JP2006093197A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高発光効率と耐久性に優れた有機EL素子。
【解決手段】一対の電極間の発光層中に、発光材料とホスト材料を含んでおり、発光材料が3座以上の配位子を有する金属錯体であり、ホスト材料が下記一般式(H−1)で表される金属錯体である。
Figure 2006093197

(式中、XH1とYH1は、O、N、S、C、P原子を表し、他の環の構成原子となっていても良い。M1は金属イオンを、n1は1以上の整数を、LHは配位子を、m1は0 以上の整数を表す。QH1はXH1、YH1、M1と共にキレート環を形成する原子群を表す。QH1−XH1の間の結合及びQH1−YH1の間の結合は配位結合ではない。)
【選択図】なし

Description

本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光できる有機電界発光素子(発光素子、またはEL素子)に関する。
今日、種々の表示素子に関する研究開発が活発であり、中でも有機電界発光(EL)素子は、低電圧で高輝度の発光を得ることができるため、有望な表示素子として注目されている。
一般に有機EL素子は、発光層もしくは発光層を含む複数の有機層を挟んだ対向電極から構成されており、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔が発光層において再結合し、生成した励起子からの発光を利用するもの、又は前記励起子からエネルギー移動によって生成する他の分子の励起子からの発光を利用するものである。
しかしながら、この有機電界発光素子は無機LED素子や、蛍光管に比べ非常に発光効率が低く大きな問題となっている。現在提案されている有機電界発光素子のほとんどは、有機化合物発光材の一重項励起子から得られる蛍光発光を利用したものである。単純な量子化学のメカニズムにおいては励起子状態において、蛍光発光が得られる一重項励起子と燐光発光が得られる三重項励起子の比は1対3であり、蛍光発光を利用している限りは励起子の25%しか有効活用できず発光効率の低いものとなる。それに対して三重項励起子から得られる燐光を利用できるようになれば、発光効率を向上できることになる。そのような考えのもとで近年イリジウムのフェニルピリジン錯体を用いた燐光発光素子が報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。これらの報告では従来の蛍光利用有機発光素子に対して、2〜3倍の発光効率を報告している。しかしながら、省エネルギ−や耐久性向上の点でこれでもまだまだ低く、さらに一層の発光効率向上および輝度向上が強く求められている。
金属錯体をホスト材料として用いたりん光発光性有機EL素子に関する発明が開示されたが(例えば、特許文献1参照。)、発光効率、耐久性はいまだ充分ではなく、高発光輝度、発光効率を示し、かつ耐久性に優れた素子の開発が切望されている。
赤色発光するりん光発光素子としては、環状4座配位子を有する白金ポルフィリン錯体を発光材料として用いた素子が知られているが(例えば、非特許文献2、特許文献2参照。)、最高輝度が低い為、改良が求められていた。
また、鎖状のビピリジン系やフェナンスロリン系4座配位子を有する白金ポルフィリン錯体が報告されているが(例えば、非特許文献3、特許文献3、特許文献4参照。)、色純度などの発光特性と耐久性が両立するものではなく、改良が望まれていた。さらに、より短波な緑色、青色発光材料も更に発光特性と耐久性に優れるものの開発が求められていた。
特開2004−214179号公報 米国特許第6,303,231B1号明細書 米国特許第6,653,654B1号明細書 国際公開第03/093283A1号パンフレット Appl.Phys.Lett.,75(1999)4 Nature 395,151(1998) Chem.Eur.J.,9,No.6,1264(2003)
本発明の目的は、高い発光効率を示し、かつ耐久性にも優れた有機EL素子を提供することにある。
この課題は下記手段によって達成された。すなわち、本発明は、
(1)一対の電極間に、少なくとも一層の発光層を含む有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、該発光層中に、少なくとも1種の発光材料と少なくとも1種のホスト材料を含んでおり、該発光材料が3座以上の配位子を有する金属錯体であり、かつ該ホスト材料が下記一般式(H−1)で表される金属錯体であることを特徴とする有機電界発光素子、
Figure 2006093197
(式中、XH1は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子、リン原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよく、また他の環の構成原子となっていても良い。YH1は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子、リン原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよく、また他の環の構成原子となっていても良い。M1は金属イオンを表す。n1は1以上の整数を表す。LHは配位子を表し、m1は0以上の整数を表す。QH1はXH1、YH1、M1と共にキレート環を形成する原子群を表す。式中の各原子間の結合種は単結合、二重結合、三重結合、配位結合のいずれでもよい。ただし、QH1−XH1の間の結合及びQH1−YH1の間の結合は配位結合ではない。)
(2)発光材料の前記金属錯体の配位子が鎖状配位子であることを特徴とする(1)項に記載の有機電界発光素子、
(3)発光材料の前記金属錯体中の金属イオンが白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン及びテルビウムイオンの群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする(1)または(2)項のいずれかに記載の有機電界発光素子、
(4)発光材料の前記金属錯体が燐光を発光する金属錯体であることを特徴とする(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の有機電界発光素子、
(5)発光材料の前記金属錯体が一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の有機電界発光素子、
Figure 2006093197
(M11は金属イオンを表し、L11、L12、L13、L14、L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11、L14間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成することは無い。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。Y11、Y12、Y13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、単結合または二重結合を表す。n11は0〜4を表す。)
(6)発光材料の前記金属錯体が一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の有機電界発光素子、
Figure 2006093197
(M21は金属イオンを表し、Y21は連結基、単結合、または二重結合を表す。Y22、Y23はそれぞれ単結合または連結基を表す。Q21、Q22はそれぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表し、Q21で形成される環とY21の間の結合およびQ22で形成される環とY21の間の結合は単結合または二重結合を表す。X21、X22はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す。R21、R22、R23、R24はそれぞれ水素原子または置換基を表し、R21及びR22並びにR23及びR24は各々結合して環を形成してもよい。L25はM21に配位する配位子を表す。n21は0〜4の整数を表す。)
(7)発光材料の前記金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環が、それぞれ、ピリジン環で、Y21は1つ以上の原子からなる連結基を表す化合物であることを特徴とする(6)項記載の有機電界発光素子、
(8)前記金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環が、それぞれ、ピリジン環で、Y21が単結合または二重結合で、X21、X22が、それぞれ、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す化合物であることを特徴とする(6)項記載の有機電界発光素子、
(9)前記金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環が、それぞれ、含窒素ヘテロ5員環であることを特徴とする(6)項記載の有機電界発光素子、
(10)前記金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環が、それぞれ、窒素原子を2つ以上含む含窒素6員環であることを特徴とする(6)項記載の有機電界発光素子、
(11)前記金属錯体が一般式(9)で表される化合物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の有機電界発光素子、
Figure 2006093197
(MA1は金属イオンを表し、QA1、QA2はそれぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表す。RA1、RA2、RA3、RA4はそれぞれ水素原子または置換基を表し、RA1及びRA2並びにRA3及びRA4は各々結合して環を形成してもよい。YA2、YA3はそれぞれ連結基または単結合を表す。YA1はかっこ内の2つの2座配位子をそれぞれ連結する連結基、単結合、または二重結合を表す。LA5はMA1に配位する配位子を表す。nA1は0〜4の整数を表す。)
(12)発光材料の金属錯体が一般式(11)で表される化合物であることを特徴とする(11)項に記載の有機電界発光素子、
Figure 2006093197
(RC1、RC2はそれぞれ水素原子または置換基を表し、RC3、RC4、RC5、RC6はそれぞれ置換基を表す。nC3、nC6は0〜3、nC4、nC5は0〜4の整数を表し、RC3、RC4、RC5、RC6をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRC3、RC4、RC5、RC6は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。)
(13)発光材料の前記金属錯体が一般式(10)で表される化合物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の有機電界発光素子、
Figure 2006093197
(MB1は金属イオンを表し、YB1は連結基を表す。YB2、YB3はそれぞれ連結基または単結合を表す。XB1、XB2はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表し、nB1、nB2は0ないし1の整数を表す。RB1、RB2、RB3、RB4、RB5、RB6はそれぞれ水素原子または置換基を表し、RB1及びRB2並びにRB3及びRB4は各々結合して環を形成してもよい。LB5はMB1に配位する配位子を表す。nB3は0〜4の整数を表す。ただし、YB1はRB5またはRB6と連結することはない。)
(14)発光材料の前記金属錯体が一般式(12)で表される化合物であることを特徴とする(13)項に記載の有機電界発光素子、
Figure 2006093197
(RD3、RD4はそれぞれ水素原子または置換基を表し、RD1、RD2はそれぞれ置換基を表す。nD1、nD2は0〜4の整数を表し、RD1、RD2をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRD1、RD2は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。YD1は1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数1〜8のメチレン基を表す。)
(15)発光材料の前記金属錯体が一般式(8)で表される化合物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の有機電界発光素子、
Figure 2006093197
(M81は金属イオンを表し、L81、L82、L83、L85はそれぞれM81に配位する配位子を表す。L81、L83間に原子群がさらに存在して環状または4座以上の配位子を形成することは無い。L85は金属を介さずにL81またはL83と連結することはない。Y81、Y82はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。n81は0〜3の整数を表す。)
(16)発光材料の前記金属錯体が一般式(8)で表され、L81、L82、L83が炭素原子でM81に配位する芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環、または窒素原子でM81に配位する含窒素ヘテロ環を表し、L81、L82、L83のうち少なくとも一つが含窒素ヘテロ環であることを特徴とする(15)項記載の有機電界発光素子、
(17)発光材料の前記金属錯体が一般式(X1)で表されることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の有機電界発光素子、
Figure 2006093197
(一般式(X1)中、MX1は金属イオンを表す。QX11〜QX16はMX1に配位する原子またはMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。LX11〜LX14は単結合、二重結合または連結基を表す。すなわち、QX11−LX11−QX12−LX12−QX13からなる原子群およびQX14−LX13−QX15−LX14−QX16からなる原子群はそれぞれ3座の配位子である。MX1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
(18)前記一般式(X1)で表される金属錯体が、一般式(X2)で表されることを特徴とする(17)項に記載の有機電界発光素子、
Figure 2006093197
(一般式(X2)中、MX2は金属イオンを表す。YX21〜YX26はMX2に配位する原子を表し、QX21〜QX26は、それぞれYX21〜YX26と共に芳香環もしくは芳香族ヘテロ環を形成する原子群を表す。LX21〜LX24は単結合、二重結合または連結基を表す。MX2とYX21〜YX26との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
(19)前記一般式(X1)で表される金属錯体が、一般式(X3)で表されることを特徴とする(17)項に記載の有機電界発光素子、
Figure 2006093197
(一般式(X3)中、MX3は金属イオンを表す。YX31〜YX36は、炭素原子、窒素原子、リン原子を表す。LX31〜LX34は単結合、二重結合または連結基を表す。MX3とYX31〜YX36との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
(20)ホスト材料として機能する金属錯体が、下記一般式(H−2)または(H−3)で表される(1)〜(19)のいずれかに記載の有機電界発光素子、
Figure 2006093197
(式中、XH2は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよい。YH2 は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよい。ZH21、ZH22およびZH23は炭素原子または窒素原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよい。QH21およびQH22は五員環または六員環を形成するのに必要な原子群を表す。M2は金属イオンを表す。n2は1以上の整数を表す。LHは配位子を表し、m2は0以上の整数を表す。式中の各原子間の結合種は単結合、二重結合、三重結合、配位結合のいずれでもよい。ただし、ZH21−XH2の間の結合及びQH21−XH2の間の結合の少なくとも一方及びZH23−YH2の間の結合の間の結合は配位結合ではない。)
Figure 2006093197
(式中、XH3は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよい。YH3は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよい。Z H31、ZH32およびZH33は炭素原子または窒素原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよい。QH31およびQH32は五員環または六員環を形成するのに必要な原子群を表す。M3は金属イオンを表す。n3は1以上の整数を表す。LHは配位子を表し、m3は0以上の整数を表す。式中の各原子間の結合種は単結合、二重結合、三重結合、配位結合のいずれでもよい。ただし、ZH31−XH3の間の結合及びQH31−XH3の間の結合の少なくとも一方及びZH32−YH3の間の結合は配位結合ではない。)
(21)ホスト材料として機能する金属錯体が、下記一般式(H−4)で表される(1)〜(20)のいずれかに記載の有機電界発光素子、
Figure 2006093197
(式中XH41、XH42は各々炭素原子、又は窒素原子を表す。XH41と窒素原子間、XH42と炭素原子間の結合は単結合又は二重結合を表す。QH41、QH42は各々5員環又は6員環の形成に必要な原子群を表す。M4は金属イオンを表す。n4は1以上の整数を表す。LHは配位子を表し、m4は0以上の整数を表す。)
(22)ホスト材料として機能する金属錯体が、下記一般式(H−5)で表される(1)〜(21)のいずれかに記載の有機電界発光素子、
Figure 2006093197
(式中、RH51、RH52は水素原子または置換基を表す。ZH5は酸素原子、硫黄原子、−C(RH53)RH54−、または−NRH55−を表す。RH53、RH54およびRH55は水素原子または置換基を表す。QH5は5員環または6員環を形成するのに必要な原子群を表す。M5は金属イオンを表す。n5は1以上の整数を表す。LHは配位子を表し、m5は0以上の整数を表す。式中の各原子間の結合種は単結合、二重結合、三重結合、配位結合のいずれでもよい。)
(23)ホスト材料として機能する金属錯体が、下記一般式(H−6)で表される(1)〜(22)のいずれかに記載の有機電界発光素子、
Figure 2006093197
(式中、ZH6は酸素原子、硫黄原子、−C(RH63)RH64−、または−NRH65−を表す。RH63、RH64およびRH65は水素原子または置換基を表す。QH61は5員環または6員環を形成するのに必要な原子群を表す。QH62はヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表す。M6は金属イオンを表す。n6は1以上の整数を表す。LHは配位子を表し、m6は0以上の整数を表す。式中の各原子間の結合種は単結合、二重結合、三重結合、配位結合のいずれでもよい。)、及び
(24)一対の電極間に少なくとも一層の発光層を含む有機電界発光素子であって、正孔輸送層と発光層に加え、励起子ブロック層、正孔注入層、正孔ブロック層および電子輸送層からなる群から選ばれる少なくとも一つの層を有することを特徴とする(1)〜(23)のいずれか1項に記載の有機電界発光素子
を提供するものである。
本明細書中の鎖状配位子とは、環状配位子(例えばポルフィリン、フタロシアニンなど)でない配位子である。一般式(8)を例にとると、L81、L83がY81、L82、Y82、M81を介さずに連結することがない配位子のことをいう。L81、Y81、L82、Y82、L83に環構造(例えばベンゼン、ピリジン、キノリンなど)が含まれていても、L81とL83がY81、L82、Y82、M81を介さずに連結していなければ、その配位子を鎖状配位子と呼ぶ。L81とY81の間、Y81とL82の間、L82とY82の間、Y82とL83の間にさらに原子群が存在して環を形成しても良い。
本発明の有機EL素子は、高い発光効率を示し、かつ耐久性にも優れる。本発明の発光素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等の分野に好適に使用できる。
−有機電界発光素子−
以下、本発明の有機電界発光素子(以下、適宜「本発明の素子」と呼ぶことがある。)について詳細に説明する。
本発明の素子は、一対の電極間に、有機発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層(有機化合物のみからなる層であっても良いし、無機化合物を含有する有機層であっても良い)を有する有機電界発光素子であって、前記有機発光層中に、少なくとも1種の発光材料と少なくとも1種のホスト材料を含んでおり、該発光材料が3座以上の配位子を有する金属錯体であり、かつ該ホスト材料が下記一般式(H−1)で表される金属錯体であることを特徴とする。
Figure 2006093197
(式中、XH1は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子、リン原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよく、また他の環の構成原子となっていても良い。YH1は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子、リン原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよく、また他の環の構成原子となっていても良い。M1は金属イオンを表す。n1は1以上の整数を表す。LHは配位子を表し、m1は0以上の整数を表す。QH1はXH1、YH1、M1と共にキレート環を形成する原子群を表す。式中の各原子間の結合種は単結合、二重結合、三重結合、配位結合のいずれでもよい。ただし、QH1−XH1の間の結合及びQH1−YH1の間の結合は配位結合ではない。)
―発光材料として機能する金属錯体―
まず、本発明の素子の発光層に含まれる3座以上の配位子を有する金属錯体(以下、本発明における金属錯体Eあるいは本発明に用いられる金属錯体Eと呼ぶことがある。)について詳細に説明する。本発明に用いられる金属錯体Eとしては、3座以上の配位子を有するが、鎖状配位子であることが好ましい。本発明に用いられる金属錯体Eは3座以上8座以下の鎖状配位子を有する金属錯体が好ましく、4座以上8座以下の鎖状配位子を有する金属錯体がより好ましく、4座以上6座以下の鎖状配位子を有する金属錯体がさらに好ましい。
本発明中の鎖状配位子は、中心金属{例えば、一般式(1)の場合はM11を表す}に窒素で配位する含窒素へテロ環(例えばピリジン環、キノリン環、ピロール環など)を少なくとも一つ有することが好ましい。
本発明に用いられる金属錯体Eは燐光を発するものであるのが好ましく、(より好ましくは−30℃以上において燐光を発し、さらに好ましくは−10℃以上において燐光を発し、さらに好ましくは0℃以上において燐光を発し、特に好ましくは10℃以上において燐光を発するものが好ましい。)、燐光を発する化合物を用いる場合、蛍光を同時に発するものでも良いが、20℃における燐光強度が蛍光強度に比べて2倍以上である化合物が好ましく、10倍以上である化合物がより好ましく、100倍以上である化合物がさらに好ましい。
本発明に用いられる金属錯体Eの濃度は、発光層の質量に対して、0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜10質量%であることがより好ましい。
本発明素子における4座以上の配位子を有する金属錯体の好ましい形態は、前記一般式(1)である。前記一般式(1)の好ましい形態は、前記一般式(2)、下記一般式(5)、前記一般式(9)、前記一般式(10)である。
Figure 2006093197
前記一般式(2)の好ましい形態は下記一般式(3)である。
Figure 2006093197
前記一般式(9)の好ましい形態は下記一般式(6)、下記一般式(7)であり、下記一般式(7)の好ましい形態は前記一般式(11)である。
前記一般式(10)の好ましい形態は前記一般式(12)である。
Figure 2006093197
Figure 2006093197
前記一般式(1)について説明する。M11は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されないが、2価または3価の金属イオンが好ましい。2価または3価の金属イオンとしては、白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオンが好ましく、白金イオン、イリジウムイオン、ユーロピウムイオンがより好ましく、白金イオン、イリジウムイオンがさらに好ましく、白金イオンが特に好ましい。
11、L12、L13、L14はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11、L12、L13、L14に含まれ、かつ、M11に配位する原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、炭素原子が好ましく、窒素原子、酸素原子、炭素原子がより好ましい。
11とL11、L12、L13、L14でそれぞれ形成される結合は、共有結合であってもイオン結合であっても配位結合であってもよい。L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、L14から成る配位子は、アニオン性配位子(少なくとも一つのアニオンが金属と結合する配位子)であることが好ましい。アニオン性配位子中のアニオンの数は、1〜3が好ましく、1、2がより好ましく、2がさらに好ましい。
11に炭素原子で配位するL11、L12、L13、L14としては特に限定されないが、イミノ配位子、芳香族炭化水素環配位子(例えばベンゼン配位子、ナフタレン配位子、アントラセン配位子、フェナントラセン配位子など)、ヘテロ環配位子(例えばチオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、及び、それらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾチアゾール配位子など)およびこれらの互変異性体)である。
11に窒素原子で配位するL11、L12、L13、L14としては特に限定されないが、含窒素へテロ環配位子{例えば、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン配位子、ベンズオキサゾール配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、及び、これらの互変異性体(本発明では通常の異性体以外に次のような例も互変異性体と定義する。例えば、化合物(24)の5員ヘテロ環配位子、化合物(64)の末端5員ヘテロ環配位子、化合物(145)の5員ヘテロ環配位子もピロール互変異性体と定義する。)など}、アミノ配位子{アルキルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばメチルアミノなどが挙げられる。)、アリールアミノ配位子(例えばフェニルアミノなどが挙げられる。)、アシルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ配位子(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、イミノ配位子など}が挙げられる。これらの配位子はさらに置換されていても良い。
11に酸素原子で配位するL11、L12、L13、L14としては特に限定されないが、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシルオキシ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ配位子(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、カルボニル配位子(例えばケトン配位子、エステル配位子、アミド配位子など)、エーテル配位子(例えばジアルキルエーテル配位子、ジアリールエーテル配位子、フリル配位子など)などが挙げられる。
11に硫黄原子で配位するL11、L12、L13、L14としては特に限定されないが、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、チオカルボニル配位子(例えばチオケトン配位子、チオエステル配位子など)、チオエーテル配位子(例えばジアルキルチオエーテル配位子、ジアリールチオエーテル配位子、チオフリル配位子など)などが挙げられる。これらの置換配位子は更に置換されていてもよい。
11、L14は芳香族炭化水素環配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、エーテル配位子、アルキルチオ配位子、アリールチオ配位子、アルキルアミノ配位子、アリールアミノ配位子、アシルアミノ配位子、含窒素へテロ環配位子(例えばピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、及び、それらを含む縮配位子体(例えば、キノリン配位子、ベンズオキサゾール配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、及び、これらの互変異性体など)が好ましく、芳香族炭素環配位子、アリールオキシ配位子、アリールチオ配位子、アリールアミノ配位子、並びにピリジン配位子、ピラジン配位子、イミダゾール配位子、及び、それらを含む縮配位子体(例えば、キノリン配位子、キノキサリン配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、及び、これらの互変異性体がより好ましく、芳香族炭素環配位子、アリールオキシ配位子、アリールチオ配位子、アリールアミノ配位子がさらに好ましく、芳香族炭素環配位子、アリールオキシ配位子が特に好ましい。
12、L13はM11と配位結合を形成する配位子が好ましい。M11と配位結合を形成する配位子としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)及び、これらの互変異性体が好ましく、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズピロールなど)、及び、これらの互変異性体がより好ましく、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)がさらに好ましく、ピリジン環、及び、ピリジン環を含む縮環体(例えば、キノリン環など)が特に好ましい。
15はM11に配位する配位子を表す。L15は1〜4座の配位子が好ましく、1〜4座のアニオン性配位子がより好ましい。1〜4座のアニオン性配位子としては特に限定されないが、ハロゲン配位子、1,3−ジケトン配位子(例えばアセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えばピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)、L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、L14で形成される4座配位子が好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えばアセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えばピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)、L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、L14で形成される4座配位子がより好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えばアセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えばピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)がさらに好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えばアセチルアセトン配位子など)が特に好ましい。配位座の数、及び配位子の数が、金属の配位数を上回ることはない。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。
11、Y12、Y13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。連結基としては特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、珪素原子連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、単結合または二重結合を表す。
11、Y12、Y13はそれぞれ単結合、二重結合、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン基が好ましく、Y11は単結合、アルキレン基がより好ましく、アルキレン基がさらに好ましい。Y12、Y13は単結合、アルケニレン基がより好ましく、単結合がさらに好ましい。
12、L11、L12、M11で形成される環、Y11、L12、L13、M11で形成される環、Y13、L13、L14、M11で形成される環は、それぞれ環員数4〜10が好ましく、環員数5〜7がより好ましく、環員数5または6がさらに好ましい。
11は0〜4を表す。M11が配位数4の金属の場合、n11は0であり、M11が配位数6の金属の場合、n11は1、2が好ましく、1がより好ましい。M11が配位数6でn11が1の場合L15は2座配位子を表し、M11が配位数6でn11が2の場合L15は単座配位子を表す。M11が配位数8の金属の場合、n11は1〜4が好ましく、1、2がより好ましく、1がより好ましい。M11が配位数8でn11が1の場合L15は4座配位子を表し、n11が2の場合L15は2座配位子を表す。n11が複数のときは、複数のL15は同じであっても異なっていても良い。
前記一般式(2)について説明する。M21は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
21、Q22はそれぞれ含窒素へテロ環(M21に配位する窒素を含む環)を形成する原子群を表す。Q21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)及び、これらの互変異性体が挙げられる。
21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環は好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ベンズアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環など)及び、これらの互変異性体であり、より好ましくはピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)及び、これらの互変異性体であり、さらに好ましくは、ピリジン環、及び、その縮環体(例えば、キノリン環など)であり、特に好ましくはピリジン環である。
21、X22はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子が好ましく、酸素原子、硫黄原子、置換の窒素原子がより好ましく、酸素原子、硫黄原子がさらに好ましく、酸素原子が特に好ましい。
21は前記Y11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
22、Y23はそれぞれ単結合、連結基を表し、単結合が好ましい。連結基としては特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
前記連結基としては、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン連結基が好ましく、カルボニル連結基、アルケニレン連結基がより好ましく、カルボニル連結基がさらに好ましい。
21、R22、R23、R24はそれぞれ水素原子または置換基を表す。置換基としては特に限定されないが、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、
リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
21、R22、R23、R24はそれぞれアルキル基、アリール基、 R21とR22またはR23とR24が結合して環構造(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が好ましく、R21とR22またはR23とR24が結合して環構造(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましい。
25は前記L15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
21は前記n11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(2)においてQ21、Q22が形成する環がピリジン環のとき、Y21は連結基を表す金属錯体であること、またはQ21、Q22が形成する環がピリジン環で、Y21が単結合または二重結合で、X21、X22が硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す金属錯体であること、またはQ21、Q22が形成する環が含窒素ヘテロ5員環または、窒素原子を2つ以上含む含窒素6員環を表す金属錯体であることが好ましい。
前記一般式(3)について説明する。M31は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
31、Z32、Z33、Z34、Z35、Z36はそれぞれ置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子がより好ましい。炭素上の置換基としては、前記R21で説明した基が挙げられ、また、Z31とZ32、Z32とZ33、Z33とZ34、Z34とZ35、Z35とZ36が連結基を介して結合し、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成しても良く、Z31とT31、Z36とT38が連結基を介して結合し、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成しても良い。
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がさらに好ましく、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が特に好ましい。
31、T32、T33、T34、T35、T36、T37、T38はそれぞれ置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子がより好ましい。炭素上の置換基としては、前記R21で説明した基が挙げられ、また、T31とT32、T32とT33、T33とT34、T35とT36、T36とT37、T37とT38が連結基を介して結合し、縮環(例えばベンゾ縮環など)を形成しても良い。
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子がより好ましく、アリール基、ハロゲン原子がさらに好ましく、アリール基が特に好ましい。
31、X32はそれぞれ前記X21、X22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(5)について説明する。M51は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
51、Q52はそれぞれ前記Q21、Q22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
53、Q54はそれぞれ含窒素へテロ環(M51に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q53、Q54で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体(例えば化合物(29)のヘテロ5員環配位子など)、チアゾール誘導体の互変異性体(例えば化合物(30)のヘテロ5員環配位子など)、オキサゾール誘導体の互変異性体(例えば化合物(31)のヘテロ5員環配位子など)が好ましく、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体、チアゾール誘導体の互変異性体がより好ましく、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体がさらに好ましく、ピロール誘導体の互変異性体が特に好ましい。
51は前記Y11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
55は前記L15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
51は前記n11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
51、W52はそれぞれ置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、無置換の炭素原子、窒素原子が好ましく、無置換の炭素原子がより好ましい。
前記一般式(9)について説明する。MA1、QA1、QA2、YA1、YA2、YA3、RA1、RA2、RA3、RA4、LA5、nA1は前記一般式(2)のM21、Q21、Q22、Y21、Y22、Y23、R21、R22、R23、R24、L25、n21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(6)について説明する。M61は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
61、Q62はそれぞれ環を形成する基を表す。Q61、Q62で形成される環としては特に限定されないが、例えば、ベンゼン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、チオフェン環、イソチアゾール環、フラン環、イソオキサゾ−ル環、及び、その縮環体が挙げられる。
61、Q62で形成される環は好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、チアゾール環、及び、その縮環体であり、ベンゼン環、ピリジン環、及び、その縮環体がより好ましく、ベンゼン環、及び、その縮環体がさらに好ましい。
61は前記Y11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
62、Y63はそれぞれ連結基または単結合を表す。連結基としてはとくに限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
62、Y63はそれぞれ単結合、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン基が好ましく、単結合、アルケニレン基がより好ましく、単結合がさらに好ましい。
65は前記L15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
61は前記n11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
61、Z62、Z63、Z64、Z65、Z66、Z67、Z68はそれぞれ置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子が好ましい。炭素上の置換基としては、前記R21で説明した基が挙げられ、また、Z61とZ62、Z62とZ63、Z63とZ64、Z65とZ66、Z66とZ67、Z67とZ68が連結基を介して結合し、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成しても良い。Q61、Q62で形成される環がそれぞれZ61、Z68と連結基を介して結合し、環を形成しても良い。
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がさらに好ましく、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が特に好ましい。
前記一般式(7)について説明する。M71は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
71、Y72、Y73はそれぞれ前記Y62と同義であり、好ましい範囲も同じである。
75は前記L15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
71は前記n11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
71、Z72、Z73、Z74、Z75、Z76はそれぞれ置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子が好ましい。炭素上の置換基としては、前記R21で説明した基が挙げられる。また、Z71とZ72、Z73とZ74が連結基を介して結合し、環(例えばベンゼン環、ピリジン環)を形成しても良い。
71〜R74は前記一般式(2)のR21〜R24の置換基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(11)について説明する。
C1、RC2はそれぞれ水素原子または置換基を表し、置換基としては前記一般式(2)のR21ないしR24の置換基として説明したアルキル基、アリール基を表す。RC3、RC4、RC5、RC6が表す置換基も前記一般式(2)のR21ないしR24の置換基と同義である。nC3、nC6はそれぞれ0〜3、nC4、nC5はそれぞれ0〜4の整数を表し、RC3、RC4、RC5、RC6をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRC3、RC4、RC5、RC6は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。RC3、RC4、RC5、RC6は好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン原子である。
次に前記一般式(10)について説明する。
B1、YB2、YB3、RB1、RB2、RB3、RB4、LB5、nB3、XB1、XB2は前記一般式(2)のM21、Y22、Y23、R21、R22、R23、R24、L25、n21、X21、X22と同義であり好ましい範囲も同様である。YB1は連結基を表し、前記一般式(2)のY21と同様のであり、好ましくは1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数2〜8のメチレン基を表す。RB5、RB6は水素原子または置換基を表し、置換基としては前記一般式(2)のR21ないしR24の置換基として説明したアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。ただし、YB1はRB5またはRB6と連結することはない。nB1、nB2は0ないし1の整数を表す。
次に前記一般式(12)について説明する。
D1、RD2、RD3、RD4が表す置換基としては前記一般式(10)のRB5、RB6が表す置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。nD1、nD2は0〜4の整数を表す。
D1は1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数1〜8のメチレン基を表す。
本発明に用いられる3座配位子を有する金属錯体の好ましい形態は、前記一般式(8)である。
前記一般式(8)について説明する。M81は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
81、L82、L83はそれぞれ前記L11、L12、L14と同義であり、好ましい範囲も同じである。
81、Y82はそれぞれ前記Y11、Y12と同義であり、好ましい範囲も同じである。
85はM81に配位する配位子を表す。L85は1〜3座の配位子が好ましく、1〜3座のアニオン性配位子がより好ましい。1〜3座のアニオン性配位子としては特に限定されないが、ハロゲン配位子、L81、Y81、L82、Y82、L83で形成される3座配位子が好ましく、L81、Y81、L82、Y82、L83で形成される3座配位子がより好ましい。L85が金属を介さずにL81、L83と連結することはない。配位座の数、及び配位子の数が、金属の配位数を上回ることはない。
81は0〜5を表す。M81が配位数4の金属の場合、n81は1であり、L85は単座配位子を表す。M81が配位数6の金属の場合、n81は1〜3が好ましく、1、3がより好ましく、1がさらに好ましい。M81が配位数6でn81が1の場合L85は3座配位子を表し、M81が配位数6でn81が2の場合L85は単座配位子1つと2座配位子1つを表し、M81が配位数6でn81が3の場合L85は単座配位子を表す。M81が配位数8の金属の場合、n81は1〜5が好ましく、1、2がより好ましく、1がより好ましい。M81が配位数8でn81が1の場合L85は5座配位子を表し、n81が2の場合L85は3座配位子1つと2座配位子1つを表し、n81が3の場合L85は3座配位子1つと単座配位子2つ、または、2座配位子2つと単座配位子1つを表し、n81が4の場合L85は2座配位子1つと単座配位子3つを表し、n81が5の場合L85は単座配位子5つを表す。n81が複数のときは、複数のL85は同じであっても異なっていても良い。
前記一般式(8)の好ましい形態は、前記一般式(8)のL81、L82、L83が炭素原子でM81に配位する芳香族炭素環またはヘテロ環、または窒素原子でM81に配位する含窒素ヘテロ環を表し、L81、L82、L83のうち少なくとも一つが含窒素ヘテロ環である。これら炭素原子で配位する芳香族炭素環、ヘテロ環および窒素原子で配位する含窒素ヘテロ環は前記一般式(1)で説明したM11に炭素原子で配位する配位子および窒素原子で配位する例が挙げられ、好ましい範囲も同様である。Y81、Y82は好ましくは単結合ないしはメチレン基を表す。
前記一般式(8)の他の好ましい形態は下記一般式(13)、下記一般式(14)である。
Figure 2006093197
Figure 2006093197
前記一般式(13)について説明する。M91は前記M81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
91、Q92は含窒素へテロ環(M91に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q91、Q92で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)及び、これらの互変異性体が挙げられる。
91、Q92で形成される含窒素ヘテロ環は好ましくは、ピリジン環、ピラゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズチアゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)、及び、これらの互変異性体であり、より好ましくはピリジン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)、及び、これらの互変異性体、さらに好ましくは、ピリジン環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)であり、特に好ましくはピリジン環である。
93は含窒素へテロ環(M91に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q93で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環の互変異性体、及び、それらを含む縮環体(例えばベンズピロールなど)が好ましく、ピロール環の互変異性体及びピロール環を含む縮環体(例えばベンズピロールなど)の互変異性体がより好ましい。
91、W92はそれぞれ前記W51、W52と同義であり、好ましい範囲も同じである。
95は前記L85と同義であり、好ましい範囲も同じである。
91は前記n81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(14)について説明する。M101は前記M81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
102は前記Q21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
101は前記Q91と同義であり、好ましい範囲も同じである。
103は芳香環を形成する基を表す。Q103で形成される芳香環としては特に限定されないが、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えばナフタレン環など)が好ましく、ベンゼン環及びベンゼン環を含む縮環体(例えばナフタレン環など)がより好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
101、Y102はそれぞれ前記Y22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
105は前記L85と同義であり、好ましい範囲も同じである。
101は前記n81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
101は前記X21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
本発明に用いられる金属錯体Eは低分子化合物であっても良く、また、オリゴマー化合物、ポリマー化合物(重量平均分子量(ポリスチレン換算)は好ましくは1000〜5000000、より好ましくは2000〜1000000、さらに好ましくは3000〜100000である。)であっても良い。ポリマー化合物の場合、前記一般式(1)で表される構造がポリマー主鎖中に含まれても良く、また、ポリマー側鎖に含まれていても良い。また、ポリマー化合物の場合、ホモポリマー化合物であっても良く、共重合体であっても良い。本発明に用いられる化合物は低分子化合物が好ましい。
本発明に用いられる三座配位子を有する金属錯体の他の態様は、前記一般式(X1)で表される金属錯体である。前記一般式(X1)で表される金属錯体のうち、好ましくは前記一般式(X2)で表される金属錯体であり、より好ましくは前記一般式(X3)で表される金属錯体である。
前記一般式(X1)について説明する。
X1は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されないが、1価〜3価の金属イオンが好ましく、2価または3価の金属イオンがより好ましく、3価の金属イオンがさらに好ましい。具体的には白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオンが好ましく、白金イオン、イリジウムイオン、ユーロピウムイオンがより好ましく、白金イオン、イリジウムイオンがさらに好ましく、イリジウムイオンが特に好ましい。
X11〜QX16はMX1に配位する原子またはMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。QX11〜QX16がMX1に配位する原子を表す場合、その具体的な原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、珪素原子、リン原子、硫黄原子などが挙げられ、好ましくは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子であり、より好ましくは窒素原子、酸素原子である。
X11〜QX16がMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す場合、炭素原子で配位するものとしては、例えばイミノ基、芳香族炭化水素環基(ベンゼン、ナフタレンなど)、ヘテロ環基(チオフェン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾールなど)およびこれらを含む縮合環、およびこれらの互変異性体が挙げられる。
窒素原子で配位するものとしては、例えば含窒素ヘテロ環基(ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾールなど)、アミノ基(アルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばメチルアミノ)、アリールアミノ基(例えばフェニルアミノ)などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、イミノ基などが挙げられる。これらの基はさらに置換されていても良い。
酸素原子で配位するものとしては、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、カルボニル基(例えばケトン基、エステル基、アミド基など)、エーテル基(例えばジアルキルエーテル基、ジアリールエーテル基、フリル基など)などが挙げられる。
硫黄原子で配位するものとしては、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、チオカルボニル基(例えばチオケトン基、チオエステル基など)、チオエーテル基(例えばジアルキルチオエーテル基、ジアリールチオエーテル基、チオフリル基など)などが挙げられる。
リン原子で配位するものとしては、ジアルキルホスフィノ基、ジアリールホスフィノ基、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ホスフィニン基等があげられる。これらの基はさらに置換されてもよい。
X11〜QX16で表される原子群として好ましくは、炭素で配位する芳香族炭化水素環基、炭素で配位する芳香族ヘテロ環基、窒素で配位する含窒素芳香族ヘテロ環基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ジアルキルホスフィノ基であり、より好ましくは炭素で配位する芳香族炭化水素環基、炭素で配位する芳香族ヘテロ環基、窒素で配位する含窒素芳香族ヘテロ環基である。
X11〜LX14は、単結合、二重結合または連結基を表す。連結基としては特に限定されないが、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子からなる連結基が好ましく、下記に具体例を示すが、これらに限定されることは無い。
Figure 2006093197
これらの連結基はさらに置換されてもよく、置換基としては前記一般式(2)におけるR21〜R24で表される置換基として挙げたものが適用でき、好ましい範囲も同様である。LX11〜LX14として好ましくは、単結合、ジメチルメチレン基、ジメチルシリレン基である。
前記一般式(X1)で表される金属錯体は、より好ましくは前記一般式(X2)で表される金属錯体である。次に前記一般式(X2)について説明する。
X2は前記一般式(X1)におけるMX1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YX21〜YX26はMX2に配位する原子を表す。YX21〜YX26とMX2との結合は配位結合でも共有結合でも良い。YX21〜YX26としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、りん原子、ケイ素原子が挙げられ、好ましくは炭素原子、窒素原子である。QX21〜QX26は、それぞれYX21〜YX26を含んで芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を形成する原子群を表す。この場合に形成する芳香族炭化水素環、芳香族ヘテロ環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環が挙げられ、好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環であり、さらに好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピラゾール環、トリアゾール環であり、特に好ましくはベンゼン環、ピリジン環である。これらはさらに縮環を有していても置換基を有していても良い。
X21〜LX24は前記一般式(X1)におけるLX11〜LX14と同義であり好ましい範囲も同様である。
前記一般式(X1)で表される金属錯体は、さらに好ましくは前記一般式(X3)で表される金属錯体である。次に前記一般式(X3)について説明する。
X3は前記一般式(X1)におけるMX1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YX31〜YX36はMX3に配位する原子を表す。YX31〜YX36とMX3との結合は配位結合でも共有結合でも良い。YX31〜YX36としては、炭素原子、窒素原子、りん原子が挙げられ、好ましくは炭素原子、窒素原子である。LX31〜LX34は前記一般式(X1)におけるLX11〜LX14と同義であり好ましい範囲も同様である。
次に本発明に用いられる化合物の化合物例を示すが、本発明はこれに限定されない。
Figure 2006093197
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(本発明に用いられる金属錯体Eの合成方法)
本発明に用いられる金属錯体E(前記一般式(1)〜(14)及び前記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物)は、種々の手法で合成できる。
例えば、配位子、またはその解離体と金属化合物を溶媒(例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキサイド系溶媒、水などが挙げられる)の存在下、もしくは、溶媒非存在下、塩基の存在下(無機、有機の種々の塩基、例えば、ナトリウムメトキサイド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、炭酸カリウムなどが挙げられる)、もしくは、塩基非存在下、室温以下、もしくは加熱し(通常の加熱以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も有効である)得ることができる。
本発明に用いられる金属錯体Eを合成する際の反応時間は反応原料の活性により異なり、特に限定されないが、1分以上5日以下が好ましく、5分以上3日以下がより好ましく、10分以上1日以下がさらに好ましい。
本発明に用いられる金属錯体E合成の反応温度は反応の活性により異なり、特に限定されないが、0℃以上300℃以下が好ましく、5℃以上250℃以下がより好ましく、10℃以上200℃以下がさらに好ましい。
本発明に用いられる金属錯体Eは、目的とする錯体の部分構造を形成している配位子を適宜選択することで、前記一般式(1)〜(14)及び前記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物は合成できる。例えば一般式(3)で表される化合物を合成する際は、6,6’−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2’−ビピリジル配位子またはその誘導体(例えば、2,9−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1,10−フェナントロリン配位子、2,9−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン配位子、6,6’−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2,2’−ビピリジル配位子など)などを、金属化合物に対し、好ましくは0.1当量〜10当量、より好ましくは0.3当量〜6当量、さらに好ましくは0.5当量〜4当量加えて合成できる。一般式(3)で表される化合物の合成方法において、反応溶媒、反応時間、反応温度の各々は、上記本発明に用いられる金属錯体の合成方法で述べた事項と同様である。
6,6’−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2’−ビピリジル配位子の誘導体は種々の公知の方法を用いて合成することができる。例えば、2,2’−ビピリジル誘導体(例えば、1,10−フェナントロリンなど)とアニソール誘導体(例えば、4−フルオロアニソールなど)をJournal of Organic Chemistry, 741, 11,(1946)に記載の方法で反応させることにより合成することができる。また、ハロゲン化された2,2’−ビピリジル誘導体(例えば、2,9−ジブロモ−1,10−フェナントロリンなど)と2−メトキシフェニルボロン酸誘導体など(例えば、2−メトキシ−5−フルオロフェニルボロン酸など)を出発物質として鈴木カップリング反応を行った後、メチル基を脱保護する(Journal of Organic Chemistry, 741, 11,(1946)に記載の方法、ピリジン塩酸塩中で加熱するなどの方法を用いる)ことにより合成することができる。また、2,2’−ビピリジルボロン酸誘導体(例えば6,6’−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロリル)−2,2’−ビピリジルなど)とハロゲン化されたアニソール誘導体(例えば2−ブロモアニソールなど)を出発物質として鈴木カップリング反応を行った後、メチル基を脱保護する(Journal of Organic Chemistry, 741, 11,(1946)に記載の方法、または、ピリジン塩酸塩中で加熱するなどの方法を用いる)ことによっても合成することができる。
−ホスト材料として機能する金属錯体−
ホスト材料として機能する金属錯体(以降、本発明に用いられる金属錯体Hと呼ぶことがある。)はホスト材料として機能するが、発光層に含有される材料のうち、りん光発光材料(りん光材料) 以外の材料であり、以下の各種の機能(上記各種機能) :
発光材料( 本発明ではりん光材料)を分散して層中に保持する機能、
陽極や正孔輸送層等から正孔を受け取る機能、
陰極や電子輸送層等から電子を受け取る機能、
正孔及び/ 又は電子を輸送する機能、
正孔と電子の再結合の場を提供する機能、
再結合により生成した励起子のエネルギーを発光材料に移動させる機能、及び
正孔及び/ 又は電子を発光材料に輸送する機能のうち少なくとも一種の機能、
を有する材料を意味する。
上記各種機能のうち、正孔及び/又は電子を輸送する機能、及び再結合により生成した励起子のエネルギーを発光材料に移動させる機能の少なくとも一つの機能を有する材料であることが好ましく、少なくとも二つの機能を有する材料であることがより好ましい。さらに本発明に用いられる金属錯体は、正孔及び/ 又は電子を輸送する機能、及び再結合により生成した励起子のエネルギーを発光材料に移動させる機能以外の上記各種機能を兼ね備えてもよい。
本発明に用いられる金属錯体Hは、ホスト材料として機能するために、発光層中において主成分であることが好ましい。本発明の金属錯体の発光層中における含有率は、好ましくは50%〜99.9質量%であり、より好ましくは60%〜99質量%である。ただし、発光層中に複数種の本発明の金属錯体Hを含有させる場合は、本発明の金属錯体Hの総量として、上記含有率が好ましい。
本発明において、ホスト材料として用いられる金属錯体Hは、上記の機能を果たす際に電気化学的に酸化もしくは還元されうるため、電気化学的酸化及び還元に対して非常に安定であるものが好ましい。言い換えれば、酸化種( 例えばラジカルカチオン種) 及び還元種( 例えばラジカルアニオン種) が非常に安定なものが好ましい。
また、本発明に用いられる金属錯体Hで再結合が行われる場合には、まずホスト材料の励起子が生成することから、本発明に用いられる金属錯体Hの励起状態は分解や熱失活を引き起こさず安定であることが好ましい。このことはすなわち、光に対しても安定な本発明に用いられる金属錯体Hが好ましいことをも意味する。
有機EL素子では、駆動時の発熱による膜の破壊や材料の分解が劣化の大きな要因であることから、本発明に用いられる金属錯体Hは熱による分解がなく、高温まで安定なアモルファス膜を保持できる材料であることが好ましい。
発光素子の耐久性を考慮した場合、本発明に用いられる金属錯体Hのガラス転移温度(Tg)は、130℃以上400℃以下であることが好ましく、より好ましくは135℃以上400℃以下であり、さらに好ましくは140℃以上400℃以下であり、特に好ましくは150℃以上400℃以下であり、最も好ましくは160℃以上400℃以下である。Tgは、示差走査熱量測定(DSC)、示差熱分析(DTA)等の熱測定や、X線回折(XRD)、偏光顕微鏡観察等により確認できる。
本発明に用いられる金属錯体Hの金属種は特に限定されないが、第2〜第4周期の金属が好ましく、より好ましくはLi、Be、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Geであり、より好ましくは、Li、Be、Na、Mg、Al、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Gaであり、さらに好ましくはBe、Mg、Al、Fe、Ni、Cu、Znであり、さらに好ましくはBe、Mg、Al、Cu Znであり、特に好ましくはAl、Znである。
本発明に用いられる金属錯体Hは、同一分子中に複数の金属イオンを有するいわゆる複核錯体であっても良い。また、複数種の金属からなる複核錯体であっても良い。また、複数種の配位子を有していても良い。本発明に用いられる金属錯体は、中性の金属錯体であることが好ましい。
本発明に用いられる金属錯体Hは、二座以上の配位子を有するキレート錯体であることが好ましく、より好ましくは下記一般式(H−1)で表される金属錯体である。一般式(H−1)中、XH1は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子、リン原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよく、また他の環の構成原子となっていても良い。YH1は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子、リン原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよく、また他の環の構成原子となっていても良い。M1は金属イオンを表す。n1は1以上の整数を表す。LHは配位子を表し、m1は0以上の整数を表す。QH1はXH1、YH1、M1と共にキレート環を形成する原子群を表す。式中の各原子間の結合種は単結合、二重結合、三重結合、配位結合のいずれでもよい。ただし、QH1−XH1の間の結合及びQH1−YH1の間の結合は配位結合ではない。
Figure 2006093197
一般式(H−1)で表される金属錯体について詳細に説明する。XH1は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子、リン原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよく、また他の環の構成原子となっていても良い。XH1として好ましくは、酸素原子、窒素原子、硫黄原子であり、より好ましくは窒素原子である。XH1に置換基が置換する場合、置換基としては例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20 、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、置換カルボニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、メトキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、等が挙げられる。)、置換スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16 、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、ヘテロ環基(脂肪族ヘテロ環基、芳香族ヘテロ環基がある。好ましくは、酸素原子、硫黄原子、窒素原子のいずれかを含み、好ましくは炭素数1〜50 、より好ましくは炭素数1〜30、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばイミダゾリル、ピリジル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、トリアゾリル基等が挙げられる。) 等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
H1が他の環の構成原子になっている場合、該他の環としてはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、イソキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、テトラゾール環や上記芳香環が全部または部分的に還元された環等が挙げられる。これらの環はさらに他の環が縮環していてもよく、また置換基を有していても良い。置換基としては、前記XH1の置換基として挙げたものが適用できる。
H1は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子、リン原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよく、また他の環の構成原子となっていても良い。YH1として好ましくは酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子であり、より好ましくは酸素原子、窒素原子であり、更に好ましくは酸素原子である。YH1に置換基が置換する場合、置換基としては前記XH1の置換基として挙げたものが適用できる。
H1はXH1、M1、YH1と共に環を形成するのに必要な原子群を表す。QH1、XH1、M1、YH1からなる環は、好ましくは5員環、6員環である。QH1は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基( 好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。) 、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。) 、アリール基( 好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。) 、置換カルボニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、メトキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、等が挙げられる。) 、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジメチルアミノ、メチルカルボニルアミノ、エチルスルフォニルアミノ、ジメチルアミノカルボニルアミノ基、フタルイミド基等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、スルホ基、カルボキシル基、ヘテロ環基(脂肪族ヘテロ環基、芳香族ヘテロ環基がある。好ましくは、酸素原子、硫黄原子、窒素原子のいずれかを含み、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜30、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばイミダゾリル、ピリジル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、トリアゾリル基等が挙げられる。)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメトキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。)、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、チオール基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ基等が挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ基等が挙げられる)、シアノ基、シリル基(好ましくは炭素数0〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜18であり、例えばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基等が挙げられる)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
1は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されないが、好ましくは周期律表(長周期型)の第2周期〜第6周期に含まれる金属のイオンであり、より好ましくは二価もしくは三価の金属イオンであり、より好ましくは、Be2+、Mg2+、Al3+、Cu2+、Zn2+、Ga3+、Pd2+、In3+、Ir3+、Pt2+であり、さらに好ましくは、Al3+、Zn2+ 、Ga3+である。
Hは単座または多座の配位子を表す。配位子としては例えば、ハロゲンイオン(例えばCl-、Br-、I-等が挙げられる)、パークロレートイオン、アルコキシイオン(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5であり、例えばメトキシイオン、エトキシイオン、イソプロポキシイオン、アセチルアセトネートイオン等が挙げられる)、アリールオキシイオン(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20であり、例えばフェノキシイオン、キノリノールイオン、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾアゾールイオン等が挙げられる)、含窒素ヘテロ環(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは2〜10、さらに好ましくは3〜8であり、フェナンスレン、ビピリジル等が挙げられる)、アシルオキシイオン(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは2〜10、さらに好ましくは3〜8であり、アセトキシイオン等が挙げられる)、シリルオキシイオン(好ましくは炭素数3〜50、より好ましくは3〜40、さらに好ましくは3〜25であり、トリフェニルシリルオキシイオンなどが挙げられる)、エーテル化合物(好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは3〜10、さらに好ましくは3〜8であり、テトラヒドロフラン等が挙げられる)、ヒドロキシイオン等が挙げられる。より好ましくはアルコキシイオン、シリルオキシイオン、アリールオキシイオンであり、さらにに好ましくは、シリルオキシイオン、アリールオキシイオンであり、特に好ましくはアリールオキシイオンである。
1は1以上の整数を表し、m1は0以上の整数を表す。n1、m1の好ましい範囲は金属イオンにより異なり特に限定されないが、n1は1〜4が好ましく、より好ましくは1〜3であり、特に好ましくは、2、3である。m1は0〜2が好ましく、より好ましくは0、1であり、特に好ましくは0である。n1、m1の数の組み合わせは一般式(H−1)で表される金属錯体が中性錯体となる数の組み合わせが好ましい。
一般式(H−1)中において、各原子間の結合は全て一本の実線により記されているが、これは該結合が単結合であることを意味するものではなく、各原子間の結合種は限定されない。
一般式(H−1)で表される金属錯体として、より好ましくは一般式(H−2)または一般式(H−3)で表される金属錯体である。
Figure 2006093197
一般式(H−2)中、XH2は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよく、置換基としては一般式(H−1)におけるXH1の置換基として挙げたものが適用できる。XH2として好ましくは窒素原子である。YH2は酸素原子、窒素原子、硫黄原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよく、置換基としては一般式(H−1)におけるXH1の置換基として挙げたものが適用できる。YH2として好ましくは酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子であり、より好ましくは酸素原子、置換窒素原子であり、さらに好ましくは酸素原子である。ZH21、ZH22、ZH23は各々炭素原子または窒素原子を表す。ZH21、ZH22、ZH23として好ましくは、炭素原子である。
H21はXH2、ZH21と結合して環を形成するのに必要な原子群を表す。QH21で形成される環として好ましくは5員環、6員環であり、より好ましくは芳香族5員環、芳香族6員環であり、さらに好ましくは含窒素芳香族へテロ5員環、含窒素芳香族へテロ6員環であり、さらに好ましくは含窒素芳香族へテロ6員環である。
H21で形成される環の具体例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、イソキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、テトラゾール環や上記の芳香環類が全部または部分的に還元された環等が挙げられ、好ましくはピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、オキサゾール環、イミダゾール環であり、より好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、オキサゾール環、イミダゾール環であり、さらに好ましくはイミダゾール環である。QH21で形成される環はさらに他の環と縮合環を形成してもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては一般式(H−1)のQH1の置換基として挙げたものが適用できる。
H22はZH22、ZH23と結合して環を形成するのに必要な原子群を表す。QH21で形成される環として好ましくは5員環、6員環であり、より好ましくは芳香族5員環、芳香族6員環である。QH22で形成される環の具体例としては、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、ペリレン環、ピリジン環、キノリン環、フラン環、チオフェン環、ピラジン環、ピリミジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、イソキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、イソキノリン環、ピラゾール環、トリアゾール環が挙げられ、好ましくはベンゼン、ナフタレン、ピリジン、チオフェン、ピラジン、ピリミジンであり、より好ましくはナフタレン、ベンゼンであり、さらに好ましくはベンゼンである。QH22で形成される環はさらに他の環と縮合環を形成してもよく、置換基を有していても良い。置換基としては一般式(H−1)のQH1の置換基として挙げたものが適用できる。
2、n2、m2はそれぞれM1、n1、m1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(H−2)中において、各原子間の結合は全て一本の実線により記されているが、これは該結合が単結合であることを意味するものではなく、各原子間の結合種は限定されない。
Figure 2006093197
一般式(H−3)中、XH3は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子、可能な場合は置換基を有していてもよく、置換基としては一般式(H−1)におけるXH1の置換基として挙げたものが適用できる。XH3として好ましくは、酸素原子、硫黄原子、窒素原子であり、より好ましくは窒素原子である。YH3 は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよく、置換基としては一般式(I)におけるXH1の置換基として挙げたものが適用できる。YH3として好ましくは酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子であり、より好ましくは酸素原子、置換窒素原子であり、さらに好ましくは酸素原子である。ZH31、ZH32およびZH33は各々炭素原子または窒素原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよい。ZH31、ZH32およびZH33として好ましくは炭素原子である。
H31はXH3、ZH33と結合して環を形成するのに必要な原子群を表す。QH31で形成される環として好ましくは5員環、6員環であり、より好ましくは芳香族5員環、芳香族6員環であり、さらに好ましくは含窒素芳香族へテロ5員環、含窒素芳香族へテロ6員環であり、さらに好ましくは含窒素芳香族へテロ6員環である。QH31で形成される環の具体例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、イソキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、テトラゾール環や上記の芳香環類が全部または部分的に還元された環等が挙げられ、好ましくはピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環であり、より好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、であり、さらに好ましくはピリジン環である。QH31で形成される環はさらに他の環と縮合環を形成してもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては一般式(H−1)のQH1の置換基として挙げたものが適用できる。
H32はZH32、ZH33と結合して環を形成するのに必要な原子群を表す。QH32で形成される環として好ましくは5員環、6員環であり、より好ましくは芳香族5員環、芳香族6員環である。QH32で形成される環の具体例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、イソキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、テトラゾール環や上記の芳香環類が全部または部分的に還元された環等が挙げられ、好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環であり、より好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、であり、さらに好ましくはベンゼン環である。QH32で形成される環はさらに他の環と縮合環を形成してもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては一般式(H−1)のQH1の置換基として挙げたものが適用できる。
3、n3、m3はそれぞれM1、n1、m1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(H−3)中において、各原子間の結合は全て一本の実線により記されているが、これは該結合が単結合であることを意味するものではなく、各原子間の結合種は限定されない。
一般式(H−2)で表される金属錯体のうち、より好ましくは一般式(H−4)で表される金属錯体である。
Figure 2006093197
一般式(H−4)中、XH41、XH42は各々炭素原子又は窒素原子を表す。XH41と窒素原子間、XH42と炭素原子間の結合は単結合でも二重結合であっても良い。QH41、QH42は各々5員環又は6員環の形成に必要な原子群を表す。M4は金属イオンを表す。n4は1以上の整数を表す。LHは配位子を表し、m4は0以上の整数を表す。
一般式(H−4)中で、XH41と窒素原子間及びXH42と炭素原子間の結合は実線と点線の二本線で描かれているが、これは結合が単結合であっても二重結合であっても良いことを表す。
H41は、XH41と窒素原子とを含んで、5員環又は6員環を形成するのに必要な原子群を表す。QH41を含む環は置換基を有していてもよく、置換基としては、下記の置換基群A が挙げられる。
(置換基群A)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリール、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、置換カルボニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、メトキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、等が挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジメチルアミノ、メチルカルボニルアミノ、エチルスルフォニルアミノ、ジメチルアミノカルボニルアミノ基、フタルイミド基等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、スルホ基、カルボキシル基、ヘテロ環基(脂肪族ヘテロ環基、芳香族ヘテロ環基がある。好ましくは、酸素原子、硫黄原子、窒素原子のいずれかを含み、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜30、特に好ましくは炭素数2〜12 であり、例えばイミダゾリル、ピリジル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、トリアゾリル基等が挙げられる。)、
ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメトキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。)、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、チオール基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ基等が挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ基等が挙げられる)、シアノ基、シリル基(好ましくは炭素数0〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜18であり、例えばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基等が挙げられる)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。またZ11を含む環は他の環と縮合環を形成していても良い。
上記QH41を含む環としては、例えばピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、キノリン環、キノキサリン環、イソキノリン環、シンノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、トリアジン環、アクリジン環、フェナジン環、フェナントロリン環、ナフチリジン環、フェナントリジン環、ピロール環、インドール環、ピラゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環、インダゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール環、テトラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、アザインドール環、イミダゾピリジン環、プリン環、イミダゾリン環等が挙げられ、好ましくはピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、キノリン環、キノキサリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ピロール環、インドール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール環、イミダゾピリジン環であり、さらに好ましくは、イミダゾピリジン環である。
H42は、XH42と、炭素原子(式中の酸素原子と結合した炭素原子)とを含んで、5員環又は6 員環を形成するのに必要な原子群を表す。QH42を含む環は置換基を有していてもよく、置換基としては、QH41を含む環の置換基として挙げたものが適用でき、好ましい範囲も同様である。
H42を含む環としては、例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ペリレン、ピリジン、キノリン、フラン、チオフェン、ピラジン、ピリミジン、チアゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、イソオキサゾール、セレナゾール、ベンゾセレナゾール、ナフトセレナゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、イソキノリン、ピラゾール、トリアゾール等が挙げられる。QH42を含む環は、芳香環であることが好ましい。例えば、好ましくは、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピリジン、チオフェン、ピラジン、ピリミジンであり、より好ましくはベンゼン、ナフタレンであり、さらに好ましくはベンゼンである。QH41の置換基とQH42の置換基は結合して環を形成していても良い。
4、n4、m4は各々M1、n1、m1と同義であり、また、好ましい範囲も同様である。
一般式(H−4)で表される金属錯体は、より好ましくは一般式(H−5)で表される金属錯体である。
Figure 2006093197
一般式(H−5)中、RH51、RH52は水素原子または置換基を表す。置換基としては例えば一般式(H−1)のQH1の置換基として挙げたものが適用できる。RH51、RH52は結合して環を形成しても良い。RH51、RH52が結合して形成される環としては、シクロアルケン環、ベンゼン環、ヘテロ環(例えばピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、イソキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、テトラゾール環等が挙げられる) 等が挙げられ、これらの環はさらに他の環と縮合していてもよく、またさらに置換基を有していても良い。
H51、RH52としては、水素原子、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基、または互いに結合して芳香環を形成する基であることが好ましく、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、互いに結合して芳香族ヘテロ環基を形成する基であることが好ましく、さらに好ましくは水素原子、アリール基、互いに結合して芳香族ヘテロ環を形成する基である。
H5は酸素原子、硫黄原子、−C(RH53)RH54−、または−NRH55−を表す。RH53、RH54は水素原子または置換基を表し、置換基としては一般式(H−1)のXH1の置換基として挙げたものが適用できる。RH55 は水素原子または置換基を表し、RH55の置換基としては例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリール、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、置換カルボニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、メトキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、等が挙げられる。)、置換スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、ヘテロ環基(脂肪族ヘテロ環基、芳香族ヘテロ環基がある。好ましくは、酸素原子、硫黄原子、窒素原子のいずれかを含み、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜30、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばイミダゾリル、ピリジル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、トリアゾリル基等が挙げられる。) 等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。RH55として好ましくは、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基が好ましく、さらに好ましくはアルキル基、アリール基である。
H5は5員環または6員環を形成するのに必要な原子群を表す。QH5を含む環はさらに置換基を有していてもよく、また他の環と縮合環を形成していてもよい。置換基としては一般式(H−1)におけるQH1の置換基として挙げたものが適用できる。上記QH5を含む環としては、例えばシクロペンテン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、ペリレン環、ピリジン環、キノリン環、フラン環、チオフェン環、ピラジン環、ピリミジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、イソオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、イソキノリン環、ピラゾール環、トリアゾール環等が挙げられる。QH5を含む環は芳香環であることが好ましい。好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、チオフェン環、ピラジン環、ピリミジン環であり、より好ましくはベンゼン環、ナフタレン環であり、さらに好ましくはベンゼン環である。
5、n5、m5はそれぞれM1、n1、m1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(H−5)中において、各原子間の結合は全て一本の実線により記されているが、これは該結合が単結合であることを意味するものではなく、各原子間の結合種は限定されない。
一般式(H−5)で表される金属錯体は、より好ましくは一般式(H−6)で表される金属錯体である。
Figure 2006093197
一般式(H−6)中、ZH6、M6、n6、m6、QH61はそれぞれ一般式(H−5)におけるZH5、M5、n5、m5、QH5と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
H62はヘテロ環(脂肪族ヘテロ環および芳香族ヘテロ環を含む。ヘテロ原子として好ましくは酸素原子、硫黄原子、窒素原子であり、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数3〜15、特に好ましくは炭素数4〜10であり、例えばピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、イソキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、テトラゾール環等が挙げられる。) を形成するに必要な原子群を表す。QH62で形成されるヘテロ環は置換基を有していてもよく、置換基としては一般式(H−1)のQH1の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(H−6)中において、各原子間の結合は全て一本の実線により記されているが、これは該結合が単結合であることを意味するものではなく、各原子間の結合種は限定されない。
本発明におけるホスト材料の金属錯体としては、例えば特開2000−302754公報に記載のイミダゾピリジン誘導体の金属錯体、特開平8−301877、特開平8−306489、特開平9−279134、特開平7−133483、特開2000−200684、特開2000−252066、特開2000−247972、特開2000−173777公報等に記載のベンゾオキサゾール誘導体の金属錯体、特開2000−302754、特開2000−252067公報等に記載のオキサゾール誘導体の金属錯体、特開平8−113576、特開2000−200684、特開2000−247964、特開平10−45722、特表2000−515926公報等に記載のベンゾチアゾール誘導体の金属錯体、特開2001−131162、特開2000−302754、特開2000−252067公報等に記載のチアゾール誘導体の金属錯体、特開2000−200684、特開平10−265478公報等に記載のベンゾイミダゾール誘導体の金属錯体、特開2000−302754、特開2000−252067等に記載のイミダゾール誘導体の金属錯体、特開平9−111234等公報に記載のベンゾトリアゾール誘導体の金属錯体及びベンゾピラゾール誘導体の金属錯体、特開2000−357588、特開平9−176629公報等に記載のヒドロキシフェニル置換ピリジン誘導体の金属錯体、特開平9−20886、特開2000−12222公報等に記載のヒドロキシ置換ベンゾキノリン誘導体の金属錯体、特開平9−20885公報等に記載のヒドロキシ置換ピリドキノリン誘導体の金属錯体、特開2000−100570公報等に記載のヒドロキシフェニル置換トリアゾール誘導体の金属錯体、特開平10−259372公報等に記載のヒドロキシフェニル置換オキサジアゾール又はチアジアゾール誘導体の金属錯体、特開2001−57292公報等に記載のヒドロキシフェニル置換イミダゾピリジンの金属錯体等、特開2003−152264公報等に記載の8−キノリノールの金属錯体等も好適に利用できる。
以下に本発明におけるホスト材料の金属錯体の具体例を列挙するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006093197
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Figure 2006093197
Figure 2006093197
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−有機EL素子の構成−
次に、本発明の有機EL素子の構成に関して説明する。
本発明の有機EL素子は、基板上に設けられた、陽極、陰極の一対の電極間に、少なくとも一層の発光層を含む有機化合物層を有して構成される。発光層以外の他の有機化合物層としては、正孔輸送層、正孔注入層、電子注入層、電子輸送層、保護層などが挙げられる。
また、これらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよく、同層が積層されいてもよい。各層の形成には、それぞれ種々の材料を用いることができる。
<陽極>
陽極は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物などを用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料である。
具体例としては、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好ましい。
陽極の膜厚は、材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜500nmである。
陽極は通常、上述した、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが用いられる。ガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。透明樹脂基板としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルや、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、テフロン(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン−ポリエチレン共重合体等の高分子材料が挙げられる。
基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましくは0.7mm以上のものを用いる。
陽極の作製には、材料によって種々の方法が用いられるが、例えば、ITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。
陽極は、洗浄その他の処理により、素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高めることも可能である。例えばITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが効果的である。
<陰極>
陰極は、電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。
陰極の材料としては、金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えば、Li、Na、K等)及びそのフッ化物又は酸化物、アルカリ土類金属(例えば、Mg、Ca等)及びそのフッ化物又は酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金又はそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属等である。
陰極は、上記化合物及びそれらの混合物の単層構造だけでなく、上記化合物及びそれらの混合物を含む積層構造を採ることもできる。例えば、アルミニウム/フッ化リチウム、アルミニウム/酸化リチウムの積層構造が好ましい。
陰極の膜厚は、材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜1μmである。
陰極の作製には、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング法、転写法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することもできる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。
陽極及び陰極のシート抵抗は、低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
<有機化合物層>
本発明における有機化合物層について説明する。
本発明の有機EL素子は、発光層を含む複数の有機化合物層を有してなり、発光層以外の他の有機化合物層としては、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
有機化合物層を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、ディッピング、スピンコート法、ディップコート法、キャスト法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法等の湿式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても好適に成膜することができる。
(発光層)
発光層は、電界印加時に、陽極、又は正孔注入層、正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、又は電子注入層、電子輸送層から電子を受取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
本発明における発光層としては、電荷輸送機能と発光機能を分離してより優れた性能を得るため、あるいは高濃度の発光材料中で凝集が起こり励起状態が無輻射失活する現象(濃度消光)を防ぐために、発光材料をドーパントとして電荷輸送材料(ホスト材料)中にドープする態様である。
−電荷輸送材料(ホスト材料)−
発光層に適用されるホスト材料は、本発明の化合物を単独で用いることもできるが、他の化合物と混合して使用しても良い。混合して使用されるホスト材料としては、例えば、カルバゾールおよびその誘導体(例えば「アプライド フィジックス レターズ(Applied Physics Letters)」、1999、第74巻、第3号、p.442に記載のもの)、トリベンゾアゼピンおよびその誘導体(特開平10−59943号、同10−219241号、同10−316875号、同10−324680号、同10−330365号、特開2001−97953号)、トリアゾールおよびその誘導体(米国特許第3112197号)、オキサゾールおよびその誘導体(米国特許第3257203号)、イミダゾールおよびその誘導体(特公昭37−16096号)、ポリアリールアルカンおよびその誘導体(米国特許第3615402号、同3820989号、同3542544号、特公昭45−555号、同51−10983号、特開昭51−93224号、同55−17105号、同56−4148号、同55−108667号、同55−156953号、同56−36656号)、ポリアリールベンゼノイドおよびその誘導体(特開平10−255985号、特開2002−260861号)、アリールアミンおよびその誘導体(米国特許第3567450号、同3180703号、同3240597号、同3658520号、同4232103号、同4175961号、同4012376号、特公昭49−35702号、同39−27577号、特開昭55−144250号、同56−119132号、同56−22437号、西独特許第1110518号)、スチリルアントラセンおよびその誘導体(特開昭56−46234号)、スチルベンおよびその誘導体(特開昭61−210363号、同61−228451号、同61−14642号、同61−72255号、同62−47646号、同62−36674号、同62−10652号、同62−30255号、同60−93445号、同60−94462号、同60−174749号、同60−175052号)、芳香族第三アミン化合物及びスチリルアミン化合物(特開昭63−295695号、同53−27033号、同54−58445号、同54−149634号、同54−64299号、同55−79450号、同55−144250号、同56−119132号、同61−295558号、同61−98353号、特開平8−239655号、米国特許第4127412号)、芳香族ジメチリデン系化合物(特開平6−330034号)、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体(米国特許第3180729号、同4278746号、特開昭55−88064号、同55−88065号、同49−105537号、同55−51086号、同56−80051号、同56−88141号、同57−45545号、同54−112637号、同55−74546号)、フェニレンジアミンおよびその誘導体(米国特許第3615404号、特公昭51−10105号、同46−3712号、同47−25336号、特開昭54−53435号、同54−110536号、同54−119925号)、アミノ置換カルコンおよびその誘導体(米国特許第3526501号)、フルオレノンおよびその誘導体(特開昭54−110837号)、ヒドラゾンおよびその誘導体(米国特許第3717462号、特開昭54−59143号、同55−52063号、同55−52064号、同55−46760号、同55−85495号、同57−11350号、同57−148749号)、シラザンおよびその誘導体(米国特許第4950950号)、ポルフィリン系化合物(特開昭63−295695号)、アントラキノジメタンおよびその誘導体及びアントロンおよびその誘導体(特開昭57−149259号、同58−55450号、同63−104061号、特開昭61−225151号、同61−233750号)、ジフェノキノンおよびその誘導体やチオピランジオキシドおよびその誘導体及びカルボジイミドおよびその誘導体(「ポリマー プレプリンツ、ジャパン(Polymer Preprints,Japan)」、1988、第37巻、第3号、p.681)、フルオレニリデンメタンおよびその誘導体(特開昭60−69657号、同61−143764号、同61−148159号))、ジスチリルピラジンおよびその誘導体(「ケミストリー レターズ(Chemistry Letters)」、1990、p.189、特開平2−252793号、特開平5−178842号)、複素環テトラカルボン酸無水物およびその誘導体(「ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジックス(Japanese Journal of Applied Physics)」、1988、27巻、L269)、ポルフィリンやフタロシアニンおよびその誘導体(特開昭63−2956965号)、8−キノリノールおよびその誘導体の金属錯体(「電子情報通信学会論文誌」、1990、C−2、p.661)、ベンゾオキサゾールおよびその誘導体を配位子とする金属錯体、及びベンゾチアゾールおよびその誘導体を配位子とする金属錯体等が挙げられる。
また、ホスト材料の三重項励起状態から発光材料へのエネルギー授受が効率的に行われるためには、ホスト材料の最低三重項励起状態のエネルギーレベル(T1レベル)は発光材料のT1レベルよりも高いことが好ましい。発光材料のT1レベルはその発光波長が短いほど高くなるので、短波な発光素子用の発光層では高T1のホスト材料が必要であるが、一方でT1はホスト材料の最高占有軌道(HOMO)と最低非占有軌道(LUMO)に関連し、これらは電荷の注入や輸送の能力に関わる(一般にHOMOとLUMOのエネルギー差が大きいほど電荷が注入されにくく、電気的に絶縁性が高くなる)ため、最適なT1レベルのホスト材料を選択することが重要である。
特に、発光極大波長が500nm以下の青色発光素子用の発光層ホスト材料のT1レベルとしては、62kcal/mol以上(259kJ/mol以上)、85kcal/mol以下(355kJ/mol以下)であることが好ましく、65kcal/mol以上(272kJ/mol以上)、80kcal/mol以下(334kJ/mol以下)であることがより好ましい。
本発明における発光層は、蒸着法により形成されることが好ましい。
蒸着法とは、通常高真空下(10-2Pa以下)において物質を加熱蒸発させ、気体状となった物質をターゲット上に付着成膜する真空蒸着法のことであり、蒸発源から物質を蒸発させる加熱方法には抵抗加熱法、高周波加熱法、電子ビーム加熱法、レーザー加熱法などがあるが、抵抗加熱法が最も一般的である。また加熱以外の方法で材料を蒸発させる方法としてスパッタリング法、イオンプレーティング法、分子線エピタキシ法などがあり、目的により使い分けることができる。さらに広い意味での蒸着法として、ターゲット表面上での化学反応により膜を形成するCVD法もあり、本明細書でいう蒸着法は、これらの蒸着技術すべてを含むものとする。蒸着法の詳細についてはオーム社刊、「新判・真空ハンドブック」(株式会社アルバック編)の第8章に記載されている。
2種以上の物質の混合物で膜形成する場合には、1つの蒸発源に複数の物質の混合物を入れて蒸発させてもよいが、この方法では蒸発気体中の物質組成を一定に保つのが難しく、別々の蒸発源から同時に分子を飛ばす方法が一般的である。また加熱した基盤上に複数の物質を順次積層成膜し、熱による拡散を利用して均一な膜とする方法(特許第3362504号公報)も知られている。
蒸着法で作成した発光層は、スピンコート法やインクジェット法に代表される湿式成膜法で作成した場合に比べて、溶媒やバインダ等に由来する不純物や酸素、水分を含まないため発光輝度や駆動耐久性の点で優れ、また既設の下層を溶媒により溶解する心配もなく、所望の膜厚の均一な発光層薄膜を容易に得ることができる。
さらに、蒸着時にマスキングを施すことにより、画素毎に異なる発光材料、ホスト材料を用いて異なる発光特性を持たせることができ、精細高画質のフルカラーディスプレイを作製するのに適している。
発光層を蒸着法により形成する場合には、発光層を構成する材料として、分子量3000以下の材料のみを含有することが好ましい。特に、ポリマーやオリゴマーといった高分子材料は揮発性が低く蒸着が難しい上に、材料自体が分子量分布を有しており、再現性の良い発光が得にくいため好ましくない。
分子量3000超える高分子量化合物は高真空条件下においても加熱により蒸発させること自体が難しくなり真空蒸着による薄膜形成が困難の傾向となる。
特に、200以上2000以下の範囲外の物質を選択すると、分子量200以下の低分子量化合物は揮発性が高すぎて真空蒸着に際して薄層形成することが難しく、分子量2000超える高分子量化合物は高真空条件下においても加熱により蒸発させること自体が困難である傾向となるためである。
また、蒸着の容易性から、発光層を構成する材料はイオン性化合物ではなく、中性分子化合物であることが好ましい。
蒸着により形成された発光層薄膜は、剥離やピンホール等の欠陥が無い均一な非結晶性薄膜(アモルファス膜)であることが好ましく、経時や熱による再結晶化が起こると発光素子の性能変化や劣化に繋がるため、融点及びガラス転位温度(Tg)は、高いことが好ましい。発光層を構成する材料の融点としては、好ましくは150℃以上、より好ましくは200℃以上、さらに好ましくは250℃以上、Tgは好ましくは70℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120℃以上である。
上記のような要求性能を満たすホスト材料としては、T1レベルが高く、結晶化が起こりにくく、励起状態の寿命が長く発光効率の高さが期待できるカルバゾール誘導体が最も好ましい。
−発光材料−
本発明においては上述のように金属錯体Eを用いるが、他の発光材料と併用して用いることもできる。併用して用いられる発光材料は、一重項励起子から発光する蛍光発光性化合物、又は、三重項励起子から発光する燐光発光性化合物のいずれであってもよい。
本発明において併用して使用できる発光材料の例としては、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリデン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体、希土類錯体、イリジウムトリスフェニルピリジン錯体及び白金ポルフィリン錯体等の遷移金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体などの化合物等が挙げられる。
発光層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。
発光層は一つであっても複数であってもよく、それぞれの発光層が異なる発光色で発光して、全体として例えば白色を発光してもよいし、単一の発光層から白色を発光してもよい。発光層が複数の場合、それぞれの発光層は単一材料で形成されていてもよいし、複数の化合物で形成されていてもよい。例えば、ホスト材料と発光材料とを含む混合系の場合であれば、ホスト材料は単一であっても複数種の混合であってもよい。発光材料も単一であっても複数種の混合であってもよい。
(正孔注入層、正孔輸送層)
正孔注入層、正孔輸送層に含まれる材料としては、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。
正孔注入層、正孔輸送層を構成する材料としては、トリベンゾアゼピンおよびその誘導体、トリアゾールおよびその誘導体、オキサゾールおよびその誘導体、オキサジアゾールおよびその誘導体、イミダゾールおよびその誘導体、ポリアリールアルカンおよびその誘導体、ポリアリールベンゼンおよびその誘導体、アリールアミンおよびその誘導体、スチリルアントラセンおよびその誘導体、スチルベンおよびその誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、8−キノリノールおよびその誘導体の金属錯体、ピラゾリンおよびその誘導体、ピラゾロンおよびその誘導体、フェニレンジアミンおよびその誘導体、アミノ置換カルコンおよびその誘導体、フルオレノンおよびその誘導体、ヒドラゾンおよびその誘導体、シラザンおよびその誘導体及びポルフィリン系化合物の群から選択される1種以上であることが好ましい。これらの化合物の好ましい例は前記併用可能なホスト材料の項で述べた対応する化合物の例と同様のものを挙げることができる。
さらに、正孔輸送層が、燐光発光性化合物を含む発光層に隣接する層である場合には、発光層で生じた三重項励起子が正孔輸送層へ移動しないように正孔輸送材料の最低三重項励起状態のエネルギーレベル(T1レベル)は発光材料や発光層に含まれるホスト材料のT1レベルよりも高いことが好ましい。特に発光極大波長が500nm以下の青色発光素子用の正孔輸送材料のT1レベルは62kcal/mol以上(259kJ/mol以上)、85kcal/mol以下(355kJ/mol以下)であることが好ましく、65kcal/mol以上(272kJ/mol以上)、80kcal/mol以下(334kJ/mol以下)であることがより好ましい。
上記物性値を満たす正孔輸送材料としては、特開2002−100476号公報に記載の正孔輸送材料が好ましく、特開2002−100476号公報に記載の正孔輸送材料の好ましい範囲は、同明細書に記載のとおりである。
前記の化合物群のうちトリベンゾアゼピン誘導体は高T1で高い発光効率が期待でき、アリールアミン誘導体は高い安定性により耐久性向上が期待できるため、この両者から正孔輸送材料を選択することがより好ましい。
その他として、必要に応じてカルバゾール、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、及びそれらの誘導体等を添加することができる。
正孔注入層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常0.2nm〜1μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは1nm〜0.2μmであり、さらに好ましくは2nm〜100nmである。
正孔輸送層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、さらに好ましくは10nm〜500nmである。
正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔注入層、正孔輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記正孔注入輸送材料を溶媒に溶解又は分散させてコーティングする方法、インクジェット法、印刷法、転写法が用いられる。
コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
前記の層形成方法の中でも、正孔輸送層は蒸着法で設置されていることが好ましい。蒸着法で設置することにより、均一で一定の膜厚の薄膜が形成でき、耐久性も向上する傾向となる。
また正孔輸送層を蒸着法で設置する場合、正孔輸送層の材料も発光層材料と同様に分子量3000以下の低分子有機化合物及び/又は分子量3000以下の低分子有機金属化合物からなることが好ましい。
(電子注入層、電子輸送層)
電子注入層、電子輸送層に含まれる材料としては、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。
本発明の有機EL素子は、陰極と発光層との間にイオン化ポテンシャル5.9eV以上(より好ましくは6.0eV以上)の化合物を含有する層を有することが好ましく、イオン化ポテンシャル5.9eV以上の電子輸送層を有することがより好ましい。
電子注入層、電子輸送層に用いうる材料の具体例としては、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、8−キノリノールの金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン、及び、それらの誘導体等が挙げられる。これらの化合物の好ましい例は、前記ホスト材料の説明で述べた対応する化合物の例と同様のものを挙げることができる。
また、本発明の有機EL素子は、陰極と発光層の間にイオン化ポテンシャル5.9eV以上(より好ましくは6.0eV以上)の化合物を含有する層を用いるのが好ましく、発光層に隣接してイオン化ポテンシャル5.9eV以上の電子輸送層を用いるのがより好ましい。このような化合物を含有する層(ブロック層)を設けることにより正孔が発光層を貫通して電子輸送層に流れ込むことによる発光効率低下や耐久性悪化を防止することができる。
さらに、電子輸送層が、燐光発光性化合物を含む発光層に隣接する層である場合には、発光層で生じた三重項励起子が電子輸送層へ移動しないように電子輸送材料の最低三重項励起状態のエネルギーレベル(T1レベル)は発光材料や発光層ホスト材料のT1レベルよりも高いことが好ましい。特に発光極大波長が500nm以下の青色発光素子用の正孔輸送材料のT1レベルは62kcal/mol以上(259kJ/mol以上)、85kcal/mol以下(355kJ/mol以下)であることが好ましく、65kcal/mol以上(272kJ/mol以上)、80kcal/mol以下(334kJ/mol以下)であることがより好ましい。
上記物性値を満たす他の電子輸送材料としては、特開2002−100476号に記載の電子輸送材料が挙げられる。特開2002−100476号に記載の電子輸送材料の好ましい範囲は、同明細書に記載の通りである。
その他として、必要に応じてカルバゾール、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、及びそれらの誘導体等を添加することができる。
電子注入層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常0.2nm〜1μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは1nm〜0.2μmであり、さらに好ましくは2nm〜100nmである。
電子輸送層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、さらに好ましくは10nm〜500nmである。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層、電子輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記電子注入輸送材料を溶媒に溶解又は分散させてコーティングする方法、インクジェット法、印刷法、転写法などが用いられる。
コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、正孔注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。
前記の層形成方法の中でも、電子輸送層は蒸着法で設置されていることが好ましい。蒸着法で設置することにより、均一で一定の膜厚の薄膜が形成でき、耐久性も向上する傾向となる。
また、電子輸送層を蒸着法で設置する場合、電子輸送層の材料も発光層材料と同様に分子量3000以下の低分子有機化合物及び/又は分子量3000以下の低分子有機金属化合物からなることが好ましい。
(保護層)
本発明の有機EL発光素子は、水分や酸素の進入を防止するために保護層を有してもよい。保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、SiNx、SiOxy などの窒化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法についても特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
<封止>
さらに、本発明の有機電界発光素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
本発明の発光素子は、種々の公知の工夫により、光取り出し効率を向上させることができる。例えば、基板表面形状を加工する(例えば微細な凹凸パターンを形成する)、基板・ITO層・有機層の屈折率を制御する、基板・ITO層・有機層の膜厚を制御すること等により、光の取り出し効率を向上させ、外部量子効率を向上させることが可能である。
本発明の発光素子は、陽極側から発光を取り出す、いわゆる、トップエミッション方式であっても良い。
−有機EL素子の製造方法−
本発明の有機EL素子の製造方法として、好適に用いられる製造方法を以下に述べるが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、透明電極としてITO薄膜を有する基板を溶媒洗浄した後、UV−オゾン処理を行なう。さらに、この透明電極上に正孔注入層、正孔輸送層をこの順に蒸着法にて形成する。この上に、金属錯体及びホスト材料を真空において共蒸着することにより発光層を形成する。該金属錯体及びホスト材料は前記のものと同義であり、好ましい範囲も同様である。発光層に用いられる該ホスト材料及び該金属錯体は分子量3000以下であることが好ましく、発光層を構成する材料が分子量3000以下であることが好ましい。該分子量範囲を前記範囲とすることにより蒸着し易くなる。
該蒸着としては、公知の蒸着法を用いることができる。さらにその上に、電子輸送層、電子注入層をこの順に設け、この上に、パターニングしたマスクを設置し、背面電極(陰極)を蒸着して形成する。電子輸送層と発光層との間には、電子輸送材料を含むブロック層を設けることができる。前記陽極と陰極のそれぞれにリ−ド線を結線し、発光積層体を形成する。ここで得られた発光積層体を封止して有機EL素子を作製する。
得られた有機EL素は、直流電圧を印加し発光させて、初期輝度で駆動耐久性試験を実施し、輝度が半分になった時間を半減時間として、耐久性を実施評価することができる。
本発明の発光素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等の分野に好適に使用できる。また、本発明の化合物は、医療用途、蛍光増白剤、写真用材料、UV吸収材料、レーザー色素、記録メディア用材料、インクジェット用顔料、カラーフィルター用染料、色変換フィルター等にも適用可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
サンプル1の作成
ガラス基板上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を 150nm堆積したもの(ジオマテック社製;電子ビーム成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて 2mm幅のストライプにパターニングして陽極を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行って、真空蒸着装置内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、装置内の真空度が2×10-6Torr(約2.7×10-4Pa)以下になるまでクライオポンプを用いて排気した。
次いで、上記装置内に配置されたモリブデンボートに入れた以下に示す銅フタロシアニン(結晶形はβ型)を加熱して、真空度1.4×10-6Torr(約1.9×10-4Pa)、蒸着速度0.1nm/秒で蒸着を行ない、膜厚10nmの正孔注入層(陽極バッファ層)を形成した。
次に、上記装置内に配置されたセラミックルツボに入れた、α-NPD((N,N’−ジ−α−ナフチル−N,N’−ジフェニル)−ベンジジン)をルツボの周囲のタンタル線ヒーターで加熱して蒸着を行った。蒸着時の真空度9.0×10-7Torr(約1.2×10-4Pa)、蒸着速度は0.2nm/秒で膜厚40nmの正孔輸送層を形成した。
引続き、発光層ホスト材料としてCBPを、発光材料としてイリジウム錯体(Ir(ppy)3)をセラミックルツボに設置し、2元同時蒸着法により成膜を行った。CBPの蒸着速度は 0.1nm/秒に制御し、イリジウム錯体(Ir(ppy)3)はホストに対して6質量%含有されるよう、蒸着速度を制御し、膜厚30nmの発光層を正孔輸送層の上に積層した。蒸着時の真空度は1.3×10-6Torr(約1.7×10-4Pa)であった。
さらに、正孔阻止層としてBAlq2を、蒸着速度0.1nm/秒で10nmの膜厚で積層した。蒸着時の真空度は7.0×10-7Torr(約0.9×10-4Pa)であった。
Figure 2006093197
次いで、正孔阻止層の上に、電子輸送層としてAlqを同様にして蒸着した。蒸着時の真空度は6.0×10−7Torr(約0.8×10−4Pa)、蒸着速度は0.2nm/秒で膜厚は35nmとした。
上記の正孔輸送層、発光層、正孔阻止層および電子輸送層を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
ここで、電子輸送層までの蒸着を行った素子を一旦前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして 2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2mmのITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機層の形成時と同様にして装置内の真空度が2×10-6Torr(約2.7×10-4Pa)以下になるまで排気した。
その後、陰極として、先ず、フッ化マグネシウム(MgF2)をモリブデンボートを用いて、蒸着速度0.1nm/秒、真空度7.0×10-6Torr(約9.3×10-4Pa)で、1.5 nmの膜厚で電子輸送層の上に成膜した。次に、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.5nm/秒、真空度1×10-5Torr(約1.3×10-3Pa)で膜厚40nmのアルミニウム層を形成した。さらに、その上に、陰極の導電性を高めるために銀を、同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.3nm/秒、真空度1×10-5Torr(約1.3×10-3Pa)で膜厚40nmの銀層を形成して陰極を完成させた。以上の3層型陰極の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。
サンプル2〜8の作成
上記サンプル1の作成方法において、発光層ホスト材料と、発光材料を表1に示したように変更し、サンプル2〜8を作成した。
Figure 2006093197
上記で得られた発光素子を用いて、以下の方法で評価した。
KEITHLEY製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電圧を有機EL素子に印加し発光させて、初期の発光性能を測定した。
発光効率は、100cd/m時の発光効率を外部量子効率(η100)(%)として表した。また、駆動耐久性は、初期輝度1000cd/mで駆動耐久性試験を実施し、輝度が半分になった時間を半減時間(T1/2)(hr)として、表1に示した。
表1より、本発明に用いられるホスト材料を用いたサンプルでは、外部量子効率が高いことが理解される。さらに、本発明に用いられる発光材料を組み合わせて用いることにより、外部量子効率が高く、駆動耐久性に優れる発光素子が得られることが分かる。さらに、幅広い発光波長において、本発明の有用性が理解される。

Claims (24)

  1. 一対の電極間に、少なくとも一層の発光層を含む有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、該発光層中に、少なくとも1種の発光材料と少なくとも1種のホスト材料を含んでおり、該発光材料が3座以上の配位子を有する金属錯体であり、かつ該ホスト材料が下記一般式(H−1)で表される金属錯体であることを特徴とする有機電界発光素子。
    Figure 2006093197
    (式中、XH1は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子、リン原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよく、また他の環の構成原子となっていても良い。YH1は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子、リン原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよく、また他の環の構成原子となっていても良い。M1は金属イオンを表す。n1は1以上の整数を表す。LHは配位子を表し、m1は0以上の整数を表す。QH1はXH1、YH1、M1と共にキレート環を形成する原子群を表す。式中の各原子間の結合種は単結合、二重結合、三重結合、配位結合のいずれでもよい。ただし、QH1−XH1の間の結合及びQH1−YH1の間の結合は配位結合ではない。)
  2. 発光材料の前記金属錯体の配位子が鎖状配位子であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 発光材料の前記金属錯体中の金属イオンが白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン及びテルビウムイオンの群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  4. 発光材料の前記金属錯体が燐光を発光する金属錯体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  5. 発光材料の前記金属錯体が一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006093197
    (M11は金属イオンを表し、L11、L12、L13、L14、L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11、L14間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成することは無い。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。Y11、Y12、Y13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、単結合または二重結合を表す。n11は0〜4を表す。)
  6. 発光材料の前記金属錯体が一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006093197
    (M21は金属イオンを表し、Y21は連結基、単結合、または二重結合を表す。Y22、Y23はそれぞれ単結合または連結基を表す。Q21、Q22はそれぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表し、Q21で形成される環とY21の間の結合およびQ22で形成される環とY21の間の結合は単結合または二重結合を表す。X21、X22はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す。R21、R22、R23、R24はそれぞれ水素原子または置換基を表し、R21及びR22並びにR23及びR24は各々結合して環を形成してもよい。L25はM21に配位する配位子を表す。n21は0〜4の整数を表す。)
  7. 発光材料の前記金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環が、それぞれ、ピリジン環で、Y21は1つ以上の原子からなる連結基を表す化合物であることを特徴とする請求項6記載の有機電界発光素子。
  8. 発光材料の前記金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環が、それぞれ、ピリジン環で、Y21が単結合または二重結合で、X21、X22が、それぞれ、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す化合物であることを特徴とする請求項6記載の有機電界発光素子。
  9. 発光材料の前記金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環が、それぞれ、含窒素ヘテロ5員環であることを特徴とする請求項6記載の有機電界発光素子。
  10. 発光材料の前記金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環が、それぞれ、窒素原子を2つ以上含む含窒素6員環であることを特徴とする請求項6記載の有機電界発光素子。
  11. 発光材料の前記金属錯体が一般式(9)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006093197
    (MA1は金属イオンを表し、QA1、QA2はそれぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表す。RA1、RA2、RA3、RA4はそれぞれ水素原子または置換基を表し、RA1及びRA2並びにRA3及びRA4は各々結合して環を形成してもよい。YA2、YA3はそれぞれ連結基または単結合を表す。YA1はかっこ内の2つの2座配位子をそれぞれ連結する連結基、単結合、または二重結合を表す。LA5はMA1に配位する配位子を表す。nA1は0〜4の整数を表す。)
  12. 発光材料の金属錯体が一般式(11)で表される化合物であることを特徴とする請求項11に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006093197
    (RC1、RC2はそれぞれ水素原子または置換基を表し、RC3、RC4、RC5、RC6はそれぞれ置換基を表す。nC3、nC6は0〜3、nC4、nC5は0〜4の整数を表し、RC3、RC4、RC5、RC6をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRC3、RC4、RC5、RC6は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。)
  13. 発光材料の前記金属錯体が一般式(10)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006093197
    (MB1は金属イオンを表し、YB1は連結基を表す。YB2、YB3はそれぞれ連結基または単結合を表す。XB1、XB2はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表し、nB1、nB2は0ないし1の整数を表す。RB1、RB2、RB3、RB4、RB5、RB6はそれぞれ水素原子または置換基を表し、RB1及びRB2並びにRB3及びRB4は各々結合して環を形成してもよい。LB5はMB1に配位する配位子を表す。nB3は0〜4の整数を表す。ただし、YB1はRB5またはRB6と連結することはない。)
  14. 発光材料の前記金属錯体が一般式(12)で表される化合物であることを特徴とする請求項13に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006093197
    (RD3、RD4はそれぞれ水素原子または置換基を表し、RD1、RD2はそれぞれ置換基を表す。nD1、nD2は0〜4の整数を表し、RD1、RD2をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRD1、RD2は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。YD1は1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数1〜8のメチレン基を表す。)
  15. 発光材料の前記金属錯体が一般式(8)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006093197
    (M81は金属イオンを表し、L81、L82、L83、L85はそれぞれM81に配位する配位子を表す。L81、L83間に原子群がさらに存在して環状または4座以上の配位子を形成することは無い。L85は金属を介さずにL81またはL83と連結することはない。Y81、Y82はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。n81は0〜3の整数を表す。)
  16. 発光材料の前記金属錯体が一般式(8)で表され、L81、L82、L83が炭素原子でM81に配位する芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環、または窒素原子でM81に配位する含窒素ヘテロ環を表し、L81、L82、L83のうち少なくとも一つが含窒素ヘテロ環であることを特徴とする請求項15記載の有機電界発光素子。
  17. 発光材料の前記金属錯体が一般式(X1)で表されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006093197
    (一般式(X1)中、MX1は金属イオンを表す。QX11〜QX16はMX1に配位する原子またはMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。LX11〜LX14は単結合、二重結合または連結基を表す。すなわち、QX11−LX11−QX12−LX12−QX13からなる原子群およびQX14−LX13−QX15−LX14−QX16からなる原子群はそれぞれ三座の配位子である。MX1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
  18. 前記一般式(X1)で表される金属錯体が、一般式(X2)で表されることを特徴とする請求項17に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006093197
    (一般式(X2)中、MX2は金属イオンを表す。YX21〜YX26はMX2に配位する原子を表し、QX21〜QX26は、それぞれYX21〜YX26と共に芳香環もしくは芳香族ヘテロ環を形成する原子群を表す。LX21〜LX24は単結合、二重結合または連結基を表す。MX2とYX21〜YX26との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
  19. 前記一般式(X1)で表される金属錯体が、一般式(X3)で表されることを特徴とする請求項17に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006093197
    (一般式(X3)中、MX3は金属イオンを表す。YX31〜YX36は、炭素原子、窒素原子、リン原子を表す。LX31〜LX34は単結合、二重結合または連結基を表す。MX3とYX31〜YX36との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
  20. ホスト材料として機能する金属錯体が、下記一般式(H−2)または(H−3)で表される請求項1〜19のいずれかに記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006093197
    (式中、XH2は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよい。YH2 は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよい。ZH21、ZH22およびZH23は炭素原子または窒素原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよい。QH21およびQH22は五員環または六員環を形成するのに必要な原子群を表す。M2は金属イオンを表す。n2は1以上の整数を表す。LHは配位子を表し、m2は0以上の整数を表す。式中の各原子間の結合種は単結合、二重結合、三重結合、配位結合のいずれでもよい。ただし、ZH21−XH2の間の結合及びQH21−XH2の間の結合の少なくとも一方及びZH23−YH2の間の結合の間の結合は配位結合ではない。)
    Figure 2006093197
    (式中、XH3は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよい。YH3は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよい。Z H31、ZH32およびZH33は炭素原子または窒素原子を表し、可能な場合は置換基を有していてもよい。QH31およびQH32は五員環または六員環を形成するのに必要な原子群を表す。M3は金属イオンを表す。n3は1以上の整数を表す。LHは配位子を表し、m3は0以上の整数を表す。式中の各原子間の結合種は単結合、二重結合、三重結合、配位結合のいずれでもよい。ただし、ZH31−XH3の間の結合及びQH31−XH3の間の結合の少なくとも一方及びZH32−YH3の間の結合は配位結合ではない。)
  21. ホスト材料として機能する金属錯体が、下記一般式(H−4)で表される請求項1〜20のいずれかに記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006093197
    (式中XH41、XH42は各々炭素原子、又は窒素原子を表す。XH41と窒素原子間、XH42と炭素原子間の結合は単結合又は二重結合を表す。QH41、QH42は各々5員環又は6員環の形成に必要な原子群を表す。M4は金属イオンを表す。n4は1以上の整数を表す。LHは配位子を表し、m4は0以上の整数を表す。)
  22. ホスト材料として機能する金属錯体が、下記一般式(H−5)で表される請求項1〜21のいずれかに記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006093197
    (式中、RH51、RH52は水素原子または置換基を表す。ZH5は酸素原子、硫黄原子、−C(RH53)RH54−、または−NRH55−を表す。RH53、RH54およびRH55は水素原子または置換基を表す。QH5は5員環または6員環を形成するのに必要な原子群を表す。M5は金属イオンを表す。n5は1以上の整数を表す。LHは配位子を表し、m5は0以上の整数を表す。式中の各原子間の結合種は単結合、二重結合、三重結合、配位結合のいずれでもよい。)
  23. ホスト材料として機能する金属錯体が、下記一般式(H−6)で表される請求項1〜22のいずれかに記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006093197
    (式中、ZH6は酸素原子、硫黄原子、−C(RH63)RH64−、または−NRH65−を表す。RH63、RH64およびRH65は水素原子または置換基を表す。QH61は5員環または6員環を形成するのに必要な原子群を表す。QH62はヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表す。M6は金属イオンを表す。n6は1以上の整数を表す。LHは配位子を表し、m6は0以上の整数を表す。式中の各原子間の結合種は単結合、二重結合、三重結合、配位結合のいずれでもよい。)
  24. 一対の電極間に少なくとも一層の発光層を含む有機電界発光素子であって、正孔輸送層と発光層に加え、励起子ブロック層、正孔注入層、正孔ブロック層および電子輸送層からなる群から選ばれる少なくとも一つの層を有することを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
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