JP2006092903A - 微小電子源装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な手法により微小電子源層の損傷を抑制し、電子放出特性の信頼性の高い微小電子源装置の製造方法を提供する。
【解決手段】支持基板10上のカソード電極11に複数のカーボンナノチューブを含有する微小電子源層12を形成する工程と、前記微小電子源層12上に少なくとも2種以上のアルカリ土類金属の酸化物からなる保護層Pを形成する工程と、支持基板10、カソード電極11、保護層Pを覆う層間絶縁膜13Lを形成し、該層間絶縁膜13L上に開口部を有するゲート電極を形成する工程と、前記開口部直下の層間絶縁膜13Lをドライエッチングしてゲート電極及び層間絶縁膜13Lを貫通し、保護層Pが露出するゲートホールを形成する工程と、前記ゲートホール内の保護層Pを除去する工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、FED等の平面型表示装置に用いられる微小電子源装置の製造方法に関するものである。
テレビジョン受像機や情報端末機器等の表示措置は、薄型化、軽量化、大画面化、高精細表示化の要求に答えるため、重量や厚みに限界のあるCRTから平面型表示装置(フラットパネル表示装置)への移行する開発が盛んに行われている。情報端末機器のフラットパネル表示装置としては液晶パネルが広く普及しているが、高輝度化、大型化が困難なために家庭用テレビジョン受像器は開発段階に留まっている。
一方、フィールドエミッションディスプレー(以下、FEDと略す)は、少ない電力消耗で高解像度・高輝度のカラー表示が行えるというメリットから有力な大型のフラットパネル表示装置用賭して開発が進んでいる。FEDは電子放出を行うチップ型カソードとカソードから放出された電子が衝突することにより蛍光体を励起発光させて所望のパターン、文字、記号を表示する装置である。
公知のFEDの構成は複数本の行配線につながったカソードと複数本の列配線につながったゲートからなるエミッタアレイパネルと蛍光体を塗布されたアノードパネルを絶縁性のスペーサを挟んで積層するものである(例えば、特許文献1,2参照。)。
また、エミッタアレイパネルはガラス等の誘電体板もしくはSi板上にCVD法、エッチング法、真空蒸着法もしくはスパッタ法及び光リソグラフィー法により所望の画素数に応じたマトリックスをなす行配線・列配線と1画素当り複数のカソードチップ及びカソードチップと誘電体で絶縁されたカソードチップに対応した穴を開口したゲート電極を形成して作成する。
アノードパネルはガラス等の誘電体板にITO等の透明電極を堆積させた上に各1画素に対応した赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の蛍光体についてそれぞれ遮光格子を介して縞状に塗布して作成する。
従来の電界放出型ディスプレイでは、電子放射エミッタを2次元的に配列し、これに引き出し電極とカソード電圧用配線をマトリックス状に配置し、カソード先端から強電界によって放射されてきた電子により蛍光体を光らせる手法が用いられている。
従来のWを始めとする金属製のエミッタが用いられてきたが、近年になってエミッタ材料の仕事関数を下げることにより低しきい値でのエミッションを可能にする材料としてDLC(ダイヤモンド状カーボン)を始めとするカーボン材料が注目されている。
また、従来の様にエミッタ構造を作ることなく平面から電子放出させる試みが開示されおり(例えば、非特許文献1参照。)、特にカーボンナノチューブと呼ばれる微細構造を有する炭素系構造体は、その良好な電子放出特性を有することから注目を集めている(例えば、非特許文献2参照。)。さらに、これらのカーボンナノチューブの特徴を生かして導電性材料と混合して電子放出源を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
米国特許第4908539号明細書 特開昭61-221783号公報 特開2003-229044号公報 第60回応用物理学会学術講演会 講演予稿集p.631(講演番号2P-H-6) 第60回応用物理学会学術講演会 講演予稿集p.632(講演番号2P-H-11)
しかしながら、このような方法で微小電子源装置を形成する場合には、カソード配線層上に微小電子源層を形成した後、層間絶縁膜を形成し、その後ゲート配線層を形成させ、定法で用いられているリソグラフィー技術を応用してゲート配線及び層間絶縁膜をエッチング加工(異方性加工)して該微小電子源層を露出させる必要があるが、層間絶縁膜形成時に微小電子源層は活性酸素の存在する雰囲気に曝されて損傷を受けていた。また、その後の層間絶縁膜のエッチング加工により微小電子源層が損傷を受けてしまうことが懸念される。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、簡便な手法により微小電子源層の損傷を抑制し、電子放出特性の信頼性の高い微小電子源装置の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、支持基板上のカソード電極に複数のカーボンナノチューブを含有する微小電子源層を形成する工程と、前記微小電子源層上に少なくとも2種以上のアルカリ土類金属の酸化物からなる保護層を形成する工程と、前記支持基板、カソード電極、保護層を覆う層間絶縁膜を形成し、該層間絶縁膜上に開口部を有するゲート電極を形成する工程と、前記開口部直下の層間絶縁膜をドライエッチングしてゲート電極及び層間絶縁膜を貫通し、保護層が露出するゲートホールを形成する工程と、前記ゲートホール内の保護層を除去する工程と、を有することを特徴とする微小電子源装置の製造方法である。
ここで、前記保護層は、マグネシウム酸化物を含むことが好適である。
また、異なるアルカリ土類金属からなる有機金属化合物を2種以上含む塗料を塗布して、前記保護層を形成することが好ましい。
また、前記層間絶縁膜がドライエッチングされる際の前記保護層と該層間絶縁膜とのエッチング速度の比は100以上であることが好ましい。
本発明によれば、保護層がアルカリ土類金属酸化物からなることから層間絶縁膜形成時、ドライエッチング加工時に微小電子源層を保護することができ、さらに微小電子源装置の構成部位にダメージを与えることなく容易に保護層を除去することが可能となる。また、保護層を構成する材料として結晶構造が比較的類似した元素(アルカリ土類金属)からなる材料を組み合わせることで耐湿性を向上させることが可能となり、取り扱いが容易となる。
発明者は、層間絶縁膜の異方性加工に対して保護性能の高い層を予め微小電子源層上に設けることで上記損傷の問題を解決する検討を行った。その検討の中で例えば、酸化マグネシウムからなる層を保護層として設けることで層間絶縁膜であるシリコン酸化膜の異方性加工の際に層間絶縁膜と当該層とのエッチング速度の比(選択比)を高くして微小電子源層を保護することが可能である知見を得た。更に、該酸化マグネシウム保護層は微小電子源装置に損傷を与えることなく容易に薬剤により除去することが可能であり、微小電子源装置を形成する製造方法として好適であった。
しかしながら、酸化マグネシウムはその物性として吸湿性が非常に高いため、当該微小電子源装置を形成する工程に用いた場合には、大気中に暴露する時間を制限するか、低湿度の雰囲気に保管する等の実現が困難な対応が必要であった。吸湿した酸化マグネシウムでは層間絶縁膜とのエッチング加工の際の選択比が取れないだけでなく、最悪の場合には酸化マグネシウム自体が潮解してしまうなどの問題も発生する。
そこで、発明者は上記知見を生かしつつ、微小電子源装置の製造工程において簡便な手法で安定な膜質の保護膜を開発すべく鋭意検討を行い、2種類以上のアルカリ土類金属酸化物を用いることが最も好ましい結果が得られるとの結論を得るに至り、そのための各要素工程を開発して本発明を完成するに至った。
以下に本発明に係る微小電子源装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図1、図2は微小電子源装置の製造工程図である。各工程の詳細を説明する。
(S1)基板10上にCr等からなるカソード電極形成用の導電膜11Lを形成した後、導電膜11Lの所定の位置に常法のフォトリソグラフィによりレジスト層R1を形成する(図1(a))。ついで、反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜11Lをエッチング加工してストライプ状のカソード電極11とする。この時点で基板10上には複数本のカソードラインが形成される。
ここで、基板10は、平面型表示装置においてカソードパネル1のベースとなるガラスなどからなる絶縁性の基板である。
また、カソード電極11は、導電材料からなる導電膜である。例えばスパッタリング法により形成される厚み0.2μm程度のクロム(Cr)層である。
(S2)複数のカーボンナノチューブと、In,Sn,Zn,Alの少なくとも1つを含有する有機金属化合物を含む結合剤と、溶媒とを所定量混合して調製されたカーボンナノチューブ分散液をカソード電極11及び基板10上に塗布した後、焼成して微小電子源層12を形成する。微小電子源層12は、この段階では結合剤からなる導電性のマトリクス中に前記カーボンナノチューブが分散して埋め込まれた状態である。
カーボンナノチューブは、例えば平均直径1nm、平均長さ1μmといった非常に細長いチューブ構造(繊維状)を有するものを用いる。あるいは、例えば平均直径30nm、平均長さ1μmのファイバー構造を有するカーボンナノファイバーを用いてもよい。
(S3)ついで、常法のフォトリソグラフィによりカソード電極11上の微小電子源層12のみにレジスト層を形成し、ウェットエッチングにより微小電子源層12をエッチング加工してカソード電極11上の微小電子源層12だけを残す。これにより基板10上にカソード電極11と微小電子源層12との積層部が形成される。
(S4)つぎに、微小電子源層12上に少なくとも2種類以上のアルカリ土類金属の酸化物からなる保護層Pを形成する(図1(b))。この保護層Pは、少なくともMgOとその他のアルカリ土類金属(Ca、Sr、Ba)を含有してなる金属酸化物(CaO,SrO,BaO)からなることが好ましい。
保護層Pは、後述する微小電子源層12上に形成する層間絶縁膜13L形成時(ステップS5)に用いる酸化性ガスの励起種(活性酸素)によるカーボンナノチューブの酸化(燃焼)反応や、該層間絶縁膜13Lのドライエッチング等の異方性加工時(ステップS7)に用いる酸化性ガスによる同様な反応を抑制する効果がある。そこで、そのような酸化性活性種に対する保護層Pとしては該活性種の拡散を抑制するに必要な膜厚が必要であるが、過度に保護層Pを厚膜化した場合には上層に形成するゲート電極等配線層の所謂段切れ等が発生して配線の信頼性が著しく劣化してしまう。したがって、保護層Pの膜厚は、10nm〜2μmが好ましく、100〜500nmで最も効果が発現するためより好ましい。
保護層Pを形成するに当たっては、Mgを含む有機金属化合物と、アルカリ土類金属(Ca、Sr、Ba)のいずれかを含む有機金属化合物と、保護層形成用の有機金属化合物の塗料中での分解を抑制して塗料の安定性を向上させる安定剤(ラウリン酸等の脂肪酸)と、溶媒とを所定量混合して保護層形成用塗料とし、該塗料を微小電子源層12上に塗布した後、加熱焼成してMgOとその他のアルカリ土類金属酸化物(CaO,SrO,BaO)のいずれかとからなる皮膜とする。
本方法により、2元反応性スパッタ等の方法では問題となる組成ズレ等もなく所望の組成で形成することが可能である。また、従来の回転塗布方法、ドクターブレード、ダイコーター、キャップコーター及びスプレー装置等の従来の装置を用いて簡便に形成することが可能であり、膜厚の制御性も良好である。
保護層形成用塗料に用いる材料のうち、酸化マグネシウム原料としては次のものが挙げられる。
Mg(OCH3)2(ジメトキシマグネシウム)、Mg(OC2H5)2(ジエトキシマグネシウム)、Mg(O-n-C3H7)2(ジ-n-プロポキシマグネシウム)、Mg(O-n-C4H9)2(ジ-n-ブトキシマグネシウム)、Mg(O-i-C3H7)2(ジ-i-プロポキシマグネシウム)、Mg(O-i-C4H9)2(ジ-i-ブトキシマグネシウム)、Mg(C11H19O2)2(ビス(ジピバロイルメタナト)マグネシウム)。
また、酸化カルシウム原料としては次のものが挙げられる。
Ca(OCH3)2(ジメトキシカルシウム)、Ca(OC2H5)2(ジエトキシカルシウム)、Ca(O-n-C3H7)2(ジ-n-プロポキシカルシウム)、Ca(O-n-C4H9)2(ジ-n-ブトキシカルシウム)、Ca(O-i-C3H7)2(ジ-i-プロポキシカルシウム)、Ca(O-i-C4H9)2(ジ-i-ブトキシカルシウム)、Ca(O-sec-C4H9)2(ジ-sec-ブトキシカルシウム)。
また、酸化バリウム原料としては次のものが挙げられる。
Ba(OCH3)2(ジメトキシバリウム)、Ba(OC2H5)2(ジエトキシバリウム)、Ba(O-n-C3H7)2(ジ-n-プロポキシバリウム)、Ba(O-n-C4H9)2(ジ-n-ブトキシバリウム)、Ba(O-i-C3H7)2(ジ-i-プロポキシバリウム)、Ba(O-i-C4H9)2(ジ-i-ブトキシバリウム)、Ba(O-sec-C4H9)2(ジ-sec-ブトキシバリウム)、Ba(O-t-C4H9)2(ジ-t-ブトキシバリウム)、Ba(C11H19O2)2(ビス(ジピバロイルメタナト)バリウム)。
保護層Pの組成範囲としては、例えばMgOとCaOとの組み合わせの場合には、MgO:CaOの比として0.05:0.95〜0.95:0.05の範囲が好ましく、0.5:0.5〜0.9:0.1の範囲で最も効果を発現するためより好ましい。
また、例えばMgOとBaOとの組み合わせの場合には、MgO:BaOの比として0.05:0.95〜0.95:0.05の範囲が好ましく、0.5:0.5〜0.9:0.1の範囲で最も効果を発現するためより好ましい。
これらの組成は、保護層用塗料調製時に上記原料の配合量を調整することによりコントロールすることができる。
(S5)つぎに、基板10上において、カソード電極11/微小電子源層12/保護層Pの積層部を覆うように層間絶縁膜13Lを形成し、さらに該層間絶縁膜13L上にゲート電極形成用の導電膜14Lを形成する(図1(c))。
層間絶縁膜13Lは、例えばシリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、シリコン窒化膜、炭化水素膜(有機膜)、ポリイミド膜(有機膜)、窒化硼素膜、ポリエーテル膜(有機膜)等が挙げられる。シリコン酸化物(SiO)は、例えばTEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとして使用するCVD法により、基板10の全面に厚さ約1μmのSiO膜として形成すればよい。このとき、被処理物(カソード電極11/微小電子源層12/保護層Pの積層部を有する基板10)は活性酸素雰囲気に曝されるが保護層Pにより微小電子源層12は保護される。
また、導電膜14Lは導電膜11Lと同様にスパッタリング法によってCr膜を形成すればよい。
(S6)導電膜14L上にレジストマスク層R2を形成する(図1(d))。
ついで、このレジストマスク層R2を用いて導電層14Lの所定部位をエッチング加工することにより、層間絶縁膜13L上でストライプ形状のゲート電極14とするとともに、このゲート電極14を貫通する第1の開口部15Aを形成する(図2(e))。このとき、ゲート電極14は層間絶縁膜13L上でカソード電極11と略直交する状態のストライプ形状に加工されている。すなわち、上記カソードラインに直交する複数本のゲートラインが形成される。
(S7)つぎに、ゲート電極14の第1の開口部15Aを通して層間絶縁膜13Lを反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチング加工により、保護層Pが露出するように第2の開口部15Bを形成する(図2(f))。これにより、第1,第2の開口部15A,15Bからなるゲートホール15が得られる。ゲートホール15は、例えば直径20μmの円形に形成されており、1画素当たり複数個(例えば、数十個)形成される。
この加工において、層間絶縁膜13Lと保護層Pとのエッチング速度の比(選択比)は100以上であることが好ましい。これにより、微小電子源層12は保護層Pにより保護され損傷を受けることなく、層間絶縁膜13Lが除去され第2の開口部15Bが形成される。
(S8)つぎに、保護層Pを除去する。
除去には保護層Pが容易に溶解し、保護層P周辺の絶縁層13、カソード電極11、ゲート電極14、微小電子源層12を構成するマトリクスを溶解することがない、高い選択比で保護層Pを除去することができる薬剤を使用すればよい。この選択比(保護層Pのエッチング速度/その他の膜のエッチング速度)は100以上であることが好ましく、例えば、1〜30%程度の硝酸水溶液が挙げられる。
(S9)つぎに、開口部15を通して微小電子源層12の上層部のマトリックスを除去することにより、表面にカーボンナノチューブの一部を露出させる。微小電子源層12の上層部でマトリクスを除去する際の手法としては、ウェットエッチングやドライエッチングなどのエッチング法(ハーフエッチング)を好ましく用いることができる。このエッチングにより微小電子源層12の上層部でマトリクス材料を選択的に除去することにより、表面に多数のカーボンナノチューブを露出させることができる。
(Sa)その後、エッチングされた微小電子源層12の表面で各々のカーボンナノチューブが一様にほぼ垂直に起立するように、カーボンナノチューブの配向処理を行う。具体的には、例えば基板10上で図示しない粘着テープをゲート電極14の上から貼り付けた後、粘着テープを引き剥がすことにより、基板10に対してカーボンナノチューブの長手方向をほぼ垂直に配向させる。カーボンナノチューブを配向させる際の方向は、基板10の面方向に対してほぼ垂直な方向とする。このとき、微小電子源層12の表面には多数のカーボンナノチューブが露出した状態となっている。そのため、粘着テープの貼り付け及び引き剥がしを行うことにより、多数のカーボンナノチューブを垂直に配向させることができる。これにより、前記カーボンナノチューブが導電性のマトリクス中に埋め込まれ、該カーボンナノチューブの一端がマトリクスから突出してなる微小電子源層12となる(図2(g))。これにより微小電子源装置が完成する。
なお、カーボンナノチューブの配向処理方法としては、上述した粘着テープの貼り付け及び引き剥がしによる方法以外にも、例えば、カソード電極11に電圧を印加することにより、カソード電極11とカーボンナノチューブを同じ極性で帯電させ、これに伴う反発力により各々のカーボンナノチューブを互いに分離した状態で垂直に配向させることも可能である。
その後、平面型表示装置の組み立てを行う。具体的には、蛍光体層31と微小電子源装置とが対向するようにアノードパネル2とカソードパネル1とを配置し、アノードパネル2とカソードパネル1(より具体的には、基板21と基板10)とを、枠体3を介して、周縁部において接合する。接合に際しては、枠体3とアノードパネル2との接合部位、及び枠体3とカソードパネル1との接合部位にフリットガラスを塗布し、アノードパネル2とカソードパネル1と枠体3とを貼り合わせ、予備焼成にてフリットガラスを乾燥した後、約450℃で10〜30分の本焼成を行う。その後、アノードパネル2とカソードパネル1と枠体3とフリットガラスとによって囲まれた空間を、貫通孔及びチップ管を通じて排気し、空間の圧力が10-4Pa程度に達した時点でチップ管を加熱溶融により封じ切る。このようにして、アノードパネル2とカソードパネル1と枠体3とに囲まれた空間を真空にすることができる。その後、必要な外部回路との配線を行い、図3に示す平面型表示装置を完成させる。
図3は本発明に係る平面型表示装置のパネル構造の一例を示す断面図である。
図3に示すように、カソードパネル(カソード基板)1とアノードパネル(アノード基板)2とを所定の間隙を介して対向状態に配置するとともに、それらのパネル1,2を枠体3によって一体的に組み付けることにより、画像表示のための一つのパネル構体(表示パネル)が構成されている。
カソードパネル1上には本発明の微小電子源装置が複数形成されている。これら複数の微小電子源装置は、カソードパネル1の有効領域(実際に表示部分として機能する領域)に2次元マトリックス状に多数形成されている。
図4に示すように、カソード電極11は、複数のカソードラインを形成するようにストライプ状に形成されている。ゲート電極14は、各々のカソードラインと交差(直交)する複数のゲートラインを形成するようにストライプ状に形成されている。
一方、アノードパネル2は、ベースとなる透明基板21と、この透明基板21上に形成された蛍光体層22及びブラックマトリックス23と、これら蛍光体層22及びブラックマトリックス23を覆う状態で透明基板21上に形成されたアノード電極24とを備えて構成されている。蛍光体層22は、赤色発光用の蛍光体層22Rと、緑色発光用の蛍光体層22Gと、青色発光用の蛍光体層22Bとから構成されている。ブラックマトリックス23は、各色発光用の蛍光体層22R,22G,22Bの間に形成されている。アノード電極24は、カソードパネル1の電子放出素子と対向するように、アノードパネル2の有効領域の全域に積層状態で形成されている。
これらのカソードパネル1とアノードパネル2とは、それぞれの外周部(周縁部)で枠体3を介して接合されている。また、カソードパネル1の無効領域(有効領域の外側の領域で、実際に表示部分として機能しない領域)には真空排気用の貫通孔16が設けられている。貫通孔16には、真空排気後に封じ切られるチップ管17が接続されている。ただし、図3は表示装置の組み立て完了状態を示しているため、チップ管17は既に封じ切られた状態となっている。また、図3、図4においては、各々のパネル1,2間のギャップ部分に介装される耐圧用の基板(スペーサ)の表示を省略している。
上記構成のパネル構造を有する表示装置においては、カソード電極11に相対的な負電圧がカソード電極制御回路18から印加され、ゲート電極14には相対的な正電圧がゲート電極制御回路19から印加され、アノード電極24にはゲート電極11よりも更に高い正電圧がアノード電極制御回路20から印加される。かかる表示装置において、実際に画像の表示を行う場合は、例えば、カソード電極11にカソード電極制御回路18から走査信号を入力し、ゲート電極14にゲート電極制御回路19からビデオ信号を入力する。あるいは又、カソード電極11にカソード電極制御回路18からビデオ信号を入力し、ゲート電極14にゲート電極制御回路19から走査信号を入力する。
これにより、カソード電極11とゲート電極14との間に電圧が印加され、これによって微小電子源層12の先鋭部(カーボンナノチューブ12aの先端部)に電界が集中することにより、量子トンネル効果によって電子がエネルギー障壁を突き抜けて微小電子源層12から真空中へと放出される。こうして放出された電子はアノード電極24に引き付けられてアノードパネル2側に移動し、透明基板21上の蛍光体層22(22R,22G,22B)に衝突する。その結果、蛍光体層22が電子の衝突により励起されて発光するため、この発光位置を画素単位で制御することにより、表示パネル上に所望の画像を表示することができる。
本発明の実施例を以下に示す。なお、本実施例は例示であり、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
つぎの手順で微小電子源装置を作製した。
(S11)図1(a)に示したようにガラスからなる基板10上にCrからなるカソード電極形成用の導電膜11Lを形成した後、導電膜11Lの所定の位置に常法のフォトリソグラフィによりレジスト層R1を形成する。ついで、反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜11Lをエッチング加工してカソード電極11とした。
(S12)以下の組成のカーボンナノチューブ分散液を調製した。
<カーボンナノチューブ分散液(1)>
・カーボンナノチューブ 1重量部
・有機錫化合物及び有機インジウム化合物 1重量部
・酢酸ブチル 残余
ついで、このカーボンナノチューブ分散液を用いて、回転塗布法(塗布条件:2000回転/分、30秒)によりカソード電極11及び基板10上に塗布した後、空気中で300℃、1時間の焼成を行い微小電子源層12を形成した。
(S13)ついで、微小電子源層12について常法のフォトリソグラフィ及びエッチング加工を行い、カソード電極11上の微小電子源層12だけを残し、基板10上にカソード電極11と微小電子源層12との積層部を形成した。
(S14)以下の組成の保護層形成用塗料を調製した。
<保護層形成用塗料(1)>
・酸化マグネシウム原料(Mg(O-i-C4H9)2(ジ-i-ブトキシマグネシウム)): 2重量部
・酸化カルシウム原料(Ca(O-sec-C4H9)2(ジ-sec-ブトキシカルシウム)): 2重量部
・安定化剤(ラウリン酸) :10重量部
・溶媒(酢酸ブチル) :残余
ついで、この保護層形成用塗料を用いて、回転塗布法(塗布条件:2000回転/分、30秒)により微小電子源層12上に塗布した後、空気中で焼成を行い酸化マグネシウムと酸化カルシウムとの比率が1:1で膜厚0.2μmの保護膜Pを形成した(図1(b))。
ここで、酸化マグネシウムと酸化カルシウムは同様に岩塩型結晶で、結晶系は面心立方格子の結晶構造を有しているため、保護層Pは非常に安定な構造をとることができる。保護層Pを形成したこの段階のサンプルについて、大気中にて一週間の放置試験を行ったが、保護層Pは吸湿することなく安定であった。
(S15)基板10上において、カソード電極11/微小電子源層12/保護層Pの積層部を覆うように、TEOSを原料ガスとしてCVD法によりシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜13Lを形成した。このとき、微小電子源層12は損傷を受けることなく保護されていた。さらに該層間絶縁膜13L上にスパッタリング法によりCrからなる導電膜14Lを形成した(図1(c))。
(S16)導電膜14L上にレジストマスク層R2を形成し(図1(d))、ついで、このレジストマスク層R2を用いて導電層14Lの所定部位をエッチング加工することにより、ゲート電極14の形状にするとともに、該ゲート電極14を貫通する第1の開口部15Aを形成した(図2(e))。
(S17)つぎに、ゲート電極14の第1の開口部15Aを通して層間絶縁膜13Lを以下の条件でドライエッチング加工を行い、保護層Pが露出するように第2の開口部15Bを形成し、第1,第2の開口部15A,15Bからなるゲートホール15を得た(図2(f))。
なお、このエッチング加工条件による、層間絶縁膜13Lと保護層Pとのエッチング速度の比(選択比)は200が得られ、微小電子源層12を損傷することなく良好な加工形状が得られた。
(ドライエッチング条件)
・エッチング装置 :ICP−エッチング装置
・使用ガス :CF4:O2=100:10(sccm比)
・エッチング温度 :室温〜80℃
・プラズマ励起パワー:1500W
・RFバイアス :20〜100W
・エッチング時間 :1〜10分
(S18)つぎに、3%の硝酸水溶液を用いてゲートホール15内の保護層Pを除去し、微小電子源層12を露出させた。該硝酸水溶液により保護層Pは容易に溶解し、保護層P周辺の絶縁層13、カソード電極11、ゲート電極14、微小電子源層12を構成するマトリクスは溶解することがなかった。
(S19)次に、開口部15を通して微小電子源層12の上層部のマトリックスをエッチングにより除去することにより、表面にカーボンナノチューブの一部を露出させた。
(S1a)その後、エッチングされた微小電子源層12の表面で各々のカーボンナノチューブが一様にほぼ垂直に起立するように、カーボンナノチューブの配向処理を行い、微小電子源装置とした(図2(g))。
得られた微小電子源装置サンプルと蛍光体を塗布したアノード電極を真空中で対向させて、5v/μm程度の高電界を印加し、この時の蛍光体上に設定した100個程度の1μm角の画素領域について輝度を測定した。ついで各画素の輝度の平均偏差を算術平均して算出し、この蛍光体上の輝度の均一性を電子放出均一性として評価した。
その結果、電子放出均一性2%となり、上記保護層を形成しない従来の製造方法による微小電子源装置における電子放出均一性の最良データと同じ性能が得られた。
(実施例2)
実施例1のステップS14において、保護層形成用塗料として以下の組成の塗料を用いて実施例1のステップS14と同じ方法で、酸化マグネシウムと酸化バリウムとの比率が2:1で膜厚0.3μmの保護膜Pを形成し、それ以外は実施例1と同じ条件で微小電子源装置を作製した。
<保護層形成用塗料(2)>
・酸化マグネシウム原料(Mg(C11H19O2)2(ビス(ジピバロイルメタナト)マグネシウム))
: 2重量部
・酸化バリウム原料(Ba(C11H19O2)2(ビス(ジピバロイルメタナト)バリウム))
: 1重量部
・安定化剤(ミリスチン酸) :10重量部
・溶媒(酢酸ブチル) :残余
なお、保護層Pを形成したこの段階のサンプルについて、大気中にて一週間の放置試験を行ったが、保護層Pは吸湿することなく安定であった。また、層間絶縁膜13Lのエッチング加工条件による、層間絶縁膜13Lと保護層Pとのエッチング速度の比(選択比)は150が得られ、微小電子源層12を損傷することなく良好な加工形状が得られた。
また、本実施例で得られた微小電子源装置について、実施例1と同じ方法で電子放出均一性を評価したところ2%となり、上記保護層を形成しない従来の製造方法による微小電子源装置における電子放出均一性の最良データと同じ性能が得られた。
なお、本実施例では、酸化マグネシウムと酸化カルシウムとの重量比率を1:1、あるいは酸化マグネシウムと酸化バリウムとの重量比率を2:1とする場合を示したが、この比率に限定することなく本発明の主旨を逸脱しない範囲で構造、条件等は適宜変更可能である。
本発明の微小電子源装置の製造工程図(1)である。 本発明の微小電子源装置の製造工程図(2)である。 本発明に係る平面型表示装置の構成を示す断面図である。 本発明に係る平面型表示装置の構成を示す概略図である。
符号の説明
1・・・カソードパネル、2・・・アノードパネル、10・・・基板、11・・・カソード電極、11L,14L・・・導電層、12・・・微小電子源層、12a・・・カーボンナノチューブ、12b・・・マトリクス、13・・・絶縁層、13L・・・層間絶縁膜、14・・・ゲート電極、15・・・ゲートホール、15A,15B・・・開口部、R1,R2・・・レジスト層、21・・・透明基板、22,22R,22G,22B・・・蛍光体層、23・・・ブラックマトリクス、24・・・アノード電極、P・・・保護層


Claims (4)

  1. 支持基板上のカソード電極に複数のカーボンナノチューブを含有する微小電子源層を形成する工程と、
    前記微小電子源層上に少なくとも2種以上のアルカリ土類金属の酸化物からなる保護層を形成する工程と、
    前記支持基板、カソード電極、保護層を覆う層間絶縁膜を形成し、該層間絶縁膜上に開口部を有するゲート電極を形成する工程と、
    前記開口部直下の層間絶縁膜をドライエッチングしてゲート電極及び層間絶縁膜を貫通し、保護層が露出するゲートホールを形成する工程と、
    前記ゲートホール内の保護層を除去する工程と、
    を有することを特徴とする微小電子源装置の製造方法。
  2. 前記保護層は、マグネシウム酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の微小電子源装置の製造方法。
  3. 異なるアルカリ土類金属からなる有機金属化合物を2種以上含む塗料を塗布して、前記保護層を形成することを特徴とする請求項1に記載の微小電子源装置の製造方法。
  4. 前記層間絶縁膜がドライエッチングされる際の該層間絶縁膜と前記保護層とのエッチング速度の比は100以上であることを特徴とする請求項1に記載の微小電子源装置の製造方法。
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