JP2006093551A - チタン含有膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】CVD法により良好な特性を有する下地層としてのチタン含有膜の形成方法の提供。
【解決手段】TDEATまたはTDMATなどの金属原料ガスと還元性ガスとを用いて、CVD法によりチタン含有膜を形成する。還元性ガスは、乖離してHラジカルや、Hイオンを放出することができるガスであり、例えばターシャリーブチルヒドラジン、NH、Hなどから選ばれたガスである。金属原料ガスと還元性ガスとの反応は、成膜速度が基板温度に依存する温度領域で行われる。
【選択図】図6

Description

本発明は、チタン含有膜の形成方法、特にCVD法により下地層として有用なチタン含有膜を形成する方法に関する。
半導体素子(LSI、ICなど)を製造する際の配線では、下部配線と上部配線とを結ぶコンタクトホールや溝などに下地層としてバリア層および/または密着層を形成するのが一般的である。このバリア層は、配線材料と絶縁材料とが相互に拡散し、半導体素子の特性が劣化するのを防ぐことを目的として、また、密着層は、配線材料と絶縁材料との界面で膜剥離が生じるのを防ぐことを目的として、配線材料と絶縁材料との間に設けられることが多い。
近年、コンタクトホールや溝内の配線材料として、従来のAlに代わって、より抵抗率の低い銅を用いることが試みられている。この場合、銅配線の下地層となるシリコン酸化物膜などの絶縁層中に銅が拡散することを防ぐために、シリコン酸化物膜などと銅配線との間にバリア層を形成している。
ところで、上記銅配線形成には、従来からメッキ法が用いられてきた。しかし、近年、LSIなどの配線スケールの縮小に伴い、コンタクトホールなどのサイズも細長くなり、メッキ液がこのアスペクト比の高い細長いホールなどの内部まで入り難くなるという問題が生じており、メッキ液による銅配線の形成が困難になっている。
そこで、メッキ法に代わる銅配線形成方法として、CVD法に代表されるガスを用いる方法が検討されているのが現状である。
しかしながら、CVD法を用いた銅含有膜形成プロセスでは、その膜形成が下地材料の表面特性に大きく影響され、(1)初期核の形成が困難であり、時間がかかることや、(2)島状成長し易いことといった問題があり、連続的な薄膜を形成することが困難であった。そのため、ホール径φ0.2μm以下、溝幅0.2μm以下では、アスペクト比が4以上の場合に、ホールなどへの穴埋めに際して、ボイドが発生してしまい、完全な穴埋めを行うことができなかった。これでは、メッキ法による穴埋めが困難になってくる径0.1μm以下のホールや溝への埋め込みがCVD法では行えず、将来大問題になる恐れがある。さらに、この下地材料の表面特性の影響は、銅含有膜とバリア層などの下地層との密着が取り難いという問題にもつながる。
そこで、CVD法により銅含有膜を連続薄膜として形成するためには、成膜プロセスの初期段階での核形成を速めると共に、核形成密度を高くすることが必要であり、下地に使用されるバリア層(密着層)が重要となる。また、同時にこの下地層と銅含有膜との密着性が良好であることも銅含有膜形成には重要となる。
CVD法により形成した銅薄膜を配線として用いる場合に、この薄膜との密着性が良く、かつ内部応力の小さいバリア層を形成するために、反応性スパッタ法やCVD法により窒化バナジウムを形成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。この場合、反応性スパッタ法では、細長いコンタクトホールや溝への均一な薄膜形成は困難であり、また、CVD法では、原料ガスとして、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウム(II)などを用いており、必ずしも良好なバリア層が得られていないのが実情である。
一方、スパッタや蒸着などのような膜形成粒子が一定の方向性を持った方法では、粒子の飛行方向と角度をなした方向にある膜形成部分や、粒子源から見えない膜形成部分、例えばコンタクトホールや溝の側壁部分などには膜の付着が難しく、特に技術の進歩と共に構造が微細化していくに連れて、複雑な構造への均一な膜形成(段差被覆性)は難しくなっている。
特開2003−17437号公報(特許請求の範囲)
そこで、本発明の課題は、上述の従来技術の問題点を解決することにあり、特定の原料を用いて、CVD法により、良好な特性、例えば後工程で連続的な銅含有薄膜を形成できるようなチタン含有膜であって、段差被覆性に優れると共に、銅含有膜との良好な密着性を有するチタン含有膜、特にチタン窒化物膜を形成する方法を提供することにある。
本発明のチタン含有膜の形成方法は、4価のアミド系チタン有機金属原料ガスと還元性ガスとを用いて、CVD法によりチタン含有膜を成膜対象物上に形成することを特徴とする。これにより、後工程で連続的な銅含有薄膜を形成できるようなチタン含有膜であって、段差被覆性に優れると共に、銅含有膜との良好な密着性を有するチタン含有膜を形成できる。
この4価のアミド系チタン有機金属原料は、テトラキスジエチルアミノチタン(TDEAT)、テトラキスジメチルアミノチタン(TDMAT)またはテトラキスエチルメチルアミノチタンであることが好ましい。
上記還元性ガスは、乖離してHラジカルや、Hイオンを放出することができるガスであることが好ましい。例えば、ヒドラジン誘導体、NH、H、SiHおよびSiから選ばれたガスであることが好ましい。このヒドラジン誘導体は、ヒドラジンの水素原子の1つまたは2つをメチル基、エチル基、直鎖若しくは分枝のブチル基で置換したものであることが好ましく、TDEATやTDMATなどと反応し、窒化を促進できるターシャリーブチルヒドラジン(TBH)などが特に好ましい。
上記4価のアミド系チタン有機金属原料ガスと還元性ガスとの反応を、成膜速度が成膜対象物の温度に依存する温度領域で行い、チタン含有膜を形成することが好ましい。
本発明によれば、後工程で銅含有膜を形成するのに適した下地層(バリア層および/または密着層)を得ることができる。すなわち、配線材料と絶縁材料とが相互に拡散することのないバリア層、また、配線材料と絶縁材料との界面で膜剥離が生じることのない密着層を得ることができる。
また、後工程のCVD法による銅含有膜形成プロセスにおいて、初期核の形成を短時間で容易に行うことができ、また、その核形成密度が高いので、容易に連続的な銅含有膜を形成することができると共に、得られる銅含有膜との間で密着が取り易い下地層を効率的に形成することができるという効果を奏する。
さらに、複雑な構造、例えばアスペクト比の高いホールや溝内を、その側壁部分を含めて均一に被覆することが可能であり、段差被覆性に優れているという効果を奏する。その結果、後工程でホールなどの内部に配線材料を均一に埋め込むことが可能となる。
まず、本発明のチタン含有膜形成方法を実施するCVD装置の一構成例について図面を参照して説明する。
図1に示すCVD装置は、キャリアガス(例えば、N、Ar、Heなど)や還元性ガス(例えば、NH、Hなど)などのガスの供給を行うガス供給装置1と、成膜原料の供給を行う原料供給装置2と、金属含有膜形成を行う反応装置3と、原料およびガスの排出を行う排出装置4とから構成されている。
ガス供給装置1は、キャリアガスのガス源および還元性ガスのガス源から、それぞれ、マスフローコントローラー(図中、MFC1およびMFC2で示す)を通して各ガスの流量を制御しながら、配管を通して反応装置3内へと輸送する機能を有する。
原料供給装置2は、原料容器201内の原料202の供給流量や供給圧力を制御しながら反応装置3の反応室301内へ原料を輸送する機能を有する。図1によれば、この原料供給装置は、常温で液体または固体の原料に使用でき、例えばTDEATやTDMATなどのチタン含有膜形成用有機金属材料やヒドラジン誘導体(例えば、ターシャリーブチルヒドラジン(TBH)など)の還元性ガス材料を気化装置203を通してガス状にし、このガスを反応装置3内へ導入するために使用される。この原料供給装置の基本構成の一つを示す図1では、供給流量や供給圧力をマスフローコントローラー(図1中、L−MFCやMFC3で示す)や圧力計(図1中、204および205で示す)を介して制御しながら、原料ガスを反応室301へ輸送できるようになっている。原料容器201から反応装置3のシャワープレート302に至るまでの原料輸送用配管、バルブなどの各構成要素は全て温度制御されている。この温度制御範囲は、室温〜270℃程度が好ましい。これにより、原料ガスが液化、析出しないように制御され得る。
反応装置3は、原料供給装置2から供給される原料ガス、還元性ガスおよびキャリアガスや、ガス供給装置1から供給されるキャリアガスおよび還元性ガスなどを基板Sに適切に供給するためのシャワープレート302と、基板S近傍の成膜雰囲気を保つための反応室301と、基板Sを設置でき、加熱できるようになっている基板設置台303(図示していない加熱手段を備えている)と、隣の基板搬送室などとの雰囲気を仕切るための仕切りバルブ304と、成膜雰囲気の圧力をモニターする圧力計305とから構成されている。このシャワープレート302は、金属(例えば、ステンレス鋼、Al、Al合金、ハステロイ(登録商標)、インコネル(カナダ・インコ(INCO)社製)など)で作製され、室温〜250℃の範囲で温度制御することが好ましい。反応室301は、金属(例えば、ステンレス鋼、Al、Al合金、ハステロイ、インコネルなど)で作製され、室温〜250℃の範囲で温度制御することが好ましい。基板設置台303は、金属(例えば、ステンレス鋼、Al、Al合金、ハステロイ、インコネルなど)またはセラミックス(例えば、Al、AlN、SiN、SiC、SiOなど)で作製され得る。好ましくはセラミックスであり、セラミックスの中でも、熱伝導が良く、高温でも温度分布の良いAlNで作製することが好ましい。AlNで作製した基板設置台303は、室温〜600℃の加熱に対応できる。仕切りバルブ304は、金属(例えば、ステンレス鋼、Al、Al合金、ハステロイ、インコネルなど)で作製され、バルブ内部、外部に温度モニターとヒーターなどの加熱手段とが設置され、室温〜250℃の範囲で温度制御することができるようになっている。圧力計35は、高温対応型を用いる。
排出装置4は、反応室301内の雰囲気を調整する装置である。その基本的な構造は、図1に例示する通り、配管、排出バルブ401、圧力コントロールバルブ402、原料トラップ403、真空ポンプ404からなっている。反応室301から真空ポンプ404までの構成要素は、温度制御され、その制御範囲は、室温〜250℃が好ましい。圧力コントロールバルブ402は、反応室301に設けられた圧力計305の値を基に、任意の設定値になるように連動して開閉できるようになっている。また、原料供給装置2を出た原料ガスが、排出装置4の原料トラップ403まで輸送できる配管5を設けることで、原料供給装置2から輸送される原料ガスの供給量が安定したところで、原料ガスの輸送経路を反応室301側に切り替えて、反応室301内へ原料ガスを安定して供給することが可能となる。また、原料ガスの供給が終了した際、配管5により原料ガスを原料トラップ403に切り替えることで、反応室301へのガス供給を即座に停止することができる。この原料トラップ403は、排出される原料ガスを回収する機能を有する装置であり、真空ポンプ404への負荷(ポンプ内部での閉塞)の軽減および原料の再利用を行う上で有効である。図1に示す真空ポンプ404の排気能力を上げるために、圧力コントロールバルブ402と真空ポンプ404との間に第2の真空ポンプを設置してもかまわない。
上記原料供給装置は、図1に示す以外にも、例えば図2〜4に示すような構成を有するものであれば本発明において利用できる。図1を含めて、いずれの構成においても、供給流量や供給圧力をマスフローコントローラー(図2〜4中、L−MFCやMFC3、MFC4で示す)や圧力計(図2〜4中、204および205で示す)を介して制御しながら、原料ガスを反応室301内へ輸送できるように構成されている。なお、気化装置は図示していないが、随時設けることができる。
図2に示す原料供給装置2では、所定の圧力の加圧ガス(N、Ar、Heなど)により原料容器201内の原料202をマスフローコントローラー(L−MFC)を介して反応室301へ輸送できるように構成されている。図3に示す原料供給装置2では、所定の圧力のキャリアガスおよび還元性ガスをマスフローコントローラー(MFC3)を介して原料容器201内の原料202と共に反応室301内へ輸送できるように構成されている。図4に示す原料供給装置2では、原料容器201内の原料202をマスフローコントローラー(MFC4)を介して反応室301内へ輸送できるように構成されている。
本発明で用いることができる金属原料としては、4価のアミド系チタン有機金属原料が好ましく、例えば、Ti[NR]、Ti[NR]・Cl、Ti[NR]・Cl、Ti[NR]・Clなどを使用できる。ここで、RおよびRは、同じであっても異なっていてもよく、C2n+1(n=0〜4の整数)、C2mO(m=0〜4の整数である)、CHOHまたはフェニル基などから選ばれる。Clはこれ以外のハロゲン原子であってもよい。これらの金属原料の中でも、上記したTDEATおよびTDMATなどがより好ましい。
還元性ガスとしては、乖離してHラジカルや、Hイオンを放出することができるガス、例えばヒドラジン誘導体(例えば、ターシャリーブチルヒドラジン(TBH):(CH)CNHNH)、NH、H、SiHなどが使用できる。その他のヒドラジン誘導体(例えば、1つまたは2つのHがメチル、エチル、ブチルなどのアルキル基で置換されているもの)も使用できる。これらの還元性ガスのうち、TDEATガスと反応し、チタン含有膜を形成する際に、窒化を促進できるガス(TBHやNH)が好ましい。
上記有機金属原料に対する還元性ガスの供給比は、特に制限はないが、本発明では2〜20程度で所望の目的を達することができる。
キャリアガスとしては、例えばアルゴン、ヘリウムなどの希ガスやNなどの不活性ガスを用いることができる。
本発明で用いることができる成膜対象物としては、半導体作製用基板であれば特に制限があるわけではなく、例えばホールや溝を開けてあってもよいSiO/Si基板が以下の実施例では用いられるが、これ以外にも、Low−k基板を用いても構わない。このLow−k基板としては、SiOC系(例えば、商品名Black Diamond(AMAT社製)、Coral(Novellus社製)、Aurola(ASM社製)、Orion(TRIKON社製)、SiLK(Dow Chemical社製)、FLARE(Honeywell Electric Materials社製))、SiOF、HSQ、MSQ、NCS(Nano Crystal Silica(富士通製))などを挙げることができる。
次に、上記CVD装置を用いて行う本発明の実施例について説明する。
本実施例では、図1に示すCVD装置を用いて、以下の条件でチタン含有膜を形成した。
まず、反応装置3の仕切りバルブ304を開け、反応室301に隣接する室のロボットを用いて、基板Sを反応室内に搬送した。この搬送は、搬送の最中、基板Sの表面に炭素含有ガス(COまたはCO)、酸素含有ガス(O)、水(HO)などの空気中に存在するガスが付着したり、または基板内部に拡散するのを避けるために、真空中で行った。
反応室301内に搬送された基板Sを、その主面である表面をシャワープレート302側にし、裏面を基板設置台303側にして、反応室内の加熱手段を備えた基板設置台上に乗せた。
次いで、ガス供給装置1から、NガスをMFC1を介して1500sccmの流量に制御して反応室301内へ流し、反応室内の圧力を成膜圧力に保って、所定の基板温度になるように加熱した。1〜10分後、以下に示す成膜条件に従って成膜を開始した。
基板:8インチウェハー(SiO/Si)
有機金属原料としてTDEAT(テトラキスジエチルアミノチタン:Ti[N(C)])を用いた場合:
TDEAT供給量:84mg/min
TDEAT用キャリアN:400sccm
還元性ガス(TBH、NH)流量:22sccm
有機金属原料に対する還元性ガスの供給モル比:4
キャリアN:1500sccm
基板温度:225〜550℃
成膜圧力:340Pa
成膜時間:1〜60min
有機金属原料としてTDMAT(テトラキスジメチルアミノチタン:Ti[N(CH)])を用いた場合:
TDMAT供給量:56mg/min
TDMAT用キャリアN:400sccm
還元性ガス(TBH、NH)流量:22sccm
有機金属原料に対する還元性ガスの供給モル比:4
キャリアN:1500sccm
基板温度:200〜500℃
成膜圧力:340Pa
成膜時間:1〜60min
以上の成膜条件でチタン含有膜の形成を行い、膜堆積速度の基板温度依存性をアレニウスプロットに纏めた結果を図5(a)および(b)に示す。図5に基づき、成膜速度が基板温度に依存する(いわゆる表面反応律速)温度領域が存在する金属原料と還元性ガスとの組み合わせを以下の表1に整理して示す。表1中、○印は上記基板温度(成膜温度)の範囲内で活性化エネルギーの傾きがあることを示す。すなわち、成膜速度が基板温度に依存することを示す。
(表1)
Figure 2006093551
図5(a)および(b)ならびに表1から、いずれの金属原料の場合でも、表面反応律速温度領域があることが分かる。また、還元性ガスを用いた場合には、用いない場合よりも、表面反応律速温度範囲が狭くなる。この図5(a)および(b)から明らかなように、膜堆積速度が基板温度に依存していない温度領域を除外し、かつ実用的な成膜速度(0.1nm/min以上)が確保できる温度としては、TDEATを使用する場合、225〜500℃、TDMATを使用する場合、200〜450℃(ただし、TDMAT+NHの場合は、200〜300℃)であることが望ましいことが分かる。
表面反応律速温度範囲が狭くなる。
実施例1で得られた表面反応律速温度領域内の温度である250℃で、直径0.2μmで深さが1μmのホールを用いて、段差被覆性を評価した。この場合、金属原料としてTDMATおよびTDEATを、また、還元性ガスである窒化原料としてNHおよびTBHを用いて、実施例1の方法に準じて成膜した。また、比較のために還元性ガスを用いないものに場合についても同様に成膜し、その段差被覆性を評価した。その結果を図6に横断面SEM写真として示す。
図6から明らかなように、TDMATまたはTDEATと還元性ガスとを用い、所定の温度で成膜することにより、被覆率50%以上の側面被覆を実現できることが分かる。すなわち、本発明のチタン含有膜形成方法によれば、ホールの上面、底面、側面にほぼ同じ厚さの膜が形成され、ホールの上は覆われていなかった。図6の結果から、原料の組み合わせと段差被覆性との関係を纏めると以下の表2にようになる。表2中、×→△→○→◎の順で相対的に段差被覆性が改善されることを示す。
(表2)
Figure 2006093551
従って、図6および表2から、還元性ガスを用いることにより、段差被覆性が良好になることが分かる。これは、還元性ガスの表面吸着が表面反応を促進するからである。
図1に示すCVD装置を用いてチタン含有膜を形成した。膜を形成する基板として、ケイ素酸化物膜の形成された8インチウェハー(SiO/Si)を用いた。
反応装置3の仕切りバルブ304を開け、反応室301に隣接する室のロボットを用いて、基板Sを反応室内に搬送した。この搬送は、搬送の最中、基板Sの表面に炭素含有ガス(COまたはCO)、酸素含有ガス(O)、水(HO)などの空気中に存在するガスが付着したり、または基板内部に拡散するのを避けるために、真空中で行った。
反応室301内に搬送された基板Sを、その主面である表面をシャワープレート302側にし、裏面を基板設置台303側にして、反応室内の加熱手段を備えた基板設置台上に乗せた。この基板設置台は常に所定の成膜温度に保った。
次いで、ガス供給装置1から、NガスをMFC1を介して1500sccmの流量に制御して反応室301内へ流し、反応室内の圧力を所定の成膜圧力に保って、基板温度が350℃になるように加熱した。0〜10分後、以下に示す成膜条件1および2に従って成膜を開始した。
原料として、TDEATを用い、還元性ガスとしてTBH、NH、Hを用いた。
成膜条件1:
TDEAT供給量:84mg/min
TDEAT用キャリアN:400sccm
キャリアN:1500sccm
還元性ガス(TBH、NH、H)流量:80sccm
成膜圧力:340Pa
成膜時間:2〜30min
成膜温度:300℃
膜厚:100nm
成膜条件2:
TDEAT供給量:84mg/min
TDEAT用キャリアN:400sccm
キャリアN:1580sccm
成膜圧力:340Pa
成膜時間:30min
成膜温度:300℃
膜厚:100nm
上記成膜条件1に従って作製されたチタン含有膜の電気抵抗率は0.1〜1Ω・cmであり、成膜条件2で作製されたチタン含有膜の電気抵抗率は0.005〜0.02Ω・cmであった。上記成膜条件1および2に従って作製されたチタン含有膜の組成をXPS法で調べた結果を以下の表3に示す。
(表3)
Figure 2006093551
表3から明らかなように、還元性ガスを使用した方が使用しない場合より窒素含量の高い膜が得られ、特にNHおよびTBHの場合に窒化が促進されていることが分かる。
原料として、TDEATの代わりにTDMATを用いたこと以外は、実施例3記載の方法を繰り返した。その際の成膜条件を以下に示す。
成膜条件1:
TDMAT供給量:56mg/min
TDMAT用キャリアN:400sccm
還元性ガス(TBH、NH、H)流量:80sccm
キャリアN:1580sccm
成膜圧力:340Pa
成膜時間:1〜60min
成膜温度:250℃
膜厚:100nm
成膜条件2:
TDMAT供給量:56mg/min
TDMAT用キャリアN:400sccm
キャリアN:1580sccm
成膜圧力:340Pa
成膜時間:60min
成膜温度:250℃
膜厚:100nm
上記TDMAT成膜条件1に従って作製されたチタン含有膜の電気抵抗率は0.05〜0.5Ω・cmであり、成膜条件2で作製されたチタン含有膜の電気抵抗率は0.005〜0.5Ω・cmであった。上記成膜条件1および2に従って作製されたチタン含有膜の組成をXPS法で調べた結果を以下の表4に示す。
(表4)
Figure 2006093551
表4から明らかなように、還元性ガスを使用した方が使用しない場合と比べてチタン含量は高く、窒素含量も高い膜が得られ、特にNHおよびTBHの場合に窒化が促進されていることが分かる。
(適用例1)
実施例3および4で得られたチタン含有膜の形成された基板を、その表面が酸化しないように、大気開放せず、反応室の隣に設けられた搬送室(真空下)を経由して、銅含有膜形成用の反応室へ搬送し、所定温度に保たれている基板設置台上に乗せた。また、チタン含有膜の形成されていないSiO/Si基板も同様にして銅含有膜形成用の反応室内基板設置台に乗せた。これらの基板に対して、流量の制御されたHガスを供給し、反応室内の圧力を一定に保ちながら、基板温度を170℃になるように加熱した。この場合の圧力および基板加熱温度は、後に行う銅含有膜形成時の条件と同じにして行った。このHガスは基板表面の酸化物膜除去の効果もある。
次いで、水素雰囲気中にて、銅膜形成用原料として公知のヘキサフルオロアセチルアセトナト銅(I)トリメチルビニルシラン(Cu(hfac)TMVS)を導入し、成膜圧力300Pa、成膜時間1分間で銅含有膜を形成した。
この成膜プロセスにおいて得られたチタン含有膜の形成された試料と形成されていない試料とを比較すると、銅含有膜形成の前に実施例3および4に従ってバリア膜としてチタン含有膜を形成することにより、銅膜の初期核形成が促進され、短時間で初期核の核密度が高密度化されていることがSEM写真により確認できた。
また、SEM、XPS、蛍光X線分析(XRF)により、銅含有膜が形成されていることが確認できた。
前記と同じ条件(但し、成膜時間は10分にした)で得られた膜厚100nmの銅含有膜に対し、漢字の「田」印状に、5mm角4個の升目を、基板直径上のX−Y方向に等間隔で9カ所描き、表面に粘着テープを貼り付けた後、剥離させるテープテストの結果、チタン含有膜表面からの剥離は観察されなかった。なお、チタン含有膜を形成せずに、基板上に直接銅含有膜を形成した場合には、銅含有膜は基板表面から簡単に剥離した。
本発明によれば、特定の原料を用いて、後工程で連続的な銅含有膜を形成できるようなチタン含有膜(バリア層および/または密着層)を得ることができると共に、得られる銅含有膜との間で密着が取り易いチタン含有膜を効率的に形成することができる。また、複雑な構造、例えばアスペクト比の高いホールや溝内を、その側壁部分を含めて均一に被覆する段差被覆性に優れており、その結果、後工程でホールなどの内部に銅含有膜を均一に埋め込むことが可能となる。従って、本発明のチタン含有膜形成方法は、半導体素子(LSI、ICなど)を製造する際の、金属膜、特に金属配線を形成する際に適用可能な技術である。
本発明の形成方法を実施するためのCVD装置の一構成例を模式的に示す配置図。 図1に示すCVD装置の原料供給装置の別の実施の形態を模式的に示す配置図。 図1に示すCVD装置の原料供給装置のさらに別の実施の形態を模式的に示す配置図。 図1に示すCVD装置の原料供給装置のさらに別の実施の形態を模式的に示す配置図。 実施例1で得られたチタン含有膜に対する、膜堆積速度の基板温度依存性示すグラフであり、(a)は金属原料としてTDEATを用いた場合、(b)は金属原料としてTDMATを用いた場合である。 実施例2に従って、金属原料および還元性ガスを変えて得られたチタン含有膜の段差被覆性を示す断面SEM写真。
符号の説明
1 ガス供給装置 2 原料供給装置
201 原料容器 202 原料
203 気化装置 3 反応装置
301 反応室 302 シャワープレート
303 基板設置台 304 仕切りバルブ
4 排出装置 401 排出バルブ
402 圧力コントロールバルブ 403 原料トラップ
404 真空ポンプ

Claims (7)

  1. 4価のアミド系チタン有機金属原料ガスと還元性ガスとを用いて、CVD法によりチタン含有膜を成膜対象物上に形成することを特徴とするチタン含有膜の形成方法。
  2. 前記4価のアミド系チタン有機金属原料が、テトラキスジエチルアミノチタン、テトラキスジメチルアミノチタンまたはテトラキスエチルメチルアミノチタンであることを特徴とする請求項1記載のチタン含有膜の形成方法。
  3. 前記還元性ガスが、乖離してHラジカルや、Hイオンを放出することができるガスであることを特徴とする請求項1または2記載のチタン含有膜の形成方法。
  4. 前記還元性ガスが、ヒドラジン誘導体、NH、H、SiHおよびSiから選ばれたガスであることを特徴とする請求項3記載のチタン含有膜の形成方法。
  5. 前記ヒドラジン誘導体が、ヒドラジンの水素原子の1つまたは2つをメチル基、エチル基、直鎖または分枝のブチル基で置換したものである請求項4記載のチタン含有膜の形成方法。
  6. 前記ヒドラジン誘導体が、ターシャリーブチルヒドラジンであることを特徴とする請求項4記載のチタン含有膜の形成方法。
  7. 前記4価のアミド系チタン有機金属原料ガスと還元性ガスとの反応を、成膜速度が成膜対象物の温度に依存する温度領域で行い、チタン含有膜を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のチタン含有膜の形成方法。
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