JP2006093567A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造工程においてセラミックグリーンシートが変形することがなく、高い寸法精度の配線パターンを有する電子部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】 第1のセラミックグリーンシート層2上に第2のセラミックグリーンシート層3を形成して積層セラミックグリーンシート4を形成する工程と、積層セラミックグリーンシート4の焼結温度では焼結しない拘束グリーンシート7を形成する工程と、セラミックグリーンシート積層体6の上下面及び側面に拘束グリーンシート7を配置して加熱し、セラミックグリーンシート積層体6の上下面及び側面に拘束グリーンシート7が配置された生積層体8を作製する工程と、生積層体8を焼成する工程とを具備し、第1のセラミックグリーンシート層2及び拘束グリーンシート7は、セラミックグリーンシート積層体6を作製する際及び生積層体8を作製する際の加熱時に溶融状態となる溶融成分を含有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、積層コンデンサや積層セラミック配線基板等のような電子部品の製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化に伴い、積層セラミック配線基板のような電子部品において、小型化および高性能化が望まれている。例えば、積層セラミック配線基板においては、小型化および配線導体の高密度化のためにより薄い絶縁層および配線導体層を多層に形成し、配線導体層の幅および間隔もより微細なものが求められている。
このような電子部品は、セラミック粉末に有機バインダー、可塑剤、溶剤等を加えてスラリーとし、ドクターブレード等によりセラミックグリーンシート(Ceramic Green Sheetで以下CGSともいう)を成形した後、金属粉末を含有する導体ペーストを印刷するなどしてCGS上に導体層を形成し、次に複数枚の導体層が形成されたCGSを積層して加圧することにより圧着して積層体を得て、この積層体を焼成することで得られる。
また、CGS上に形成された導体層の上に別のCGSを積層する場合、この導体層の断面形状にCGSが追従し難いために導体層の周辺に空隙が発生し、この空隙を起因とするデラミネーションが発生しやすいという問題があった。特に導体層の配線間隔が微細な場合、配線間に空隙が発生しやすかった。このようなデラミネーションが電子部品の内部に存在すると、電気的な容量値の変化や絶縁破壊が起りやすくなるので電気的な特性が確保できない。
また、これらのセラミック配線基板を用いた電子部品を作製する工程において、CGSへのスルーホールの形成から導体ペーストを印刷し、複数枚のCGSを積層してCGS積層体を得る工程までの間に、CGSは伸縮を繰り返すため、変形する。例えば、スルーホールの形成では打ち抜き加工を行うことによってCGSは伸びる。
また、これらの工程によって得られたCGS積層体を焼結する工程では、CGSの密度が部分的に異なることが起因となり、CGSの収縮率がセラミック配線基板内の部分によって異なり、焼成後の電子部品の基板精度のばらつきの原因となる。
これらの問題に対して、特許文献1〜3では、CGS積層体の両面または片面に、CGSの焼成温度では焼結しない無機材料と有機バインダー、可塑剤等の有機成分とを含む拘束グリーンシートを積層して焼成する方法が提案されている。この拘束焼成方法によれば、積層体の焼成時の収縮を拘束するため、積層体の厚さ方向のみに収縮が起こり、積層面の縦方向および横方向(平面内の方向)には収縮が起こらなくなり、焼成収縮のばらつきに起因するセラミック基板の寸法のばらつきを抑え、セラミック基板の寸法精度が向上することが示されている。
しかしながら、上記の方法では、積層体と拘束グリーンシートの大きさが等しいため、焼成時に積層体の端面が反りやすく、焼成後の拘束グリーンシート焼成してなる拘束層を除去した後にセラミック基板の表面に配線パターンを形成する場合、スクリーン印刷法ではスクリーンをセラミック基板表面に密着させることができず、スクリーンを破る恐れが生じ、配線パターンを形成することができないという問題点があった。
そのため、この問題に対し、特許文献4では、CGSと、その焼成温度では焼結しない拘束グリーンシート、または、拘束グリーンシートとそれを焼成してなる拘束層を上下面および側面に配置した、生積層体を作製して、拘束焼成する方法によって、セラミック基板の端部や側面の反り、うねりを防ぎ、拘束グリーンシートが焼成されてなる拘束層を除去した後でもセラミック基板の上下面の配線パターンのファイン化が得られることが提案されている。
特開平4−243978号公報 特開平5−28867号公報 特開平5−102666号公報 特許3413880号公報
しかしながら、上記の特許文献1乃至4のような拘束焼成を行う場合、通常、熱と圧力を加えたり、有機バインダー、可塑剤、溶剤等からなる接着剤を用いて熱圧着させたりすることによって、拘束グリーンシートをCGS積層体の上下面に拘束させる方法を行う為、この際にかかる圧力はCGS積層体が変形するほどの高い圧力をかける必要があった。そのため、CGS積層体内部および表裏面に形成した導体層が歪み、歪みが残ったまま焼成され、得られるセラミック基板の配線パターン精度が悪くなるという問題があった。
例えば、CGS積層体の上下面に接着剤を塗布した後、拘束グリーンシートをCGS積層体の上下面に拘束させる場合、加圧力が5乃至30MPaという高い圧力を加えており、焼成前の積層体を作製する段階でCGSが伸縮等の変形をしてしまい、拘束焼成をしても加工時の変形による配線パターンの寸法ばらつきがそのまま残ってしまうため、焼成して得られたセラミック基板の配線パターンの寸法ばらつきが大きくなるという問題があった。
また、特許文献4のように、CGS積層体の側面に拘束グリーンシート配置して、側面の反りを低減しようとした場合も同様に、拘束グリーンシートを囲むように挟み込もうとしてもCGSの端面は角度が付いており、拘束グリーンシートをCGS積層体の端面および側面に均一に囲み拘束するためには、圧力をかけて挟み込む必要があり、この圧力はCGS積層体が変形するほどの高い圧力とする必要があった。そのため、積層後のセラミック基板の端面および側面は積層時の圧力による変形がそのまま残り、焼成して得られるセラミック基板に歪みが発生する。そのため、セラミック基板表面および内部の配線パターンの精度が悪くなり、安定した電気特性を得ることができなくなるという問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、製造工程においてCGSが変形することがなく、高い寸法精度の配線パターンを有する電子部品の製造方法を提供することである。
本発明の電子部品の製造方法は、支持体上に第1のセラミックグリーンシート層を形成する工程と、前記第1のセラミックグリーンシート層上に第2のセラミックグリーンシート層を形成して積層セラミックグリーンシートを形成する工程と、前記積層セラミックグリーンシート上に導体層を形成する工程と、前記積層セラミックグリーンシートの焼結温度では焼結しない拘束グリーンシートを形成する工程と、前記積層セラミックグリーンシートを複数枚積層して加熱することによってセラミックグリーンシート積層体を作製する工程と、前記セラミックグリーンシート積層体の上下面および側面に前記拘束グリーンシートを配置して加熱することにより、前記セラミックグリーンシート積層体の上下面および側面に前記拘束グリーンシートが配置された生積層体を作製する工程と、前記生積層体を焼成する工程と、前記拘束グリーンシートが焼成されて成る拘束層を除去する工程とを具備しており、前記第1のセラミックグリーンシート層および前記拘束グリーンシートは、前記セラミックグリーンシート積層体を作製する際および前記生積層体を作製する際の加熱時に溶融状態となる溶融成分を含有していることを特徴とする。
本発明の電子部品の製造方法は好ましくは、前記溶融成分の融点が35℃乃至100℃であることを特徴とする。
本発明の電子部品の製造方法によれば、積層CGSの第1のCGS層および拘束グリーンシートは、加熱時に溶融する溶融成分を含有することから、積層CGSを積層してCGS積層体を作製する際の加熱によって、積層CGSの第1のCGS層および拘束グリーンシートが軟化するので、積層CGSおよび拘束グリーンシートはその上また下に位置するCGSの形状に追従して変形することとなる。その結果、積層CGSおよび拘束グリーンシートを積層する際の圧力は、積層CGSが変形するほどの高い圧力ではないため、積層CGSが変形することが無く、かつ積層CGS同士または積層CGSと拘束グリーンシートとが均一に密着したCGS積層体を作製することができる。その結果、焼成して得られるセラミック基板は積層時の変形が無く、焼成してセラミック基板を作製した後に導体を印刷する方法において、スクリーン版をセラミック基板表面により均一に配置して印刷することができ、導体の厚みばらつきやかすれが無く、より高い寸法精度の配線パターンを有する電子部品を作製できる。
また、積層CGSの第1のCGS層および拘束グリーンシートは加熱時に溶融する溶融成分を含有することから、導体層が形成された積層CGSを積層して加熱した際に第1のCGS層が軟化するので、第1のCGS層はその下に位置する積層CGSの第2のCGS層およびその上に形成された導体層の形状に追従して変形する。その結果、導体層周囲や導体層の配線間に空隙が発生することなく積層CGS同士が密着し、CGS積層体を焼成して得られる電子部品はデラミネーションの発生のないものとなる。
また、本発明において、拘束グリーンシートは加熱時に溶融する溶融成分を含有することから、拘束グリーンシートはCGS積層体の上下面においてだけでなく、拘束グリーンシートをCGS積層体に囲むように挟み込む場合でも、この際の加熱により拘束グリーンシートに含有される溶融成分が溶融し、拘束グリーンシートが軟化するため、CGS積層体の側面が変形するほどの高い圧力を加える必要が無い。そのため、CGS積層体の側面が変形することがなく、かつCGS積層体の側面と拘束グリーンシートがより確実に密着したCGS積層体を作製することができる。その結果、焼成して得られるセラミック基板は積層時の歪みが無く、より高い寸法精度の配線パターンを有する電子部品を作製できる。
さらに、本発明において、積層の際にCGS積層体の側面および端面を加圧により変形するほどの圧力をかける必要がないため、CGS積層体の端面および側面は平坦性が良好となる。そのため、焼成して得られるセラミック基板端面の平坦性は良好なものとなり、セラミック基板から電子部品を多数個取りする場合に、高い歩留でより多く、確実に電子部品を得ることができる。
また、本発明において、加熱時に溶融する溶融成分の融点が35℃乃至100℃である場合、常温では積層CGSが軟化して変形することはないため、積層工程までのハンドリングが容易となり、加熱時には積層CGS中の有機バインダー(以下、バインダーともいう)や可塑剤等の有機成分が分解することがないため、分解ガスによりデラミネーションが発生することがなく、好ましいものとなる。
本発明の電子部品の製造方法について以下に詳細に説明する。
まず、図1(a)に示すように、支持体1上に第1のCGS層2を形成し、第1のCGS層2上に第2のCGS層3を形成して積層CGS4を形成する。第1のCGS層2は溶融成分を含有する。第1のCGS層2および第2のCGS層3は、さらに可塑剤を添加して積層CGS4の硬度や強度を調整してもよい。
第1,第2のCGS層2,3を成すセラミック粉末としては、例えばセラミック配線基板であれば、ガラスセラミック粉末(ガラス粉末とフィラー粉末との混合物)が挙げられ、積層コンデンサであればBaTiO系,PbTiO系等の複合ペロブスカイト系セラミック粉末が挙げられ、電子部品に要求される特性に合わせて適宜選択される。
ガラスセラミック粉末のガラス成分としては、例えばSiO−B系、SiO−B−Al系,SiO−B−Al−MO系(ただし、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−Al−MO−MO系(ただし、MおよびMは同一または異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−B−Al−MO−MO系(ただし、MおよびMは上記と同じである),SiO−B−M O系(ただし、MはLi,NaまたはKを示す,SiO−B−Al−M O系(ただし、Mは上記と同じである),Pb系ガラス,Bi系ガラス等が挙げられる。
また、ガラスセラミック粉末のフィラー粉末としては、例えばAl,SiO,ZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等のセラミック粉末が挙げられる。
第1,第2のCGS層2,3となるセラミックスラリーに配合されるバインダーとしては、従来からCGSに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体,具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラ−ル系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。焼成工程での分解、揮発性を考慮すると、アクリル系バインダーがより好ましい。
第1のCGS層2および拘束グリーンシートに含有される溶融成分は、CGS積層体6を作製する際の加熱時に溶融状態となるものであり、炭化水素,脂肪酸,エステル,脂肪アルコール,多価アルコール等が挙げられる。スラリーを調整する際の溶媒への溶解性を考慮すると、分子量が小さくかつ極性を有する炭化水素,エステル,脂肪アルコール,多価アルコールが好ましい。さらに、上述したアクリルバインダーとの相溶性を考慮すると、エステル,脂肪アルコール,多価アルコールがより好ましい。
溶融成分は上記のものの中でも、融点が35乃至100℃であるものが好ましい。これは、この範囲の融点のものを用いると、常温では積層CGS4が軟化して変形することはないため、積層工程までのハンドリングが容易となり、かつCGS積層体6を作製する工程における加熱時に積層CGS4中のバインダーや可塑剤等の有機成分が分解することがないため、分解ガスによりデラミネーションが発生することがないからである。融点が35乃至100℃である溶融成分としては具体的には、ヘキサデカノール,ポリエチレングリコール,ポリグリセロール,ステアリルアミド,オレイルアミド,エチレングリコールモノステアレート,パラフィン,ステアリン酸,シリコーン等が挙げられる。
第1のCGS層2に含有される溶融成分の含有量は、使用するバインダー成分およびその量や使用する溶融成分により異なるが、溶融成分が溶融した状態で第1のCGS層2が軟化し、その下に位置する積層CGS4の第2のCGS層3およびその上に形成された導体層5の形状に追従して変形するような量であればよい。
第1のCGS層2は、上記セラミック粉末,バインダー,溶融成分に溶剤(有機溶剤,水等)、必要に応じて所定量の可塑剤,分散剤を加えてスラリーを得、これを支持体1上にドクターブレード法,リップコーター法,ダイコーター法等により成形することによって得られる。第1のCGS層2の厚さは、導体層5と積層CGS4との段差を埋めるために、導体層5の厚みより厚くなるように形成される。
支持体1としては、厚みが30乃至200μmの、表面に離型処理を施した、例えばポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリイミド等の有機樹脂製のフィルムや上質紙等が用いられる。
第2のCGS層3は、第1のCGS層2に用いるスラリーに対して、溶融成分を含まないスラリーを用いて形成される。
第1のCGS層2上に第2のCGS層3を形成する方法は、以下の(1)乃至(3)が挙げられる。
(1)第1のCGS層2と同様に成形した第2のCGS層3を、第1のCGS層2の上に積層して形成する方法。
(2)支持体1上に形成された第1のCGS層2上に、第2のCGS層3のスラリーを塗布して形成する方法。
(3)支持体1上に塗布された第1のCGS層2のスラリー上に、第2のCGS層3のスラリーを塗布して形成する方法。
第1のCGS層2上に第2のCGS層3を積層する際に、第1のCGS層2と第2のCGS層3との間に空隙を発生させる可能性があり、従って第1のCGS層2と第2のCGS層3との密着性を向上させるためには、上記(2)または(3)の方法が好ましい。さらには、上記(3)の方法では、第1のCGS層2と第2のCGS層3の形成がほぼ同時に行なわれるので、工程が簡略化されるのでより好ましい。この(3)の方法においては、ダイコーター法やリップコーター法等の押し出し式の方法を用いるとよく、これらは非接触式の塗布方法であり、また溶剤の少ない、比較的粘度の高いスラリーを用いることができるので、第1のCGS層2のスラリーと第2のCGS層3のスラリーが混ざり合うことなく積層CGS4を形成することができるのでよい。
次に、図1(b)に示すように、導体層5を形成する方法としては、例えば導体材料の粉末をペースト化した導体ペーストをスクリーン印刷法やグラビア印刷法等により印刷したり、めっき法や蒸着法等により所定パターン形状の金属膜を形成するような積層CGS4上に直接形成する方法、あるいは印刷により所定パターン形状に形成した導体厚膜や所定パターン形状に加工した金属箔、めっき法や蒸着法等により形成した所定パターン形状の金属膜を、積層CGS4上に転写する方法がある。
導体材料としては、例えばW,Mo,Mn,Au,Ag,Cu,Pd(パラジウム),Pt(白金)等の1種または2種以上が挙げられ、2種以上の場合は混合、合金、コーティング等のいずれの形態であってもよい。
なお、導体層5を形成する前に、必要に応じて上下の層間の導体層5同士を接続するためのビアホール導体やスルーホール導体等の貫通導体を形成してもよい。これら貫通導体は、パンチング加工やレーザ加工等により積層CGS4に形成した貫通孔に、導体材料の粉末をペースト化した導体ペーストを印刷やプレス充填により埋め込む等の手段によって形成される。
次に、図1(c)に示すように、位置合わせして積み重ねた積層CGS4を、溶融成分が溶融状態となり第1のCGS層2が軟化して変形する程度の温度つまり溶融成分の融点程度の温度で加熱することで、CGS積層体6を作製する。また、このとき、積層した積層CGS4の位置ずれを防止するとともに、軟化した第1のCGS層2を第2のCGS層3およびその上に形成された導体層5のパターン形状に追従して変形するのを補助するために押さえる程度の加圧(0.1乃至1MPa)を行なうと、より精度よく確実な圧着が可能となる。
例えば、加熱時に溶融する溶融成分を含有しない積層CGSを用いてCGS積層体6を形成し焼成した場合、CGS積層体6および電子部品の寸法精度は±0.5%程度であったが、本発明の溶融成分を含有する積層CGS4を用いた場合、CGS積層体6および電子部品の寸法精度は±0.2%程度となり、大幅に向上することが実験により判明した。
次に、CGS積層体6の両主面にCGS積層体6の焼結温度では実質的に収縮しない、CGS積層体6よりもX方向もしくはY方向のいずれかもしくは両方が大きい、溶融成分を含有する拘束グリーンシート7を積層して加熱することによって、CGS積層体6の両主面に拘束グリーンシートが積層された生積層体8を作製する。ここで、「実質的に収縮しない」とは、拘束グリーンシート7のXY平面方向の収縮が1%以下、好ましくは0.8%以下、より好ましくは0.5%以下に抑制されていることを意味する。「XY平面」とは、三次元座標において拘束グリーンシート7の厚さ方向をZ方向としたときのX方向およびY方向によって規定される面をいう。
拘束グリーンシート7は、CGS積層体6の焼結温度では焼結収縮しない、例えばAl,ZrO,SiO等の難焼結性無機材料を主成分とする無機粉末と、第1のCGS層2に配合されるものと同様のバインダーおよび溶融成分に溶剤(有機溶剤,水等)と、必要に応じて所定量の可塑剤,分散剤とを加えてスラリーを得、これをドクターブレード法,リップコーター法,ダイコーター法等により成形することによって得られる。
拘束グリーンシート7は、その全体に溶融成分を含むものであってもよいし、積層CGS4と同様の構成、つまり溶融成分を含む第1の拘束グリーンシート層と溶融成分を含まない第2の拘束グリーンシート層とから成る2層構成の拘束グリーンシートであってもよい。拘束グリーンシート7を全体に溶融成分を含むものとすると、拘束グリーンシート7を作製する工程が2層構成の拘束グリーンシートに比べて簡略化され、また、2層構成の拘束グリーンシートとすると、CGS積層体6の両主面に拘束グリーンシート7を加熱して積層する際に、積層装置の金型等に拘束グリーンシート7が付着しにくくなる。
拘束グリーンシート7を2層構成の拘束グリーンシートとするには、積層CGS4を作製するのと同様の上記(1)乃至(3)の方法を用いればよく、第1の拘束グリーンシート層および第2の拘束グリーンシート層は、それぞれ第1のCGS層2および第2のCGS層3のセラミック粉末を、上記難焼結性無機材料を主成分とする無機粉末に置き換えたものを用いればよい。また、CGS積層体6の上下面に接する側の面に、CGS積層体6の上下面に形成された導体層5の厚みより厚い溶融成分を含む、拘束グリーンシート層が形成されるようにする。
CGS積層体6の上下面に積層される拘束グリーンシート7の厚さは、片面だけでCGS積層体6の厚さに対して10%以上であるのが好ましく、これよりも薄いと拘束グリーンシート7の拘束性が低下するおそれがある。また、有機成分の揮散の容易および拘束層の除去性を考慮すると、拘束グリーンシート7の厚さはCGS積層体6の厚さの約200%以下であるのがよい。
また、積層される拘束グリーンシート7は所定の厚みの1枚のものであってもよく、あるいは所定の厚みになるように複数枚を積層したものであってもよい。この場合、CGS積層体6の上下面に接する側の面に、CGS積層体6の上下面に形成された導体層5の厚みより厚い溶融成分を含む拘束グリーンシート層が形成されていればよい。
なお、拘束グリーンシート7は、先にCGS積層体6を作製しその後にCGS積層体6の上下面に積層してもよく、CGS積層体6と拘束グリーンシート7とを同時に積層してもよい。
また、拘束グリーンシート7は加熱時に溶融する溶融成分を含有することから、加熱のみで拘束グリーンシート7が軟化して接着性を有するものとなるので、大きな加圧力によりCGS積層体6に圧着させる必要がない。よって、加圧によるCGS積層体6への歪みがなく、かつ得られるCGS積層体6は高い寸法精度を有するものとなる。
また、拘束グリーンシート7は、図1(d)に示すように、CGS積層体6を囲むように側面から挟み込んで積層し、生積層体8’を作製しても良い。この場合、CGS積層体6の側面も拘束されることとなり、焼成して得られるセラミック基板の側面の反りは無くなりより良好なものとなる。
また、拘束グリーンシート7は加熱時に溶融する溶融成分を含有することから、加熱のみで拘束グリーンシート7が軟化して接着性を有するものとなるので、大きな加圧力によりCGS積層体6の側面を圧着させる必要がない。よって、加圧によるCGS積層体6の側面の歪みが無く、かつ得られるCGS積層体6は高い寸法精度を有するものとなる。
そして最後に、図1(e)に示すように、生積層体8または生積層体8’を焼成することにより本発明の電子部品が作製される。焼成する工程は有機成分の除去とセラミック粉末の焼結とから成る。有機成分の除去は100〜800℃の温度範囲でCGS積層体6を加熱することによって行い、有機成分を分解、揮発させる。焼結温度はセラミック組成により異なり、約800〜1600℃の範囲内で行なう。焼成雰囲気はセラミック粉末や導体材料により異なり、大気中、還元雰囲気中、非酸化性雰囲気中等で行なわれ、有機成分の除去を効果的に行なうために水蒸気等を含ませてもよい。
焼成後の電子部品は、その表面に露出した導体層5の表面には、導体層5の腐食防止のために、または半田や金属ワイヤ等の外部回路基板や電子部品との接続手段(半田等)の良好な接続のために、NiやAuのめっきを施すとよい。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更を施すことは何等差し支えない。
(a)〜(e)は、本発明の電子部品の製造方法の実施の形態の一例を示す工程毎の断面図である。
符号の説明
1・・・支持体
2・・・第1のセラミックグリーンシート層
3・・・第2のセラミックグリーンシート層
4・・・積層セラミックグリーンシート
5・・・導体層
6・・・セラミックグリーンシート積層体
7・・・拘束グリーンシート
8・・・生積層体

Claims (2)

  1. 支持体上に第1のセラミックグリーンシート層を形成する工程と、前記第1のセラミックグリーンシート層上に第2のセラミックグリーンシート層を形成して積層セラミックグリーンシートを形成する工程と、前記積層セラミックグリーンシート上に導体層を形成する工程と、前記積層セラミックグリーンシートの焼結温度では焼結しない拘束グリーンシートを形成する工程と、前記積層セラミックグリーンシートを複数枚積層して加熱することによってセラミックグリーンシート積層体を作製する工程と、前記セラミックグリーンシート積層体の上下面および側面に前記拘束グリーンシートを配置して加熱することにより、前記セラミックグリーンシート積層体の上下面および側面に前記拘束グリーンシートが配置された生積層体を作製する工程と、前記生積層体を焼成する工程と、前記拘束グリーンシートが焼成されて成る拘束層を除去する工程とを具備しており、前記第1のセラミックグリーンシート層および前記拘束グリーンシートは、前記セラミックグリーンシート積層体を作製する際および前記生積層体を作製する際の加熱時に溶融状態となる溶融成分を含有していることを特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 前記溶融成分の融点が35乃至100℃であることを特徴とする請求項1記載の電子部品の製造方法。
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JP2009206282A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Tdk Corp セラミック基板の製造方法

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