JP2006092882A - 電力の供給不足を未然に防ぎつつ電力を有効に利用できる燃料電池システム、燃料電池システム制御方法および建造物 - Google Patents

電力の供給不足を未然に防ぎつつ電力を有効に利用できる燃料電池システム、燃料電池システム制御方法および建造物 Download PDF

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Abstract

【課題】 電力の供給不足を未然に防ぎつつ電力を有効に利用できる燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】 消費電力を増加する前に、消費電力の増加量と優先度とを含む要求情報を予め送信する電力負荷と、電力負荷から受け取った要求情報で示される電力を燃料電池が供給できる場合に電力消費を許可する燃料電池制御部とを備え、燃料電池制御部は要求情報で示される電力を燃料電池が供給できない場合に、既に許可した電力消費のうち要求情報で示される優先度より低い優先度の電力消費を取り消すことによって要求情報で示される電力を燃料電池が供給できることを条件として、要求情報に対して電力消費を許可するとともに要求情報で示される優先度よりも低い優先度の電力消費を取り消す旨のキャンセル要求を電力負荷に送信する。キャンセル要求を受け取った電力負荷はキャンセル要求に従って電力消費を取り消す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力の供給不足を未然に防ぎつつ電力を有効に利用できる燃料電池システム、燃料電池システム制御方法および建造物に関する。特に本発明は、燃料電池制御部から電力の消費を取り消す旨を示すキャンセル要求を電力負荷が受け取った場合に、キャンセル要求で示される電力の消費を取り消す、燃料電池システム、燃料電池システム制御方法および建造物に関する。
燃料電池を用いた分散型電源システムにおいては、例えば、家庭等小規模な電力需要家に燃料電池が設置され、燃料電池の発電する電力を電力負荷が消費する。また、燃料電池の他に、蓄電池や電力系統からも電力の供給を受けるシステムがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003-235162号公報
一般に、小規模な電力需要家では一時的な負荷変動が大きい。このため、電力負荷が必要とする電力の合計値が燃料電池の発電できる最大の電力を越えることによってシステム全体が電力不足に陥る場合がある。このため、電力負荷が必要とする電力を受け取ることができずに動作不良に陥る場合があった。
また、電力会社等外部の電力系統や大容量の蓄電池から不足する電力の供給を受けるシステムでは、電力系統との接続に要する装置や蓄電池などの設備コストがかかるため好ましくない。また、不足する電力を電力系統から受電した場合は電力コストがかかるため好ましくない。
このような課題を解決するために、本発明の第1の形態における燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池が発電した電力により動作する電力負荷と、電力負荷が電力の消費量を増加させる場合に、電力消費の増加量と、電力を消費する優先度を示す要求情報を予め送信する要求制御部と、要求制御部から要求情報を受け取った場合に、電力負荷へ燃料電池が更に電力を供給することができることを条件として、消費電力を増加しても良い旨を示す許可通知を送信する燃料電池制御部と、許可通知を燃料電池制御部から受け取ったことを条件として電力負荷の消費電力を増加させる負荷制御部とを備え、燃料電池制御部は、許可通知によって既に許可した電力消費の優先度を、要求情報で示される優先度に基づいて記憶しており、要求制御部から受け取った新たな要求情報で示される電力消費の増加量を燃料電池が供給することができない場合に、既に許可通知によって許可した電力の消費のうち、新たな要求情報で示される優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消すことによって新たな要求情報で示される電力消費の増加量を燃料電池が供給できることを条件として、新たな要求情報に対して許可通知を負荷制御部に送信し、かつ、新たな要求情報で示される優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消す旨のキャンセル要求を負荷制御部に送信する。負荷制御部は、燃料電池制御部からキャンセル要求を受け取った場合に、キャンセル要求で示される電力の消費を取り消す。
要求制御部は電力負荷が電力の消費量を増加させる場合に、電力消費の増加量と、電力を消費する優先度を示す要求情報を予め送信するので、電力負荷に電力を供給することができるか否かを予め判断できる。また、燃料電池の発電量を予め増加させておくことができる。また燃料電池制御部は要求制御部から要求情報を受け取った場合に、電力負荷へ燃料電池が更に電力を供給することができることを条件として、消費電力を増加しても良い旨を示す許可通知を送信するので、燃料電池の電力を有効に利用しつつ、燃料電池システムを安定させることができる。また負荷制御部は許可通知を燃料電池制御部から受け取ったことを条件として電力負荷の消費電力を増加させるので、システム全体が電力不足に陥ることを未然に防げる。また燃料電池制御部は、要求制御部から受け取った新たな要求情報で示される電力消費の増加量を燃料電池が供給することができない場合に、既に許可通知によって許可した電力の消費のうち、新たな要求情報で示される優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消すことによって新たな要求情報で示される電力消費の増加量を燃料電池が供給できることを条件として、新たな要求情報に対して許可通知を負荷制御部に送信し、かつ、新たな要求情報で示される優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消す旨のキャンセル要求を負荷制御部に送信するので、電力負荷の消費する電力を燃料電池が発電することができる最大の電力量以下に維持しつつ、優先度のより高い電力負荷に電力を供給することができる。また負荷制御部は燃料電池制御部からキャンセル要求を受け取った場合に、キャンセル要求で示される電力の消費を取り消すので、電力の供給不足を未然に防ぎ、ひいては電力負荷を予め保護することができる。
要求制御部は、電力負荷が増加させる電力の消費量の、一部の優先度が他の一部の優先度よりも高い場合に、優先度毎の電力消費の増加量を示す要求情報を燃料電池制御部に送信する。このため、電力負荷が消費する電力の大きさの必要度に応じて、複数の電力負荷が電力を有効に利用し合うことができる。要求制御部は、電力負荷が複数の期間において異なる優先度で電力の消費量を増加させる場合に、期間毎に優先度を決定して、期間を示す期間情報と期間毎の優先度とを含む要求情報を燃料電池制御部に送信する。このため、複数の電力負荷が電力を更に有効に利用し合うことができる。
負荷制御部は、燃料電池制御部からキャンセル要求を受け取った場合に、キャンセル要求で示される電力の消費を取り消すとともに、既に受け取っている許可通知で許可された電力の消費のうち、更に取り消す必要のある電力の消費を選択し、当該電力の消費を取り消す旨を示すキャンセル通知を燃料電池制御部に送信する。このため、燃料電池の発電する電力を無駄に消費せずにすむ。
要求制御部は、負荷制御部が燃料電池制御部からキャンセル要求を受け取った場合に、キャンセル要求に従って電力の消費を取り消すことによって新たに電力の消費量を増加させる必要があることを条件として、新たに増加させる電力の消費量と、電力の消費量を増加させる期間と、優先度とを含む電力の消費スケジュールを新たに立て直し、当該スケジュールに基づいて、要求情報を燃料電池制御部に送信する。このため、電力負荷が目的とする動作を中止する必要がある場合であっても、再度電力負荷が目的とする動作を達成すべく電力を要求することができる。
燃料電池は、複数設けられており、燃料電池制御部は燃料電池毎に設けられている。要求制御部は、予め複数の燃料電池制御部のそれぞれに要求情報を送信する。燃料電池制御部は、要求制御部から新たな要求情報を受け取った場合に、既に許可通知によって許可した電力の消費のうち、新たな要求情報で示される優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消すことによって燃料電池から電力負荷へ供給することができる範囲の電力量を示す許可通知を負荷制御部に送信する。負荷制御部は、複数の燃料電池制御部から許可通知を受け取った場合に、許可通知で示される電力量の合計値が電力負荷の必要とする電力を上回ることを条件として、消費電力を増加させる。
燃料電池は複数設けられているので、幅広い負荷に変動に対応することができる。また燃料電池制御部は燃料電池毎に設けられているので、当該燃料電池制御部が管理する燃料電池が電力を供給することができるか否かを判断するだけで応答を返却することができる。このため、より高速に応答することができる。また燃料電池制御部は要求制御部から新たな要求情報を受け取った場合に、既に許可通知によって許可した電力の消費のうち、新たな要求情報で示される優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消すことによって燃料電池から電力負荷へ供給することができる範囲の電力量を示す許可通知を負荷制御部に送信するので、燃料電池が供給することのできる電力の範囲内で電力を有効に利用することができる。また、電力負荷は、燃料電池が供給することができる電力を事前に知ることができるので、いずれの燃料電池から電力の供給を受け取るべきかを事前に判断することができる。また負荷制御部は複数の燃料電池制御部から許可通知を受け取った場合に、許可通知で示される電力量の合計値が電力負荷の必要とする電力を上回ることを条件として、消費電力を増加させるので、電力負荷が必要とする電力を受け取ることができない場合に、電力の消費を開始することを防ぎ、電力の需給を安定させることができる。
負荷制御部は、燃料電池制御部から許可通知を受け取った場合に、いずれの燃料電池から電力を受け取るかを選択し、選択した各々の燃料電池から受け取る電力の大きさを許可通知で示される電力量の範囲内で決定し、選択した1以上の燃料電池制御部に対して、各々の燃料電池から受け取る電力の大きさを示す選択通知を送信する。燃料電池制御部は、負荷制御部から選択通知を受け取った場合に、選択通知で示される電力を燃料電池が供給することができないことを条件として、キャンセル要求を負荷制御部に送信する。
負荷制御部は燃料電池制御部から許可通知を受け取った場合に、いずれの燃料電池から電力を受け取るかを選択し、選択した各々の燃料電池から受け取る電力の大きさを許可通知で示される電力量の範囲内で決定し、選択した1以上の燃料電池制御部に対して、各々の燃料電池から受け取る電力の大きさを示す選択通知を送信するので、複数の燃料電池を制御する統括制御部を設けることなく、電力負荷に電力を供給するか否かを各燃料電池が独立して判断することができる。このため、システム全体の制御方法を変更することなく、新たな燃料電池を増設することができる。また燃料電池制御部は負荷制御部から選択通知を受け取った場合に、選択通知で示される電力を燃料電池が供給することができないことを条件として、キャンセル要求を負荷制御部に送信するので、必要以上に電力の消費が取り消されることを防げる。
本発明の他の形態における燃料電池システム制御方法は、燃料電池の電力を消費する電力負荷が電力の消費量を増加させる場合に、電力消費の増加量と、電力を消費する優先度を示す要求情報を燃料電池の制御部に予め送信する要求制御ステップと、燃料電池の制御部が要求情報を受け取った場合に、電力負荷へ燃料電池から更に電力を供給することができることを条件として、消費電力を増加しても良い旨を示す許可通知を送信するとともに、許可通知によって許可した電力消費の優先度を要求情報で示される優先度に基づいて記憶する燃料電池制御ステップと、許可通知を受け取ったことを条件として電力負荷の消費電力を増加させる負荷制御ステップとを備え、燃料電池制御ステップは、燃料電池の制御部が受け取った新たな要求情報で示される電力消費の増加量を燃料電池が供給することができない場合に、既に許可通知によって許可した電力の消費のうち、新たな要求情報で示される優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消すことによって新たな要求情報で示される電力消費の増加量を燃料電池が供給できることを条件として、新たな要求情報に対して許可通知を送信し、かつ、新たな要求情報で示される優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消す旨のキャンセル要求を送信する。負荷制御ステップは、燃料電池の制御部からキャンセル要求を受け取った場合に、キャンセル要求で示される電力の消費を取り消す。
本発明の他の形態における建造物は、燃料電池と、燃料電池が発電した電力により動作する電力負荷と、電力負荷が電力の消費量を増加させる場合に、電力消費の増加量と、電力を消費する優先度を示す要求情報を予め送信する要求制御部と、要求制御部から要求情報を受け取った場合に、電力負荷へ燃料電池が更に電力を供給することができることを条件として、消費電力を増加しても良い旨を示す許可通知を送信する燃料電池制御部と、許可通知を燃料電池制御部から受け取ったことを条件として電力負荷の消費電力を増加させる負荷制御部とを備え、燃料電池制御部は、許可通知によって既に許可した電力消費の優先度を、要求情報で示される優先度に基づいて記憶しており、要求制御部から受け取った新たな要求情報で示される電力消費の増加量を燃料電池が供給することができない場合に、既に許可通知によって許可した電力の消費のうち、新たな要求情報で示される優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消すことによって新たな要求情報で示される電力消費の増加量を燃料電池が供給できることを条件として、新たな要求情報に対して許可通知を負荷制御部に送信し、かつ、新たな要求情報で示される優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消す旨のキャンセル要求を負荷制御部に送信する。負荷制御部は、燃料電池制御部からキャンセル要求を受け取った場合に、キャンセル要求で示される電力の消費を取り消す。
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
本発明によれば、燃料電池から電力負荷への電力の供給不足を未然に防ぎつつ、電力負荷が電力を有効に利用できる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の開発手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成の一例を示す図である。本実施形態は、燃料電池が発電する電力を有効に利用できる燃料電池システムを提供することを目的とする。
燃料電池システム30は、例えば複数の住居(110a〜110b、以下110と総称する。)を含む建造物である集合住宅に電力を供給する。ここで、集合住宅とは、一の建築物に複数の住居110を設けたものであってよく、異なる領域に設けられた複数の建築物のそれぞれを住居110としたものであってもよい。
住居110bは、住居110aと同一の構成要素を持つ。住居110bが持つ各構成要素の符号の末尾にbの符号を付けることにより、住居110bの構成要素であることを識別する。すなわち、燃料電池システム30は、複数の燃料電池(40a〜40b、以下40と総称する。)、複数の電力負荷(44a〜44b、以下44と総称する。)、燃料電池制御部50、電力線72、および通信網74を備える。
以下、住居110aの各構成要素の動作について説明する。燃料電池40aは、住居110aのそれぞれに設けられ、電力負荷44aに電力を供給する。また、燃料電池40aが発電する電力は、電力線72を介していずれの電力負荷44に対しても供給できる。燃料電池40aは、例えば固体高分子型燃料電池(PEFC)である。燃料電池40aは、例えば住居110aに供給される都市ガス、プロパンガス等を改質して、燃料となる水素ガスを生成するものであってよく、また外部から供給される水素ガスを燃料とするものであってもよい。また、燃料電池40aはバッテリを備えており、当該バッテリを、非常時に燃料電池システム30を機能させるための電源として使用してよく、また、燃料電池システム30を立ち上げるときの電源として使用してもよい。
電力負荷44aは、燃料電池40が発電した電力により動作する。電力負荷44aは、電力の消費量を増加する前に、予め燃料電池制御部50に電力の供給を要求する。そして、燃料電池制御部50から電力の消費を許可されたことを条件として電力消費量を増加させる。このため、システム全体が電力不足に陥ることを未然に防げる。
以上、住居110aの各構成要素の動作について説明したが、住居110bが持つそれぞれの各構成要素の動作は、住居110aの各構成要素の動作と同一であるので説明を省略する。
このように、住居110のそれぞれに燃料電池40が設けられているので、負荷の幅広い変動に対応することができる。また、電力負荷44の必要とする電力をより少ない台数の燃料電池40から供給することによって、燃料電池40が部分負荷運転となることを避け、より高い運転効率で燃料電池40を駆動することができる。
燃料電池制御部50は、電力負荷44から電力の供給を要求された場合に、要求された電力を燃料電池40から供給することができることを条件として電力負荷44に電力の消費を許可するとともに、燃料電池40が発電する電力を増加させる。例えば燃料電池制御部50は、全ての燃料電池40が発電することのできる電力の上限値を予め定めており、要求された電力の合計値が当該上限値を越えない場合に、電力負荷44に電力の消費を許可する。また、要求された電力の合計値が当該上限値を越える場合であっても、燃料電池制御部50は電力負荷44に許可することのできる範囲の電力の消費を許可する。このようにして、燃料電池システム30の電力の需給を安定させることができる。
電力負荷44、燃料電池制御部50、および燃料電池40は、通信網74を介して接続される。通信網74は、電力負荷44と燃料電池制御部50の間の通信信号、および燃料電池40と燃料電池制御部50の間の通信信号を媒介する。例えば、電力負荷44は、通信網74を介して電力を要求する信号を燃料電池制御部50に送信し、燃料電池制御部50は、通信網74を介して電力の消費を許可する信号を電力負荷44に送信する。通信網74は、イーサーネット(登録商標)等の通信ネットワークを構成する通信網であってよい。また、電力負荷44および燃料電池制御部50が通信する他の方法としては、電力負荷44および燃料電池制御部50との間の通信信号を、電源の周波数より十分に高い高周波に変調し、電源ラインに重畳してもよい。
図2は、電力負荷44aの構成の一例を示す図である。電力負荷44aは、負荷部64a、動作モードテーブル56a、負荷制御部58a、および要求制御部66aを備える。
以下、図2を用いて電力負荷44aの各構成要素の動作について説明する。負荷部64aは燃料電池40から供給される電力を消費する。動作モードテーブル56aは、電力負荷44aの動作モードに応じた消費電力を格納する。例えば電力負荷44aが冷房機器であり、急速冷房と通常冷房の動作モードを持つとき、それぞれの動作モードで動作するために必要な消費電力をそれぞれの動作モードに対応づけて動作モードテーブル56aに格納する。
要求制御部66aは、電力負荷44aの消費電力を増やす必要がある場合に、予め燃料電池制御部50に電力を要求する旨を示す要求情報を送信する。このとき、動作モードテーブル56aを参照して増加させる必要のある消費電力を判断し、増加必要量を燃料電池制御部50に要求情報として送信する。負荷制御部58aは、燃料電池制御部50から電力の消費を許可された場合に、燃料電池制御部50から許可された電力量に応じて電力負荷44aの消費電力を増加させる。このとき負荷制御部58aは、動作モードテーブル56aを参照し、許可された電力量の範囲内で動作することのできる動作モードを判断し、負荷部64aを制御して当該動作モードに遷移してよい。
以上、電力負荷44aの各構成要素の動作を説明したが、住居110bの電力負荷44bは電力負荷44aと同一の構成要素を有し、電力負荷44bの各構成要素は電力負荷44aの各構成要素と同一の動作をするので、説明を省略する。また、電力負荷44bの有する各構成要素の符号の末尾にbを付けることにより、いずれの電力負荷44の構成要素であるかを識別する。
図3は、電力負荷44が電力を要求する通信シーケンスの一例を示す図である。図3のシーケンスでは、燃料電池制御部50が電力負荷44bに対して電力の消費を既に許可しており、その後に電力負荷44aから電力の要求を受ける場合のシーケンスである。
要求制御部66aは、電力負荷44aの消費電力を増やす必要がある場合に、電力の消費を増加するスケジュールを決定する(S201)。S201において要求制御部66aは、増加させる電力量、電力を消費する優先度、電力の消費を増加させる時刻、および電力の消費を増加させる期間を含む電力の消費情報を決定する。要求制御部66aは、S201で決定した電力の消費情報を示す要求情報を燃料電池制御部50に送信する(S202)。
燃料電池制御部50は、要求制御部66aから受け取った要求情報に基づいて、要求された電力を供給できるか否かを判定する(S203)。S203において燃料電池制御部50は、要求情報で要求される電力を供給できるか否かを判断する。要求情報で要求される電力を供給できない場合には、燃料電池制御部50はS202で受け取った要求情報で示される優先度よりも優先度の低い電力の消費を取り消すことによって要求情報で要求される電力を供給できるか否かを判断する。このために燃料電池制御部50は、要求情報に対して電力の消費を許可する場合に、当該要求情報で示される電力量、電力を消費する優先度、電力の消費を増加させる時刻、および電力の消費を増加させる期間を記憶しておく。燃料電池制御部50は、S203での判断に基づいて、要求情報で要求される電力を供給できる場合、または、優先度のより低い電力の消費を取り消すことによって電力を供給できる場合は、電力の消費を許可する旨を示す許可通知を要求制御部66aに送信する(S204)。
燃料電池制御部50は、S202において受信した要求情報に基づいて、燃料電池40aおよび燃料電池40bの出力を調整する(S216)。この場合、燃料電池40の総合的な発電効率が最も高くなるよう燃料電池40のそれぞれが発電する電力量を調整することが望ましい。負荷制御部58aは、燃料電池制御部50から許可通知を受け取ったことを条件として、負荷部64aを制御して電力の消費を開始させる(S218)。
燃料電池制御部50は、S203において優先度のより低い電力の消費を取り消す必要があると判断した場合は、電力の消費の取り消しを要求するキャンセル要求を負荷制御部58bに送信する(S206)。なお、ここでは、燃料電池制御部50が負荷制御部58bに対してS202の要求情報で示される電力の消費よりも低い優先度で電力の消費を許可しており、S202の要求情報で要求される電力を供給するためには、負荷制御部58bに対して既に許可した電力の消費を取り消す必要がある場合を示す。
キャンセル要求を受信した負荷制御部58bは、キャンセル要求で指示された電力の消費を取り消すとともに、既に許可通知で許可した他の電力の消費を取り消すか否かを決定する(S208)。例えば、電力負荷44bが一連の動作を行う場合、その一部の動作で必要となる電力の消費をキャンセル要求に基づいて取り消すことによって、電力負荷44bが一連の動作を停止せざるを得ない場合がある。このような場合に負荷制御部58bは、キャンセル要求で示される電力の消費以外の部分についても電力の消費を更に取り消すことを燃料電池制御部50に通知すべく、電力の消費を取り消す旨を示すキャンセル通知を燃料電池制御部50に送信する(S210)。
続いて要求制御部66bは、電力負荷44bが必要とする動作を行うため、電力の消費スケジュールを新たに決定する(S212)。決定したスケジュールに基づいて、要求制御部66bは要求情報を燃料電池制御部50に送信する(S214)。
なおS204のように、キャンセル要求の送信(S206)よりも前に許可通知を送信するシーケンスは、電力負荷44bがS206のキャンセル要求で指定する電力の消費を開始していない場合のシーケンスである。既に電力負荷44bが電力の消費を開始している場合には、許可通知を送信する前にキャンセル要求を送信する。負荷制御部58bはキャンセル要求を受け取った場合に、キャンセル要求で示される電力の消費を停止することができることを条件として、燃料電池制御部50にキャンセル通知を送信する。燃料電池制御部50は、負荷制御部58bからキャンセル通知を受け取ったことを条件として、負荷制御部58aに許可通知を送信する。このように、燃料電池制御部50がキャンセル通知を受け取った後に許可通知を送信することで、電力負荷44bが電力の消費を停止した後に、電力負荷44aが電力の消費を開始させることができる。
以上説明したように、要求制御部66が、電力負荷44が電力の消費量を増加させる場合に、電力消費の増加量と、電力を消費する優先度を示す要求情報を予め送信するので、燃料電池制御部50は電力負荷44に電力を供給することができるか否かを予め判断できる。また、燃料電池40の発電量を予め増加させておくことができる。
また、燃料電池制御部50が、許可通知によって既に許可した電力消費の優先度を要求情報で示される優先度に基づいて記憶するので、新たに受け取った要求情報で要求される電力の消費の優先度と、既に許可した電力の消費と優先度とを比較することができる。さらに、要求制御部66から受け取った新たな要求情報で示される電力消費の増加量を燃料電池40が供給することができない場合でも、新たな要求情報で示される優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消すことによって新たな要求情報で要求された電力を燃料電池40から供給できる場合には、新たな要求情報に対して許可通知を負荷制御部58に送信するとともに、新たな要求情報で示される優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消すべくキャンセル通知を負荷制御部58に送信するので、燃料電池40の供給できる電力量以下に電力負荷44の消費する電力を維持しつつ、電力の消費の優先度のより高い電力負荷44に電力を供給することができる。
また、負荷制御部58が燃料電池制御部50から受け取ったキャンセル要求を基に電力の消費を取り消すので、電力の供給不足を未然に防ぎ、ひいては電力負荷44を予め保護することができる。また、負荷制御部58が、燃料電池制御部50からキャンセル要求を受け取った場合に、キャンセル要求で示される電力の消費を取り消すとともに、既に許可通知によって許可された電力の消費のうち、更に取り消す必要のある電力の消費を選択し、当該電力の消費を取り消す旨を示すキャンセル通知を燃料電池制御部50に送信するので、燃料電池40の発電する電力を無駄に消費せずにすむ。
また、燃料電池制御部50から受け取ったキャンセル要求に従って電力の消費を取り消すことによって、新たに電力の消費量を増加させる必要がある場合に、要求制御部66が電力の消費スケジュールを新たに立て直し、当該スケジュールに基づいて、要求情報を燃料電池制御部50に送信するので、キャンセル要求によって電力負荷44が目的とする動作を中止する必要がある場合であっても、再度電力負荷44が目的とする動作を達成すべく電力を要求することができる。
図4は、要求制御部66が送信する要求情報の一例を示す図である。図4では、5個の要求情報が例示されている。要求情報は、負荷ID、要求番号、開始時刻、消費時間、電力、および優先度を要素として持つ。要求情報の要素「負荷ID」は、それぞれの電力負荷44に割り当てられた一意な番号を示す。例えば要求制御部66は、要求制御部66に記憶された負荷IDを要求情報に指定する。燃料電池制御部50は、要求情報に含まれる負荷IDによっていずれの電力負荷44から受け取った要求情報であるかを識別できる。要求情報の要素「要求番号」は電力負荷44が任意に設定する番号であり、送信した要求情報のそれぞれを電力負荷44が識別できるよう要求制御部66が設定する。要求情報の要素「開始時刻」は、電力負荷44が電力の消費の増加を開始する時刻を示す。要求情報の要素「消費時間」は、電力負荷44が電力の消費を継続する期間を示す。要求情報の要素「電力」は、電力負荷44が増加させる電力の大きさを示す。要求情報の要素「優先度」は、電力負荷44が消費する電力の優先度を示す。例えば、優先度の高い順に、1、2、および3の3種類の優先度を設定する。例えば待機電力などのように、電力の消費を取り消されることによって電力負荷44の機能に支障が出る場合は、最も優先度が高い優先度1で電力の消費を要求する。
優先度は、電力の消費の取り消しを許容するか否かを示すものであってよい。例えば要求制御部66は、電力の消費の取り消しを許容するものには優先度として1を設定し、電力の消費の取り消しを許容しないものには優先度として0を設定する。また優先度は、電力負荷44のそれぞれに予め割り当てられた値であってもよい。
なお図4では、負荷IDとして#12を持つ電力負荷44が、要求番号#121、#122、#123、および#124によって識別される要求情報を燃料電池制御部50に送信していることを示す。また負荷IDとして#11を持つ電力負荷44が、要求番号#111で識別される要求情報を燃料電池制御部50に送信していることを示す。
このように要求制御部66は、電力の消費の増加を開始する時刻、電力の消費を継続する期間、増加させる電力の大きさ、および優先度の組み合わせで指定される要求情報を燃料電池制御部50に送信する。つまり要求制御部66は、電力負荷44が増加させる電力の消費量のうち、一部の優先度が他の一部の優先度よりも高い場合には、優先度毎の電力消費の増加量を示す要求情報を燃料電池制御部50に送信する。このようにして、電力負荷44が消費する電力の大きさの必要度に応じて、複数の電力負荷44が電力を有効に利用することができる。また、電力負荷44が電力を消費する期間毎に優先度を決定して、期間を示す期間情報と期間毎の優先度とを含む要求情報を燃料電池制御部50に送信する。このため、複数の電力負荷44が電力を更に有効に利用することができる。
なお、要求情報に含まれる、電力の消費の増加を開始する時刻、電力の消費を継続する期間、増加させる電力の増加量、および電力の消費の優先度の一部または全てを、電力負荷44の使用者が指示した少なくとも一の情報に基づいて電力負荷44が決定してもよいし、電力負荷44の使用者の指示なしに電力負荷44が決定してもよい。例えば、電力負荷44が室内を冷房する冷房機器であるとき、要求制御部66は、現在の室温、外気温、ならびに使用者から指示された目標温度に基づいて、増加すべき消費電力、電力の消費を開始する時刻、電力を消費する期間、および電力の消費の優先度をそれぞれ決定する。要求制御部66が優先度を決定する場合、例えば現在の室温と目標温度との温度差が予め定めた温度差より大きい場合に、電力の消費の優先度をより高く設定する。
燃料電池制御部50は、要求情報で示される電力の消費を許可する場合には、要求情報に含まれる負荷IDで識別される電力負荷44の負荷制御部58に対して、当該要求情報で示される要求番号を含む許可通知を送信する。また、燃料電池制御部50は、供給することのできる範囲内の電力情報を許可通知に含めて送信してもよい。例えば燃料電池制御部50は、要求番号、許可する範囲の電力量、電力の消費の開始を許可する開始時刻、および許可する消費時間を許可通知に含めて送信してもよい。負荷制御部58は、燃料電池制御部50から受け取った許可通知で示される許可された範囲内で消費電力を増加させる。
燃料電池制御部50は、受け取った要求情報に対して許可通知を送信する場合に、要求情報に含まれる情報を記憶しておく。例えば燃料電池制御部50は、要求情報に含まれる負荷ID、要求番号、開始時刻、消費時間、電力、および優先度を記憶しておく。また燃料電池制御部50は、供給することのできる範囲内の電力情報を許可通知に含めて送信した場合には、許可通知によって許可した範囲の電力情報を記憶しておく。例えば燃料電池制御部50は、要求情報で要求された負荷ID、要求番号、および優先度、ならびに、電力の消費の開始を許可する開始時刻、許可する電力の消費時間、および許可する範囲の電力量を記憶しておく。
図5は、キャンセル要求の一例を示す図である。キャンセル要求は、要求番号と電力の情報を含む。要求番号には、燃料電池制御部50が電力の消費を取り消す要求番号が指定される。電力値には取り消す必要のある電力値が指定される。
負荷制御部58は許可通知を受け取った場合に、許可通知で示される情報を記憶しておく。負荷制御部58はキャンセル要求で示される要求番号に基づいて、記憶しておいた許可通知の情報からいずれの電力の消費を取り消すかを識別し、当該電力の消費を取り消す。また負荷制御部58は、キャンセル要求で指示された電力値に応じて電力の消費を削減する。
図6は、電力の消費を取り消す旨を示すキャンセル通知の一例を示す図である。キャンセル通知は、負荷ID、要求番号、および電力の情報を含む。負荷IDには、要求情報と同様に電力負荷44に設定された負荷IDが指定される。要求番号には、電力の消費を取り消す要求番号が指定される。電力には、電力の消費を取り消す電力が指定される。なお、負荷制御部58がキャンセル要求で受け取った電力の消費を取り消す場合には、電力にはキャンセル要求で指示された電力以上の電力を指定する。燃料電池制御部50は、キャンセル通知に含まれる負荷IDと要求番号によって、既に許可した電力の消費の中から取り消すべき電力の消費を判別する。また、燃料電池制御部50は、取り消す電力値を判断することができる。
また、負荷制御部58は許可通知を受け取った後に、許可された電力の消費に対して、優先度を変更してもよい。この場合、負荷制御部58は、優先度変更情報を燃料電池制御部50に送信する。優先度変更情報は、例えば負荷ID、要求番号、および変更する優先順位を含む。これによって、電力の消費の優先度が時間的に変わる場合でも、優先度を適切に変更することで電力を有効に消費できる。例えば、電力負荷44が冷房装置である場合に、室内の温度と目標温度に基づいて電力の消費の優先度を決定し、予め燃料電池制御部50に要求情報を送信する。負荷制御部58は室内の温度が時間の経過とともに当初予想した以上に高まったことを検知した場合に、要求情報で要求した優先度よりも高い優先度を示す優先度変更情報を燃料電池制御部50に送信する。
また、要求制御部66は、電力の消費時間を決めることができない場合は、要求情報で指定する消費時間を定めずに要求情報を送信してもよい。燃料電池制御部50はこのような要求情報を受け取った場合に、電力を供給することのできる範囲の消費時間を示す許可通知を負荷制御部58に送信する。また電力負荷44が時間的な幅を持って電力の消費を開始してもよい場合には、要求制御部66は電力の消費を開始する期限を示す情報を要求情報とともに送信してもよい。この場合に要求制御部66は、例えば要求情報の開始時刻の代わりに、電力の消費を開始する期限を秒単位で指定する。燃料電池制御部50はこのような要求情報を受け取った場合に、要求情報で示される期限までに要求された電力を供給できるよう電力の消費を開始させる時刻を決定し、決定した時刻を許可通知で通知する。このとき燃料電池制御部50は、燃料電池40の発電効率が最も高くなるよう電力負荷44が電力の消費を開始させる時刻を決定することが望ましい。
また、要求制御部66は、複数の要求情報で構成される電力の消費パターンを燃料電池制御部50に要求してもよい。この場合に要求制御部66は、電力の消費パターンが複数の要求情報から構成される旨を示す消費パターン情報を、当該複数の要求情報とともに送信してもよい。例えば要求制御部66は、負荷IDと、当該複数の要求情報で指定する複数の要求番号を含む消費パターン情報を、当該複数の要求情報とともに燃料電池制御部50に通知する。燃料電池制御部50はこのような消費パターン情報を受け取った場合に、消費パターン情報に含まれる負荷IDおよび複数の要求番号、ならびに当該複数の要求番号で指定される要求情報で構成される電力の消費パターンを判断し、当該電力の消費パターンに沿って電力を供給できる場合に、複数の要求情報のそれぞれに対する複数の許可通知を負荷制御部58に送信する。このように、電力負荷44が一連の動作をする場合に必要な複数の要求情報を消費パターン情報によって一括して要求し、燃料電池制御部50が消費パターン情報で示される複数の要求情報で要求される電力を供給できるか否かを一括して判断するので、燃料電池制御部50が個々の要求情報に対してキャンセル通知を送信することがないため、燃料電池システム30を更に安定させることができる。
また要求制御部66は、複数の要求情報で構成される電力の消費パターンを要求する場合に、複数の要求情報に含まれる開始時刻に、要求制御部66が定める任意の基準時刻からの相対的な時刻を設定してもよい。この場合に要求制御部66は、当該基準時刻を示す時刻を含む消費パターン情報を燃料電池制御部50に送信する。また消費を開始する期限を含む消費パターン情報を燃料電池制御部50に送信してもよい。要求制御部66がこのような要求情報を送信することで、燃料電池制御部50は電力負荷44に対して消費パターンで示される電力の消費をより適切な時刻に開始させることができる。
図7は、要求情報に基づいた電力消費の時間発展の一例を示す図である。図7の要求情報に基づく電力消費スケジュールは、図4で例示した要求情報を基にしたスケジュールである。以下、電力負荷44aおよび電力負荷44bは、それぞれ#11および#12の負荷IDを持つとする。
図7の要求情報に基づく電力消費スケジュールは、要求番号が#121、#122、#123、および#124で示される電力の消費を電力負荷44bに対して許可しており、さらに、要求番号が#111で示される電力の消費を電力負荷44aから新たに要求された場合を示す。当該電力消費スケジュールによれば、時刻10:01から時刻10:02にかけて、燃料電池40が供給することのできる電力の上限値を200W越える。一方で#123で示される電力の消費量は200Wであり、なおかつ、要求番号#123で示される優先度3は、要求番号#111で示される優先度2よりも低い。このとき燃料電池制御部50は、優先度のより低い#123で示される要求情報で示される電力の消費を取り消すべくキャンセル要求を負荷制御部58bに送信し、負荷制御部58aに対しては許可通知を送信して#111で示される電力の消費を許可する。
また、#123で示される電力の消費に対してキャンセル要求を受け取った負荷制御部58bは、#123の電力の消費を取り消す。また負荷制御部58bは、要求番号が#122、#123、および#124で示される電力を消費することで電力負荷44bが一連の動作を行うことができる場合、#123で示される電力の消費を取り消すことによって、#122および#124で示される電力を消費する必要がなくなる。したがって負荷制御部58bは、要求番号が#122および#124で示される電力の消費も取り消すべく、キャンセル通知を燃料電池制御部50に送信する。さらに要求制御部66bは、電力の消費スケジュールを再度立て直し、立て直した消費スケジュールに基づいて、図7の再スケジュール後の要求情報に基づく電力消費スケジュールに示されるように、要求番号#125、#126、および#127で示される電力の増加を要求すべく要求情報を燃料電池制御部50に送信する。
以上説明したように本実施形態の燃料電池システム30では、燃料電池40から電力負荷44への電力の供給不足を未然に防ぎつつ、電力負荷44が燃料電池40の発電する電力を有効に利用することができる。
図8は、燃料電池システム30の構成の他の例を示す。本実施形態では、燃料電池40毎に燃料電池制御部50が備えられる他は、第1の実施形態と同様である。本実施形態では、要求制御部66aはそれぞれの燃料電池制御部50に要求情報を送信する。燃料電池制御部50はそれぞれの燃料電池40が電力負荷44に供給できる上限値を予め記憶しておく。そして、燃料電池制御部50は、要求情報を受け取った場合にそれぞれの燃料電池40が許容することのできる電力の増加量を負荷制御部58に許可通知として通知する。負荷制御部58は、複数の燃料電池制御部50から許可通知を受け取った場合に、許可通知で示される電力量の合計値が電力負荷44の必要とする電力を上回ることを条件として消費電力を増加させる。
このように、本実施形態の燃料電池システム30では、燃料電池制御部50が燃料電池40毎に設けられているので、燃料電池制御部50はそれぞれの燃料電池40が電力を供給することができるか否かを判断するだけで応答を返却することができる。このため、より高速に応答することができる。また、負荷制御部58が複数の燃料電池制御部50から許可通知を受け取った場合に、許可通知で示される電力量の合計値が電力負荷44の必要とする電力を上回ることを条件として消費電力を増加させるので、電力負荷44が必要とする電力を受け取ることができない場合に電力の消費を開始することを防ぎ、燃料電池から電力負荷44への電力の供給不足を未然に防ぐことができる。
図9は、電力負荷44が電力を要求するシーケンスの一例を示す。図9のシーケンスでは、燃料電池制御部50aおよび燃料電池制御部50bが電力負荷44bに対して電力の消費を既に許可しており、その後に電力負荷44aから電力の要求を受ける場合のシーケンスである。
要求制御部66aは、電力負荷44aの消費電力を増やす必要がある場合に、電力の消費を増加するスケジュールを決定する(S601)。要求制御部66aは、燃料電池制御部50aおよび燃料電池制御部50bのそれぞれに要求情報を送信する(S602およびS603)。燃料電池制御部50aは、要求制御部66aからの要求情報で示される電力に対して、燃料電池40aが供給できる範囲の電力を決定する(S604)。同様に燃料電池制御部50bは、要求制御部66aからの要求情報で要求される電力に対して、燃料電池40bが供給できる範囲の電力を決定する(S605)。燃料電池制御部50aは、S604において決定した、供給できる範囲の電力を示す許可通知を負荷制御部58aに送信する(S608)。同様に燃料電池制御部50bは、S604において決定した、供給できる範囲の電力を示す許可通知を負荷制御部58aに送信する(S609)。
負荷制御部58aは、燃料電池制御部50aおよび燃料電池制御部50bから受け取った許可通知に基づいて、いずれの燃料電池40から電力を受け取るかを選択し、選択した1以上の燃料電池40から受け取る電力量を決定する(S610)。S610において燃料電池40aを選択した場合は、燃料電池40aから受け取る電力量、および燃料電池40aが許可した電力の消費を取り消させる優先度を示す選択通知を燃料電池制御部50aに送信する(S612)。また、燃料電池40bから電力を受け取らない場合には、電力の要求を取り消す旨を示す信号を燃料電池制御部50bに送信する(S613)。
燃料電池制御部50aは、負荷制御部58aから受け取った選択通知に基づいて、燃料電池40aの出力を調整する(S616)。そして負荷制御部58aは電力の消費を開始する(S618)。
燃料電池制御部50aは選択通知を受け取った場合に、選択通知で示される電力量を供給するために取り消す必要のある電力の消費を優先度に基づいて判断し、当該電力の消費を取り消すべくキャンセル要求を負荷制御部58bに送信する(S620)。キャンセル要求を受信した負荷制御部58bは、キャンセル要求で指示された電力の消費を取り消すとともに、既に許可通知を受け取った他の電力の消費の中で、取り消すべき電力の消費を決定する(S624)。負荷制御部58bは、S624で決定した電力の消費を取り消すべく、キャンセル通知を燃料電池制御部50aおよび燃料電池制御部50bに送信する(S626およびS627)。
続いて要求制御部66bは、電力負荷44bが必要とする動作を行うため、電力の消費スケジュールを新たに決定する(S630)。要求制御部66bは、S630で決定したスケジュールに基づいて、要求情報を燃料電池制御部50に送信する(S632およびS633)。
なお、燃料電池制御部50が、電力負荷44bが既に開始している電力の消費を取り消す必要がある場合には、S609の許可通知を負荷制御部58aに送信する前に、負荷制御部58bにキャンセル要求を送信する。キャンセル要求を受け取った負荷制御部58bは、キャンセル要求で示される電力の消費を停止した後に、燃料電池制御部50にキャンセル通知を送信する。燃料電池制御部50は、負荷制御部58bからキャンセル通知を受け取ったことを条件として、負荷制御部58aに許可通知を送信する。このようにして、電力負荷44bが取り消すべき電力の消費を停止した後に、電力負荷44aが電力の消費を開始させることができる。
以上説明したように、燃料電池制御部50が、要求制御部66から新たな要求情報を受け取った場合に、既に許可通知によって許可した電力の消費のうち、新たな要求情報で示される優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消すことによって燃料電池40から電力負荷44へ供給することができる範囲の電力量を示す許可通知を負荷制御部58に送信するので、燃料電池40が供給することのできる電力の範囲内で電力を有効に利用することができる。また、電力負荷44は、燃料電池40が供給することができる電力を事前に知ることができるので、いずれの燃料電池40から電力の供給を受け取るべきかを事前に判断することができる。また、燃料電池制御部50は、選択通知を受け取った後に、選択通知で示される電力を燃料電池40が供給できないことを条件としてキャンセル要求を負荷制御部58に送信するので、それぞれの燃料電池40が分担する部分の電力を供給するために他の電力の消費を取り消すか否かを判断すればよいので、必要以上に電力の消費が取り消されることを防げる。
このように本実施形態の燃料電池システム30では、複数の燃料電池40を制御する統括制御部を設けることなく、電力負荷44に電力を供給するか否かを各燃料電池40が独立して判断することができる。このためシステム全体の制御方法を変更することなく、新たな燃料電池40を増設することができる。
図10は、要求制御部66が送信する要求情報の一例を示す。図10では、4個の要求情報が例示されている。本実施形態における要求情報は、第1の実施形態と同様に負荷ID、要求番号、開始時刻、消費時間、電力、および優先度の情報を含む。要求情報を構成する要素は、第1の実施形態と同じ意味を持つ。
図11は、燃料電池制御部50が送信する許可通知の一例を示す。図11は、図10で例示した要求情報に対して、燃料電池制御部50が送信した許可通知の一例である。なお、この燃料電池システム30では、優先度の高い順に優先度1、2、および3が設定されているものとする。許可通知は、燃料電池ID、要求番号、開始時刻、消費時間、電力、ならびに、優先度1、2、3のそれぞれに対するキャンセル電力量を要素として持つ。燃料電池IDおよび各キャンセル電力量以外の各要素は、第1の実施形態の許可通知と同じ意味を有するので説明を省略する。燃料電池IDは、それぞれの燃料電池40に割り当てられた一意な番号を示す。例えばそれぞれの燃料電池40が有する燃料電池制御部50に記憶された燃料電池IDが許可通知に設定される。電力負荷44は許可通知に含まれる燃料電池IDによって、いずれの燃料電池制御部50から送信された許可通知であるかを識別する。優先度1のキャンセル電力量は、当該許可通知で許可するために取り消す必要のある電力の消費のうち、優先度1を持つものの消費電力量の合計値を示す。なお当該許可通知で電力の消費を許可するために優先度1の電力の消費を取り消す必要がない場合には、優先度1のキャンセル電力量として0を設定する。同様に、優先度2のキャンセル電力量および優先度3のキャンセル電力量は、当該許可通知で許可するために取り消す必要のある電力の消費のうち、それぞれ優先度2および優先度3を持つものの消費電力量の合計値を示す。
図11で例示される許可通知は、図10で例示される要求情報のうち、要求番号が#121、#122、および#124で示される要求情報に対する許可通知である。また、要求番号が#121で示される要求情報を許可するために、優先度2を持つ電力の消費から50Wの電力の消費を360秒間取り消す必要がある場合には、要求番号#121の許可通知で示されるように、優先度2のキャンセル電力量に5Whを設定する。また、要求番号#122で示される要求情報によって要求される400Wの電力に対して、燃料電池40が供給できる電力の上限が200Wである場合には、要求番号#122の許可通知で示されるように、電力に200Wを設定する。また、要求番号#124で示される要求情報によって要求される60秒間の電力の消費時間に対して、燃料電池40が供給できる期間が30秒である場合には、要求番号#124の許可通知で示されるように、消費時間に30秒を設定する。
このように、それぞれの燃料電池制御部50は、それぞれの燃料電池40が供給できる範囲の電力量を示す許可通知として負荷制御部58に送信する。
負荷制御部58は、それぞれの燃料電池制御部50から受け取った許可通知に基づいて、電力を受け取る燃料電池40を選択し、選択した燃料電池40から受け取る電力量を決定する。負荷制御部58は、一の要求情報に対して複数の燃料電池制御部50から許可通知を受け取った場合に、できるだけ他の電力の消費を取り消すことがないよう許可通知の内容に基づいて燃料電池40の選択と受け取る電力量の決定を行う。また負荷制御部58は、他の電力の消費を取り消す必要がある場合でも、高い優先度をもつ電力の消費をできるだけ取り消さないよう許可通知に基づいて判断する。
例えば負荷制御部58は、一の要求情報に対して複数の燃料電池制御部50から許可通知を受け取った場合に、それぞれの許可通知で示されるキャンセル電力量が0を越える最大の優先度を比較して、当該最大の優先度が最も低い許可通知で示される燃料電池40を優先的に選択する。また負荷制御部58は、許可通知で示されるキャンセル電力量が最も小さいものを選択し、さらに、選択する燃料電池40が最も少数となるように、燃料電池40を選択する。このようにして負荷制御部58は、許可通知に基づいてそれぞれの燃料電池40から受け取る電力量、消費を開始する時刻、および消費する時間を決定し、決定した内容を選択通知として燃料電池制御部50に送信する。なお選択通知は、負荷ID、要求番号、開始時刻、消費時間、電力、および優先度の情報を含む。選択通知の各要素は、要求情報と同様のものを意味する。なお選択通知の優先度は、予め送信した要求情報で指定した優先度を変更する場合に指定されるものであり、予め送信した要求情報で指定した優先度以下の優先度を指定する。
燃料電池制御部50は送信した許可通知の情報を記憶しており、負荷制御部58から受け取った選択通知で指定された負荷IDおよび要求番号に基づいて、いずれの許可通知に対する選択通知であるかを識別して、選択通知で示される電力、開始時刻、および消費時間に基づいて、記憶した許可通知の情報を更新する。このようにして、燃料電池制御部50は、電力負荷44の消費する電力を適切に管理する。
図12は、燃料電池制御部50が要求情報を受け取った場合の動作の一例を示す図である。燃料電池制御部50は、要求情報で示される電力を供給するために他の電力の消費を取り消すことなく燃料電池40から電力を供給することができるか否かを判別する(S644)。S644において燃料電池制御部50は、要求情報で示される電力を電力負荷44に供給することができる場合には、各優先度に対するキャンセル電力量に0を設定して許可通知を送信し(S646)、処理を終了する。
S644において燃料電池制御部50は、要求情報で示される電力を電力負荷44に供給することができない場合には、取り消すことのできる電力の消費が存在するか否かを判別する(S648)。S648において燃料電池制御部50は、受け取った要求情報で示される優先度よりも低い優先度を有する電力の消費が存在するか否かを判別する。S648において、取り消すことのできる電力の消費が存在する場合には、より低い優先度を有する電力の消費を取り消すことによって、要求情報で要求される電力を供給できるか否かを判別する(S650)。S650において、より低い優先度を有する電力の消費を取り消すことによって要求される電力を供給できる場合には、要求情報で要求される電力を供給するために取り消す必要のある電力の消費を決定し、取り消す優先度毎に取り消した電力量を合計したものをキャンセル電力量として設定し(S652)、設定したキャンセル電力量を含む許可通知を送信し(S646)、処理を終了する。
S650において、要求される電力を供給できない場合には、取り消すことによって供給できる範囲の電力値、ならびに供給できる範囲の開始時刻と期間を設定する(S654)。さらに、S652でキャンセル電力量を設定し、S654およびS652で設定した情報に基づいて許可通知を送信し(S646)、処理を終了する。
S648において、取り消すことのできる電力の消費が存在しない場合には、要求情報で要求された電力の一部を供給できるか否かを判別する(S656)。S656において、要求された電力の一部を供給できる場合には、供給できる範囲の電力値、ならびに供給できる範囲の開始時刻と期間を設定する(S658)。S658において設定した、供給できる範囲の電力値、ならびに供給できる範囲の開始時刻および期間に基づいて許可通知を送信し(S646)、処理を終了する。S656において、要求された電力の一部を供給できない場合は、許可通知を送信せずに処理を終了する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることができることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明の実施形態に係る燃料電池システム30の構成の一例を示す。 電力負荷44aの構成の一例を示す。 電力負荷44が電力を要求する通信シーケンスの一例を示す。 要求制御部66が送信する要求情報の一例を示す。 キャンセル要求の一例を示す。 電力の消費を取り消す旨を示すキャンセル通知の一例を示す。 要求情報に基づいた電力消費の時間発展の一例を示す。 燃料電池システム30の構成の他の例を示す。 電力負荷44が電力を要求するシーケンスの一例を示す。 要求制御部66が送信する要求情報の一例を示す。 燃料電池制御部50が送信する許可通知の一例を示す。 燃料電池制御部50が要求情報を受け取った場合の動作の一例を示す。
符号の説明
30・・・燃料電池システム、40・・・燃料電池、44・・・電力負荷、50・・・燃料電池制御部、56・・・動作モードテーブル、66・・・要求制御部、58・・・負荷制御部、72・・・電力線、74・・・通信網

Claims (13)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池が発電した電力により動作する電力負荷と、
    前記電力負荷が電力の消費量を増加させる場合に、電力消費の増加量と、電力を消費する優先度を示す要求情報を予め送信する要求制御部と、
    前記要求制御部から前記要求情報を受け取った場合に、前記電力負荷へ前記燃料電池が更に電力を供給することができることを条件として、消費電力を増加しても良い旨を示す許可通知を送信する燃料電池制御部と、
    前記許可通知を前記燃料電池制御部から受け取ったことを条件として、前記電力負荷の消費電力を増加させる負荷制御部と
    を備え、
    前記燃料電池制御部は、前記許可通知によって既に許可した電力消費の優先度を、前記要求情報で示される前記優先度に基づいて記憶しており、前記要求制御部から受け取った新たな前記要求情報で示される電力消費の増加量を前記燃料電池が供給することができない場合に、既に前記許可通知によって許可した電力の消費のうち、新たな前記要求情報で示される前記優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消すことによって新たな前記要求情報で示される電力消費の増加量を前記燃料電池が供給できることを条件として、新たな前記要求情報に対して前記許可通知を前記負荷制御部に送信し、かつ、新たな前記要求情報で示される前記優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消す旨のキャンセル要求を前記負荷制御部に送信し、
    前記負荷制御部は、前記燃料電池制御部から前記キャンセル要求を受け取った場合に、前記キャンセル要求で示される電力の消費を取り消す燃料電池システム。
  2. 前記要求制御部は、前記電力負荷が増加させる電力の消費量の、一部の優先度が他の一部の優先度よりも高い場合に、前記優先度毎の電力消費の増加量を示す前記要求情報を前記燃料電池制御部に送信する請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記要求制御部は、前記電力負荷が複数の期間において異なる優先度で電力の消費量を増加させる場合に、期間毎に優先度を決定して、前記期間を示す期間情報と前記期間毎の優先度とを含む前記要求情報を前記燃料電池制御部に送信する請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記負荷制御部は、前記燃料電池制御部から前記キャンセル要求を受け取った場合に、前記キャンセル要求で示される電力の消費を取り消すとともに、既に受け取っている前記許可通知で許可された電力の消費のうち、更に取り消す必要のある電力の消費を選択し、選択した電力の消費を取り消す旨を示すキャンセル通知を前記燃料電池制御部に送信する請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記要求制御部は、前記負荷制御部が前記燃料電池制御部から前記キャンセル要求を受け取った場合に、前記キャンセル要求に従って電力の消費を取り消すことによって新たに電力の消費量を増加させる必要があることを条件として、新たに増加させる電力の消費量と、電力の消費量を増加させる期間と、前記優先度とを含む電力の消費スケジュールを新たに立て直し、当該スケジュールに基づいて、前記要求情報を前記燃料電池制御部に送信する請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池は、複数設けられており、
    前記燃料電池制御部は、前記燃料電池毎に設けられており、
    前記要求制御部は、予め複数の前記燃料電池制御部のそれぞれに前記要求情報を送信し、
    前記燃料電池制御部は、前記要求制御部から新たな前記要求情報を受け取った場合に、既に前記許可通知によって許可した電力の消費のうち、新たな前記要求情報で示される前記優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消すことによって前記燃料電池から前記電力負荷へ供給することができる範囲の電力量を示す前記許可通知を前記負荷制御部に送信し、
    前記負荷制御部は、複数の前記燃料電池制御部から前記許可通知を受け取った場合に、前記許可通知で示される電力量の合計値が前記電力負荷の必要とする電力を上回ることを条件として、前記電力負荷の消費電力を増加させる請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記負荷制御部は、前記燃料電池制御部から前記許可通知を受け取った場合に、いずれの前記燃料電池から電力を受け取るかを選択し、選択した各々の前記燃料電池から受け取る電力の大きさを前記許可通知で示される電力量の範囲内で決定し、選択した1以上の前記燃料電池制御部に対して、各々の前記燃料電池から受け取る電力の大きさを示す選択通知を送信し、
    前記燃料電池制御部は、前記負荷制御部から前記選択通知を受け取った場合に、前記選択通知で示される電力を前記燃料電池が供給することができないことを条件として、前記キャンセル要求を前記負荷制御部に送信する請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. 燃料電池の電力を消費する電力負荷が電力の消費量を増加させる場合に、電力消費の増加量と、電力を消費する優先度を示す要求情報を前記燃料電池の制御部に予め送信する要求制御ステップと、
    前記燃料電池の制御部が前記要求情報を受け取った場合に、前記電力負荷へ前記燃料電池から更に電力を供給することができることを条件として、消費電力を増加しても良い旨を示す許可通知を送信するとともに、前記許可通知によって許可した電力消費の優先度を前記要求情報で示される前記優先度に基づいて記憶する燃料電池制御ステップと、
    前記許可通知を受け取ったことを条件として、前記電力負荷の消費電力を増加させる負荷制御ステップと
    を備え、
    前記燃料電池制御ステップは、前記燃料電池の制御部が受け取った新たな前記要求情報で示される電力消費の増加量を前記燃料電池が供給することができない場合に、既に前記許可通知によって許可した電力の消費のうち、新たな前記要求情報で示される前記優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消すことによって新たな前記要求情報で示される電力消費の増加量を前記燃料電池が供給できることを条件として、新たな前記要求情報に対して前記許可通知を送信し、かつ、新たな前記要求情報で示される前記優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消す旨のキャンセル要求を送信し、
    前記負荷制御ステップは、前記燃料電池の制御部から前記キャンセル要求を受け取った場合に、前記キャンセル要求で示される電力の消費を取り消す燃料電池システム制御方法。
  9. 前記要求制御ステップは、予め複数の前記燃料電池の制御部のそれぞれに前記要求情報を送信し、
    燃料電池制御ステップは、新たな前記要求情報を受け取った場合に、既に前記許可通知によって許可した電力の消費のうち、新たな前記要求情報で示される前記優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消すことによって前記燃料電池から前記電力負荷へ供給することができる範囲の電力量を示す前記許可通知を送信し、
    前記負荷制御ステップは、複数の前記燃料電池の制御部から前記許可通知を受け取った場合に、前記許可通知で示される電力量の合計値が前記電力負荷の必要とする電力を上回ることを条件として、前記電力負荷の消費電力を増加させる請求項8に記載の燃料電池システム制御方法。
  10. 前記負荷制御ステップは、複数の前記燃料電池の制御部から前記許可通知を受け取った場合に、いずれの前記燃料電池から電力を受け取るかを選択し、選択した各々の前記燃料電池から受け取る電力の大きさを前記許可通知で示される電力量の範囲内で決定し、選択した1以上の前記燃料電池の制御部に対して、各々の前記燃料電池から受け取る電力の大きさを示す選択通知を送信し、
    前記燃料電池制御ステップは、前記選択通知を受け取った場合に、前記選択通知で示される電力を前記燃料電池が供給することができないことを条件として、前記キャンセル要求を送信する請求項9に記載の燃料電池システム制御方法。
  11. 燃料電池と、
    前記燃料電池が発電した電力により動作する電力負荷と、
    前記電力負荷が電力の消費量を増加させる場合に、電力消費の増加量と、電力を消費する優先度を示す要求情報を予め送信する要求制御部と、
    前記要求制御部から前記要求情報を受け取った場合に、前記電力負荷へ前記燃料電池が更に電力を供給することができることを条件として、消費電力を増加しても良い旨を示す許可通知を送信する燃料電池制御部と、
    前記許可通知を前記燃料電池制御部から受け取ったことを条件として、前記電力負荷の消費電力を増加させる負荷制御部と
    を備え、
    前記燃料電池制御部は、前記許可通知によって既に許可した電力消費の優先度を、前記要求情報で示される前記優先度に基づいて記憶しており、前記要求制御部から受け取った新たな前記要求情報で示される電力消費の増加量を前記燃料電池が供給することができない場合に、既に前記許可通知によって許可した電力の消費のうち、新たな前記要求情報で示される前記優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消すことによって新たな前記要求情報で示される電力消費の増加量を前記燃料電池が供給できることを条件として、新たな前記要求情報に対して前記許可通知を前記負荷制御部に送信し、かつ、新たな前記要求情報で示される前記優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消す旨のキャンセル要求を前記負荷制御部に送信し、
    前記負荷制御部は、前記燃料電池制御部から前記キャンセル要求を受け取った場合に、前記キャンセル要求で示される電力の消費を取り消す建造物。
  12. 前記燃料電池は、複数設けられており、
    前記燃料電池制御部は、前記燃料電池毎に設けられており、
    前記燃料電池制御部は、前記要求制御部から新たな前記要求情報を受け取った場合に、既に前記許可通知によって許可した電力の消費のうち、新たな前記要求情報で示される前記優先度よりも低い優先度の電力の消費を取り消すことによって前記燃料電池から前記電力負荷へ供給することができる範囲の電力量を示す前記許可通知を前記負荷制御部に送信し、
    前記要求制御部は、予め複数の前記燃料電池制御部のそれぞれに前記要求情報を送信し、
    前記負荷制御部は、複数の前記燃料電池制御部から前記許可通知を受け取った場合に、前記許可通知で示される電力量の合計値が前記電力負荷の必要とする電力を上回ることを条件として、消費電力を増加させる請求項11に記載の建造物。
  13. 前記負荷制御部は、前記燃料電池制御部から前記許可通知を受け取った場合に、いずれの前記燃料電池から電力を受け取るかを選択し、選択した各々の前記燃料電池から受け取る電力の大きさを前記許可通知で示される電力量の範囲内で決定し、選択した1以上の前記燃料電池制御部に対して、各々の前記燃料電池から受け取る電力の大きさを示す選択通知を送信し、
    前記燃料電池制御部は、前記負荷制御部から前記選択通知を受け取った場合に、前記選択通知で示される電力を前記燃料電池が供給することができないことを条件として、前記キャンセル要求を前記負荷制御部に送信する請求項12に記載の建造物。
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