JP2006091560A - 現像装置、現像方法および画像形成装置 - Google Patents

現像装置、現像方法および画像形成装置 Download PDF

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久保  勉
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【課題】 静電潜像現像法により得られる画像に対して良好な高画質画像を形成することができ、低いバイアス電圧で十分な現像が得られ、かつ環境変動や経時劣化に対する安定性を高くできる現像装置、現像方法及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 現像スリーブ11と静電潜像担持体5との近接位置(現像領域A)にワイヤー6を設置し、直流電圧に交流電圧を重畳した高圧電圧をワイヤー6に印加しながら静電潜像担持体5上の潜像を現像する。その際、ワイヤー6に超音波振動を付与する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、現像装置、現像方法および画像形成装置に関し、特に、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等に用いられる現像装置、現像方法および画像形成装置に関する。
近年、電子写真方式による画像形成において、オフセット印刷と同等の高画質の可視画像を形成するために、小粒径トナーあるいは体積平均粒子径で5μm以下の超小粒径トナーを用いる技術が提案されている。
例えば、小径トナーを用いた二成分現像法で、キャリアの条件(粒径、抵抗)で最適な現像性を示す技術が開示されている(例えば、特許文献1乃至2参照。)。
しかしながら、トナーは粒径が小さくなるに伴ってファンデルワールス力が大きく支配的となるために従来径トナーに比べてキャリアとの付着力が大きく、このため、公知である磁気ブラシ現像法で現像しようとしても十分な現像性が得られず画像濃度不足、横線の細りなどが発生する場合があった。
現像量を得るために例えば現像ロールの線速度を極端に大きくすると、感光体にキャリアが付着する現象(キャリア付着)や、キャリアが飛散する現象(キャリア飛散)が発生し画像欠陥を引き起こす場合があった。
さらに、二成分現像法特有のキャリア表面へのトナー組成物による汚染で帯電性がそこなわれる帯電劣化が比較的表面積の大きい小粒径トナーを用いた場合には顕著である。
小型化が容易であるなどの利点を有すること、二成分現像法特有の帯電劣化の影響が小さいこと等の理由で小粒径トナーを用いた場合での一成分現像装置が小型の複写機やプリンタなどに利用されている(例えば、特許文献3参照。)。この現像装置では一成分現像方式特有の問題である現像ゴースト等が改善されている。
近年では更なる高画質への要求が高く高解像度やデジタル画像の微小な静電潜像の画素を忠実に現像させるという観点から超小径トナーを適応させることが検討されつつある。超小径トナーに均一な電荷を付与するには帯電付与の為のブレード等としっかりと擦る必要があるが、超小径トナーになると単位重量あたりの比表面積が非常に大きくなるためトナーに均一な電荷を付与するには高いブレード圧力が必要となり、これによりトナーとスリーブとの付着力が増加してしまい、現像性が劣ってしまうといった課題や強い擦りで現像剤担持体やブレ−ド表面にトナー組成物が付着するために長期間の繰り返しの使用で帯電性が劣化する等の問題点を解決させなければならない。
現像性を改善させようとする試みとして、ワイヤーグリッドを静電潜像担持体と現像剤担持体との接触位置よりも後方に配置しているものがある(例えば、特許文献4参照。)。これでは現像後の画像を整えるには十分であるが現像剤担持体からの現像性をあげることは困難である。
また、現像時に直接超音波をかけて現像性を上げるという提案があるが(例えば、特許文献5参照。)、これでは現像剤が必要以上に舞いあがり非画像部位にも付着して地カブリを起してしまい鮮明な画像は得られない。
一方、印刷なみの仕上がりを目的として使用される超小径トナーでは低い現像量で十分な画像濃度を出すため顔料濃度を高める必要があり、高顔料濃度のトナーを用い現像、転写を行なうと注入性のカブリが生じる場合があった。これはカーボンブラックを具体例とする導電性顔料で顕著である。さらにまた超小粒径トナーを現像(飛翔)させるべく、現像バイアスの電界強度高めたり、転写バイアス電界強度を上げるとこうした注入性カブリがさらに顕著に生じたり、転写不良が顕著に発生してしまうといった課題があった。
特開2000−81722号公報 特開2000−98657号公報 特開平2001−356597号公報 特開平11−184186号公報 特開平1−054466号公報
本発明は、前記問題を解消し、静電潜像現像法により得られる画像に対して良好な高画質画像を形成することができ、低いバイアス電圧で十分な現像が得られ、かつ環境変動や経時劣化に対する安定性が高い現像装置、現像方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、
<1> 静電潜像担持体の表面に形成された潜像を、現像剤担持体の表面に担持された現像剤により現像する現像装置であって、前記現像剤担持体と、前記静電潜像担持体と前記現像剤担持体との間に設けられたワイヤーと、直流電圧に交流電圧を重畳した高圧電圧を前記ワイヤーに印加する第一の印加手段と、前記ワイヤーに超音波振動を付与する振動付与手段と、を少なくとも備えた現像装置である。
<2> 前記現像剤は、トナーを少なくとも含有する一成分現像剤である<1>に記載の現像装置である。
<3> 前記現像剤は、トナーとキャリアとを少なくとも含有する二成分現像剤である<1>に記載の現像装置である。
<4> 前記トナーの体積平均粒子径が2〜3.5μmであり、粒度分布が1.5μm以下の前記トナーの割合は10個数%以下であり、4μm以上の前記トナーの割合は10体積%以下であり、前記トナーの形状係数SF1が115〜135である<2>又は<3>に記載の現像装置である。
<5> 前記トナーの着色剤含有率は、8〜20質量%である<2>乃至<4>のいずれか1つに記載の現像装置である。
<6> 前記トナーの誘電損率は、30〜100である<2>乃至<5>のいずれか1つに記載の現像装置である。
<7> 前記トナーは少なくとも20質量%以上の磁性材料を含有し、且つ前記トナーの飽和磁化が10〜30Am2/kgである<2>乃至<6>のいずれか1つに記載の現像装置である。
<8> 前記トナーは、着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散液と、樹脂微粒子を分散させた樹脂微粒子分散液とを前記樹脂微粒子のガラス転移点以下の温度に加熱して前記着色剤粒子と前記樹脂微粒子とを含む凝集粒子を形成し、凝集粒子分散液を調製する第1工程と、前記凝集粒子分散液中に微粒子を分散させた微粒子分散液を添加混合して、前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する第2工程と、前記付着粒子を加熱して融合する第3工程と、を含む凝集合一法により製造されたものである<2>乃至<7>のいずれか1つに記載の現像装置である。
<9> 前記現像剤担持体に当接するように設けられた層形成部材をさらに有する<1>乃至<8>のいずれか1つに記載の現像装置である。
<10> 前記現像剤担持体は回転自在な円筒状の現像スリーブを備え、前記現像スリーブは、金属基体と前記金属基体の表面に形成された離型性を有する導電性樹脂層とを備える<1>乃至<9>のいずれか1つに記載の現像装置である。
<11> 前記振動付与手段は、プラットフォーム部とホーン先端部とを有するホーン部材と、前記ホーン先端部を駆動させる高周波エネルギー発生手段と、を備える共振器と、前記高周波エネルギー発生手段を駆動させるための電圧源と、を備えた超音波振動エネルギー発生装置で構成されており、前記ホーン先端部が前記ワイヤーと接触するように配置された<1>乃至<10>のいずれか1つに記載の現像装置である。
<12> 前記現像剤担持体に当接する供給ロールと、前記供給ロールに当接する電荷注入部材と、前記電荷注入部材に高周波パルスを印加する第二の印加手段とをさらに有する<1>乃至<11>のいずれか1つに記載の現像装置である。
<13> 前記供給ロールは、導電性シャフトと前記導電性シャフトの表面に設けられた体積抵抗率が109〜1011Ωcmの弾性部材とを備える<12>に記載の現像装置である。
<14> 前記電荷注入部材の前記供給ロールとの当接部分の曲率は、前記トナーの体積平均粒子径×100〜2000である<12>又は<13>に記載の現像装置である。
<15> 前記現像剤担持体の表面に担持された現像剤の穂立ち量をdとし、前記静電潜像担持体と前記現像剤担持体との間隔をgとしたときに、d=g〜1.50×gを満たす<1>又は<3>乃至<14>のいずれか1つに記載の現像装置である。
<16> 静電潜像担持体の表面に形成された潜像を、現像剤担持体の表面に担持された現像剤により現像するとともに、前記静電潜像担持体と前記現像剤担持体との間にワイヤーの設けられた現像装置の現像方法であって、前記ワイヤーに直流電圧に交流電圧を重畳した高圧電圧を印加しながら超音波振動を付与する現像方法である。
<17> 静電潜像担持体の表面に形成された潜像を、現像剤担持体の表面に担持された現像剤により現像する現像装置を少なくとも備えた画像形成装置であって、前記現像装置は、前記現像剤担持体と、前記静電潜像担持体と前記現像剤担持体との間に設けられたワイヤーと、直流電圧に交流電圧を重畳した高圧電圧を前記ワイヤーに印加する第一の印加手段と、前記ワイヤーに超音波振動を付与する振動付与手段と、を少なくとも備えたものである画像形成装置である。
本発明の現像装置によれば、印刷なみの仕上がりを目的として使用される小粒径トナーでも注入性のカブリ発生が無く良好な高画質画像を形成することができる。また、比較的低いバイアス電圧で十分な現像が得られ、かつ環境変動や経時劣化に対する安定性が高い現像装置、現像方法及び画像形成装置を提供できる。
以下、本発明の現像装置、現像方法及び画像形成装置について図面に基づいて説明する。なお、同様の機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、その説明を省略することがある。
<第一実施形態>
本発明の現像装置の第一実施形態を図1及び図2を用いて説明する。
図1は、第一実施形態に係る現像装置を示す概略構成図であり、図2は、第一実施形態に係る現像装置を図1の矢印X方向からみた要部拡大図である。第一実施形態に係る現像装置には、磁性黒トナーを含有する一成分現像剤が用いられている。
現像装置1の外観はホッパー40により形成されている。このホッパー40の内部には磁性黒トナーを含有する現像剤Tが充填されているとともに、それを撹拌するオーガー41が設けられている。一方、ホッパー40は、静電潜像担持体5と対峙する部分に開口部を有している。そして、その開口部には現像剤担持体10を備えている。なお、静電潜像担持体5はプラス極性で帯電している静電潜像を保持している。
現像剤担持体10は、図1中矢印Pの方向に回転自在に構成される円筒状の現像スリーブ11と、現像スリーブ11内部に固定的に設けられる磁気シャフト12とを備えている。磁気シャフト12の周面にはそれぞれS極、N極の外部磁場が100KA/m(1Kエルステッド)である磁極が交互に配設されている。また不図示の電源装置から現像スリーブ11に所定のバイアス電圧が印加される。さらに現像スリーブ11の表面には、現像スリーブ11上のトナー量を規制する層形成部材である帯電ブレード13が当接するように設けられている。
現像スリーブ11の回転により現像スリーブ11と帯電ブレード13との隙間から、これら部材との摩擦によりマイナスに帯電したトナーを含有する現像剤Tの均一な層が現像スリーブ11表面に形成される。しかして、現像剤Tの均一な層は現像スリ−ブ11の回転により静電潜像担持体5表面の静電潜像に運ばれて現像される。ここで現像剤担持体10と静電潜像担持体5との間には図2に示すように現像補助電極であるワイヤ−6が設置される。ワイヤー6はタングステン製の直径25μmの線で、3本が各々200μmの間隔で静電潜像担持体5に平行な向きで配置されている。ワイヤー6の両端は、留め金9で固定されている。現像スリ−ブ11と静電潜像担持体5との間にワイヤー6が配置されており、ワイヤー6には現像を助けるために必要なバイアス電圧が電源7によって印加される。なお、ワイヤ−6、現像スリーブ11及び静電潜像担持体5の位置関係はワイヤ−6と現像スリーブ11の間隙は20μmでワイヤ−6と静電潜像担持体5との間隙は380μmとしている。
現像スリーブ11は、外径18mm、内径16.5mmの円筒形状アルミニウム管からなる金属基体に塗装樹脂液を、静電ベルを用いたスプレーコーティング法にて塗布し、熱乾燥炉で60℃で加熱乾燥および170℃で30分間加熱硬化して得られたものを用いている。またこの塗装樹脂液は、結着樹脂としてフェノール樹脂(重量平均分子量Mw=4500)を100質量部、導電性微粒子としてカーボンブラック20質量部とグラファイト50質量部、希釈剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを100重部とイソプロピルアルコールを50質量部、それぞれ混合し、ガラスビーズ径1mmのサンドグラインドミルにて、回転数2000rpm、2時間分散を行うことにより得られたものを用いている。このような塗布樹脂液を用いることにより前記金属基体の表面に剥離性を有する導電性樹脂層を形成することができる。
現像剤担持体10が回転自在な円筒状の現像スリーブ11を備え、現像スリーブ11として金属基体と前記金属基体の表面に形成された離型性を有する導電性樹脂層とを備える現像スリーブを用いることにより、長期間の使用でも帯電特性に大きな変化がなく常に高画質なプリント画像を得ることができる。
現像剤担持体10の他の具体例としては、回転自在な円筒状現像スリーブを備えるものであれば特に限定されない。現像スリーブ11は、フェノールなどの樹脂スリーブやアルミニウムやステンレススチールなどの金属スリーブを採用することができる。さらに金属スリーブの表面に、酸化アルミニウム層、金属めっき層、アクリル、エポキシ、ポリエステルなどの樹脂層を備えるものでもよいが、前記樹脂層中に導電性微粒子(カーボンブラック、グラファイトなど)と離型剤とを混合した場合には長期間の使用でも帯電特性に大きな変化がなく常に高画質のプリント画像を得ることができる。なお、混合する導電性微粒子は一種類でも二種類以上でもよい。
前記樹脂層に添加される離型剤としては、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、各種ワックス等が挙げられ帯電性などを考慮して選ばれる。
帯電ブレード13としては、少なくとも現像剤担持体へ付勢される部分は一般的に弾性体で構成されるが、その部分がシリコ−ンゴムにより構成される場合には長期間の使用でも帯電特性に大きな変化がなく常に高画質のプリント画像を得るとの効果をいっそう顕著に発現することができる。
帯電ブレード13の現像スリーブ11に対する当接位置は、現像スリーブ11が静電潜像担持体5と最も近接する位置と磁気シャフト12の中心を結ぶ基準線に対して現像スリーブ11の回転方向上流側に約100度の位置であり、帯電ブレード13の自由端が現像スリーブ11の回転方向の上流側に向くように設置されている。帯電ブレード13の現像スリーブ11に対する当接部はウレタンゴムからなり、厚さ1.7mm、ゴム硬度がJIS Aで63度であり、ウレタンゴムと現像スリーブ11との当接圧力Pは0.3N/cm〜0.7N/cm程度に設定されている。
現像スリーブ11に印加されるバイアス電圧は、例えば交流成分の周波数が2.4kHZ,ピークツーピーク電圧が1000V、直流成分Vdcが−300Vとしている。
また、電源装置7がワイヤー6に印加する補助バイアス電圧は、例えば交流成分の周波数が2.4kHZ,ピークツーピーク電圧が1000V、直流成分Vdcが−320Vとしている。さらに、現像スリーブ11に印加されるバイアス電圧及びワイヤー6に印加されるバイアス電圧の交流成分は同期している。
ワイヤー6には、ワイヤー6に超音波振動を加えるべく振動付与手段である超音波振動エネルギー発生装置8が設けられている。超音波振動エネルギー発生装置8は、たとえば図3に示すように高周波エネルギー発生手段である圧電変換素子31とホーン部材50とを備える共振器を有しており、それらは共に後ろ板30に支持されている。ホーン部材50は、プラットフォーム部51とホーン先端部52とを有し、ホーン先端部52にはワイヤー6に接触して音響エネルギーを与える接触先端部53が設けられている。ホーン部材50の接触先端部53がワイヤー6に接触することによって先端部の動きがワイヤー6を振動運動させる。
圧電変換素子31はある期間の周波数掃引中のある時点で最大先端速度になるようにホーン部材50を励起できるよう選択された周波数範囲を有する電圧信号で駆動される。圧電変換素子31は交流電源54によって駆動されて20kHz〜200kHzの周波数fで作動する。
なお、第一実施形態に係る現像装置では61kHzの周波数で励起したときに接触先端部53の応答速度0.75cm/秒/Vで、現像バイアス電源と圧電変換素子31のオン/オフのタイミングとを同期させた。
次に、現像装置1の動作を説明する。図1中の矢印Pで示す方向に現像スリーブ11が回転すると、磁気シャフト12の磁気パターンに従って、ホッパー40中の現像剤Tが現像スリーブ11の表面に吸着する。その吸着した現像剤Tは、現像スリーブ11の回転と共に帯電ブレード13により摺擦され、現像スリーブ11表面で薄層化されるとともに、摩擦により適度に帯電される。
一方、静電潜像担持体5表面には図示しない露光手段により潜像(静電潜像)が形成されている。その静電潜像の画像部分は−100V、−420V程度の表面電位となっている。このような静電潜像担持体5と現像スリーブ11とは、各々図1中矢印P及び矢印Qの方向に回転し、現像領域Aで対峙する。
現像領域Aにおける静電潜像担持体5と現像スリーブ11との間では、現像スリーブ11に印加されるバイアスとワイヤー6に印加されるバイアスとにより交番電界が形成されており、適度な電荷を有する現像剤がこの交番電界内で飛翔し、静電潜像担持体5と現像スリーブ11との間を往復運動する。なお、この往復運動は現像スリーブ11−ワイヤー6間およびワイヤ6―静電潜像担持体5間でトナーがクラウド状態となり、この現像剤のクラウドは、バイアス電圧の直流成分Vdcにより静電潜像担持体5の静電潜像の画像部分に引き寄せられ、選択的に現像剤が静電潜像担持体5表面に付与され、現像が終了する。なお、現像スリーブ11−ワイヤ−6間の間で激しいたたき出しがあり現像剤Tは比較的容易に現像される。この激しいたたき出しはワイヤー6が細いため電気力線が集中するためと考えられる。
本発明では、良好な現像性能、画質性能を満たす現像装置を実現するため、振動付与手段をワイヤー6に当てて、ワイヤー6に現像剤Tが付着してワイヤー6の効果が損なわれないよう調整している。しかして、トナー粒子径が小くなればなるほどワイヤーが必要でかつ超音波振動を加えることが必要である。これは、トナーの体積平均粒子径が小くなればなるほど非静電的な付着力が増加してくること、また単位重量当たりの帯電量が比表面積の増大によ大きくなり静電的な付着力が増加すること、さらにはトナ−流動性を確保するため外添剤を多量に添加するがこれが現像時に離脱してワイヤ−表面に強固な付着を起こすためである。
本発明の現像装置を用いることにより、比較的低いバイアス電圧で十分な現像が得られ、かつ環境変動や経時劣化に対する安定性を高くでき、静電潜像現像法により得られる画像に対して良好な高画質画像を形成することができる。また、本発明の現像装置は振動付与手段が設けられているため、ワイヤー6への付着トナーの発生を押さえることができる。
本発明に用いられるトナーの種類は特に限定されるものではないが、その体積平均粒子径が2〜3.5μmであり、粒度分布が1.5μm以下の割合は10個数%以下であり、4μm以上の割合は10体積%以下であり、形状係数SF1が115〜135であるトナー(以下、上記条件を満たすトナーを小粒径トナーと称する。)が好ましい。このような小粒径トナーを用いることにより、デジタルカラー画像に対応しうる高画質プリント画像を形成することができる。
前記小粒径トナーは、着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散液と、樹脂微粒子を分散させた樹脂微粒子分散液とを前記樹脂微粒子のガラス転移点以下の温度に加熱して前記着色剤粒子と前記樹脂微粒子とを含む凝集粒子を形成し、凝集粒子分散液を調製する第1工程(凝集工程)と、前記凝集粒子分散液中に微粒子を分散させた微粒子分散液を添加混合して、前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する第2工程(付着工程)と、前記付着粒子を加熱して融合する第3工程(融合工程)と、を含む凝集合一法により容易に製造できる。前記凝集合一法の一例としては、例えば、特開平6−250439号公報などに記載されている。
付着工程では、凝集工程で調製された凝集粒子分散液中に微粒子分散液を添加混合して凝集粒子に微粒子を付着させて付着粒子を形成するが、添加される微粒子は凝集粒子に凝集粒子から見て新たに追加される粒子に該当するので、本明細書では「追加微粒子」と記す場合がある。
追加微粒子としては、樹脂微粒子の他に離型剤微粒子、着色剤微粒子等を単独もしくは複数組み合わせたものであってもよい。微粒子分散液を追加混合する方法としては、特に制限はなく、例えば徐々に連続的に行ってもよいし、複数回に分割して段階的に行ってもよい。このようにして、微粒子(追加微粒子)を添加混合することにより、微小な粒子の発生を抑制し、得られるトナーの粒度分布をシャープにすることができ、高画質化に寄与する。また、付着工程を設けることにより、擬似的なシェル構造を形成することができ、着色剤や離型剤などの内添物のトナー表面露出を低減でき、結果として帯電性や寿命を向上させることができることや、融合工程における融合時において、粒度分布を維持し、その変動を抑制することができると共に、融合時の安定性を高めるための界面活性剤や塩基または酸等の安定剤の添加を不要にしたり、それらの添加量を最少限度に抑制することができ、コストの削減や品質の改善可能となる点で有利である。
離型剤を使用するときには、樹脂微粒子を主体とした追加微粒子を添加することが好ましい。この方法を用いれば、融合工程において、温度、攪拌数、pHなどの調整により、トナー形状制御を簡単に行うことができる。
凝集合一法で得たトナー粒子は、その粒度分布が従来の懸濁重合法等に代表される重合法で得たトナー粒子と比較して極めてシャープな粒度分布を示し、さらに小粒径トナーを高い収率で製造出来る点で望ましい。
本発明に使用される小粒径トナーの体積平均粒子径が3.5μm以下であると粗大粒子の比率が小さいので、定着工程を経て得られる画像の細線や微小ドットの再現性、および階調性が向上する。一方、小粒径トナーの体積平均粒子径が、1.5μm未満となると、トナーの粉体流動性、現像性、あるいは転写性が悪化し、静電潜像担持体表面に残留するトナーのクリーニング性が低下する等、粉体特性低下に伴う他の工程における種々の不具合が生じることがあるので、前記範囲が好ましい。なお、本発明でいう「細線の再現性」とは、主として30〜60μm、好ましくは30〜40μmの幅の細線を忠実に再現可能か否かを意味し、さらに同程度の径のドットを再現し得るかについても考慮に入れたものである。
凝集工程に用いられる樹脂微粒子及び追加樹脂微粒子としては、結着樹脂となる熱可塑性の重合体より形成されたものであり、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエン等のポリオレフィン類等の単量体の単独重合体またはこれらを2種以上組み合せて得られる共重合体またはこれらの混合物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物、これら重合体の共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等を挙げることができる。これらの樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
これらの樹脂の中でもビニル系樹脂が特に好ましい。ビニル系樹脂の場合、イオン性界面活性剤等を用いて乳化重合やシード重合により樹脂微粒子分散液を容易に作製することができる点で有利である。
樹脂微粒子の分散液の調製方法について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した方法を採用することができるが、例えば以下のようにして調製することができる。
樹脂微粒子における樹脂が、前記ビニル基を有するエステル類、前記ビニルニトリル類、前記ビニルエーテル類、前記ビニルケトン類等のビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)である場合には、前記ビニル系単量体をイオン性界面活性剤中で乳化重合やシード重合等することにより、ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)製の樹脂微粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液を調製することができる。また、樹脂微粒子における樹脂が、ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体以外の樹脂である場合には、該樹脂が、水への溶解度が比較的低い油性溶剤に溶解するのであれば、該樹脂を該油性溶剤に溶解し、この溶解物を、イオン性界面活性剤や高分子電解質と共に水中に添加し、ホモジナイザー等の分散機を用いて微粒子分散させた後、加熱ないし減圧することにより前記油性溶剤を蒸散させることにより調製することができる。
なお、樹脂微粒子分散液に分散された樹脂微粒子が、樹脂微粒子以外の成分を含む複合粒子である場合、これらの複合粒子を分散させた分散液は、例えば、以下のようにして調製することができる。例えば、該複合粒子の各成分を、溶剤中に溶解分散した後、前述のように適当な分散剤と共に水中に分散し、加熱ないし減圧することにより溶剤を除去して得る方法や、乳化重合やシード重合により作成されたラテックス表面に機械的剪断又は電気的吸着を行い、固定化する方法により調製することができる。また、樹脂微粒子を製造する際に、着色剤や離型剤を添加して製造された複合樹脂粒子を用いてもよい。
また、本発明に使用される小粒径トナーの製造において、凝集工程に離型剤分散液を添加して樹脂微粒子や着色剤とともに凝集させ、トナー中に融合させることも可能であるし、樹脂微粒子と着色剤を凝集した後、離型剤分散液を添加して凝集粒子表面に離型剤を付着させることも可能である。ここで用いる離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;シリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのごとき動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系、石油系のワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
これらのワックス類は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに、強い剪断力を付与できるホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて微粒子化し、1μm以下の粒子の分散液を作成することができる。また、これらの離型剤微粒子はその他の樹脂微粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段に添加してもよい。
本発明に使用される小粒径トナーに用いる着色剤としては、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレート、チタンブラックなどの種々の顔料や、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料などを1種単独で又は2種以上を併せて使用することができる。
これらの分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。また、これらの着色剤微粒子は、その他の微粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段回で添加してもよい。
本発明においては、トナー乗り量を低下させているので、トナー中の着色剤の含有量を増加し、トナー単位重量当たりの発色濃度を高くして、現像に必要なトナー量を少なくするのが好ましい。特に、トナー中の顔料粒子の濃度C(%)は、用紙へのトナー乗り量にも依存するが、8質量%〜20質量%範囲好ましい。
8質量%未満であると、トナーの単位重量当たりの発色濃度が不足する傾向がある。一方、Cが大きい程、トナーの発色濃度は高くなるが、20質量%を超えると、極少量のトナーが非画像部へ飛散した場合でも地汚れが顕著となったり、顔料の補強効果によりトナーの溶融粘度が上昇し定着性が低下する場合がある。
一方、本発明においては、トナーの誘電損率は30〜100の範囲が好ましい。これは電荷注入部材にてトナーに電荷を与える出来栄えを左右する指標である。誘電損率の測定は、例えば、トナー粉体を錠剤成型し、誘電体測定用電極に設置し、〜100KHzまでの交流電場をかけて測定される。
着色剤としてカ−ボンブラックなどを用いる場合には濃度C(%)は8質量%〜20質量%範囲で誘電損率を30〜100の範囲に収めることが出来るが、例えば着色剤としてCyan色の銅フタロシアニンを用いた場合には濃度C(%)が8質量%程度では誘電損率を30未満となってしまうため誘電特性制御剤などを添加することが出来る。
具体例としては、(i)ロッシル塩系のもの(ロシェル塩、酒石酸カリウムナトリウム、酒石酸リチウムアンモニウムなど)、(ii)ペロブスカイト系のもの(チタン酸バリウム、チタン酸鉛、タンタル酸ナトリウム、ジルコチタン酸鉛など)、(iii)ピロクロライト系のもの(ニオブ酸カドミウム、ピロニオブ酸鉛など)、(iv)イルメナイト系のもの(チタン酸カドミウム、チタン酸鉄、チタン酸ニッケル、チタン酸リチウムなど)、(v)グアニジン系のもの(グアニジンガリウムサルフェート、グアニジンクロムサルフェートなど)、(vi)グリシン系のもの(硫酸グリシン、グリシン硫酸銀など)、(vii)固溶体(チタン酸鉛/ジルコン酸鉛、ニオブ酸鉛/ニオブ酸バリウムなど)、(viii) シアノレジン(ix)共重合体系のもの(ポリ・ビニリデンフルオライド−トリフルオロエチレン、ポリ・ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレンなど)、があげられる。
トナーの定着工程において、紙などの被転写体上に形成されている転写画像のトナー乗り量(以下、「TMA」という場合がある。)は、単色につき(100%の面積率の画像を形成する場合)0.40mg/cm2 以下であり、好ましくは0.35mg/cm2 以下、より好ましくは0.30mg/cm2 以下である。TMAが0.40mg/cm2 以下であると、得られる画像が高画質化するとともに、被転写体の加熱ロールに対する離型性が向上するので、トナーが加熱ロールに付着することによって生じるオフセット現象や、トナーが加熱ロールに追従することにより生じる紙詰まり等のトラブルが発生しないので好ましい。但し、得られる画像におけるトナーの充分な発色を確保するためには、画像面積率100%におけるTMAは、0.1mg/cm2 以上であるのが好ましく、より好ましくは0.15mg/cm2 以上である。
また、磁性トナーとして用いる場合は磁性材料を含有させるが、ここで使用する磁性材料としては、フェライトやマグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金又はこれら金属を含む化合物などを挙げることができる。さらに必要に応じて、4級アンモニウム塩、ニグロシン系化合物やトリフェニルメタン系顔料など、通常使用される種々の帯電制御剤を添加してもよい。
磁性トナーとして用いる場合、20質量%以上の磁性材料を含有し、外部磁場を10Kエルステッド印加時点での飽和磁化が10〜30Am2/kgを有する磁性一成分トナ−とすることで黒トナ−特有の問題であったカブリが解決できる。磁性材料の含有量は、10質量%以上がさらに好ましく、15質量%以上が特に好ましい。また、飽和磁化は、
10〜30Am2/kgが好ましく、15〜20Am2/kgがさらに好ましい。
さらにまた、従来のトナー外添剤をトナー中に含有させることも可能である。具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなどの無機微粒子を、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散して使用することができる。これらの磁性粉、帯電制御剤、その他の外添剤の分散方法は、上記の着色剤と同様に添加することができる。
これらの樹脂微粒子分散液、着色剤分散液などを混合し、均一な混合粒子分散液を調整した後、分散媒体に可溶な無機金属塩を添加混合して所望の凝集粒子を得る。その際、樹脂微粒子、着色剤、必要に応じて上記の無機微粒子などを一度に添加してもよいし、分割して微粒子成分を段階的に添加し、凝集粒子の構成を例えばコアシェル構造や、粒子の半径方向に成分を傾斜させた構造を付与してもよい。その場合は樹脂微粒子分散液、着色剤粒子分散液及び離型剤微粒子分散液などを混合分散し、一定水準の粒径になるまで凝集粒子を成長させる。必要に応じて、樹脂微粒子分散液などをさらに加えて凝集粒子表面に追加樹脂微粒子を付着させてもよい。追加樹脂微粒子が凝集粒子表面を覆うことにより、着色剤、離型剤などがトナー表面に露出することを防止することができ、これらの露出による帯電不良、不均一帯電を抑制するのに有効である。
上記の凝集工程では、凝集剤として2価以上の無機金属塩を用いるが、3価以上、特に4価であることが好ましい。前記無機金属は価数が大きいほど凝集力が強く、安定に凝集を制御することができるため、未凝集物を生ずることが少なく、優れた粒度分布を得ることができる。4価以上の無機金属塩重合体としては、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウムなどを用いることができる。
離型剤は、トナーに対して20質量%以下の添加量であることが好ましい。離型剤が多すぎるとトナー表面に露出又はトナー外に遊離する離型剤が多くなり、トナー自体の流動性や保管性に問題を生じたり、フィルミングが発生するなど信頼性を悪化させることがある。オイルレス定着と組み合わせる場合には、前記離型剤を6質量%以上含有していることが好ましい。離型剤が少なすぎるとホットオフセットが発生したり、定着器からの剥離性が低下する場合がある。
本発明に使用される小粒径トナーには、無機もしくは有機の微粒子を添加することができる。この微粒子は着色剤や離型剤などの内添物の分散性を向上させることができる。また、微粒子の補強効果によりトナーの貯蔵弾性率が大きくなり、耐オフセット性や定着器からの剥離性が向上する場合がある。無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなどを単独もしくは併用して用いることができる。なかでもOHP透明性の観点からシリカを用いることが好ましい。微粒子はトナー製造時に直接添加することもできるが、分散性を高めるためにあらかじめ水など水溶性媒体へ分散されたものを用いることが好ましい。分散においては、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基などを用いて分散性を向上させることもできる。
本発明に使用される小粒径トナーには、帯電制御剤などのその他の公知の材料を添加してもよい。その際に添加される材料の体積平均粒子径としては、1μm以下であることが必要であり、0.01〜1μmであるのが好ましい。前記体積平均粒子径が1μmを越えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、前記体積平均粒子径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前記体積平均粒子径は、例えばマイクロトラックなどを用いて測定することができる。
本発明に使用される小粒径トナーにおいて、樹脂微粒子分散液、着色剤分散液及びその他の成分(粒子)を分散させた分散液における分散媒としては、例えば水系媒体等があげられる。水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等があげられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明に使用される小粒径トナーにおいて、種々の分散液を作製する手段としては、特に制限はないが、例えば、回転剪断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどのそれ自体公知の分散装置が挙げられる。
本発明の小粒径トナーにおいて、水系媒体には、凝集剤として界面活性剤を添加混合しておくのが好ましい。界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が好適にあげられる。これらの中でもイオン性界面活性剤が好ましく、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤がより好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤またはカチオン界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アニオン界面活性剤の具体例としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネート等のアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類等があげられる。
カチオン界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類等があげられる。
非イオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類等があげられる。
以上のような材料を用いて、凝集工程では、少なくとも樹脂微粒子分散液と着色剤粒子分散液を含み、必要に応じて離型剤分散液などのその他の成分を添加混合して調整された分散液を、攪拌しながら室温から樹脂微粒子のガラス転移温度以下の温度範囲で加熱することにより樹脂微粒子及び着色剤などを凝集させて凝集粒子を形成する。このようにして形成された凝集粒子に、樹脂微粒子(追加微粒子)を追加添加し凝集粒子の表面に被覆層を形成してもよい(付着工程)。次いで、融合工程では、例えば、樹脂の軟化点以上の温度、一般には70〜120℃に加熱処理して凝集粒子を融合させ、トナー粒子含有液(トナー粒子分散液)を得る。次いで、得られたトナー粒子含有液は、遠心分離または吸引濾過により処理して、トナー粒子を分離し、イオン交換水によって1〜3回洗浄する。その際pHを調整することで洗浄効果をより高めることができる。その後、トナー粒子を濾別し、イオン交換水によって1〜3回洗浄し、乾燥することによって、本発明のトナーを得ることができる。
本発明のトナーには、流動性助剤、クリーニング助剤、研磨剤等として、無機粒体および有機粒体を添加することができる。無機粒体としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、酸化セリウム等の通常トナー表面の外添剤として使用される総ての粒子があげられ、有機粒体としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等の通常トナー表面の外添剤として使用される総ての粒子が挙げられる。さらに、滑剤を添加することもできる。滑剤として、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩があげられる。無機粒体のなかでも疎水化されたシリカを必須成分として添加することが好ましい。
本発明に用いられる現像剤がトナーとキャリアとを少なくとも含有する二成分現像剤の場合、用いられるキャリアとしては、特に制限はなく、鉄粉系キャリア、フェライト系キャリアなどそれ自体公知のキャリアを用いることができ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリアを使用することができる。現像剤におけるトナーと、キャリアとの混合比は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<第二実施形態>
本発明の現像装置の第二実施形態を図4を用いて説明する。
図4は、第二実施形態に係る現像装置を示す概略構成図である。第二実施形態に係る現像装置は、第一実施形態に係る現像装置から磁気シャフト12を取り除き、且つ現像スリーブ11の帯電ブレード13が当接する位置に対して上流に供給ロール14を設けたものである。第二実施形態に係る現像装置には、非磁性トナーを含有する一成分現像剤が用いられている。
現像装置1の外観はホッパー40により形成されている。このホッパー40の内部には非磁性トナ−を含有する現像剤Tが充填されているとともに、それを撹拌するオーガー41が設けられている。一方、ホッパー40は、静電潜像担持体5と対峙する部分に開口部を有している。そして、その開口部には現像剤担持体10を備えている。なお、静電潜像担持体5はプラス極性で帯電している静電潜像を保持している。
現像剤担持体10は、図4中矢印Pの方向に回転自在に構成される円筒状の現像スリーブ11を備えている。また不図示の電源装置から現像スリーブ11に所定のバイアス電圧が印加される。さらに、現像スリーブ11には供給ロール14が当接されている。供給ロ−ル14はウレタンゴム製の発泡ゴムロ−ルである。さらに現像スリーブ11の表面には、現像スリーブ11上のトナー量を規制する帯電ブレード13が当接されている。
現像剤Tは供給ロ−ル14により現像スリーブ11に送られ付着する。現像スリーブ11の回転により現像スリーブ11と帯電ブレード13との隙間から、これら部材との摩擦によりマイナスに帯電したトナーを含有する現像剤Tの均一な層が現像スリーブ11表面に形成される。
しかして、現像剤Tの均一な層は現像スリ−ブ11の回転により静電潜像担持体5表面の静電潜像に運ばれて現像される。現像スリ−ブ11と静電潜像担持体5との間には第一実施形態に係る現像装置と同様、現像補助電極であるワイヤ−6が設置される。
現像スリーブ11は、静電潜像担持体5との近接位置(現像領域A)で間隙が200μm程度となるように設定されている。また、この現像スリーブ11は、外径18mm、内径16.5mmの円筒形状アルミニウム管からなる金属基体に塗装樹脂液を、静電ベルを用いたスプレーコーティング法にて塗布し、熱乾燥炉で60℃で加熱乾燥および170℃で30分間加熱硬化して得られたものを用いている。またこの塗装樹脂液は、結着樹脂としてフェノール樹脂(重量平均分子量、Mw=4500)を100質量部、シリコ−ン樹脂20質量部、導電性微粒子としてカーボンブラック20質量部とグラファイト50質量部、希釈剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを100重部とイソプロピルアルコールを50質量部、それぞれ混合し、ガラスビーズ径1mmのサンドグラインドミルにて、回転数2000rpm、2時間分散を行うことにより得られたものを用いている。このような塗布樹脂液を用いることにより前記金属基体の表面に剥離性を有する導電性樹脂層を形成することができる。
現像剤担持体10が回転自在な円筒状の現像スリーブ11を備え、現像スリーブ11として金属基体と前記金属基体の表面に形成された離型性を有する導電性樹脂層とを備える現像スリーブを用いることにより、長期間の使用でも帯電特性に大きな変化がなく常に高画質なプリント画像を得ることができる。
帯電ブレード13の現像スリーブ11に対する当接位置は、現像スリーブ11が静電潜像担持体5と最も近接する位置と現像スリーブ11の中心を結ぶ基準線に対して現像スリーブ11の回転方向上流側に約100度の位置であり、帯電ブレード13の自由端が現像スリーブ11の回転方向の上流側に向くように設置されている。帯電ブレード13の現像スリーブ11に対する当接部はウレタンゴムからなり、厚さ1.7mm、ゴム硬度がJIS Aで63度であり、ウレタンゴムと現像スリーブ11との当接圧力Pは0.3N/cm〜0.7N/cm程度に設定されている。
現像スリーブ11に印加されるバイアス電圧は、例えば交流成分の周波数が2.4kHZ,ピークツーピーク電圧が1000V、直流成分Vdcが−300Vとしている。
また、ワイヤー6に印加する補助バイアス電圧は、例えば交流成分の周波数が2.4kHZ,ピークツーピーク電圧が1000V、直流成分Vdcが−320Vとしている。さらに、現像スリーブ11に印加されるバイアス電圧及びワイヤー6に印加されるバイアス電圧の交流成分は同期している。
ワイヤー6は、ワイヤー6に超音波振動を加えるべく振動付与手段である超音波振動エネルギー発生装置8が設けられている。
なお、第二実施形態に係る現像装置では61kHzの周波数で励起したときに接触先端部53の応答速度0.75cm/秒/Vで、現像バイアス電源と圧電変換素子31のオン/オフのタイミングとを同期させた。
次に、第二実施形態に係る現像装置1の動作を説明する。
図4中の矢印Pで示す方向に現像スリーブ11が回転すると、供給ロ−ル14との接触により、現像剤Tが現像スリーブ11の表面に付着する。その付着した現像剤Tは、現像スリーブ11の回転と共に帯電ブレード13により摺擦され、現像スリーブ11表面で薄層化されるとともに、摩擦により適度に帯電される。
一方、静電潜像担持体5表面には図示しない露光手段により静電潜像が形成されている。その静電潜像の画像部分は−100V、−420V程度の表面電位となっている。このような静電潜像担持体5と現像スリーブ11とは、各々図中矢印P及び矢印Qの方向に回転し、現像領域Aで対峙する。
現像領域Aにおける静電潜像担持体5と現像スリーブ11との間では、現像スリーブ11に印加されるバイアスとワイヤー6に印加されるバイアスとにより交番電界が形成されており、適度な電荷を有する現像剤がこの交番電界内で飛翔し、静電潜像担持体5と現像スリーブ11との間を往復運動する。なお、この往復運動は現像スリーブ11−ワイヤー6間およびワイヤー6―静電潜像担持体5間で現像剤Tの粒子がクラウド状態となり、この現像剤のクラウドは、バイアス電圧の直流成分Vdcにより静電潜像担持体5の静電潜像の画像部分に引き寄せられ、選択的に現像剤が静電潜像担持体5表面に付与され、現像が終了する。なお、現像スリーブ11−ワイヤ−6間の間で激しいたたき出しがあり現像剤Tは比較的容易に現像される。
<第三実施形態>
本発明の現像装置の第三実施形態を図5を用いて説明する。
図5は、第三実施形態に係る現像装置を示す概略構成図である。第三実施形態に係る現像装置は、第一実施形態に係る現像装置における現像スリーブ11の帯電ブレード13が当接する位置に対して上流に供給ロール14を設け、且つ供給ロール14に電荷注入部材である金属ブレード15を当接させたものである。第三実施形態に係る現像装置には、キャリアとトナーとを含有する二成分現像剤が用いられている。
第三実施形態に係る現像装置1の外観はホッパー40により形成されている。このホッパー40の内部には現像剤Tが充填されているとともに、それを撹拌するオーガー41が設けられている。一方、ホッパー40は、静電潜像担持体5と対峙する部分に開口部を有している。そして、その開口部には現像スリ−ブ11内に磁気シャフト12を配置した現像剤担持体10を備えている。なお、静電潜像担持体5はマイナス極性で帯電している静電潜像を保持している。
磁気シャフト12の周面にはそれぞれS極、N極の外部磁場が100KA/m(1Kエルステッド)である磁極が交互に配設されている。また不図示の電源装置から現像スリーブ11に所定のバイアス電圧が印加される。現像スリーブ11の表面にはキャリアが付着している。キャリアの一例としてはMn−Sr−Mgフェライト粒子で体積平均粒子径が35μmで電気抵抗値は109Ωcmのものが挙げられる。
現像スリ−ブ11の表面に接触するように、ホッパ−40の中心部位には供給ロ−ル14と金属ブレ−ド15とからなる注入部位が設けられている。
供給ロ−ル14は導電性シャフト上に109〜1011Ωcmの範囲を有する弾性部材であるシリコ−ンゴム等が巻きつけられてなる。なお、金属ブレ−ド15は供給ロ−ル14の弾性部材に対して0.2mm程度の食い込み量で当接している。
供給ロ−ル14と、供給ロ−ル14との接触面が3.5mmRに加工された金属ブレード15とからなる注入部位の間には、不図示の電源から電圧が印加される。一例としては目的とする極性であるマイナスに整流された高周波パルスバイアス電圧であり10kHzで2kVが加えられる。しかして、この注入部位でトナ−はマイナスに電荷注入されて帯電し、現像スリーブ11の表面に付着したキャリアに供給ロ−ル14の回転で送られる。
金属ブレード15からトナーへ強制的に電荷注入することにより、単位重量あたりの比表面積の大きい小粒径トナーに対しても比較的瞬時かつ安定的に帯電させることが可能となる。
帯電したトナ−は現像スリ−ブ11の回転により静電潜像担持体5上の静電潜像に運ばれて現像されるが、ここで現像スリ−ブ11には現像を助けるために必要なバイアス電圧が印加されている。
現像スリーブ11は、静電潜像担持体5との近接位置(現像領域A)で間隙が200μm程度となるように設定されている。また、この現像スリーブ11は、外径18mm、内径16.5mmの円筒形状アルミニウム管からなる金属基体に塗装樹脂液を、静電ベルを用いたスプレーコーティング法にて塗布し、熱乾燥炉で60℃で加熱乾燥および170℃で30分間加熱硬化して得られたものを用いている。またこの塗装樹脂液は、結着樹脂としてフェノール樹脂(重量平均分子量、Mw=4500)を100質量部、導電性微粒子としてカーボンブラック20質量部とグラファイト50質量部、希釈剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを100重部とイソプロピルアルコールを50質量部、それぞれ混合し、ガラスビーズ径1mmのサンドグラインドミルにて、回転数2000rpm、2時間分散を行うことにより得られたものを用いている。このような塗布樹脂液を用いることにより前記金属基体の表面に剥離性を有する導電性樹脂層を形成することができる。
現像剤担持体10が回転自在な円筒状の現像スリーブ11を備え、現像スリーブ11として金属基体と前記金属基体の表面に形成された離型性を有する導電性樹脂層とを備える現像スリーブを用いることにより、長期間の使用でも帯電特性に大きな変化がなく常に高画質なプリント画像を得ることができる。
現像スリーブ11に印加されるバイアス電圧は、例えば交流成分の周波数が2.4kHZ,ピークツーピーク電圧が1000V、直流成分Vdcが−300Vとしている。また、静電潜像担持体5にはプラス600Vの表面電位を持つ静電潜像が形成されている。
次に、現像装置1の動作を説明する。オ−ガ−10の回転によりトナ−がほぐされて流動し供給ロ−ル14上に付着する。付着したトナ−は供給ロ−ル14の回転により金属ブレード15と接触する。このとき、金属ブレード15に印加された整流されたマイナスのパルスバイアスによる電荷注入によりトナーはマイナスに帯電する。
金属ブレード15から印加されるDC成分の電圧値を−200Vとして、高周波分はマイナスに整流された高周波パルスバイアス電圧であり10KHzで2kVとすることにより、概ねマイナス40μc/gがトナ−に与えられる。
しかして、トナ−は供給ロ−ル14の回転により現像スリ−ブ11に送られる。
供給ロ−ル14は導電性シャフトであるSUS製の20mm径のロール状表面にSnO2などの導電粉を分散した厚さ2mmで比抵抗値109Ωcmを有したゴム硬度40度のシリコーンゴムが巻きつけられてなる。
シリコーンゴムの比抵抗値が低い場合には金属ブレード15との間の電流値が大きくなることによる電源のコストUpや放電マークがトナー層に現れて均一なトナー層が出来ないためキャリアへのトナー供給が得られずソリッド画像が不均一な濃度となってしまう。反対に比抵抗値が高すぎるとトナ−への十分な帯電が得られない。
金属ブレード15は、例えば真鍮からなり、金属ブレ−ド15と供給ロ−ル14との接触面は、この曲率Rがトナ−の体積平均粒子径の100倍未満ではきれいなトナ−層ができず、2000倍よりも大きいと比較的短期間にトナ−中の組成物に汚染されやすい。そこで、金属ブレード15の供給ロール14との接触面の曲率Rは、トナーの体積平均粒子径の100〜2000倍が好ましく、150〜1500倍がさらに好ましく、200〜1000が特に好ましい。本実施形態ではRが3.5mmでトナ−の体積平均粒子径の1000倍としている。
なお、供給ロ−ル14と現像スリ−ブ11との間は電気的な勾配がないように現像バイアスと同じ電圧が供給ロ−ル14にも印加されている。
一方、静電潜像担持体5表面には図示しない露光手段により静電潜像が形成されている。その静電潜像の画像部分は−100V、−420V程度の表面電位となっている。このような静電潜像担持体5と現像スリーブ11とは、各々図5中矢印P及び矢印Qの方向に回転され、現像領域Aで対峙する。
現像領域Aにおける静電潜像担持体5と現像スリーブ11との間では、現像スリーブ11に印加されるバイアスとワイヤー6に印加されるバイアスとにより交番電界が形成されている。これにより、現像スリ−ブ11表面からのトナ−Tのたたき出しが容易となり、かつ2成分現像でのブラシマ−クなどがなく均一な広い面積画像が再現できる。また、非画像部位へトナ−付着がすくなく、結果としてカブリのない画像が得られる。
二成分現像剤を用いた場合、現像剤担持体10(現像スリーブ11)の表面に担持された現像剤の穂立ち量をdとし、静電潜像担持体5と現像剤担持体10(現像スリーブ11)との間隔をgとしたときに、d=g〜1.50×gを満たすことが好ましく、1.20×g〜1.40×gを満たすことがさらに好ましく、1.30×g〜1.35×gを満たすことが特に好ましい。d=g〜1.50×gを満たすことにより、ゴ−スト(文字の無いところに文字跡が出る障害で、例えば濃い文字部の後にハーフトーン部を有する画像の場合、ハ−フト−ン中に白く文字部の跡が見えたり、あるいは逆にハ−フト−ン中に濃く文字の跡が見える現象)がなく常に高画質なプリント画像が得られる。
なお、現像スリーブ11−静電潜像担持体5間の間隙は200μmあるが本実施形態では現像剤の穂立ち量dを260μmとした。
必要に応じて現像スリ−ブ11上に帯電ブレードをもうけることによりキャリアの厚みを調整してもよい。
しかして、トナーは比較的容易に現像される。また、適度なキャリアからの周擦力で非画像部のトナ−付着が防げてカブリが無く、トナーとして小粒径トナーを用いることにより高解像度でパイルハイトの小さい高画質のプリント画像が得られる。
一方、現像を終えた現像スリ−ブ11上のキャリアには使われなかったトナ−が残るが再び供給ロ−ル14からのトナ−供給を受けて補充され次の現像時に使用される。
なお、現像装置1ではトナ−の濃度調整を意図的には行わなくてもよい。トナ−の濃度はキャリアと供給ロ−ルとの付着力のバランスで自然にコントロ−ルされている。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体の表面に形成された潜像を、現像剤担持体の表面に担持された現像剤に含有されたトナーにより現像する現像装置を少なくとも備えた画像形成装置であって、前記現像装置として本発明の現像装置を用いるものである。本発明の現像装置を用いることにより、高画質画像を形成することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
(樹脂微粒子の調製)
スチレン(和光純薬社製) 325質量部
nブチルアクリレート(和光純薬社製) 75質量部
βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華社製) 9質量部
1、10デカンジオールジアクリレート(新中村化学社製) 1.5質量部
ドデカンチオール(和光純薬社製) 2.7質量部
以上の成分を混合溶解して原料溶液413.2質量部を用意し、アニオン性界面活性剤(ダウファックス、ダウケミカル社製)4質量部をイオン交換水550質量部に溶解したものに、前記原料溶液を加えてフラスコ中で分散・乳化し、10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム6質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入し、次いで、系内を窒素で十分に置換した後、フラスコを攪拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続して、アニオン性の樹脂微粒子分散液を得た。得られた樹脂微粒子の中心粒径は196nm、固形分量は42%、ガラス転移点は51.5℃、重量平均分子量Mw32400であった。
(磁性粉分散液の調性)
珪酸ソーダ2500質量部を含む1.8mol/LのNaOH水溶液31000質量部に1.6Nの硫酸第1鉄水溶液19000質量部を添加してFe(OH)2を含む硫酸第1鉄水溶液を得た。次に、Fe(OH)2を含む硫酸第1鉄水溶液に90℃の温度で毎分100Lの空気を通気してマグネタイトを含む水溶液の生成反応を行った。次いで、6N水酸化ナトリウム水溶液1600質量部を加え、pH12で温度90℃の空気100L/分を十分通気して珪素原子含有マグネタイト粒子を得た。
得られた珪素原子含有マグネタイトは体積平均粒子径が0.17μm、蛍光X線分析の結果、珪素含有量は4.8質量%であり、また、X線回折の結果、珪素のピークが認められた。
上記珪素原子含有マグネタイト 49質量部
イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬) 1質量部
イオン交換水 250質量部
以上の成分を混合し、ホモジナイザー(ウルトラタラックス、IKA社製)で10分予備分散した後に、対向衝突型湿式粉砕機(アルティマイザー、杉野マシン社製)を用い圧力245Mpaで15分間分散処理を行って磁性粉分散液を得た。
(離型剤分散液の調製)
ポリエチレン系ワックス(PolyWax850 、東洋ペトロライト社製)
200質量部
イオン界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬社製) 10質量部
イオン交換水 630質量部
以上の成分を130℃に加熱した後、ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社製)を用いて560kg/cm2の圧力の下で30分間分散処理を行った。その後、50℃まで冷却して離型剤分散液を得た。得られた離型剤分散液中の離型剤の体積平均粒子径は200nmであり、固形分濃度は25質量%であった。
(着色剤分散液の調製)
カーボンブラック(キャボット社製:モーガルL) 50質量部
非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を混合し、溶解し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散し、体積平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)を分散させてなる着色剤分散液を調製した。
上記作成した各分散液を以下の処方で丸型ステンレス製フラスコ中に計量してウルトラタラックス(T50、IKA社製)を用いて十分に混合・分散した。
樹脂微粒子分散液 50質量部
磁性粉分散液 70質量部
離型剤分散液 50質量部
着色剤分散液 15質量部
次いで、この分散液にポリ塩化アルミニウム0.4質量部および1N硝酸を加え分散液のpHを2.5に調整した。次いで、ウルトラタラックスで分散操作を分散粒子が5μmを超える物が10体積%以下になるまで継続し、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら40℃まで加熱した。40℃で60分保持した。このときフラスコ中の粒子径を測定したところ2.7μmであった。その後、さらに樹脂微粒子分散液を緩やかに30質量部を追加し60分保持した。このときフラスコ中の粒子径を測定したところ3.3μmであった。その後、0.5規定の水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6.5に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3000質量部に再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。これをさらに5回繰り返し、濾液のpHが7.01、電気伝導度9.8μS/cm、表面張力が71.1Nmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続して実施例1の小粒径磁性トナー粒子を得た。
得られた磁性トナー粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、体積平均粒子径D50vは3.5μmであり、粒度分布が1.5μm以下を示すトナ−の割合は8個数%、4μm以上のトナ−の割合は3体積%であった。また、ルーゼックスFTによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は125でやや球状から外れたものであった。なお、トナー中の磁性粉濃度は32.5質量%であった。VSM磁化特性測定機にて測定したところ、飽和磁化は21.1Am2/kgを有していた。
得られた小粒径磁性トナー粒子100質量部に対して、疎水性シリカ10質量部、酸化チタン10質量部をヘンシェルミキサーで混合外添し得たものを、現像剤Tとして使用した。
前述に示した凝集合一の条件(凝集時間と凝集温度)を変更して体積平均粒子径が2.5、5.1、7.3、9.0、11.5、15.0μmの磁性トナー粒子をそれぞれ含有する現像剤を作成した。粒子径は粒子凝集工程の温度と時間とを変えることでコントロ−ルすることが出来たものを用いた。トナ−の凝集時の製造条件とトナ−粒子径を表1に示した。
Figure 2006091560
上記現像剤を用い、富士ゼロックス製複合機 DocuCentre230に第一実施形態に係る現像装置を取り付けてプリントテストを実施した結果を表2に示した。
なお、比較例として第一実施形態に係る現像装置からワイヤー6を取り除いた場合と第1実施形態の現像装置において超音波振動を付与しなかった場合についてもプリントテストを実施し、画像効率を評価した。
ベタ画像での現像効率を以下の式で求めた。表2で示した現像効率は静電潜像担持体5上に現像された現像剤の量(T’)と現像スリ−ブ11上の現像剤の量Tを実測して以下の式にて算出した。
現像効率=現像剤の量(T’)/(現像剤の量T×周速比)×100 (%)
なお、上記式において周速比とは下記値をいう。
周速比=現像スリ−ブ11の周速度 / 静電潜像5の周速度
Figure 2006091560
表2において、現像効率(%)が90%以上を○、70〜90%が△、70%未満を×とした。
[実施例2]
実施例1で作成した各分散液を以下の処方で丸型ステンレス製フラスコ中に計量してウルトラタラックス(T50、IKA社製)を用いて十分に混合・分散した。
樹脂微粒子分散液 100質量部
離型剤分散液 50質量部
着色剤分散液 15質量部
これを実施例1と同様の方法で小粒径非磁性トナー粒子を得た。
得られた非磁性トナー粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、体積平均粒子径D50vは3.5μm、粒度分布が1.5μm以下を示すトナ−の割合は7個数%、4μm以上のトナ−の割合は2体積%であった。また、ルーゼックスFTによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は115.9でほぼ球状であることが観察された。得られた小粒径非磁性トナー100質量部に対して、疎水性シリカ10質量部、酸化チタン10質量部をヘンシェルミキサーで混合外添し得たものを、現像剤Tとして使用した。
実施例1と同様にして凝集合一の条件(凝集温度、時間)を変更して2.5μm〜15μmの非磁性トナー粒子を含有する現像剤を作成した。富士ゼロックス製複合機 DocuCentreColor500プリンタ−に第二実施形態に係る現像装置を取り付けてプリントテストを実施し、現像効率及びカブリを評価した。その結果を表3に示した。また、比較例として第二実施形態に係る現像装置からワイヤー6を取り除いた場合と第二実施形態に係る現像装置において超音波振動を付与しなかった場合についても評価した。現像効率は実施例1と同様に評価した。また、カブリは出力されたプリント画像の非画像部位を25倍のル−ペで目視観察して50μm以上色点がある場合は×、また50μm以下であっても1mm2角に50μm以下の色点が10個以上を×、5から10個までを△、5個以下を〇と評価した。
カブリはプリント画像の非画像部位の全ての場所を観察し、局部的であっても以上の要件を満たさなければ〇と判定していない。
Figure 2006091560
実施例2では評価指標としてカブリを加えた。この理由は、非磁性一成分現像の場合現像剤Tに磁気的な束縛力が無いため飛翔した現像剤Tが潜像担持体5の非画像部位にも付着してしまうためである。従って、現像不良ぎみではカブリがないが加現像ではカブリが発生しやすいものである。
表3に示した評価結果からわかるようにワイヤ−6に超音波を印加した場合では現像とカブリとが両立してかつ維持性も良好であることがわかる。
[実施例3]
下記方法によりカラートナーを作成した。
Yellow色トナ−はY−185(BASF株式会社製 着色剤)、Magenta色トナ−はマゼンタ顔料(大日精化製 Red F312マゼンタ着色剤)、Cyan色トナ−はシアン顔料(BASF株式会社製 銅フタロシアニンL7080青色着色剤)の各70質量部をアニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)10質量部とイオン交換水490質量部をそれぞれ混合し、溶解し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散し、体積平均粒子径が100nmである着色剤を分散させてなる着色剤分散液(1)を調製して実施例2と同様にして各色の小粒径カラ−トナ−を作成した。この小粒径カラートナーに実施例2と同様の方法で外添剤を加えた後、実施例2と同様にしてプリントテストを実施したところ、初期から100000プリントにおいても高品位で鮮明なカラ−画像が変化が殆ど無く安定して得られた。
[実施例4]
実施例1で用いた各分散液を以下の割合にし、実施例1と同様の方法でトナーを作製した。
樹脂微粒子分散液 80質量部
磁性粉分散液 70質量部
離型剤分散液 50質量部
着色剤分散液 50質量部
得られた磁性トナー粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、体積平均粒子径D50vは3.5μm、粒度分布が1.5μm以下を示すトナ−の割合は10個数%以下、4μm以上のトナ−の割合は4体積%以下であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は115.9で球状であることが観察された。
なお、トナー粒子中のカーボンブラック黒色顔料の着色剤濃度は約12%であり、洗浄工程で若干量の遊離磁性粉が確認された。さらに、誘電損率を測定したところ、52を示していた。得られた小粒径トナー100質量部に対して、疎水性シリカ10質量部、酸化チタン10質量部をヘンシェルミキサーで混合外添した。このトナー5質量部に、DocuCentreColor500に使用されているキャリア100質量部を加えて現像剤とした。
第三実施形態に係る現像装置及び実施例4に係る現像剤を用いて金属ブレード15を備えた注入部位の間に印加されるDC成分の電圧値とトナー帯電量との関係を測定した。トナー帯電量は電荷量測定器(例えば、ケースレー社610C)を用いて求めた。
得られた結果を図6に示す。−200Vの印加でほぼ飽和帯電量として概ねマイナス40μC/gがトナ−に与えられていることがわかる。
図6は誘電損率が52を示したトナーの結果を示すものであるが、着色剤として用いるカーボンブラックの含有量をかえてトナーの誘電損率を変化させて同様ににテストした場合の結果を図7に示した。図7からわかるように、誘電損率が30以上100未満の範囲が望ましいことがわかる。
本実施例の場合は着色剤としてカ−ボンブラック用いた場合であるが、この場合では濃度C(%)は8質量%〜20質量%範囲で誘電損率を30〜100の範囲に収めることが出来た。しかし、着色剤としてCyan色の銅フタロシアニンを用いた場合には濃度C(%)が8質量%程度では誘電損率を30未満となってしまうため後述する実施例6で説明するように誘電特性制御剤などを添加することで誘電損率を調製出来る。
第三実施形態に係る現像装置の金属ブレード15の供給ロ−ル14との接触面の曲率Rを変化させて、現像スリーブ11上のトナー層の状態、および100000プリント後の金属ブレード15表面の汚染状況を観察した。その結果を表4に示す。
トナー層の状態の評価基準は、トナー層が均一であれば○、トナー層にスジがわずかにみられれば△、トナー層が不均一であれば×とした。金属ブレード15表面の汚染状況は、汚染がほとんどなければ○、わずかに汚染がみられれば△、汚染が激しければ×とした。
この実験例では供給ロール14表面のシリコーンゴムへの接触が深さ方向に0.2mm程度金属ブレ−ド15を押し込んだ状態で実施しているが0.1mm〜0.3mmの範囲で条件を変えてもトナー層の状態、金属ブレード15表面へのトナ−中の組成物による汚染度合いは大きな差異はなかった。なお、環境を高温・高湿(28℃、85%RH)環境から低温・低湿(10℃、15%RH)の範囲まで変えてテストを行ったがトナ−帯電量やトナ−層の状態には大きな変化はなく安定していた。
Figure 2006091560
表4から金属ブレ−ド15の先端の曲率があまり小さいと、トナ−層の状態が悪くまた短期的に汚染が発生するため使えないこと、また、大きすぎても長期ランでトナ−層が不安定となり、汚染も発生して良くないことから金属ブレ−ド15の先端の曲率には良好な範囲があるということが判る。
実施例4に係る現像剤を用い、富士ゼロックス製複合機 DocuCentre230に第三実施形態に係る現像装置を取り付けて実施例1と同様にプリントテストを実施した結果を表5に示した。
なお、比較例として第三実施形態に係る現像装置からワイヤー6を取り除いた場合と第三実施形態の現像装置において超音波振動を付与しなかった場合についてもプリントテストを実施し、画像効率を評価してその結果を表5に示した。
Figure 2006091560
表5からワイヤーが無い場合は、[1]とくに小粒径トナ−では現像効率が激しく落ちてしまうこと、[2]また、ワイヤーを装着した場合でも小粒径トナ−では現像効率やや現像効率が悪く、維持性が極端に落ちてしまうことがわかる。[3]超音波振動を与えたワイヤーを装着した場合は、小粒径トナ−でも極端に現像効率が落ちるようなことは無くなる。さらに、維持性も良好である。
小粒径トナ−では初期的な段階から超音波振動を与えたワイヤーを装着しなければならないことがわかる。
[実施例5]
第三実施形態に係る現像装置の金属ブレード15を、SUS製の金属板バネの端部に厚さ1mmの半導電性のシリコーンゴムを接着し、供給ロール14表面と半導電性のシリコーンゴムとが接するように構成したものに変更した。
実施例4では200000枚プリント以上の操作をおこなうと若干金属ブレード15表面がトナ−組成物によりよごされて電荷注入による帯電が小さくなる傾向(35±5μc/g)があり問題にはならない範囲ではあるが変動していた。金属ブレード15をSUS製の金属板バネの端部に接着した半導電性のシリコーンゴムに変更することで、帯電が全く変化が無く常に40±5μc/gの範囲におさまった。この理由は、半導電性のシリコーンゴム表面がトナ−中の外添剤で極僅かに削れて常に新しい面が形成されているためであること、弾性体の接触でトナ−に加わる応力が分散して摩擦力が小さくなったためであると考えられる。
実施例4に係る現像剤を用い、富士ゼロックス製複合機 DocuCentre230に第三実施形態に係る現像装置を取り付けて実施例1と同様にプリントテストを実施した結果を表6に示した。
なお、比較例として第三実施形態に係る現像装置からワイヤー6を取り除いた場合と第三実施形態の現像装置において超音波振動を付与しなかった場合についてもプリントテストを実施し、画像効率を評価してその結果を表6に示した。
Figure 2006091560
表6からワイヤーが無い場合は、[1]とくに小粒径トナ−では現像効率が激しく落ちてしまうこと、[2]また、ワイヤーを装着した場合でも小粒径トナ−では現像効率が悪く、維持性が極端に落ちてしまうことがわかる。[3]超音波振動を与えたワイヤーを装着した場合は、小粒径トナ−でも極端に現像効率が落ちるようなことは無くなる。さらに、維持性も良好である。
小粒径トナ−では初期的な段階から超音波振動を与えたワイヤーを装着しなければならないことがわかる。基本的には実施例4と同様ではあるが維持性能という観点で本発明の場合はさらに良好なことがわかる。
[実施例6]
着色剤の色を変えてイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の4色の小粒径トナ−を下記の着色剤を用いて作成した。
(着色剤分散液の調製)
Y色としてFast Yellow 7410(山陽色素社 製)、M色としてRed F−218(大日精化社 製)、C色としてFastogen Blue CT−BX130(大日本インキ社 製)およびK色としてはモ−ガルL(キャボット社 製)を着色剤として用いた。
着色剤 50質量部
誘電特性制御剤(チタン酸バリウム) 1質量部
非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を混合し、溶解し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散し、体積平均粒子径が250nmである着色剤を分散させてなる着色剤分散液をそれぞれの着色剤について調製した。上記作成した各分散液を以下の処方で丸型ステンレス製フラスコ中に計量してウルトラタラックス(T50、IKA社製)を用いて十分に混合・分散した。
樹脂微粒子分散液 80質量部
離型剤分散液 50質量部
着色剤分散液 50質量部
次いで、この分散液にポリ塩化アルミニウム0.4質量部および1N硝酸を加え分散液のpHを2.5に調整した。次いで、ウルトラタラックスで分散操作を分散粒子が2μmを超える物がなくなるまで継続し、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら40℃まで加熱した。40℃で60分保持した。このときフラスコ中の粒子径を測定したところ2.7μmであった。その後、さらに樹脂微粒子分散液を緩やかに30質量部を追加し60分保持した。このときフラスコ中の粒子径を測定したところ3.3μmであった。その後、0.5規定の水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6.5に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3000質量部に再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。これをさらに5回繰り返し、濾液のpHが7.01、電気伝導度9.8μS/cm、表面張力が71.1Nmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続して4色の小粒径カラ−トナー粒子を得た。
得られたカラ−トナー粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、体積平均粒子径D50vは3.5μm、粒度分布が1.5μm以下を示すトナ−の割合は10個数%以下、4μm以上のトナ−の割合は10体積%以下であった。ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は125.9であることが観察された。得られた小粒径カラ−トナー100質量部に対して、疎水性シリカ10質量部、酸化チタン10をヘンシェルミキサーで混合外添し得たものを、トナ−として使用した。
各色トナ−の誘電損率を測定したところそれぞれに以下の値であり、30〜100の範囲に収まっていることが確認された。
Yellowトナー 50
Magentaトナー 61
Cyanトナー 38
黒トナー 52
実施例4と同様にして現像装置にいれてトナ−帯電性を調べた結果を図8に示した。図8に示した如く本発明の現像装置を用いれば色の違いによる帯電性の変化は殆ど見られない。
この各色トナ−を投入した第三実施形態に係る現像機を富士ゼロックス製プリンタ− DocuCentreColor500に取り付けてプリントテストしたところ鮮明なカラ−画像が得られた。プリント画像のプロセスブラック部位(Y,M,C色の三色が重なったところ)はトナ−による厚みが小さく印刷並みの仕上がりを示した。また、プリント操作を1000000プリントしても画像劣化が見られず初期の鮮明な画像を維持していた。
[実施例7]
実施例6で誘電特性制御剤を3質量部とした以外は同様にしてカラートナーを作成して各色トナ−の誘電損率を測定したところそれぞれに以下の値であり、30〜100の範囲に収まっていることが確認された。
Yellowトナー 88
Magentaトナー 90
Cyanトナー 75
これを実施例6と同様にしてプリントテストしたところ鮮明なカラ−画像が得られた。しかしながら、解像度は実用上は気にならないレベルではあるがやや悪くなってしまった。これは転写時にトナ−に転写部材側からの電荷注入があるためで転写ベルト上の転写像はそのまわりにトナ−の若干の飛び散りがみられた。
[実施例8]
富士ゼロックス製カラ−プリンタ−DocuCentreColor500の転写部と定着部とを特開平5−232826号公報に記載の画像記録装置に変更した。具体的には、静電潜像担持体表面に形成されたトナー像を、通電により発熱する抵抗シートから構成される中間転写体を介して被記録媒体上に転写定着を行うものである。抵抗シートから構成される中間転写体に通電して発熱させ、その熱によりトナー像を定着させることができるものである。
さらに現像装置を第三実施形態に係る現像装置に変更してプリントテストを行った。用いたトナーは実施例7と同様とした。上述の画像記録装置により、トナーの飛び散りが皆無で高品位なカラープリント画像が得られた。
第一実施形態に係る現像装置を示す概略構成図である。 第一実施形態に係る現像装置を図1の矢印X方向からみた要部拡大図である。 超音波振動エネルギー発生装置の構成の一例を示す概略構成図である。 第二実施形態に係る現像装置を示す概略構成図である。 第三実施形態に係る現像装置を示す概略構成図である。 誘電損率が52を示したトナーに対するDC成分の電圧値とトナー帯電量との関係を示す図である。 誘電損率が22〜300を示したトナーに対するDC成分の電圧値とトナー帯電量との関係を示す図である。 カラートナーに対するDC成分の電圧値とトナー帯電量との関係を示す図である。
符号の説明
1 現像装置
5 静電潜像担持体
6 ワイヤー
8 超音波振動エネルギー発生装置
10 現像剤担持体
11 現像スリーブ
12 磁気シャフト
13 帯電ブレード
14 供給ロール
15 金属ブレード
30 後ろ板
31 圧電変換素子
40 ホッパー
41 オーガー
50 ホーン部材
51 プラットフォーム部
52 ホーン先端部
53 接触先端部

Claims (3)

  1. 静電潜像担持体の表面に形成された潜像を、現像剤担持体の表面に担持された現像剤により現像する現像装置であって、
    前記現像剤担持体と、前記静電潜像担持体と前記現像剤担持体との間に設けられたワイヤーと、直流電圧に交流電圧を重畳した高圧電圧を前記ワイヤーに印加する第一の印加手段と、前記ワイヤーに超音波振動を付与する振動付与手段と、を少なくとも備えた現像装置。
  2. 静電潜像担持体の表面に形成された潜像を、現像剤担持体の表面に担持された現像剤により現像するとともに、前記静電潜像担持体と前記現像剤担持体との間にワイヤーの設けられた現像装置の現像方法であって、
    前記ワイヤーに直流電圧に交流電圧を重畳した高圧電圧を印加しながら超音波振動を付与する現像方法。
  3. 静電潜像担持体の表面に形成された潜像を、現像剤担持体の表面に担持された現像剤により現像する現像装置を少なくとも備えた画像形成装置であって、
    前記現像装置は、前記現像剤担持体と、前記静電潜像担持体と前記現像剤担持体との間に設けられたワイヤーと、直流電圧に交流電圧を重畳した高圧電圧を前記ワイヤーに印加する第一の印加手段と、前記ワイヤーに超音波振動を付与する振動付与手段と、を少なくとも備えたものである画像形成装置。
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