施形態における波長変換方法の基本原理を示す図である。 実施形態の波長変換方法を示す図である。 実施形態におけるヒュージング加工法を示す略側面図である。 同ヒュージング加工法を示す部分拡大略正面図である。 実施形態において整流子結線部にヒュージング加工の後にレーザ溶接を施す段階を示す斜視図である。 実施形態の一変形例による回転子結線加工の一段階を示す側面図である。
符号の説明
10 回転子の軸
12 電機子
14 整流子
16 電機子コイル
16i,16j コイル端末
17 絶縁版
18 整流子片
20 ブラシ接触部
22 端子部
22a 溝(凹部)
25 端子部
30 レーザ出射ユニット
36,38 終端ミラー
40 活性媒体
42 波長変換結晶
44 偏光素子
46 高周波分離出力ミラー
48 電気光学励起部
50 レーザ電源部
52 制御部
56 入射ユニット
60 光ファイバ
62 フォトセンサ
64 測定回路

Claims (8)

  1. 整流子と電機子巻線とを接続する回転子結線方法であって、
    整流子を構成する各整流子片の端子部に電機子巻線を構成する各コイルの端末を嵌め込み、前記整流子片の端子部と前記コイルの端末とが接触する部分にレーザ光を照射して、前記レーザ光のエネルギーによって前記整流子片の端子部と前記コイルの端末とを溶接する回転子結線方法。
  2. 整流子と電機子巻線とを接続する回転子結線方法であって、
    整流子を構成する各整流子片の端子部に電機子巻線を構成する各コイルの端末をかしめ接続し、前記整流子片の端子部と前記コイルの端末とが接触する部分にレーザ光を照射して、前記レーザ光のエネルギーによって前記整流子片の端子部と前記コイルの端末とを溶接する回転子結線方法。
  3. 前記整流子片の端子部が銅または銅合金からなる請求項1または請求項2に記載の回転子結線方法。
  4. 前記コイルが銅または銅合金からなる請求項1または請求項2に記載の回転子結線方法。
  5. 前記レーザ光が可変のパルス幅を有するYAG高調波のパルスレーザ光である請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転子結線方法。
  6. 前記YAG高調波の波長が532nmのYAG第2高調波である請求項5に記載の回転子結線方法。
  7. 前記レーザ光が可変のパルス幅を有するYAG基本波のパルスレーザ光である請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転子結線方法。
  8. 前記レーザ光がCO2レーザ光である請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転子結線方法。



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